JP2012524424A - 移動通信システムにおけるローカルデバイスアクセスの管理装置 - Google Patents

移動通信システムにおけるローカルデバイスアクセスの管理装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、HNB又はHeNBによって行われる理にかなった切り替えを通じて、ユーザのローカルデバイスアクセストラフィックに用いられるルートの管理に好都合である方法を提供する。このスイッチングを行うための情報は、選択された通信チャンネルを用いてトークンの伝達を通じて得られる。本発明では、トークンやチャンネルの選択、構成に関する様々な態様が可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動データ通信ネットワークに関し、特に移動通信システムにおけるローカルデバイスへのアクセス管理に関する。
移動通信の進歩に伴って、第三世代パートナーシッププログラム:3rd Generation Partnership Program(3GPP)では、小型化されたアクセスノードとして配置されるホーム・ノードB:Home NodeB(HNB)やホーム・イーノードB:Home eNodeB(HeNB)の概念が導入された。これらの小型アクセスノードの使用により、端末のユーザに、サービス範囲の拡張や、非常に高速度でより低コストの新たなサービスの提供をもたらす。そのようなノードは、従来のユーザのブロードバンドネットワークに影響を与え、携帯電話オペレータにとって合法的通信傍受の必要性が緩和されるだけでなく、低リソースコストをもたらす。ユーザにとっては、HNB又はHeNBを介した接続は、通常は料金の減額と付加的なサービスの提供とを意味する。
利用者宅内・構内向けアクセスノードの導入により、3GPPはローカルIPアクセス(下記の非特許文献1を参照)における利用ケースをも生み出した。ローカルIPアクセス:Local IP Access(LIA)により、HNB/HeNBのクローズド・サブスクライバー・グループ:Closed Subscriber Group(CSG)セルにアクセスするユーザ装置:User Equipment(UE)は、オペレータのコアネットワークのほか、HNB/HeNBに接続されたネットワークにアクセスできる。このLIAは、オペレータのコアネットワークを通ることなく、家庭(ホーム)内ネットワークへのアクセスやインターネットへのアクセスを含む。UEが同時にLIAとオペレータのコアネットワークにアクセスすることが求められていた。3GPPはさらにUEがマクロセルを経由してLIAにアクセスできるケースを導入した。
これらの新たな利用ケースは展開される潜在的なサービスの価値を大きく高めるとともに、コアネットワークからのトラフィックをオフロードするのに役立つ。下記の非特許文献2に規定される従来のオペレーション手続はこれらのシナリオを実現するために再利用できる。
Vesterinen, Aalto, Kekki, “Method, Radio System, Mobile Terminal and Base Station for Providing Local Break-out Service”, WIPO Patent Application WO 2008/125729 A1, 23 October 2008.
Service requirements for Home NodeB (HNB) and Home eNodeB (HeNB), 3GPP TS22.220 v1.0.1 Release 9, 2008-12. General Packet Radio Service (GPRS) enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN) access, 3GPP TS23.401 v8.4.0 Release 8, 2008-12.
しかしながら、HNB/HeNB向けのアーキテクチャは特殊であることから、LIAには非効率性の問題が存在する。例えば、HNB/HeNBはISPネットワークを介してオペレータのコアネットワークに接続されるので、例えば帯域や遅延などの面で、このリンクを通しての性能には制限が生じる。非特許文献1に規定されるアーキテクチャによれば、UEからのすべてのトラフィックは、PDN(パケットデータネットワーク)ゲートウェイ:Gateway(PGW)とあて先に到着する前にサービングゲートウェイ:Serving Gateway(SGW)を通らなければならない。これは、UEがリモートの位置でLIAを行うとき、移動オペレータのネットワークを横断するデータの合法的通信傍受の必要性のためと、アカウンティングの目的の双方のために行われる。しかし、この必要性は、ユーザ自身のHNB又はHeNBのもとでUEがローカルにLIAを行っているときにはさほど意味を有さない。そのようなシナリオでは、EPC(Evolved Packet Core)を通過することは、コストがかかり、非効率で効果的ではない。
非特許文献3に規定される発明において、UEは、UEの基地局によってアナウンスされるIP(インターネットプロトコル:Internet Protocol)ゲートウェイにローカルブレイクアウトサービスが利用できるか検出する構成とされている。UEは、3GPPサービスを使用し続けると同時に、インターネットにローカルブレイクアウトサービスを利用するためのインターネットプロトコルスタックを形成することができる。しかし、この解法は、影響を与えずにそれぞれのモードの利益を最大化しようとする限り、リモートからローカル状態(その逆も同様)へLIAサービスをシームレスに移動する問題を解くことはできない。
上記に基づき、前記問題に対するよりよい解決方法が必要であることは明らかである。
本発明の目的は上述した問題を解くことであり、特に必要であることを行う方法を提供することがねらいである。
上記目的を達成するために、本発明はHeNBを提供する。UEがローカルでLIAを行うときにはプロキシPGWとして機能し、UEがリモートでアクセスするときにはシームレスにEPCのPGWに機能を切り換えることを可能とするHeNB用の装置が提供される。
本発明は、HNB又はHeNBによって行われる理にかなった切り替えを通じて、ユーザのローカルデバイスアクセストラフィックに用いられるルートの管理に好都合である。
本発明が適用され得るネットワーク構成の一例を示す図 本発明のリモート初期化における動作シーケンスの一例を示す図 本発明のリモート初期化における他の動作シーケンスの一例を示す図 本発明のローカル初期化における動作シーケンスの一例を示す図 本発明の外向きハンドオーバにおける動作シーケンスの一例を示す図 本発明の内向きハンドオーバにおける動作シーケンスの一例を示す図 本発明を実施するHeNBの構成の一例を示す図 本発明のホーム・イーノードB(HeNB)によってなされるロジックの一例を示す図 本発明が適用され得る他のネットワーク構成の一例を示す図 本発明を実施する他のホーム・イーノードB(HeNB)の構成の一例を示す図 本発明が適用され得るネットワーク構成の一例を示す図 本発明が適用され得るネットワーク構成の一例(LGWとH(e)NBの双方が企業ネットワークに属する)を示す図 本発明が適用され得るLIAドメインのネットワーク構成の一例を示す図
以下の記述において、数、時間、構造、プロトコル、他のパラメータは、本発明の理解を促すために与えられたものである。しかし、当業者であれば、これらの詳細なものがなくても本発明を理解できるのは明らかである。
以下の記述において、3GPP ロング・ターム・エボリューション:Long Term Evolution(LTE)はアクセステクノロジの一例として用いられる。しかし、当業者であれば、同じ原理の下で、他のアクセステクノロジにより本発明が実現できることは明らかである。
<第1の実施の形態>
図1は、ここで説明される発明の最適な動作のためのネットワークエンティティ(実体)とユーザ装置:User Equipment(UE)の特定の配置を示す図である。この配置においては、HeNB123は、ユーザのホームネットワーク114へのアクセスを提供する。本発明は、プロキシPGW(PDNゲートウェイ)動作として後述される好ましい動作を考慮に入れている。
プロキシPGW動作により、ローカルIPアクセスサービス(リモートかローカルかどちらか)にアクセスするUEは、PGWとして役目を果たすエンティティの変化に気づかないことがあり、現在の位置にかかわらずサービスを開始する共通の手続を用いることがある。ネットワークの視点からは、UEにサービスを提供するPGWはPGW133である。しかし、ネットワークは、ローカルUE103からのローカルIPアクセスサービスのためのプロキシPGWとして動作することによりHeNB123によってローカルのUEに提供される最適化サービスを認める選択肢を有する。ネットワークにとってのメリットは、UEがより遅延が少なく可能な限り高いスループットを有するトラフィックを享受し、経路152、153に沿ったリソースを節約できることである。
リモートの位置からローカルIPデバイスにアクセスするUE(例えば、UE101、102)に関して、ホームネットワーク114からのトラフィックは、経路154を通ってHeNB123へ届き、HeNB123は、これを経路153を介してPGW133に転送し、次には経路157を介してSGW132に転送される。UEの位置によって、SGW132はeNB121又はHeNB122のどちらかにトラフィックを転送する。この方法において、ユーザトラフィックがEPC115を横断するとき、ネットワークはPGW133とSGW132を介して正確なアカウント情報を得ることができ、必要であれば合法的な通信傍受の需要を満たすこともできる。
プロキシPGWの動作の必要条件は、HeNB123とPGW133との間の通信チャンネルの存在である。この通信チャンネルは様々な態様があり、ここで用いられる例はIP(Internet Protocol)トンネルである。IPトンネルは、オリジナルのIPパケットのエンドツーエンド経路に沿って、2つの中間ノード間を中間ルーティングするため、外部IPパケットで内部IPパケットをカプセル化するという単なる方法である。
リモートの位置のUEへと指定され、ホームネットワーク114に源を発するデータパケットは、トンネル153を通ってHeNB123によってPGW133へ転送される。リモートの位置のUEからホームネットワーク114へと指定されたトラフィックも同様に、HeNB123によって最終目的地(例えば、TV104)に送信される前に、トンネル153を介してPGW133によってHeNB123へ転送される。
PGW133とHeNB123との間の通信チャンネルの生成は、様々な状況下で開始され得る。1つの可能性としては、PGW133とHeNB123との間でIPトンネルが常に生成され、維持されている場合である。例えば、HeNB123の起動及びEPC115への登録があると、オペレータポリシやサブスクリプションサービスプランによりPGW133がトンネルの確立を開始する。この場合、IPトンネルは異なる複数のUEによってシェア(共有)される。
他の可能性としては、UEから実際の要求があったときに、この通信トンネルが動的に初期化され、維持されることがある。要求を出すUEは、IPアドレスなど、HeNB123にいかに接触するかに関する情報をPGW133に送るか、あるいは、かかる情報はホーム・サブスクライバー・サーバ:Home Subscriber Server(HSS)又はモビリティ管理エンティティ:Mobility Management Entity(MME)内のUEのユーザプロファイルに格納される。この場合、UEごとに1つのIPトンネルが確立される。
UEがHeNB123に関する情報をPGW133に提供する場合のシナリオの特定された1つの実現としては、例えば、非特許文献2で規定されるプロトコル・コンフィグレーション・オプション:Protocol Configuration Option(PCO)情報内にHeNB123のフリー・クオリファイド・ドメイン・ネーム:Fully Qualified Domain Name(FQDN)という形式をとって要求された情報を送信することである。PGW133はFQDNをHeNB123の実際のアドレスに分解することができ、それによりIPトンネルを確立することができる。
他の可能性としては、UEがNASシグナリングメッセージに含まれるAPN(アクセスポイントネーム:Access Point Name)内で特定のサービス情報を指摘することである。MMEはUEのサブスクリプション情報に基づいてHeNB123のドメイン情報をAPNに付加する。PGW133は、この付加されたAPNを用いてHeNB123のアドレスを解決することができる。
これは、UEがローカルIPアクセスサービスを要求するときのPDN接続確立において実施できる。非特許文献2では、UE要求PDN接続手続(UE Requested PDN Connectivity)同様に、サービス要求手続(Service Request)が規定される。HeNB123をPGW133が識別するための他のタイプの情報、例えばHeNB123のIPアドレス、をUEが選択できることは当業者であれば自明である。
PGW133とHeNB123との間の通信チャンネルの確立が開始されると、PGW133は与えられた情報を用いてSet-Up-Request(確立要求)メッセージをHeNB123に送信する。Set-Up-Requestメッセージの受信により、HeNB123はオプションとして更なる認証(authentication)と認可(authorisation)のチェックを行う。
例えば、IPトンネルがUEの要求に基づいて動的に確立される場合、Set-Up-Requestは、HeNB123とのセキュリティアソシエーションから得られるUEからの付加情報を送信する。この情報は、PCOに入れられPGW133によって転送される。HeNB123は、UEがローカルIPアクセスサービスに接続することを認めるかを決定するためにこの情報を用いることができる。
HeNB123がSet-Up-Requestを受信すると、HeNB123はSet-Up-Response(確立応答)メッセージを送信する。確立メッセージが交換された後、セキュリティアソシエーションがPGW133とHeNB123との間に確立され、それらの間で交換されるメッセージが保護される。
HeNB123は、HeNB123自身とPGW133との間のトンネルを一意に識別できるユニークなトークン(Token)を送信する。このトークンは、HeNB123がトンネルとPGW133を的確に識別するために用いることができるのであれば、テキスト配列、整数やハッシュ配列などの形式をとることができる。2つのエンティティ間で通信チャンネルを確立するために様々な交換がなされ、本発明にとって重要なことはHeNB123からPGW133へトークンが送信されることにある。
UE101はリモートの位置、すなわちeNB121経由でローカルIPアクセスサービスへの接続要求を発行する。1つの実施例として、PGW134が3Gサービスに用いられ、UE101はこのサービスへの要求のためにUE要求PDN接続(UE Requested PDN Connectivity)手続を利用すると仮定する。図2を用いて本発明の動作を説明する。UE101はPDN接続要求(PDN Connectivity Request)200を開始し、PGW133に向けてPCOにHeNB123のFQDNを含める。
MME131は、必要であればUE101の関連する認証(authentication)チェックを行い、UE101のリモートでのローカルIPアクセスサービスが許されるかを決定するためのアクセス制御も行う。HeNB123へのアクセスがUE101の許可CSGリストに依存し、MME131が必要なチェックを行うことは可能であって、そのように行われるであろう。UE101が要求したサービスに必要な権限を有すると仮定すると、MME131はデフォルトベアラ生成要求(Create Default Bearer Request)205をSGW132に送信し、SGW132はPGW133へCreate Default Bearer Request210を転送する。
PGW133はPCOからHeNB123のFQDNを抽出し、HeNB123の(IP)アドレスを得るためにFQDNを解析する。PGW133はHeNB123との通信チャンネルが存在するかをチェックする。トンネルは存在しないため、PGW133は上述したように、HeNB123との通信チャンネルを確立する(215)。この間に、セキュリティ鍵が交換され(220)、HeNB123はPGW133へユニークなトークン(225)を渡す。
PGW133は、この通信チャンネルでのトークンをHeNB123と関連つける。HeNBは、プロキシPGWとしての機能を確実に行うために(もしあれば)それぞれのUEとPGW133との間で共有されるセキュリティ鍵の知識(情報)を必要とする。PGW133がUEのセキュリティ鍵と異なるものを用いる場合、関連する鍵(220)でHeNB123を更新しなければならない。
PGW133は、UE101のためにホームネットワーク114からIPアドレスを得る。HeNB123は、DHCP(ダイナミック・ホスト・コンフィグレーション・プロトコル:Dynamic Host Configuration Protocol)メッセージを中継することによってPGW133のプロキシDHCPエージェントとし動作し、ホームネットワーク114からメッセージも中継する。HeNB123はDHCPアック(DHCP Ack)メッセージ236のyiaddrとchaddrのフィールドを記録する。chaddrはIPアドレスを要求するクライアント(UE101)のMACアドレスを有し、yiaddrはクライアントへ割り当てられるIPアドレスを有する。
HeNB123はPGW133へ送られるそれぞれのDHCP Ackのchaddrとyiaddrのペアを格納する。HeNB123は格納されたyiaddrに相当するIPアドレスあてにメッセージを転送する。yiaddrエントリに相当するメッセージは経路153を介してPGW133へ送られる。しかし、プロキシPGW機能がHeNB123で作動していれば、メッセージは対応するUEに直接送信される。
chaddrフィールドがUE101のMACアドレスになる必要がないことに言及する価値がある。実施可能なものとして、UE101のIMSI(インターナショナル・モバイル・サブスクライバー・アイデンティティ:International Mobile Subscriber Identity)又はMSISDN(モバイル・サブスクライバー・ISDN・ナンバー:Mobile Subscriber ISDN (Integrated Services Digital Network) number)を使用したものをchaddrフィールドに含めるものがある。
主要な基準は、UEが同じHeNB123からのローカルIPアクセスサービスを利用している限りchaddrフィールドの値を維持することである。GUTI(グローバリー・ユニーク・テンポラリー・アイデンティティ:Globally Unique Temporary Identity)又はTMSI(テンポラリー・モバイル・サブスクライバー・アイデンティティ:Temporary Mobile Subscriber identity)のような値は、UEのサービングMMEに依存し、サービングMMEが変わるとローカルIPアクセスサービスを実施してる間であっても値が変わり得るため採用できない。
本発明の実施において、DHCPv6を利用することも可能である。そのような実施において、DHCPv4メッセージの機能はDHCPv6の対応する機能として実施される。重要な違いはUEを識別するためのDUID(DHCPユニークID:DHCP Unique ID)の有用性と使い方である。それは上述したUE IDとして用いられる。
考えられる他のものはIAID(アイデンティティ・アソシエーション・ID:Identity Association ID)であり、それはUEがアドレスを得ようとするそれぞれのインタフェースに用いられる。この識別情報は、UEがDHCPv6を用いて複数のインタフェースを形成する場合にHeNB123によって記録され、トラフィックフローを識別するために用いられる。
アドレス割り当て手続のバリエーションとして、NAT(ネットワーク・アドレス・トランスファー:Network Address Translator)サーバ機能をPGW133かつ/又はHeNB123が付加的に実行することが可能である。この場合、HeNB123は送信元アドレスをホームネットワーク114内の関連するIPアドレスに変換する。あて先アドレスも同様に、HeNB123は、LTEで割り当てられたUEのIPアドレスにあて先アドレスを変える。ある実施例においては、PGW133はUEが3GPP EPCサービスで与えられたIPアドレス(若しくはプレフィクス)を再利用する。
これは、PGW133がLIAサービスを提供することに加え、3GPP EPCサービスのPGWであるシナリオに特に関連する。そのような場合、PGW133は、3GPPサービスとLIAで用いるIPアドレスを一つだけUEに割り当てることができる。この実施例において、NAT機能は、正常に動作するために上述した発明のHeNB123、PGW133又は両方に配置することができる。
HeNB123がNAT機能を実装する場合、HeNB123はフィルタリングを行うためにPGW133がUEに割り当てたIPアドレスを記憶し、UE IDをそのIPアドレスをとすることによってHeNB123はプロキシPGW機能を正しく見つけ、動作させることができる。
第2の実施例においては、PGW133はNAT機能を有し、UEのIPアドレスを隠蔽する。その代わり、ホームネットワーク114と通信するときにはPGW133自身のIPアドレスを用いる。この場合、HeNB123は上述した解法で述べられたようにふるまうことができ(DHCPプロキシ)、PGW133がホームネットワーク114で付与されるIPアドレスを取得することができる。PGW133は、ホームネットワーク114からのLIAサービスを利用するそれぞれのUEのIDを、経路153を介してHeNB123に知らせなければならない。
この場合に用いられるUE IDの一例はUEのIPアドレスであり、IDはTCP(トランスミッション・コントロール・プロトコル:Transmission Control Protocol)ポート番号又は他の識別情報になり、PGW133がUEのトラフィックを区別するために用いる。HeNB123は、UEのIPアドレス、TCPポート番号、PGW133のホームドメインアドレス間のマッピングを格納する。UEがローカルLIAサービスのためHeNB123に移動すると、HeNB123はそのUEに対して特別のNATサービスを作動させる。
HeNB123は、PGW133のホームドメインIPアドレスと特定のIDとして与えられる識別情報に合致するホームネットワーク114から受信したパケットを、あて先アドレスをUEのIPアドレスに変換することによって転送する。UEからホームネットワーク114へのトラフィックは、特定のIDとして与えられる前記識別情報にもとづいてPGW133のホームドメインアドレスに変換される。これにより、HeNB123はプロキシPGW機能をうまく作動させることが可能となる。
第3の実施例においては、HeNB123とPGW133の両方がNAT機能を有している場合である。この場合、PGW133はホームネットワーク114のドメインのIPアドレスを得る必要はないが、ホームネットワーク114からLIAサービスを利用するそれぞれのUEのUE IDを、経路153を介してHeNB123に通知しなければならない。これにより、HeNB123はプロキシPGW機能をうまく使いこなすことが可能となる。
IPv6では、プレフィックス割り当て処理を用いたステートレスアドレス自動形成が可能であり、その際は、DHCP(バージョン6)の代わりにルーター・ソリシテーション(Router Solicitation)メッセージとルーター・アドバタイズメント(Router Advertisement)メッセージを用いる。しかし、解法は実質上同じ方法で行うことができ、記述されたものが直接適用される。
1つ異なるのは、UE IDの選択がPGW133によって送信されるRouter SolicitationメッセージのIPヘッダ内の送信元アドレスになることである。HeNB123は、アドレスプレフィックスを提供し続け、UEのIPv6アドレスを生成するためにUEのインタフェース識別情報を記憶する。
DHCP手続の完了に基づいて、PGW133はデフォルトベアラ生成応答(Create Default Bearer Response)240を生成しSGW132に送信する。Create Default Bearer Response240は、HeNBトークンとUE ID(DHCP手続の間にchaddrに用いられたもので、例えばUE101のMACアドレス)の2つの新たな情報を含む。SGW132は、MME131へCreate Default Bearer Response245を転送する。
Create Default Bearer Response245を受信すると、MME131はHeNBトークンとUE IDとをEPSベアラIDのもとにUEコンテキスト内に格納する。ベアラ確立要求(Bearer Setup Request)250を送信する前に、MME131はUEが接続するセル(例えば、CSGセル)がローカルIPアクセスサービスを提供するものであるかをチェックする。
eNB121がCSGセルでないため、MME131はBearer Setup Requestメッセージを生成するが、先の2つの新たな情報は含めない。他の実施例においては、新たな情報をメッセージに含めるが、それらの情報は受信ノードによって理解されない場合には無視させることも可能である。
HeNBトークンとUE IDの情報を送信するために、S1−APコンテキストトランスファーやSAE(システム・アーキテクチャー・エボリューション:System Architecture Evolution)ベアラ管理メッセージ(例えば、確立、修正、開放など)などがBearer Setup Request250の代わりに用いられてもよい。
別の動作として、UE102がリモートでホームネットワーク114にローカルIPアクセスを行う場合が述べられている。重要な違いは、PDN接続手続が完了した(図3の335)後(外部のPDNアドレス割り当て)、DHCP手続が起こることである。ステップ300、305、310はステップ200、205、210に相当するため、ここでは説明を省略する。
デフォルトベアラ生成要求(Create Default Bearer Request)310を受信した後、PGW133は、HeNBトークンに関連するHeNB123との間に既にトンネルが存在しているかチェックし検出する。しかし、この場合、PGW133はDHCP手続を開始せず、デフォルトベアラ生成応答(Create Default Bearer Response)315によりHeNBトークンのみを送信する。MME131は、この時点でUEコンテキスト内にこのEPSベアラIDのもとにHeNBトークンを格納する処理だけ行う。
MME131は、UEがCSGセルに接続しているかチェックし、ここでは正判定を得る(HeNB122がCSGセルであるため)。MME131は、HeNB122へのBearer Setup Requestメッセージ325内に、新たな情報としてHeNBトークンを付加する。HeNBトークンを送信するために、S1−APコンテキストトランスファーやSAEベアラ管理メッセージ(確立、修正、開放など)などがベアラ構築要求(Bearer Setup Request)325の代わりに用いられてもよい。
HeNB122はトークンをチェックし、そのトークンが自身に属しないとわかる。この時点でHeNB122は、ローカルIPアクセスがリモートで行われていることをRRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ330を用いてUE102にオプションとして通知する。これにより、UEはトラフィックやアプリケーションを最適に設定することができる。例えば、UE102はアプリケーションのタイムアウトを緩やかにしたり、コーデックパラメータを調整したりすることを決定することができる。
PDN接続手続が完了した(335)後、UE102はPGW133へ向けてDHCP手続を開始する。PGW133は、DHCP発見(DHCP Discovery)メッセージ340を受信すると、ホームネットワークク114へ向けてDHCP手続を開始する。DHCP手続のためのステップは図2に示すものと同様であり、ここでは説明を省略する。
唯一の違いは、PGW133が、UE102がIPアドレスを取得しているDHCPサーバに見えると同時に、ホームネットワーク114のDHCPサーバの視点からするとPGW133がDHCPクライアントに見えることである。DHCP Ack351がUE102に送信された後、PGW133は、新たに得られたUE IDによりMME131内のUEコンテキストを更新するためにPDN GW 主導ベアラ修正(PDN GW Initiated Bearer Modification)を開始する。これはベアラ更新要求(Update Bearer Request)355内にUE IDを入れて送信することによって行われる。
MME131は、ダウンリンクNASトランスポート(Downlink NAS (Non Access Stratum) Transport)メッセージ365を用いてベアラのUE IDをHeNB122へ通知する。しかし、HeNB122はHeNBトークンのオーナーではないため、更なる行動を起こさない。
図4において、UE103は、ホームネットワーク114にローカルIPアクセスを行うことを決定する。ステップ400から425は上述したものと同様であるため説明を省略する。HeNB123は、ベアラ構築要求(Bearer Setup Request)425を受信し、その中のHeNBトークンをチェックすると、UE103の現在のベアラがホームネットワーク114へローカルIPアクセスを行うために利用されているとわかる。
HeNB123は、このベアラにおけるプロキシPGW機能を作動させ、このベアラ上のUE103からのパケットの取得を開始し、パケットをホームネットワーク114へ直接転送する。UE103によって開始されるDHCP手続は、EPCネットワークを介さず、ホームネットワーク114と直接やりとりされる。DHCP手続の最後に、HeNB123は、得られたUE103のIPアドレスにより更新させるためにPGW133へプロキシ更新(Proxy Update)450を送信する。
PGW133が用いるUE IDの値をメッセージに含め、MME131に格納させてもよい(ステップ455、460)。しかし、HeNB123はDHCP処理の間で得られた情報(UE103のIPアドレス)に基づいて、ホームネットワーク114から来るどのトラフィックがUE103へ直接送信されるものであるかが既にわかっているので、実質的にこの処理は必須ではない。
UE103がHeNB122へ向けて移動することにより、HeNB123からHeNB122へのハンドオーバが起こる場合の扱いについて以下に示す。図5に示すように、HeNB123は、まずMME131へハンドオーバ要望(Handover Required)メッセージ500を送信する。MME131はHeNB122上のターゲットセルがCSGセルであると検出すると、HeNB122に送信されるハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージ505内に、HeNBトークンと、関連するEPSベアラのUE IDとを挿入する。
HeNB122はHeNBトークンのオーナーでなく、特に何もする必要はない。HeNB122は、ハンドオーバ要求が受理される場合、ハンドオーバ要求アック(Handover Request Ack)メッセージ510によりMME131に応答する。Handover Request Ack510の受信を受けて、MME131はHeNB123へハンドオーバコマンド(Handover Command)515を送信する。
MME131は、HeNB123がCSGノードであると検出するため、MME131は関連するEPSベアラに対するHeNBトークンとUE IDをメッセージ内に挿入する。HeNB123は、メッセージ内に自身のHeNBトークンがあるとわかるため、UE103がHeNB123から切断された時に、UE103に関連するトラフィックをPGW133へ転送し始める。あるいは、MME131は、Handover Commandメッセージ515内において新たな情報のチェックと送信を省くことができ、その代わり、UE103がハンドオーバの準備をしているときに、HeNB123による推論に頼ってもよい。
図6では、UE102がHeNB122からHeNB123へ移動するシナリオが示されている。図6に示すように、HeNB122は、ハンドオーバターゲットとしてHeNB123を明示して、MME131へハンドオーバ要望(Handover Required)メッセージ600を送信する。MME131はHeNB122がCSGノードであり、HeNB123へ送信されるハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージ605内に、HeNBトークンと関連するEPSベアラのUE IDとが含まれることを検出する。
HeNB123は、HeNBトークンのオーナーであると認識し、UE102のIPアドレス(yiaddr)を得るためにUE ID(chaddr)とマッチングする。UE102がハンドオーバし、HeNB123に接続した後、HeNB123は、PGW133に経路153を介してトラフィックを送信する代わりにホームネットワーク114からUE102にトラフィックを直接転送するためにプロキシPGW機能を起動する。
本発明の動作に必要とされるHeNB123内の新たな機能が図7に示されている。プロキシPGW機能部700は、非特許文献2に規定されるPGW機能を果たす。プロキシPGW機能部700は、主にユーザプレーンデータに関するものであり、セキュリティ鍵管理、レート制御、受信したパケットの操作と処理を行うものである。プロキシPGW機能部700は、さらに3つの主要な部門から構成されており、それはインターセプトフィルタ部705、UE IDマッピング部710、トンネル管理部715である。
インターセプトフィルタ部705は2つまたである。ホームネットワーク114側では、それぞれのUEに転送されるアドレスリストを管理する。CSGセル113側では、プロキシPGW機能部が動作し、EPC(進化型パケットコア:Evolved Packet Core)内ではなく直接ホームネットワーク114へユーザプレーンパケットを向け直すために、関連するベアラを監視する。
UE IDマッピング部710は、インターセプトフィルタ部705のホームネットワーク114側でのエントリにUE IDをマッピングするため、インターセプトフィルタ部705のデータベースを共有する。これは、プロキシPGW機能部700からの要求に対する応答として提供される。インターセプトフィルタ部705データベース内のフィルタリストエントリの転送ターゲットを修正することも可能である。
トンネル管理部715は、それぞれのトンネルに対するトークンと鍵を管理する。また、トンネル管理部715は、HeNB123がEPC内の、ローカルIPアクセスサービスを提供する1つ以上のPGWに接続する場合も管理する。
HeNB123の動作が図8のフローチャートに示されている。このフローチャートでは、HeNB123がPGW133と通信チャンネルを確立すると仮定している。いずれにせよ、HeNB123は、通信チャンネルがPGWとの間で利用可能なときにプロキシPGW機能を起動させると仮定する。
そのような通信チャンネルが存在しない場合(例えば、トンネルがアドホックベースで確立されている)、HeNB123はプロキシPGW機能を動作させる必要はない(EPC115とホームドメイン114との間でトラフィックを確認したり転送したりする)。HeNB123は、まずPGW133と通信チャンネルを確立する(ステップ805)。ここではIPトンネル確立の形式をとるが、他の形式や方法でも適用できる。この通信チャンネル確立のタイミングは、静的に(例えば、HeNBの起動に基づくもの)、又は要求がされてから(UEの要求による動的なもの)であってもよい。
PGW133との通信チャンネルが確立されると、HeNB123は、この通信チャンネルの唯一のトークンを生成し、それをPGW133に送信する(ステップ810)。その後、HeNB123はプロキシPGWモードになり、MME131だけでなく、PGW133からの入力も動的に確認する。MME131からのメッセージの場合には、HeNB123はベアラ確立メッセージだけでなく、ハンドオーバメッセージにも特別な注意を払う。
HeNB123がPGW133によって開始されるDHCP手続を検出する(ステップ811)、又はアドレス割り当て手続の形式を検出する場合、HeNB123はそのような手続の結果を監視し、記録し続ける。特に、HeNB123はUE−specific identity(UE ID)だけでなく、割り当てられたIPアドレスを記録する(ステップ815)。
割り当てられたIPアドレスは、ホームネットワーク114からのパケットがPGW133へ転送されるべきか決定するためにフィルタリストで用いられる。例えば、フィルタエントリコードは以下のようなものである。フィルタリストエントリ=[あて先IP]、[UE ID]、[次のホップ]、[付加的なID]。あて先IPのフィールドはHeNB123が3Gネットワークへ転送するためのIPアドレスを含む。
[UE ID]はUE−specific identifierを含み、それはパケットを送信すべきUEを決定する際に探すものである。[次のホップ]のフィールドは、PGW133へパケットを転送するかローカルにアタッチするUEにパケットを送信するかをHeNB123に示すものである。[付加的なID]のフィールドは、PGW133がNAT機能を実施しているときなど、1つのUE IDがUEを識別するのに十分でないときに用いられるものである。
HeNB123は、MME131によって送信されるS1−APメッセージに含まれるHeNBトークン(ステップ825)とUE ID(ステップ840)とを探す。メッセージがUE IDを伴わずにHeNBトークンのみを含むことは可能であるが、その逆(HeNBトークンがなく、UE IDのみがある)はエラー状態となる。
メッセージがHeNBトークンを含むが、そのトークンがHeNB123に属さない場合、HeNBは、ローカルIPアクセスの状態をUEに知らせるオプション、例えばUEがリモート位置からローカルIPアクセスを行っていることを知らせるオプションのステップをとる(ステップ830)。なお、このステップの実施は個々の実施者に託される。
HeNB123に属するHeNBトークンがMME131からのメッセージで見つかった場合、HeNB123は、あるベアラ(MMEメッセージのコンテキストから推測されるか、明らかに明言された)でのUEによって送信されるパケットをインターセプトし始め(ステップ835)、ホームネットワーク114に向けてUEのプロキシPGWとして動作する。
UE IDが同じメッセージに存在する場合、HeNB123は、MME131からのメッセージに存在するUE IDにマッチする[UE ID]フィールドを見つけるためにフィルタリストエントリを探す。見つかると、HeNB123は、ホームネットワーク114からのパケットがPGW133に転送される代わりに直接UEに送信されるようエントリの[次のホップ]フィールドを変える(ステップ850)。
UE IDが検出されない場合、HeNB123は、オプション的に、UEによって開始されるアドレス割り当て手続(DHCP Discoveryのようなもの)を確認し、インターセプトする。この形態が実施されるかは実施の場面に託される。この場合、HeNB123は、アドレス割り当て手続の結果(例えば、割り当てられたIPアドレス)のみをPGW133に通知する必要があり、UE IDの使用はオプションである。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、PGW133とHeNB123との間で通信チャンネル又はトンネルが1つではなく、複数存在する。このシナリオにおいて、ホームネットワーク114へローカルIPアクセスを利用したいというUEの要求によりトンネルが確立され、HeNB123はトンネルごとに唯一のHeNBトークンを発行する。UE IDを必要とせず、UE IDを伴う上述の手続を省略することができる。
これは、HeNB123が、HeNBトークンに基づいてホームネットワーク114からのトラフィックのフローを正確に識別することができ、制御メッセージ(例えば、ハンドオーバ要求、ベアラ確立要求など)内のHeNBトークンポジションに基づいてUEの正確なベアラを識別することができるためである。このシナリオは、図8のフローチャートに示すようなHeNB123の動作例のようになる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、HeNB123はPGW機能を含まないが、ネットワーク設定ルータやエージェントのようなものである。トラフィック転送ポリシは、経路152、153を介してEPC115のPGW133やMME131から送信される。本発明の動作は上述したものと本質的に変わっていない。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、HeNB123はPGWの全ての機能を実装している。このシナリオでは、HeNB123はこのドキュメントで述べられたようなPGW133の動作を実際に行う。この場合、ストリームライン(stream-lined)アドレス割り当て手続のように、最適な動作が可能である。
EPC115内に1つのPGWのみがあるのか、もしくは2つのPGWがあるのか、例えば1つはEPC115内に、他はHeNB123と一緒に配置されているということは、上述した発明の動作に影響を与えるものではない。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態では、PGW機能は、EPC115にHeNB123を接続するゲートウェイに配置することができる。例えば、PGW133はHeNBゲートウェイ、もしくはセキュリティゲートウェイ上に配置することができる。この場合、MMEはローカルIPアクセスのためにPGWを割り当てる静的な情報を簡単に用いることができる。
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態では、PGW133が、EPCサービスと、デバイスやインターネットへのローカルIPアクセスとの両方を提供する。そのような実施の形態において、EPCサービスとローカルIPアクセスにおけるPDN接続が同じであることは起こり得る。この場合、UE103は、同じPGWからのローカルIPアクセスサービスの要求のために、イニシャルアタッチ(initial Attach)又はサービス要求(Service Request)の3GPP手続を代わりに利用することができる。
この実施の形態では、PGWの特性により、UE103がEPCサービスのために割り当てられたIPアドレスをローカルIPアクセスに再利用することは可能である。そのようなシナリオにおいて、UE103はホームネットワーク114のトラフィックと同様、EPC115のトラフィックにおいて同じEPSベアラを同じように利用する。そのため、HeNB123は、SGW132にパケットを転送するかホームネットワーク114に直接パケットを転送するか決定する際に、ホームネットワークIPドメインに対するあて先アドレス比較を行う。
MME131は、各UEについてローカルIPアクセスサービスが許可されるべきかHeNB123へ通知するが、これはベアラ確立若しくは修正手続の間に簡単なフラグの形式をとることによって行われる。これは、HeNBがハイブリッドモードで運用され、UEごとに異なるアクセスレベルが提供されているような場合に特に役立つ。例えば、HeNB123は、UE103がHeNB123のメンバーであれば直接ホームネットワーク114とUE103との間でトラフィックを転送し、UE103がHeNB123のメンバーでなければSGW132にすべてのトラフィックを転送する。これは、メンバーと非メンバーとの間で区別されたアカウンティングと課金構造によるものであったり、他のアクセス権利に関する事項によるものであったりする。
<第7の実施の形態>
第7の実施の形態において、EPCサービスを提供するPGW134は、UEがデバイスやインターネットへのローカルIPアクセスを行う際に利用される。この実施の形態において、EPCサービスとローカルIPアクセスにおけるPDN接続を同じものとすることができる。そのような場合、HeNBは、UEからのIPパケットのあて先IPアドレスを見ることによって、ローカルIPあて先にUプレーントラフィックの経路最適化を行うことができる。
UEがEPCサービスのために割り当てられた同じIPアドレスをローカルIPアクセスに利用するため、HeNBは、ホームドメインへのパケットとホームドメインからのパケットがうまく送受信されるためにNAT機能を働かせる。インターネットへのローカルIPアクセスが利用できる、又はEPCサービスとホームドメインとの間でオーバーラップするアドレススペースがあるときのシナリオにおいて、Uプレーンパケットを正確に転送するためにオペレータネットワークによってPDPかTFT(フィルタルール)のどちらかでHeNBを設定することができる。
しかし、UEが属するオペレータが、HeNBのオペレータとローミング契約を有していない場合(図9参照)、外部のオペレータに属するPGW910にパケットを正確に転送するためにHeNBがどのように設定され得るかという問題が生じる。第一に、HeNB920が転送で用いるフィルタをインストールするために用いられるHeNBとPGW910間の直接インタフェースが存在しない。第二に、ホームオペレータは、ホームオペレータに属するデバイスが外部のオペレータによって直接制御されることを受け入れないかもしれない。第三に、外部オペレータ900は、ホームオペレータにIPサービスの内部作業を不必要にさらすフィルタをインストールすることを望まないかもしれない。
そのような場合において、上述した発明は、Uプレーンのあて先を正確に切り替えることを目的として、PGW910がHeNB920にルール又はポリシを伝達するために用いられる。本発明によれば、HeNB920は、PGW910へUプレーン上で特別なメッセージを送信することを誘発(トリガ)される。このトリガはポリシに依存し、一例としては、UE103がアクティブモードになったときや、UEがUプレーントラフィックを開始したとき、ホームネットワーク114に属するあて先IPアドレスを検出したとき、UE103のローミング特性や必要な手続がEPCからHeNB920に通知されたときなどがある。
PGW910に送信される特別なメッセージは、PGW910とホームネットワーク114にUプレーンパケットを転送するときにHeNB920が正確な動作をするためのパラメータの伝達をPGW910に開始させるものである。特別なメッセージはPGW910によって認識され、そのメッセージは、例えば特別な送信元アドレス(IPv4における0.0.0.0や、IPv6における0::0など空のアドレス)を有する明らかに作られたIPアドレスの形式をとり、HeNB自身とUEとを認識させ、識別させるためのパラメータを含む。一例として、HeNB920のECGI、UEのEPSベアラID又はUEのローカル識別子を含む。
これは上述したHeNBトークンに相当する。PGW910は、受信されるメッセージのベアラに基づいてUEを識別することができ、受信されるメッセージに基づいてHeNBを識別することができる。
PGW910は、IPサービスの継続動作のため、外部のオペレータネットワークから取得したルール、ポリシ、又はフィルタを用いて必要な例外でHeNB920を更新することができる。この通信は、HeNB920へ到達するため、経路911(例えば、3GPP S8インタフェース)、158(例えば、3GPP S11 インタフェース)を介する経路をとり、経路152(例えば、3GPP S1−APインタフェース)を通る。そのような通信の一例は、3GPP修正EPSベアラコンテキスト手続になり得る。
修正EPSベアラコンテキスト要求(Modify EPS Bearer Context Request)メッセージの中に、PGW910は、HeNB920が従うべきポリシルール(IPアドレスのリストなど)を含める。例えば、経路153(例えば、3GPP S1−Uインタフェース)経由でPGWに対象とするあて先アドレスを転送するといったポリシルールなどである。MME131は、HeNB920に中継する前に、あるIPアドレスを付加するか削除するかなど、転送するIPアドレスのリストを修正するなどして、経路158を介して受信する外部オペレータ900のポリシでメッセージを処理することができる。外部オペレータポリシの修正は、内部ポリシによったり、オペレータ間でのローミング契約に従ったりする。
外部オペレータ900のルール又はポリシを含むメッセージを受信すると、HeNB920は、ルールを適用する関連のUEをメッセージを受信したベアラにもとづいて識別することができる。HeNB920は、例えば、PGW910に送信すべきあて先IPアドレスのリストとパケットのあて先IPアドレスとを比較することによって、SGW915とホームネットワーク114の間でUプレーンパケットを正しくスイッチングさせることができる。
図10は、主要なブロックにより構成されたHeNB920の構成図の一例である。プロキシPGW機能部700は、大きくは変わらず、ユーザプレーンデータに関するものであり、受信したパケットの操作及び処理をする。プロキシPGW機能部700は、3つの主な部門、インターセプトフィルタ部705、UE IDマッピング部710、トンネル管理部715から構成される。これらは上述した同じ役目を果たすため、説明を省略する。
HeNB920は、さらに、ベアラ管理部1000、ルータ機能部1005、NAT1010のそれぞれを有している。ベアラ管理部1000は、3GPP プロトコルスタックの部門であるが、経路1001を介してルータ機能部1005に、受信したベアラ確立や修正メッセージからのパラメータを伝える。
ルータ機能部1005は、受信したパケットの次のホップ(ホームネットワーク114又はSGW131)を決定し、ベアラ管理部1000から得られる情報に加えて、ポリシ、ルール、フィルタに相当するルーティングテーブルを更新するためにプロキシPGW機能部700と相互に作用しあう(経路1006を介して)。NAT1010は、UEのIPアドレスがホームネットワーク内で利用できない場合に必要とされ、シームレスオペレーションにおけるネットワークアドレス変換に必要である。
<第8の実施の形態>
第8の実施の形態において、HeNB920は、UEから受信したすべてのパケットをPGW910にまず転送する。PGW910は、あるパケットがローカルIPアクセスあてであると検出する。PGW910は、様々な方法でこの検出を行うことができる。アドレスが、実際には家庭内ネットワーク又はインターネットへのローカルIPサービスにアクセスするものであると気づくように、ルーティングテーブルやポリシルール機能に情報を含める。
例えば、UEがプライベートIPアドレス(IPv4)又はリンクローカルやサイトローカル(IPv6)アドレスにアクセスしようとしているか。あて先アドレスに関して、従来のGxインタフェースを通じて、PCRF(ポリシー・コントロール・アンド・チャージング・ルール・ファンクション:Policy Control and Charging Rules Function)のような関連するPCC(ポリシ・アンド・チャージング・コントロール:Policy and Charging Control)エンティティに問い合わせることは可能である。あるいは、PGW910がSGiインタフェースを介してIPサービスに問い合わせる(クエリーする)ことが考えられる。また、アドレスがホームネットワーク114あてであることをPGW910が検出する方法としては、関連するあて先ノードにUプレーンパケットを転送しようとするときに受信されるエラーメッセージ(例えば、ICMPによるあて先に届かない、ホストがみつからないなどのメッセージ)によるものが考えられる。
HeNB920によって最適化されるべきアドレスを検出すると、HeNB920に適したフィルタルールをインストールするために、PGW910は上述した方法(3GPPベアラコンテキスト修正:3GPP Bearer Context Modification)を実施する。この実装は、処理の大部分をネットワークサイドで実施でき、HeNBを複雑にすることなく低コストに抑えることができるため、HeNBをかなり単純に実装できるという利益をもたらす。
<第9の実施の形態>
第9の実施の形態では、HeNB920はUEからのUプレーンパケットを検出する。ホームネットワーク114に属するあて先アドレスを有するパケットは、PGW910に中継される前にHeNB920によってマーキングされる。このマーキングは、追加のIPヘッダや、従来のヘッダ内に付加的なフラグを定義するなど様々な形式がとられる。
マーキングされたパケットを受信したPGW910は、あて先アドレスが外部のオペレータが提供するIPサービスのものと一致するかどうかを検出する。これは、上述した方法と似たものである。PGW910は、上述したような方法でHeNB920にルール、ポリシ、フィルタなどをインストールする。
<第10の実施の形態>
第10の実施の形態では、PGW910を通じて提供されたIPサービスとホームネットワーク114のデバイスを通じて提供されたIPサービスとの間で、アドレススペースがオーバーラップすることもあり得る。そのようなシナリオにおいて、従来のUE(3GPP リリース8又はそれよりも前)にとって、とられるデフォルト決定は、常にPGW910にそのようなパケットを送信するかHeNB920を介してローカルIPアクセスに送信するかである。
能力の高いターミナルの場合、PGW910が、ホームネットワーク114におけるトラフィックとEPCサービスにおけるトラフィックの区別を明らかにさせるためにデディケイティド・ベアラ・クリエーション(dedicated bearer creation)を開始する可能性がある。UEがUプレーンパケットを送信するときに用いる正しいベアラ(PGW910又はホームネットワーク114)を決定するのに、ユーザ入力が求められたり、プロファイルや他の好みのセッティングが適用されたりする。また、HeNB920は、そのスイッチング動作を決定するために、到来するUプレーントラフィックが送信されるベアラに依存する。
<第11の実施の形態>
<PGWからHeNBへLGWトークンを通すためにMMEを用いるデフォルト操作>
他の好ましい実施の形態として、配置シナリオが図11で述べられ、示されている。この配置では、ローカルネットワークサービス(又はローカルIPアクセスサービス)1101、1102へのアクセスは、ローカルアクセスゲートウェイ又はローカルゲートウェイ(LGW)1130、1131を介しており、それらはIPルータ又はレイヤ2スイッチであってもよい。ローカルブレイクアウトは、HeNB1120のような選択的なノードで可能である。eNode B、Node B、ホームNode B(Home Node B)のようなタイプの他のノードは、上述した解法の操作に著しい変更を与えることなく、HeNB1120の代わりになることに留意すべきである。
PGW1110はLGW1131への経路1151及びLGW1130への経路1152を介したローカルアクセスゲートウェイへのインタフェースを有していることがわかる。これらのインタフェースは、3GPP規定のもとで定義されたPGW(PDN Gateway)とPDN(Packet Data Network)の間でSGi又はGiインタフェースになる。この配置に関して、経路1151と経路1152が3GPPコアネットワーク(例えば、EPC)又はシステムの完全に外側に位置する外部経路であると仮定しているが、配置の際、それらの経路が仮想的なパスであり、HeNB1120のような近隣の3GPPエンティティを介したトンネリングによってPGW1110がアクセスできるようにすることが可能である。
<PGWとLGWの間でのリンク生成>
LGW1130とLGW1131に関する情報がPGW1110によって得られうる様々な実現方法がある。この情報は、あらかじめ設定されているか、ユーザのサブスクリプションのもとに格納されているか、又はDNS(Domain Name Service)サーバのようなデータベースを介して動的に得られ、又はUE1140からの要求により得られる。その情報があらかじめ設定されている場合、PGW1110は、LGWによって提供されるサービスにアクセスするための要求をLGWから受信した時に、その情報を見る。UEが明示する方法に関しては、UEはPGW1110に送信されるPCO内にIE(Information element)としてその情報を格納し得る。PGW1110は、UEがAPN(Access Point Name)のようなサービス名のみを明示し、特定のサーバを明示しない場合、適当なLGWのサーチと選択を行う。
この実施の形態ではLGW1130とLGW1131が手続きを実行することが述べられているが、LGW1130かLGW1131のいずれか1つのみが行うようにしてもよい。
<サポートされたAPN情報とともにPGWへのLGW登録、トンネル構築を開始するLGW>
LGW1130、1131は、PGW1110に対する登録を行うことをあらかじめ設定され、プログラム化されていてもよい。例えば、UEへのPGW1110を介するローカルIPアクセスサービスを提供するため、LGW1130、1131は、立ち上げ(ブートアップ)時に、PGW1110に向けて又は中間のセキュリティゲートウェイを介して、認証及びトンネル構築処理を開始する。これは、例えば、IPsec(IP Protocol Security)セキュリティアソシエーションの構築、トンネリングプロトコルのネゴシエーション、プロテクションのためのキーの取得などを含むことができる。トンネル構築の開始は、PGW1110によって行われても、又はトリガされてもよい。LGW1130、1131は、PGW1110や中間のセキュリティゲートウェイの識別子及びアドレスを、あらかじめ格納されたコンフィグレーション、例えばコンフィグレーションファイルやSIM/USIMなどによって取得する。操作及びメンテナンスシステムは、そのような情報を設定するために用いられることができる。LGW1130、1131の所有者又はオペレータが、ローカル又はリモートでユーザインタフェースを介して手動でそのような情報を設定することも可能である。
トンネル構築は、ローカルネットワークへのUEの接続構築より前に行われてもよく、UEが関連するPDN接続の構築を開始すると同時に行われてもよい。正当な手続きで、LGW1130、1131は、サポートされたローカルIPアクセスサービスをPGW1110に示すことができる。例えばAPNを形成して、PGW1110に登録することである。APNは、ローカルIPアクセスのドメイン情報、サービス情報、あらかじめ設定された所有権情報を含むことによって形成される。例えば、LGW1130、1131がローカルプリントサービスを提供するために企業アカウントによりオペレータに登録される場合、APNは“service-printing.acc-CompanyA.mnc-xyz.mcc-lmn.3gpp.org”のように形成され得る。PGW1110は、LGWからのそのようなAPN情報をシステムデータベースに格納し、PGW選択処理の際に、3GPPシステムはAPN情報を用いてUEを収容するPGWを正確に選択することができる。
LGW登録処理の時に構築されるトンネルがある場合、複数又はすべてのUEによって共有されてもよい。PGWとLGWによって収容される新たなUEがある場合、選択的に、PGWとLGWは、例えばチャイルドセキュリティアソシエーションをフォーキングするなど、新たなトンネルを構築することができる。これは、以下で述べられるように、PGW起動トンネル構築処理を実行することによって達成され得る。
<PGWからのUE特定接続構築処理>
UE1140は、PGW1110に要求を送信することによってローカルIPアクセスサービスの要求をする。1つの実装の形態として、UE1140がすでに3Gサービスの少なくとも1つのPDN接続を有し、UE1140はコアネットワークを越えてPDNに接続している、又はUE1140が他のローカルIPアクセスサービスを有しており、それゆえに、UE1140はこのサービスの要求のためにUE Requested PDN接続手続きを利用すると仮定する。UE1140がデフォルトのPDN接続の構築と一緒にローカルIPアクセスサービスを要求する、例えば、UE1140がローカルアクセスサービスをサポートするセル内でアタッチ手続きを開始することも可能である。この場合、UE1140は、ネットワークに送信するアタッチ要求メッセージに必要な情報を含める。この場合、ネットワークは、ローカルIPアクセスサービスのための付加的なPDN接続の構築を開始する。以前に述べた手続きと同様に、MME1112は、必要であればUE1140のための関連セキュリティチェックをし、UE1140がローカルIPアクセスサービスに許可されるかどうかを決定するためにアクセス制御を実行する。UE1140が要求されたサービスに必要な権利を有していると仮定すると、MME1112は、Create Default Bearer RequestをSGW1111に送信し、SGW1111はPGW1110へCreate Default Bearer Requestを中継する。
PGW1110は、PCOからIEを回収し、関連するLGW1130の(IP)アドレスを得るためにそれを分析する。他に、PGW1110は、APN/APNsを要求したUEをチェックすることによってLGW1130を決定し、登録したLGWとサポートされたAPNについての情報を格納してもよい。
PGW1110は、既存のLGW1130との通信チャンネル(例えば、トンネル)があるかどうかをチェックする。チャンネルが存在しない場合、PGW1110は、先の記述で概説されたように、LGW1130との通信チャンネル1152のセットアップを続行する。この間、セキュリティキーは交換され、LGW1130はPGW1110へローカルにLGW1130に関連するトークンを渡す。このトークンはPGW1110との通信チャンネルを識別するためにLGW1130によって用いられる情報を含む。
オペレータのネットワークとLGW1130の接続形態に応じて、LGW1130は、効率よくLGW1130を発見するためにHeNB1120によって後に用いられる適切なアドレス又は識別子(LGW ID)を加えてもよい。オペレータがすでにLGW1130の十分な情報を有している、例えばLGW1130がすでにPGW1110に登録されている場合、PGWは格納されたLGWの情報を介してLGWのアドレス又はLGW IDを得ることができる。
<LGWとPGWとの間にNATがある場合>
図12はLGW1230とH(e)NB1220の両方が企業ネットワーク1200に属する場合の配置を示している。この場合、LGW1230とPGW1240との間にNAT(Network Address Translation)サーバ1210があってもよい。そのため、PGW1240は、外部通信のためにNAT変換されたアドレスで、グローバル又はプライベートアドレスになり得るLGW1230の外部(パブリック)アドレスを知るのみである。
このアドレスは、NATサーバ1210の背後にあるH(e)NB1220にとって役に立たず、H(e)NB1220は、プライベート又はグローバルアドレスになり得る内部(プライベート)アドレスからLGW1230を知るのみである。この場合、H(e)NB1220が必要とするものはLGW1230の内部アドレスである。この場合、LGW1230自身によって提供されるLGW IDは、H(e)NB1220が拒絶されることを回避し、効率よくLGW1230とコンタクトできるように、H(e)NB1220がNATドメイン1200内でLGW1230とコンタクトするための内部アドレスを得るのに役立つ。
<SA識別子としてのLGW ID>
PGW1240とLGW1230との間で簡単なトンネル管理プロトコルのみが実装されている場合、LGW1230がPGW1240にLGW IDを運ぶための特別なメッセージがない。この場合、LGW1230は、例えばSA識別子のように、SA(Security Association)内にLGW IDを入れて運ぶことができる。LGW IDはローカルに重要な情報を含む必要があるのみであるので、LGW IDは、例えばネットワークプレフィックス情報の代わりにホストIDを含むだけのように圧縮させることができる。
<PGWへのLGW情報がHeNBに暗号化される、例えばPGWへのトランスペアレント>
LGW1130がLGW1130のネットワークコンフィグレーションの情報をオペレータが有することを望まず、企業ネットワークのようにネットワークの背後にある場合、HeNB1120に知られるだけのセキュリティキーを用いて情報を暗号化することが可能である(そのキーはLGW1130とHeNB1120との間で静的に又は動的に共有される)。暗号化された情報は、HeNB1120がDNSのようなローカルドメイン情報サービスを問い合わせるのに用いるローカルドメインシグニフィカンス(Significance)の識別情報であってもよい。例えば、ローカル識別情報はLGWの別名、LGWのレイヤ2アドレス(例えば、MACアドレス)、又はVLAN(Virtual Local Area Network)タグなどになる。あるいは、LGW IDは、HeNBとLGWとの間で接続、例えば特定のIPトンネル、レイヤ2VLAN、又はGTPトンネルなどを構築する方法を示す情報を含んでもよい。
<トンネル構築後、PGWがHeNBにLGWトークンとIDを渡す>
PGW1110は、上述した非特許文献2に開示されるように、3GPP手続きごとにSGW1111にCreate Default Bearer Responseを生成し、送信する。Create Default Bearer Responseは、LGWトークンとLGW ID(入手可能であれば)の2つの新たな要素を含む。これを受けてSGW1111は、Create Default Bearer ResponseをMME1112に中継する。MME1112は、受信したCreate Default Bearer Responseに基づいて、UEコンテキスト内にEPSベアラID(ローカルIPアクセスサービスがPDN接続上にあればデフォルトベアラ、さもなければローカルIPアクセスサービスが専用(dedicated)ベアラ上にあれば専用ベアラ)のもとにLGWトークンとLGW IDを格納する。Bearer Setup Requestを送信する前に、MME1112はUE1140が接続しているセルがローカルIPアクセスサービスを提供することができるかチェックする。
HeNB1120がローカルIPアクセスサービスに対応し、その提供を許可されるので、MME1112は2つの新たな要素を含むBearer Setup Requestメッセージを生成する。異なる実装の形態では、2つの新たな要素がメッセージ内に常に含まれ、受信ノード(例えば、HeNB1120)は可能であれば常にローカルアクセスサービスの提供を試み、可能でなければオプションを無視することは可能である。このステップで、MME1112は、後で使用するために、例えばUEがハンドオーバ又はサービス要求をするときのための情報を格納する。S1-AP context transfer又はSAE bearer managementメッセージ(例えば、セットアップ、修正、解放など)のいずれかがLGWトークンとLGW IDの要素を運ぶためにBearer Setup Requestの代わりに用いられてもよい。
<HeNBとLGWの間でのリンクのセットアップ>
LGWトークンとLGW IDを運ぶBearer Setup Requestを受信すると、HeNB1120は、ローカルIPアクセスを行うための適切なベアラを記憶し(メッセージ内のLGWトークンとLGW IDや他の方法によって指示される)、LGW IDによって識別されるLGW1130と通信を開始する。以前に示した方法(LGW IDに含まれるIPアドレスを用いて直接的に、又はLGW ID内に格納された識別子を用いてローカルネットワーク1101上で実施するDNSクエリーを介して)のいずれかによってこれを行うことも可能で、必要に応じて復号化を行う。
LGW1130の位置に基づいて、HeNB1120はLGWトークンを運ぶSetup Requestメッセージを送信することによって通信チャンネル(ショートカット経路)1154のセットアップ(一例としてはIPトンネル)を開始する。LGWトークンをベアリングするメッセージを受信するLGW1130は、トークンの正確性を確認し、LGWトークンによって示される通信チャンネル1152の位置を発見する。通信チャンネル1152を正確に識別することにより、LGW1130は、このチャンネルと新たに生成された通信チャンネル1154との間でのペアリングを記録する。
HeNB1120が、HeNB1120によって直接アクセス可能なLGWのLGW IDを保有しているが、MMEを介して提供されるLGW IDが既知でない場合、HeNB1120はそれを無視し、LGW1130との通信チャンネル1152構築を行わない。また、HeNB1120がLGWによってPGWに提供される前にLGWトークンをすでに共有している、又はLGWトークンの内容をHeNB1120が知っている場合、HeNB1120はトークンを確認することができ、トークンが正当であれば、HeNB1120は単にLGW1130などに向けたUEに関するルーティングテーブルを更新する。HeNB1120はLGWとの通信チャンネルを構築する。これは、LGWにおける修正がほとんどなく、普及のためのコストを低く抑えることができる。
さらに、PGW1110(又は3Gコアネットワーク、例えばAAAサーバ又はHSSで他の信頼されたノード)が、LGWトークンの内容を知っている場合、又はPGW1110がHeNB1120(又はHeNB1120が接続できるローカルネットワーク内の他のエンティティ)だけが知っているLGW11130に関連する情報(例えば、LGW IPアドレス(外部使用)、LGW1130におけるAPN、又はいくつかの他のキー)を保有している場合、PGW1110はHeNB1120へのLGWトークンを生成して提供し、HeNB1120はそのトークンを確認し、トークンが正当であればLGW1130との通信チャンネルを構築し、例えばLGW1130へ向けた経路におけるUEに関するルーティングテーブルを単に更新する。LGW1130がトークン又は他の情報を送信、受信、確認をする必要がないようであり、LGWは修正なしに完全に既存(既に展開された)のIPルータになり得るので有利である。
<LGW上でUEトラフィックを結合するためのDHCPの使用>
UE1140がHeNB1120を介してMME1112にNAS PDN Connectivity Completeメッセージを送信した後、UE1140はアップリンクデータを送信することができ、ローカルネットワーク1101からIPアドレスを取得する。UE1140はローカルネットワーク1101内で使用するためのアドレス(ローカルネットワークアドレス)を取得するためにDHCP手続きを開始するが、DHCPメッセージ(DHCP Discoverメッセージ又はDHCP Requestメッセージ)内に特別なオプションを含める。HeNB1120は、この特別なUEベアラがローカルIPアクセスのために形成されたのでLGW1130へ直接DHCPメッセージを転送する。LGW1130はプロキシDHCPエージェント又はDHCPサーバとして動作し、DHCPパケットをインターセプトし、特別なオプションをとりこむ。
このオプションは、あて先アドレスとしてDHCPメッセージ内に示されたアドレスを有するfutureデータが、このDHCPパケットが受信される経路に沿って転送されるべきであるとLGW1130に気づかせる。これは、単なるIPフィルタルールの手段を通じてもたらされてもよい。UE1140がDHCPを介してローカルネットワークアドレスを取得した後、LGW1130は取得されたアドレスと通信チャンネル1152、1154との間で関係を記録する。このアドレスあてのデータパケットはこの現在の地点で通信チャンネル1154を通して転送されるべきであることにも気づく。
HeNB1120が上述したようにLGWトークンをすでに確認していた場合、UE1140はローカルネットワーク1101へ特別なオプションなしで通常のDHCPメッセージ(DHCP Discover又はDHCP Request)を送信する。LGW1130は、DHCPメッセージを受信し、UE1140へIPアドレスを割り当て、最終的にDHCP Ackメッセージを送信する、又はローカルネットワーク1101内のDHCPサーバにDHCPメッセージを転送する。UE1140へのDHCP Ackメッセージの送信又は転送中に、LGW1130は、DHCP AckメッセージのMACヘッダに記述されたMACアドレスとDHCP AckメッセージのIPヘッダに記述されたIPアドレスとを用いてルーティングテーブル又は近隣キャッシュを更新する(ルーティングテーブル更新のために潜在的にHeNB1120に接続するインタフェースIDを用いる)。
そのような方法で、UE1140はLGWトークンを転送するのに特別なオプションを含む必要はなく、またLGW1130はDHCPメッセージ内で特別なオプションを認識する必要もない。これは、LGWがほとんど又はまったくの修正なしに既存(すでに配置された)のIPルータになり得るため有利である。
HeNB1120は、LGWトークンを確認する他の方法として、例えばDHCPパケットをインターセプトし、特別なオプション内に含められたLGWトークンを取得し、確認する方法を用いてもよい。
<IPv6自動生成サポート>
上述したようなDHCPバージョン4が上述した発明を実装するのに唯一の可能な方法ではないことに注意すべきである。その解法は、RS(Router Solicitations)とRA(Router Advertisements)が利用される場合、又はDHCPバージョン6が代わりに用いられる場合にも同じように十分に機能する。
例えば、IPv6 RS/RAがアドレスの自動生成に用いられる場合、UEは自身の識別子、例えばMACアドレスとRAでアナウンスされるプレフィックスを用いることによってアドレスを生成する。この場合、機能する解法のために、RAをアナウンスするルータ、例えばPGW又はLGWは、アドレス生成のためDHCPメッセージを送信することをUEに強制するように、ネットワーク制御フラグをセットすることができる。
あるいは、解法を実装するUEは、アドレス自動生成後に、生成されたアドレスを運ぶDHCPメッセージを送信することができる。そのような場合、DHCPメッセージを用いてアドレスを更新しているように動作する。LGWはこのメッセージをインターセプトし、フィルタとUEのローカルIPアクセストラフィックのバインディングを生成する。
<NASにおけるPGW割り当てアドレス>
ある操作において、UEのアドレス/プレフィックスが、NAS(Non-Access Stratum)手続きの間に割り当てられる。上記で紹介した解法が機能する場合、PGWはアドレス、例えば0.0.0.0としてあらかじめ定義された値を含めることができ、これは接続構築手続き後のアドレスとユーザプレーンの利用可能性を取得するためのDHCP手続きを実行することをUEに強制できる。
<移動後、UEはLIPAトラフィック再結合を更新するためにLGWにトリガするDHCPを送信する>
UE1140は、HeNB1121に向けて動いている。以前に記述したプロセス(図6)と同様、HeNB1120は、ハンドオーバターゲットとしてHeNB1121を特定してMME1112にHandover Requiredメッセージを送信する。MME1112は、HeNB1121に送信されるHandover Requestメッセージ内に、関連するEPSベアラのLGWトークンとLGW IDの要素を含める。HeNB1121は、LGW1130との通信チャンネル1158を配置してセットアップする新たな情報要素を認識する。UE1140がハンドオーバ成功後にHeNB1121へHandover Confirmメッセージを送信した後に、ローカルネットワーク1101と既存のセッションがあると理解する。
この場合、DHCP手続きを用いてLGW1130に知らせるが、ローカルネットワーク1101から得られたアドレスを使用しており、特別のオプションを含んでいるDHCP Refreshメッセージを代わりに利用してもよい。特別のオプションを有するDHCP Refreshメッセージを受信すると、LGW1130は、UE1140のローカルネットワークアドレスのもと、通信チャンネル1152と以前の通信チャンネル1154に代わった新たな通信チャンネル1158で記録(例えば、ルーティングテーブル又は近隣キャッシュ)を更新する。このアドレスあてのデータパケットは、この現時点で通信チャンネル1158を通じて転送されるべきであることにも注意する。
UE1140はeNB1113に向けて移動している。UE1140がハンドオーバの成功後にHeNB1121へHandover Confirmメッセージを送信した後に、ローカルネットワーク1101と既存のセッションがあると理解する。しかし、eNB1113はLGW1130との直接の通信チャンネルを有しておらず(おそらく物理的又はポリシ制限によるもの)、LGWトークンとLGW IDの新たな情報要素を受信できない、又は受信されてもアクションを起こせない。この場合、UE1140がローカルネットワーク1101から取得したソースアドレスセットを有し、特別なオプションを含むDHCP Refreshメッセージを送信すると、eNB1113はSGW1111を介してPGW1110にそのメッセージを代わりに転送する。
PGW1110は通信チャンネル1152を介してLGW1130にDHCP Refreshメッセージを転送する。特別なオプションを有するDHCP Refreshメッセージの受信に基づいて、LGW1130は、他の通信チャンネル1158を取り除いて、UE1140のローカルネットワークアドレスのもと、通信チャンネル1152で記録を更新する。LGW1130は、このアドレスあてのデータパケットがこの時点でPGW1110へ通信チャンネル1152を通じて転送されることに気づく。
<MMEでトークンの格納をしない:PGWはUEの位置更新を要求する、そのためハンドオーバ後、MMEは修正ベアラ要求を用いてPGWを更新し、PGWは修正ベアラ応答を用いてMMEを介してトークンを再送信する>
他の操作において、MME1112はLGWについてのトークン情報を格納する必要がない。この場合、PGWはPDN接続又はローカルIPアクセスのベアラが構築されると、UEの位置情報の更新を要求する旨を指示する。
UEのサービングセルの変更によるあらゆるモビリティイベント後に、MME1112はSGW1111にModify Bearer Requestを開始し、PGW1110に向けて送信する。そのような更新を受信するPGWは、現在のセルがUEにローカルIPアクセスのためのダイレクトコネクションを提供することを許されているのか(セル情報を用いて(例えば、ECGI))決定することができる。PGWがセルからローカルIPアクセスのダイレクトコネクションが許されていると決定すると、Modify Bearer Responseメッセージ内にLGWトークンとLGW IDを提供する。これはサービングセル、例えば適切なS1 APメッセージを介してeNode B又はH(e)NBなどに送信される。
あるいは、PGWはModify Bearer Responseメッセージにトークン又はLGW IDを含めない。その代わりに、Modify Bearer Responseメッセージ後、即座にPGWは、トークンとLGW IDを運ぶUpdate Bearer Requestをトリガする。これは、eNode B又はH(e)NBに転送されるトークンとLGW IDと同様である。
<第12の実施の形態>
<LGWトークンとIDをHeNBへ中継するためのUEの使用>
他の好ましい実施の形態として、UE1140はPGW1110へ要求を送信することによってローカルアクセスサービスの要求をする。LGWトークンとLGW IDの情報要素は、PGW1110によって生成されたCreate Session Responseメッセージで運ばれるPCOの使用を通じてPGW1110からUE1140へ送信される。RRC Connection Reconfigurationメッセージ内で運ばれるPCO内のLGWトークンとLGW IDを受信すると、UE1140はHeNB1120へ送信されるRRC Connection Reconfiguration CompleteメッセージにLGW IDの情報要素を加える。
LGW IDを受信すると、HeNB1120は、RRC Connection Reconfigurationメッセージ内のLGW IDによって識別されるような適切なUE(ユーザプレーン)ベアラに関してLGW1130と通信チャンネル(ショートカット経路)1154を生成する。UEは、ローカルネットワーク1101アドレスを要求するときDHCP特別オプションにLGWトークンを加える。LGW1130は、関連するPGW1110通信チャンネル1152を確認し決定するために、特別オプション内に格納されたLGWトークンを照合することができる。
UE1140は、接続チャンネルの生成が保証されるように、HeNB1120がトークンを確認するためにRRC Connection Reconfigurationメッセージ内にLGW IDに加えてLGWトークンを含めてもよい。この場合、UE1140はDHCPメッセージ内にLGW1130へトークンを送信しない。
そして、ハンドオーバすると、eNode B又はH(e)NBがLGWに向けてローカルIPアクセスのダイレクトコネクションを提供することができると決定する場合、UEは、eNode B又はH(e)NB宛のRRC Connection Reconfiguration(Handover Complete)メッセージ内にLGW IDとLGWトークンを含める。これにより、対応するeNode B又はH(e)NBに、UEのローカルIPアクセストラフィックのためのLGWと接続するダイレクトコネクションを確立することをトリガする。
<第13の実施の形態>
<3GアクセスとLIAアクセスにおけるPGW共有ケース:PDN接続内でLIAを管理するためUEが要求したBearer Resource Modificationを利用>
他の好ましい実施の形態として、その方法は、PGW1110がローカルアクセスサービスだけでなく3Gも利用する場合における解法のオペレーションについて述べられている。1つの実装の形態として、UE1140は、ローカルアクセスサービスを開始するため既存のPGW(PGW1110)にトリガするためにローカルアクセスサービス要求として非特許文献2に開示されているUEが要求したbearer resource modificationを利用する。PGW1110へのトリガメッセージは、MME1112とSGW1111によって透過的に(トランスペアレントリーに)運ばれるRequest Bearer Resource ModificationメッセージのPCO内の付加的なフィールド又はオプションとして運ばれてもよい。ローカルアクセスサービス要求を受信すると、PGW1110はUE1140がこのサービスへのアクセスが許されるかどうか決定する(ユーザサブスクリプション情報叉はオペレータポリシをチェックするなどして決定する)。
アクセスが許されると仮定すると、PGW1110は、UE1140が既存のPDN接続上で複数のIPアドレスを効率よく利用できるように、例えば宅内と宅外同時に利用できるように、UE1140のモビリティサービスのための準備を行う。PGW1110は、ローカルIPアクセスサービスのためLGWからIPアドレスを取得するのにUEを支援するプロキシアドレス割り当て処理を開始する。新たなIPアドレスはケアオブアドレスとしてホームエージェント(この場合、PGW1110)に登録される。
PGW1110は、UE1140のため、直接のローカルアクセスサービスを実現するために適切なノード(HeNB1120とLGW1130など)上にローカルドメイントラフィックのための適切なパケットフィルタ(例えば、TFT(Traffic Flow Template))をインストールする。これは、MMEを介してH(e)NBにUpdate Bearer Request (Bearer Modify Request)でそのフィルタを運ぶことによって実行される。UEの新たなIPアドレスは、Session Management Requestで、例えばTFTとともに運ばれる。
<外部PDN割り当て手続きを用いて割り当てられるIPアドレス、例えばUEはPGWを介してPDNから要求する>
外部PDN割り当て手続きを介してローカルネットワーク1101からのIPアドレスをUE1140が要求することは可能であり、それによって、PGW1110はUE1140に対してDHCPサーバとして、ローカルネットワーク1101に対してDHCPクライアントとして動作する。この場合、UEはローカルネットワークアドレス要求と3GPDNアドレス要求を区別するべきである。これは、いくつかのフィールドの変更(3GとローカルネットワークサービスにおけるCHADDRフィールドの違いを用いるなど)を通じた構成や、違いを示すためにDHCPメッセージ内にオプションを含めたりする(例えば、この接続に以前に割り当てられたIPアドレスを要求する)構成によりなされる。
図11を参照するに、UE1140は、ローカルネットワーク1102へローカルアクセスサービスを実行するためにPGW1110との既存のPDN接続の利用を望む。この配置において、PGW1110はUE1140へ3Gサービスを提供するPDN接続である。PGW1110が上述したように単にローカルアクセスサービスのために利用され、UE1140が追加のローカルネットワークへの接続の要求をするためにこの方法を用いることが可能であることにも注意する価値がある。この場合、UE1140がPGW1110のアドレスプールからIPアドレスを割り当てられるか、ホームアドレスとして用いられるPDN内部から割り当てられるか、又はローカルネットワーク(1101、1102)から得られたIPアドレスの1つを動的に利用して割り当てられるかはPGW1110の実装による。
ローカルアクセスサービストリガを有するPCOを運ぶBearer Resource Commandメッセージを受信すると(ローカルネットワーク1102のAPN又はFQDNであってもよい)、PGW1110はLGW1131と通信チャンネル1151を構築するための上述された手続きに従う。PGW1110がUE1140のためにローカルネットワーク1102からIPアドレスを取得すると、PGW1110は自動的に非特許文献2に開示された通常の手続きを介してUE1140に通知する前に追加のケアオブアドレスとして新たに得られたアドレスを登録する。UE1140が自身の新たなIPアドレスを取得すると、UE1140は、ホームエージェントとして動作するPGW1110へのユーザプレーンベアラにケアオブアドレスとして新たなローカルネットワーク1102IPアドレスを登録するバインディングアップデートを送信すべきである。
PGW1110がケアオブアドレス登録を取得した後、PGW1110はHeNB1121とLGW1131に新たなケアオブアドレスのためのパケットフィルタのインストールをするべきである。LGW1131へのパケットフィルタのインストールは、通信チャンネル1151上に送信されるUE1140の位置に依存する既存のルーティングエントリを付加又は修正するコマンドを伴う。HeNB1121へのパケットフィルタのインストールは、HeNB1121にインストールされる必要があるパケットフィルタを運ぶために、非特許文献2に開示されたようなPDN GW initiated bearer modification手続きを再利用することによって成し遂げられる。
HeNB1121では、ローカルアクセスデータパケットを適切に直接転送するためにパケットフィルタの受信に基づいてLGW1131との通信チャンネル1159の生成が開始される。この配置では、PGW1110は、UE1140のローカルアクセスサービスを実現するためにパケットフィルタの更新をタイムリーに行う。
<PGWがハンドオーバ後LIAサービスアクセス制御を行うときのシーケンスの違い>
UE1140が他のH(e)NB又はマクロセルなどの他の接続ポイントに移動するとき、ローカルネットワーク(1101、1102)の直接転送するデータのローカルコンテキストを新たな接続ポイントに送信させることは可能である。この場合、UE1140は、PGW1110がUEの新たな位置情報に関してMMEから通知を受け取る間に、LIAサービスを即座に受ける。PGWは新たな接続ポイント上でそのフィルタに必要な交換をしてもよい。
あるいは、LIAサービスコンテキストは、ハンドオーバの間、移動されない。UEは、外部PDNアドレス割り当て手続きと同様にPGW1110にDHCP Refreshメッセージを送信すべきである。PGW1110は、LIAサービスが新たな接続ポイントで提供される前に適切なフィルタをインストールするための必要な決定及び行動をとることができる。
<第14の実施の形態>
<ホームエージェントとしてのLGWのメイキング:LGW管理のためDHCPの代わりにBUを利用>
選択的な実施の形態において、UEは、コアネットワークとローカルIPアクセスサービスによって提供される3GPPサービスにアクセスするために同じ又は異なるPDN接続を利用することができる。この場合、LGW1131はUEのモバイルIPホームエージェントとして動作する。
UEは、まず非特許文献2に開示されている手続き、例えばAttach又はUE requested PDN connection setupを用いてPGWにPDN接続を構築する。通常通りアドレスがUEに割り当てられる。このアドレスはコアネットワークによって提供される3GPPサービスにUEがアクセスするために用いられる。モバイルIPの意味においては、これはUEのケアオブアドレス(CoA)である。
同時に、UEはLGWへの接続を試みる。これはモバイルIPブートストラップ処理を介するものになり得る。あるいは、そのベアラがLGWにトラフィックが転送されることをPGWは知るなどのやり方で、UEはLIAサービスのためにPGWへの特別なベアラを構築することができる。
PDNコネクションを確立すると、UEは、LGWを介してローカルIPアクセスドメインからアドレスを取得しようとする。このアドレスはローカルIPアクセスサービスへのUEのアクセスのためのものである。モバイルIPの意味においては、これはUEのホームアドレス(HoA)である。
LGWからHoAを取得する処理において、LGWトークンとLGW IDがUEに提供される。通常のトークンとLGW IDのほかに、HoAに基づくフィルタも関連付けられている。例えば、この場合、フィルタは、ソースアドレスHoAを有するパケットがローカルのダイレクトコネクション(HeNBとLGWとの間の通信チャンネル)を介してLGWに転送されるものであることをH(e)NBに知らせることができる。UEは、トークン、LGW ID、関連するフィルタを適切な無線レイヤ管理メッセージ、例えばMeasurement Report、RRC Connection Reconfiguration、self-configuration and self optimisation relatedメッセージを用いてHeNBへ渡すことができる。あるいは、PDN管理又はベアラ管理手続きがローカルIPアクセス構築を開始するために用いられる場合、トークン、LGW ID、関連するフィルタはPGWによってMMEを介してH(e)NBへ直接渡され得る。
この後、UEは2つのバインディングアップデートメッセージを形成しようとする。1つはLGWにCoAを登録するためのもので、送信アドレスとしてCoAを用いている。1つは、ホームネットワークに戻った場合にバインディングを消去するもので、送信アドレスにはHoAを用いる。シーケンス番号は登録消去バインディングアップデートがCoA登録メッセージに優先する形で割り当てられているとUEは確認する。UEは使用されるリソースを減らすために、同時に2つのバインディングアップデートメッセージを送信したり、登録バインディングアップデートメッセージよりわずかに早く登録消去バインディングアップデートメッセージを送信したり、登録消去バインディングアップデートメッセージよりわずかに早く登録バインディングアップデートメッセージを送信したりする。
H(e)NBがLGWにダイレクトコネクションできる場合、メッセージがソースアドレスとしてHoAを用いており、そのHoAがフィルタに適合したため、ローカル接続を介して直接LGWに登録消去バインディングアップデートを転送する。バインディングアップデートメッセージを受信すると、LGWはローカルなダイレクトコネクションを介して直接UEのすべてのトラフィック(アドレスHoAを有する)をH(e)NBへ切り替える。PGWを介してルートされた登録バインディングアップデートはLGWによって静かに破棄される。
H(e)NBがLGWへダイレクトコネクションをサポートすることができない場合、登録消去バインディングアップデートは、アドレスが正当ではないので、H(e)NB又はPGWによって破棄される。この場合、登録バインディングアップデートは通過してLGWに届く。これは、CoAのバインディングキャッシュをLGWが生成し、PGWに向けてUEのトラフィックをルートすることによるものである。
<H(e)NBがLGWからのRAを転送し、UEが直接HoAを形成する>
UEが、現在のセルが例えばECGIリストをチェックすることにより又は他の手段によりLGWへのダイレクトコネクションをサポートしているかどうかを知っている場合、UEは2つのバインディングアップデートの代わりに1つの適切なバインディングアップデート(登録BU又は登録消去BU)を送信すればよい。例えば、ローカルIPアクセスをサポートするH(e)NBはLGWからのRAメッセージを転送する。これは、上述の実施の形態(第1から第14の実施の形態)に示されるように、H(e)NBとLGWとの間でダイレクトリンク構築後に即座に開始される。LGWからのRAは、UEが異なるLGWから異なるRAを区別することができるように、このLIPAアクセスを特定するベアラ上を転送されてもよい。例えば、UEは2つの異なるRA、例えばPGWとLGWからのRAに気づく。UEはそれが宅内(ホーム)と宅外(アウェイ)であることを知っている。UEはいずれかのBUか、ローカルIPアクセスの両方の経路を用いることを許す特別なフラグとフィルタを有するものを送信することを選択できる。
プロキシモバイルIPの意味においてHeNBがMAG(Mobile Access Gateway)になり得る場合、HeNBは、UEが登録消去バインディングアップデートメッセージを送信するために用いられる無線リソースを減らすことができるように、UEの登録消去バインディングアップデートメッセージの送信の代わりにLGWへPBU(Proxy Binding Update)メッセージを送信することができる。
<第15の実施の形態>
<マクロセルに同じ解法を当てはめる>
上述した解法において、ネットワークへのUEのアクセスノードはHeNBである。しかしながら、同じ解法がマクロセル又はアクセスポイント、例えばeNodeB、NodeB、BSなどに当てはめられることは当業者であれば自明である。
<トークンは範囲を制限するためにTAIを含む>
上述した解法において、トークン情報がTAI(Tracking Area IDs)又はeven cell ID(例えば、ECGI)のリストを含むことは可能である。これは、アクセス制御の特定の形がコアネットワーク内で、例えばPGW又はMMEで行われることを許す。この場合、許されたTAI又はECGIにある場合(通知されるトークンに含まれるものとしてTAI又はECGIと同じ)、トークン又はLGW IDはeNodeB又はH(e)NBに転送されるのみである。これは、ネットワーク側で過度のシグナリングを避けることができる。
上述の解法において、LGW IDとLGWトークンは異なる情報であるが、それらは1つの情報、例えばLGW IDを含むLGWトークン、トークン部分を含むLGW ID、又はトークンとLGW IDを同時に含む他の名前の情報にまとめられてよい。
<第16の実施の形態>
<モビリティでのローカルアクセスの動的QoS調整>
UEがローカルIPアクセスサービスのPDN接続(又は専用ベアラ)を開始するとき、又はローカルIPアクセスサービスにおいてローカルネットワークへのショートカット経路を提供するHeNBへUEがハンドオーバするとき、ショートカット経路上でのHeNBとローカルネットワーク(又はLGW)との間のローカルアクセス経路が内部ネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標)、WLAN、PLCなど)を通じてより広帯域となるため、PGW(又はHeNB/LGW)は通常の3Gアクセス(例えば、EPCを超えてPDNにアクセス)よりその接続を広帯域アクセスに動的にするために、その接続かつ/又はベアラのQoSコンテキストを修正する。
PGWが、上述した非特許文献2に開示されているように、手続き(Attachment procedure、UE requested PDN connectivity procedure、Handover procedure)の間、UEの接続の構築又はハンドオーバを認識すると、PGWはポリシーサーバ(例えば、3GPPコアネットワークでのPCRF)によって提供される又はPGW自身によって所有されるルールに基づくQoSポリシをコネクションに適用する。ルールが基本的にサブスクリプションベース(すなわち、静的に定義される)であるので、UEのユーザは、ローカルネットワーク内での通信であるためローカルIPアクセスサービスのためにより多くのリソースを必要とするかもしれない。
ローカルIPアクセスサービスにとって、接続がHeNB/LGWとローカルネットワークとの間(例えば、HeNB又はLGWでプロキシPGW機能によってトリガされる)でのショートカット通信経路であるとPGWが認識する場合、PGWはローカルアクセスサービスのためにHeNB(プロキシPGW機能)/LGWから新たなルールを取得し、接続/ベアラのルールを適用する(例えば、上述した非特許文献2に開示されるPDN GW initiated bearer modification手続きを用いて)。PGWは、ローカルIPアクセスサービスのQoS実施に関してUEのサブスクリプションを考慮することができる。
例えば、PGWはUEのサブスクリプションに基づいてそれぞれのUEにおける異なるQoSポリシ/ルールを実施する。UE(A)はHeNBとローカルネットワークが配置された家の顧客であるので、UE(A)には低いビットレート、UE(B)はHeNB(そしてローカルネットワーク)の所有者であるのでUE(B)には高いビットレート、UE(C)は所有者によって良好なQoSパラメータを有するローカルIPアクセスサービスを用いることが許された特別な顧客であるのでUE(C)には高いビットレートとする。UEは、付加的な属性(例えば、通常の顧客、特別な顧客、所有者など)を手続きのためのメッセージに含めてPGW(又は他のエンティティ)への提供することができる。
HeNBからローカルIPアクセスサービスの接続/ベアラをハンドオーバしているとき、PGWは、通信/セッションが他の接続や他のUEを害さないように、UEとその接続におけるQoSレベルを小さくしてもよい(例えば、ショートカット通信より帯域を狭くする)。
適切なQoSポリシ/ルールが接続構築の間に当てはめられることができるように、UEは、はじめから適切なQoSで通信/セッションを開始する(例えば、通信/セッション開始した後に調整が必要ない)。これにより、ユーザの利便性を増すことができる。
ネットワーク態様(ショートカット経路又は通常のEPCアクセスを通じたローカルネットワーク)に応じたQoS制御は、HeNB又はLGWが実施してもよい(例えば、非特許文献2に開示されたPDN GW initiated bearer modification手続きを用いて)。そのQoS制御は、接続構築手続き又はハンドオーバを実施してから、UEが通信/セッションを開始するまでの間に実施され、それによってPGWがローカルIPアクセスサービスのケーパビリティを意識する必要がなくなり、PGWにおける動作負荷を低減することができる。
<第17の実施の形態>
あるサービスやアプリケーションにおいては、ユーザ(UE)の在圏位置に適応して、接続先となるローカルネットワーク(ローカルIPアクセスネットワーク)やLGWを選択したり、提供サービス内容やシステム/ネットワークのケーパビリティ、QoS保証内容、セキュリティレベルなどを変化させることで、システム上での拡張性を有するサービスやアプリケーションの提供が可能となる。例えば、企業情報システムでは、情報保護や情報漏洩防止の観点から、社外のアクセス系から企業ネットワークに接続する従業員には、セキュリティレベルの高いデータやファイルへのアクセスに制限をかけることがある。一方で、社内のアクセス系から接続している時は、ユーザ認証によって得られた権限の範囲で秘匿データやファイルへのアクセスを許可する。詳細には、社内の基地局(例えばその企業向けCSGセル)やアクセスシステム以外から企業ネットワーク(ローカルネットワーク)にリモートアクセスする従業員には、より高いセキュリティレベルを課したり、リモートアクセス専用のローカルネットワークに接続させたりして、情報漏洩を回避しようとする。
本実施の形態では適応サービス提供方法について開示し、UEが、ローカルネットワークに最適経路を確立することができる基地局(例えば、H(e)NB:HNBまたはHeNB)を介してローカルネットワーク(LIAネットワーク;企業ネットワーク、ホームネットワークなど)に接続するLIA(ローカルIPアクセス)を行うか、ローカルネットワークに最適経路を確立することができない基地局を介して接続するRIA(リモートIPアクセス)を行うかに依存し、UEの在圏位置に応じて、サービス内容、システム/ネットワークのケーパビリティ、QoS保証内容、サービス及びアプリケーションのセキュリティレベルを変えることができる。
図13は本実施の形態を説明するための、LIAドメインの構成例を示す図であり、複数のローカルネットワーク、複数のLGW、複数のHeNBがLIAドメインに配置される。ローカルネットワークは、LIA接続用とRIA用に分けて配置される。LGWは、複数のローカルネットワークを収容(複数のローカルネットワークに接続)するものもあれば(LGW3)、単一のローカルネットワークを収容するだけのものもある(LGW1、LGW2)。同様に、HeNBも複数のLGWに接続し、それぞれとLIA接続のための最適化経路を構築することができる。LGWがHeNB内に一緒に配置される場合も同様であり、HeNBによっては複数のローカルネットワークを収容することもある(HeNB3)。なお、上記構成は、本実施の形態を説明するための想定であり、必ずしも同一の構成をとる必要はなく、実際の構成はシステムの要求や性質に応じて変更又は修正されるものである。
上記構成において、UEが宅外、すなわちローカルネットワーク、エリア、基地局を含むネットワークに向けて、LIA接続のための経路最適化を実施できない基地局(LIAドメインに属しないeNBやHeNB4)からリモートにローカルネットワークへの接続を試みる。なお、上述の実施の形態(第1から第16の実施の形態)に示したように、UEは、接続を試みている基地局が、LIA接続のための経路最適化を実施できる基地局であるかどうかを意識する必要はなく、LIA接続、RIA接続のいずれの場合も同じLIA用APN(LIA−APN)を用いることができる。これにより、ユーザがLIA接続とRIA接続のいずれかを実施すべきかの判断が不要となり、ユーザ負担を軽減できるとともに、ローカルネットワークへのアクセスに対する自由度を知識なしに容易に向上させることができる。
UEの接続要求(Attach Request、Service Requestなど)はMMEに転送され、MMEはCreate Bearer Requestメッセージを送信する。Create Bearer Requestメッセージは、SGWを介してLGWに転送される。しかし、同じ解放がCreate Session Requestメッセージのケースに適用されることは当業者であれば自明である。この実施の形態では、一例として、Create Bearer Requestメッセージのケースについて述べる。MMEは、UEの位置情報として、セルID、基地局ID(例えば、(E)CGI(E-UTRAN Cell Global ID or Cell Global ID))、CSG ID、トラッキングエリアID(Tracking Area ID: TAI)、ルーティングエリアID(Routing Area ID: RAI)、ロケーションエリアID(Location Area ID: LAI)などを含む。位置情報は、上述のIDのうち1つ以上になり得る。PGWはUEの位置情報を得るためにCreate Bearer Requestメッセージを処理し、既に構築された、又は新しくこの時点で構築されたPGWとLGWの間のトンネルを通して位置情報についてLGW(例えば、LGW3)に通知する。
LGWは、UEのリクエストがLGW自身(他のLGWに移転され得るケースである点に注意)に最適化経路を構築することができる基地局(例えば、この場合、HeNB2)からの接続構築に関するものであるかどうか検出し、そうであれば、LGWはLIAのローカルネットワーク(ローカルネットワーク3)への接続構築を継続することを決定し、ローカルネットワーク3へ向けてLIA接続の経路を構築する。構築された経路は、最適化経路を構築する際に、UEの無線ベアラとHeNB(例えば、HeNB2)によってバインドされるものである。ここで、LGWは、検出の目的のためにLIAドメイン内で自身を含むLGWへ最適化経路を構築することができる基地局のリストを維持する。LGWは、UEが接続を試みようとする基地局がそのリストに含まれるかチェックする。さもなければ、LGWは、UEの位置情報、例えばセルID、(E)CGI、TAIなどにて示された基地局に、経路最適化の実施可能性を問い合せるものであってもよい。
また、LGW(LGW3)は、UEが経路最適化を実施可能な基地局以外からの接続(例えば、eNBやHeNB4からの接続)であることを確認すると、LGW3は、RIA(例えば、ローカルネットワーク4)のローカルネットワークへの接続構築を継続することを決定し、ローカルネットワーク4に向けてRIA接続用の経路を構築する。ローカルネットワーク4への構築された経路は、現在確立しているUEのEPSベアラとLGW3によってバインドされる。
ここで、LGWは、UEの在圏位置に応じて、サービス内容、システム/ネットワークのケーパビリティ、QoS保証内容、サービス及びアプリケーションのセキュリティレベルを制御(アレンジ)することができる。例えば、UEがLIA接続可能な位置から接続している場合は、LGWは、LIA接続用パスを確立するとともに、UEにすべてのサービスを許可する。また、LGWは、UEのアクセスレベルを高めることを承認(Authorization)サーバに要求し、承認サーバがそれを承認する。これにより、UEのLIA接続のデータパスがローカルエリア(例えば、構内、宅内、会社内など)に維持されるため、ユーザがローカルネットワークへアクセスする制限が緩和され、ユーザの利益が保証される。
また、他の一例として、ブロードキャストやマルチキャストトラフィックがLIA接続上でUEに転送されるよう、LGW内に経路表やパケットフィルタが構成されてもよい。これにより、多くのプロトコルがサービスやアプリケーションによって利用され、様々なサービスやアプリケーションがユーザに提供される。
また、他の一例としては、LIAアクセス用のスループットが向上し保証されるように、LIAアクセス用の接続がよりよいQoSパラメータで構成されるものであってもよい。ローカルアクセスの特徴にもなりうるスループットを向上させるために、ローカルネットワークとLGWの間、LGWとPGWの間、及びPGWとUEの間のQoS設定を、よりよいパラメータ、例えば高く設定したMBR/GBR(Maximum Bit Rate/Guaranteed Bit Rate)や高く設定したARP(Allocation and Retention Priority)などを用いて行うようにしてもよい。さらには、UEでのスループット及びパフォーマンスが向上するように、追加的なセキュリティプロトコル(例えば、IPsecトンネル等)がUEへ要求されないようにすることもできる。
対して、UEがLIA接続できない基地局を介して接続している場合(すなわち、基地局が最適化LIA接続を構築することができない)、LGWは、RIA接続用パスを確立するとともに、UEに一部のサービスのみ許可する。また、LGWは、UEのアクセスレベルを低く設定することを承認サーバに要求し、承認サーバがそれを承認する。
また、他の一例として、ブロードキャストやマルチキャストトラフィックがRIA接続上でUEに転送されないよう、LGW内に経路表やパケットフィルタが構成される。これにより、不必要なトラフィックと情報漏洩が回避される。
また、他のケースでは、RIAアクセスのスループットが適度に維持され、ユーザ利益が保証されるように、RIAアクセス用の接続が適当なQoSパラメータで構成されることもできる。適正なスループットを維持させるために、ローカルネットワークとLGWの間、LGWとPGWの間、及びPGWとUEの間のQoS設定を適正に設定する(例えば、EPSベアラと他の経路の間でQoSパラメータをあわせるなど)こともできる。さらに、セキュリティ要求が妥協されないように、追加的なセキュリティプロトコル(例えば、IPsecトンネル等)がUEへ要求されるようにすることもできる。
また、UEがLIA接続可能な基地局から、それ以外の基地局へのハンドオーバ、すなわちLIA接続からRIA接続に(あるいはその逆向き)ハンドオーバする際は、UEの位置情報の更新を理由に、MMEがModify Bearer RequestメッセージにUEの位置情報を含め、そのメッセージをUEを収容するSGWを介してPGWに送信する。PGWは、そのメッセージからUEの位置情報を取得し、LGWへその情報を転送する。提供されたUEの位置情報に基づいて、LGWは、上記説明したのと同様の方法により、UEによってアクセスされるターゲットローカルネットワーク(LIAかRIA)を選択し、そのローカルネットワークへUEの接続のための経路を構築する。すなわち、ハンドオーバがRIAへUEの接続を切り替える場合、LGWはRIA接続のためのローカルネットワークを選択し、LIAへのハンドオーバの場合、LGWはLIA接続のためのローカルネットワークを選択し、UEの適当な接続のため経路構築を行う。
UEのLIA接続の構築の間、LGWがLIA接続用ローカルネットワークに対してUEのLIA接続用パスを構築したが、所定時間経過してもHeNBから最適経路が確立されない(すなわち、最適経路確立処理が開始されない)ときや、他ノードからの指示を受けたとき、LGWは先に構築したLIA接続用パスを解消し、RIA接続用ローカルネットワークへのRIA接続用パスを構築する(UE向けのパスをLIA接続用からRIA接続用に切り替える)。このとき、LGWがRIA接続用ローカルネットワークへのパスを確立できない場合(例えば、LGWがRIA接続用ローカルネットワークに接続することができない場合や、そのLGWはRIA接続用ローカルネットワークに接続できるが、UEがRIA接続用ローカルネットワークへのアクセスあるいはRIA接続が許可されていない場合など)、LGWはその指示(UEによる接続)を拒否して、処理を終了する。また、そのLGWはRIA接続用ローカルネットワークに接続できないが、他にRIA接続用ローカルネットワークに接続できるLGWを知っている場合(データベース問い合わせや、事前設定によって)、LGWリロケーション処理を実施してもよい。具体的には、LGWは、SGWを介してMMEにリロケーション要求(切替先LGWのアドレス等の情報を含む)を送信し、MMEがUEのEPSベアラを切替先のLGWに向けて確立し、それまでのLGWとの間のEPSベアラをリリースする。なお、他ノードからの指示とは、例えばMMEやHeNBからのLGWリロケーション指示(あるいは要求)である。
サービス内容がアレンジ(変更又は修正)されると、それに伴って追加のサービス承認や、追加のアクセス認証かつ/又は認証/承認の再構成が要求されたりする場合がある。特に、RIA接続の場合、より厳格性を問われる承認や付加的な認証が、アタッチ、サービスリクエスト、RIA接続を構築又は切り替えるハンドオーバ手続きの間に行われ得る。そのような承認/認証はユーザパスワード、アクセスクレデンシャル、セキュリティトークンなどを必要とされることがある。さもなければ、アタッチ手続きの間に要求されるSIMデータやサブスクリプションデータ利用に基づくUE認証手続きが、特にハンドオーバ等でLIA接続からRIA接続に切り替わる際に、あらためて実施される。
また、LGW、PGW、又はPCRF(Policy and Charging Rules Function)は、課金データの収集ポリシをRIA接続とLIA接続で変更してもよい。例えば、オペレータコアネットワークリソースをより消費する傾向にあるRIA接続をLIA接続より高いレートで課金するポリシを適用する。ここで、LGW又はPGWは、LIA接続からRIA接続への切り替えをSGWに通知(あるいはSGWが自発的にそれらの切り替えを検出)して、UEのRIA接続時の課金データの収集をSGWにて実施してもよい。なお、課金ポリシとルールは、LIA/RIA接続の切替時にPCRFから取得したり、UEのサブスクリプションデータ等に事前に設定されたポリシを使用したりする。
これにより、システムがサービス内容やケーパビリティ等を切り替えることが可能となり、ユーザに様々なサービスやアプリケーションを提供することができる。このことは、サービスプロバイダあるいはアプリケーションプロバイダの利便性を保証し、最終的にユーザの利便性向上にも貢献するものである。
他のケースでは、LGWは、ローカルネットワークへの接続に関しUEの位置に基づいて適当に選択される。UEが接続要求(Attach Request、Service Requestなど)をすると、MMEは要求を受信し、UEを収容するPGWを選択する。MMEはUEコンテキスト(例えば、MM context)、サブスクリプションデータ、ローカルデータなどに基づいて、MMEは、構築される接続がLIA、例えばLIA接続可能な基地局(例えば、HeNB)やCSGセルを介する接続か、又はLIA接続不可能な基地局やCSGセルを介する接続かを検出する。その接続がLIA接続と検出されると、MMEは、LIA接続用LGW(例えば、LGW1)に接続を有するPGWを割り当てる。一方、RIA接続と検出されると、MMEは、RIA接続用LGW(例えば、LGW2)を割り当てる。MMEは、双方のケースにおいて、LIA接続用とRIA接続用のLGW(例えば、LGW3)に接続を有する他のPGWを割り当ててもよい。この場合、上述したように、LGW3は、UEのローカルネットワークへの接続に関し適したローカルネットワークをさらに選択する。
あるいは、MMEがAPN(例えば、LIA−APN)からLGWアドレスを導出する際に、UEの位置情報を付加して名前サーバ(例えば、DNS:Domain Name Server)に問い合わせてもよい。例えば、UEの位置情報(例えば、(E)CGI、CSG ID、TAI、RAI、LAIなど)は、UEのローカルアクセス(LIA)又はリモートアクセス(RIA)のPGWのFQDNを構成するAPNストリングの最後、最初、又は中間に付加され得る。名前サーバは、LGW、例えばLIA又はRIAのローカルネットワークへ接続するLGWへの接続又は接続可能性を有するPGWのアドレスを提供する。名前サーバは、LGW又はRIA接続のLGWに接続している又は接続可能性のあるPGWのエントリを含むデータベースを既に有しており、また最適化方法、例えば複数のエリアを結合するアグリゲートエリアで記述され得るLIA−APNと位置情報を含むFQDNを有している。
さらには、PGWは、APN(LIA−APN)とUEの位置情報、例えばAPNとUEの位置情報又は(E)CGI、TAIなどの位置IDを含むFQDNからターゲットLGWに問い合わせてもよい。また、ターゲットLGWの情報は、静的又は動的データ、例えばHSS又はAAAサーバでのサブスクリプションデータとして提供され、ターゲットLGWのIDは、位置IDごとに定義され得る。ターゲットLGWが選択されると、UEのベアラ(例えば、EPSベアラ、PDPコンテキストなど)又はPDN接続はPGWでターゲットLGWにバインドされる。
さらに、MMEは、適したLGWに接続を有するPGWのアドレス又は識別子(例えば、FQDN)について、接続構築の要求又はハンドオーバの要求を通じて基地局(例えば、HeNB、eNB)に問い合わせてもよい。基地局が、LIA接続のLGWの情報、かつ/又はLIA接続のLGWと接続を有する又は接続可能性を有するPGWの情報を有している場合、基地局はMMEにPGWのアドレス又は識別子を提供する。また、基地局が、RIA接続のLGWの情報、かつ/又はRIA接続のLGWと接続を有する又は接続可能性を有するPGWの情報を有している場合、基地局はMMEにPGWのアドレス又は識別子を提供する。さもなければ、基地局は何も応答しない。PGWの識別子(例えば、FQDN)が基地局から提供されると、MMEはPGWアドレスを取得するために名前サーバ(例えば、DNSサーバ)に識別子を問い合わせる。基地局から何も情報を提供されない場合、MMEは名前サーバを通じてLIA−APNを利用してPGWアドレスを取得する。
また、基地局が、接続先となる(ターゲット)ローカルネットワーク種別、例えば、構築されるUEのLIA接続を示すLIA指示情報(LIA indication)又は構築されるUEのRIA接続を示すRIA指示情報(RIA indication)をMMEに指示してもよい。MMEは、SGWを介してPGWに送信されるCreate Bearer Requestにいずれかの情報を含め、PGWはLGWにその指示情報を転送し、指示情報を確認し、適したローカルネットワーク、例えば、LIA指示情報を受信したときにはLIAのローカルネットワーク、RIA指示情報を受信したときにはRIAのローカルネットワークへの経路を構築する。MMEは、シグナリング内でのオーバヘッドを減らすためにいずれかの指示情報を送信することを省くことも可能である。例えば、RIA又はLIA指示情報のいずれかのみが送信される。
これらの指示情報は、MME又はPGWが上述した実施の形態(第1から第16の実施の形態)で説明したようにLIA接続が構築され得るかどうかを検出する際に、MME又はPGWによって生成され、メッセージ内に含めてもよい。また、HeNBは、LIA接続が構築され得るかどうかをアタッチ、サービス要求、又はハンドオーバの手続きの間に検出する場合、MMEに指示情報を送信するものであってもよい。
さらには、例えば、確立された接続の種別(LIA接続又はRIA接続)、又は接続したローカルネットワークの種別(LIA接続用又はRIA接続用)を、UEに通知してもよい。UEへの通知は、MME、LGW、HeNBのいずれかのノードによって、アタッチ手続き、サービス要求手続き、ハンドオーバ手続きのいずれかの中で実施する。APNは、手続きの間、UEへのメッセージ内で情報として用いられてもよい。例えば、接続の種別(LIA接続又はRIA接続)又はローカルネットワークの種別(LIA接続用又はRIA接続用)を示す情報又は識別子が、FQDNの一部としてAPNストリングに付加されてもよい。さもなければ、接続の種別を表示するための指示フラグが、手続きの間、UEへのメッセージ内に用いられてもよい。これにより、UEは、接続の種別又はローカルネットワークの種別に応じてLIA接続(例えば、EPSと無線ベアラ)のQoS設定を調整(変更又は修正)する、例えばLIA接続をよりよい品質に向けることができたり、接続の種別又はネットワークの種別に応じて設定を調整する、例えばアプリケーションサーバのアドレスを変更するために、アプリケーションに通知することができたりする。
なお、LGWは、UEから/への最後のトラフィックの後、一定の期間、UEから/へのトラフィックがないと検出すると、LGWは、その接続をLIAからRIAへ切り替えてもよい。すなわち、LGWは、LIA接続用ローカルネットワークの経路を解放し、RIA接続用ローカルネットワークの経路を構築する。これによって、悪意のある者がLIA用ローカルネットワークにアクセスし、UEを用いて機密データや機密情報を取得するという企業内部でのUEの悪用を回避することができる。この場合、例えばユーザIDとパスワードを用いる認証手続きでは、LIA接続を再開させるために要求されるものであってもよい。
また、UEのLIA接続に対する最適パスを有する基地局(例えば、HeNB)が、UEのLIA接続の無線ベアラがリリースされた(ただし、EPSベアラは残る)ことを検出すると、基地局は、そのUEに関するLIA接続をRIA接続に切り替えることをLGWに指示してもよい。そして、LGWはLIA接続からRIA接続への接続を切り替える。あるいは、MMEは、MMEがUEのアイドルモード(idle mode)遷移を検出したとき(さもなければ、LGWがUEのアイドルモード遷移について暗黙の指示を受け、自身が認めた場合)に、LIA接続からRIA接続へ接続を切り替えることをLGWに指示してもよい。そして、LGWはLIA接続からRIA接続に接続を切り替える。
この実施の形態では、本発明の説明を簡単にするためHeNBを含むLTEアーキテクチャの一例について記載したが、本発明は、UMTSあるいはGPRSなどの他のアーキテクチャにも同様に適用することができる。そのような場合(UMTSあるいはGPRSアーキテクチャの場合)、HeNB、SGSN、PDPコンテキストは、HeNB、MME、EPSベアラそれぞれの代わりに用いられる。
なお、上記の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(ラージ・スケール・インテグレーション:Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(インテグレイティド・サーキット:Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ:Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、HNB又はHeNBによって行われる理にかなった切り替えを通じて、ユーザのローカルデバイスアクセストラフィックに用いられるルートの管理に好都合である。そのため、本発明は、移動通信システムにおけるローカルデバイスへのアクセス管理に有利である。

Claims (7)

  1. ローカルIPネットワークにアクセスしているUEのプロキシとして機能するホーム基地局における装置であって、
    通信チャンネルの確立時にPGWと前記ホーム基地局との間の前記通信チャンネルを識別するトークンを生成し、前記トークンを前記PGWへ送信するトークン生成部と、
    MMEを介してPGWから送信された前記トークンを検証し、最適化経路を確立させるかどうかを決定する決定部と、
    前記ホーム基地局と前記ローカルIPネットワークとの間の前記最適化経路を確立し、前記UEから受信したパケットを前記最適化経路を用いて前記ローカルIPネットワークへ転送するプロキシ機能と、
    前記決定部が前記最適化経路を確立させると決定するときに前記プロキシ機能を起動させる起動部とを、
    備える装置。
  2. 前記プロキシ機能が、
    インターセプトフィルタと、UE IDマッピング部と、トンネル管理部との構成要素を備える請求項1に記載のホーム基地局における装置。
  3. 前記ローカルIPネットワークへIPアドレス要求を送信し、前記ローカルIPネットワーク内の前記IPアドレスを取得する取得部と、
    前記取得したIPアドレスを前記UEへ送信する送信部とを、
    更に備える請求項1に記載のホーム基地局における装置。
  4. 前記UEが前記ホーム基地局と異なる基地局に無線接続されているときに前記送信部が前記取得したIPアドレスを前記通信チャンネルを用いて前記PGWと前記MMEとを介して前記UEへ送信する請求項3に記載のホーム基地局における装置。
  5. ローカルIPネットワークにアクセスしているUEのプロキシとして機能するホーム基地局における経路最適化方法であって、
    通信チャンネルの確立時にPGWと前記ホーム基地局との間の前記通信チャンネルを識別するトークンを生成し、前記トークンを前記PGWへ送信するトークン生成ステップと、
    MMEが前記PGWから前記トークンを受信した後、前記MMEから送信された前記トークンを検証し、最適化経路を確立させるかどうかを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップで前記最適化経路を確立させると決定するときにプロキシ機能を起動させる起動ステップと、
    前記プロキシ機能の起動により、前記ホーム基地局と前記ローカルIPネットワークとの間の前記最適化経路を確立し、前記UEから受信したパケットを前記最適化経路を用いて前記ローカルIPネットワークへ転送する転送ステップとを、
    有する経路最適化方法。
  6. 前記最適化経路が確立されているか否かにより、前記UEが前記ローカルIPネットワークに接続している方法を前記UEに示す指示ステップを更に有する請求項5に記載のホーム基地局における経路最適化方法。
  7. 前記ホーム基地局に無線接続された前記UEが前記ホーム基地局と異なる基地局へハンドオーバを実行するときに、前記プロキシ機能を終了させるために前記プロキシ機能を起動させない不起動ステップを更に有する請求項5に記載のホーム基地局における経路最適化方法。
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