JP2012506712A - 微生物を迅速に検出し、同定する方法 - Google Patents

微生物を迅速に検出し、同定する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、様々なサンプル中の汚染微生物の迅速かつ特異的な検出、同定及び特徴付けを達成する特定の方法に関する。方法は、マイクロアレイ上でアドレス可能な識別子であるZIPオリゴヌクレオチドを用いて一意的に同定し、増幅し、その後検出した種特異的及び/又は株特異的ヌクレオチド配列の検出に基づいて開発された。2工程のスクリーニング手順を用いて、本発明の方法は、第一に、サンプル中の特定の微生物の存在又は不存在について、多数のサンプルの迅速なスクリーニングを可能にし、第2スクリーニング工程において、第1工程の陽性の結果のものを、更に、検出した微生物を同定及び特徴付けするために処理する。

Description

発明の分野
本発明は、微生物の存在を検出し、サンプル中の微生物を同定するための迅速かつ効率的な方法に関する。
発明の背景
臨床的な応用及び食品産業における応用はともに、病原性微生物の存在又は不存在についてサンプルをスクリーニングするための、非常に効率的な方法を要する。臨床的な応用のためのスクリーニング方法は、高処理で、迅速かつ正確な、診断目的のためのサンプル中に存在する微生物の同定を要する。一方、食品産業における応用は、食品製品の安全性及び品質を検証するのに、非常に信頼できる、高処理の、微生物制御及び微生物モニタリングのための方法を要する。これらの例の両方について、様々なサンプル中の微生物の迅速な検出、同定及び特徴付けを可能にする方法が必要とされる。このようなスクリーニング方法に関する他の重要な要件は、操作性及びエラー(偽陽性及び/又は偽陰性)の排除である。
リアルタイムPCRのような当該技術において公知の様々なスクリーニング方法は迅速なスクリーニングを可能にし、病原性バクテリアの存在又は不存在について試験するための方法を提供する。しかしながら、例えば微生物の存在を検出した後、更なる同定にマルチパラメータ試験を要し、このことは一般にこれらのスクリーニング方法により提供できない。例えば、リアルタイムPCRは、生体マーカーの限られた多重化だけを可能にする。更に、SNPsのようなDNA配列中の小さな変化の検出は、多くの場合困難である。
代表的な同定及び特徴付けの試験方法は遅く、面倒であり、実行し、結果を解釈するのに高度なレベルの専門知識を要する。バクテリアのサブタイピング又は抗生物質耐性の決定は、豊富な専門知識を要する、古典的で高価かつ面倒な方法によってのみ行うことができる。更に、代表的な分子タイピング方法(リボタイピング、MLST、AFLP、MLVA、MicroSeq、rep PCRなど)は、純粋な株について試験が行われる必要がある。サンプルの精製もまた、多くの場合非常に冗長な手順であり、長い時間がかかる。これらの試験の多くは、したがって、特化された実験室で行われる。このアプローチの主な欠点は、陽性サンプルの更なる同定の結果が、非常に多くの場合実際的な使用には遅すぎるし、食品及び臨床分野においてともに比較的高価なことである。
病原性微生物の存在又は不存在についてサンプルを効率的にスクリーニングし、その後微生物を同定する方法は、EP1633887に記載されている。しかしながら、EP1633887に記載される方法の問題は、全てのサンプルが手順全体に付されることである。たとえ微生物が検出されないとしても、マイクロアレイでのサンプルのスクリーニングの工程を、全てのサンプルについて行う。一般に95%より多い食品サンプル及び水管理サンプルが微生物の存在について陰性であるので、多数のこれらサンプルが試験され、サンプル中に存在しない微生物の同定及び特徴付けに付される。上記のスクリーニング方法は、したがって、回避できる処理工程を備える。
時間及びコストを考慮する観点から、本発明は、サンプル中の微生物の検出、同定及び特徴付けのための最適化された方法を提供する。方法は、第一に、サンプル中に微生物が存在するか否かを検出し、次の工程において、同定及び特徴付けが、陽性サンプルだけについて行われる。
発明の要約
本発明は、様々なサンプル中の汚染微生物の迅速かつ特異的な検出、同定及び特徴付けを達成する特定の方法に関する。方法は、マイクロアレイ上でアドレス可能な識別子(addressable identifier)であるZIPオリゴヌクレオチド(ZipComcode(cZIP)又はZipcode(ZIP))を用いて一意的に同定し、増幅し、その後検出した種特異的及び/又は株特異的ヌクレオチド配列を検出することに基づいて開発された。2工程のスクリーニング手順を用いて、本発明の方法は、第一に、サンプル中の特定の微生物の存在又は不存在について、多数のサンプルの迅速なスクリーニングを可能にし、第2スクリーニング工程において、第1工程の陽性の結果のものを、更に、検出した微生物を同定及び特徴付けするために処理する。
標的DNA及び標的特異的リアルタイムライゲーション増幅プローブの概略図。 プローブI及びプローブIIが連結した標的DNA及び標的特異的リアルタイムライゲーション増幅プローブの概略図。ライゲーションされたプローブだけが指数関数的な増幅を示し、特定の検出分子により検出される。 サンプル1〜6のリアルタイムLDRのプロット。X軸はサイクル数を示す;Y軸は、バックグラウンドの蛍光について補正された相対蛍光単位を示す。サンプル1及び2は高く(陽性シグナル)、サルモネラ(Salmonella)の存在を示す;サンプル3〜6は非常に低いシグナルを与え、これらのサンプル中のサルモネラの不存在を示す。 PremiTestサルモネラ検出プロトコルを用いて、マイクロアレイにハイブリダイズさせたサンプル1、2及び3のリアルタイムLDR反応生成物。上パネル(黄)はサンプル1を示し、中央パネル(緑)はサンプル2を示し、下パネル(青)はサンプル3を示す。サンプル1及び2は、それぞれ血清型フィルヒョー及びパラチフスBに代表的なスポットパターンを示す。サンプル3は、増幅コントロールスポット16、19及び22だけを示す:これは、反応が正しく行われたこと及びこのサンプルがサルモネラDNAを含まないことを示す。 好ましいプローブ対の概略図。増幅から得られた分子を矢印の後に描写する。リアルタイム(RT)及び/又はマイクロアレイ検出を示す。RT検出用プローブはDET領域に相補的な領域(cDET)を含む。この場合、アレイ検出について、マイクロアレイはZipComcode(cZIP)に本質的に相補的なZipcode(ZIP)を含む捕捉プローブを含む。 Taqmanプローブ、Scorpionプライマー及びMolecular Beaconプローブをそれぞれ用いた増幅反応のリアルタイム検出の概略図。 Taqmanプローブ、Scorpionプライマー及びMolecular Beaconプローブをそれぞれ用いた増幅反応のリアルタイム検出の概略図。 Taqmanプローブ、Scorpionプライマー及びMolecular Beaconプローブをそれぞれ用いた増幅反応のリアルタイム検出の概略図。
本発明の詳細な説明
本発明は、食料品、体液及び水の管理における汚染微生物を回収し、検出し、同定し、特徴付けする方法に関する。より具体的には、本発明は、2つの検出工程を用いることによってサンプル中の微生物の存在を決定すること及び特徴付けのための方法に関し、ここで、第1工程は検出分子を介する微生物の存在の決定を含み、第2工程は、好ましくは標識されたプライマーを介する、前記微生物の更なる同定及び特徴付けを含む。好ましくは、前記第1工程は、検出分子のシグナルをモニタリングすること、標的核酸にハイブリダイズした本質的に隣接するプローブが連結され、その後増幅されるリガーゼ検出反応から得られる、増幅された標的核酸を検出することを含む。好ましくは、前記第2工程は、増幅された標的核酸の捕捉プローブへのハイブリダイゼーションを検出することを含む。
特に、本発明は、以下の工程:
(a)可能であれば、標的核酸を含む核酸を微生物から抽出する工程と、
(b)リガーゼ検出反応(LDR)、好ましくはリアルタイムリガーゼ検出反応(RT‐LDR)を前記標的核酸について行う工程であって、
(b1)第1核酸プローブと第2核酸プローブの対を準備し、前記第1核酸プローブは、前記標的核酸の識別部分に相補的な、3'側標的特異的配列Iを含み、第2核酸プローブは、前記標的特異的配列Iから3'に本質的に隣接して3'側に位置する前記標的核酸の第2部分に相補的な、5’側標的特異的配列IIを含み、ここで、前記第1核酸プローブは、5'側プライマー結合部分I(PBS(I))と場合によってスタッファーとを更に含み、前記第2核酸プローブは、3'側プライマー結合部分II(PBS(II))と場合によってスタッファーとを含み;任意に第1核酸プローブ及び/又は第2核酸プローブは、ZipComcode又はZipcode(ZIP)のような、(i)マイクロアレイ上の捕捉プローブの対応領域に相当し、(ii)前記標的核酸に本質的に非相補的であり、(iii)標的特異的配列とプライマー結合部分との間に位置する少なくとも1つの識別子領域を更に含み、
(b2)前記標的核酸を前記第1核酸プローブ及び前記第2核酸プローブと、相補的な核酸のハイブリダイゼーションを許容する条件下にインキュベートし、
(b3)本質的に隣接するプローブ同士を連結させ、
(b4)少なくとも1組の2つのプライマーを準備し、ここで、第1プライマー(プライマーI)はプライマー結合部分Iと本質的に同一であり、第2プライマー(プライマーII)はプライマー結合部分IIに本質的に相補的であり、ここで、前記第1又は第2プライマーが任意に標識されており、
(b5)連結したプローブ核酸を増幅し、ここで、増幅は、プライマー結合部分に特異的な核酸プライマーが結合することによって開始し、それにより、増幅された標的核酸を提供し、
ここで、増幅された標的核酸を検出する、1つ又はそれより多い検出分子が工程(b5)において存在する
ことを含む工程と、
(c)前記検出分子のシグナル及び/又は前記検出分子のシグナルの変調をモニタリングする工程であって、前記検出分子のシグナルにおける前記変調が前記標的配列の存在を示すことにより微生物の存在を決定する工程と、
(d)工程(c)の増幅された標的核酸を、好ましくはマイクロアレイ上に存在する捕捉プローブにハイブリダイズさせる工程であって、前記工程(c)の増幅された標的核酸は、前記捕捉プローブの対応領域に本質的に相補的な識別子領域、例えばZipComcode(cZIP)及びZipcode(ZIP)を任意に含む工程と、
(e)工程(d)のハイブリダイズした標的核酸を検出することにより微生物を同定する工程と
を含む、サンプル中の微生物の存在を決定し、同定し、該微生物を特徴付けするための方法に関する。
本発明に記載の方法は、増幅された標的核酸を検出する検出分子を用いて微生物の存在を決定するので、本発明に記載の方法は、必然的に前記微生物に存在する特異的DNA配列の存在も決定することにより微生物及び/又は生物の特異的遺伝子の存在を決定し、それによって前記微生物を更に特徴付けする。
本発明の方法及び本発明に用いられるデバイスを記載する前に、記載される特定の方法、構成要素又はデバイスはもちろん変化し得るので、本発明は、このような方法、構成要素及びデバイスに限定されないと理解されるべきである。本明細書で用いられる用語は、本発明の範囲が付属の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、限定することを意図しないことも理解されるべきである。
そうでないと規定しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、この発明の属する技術分野において通常の技術を有する者により共通に理解されるのと同様の意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施又は試験に用いることができるが、好ましい方法及び材料は以下に記載する。
本明細書で用いられるように、本明細書で用いられるような用語「含んでいる」、「含む」及び「含まれる」は、「含んでいる」、「含む」又は「含んでなる」、「包含する」と同義であり、非排他的或いは無制限であり、付加的な、記載されない構成要素、要素又は方法工程を排除しない。用語「含んでいる」、「含む」及び「含まれる」は、用語「からなる」も含む。終点による数値範囲の記載は、各範囲内に包含される全ての数字及び区画並びに記載される終点を含む。測定可能な数値、例えばパラメータ、量、時間期間などを言及するときに本明細書で用いられる用語「約」は、明記された値の及び明記された値からの+/−10%又はそれ未満、好ましくは+/−5%又はそれ未満、より好ましくは+/−1%又はそれ未満、そして更により好ましくは+/−0.1%又はそれ未満の変化を包含することを意味するが、但し、このような変化が開示される発明を行うのに適切である場合に限る。修飾語句「約」が言及する値はまた、それ自体、明確かつ好ましく開示される。本明細書中に引用される全ての文書は、それらの全容において、参照により本明細書中に組み込まれる。
本明細書を通じて「1つの実施態様」又は「ある実施態様」への言及は、その実施態様に関連して記載される特定の特色、構造又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。よって、本明細書を通じて様々な箇所における「1つの実施態様において」又は「ある実施態様において」との句の登場は、必ずしも全てが同一の実施態様への言及ではないが、その場合もあり得る。更に、特定の特色、構造又は特徴は、この開示から当業者に明らかであるように、1つ又はそれより多い実施態様において、任意の適切な様式で組み合わされてもよい。更に、本明細書に記載される幾つかの実施態様は、他の実施態様に含まれる幾つかの特色を含むがその他の特色は含まない。一方、種々の実施態様の特色の組合せは、本発明の範囲内であることを意味し、当業者により理解されるように、種々の実施態様を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、任意のクレームされる実施態様のいずれの1つも、任意の組合せで用いることができる。
そうでないと規定しない限り、本発明を開示するのに用いられる全ての用語は、技術的及び科学的用語を含めて、この発明の属する技術分野において通常の技術を有する者により共通に理解されるのと同様の意味を有する。更なる説明によって、本発明の教示をより正確に認識するために、記載に用いられる用語に関する定義を含める。
本明細書及び付属の特許請求の範囲において、文脈がそうでないと明確に示さない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数形の記載を含み、その逆もまた同様である。そうでないと規定しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、当該技術分野において通常の技術を有する者により共通に理解されるのと同様の意味を有する。
概して、サンプル又は検体は、任意のものの一部として採取される。食品産業における応用について、このようなサンプルは、例えば検査のために提出されたか、又は全体の質の証拠として示された製造された食料品、乳製品、飲料及びビールである。臨床的な応用について、サンプル又は検体は、任意の種類の身体の固形、半固形又は流体物質、例えば、限定しないが、便、血液、血漿、血清、尿、体液、直腸拭き取り検体、鼻腔拭き取り検体、痰、感染した組織などであり得る。
本発明の1つの観点において、本発明の方法は、食塊、乳製品、ビール及び他の飲料を汚染することが公知の微生物、例えば本明細書に提示される微生物に適用できる。或いは、本発明の別の観点によれば、本発明の方法は、感染症及び疾患の原因となることが公知の微生物に適用できる。
そういうものであるから、本発明は、存在するならば微生物を任意に回収する工程、前記微生物から核酸を抽出する工程、該核酸を特異的に増幅し、それによって増幅された標的核酸を検出する工程を含む、サンプル中の微生物の存在を決定するための方法に関し、これによって前記微生物の存在が決定される。前記微生物の存在が検出されるサンプルについて、増幅された核酸を更に分析することによって、存在する微生物を同定し、特徴付けする。結果として、陽性のサンプルだけを更なる分析に付し、このことが、時間、労働力及び/又は材料を節約する方法を構成する。
明白になるように、本発明は、前記微生物が真核及び/又は原核微生物並びにウイルスからなる群より選択される本明細書に記載の方法に関する。微生物は、藻類、古細菌、バクテリア、ウイルス、線虫類、原虫、微胞子虫類並びに酵母、糸状菌及び菌根を含む菌類を含む群より選択され得る。
同様に、本発明が、前記微生物が食品由来及び水由来の微生物からなる群より選択される本明細書に記載の方法に関することが認識される。
同様に、本発明が、前記微生物がヒト及び/又は動物に寄生性、共生性、片利共生性及び/又は病原性の微生物からなる群より選択される本明細書に記載の方法に関することが認識される。
この関係において、本発明は、前記微生物が以下から選択される本明細書に記載の方法に関する:
エシェリシア(Escherichia)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、クレブシエラ(Klebsiella)、シトロバクター(Citrobacter)、セラティア(Serratia)、アヴェリエラ(Averyella)、ハフニア(Hafnia)、モルガネラ(Morganella)、パントエア(Pantoea)、フォトラブドゥス(Photorhabdus)、プレオシモナス(Pleosimonas)、プロテウス(Proteus)、プロヴィデンシア(Providencia)、ラオウルテラ(Raoultella)、エドワードシエラ(Edwardsiella)、エウィンゲラ(Ewingella)、セデセア(Cedecea)、クルイヴェラ(Kluyvera)、レクレルシア(Leclercia)、レミノレラ(Leminorella)、モエレレラ(Moellerella)、ラーネラ(Rahnella)、タトゥメラ(Tatumella)、ヨケネラ(Yokenella)、エンテロバクター(Enterobacter)、イェルシニア(Yersinia)、ノカルディア(Nocardia)、ロドコッカス(Rhodococcus)、ゴルドニア(Gordonia)、アクティノマドゥラ(Actinomadura)、ストレプトミセス(Streptomyces)、ミコバクテリウム(Mycobacterium)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、アクティノミセス(Actinomyces)、ラクトバシルス(Lactobacillus)、ユーロバクテリウム(Eurobacterium)、エッゲルテラ(Eggerthella)、オルセネラ(Olsenella)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、モビルンクス(Mobiluncus)、アリスティペス(Alistipes)、バクテロイデス(Bacteroides)、セトバクテリウム(Cetobacterium)、デスルフォヴィブリオ(Desulfovibrio)、ディアリスター(Dialister)、ファエカリバクテリウム(Faecalibacterium)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ポルフィロモナス(Porphyromonas)、プレヴォテラ(Prevotella)、スネアティア(Sneathia)、タンネレラ(Tannerella)、ラクトコッカス(Lactococcus)、リステリア(Listeria)、エリシペロトリクス(Erysipelothrix)、ロイコノストック(Leuconostoc)、バシルス(Bacillus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、クロストリディウム(Clostridium)、ヴィブリオ(Vibrio)、エンテロコッカス(Enterococcus)、レジオネラ(Legionella)、カンピロバクター(Campylobacter)、アルコバクター(Arcobacter)、ヘリコバクター(Helicobacter)、レプトスピラ(Leptospira)、ボレリア(Borrelia)、トレポネマ(Treponema)、ミコプラズマ(Mycoplasma)、ウレオプラズマ(Ureoplasma)、クラミジア(Chlamydia)、クラミドフィラ(Chlamydophila)、リケッチア(Rickettsia)、オリエンティア(Orientia)、エールリシア(Ehrlichia)、アナプラズマ(Anaplasma)、ネオリケッチア(Neorickettsia)、エジプティアネラ(Aegyptianella)、コキシエラ(Coxiella)、トロフェリマ(Tropheryma)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ミクロコッカス(Micrococcus)、シュードモナス(Pseudomonas)、フラヴォバクテリウム(Flavobacterium)、アルカリジェネス(Alcaligenes)、ミクロバクテリウム(Microbacterium)、ネイセリア(Neisseria)、アクティノバシラス(Actinobacillus)、カプノシトファガ(Capnocytophaga)、エイケネラ(Eikenella)、キンゲラ(Kingella)、パストゥレラ(Pasteurella)、ヘモフィルス(Haemophilus)、エアロモナス(Aeromonas)、ブルクホルデリア(Burkholderia)、ステノトロポモナス(Stenotropomonas)、ラルストニア(Ralstonia)、キュプリアヴィドゥス(Cupriavidus)、パンドレア(Pandoraea)、ブレヴンディモナス(Brevundimonas)、コマモナス(Comamonas)、デルフティア(Delftia)、アシドヴォラクス(Acidovorax)、アシネトバクター(Acinetobacter)、アクロモバクター(Achromobacter)、クリセオバクテリウム(Chryseobacterium)、モラキセラ(Moraxella)、ボルデテラ(Bordetella)、シクロバクター(Psychrobacter)、オリゲラ(Oligella)、ヘマトバクター(Haematobacter)、アルカリジェネス(Alcaligenes)、アドヴェネラ(Advenella)、アリシェワネラ(Alishewanella)、アクアスピリルム(Aquaspirillum)、ラリバクター(Laribacter)、ミロイデス(Myroides)、シェワネラ(Shewanella)、オクロバクトルム(Ochrobactrum)、リゾビウム(Rhizobium)、ハロモナス(Halomonas)、ヘルバスピリルム(Herbaspirillum)、インクィリヌス(Inquilinus)、マッシリア(Massilia)、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterium)、ペドバクター(Pedobacter)、パラコッカス(Paracoccus)、アサイア(Asaia)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ロゼオモナス(Roseomonas)、アゾスピリルム(Azospirillum)、エリザベスキンギア(Elizabethkingia)、エンペドバクター(Empedobacter)、ウィークセラ(Weeksella)、ベルゲイエラ(Bergeyella)、バルネアトリクス(Balneatrix)、ボルデテラ(Bordetella)、フランシセラ(Francisella)、ブルセラ(Brucella)、バルトネラ(Bartonella)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、フィネゴルディア(Finegoldia)、アネロコッカス(Anaerococcus)、ペプトニフィルス(Peptoniphilus)、ヴェイロネラ(Veillonella)、ガリコラ(Gallicola)、サッキア(Sackia)、アトポビウム(Atopobium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、エアロコッカス(Aerococcus)、アビオトロフィア(Abiotrophia)からなるバクテリア及びその(亜)種の群、
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、呼吸器系発疹ウイルス、ヒト・メタニューモウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、エンテロウイルス、パレコウイルス、ヘパトウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、ロタウイルス、カリチウイルス、アストロウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、トロウイルス、アイチウイルス、ピコビルナウイルス、狂犬病ウイルス、ヘンドラ及びニパウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、アレナウイルス、フィロウイルス、ヒト・ヘルペスウイルス、ヒト・パピローマウイルス、ヒト・ポリオーマウイルス、ヒト・パロウイルス(Paroviruses)、ポックスウイルス、肝炎ウイルスからなるウイルスの群
カンジダ(Candida)、クリプトコッカス(Criptococcus)、ブラストシゾミセス(Blastoschizomyces)、クラヴィスポラ(Clavispora)、デバリオミセス(Debaryomyces)、クルイヴェロミセス(Kluyveromyces)、ゲオトリクム(Geotrichum)、ウスティラゴ(Ustilago)、プロトテカ(Prototheca)、ディポダスクス(Dipodascus)、マラッセジア(Malassezia)、ピキア(Pichia)、ロドトルラ(Rhodotorula)、サッカロミセス(Saccharomyces)、スポロボロミセス(Sporobolomyces)、トリコスポロン(Trichosporon)、ニューモシスティス(Pneumocystis)、アスペルギルス(Aspergillus)、フサリウム(Fusarium)、セドスポリウム(Scedosporium)、ペニシリウム(Penicillium)、スコプラリオプシス(Scopulariopsis)、ケトミウム(Chaetomium)、シゾフィルム(Schizophyllum)、アクレモニウム(Acremonium)、レシトフォラ(Lecythophora)、フィアレモニウム(Phialemonium)、フェオアクレモニウム(Phaeoacremonium)、アルトロガフィス(Arthrogaphis)、オニココラ(Onychocola)、シタリディウム(Scytalidium)、ビューヴェリア(Beauveria)、エンギオドンティウム(Engyodontium)、スポロティクス(Sporothix)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、ミセリオフトラ(Myceliophthora)、ミリオドンティウム(Myriodontium)、メタリズム(Metarrhizum)、トリコデルマ(Trichoderma)、ペシロミセス(Paecilomyces)、リゾプス(Rhizopus)、リゾムコア(Rhizomucor)、アブシディア(Absidia)、アポフィソミセス(Apophysomyces)、ムコア(Mucor)、クニンガメラ(Cunninghamella)、バシディオボルス(Basidiobolus)、コニディオボルス(Conidiobolus)、モルティエレラ(Mortierella)、コケロミセス(Cokeromyces)、シンセファラストルム(Syncephalastrum)、サクセネア(Saksenaea)、ヒストプラズマ(Histoplasma)、ブラストミセス(Blastomyces)、コッシディオイデス(Coccidioides)、パラコッシディオイデス(Paracoccidioides)、エモンシア(Emmonsia)、トリコフィトン(Trichophyton)、ミクロスポルム(Microsporum)、エピデルモフィトン(Epidermophyton)、マラッセジア(Malassezia)、ピエドライア(Piedraia)、カロスフェリアレス(Calosphaeriales)、ケトティリアレス(Chaetothyriales)、ドティデアレス(Dothideales)、ミクロアスカレス(Microascales)、オフィオストマタレス(Ophiostomatales)、プレオスポラレス(Pleosporales)、ソルダリアレス(Sordariales)、ヒポクレアレス(Hypocreales)、ディアポルタレス(Diaporthales)からなる菌類の群、及び/又は:
プラスモディウム(Plasmodium)、バベシア(Babesia)、レイシュマニア(Leishmania)、トリパノソマ(Trypanosoma)、トキソプラズマ(Toxoplasma)、ネグレリア(Naegleria)、アカンタモエバ(Acanthamoeba)、バラムティア(Balamuthia)、エンタモエバ(Entamoeba)、エンドリマクス(Endolimax)、イオダモエバ(Iodamoeba)、ブラストシスティス(Blastocystis)、ギアルディア(Giardia)、ディエンタモエバ(Dientamoeba)、トリコモナス(Trichomonas)、キロマスティクス(Chilomastix)、エンテロモナス(Enteromonas)、レトルタモナス(Retortamonas)、イソスポラ(Isospora)、シクロスポラ(Cyclospora)、サルコシスティス(Sarcocystis)、クリプトスポリディウム(Cryptosporidium)、ミクロスポリディウム(Microsporidium)からなる寄生虫の群。
本発明の具体的な実施態様において、微生物は、本発明の方法の工程(a)前に捕捉されるか、又は回収される。該方法の工程(a)前の微生物の捕捉又は回収は濃縮工程を含み、これは本発明の方法前の微生物の濃縮を可能にし、それによって、より正確な方法を提供する。
サンプル中に存在する微生物の量を増加させるために、該微生物は、存在するならば、培地上で成長させてもよい。したがって、本発明は、例えば上記の工程(a)の前に、(i)選択培地上での前記微生物の成長又は(ii)非選択培地上での前記微生物の成長を含む、微生物の増菌が先行する本明細書に記載の方法に関する。選択培地上での前記微生物の成長は、好ましくは、興味対象の微生物の成長を優先する。一方、非選択培地上での成長は、大半の微生物の成長を維持し、例えば、特定の微生物の成長を特に優先しない。
サンプルは、DNA単離に直接用いることができるが、幾つかの技術はDNA単離前の微生物の成長及び回収を要する。本発明の方法によれば、DNA単離前の微生物の成長及び回収は必要でも必須でもなく、それによって、先行技術の方法と比較して、より迅速な検出方法を提供する。DNA単離前の微生物の成長及び回収は、しかしながら、本発明の方法に任意に含まれ得る。したがって、本発明は、例えば上記の工程(a)の前に、微生物の濃縮を含む微生物の増菌が先行する本明細書に記載の方法に関する。当該技術において公知の代表的な回収ストラテジーは、例えば、限定しないが、適切な固形培養培地上にサンプルを播種すること、適切な液体培養培地中にサンプルを添加すること又はまず適切な液体培養培地中にサンプルを準備し、その後適切な固形培養培地上に播種することである。固形培養培地から、微生物をDNA単離用に直接回収できる。一方、液体培養培地は、一般に、まず微生物を回収するのに遠心分離工程を要する。前記微生物の回収及び/又は捕捉は、遠心分離、濾過、例えば水様又は液体溶液の濾過(これによって、篩サイズより大きい全ての粒子が捕捉される)、沈殿分離、静電気力、凝固、凝集、抗体による微生物の捕捉、及び/又はリガンドによる微生物の捕捉の手段により行われ得る。
他の回収及び/又は捕捉技術は、精密濾過、好ましくはメンブレンによる、例えば精密分析スクリーニング(MAS)法を含み得る。この方法は、メンブレンフィルタの低い流動抵抗、高い化学物質耐性及び十分に制御された孔サイズ分布を達成し、高い操作流量、長い持続時間(例えばミクロ篩の長い寿命/操作時間)、及び良好な分離挙動を得ることができる。好ましくは、本発明に記載のミクロ篩フィルタは、均一な大きさの孔を有する薄いメンブレン層により特徴付けられる。殆どの適用について、メンブレン層を支持体で支持する。マクロ孔支持体上に高い孔密度及び狭い孔サイズ分布を有する比較的薄い濾過又は篩層を有するミクロ篩は、申し分なく良いか又は秀逸とさえいえる分離挙動及び高い流速を示す。例えば微生物で汚染されたフルーツジュースのように、非常に希薄な溶液において、粒子の種類及び濃度の迅速な決定をすることが重要である。ミクロ篩の低い流動抵抗は、大量の液体が短い時間内にフィルタを通過することを可能にし、これによって、汚染微生物が(存在するならば)非常に小さな表面(20〜100 mm2)に濃縮される。この迅速な汚染微生物の濃縮は、これら微生物のその後の分析の簡略化及び良質化をもたらす。精密濾過技術に関連して、本発明はまた、Daufinら(2001)により記載されるようなクロスフロー精密濾過、(Aquamarijn Holding Ltd.による)特許出願WO 02/43937により記載される精密濾過技術、又はCEPAration B.V.(Helmond, The Netherlands)により開発された精密濾過技術に関する。したがって、本発明は、前記濾過がAquamarijn(登録商標)フィルタ又はCEPAration(登録商標)フィルタを用いることによって行われる本明細書に記載の方法に関する。例えば、窒化ケイ素がメンブレンとして、ケイ素が担体として用いられ得るか、又はフィルタが中空繊維セラミックメンブレンを含み得る。孔サイズは、例えば0.5〜1.2ミクロンの間又は0.15〜1.4ミクロンの間であり得る。
本発明は、濃縮後に、サンプルの残りから微生物を分離する本明細書に記載の方法に関することが理解されるであろう。更に、濃縮及び分離を同時に行うことによって分析速度を増大させることができる。
広範多種の着色及び/又は染色技術を用いて、ミクロ篩表面上の微生物の認識を改善できる。ミクロ篩は不活性であることが好ましく、このことは、ミクロ篩表面を着色又は攻撃しないで、全ての現存する染色剤及び化学物質を用いることを可能にする。前記ミクロ篩は再び用いられてもよい。
提示するMAS法はまた、特に汚染微生物、例えばクリプトスポリディウム、エシェリシア・コリ(大腸菌;Escherichia coli)及びレジオネラの存在する場合の一般水及び飲料水の質管理に適用され得る。食肉産業においてもまた、MAS法を、例えばカンピロバクター及びサルモネラによる汚染のような、汚染微生物を追跡するのに適用できる。
汚染微生物を特徴付けするために、本発明は、問題の微生物の核酸を同定する公知の技術を採用してもよい。本発明は、好ましくは、下記の多重増幅及び標識技術に関する。多重化は、分析時間の迅速化と用いられる消耗品の低量化とをもたらす単一手順の工程の間に多重分析を行う機会を可能にする。
用語「核酸」は、本明細書で用いられるように、ヌクレオチド、例えばデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドから構成されるポリマーを意味する。用語「リボ核酸」及び「RNA」は、本明細書で用いられるように、リボヌクレオチドから構成されるポリマーを意味する。用語「デオキシリボ核酸」及び「DNA」は、本明細書で用いられるように、デオキシリボヌクレオチドから構成されるポリマーを意味する。用語「オリゴヌクレオチド」、「プライマー」及び「プローブ」は、本明細書で用いられるように、約10〜約250ヌクレオチド長の一本鎖ヌクレオチドマルチマーを明示する。用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書で用いられるように、約10〜約250ヌクレオチド長、通常は約250ヌクレオチド長よりも大きく約2000ヌクレオチド長までの、ヌクレオチドモノマーから構成される一本鎖又は二本鎖ポリマーを指称する。
本発明は、前記核酸がDNA、rRNA、tRNA、siRNA、mRNA、トータルRNA及びtmRNA(tRNA様及びmRNA様の二重性質;10Sa RNA又はSsrAとしても知られる)から選択される本明細書に記載の方法に関することが理解される。
汚染微生物からの核酸、すなわち標的核酸を特徴付けするために、該核酸は、通常、前記生物が任意に回収又は捕捉された後に、汚染微生物から単離される。汚染微生物の回収又は捕捉及び核酸の単離は、一般に公知の技術を用いて行われる。一般に、微生物からの核酸の単離は、最初の工程の一つとして、前記微生物の溶菌を必要とする。溶菌ストラテジーが汚染微生物の性質に依存して採用されることは明白である。一般に、リゾチームでの処置、ペクチン分解性物質、或いは超音波又はビーズビーターのような機械的処置を、細胞を溶菌するために用いることができる。慣用の手順は、Selingerら(2000, Nature Biotechnol. 18, 1262-1268;参照により本明細書中に組み込まれる)により記載されるような、高温フェノール溶液へのバクテリアサンプルの直接注入法である。
或いは、細胞を液体窒素中で素早く凍結し、機械的に破砕した後に、酸性フェノール溶液で単離できる。酵素分解、有機抽出並びにアルコール及び/又は塩での沈降の組合せに関する、核酸を単離するための古典的方法は当該技術において周知であり、本発明が意図する。これに関連して、Current Protocols in Molecular Biology, Wiley & Co, USAに記載されるようなリボ核酸を単離するための技術は、特に、参照により本明細書中に組み込まれる。
本発明はまた、臨床サンプルからのDNA及びRNAの迅速な小規模精製に関する。後者の方法は、カオトロピック剤であるグアニジンチオシアネート(GuSCN)の溶菌及びヌクレアーゼ不活化特性並びにBoomら(1999; J. Clin. Microbiol. 37: 615-619)により記載されるような、この剤の存在下におけるシリカ粒子又は珪藻(diatoms)の核酸結合特性に基づき得る。RNAの単離について、当該技術において公知の代表的技術を用いることができる。殆どの微生物のmRNA種は、主にRNアーゼの活性が原因で、数分の半減期しか存在しない。したがって、RNA集団を安定化するために、すなわちRNA分解を遅延させるか又は減少させるために必要とされるスピードが重大となり、したがって、例えばジエチルピロカーボネート、アウリントリカルボン酸などのようなリボヌクレアーゼ活性の多様な阻害剤の使用がRNA単離工程に採用され得、RNAの単離に関する通常の一般的な知識に属し、本明細書中に組み込まれる。前記汚染微生物の溶菌は、核酸の集団を安定化する前又は後に行われ得る。本発明はまた、大腸菌からのトータルRNAの単離について記載されているような(Yeら, 2001, J.Microbiol. Methods 47, 257-272)、エタノール及びフェノールを含む停止溶液に関する。この停止溶液は、他のグラム陰性バクテリアについて、満足に用いることができる。更に、本発明は、RNAlater(登録商標)溶液(Ambion及びQiagen)の使用を意図する。後者の溶液の主な利点は、そのmRNA集団の迅速な安定化であり、サンプルをRNA単離前に適当な条件下で長時間保存するのを可能にする。これは、RNAの早急な単離が可能でないときに、サンプルの回収に特に有用である。したがって、本発明は、前記微生物から前記核酸を抽出する工程が、微生物を溶菌することと、任意に更にRNアーゼの不活化とを含む本明細書に記載の方法に関する。
バクテリアのmRNAの殆どは、ポリA尾部を有さず、したがって、トータルRNAからの分離が難しいので、富化工程が用いられてもよい。本発明は、当該技術において公知、例えばAffymetrix社により記載されるようにして(http: // www.affymetrix.com/index.affx)、リボソームRNAを除去することによる、mRNAの富化工程に関する。更に、本発明は、大腸菌mRNAを細胞粗抽出物中で大腸菌からのポリA+ポリメラーゼIでポリアデニル化し、Wendishら(2001, Anal. Biochem. 290: 205-213)(参照により本明細書中に組み込まれる)により記載されるように、オリゴ‐dTクロマトグラフィーによりそれを精製することにより大腸菌mRNAを単離する方法を組み込む。
多様なRNA単離キットは、種々の商業供給元から、例えばAmbion社、Qiagen社、Sigma‐Aldrich社などから入手可能であり、これらは本発明の方法において満足に用いることができる。
RNAの単離について上記のように、DNAの単離において、微生物を溶菌する方法は微生物のタイプ(例えば糸状菌、真菌、酵母、グラム陰性菌又はグラム陽性菌)に依存する。この関係において、Current Protocols in Molecular Biology, Wiley & Co, USAに記載のDNAの単離技術は、特に参照により本明細書中に組み込まれる。したがって、本発明は、前記溶菌が、リゾチーム、ペクチン分解性物質又はグアニジンチオシアネートでの処置或いは超音波又はビーズビーターの使用のような機械的処置による処置、高温フェノール中に微生物を注入することによる処置、及び液体窒素中で微生物を急速凍結させた後の機械的処置からなる群より選択される本明細書に記載の方法に関する。グラム陰性菌からRNAを単離するための便利な方法は、細胞を水に再懸濁し、少なくとも1分間水を煮沸することである。任意に、EDTA及び/又は界面活性剤を水に加えることができる。
多様なゲノムDNA単離キットは、種々の商業供給元から、例えばGenta社、Promega社、Qiagen社などから入手可能であり、これらは本発明の方法において満足に用いることができる。
単離した核酸の濃度を推定する便利な方法は、260 nmでの分光光度法によるものであり、これは当該技術において広く公知である。
汚染微生物から核酸を単離した後、該核酸を検出し、可能であれば分析することが必要である。一般に、ごく微量の汚染微生物が存在する。したがって、単離した核酸又はその特定の部分、すなわち標的核酸を増幅できる。標的核酸がRNAである場合、該RNAは分析前にcDNAにまず変換されてもよい。用語「増幅された核酸」及び「増幅された核酸混合物」は、本発明を通して用いられるように、本質的に同一の意味を有する。
したがって、本発明は、前記核酸がrRNA、tRNA、mRNA、siRNA、トータルRNA又はtmRNAであり、前記rRNA、tRNA、mRNA、siRNA、トータルRNA又はtmRNAが、当該技術において周知であるように、例えば逆転写酵素の活性により、cDNAに変換される本明細書に記載の方法に関する。
DNA及び/又はcDNAを増幅するための様々な技術は、当業者に公知である。これらの技術の全てを、本発明が意図する。したがって、本発明は、前記核酸がDNA及び/又はcDNAであり、前記DNA及び/又はcDNAが、Versalovic及びLupski(2002, Trends Microbiology 10: S15-S21)(参照により本明細書中に組み込まれる)に説明されるように、増幅技術、例えばbDNA、ハイブリッドキャプチャー法、SDA、TMA、PCR、LCR、TAS、3SR、NASBA及びQβ増幅を用いて増幅される本明細書に記載の方法に関する。
本発明は、特に、多重増幅、例えば多重PCRを意図する。多重増幅、例えば多重PCRは増幅、したがって2つ又はそれより多い標的の同時分析を可能にする。この増幅技術は、1回の反応で幾つかの生成物を増幅するのが必要な遺伝子スクリーニング、マイクロサテライト分析などの用途に用いられる。日常的な実験により、当業者は、1回の反応において複数のプライマー対が存在すること(このことは、特異的生成物の増幅を阻害し得るプライマーダイマー及びその他の非特異的生成物の可能性を増加させ得る)を考慮して、反応条件を最適化できる。更に、個々のプライマー対の濃度は、異なる複数のアンプリコンが異なる効率で多くの場合増幅されるので、最適化されることを多くの場合必要とし、複数のプライマー対は反応中互いに競合できる。当業者は類似の考察をし、多重増幅、すなわち1つより多い標的の増幅についての上記のその他の増幅技術のための条件を最適化する。
更に、本発明は、RNAポリメラーゼ認識部位及び標的核酸に相補的な認識部位を含むプライマー/プローブが用いられる例えば改変Tyras法を介してのように、RNAの直接的増幅に関する。
標的核酸を単離した後、プローブ及び/又はプライマーを前記標的核酸にハイブリダイズさせる。プライマーは、前記標的核酸を増幅するのに用いてもよい。或いは、プローブはライゲーションしてもよいし、前記プローブ上の領域を特異的に認識するプライマーで増幅してもよい。プローブ及び/又はプライマーは標識されてもよい。また、標識は、増幅工程中に組み込むか、又は増幅後に付加してもよい。したがって、本発明は、増幅された核酸が標識される本明細書に記載の方法に関する。検出可能及び/又は定量可能なシグナルを生産し、かつ増幅された核酸に付加又は組み込むことができる実質的に全ての標識を、本発明の方法及びアレイと共に用いることができる。適切な標識は、限定しない例によって、放射性同位体、蛍光体、発色団、化学蛍光部分などを含む。標識を増幅された核酸に付加する実施態様において、標識は、遊離末端又は1つ若しくはそれより多い塩基を含む、核酸の任意の部分に付加できる。好ましくは、標識の位置は、標識された核酸のハイブリダイゼーション、検出及び/又はその他のハイブリダイゼーション後の改変を阻害しない。多様な種々のプロトコルは、当該技術において公知であるように、標識された核酸を得るのに用いてもよく、このような方法は一般に、開始プライマーとテンプレート核酸とを用いた標識された核酸の酵素的生成に依拠する。標識プライマーを採用して、標識かつ増幅された核酸を得ることができる。或いは、標識かつ増幅された核酸を生成するために、最初の鎖の合成若しくはその後の合成、標識又は増幅工程中に、標識を核酸に組み込むことができる。反応性標識誘導体でのRNAの化学的改変又は標識された基質を用いた酵素的改変を用いて、標識をmRNAに直接組み込むこともできる。標識かつ増幅された核酸を生成する代表的な方法は、米国特許出願番号:08/859,998;08/974,298;09/225,998に開示される;この開示は、参照により本明細書中に組み込まれる。
増幅された核酸は、例えば上記の標識及び技術により標識され得る。或いは、増幅された核酸は、当該技術において公知の任意のその他の技術により標識され得る。好ましい技術は、直接的な化学標識法並びに酵素標識法、例えばキナーゼを用いる方法及びニックトランスレーションを含む。したがって、本発明は、増幅された核酸が標識される本明細書に記載の方法に関する。好ましくは、核酸は増幅中に標識されるか、又は増幅された標的核酸は増幅後に標識される。そういうものであるから、本発明は、プライマーI及び/又はプライマーIIが標識されている本明細書に記載の方法に関する。増幅中の標識化は、増幅された標的が標識される手順工程を排除する機会を提供するので、より迅速な分析時間を提供する。
多様な種々の標識を採用でき、このような標識は蛍光標識、燐光体標識、同位体標識、酵素標識、微粒子標識などを含む。例えば、適切な標識は蛍光色素、例えばフルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン(例えばローダミン123)、R6G、IRDyes(商標)、Texas Red、フィコエリスリン、アロフィコシアニン、6‐カルボキシフルオレセイン(6‐FAM)、2',7'‐ジメトキシ‐4',5'‐ジクロロ‐6‐カルボキシ‐フルオレセイン(JOE)、6‐カルボキシ‐X‐ローダミン(ROX)、TET、JOE、NED、(ET‐)ROX、6‐カルボキシ‐2',4',7',4,7‐ヘキサクロロ‐フルオレセイン(HEX)、5‐カルボキシフルオレセイン(5‐FAM)又はN,N,N',N'‐テトラメチル‐6‐カルボキシ‐ローダミン(TAMRA)、fluor 488(商標)、シアニン色素(例えばCy5、Cy3、Cy2)、BODIPY色素(例えばBiodipy(商標)630/650、Biodipy 530、Biodipy(商標)FL)、Alexa(例えばAlexa542、Alexafluor(商標)532)などを含む。適切な同位体標識は、放射活性標識、例えば32P、33P、35S、3Hを含む。その他の適切な標識は、光散乱、蛍光特性を有するか、又はトラップされた複合蛍光体を有するサイズ粒子を含む。標識は2段階のシステムであってもよく、ここで、プライマー及び/又はプローブは、高親和性の結合相手、例えばアビジン、特異的抗体などを有するビオチン、ハプテンなどに結合している。結合相手は検出可能な標識、例えば基質を発色性生成物に変換できる酵素標識、蛍光標識、同位体標識などに結合している。
或る実施態様において、異なった標的核酸を指向するプライマーは、異なって標識され得る。「異なって標識される」及び「異なる標識を含む」により、異なった標的核酸を指向するプライマーが互いに異なって標識されるために、それらを互いに同時に識別できることを意味する。それゆえ、プライマーIは、プライマーIIと異なる標識を含み得る。例えば、第1プローブ対に結合しているプライマーI又はプライマーIIは、第2プローブ対に結合しているプライマーI又はプライマーIIと異なる標識を含み得る。
本発明の実施態様は、(1)多重リガーゼ検出反応(LDR)と、(2)多重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)との組合せに関する。リガーゼ検出反応(LDR)は、Favisら(2000, Nature Biotechnology 18: 561-564)(参照により本明細書中に組み込まれる)により記載されるような、一塩基多型(SNPs)を検出するための高感度アッセイである。16S rRNAのうちの一塩基における違いは、Bustiら(2002, BMC Microbiology 2: 27-39)(参照により本明細書中に組み込まれる)により記載されるように、種々の微生物の配列同士を区別するために用いることができる。同様に、18S、23S又は28S rRNAのうちの一塩基の違いは、種々の微生物の配列同士を区別するために用いることができる。同様に、2つの生物の間で、任意のタイプのDNA又はRNA、例えば染色体DNA、rDNA、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA若しくは任意のその他のオルガネラDNA、rRNA、mRNA、tRNA又は下記のような任意のその他のRNA分子の任意のヌクレオチドの違いは、微生物同士を区別するために用いることができる。2つのプローブの組(プローブI及びII)が、その少なくとも一部分がわかっている検出される標的配列に基づいて設計されてもよい。両方のプローブは、標的配列の既知の部分にハイブリダイズできる領域(各プローブI及びIIの3'及び5'末端)を末端に含む。言い換えれば、1つのプローブ(プローブI)は、標的領域に特異的にハイブリダイズする領域Ir又はtss(I)を含み、前記領域Ir又はtss(I)はプローブIの3'終末に位置している。前記プローブIは、領域Irの5'側に位置するプライマー結合部分(PBS(I))を更に含む。前記プローブI及び/又はIIは、スタッファー領域及び/又は本明細書で検出領域(DET)と称するZipDectCode(ZDc又はDET)を含んでいてもよい。例えば、プローブI上の前記スタッファー領域及び/又はDETは、領域Ir又はtss(I)とPBS(I)との間に位置していてもよい。
検出領域(DET)は、独自の配列を含み、これを用いて、増幅された生成物を同定できる。DETは、増幅反応中に存在する、その相補的オリゴヌクレオチド検出プローブ(例えばcDET)にハイブリダイズする。本発明に記載の方法により提供されるライゲーションされたプローブの全ての構造について、増幅の際に二本鎖の核酸が形成され、このうち少なくとも1つの鎖がオリゴヌクレオチド検出プローブにより検出可能なZDc(又はDET)を含むので、ZDc(又はDET)は、相補的ZDc(cZDc又はcDET)により置換できることに注意すべきである。DET及びcDETは、増幅中のリアルタイム検出に用いられるDNAセグメントのことであり、cDETはDETの相補的配列を有する。
プローブIIは、標的領域に特異的にハイブリダイズする領域IIr又はtss(II)を含み、前記領域IIr又はtss(II)は、プローブIIの5'終末に位置している。前記プローブIIは、領域IIrから3'側に位置するプライマー結合部分(PBS(II))を更に含む。プローブI又はプローブIIは、それぞれ領域Ir又はtss(I)とPBS(I)との間或いは領域IIr又はtss(II)とPBS(II)との間の内側に位置する、例えばZipcode(Zc又はZIP)或いはZipComcode(ZCc又はcZIP)のような識別子領域を更に含んでいてもよい。ZIP及びcZIPはマイクロアレイ検出に用いられるDNAセグメントのことであり、cZIPはZIPの相補的配列を有する。ZCc(若しくはcZIP)又はその相補体Zc(若しくはZIP)は、最終的に増幅された生成物の同定のための独自の配列である。ZCc(又はcZIP)は、その相補体Zc(又はZIP)にハイブリダイズする。増幅された生成物の相補体は、例えばマイクロチップ上に存在する(捕捉プローブ;下記を参照)。ハイブリダイゼーションの際に、プローブIの標的領域Ir(tss(I))は、プローブIIの標的領域IIr(tss(II))に隣接して位置する。ZCc(若しくはcZIP)又はZc(若しくはZIP)及びPBSは、プローブの末端に位置し、標的配列にハイブリダイズできない。両方のプローブが標的配列にハイブリダイズし、互いに隣接して位置するとき、例えばPfu DNAリガーゼのようなリガーゼを用いてプローブをライゲーションできる。ライゲーション後、ライゲーションされたプローブは、プライマー結合部分にハイブリダイズできる少なくとも1つのプライマーを用いて増幅され得る。好ましくは、増幅は、PBS(II)を有するプローブIIとは異なるPBS(I)を有するプローブIを用いて、PCRにより行われる。それゆえ、PBS(I)により特徴付けられる領域に結合するプライマーIは、PBS(II)により特徴付けられる領域に結合するプライマーIIとは異なる。プライマーIがPBS(I)に実質的に相補的な配列を含むならば、プライマーIIがPBS(II)に実質的に同一の配列を含み、その逆、すなわちプライマーIがPBS(I)に実質的に同一の配列を含むならば、プライマーIIがPBS(II)に実質的に相補的な配列を含むことが理解されるであろう。
更なる実施態様において、プローブI又はプローブIIはZipcodeを含み得る。プローブI及びプローブIIのライゲーションの際に、ライゲーションされたプローブを増幅することが本発明の目的であるので、増幅されライゲーションされたプローブが、例えばマイクロチップ上に存在するZipcodeとハイブリダイズするためのZipComcodeを含むことが理解できる。したがって、プローブI又はプローブIIにZipcodeを備えることはまた、ZipComcodeを含む、増幅されライゲーションされたプローブを生じる。
プライマーの1つは、例えばその5'末端で標識され得る。第1プライマー又は第2プライマーのいずれかは、その5'末端で標識され得る。或いは、両方のプライマーは、同一又は異なる標識で標識され得る。多重化において、例えばPBS(I)にハイブリダイズする、1つの共通のプライマーと、例えばPBS(II)にハイブリダイズする、1つのプローブ特異的プライマーとを用いて方法を行ってもよい。共通のプライマーがPBS(II)にハイブリダイズし、プローブ特異的プライマーがPBS(I)にハイブリダイズしてもよいことが理解されるであろう。更なる実施態様において、プローブIが標識を含む。
それゆえ、本発明に記載の方法において、前記核酸及び/又はcDNAは、前記標的核酸の区別部分に相補的な第1核酸プローブと、前記標的核酸の前記区別部分に本質的に隣接して位置する前記標的核酸の第2部分に相補的な第2核酸プローブとを含む、リガーゼ検出反応を用いて増幅されてもよく、ここで前記第1核酸プローブは5'側プライマー結合部分と場合によってスタッファーとを更に含み、前記第1又は前記第2核酸プローブは、前記標的核酸に本質的に非相補的である3'側ZipComcodeタグと、前記第2核酸プローブの場合はZipComcodeから3'側に位置するプライマー結合部分とを含む。方法は、前記核酸及び/又はcDNAをインキュベートして相補的な核酸のハイブリダイゼーションを許容し、(ライゲーションにより)任意の本質的に隣接するプローブを連結し、任意の連結したプローブ核酸を増幅すること(ここで、増幅はプライマー結合部分に特異的な核酸プライマーが結合することにより開始する)を更に含む。
したがって、本発明は、前記連結工程が、リガーゼ、例えばT4 DNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ又は熱安定性リガーゼ(例えばTaq DNAリガーゼ、Pfu DNAリガーゼ、Tth DNAリガーゼ若しくはAmpligase(商標))の使用又は活性を含む本明細書に記載の方法に関する。ライゲーション反応が起こり得る条件は、当該技術において周知である。
ライゲーションされたプローブの代表的な構造は以下である:
I: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐ [スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
II: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐標的特 異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
III: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐ZDc (又はDET)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐ [スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
IV: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー]‐ZCc( 又はcZIP)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐ [スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
V: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐標的 特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐ [スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
VI: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー]‐標的特 異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[ スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
VII: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐ [スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐ [スタッファー]‐PBS(II)‐3'、又は
VIII: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐ [スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐ZDc(又は DET)‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'。
(角型括弧の間の領域は任意である)
標識されたプライマーIがPBS(I)に実質的に同一の配列を含み、標識されていないプライマーIIがPBS(II)に実質的に相補的な配列を含む場合、増幅後のライゲーションされたプローブの代表的な構造は以下である:
I: 5'‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配 列II‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3' 、
II: 5' ‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー] ‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3' 、
III: 5' ‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー] ‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配 列II‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
IV: 5' ‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー] ‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配 列II‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
V: 5' ‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー] ‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐ZDc(又はDE T)‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
VI: 5' ‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー] ‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZ IP)‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
VII: 5' ‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配 列II‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZ IP)‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、又は
VIII: 5' ‐標識‐PBS(I)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配 列II‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐ZDc(又はDE T)‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'。
(角型括弧の間の領域は任意である)
更に別の実施態様において、標識されていないプライマーIはPBS(I)に実質的に同一の配列を含み、標識されたプライマーIIはPBS(II)に実質的に相補的な配列を含む。ライゲーションされたプローブの代表的な構造は以下である:
I: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐Zc(又はZIP)‐[スタッファー]‐標的特 異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐PBS(II)‐3'、
II: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐Zc(又はZIP)‐[スタッファー]‐ZDc(又 はDET)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[ス タッファー]‐PBS(II)‐3'、
III: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[スタッファー]‐Zc( 又はZIP)‐[スタッファー]‐標的特異的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[ スタッファー]‐PBS(II)‐3'、又は
IV: 5'‐PBS(I)‐[スタッファー]‐Zc(又はZIP)‐[スタッファー]‐標的特異 的配列I‐‐‐標的特異的配列II‐[スタッファー]‐ZDc(又はDET)‐[ス タッファー]‐PBS(II)‐3'。
(角型括弧の間の領域は任意である)
そして、増幅後のライゲーションされたプローブの代表的な構造は以下であ
る:
I: 5'‐標識‐cPBS(II)‐[スタッファー]‐相補的標的特異的配列II(ctss II )‐‐‐相補的標的特異的配列I(ctss I)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZ IP)‐cPBS(I)‐3'、
II: 5'‐標識‐cPBS(II)‐[スタッファー]‐ctss II‐‐‐ctss I‐[スタッファ ー]‐cZDc(又はcDET)‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファ ー]‐cPBS(I)‐3'、
III: 5'‐標識‐cPBS(II)‐[スタッファー]‐ctss II‐‐‐ctss I‐[スタッフ ァー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファー]‐cZDc(又はcDET)‐[スタッフ ァー]‐cPBS(I)‐3'、
IV: 5'‐標識‐cPBS(II)‐[スタッファー]‐cZDc(又はcDET)‐[スタッファー] ‐ctss II‐‐‐ctss I‐[スタッファー]‐ZCc(又はcZIP)‐[スタッファ ー]‐cPBS(I)‐3'。
PBS(II)に実質的に相補的な配列を含む標識されたプライマーIIが用いられる場合において、第1及び第2核酸プローブが、ZipComcodeの代わりにZipcodeを備えるべきであり、好ましくは、Zipcodeは第1核酸プローブに位置することに注意すべきである。第1核酸プローブ上にZipcodeを備えることにより、増幅されライゲーションされたプローブの標識された鎖がZipComcodeを含む。
本発明の好ましい実施態様において、ZDc(又はDET)は、増幅されライゲーションされたプローブの標識されていない鎖上に備えられる。
更なる実施態様において、前記第1核酸プローブは、その5'末端で第2核酸プローブの3'末端に、場合によってスタッファー領域を介して(図2)結合している。
標識プライマーI又は標識プライマーIIのいずれかがライゲーションされたプローブの増幅中に用いられる場合において、二本鎖の、増幅されライゲーションされたプローブが形成され、ここで一方の鎖は標識され、他方の鎖は標識されていない。本発明では、増幅されライゲーションされたプローブの標識された鎖がZipComcodeを含み、この鎖が例えばマイクロチップ上に存在するZipcodeとハイブリダイズすることが可能になる。増幅されライゲーションされたプローブの標識又は非標識のいずれかの鎖はZipDectcodeを含み、相補的オリゴヌクレオチド検出プローブによりこの鎖を検出することを可能にする。増幅されライゲーションされたプローブの標識及び非標識の鎖上に、それぞれZCc(又はcZIP)及びZDc(又はDET)を備えることにより、両方の検出が互いに別々に、両方の検出ストラテジーの間に如何なる妨害もなしに起こる。まず最初に、ZDc(又はDET)の検出は、増幅されライゲーションされたプローブの存在又は不存在及び結果的に汚染微生物の存在又は不存在に関する情報を提供するが、ZDc(又はDET)の陽性検出シグナルを提供するサンプルは、ZCc(又はcZIP)を含む、増幅されライゲーションされたプローブの標識された鎖が検出される第2スクリーニング工程において、その後ハイブリダイズされる。
好ましい実施態様において、プライマーIは、ZipComcodeが第1又は第2核酸プローブ上に位置するならば標識される。
ある実施態様において、本発明は(図5を参照されたい):
(a) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む:プライマー結合配列I (PBS(I))、ZipComcode(ZCc又はcZIP)及び標的特異的配列I(tss(I))、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む:標的特異的配列II(tss (II))、ZipDectCode(ZDc又はDET)及びプライマー結合配列II(PBS(II))、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(b) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I)、ZDc(又はDET )及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)、ZCc(又は cZIP)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(c) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I)、相補的ZDc(cZ Dc又はcDET)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)、ZCc(又は cZIP)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(d) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I)、ZCc(又はcZIP )、ZDc(又はDET)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(e) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I)、ZCc(又はcZIP )、cZDc(又はcDET)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(f) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I) 、ZDc(又はDET )、ZCc(又はcZIP)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(g) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I) 、cZDc(又は cDET)、ZCc(又はcZIP)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(h) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II) 、ZDc(又は DET)、ZCc(又はcZIP)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(i) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II) 、ZCc(又は cZIP) 、ZDc(又はDET)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIは標識されている;
(j) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I) 、Zc(又は ZIP)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II) 、ZDc(又は DET)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIIは標識されている;
(k) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I) 、ZCc(又は cZIP)、ZDc(又はDET)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIIは標識されている;
(l) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I) 、Zc(又は ZIP)、cZDc(又はcDET)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIIは標識されている;
(m) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I)、ZDc(又はDET )、Zc(又はZIP)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIIは標識されている;及び/又は
(n) 前記第1核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: PBS(I) 、cZDc(又は cDET)、Zc(又はZIP)及びtss(I)、
前記第2核酸プローブは5'から3'の方向に以下を含む: tss(II)及びPBS(II)、
そして好ましくは、プライマーIIは標識されている
本明細書に記載の方法に関する。
Eco及びMseはプライマー結合領域1及び2を、cEco及びcMseはそれら各々の相補的配列を指称する。ZIP及びcZIPはマイクロアレイ検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcZIPはZIPの相補的配列を有する。DET及びcDETは増幅中のリアルタイム検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcDETはDETの相補的配列を有する。cSeq-1及びcSeq-2は標的DNAに相補的なDNAセグメントを指称する。
この関係において、当業者は、同意義の用語が本明細書の記載において置換可能に用いられることを理解するであろう。例えば:
‐ cSeq-1及びcSeq-2は、標的特異的配列I及び標的特異的配列IIにそれぞれ合致す る。
‐ Eco及びcMseは、プライマー結合部分I及びプライマー結合部分IIにそれぞれ合 致する。二本鎖のPCR生成物において、一方の鎖は、一方のプライマーのセンス 配列(Eco又はMse)及び他方のプライマーのアンチセンス又は相補的配列(cEco 又はcMse)、然るに、Eco及びcMse又はcEco及びMseを常に有する。
‐ cZIPはZipComcodeに合致し、一方ZIPはZipcodeに合致する。
‐ DETはZipDectCodeに合致し、一方cDETは相補的ZipDectCodeに合致する。
また、本発明は、前記プローブI及び/又はプローブIIがスタッファー領域を含む本明細書に記載の方法に関する。この関係において、スタッファー領域は部分構造領域、例えばPBS、ZCc(又はcZIP)、Ir(tss(I))又はIIr(tss(II))を意図し、それによって立体障壁を回避又は最小化する。
上記で既に規定したとおり、標識は少なくとも1つのプライマー及び/又はプローブに付加し得るか、又はその代わりに、増幅中に組み込まれ得ることが理解されるであろう。標識は例えば蛍光標識である。したがって、本発明は、少なくとも1つのプライマーは標識、好ましくは蛍光標識を含む本明細書に記載の方法に関する。これは費用能率の良い検出方法を提供する。
RNA‐DNAハイブリッドは、Charani Ranasinghe及びAndrew A. Hobbs Affiliations in Elsevier Trends Journals Technical Tips Online, [Tip]01519 「cDNA‐RNAハイブリッドのプラスミドベクターへの直接的なライゲーションによりmRNA配列の5'末端を得る簡単な方法(" A simple method to obtain the 5' ends of mRNA sequences by direct ligation od cDNA-RNA hybrids to a plasmid vector")」(これは参照により本明細書中に組み込まれる)により記載されるように、T4 DNAリガーゼの基質として作用することが理解されるであろう。
その代わりに、プローブ又はプライマーはRNAポリメラーゼ結合部位を含む。ライゲーションされたプローブは、RNAポリメラーゼ、例えばT4-、T7-又はSP6 RNAポリメラーゼの活性によって、その後増幅される。
本発明は、増幅手順中に1つ又はそれより多い検出分子が存在していることを特に意図する。増幅中の検出分子の存在は、増幅された標的核酸の蓄積の検出を可能にし、したがって、この工程はサンプルの第1スクリーニングを提供する。多量のサンプルが陰性であると予測されるので、迅速かつ安価な第1スクリーニング工程は、汚染微生物がサンプル中に存在するか又は存在しないかを評価する。したがって、より複雑で、時間を浪費し、より高価な第2スクリーニング工程は、微生物が存在しないときに回避できる。
標的核酸の増幅は、色素の蛍光又は燐光を用いて検出及び/又は定量化でき、ここで蛍光又は燐光は、増幅されたDNAの増倍に直接的に又は間接的に関連する。標的核酸の増幅は、二本鎖DNAに挿入されている色素又は標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチド検出プローブのいずれかであり得る検出分子を用いて検出されるので、当業者は、これらの検出分子がハイブリダイゼーション中に存在するならば、これらの検出分子が第2スクリーニング工程のハイブリダイゼーション反応を中断させると予測する。DNAのハイブリダイゼーションは、広範多種の環境要因に影響される非常に精巧な手順であるので、ハイブリダイゼーション反応中のこれらの検出分子の存在は避けるべきである。第2スクリーニング工程前に、これらの検出分子を除去するのが同化手順である。しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、第2スクリーニング工程中のこれらの検出分子の存在が、このスクリーニング中に得られた結果を混乱させることも、それらが偽陽性又は偽陰性の結果数を増加させることもしないことを見出した。
直接的な検出法は、例えば、二本鎖DNAに非特異的に結合し、この結合に関連してのみ蛍光又は燐光を発する色素を用いることができる。標的核酸が増幅されるとき、前記色素は新規に形成された二本鎖DNAに、測定可能な蛍光又は燐光が増加するように結合する。このような色素の例は、限定しないが、以下を含む;SYBR Green‐I(登録商標)、エチジウムブロマイド、プロピジウムヨーダイド、TOTO(登録商標)‐1[キノリニウム,1‐1'‐[1,3‐プロパンジイルビス[(ジメチルイミノ)‐3,1‐プロパンジイル]]ビス[4‐[(3‐メチル‐2(3H)‐ベンゾチアゾリリデン)メチル]]‐,テトラヨーダイド]及びYoPro(登録商標)[キノリニウム,4‐[(3‐メチル‐2(3H)‐ベンズオキサゾリリデン)メチル]‐1‐[3‐(トリメチルアンモニオ)プロピル]‐,ジヨーダイド]。本発明のために最も好ましい色素は、Molecular Probes, Inc.(Eugene, Oreg.)により製造されるSYBR Green‐I(登録商標)のような非対称性シアニド色素である。
本発明の方法において用いることのできる別の直接的な検出法は、オリゴヌクレオチド検出プローブを用いた方法である。オリゴヌクレオチド検出プローブは、標的核酸に相補的な短いオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチド検出プローブは、増幅された標的核酸との結合の際に蛍光シグナルを提供する。蛍光又は燐光シグナルがオリゴヌクレオチド検出プローブによって提供されるこの方法は、当該技術において公知の任意の方法であり得る。
本発明の具体的な実施態様では、オリゴヌクレオチド検出プローブが蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)技術に用いられる。FRETオリゴヌクレオチド検出プローブは2つの蛍光色素、すなわちFRETオリゴヌクレオチド検出プローブの一方、例えば5'末端に「レポーター」と、他方、例えば3'末端に「クエンチャー」とを含む。FRETオリゴヌクレオチド検出プローブにおいて、色素は非結合状態に、ループ配置(ヘアピンループ)により空間的に接近して保たれている。ヘアピンループは、実際のプローブ配列の末端に存在する相補的配列により生じる。そのレポーターとの接近が原因で、クエンチャー色素は、FRETによりその蛍光を消光できる。増幅された標的核酸との結合の際に、標的核酸配列に相補的であるFRETオリゴヌクレオチド検出プローブはヘアピンループを崩壊させ、それによって、2つの色素が離れ、FRET干渉が撤廃され、レポーター色素の蛍光が測定できるようになる。
本発明の別の具体的な実施態様では、上述のプローブとは対照的に、如何なるヘアピンループも有さないFRETオリゴヌクレオチド検出プローブが用いられる。増幅工程中、標的核酸を複製するポリメラーゼ酵素のエキソヌクレアーゼ活性は、標的核酸に結合しているFRETプローブをその5'末端にて分解するので、レポーター色素がプローブから解放される。結果として、レポーター色素は、もはやクエンチャー色素に空間的に接近しておらず、このことは、その蛍光がもはや消光されず、その時には測定できることを意味する。標的DNAの増幅及び結果としてのレポーター色素の解放の増加は、適切な光学的測定システムを用いて、その後検出できる。
FRET用タグとして頻繁に用いられる分子はフルオレセイン、5‐カルボキシフルオレセイン(FAM)、2'7‐ジメトキシ‐4'57‐ジクロロ‐6‐カルボキシフルオレセイン(JOE)、ローダミン、6‐カルボキシローダミン(R6G)、N,N,N7,N'‐テトラメチル‐6‐カルボキシローダミン(TAMRA)、6‐カルボキシ‐X‐ローダミン(ROX)、4‐(4'‐ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)及び5‐(2'‐アミノエチル)アミノナフタレン‐1‐スルホン酸(EDANS)を含む。その他のFRET供与体又は受容体分子の候補は当業者に公知である(米国特許第5,866,336号を参照されたい、 表1)。当業者は、FRET用タグ分子対の選択に精通しているであろう(米国特許第5,866,336号)。
種々のオリゴヌクレオチド検出プローブを用いて、限定しないが、オリゴヌクレオチド検出プローブがその5'末端に蛍光発生レポーター色素及びその3'末端にクエンチャーを有する5' ヌクレアーゼアッセイ、プライマーがプローブに共有結合しているScorpionプライマー、プライマー又はプローブのいずれかにそれぞれ結合している蛍光体及びクエンチャー分子を含むプライマー‐プローブ複合体及び内部に消光された蛍光体を有するヘアピン型分子であるMolecular Beaconを含む本発明の方法を実施することができる。
5' ヌクレアーゼアッセイにおいて、例えばTaqmanプローブのようなオリゴヌクレオチド検出プローブは、その5'末端に蛍光性レポーター色素及びその3'末端にクエンチャーを有する。プローブがインタクトであるとき、レポーター色素の発光が消光される。PCRの各サイクル中、DNAポリメラーゼはプローブからレポーター色素を開裂させる。一旦クエンチャーから分離したら、レポーター色素はその特徴的な蛍光を発する。図6aは、リアルタイム検出用TaqManプローブを用いたリアルタイム増幅反応の概略図を提供する。Eco及びMseは、プライマー結合領域1及び2を指称し、cEco及びcMseはそれら各々の相補的配列を指称する。ZIP及びcZIPはマイクロアレイ検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcZIPはZIPの相補的配列を有する。DET及びcDETは増幅中のリアルタイム検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcDETはDETの相補的配列を有する。cSeq-1及びcSeq-2は標的DNAに相補的なDNAセグメントを指称する。「1.アニーリング」は標的DNAにハイブリダイズしたプローブ対を示す;「2.ライゲーション」はライゲーション反応の結果として連結したプローブ対を示す;「3.サイクル1」は、DNAポリメラーゼによるMseプライマーの伸長を通して連結したプローブ対をコピーすることから得られる二本鎖構造を示す;「4.サイクルn」は、PCR生成物の1つの鎖にハイブリダイズしたEco‐プライマー及びTaqManプローブを示す。蛍光シグナルは、DNAポリメラーゼがTaqManプローブ内に展開し、蛍光標識をTaqManプローブから解放するときに生み出される。
Scorpionプライマーは、オリゴヌクレオチド検出プローブに結合しているプライマーを含む。このプローブは、同一のDNA鎖上又は相補的DNA鎖上にあり得る蛍光体及びクエンチャーの両方を有する。標的配列の不存在下において、クエンチャーは、蛍光体により発せられる蛍光をほとんど吸収する。PCR反応中、標的の存在下において、蛍光体及びクエンチャーは分離し、このことは、発せられる蛍光の増加をもたらす。蛍光は、反応チューブ内で検出及び測定できる。図6bは、リアルタイム検出用Scorpionプローブを用いたリアルタイム増幅反応の概略図を提供する。Eco及びMseは、プライマー結合領域1及び2を指称し、cEco及びcMseはそれら各々の相補的配列を指称する。ZIP及びcZIPはマイクロアレイ検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcZIPはZIPの相補的配列を有する。DET及びcDETは増幅中のリアルタイム検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcDETはDETの相補的配列を有する。cSeq-1及びcSeq-2は標的DNAに相補的なDNAセグメントを指称する。「1.アニーリング」は標的DNAにハイブリダイズしたプローブ対を示す;「2.ライゲーション」はライゲーション反応の結果として連結したプローブ対を示す;「3.サイクル1」は、DNAポリメラーゼによるMseプライマーの伸長を通して連結したプローブ対をコピーすることから得られる二本鎖構造を示す;「4.サイクル2」は、Scorpionプライマーからの二本鎖の伸長生成物を示す。変性後、1つの鎖はリフォールディングされ(Scorpion反応)、蛍光シグナルを発するScorpion構造を生ずる。
Molecular beaconは、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブが内部に消光された蛍光体を有するヘアピン型分子である方法を指称する。標的配列の存在時にはヘアピンが除去され、蛍光体はもはや消光されない。図6cは、リアルタイム検出用Molecular Beaconを用いたリアルタイム増幅反応の概略図を提供する。Eco及びMseは、プライマー結合領域1及び2を指称し、cEco及びcMseはそれら各々の相補的配列を指称する。ZIP及びcZIPはマイクロアレイ検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcZIPはZIPの相補的配列を有する。DET及びcDETは増幅中のリアルタイム検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcDETはDETの相補的配列を有する。cSeq-1及びcSeq-2は標的DNAに相補的なDNAセグメントを指称する。「1.アニーリング」は標的DNAにハイブリダイズしたプローブ対を示す;「2.ライゲーション」はライゲーション反応の結果として連結したプローブ対を示す;「3.サイクル1」は、DNAポリメラーゼによるMseプライマーの伸長を通して連結したプローブ対をコピーすることから得られた二本鎖構造を示す。Mseプライマーの伸長生成物の変性及びその後のMolecular Beaconとの再アニーリングは、Molecular Beaconのコンホメーションを変化させ、蛍光体をクエンチャーから分離させ、それによって蛍光シグナルを発する。
増幅された標的核酸のリアルタイム検出を可能にするほか、FRETオリゴヌクレオチド検出プローブの使用はまた、標的核酸の定量化を可能にする。
本発明が、シグナルが標的核酸の増幅後及び/又は増幅中に検出される本明細書に記載の方法に関することは明らかであろう。該シグナルは蛍光又は燐光シグナルであるのが好ましく、該蛍光又は燐光シグナルはCCDカメラ又はレーザースキャニングによって検出され得る。
増幅手順中に検出分子を提供することによって、本発明の方法の第1工程において、サンプル中の汚染微生物の存在についてスクリーニングを行うことが可能である。マイクロアレイ上の増幅された標的核酸をハイブリダイズさせることによる、汚染微生物の更なる特徴付け及び同定を含む、本発明の方法の第2工程は、試験毎に大きな費用がかかるので、本発明の方法の第2工程において分析されるサンプル数の減少は大いに有益である。
したがって、本発明は、工程(d)においてハイブリダイズした増幅された標的核酸が、本発明の方法の工程(c)において陽性シグナルを提供する標的配列である方法を提供する。
本発明の具体的な実施態様において、前記検出分子は1つ又はそれより多いオリゴヌクレオチド検出プローブ、より好ましくは検出される標的核酸配列に少なくとも部分的に相補的な配列を有し、蛍光レポーター分子及び該レポーター分子の蛍光を消光できる蛍光クエンチャー分子を含むFRETオリゴヌクレオチド検出プローブであり、前記オリゴヌクレオチドプローブは、前記クエンチャー分子が前記レポーター分子の蛍光を消光するハイブリダイズしていないときに少なくとも1つの一本鎖、部分的に一本鎖又は二本鎖のコンホメーションで存在し、前記オリゴヌクレオチドプローブは、前記レポーター分子の蛍光が消光されない前記標的核酸にハイブリダイズしているときに少なくとも1つのコンホメーションで存在する。
本発明のより具体的な実施態様において、前記オリゴヌクレオチド検出プローブの配列は、第1核酸プローブの少なくとも1つの領域、例えばZCc(若しくはcZIP)又はZc(若しくはZIP)及び/或いは第2核酸プローブの少なくとも1つの領域、例えばZCc(若しくはcZIP)又はZc(若しくはZIP)に少なくとも相補的である。
本発明は、少なくとも2つのオリゴヌクレオチド検出プローブが種々の蛍光レポーター分子を提供し、それによって、検出された蛍光レポーター分子のタイプ又は検出された各蛍光レポーター分子の量に依存して、検出される微生物のタイプ及び微生物の各タイプの量に関する情報が得られるアッセイを提供する。
本発明の更なる実施態様において、第1核酸プローブ及び/又は第2核酸プローブは、少なくとも1つのZipDectCode(ZDc又はDET)を含み、これは(i)工程(b5)の増幅反応中に反応生成物の蓄積を検出するために用いられる1つ又はそれより多いオリゴヌクレオチド検出プローブに本質的に相補的(例えば増幅後)であり、(ii)前記標的核酸に本質的に非相補的であり、(iii)これは標的配列とプライマー結合部分との間に位置する。
前記ZipDectCode(ZDc又はDET)は、最終的に増幅された生成物の同定のための独自の配列を有する。ZDc(又はDET)は、増幅反応中に存在する、それに相補的なオリゴヌクレオチド検出プローブにハイブリダイズする。結果的に、オリゴヌクレオチド検出プローブが、増幅された標的核酸の検出に用いられるとき、前記オリゴヌクレオチド検出プローブは、ZDc(DET)に相補的なオリゴヌクレオチド配列である相補的ZipDectCode(cZDc又はcDET)を含む。
本発明の具体的な実施態様において、方法は、全スクリーニング手順が閉鎖で行われるような様式で提供される。汚染を回避し、非常に信頼性の高い結果を提供するために、本発明の方法は、自動化された方式で、閉鎖で行われるべきであり、それによって、汚染リスク及び使用者による誤差を低減する。
遺伝子マーカーは、或る種又は近親種のゲノム内の特定の遺伝子座を表す(位置に標を付ける)。種々の遺伝子型の、それらマーカー遺伝子座におけるサンプリングは、遺伝的変異を明らかにする。マーカー遺伝子座における遺伝的変異をその時に描写し、診断などに応用できる。種の間での遺伝的変異は、DNA又は16S、18S、23S及び/若しくは28S rRNA内の一塩基置換に起因する。プローブの標的結合領域は、それに応じて適合できる。例えば、これら各々が異なる3'終末ヌクレオチドを含む4つのプローブIの組、例えばそれぞれA、C、G及びTをその3'末端に含むプローブI‐A、プローブI‐C、プローブI‐G及びプローブI‐Tが提供され得る。そういうわけで、各プローブIのPBSが特異的であり前記終末ヌクレオチドに対応するならば有利である。言い換えれば、各プローブIのPBSは異なるプライマーIにハイブリダイズする。それゆえ、本発明は、対応するプライマーI‐AにハイブリダイズするPBS(I‐A)を有するプローブI‐A、対応するプライマーI‐CにハイブリダイズするPBS(I‐C)を有するプローブI‐C、対応するプライマーI‐GにハイブリダイズするPBS(I‐G)を有するプローブI‐G及び対応するプライマーI‐TにハイブリダイズするPBS(I‐T)を有するプローブI‐Tを意図する。前記プライマーI‐A、I‐C、I‐G及びI‐Tのそれぞれは異なる標識を含んでいてもよい。例えば遺伝子マーカーがプローブの標的領域内又はプローブIIの5'終末上に位置するというこの論旨に変化が考えられることが当業者に理解されるであろう。遺伝子マーカーがプローブII内に位置する場合、PBS(II)は、プローブIについて上に記載するように適合され得る。更に、PBS、すなわちPBS(I)及びPBS(II)は同一であってもよいし、又は異なっていてもよい。したがって、本発明は、プローブI、すなわち前記第1核酸プローブ及び/又はプローブII、すなわち前記第2核酸プローブが遺伝子マーカーに特異的にハイブリダイズする本明細書に記載の方法に関する。また、本発明は、プローブI、すなわち前記第1核酸プローブの4つの変異型が提供され、該4つの変異型が、各々の4つの変異型がその3'終末に異なるヌクレオチドを含むことを除いては、実質的に同一である本明細書に記載の方法に関する。更に、本発明は、各々の4つの変異型は異なるプライマー結合部分Iを含む本明細書に記載の方法に関する。
更なる実施態様において、本発明は、少なくとも2つのグループの第1及び第2核酸プローブ対が提供され、ここで各グループの第1及び第2核酸プローブは特異的な標的核酸にハイブリダイズし、特異的なプライマー結合部位I及び/又はIIを含む本明細書に記載の方法に関する。好ましい実施態様において、各グループの第1及び第2核酸プローブは、同一のプライマー結合部位I及び/又はIIを有する。更なる観点において、本発明は、少なくとも2つのグループの第1及び第2核酸プローブ対が提供され、ここで各グループの第1及び第2核酸プローブは特異的な標的核酸にハイブリダイズし、各グループの第1核酸プローブは特異的な識別子領域、好ましくはZipComcode又はZipcodeを含む本明細書に記載の方法に関する。そういうものであるから、識別子領域、例えばZCc(若しくはcZIP)又はZc(若しくはZIP)は、核酸プローブ上の標的特異的配列とプライマー結合配列との間に位置していてもよい。更なる観点において、第1核酸プローブは、その5'末端で前記第2核酸プローブの3'末端に、場合によってスタッファー領域を介して付加しているか、又は連結している。標的特異的配列Iを標的特異的配列IIにライゲーションすることにより環状プローブが得られることが理解されるであろう。
したがって、本発明は、前記4つの変異型の各々の異なるプライマー結合部分Iに結合する各々のプライマーが、異なる蛍光標識を含む本明細書に記載の方法に関する。
したがって、本発明は、1組の2つの隣接しているプローブが、上記に規定した微生物について提供される本明細書に記載の方法に関する。また、これらプローブは連結していてもよい。
本明細書に記載の方法は、汚染微生物の存在を同定及び/又は特徴付けするために特異的に設計された、少なくとも1組、好ましくは1より多い組の2つのプローブを備えることによる、多様な汚染微生物の同時検出に関する(多重化)。種々の組のプローブは、好ましくは交差的にハイブリダイズせず、一方で種々の組のプローブ/プライマーの融解温度Tmはほとんど同じ、例えば全て60〜70℃の間である。一般に利用可能なコンピュータプログラム、例えばProbe Match、Michigan State University、East Lansing、Michigan USA、Oligo 5.0 ソフトウェア(PE Biosystems, Foster City, California, USA)及びClustal Wアルゴリズムの使用は、特異的プローブの設計を容易にし得る。好ましくは、プライマー/プローブは、約37〜85℃、又は50〜80℃、又は55〜75℃、又は60〜70℃の間の融解温度Tmを有する。そういうものであるから、本発明はまた、多重増幅に関する。
別の観点において、本発明は、少なくとも1組の2つのプライマーを準備し、ここで第1プライマー(プライマーA)が、5'側に位置する標識と、第1標的核酸領域に特異的にハイブリダイズする領域Aとを含み、該領域Aが、プライマーAの3'終末に位置し、ここで第2プライマー(プライマーB)が、3'側ZipComcodeと、第2標的核酸領域に特異的にハイブリダイズする領域Bとを含み、該領域Bが、プライマーBの5'終末に位置し、第1標的核酸領域標的領域が、第2標的核酸領域の3'に隣接して位置し;前記標的核酸を前記プライマーA及び前記プライマーBと共に、相補的な核酸のハイブリダイゼーションを許容する条件下にインキュベートし;任意の本質的に隣接するプライマーを連結させ;連結したプライマーを、ZipComcodeに本質的に相補的な領域を含み、フロースルーマイクロアレイ上に存在している捕捉プローブにハイブリダイズさせることを含む本明細書に記載の方法に関する。そういうものであるから、前記プライマーAは遺伝子マーカーに特異的にハイブリダイズし得る。更なる観点において、プライマーAの4つの変異型を備え、該4つの変異型は、各々の4つの変異型がその3'終末に異なるヌクレオチドを含み、各々の4つの変異型が異なる蛍光標識を含むことを除いて本質的に同一である。
汚染微生物の回収、その核酸の単離及び増幅の後、増幅された核酸又は増幅された核酸混合物を分析できる。前記増幅された核酸又は前記増幅された核酸混合物を分析するための便利な方法は、その配列を決定することによる。核酸の配列を決定する技術は当業者に周知である。したがって、本発明は、分析が増幅された核酸混合物の配列を決定することを含む本明細書に記載の方法に関する。前記配列は酵素的、化学的又は物理的手段を介して決定されてもよい。汚染生物の決定済み配列は、データバンクに保存された配列と比較され得る。また、本発明に記載の、サンプル中に存在する可能性がある微生物の特徴付けのための方法における分析の工程は、ヌクレオチド配列に基づいて微生物を特徴付けするデータベースを有するコンピュータのアウトプットデータを有するコンピュータ読み取り可能媒体を準備すること、コンピュータ及びアルゴリズムを準備すること、コンピュータのアウトプットデータを微生物の決定のために処理することを含み得る。
汚染微生物を特徴付けするための別の便利な方法は、増幅断片長多型分析(AFLP)、リボタイピング、多重遺伝子座VNTR分析(MLVA)、REP‐PCR、RFLP、パルスフィールドゲル電気泳動又は当該技術において公知のその他のフィンガープリンティング技術を行うことによる。
本発明の別の実施態様は、増幅された核酸の分析のためのアレイ、例えばマイクロアレイの使用に関する。アレイは数千のDNAスポットを含んでいてもよい。1つのアレイは幅広い識別能力の潜在性を有している。すなわち、多くの異なる汚染微生物を1つのマイクロアレイ上で、1回で分析できる。更に、本発明の方法は、面倒な交差的ハイブリダイゼーションを必要とせず、ハイブリダイゼーションプロフィールのオープンデータベースを提供し、従来のDNA‐DNAハイブリダイゼーションの制限を回避できる。
完全一致するテンプレートの存在下において、プローブは、DNAリガーゼの作用によりライゲーションされ得る。ライゲーション後、前記プローブが増幅され得る。次に、増幅されているか又は増幅されていなくてもよいライゲーションされたプローブが、ハイブリダイズする条件下に、捕捉プローブと接触するようになる。ハイブリダイズする条件は当業者に周知であるか、又は当業者が難なく決定できる(例えば「分子クローニング:実験室用マニュアル("Molecular Cloning: A Laboratory Manual")」第2版(Sambrookら編、1989)及び「分子生物学における現行プロトコル("Current Protocols in Molecular Biology")」(F. M. Ausubelら、1987及び定期的なアップデート)を参照されたい)。前記捕捉プローブは、標的核酸配列又はその一部、例えばZCc(又はcZIP)に対して相補的な配列を含む。捕捉プローブはマイクロアレイ上に位置していてもよい。それゆえ、マイクロアレイは、標的核酸配列の相補的配列、すなわち捕捉プローブを含む。マイクロアレイ上の捕捉プローブの位置は既知である。
それゆえ、本発明は、前記分析は、増幅された核酸又は前記増幅された核酸混合物を捕捉プローブにハイブリダイズさせることを含み、該捕捉プローブは前記増幅された核酸又は前記増幅された核酸混合物に特異的にハイブリダイズする本明細書に記載の方法に関する。用語「特異的にハイブリダイズする」は、分析物の或る領域、例えば増幅された生成物のZCc(又はcZIP)と、マイクロアレイ上の捕捉プローブとの間の完全一致に関連がある。特異的なハイブリダイズが、当業者に公知のように、長さ、GC含量並びに塩及び温度のようなハイブリダイゼーション条件を考慮する。したがって、本発明は、前記捕捉プローブはマイクロアレイ上に位置する本明細書に記載の方法に関する。捕捉プローブはマイクロアレイ上で空間的にアドレス可能である。
本発明のマイクロアレイは、2スポット〜106スポット又はそれより更に多い任意の望ましいサイズであり得る。基板サイズの上限及び下限は、極端に小さいか又は大きい基板を用いて作業することの実行可能性を考慮することによってのみ決定される。
所与の基板サイズについて、上限は、マイクロアレイにスポットを作製し検出する能力によってのみ決定する。マイクロアレイ上の好ましいスポット数は、一般に、マイクロアレイを設置すべき具体的な用途に依存する。例えば、ハイブリダイゼーションによるシークエンシングは一般に大きなアレイを要し、変異の検出は小さなアレイだけを要し得る。一般に、マイクロアレイは2〜約106スポット、又は約4〜約105スポット、又は約8〜約104スポット、又は約10〜約2000スポットの間、又は約20〜約200スポットを含む。
更に、マイクロアレイ上の全てのスポットが独自のものである必要はない。実際、多くの応用において、スポットの重複が内部コントロールとして作用するという目的のために望ましい(例えば図4を参照されたい)。
インサイチュ合成を含めて多様な技術が、ポリヌクレオチドのアレイを合成及び/又は固定するために記載されており、ポリヌクレオチドは基板の表面上で直接合成され(例えば米国特許第5,744,305号、Fodorらを参照されたい)、予め合成されたポリヌクレオチドが基板表面に不連続の位置にて付着する(例えばWO 98/31836を参照されたい)。更なる方法がWO 98/31836の、なかでも41〜45頁及び47〜48頁に記載されている。本発明はこれら現在利用可能な技術、又は後日開発された技術のいずれかと共に用いるのに適切である。
予め合成されたポリヌクレオチドの種々の空間的アドレスにおける固定化は、それらの空間的アドレスにより配列を識別できるポリヌクレオチドのアレイを生じる。
ポリヌクレオチドのインサイチュ合成を含む実施態様において、ポリヌクレオチドは、それらの通常の方式で合成される。合成スキームは、それらの空間的アドレスにより配列を識別できるポリヌクレオチドのアレイを生じる。
固形基板の性質及び形状は、なかでもアレイのタイプ(例えば一次元、二次元又は三次元)及び付着の様式(例えば共有結合又は非共有結合)を含む、多様な要因に依存する。一般に、基板は、捕捉プローブ、例えばポリヌクレオチドの固定化を許容し、捕捉プローブを結合させる、例えば核酸をハイブリダイズ及び/又は変性させるのに用いられる条件下で融解しないか、又はさもなければ重度に分解しない任意の物質から構成され得る。更に、共有結合性の固定化を意図する場合、基板は、固定化される捕捉プローブと共有結合を形成できる反応性基で活性化されるべきである。
本発明において基板として用いられるその他の適切な物質の例は金属酸化物を含む。金属酸化物は、高いチャネル密度及び高い多孔性の両方を有する基板を提供し、サンプルの適用について表面のユニット毎に種々の第1結合物質を含む高密度アレイを可能にする。更に、金属酸化物は可視光について高度に透過性である。金属酸化物は、任意の代表的な微細加工技術の使用を必要とせず、電気化学的に製造された金属酸化膜のような基板の表面を覆う液体分布よりも改良された制御性をもたらす比較的安価な基板である。通過性で配向性のチャネルを有する金属酸化膜は、金属シートの電気化学的エッチング法により製造できる。考えられる金属酸化物は、なかでもタンタルム、チタニウム及びアルミニウムの酸化物、並びに2つ又はそれより多い金属酸化物の合金、不純物を含む金属酸化物、及び金属酸化物を含む合金である。金属酸化膜は、特に湿っていると透明であり、このことは多様な光学的技術を用いたアッセイを可能にする。このような膜は、よく制御された直径及び有用な化学的特性の表面を有する、配向性で通過性のチャネルを有する。特許出願EP-A-0 975 427はこの関係における例であり、本発明に特に組み込まれる。
したがって、本発明は、前記マイクロアレイがフロースルーマイクロアレイである本明細書に記載の方法に関する。また、本発明は、前記基板が多孔性の基板であり、前記基板が電気化学的に製造される金属酸化膜であり得る本明細書に記載の方法に関する。好ましくは、前記基板はアルミニウム酸化物を含む。したがって、本発明は、前記マイクロアレイがPamChip(登録商標)である本明細書に記載の方法に関する。
固定化された捕捉プローブの組成は重要でない。それらが相補的配列の標的配列、例えば増幅された核酸にハイブリダイズできることが唯一の要件である。例えば、捕捉プローブは、全て天然若しくは全て合成のヌクレオチド塩基又は両方の組合せからなり得る。本発明で用いるのに適切な改変された塩基の非限定的な例は、例えば「生化学及び分子生物学の実用ハンドブック(Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology)」( G. Fasman編, CRC Press, 1989, pp. 385-392)に記載されている。ほとんどの場合において、ポリヌクレオチドは天然の塩基(A、C、G、T又はU)から完全に構成されるが、合成塩基の使用が好まれ得る場合もある。
更に、捕捉プローブの主鎖は一般的に、全体が「天然の」ホスホジエステル結合から構成されるが、それらは1つ又はそれより多い改変された結合、例えば1つ又はそれより多いホスホロチオエート、ホスホラミダイト又はその他の改変された結合を含み得る。具体的な例として、1つ又はそれより多い固定化されたポリヌクレオチドは、アミド間結合を含むペプチド核酸(PNA)であり得る。本発明とともに用いることのできる改変された塩基及び主鎖の更なる例並びにそれらの合成のための方法は、例えばUhlman及びPeyman, 1990, Chemical Review 90(4):544-584; Goodchild, 1990, Bioconjugate Chem. 1(3): 165-186; Egholmら, 1992, J. Am. Chem. Soc. 114: 1895-1897; Gryaznovら, J. Am. Chem. Soc. 116: 3143-3144及び上記の全てに引用される参考文献において見付けることができる。
そういうものであるから、捕捉プローブは、リボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドのポリマーを含むことができ、リボヌクレオチド及び/又はデオキシリボヌクレオチドは、5'‐3'結合により一緒に連結される。本発明の捕捉プローブはリボ核酸、例えばセンス若しくはアンチセンスリボ核酸、cRNAの完全長若しくは部分的フラグメント、mRNAの完全長若しくは部分的フラグメント及び/又はリボオリゴヌクレオチドであり得る。或いは、本発明の捕捉プローブはデオキシリボ核酸、好ましくは対応するmRNAをコードする配列の一本鎖の完全長又はフラグメントであり得る。捕捉プローブの形態は、それらがサンプル中の増幅された標的核酸及び/又はライゲーションされたプローブに相補的であり、適切なワトソン‐クリック水素結合を形成するように選択される。
上述のように、捕捉プローブは、合成ヌクレオチド類似体のポリマーであり得る。このような捕捉プローブは、アッセイ条件下でのそれらの優れた安定性のために、特定の実施態様において利用され得る。主鎖、糖又はヘテロ環塩基の変更を含む、天然構造の改変が、細胞内安定性及び結合親和性を増加させることが示されている。主鎖化学の有用な変化の例は、ホスホロチオエート;非ブリッジ酸素の両方が硫黄で置換されているホスホロジチオエート;ホスホロアミダイト;アルキルホスホトリエステル及びボラノホスフェートである。キラルホスフェート誘導体は、3'‐O‐5'‐S‐ホスホロチオエート、3'‐S‐5'‐O‐ホスホロチオエート、3'‐CH2‐5'‐O‐ホスホネート及び3'‐NH‐5'‐O‐ホスホロアミデートを含む。ペプチド核酸は、全てのリボースホスホジエステル主鎖をペプチド結合で置き換えている。ロックド核酸は、デオキシリボースの2'-カルボキシルと5'カルボキシル又は4'-カルボキシル基との間の更なる結合のために、糖部分の更なるコンホメーション安定性を付与する。糖の改変はまた、安定性及び親和性を増強するのに用いられる。塩基が天然のp‐アノマーに関して転化される場合、デオキシリボースのa‐アノマーが用いられ得る。リボースの糖の2'‐OHを変更して、2'‐O‐メチル又は2'‐O‐アルキル糖を形成でき、これらは親和性を含まずに分解耐性をもたらす。本発明の方法で用いることができるヘテロ環塩基の改変は、適切な塩基対を形成できるものである。幾つかの有用な置換は、デオキシチミジンに代えてデオキシウリジン;デオキシシチジンに代えて5‐メチル‐2'‐デオキシシチジン及び5‐ブロモ‐2'‐デオキシシチジンを含む。5‐プロピニル‐2'‐デオキシウリジン及び5‐プロピニル‐2'‐デオキシシチジンは、デオキシチミジン及びデオキシシチジンをそれぞれ置換する場合に、親和性及び生物学的活性を増加させることが示されている。
塩基対の関係を形成できる、非天然に生じる塩基の例は、限定しないが、アザ及びデアザピリミジン類似体、アザ及びデアザプリン類似体並びにその他のヘテロ環塩基類似体を含み、ここでプリン及びピリミジン環の1つ又はそれより多い炭素及び窒素原子は、ヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、セレニウム、リンなどで置換されている。適切な非天然に生じる塩基の例は、限定しないが、8‐オキソ‐グアニン及び8‐オキソ‐アデニン、8‐ブロモ‐グアニン、グアノシン、キサントシン、ワイオシン、シュードウリジン、6‐メルカプト‐グアニン、8‐メルカプトグアニン、2‐チオキサンチン、6‐チオキサンチン、6‐メルカプトプリン、2‐アミノ‐6‐カルボキシメチル‐メルカプトプリン、2‐メルカプトプリン、6‐メトキシプリン、2‐アセチルアミノ‐6‐ヒドロキシプリン、6‐メチルチオ‐2‐ヒドロキシプリン、2‐ジメチルアミノ‐6‐ヒドロキシプリン、2‐ヒドロキシプリン、2‐アミノプリン、6‐アミノ‐2‐ジメチルアリル‐プリン、2‐チオアデニン、8‐ヒドロキシ‐アデニン、8‐メトキシアデニンを含む。
固定化された捕捉プローブは、少なくて4、又は多くて数百、又はそれより更に多いヌクレオチド長であり得る。本発明に記載の捕捉プローブとして意図されるのは、当該技術においてオリゴヌクレオチドと一般的に呼ばれる核酸、また核酸と呼ばれるものである。よって、本発明のアレイは、増幅された標的核酸又はライゲーションされたプローブが(例えば凡そ6、8、10、20、40、60、80、100ヌクレオチド長を有するような)比較的短い捕捉プローブの固定化されたアレイにハイブリダイズする場面での適用においてだけでなく、比較的短い捕捉プローブが、固定化された標的核酸のアレイにハイブリダイズする場面での適用においても有用である。アレイの捕捉プローブは、任意の望ましい配列であり得る。
更なる実施態様において、本発明のマイクロアレイは、対応するZipComcode(ZCc又はcZIP)に本質的に相補的であるZipcode(Zc又はZIP)を含む捕捉プローブを含む。Zipcode(又はZIP)配列を含む捕捉プローブは、マイクロアレイ上で特定の位置にスポットされるか又は合成され得る。Zipcode(又はZIP)配列は独自の識別子配列であり、これはZipComcode配列に相補的である。本発明は、van Beuningenら(2001, Clinical Chemistry 47: 1931-1933)(これは参照により本明細書中に特に組み込まれる)により記載されるような、既知の位置で多孔性三次元基板に結合されているZipcodeと命名される独自の20〜30塩基のオリゴヌクレオチド、例えば20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30塩基のオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイ及びその使用に特に関連する。これらのZipcodeは、Zipcodeに相補的である配列、すなわちZipComcodeを含む分子に特異的にハイブリダイズする。これらZipComcodeをライゲーション‐増幅反応を介して蛍光プライマーに結合させることにより、Zipcodeマイクロアレイを用いて、例えば微生物標本のように、微生物を検出及び同定することができる。Zipcodeは独自の人工的配列を表すため、Zipcodeを含むマイクロアレイは、ZipComcodeに結合した遺伝子特異的配列を単純に変更することによって、分子認識のための普遍的プラットフォームとして用いることができる。
マイクロアレイ、例えばPamchip上の特定の位置の標識の検出は、マイクロアレイ上のライゲーションされた生成物とZipcode配列との間のハイブリダイゼーション生成物の存在を示す。
したがって、本発明は、前記捕捉プローブが対応するZipComcodeに特異的にハイブリダイズする本明細書に記載の方法に関する。マイクロアレイ上の1つ若しくは複数の対応する捕捉プローブにハイブリダイズした1つ又は複数の増幅された標的核酸は、1つのハイブリダイゼーションパターンをもたらし得る。ハイブリダイゼーションの強度を含めて、ハイブリダイゼーションパターンは、所与の微生物に特徴的であり得る。
本発明が、特異的に増幅された核酸又はライゲーションしたプローブが捕捉プローブにハイブリダイズした後にシグナルが検出される本明細書に記載の方法に関することは明らかであろう。該シグナルは蛍光又は燐光シグナルであるのが好ましく、該蛍光又は燐光シグナルは、例えばFD 10システム(登録商標)(Olympus)又はPamalyzer(登録商標)(PamGene, NV)のようなCCDカメラ又はレーザースキャニングにより検出され得る。或いは、本発明は、前記マイクロアレイがArraytube(登録商標)であり、前記蛍光又は燐光シグナルがCCDカメラ及び/又はレーザースキャニングにより検出され得る本明細書に記載の方法に関する。
或いは、本発明は、ハイブリダイゼーションシグナルが、例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼ‐ストレプトアビジンとの結合後のペルオキシダーゼ発色反応のような、当該技術において公知の任意の方法により検出されるビオチン標識プライマーを用いた比色計のシグナルである本明細書に記載の方法に関する。後者の反応は、ArrayTube Reader(Clondiag GMBH, Jena, Germany)を用いて可視化され得る。
既に上述したように、マイクロアレイの値段は、試験毎により大きな費用を呈する。試験毎の値段を減らすために、マイクロアレイに、1つより多いサンプルを同時に用いることができる。そういうものであるから、個々のサンプルそれぞれがハイブリダイゼーション工程までの本発明の方法に付され、すなわち個々のサンプルそれぞれから微生物を捕捉し、その後に核酸を抽出し(工程a)、その後リガーゼ検出反応を行う(工程b)ことが意図される。次に、増幅された標的核酸を存在するならば検出し(工程c)、陽性サンプルを単一のマイクロアレイ上で捕捉プローブに一纏めにハイブリダイズさせ(工程d)、ハイブリダイズした標的核酸を検出する(工程e)。サンプル毎に用いられるプローブ対は、同一、例えば同一の標的核酸を検出してもよいか、又はサンプル毎に異なる、例えば異なる標的核酸を検出してもよい。しかし、種々のサンプルからの増幅された標的核酸同士又は単一のサンプルからの種々の増幅された標的核酸同士を区別するために、各プローブ、したがって増幅された標的核酸は、個々に割当可能かつ検出可能でなければならない。それゆえ、各プローブは、マイクロアレイ上の独特な捕捉プローブに相補的な特定のZipComcodeのような、独特で個々に識別可能なタグ(例えば識別子領域ZIP)を含む。核酸プローブ対は種々のサンプルにおいて同一の標的核酸を検出し得るが、各サンプルに由来する各々の増幅された標的核酸は、マイクロアレイ上の特定のアドレスに対応するその不連続のタグのために、追跡可能である。別の実施態様において、プローブはタグを含まないが、増幅に用いられるプライマーだけが、ZCc(又はcZIP)のような独特で個々に識別可能なタグを含む。明らかに、タグがサンプル毎及び/又はプローブ毎に異なるべきであるという点で、上述と同様な考察が適用され、個々のサンプル及び/又はプローブのそれぞれを識別できるようにする。したがって、本発明は、少なくとも2つのサンプルに由来する増幅された標的核酸が、単一のマイクロアレイ上に存在する捕捉プローブにハイブリダイズする本明細書に記載の方法に関する。
当業者は、ZIP領域及びその相補的配列cZIPが、相補性、すなわち互いが特異的に、ZIP及び/又はcZIP配列の位置に無関係にハイブリダイズする能力を指すことだけを意図することを理解するであろう。マイクロアレイ上の捕捉プローブは、したがって、検出される分子がZIP領域を含むという条件で、cZIPを含み得る。
本発明の方法により得られるデータは、可能であれば自動化された様式で更に分析され得る。例えば、得られたハイブリダイゼーションパターンは、データバンクに保存されたハイブリダイゼーションパターンと比較され得る。この関係において、本発明はまた、得られたハイブリダイゼーションパターンと、データバンクに保存されたハイブリダイゼーションパターンとの比較を行うことのできるコンピュータ読み取り可能媒体に保存されたコンピュータプログラムに関する。したがって、本発明は、上記の方法を行うことのできるコンピュータ読み取り可能媒体を含むコンピュータに関する。また、本発明は、上記の方法を行うことのできるコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能媒体に関する。更に、本発明は、前記の方法の使用を可能にする、遠隔のコンピュータ上にウェブページを表示することのできるコンピュータプログラムに関する。
更なる実施態様において、本発明は、本発明の方法に必要なものを含むサンプル中の微生物の存在を決定するキットに関し、例えば、該キットは、場合によってフィルタ、場合によって前記微生物から核酸を抽出する手段、該核酸を特異的に増幅する手段、増幅された核酸を検出する手段、場合によって増幅された核酸を分析する手段(例えばフロースルーマイクロアレイのようなマイクロアレイ)、場合によってバッファー及び/又は取扱説明書を含み得る。
混合された微生物集団の特徴付けは、従来方法では容易に達成できず、広範な応用可能性を有する。バクテリアが見付かるほとんどの環境において、種の複合的混合物が存在し、これは、局所的な状況又は進化時間に応答して変化し得る。古典的な微生物学的手法は、それらが培養及び個々のコロニーのその後の単離に依拠するので、これらのシステムの研究に、一般にあまり適さない。このことは、存在する種の一部が回収されるだけでなく、特徴付けされなければならない多数の単離体をもたらし得る。クローニング及びシークエンシング又はハイブリダイゼーションによる、複合的集団からの保存された遺伝子の増幅及びそれら配列の特徴付けを含む分子学的方法は、培養に代わる方法を与えるが、複雑なままである。更に、増幅工程は偏向も導き得る。
活発に成長する細胞の集団において、各細胞は、多くのコピー数のリボソームRNAを含み、この特異的配列はバクテリア種の同定に広く用いられる(Woese 1987, Microbiol. Rev. 51: 221-271)。活発な細胞におけるこれら配列のこの天然の「増幅」のために、これらの配列は、増幅せずに検出することが可能である(Small J.ら、2001 App. Environ. Micro. 67: 4708-4716)。ここで、三次元アレイ表面上でのリボソームRNAの抽出及び直接的な同定のための方法が提示される。これは、酵素的増幅又は標識化の必要なしに、サンプル中の広範な種の迅速かつ同時並行の同定を実現する可能性を秘めている。ここに提示される方法は、複合的バクテリア群集のほぼリアルタイムでのモニタリングが可能になることを示し、このことは、多くの分野への応用性を有する。
それゆえ、本発明は、前記分析工程がスタッキングプローブを核酸、核酸混合物及び/又はcDNAにハイブリダイズさせることを含み、前記スタッキングプローブが16S、18S、23S又は28S rRNAの領域に相補的であることによって、核酸/スタッキングプローブ複合体が提供される本明細書に記載の方法に関する。前記分析工程は、前記核酸/スタッキングプローブ複合体を捕捉プローブにハイブリダイズさせることを更に含み、該捕捉プローブは核酸/スタッキングプローブ複合体とは異なる核酸の領域に相補的である。前記捕捉プローブは微生物に特異的であり得る。スタッキングプローブは標識されていてもよい。16S、18S、23S又は28S rRNAの領域は(種を超えて)保存され得る。
本発明が、本発明の方法において本明細書に記載されるようなマイクロアレイの使用に関することは、当業者にとって明らかである。また、本発明は、本発明に記載の方法における、連結したプローブを含めた、上記に規定された第1核酸プローブと第2核酸プローブとの少なくとも1対の使用、上記のようなフィルタの使用及び/又は上記に規定された2つのプライマーの少なくとも1組の使用に関する。
主題の発明を更に記載する前に、特定の実施態様の変更が可能であり、付属の特許請求の範囲内になお当てはまり得るので、本発明は、本明細書に記載される本発明の特定の実施態様に限定されないことが理解されるべきである。採用される用語が特定の実施態様を記載する目的のためであり、限定することを意図しないことも理解されるべきである。その代わり、本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲によって確立される。
以下の実施例及び図は説明の目的で提供され、限定目的ではない。にも拘らず、前記実施例及び図の内容は、本発明の概念において一般化され得る。
実施例1:リアルタイムライゲーション‐増幅プローブの設計
「I」及び「II」と命名される、2つのライゲーション‐増幅プローブを用いたが、これらは、以下の設計(5'から3'の方向に)とともに、5'‐末端から3'‐末端にセグメントa、b、c、d、e、fを有する(図1):
‐ 増幅プライマー1に等しい20ヌクレオチドのセグメントI‐a(図1、Eco);
‐ cZIP配列を含む24ヌクレオチドのセグメントI‐b(図2、cZIP);
‐ 標的配列に相補的な20〜30ヌクレオチドのセグメントI‐c(図1、cSeq 2);
‐ 標的配列に相補的で、セグメントI‐cのすぐ下流に位置する20〜30ヌクレオチ ドのセグメントII‐d(図1、cSeq 1);
‐ DET配列を含む20ヌクレオチドのセグメントII‐e(図1、DET);
‐ 増幅プライマー2に相補的な20ヌクレオチドのセグメントII‐f(図1、cMse) ;
cZIP配列はWO‐2004‐106547に記載されるとおりである。
全てのプローブはBiolegio B.V.(Nijmegen, The Netherlands)に注文した。
Eco及びMseはプライマー結合領域1及び2を指称し、cEco及びcMseはそれら各々の相補的配列を指称する。ZIP及びcZIPは、マイクロアレイ検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcZIPはZIPの相補的配列を有する。DET及びcDETは増幅中のリアルタイム検出に用いられるDNAセグメントを指称し、ここでcDETはDETの相補的配列を有する。cSeq‐1及びcSeq‐2は標的DNAに相補的なDNAセグメントを指称する。
実施例2:バクテリア株及びDNA単離の記載
以下の6つのバクテリア株を、リアルタイムLDRのために選択した。
1. サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型フィルヒョー
(Salmonella enterica ssp. enterica serovar Virchow)
2. サルモネラ・エンテリカ亜種エンテリカ血清型パラチフスB var Java
(Salmonella enterica ssp. enterica serovar Paratyphi B var Java)
3. 大腸菌
4. エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloaca)
5. シゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)
6. カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)
純培養物を栄養ブロスに植菌し、37℃で一晩成長させた。100 μlのこの一晩培養物を、QiagenゲノムDNA単離キットを用いて、製造者(Qiagen, Venlo, The Netherlands)により推奨される手順に従って、DNA単離に用いた。
実施例3:リアルタイムリガーゼ検出反応(図2)
増幅プライマーは以下の配列を有する;
プライマー1(Eco):5'‐ビオチン‐GTAGACTGCGTACCAATTC‐3'
プライマー2(Mse):5'‐GACGATGAGTCCTGAGTAA‐3'
プライマーはBiolegio B.V.(Nijmegen, The Netherlands)に注文した;ビオチンはプライマー1の5'末端に共有結合的に付加しており、マイクロアレイ上の増幅生成物を検出するのに用いた。
ライゲーション反応は以下を含む10 μlの体積で行った:
‐ 1.0 fMolの各リアルタイムライゲーション‐増幅プローブオリゴヌクレオチド
‐ 0.5 ngの分析される微生物の標的DNA
‐ 1ユニットのTaq DNAリガーゼ(New England Biolabs, Beverly, MA, U.S.A.)
‐ 1.0 μl 10×Taq DNAリガーゼバッファー(New England Biolabs, Beverly, MA , U.S.A.)
‐ 最終体積10 μlまでの滅菌水。
23個のリアルタイムライゲーション増幅プローブは、PremiTestサルモネラプローブ(DSM PremiTest, Geleen, The Netherlands; Wattiauら, Int. J. Food Microbiol., 123 (2008), 293-298)に基づいて用いられ、これに5'‐TCCGATGAGTCGCAATCCTA‐3'の配列を有するDETセグメントIIeが加えられている。このDETセグメントは、反応制御プローブを構成するのでプローブ16、17、19、20、22及び23には加えられない。これらの例において、各々のプローブについて、セグメントI及びIIは結合して、2つの分離したプローブセグメントの代わりに、IId‐IIe‐IIf‐Ia‐Ib‐Icの順序を有する単一のプローブを形成する。
ライゲーション反応は、30秒間98℃で、その後16時間55℃で、Biorad MyCycler(Biorad, Hercules, CA, U.S.A.)中でインキュベートした。
その後、リアルタイム増幅反応を行った。この目的のために、10 pMolのプライマー1、10 pMolのプライマー2、配列5'FAM‐TAGGATTGCGACTCATGCCA‐TAMRA‐3'を有する2 pMolの検出分子D1、0.5ユニットのAmplitaq DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems, Foster City, CA, U.S.A.)、0.25 mMの(20 mMのdNTPミックスからの)dNTP(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, U.S.A.)を20 mMのTris.HCl pH 8.5中に含む40 μlの溶液を加えた。PCRは、Vosら(Nucleic Acids Research 23(21), (1995), 4407-4414)に記載されるような増幅条件を用いて、Biorad iCycler IQ.(Biorad Inc., Hercules, CA, U.S.A.)を用いて行った。
実施例4:リアルタイムLDRを用いた6つのバクテリアサンプルにおけるサルモネラの検出及びタイピング
1. DNAを実施例2に記載の6つのバクテリア株から単離した;
2. リアルタイムライゲーション‐増幅反応を実施例3に記載されるようにして行っ た。反応は6つのリアルタイムPCRプロフィールを生じた(図3を参照された い)。
3. サンプル1、2及び3の反応生成物(2つの陽性及び1つの陰性リアルタイムLD R)をPremiTestサルモネラプロトコル(DSM Premitest, Geleen, The Netherlan ds)の「検出工程」を用いてClondiag Array Tubeにハイブリダイズさせた。
4. 結果は図4に示され、2つのリアルタイム陽性サンプルが、それぞれサルモネラ 血清型フィルヒョー及びパラチフスB var Javaを含むことが確認される。陰性サ ンプルは、反応コントロールのスポットだけを示すサルモネラ陰性サンプルのア レイ画像を生じる。

Claims (18)

  1. 以下の工程:
    (a)標的核酸を含む核酸を微生物から抽出する工程と、
    (b)リガーゼ検出反応(LDR)を前記標的核酸について行う工程であって、
    (b1)第1核酸プローブと第2核酸プローブとの対を準備し、前記第1核酸プローブは、前記標的核酸の識別部分に相補的な、3'側標的特異的配列Iを含み、第2核酸プローブは、前記標的特異的配列Iから3'に本質的に隣接して3'側に位置する前記標的核酸の第2部分に相補的な、5’側標的特異的配列IIを含み、ここで、前記第1核酸プローブは、5'側プライマー結合部分I(PBS(I))と場合によってスタッファーとを更に含み、前記第2核酸プローブは、3'側プライマー結合部分(PBS(II))と場合によってスタッファーとを含み;任意に第1核酸プローブ及び/又は第2核酸プローブは、(i)好ましくはマイクロアレイ上の捕捉プローブの対応領域に相当し、(ii)前記標的核酸に本質的に非相補的であり、(iii)標的特異的配列とプライマー結合部分との間に位置する少なくとも1つの識別子領域を更に含み、
    (b2)前記標的核酸を前記第1核酸プローブ及び前記第2核酸プローブと、相補的な核酸のハイブリダイゼーションを許容する条件下にインキュベートし、
    (b3)本質的に隣接するプローブ同士を連結させ、
    (b4)少なくとも1組の2つのプライマーを準備し、ここで、第1プライマー(プライマーI)はプライマー結合部分Iと本質的に同一であり、第2プライマー(プライマーII)はプライマー結合部分IIに本質的に相補的であり、ここで、前記第1又は前記第2プライマーが任意に標識されており、
    (b5)工程(b3)の連結したプローブ核酸を増幅し、ここで、増幅は、プライマー結合部分に特異的な核酸プライマーが結合することによって開始し、それにより、増幅された標的核酸を提供し、
    ここで、増幅された標的核酸を検出する、1つ又はそれより多い検出分子が工程(b5)において存在する
    ことを含む工程と、
    (c)前記検出分子のシグナル及び/又は前記検出分子のシグナルの変調をモニタリングする工程であって、前記検出分子のシグナルにおける前記変調が前記標的配列の存在を示すことにより微生物の存在を決定する工程と、
    (d)工程(c)の増幅された標的核酸を、好ましくはマイクロアレイ上に存在する捕捉プローブにハイブリダイズさせる工程と、
    (e)工程(d)のハイブリダイズさせた標的核酸を検出することにより微生物を同定する工程と
    を含む、サンプル中の微生物の存在を決定し、存在するならば、該微生物を同定し、特徴付けする方法。
  2. ハイブリダイズさせる、工程(d)の増幅された標的核酸が、工程(c)において陽性のシグナルを提供する標的配列である請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出分子が、検出される標的核酸配列に少なくとも部分的に相補的な配列を有する、1つ又はそれより多いオリゴヌクレオチド検出プローブであり、
    蛍光レポーター分子及び該レポーター分子の蛍光を消光させることのできる蛍光クエンチャー分子を含み、
    前記クエンチャー分子が前記レポーター分子の蛍光を消光する場合に、前記オリゴヌクレオチドプローブが、ハイブリダイズせずに少なくとも1つの一本鎖、部分的に一本鎖又は二本鎖のコンホメーションで存在し、
    前記レポーター分子の蛍光が消光されない場合に、前記オリゴヌクレオチドプローブが、前記標的核酸にハイブリダイズして少なくとも1つのコンホメーションで存在する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記オリゴヌクレオチド検出プローブの配列が、第1核酸プローブの少なくとも1つの領域又は第2核酸プローブの少なくとも1つの領域に少なくとも相補的である請求項3に記載の方法。
  5. 第1核酸プローブ及び/又は第2核酸プローブが少なくとも1つのDETを更に含み、該DETが:
    (i)工程(b5)の増幅反応中の反応生成物の蓄積を検出するのに用いられる1つ又はそれより多いオリゴヌクレオチド検出プローブに本質的に相補的であり;
    (ii)前記標的核酸に本質的に非相補的であり;そして
    (iii)DETが、標的配列とプライマー結合部分との間に位置する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 第1及び第2核酸プローブ対の少なくとも2つのグループが提供され、ここで各グループの第1及び第2核酸プローブが特定の標的核酸にハイブリダイズし、特異的プライマー結合部位I及び/又はIIを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 第1及び第2核酸プローブ対の少なくとも2つのグループが提供され、ここで各グループの第1及び第2核酸プローブが特定の標的核酸にハイブリダイズし、各グループの第1又は第2核酸プローブが特異的識別子領域、好ましくはcZIP又はZIPを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 第1核酸プローブ及び/又は第2核酸プローブ上の前記識別子領域、好ましくはcZIP又はZIPが、標的‐特異的配列とプライマー結合配列との間に位置する請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記第1核酸プローブが、その5'末端で、前記第2核酸プローブの3'末端に、場合によってスタッファー領域を介して連結している請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記連結工程(b3)がリガーゼの使用を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 増幅される標的核酸が、好ましくは増幅中に標識される請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記捕捉プローブが、対応するcZIPに本質的に相補的であるZIPを含むか、又は前記捕捉プローブが、対応するZIPに本質的に相補的であるcZIPを含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. (a)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:プライマー結合配列I(PBS(I))、cZIP及び標的特異的配列I(tss(I))を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:標的特異的配列II(tss(II))、DET及びプライマー結合配列II(PBS(II))を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (b)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)、DET及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)、cZIP及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (c)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)、cDET及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)、cZIP及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (d)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)、cZIP、DET及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (e)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)、cZIP、cDET及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (f)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)、DET、cZIP及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (g)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)、cDET、cZIP及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (h)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II) 、DET、cZIP及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (i)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I)及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II) 、cZIP、DET及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIは標識されており;
    (j)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I) 、ZIP及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II) 、DET及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIIは標識されており;
    (k)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I) 、cZIP、DET及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIIは標識されており;
    (l)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I) 、ZIP、cDET及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIIは標識されており;
    (m)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I) 、DET、ZIP及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが、5'から3'の方向に:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIIは標識されており;及び/又は
    (n)前記第1核酸プローブが、5'から3'の方向に:PBS(I) 、cDET、ZIP及びtss(I)を含み、
    前記第2核酸プローブが:tss(II)及びPBS(II)を含み、
    好ましくは、プライマーIIは標識されている
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記捕捉プローブが、マイクロアレイ上で空間的にアドレス可能である請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 少なくとも2つのサンプルに由来する、増幅された標的核酸が、単一のマイクロアレイ上に存在する捕捉プローブにハイブリダイズする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 対応する捕捉プローブにマイクロアレイ上でハイブリダイズした、増幅された標的核酸が、ハイブリダイゼーションパターンを生じる請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 微生物から核酸を抽出する手段、該核酸を特異的に増幅する手段、増幅された核酸から得られたシグナルを検出する手段、増幅された核酸を分析する手段及び取扱説明書を含む、サンプル中の微生物の存在を決定するためのキット。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法における、請求項1に規定される第1核酸プローブ及び第2核酸プローブの少なくとも1対の使用及び/又は請求項1〜12のいずれか1項に規定される2つのプライマーの少なくとも1組の使用。
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