JP2013013376A - 発酵熱利用システム及び発酵熱利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発酵槽からの効率的な熱抽出と、熱の安定確保を実現することができ、利用側の要求に応じて温度制御を行うことが可能な発酵熱利用システム及び発酵熱利用方法を提供する。
【解決手段】 発酵槽2と、熱媒体6を収容する蓄熱槽3と、蓄熱槽3内の熱媒体6を発酵槽2内に循環させる第1の通水配管(循環経路)5と、蓄熱槽3内の熱媒体6を熱利用対象4内に循環させる第2の通水配管(循環経路)7とを備える。発酵槽2で発生した発酵熱を蓄熱槽3において蓄熱するとともに、蓄熱した熱を蓄熱槽3内の熱媒体6を第2の通水配管7により熱利用対象4内に循環させることにより熱利用対象4の加熱に利用する。
【選択図】 図1
【解決手段】 発酵槽2と、熱媒体6を収容する蓄熱槽3と、蓄熱槽3内の熱媒体6を発酵槽2内に循環させる第1の通水配管(循環経路)5と、蓄熱槽3内の熱媒体6を熱利用対象4内に循環させる第2の通水配管(循環経路)7とを備える。発酵槽2で発生した発酵熱を蓄熱槽3において蓄熱するとともに、蓄熱した熱を蓄熱槽3内の熱媒体6を第2の通水配管7により熱利用対象4内に循環させることにより熱利用対象4の加熱に利用する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発酵槽からの効率的な熱抽出と熱の安定確保を実現することが可能な新規な発酵熱利用システム及び発酵熱利用方法に関する。
地域資源の有効利用は、里山里海保全に関連して重要であり、例えば地域資源の一つである竹チップ(林産廃棄物)の堆肥化に関する検討が進められている。竹チップの堆肥化では、竹チップに含まれるリグノセルロース系有機物が酸素を取り入れて二酸化炭素とメタンガスを排出する分解プロセスにて行われる。この分解が遅いため、堆肥化はゆっくりと進み、かつ、発酵過程で臭気の発生が殆どないのが特徴である。
日本の竹林面積はおおよそ15万6千ha、石川県の森林面積に占める竹林面積の割合が0.7%(2.1千ha)であることを考えると、これを有効利用することができれば、大きな資源になるものと期待される。
しかしながら、竹チップ等の森林廃棄物の資源化については、燃料化等は徐々に進められてきてはいるが、発酵熱利用としての研究例は、そのエネルギーレベルがエクセルギー的に極めて低いことからほとんど知られていない。また、これまでの堆肥発酵熱の利用研究では、実用レベルにまで到達していないのが現状である。
一方で、竹チップ堆積層は、常温より高い温度が長期にわたって持続し、安定熱源であること、且つ、前述の通り、発熱過程の臭いの揮散がほとんどないという特徴を有することから、発酵熱についての利用可能性は十分にあるものと考えられる。
実際、例えば特許文献1において、竹チップ材の堆積床の熱を利用する技術も提案されている。特許文献1記載の発明は、竹チップ材の堆積熱を、温水として通水管により循環させ、温室のハウスや水耕栽培のハウス、養殖温水槽等の補助熱エネルギーとして利用する熱利用通水管装置に関するものであり、竹チップの発熱する堆積床に複数本の熱回収通水管を埋設し、その堆積床の近くの熱利用施設にも、複数本の熱利用通水管を埋設し、それら両通水管を通して温水を送給ポンプで循環させ、熱利用施設の温度を上昇させるようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載される技術は、回収熱量と利用熱量に関する量的な裏付け情報がほとんどなく、外乱変動を考慮していないこと等の理由から、熱利用施設側の要求に応じた熱制御を行うのは難しいという問題がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、発酵槽からの効率的な熱抽出と、熱の安定確保を実現することができ、利用側の要求に応じて温度制御を行うことが可能で、長時間継続的で且つ厳格な温度管理が要求されるような用途にも対応することが可能な発酵熱利用システム及び発酵熱利用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために種々の研究を重ねてきた。その結果、発酵槽−水間熱交換プロセスの伝熱モデルを体系化し、発酵熱の効率的回収モデルを構築し、外乱変動(外気温、発熱速度等)を考慮した非定常解析による制御アルゴリズムの確立を行うことにより、本願発明を案出するに至った。
すなわち、本発明の発酵熱利用システムは、発酵槽と、熱媒体を収容する蓄熱槽と、蓄熱槽内の熱媒体を発酵槽内に循環させる第1の循環経路と、蓄熱槽内の熱媒体を熱利用対象内に循環させる第2の循環経路とを備え、前記発酵槽で発生した発酵熱を前記蓄熱槽において蓄熱するとともに、蓄熱した熱を蓄熱槽内の熱媒体を第2の循環経路により熱利用対象内に循環させることにより熱利用対象の加熱に利用することを特徴とする。
また、本発明の発酵熱利用方法は、発酵槽内を循環させた熱媒体を蓄熱槽内に収容して蓄熱するとともに、蓄熱槽内の熱媒体を熱利用対象内に循環させて加熱することを特徴とする。
本発明の発酵熱利用システム及び発酵熱利用方法においては、第1の循環経路により蓄熱槽内の熱媒体を発酵槽内に循環させることで、発酵槽内部の反応を阻害せず、発生熱のみが効率的に蓄熱槽へと移行される。また、第1の循環経路による熱回収により、蓄熱槽内の熱媒体は、発酵槽とほぼ同一の温度が保たれる。
この一定温度に保たれた蓄熱槽内の熱媒体を、利用側(熱利用対象)の要求に応じて第2の循環経路で熱利用対象内に循環させれば、熱利用対象が所定の温度に維持される。仮に外乱変動があったとしても、非定常解析による制御アルゴリズムの確立により、長期間継続的で且つ厳格な温度管理が実現される。
本発明によれば、発酵槽からの効率的な熱抽出と熱の安定確保を実現することが可能であり、これまで廃棄されていた消費エネルギーを別の用途に使用することができるという利点を有する。すなわち、本発明により、伐採された竹等の森林資源に蓄積された太陽エネルギーを効率的に利用することができ、省エネルギーにも繋がり、カーボンニュートラルの視点からも地球環境保全に貢献することが可能である。
以下、本発明を適用した発酵熱利用システム及び発酵熱利用方法について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の発酵熱利用システムは、図1に示すように、発酵材料1が収容され発酵熱を発生する発酵槽2と、発酵槽2で発生した発酵熱を蓄熱する蓄熱槽3とを備えており、蓄熱槽3に回収された熱を利用して熱利用対象4を加熱、加温するものである。そして、発酵槽2と蓄熱槽3の間には、第1の通水配管5(第1の循環経路に相当)が設けられており、蓄熱槽3内の熱媒体6が図示しない第1のポンプによってこの第1の通水配管5内で循環される。同様に、蓄熱槽3と熱利用対象4の間にも第2の通水配管7(第2の循環経路に相当)が設けられており、蓄熱槽3内の熱媒体6が図示しない第2のポンプによってこの第2の通水配管7内にも循環される。
発酵槽2内に収容される発酵材料は、発酵により熱を生ずるものであれば如何なるものであってもよいが、資源の有効利用という観点から、伐採され廃棄されている森林資源を利用することが好ましい。特に、発酵による発熱が長期間持続し、発酵過程で臭気の発生が殆どない竹類を用いることが最も好ましい。
竹類としては、真竹、孟宗竹、笹竹等、任意のものを使用することができ、使用部位も、幹、枝葉、根等、特に限定されない。資源の有効利用、及び発酵促進等を考慮すると、伐採した竹類の全部を破砕して用いることが好ましい。竹チップ層1m3当たりの発熱速度は50〜100kJと小さいものの、高温状態が1〜2年間も続くことが解明されている。
前記竹類は、適当な大きさに破砕して発酵に供することが好ましい。破砕物の大きさとしては、概ね1cm〜5cm程度が好ましく、破砕物がこれよりも大きすぎると、第1の通水配管5に対する接触面積が少なくなって、効率的な熱回収が難しくなるおそれがある。逆に、破砕物の大きさが1cm未満になると、破砕物が緻密に詰まりすぎ、空気の自然流通(拡散)による材料の分解が妨げられ、継続的な発酵の妨げとなるおそれがある。
また、発酵槽2内は、適度な水分(例えば水分60%程度)を含むことが好ましく、これにより発酵に適した環境が形成される。前記水分は、竹類等が有する水分で賄ってもよいし、別途供給し、適正な水分量となるように調整してもよい。
さらに、発酵槽2の容量であるが、発酵槽2の容量があまり小さ過ぎると、外乱変動(外気温等)の影響を大きく受けることになって、定常的な発酵を維持することが難しくなるおそれがある。したがって、10m3以上とすることが好ましい。
一方、蓄熱槽3内には熱媒体6が収容され、第1の通水配管5や第2の通水配管7で循環されるが、前記熱媒体6としては、熱容量が大きく伝熱効率の良いものであれば任意の媒体が使用可能である。最も熱容量が大きく、コストも安い水を用いるのが好ましいと言える。また、例えば寒冷地等においては、不凍液を用いることも可能である。不凍液を用いることで、不用意な凍結を防止することができ、第1の通水配管5や第2の通水配管7の破損等を防止することができる。
蓄熱槽3は、断熱を十分に行うことが理想であるが、蓄熱槽3の壁面等からの放熱を伝熱係数等を勘案して計算を行い、熱媒体6の発酵槽2への循環速度等を調整することで、一定温度に保つことも可能である。また、蓄熱槽3においても、一定の温度を維持するためには、ある程度の容量は必要である。
蓄熱層3内の熱媒体6を発酵槽2内で循環させる第1の通水配管5は、金属等、熱伝導の良好な材料で形成してもよいし、プラスチック等の材料で形成しても良い。発酵槽2内への引き回しの容易さ等の観点からは、ある程度の可撓性を有するプラスチック材料により形成することが好ましい。ただし、発酵槽2内を引き回した際に、押し潰されてしまうような軟らかい材料でないことが必要である。
第1の通水配管5の発酵槽2内での引き回しに際しては、蛇行させたり、ループ状に配する等、効率的な熱回収が可能なように配設することが好ましい。また、引き回される第1の通水配管5の間隔も適正に設計することが好ましい。第1の通水配管5の間隔が小さ過ぎると、発酵槽2内の温度が下がり、円滑な発酵の妨げとなる可能性がある。逆に、第1の通水配管5の間隔が大き過ぎると、熱交換効率が低下するおそれがある。
熱利用対象4に循環させる第2の通水配管7についても同様であるが、その形態や材質等は、循環させる熱利用対象に応じて任意に選定すればよい。
熱利用対象4についても、任意の用途に利用することができるが、例えば前述の竹類を発酵材料に使用する場合、30℃以下程度の加熱、加温が要求される用途に好適である。具体的には、土壌の加温、陸上養殖水槽の保温、駐車場等の融雪装置、穀物の低温乾燥等である。
なお、熱利用対象4には、補助熱源8を設置しておくことも好ましい態様である。勿論、蓄熱槽3からの熱のみで温度を維持するのが理想的であるが、予想を超える外乱変動があった場合や、発酵槽2から発生する発酵熱のみでは不足する場合に備え、前記補助熱源8を設置しておけば、より安定な温度管理が可能になる。設置する補助熱源8は、電気温熱器等、任意の加熱装置が使用可能である。
以上が本発明を適用した発酵熱利用システムの概略構成であるが、次に、このシステムを用いた発酵熱利用方法について説明する。
前記発酵熱利用システムでは、発酵槽2内で発生した発酵熱を利用して熱利用対象の加熱、加温を行う。その際、先ず、発酵槽2内で定常的な発酵を継続させる必要がある。例えば、発酵材料として竹チップを用いた場合、発酵槽2内に堆積させ、適正な水分量に調整すると、発酵が始まるが、最初は竹類が含む栄養成分による発酵が進み、発酵槽2内の温度が急激に上昇する。この栄養成分の発酵が終わると、竹チップに含まれるリグノセルロース系有機物等が分解される発酵が進み、一定の温度状態が持続される。
前記発酵の開始後、蓄熱槽3内の熱媒体6を第1の通水配管5にポンプによって送り込み、発酵槽2内を循環させて熱交換を行い、蓄熱槽3内に回収することで蓄熱される。すなわち、蓄熱槽3内の温度が次第に上昇し、一定の温度に保たれる。
次に、熱利用対象4からの要求に応じて、蓄熱槽3内の熱媒体6を第2の通水配管7を通じて熱利用対象4へと循環させる。これにより、熱利用対象4が所定の温度に加熱、加温される。
例えば、特許文献1記載の発明においても、竹チップの発酵熱を利用して熱利用施設を加熱している。しかしながら、特許文献1記載の方法では、発酵槽で熱回収した温水をそのまま熱利用施設に循環させているため、熱利用施設側の要求に応じた加熱、加温は難しい。また、外乱変動への対応も難しい。
本願発明では、発酵槽2で発生した発酵熱を一度蓄熱槽3に回収し、容量の大きな蓄熱槽3を一定温度に維持している。そのため、熱利用対象4側の要求に応じて、供給する熱量の制御を行うことが可能である。また、一定の温度に維持する等、厳格な温度管理が可能である。
次に、本発明の発酵熱利用システムにおける伝熱理論に基づく設計モデル計算例について説明する。
1.最大発熱速度G0算定に必要な計算式
イ.発熱速度G(T)と温度Tの関係式
本熱回収操作の対象となる発酵は、2次発酵に相当する。発酵速度は、好気−嫌気共存下に起こるリグノセルロース(難分解有機物)分解過程で、基質(有機物)が豊富であるため、近似的に温度のみの関数とみなすことができる。発酵速度は温度T*になるまでは温度と共に上昇するが、それ以上の温度では温度ともに低下する。発熱速度G(T)は、発酵速度(反応速度)に比例する。以上を考慮し、ここでは発熱速度G(T)
を次式(1)で表わす。ただし、T*,a1,a2,b1,b2は素材の特性に関係する定数であり、予め分かっている。しかしながら、この式を適用するには温度T*における発熱速度(最大発熱速度)G0の値を知る必要がある。
イ.発熱速度G(T)と温度Tの関係式
本熱回収操作の対象となる発酵は、2次発酵に相当する。発酵速度は、好気−嫌気共存下に起こるリグノセルロース(難分解有機物)分解過程で、基質(有機物)が豊富であるため、近似的に温度のみの関数とみなすことができる。発酵速度は温度T*になるまでは温度と共に上昇するが、それ以上の温度では温度ともに低下する。発熱速度G(T)は、発酵速度(反応速度)に比例する。以上を考慮し、ここでは発熱速度G(T)
を次式(1)で表わす。ただし、T*,a1,a2,b1,b2は素材の特性に関係する定数であり、予め分かっている。しかしながら、この式を適用するには温度T*における発熱速度(最大発熱速度)G0の値を知る必要がある。
ロ.発熱速度Hgen(=熱抽出速度Hext)
ここでいう発熱速度Hgenは、実質的に熱抽出に関わる竹チップ層容積(外半径r2、内半径r1、長さlcの中空円柱領域の容積)内の総発熱速度を表わす。Hextは通水管による熱抽出速度である。これらは(2)式、(3)式により表される。
ここでいう発熱速度Hgenは、実質的に熱抽出に関わる竹チップ層容積(外半径r2、内半径r1、長さlcの中空円柱領域の容積)内の総発熱速度を表わす。Hextは通水管による熱抽出速度である。これらは(2)式、(3)式により表される。
ハ.蓄熱槽からの放熱速度
放熱速度は蓄熱槽の槽壁を通して単位時間に外部へ放散する熱量であり、次式(4)で表わされる。
放熱速度は蓄熱槽の槽壁を通して単位時間に外部へ放散する熱量であり、次式(4)で表わされる。
ここで、式(2),(3),(4)を等しいと置くと、次式(5)が得られる。
G0に任意の値を代入すれば、この式を満たすようなTavの値を試行的に求めることができる。定常状態におけるTavを測定しておけば、そのTavの測定値がを式(5)から得られたTavの値と一致するように試行的にG0を決めることができる。このとき、自動的に竹チップ層内の発熱速度G(Tav)も求まることになる。
2.竹チップ発酵熱利用養殖水槽保温システム(定常状態の解)
図2に示すようなシステムの定常状態の解を求めると以下の通りである。
イ.Tav は、次式(6)を満たす根として求められる。
図2に示すようなシステムの定常状態の解を求めると以下の通りである。
イ.Tav は、次式(6)を満たす根として求められる。
ただし、蓄熱槽内水温Tl、養殖水槽内水温Tfはそれぞれ式(7),(8)で与えられる。
ニ.蓄熱槽の容積
蓄熱槽の容積は、通水管内水容積(発酵槽から蓄熱槽への循環配管容積+蓄熱槽から養殖水槽への循環配管容積)の3倍程度とし、周辺を断熱材により被覆して、熱の漏洩を極力抑える。
蓄熱槽の容積は、通水管内水容積(発酵槽から蓄熱槽への循環配管容積+蓄熱槽から養殖水槽への循環配管容積)の3倍程度とし、周辺を断熱材により被覆して、熱の漏洩を極力抑える。
ホ.通水管流量
通水管流量は特別に大きくする必要はなく、水中ポンプにより送水し、3L/分程度とする。発酵槽から蓄熱槽への循環水の流量と、蓄熱槽から養殖水槽への循環水の流量は異なってもよいが、ほぼ同程度の値とする。
通水管流量は特別に大きくする必要はなく、水中ポンプにより送水し、3L/分程度とする。発酵槽から蓄熱槽への循環水の流量と、蓄熱槽から養殖水槽への循環水の流量は異なってもよいが、ほぼ同程度の値とする。
竹チップ層から水への伝熱は、固体−流体間熱交換プロセスであるが、従来においては、これに関連する伝熱工学的解析は、熱の回収と利用の間に生ずる時間遅れを考慮した蓄熱型熱交換器への応用を目的としたものに限られており、本発明のように、熱発生源としての竹チップ槽(発酵槽)と、竹チップ層からの熱を蓄熱する蓄熱水槽と、蓄熱水槽から安定した水温を供給される養殖水槽からなる新規竹チップ層(蓄熱材)内での熱発生を伴う伝熱モデルの体系化はなされておらず、実用化への応用に至っていなかった。
本発明は、竹チップ発酵槽−水間熱交換プロセスの伝熱モデルを体系化し、発酵熱の効率的回収モデルを構築し、外乱変動(外気温、発熱速度など)を考慮した非定常解析による制御アルゴリズムの確立を行うことにより、発酵槽から効率的な熱抽出と熱の安定確保を実現でき、利用側(養殖水槽)の要求に応じて、蓄熱水槽の水温を調整可能にし、長時間継続的でかつ厳格な温度管理が要求される陸上養殖水槽水温維持システムの実用化モデルを実現可能にするものである。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
実験設備の概要
図3(a)〜図3(c)に示すような設計の発酵槽2及び蓄熱槽3を設置し、通水配管5を引き回した。熱源規模(発酵槽2の容量)は200m3、通水配管100m3、熱回収容積21m3である。
図3(a)〜図3(c)に示すような設計の発酵槽2及び蓄熱槽3を設置し、通水配管5を引き回した。熱源規模(発酵槽2の容量)は200m3、通水配管100m3、熱回収容積21m3である。
熱抽出の計測結果
前記実験設備において、発酵開始から2ヶ月間、発酵槽2内の竹チップの温度、蓄熱槽3内の水温、及び外気温を計測した。結果を図4に示す。
前記実験設備において、発酵開始から2ヶ月間、発酵槽2内の竹チップの温度、蓄熱槽3内の水温、及び外気温を計測した。結果を図4に示す。
図4に示すように、竹チップの発酵熱を利用するシステムでは、初期に蓄熱槽3内の温度が上昇した後、長期に亘り継続的にほとんど同じ温度が保たれている。また、前記蓄熱槽3内の温度は、外気温の影響をほとんど受けていない。
見掛発熱速度の推算と発熱量の算出
前記実験設備について、モデル計算例を利用して、見掛発熱速度を推算し、発熱量を算出した。結果を表1に示す。通水配管の間隔r2=0.213mまでは、通水配管の間隔によらず、ほとんど同様の発熱量が得られている。ただし、通水配管の間隔がこれを越えて大きくなると、熱交換効率の低下が見られ、発熱量が若干低下している。
前記実験設備について、モデル計算例を利用して、見掛発熱速度を推算し、発熱量を算出した。結果を表1に示す。通水配管の間隔r2=0.213mまでは、通水配管の間隔によらず、ほとんど同様の発熱量が得られている。ただし、通水配管の間隔がこれを越えて大きくなると、熱交換効率の低下が見られ、発熱量が若干低下している。
1 発酵材料、2 発酵槽、3 蓄熱槽、4 熱利用対象、5 第1の通水配管、6 熱媒体、7 第2の通水配管、8 補助熱源
Claims (6)
- 発酵槽と、熱媒体を収容する蓄熱槽と、蓄熱槽内の熱媒体を発酵槽内に循環させる第1の循環経路と、蓄熱槽内の熱媒体を熱利用対象内に循環させる第2の循環経路とを備え、
前記発酵槽で発生した発酵熱を前記蓄熱槽において蓄熱するとともに、蓄熱した熱を蓄熱槽内の熱媒体を第2の循環経路により熱利用対象内に循環させることにより熱利用対象の加熱に利用することを特徴とする発酵熱利用システム。 - 前記発酵槽には、竹類の破砕物が収容されていることを特徴とする請求項1記載の発酵熱利用システム。
- 前記蓄熱槽に収容される熱媒体が水であることを特徴とする請求項1または2記載の発酵熱利用システム。
- 前記熱利用対象が補助熱源を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の発酵熱利用システム。
- 発酵槽内を循環させた熱媒体を蓄熱槽内に収容して蓄熱するとともに、蓄熱槽内の熱媒体を熱利用対象内に循環させて加熱することを特徴とする発酵熱利用方法。
- 発酵槽内においては、竹類の発酵により発酵熱を生じさせることを特徴とする請求項5記載の発酵熱利用方法。
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