JP2012508749A - 多発性骨髄腫治療のためのベンダムスチン、ドキソルビシンおよびボルテゾミブの併用 - Google Patents

多発性骨髄腫治療のためのベンダムスチン、ドキソルビシンおよびボルテゾミブの併用 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチン、デキサメタゾンおよびボルテゾミブの組み合わせの投与によって多発性骨髄腫を治療する方法が記載されている。
【選択図】 なし

Description

多発性骨髄腫に対する併用薬剤療法に関する。
多発性骨髄腫(MM)は骨髄の悪性腫瘍であって、癌性形質細胞の増殖が制御不能になり、腫瘍を形成するものである。こうした腫瘍が複数の場所で成長する場合、それらは多発性骨髄腫と称される。通常、形質細胞は骨髄細胞中5パーセント未満を占めるが、多発性骨髄腫の患者では10パーセント〜90パーセント超である。MMはまた、インタクト単クローン性免疫グロブリン(IgG、IgA、IgDまたはIgE、「M−蛋白」)もしくはベンスジョーンズ蛋白(単クローン性遊離L鎖)を過剰産生するという特徴を有する。高カルシウム血症、貧血症、腎障害、細菌感染に対する感受性の亢進、および正常免疫グロブリンの産生不全は、多見されるMMの臨床的症状である。骨髄における悪性形質細胞の異常増殖は、身体全体に多くの重大な問題を引き起こし得る。異常細胞は徐々に骨内部に侵入し骨皮質(外層)を侵食する。これらの脆化骨は、特に脊椎骨、頭蓋骨、肋骨および骨盤において、比較的容易に骨折する。
MMの年間発生率は100,000人当り約4人であり、この状況は65歳をメジアン年齢とする高齢世代に共通しており、40歳未満はMM患者の3%を占めるに過ぎない。患者は初期には化学療法および/またはステロイドに応答を示すが、殆どの患者は最終的に耐性疾患に苦しむことになる。Ma et al.(2003)"The proteasome inhibitor PS−341 markedly enhances sensitivity of multiple myeloma tumor cells to chemotherapeutic agents." Clinical Cancer Research 9:1136−1144。細胞毒性化学療法は、症状を示す患者の生存を延ばす。しかしながら、治療を受けたMM患者の予後は依然芳しくない。このように、MMの治療は基本的に一時しのぎである。幹細胞サポートを伴う高用量化学療法は、完全応答の割合を増加させるが、全体としての延命効果はさほど大きくはなく、全ての患者が決まって再発する。Attal et al.(1996)"A prospective, randomized trial of autologous bone marrow transplantation and chemotherapy in multiple myeloma".Intergroupe Francais du Myelome. N Engl J Med.335:91−97。またChild et al.(2003)"High−dose chemotherapy with hematopoietic stem−cell rescue for multiple myeloma."N Engl J Med.348:1875−1883も参照されたい。高用量アルキル化剤のタンデムサイクル強化治療(全身照射を行う、または行わないで)を行うと患者の転帰が改善されたとする研究がある。Attal et al.(2003)"Single versus double autologous stem−cell transplantation for multiple myeloma."N Engl J Med.2003;349:2495−2502。またBarlogie et al.(2004)"Treatment of multiple myeloma."Blood 103:30−32も参照されたい。しかしながら、全ての研究で改善が認められたわけではなかった。Cavo et al.(2003)"Single versus tandem autologous transplants in multiple myeloma: Italian experience."The Hematology Journal.2003:4(suppl)。自己幹細胞移植を含む一次化学療法の後、進行した患者がさらに化学療法を受けても、一般には、得られる恩恵は限定的である。総じて、現状におけるMMの細胞毒性化学療法の結果は、普通には停滞期が到来することが示唆され、新規な治療法が必要であることを示している。
プロテアソーム阻害剤がMMの治療に有効である可能性が示されている。プロテアソーム(多触媒性プロテアーゼ(MCP)、多触媒性プロテイナーゼ、多触媒性プロテイナーゼ複合体、多触媒性エンドペプチダーゼ複合体、20S、26S、またはインゲンシンとも呼ばれる)は全ての真核細胞の細胞質および細胞核の両者に存在する大きな多タンパク質複合体である。殆どの細胞タンパク質がATP依存タンパク質分解を行えるのは、高度に保存されている細胞構造によるものである(Tanaka,Biochem Biophy.Res.Commun.,1998,247,537)。26Sプロテアソームは、両端を19S調節サブユニットでキャップした、20Sコア触媒複合体からなる。26Sプロテアソームは、ユビキチン分子の付加によって既にマークされているタンパク質を分解することができる。プロテアソーム活性を阻害するプロテアソーム阻害剤は、細胞周期タンパク質または腫瘍抑制因子の順序だった分解を阻害することによって癌の進行を阻止または遅延させると考えられている。
PS−341、または[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸としても知られているボルテゾミブは、ボロン酸ジペプチドプロテアソーム阻害剤であって、インビトロおよびMM患者を含む臨床試験の両方で抗腫瘍活性を示した。Mitsiades et al.(2003)"The proteasome inhibitor PS−341 potentiates sensitivity of multiple myeloma cells to conventional chemotherapeutic agents:therapeutic applications."Blood.101:2377−2380。Field−Smith et al.(2006)"Bortezomib(VelcadeTM)in the treatment of multiple myeloma."Therapeutics and Clinical Risk Management.2(3):271−279。ボルテゾミブは、転写因子NF−κBの活性化を阻害し、アポトーシスを誘発し、MM細胞の骨髄間質細胞への結合を阻害し、骨髄環境下でのMMの成長因子および生存因子の産生を阻害する。現在、移植後の再発状況下のMMの治療用に、あるいは移植が不適切な患者の二次治療としてこれが認可されている。
ボルテゾミブに加えて、他のプロテアソーム阻害剤もまた知られている。例えば、米国特許公開第2005/0107307A1号明細書には、CEP−18770として知られている化合物を含む、新規なボロン酸プロテアソーム阻害剤の一群が記載されている。化学名が[(1R)−1−[[(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)アミノ]−1−オキソブチル]アミノ]−3−メチルブチルボロン酸であるCEP−18770は、経口活性を有することが示されており、MMやプロテアソーム阻害剤に反応する他の悪性腫瘍の治療に対して好ましい腫瘍選択性プロファイルを有する。Piva,et al.(2008)"CEP−18770:A novel orally active proteasome inhibitor with a tumor−selective pharmacologic profile competitive with bortezomib."Blood;111:2765−2775。
ボルテゾミブとペグ化されたリポソームドキソルビシンDOXIL(登録商標)との組み合わせが、MMの、たとえ再発した難治性疾患患者においても、有効な治療法であることが示されている。Orlowski et al.(2007)"Randomized Phase III study of pegylated doxorubicin plus bortezomib compared with bortezomib alone in relapsed or refractory multiple myeloma:combination therapy improves time to progression."J Clin Oncol 25:3892−901。再発/難治性疾患の患者とは、マイナーまたはそれより良好な応答を示してきたところで再発し、その後、救済治療の間も進行しているか、または最後の治療から60日以内に進行が認められた患者であると定義される。
FDAは、少なくとも1回の一次治療を受けていて、かつ過去にボルテゾミブを使用したことがない多発性骨髄腫患者の治療に、ペグ化リポソームドキソルビシン(PLD)とボルテゾミブとの組み合わせの使用を認めている。Richardson et al.(2007)"The treatment of relapsed and refractory multiple myeloma"Hematology 1:317−323。認可された治療法では、ボルテゾミブを1.3mg/mの用量で3週毎に1日目、4日目、8日目および11日目に静脈内にボーラス投与する。VELCADE(ボルテゾミブ)は粉末で提供され、生理食塩水で1mg/mlに調製する。こうして、患者には、通常、1回当たり約2〜2.5mlがivボーラス投与される。DOXIL(登録商標)PLD(リポソームドキソルビシン)は30mg/mの用量で投与される。DOXIL(登録商標)PLD調製物は5%のデキストロースで250mlに希釈され、ボルテゾミブ投与後4日目に、1時間の点滴静注により投与される。最初のDOXIL(登録商標)PLD用量では、点滴に由来する反応のリスクを最小限にするため、初期速度を1mg/minとする。点滴由来の悪反応が認められなければ、1時間で薬剤投与が完了するように点滴速度を速める。患者は、疾患の進行または許容し難い毒性の発現がなければ、8サイクルまで治療を受けることができる。
ベンダムスチンはプリンアナログ/アルキル化剤のハイブリッド薬剤であって、非ホジキンリンパ腫(NHL)および多発性骨髄腫(MM)を含む、ヒトの数種の癌に対して良好な臨床活性を示してきた。ベンダムスチン塩酸塩の化学名は、1H−ベンズイミダゾール−2−ブタン酸,5−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−1−メチル−,一塩酸塩である。ベンダムスチン塩酸塩は次の構造式を有する。
Figure 2012508749
ベンダムスチンは非ホジキンリンパ腫、CLL、乳癌、およびMMに対して臨床的に有効であることが示されている。コルチコステロイドとの併用では、ベンダムスチンは、新たに診断されたMM患者に対してメルファランより優れていることが示された。Ponisch et al.(2006)J Cancer Res Clin Oncol 132:205−12。
ベンダムスチン、デキサメタゾンおよびボルテゾミブの併用が、多発性骨髄腫の治療に有効であることが示された。Fenk et al.,"Escalation therapy with bortezomib,dexamathasone and bendamustine for patients with relapsed or refractory multiple myeloma";Leuk Lymphoma(2007)Dec;48:12,2298−9。ベンダムスチン、ボルテゾミブおよびプレドニソンの併用もまた、80%の応答率を達成することが示された。Lonial S.,"Multiple myeloma:novel approaches for relapsed disease";Clin Lymphoma Myeloma(2007)Dec;8:Suppl 1,S18−23。
しかしながら、公表されたデータでは、ベンダムスチンとドキソルビシン(またはミトキサントロン)の併用は、リンパ腫細胞に対してインビトロでは拮抗的であり、ベンダムスチン/ドキソルビシンの併用によるMMの治療に関する研究意欲を削ぐものであった。Chow et al.(2001)"In vitro induction of apoptosis of neoplastic cells in low−grade non−Hodgkin's lymphomas using combinations of established cytotoxic drugs with bendamustine."Haematologica 86:485−93。
多発性骨髄腫患者に最善の長期転帰を提供することができる治療オプションは依然必要である。その中でも、一般により症状を示し、かつ潜在的余病を有する高齢者であって、特に治療を求めている再発または難治性疾患の患者に対する新規の治療法が、特に緊急に要求されている。本研究がここに開示されるまで、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの3種の併用療法についての研究はなされたことがなかった。この3種の併用療法は、最近診断されたMM患者、および再発または難治性疾患患者双方の治療に対する解決法を提供するものである。
前述の引用文献は全て、参照することにより本明細書に組み込まれる。
対象における多発性骨髄腫を治療する方法を提供する。対象に、有効量の、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを含む組み合わせを投与する。
ある好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブである。
他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤は[(1R)−1−[[(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)アミノ]−1−オキソブチル]アミノ]−3−メチルブチルボロン酸である。
H929細胞において、ドキソルビシンおよびボルテゾミブを併用したときのベンダムスチンの相乗的な細胞毒性活性を示す代表的な実験。B、15μg/mlベンダムスチン;D、0.03μg/mlドキソルビシン;V、2.5nmol/Lのボルテゾミブ;B+D、15μg/mlベンダムスチンおよび0.03μg/mlドキソルビシン;B+V、15μg/mlベンダムスチンおよび2.5nmol/Lボルテゾミブ;D+V、0.03μg/mlドキソルビシンおよび2.5nmol/Lボルテゾミブ;B+D+V、15μg/mlベンダムスチンと0.03μg/mlドキソルビシンおよび2.5nmol/Lボルテゾミブとの併用。薬剤併用の相乗効果は、測定された細胞生存率が各薬剤単独の効果の積より低いときと定義される。
本明細書および特許請求の範囲には、記載した形態に関係する様々な用語が使用されている。そうした用語には、特に指定がなければ当該技術分野における通常の意味が与えられる。他の明確に定義された用語は、本明細書中に与えられた定義通りに解釈されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されているとき、単数形「a」、「an」および「the」は、内容からそうでないことが明らかでない限り、複数の対象を含む。
量、時間の経過などの測定可能な値に関してここで使用する用語「約」は、その特定値から±20%または±10%、より好ましくは±5%、より一層好ましくは±1%、さらに好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味する(そのような変動が開示した方法を実施するのに適当であるとき)。
本明細書中に使用されるとき、「対象」という用語には、温血動物、好ましくはヒトなどの哺乳動物が含まれる。好ましい実施形態では、対象は霊長類である。より一層好ましい実施形態では、対象はヒトである。
I.発明の方法
対象における多発性骨髄腫を治療する方法を提供する。対象に、有効量の、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを含む組み合わせを投与する。驚いたことに、ベンダムスチンとドキソルビシンとの併用がリンパ腫細胞では拮抗的であることが知られているにもかかわらず、それらの併用には相乗効果が認められる。Chow et al.(2001)"In vitro induction of apoptosis of neoplastic cells in low−grade non−Hodgkin's lymphomas using combinations of established cytotoxic drugs with bendamustine."Haematologica 86:485−93。本発明の方法によれば、治療薬の有効量を減少させることができ、これは、治療を受ける対象の副作用を減少させることができることから、有利である。
本発明において、プロテアソーム阻害剤は適切なものであればいかなるものも使用することができる。本発明に有用な多くのボロン酸プロテアソーム阻害剤は、Adamsらによる米国特許第5780454号、同6083903号、同6617317号、同6747150号および同7119080号の明細書に、またGuptaによる米国特許第6713446号および同6958319号の明細書に記載されている。ボロン酸のこのグループの中で好ましいものは、ボルテゾミブとしても知られている[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸であり、Velcade(登録商標)という商品名でMillennium Pharmaceuticalsから市販されている。ボルテゾミブは次の構造を有する。
Figure 2012508749
本発明に有用なボロン酸プロテアソーム阻害剤の他のグループは、Bernardiniらによる米国特許公開第2005/0107307号明細書に記載されている。それらの化合物の中で好ましいのは、CEP−18770としても知られている[(1R)−1−[[(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)アミノ]−1−オキソブチル]アミノ]−3−メチルブチルボロン酸であり、次の構造を有する。
Figure 2012508749
さらに他のプロテアソーム阻害剤は、米国特許第7,223,745号明細書および米国特許公開第2006/0189806A1号明細書に記載されており、両者ともにその全体が、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明で使用されるドキソルビシンは、天然物のダウノマイシンに近い、アントラサイクリン系抗生物質である。本発明では、塩、エステル、多形体または溶媒和物としてなど、任意の適切な形態でこれを使用することができる。ドキソルビシンは、ストレプトミセス属(Streptomyces)の突然変異株から初めて単離され、初期にはアドリアマイシンと命名されたが、その名前は後にドキソルビシンに変更された。Arcamone et al.(1969)"Adriamycin,14−hydroxydaunomycin,a new antitumor antibiotic from S.peucetius var.caesius."Biotechnol.Bioeng.11:1101−1110。ドキソルビシンは、環原子7でグリコシド結合によってアミノ糖、ダウノサミンと結合しているナフタセンキノン核からなる。好ましい塩は、ドキソルビシン塩酸塩:5,12−ナフタセンジオン,10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リキソヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシアセチル)−メトキシ−,ヒドロクロライド(8S−シス)−である。構造式は次の通りである。
Figure 2012508749
DOXIL(登録商標)の商品名で市販されているペグ化リポソーム形態のドキソルビシン(PLD)が特に好ましい。例えば、Huangらによる米国特許第4,927,571号明細書を参照されたい。DOXIL(登録商標)PLDは、殺菌済みの半透明の赤色リポソーム分散体として、10mLまたは30mLのガラス製使い捨てバイアル入りで提供される。各バイアルには、20mgまたは50mgのドキソルビシンHClが、濃度2mg/mL、pH6.5で含まれる。STEALTH(登録商標)リポソーム担体は、N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミンナトリウム塩(MPEG−DSPE)、3.19mg/mL;完全水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、9.58mg/mL;およびコレステロール、3.19mg/mLからなる。各mLには、また、約2mgの硫酸アンモニウム;緩衝剤としてヒスチジン;pH調節用に塩酸および/または水酸化ナトリウム;および等張性を維持するためのスクロースが含まれる。STEALTH(登録商標)リポソーム中には薬剤が90%超封入されている。リポソームは、活性薬剤を封入することができる、リン脂質二重層からなる微小な小胞である。DOXIL(登録商標)PLDのSTEALTH(登録商標)リポソームは、単核食細胞系(MPS)により発見されないよう、また血液中での循環時間を増加させるために、表面結合メトキシポリエチレングリコール(MPEG)とともに調合される。このプロセスは、しばしばペグ化と呼ばれる。ペグ化DOXIL(登録商標)リポソームは、微小サイズ(約100nm)であることと循環時の持続性によって、改質された、しばしば障害を有する腫瘍血管系を貫通することができると考えられている。
MPEG−DSPEは次の構造式を有する。
Figure 2012508749
HSPCは次の構造式を有する。
Figure 2012508749
この形態のドキソルビシンの主な利点は、心毒性の低減にあるといわれている。リポソームの薬剤保護効果は、少なくとも部分的には、組織内分布の顕著な変化と注入薬剤の放出速度によるものである。
ベンダムスチンは、本発明においては、塩、エステル、多形体または溶媒和物としてなどの任意の適切な形態で使用することができる。好ましい塩の形態は、ベンダムスチン塩酸塩である。注射用TREANDA(登録商標)(ベンダムスチン塩酸塩)が特に好ましい。TREANDAは、殺菌済みのノンパイロジェニックホワイトからオフホワイト色の凍結乾燥粉末として使い捨てバイアル入りで提供される。各バイアルにはベンダムスチン塩酸塩100mgおよび米国薬局方マンニトール170mgが含まれる。バイアルは20mLの米国薬局方の注射用滅菌水で戻し、米国薬局方の0.9%塩化ナトリウム注射液の500mL点滴バッグに必要用量を移して投与することができる。戻した溶液のpHは、2.5〜3.5が好ましい。
任意の適切な投与法を使用することができる。例としては、注射(皮下、静脈、非経口、腹腔内、随腔内など)、経口、吸入および経皮投与などが挙げられる。注射は、ボーラス注射であっても、連続点滴であってもよい。投与経路により、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよび/またはドキソルビシンを選択した材料でコーティングしたり、あるいは分散させたりして、それらの意図した作用を果たす能力に悪影響を及ぼすおそれのある自然条件から保護することができる。プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンは、単独で、または医薬品として許容されている担体とともに投与することができる。さらに、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンは、個別に(すなわち、順次)、混合物として一度に、またはその任意の組み合わせ(例えば、プロテアソーム阻害剤とベンダムスチンは同時で、ドキソルビシンは別個に)で投与することができる。プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよび/またはドキソルビシンは、インビボで活性な形態に変換されるプロドラッグとして投与することができる。
この組み合わせの有効量は、多発性骨髄腫の治療、例えば望ましくない細胞の増殖の抑制、あるいは対象内に既に存在している良性細胞集団または悪性腫瘍の縮小に必要な、または十分な量である。有効量は、治療または抑制すべき細胞増殖のタイプ、使用する治療薬のタイプ、特定のプロテアソーム阻害剤、対象の大きさ、または癌細胞の増殖もしくは腫瘍の重篤度などの因子によって変化する。考慮すべき他の因子としては、治療を行うための特定の使用、化合物の投与方法、患者の健康状態、および処方医の判断などが挙げられる。本発明の化合物の医薬品組成物中の割合もしくは濃度は、用量、化学的特性(例えば、疎水性)および投与経路などの数多くの因子によって変化する。例えば、プロテアソーム阻害剤は、非経口投与では、その化合物を約0.1〜約10%重量/体積含有する水性生理緩衝液として提供することができる。プロテアソーム阻害剤のある典型的な用量範囲は、1日当たり、約1μg/kg〜約1g/kg(体重)である。いくつかの実施形態では、用量範囲は、1日当たり、約0.01mg/kg〜約100mg/kg(体重)である。プロテアソーム阻害剤の用量は、病気ないし疾患のタイプと進行度、特定の患者の総合的な健康状態、選択した化合物の相対的な生物学的有効性、賦形剤の調合、および投与経路などに依存しやすい。有効用量は、インビトロ試験または動物のモデル試験系から得られた用量応答曲線を外挿して決定することができる。
有効量は、組み合わせを構成する個々の薬剤(プロテアソーム阻害剤または化学療法薬)の選択の仕方に影響され得る。当業者であれば上記の因子を調べ、プロテアソーム阻害剤または治療薬の組み合わせの有効量について、必要以上の実験を行うことなく決定することができよう。例えば、プロテアソーム阻害剤と化学療法薬との組み合わせの有効量の決定に、インビトロアッセイを使用することができる。通常の技術者であれば、上記のインビトロアッセイで組み合わせて使用する個々の薬剤の量を適切に選択するであろう。その選択した量が特定の薬剤の組み合わせにおいて有効な量であったかどうかを決定するために、細胞生存率を使用することができる。例えば、アッセイで使用するために選択する量は、好ましくは細胞の少なくとも50%、より好ましくは75%、特に好ましくは少なくとも95%が殺滅する量であろう。好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤および治療薬の有効用量は、毒性水準以下の量である。毒性水準以下の量という用語は、ここでは、細胞の殺滅が約10%未満である用量をいう。
投与計画もまた、有効量に影響を及ぼす。プロテアソーム阻害剤は、治療薬投与の前に、同時に、または後に、対象に投与することができる。また、複数回に分けた投与や時差投与で毎日または順次に投与することができ、あるいは一回の投与量を連続点滴で投与することができる。さらに、投与量は、治療状況の急迫度によって、比例的に増加または減少させることができる。
「投与計画」という用語は、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの投与のタイミングや投与順序をいい、これらの組み合わせが、多発性骨髄腫または癌細胞の増殖の治療に意図した効果を発揮するようにするものである。投与計画、すなわち、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの投与のタイミングおよび/または順序は、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの薬物動態、治療もしくは抑制すべき細胞増殖のタイプ、対象の大きさ、癌細胞増殖もしくは腫瘍の重篤度、または有効量などの因子によって変わり得る。組み合わせを構成する個々の薬剤(プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシン)の選択の仕方が「計画投与」に影響を及ぼす。例えば、細胞が治療薬と接触した後、その細胞をプロテアソーム阻害剤と接触させることが望ましい実施形態では、治療薬投与の前に薬物動態的に遅いプロテアソーム阻害剤を投与して、細胞が治療薬と接触した後にプロテアソーム阻害剤に接触するよう、治療薬投与の前に薬物動態的に遅いプロテアソーム阻害剤を投与することができる。薬物動態的に高速のプロテアソーム阻害剤を治療薬の後に投与して、細胞が治療薬と接触した後にプロテアソーム阻害剤に接触するようにすることができる。当業者であれば、プロテアソーム阻害剤および/または治療薬の適切な投与計画を決定するに当たって、必要以上の実験を行うことなく、上記因子や、プロテアソーム阻害剤の研究から得られた技術を見直すことができよう。
治療上有効なプロテアソーム阻害剤の量と、治療上有効な治療薬、例えば、化学療法薬の量は、医者(「臨床主治医」)が、当業者と同様、知られている技術を使用し、また似た状況下で得られた結果を観察することによって容易に決定することができる。投与量は、臨床主治医の判断による患者の必要量、治療する疾患の重篤度、および使用する特定の化合物によって変化する。治療上有効な量または用量を決定するに当たって、臨床主治医は、特にこれらに限定されるものではないが、関与する特定の増生細胞/腫瘍細胞;特定の薬剤の薬物速度論的特性とその投与形態および経路;望ましい治療の時間的経過;哺乳動物の種;その大きさ、年齢および全体的な健康;関与する具体的な疾患;疾患の程度、併発または重篤度;個々の患者の応答;投与する特定の化合物;投与形態;投与する調製物のバイオアベイラビリティ特性;選択する投与計画;併用療法の種類;その他の関連する状況などの多くの因子を考慮する。例えば、米国特許第5,427、916号明細書には、個々の患者の抗悪性腫瘍治療の有効性を予測する方法が記載されており、本発明の治療手順と併せ使用することができる方法がいくつか示されている。
治療は、化合物の最適用量より少ない少用量で開始することができる。その後、その状況下で最善の効果が得られるまで、少しずつ用量を増加させるべきである。便宜的に、必要ならば1日当たりの全用量を複数に分けて、その日に投与することもできる。
プロテアソーム阻害剤の治療上の有効量は、1日当たり、体表面積1平方メートル当たり約1ミリグラム(mg/m体表面積/日)〜約3mg/m体表面積であると考えられる。使用する特定の阻害剤に応じて、好ましい用量は、約1mg/m〜約2mg/m体表面積、約1mg/m〜約1.5mg/m体表面積または約2mg/m〜約2.5mg/m体表面積である。典型的には、プロテアソーム阻害剤は投与計画に従って、1周期の特定の日に投与される。例えば、プロテアソーム阻害剤は21日周期の1、4、8および11日目に投与することができる。そのような投与計画では、投与日に上記用量が提供され、患者には、1、4、8および11日目にそれぞれ、例えば、約1mg/m〜約2mg/m体表面積、または約1mg/m〜約1.5mg/m体表面積等が投与される。
ベンダムスチンおよびドキソルビシンの治療上の有効量は十分に確立され、かつ/または、当該技術分野で認められている方法により容易に決定することができる。
多発性骨髄腫を治療するためにプロテアソーム阻害剤とベンダムスチンおよびドキソルビシンとを任意に組み合わせたときの有効性は、抗癌治療を受けている患者から採取した2つ以上のサンプルを比較することによりモニターすることができる。一般に、第1のサンプルは治療を始める前に患者から採取し、治療中に1つ以上のサンプルを採取することが好ましい。そのような使用では、治療前の癌細胞発現のベースラインを測定し、その後、治療過程を通して癌細胞発現のベースライン状態の変化をモニターする。あるいは、治療前のベースラインサンプルは必要とせずに、治療中に採取した2つ以上の連続したサンプルを使用することができる。そのような使用では、対象から得た第1のサンプルを、癌細胞の発現の増減を決定するためのベースラインとして使用する。
一般に、治療の有効性をモニタリングする場合、患者からの2つ以上のサンプルを試験する。好ましくは、少なくとも1つの治療前サンプルを含む3つ以上の連続して採取したサンプルを使用する。
対象の多発性骨髄腫を治療する方法が提供される。対象に、有効量の、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを含む組み合わせを投与する。
好ましい実施形態では、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを、プロテアソーム阻害剤の投与の前に投与する。他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤を、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの投与の前に投与する。
好ましい実施形態では、ベンダムスチンおよびプロテアソーム阻害剤を、ドキソルビシンの投与の前に投与する。他の好ましい実施形態では、ドキソルビシンを、ベンダムスチンおよびプロテアソーム阻害剤の投与の前に投与する。
好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤およびドキソルビシンを、ベンダムスチンの投与の前に投与する。他の好ましい実施形態では、ベンダムスチンを、プロテアソーム阻害剤およびドキソルビシンの投与の前に投与する。
また、ベンダムスチンを投与し、その後ドキソルビシンを投与し、その後プロテアソーム阻害剤を投与する、好ましい実施形態が提供される。他の好ましい実施形態では、ドキソルビシンを投与し、その後ベンダムスチンを投与し、その後プロテアソーム阻害剤を投与する。他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤を投与し、その後ドキソルビシンを投与し、その後ベンダムスチンを投与する。さらに他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤を投与し、その後ベンダムスチンを投与し、その後ドキソルビシンを投与する。他の好ましい実施形態では、ドキソルビシンを投与し、その後ベンダムスチンを投与し、その後プロテアソーム阻害剤を投与する。さらに他の好ましい実施形態では、ドキソルビシンを投与し、その後プロテアソーム阻害剤を投与し、その後ベンダムスチンを投与する。
また、21日周期の4および5日目にベンダムスチンを投与し、21日周期の1、4、8、および11日目にプロテアソーム阻害剤を投与し、そして21日周期の4日目にドキソルビシンを投与する、好ましい実施形態が提供される。前臨床モデルにより、ボルテゾミブ投与後48〜72時間までに、プロテアソーム活性がほぼ完全に回復することが示されている。Kane et al,"Velcade(登録商標):U.S.FDA approval for the treatment of multiple myeloma progressing on prior therapy."The Oncologist(2003)8:508−513。したがって、21日周期に組み込まれた待機期間により、毒性は最小限に抑えられる。Richardson et al,"Bortezomib:proteasome inhibition as an effective anticancer therapy."Annual Review of Medicine(2006)57:33−47。VELCADE(登録商標)のウエブサイトに掲載されている患者の安全情報によれば、VELCADE(登録商標)は血小板減少症および好中球減少症を伴うが、これらは、各周期の最後の投与の後に最下点に達し、通常、次の周期の開始前には回復するという循環パターンを辿る(例えば、http://www.velcade.com/pat_safety_info_mcl.html参照)。血小板および好中球の減少と回復の循環パターンは、週2回投与の8周期まで一貫しており、累積的な血小板減少症または好中球減少症を示す証拠はなかった。
さらに他の好ましい実施形態では、ベンダムスチンを約75〜約250mg/m/日投与する、上記実施形態のいずれか1つの方法が提供される。
他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤がボルテゾミブであり、約1.0〜約1.5mg/mの用量で投与される、上記実施形態のいずれか1つの方法が提供される。他のプロテアソーム阻害剤の用量は選択した阻害剤によるであろう。例えば、[(1R)−1−[[(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)アミノ]−1−オキソブチル]アミノ]−3−メチルブチルボロン酸の好ましい用量は、前述したように、約2.0〜約2.5mg/mである。
他の好ましい実施形態では、ドキソルビシンがリポソームドキソルビシンの形態であり、約20〜約40mg/m、好ましくは約30mg/mの用量で投与される、上記実施形態のいずれか1つの方法が提供される。
他の好ましい実施形態では、ベンダムスチンが約90mg/m/日の用量で投与され、プロテアソーム阻害剤が約1.3mg/mの用量で投与され、かつドキソルビシンがリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与される、上記実施形態のいずれか1つの方法が提供される。
本発明のある態様では、ベンダムスチンが約120mg/m/日投与され、プロテアソーム阻害剤が約1.3mg/m投与され、かつドキソルビシンがリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与される。
本発明の他の態様では、ベンダムスチンが約150mg/m/日の用量で投与され、プロテアソーム阻害剤が約1.3mg/mの用量で投与され、かつドキソルビシンがリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与される。
本発明のさらに他の態様では、ベンダムスチンが約180mg/m/日の用量で投与され、プロテアソーム阻害剤が約1.3mg/mの用量で投与され、かつドキソルビシンがリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与される。
本発明のさらに他の態様では、ベンダムスチンが約210mg/m/日の用量で投与され、プロテアソーム阻害剤が約1.3mg/mの用量で投与され、かつドキソルビシンはリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与される。
本発明の他の観点では、フィルグラスチムなどの顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を投与することをさらに含む、上記実施形態のいずれか1つの方法が提供される。好ましい実施形態では、フィルグラスチムを約5μg/kg/日の用量で第6日目から開始して好中球がANC>1000に回復するまでSC投与する。ANCは「好中球絶対数」の略語である。
好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよび/またはベンダムスチンは静脈内投与される。他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよび/またはベンダムスチンは腹腔内投与される。さらに他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよび/またはベンダムスチンは経口投与される。
好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブである。
さらに他の好ましい実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、[(1R)−1−[[(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)アミノ]−1−オキソブチル]アミノ]−3−メチルブチルボロン酸である。
本発明のプロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを医薬品としてヒトや動物に投与する場合、それらはそれ自体として、あるいは、例えば0.1〜99.5%(より好ましくは、0.5〜90%)の活性成分を含有し、医薬品として承認されている担体と組み合わせた医薬品組成物として与えることができる。
医薬品組成物中の活性成分の実際の用量は、特定の患者が所望の治療応答を達成するのに有効であって、その患者に毒性を与えることのない活性成分の量、組成および投与形態よって変わる。
プロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよびベンダムスチンを含む併用療法は、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを同時に細胞と接触させることにより達成することができる。そのような併用療法は、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを含む単一組成物または医薬調合物を細胞と接触させることにより、あるいは、2つ以上の個別の組成物または調合物(1つの組成物がプロテアソーム阻害剤を含み、他の1つの組成物がベンダムスチンまたはドキソルビシンを含み、そして他の1つの組成物がベンダムスチンまたはドキソルビシンを含む)を細胞と接触させることにより達成することができる。
あるいは、プロテアソーム阻害剤の投与を、ベンダムスチンまたはドキソルビシンによる治療の前または後に数分〜数週間の間隔をおいて行うことができる。ベンダムスチン、ドキソルビシンおよびプロテアソーム阻害剤を別々に細胞に適用する実施形態では、通常、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの細胞に対する併用効果がなお十分に発揮されるよう、それぞれの配送時間の間に長い期間が過ぎてしまうことがないようにする必要があろう。その場合、互いに約12〜24時間、場合により、互いに約6〜12時間以内にそれぞれを細胞に接触させることが考えられる。しかしながら、それぞれの投与間隔が数日(2、3、4、5、6または7)〜数週間(1、2、3、4、5、6、7または8)あるような場合、治療の期間を相当に延ばすことが望ましい場合がある。また、ある場合には、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンまたはドキソルビシンのいずれかを、2回以上投与することが望ましいであろう。
他の癌治療を、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの投与と併用することができる。例えば、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンの併用療法を、癌性増殖の一部または全部を外科的に切除する試みをさらに含む治療方法の一部として行うことができる。例えば、そのような併用療法を、対象の外科的処置の後に残存している腫瘍細胞または転移細胞を処理するために投与することができる。治療は、また、腫瘍を縮小させ、切除する組織の量を減じる目的で、外科手術の前に行うこともでき、これによって外科手術の侵襲性および外傷性が軽減される。
ここに開示した主題である併用療法による多発性骨髄腫の治療は、DNAの損傷を誘起する放射線治療を使用する1つ以上の治療方法をさらに含むことができる。放射線治療としては、例えば、ガンマ線照射、X線、UV照射、マイクロ波、電子放出、ラジオアイソトープなどが挙げられる。治療は、上記形態の放射線を限局性腫瘍サイトに照射することによって行われる。
本発明の他の態様は、骨髄をプロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよびベンダムスチン併用療法に晒すことにより、骨髄をパージする、すなわち癌細胞を骨髄から除去する方法に関する。パージされた骨髄は、その後、それを取り出した対象に戻す、あるいは異なる対象に移植することができる。
実施例1
H929およびMM1R骨髄腫細胞株をインビトロで培養し、細胞毒性をMTS([3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニる)−2−(4−スルフォフェニル)−2H−テトラゾリウム、内塩)試験により測定した。相加活性、拮抗活性、または相乗活性の観点から、併用の効果を、ValerioteおよびLinの方法(Valeriote and Lin,Cancer Chemother Rep 1975;59:895−900)により評価した。繰り返し実験で、ベンダムスチンは単独で時間と用量に依存してMM細胞死を誘起し、48時間後に細胞の50%が致死する濃度(LC50)は34.9±3.4μg/mlであった。また、ドキソルビシンを併用したとき、細胞が48時間薬剤に暴露された時点で、ベンダムスチンは拮抗作用を示さなかった。B+Dの併用で測定された細胞生存率は、個々の薬剤活性を基に算出した細胞生存率の予測値に類似しており、相加効果を示した(図1)。さらに、ベンダムスチンは、ボルテゾミブとの併用で相加効果を示し、そして既に述べたようにドキソルビシンとボルテゾミブは相乗効果を示した(図1)。3種の薬剤全ての併用による効果を試験するために、ベンダムスチン(15μg/ml)およびドキソルビシン(0.03μg/ml)で48時間、細胞を培養し、最後の24時間はボルテゾミブ(2.5mmol/L)を加え、細胞毒性を試験した。B+(D+V)の併用における細胞生存率の予測値は、BおよびD+Vの効果の積より低く(図1)、ベンダムスチンはドキソルビシンおよびボルテゾミブとの併用で相乗効果を示した。

Claims (30)

  1. 対象の多発性骨髄腫を治療する方法であって、前記対象に、有効量の、プロテアソーム阻害剤、ベンダムスチンおよびドキソルビシンを含む組み合わせを投与することを含む方法。
  2. 前記ベンダムスチンおよびドキソルビシンを、前記プロテアソーム阻害剤の投与の前に投与する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プロテアソーム阻害剤を、前記ベンダムスチンおよびドキソルビシンの投与の前に投与する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ベンダムスチンおよび前記プロテアソーム阻害剤を、前記ドキソルビシンの投与の前に投与する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ドキソルビシンを、前記ベンダムスチンおよび前記プロテアソーム阻害剤の投与の前に投与する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記プロテアソーム阻害剤およびドキソルビシンを、前記ベンダムスチンの投与の前に投与する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ベンダムスチンを、前記プロテアソーム阻害剤およびドキソルビシンの投与の前に投与する、請求項1に記載の方法。
  8. ベンダムスチンを投与し、その後ドキソルビシンを投与し、その後前記プロテアソーム阻害剤を投与する、請求項1に記載の方法。
  9. ドキソルビシンを投与し、その後ベンダムスチンを投与し、その後前記プロテアソーム阻害剤を投与する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記プロテアソーム阻害剤を投与し、その後ドキソルビシンを投与し、その後ベンダムスチンを投与する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記プロテアソーム阻害剤を投与し、その後ベンダムスチンを投与し、その後ドキソルビシンを投与する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ドキソルビシンを投与し、その後ベンダムスチンを投与し、その後前記プロテアソーム阻害剤を投与する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ドキソルビシンを投与し、その後前記プロテアソーム阻害剤を投与し、その後ベンダムスチンを投与する、請求項1に記載の方法。
  14. 21日周期の4および5日目に前記ベンダムスチンを投与し、
    21日周期の1、4、8、および11日目に前記プロテアソーム阻害剤を投与し、かつ21日周期の4日目に前記ドキソルビシンを投与する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記ベンダムスチンを約75〜約250mg/m/日の用量で投与する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記プロテアソーム阻害剤を約1.0〜約1.5mg/mの用量で投与する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記プロテアソーム阻害剤を約2.0〜約2.5mg/mの用量で投与する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ドキソルビシンはリポソームドキソルビシンの形態で、約20〜約40mg/mの用量で投与する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記ベンダムスチンを約90mg/m/日の用量で投与し、前記プロテアソーム阻害剤を約1.3mg/mの用量で投与し、かつ前記ドキソルビシンをリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ベンダムスチンを約120mg/m/日の用量で投与し、プロテアソーム阻害剤を約1.3mg/mの用量で投与し、かつ前記ドキソルビシンをリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ベンダムスチンを約150mg/m/日の用量で投与し、プロテアソーム阻害剤を約1.3mg/mの用量で投与し、かつ前記ドキソルビシンをリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記ベンダムスチンを約180mg/m/日の用量で投与し、プロテアソーム阻害剤を約1.3mg/mの用量で投与し、かつ前記ドキソルビシンをリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記ベンダムスチンを約210mg/m/日の用量で投与し、プロテアソーム阻害剤を約1.3mg/mの用量で投与し、かつ前記ドキソルビシンをリポソームドキソルビシンの形態で約30mg/mの用量で投与する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  24. フィルグラスチムを投与することをさらに含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記フィルグラスチムを約5μg/kg/日の用量で6日目から開始して好中球がANC>1000に回復するまでSC投与する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記プロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよびベンダムスチンを静脈内投与する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記プロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよびベンダムスチンを腹腔内投与する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記プロテアソーム阻害剤、ドキソルビシンおよびベンダムスチンを経口投与する、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブである、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記プロテアソーム阻害剤が、[(1R)−1−[[(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)アミノ]−1−オキソブチル]アミノ]−3−メチルブチルボロン酸である、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
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