JP2012502009A - 動物有害生物を駆除するためのピロリン−2−イルアミノ化合物 - Google Patents

動物有害生物を駆除するためのピロリン−2−イルアミノ化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、動物有害生物を駆除するためのピロリン-2-イルアミノ化合物に関する。また本発明はこれらの化合物を使用することにより動物有害生物を防除する方法、植物繁殖材料および上記化合物を含む農業用組成物にも関する。さらに本発明は、上記化合物を使用することにより、寄生生物による侵入または感染から動物を処置または保護する方法にも関する。式(I):
【化1】
Figure 2012502009

(式中、nは0、1、2、3、4または5であり;mは0、1、2、3、4または5であり;R1、R2は、ハロゲン、CN、N3、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニルからなる群からそれぞれ独立して選択され、この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または1、2もしくは3個の基R#等の任意の組み合わせを有していてもよく;R3およびR4は、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルからそれぞれ互いに独立して選択され、この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または CN、NO2、-ORb、NRcRd、-SRe、-C(=O)RaおよびC(=O)ORb等からなる群から互いに独立して選択される1、2または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよく;Aは、式A.1またはA.2:
【化2】
Figure 2012502009

[式中、*は、化合物の残りの部分への結合点を示し;R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキルおよびAr2等から互いに独立して選択され;R6およびR7は、水素、CN、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、Ar3等からそれぞれ互いに独立して選択される]
で表される基である)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、動物有害生物を駆除するためのピロリン-2-イルアミノ化合物に関する。また本発明は、これらの化合物を用いることにより動物有害生物を防除する方法、植物繁殖材料および上記化合物を含む農業用組成物にも関する。本発明はまた、上記化合物を用いることにより、寄生生物による侵入または感染から動物を処置または保護する方法にも関する。
動物有害生物、特に節足動物および線虫は、成長中および収穫済みの作物に被害を与えるとともに、木造住宅および商業建物を襲うことによって、食糧供給や所有物に多大な経済的損失をもたらす。多くの殺有害生物剤が知られているが、標的有害生物が上記薬剤に対して耐性をつける能力を持つことから、引き続き、昆虫、蛛形類および線虫を駆除するための新たな薬剤が必要とされている。
Jenningsら、Pesticide Biochemistry and Physiology, 30, 1988, p. 190-197は、殺虫活性を有する幾つかの(フェニルアミノ)-オキサゾリン、(ベンジルアミノ)-オキサゾリンおよび(1-フェニルエチルアミノ)-オキサゾリン化合物について記載している。Biosci. Biotech. Biochem. 1992, 56 (7), 1062-1065は、殺虫活性を有する(ベンジルアミノ)-チアゾリン化合物、(1-フェニルエチルアミノ)-チアゾリン化合物および(2-フェニルエチルアミノ)-チアゾリン化合物について開示している。しかし、これらの化合物は、その活性または活性スペクトルの幅が限られている。
WO 2005/063724は、1-(チアゾリン-2-イル)アミノ-1,2-ジフェニルエタン化合物および1-(オキサゾリン-2-イル)アミノ-1,2-ジフェニルエタンならびに昆虫、蛛形類および線虫を駆除するためのそれらの使用について記載している。
WO 2009/004032(PCT/EP2008/058517)は、殺虫活性を有する1-(チアゾリン-2-イル)アミノ-1,2-ジフェニルエタン、1-(オキサゾリン-2-イル)アミノ-1,2-ジフェニルエタンおよび1-(イミダゾリン-2-イル)アミノ-1,2-ジフェニルエタン化合物について記載している。
61/037,175は、動物有害生物を駆除するために有用な(アゾリン-2-イル)-アミノ-アルケニル化合物ならびにこれらを含む農業用組成物について記載している。
WO 2005/063724 WO 2009/004032 61/037,175
Jenningsら、Pesticide Biochemistry and Physiology, 第30巻, 1988年, p. 190-197 Biosci. Biotech. Biochem., 1992年, 第56 (7)巻, p. 1062-1065
本発明の目的は、良好な殺有害生物活性(特に殺虫活性)を有し、多くの様々な有害生物に対する(とりわけ、防除が困難な昆虫に対する)広い活性スペクトルを示すさらなる化合物を提供することである。
これらの目的は、以下の式Iで表される化合物によって達成し得ることが見出された。
驚くべきことに、この目的は、式I:
Figure 2012502009
(式中、
nは、0、1、2、3、4または5であり;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
R1、R2は、それぞれ独立して、以下からなる群:
ハロゲン、CN、N3、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル[この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または1、2もしくは3個の基R#の任意の組み合わせを有していてもよい]、
-C(=O)Ra、-C(=S)Ra、-C(=NRf)Ra、-C(=NRf)ORb、-C(=NRf)NRcRd、-C(=NRf)SRe、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、-C(=O)SRe、-C(=S)ORb、-C(=S)NRcRd、-C(=S)SRe、-ORb、-O-C(=O)Ra、-O-C(=O)ORb、-O-C(=O)-NRcRd、-O-C(=O)SRe、-SRe、-S(=O)Re、-S(=O)2Re、-S(=O)2ORb、-S(=O)2NRcRd、-NRcRd、-NRf-C(=O)Ra、-NRf-C(=O)ORb、-NRf-C(=O)NRcRd、-N=CRaRa'、-NRf-NRcRd、-NRf-C(=O)SRe および-NRf-C(=S)NRcRd
-Y-CyおよびY-Ar1、[この場合、
Yは、単結合、C1-C6-アルカンジイル、C1-C6-アルカンジイルオキシ、-C(=O)-、-C(=S)-、-C(=NRf)-、-C(=NRf)O-、-C(=NRf)S-、-C(=NRf)NRc、-C(=O)O-、-C(=O)NRc-、-C(=O)S-、-C(=S)O-、-C(=S)NRc-、-C(=S)S-、-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)O-、-O-C(=O)-NRc-、-O-C(=O)S-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2O-、-S(=O)2NRc-、-NRc-、-NRf-C(=O)-、-NRf-C(=O)O-、-NRf-C(=O)NRc-、-N=CRa-、-NRf-NRc-、-NRf-C(=O)S-、-NRf-C(=S)NRc-であり、
Cyは、C3-C12-シクロアルキル、または環員としてS、OおよびNから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和もしくは部分不飽和の5、6または7員の複素環であり、この場合、C3-C12-シクロアルキルおよび複素環は、それぞれ非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルおよびR#から選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有し、
Ar1は、下記の意味の1つを有する]
から選択され、
および/またはフェニル環の隣接する炭素原子に結合している2個の基R1または2個の基R2は、該炭素原子と一緒になって、環員としてO、SおよびNから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する縮合5、6もしくは7員炭素環または縮合5、6もしくは7員複素環を形成し、この場合、それぞれの縮合炭素環または複素環は、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルおよびR#から選択される1、2、3または4個の置換基を有し;
R3およびR4は、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル[この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、-ORb、NRcRd、-SRe、-C(=O)RaおよびC(=O)ORbからなる群から互いに独立して選択される1、2または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい]、
C3-C6-シクロアルキル、フェニルおよびベンジル[この場合、C3-C6-シクロアルキル、フェニルおよびベンジルは、ハロゲン、CN、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルおよびC1-C6-ハロアルキル、-ORb、NRcRd、-SRe、-C(=O)RaおよびC(=O)ORbからなる群から互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基を有していてもよい]
からそれぞれ互いに独立して選択され;
Aは、式A.1またはA.2:
Figure 2012502009
[式中、
*は、化合物の残りの部分への結合点を示し;
R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキルおよびAr2から互いに独立して選択され、この場合、C1-C6-アルキルならびにC1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノおよびジ(C1-C6-アルキル)アミノ中のアルキル部分は、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または1、2もしくは3個の基R#の任意の組み合わせを有していてもよく、またC3-C6-シクロアルキルは、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、ハロゲンおよびR#から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
R5aおよびR5bまたはR5cおよびR5dまたはR5eおよびR5fは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル、ならびにR#から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する3、4、5、6または7員の飽和炭素環を形成することも可能であり;
R5aおよびR5cまたはR5dおよびR5fは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル、ならびにR#から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する縮合5、6もしくは7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環を形成することも可能であり;
R6およびR7は、水素、CN、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、Ar3、-B-C(=O)Ra、-B-C(=S)Ra、-B-C(=NRf)Ra、-B-C(=NRf)ORb、-B-C(=NRf)NRcRd、-B-C(=NRf)SRe、-B-C(=O)ORb、-B-C(=O)NRcRd、-B-C(=O)SRe、-B-C(=S)ORb、-B-C(=S)NRcRd、-B-C(=S)SRe、-B-ORb、-B-O-C(=O)Ra、-B-O-C(=O)ORb、-B-O-C(=O)-NRcRd、-B-O-C(=O)SRe、-B-SRe、-B-NRcRd、-B-NRf-C(=O)Ra、-B-NRf-C(=O)ORb、-B-NRf-C(=O)NRcRd、-B-N=CRaRa'、-B-NRf-NRcRd、-B-NRf-C(=O)SRe、-B-NRf-C(=S)NRcRd、-B-S(=O)Re、-B-S(=O)2Re、-S(=O)2ORb、-S(=O)2NRcRd、-P(=O)RgRhおよびP(=S)RgRhからそれぞれ互いに独立して選択され、
この場合、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または1、2、3、4または5個の置換基R*の任意の組み合わせを有していてもよく、
C3-C8-シクロアルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキルおよびR*から選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
5、6または7員の複素環基は、環員としてS、OおよびNから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、また該5、6または7員の複素環基は、非置換であるか、またはC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、ハロゲンおよびR*から選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有し、
Bは、単結合または直鎖もしくは分枝鎖C1-C4-アルカンジイルであり、またRa、Ra'、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、互いに独立して下記の意味の1つを有し、
R*は、CN、NO2、-ORb、-NRcRd、-SRe、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、C3-C8-シクロアルキル、飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、-Ar4、-O-Ar4、-S-Ar4および-CH2-Ar4から選択され、
この場合、5、6または7員の複素環基は、環員としてS、OおよびNから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、且つ
C3-C8-シクロアルキルおよび該複素環基は、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル、ならびにR#から互いに独立して選択される1、2または3個の置換基の任意の組み合わせを有する]
で表される基であり;
R#は、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、CN、NO2、-ORb、-SRe、-NRcRd、C(=O)-RaおよびC(=O)ORbから選択され;
Ra、Ra'、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、環員としてO、S、Nから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、およびAr5から互いに独立して選択され、
この場合、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-ハロアルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、Ar6、-CH2-Ar6、-O-Ar6およびS-Ar6から互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、また
C3-C8-シクロアルキルおよび該複素環基は、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、OH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-ハロアルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、Ar6、-CH2-Ar6、-O-Ar6およびS-Ar6から互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく;
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6は、フェニル、ナフチルおよび環員としてO、SおよびNから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する単環式または二環式の5〜10員のヘテロアリールから互いに独立して選択され、この場合、フェニル、ナフチルおよびヘテロアリールは、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、NH2、CH2NH2、OH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-ハロアルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、非置換フェニルならびにハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択される1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルから選択される1、2、3、4または5個の置換基RArの任意の組み合わせを有する)
で表されるピロリン-2-イルアミノ化合物、およびその塩によって達成されることが見出された。
従って、本発明は、式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物、およびその塩に関する。これらの化合物は、高い殺有害生物活性を有し、広範囲の動物有害生物(特に昆虫、蛛形類および線虫などの無脊椎有害生物)に対して有効である。
さらに本発明は、動物有害生物を防除するための、上記で定義した式Iの化合物またはその塩の使用に関する。
また本発明は、少なくとも1種の上記で定義した式Iの化合物および/またはその農業上許容可能な塩ならびに少なくとも1種の液体担体もしくは固体担体を含有する農業用組成物にも関する。
また本発明は、動物有害生物を防除する方法であって、有害生物、それらの餌供給源、生息地もしくは繁殖地あるいは植物、植物繁殖材料、土壌、区域、資材、または有害生物が成長している、もしくは成長し得る環境、あるいは有害生物の攻撃または侵入から保護すべき資材、栽培植物、植物繁殖材料、土壌、表面または空間を、殺有害生物有効量の式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物またはその塩で処理することを含んでなる、上記方法にも関する。
さらに本発明は、寄生生物による侵入または感染から動物を処置または保護する方法であって、動物を、殺寄生生物有効量の式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物またはその獣医学的に許容可能な塩と接触させることを含む、上記方法に関する。
また本発明は、少なくとも1種の式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物および/またはその農業上許容可能な塩を含む植物繁殖材料(特に種子)にも関する。
式Iの化合物において、基Aを有する炭素原子はキラル中心となる。このため、式Iの化合物は、様々なエナンチオマーの形態で存在する可能性があり、あるいは基R1〜R7のいずれかにおいて別のキラル中心が存在する場合、ジアステレオマーの形態で存在し得る。Aが式A.2で表される基である場合、化合物Iは、N=C軸についてのシスまたはトランス異性体としても存在し得る。本発明は、式Iで表される化合物のあらゆる可能性のある立体異性体、すなわち、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーならびにそれらの混合物に関する。
本発明の化合物は非晶質であってもよいし、あるいは1種または複数の異なる結晶状態(多形体)で存在していてもよく、これは、安定性など様々な巨視的特性を有するか、活性などの様々な生物学的特性を示し得る。本発明は、式Iの非結晶性および結晶性化合物、各化合物Iの異なる結晶状態の混合物、ならびにそれらの非結晶性または結晶性の塩を包含する。
式Iの化合物の塩は、好ましくは農業上および獣医学上許容可能な塩である。これらは慣用の方法で、例えば式Iの化合物が塩基性官能基を有する場合、当該化合物を当該アニオンの酸と反応させることにより、または酸性の式Iの化合物を適切な塩基と反応させることによって形成させることができる。
好適な農業上有用な塩は、特に、これらのカチオンの塩またはこれらの酸の酸付加塩であるが、そのカチオンおよびアニオンは、それぞれ、本発明の化合物の作用に対していかなる悪影響も及ぼすものではない。好適なカチオンは、特にアルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウムおよびカリウムのイオン、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム、マグネシウムおよびバリウムのイオン、ならびに遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛および鉄のイオン、ならびにまたアンモニウム(NH4 +)および1〜4個の水素原子がC1-C4-アルキル、C1-C4-ヒドロキシアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、フェニルまたはベンジルによって置換されている置換アンモニウムである。置換アンモニウムイオンの例には、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム、ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムおよびベンジル-トリエチルアンモニウム、さらにホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウム、およびスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウムが含まれる。
有用な酸付加塩のアニオンは、主として塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、安息香酸イオン、ならびにC1-C4-アルカン酸のアニオン、好ましくはギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオンおよび酪酸イオンである。これらは、式Iで表される化合物を対応するアニオンの酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸または硝酸と反応させることによって形成させることができる。
「獣医学上許容可能な塩」という用語は、獣医学用途の塩の形成に関して当技術分野で公知であり認められているカチオンまたはアニオンの塩を意味する。適切な酸付加塩は、例えば、塩基性窒素原子(例えばアミノ基)を含有する式Iの化合物によって形成され、無機酸との塩、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩および硝酸塩、ならびに有機酸の塩、例えば、酢酸、マレイン酸、(例えばマレイン酸、二マレイン酸の一酸塩または二酸塩)、フマル酸、(例えばフマル酸、二フマル酸の一酸塩または二酸塩)、メタンスルフェン酸、メタンスルホン酸およびコハク酸の塩が挙げられる。
「植物」という用語は、あらゆる種類の植物(「非栽培植物」を含む)を含み、特に「栽培植物」を含む。
「非栽培植物」という用語は、あらゆる野生型種または栽培植物の近縁の種もしくは近縁の属を意味する。
本明細書で用いられる「栽培植物」という用語は、品種改良、突然変異体誘発または遺伝子操作によって改変されている植物を包含する。遺伝子組換え植物は、自然環境下で、交雑育種、突然変異体誘発または自然的組換えによって容易に取得することが出来ないように遺伝物質が組換えDNA技術の使用により改変されている植物である。典型的には、植物の特定の特性を改善するため、1種または複数の遺伝子を遺伝子組換え植物の遺伝物質へ組み込んでいる。こうした遺伝子改変には、これらに限定するものではないが、1種または複数のタンパク質(オリゴペプチドまたはポリペプチド)の標的化翻訳後修飾、例えばグリコシル化、あるいはプレニル化、アセチル化またはファルネシル化部分もしくはPEG部分などのポリマー付加による修飾も含まれる(例えば、Biotechnol Prog. 2001 Jul-Aug, 17(4):720-8; Protein Eng Des Sel. 2004 Jan, 17(1):57-66; Nat Protoc. 2007, 2(5):1225-35.; Curr Opin Chem Biol. 2006 Oct, 10(5):487-91. Epub 2006 Aug 28; Biomaterials. 2001 Mar, 22(5):405-17; Bioconjug Chem. 2005 Jan-Feb, 16(1):113-21に開示される)。
また本明細書で用いられる「栽培植物」という用語は、従来の品種改良技法または遺伝子操作技法を行った結果として、特定の部類の除草剤、例えばヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤;アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤、例えばスルホニル尿素(例えば、米国特許第6,222,100号、WO 01/82685、WO 00/26390、WO 97/41218、WO 98/02526、WO 98/02527、WO 04/106529、WO 05/20673、WO 03/14357、WO 03/13225、WO 03/14356、WO 04/16073を参照)、またはイミダゾリノン(例えば、米国特許第6,222,100号、WO 01/82685、WO 00/26390、WO 97/41218、WO 98/02526、WO 98/02527、WO 04/106529、WO 05/20673、WO 03/14357、WO 03/13225、WO 03/14356、WO 04/16073を参照);エノールピルビルシキメート-3-ホスフェート合成酵素(EPSPS)阻害剤、例えばグリホサート(例えばWO 92/00377を参照);グルタミン合成酵素(GS)阻害剤、例えばグルホシネート(例えば、EP-A-0242236、EP-A-242246を参照)またはオキシニル除草剤(例えば、米国特許第5,559,024号を参照)の施用に対して耐性となっているような植物もさらに包含する。いくつかの栽培植物は、従来の品種改良法(突然変異誘発法)によって除草剤耐性となっている。例えば、イミダゾリノン系(例えばイマザモックス)に耐性のあるClearfield(登録商標)セイヨウアブラナ(Canola)がある。遺伝子操作法は、ダイズ、ワタ、トウモロコシ、ビートおよびアブラナなどの栽培植物を、グリホセートやグルホシネート系などの除草剤に対して耐性にするために使用されており、これらの栽培植物の一部は、RoundupReady(登録商標)(グリホセート)およびLibertyLink(登録商標)(グルホシネート)という登録商標名で販売されている。
さらに、本明細書で用いられる「栽培植物」は、組換えDNA技術を使用することにより、次に挙げるような1種または複数の殺虫タンパク質の合成能力がある植物を網羅しているものと理解されたい:とりわけ、バチルス属細菌(特にバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来として知られているもの、例えばエンドトキシン類、具体的にはCryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)またはCry9c;植物性殺虫タンパク質(VIP)、例えばVIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A;フォトラブダス属の種(Photorhabdus spp.)またはゼノラブダス属の種(Xenorhabdus spp.)などの線虫にコロニーをつくる細菌の殺虫タンパク質;動物によって産生される毒素、例えばサソリ毒、蛛毒、スズメバチ毒、または他の昆虫に特異的な神経毒;菌類によって産生される毒素、例えばストレプトマイセス(Streptomycetes)毒、植物レクチン、例えばエンドウレクチンもしくはオオムギレクチン;アグルチニン;プロティナーゼ阻害剤、例えばトリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン(patatin)、シスタチンまたはパパイン阻害剤;リボソーム不活化タンパク質(RIP)、例えばリシン、トウモロコシ-RIP、アブリン、ルフィン(luffin)、サポリンまたはブリオジン(bryodin);ステロイド代謝酵素、例えば3-ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤またはHMG-CoA-レダクターゼ;イオンチャネル遮断薬、例えばナトリウムチャネルまたはカルシウムチャネル遮断薬;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモンレセプター(ヘリコキニン(helicokinin)レセプター);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼまたはグルカナーゼ。本発明においては、これらの殺虫タンパク質または毒素は、前毒素、ハイブリッドタンパク質、切断型タンパク質または他の改変型タンパク質としても存在し得ることも容易に理解されよう。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新しい組合せとして特性決定される(例えば、WO 02/015701を参照)。かかる毒素、またはかかる毒素を合成することができる遺伝子組換え植物のさらなる事例は、例えば、EP-A 374 753、WO 93/007278、WO 95/34656、EP-A 427 529、EP-A 451 878、WO 03/018810およびWO 03/052073に開示されている。一般に、かかる遺伝子組換え植物の作製法は当業者に公知であり、例えば上述の刊行物中に説明されている。遺伝子組換え植物に含まれるこれらの殺虫タンパク質によって、これらのタンパク質を生成する植物に、節足動物昆虫、特に甲虫類(鞘翅目)、双翅昆虫類(双翅目)および蝶類および蛾類(鱗翅目)、ならびに線虫類(線虫綱)の特定分類群の有害生物に対する耐性が付与される。
さらにまた、本明細書で用いられる「栽培植物」は、組換えDNA技術を使用することにより、細菌病原体、ウイルス病原体または菌類病原体に対する植物の抵抗性または耐性を高める1種または複数のタンパク質を合成する能力のある植物も包含する。かかるタンパク質の例は、いわゆる「病原性関連タンパク質」(PRタンパク質、例えばEP-A 0 392 225を参照)、植物病害抵抗性遺伝子(例えば、メキシコ野生ジャガイモ(ソラヌム・ブルボカスタヌム:Solanum bulbocastanum)由来のフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対して作用する耐性遺伝子を発現するジャガイモ品種)、またはT4-リゾチーム(例えば、これらのタンパク質を合成することができるジャガイモ品種であって、火傷病菌(エルウィニア・アミロボーラ:Erwinia amylvora)などの細菌に対する耐性が高められたもの)である。一般に、かかる遺伝子組換え植物の作製法は当業者に公知であり、例えば上述の刊行物中に説明されている。
またさらに本明細書で用いられる「栽培植物」は、組換えDNA技術により、生産力(例えばバイオマス生産、穀物収率、デンプン含量、油含量もしくはタンパク質含量)、乾燥、塩分または他の成長を抑制する環境要因に対する耐性、あるいはこれらの植物の有害生物および菌類病原体、細菌病原体またはウイルス病原体に対する耐性を高める、1種または複数のタンパク質を合成することができる植物も包含する。
さらに本明細書で用いられる「栽培植物」は、組換えDNA技術の使用により、特にヒトまたは動物の栄養を改善することを目的として、含量を変化させた内容物質または新規内容物質を含有する植物(例えば、健康を促進する長鎖ω-3脂肪酸または不飽和ω-9脂肪酸を産生する油料作物、例えば、Nexera(登録商標)のナタネ)も包含する。
またさらに、本明細書で用いられる「栽培植物」は、組換えDNA技術の使用により、特に原料生産を改善することを目的とした、含量を変化させた内容物質または新規内容物質を含有する植物(例えばアミロペクチンを高含有量で生産するジャガイモ(例えば、Amflora(登録商標)のジャガイモ)も包含する。
式IおよびIIで表される化合物の可変部分、本発明による使用および方法の特徴、ならびに本発明の組成物の好ましい実施形態に関する以下に述べた所見は、単独でも有効であるが、好ましくはそれぞれの組み合わせである。
本明細書で用いられる「植物繁殖材料(plant propagation material)」という用語は、植物の繁殖力のあるすべての部分(例えば、種子)や成長力のある植物材料(挿木および塊茎(ジャガイモなど))であって、植物の繁殖に使用することができるものを示すものと理解されたい。これらには、種子、根、果実、塊茎、球根、根茎、苗条(shoot)、芽および植物の他の部分が含まれる。またこれには、発芽後あるいは土壌から出芽した後に移植される幼苗および幼植物体も含める。これらの植物繁殖材料は、播種時もしくは移植時または播種前もしくは移植前に、植物保護化合物で予防的に処理することができる。
本明細書で用いられる「動物有害生物」という用語は、植物、植物繁殖材料、または他の非生物資材に害を与えまたは損ない得る全ての無脊椎有害生物を包含する。本明細書で用いられる「動物有害生物」という用語は、特に節足動物および線虫を包含する。本発明の意味において、「動物有害生物」は、好ましくは節足動物および線虫、より好ましくは有害昆虫、蛛形類および線虫、またさらにより好ましくは昆虫、ダニおよび線虫から選択される。また本明細書で用いられる「動物有害生物」という用語は、動物、特に例えば哺乳動物または鳥類などの温血動物、あるいは爬虫類、両生類または魚類などの他の高等動物に侵入し、侵入した動物に実質的な損傷をもたらす可能性がある外部寄生生物も包含する。またこれらの有害生物は無脊椎有害生物とも呼ばれ、特に昆虫、蛛形類および線虫を包含する。
上記の可変部分の定義において言及される有機部分(「ハロゲン」という用語のような)は、個々の置換基の構成員の個別のリストの総称である。接頭語Cn-Cmは、いずれの場合も、置換基中の可能性のある炭素原子数を数を示す。
「ハロゲン」という用語は、いずれの場合も、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素を表す。
他の意味の例は、以下のとおりである:
本明細書、ならびにC1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルスルホニル、C1-C6-アルキルスルホキシル、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルカルボニルオキシ、C1-C6-アルコキシカルボニルオキシ、C1-C6-アルキルアミノカルボニルおよびジ(C1-C6-アルキル)アミノカルボニルのアルキル部分において用いられる用語「C1-C6-アルキル」は、1〜6個の炭素原子、特に1〜3個の炭素基(= C1-C3-アルキル)を有する飽和直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。C1-C3-アルキルの例は、メチル、エチル、プロピルおよび1-メチルエチル(イソプロピル)である。C1-C6-アルキルの例には、ブチル、1-メチルプロピル(sec-ブチル、2-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピルがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-ハロアルキル」は、基中の水素原子の一部または全部が上記のようにハロゲン原子で置換されている、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)、例えばC1-C3-ハロアルキル(例えばクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルなど)を指す。
本明細書、ならびに「C1-C6-アルコキシカルボニル」および「C1-C6-アルコキシカルボニルオキシ」という用語において用いられる用語「C1-C6-アルコキシ」は、酸素原子を介して結合した、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜3個の炭素原子(C1-C3-アルコキシ))を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)を指す。C1-C3-アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、OCH2-C2H5(プロポキシ)およびOCH(CH3)2(イソプロポキシ)が挙げられる。C1-C6-アルコキシの例として、n-ブトキシ、OCH(CH3)C2H5(sec-ブトキシ)、OCH2CH(CH3)2(イソブトキシ)、OC(CH3)3(tert-ブトキシ)、n-ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチル-プロポキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ、1-エチル-2-メチルプロポキシなどがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-ハロアルコキシ」は、水素原子が部分的にまたは完全にフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換された上記のC1-C6-アルコキシ基を指す。好ましいのは、C1-C3-ハロアルコキシ基、すなわち水素原子が部分的にまたは完全にフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換された上記のC1-C3-アルコキシ基、例えばクロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエトキシ、1-(クロロメチル)-2-クロロエトキシおよび1-(ブロモメチル)-2-ブロモエトキシである。C1-C6-ハロアルコキシの例には、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシ、ノナフルオロブトキシ、5-フルオロ-1-ペントキシ、5-クロロ-1-ペントキシ、5-ブロモ-1-ペントキシ、5-ヨード-1-ペントキシ、5,5,5-トリクロロ-1-ペントキシ、ウンデカフルオロペントキシ、6-フルオロ-1-ヘキソキシ、6-クロロ-1-ヘキソキシ、6-ブロモ-1-ヘキソキシ、6-ヨード-1-ヘキソキシ、6,6,6-トリクロロ-1-ヘキソキシおよびドデカフルオロヘキソキシがさらに包含される。特に好ましいのは、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシおよび2,2,2-トリフルオロエトキシである。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-アルキルカルボニル」は、アルキル基中の任意の結合においてカルボニル基の炭素原子を介して結合した、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜4個の炭素原子(= C1-C4-アルキルカルボニル))を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)を指す。C1-C4-アルキルカルボニルの例として、C(O)CH3、C(O)C2H5、n-プロピルカルボニル、1-メチルエチルカルボニル、n-ブチルカルボニル、1-メチルプロピルカルボニル、2-メチルプロピルカルボニルおよび1,1-ジメチルエチルカルボニルが挙げられる。C1-C6-アルキルカルボニルの例には、n-ペンチルカルボニル、1-メチルブチルカルボニル、2-メチルブチルカルボニル、3-メチルブチルカルボニル、1,1-ジメチルプロピルカルボニル、1,2-ジメチルプロピルカルボニル、2,2-ジメチルプロピルカルボニル、1-エチルプロピルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、1-メチルペンチルカルボニル、2-メチルペンチルカルボニル、3-メチルペンチルカルボニル、4-メチルペンチルカルボニル、1,1-ジメチルブチルカルボニル、1,2-ジメチルブチルカルボニル、1,3-ジメチルブチルカルボニル、2,2-ジメチルブチルカルボニル、2,3-ジメチルブチルカルボニル、3,3-ジメチルブチルカルボニル、1-エチルブチルカルボニル、2-エチルブチルカルボニル、1,1,2-トリメチルプロピルカルボニル、1,2,2-トリメチルプロピルカルボニル、1-エチル-1-メチルプロピルカルボニルまたは1-エチル-2-メチルプロピルカルボニルなどがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-アルコキシカルボニル」は、カルボニル基(R-O-C(O)-;R = アルキル)の炭素原子を介して結合した、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜4個の炭素原子(= C1-C4-アルコキシカルボニル))を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ基(上記)を指す。C1-C4-アルコキシカルボニルの例として、C(O)OCH3、C(O)OC2H5、C(O)O-CH2-C2H5、C(O)OCH(CH3)2、n-ブトキシカルボニル、C(O)OCH(CH3)-C2H5、C(O)OCH2CH(CH3)2およびC(O)OC(CH3)3が挙げられる。C1-C6-アルコキシカルボニルの例には、n-ペントキシカルボニル、1-メチルブトキシカルボニル、2-メチルブトキシカルボニル、3-メチルブトキシカルボニル、2,2-ジメチルプロポキシカルボニル、1-エチルプロポキシカルボニル、n-ヘキソキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、1,2-ジメチルプロポキシカルボニル、1-メチルペントキシカルボニル、2-メチルペントキシカルボニル、3-メチルペントキシカルボニル、4-メチルペントキシカルボニル、1,1-ジメチルブトキシカルボニル、1,2-ジメチルブトキシカルボニル、1,3-ジメチルブトキシカルボニル、2,2-ジメチルブトキシカルボニル、2,3-ジメチルブトキシカルボニル、3,3-ジメチルブトキシカルボニル、1-エチルブトキシカルボニル、2-エチルブトキシカルボニル、1,1,2-トリメチルプロポキシカルボニル、1,2,2-トリメチルプロポキシカルボニル、1-エチル-1-メチルプロポキシカルボニルまたは1-エチル-2-メチルプロポキシカルボニルがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-アルキルカルボニルオキシ」は、アルキル基中の任意の結合においてカルボニルオキシ基の炭素原子を介して結合した、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜4個の炭素原子(= C1-C4-アルキルカルボニルオキシ))を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)を指す。C1-C4-アルキルカルボニルオキシの例として、O-CO-CH3、O-CO-C2H5、n-プロピルカルボニルオキシ、1-メチルエチルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、1-メチルプロピルカルボニルオキシ、2-エチルプロピルカルボニルオキシおよび1,1-ジメチルエチルカルボニルオキシが挙げられる。C1-C6-アルキルカルボニルオキシの例には、n-ペンチルカルボニルオキシ、1-メチルブチルカルボニルオキシ、2-メチルブチルカルボニルオキシ、3-メチルブチルカルボニルオキシ、1,1-ジメチルプロピルカルボニルオキシまたは1,2-ジメチルプロピルカルボニルオキシがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-アルキルチオ(C1-C6-アルキルスルファニル:C1-C6-アルキル-S-)」は、硫黄原子を介して結合した、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜3個の炭素原子(= C1-C3-アルキルチオ))を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)を指す。C1-C3-アルキルチオの例として、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオおよび1-メチルエチルチオが挙げられる。C1-C6-アルキルチオの例には、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ、2-メチルプロピルチオおよび1,1-ジメチルエチルチオ、n-ペンチルチオ、1-メチルブチルチオ、2-メチルブチルチオ、3-メチルブチルチオ、2,2-ジメチルプロピルチオ、1-エチルプロピルチオ、n-ヘキシルチオ、1,1-ジメチルプロピルチオ、1,2-ジメチルプロピルチオ、1-メチルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、3-メチルペンチルチオ、4-メチルペンチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチルブチルチオ、1,3-ジメチルブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、1-エチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ、1,1,2-トリメチルプロピルチオ、1,2,2-トリメチルプロピルチオ、1-エチル-1-メチルプロピルチオおよび1-エチル-2-メチルプロピルチオがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-ハロアルキルチオ」は、水素原子が部分的にまたは完全にフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換された上記のC1-C6-アルキルチオ基を指す。好ましいのは、C1-C3-ハロアルキルチオ基、すなわち水素原子が部分的にまたは完全にフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換された上記のC1-C3-アルキルチオ基(例えばクロロメチルチオ、ジクロロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロ-メチルチオ、クロロフルオロメチルチオ、ジクロロフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、2-フルオロエチルチオ、2-クロロエチルチオ、2-ブロモエチルチオ、2-ヨードエチルチオ、2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、2-クロロ-2-フルオロエチルチオ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチルチオ、2,2,2-トリクロロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、2-フルオロプロピルチオ、3-フルオロプロピルチオ、2,2-ジフルオロプロピルチオ、2,3-ジフルオロプロピルチオ、2-クロロプロピルチオ、3-クロロプロピルチオ、2,3-ジクロロプロピルチオ、2-ブロモプロピルチオ、3-ブロモプロピルチオ、3,3,3-トリフルオロプロピルチオ、3,3,3-トリクロロプロピルチオ、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルチオ、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチルチオ、1-(クロロメチル)-2-クロロエチルチオまたは1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチルチオである。C1-C6-ハロアルキルチオの例には、4-フルオロブチルチオ、4-クロロブチルチオ、4-ブロモブチルチオ、ノナフルオロブチルチオ、5-フルオロ-1-ペンチルチオ、5-クロロ-1-ペンチルチオ、5-ブロモ-1-ペンチルチオ、5-ヨード-1-ペンチルチオ、5,5,5-トリクロロ-1-ペンチルチオ、ウンデカフルオロペンチルチオ、6-フルオロ-1-ヘキシルチオ、6-クロロ-1-ヘキシルチオ、6-ブロモ-1-ヘキシルチオ、6-ヨード-1-ヘキシルチオ、6,6,6-トリクロロ-1-ヘキシルチオおよびドデカフルオロヘキシルチオがさらに包含される。特に好ましいのは、クロロメチルチオ、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、2-フルオロエチルチオ、2-クロロエチルチオおよび2,2,2-トリフルオロエチルチオである。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-アルキルスルフィニル(C1-C6-アルキルスルホキシルとも呼ばれる:C1-C6-アルキル-S(=O)-)」は、アルキル基中の任意の位置においてスルホキシル基の硫黄原子を介して結合した、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜4個の炭素原子(= C1-C4-アルキルスルホキシル))を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)を指す。C1-C4-アルキルスルホキシルの例として、S(O)CH3、S(O)C2H5、n-プロピルスルフィニル、1-メチルエチルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、1-メチルプロピルスルフィニル、2-メチルプロピルスルフィニルおよび1,1-ジメチルエチルスルフィニルが挙げられる。C1-C6-アルキルスルフィニルの例には、n-ペンチルスルフィニル、1-メチルブチルスルフィニル、2-メチルブチルスルフィニル、3-メチルブチルスルフィニル、1,1-ジメチルプロピルスルフィニル、1,2-ジメチルプロピルスルフィニル、2,2-ジメチルプロピルスルフィニル、1-エチルプロピルスルフィニル、n-ヘキシルスルフィニル、1-メチルペンチルスルフィニル、2-メチルペンチルスルフィニル、3-メチルペンチルスルフィニル、4-メチルペンチルスルフィニル、1,1-ジメチルブチルスルフィニル、1,2-ジメチルブチルスルフィニル、1,3-ジメチルブチルスルフィニル、2,2-ジメチルブチルスルフィニル、2,3-ジメチルブチルスルフィニル、3,3-ジメチルブチルスルフィニル、1-エチルブチルスルフィニル、2-エチルブチルスルフィニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルフィニル、および1-エチル-2-メチルプロピルスルフィニルがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「ハロアルキルスルフィニル」は、水素原子が部分的にまたは完全にフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換された上記のアルキルスルフィニル基を指す。
本明細書で用いられる用語「C1-C6-アルキルスルホニル(C1-C6-アルキル-S(=O)2-)」はアルキル基中の任意の位置においてスルホニル基の硫黄原子を介して結合した、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜4個の炭素原子(= C1-C4-アルキルスルホニル))を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)を指す。C1-C4-アルキルスルホニルの例として、SO2-CH3、SO2-C2H5、n-プロピルスルホニル、SO2-CH(CH3)2、n-ブチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル、2-メチルプロピルスルホニルおよびSO2-C(CH3)3が挙げられる。C1-C6-アルキルスルホニルの例には、n-ペンチルスルホニル、1-メチルブチルスルホニル、2-メチルブチルスルホニル、3-メチルブチルスルホニル、1,1-ジメチルプロピルスルホニル、1,2-ジメチルプロピルスルホニル、2,2-ジメチルプロピルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、1-メチルペンチルスルホニル、2-メチルペンチルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、4-メチルペンチルスルホニル、1,1-ジメチルブチルスルホニル、1,2-ジメチルブチルスルホニル、1,3-ジメチルブチルスルホニル、2,2-ジメチルブチルスルホニル、2,3-ジメチルブチルスルホニル、3,3-ジメチルブチルスルホニル、1-エチルブチルスルホニル、2-エチルブチルスルホニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルホニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルホニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルホニルおよび1-エチル-2-メチルプロピルスルホニルがさらに包含される。
本明細書で用いられる用語「ハロアルキルスルホニル」は、水素原子が部分的にまたは完全にフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素で置換された上記のアルキルスルホニル基を指す。
用語「C1-C6-アルキルアミノ」は、1個の上記で定義したアルキル基を有する第2級アミノ基、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、1-メチルエチルアミノ、ブチルアミノ、1-メチルプロピルアミノ、2-メチルプロピルアミノ、1,1-ジメチルエチルアミノ、ペンチルアミノ、1-メチルブチルアミノ、2-メチルブチルアミノ、3-メチルブチルアミノ、2,2-ジメチルプロピルアミノ、1-エチルプロピルアミノ、ヘキシルアミノ、1,1-ジメチルプロピルアミノ、1,2-ジメチルプロピルアミノ、1-メチルペンチルアミノ、2-メチルペンチルアミノ、3-メチルペンチルアミノ、4-メチルペンチルアミノ、1,1-ジメチルブチルアミノ、1,2-ジメチルブチルアミノ、1,3-ジメチルブチルアミノ、2,2-ジメチルブチルアミノ、2,3-ジメチルブチルアミノ、3,3-ジメチルブチルアミノ、1-エチルブチルアミノ、2-エチルブチルアミノ、1,1,2-トリメチルプロピルアミノ、1,2,2-トリメチルプロピルアミノ、1-エチル-1-メチルプロピルアミノまたは1-エチル-2-メチルプロピルアミノを指す。
用語「ジ(C1-C6-アルキル)アミノ」は、2個の上記で定義したアルキル基を有する第3級アミノ基、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、N-(n-プロピル)-N-メチルアミノ、N-(イソプロピル)-N-メチルアミノ、N-(n-ブチル)-N-メチルアミノ、N-(n-ペンチル)-N-メチルアミノ、N-(2-ブチル)-N-メチルアミノ、N-(イソブチル)-N-メチルアミノ、N-(n-ペンチル)-N-メチルアミノ、N-(n-プロピル)-N-エチルアミノ、N-(イソプロピル)-N-エチルアミノ、N-(n-ブチル)-N-エチルアミノ、N-(n-ペンチル)-N-エチルアミノ、N-(2-ブチル)-N-エチルアミノ、N-(イソブチル)-N-エチルアミノなどを指す。
本明細書、ならびにC2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルケニルアミノ、C2-C6-アルケニルチオ、C2-C6-アルケニルスルホニル、C2-C6-アルケニルカルボニル、C2-C6-アルケニルオキシカルボニルおよびC2-C6-アルケニルカルボニルオキシのアルケニル部分において用いられる用語「C2-C6-アルケニル」は、2〜6個の炭素原子および任意の位置に二重結合を有する直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素基、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジ-メチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニルおよび1-エチル-2-メチル-2-プロペニルを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルケニルオキシ」は、酸素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基(上記)、例えばビニルオキシ、アリルオキシ(プロペン-3-イルオキシ)、メタリルオキシ、ブテン-4-イルオキシなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルケニルチオ」は、硫黄原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基(上記)、例えばビニルスルファニル、アリルスルファニル(プロペン-3-イルチオ)、メタリルスルファニル、ブテン-4-イルスルファニルなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルケニルカルボニル」は、アルケニル基中の任意の結合においてカルボニル基の炭素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基(上記)(例えばビニルカルボニル、アリルカルボニル(プロペン-3-イルカルボニル)、メタリルカルボニル、ブテン-4-イルカルボニルなど)を指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルケニルオキシカルボニル」は、オキシカルボニル基(RO-C(O)-;R = C2-C6-アルケニル)の炭素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基(上記)、例えばビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(プロペン-3-イルオキシカルボニル)、メタリルオキシカルボニル、ブテン-4-イルオキシカルボニルなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルケニルカルボニルオキシ」は、カルボニルオキシ基(R-C(O)-O-;R = C2-C6-アルケニル)の酸素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基(上記)、例えばビニルカルボニルオキシ、アリルカルボニルオキシ(プロペン-3-イルカルボニルオキシ)、メタリルカルボニルオキシ、ブテン-4-イルカルボニルオキシなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルケニルアミノ」は、窒素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基、上記)、例えばビニルアミノ、アリルアミノ(プロペン-3-イルアミノ)、メタリルアミノ、ブテン-4-イルアミノなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルケニルスルホニル」は、スルホニル基(SO2)を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル基(上記)、例えばビニルスルホニル、アリルスルホニル(プロペン-3-イルスルホニル)、メタリルスルホニル、ブテン-4-イルスルホニルなどを指す。
本明細書、ならびにC2-C6-アルキニルオキシ、C2-C6-アルキニルアミノ、C2-C6-アルキニルチオ、C2-C6-アルキニルスルホニル、C2-C6-アルキニルカルボニル、C2-C6-アルキニルオキシカルボニルおよびC2-C6-アルキニルカルボニルオキシのアルキニル部分において用いられる用語「C2-C6-アルキニル」は、2〜6個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1つの三重結合を含有する直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素基、例えばエチニル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル、n-ブタ-1-イン-1-イル、n-ブタ-1-イン-3-イル、n-ブタ-1-イン-4-イル、n-ブタ-2-イン-1-イル、n-ペンタ-1-イン-1-イル、n-ペンタ-1-イン-3-イル、n-ペンタ-1-イン-4-イル、n-ペンタ-1-イン-5-イル、n-ペンタ-2-イン-1-イル、n-ペンタ-2-イン-4-イル、n-ペンタ-2-イン-5-イル、3-メチルブタ-1-イン-3-イル、3-メチルブタ-1-イン-4-イル、n-ヘキサ-1-イン-1-イル、n-ヘキサ-1-イン-3-イル、n-ヘキサ-1-イン-4-イル、n-ヘキサ-1-イン-5-イル、n-ヘキサ-1-イン-6-イル、n-ヘキサ-2-イン-1-イル、n-ヘキサ-2-イン-4-イル、n-ヘキサ-2-イン-5-イル、n-ヘキサ-2-イン-6-イル、n-ヘキサ-3-イン-1-イル、n-ヘキサ-3-イン-2-イル、3-メチルペンタ-1-イン-1-イル、3-メチルペンタ-1-イン-3-イル、3-メチルペンタ-1-イン-4-イル、3-メチルペンタ-1-イン-5-イル、4-メチルペンタ-1-イン-1-イル、4-メチルペンタ-2-イン-4-イルまたは4-メチルペンタ-2-イン-5-イルなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルキニルオキシ」は、酸素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル基(上記),例えばプロパルギルオキシ(プロピン-3-イルオキシ)、ブチン-3-イルオキシ、ブチン-4-イルオキシなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルキニルチオ」は、硫黄原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル基(上記)、例えばプロパルギルスルファニル(プロピン-3-イルチオ)、ブチン-3-イルスルファニル、ブチン-4-イルスルファニルなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルキニルカルボニル」は、アルキニル基中の任意の結合においてカルボニル基の炭素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル基(上記)、例えばプロパルギルカルボニル(プロピン-3-イルカルボニル)、ブチン-3-イルカルボニル、ブチン-4-イルカルボニルなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルキニルオキシカルボニル」は、オキシカルボニル基(RO-C(O)-;R = C2-C6-アルキニル)の炭素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル基(上記)、例えば、プロパルギルオキシカルボニル(プロピン-3-イルオキシカルボニル)、ブチン-3-イルオキシカルボニル、ブチン-4-イルオキシカルボニルなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルキニルカルボニルオキシ」は、カルボニルオキシ基(R-C(O)-O-;R = C2-C6-アルキニル)の酸素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル基(上記)、例えばプロパルギルカルボニルオキシ(プロピン-3-イルカルボニルオキシ)、ブチン-3-イルカルボニルオキシ、ブチン-4-イルカルボニルオキシなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルキニルアミノ」は、窒素原子を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル基(上記)、例えばプロパルギルアミノ(プロピン-3-イルアミノ)、ブチン-3-アミノ、ブチン-4-イルアミノなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C2-C6-アルキニルスルホニル」は、スルホニル(SO2)基を介して結合した、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニル基(上記)、例えばプロパルギルスルホニル(プロピン-3-イルスルホニル)、ブチン-3-イルスルホニル、ブチン-4-イルスルホニルなどを指す。
本明細書で用いられる用語「C3-C12-シクロアルキル」は、3〜12個(= C3-C12-シクロアルキル)、多くの場合は3〜8個の炭素原子(= C3-C8-シクロアルキル)、特に3〜6個の炭素原子(= C3-C6-シクロアルキル)を有する単環または二環または多環炭化水素基を指す。単環基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルが包含される。二環基の例には、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルおよびビシクロ[3.2.1]オクチルが包含される。
本明細書で用いられる用語「アリール」は、C6-C14炭素芳香族基、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、およびフェナントレニルを指す。好ましくは、アリールはフェニルである。
用語「アリールオキシ」は、分子の残りの部分に酸素原子を介して結合した、上記で定義したアリールを指す。例としては、フェノキシおよびナフトキシがある。
用語「アリールチオ」は、分子の残りの部分に硫黄原子を介して結合した、上記で定義したアリールを指す。例としては、フェノキシおよびナフトキシがある。
フェニルに縮合したフェニルはナフチルである。
5または6員の非芳香族(すなわち飽和または部分不飽和の)複素環に縮合したフェニルは、例えば、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾキソラニル(benzoxolanyl)、2,3-ジヒドロベンゾチエニル、インドリニル、クロマニル、クロメニル、ベンゾジオキサニルなどである。5または6員の芳香族複素環に縮合したフェニル(= 5または6員の複素芳香環に縮合したフェニル)の例は、以下に記載される。
本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール(単環または二環の5〜10員の複素芳香環)」(「ヘタリール」とも呼ばれる)は、炭素環または複素環の5、6または7員環に縮合して環員の総数を8〜10個とし得る、5または6個の環員を有する単環の複素芳香族基(いずれの場合も、これらの環員の1、2、3または4個、好ましくは1、2または3個は、酸素、窒素および硫黄からなる群から互いに独立して選択されるヘテロ原子である)を指す。ヘテロアリール基は、炭素環員を介して、または窒素環員を介して分子の残りの部分に結合し得る。炭素環式または複素環式縮合環は、C5-C7-シクロアルキル、5〜7員の複素環およびフェニルから選択される。
単環の5または6員の複素芳香環の例としては、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリルおよびイソオキサゾリルが挙げられる。
フェニル環に縮合した5〜6員の複素芳香環(または5〜6員の複素芳香環に縮合したフェニル環)の例は、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンズチエニル、ベンゾ[b]チアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサゾリルおよびベンズイミダゾリルである。
用語「ヘタリールオキシ」(ヘテロアリールオキシとも呼ばれる)は、酸素原子を介して分子の残りの部分に結合した、上記で定義したヘタリールを指す。
用語「ヘタリールチオ」(ヘテロアリールチオとも呼ばれる)は、硫黄原子を介して分子の残りの部分に結合した、上記で定義したヘタリールを指す。
用語「複素環」(「飽和または部分不飽和の複素環」)は、5、6または7個の環員ならびに環員としてS、OおよびNから互いに独立して選択される1、2、3または4個、好ましくは1、2または3個のヘテロ原子を有する非芳香族の飽和または部分不飽和の複素環を包含する。この複素環基は、炭素環員を介してまたは窒素環員を介して分子の残りの部分に結合し得る。非芳香環の例として、ピロリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、ジヒドロチエニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3-および1,4-ジオキサニル、チオピラニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チアジニルなどが挙げられる。環員として1または2個のカルボニル基も含む複素環の例には、ピロリジン-2-オンイル、ピロリジン-2,5-ジオンイル、イミダゾリジン-2-オンイル、オキサゾリジン-2-オンイル、チアゾリジン-2-オンイルなどが包含される。
用語「ヘテロシクリルオキシ」は、酸素原子を介して分子の残りの部分に結合した、上記で定義した複素環を指す。
用語「ヘテロシクリルチオ」は、硫黄原子を介して分子の残りの部分に結合した、上記で定義した複素環を指す。
本明細書、および用語「C1-C6-アルカンジイルオキシ」において用いられる用語「直鎖または分枝鎖C1-C6-アルカンジイル」は、基中の水素原子の1個がさらなる結合位置で置換されている、1〜6個の炭素原子(特に1〜4個の炭素原子(= C1-C4-アルカンジイル))を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルキル基(上記)を指す。直鎖C1-C6-アルカンジイルの例には、メチレン、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル、ヘキサン-1,6-ジイルが包含される。分枝鎖C2-C6-アルカンジイルの例には、エタン-1,1-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、ブタン-1,1-ジイル、1-メチルエタン-1,2-ジイル、1,2-ジメチルエタン-1,2-ジイル、1-エチルエタン-1,2-ジイル、1-メチルプロパン-1,3-ジイル、2-メチルプロパン-1,3-ジイルなどが包含される。
式Iで表される化合物の群は、Aが式A.1で表される基である化合物(本明細書において以下式I.1の化合物と呼ぶ)と、Aが式A.2で表される基である化合物(本明細書において以下式I.2の化合物と呼ぶ)とを包含する。
Figure 2012502009
式I、I.1およびI.2の化合物の可変部分n、m、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、本発明による使用および方法の特徴、ならびに本発明の組成物の好ましい実施形態に関する以下に述べた所見は、単独でも有効であるが、好ましくはそれぞれの組み合わせとして有効である。
本発明の1つの好ましい実施形態は、nが0、1、2または3、特に1、2または3である式I、I.1およびI.2の化合物に関する。
本発明の1つの好ましい実施形態は、mが0、1、2または3、特に1、2または3である式I、I.1およびI.2の化合物に関する。
本発明の特定の実施形態によれば、nおよびmはそれぞれゼロである。本発明の好ましい実施形態によれば、指数nおよびmの少なくとも1つは0ではない。より好ましくはn + mの和は、1、2、3、4、5または6、特に2、3、4、5または6およびより好ましくはは3、4または5の整数である。
mおよび/またはnが0ではない場合、R1およびR2は、互いに独立して、好ましくはハロゲン、CN、置換または非置換C1-C6-アルキル、置換または非置換C3-C8-シクロアルキル、ホルミル、置換または非置換C1-C6-アルキルカルボニル、-C(=O)OH、置換または非置換C1-C6-アルコキシカルボニル、-C(=O)NH2、置換または非置換C1-C6-アルキルアミノカルボニル、置換または非置換ジ(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、-OH、置換または非置換C1-C6-アルコキシ、-SH、置換または非置換C1-C6-アルキルチオ、-NH2、置換または非置換C1-C6-アルキルアミノおよび置換または非置換ジ(C1-C6-アルキル)アミノから選択され、および/または
フェニル環の隣接する炭素原子に結合している2個の基R1および/またはフェニル環の隣接する炭素原子に結合している2個の基R2は、該炭素原子と一緒になって、縮合ベンゼン、縮合飽和または部分不飽和の5または6員の炭素環、または環員としてO、SおよびNから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する縮合5員または6員複素環を形成し、この場合、それぞれの縮合ベンゼン、炭素環または複素環は、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、OH、SH、NH2、COOH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオおよびC1-C6-ハロアルキルチオから互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基を有する。
「置換または非置換C3-C8-シクロアルキル」とは、C3-C8-シクロアルキルが、非置換であるか、または1、2または3個の前述の置換基の任意の組み合わせを有し得ることを意味し、この場合、置換基は、互いに独立して、好ましくはハロゲン、C1-C6-アルキル、CN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオおよびC1-C6-ハロアルキルチオから選択される。
「置換または非置換アルキル」ならびに「置換または非置換のアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ」とは、アルキル、またはアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノのアルキル部分が、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシおよびC1-C6-アルキルチオから互いに独立して選択される1、2または3個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよいことを意味する。
特に好ましいのは、基R1がハロゲン、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシ、特に塩素またはC1-C4-アルキル、特にメチルまたはエチルから選択される、式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物である。R1は、極めて特に好ましくはメチルである。nが2と等しいかまたはそれより大きい場合、R1は同じであっても異なっていてもよい。
同様に特に好ましいのは、基R2がハロゲン、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシ、特にハロゲン、とりわけ塩素、フッ素または臭素およびC1-C4-アルキル、とりわけメチルまたはエチルから選択される、式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物である。R2は、極めて特に好ましくはメチルまたは塩素である。mが2と等しいかまたはそれより大きい場合、R2は同じであっても異なっていてもよい。
同様に特に好ましいのは、フェニル環の隣接する炭素原子に結合している2個の基R2が、該炭素原子と一緒になって、縮合ベンゼンまたは環員として1個もしくは2個の酸素原子を含有する縮合5員または6員複素環(例えば縮合テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソランまたは1,4-ジオキサン)を形成する、式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物である。この場合、縮合ベンゼンおよび縮合5員または6員複素環は、特に好ましくは、非置換であるか、またはC1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびハロゲン、特にメチルおよびフッ素から選択される1、2、3または4個の置換基を有する。本発明の最も好ましい実施形態において、縮合ベンゼンまたは5もしくは6員複素環は非置換である。
基本的に、1個または複数の基R1およびR2は、存在する場合、フェニル環上の任意の位置に位置し得る。本発明の1つの特に好ましい実施形態によれば、指数mは好ましくは2または3であり、また2個の基R1は結合位に対して3位および5位に位置し、この場合、R1は前述の意味の1つ(特に、好ましいまたはより好ましい意味の1つ)を有する。
本発明の別の特に好ましい実施形態によれば、指数nは2または3であり、また2個の基R2は結合位に対して2位および3位に位置し、この場合、R2は前述の意味の1つ(特に、好ましいまたはより好ましい意味の1つ)を有する。
本発明の1つの具体的実施形態は、式I':
Figure 2012502009
(式中、
A、R3およびR4は、本明細書の上記または下記に定義したとおりであり;
R1aおよびR1bは、互いに独立して、水素であり、またはR1について前述した意味の1つ[特に、好ましいまたはより好ましい意味の1つ]を有し、
R2a、R2bおよびR2cは、互いに独立して、水素であり、またはR2について前述した意味の1つ[特に、好ましいまたはより好ましい意味の1つ]を有する)
で表されるピロリン-2-イルアミノ化合物またはその塩に関する。
本発明のより好ましい実施形態において、本発明は、
R1aが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシ、特にハロゲンまたはC1-C3-アルキル、最も好ましくはメチルから選択され;
R1bが、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシ、特にハロゲンまたはC1-C3-アルキル、最も好ましくはメチルから選択され;
R2aが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシ、特にハロゲンおよびC1-C3-アルキル、最も好ましくは塩素またはメチルから選択され;
R2bが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキルおよびC1-C3-ハロアルキル、特にハロゲンおよびC1-C3-アルキル、最も好ましくは塩素またはメチルから選択され;あるいは
R2aが、R2bと一緒になって、-CH=CH-CH=CH-、-O-CH2-CH2-、-O-CH2-O-、-O-CF2-O-または-O-CH2-CH2-O-、特に-CH=CH-CH=CH-、-O-CH2-CH2-およびO-CH2-CH2-O-から選択される二価の基を形成し;
R2cが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシ、特に水素から選択される、
式I'の化合物またはその塩に関する。
より好ましい式I'の化合物の例は、R1aおよびR1bが水素ではない化合物である。本発明の別のより好ましい実施形態において、基R2bおよびR2cは、水素およびC1-C3-アルキル、特に水素およびメチルから独立して選択される。特に好ましいのは、R2aおよびR2bが水素ではなく、R2cが水素である、式I'の化合物である。またより好ましいのは、R2aがR2bと一緒になって、-CH=CH-CH=CH-、-O-CH2-CH2-、-O-CH2-O-、-O-CF2-O-または-O-CH2-CH2-O-、特に-CH=CH-CH=CH-、-O-CH2-CH2-およびO-CH2-CH2-O-から選択される二価の基を形成する式I'の化合物である。
好ましくは、式IおよびI'における基R3は、水素またはC1-C6-アルキル、とりわけ水素またはC1-C4-アルキル、特に水素またはメチルであり、最も好ましくは水素である。
式IおよびI'における基R4は、好ましくは水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルからなる群から選択され、この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、-OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、NH2、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、-SHおよびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立して選択される1、2または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい。より好ましくは、基R4は水素、ハロゲンおよびC1-C6-アルキル、とりわけ水素、塩素、臭素またはC1-C4-アルキル、特にメチルまたはエチルであり、最も好ましくは水素である。
本発明の他の極めて好ましい実施形態において、式IおよびI'における基R3およびR4はいずれも水素である。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、基R5a、R5b、R5cおよびR5dは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、および非置換であるか、または1、2、3、4または5個の置換基RAr(RArは前述の意味の1つを有する)の任意の組み合わせを有するフェニルから選択される。
本発明の1つの特に好ましい実施形態において、基R5a、R5b、R5cおよびR5dは水素である。同様に本発明の1つの特に好ましい実施形態は、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素である化合物Iに関する。
本発明の他の特に好ましい実施形態は、基R5a、R5b、R5cおよびR5dの少なくとも1個および好ましくは1個または2個が水素ではない式Iの化合物に関する。この場合、基R5a、R5b、R5cおよびR5dは、ハロゲン、C1-C6-アルキル(特にC1-C4-アルキル)、C1-C6-ハロアルキル、および非置換であるか、または1、2、3、4または5個の置換基RArの任意の組み合わせを有するフェニルから選択される。RArは前述の意味の1つを有し、好ましくはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシからなる群から選択される。より好ましくは、RArは、臭素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される。特に、基R5a、R5b、R5cおよびR5dの1個または2個は、メチル、エチル、非置換フェニルまたは4位に基RAr(RArは前述の意味の1つ、特に好ましい意味の1つを有する)を有するフェニルから選択される。
本発明の他の好ましい実施形態によれば、R5aおよびR5bまたはR5cおよびR5dまたはR5eおよびR5fのいずれかは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキルおよびC1-C6-ハロアルキルから互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する3、4、5、6または7員の飽和炭素環を形成する。本発明のより好ましい実施形態において、R5aおよびR5bまたはR5cおよびR5dまたはR5eおよびR5fのいずれかは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキルおよびC1-C6-ハロアルキルから互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する3、4、5、6または7員の飽和炭素環、特に5、6または7員の飽和炭素環を形成し、残りの基R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは水素である。
本発明の好ましい実施形態によれば、基R5eおよびR5fは、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、および非置換であるか、または1、2、3、4または5個の置換基RAr(RArは前述の意味の1つを有する)の任意の組み合わせを有するフェニルから選択される。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、式IおよびI'における基R5eおよびR5fは水素である。これらの化合物の中でも、好ましいのは、R5a、R5b、R5cおよびR5dが、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、および非置換であるか、または1、2、3、4または5個の置換基RAr(RArは前述の意味の1つを有する)の任意の組み合わせを有するフェニルから選択されるか、あるいは、R5aおよびR5bまたはR5cおよびR5dが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるかまたはハロゲン、C1-C6-アルキルおよびC1-C6-ハロアルキルから互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する3、4、5、6または7員の飽和炭素環を形成し、残りの基R5a、R5b、R5c、R5dが水素である化合物である。
本発明の1つの好ましい実施形態は、R6およびR7が、互いに独立して、水素、CN、NO2、置換または非置換C1-C6-アルキル、置換または非置換C2-C6-アルケニル、置換または非置換C2-C6-アルキニル、置換または非置換C3-C8-シクロアルキル、-B-C(=O)Ra、-B-C(=O)ORb、-B-C(=O)SRe、-B-C(=S)ORb、-B-C(=S)NRcRd、-B-C(=S)SRe、-B-ORb、-B-SRe、-S(=O)Re、-B-NRcRd、-S(=O)2ReおよびS(=O)2ORbから選択される式Iの化合物に関する。
R6および/またはR7が、置換または非置換C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニルである場合、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、およびC2-C6-アルキニルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、-OH、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、-SH、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、-C(=O)H、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、環員としてO、S、Nから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、および-Ar4(Ar4は本明細書中に記載される意味の1つを有する)から互いに独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよい。
R6および/またはR7が、置換または非置換C3-C8-シクロアルキルである場合、C3-C8-シクロアルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、-OH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、-SH、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、-C(=O)H、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、環員としてO、S、Nから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、-Ar4および-CH2-Ar4(Ar4は本明細書中に記載される意味の1つを有する)から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよい。
R6および/またはR7が、-B-C(=O)Ra、-B-C(=O)ORb、-B-C(=O)SRe、-B-C(=S)ORb、-B-C(=S)NRcRd、-B-C(=S)SRe、-B-ORb、-B-SRe、-S(=O)Re、-B-NRcRd、-S(=O)2Reまたは-S(=O)2ORbである場合、Bは好ましくは単結合または-CH2-であり、またRa、Rb、Rc、RdおよびReは、互いに独立して、本明細書中に記載される意味の1つを有する。
より好ましくは、基R6およびR7は、互いに独立して、水素、CN、C1-C6-アルキル、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-ORb、-C(=O)SReおよびB-NRcRdから選択され、この場合、C1-C6-アルキルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシおよびC1-C6-アルキルチオから互いに独立して選択される1、2、または3個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、ここでBは、単結合または-CH2-であり、Ra、Rb、Rc、RdおよびReは、水素、C1-C6-アルキルおよびフェニルから互いに独立して選択され、この場合フェニルは、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシから互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基を有する。
第1のより好ましい実施形態において、R6およびR7は水素である。R6、R7が水素ではない式Iの化合物の中でも、より好ましいのは、R6、R7がシアノ、C1-C4-アルキル、ホルミル、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C4-ハロアルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニルまたはC1-C6-アルキルチオカルボニルである化合物Iである。
基Ra、Ra'、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、存在する場合、好ましくは水素、C1-C6-アルキルおよびフェニルからそれぞれ互いに独立して選択され、この場合、C1-C6-アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシおよびC1-C6-アルキルチオから互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてよく、フェニルは、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシから互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてよい。
基Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6は、存在する場合、好ましくはナフチルおよびフェニルから互いに独立して選択され、この場合、フェニルは、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシから互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有する。
基Yは、好ましくは単結合、C1-C6-アルカンジイル、C1-C6-アルカンジイルオキシ、-O-および-S-からなる群から選択される。
化合物I'の中でも、好ましいのは、Aが式A.1の基である化合物I'、特にAがA.1(R7はHである)である式Iの化合物である。これらの化合物は、AがA.2(R6は水素である)である式I'の化合物の互変異性体である。これらの互変異性体は、平衡混合物として存在する。
式I'の化合物の中でも、好ましいのは、Aが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素である基A.1である、下記の式I'.1-A:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、上記の意味を有する)
で表される化合物である。これらの化合物の例は、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cが表Aの各行に記載された意味を有するものである(化合物I'.1-A.1〜I'.1-A.2798)。
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#:2位に酸素原子が結合している
式I'の化合物の中で、Aが、R5aがメチルであり、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素である基A.1である、下記の式I'.1-B:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-B.1〜I.1'-B.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5aおよびR5bがメチルであり、R5c、R5d、R5fおよびR5eが水素である基A.1である、下記の式I'.1-C:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-C.1〜I'.1-C.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5cおよびR5dがメチルであり、R5a、R5b、R5fおよびR5eが水素である基A.1である、下記の式I'.1-D:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-D.1〜I'.1-D.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5cがフェニルであり、R5a、R5b、R5d、R5eおよびR5fが水素である基A.1である、下記の式I'.1-E:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-E.1〜I.1'-E.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5aがフェニルであり、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素である基A.1である、下記の式I'.1-F:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-F.1〜I.1'-F.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5aが4-ブロモフェニルであり、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素である基A.1である、下記の式I'.1-G:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-G.1〜I.1'-G.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5a、R5b、R5eおよびR5fが水素であり、R5cおよびR5dが一緒になって二価の基-CH2(CH2)2CH2-を形成する基A.1である、下記の式I'.1-H:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-H.1〜I.1'-H.2798)
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5a、R5b、R5eおよびR5fが水素であり、R5cおよびR5dが一緒になって二価の基-CH2(CH2)3CH2-を形成する基A.1である、下記の式I'.1-I:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2c は、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-I.1〜I.1'-I.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5eがフェニルであり、R5a、R5b、R5c、R5dおよびR5fが水素である基A.1である、下記の式I'.1-K:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-K.1〜I.1'-K.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5eが4-ブロモフェニルであり、R5a、R5b、R5c、R5dおよびR5fが水素である基A.1である、下記の式I'.1-L:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは、表Aの各行に記載された意味を有する(化合物I'.1-L.1〜I.1'-L.2798))
で表される化合物も好ましい。
式I'の化合物の中で、Aが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素であり、R6がメチルである基A.2である、下記の式I'.2-A:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは上記の意味を有する)で表される化合物が好ましい。これらの化合物の例は、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cが表Aの各行に記載された意味を有するものである(化合物I'.2-A.1〜I.'2-A.2798)。
式I'の化合物の中で、Aが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素であり、R6がエチルである基A.2である、下記の式I'.2-B:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは上記の意味を有する)で表される化合物が好ましい。これらの化合物の例は、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cが表Aの各行に記載された意味を有するものである(化合物I'.2-B.1〜I.'2-B.2798)。
式I'の化合物の中で、Aが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素であり、R6がアセチルである基A.2である、下記の式I'.2-C:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cは上記の意味を有する)で表される化合物が好ましい。これらの化合物の例は、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cが表Aの各行に記載された意味を有するものである(化合物I'.2-C.1〜I.'2-C.2798)。
式I'の化合物の中で、Aが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素であり、R6がメトキシカルボニルである基A.2である、下記の式I'.2-D:
Figure 2012502009
(式中、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2c は上記の意味を有する)で表される化合物も好ましい。これらの化合物の例は、基R1a、R1b、R2a、R2bおよびR2cが表Aの各行に記載された意味を有するものである(化合物I'.2-D.1〜I.'2-D.2798)。
式Iの化合物は、例えば、スキーム1に概説される方法、または以下に記載の方法によって得ることができる。
Aが基A.1である式Iの化合物は、スキーム1に概説されるように得ることができる。
Figure 2012502009
スキーム1では、指数nおよびm、基R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5fおよびR7は、上記の意味の1つを有する。LGは、ハロゲン(例えば塩素もしくは臭素)、OR'またはSR'(R'はC1-C6-アルキルである)などの脱離基、好ましくは塩素、メトキシ、エトキシ、メチルチオまたはエチルチオを表す。
スキーム1に概説される方法に従い、例えば調製実施例1に概説されるように、式IIの1,2-ジフェニルアミノエタンを式IIIの3,4-ジヒドロ-2H-ピロールと反応させることによって、式I.1の化合物を得ることができる。この反応は、通常は極性プロトン性溶媒中で行われる。好適なプロトン性溶媒の例は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールなどのC1-C6-アルカノール、または例えば1〜10個の炭素原子を有する炭酸(例えば酢酸)である。溶媒としてアルカノールを使用する場合、反応に酸(例えば酢酸)を添加すると、反応時間を短縮させ、収率を高めることができる。この反応は、通常、室温と溶媒の沸点との間の温度で行われる。マイクロ波照射下で反応を行うことが有利であり得る。反応率を高めるため、マイクロ波加熱を用いることが好ましい。
式IにおけるAが、R6が水素ではない基A.2である式Iの化合物(すなわち式(I.2)の化合物)、またはR7が水素ではない基A.1である式Iの化合物(すなわち式(I.1)の化合物)は、出発物質としてR6(またはR7、それぞれ)が水素である式Iの化合物から得ることができる。
例えば、R6またはR7がC1-C6-アルキルまたはC1-C6-アルキルカルボニルである化合物は、式Iの化合物を、好適なアルキル化試薬またはアシル化試薬Ri-L(Lはハロゲンなどの脱離基であり、RiはC1-C6-アルキルまたはC1-C6-アルキルカルボニルである)と反応させることによって調製することができる。この変換は、有機合成に関する標準的な教科書に記載されている常法によって行い得る(例えば、J. March, Advanced Organic Synthesis, 第4版 John Wiley and Sons.を参照)。
R6またはR7がC1-C6-アルキルオキシカルボニルまたはC1-C6-アルキルチオカルボニルを表す式Iの化合物を得るため、R7が水素である式I.1の出発物質を、式Rk-C(O)-Hal(式中、Halはハロゲン(特に塩素)であり、RkはC1-C6-アルキルオキシまたはC1-C6-アルキルチオである)で表される好適なハロホルメートと反応させる。この変換は、当業者に周知の常法によって行うことができる(例えば、J. March, Advanced Organic Synthesis, 第4版 John Wiley and Sons.を参照)。
R6またはR7がシアノ基を表す式Iの化合物を得るため、R7が水素である式I.1の化合物を、例えば臭化シアン(CNBr)を用いてシアノ化することにより、シアノ基を導入することができる。この反応は、当業者に周知の標準的な方法に従って行う。
R6またはR7がニトロ基を表す式Iの化合物を得るため、当業者に周知の標準的な方法に従って、R7が水素である式I.1の化合物を、ニトロニウム(nitronium)源を用いてニトロ化することにより、ニトロ基を導入することができる。
有機合成に関する標準的な教科書に記載されている常法に従って(例えば、J. March, Advanced Organic Synthesis, 第3版 John Wiley and Sons.を参照)、例えばR7が水素である式I.1の化合物をクロロスルホンアミド試薬(Cl-S(=O)2NRcRd)と反応させることにより、基S(=O)2NRcRdを、基R6またはR7として導入することができる。さらに、R7が水素である式I.1の化合物を、Rdが水素であるクロロホルムアミド(Cl-C(=O)NRcRd)またはイソシアネート(OCN-Rc)と反応させることにより、基C(=O)NRcRdを、基R6またはR7として導入することができる。
式IIで表される1,2-ジフェニルエチルアミンは当技術分野において公知であり(例えば、1,2-ジフェニルエチルアミン、CAS-Nr. [3082-58-4])または当業者に周知の方法によって調製することができる。式IIの1,2-ジフェニルエチルアミンの好適な調製方法としては、とりわけ、対応するフェニルベンジルケトンの還元的アミノ化または対応するフェニルベンジルオキシムの還元(例えば、J. Med. Chem. 1995, 38, 1600-1607またはJ. Med. Chem. 1994, 37 (7), 913-923を参照)が挙げられる。さらに、式IIの化合物は、Tetrahedron 1999, 55, 8883-8904に記載の方法に従って、フェニル有機金属試薬またはベンジル有機金属試薬を、(置換)ベンズアルデヒドまたはフェニルアセトアルデヒド前駆体から誘導される適当なイミン(例えばt-ブチルスルフィニルイミン)に付加することによって調製することができる。
式IIIで表される3,4-ジヒドロ-2H-ピロール(LGは、ClまたはOR'(例えばJ. Med. Chem. 2001, 44, 1588-1593参照)、もしくはSR'(例えば同書もしくはTetrahedron Lett. 2003, 44 (7), 1437-1440参照)などの脱離基を表す)は公知であり、有機化学者が熟知している常法に従って調製することができる。式IIIの3,4-ジヒドロ-2H-ピロール化合物(LGはClを表す)は、対応するラクタムを、塩化メチレンまたはベンゼンなどの非プロトン性溶媒中で、POCl3またはPCl5などの脱水試薬を用いて処理することによって得ることができる(例えば、Asian J. Chem. 2005, 17 (3), 1641-1645またはJ. Heterocycl. Chem. 1989, 26 (3), 821-828参照)。
これらのラクタム出発物質をアルキル化して、式(III)のラクチム成分(LGはOR'と等しい)を得ることもできる。好ましいアルキル化試薬は、トリアルキルオキソニウムテトラフルオロボレート、ジメチルスルフェートまたはヨウ化メチルである。例えば個別のラクタムをローソン(Lawesson)試薬で処理することにより誘導し得る対応するチオラクタムをアルキル化すると、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール(III)(LGはSR'と等しい)が得られる(いずれの場合も、例えばJ. Med. Chem. 2001, 44, 1588-1593を参照)。
通例、式Iの化合物は、上記の方法によって調製することができる。上記の経路によっては個々の化合物を調製することができない場合、これらは、他の化合物Iの誘導体化または記載された合成経路の慣用の改変によって調製することができる。例えば、個々の場合、特定の化合物Iは、他の化合物Iのエステル加水分解、アミド化、エステル化、エーテル開裂、オレフィン化、還元、酸化などによって有利に調製することができる。
反応混合物は、慣用の方法で、例えば水と混合し、相を分離し、適切であれば、例えばアルミナまたはシリカゲルのクロマトグラフィーによって粗生成物を精製することにより後処理する。中間体および最終生成物の一部は、無色または薄茶色の粘性の油の形態で得られ、これらは減圧下および緩やかに上昇する温度において揮発性成分から除去または精製される。中間体および最終生成物が固体として得られる場合、これらは再結晶化または粉砕によって精製することができる。
式Iの化合物は、その活性が優れていることから、動物有害生物を防除するために使用することができる。
したがって、本発明は、動物有害生物を防除する方法であって、有害生物、それらの餌供給源、それらの生育地もしくはそれらの繁殖空間、あるいは有害生物が成長しているか成長し得る栽培植物、植物繁殖材料(例えば種子)、土壌、区域、資材または環境、あるいは有害生物の攻撃または侵入から保護すべき資材、栽培植物、植物繁殖材料(例えば種子)、土壌、表面または空間を、殺有害生物有効量の式Iの化合物もしくはその塩または上記で定義した組成物で処理することを含む、上記方法も提供する。
好ましくは、本発明の方法は、植物繁殖材料(例えば種子)およびそれから成長する植物を、動物有害生物による攻撃または侵入から保護するために役立ち、また、植物繁殖材料(例えば種子)を、殺有害生物有効量の上記で定義した式Iの化合物またはその農業上許容可能な塩で処理するか、あるいは殺有害生物有効量の上記および下記で定義した農業用組成物で処理することを含む。本発明の方法は、本発明に従って処理された「基体(substrate)」(植物、植物繁殖材料、土壌資材等)の保護に限定されるものではなく、さらに予防効果も有する。このため、例えば、処理済みの植物繁殖材料(例えば種子)から成長する植物であって、その植物自体は処理されていないものも保護される。
本発明の意味においては、「動物有害生物」は、好ましくは節足動物および線虫から、より好ましくは有害な昆虫、蛛形類および線虫から、さらにより好ましくは昆虫、ダニ類および線虫から選択される。
さらに、本発明は、こうした動物有害生物を駆除するための農業用組成物であって、かかる量の少なくとも1種の式Iの化合物または少なくとも1種のその農業上有用な塩と、殺有害生物作用を有する少なくとも1種の農業上許容可能な不活性液体担体および/または固体担体を含み、所望により少なくとも1種の界面活性剤を含む、上記農業用組成物を提供する。
かかる組成物は、本発明による式Iで表される単一の活性化合物またはその塩を含有していてもよいし、式Iの様々な活性化合物またはそれらの塩の混合物を含有していてもよい。本発明による組成物は、個々の異性体、または異性体の混合物を含んでいてもよいし、また個々の互変異性体または互変異性体の混合物を含んでいてもよい。
式Iの化合物、およびそれらを含む殺有害生物組成物は、節足動物の有害生物および線虫を防除するのに効果のある薬剤である。式Iの化合物によって防除される動物有害生物としては、例えば、以下のものが挙げられる:
鱗翅類(鱗翅目)の昆虫、例えば、タマナヤガ(アグロチス・イプシロン(Agrotis ypsilon))、カブラヤガ(アグロチス・セゲツム(Agrotis segetum))、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、リンゴヒメシンクイ(アルギレスチア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella))、ガマキンウワバ(オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma))、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、トウヒノシントメハマキ(コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana))、コリストネウラ・オシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、アワヨトウ(シルフィス・ウニプンクタ(Cirphis unipuncta))、コドリンガ(シジア・ポモネラ(Cydia pomonella))、デンドロリムス・ピニ(Dendrolimus pini)、アメリカウリノメイガ(ジアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis))、サウスウエスタンコンボーラー(ジアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella))、ミスジアオリンガ(エアリアス・インスラナ(Earias insulana))、モロコシマダラメイガ(エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus))、ブドウホソハマキ(ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella))、エベトリア・ボウリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・スブテラネア(Feltia subterranea)、ハチノスツヅリガ(ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella))、グラホリタ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、ナシヒメシンクイ(グラホリタ・モレスタ(Grapholitha molesta))、タバコガ(ヘリオチス・アルミゲラ(Heliothis armigera))、オオタバコガ(ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens))、ヘリオチス・ゼア(Heliothis zea)、ハイマダラノメイガ(ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis))、ヒベルニア・デホリアリア(Hibernia defoliaria)、アメリカシロヒトリ(ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea))、ヒポノメウタ・マリネルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ランブジナ・フィセラリア(Lambdina fiscellaria)、シロイチモンジヨトウ(ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua))、ロイコプテラ・コフェエラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ホソバヒメハマキ(ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana))、ロキソステージ・スチクチカリス(Loxostege sticticalis)、マイマイガ(リマントリア・ジスパル(Lymantria dispar))、ノンネマイマイ(リマントリア・モナカ(Lymantria monacha))、モモハモグリガ(リオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella))、オビカレハ(マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria))、ヨトウガ(マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae))、オルギイア・プソイドツガタ(Orgyia pseudotsugata)、ヨーロッパアワノメイガ(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis))、マツキリガ(パノリス・フランメア(Panolis flammea))、ワタアカミムシガ(ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella))、ニセタマナヤガ(ペリドロマ・サウシア(Peridroma saucia))、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、ジャガイモキバガ(フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella))、ミカンハモグリガ(フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella))、オオモンシロチョウ(ピエリス・ブラッシカ(Pieris brassicae))、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、コナガ(プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella))、プソイドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアシオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、バクガ(シトトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella))、テングハマキ(スパルガノチス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana))、ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))、アフリカヨトウ(スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis))、ハスモンヨトウ(スポドプテラ・リツラ(Spodoptera litura))、タウマトポエア・ピチオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana)、イラクサギンウワバ(トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni))、およびゼイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis);
甲虫類(鞘翅目)の昆虫、例えば、アカバナガタマムシ(アグリルス・シヌアツス(Agrilus sinuatus))、アグリオテス・リネアツス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクルス(Agriotes obscurus)、アンフィマルス・ソルスチチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドルス・ジスパル(Anisandrus dispar)、ワタミハナゾウムシ(アントノムス・グランジス(Anthonomus grandis))、ナシハナゾウムシ(アントノムス・ポモルム(Anthonomus pomorum))、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファグス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダータ(Blitophaga undata)、ソラマメゾウムシ(ブルクス・ルフィマヌス(Bruchus rufimanus))、エンドウマメゾウムシ(ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum))、ブルクス・レンチス(Bruchus lentis)、ドロハマキチョッキリ(ビクチスクス・ベツラ(Byctiscus betulae))、カメノコハムシ(カッシダ・ネブロサ(Cassida nebulosa))、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、コイトリンクス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、コイトリンクス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルス・ベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、ジアブロチカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ジアブロチカ・12-プンクタタ(Diabrotica 12-punctata)、ジアブロチカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera)、インゲンテントウ(エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis))、エピトリキス・ヒルチペンニス(Epitrix hirtipennis)、ユーチノボトルス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、マツアナアキゾウムシ(ヒルオビウス・アビエチス(Hylobius abietis))、ヒペラ・ブルンネイペンニス(Hypera brunneipennis)、アルファルファタコゾウムシ(ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica))、ヤツバキクイ(イプス・チポグラフス(Ips typographus))、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、レマ・メラノプス(Lema melanopus)、コロラドハムシ(レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata))、リモニウス・カリホルニクス(Limonius californicus)、イネミズゾウムシ(リッソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus))、メラノツス・コンムニス(Melanotus communis)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒッポカスタニ(Melolontha hippocastani)、ヨーロッパコフキコガネ(メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha))、イネクビホソハムシ(オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae))、オルチオリンクス・スルカツス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オチオリンクス・オバツス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドン・コクレアリエ(Phaedon cochleariae)、フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、コガネムシ属の種(フィロファガ sp. (Phyllophaga sp.))、フィロペルタ・ホルチコラ(Phyllopertha horticola)、キスジノミハムシ(フィロトレタ・ネモルム(Phyllotreta nemorum))、キスジノミハムシ(フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata))、マメコガネ(ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica))、アカアシチビコフキゾウムシ(シトナ・リネアツス(Sitona lineatus))、およびシトフィルス・グラナリア(Sitophilus granaria);
双翅類(双翅目)、例えば、ネッタイシマカ(アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti))、キンイロヤブカ(アエデス・ベキサンス(Aedes vexans))、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、チチュウカイミバエ(セラチチス・カピタータ(Ceratitis capitata))、クリソミア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラキス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マセラリア(Chrysomya macellaria)、ソルガムタマバエ(コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola))、ヒトクイバエ(コルジルオビア・アントロポファガ(CoRdylobia anthropophaga))、アカイエカ(クレックス・ピピエンス(Culex pipiens))、ウリミバエ(ダクス・ククルビタ(Dacus cucurbitae))、オリーブミバエ(ダクス・オレア(Dacus oleae))、ダシネウラ・ブラッシカ(Dasineura brassicae)、ヒメイエバエ(ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis))、ウマバエ(ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis))、ツェツェバエ(グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans))、ノサシバエ(ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans))、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒルエミイア・プラツラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、トマトハモグリバエ(リリオマイザ・サチベ(Liriomyza sativae))、マメハモグリバエ(リリオマイザ・トリホリイ(Liriomyza trifolii))、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ヒツジキンバエ(ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina))、ヒロズキンバエ(ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata))、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、ヘシアンバエ(マイエチオラ・デストルクトル(Mayetiola destructor))、イエバエ(ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica))、オオイエバエ(ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans))、ヒツジバエ(オエストルス・オビス(Oestrus ovis))、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒソシアミ(Pegomya hysocyami)、ホルビア・アンチクア(Phorbia antiqua)、ホルビア・ブラッシカ(Phorbia brassicae)、ホルビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、ヨーロッパオウトウミバエ(ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi))、リンゴミバエ(ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella))、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、チプラ・オレラセア(Tipula oleracea)、およびガガンボ(チプラ・パルドサ(Tipula paludosa));
アザミウマ類(総翅目)、例えば、ジクロモトリプス・コルベッチ(Dichromothrips corbetti)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、ミカンキイロアザミウマ(フランクリニエラ・オシデンタリス(Frankliniella occidentalis))、フランクリニエラ・トリチシ(Frankliniella tritici)、シルトトリプス・シトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリザエ(Thrips oryzae)、ミナミキイロアザミウマ(トリプス・パルミ(Thrips palmi))、およびネギアザミウマ(トリプス・タバシ(Thrips tabaci));
膜翅目(膜翅類)、例えば、カブラハバチ(アタリア・ロセ(Athalia rosae))、ハキリアリ(アッタ・セファロテス(Atta cephalotes))、チャイロハキリアリ(アッタ・セキスデンス(Atta sexdens))、テキサスハキリアリ(アッタ・テキサナ(Atta texana))、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスツジネア(Hoplocampa testudinea)、イエヒメアリ(モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis))、アカカミアリ(ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata))、およびヒアリ(ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta));
異翅類(異翅目)、例えば、アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、ブリスス・ロイコプテルス(Blissus leucopterus)、シルトペルチス・ノタツス(Cyrtopeltis notatus)、ジスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus)、ジスデルクス・インテルムジウス(Dysdercus intermedius)、ユリガステル・インテグリセプス(Eurygaster integriceps)、ユスキスツス・インピクチベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、リグス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ネザラ・ビリズラ(Nezara viridula)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)、およびチアンタ・ペルジトル(Thyanta perditor);
同翅類(同翅目)、例えば、アシルトシホン・オノブリキス(Acyrthosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis)、アフィズラ・ナスツルチイ(Aphidula nasturtii)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・ホルベシ(Aphis forbesi)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii)、アフィス・グロスラリア(Aphis grossulariae)、アフィス・スクネイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola)、アフィス・サンブシ(Aphis sambuci)、アシルトシホン・ピスム(Acyrthosiphon pisum)、オーラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア・アルゲンチフォリ(Bemisia argentifolii)、ベミシア・タバシイ(Bemisia tabaci)、ブラキカウズス・カルズイ(Brachycaudus cardui)、ブラキカウズス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラキカウズス・ペルシカ(Brachycaudus persicae)、ブラキカウズス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ブレビコリン・ブラッシカ(Brevicoryne brassicae)、カピトホルス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴシピイ(Cerosipha gossypii)、カエトシホン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマンニアナ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセア(Dreyfusia piceae)、ジサフィス・ラジコラ(Dysaphis radicola)、ジサウラコルツム・プソイドソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)、ジサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)、ヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni)、ヒペロミズス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、マクロシフム・ユーホルビエ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシホン・ロサエ(Macrosiphon rosae)、メゴウラ・ビシエ(Megoura viciae)、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrariius)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、ミゾデス・ペルシカエ(Myzodes persicae)、ミズス・アスカロニクス(Myzus ascalonicus)、ミズス・セラシ(Myzus cerasi)、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)、ミズス・バリアンス(Myzus varians)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、ペンフィグス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、ペルキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida)、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、プシルラ・マリ(Psylla mali)、プシルラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミズス・アスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、ロパロシフム・マイジス(Rhopalosiphum maidis)、ロパロシフム・パジ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシフム・インセルツム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali)、スキザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、スキゾノイラ・ラヌギノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、ソガテッラ・フルシィフェラ(Sogatella furcifera)、トリアロイロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トキソプテラ・オーランチイ(Toxoptera aurantii)、およびビトイス・ビチホリイ(Viteus vitifolii);
シロアリ(等翅目)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、およびテルメス・ナタレンシス(Termes natalensis);
直翅類(直翅目)、例えば、アケタ・ドメスチカ(Acheta domestica)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)、グリルロタルパ・グリルロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプルス・ビビッタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプルス・フェムルルブルム(Melanoplus femurrubrum)、メラノプルス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプルス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプルス・スプレツス(Melanoplus spretus)、ノマダクリス・セプテンファシアタ(Nomadacris septemfasciata)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、スキストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana)、スキストセルカ・ペレグリナ(Schistocerca peregrina)、スタウロノツス・マロッカヌス(Stauronotus maroccanus)、およびタキシネス・アシナモルス(Tachycines asynamorus);
蛛形類(Arachnoidea)、例えばダニ類(ダニ目)、例えば、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)、およびヒゼンダニ科(Sarcoptidae)のもの、例えば、アンブリオンマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオンマ・バリエガツム(Amblyomma variegatum)、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、ボオフィルス・アンヌラツス(Boophilus annulatus)、ボオフィルス・デコロラツス(Boophilus decoloratus)、ボオフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus)、デルマセントル・シルバルム(Dermacentor silvarum)、ヒアロンマ・トルンカツム(Hyalomma truncatum)、イキソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、イキソデス・ルビクンズス(Ixodes rubicundus)、オルトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、デルマニッスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、リピセファルス・アッペンジクラツス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファルス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei);ならびにフシダニ科の種(Eriophyidae spp.)、例えば、アクルス・スクレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)、およびエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni);ホコリダニ科の種(Tarsonemidae spp.)、例えば、フィトネムス・パリズス(Phytonemus pallidus)、およびポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ科の種(Tenuipalpidae spp.)、例えば、ブレビパルプス・ホエニシス(Brevipalpus phoenicis);ハダニ科の種(Tetranychidae spp.)、例えば、テトラニクス・シンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニクス・パシフィクス(Tetranychus pacificus)、テトラニクス・テラリウス(Tetranychus telarius)、およびテトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)、およびオリゴニクス・プラテンシス(oligonychus pratensis);
ノミ目(シフォナプテラ(Siphonatera))、例えば、キセノプシッラ・ケオプシス(Xenopsylla cheopsis)、セラトフィッラス属の種(Ceratophyllus spp.)。
また、本組成物および式Iの化合物は、線虫類、特に植物寄生線虫の防除にも有用である。例えば、ネコブセンチュウ類(root knot nematodes)のキタネコブセンチュウ(メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla))、サツマイモネコブセンチュウ(メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita))、ジャワネコブセンチュウ(メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica))、および他のメロイドギネ(Meloidogyne)属の種;
シストセンチュウ類(cyst nematodes)のジャガイモシストセンチュウ(グロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis))および他のグロボデラ(Globodera)属の種;ムギシストセンチュウ(ヘテロデラ・アベナエ(Heterodera avenae))、ダイズシストセンチュウ(ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines))、テンサイシストセンチュウ(ヘテロデラ・スカクチイ(Heterodera schachtii))、クローバシストセンチュウ(ヘテロデラ・トリホリイ(Heterodera trifolii))、および他のヘテロデラ(Heterodera)属の種;タネコブセンチュウ類(Seed gall nematodes)のアングイナ(Anguina)属の種;クキセンチュウ類およびハセンチュウ類(Stem and foliarfoliar nematodes)のアフェレンコイデス(Aphelenchoides)属の種;刺毛センチュウ類(Sting nematodes)のブドウオオハリセンチュウ(ベロノライムス・ロンギカウダツス(Belonolaimus longicaudatus))、および他のベロノライムス(Belonolaimus)属の種;マツセンチュウ類(Pine nematodes)のマツノザイセンチュウ(ブルサフェレンクス・キシロフィルス(Bursaphelenchus xylophilus))および他のブルサフェレンクス(Bursaphelenchus)属の種;ワセンチュウ類(Ring nematodes)のクリコネマ(Criconema)属の種、クリコネメラ(Criconemella)属の種、クリコネモイデス(Criconemoides)属の種、メソクリコネマ(Mesocriconema)属の種;クキおよびリンケイセンチュウ類(Stem and bulb nematodes)のイモグサレセンチュウ(ジチレンクス・デストルクター(Ditylenchus destructor))、ナミクキセンチュウ(ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci))、および他のジチレンクス(Ditylenchus)属の種;キリセンチュウ類(Awl nematodes)のドリコドルス(Dolichodorus)属の種;ラセンセンチュウ類(Spiral nematodes)のヘリコチレンクス・ムルチシンクツス(Helicotylenchus multicinctus)、および他のヘリコチレンクス(Helicotylenchus)属の種;サヤセンチュウおよび有鞘センチュウ類(Sheath and sheathoid nematodes)のヘミシクリオホラ(Hemicycliophora)属の種およびヘミクリコネモイデス(Hemicriconemoides)属の種;ヒルスマンニエラ(Hirshmanniella)属の種;ヤリセンチュウ類(Lance nematodes)のホプロライムス(Hoplolaimus)属の種;ニセネコブセンチュウ類(false rootknot nematodes)のナコブス(Nacobbus)属の種;ハリセンチュウ類(Needle nematodes)のロンギドルス・エロンガテス(Longidorus elongates)および他のロンギドルス(Longidorus)属の種;ピンセンチュウ類(pin nematodes)のパラティレンクス(Paratylenchus)属の種;ネグサレセンチュウ類(Lesion nematodes)のプラチレンクス・ネグレクツス(Pratylencus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(プラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans))、ピンセンチュウ(プラチレンクス・クルビタツス(Pratylenchus curvitatus))、プラチレンクスス・ゴーデイ(Pratylenchus goodeyi)、および他のプラチレンクス(Pratylenchus)属の種;ネモグリセンチュウ類(Burrowing nematodes)のバナナネモグリセンチュウ(ラドホルス・シミリス(Radopholus similis))および他のラドホルス(Radopholus)属の種;ニセフクロセンチュウ類(Reniform nematodes)のロチレンクルス・ロブスタス(Rotylenchus robustus)、および他のロチレンクルス(Rotylenchulus)属の種;スクテロネマ(Scutellonema)属の種;ユミハリセンチュウ類(Stubby root nematodes)のトリコドルス・プリミチブス(Trichodorus primitivus)および他のトリコドルス(Trichodorus)属の種、パラトリコドルス(Paratrichodorus)属の種;イシュクセンチュウ類(Stunt nematodes)のナミイシュクセンチュウ(チレンコリンクス・クライトニ(Tylenchorhynchus claytoni))、チレンコリンクス・ズビウス(Tylenchorhynchus dubius)および他のチレンコリンクス(Tylenchorhynchus)属の種;ミカンセンチュウ類(Citrus nematodes)のチレンクルス(Tylenchulus)属の種;オオハリセンチュウ類(Dagger nematodes)のキシフィネマ(Xiphinema)属の種;ならびに他の植物寄生線虫の種。
本発明の好ましい実施形態では、式Iの化合物は、昆虫または蛛形類、特に鱗翅目、鞘翅類、総翅目および同翅目の昆虫、ならびにダニ目の蛛形類(特にダニ類)の防除に用いられる。本発明による式Iの化合物は、特に総翅目および同翅目の昆虫の防除に有用である。
式Iの化合物またはそれらを含む殺有害生物組成物は、植物/作物を殺有害生物有効量の式Iの化合物と接触させることによって、生育中の植物および作物を動物有害生物、特に無脊椎有害生物、とりわけ昆虫または蛛形類(例えばダニ類)による攻撃または侵入から保護するために用いることができる。「作物」という用語は、生育中の作物および収穫済みの作物の両方を指す。
式Iの化合物は、慣用の製剤、例えば、液剤、エマルション剤、懸濁剤、散剤、粉剤、ペースト剤および粒剤に変換することができる。使用剤形は、特定の所望する目的によって決まるが、いずれの場合も、本発明による化合物の微細で均一な分散が確実になされるように選択する。
これらの製剤は、公知の方法(例えば、概説については米国特許第3,060,084号、EP-A 707 445(液体濃縮物について)、Browning, 「Agglomeration」, Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147〜48、Perry's Chemical Engineer's Handbook, 第4版, McGraw-Hill, New York, 1963, 8〜57ページを参照されたい。またWO 91/13546、米国特許第4,172,714号、米国特許第4,144,050号、米国特許第3,920,442号、米国特許第5,180,587号、米国特許第5,232,701号、米国特許第5,208,030号、GB 2,095,558、米国特許第3,299,566号、Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、Hanceら, Weed Control Handbook, 第8版, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989、ならびにMollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001, 2、D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8)も参照されたい)で調製され、例えば、農薬製剤に好適な補助剤、例えば、溶媒および/または担体、所望により、乳化剤、界面活性剤、および分散剤、防腐剤、消泡剤、不凍剤などを用いて、種子処理剤の場合には、さらに場合により着色剤および/または結合剤および/またはゲル化剤を用いて、本活性化合物を希釈(extend)することにより調製される。
好適な担体としては、液体担体および固体担体が挙げられる。好適な溶媒または液体担体の例は、水、芳香族溶媒(例えばSolvesso製品、キシレン)、パラフィン類(例えば鉱油画分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えばシクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン類((N-メチルピロリドン[NMP]、N-オクチルピロリドン[NOP])、アセテート類(二酢酸グリコール)、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸類および脂肪酸エステル類である。基本的には、溶媒混合物も用いることができる。
好適な乳化剤は、特に非イオン性乳化剤やアニオン性乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート)である。
分散剤の例は、リグニン亜硫酸廃液およびメチルセルロースである。
使用される好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、脂肪アルコールスルフェート、脂肪酸、および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、さらにはスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールと脂肪アルコールエチレンオキシドの縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸廃液、およびメチルセルロースである。
直接散布可能な液剤、エマルション剤、ペースト剤、または油性分散剤の調製に適している物質は、中〜高沸点の鉱油画分、例えばケロセンまたはディーゼルオイル、さらにはコールタールオイル、および植物または動物由来の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンもしくはそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、または水である。
さらに、不凍剤、例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、および殺菌剤などを本製剤に加えることもできる。
好適な消泡剤は、例えばシリコンまたはステアリン酸マグネシウムをベースとした消泡剤である。
好適な防腐剤は、例えばジクロロフェンである。
種子処理剤はさらに結合剤を含んでいてもよく、場合によっては着色剤を含んでいてもよい。
結合剤は、処理後の種子への活性物質の付着性を高めるために加えることができる。適切な結合剤は、ブロックコポリマーEO/PO界面活性剤であり、またポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(Lupasol(登録商標)、Polymin(登録商標))、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、チロース、およびこれらのポリマーから誘導されるコポリマーである。
場合によっては、着色剤を本製剤に入れることもできる。種子処理剤に好適な着色剤または色素は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベイシックレッド10、ベイシックレッド108である。
ゲル化剤の一例はカラギーン(Satiagel(登録商標))である。
粉剤、広域散布用物質および粉散性製品は、本活性物質と固体担体を混合するか、または同時に粉砕することによって調製することができる。
粒剤(例えば、被覆粒剤(coated granule)、含浸粒剤(impregnated granule)および均質粒剤(homogeneous granule)など)は、本活性化合物を固体担体に結合させることにより調製することができる。
固体担体の例は、鉱物質土類(mineral earth)(例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなど)、粉砕された合成材料、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など)、植物起源の製品(例えば、穀粉、樹皮粉、木粉および堅果殻粉など)、セルロース粉末、ならびに他の固体担体である。
一般に、本製剤は、活性化合物(群)を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%含んでいる。この場合、本活性化合物(群)は、純度90重量%〜100重量%、好ましくは95重量%〜100重量%(NMRスペクトルによる)で用いられる。
目的が種子処理の場合、各製剤は2〜10倍に希釈して、直ぐに使用可能な調製品の濃度の0.01〜60(活性化合物)重量%、好ましくは0.1〜40重量%とする。
式Iの化合物は、そのままで、その製剤の形態で、またはその製剤から調製される施用形態で、例えば直接散布可能な液剤、粉剤、懸濁剤もしくは分散剤、エマルション製剤、油性分散剤、ペースト剤、粉散性製品、広域散布用物質、または粒剤の形態で、散布(spraying)、噴霧(atomizing)、散粉(dusting)、広域散布(spreading)または散水(pouring)により使用することができる。施用形態は、もっぱらその所望する目的によって決まるが、いずれの場合も、本発明の活性化合物(群)が確実に可能な限り微細に分散されるようなものであるべきである。
水性の施用形態は、乳剤(emulsion concentrate)、ペースト剤または水和性粉剤(散布用粉剤、油性分散剤)に水を加えることによって調製することができる。エマルション剤、ペースト剤、または油性分散剤を調製するには、そのままの、あるいは油または溶媒に溶解させた本物質を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中で均質化させることができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤もしくは乳化剤、また必要に応じて溶媒もしくは油からなる濃縮物を調製することもできるが、かかる濃縮物は水で希釈するのに適している。
直ぐに使用可能な調製品における本活性化合物の濃度は、比較的広い範囲で変えることができる。一般に、この濃度は、0.0001〜10重量%、好ましくは、0.01〜1重量%である。
また本活性化合物(群)は、超微量散布(ULV(ultra-low volume))法においても良好に使用することができ、95重量%超の活性化合物を含む製剤を、あるいは添加剤を含まない活性化合物そのものを施用することができる。
以下は製剤の例である。
1. 葉面散布用の水で希釈する製品。種子処理を目的とする場合、かかる製品は、希釈して種子に施用してもよいし、希釈せずに施用することもできる。
A) 液剤(Water-solbule concentrates)(SL、LS)
10重量部の本活性化合物(群)を90重量部の水または水溶性溶媒に溶解させる。別法として、湿潤剤または他の補助剤を添加する。本活性化合物(群)は水で希釈すると溶解する。これにより、活性化合物(群)を10%(w/w)含む製剤が得られる。
B) 分散剤(Dispersible concentrates)(DC)
20重量部の本活性化合物(群)を、70重量部のシクロヘキサノンに10重量部の分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)を加えて溶解させる。水で希釈すると分散液が得られる。これにより、活性化合物(群)を20%(w/w)含む製剤が得られる。
C) 乳剤(Emulsifiable concentrates)(EC)
15重量部の本活性化合物(群)を、7重量部のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれも5重量部)を加えて溶解させる。水で希釈すると乳液が得られ、これにより、活性化合物(群)を15%(w/w)含む製剤が得られる。
D) エマルション剤(Emulsions)(EW、EO、ES)
25重量部の本活性化合物(群)を、35重量部のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれも5重量部)を加えて溶解させる。この混合物を、乳化装置(例えば、Ultraturax)を用いて30重量部の水中に導入し、均質なエマルションとする。水で希釈すると乳液が得られる。これにより、活性化合物(群)を25%(w/w)含む製剤が得られる。
E) フロアブル剤(Suspensions)(SC、OD、FS)
撹拌下にあるボールミル内で、20重量部の本活性化合物(群)に10重量部の分散剤、湿潤剤および70重量部の水または有機溶媒を添加して粉砕することにより、活性化合物(群)の微細懸濁液が得られる。水で希釈すると活性化合物(群)の安定した懸濁液が得られる。これにより、活性化合物(群)を20%(w/w)含む製剤が得られる。
F) 顆粒水和剤(Water-dispersible granules)および顆粒水溶剤(Water-soluble granules)(WG、SG)
50重量部の本活性化合物(群)に50重量部の分散剤および湿潤剤を添加して微粉砕し、専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床など)を用いて顆粒水和剤または顆粒水溶剤とする。水で希釈すると活性化合物(群)の安定な分散液または溶液が得られる。これにより、活性化合物(群)を50%(w/w)含む製剤が得られる。
G) 粉末水和剤(Water-dispersible powders)および粉末水溶剤(Water-soluble powders)(WP、SP、SS、WS)
ローター・ステーターミル(rotor-stator mill)内で、75重量部の本活性化合物(群)に25重量部の分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを添加して粉砕する。水で希釈すると活性化合物(群)の安定な分散液または溶液が得られる。これにより、活性化合物(群)を75%(w/w)含む製剤が得られる。
H) ゲル剤(GF)
撹拌下にあるボールミル内で、20重量部の本活性化合物(群)に10重量部の分散剤、1重量部のゲル剤、湿潤剤、および70重量部の水または有機溶媒を添加して粉砕することにより、活性化合物(群)の微細懸濁液が得られる。水で希釈すると活性化合物(群)の安定した懸濁液が得られる。これにより、活性化合物(群)を20%(w/w)含む製剤が得られる。
2. 葉面散布用の希釈せずに施用する製品。種子処理を目的とする場合、かかる製品は、希釈して種子に施用してもよいし、希釈せずに施用することもできる。
I) 散粉剤(Dustable powder)(DP、DS)
5重量部の本活性化合物(群)を微粉砕し、95重量部の微粉砕カオリンと充分に混合する。これにより、活性化合物(群)を5%(w/w)含む散粉製品(dustable product)が得られる。
J) 粒剤(Granules)(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の本活性化合物(群)を微粉砕し、95.5重量部の担体と組合せる。これにより、活性化合物(群)を0.5%(w/w)含む製剤が得られる。現在の方法は、押出、噴霧乾燥、または流動床である。これにより、葉面用の希釈せずに施用する粒剤が得られる。
K) ULV液剤(UL)
10重量部の本活性化合物(群)を、90重量部の有機溶媒(例えばキシレン)に溶解させる。これにより、葉面用の希釈せずに施用する、活性化合物(群)を10%(w/w)含む製品が得られる。
また、式Iの化合物は、植物繁殖材料(例えば種子)の処理にも適している。慣用の種子処理製剤としては、例えば、流動性濃縮剤(FS)、液剤(LS)、乾燥処理用粉剤(DS)、スラリー処理用粉末水和剤(WS)、粉末水溶剤(SS)およびエマルション剤(ESおよびEC)、ならびにゲル剤(GF)が挙げられる。これらの製剤は、種子に希釈して施用してもよいし、希釈しないで施用することもできる。種子への施用は、播種前、種子に直接、または予備発芽後に行う。
好ましい実施形態では、FS製剤を種子処理に用いる。典型的には、FS製剤は、1〜800g/Lの活性成分、1〜200g/Lの界面活性剤、0〜200g/Lの不凍剤、0〜400g/Lの結合剤、0〜200g/Lの着色剤、および1リットル以下の溶媒(好ましくは水)を含むことができる。
種子処理用の式Iの化合物の好ましい他のFS製剤は、0.5〜80wt%の活性成分、0.05〜5wt%の湿潤剤、0.5〜15wt%の分散剤、0.1〜5wt%の増粘剤、5〜20wt%の不凍剤、0.1〜2%の消泡剤、1〜20wt%の着色剤および/または色素、0〜15wt%の固着剤/付着剤、0〜75wt%の充填剤/ビヒクル、および0.01〜1wt%の防腐剤を含む。
本活性成分には、必要に応じて使用直前に、多種多様の油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺菌剤(fungicides)、他の殺有害生物剤、または殺細菌剤(bactericides)などを添加することができる(タンク混合)。これらの薬剤は、通常、本発明による製剤と1:10〜10:1の重量比で混合することができる。
式Iの化合物は、接触(土壌、ガラス、壁、蚊帳、カーペット、植物の各種部分または動物の各種部分を介した接触)、および摂食(餌または植物の各種部分)の両方を介して有効である。
アリ、シロアリ、カリバチ、ハエ、カ、コオロギまたはゴキブリなどに対する使用については、式Iの化合物を餌組成物で使用するのが好ましい。
餌は、液状、固形または半固形の調製物(例えばゲル)であってよい。固形の餌は、それぞれの施用に適した各種形状および形態(例えば粒状、ブロック状、スティック状、円盤状)に成形することができる。液状の餌は、適切な施用を確実に行うため、各種器具(例えば、オープン容器、スプレー器具、液滴発生器または蒸気発生器)へ充填することができる。ゲル状の餌は、水性マトリックスまたは油性マトリックスをベースとし、粘性、水分保持または経時特性の点から特定のニーズにあった製品に製剤化することができる。
本組成物で用いられる餌は、アリ、シロアリ、カリバチ、ハエ、カ、コオロギ等またはゴキブリなどの昆虫がそれを食べるよう刺激するのに十分な誘引性のある製品である。摂食刺激物質または性フェロモンを用いることにより誘引性を操作することができる。摂食刺激物質は、例えば、これらに限定されるものではないが、動物タンパク質および/または植物タンパク質(肉粉、魚粉または血粉、昆虫の各種部分、卵黄)から、動物および/または植物由来の油脂、あるいはモノ、オリゴまたはポリオルガノサッカライド類、特にスクロース、ラクトース、フルクトース、デキストロース、グルコース、デンプン、ペクチン、または糖蜜もしくは蜂蜜などから選択する。果物、作物、植物、動物、昆虫またはその特定部分の新鮮な部分または腐敗部分もまた摂食刺激物質としての役割を果たすことができる。性フェロモンはより昆虫に特異的であることが知られている。文献には特異的フェロモンが記載されており、当業者に公知である。
エアロゾル(例えばスプレー缶中のエアロゾル)、油性噴霧剤またはポンプ式噴霧剤としての式Iの化合物の製剤は、ハエ、ノミ、ダニ、カまたはゴキブリなどの有害生物の防除用として、一般の利用者に非常に適している。エアロゾル処方は、好ましくは、活性化合物、溶媒、例えば低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、沸点範囲が約50〜250℃のパラフィン族炭化水素(例えばケロシン)、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、水、さらに乳化剤などの補助剤、例えばソルビトールモノオレエート、3〜7molのエチレンオキシドを含むオレイルエトキシレート、脂肪アルコールエトキシレート、香油、例えばエーテル油、中級脂肪酸と低級アルコールのエステル、芳香族カルボニル化合物、必要に応じて安定剤、例えば安息香酸ナトリウム、両性界面活性剤、低級エポキシド、オルトギ酸トリエチル、さらに所望により噴射剤、例えばプロパン、ブタン、窒素、圧搾空気、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素またはこれらのガスの混合物からなる。
油性噴霧剤は、噴射剤を用いない点でエアロゾル処方とは異なる。
また、式Iの化合物およびその各組成物は、蚊取線香および燻し型線香(fumigating coil)、排煙カートリッジ、気化器(vaporizer plate)または長期間型気化器(long-term vaporizer)で、また虫取り紙、防虫パッド(moth pad)または他の非加熱性の気化器系統で用いることもできる。
また、式Iの化合物およびその各組成物で、昆虫によって伝搬される感染症(例えばマラリア、デング熱および黄熱病、リンパ性糸状虫症およびリーシュマニア症)を防除する方法は、小屋および住居の表面処理、空気噴霧、ならびにカーテン、テント、衣料品、蚊帳、ツェツェバエ用捕獲具等への含浸も含む。繊維、織物、ニットウェア、不織布、ネット状材料またはホイルおよび防水布へ施用するための殺虫剤組成物は、好ましくは、本殺虫剤を含み、場合により忌避剤および少なくとも1種の結合剤を含んでいる混合物を含む。好適な忌避剤は、例えば、N,N-ジエチル-メタ-トルアミド(DEET)、N,N-ジエチルフェニルアセトアミド(DEPA)、1-(3-シクロヘキサン-1-イル-カルボニル)-2-メチルピペリン、(2-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)酢酸ラクトン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、インダロン、メチルネオデカンアミド(MNDA)、昆虫防除で用いられていないピレスロイド、例えば、{(+/-)-3-アリル-2-メチル-4-オキソシクロペンタ-2-(+)-エニル-(+)-トランス-クリサンテメート(Esbiothrin)、植物抽出物由来の忌避剤または植物抽出物と同じ忌避剤、例えば、リモネン、オイゲノール、(+)-ユーカマロール(Eucamalol)(1)、(-)-1-epi-ユーカマロール、またはユーカリプツス・マクラタ(Eucalyptus maculata)、ビテックス・ロツンジホリア(Vitex rotundifolia)、シンボポガン・マルチニイ(Cymbopogan martinii)、シンボポガン・シトラツス(Cymbopogan citratus)(レモングラス)、シモポガン・ナルトズス(Cymopogan nartdus)(シトロネラ)などの植物から得た粗製植物抽出物である。好適な結合剤は、例えば、脂肪酸のビニルエステルのポリマーおよびコポリマー(例えば、ビニルアセテートおよびビニルベルサテート)、アルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、およびメチルアクリレート、モノエチレン系およびジエチレン系の不飽和炭化水素、例えばスチレン、ならびに脂肪族ジエン、例えばブタジエンから選択する。
カーテンおよび蚊帳への含浸は、一般に、その繊維材料を式Iで表される活性化合物のエマルションまたは分散液に浸漬することによるか、または蚊帳上にそれらを噴霧することにより行う。
植物繁殖材料、特に種子の処理で使用可能な方法は、基本的に、当技術分野で公知のすべて適切な種子処理技術、とりわけ種子粉衣法(seed dressing)、例えば種子コーティング法(例としては、種子ペレッティング法(seed pelleting))、種子散粉法(seed dusting)、および種子吸収法(seed imbibition)(例としては、種子浸漬法(seed soaking))である。ここで、「種子処理」とは、植物繁殖材料、特に種子と式Iの化合物とを互いに接触させるすべての方法を意味し、また種子処理法の「種子粉衣法」は、種子にある量の式Iの化合物を付与する、すなわち、式Iの化合物を含む植物繁殖材料、特に種子を得ることを意味する。基本的に、この処理は、植物繁殖材料(特に種子)の採取から植物繁殖材料(特に種子)の播種までのいずれの時期の植物繁殖材料(特に種子)にも施用することができる。植物繁殖材料、特に種子には、例えば「プランターボックス(planter's box)」法を用いて、植物繁殖材料(特に種子)の栽植の直前または栽植の際に処理することができる。しかし、この処理はまた、実質的な有効性の低下を認めることなく、種子の栽植の数週間から数ヶ月前(例えば12ヶ月前まで)の間に、例えば種子粉衣法処理の形態で行うこともできる。
当該処理を播種前の植物繁殖材料(特に播種前の種子)に施すと都合が良い。本明細書で使用する場合、「播種前の種子」という用語には、種子の採取から植物の発芽および成長を目的とした地中への種子の播種までの間のあらゆる時期の種子が含まれることを意味する。
特に、適切な装置(例えば、固体または固体/液体の混合パートナー用の混合装置)中で、植物繁殖材料(特に種子)を、所望する量の種子処理剤(そのものか、または水で事前希釈した後のもの)と、組成物が種子上に均一に分配されるまで混合させるという処理の手順が行われる。必要に応じて、この後、乾燥工程を行う。
式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩は、特に動物内および動物上の寄生生物を駆除するための使用にも適している。
したがって、本発明のさらなる目的は、動物内および動物上の寄生生物を防除するための新たな方法を提供することである。本発明の別の目的は、動物用のより安全な殺有害生物剤を提供することである。本発明の別の目的は、既存の殺有害生物剤よりも低用量で使用し得る動物用の殺有害生物剤をさらに提供することである。また本発明の別の目的は、長期にわたって残留して寄生生物を防除する動物用の殺有害生物剤を提供することである。
また本発明は、動物内および動物上の寄生生物を駆除するための、殺寄生生物有効量(parasiticidally effective amount)の式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩と、許容可能な担体とを含有する組成物に関する。
また本発明は、寄生生物による侵入および感染に対して動物を処置、管理、予防および保護するための非治療的方法であって、殺寄生生物有効量の式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩またはそれを含む組成物を部位(locus)に適用することを含んでなる方法も提供する。
また本発明は、寄生生物による侵入および感染に対して動物を処置、管理、予防および保護する方法であって、前記動物に殺寄生生物有効量の式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩またはそれを含む組成物を経口的、局所的または非経口的に投与または適用することを含んでなる方法も提供する。
寄生生物をその中または上で防除すべき用語「動物」は、哺乳動物および鳥類、ならびに魚類、爬虫類および両生類などの温血動物を指す。用語「寄生生物」は特に、哺乳動物および鳥類を含む温血動物に侵入または攻撃する可能性が高い無脊椎動物に関する。
また本発明は、寄生生物による侵入または感染に対して動物を処置、管理、予防または保護するために殺寄生生物有効量の式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩を、それを含む組成物に含めることを含む、寄生生物による侵入または感染に対して動物を処置、管理、予防および保護するための組成物の調製方法も提供する。
本発明はさらに、寄生生物による侵入または感染に対して動物を処置、管理、予防および保護するための式Iの化合物の使用に関する。
また本発明は、寄生生物による感染または侵入に対する動物の治療的処置のための医薬の製造のための、式Iの化合物またはそれを含む組成物の使用にも関する。
なお、農業有害生物に対する化合物の活性は、例えば、経口投与の場合には催吐のない低用量であって、動物との代謝適合性があり、低毒性で、安全な取り扱いを必要とする、動物内および動物上の内部寄生および外部寄生生物の防除に対する適性を示唆するものではない。
驚いたことに、式Iの化合物が、動物内および動物上の内部寄生生物および外部寄生生物を駆除するのに適していることが分かった。
式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩およびそれを含む組成物は、好ましくは、温血動物(ヒトを含む)および魚類をはじめとする動物における侵入および感染を管理および予防するために用いられる。例えばこれらは、哺乳動物、例えば、ウシ、ヒツジ、イノシシ(swine)、ラクダ、シカ、ウマ、ブタ(pig)、家禽類、ウサギ、ヤギ、イヌおよびネコ、水牛、ロバ、ダマジカおよびトナカイ、ならびにミンク、チンチラおよびアライグマなどの毛皮動物、雌鶏、ガチョウ、七面鳥およびアヒルなどの鳥類、マス、コイおよびウナギなどの淡水魚および塩水魚などの魚類における侵入および感染を管理および予防するのに適している。
式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩およびそれらを含む組成物は、好ましくは、イヌまたはネコなどのペット動物における侵入および感染を管理および予防するのに使用される。
温血動物および魚類への侵入には、これらに限定されるものではないが、シラミ、ハジラミ、ダニ、ハナバエ(nasal bots)、ヒツジシラミバエ、刺咬性ハエ(biting flies)、イエバエ、ハエ、ハエウジ幼虫(myiasitic fly larvae)、ツツガムシ、ブユ、カおよびノミが含まれる。
式Iの化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学上許容可能な塩およびそれを含む組成物は、外部寄生生物および/または内部寄生生物の全身性(systemic)防除および/または非全身性(non-systemic)防除に適する。これらは、成長のすべての段階または一部の段階に対して有効である。
式Iの化合物は、外部寄生生物の防除に特に有用である。
式Iの化合物は、それぞれ、以下の分類および種の寄生生物の駆除に特に有用である:
ノミ(ノミ(隠翅)目(Siphonatera))、例えば、ネコノミ(クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis))、イヌノミ(クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis))、ケオプスネズミノミ(キセノプシッラ・ケオプシス(Xenopsylla cheopsis))、ヒトノミ(プレックス・イリタンス(Pulex irritans))、スナノミ(ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans))、およびヨーロッパネズミノミ(ノソプシルルス・ファシアツス(Nosopsyllus fasciatus));
ゴキブリ類(ゴキブリ目−網翅目(Blattaria - Blattodea))、例えば、チャバネゴキブリ(ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica))、オキナワチャバネゴキブリ(ブラッテラ・アサヒネ(Blattella asahinae))、ワモンゴキブリ(ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ヤマトゴキブリ(ペリプラネタ・ジャポニカ(Periplaneta japonica))、トビイロゴキブリ(ペリプラネタ・ブルンネア(Periplaneta brunnea))、クロゴキブリ(ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa))、コワモンゴキブリ(ペリプラネタ・アウストララシエ(Periplaneta australasiae))、およびトウヨウゴキブリ(ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis))、
ハエ、カ類(双翅目(Diptera))の昆虫、例えば、ネッタイシマカ(アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti))、ヒトスジシマカ(アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus))、キンイロヤブカ(アエデス・ベキサンス(Aedes vexans))、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、アノフェレス・クルシアンス(Anopheles crucians)、アノフェレス・アルビマヌス(Anopheles albimanus)、ガンビエハマダラカ(アノフェレス・ガンビエ(Anopheles gambiae))、アノフェレス・フレエボルニ(Anopheles freeborni)、ハマダラカ(アノフェレス・ロイコスフィルス(Anopheles leucosphyrus))、コガタハマダラカ(アノフェレス・ミニムス(Anopheles minimus))、アノフェレス・クアドリマクラツス(Anopheles quadrimaculatus)、ホホアカクロバエ(カリホラ・ビシナ(Calliphora vicina))、クリソミア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラキス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マセラリア(Chrysomya macellaria)、サシバエ(クリソプス・ジスカリス(Chrysops discalis))、クリソプス・シラセア(Chrysops silacea)、クリソプス・アトランチクス(Chrysops atlanticus)、ラセンウジバエ(コクリオミイア・ホミニボラキス(Cochliomyia hominivorax))、ヒトクイバエ(コルジルオビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga))、クリコイデス・フレンス(Culicoides furens)、アカイエカ(クレックス・ピピエンス(Culex pipiens))、クレックス・ニグリパルプス(Culex nigripalpus)、ネッタイイエカ(クレックス・キンクファシアツス(Culex quinquefasciatus))、コガタアカイエカ(クレックス・タルサリス(Culex tarsalis))、クリセタ・イノルナタ(Culiseta inornata)、クリセタ・メラヌラ(Culiseta melanura)、ヒトヒフバエ(デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis))、ヒメイエバエ(ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis))、ウマバエ(ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis))、ツェツェバエ(グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans))、グロッシナ・パルパリス(Glossina palpalis)、グロッシナ・フスシペス(Glossina fuscipes)、グロッシナ・タキノイデス(Glossina tachinoides)、ノサシバエ(ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans))、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒッペラテス属の種(Hippelates spp.)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、レプトコノプス・トレンス(Leptoconops torrens)、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ヒツジキンバエ(ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina))、ヒロズキンバエ(ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata))、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マンソニア属の種(Mansonia spp.)、イエバエ(ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica))、オオイエバエ(ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans))、ヒツジバエ(オエストルス・オビス(Oestrus ovis))、サシチョウバエ(フレボトムス・アルゲンチペス(Phlebotomus argentipes))、プソロホラ・コルンビエ(Psorophora columbiae)、プソロホラ・ジスコロール(Psorophora discolor)、プロシムリウム・ミクスタム(Prosimulium mixtum)、サルコファガ・ヘモロイダリス(Sarcophaga haemorrhoidalis)、ニクバエ属の種(サルコファガ (Sarcophaga sp.))、シムリウム・ビッタツム(Simulium vittatum)、サシバエ(ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans))、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、タバヌス・アトラツス(Tabanus atratus)、タバヌス・リネオラ(Tabanus lineola)、およびタバヌス・シミリス(Tabanus similis);
シラミ(シラミ目(Phthiraptera))、例えば、アタマジラミ(ペジクルス・ヒューマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis))、コロモジラミ(ペジクルス・ヒューマヌス・コルポリス((Pediculus humanus corporis))、ケジラミ(プチルス・プビス((Pthirus pubis))、ウシジラミ(ヘマトピヌス・ユーリステルヌス((Haematopinus eurysternus))、ブタジラミ(ヘマトピヌス・スイス((Haematopinus suis))、ウシホソジラミ(リノグナツス・ビツリ((Linognathus vituli))、ウシハジラミ(ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis))、ニワトリハジラミ(メノポン・ガリナエ(Menopon gallinae))、ニワトリオオハジラミ(メナカンツス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus))、およびケブカウシジラミ(ソレノポテス・カピラツス(Solenopotes capillatus))、
ダニおよび寄生ダニ(Parasitiformes):ダニ(マダニ科)、例えば、クロアシマダニ(イキソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis))、オーストラリアマダニ(イキソデス・ホロシクルス(Ixodes holocyclus))、西部クロアシマダニ(イキソデス・パシフィクス(Ixodes pacificus))、リフィセファルス・サングイノイス(Rhiphicephalus sanguineus)、デルマセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、アメリカイヌカクダニ(デルマセントル・バリアビリス(Dermacentor variabilis))、アメリカキララマダニ(アンブリオンマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum))、アンブリオンマ・マクラツム(Ambryomma maculatum)、オルニトドルス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニトドルス・ツリカタ(Ornithodorus turicata)、および寄生ダニ(中気門亜目(Mesostigmata))、例えば、イエダニ(オルニトニッスス・バコチ(Ornithonyssus bacoti))およびワクモ(デルマニッスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae))、
ケダニ亜目(アクチネジダ(Actinedida(Prostigmata))およびコナダニ亜目(アカリジダ(Acaridida(Astigmata))の、例えば、アカラピス属の種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属の種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア属の種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属の種(Myobia spp.)、プソレルガテス属の種(Psorergates spp.)、デモデクス属の種(Demodex spp.)、トロムビクラ属の種(Trombicula spp.)、リストロホルス属の種(Listrophorus spp.)、アカルス属の種(Acarus spp.)、チロファグス属の種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属の種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属の種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属の種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属の種(Psoroptes spp.)、クオリオプテス属の種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属の種(Otodectes spp.)、サルコプテス属の種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属の種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属の種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属の種(Cytodites spp.)およびラミノシオプテス属の種(Laminosioptes spp.);
カメムシ亜目(ヘテロプテリダ(Heteropterida)):トコジラミ(シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ナンキンムシ(シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus))、レズビウス・セニリス(Reduvius senilis)、サシガメ(トリアトマ)属の種(Triatoma spp.)、ロドニウス属の種(Rhodnius spp.)、パンストロンギルス属の種(Panstrongylus spp.)およびアリルス・クリタツス(Arilus critatus)、
シラミ目(アノプルリダ(Anoplurida))、例えば、ブタジラミ(ヘマトピヌス)属の種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属の種(Linognathus spp.)、キモノジラミ(ペジクルス)属の種(Pediculus spp.)、ケジラミ(フチルス)属の種(Phtirus spp.)、およびソレノポテス属の種(Solenopotes spp.)、
ハジラミ目(マロファギダ(Mallophagida))(マルツノハジラミ(アンブリセリナ(Arnblycerina))亜目およびホソツノハジラミ(イスクノセリナ(Ischnocerina))亜目、例えば、トリメノポン属の種(Trimenopon spp.)、ニワトリハジラミ(メノポン)属の種(Menopon spp.)、カモハジラミ(トリノトン)属の種(Trinoton spp.)、ケモノハジラミ(ボビコラ)属の種(Bovicola spp.)、ウェルネツキエラ属の種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属の種(Lepikentron spp.)、イヌハジラミ(トリコデクテス)属の種(Trichodectes spp.)、およびネコハジラミ(フェリコラ)属の種(Felicola spp.)、
線虫類線虫綱(Roundworms Nematoda):
ワイプワーム(Wipeworm)および旋毛虫(毛管類(Trichosyringida))、例えば、鞭虫目(Trichinellidae)(旋毛虫属の種(Trichinella spp.))、(鞭虫科(Trichuridae))、イヌベンチュウ(トリクリス)属の種(Trichuris spp.)、モリモウサイセンチュウ(カピラリア)属の種(Capillaria spp.)、
杆線虫目(Rhabditida)、例えばカンセンチュウ(ラブディチス)属の種(Rhabditis spp.)、フンセンチュウ(ストロンギルオイデス)属の種(Strongyloides spp.)、ヘリセファロブス属の種(Helicephalobus spp.)、
円虫目(Strongylida)、例えばエンチュウ(ストロンギルス)属の種(Strongylus spp.)、コウチュウ(アンシロストマ)属の種(Ancylostoma spp.)、アメリカコウチュウ(ネカトール・アメリカヌス(Necator americanus))、ブノストーマム属の種(Bunostomum spp.)(十二指腸虫)、ウサギモウヨウセンチュウ(トリコストロンギルス)属の種(Trichostrongylus spp.)、ヘモンカス・コントリウス(Haemonchus contortus)、オステルタジア属の種(Ostertagia spp.)、クーペリア属の種(Cooperia spp.)、ネマトジルス属の種(Nematodirus spp.)、ディクチオカウルス属の種(Dictyocaulus spp.)、シアトストーマ属の種(Cyathostoma spp.)、腸結節虫(エソファゴストーマム)属の種(Oesophagostomum spp.)、ブタジンチュウ(ステファヌルス・デンタツス(Stephanurus dentatus))、オルラヌス属の種(Ollulanus spp.)、カベルチア属の種(Chabertia spp.)、ブタジンチュウ(ステファヌルス・デンタツス(Stephanurus dentatus))、気管開嘴虫(シンガムス・トラケア(Syngamus trachea))、コウチュウ(アンシルオストーマ)属の種(Ancylostoma spp.)、ウンシナリア属の種(Uncinaria spp.)、クロボセファルス属の種(Globocephalus spp.)、ネカトール属の種(Necator spp.)、ブタハイチュウ(メタストロンギルウス)属の種(Metastrongylus spp.)、毛細肺虫(ムエレリウス・カピラリス(Muellerius capillaris))、プロトストロンギルス属の種(Protostrongylus spp.)、住血線虫(アンギオストロンギルス)属の種(Angiostrongylus spp.)、パレラホストロンギルス属の種(Parelaphostrongylus spp.)、アレウロストロンギルス・アブストルスス(Aleurostrongylus abstrusus)、および腎虫(ジオクトフィーマ・レナーレ(Dioctophyma renale))、
腸線虫目(カイチュウ目(Ascaridida))、例えば回虫(アスカリス・ルンブリコイデス(Ascaris lumbricoides))、ブタ回虫(アスカリス・スウム(Ascaris suum))、トリ回虫(アスカリジア・ガリ(Ascaridia galli))、ウマ回虫(パラスカリス・エクォルム(Parascaris equorum))、蟯虫(エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)(線虫類)、イヌ回虫(トキソカラ・カニス(Toxocara canis))、イヌ小回虫(トキサスカリス・レオニン(Toxascaris leonine))、スクルジャビネマ属の種(Skrjabinema spp.)、およびウマ蟯虫(オキシウリス・エキ(Oxyuris equi))、
カマラヌス目(Camallanida)、例えばメジナ虫(ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis))(ギニア虫)、
旋尾線虫目(Spirurida)、例えばテラジア属の種(Thelazia spp.)、ブケレリア属の種(Wuchereria spp.)、ブルギア属の種(Brugia spp.)、オンコセルカ属の種(Onchocerca spp.)、ジロフィラリア属の種(Dirofilaria spp.)、ジペタロネーマ属の種(Dipetalonema spp.)、セタリア属の種(Setaria spp.)、エラエオホラ属の種(Elaeophora spp.)、血色食道虫(スピロセルカ・ルピ(Spirocerca lupi))、およびハブロネマ属の種(Habronema spp.)、
鉤頭虫目(鈎頭虫類(Acanthocephala))、例えばアカントセファルス属の種(Acanthocephalus spp.)、マクロアカントリンクス・ヒルジナコイス(Macracanthorhynchus hirudinaceus)、およびオンシコラ属の種(Oncicola spp.)、
プラナリア(扁形動物):
フルーク(吸虫綱(Trematoda))、例えばファシオラ属の種(Faciola spp.)、ファシオロイデス・マグナ(Fascioloides magna)、パラゴニムス属の種(Paragonimus spp.)、ジクロコエリウム属の種(Dicrocoelium spp.)、肥大吸虫(ファシオロプシス・ブスキ(Fasciolopsis buski))、肝吸虫(クロノルキス・シネンシス(Clonorchis sinensis))、スキストソマ属の種(Schistosoma spp.)、トリコビルハルジア属の種(Trichobilharzia spp.)、アラリア・アラタ(Alaria alata)、パラゴニムス属の種(Paragonimus spp.)、およびナノシエテス属の種(Nanocyetes spp.)、
セルコメロモルファ(Cercomeromorpha)、特に条虫目(条虫(Tapeworms))、例えばジフィロボトリウム属の種(Diphyllobothrium spp.)、テニア属の種(Tenia spp.)、エキノコッカス属の種(Echinococcus spp.)、ウリザネ条虫(ジピルイジウム・カニヌム(Dipylidium caninum))、ムルチセプス属の種(Multiceps spp.)、ヒメノレピス属の種(Hymenolepis spp.)、メソセストイド属の種(Mesocestoides spp.)、バンピロレピス属の種(Vampirolepis spp.)、モニエジア属の種(Moniezia spp.)、アノプロセファラ属の種(Anoplocephala spp.)、シロメトラ属の種(Sirometra spp.)、アノプロセファラ属の種(Anoplocephala spp.)、およびヒメノレピス属の種(Hymenolepis spp.)。
式Iの化合物およびそれらを含有する組成物は、特に双翅目、ノミ目およびマダニ目の有害生物の防除に特に有用である。
さらに、カを駆除するために、式Iの化合物およびそれらを含有する組成物を使用するのが特に好ましい。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、ハエを駆除するための式Iの化合物およびそれらを含有する組成物の使用である。
さらに、ノミを駆除するための式Iの化合物およびそれらを含有する組成物の使用が特に好ましい。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、ダニを駆除するための式Iの化合物およびそれらを含有する組成物の使用である。
また、式Iの化合物は、内部寄生生物(円虫線虫類、鉤頭虫およびプラナリア)の駆除に特に有用である。
式Iの化合物は、接触(土壌、ガラス、壁、蚊帳、カーペット、毛布または動物の各種部分を介した接触)、および摂食(例えば餌)の両方を介して有効であり得る。
本発明は、動物内および動物上の寄生生物を防除および/または駆除するための、式Iの化合物の治療的または非治療的使用に関する。
式Iの化合物は、動物を、殺寄生生物有効量の式Iの化合物と接触させることにより、寄生生物による攻撃または侵入から該動物を保護するために用いることができる。かかる場合、「接触させる」という用語は、直接接触(本化合物/組成物を寄生生物に直接適用すること(例えばその部位にも適用すること)また場合により本化合物/組成物を動物に直接投与すること)および間接接触(本化合物/組成物を寄生生物の部位に適用すること)の両方を包含する。寄生生物の部位への適用を介した寄生生物との接触は、式Iで表される化合物の非治療的使用の一例である。
上記で定義した「部位(locus)」は、生息地、餌供給源、繁殖地、区域、資材、または寄生生物が動物の外側で成長している、もしくは成長し得る環境を意味する。本発明の化合物は、有害生物または寄生生物の発生が予測される場所に予防的に施用することもできる。
動物への投与は、予防的にも治療的にも行なうことができる。
本活性化合物の投与は、直接的に、または好適な製剤の形態で、経口的、局所的/経皮的もしくは非経口的に行う。
温血動物への経口投与の場合、式Iの化合物は、動物飼料、動物飼料プレミックス、動物飼料濃縮物、丸剤、液剤、ペースト剤、懸濁剤、水薬(drenches)、ゲル剤、錠剤、ボーラス剤およびカプセル剤として製剤化することができる。さらに、式Iの化合物は、飲料水に入れて動物に投与することができる。経口投与の場合、選択した剤形は、1日当たり0.01mg/kg〜100mg/kg(動物体重)、好ましくは1日当たり0.5mg/kg〜100mg/kg(動物体重)の式Iの化合物を動物に与えることができるものでなければならない。
あるいは、式Iの化合物は、動物に非経口的に(例えば、第一胃内注入、筋肉内注射、静脈内注射、または皮下注射によって)投与することができる。式Iの化合物は、皮下注射用の生理学上許容可能な担体中に分散または溶解させることができる。あるいは、式Iの化合物は、皮下投与用のインプラントへ製剤化することができる。さらに、式Iの化合物は、動物に経皮的に投与してもよい。非経口投与の場合、選択した剤形は、1日当たり0.01mg/kg〜100mg/kg(動物体重)の式Iの化合物活を動物に与えることができるものでなければならない。
また式Iの化合物は、ディップ剤、散剤、粉剤、首輪(collars)、メダル(medallions)、噴霧剤、シャンプー、スポットオン剤、およびポアオン剤の剤形で、また軟膏剤または水中油型もしくは油中水型のエマルション剤で、動物に局所的に施用することもできる。局所適用の場合、ディップ剤および噴霧剤は、通常、式Iの化合物を0.5ppm〜5,000ppm、好ましくは1ppm〜3,000ppm含む。さらに、式Iの化合物は、動物(特にウシおよびヒツジなどの四足動物)用の耳標として製剤化することができる。
好適な製剤は次のとおりである:
液剤、例えば、経口液剤、希釈後に経口投与するための濃縮物、皮膚上または体腔内で使用するための液剤、滴下剤(pouring-on formulation)、ゲル剤;
経口投与または経皮投与用のエマルション剤および懸濁剤;半固形製剤;
活性化合物を軟膏基剤または水中油型もしくは油中水型エマルション基剤中で処理した製剤;
固形剤、例えば、粉剤、プレミックス剤または濃縮剤、粒剤、ペレット剤、錠剤、ボーラス剤、カプセル剤;エアロゾル剤および吸入剤、ならびに活性化合物を含有して成形した製品。
注射に適した組成物は、好適な溶媒中に活性成分を溶解させ、場合により酸、塩基、緩衝塩、防腐剤および溶解剤などのさらなる成分を添加することにより調製する。溶液は濾過し、無菌充填する。
好適な溶媒は生理学上許容可能な溶媒であって、例えば、水、アルカノール類、例えばエタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、N-メチルピロリドン、2-ピロリドン、およびこれらの混合物である。
本活性化合物は、場合によっては、注射に適した生理学的に耐容性の植物油または合成油に溶解させることができる。
好適な溶解剤は、主溶媒中での活性化合物の溶解を促進する溶媒、またはその沈殿を防止する溶媒である。例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチル化ヒマシ油およびポリオキシエチル化ソルビタンエステルである。
好適な防腐剤は、ベンジルアルコール、トリクロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸エステルおよびn-ブタノールである。
経口液剤は直接投与する。濃縮物は、使用濃度まで先に希釈した後、経口投与する。経口液剤および濃縮物は、当技術分野の最新技術に基づいて、また注射液剤に関して上述したように調製するが、滅菌工程は必須ではない。
皮膚上で使用する液剤は、皮膚上に滴下するか、塗布するか、擦り込むか、振りかけるか、スプレーする。
皮膚上で使用する液剤は、当技術分野の最新技術に基づいて、また注射液剤に関して上述したようにして調製するが、滅菌工程は必須ではない。
さらに好適な溶媒は、ポリプロピレングリコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、エステル類(例えば酢酸エチルまたは酢酸ブチル、安息香酸ベンジル)、エーテル類(例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールアルキルエーテル)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、芳香族炭化水素、植物油および合成油、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トランスクトール、ソルケタール、プロピレンカーボネート、ならびにこれらの混合物である。
調製時に増粘剤を添加することが有利なこともある。好適な増粘剤は、ベントナイト、コロイド状ケイ酸、モノステアリン酸アルミニウムなどの無機増粘剤、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびそのコポリマー、アクリレートおよびメタクリレートなどの有機増粘剤である。
ゲル剤は、皮膚に適用もしくは塗布するか、または体腔内に入れる。ゲル剤は、注射液剤の事例で記載したようにして調製した液剤を、軟膏様稠度を有する透明な物質を生成させるのに十分な増粘剤で処理することにより調製する。使用される増粘剤は、上記の増粘剤である。
ポアオン剤は皮膚の限定領域に振りかけるかスプレーされ、活性化合物が皮膚に浸透して全身的に作用する。
ポアオン剤は、好適な皮膚適合性溶媒または溶媒混合物中に活性化合物を溶解、懸濁または乳化させることにより調製する。適切な場合、着色剤、生体吸収促進物質、抗酸化剤、光安定剤、付着剤などの他の補助剤を添加する。
好適な溶媒は、次のとおりである:水、アルカノール、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、芳香族アルコール(例えば、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール)、エステル(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート、ベンジルベンゾエート)、エーテル(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールアルキルエーテル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、環状炭酸エステル(例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート)、芳香族および/または脂肪族の炭化水素、植物油または合成油、DMF、ジメチルアセトアミド、N-アルキルピロリドン(例えば、メチルピロリドン、N-ブチルピロリドンまたはN-オクチルピロリドン、N-メチルピロリドン、2-ピロリドン)、2,2-ジメチル-4-オキシ-メチレン-1,3-ジオキソラン、ならびにグリセロールホルマール。
好適な着色剤は、動物への使用許可がおりており、かつ溶解または懸濁が可能なすべての着色剤である。
好適な吸収促進物質は、たとえば、DMSO、展延油、例えば、イソプロピルミリステート、ジプロピレングリコールペラルゴネート、シリコーン油およびそれとポリエーテルとのコポリマー、脂肪酸エステル、トリグリセリド、脂肪アルコールである。
好適な抗酸化剤は、亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸塩(例えばメタ重亜硫酸カリウム)、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロールである。
好適な光安定剤は、例えばノバンチゾール酸(Novantisolic acid)である。
好適な付着剤は、例えば、セルロース誘導体、デンプン誘導体、ポリアクリレート、天然ポリマー類、例えばアルギネート、ゼラチンである。
エマルション剤は、経口的に、経皮的に、または注射剤として投与可能である。
エマルション剤は、油中水型または水中油型のいずれかである。
これらは、疎水性相中または親水性相中のいずれかに活性化合物を溶解させることと、および好適な乳化剤、適切であれば他の補助剤(例えば、着色剤、吸収促進物質、防腐剤、抗酸化剤、光安定剤、増粘物質)により、これを他方の相の溶媒と均質化させることにより調製する。
好適な疎水性相(油)は、以下のとおりである:
流動パラフィン、シリコーン油、天然植物油(例えば、ゴマ油、アーモンド油、ヒマシ油)、合成トリグリセリド(例えば、カプリル酸/カプリン酸ビグリセリド、鎖長C8-C12の植物性脂肪酸または他の特に選択された天然脂肪酸のトリグリセリド混合物、ヒドロキシル基も含有し得る飽和もしくは不飽和の脂肪酸の部分グリセリド混合物、C8-C10脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸エステル(例えば、エチルステアレート、ジ-n-ブチリルアジペート、ヘキシルラウレート、ジプロピレングリコールペラルゴネート、中鎖長の分枝状脂肪酸と鎖長C16-C18の飽和脂肪アルコールとのエステル、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、鎖長C12-C18の飽和脂肪アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、イソプロピルステアレート、オレイルオレエート、デシルオレエート、エチルオレエート、エチルラクテート)、ワックス状脂肪酸エステル(例えば、合成アヒル尾骨腺脂肪、ジブチルフタレート、ジイソプロピルアジペート)、および後者に関連するエステル混合物、脂肪アルコール(例えば、イソトリデシルアルコール、2-オクチルドデカノール、セチルステアリルアルコール、オレイルアルコール)、および脂肪酸(例えばオレイン酸)、ならびにこれらの混合物。
好適な親水性相は、次のとおりである:水、アルコール、例えばプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、およびこれらの混合物。
好適な乳化剤は、以下のとおりである:非イオン性界面活性剤(例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチルステアレート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル);
両性界面活性剤(例えば、ジナトリウム N-ラウリル-p-イミノジプロピオネートまたはレシチン);アニオン性界面活性剤(例えば、ナトリウムラウリルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、モノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルモノエタノールアミン塩);
カチオン活性界面活性剤(例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド)。
好適なさらなる補助剤は、以下のとおりである:粘度を増大させてエマルションを安定化させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、および他のセルロース、ならびにデンプン誘導体、ポリアクリレート、アルギネート、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、ポリエチレングリコール、ワックス、コロイド状ケイ酸、または記載した物質の混合物。
懸濁剤は、経口的または局所的/経皮的に投与可能である。懸濁剤は、必要に応じて他の補助剤(例えば、湿潤剤、着色剤、生体吸収促進物質、防腐剤、抗酸化剤、光安定剤)を添加して、懸濁化剤中に活性化合物を懸濁させることにより調製する。
液体懸濁化剤は、すべての均質溶媒および溶媒混合物である。
好適な湿潤剤(分散剤)は、上記の乳化剤である。
他の補助剤として挙げることができるのは、上記の補助剤である。
半固形製剤は、経口的または局所的/経皮的に投与することが可能である。半固形製剤は、その粘度がより高いという点だけが上記の懸濁剤やエマルション剤と異なる。
固体製剤を製造する場合、活性化合物は、必要に応じて補助剤を添加して、好適な賦形剤と混合し、所望の剤形に製造する。
好適な賦形剤は、すべての生理学的に耐容性の固体不活性物質である。使用される物質は、無機物質および有機物質である。無機物質は、例えば、塩化ナトリウム、炭酸塩(例えば炭酸カルシウム)、炭酸水素塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸、陶土、沈降シリカもしくはコロイドシリカ、またはリン酸塩である。有機物質は、例えば、糖、セルロース、食品材料および飼料、例えば、粉乳、動物性ミール、穀物性ミールおよびシュレッド、デンプンである。
好適な補助剤は、上述の防腐剤、抗酸化剤、および/または着色剤である。
他の好適な補助剤は、滑沢剤および流動促進剤(例えば、マグネシウムステアレート、ステアリン酸、タルク、ベントナイト)、崩壊促進物質(例えば、デンプンまたは架橋ポリビニルピロリドン)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、または直鎖ポリビニルピロリドン)、および乾燥結合剤(例えば微結晶性セルロース)である。
一般に、「殺寄生生物有効量」とは、成長に対する観察可能な作用(ネクローシス、死滅、遅延、阻止、および除去、破壊の作用を含む)を得るために必要とされる活性成分の量、さもなければ、標的生物の発生および活性を減じるのに必要とされるその量を意味する。殺寄生生物有効量は、本発明で用いられる種々の化合物/組成物ごとに異なり得る。本組成物の殺寄生生物有効量はまた、一般的条件(例えば、所望の殺寄生生物効果およびその持続期間、標的種、適用方法など)によっても異なる。
本発明で使用可能な組成物は、一般的には、式Iの化合物を約0.001〜95%含み得る。
一般的には、式Iの化合物は、1日あたり0.5mg/kg〜100mg/kg、好ましくは1日あたり1mg/kg〜50mg/kgの総量で適用するのが有利である。
直ぐに利用可能な調製物は、寄生生物(好ましくは外部寄生生物)に作用する本化合物を、10ppm〜80重量パーセント、好ましくは0.1〜65重量パーセント、より好ましくは1〜50重量パーセント、最も好ましくは5〜40重量パーセントの濃度で含有する。
使用前に希釈する調製物は、外部寄生生物に作用する本化合物を、0.5〜90重量パーセント、好ましくは1〜50重量パーセントの濃度で含有する。
さらに、本調製物は、内部寄生生物に作用する式Iの化合物を、10ppm〜2重量パーセント、好ましくは0.05〜0.9重量パーセント、極めて特に好ましくは0.005〜0.25重量パーセントの濃度で含む。
本発明の好ましい実施形態では、式Iの化合物を含む組成物は、経皮的/局所的に適用される。
さらに好ましい実施形態では、局所施用は、首輪、メダル、耳標、生体部分に固定するバンド、ならびに付着性のストリップおよびホイルなどの化合物含有成形品の形態で行われる。
一般的には、式Iの化合物を3週間にわたり10mg/kg〜300mg/kg、好ましくは20mg/kg〜200mg/kg、最も好ましくは25mg/kg〜160mg/kg(処理動物体重)の総量で放出する固体製剤を適用するのが有利である。
成形品を調製する場合、熱可塑性プラスチックおよび可撓性プラスチックならびにエラストマーおよび熱可塑性エラストマーを用いる。好適なプラスチックおよびエラストマーは、式Iの化合物との十分な相溶性を有する、ポリビニル樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、セルロース、セルロース誘導体、ポリアミド、およびポリエステルである。プラスチックおよびエラストマーの詳細なリストならびに成形品の調製法は、例えば、WO 03/086075に記載されている。
また、本発明により用いられる組成物は、他の活性成分、例えば他の殺有害生物剤(pesticides)、殺虫剤(insecticides)、除草剤、殺菌剤、他の殺有害生物剤、または殺細菌剤、肥料(例えば硝酸アンモニウム、尿素、炭酸カリウムおよび過リン酸塩など)、ならびに植物毒性剤および植物成長調節剤、毒性緩和剤および殺線虫剤を含んでいてもよい。これらの追加成分は、上記の組成物と逐次的に、または組み合わせて使用することができるが、適切な場合には、使用直前に添加することもできる(タンク混合)。例えば、植物に、他の活性成分を用いた処理の前または後のいずれかに、本発明の組成物を散布することができる。
これらの薬剤は、本発明により使用される薬剤に1:10〜10:1の重量比で混合することができる。式Iの化合物または殺有害生物剤としての使用形態でそれらを含む組成物を他の殺有害生物剤と混合すると、より広い殺有害生物作用スペクトルが得られることが多い。
本発明による化合物と一緒に使用することが可能であり、有望な相乗効果が得られる可能性のある下記の殺有害生物剤のリストMは、可能性のある組合せを示すことを意図するものであって、いかなる限定を課すことも意図するものではない:
M.1. 有機(チオ)ホスフェート:アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、クロレトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタンホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリンホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホンおよびバミドチオン;
M.2. カルバメート系:アルジカルブ、アラニカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブおよびトリアザメート;
M.3. ピレスロイド系:アクリナトリン、アレトリン、d-シス-トランスアレトリン、d-トランスアレトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオアレトリンS-シルクロペンテニル、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エンペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリナート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン、フェノトリン、プラレトリン、プロフルトリン、ピレトリン(ピレスリン)、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリンおよびトランスフルトリン;
M.4. 幼若ホルモン様物質(mimic):ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、フェノキシカルブおよびピリプロキシフェン;
M.5. ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:アセタミプリド、ベンスルタップ、カルタップヒドロクロリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、ニコチン、スピノサド(アロステリックアゴニスト)、スピネトラム(アロステリックアゴニスト)、チアクロプリド、チオシクラム、チオスルタップナトリウムおよびAKD 1022:
M.6. GABA作動性クロリドチャネルアンタゴニスト化合物:クロルデン、エンドスルファン、ガンマ-HCH(リンデン);エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロールおよびピリプロール;
M.7. クロリドチャネル活性化因子:アバメクチン、エマメクチンベンゾエート、ミルベメクチン、レピメクチン;
M.8. METI I化合物:フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム、ロテノン;
M.9. METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
M.10. 酸化的リン酸化の脱共役剤:クロルフェナピル、DNOC;
M.11. 酸化的リン酸化の阻害剤:アゾシクロチン、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット、テトラジホン;
M.12. 脱皮撹乱物質:シロマジン、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;
M.13. 相乗剤(Synergist):ピペロニルブトキシド、トリブホス;
M.14. ナトリウムチャンネル遮断薬化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
M.15. 燻蒸剤:メチルブロミド、クロロピクリンフッ化スルフリル;
M.16. 選択的摂食阻害薬(Selective feeding blocker):クリロチエ、ピメトロジン、フロニカミド;
M.17. ダニ成長阻害剤:クロフェンテジン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール;
M.18. キチン合成阻害剤:ブプロフェジン、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;
M.19. 脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
M.20. オクタパミン作動性(octapaminergic)アゴニスト:アミトラズ;
M.21. リアノジン受容体モジュレーター:フルベンジアミド、(R)-,(S)-3-クロロ-N1-{2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオルメチル)エチル]フェニル)}-N2-(1-メチル-2-メチルスルホニルエチル)-フタラミド (M21.1);
M.22. 各種薬剤:リン化アルミニウム、アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ホウ砂、ブロモプロピレート、シアン化物、シエノピラフェン、シフルメトフェン、キノメチオネート、ジコホール、フルオロアセタート、ホスフィン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、硫黄、有機硫黄化合物、吐酒石、スルホキサフロール、4-ブタ-2-イニルオキシ-6-(3,5-ジメチル-ピペリジン-1-イル)-2-フルオロ-ピリミジン(M22.1)、3-ベンゾイルアミノ-N-[2,6-ジメチル-4-(1,2,2,2-テトラフルオロ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-2-フルオロ-ベンズアミド(M22.2)、4-[5-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-イル]-2-メチル-N-ピリジン-2-イルメチル-ベンズアミド(M22.3)、4-[5-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-イル]-2-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-ベンズアミド(M22.4)、4-[5-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-イル]-2-メチル-N-チアゾール-2-イルメチル-ベンズアミド(M22.5)、4-[5-(3,5-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-イル]-2-メチル-N-(テトラヒドロフラン-2-イルメチル)-ベンズアミド(M22.6)、
4-{[(6-ブロモピリド-3-イル)メチル](2-フルオロエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.7)、
4-{[(6-フルオロピリド-3-イル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.8)、
4-{[(2-クロロ-1,3-チアゾロ-5-イル)メチル](2-フルオロエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.9)、
4-{[(6-クロロピリド-3-イル)メチル](2-フルオロエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.10)、
4-{[(6-クロロピリド-3-イル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.11)、
4-{[(6-クロロ-5-フルオロピリド-3-イル)メチル](メチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.12)、
4-{[(5,6-ジクロロピリド-3-イル)メチル](2-フルオロエチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.13)、
4-{[(6-クロロ-5-フルオロピリド-3-イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.14)、
4-{[(6-クロロピリド-3-イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.15)、
4-{[(6-クロロピリド-3-イル)メチル](メチル)アミノ}フラン-2(5H)-オン(M22.16)、
シクロプロパン酢酸、1,1'-[(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-4-[[(2-シクロプロピルアセチル)オキシ]メチル]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-12-ヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-3,6-ジイル]エステル(M22.17)、
8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-メチル-フェノキシ)-3-(6-メチル-ピリダジン-3-イル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(M22.18);
M.23. N-R'-2,2-ジハロ-1-R''シクロ-プロパンカルボキサミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)ヒドラゾンまたはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオンアミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-ヒドラゾン(式中、R'はメチルまたはエチルであり、ハロはクロロまたはブロモであり、R''は水素またはメチルであり、R'''はメチルまたはエチルである);
M.24. アントラニルアミド系:クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール;5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸[4-シアノ-2-(1-シクロプロピル-エチルカルバモイル)-6-メチル-フェニル]-アミド(M24.1)、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸[2-クロロ-4-シアノ-6-(1-シクロプロピル-エチルカルバモイル)-フェニル]-アミド(M24.2)、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸[2-ブロモ-4-シアノ-6-(1-シクロプロピル-エチルカルバモイル)-フェニル]-アミド(M24.3)、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸[2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロピル-エチルカルバモイル)-フェニル]-アミド(M24.4)、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸[2,4-ジクロロ-6-(1-シクロプロピル-エチルカルバモイル)-フェニル]-アミド(M24.5)、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸[4-クロロ-2-(1-シクロプロピル-エチルカルバモイル)-6-メチル-フェニル]-アミド(M24.6)、
M.25. マロノニトリル化合物:CF2HCF2CF2CF2CH2C(CN)2CH2CH2CF3、(2-(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル)-2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピル)マロノニトリル)、CF2HCF2CF2CF2CH2C(CN)2CH2CH2CF2CF3、(2-(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル)-2-(3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル)-マロノジニトリル);
M.26. 微生物撹乱物質(Microbial disruptors):バチルス・スリンギエンシス亜種イスラエレンシ(Bacillus thuringiensis subsp. Israelensi)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バチルス・スリンギエンシス亜種アイザワイ(Bacillus thuringiensis subsp. Aizawai)、バチルス・スリンギエンシス亜種クルスタキ(Bacillus thuringiensis subsp. Kurstaki)、バチルス・スリンギエンシス亜種テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subsp. Tenebrionis)。
群Mの市販化合物は、いくつかある刊行物の中で特にThe Pesticide Manual, 第13版, British Crop Protection Council (2003)で確認することができる。
式M6.1のチオアミドおよびその製法は、WO 98/28279に記載されている。レピメクチンは、Agro Project, PJB Publications Ltd, November 2004により公知である。ベンクロチアズとその製造法は、EP-A1 454621に記載されている。メチダチオンおよびパラオクソンならびにそれらの製造法は、Farm Chemicals Handbook, 第88巻, Meister Publishing Company, 2001に記載されている。アセトプロールおよびその製造法は、WO 98/28277に記載されている。メタフルミゾンとその製造法は、EP-A1 462 456に記載されている。フルピラゾホスは、Pesticide Science 54, 1988, p.237〜243、およびUS 4822779に記載されている。ピラフルプロールとその製造法は、JP 2002193709およびWO 01/00614に記載されている。ピリプロールとその製造法は、WO 98/45274およびUS 6335357に記載されている。アミドフルメトとその製造法は、US 6221890およびJP 21010907に記載されている。フルフェネリムとその製造法は、WO 03/007717およびWO 03/007718に記載されている。AKD 1022およびその製造法は、US 6300348に記載されている。クロラントラニリプロールは、WO 01/70671、WO 03/015519およびWO 05/118552に記載されている。シアントラニリプロールは、WO 01/70671、WO 04/067528およびWO 05/118552に記載されている。アントラニルアミドM 24.1〜M 24.6は、WO 2008/72743およびWO 200872783に記載されている。フタラミドM 21.1は、WO 2007/101540から公知である。シフルメトフェンおよびその製造法は、WO 04/080180に記載されている。アミノキナゾリノン化合物ピリフルキナゾンは、EP A 109 7932に記載されている。スルホキシミンスルホクサフロールは、WO 2006/060029およびWO 2007/149134に記載されている。アルキニルエーテル化合物M22.1は、例えば、JP 2006131529に記載されている。有機硫黄化合物は、WO 2007060839に記載されている。カルボキサミド化合物M 22.2は、WO 2007/83394から公知である。オキサゾリン化合物M 22.3〜M 22.6は、WO 2007/074789に記載されている。フラノン化合物M 22.7〜M 22.16は、例えば、WO 2007/115644に記載されている。ピリピロペン(pyripyropene)誘導体M 22.17は、WO 2008/66153およびWO 2008/108491に記載されている。ピリダジン化合物M 22.18は、JP 2008/115155に記載されている。マロノニトリル化合物は、WO 02/089579、WO 02/090320、WO 02/090321、WO 04/006677、WO 05/068423、WO 05/068432およびWO 05/063694に記載されている。
殺菌混合パートナーは、以下からなる群から選択されるものである:
アシルアラニン類、例えばベナラキシル、メタラキシル、オフラース、オキサジキシル;
アミン誘導体、例えばアルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミン、トリデモルフ;
アニリノピリミジン類、例えばピリメタニル、メパニピリムまたはシロジニル(cyrodinyl);
抗生物質、例えばシクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシンまたはストレプトマイシン;
アゾール類、例えばビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニトロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキコナゾール(fluquiconazole)、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、フルトリアホール;
ジカルボキシミド類、例えばイプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
ジチオカーバメート類、例えばファーバム、ナバム、マネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカーバメート、チラム、ジラム、ジネブ;
複素環式化合物、例えばアニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモール、フベリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモル、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファナート-メチル、チアジニル、トリシクラゾール、トルホリン;
銅殺菌剤、例えばボルドー液、酢酸銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅;
ニトロフェニル誘導体、例えばビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン、ニトロフタリソプロピル(nitrophthalisopropyl);
フェニルピロール類、例えばフェンピクロニルまたはフルジオキソニル;
硫黄、
他の殺菌剤、例えばアシベンゾラル-S-メチル、ベンチアバリカルブ、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカルブ、エジフェンホス、エタボキサム、フェンヘキサミド、酢酸フェンチン、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシクロン、プロパモカルブ、フタリド、トロクロホス-メチル、キントゼン、ゾキサミド;
ストロビルリン類、例えばアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビンまたはトリフロキシストロビン;
スルフェン酸誘導体、例えばカプタホール、カプタン、ジクロフルアニド、フォルペト、トリルフルアニド;
シンネムアミド類(cinnemamides)および類似体、例えばジメトモルフ、フルメトバールまたはフルモルフ。
動物有害生物(すなわち、節足動物および線虫)、植物、植物が生育している土壌または水は、当技術分野で公知の任意の施用方法によって、式Iで表される本化合物(群)またはそれを含有する組成物(群)と接触させることができる。かかる場合、「接触(させること)」とは、直接的な接触(本化合物/組成物を動物有害生物または植物に、一般的には植物の葉、幹または根に、直接施用すること)と、間接的な接触(本化合物/組成物を動物有害生物または植物の部位(locus)に施用すること)の両方を含む。
さらに動物有害生物は、標的とする有害生物、その食糧、生息地、繁殖場所またはその部位を、殺有害生物有効量の式Iの化合物と接触させることにより防除することができる。かかる場合、施用は、その部位、生育中の作物または収穫された作物に有害生物が感染する前後に行うことができる。
「部位(locus)」は、有害生物または寄生生物が生育しているか、または生育する可能性のある生息地、繁殖場所、栽培植物、植物繁殖材料(例えば種子)、土壌、区域、材料または環境を意味する。
一般に、「殺有害生物有効量」とは、成長に対する観察可能な効果(ネクローシス、死滅、遅延、予防、および除去、破壊の作用を含む)を得るために必要とされる活性成分の量、さもなければ、標的生物の発生および活性を減じるのに必要とされるその量を意味する。殺有害生物有効量は、本発明で用いられる各種化合物/組成物によって変わり得る。また本組成物の殺有害生物有効量は、例えば、所望の殺有害生物作用および持続期間、天候、標的種、部位、施用方法等の一般的な条件によっても変わるだろう。
式Iの化合物およびその組成物は、アリおよび/またはシロアリから、木製資材(例えば木、板塀、枕木など)、および建物(例えば家、離れ家、製造所など)、また建築資材、家具、皮革、繊維、ビニル物品、電線、ケーブル等を保護するため、ならびに作物またはヒトに危害を加えること(例えば、有害生物が家屋や公共施設へ侵入する場合など)からアリおよびシロアリを防除するために用いることができる。本化合物は、木製資材を保護するために周囲の土壌表面または床下の土壌へ施用されるだけでなく、床下のコンクリートの表面、アルコーブポスト、梁、合板、家具等のような材木品、削片板、ハーフボードなどの木製品、およびコーティングされている電線、ビニルシートなどのビニル製品、発泡スチロールなどの断熱材などにも施用することができる。作物またはヒトへ危害を加えるアリに対して施用する場合には、本発明のアリ防除剤は、作物または周囲の土壌に施用するか、直接アリの巣等に施用する。
また式Iの化合物は、有害生物の発生が予想される場所に予防的に適用することができる。
また式Iの化合物は、植物を殺有害生物有効量の式Iの化合物と接触させることにより、有害生物による攻撃または侵入から生育中の植物を保護するために用いることもできる。かかる場合、「接触(させること)」とは、直接的な接触(本化合物/組成物を有害生物および/または植物に、一般的には植物の葉、幹または根に、直接施用すること)と、間接的な接触(本化合物/組成物を有害生物および/または植物の部位に施用すること)の両方を含む。
土壌処理の場合または有害生物の生息地もしくは巣へ施用する場合、活性成分の量は、100m2当たり0.0001〜500g、好ましくは100m2当たり0.001〜20gの範囲である。
資材保護における慣用の施用率は、例えば、処理する資材1m2当たり0.01g〜1000g、望ましくは1m2当たり0.1g〜50gの活性化合物である。
資材の含浸で使用する場合の殺虫剤組成物は、一般に0.001〜95重量%、好ましくは0.1〜45重量%、さらに好ましくは1〜25重量%の少なくとも1種の忌避剤および/または殺虫剤を含有する。
餌組成物で使用する場合には、活性成分の典型的な含有量は、0.001重量%〜15重量%、望ましくは0.001重量%〜5重量%の活性化合物である。
噴霧剤組成物で使用する場合には、活性成分の含有量は、0.001〜80重量%、好ましくは0.01〜50重量%、最も好ましくは0.01〜15重量%である。
作物の処理で使用する場合には、本発明の活性成分の施用量は、1ヘクタール当たり0.1g〜4000g、望ましくは1ヘクタール当たり25g〜600g、さらに望ましくは1ヘクタール当たり50g〜500gの範囲であってもよい。
種子処理においては、本活性成分の施用率は、通常、種子100kg当たり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kg当たり1g〜5kg、特に種子100kg当たり1g〜200gである。
ここで本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
A) 調製実施例
式Iの化合物を、連結した高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)により、NMRにより、またはそれら化合物の融点によって特性決定した。HPLC:RP-18カラム(Merck KgaA(ドイツ)製のChromolith Speed ROD)。溶離:アセトニトリル + 0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/水 + 0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)(5分間で5:95〜95:5の比率まで、40℃)。MS:四重極(Quadrupol)エレクトロスプレーイオン化、80V(正イオンモード)。
A.1) 式Iの化合物の調製
実施例7:[5-(4-ブロモ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-3H-ピロール-2-イル]-(1,2-ジフェニル-エチル)-アミン(表Iの化合物実施例7)
1,2-ジフェニル-エチルアミン(500mg、2.5mmol)および2-(4-ブロモ-フェニル)-5-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール(770mg、3.04mmol)を含むイソプロパノール(3mL)の溶液を、マイクロ波照射(300W)下で、150℃で1時間攪拌した。結果として得られた懸濁液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー精製(NH2修飾したSiO2、シクロヘキサン/酢酸エチル勾配)すると、580mg(55%)の所望の生成物が無色の固体として得られた。
以下の表Iに示される式I.1で表される化合物(実施例1〜19)(式中、(R1)n、(R2)m、R5a、R5b、R5cおよびR5dは、互いに独立して、表Iに記載される意味の1つを有する)は、前に示した調製実施例1と同様にして調製した。
表I:
Figure 2012502009
Figure 2012502009
Figure 2012502009
B) 生物学的実施例
有害生物に対する作用
有害生物に対する一般式IおよびIIの化合物の作用を、下記の実験によって評価した。
I. ワタアブラムシ(Cotton aphid)(アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii)
活性化合物を50:50のアセトン:水と100ppmのKinetic(登録商標)界面活性剤中で製剤化した。
子葉段階のワタ植物(品種「Delta Pine」)に、研究室で飼育された約100匹のアブラムシを、寄生された葉の切片を試験植物の上に置くことによって寄生させる。この葉切片は24時間後に取り除く。完全植物体の子葉を試験化合物の勾配溶液に浸漬する。比較用植物上のアブラムシの死亡率に対する処理植物上のアブラムシの死亡率を5日後に測定する。
この試験では、300ppmの実施例8、17、18および19の化合物が、未処理の対照と比較して75%を超える死亡率を示した。
II. モモアカアブラムシ(Green Peach Aphid)(ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae))
活性化合物を50:50のアセトン:水と100ppmのKinetic(登録商標)界面活性剤中で製剤化した。
第2葉対段階のピーマン植物(品種「California Wonder」)に、研究室で飼育された約40匹のアブラムシを、寄生された葉の切片を試験植物の上に置くことによって寄生させる。この葉切片は24時間後に取り除く。完全植物体の葉を試験化合物の勾配溶液に浸漬する。比較用植物上のアブラムシの死亡率に対する処理植物上のアブラムシの死亡率を5日後に測定する。
この試験では、2500ppmの実施例8、9、12、15、16、17、18および19の化合物がそれぞれ、未処理の対照と比較して90%を超える死亡率を示した。
III. ササゲアブラムシ(Cowpea aphid)(アフィス・クラキボラ(Aphis craccivora))
活性化合物を50:50のアセトン:水と100ppmのKinetic(登録商標)界面活性剤中で製剤化した。
様々な段階にある100〜150匹のアブラムシにコロニー形成された鉢植えのササゲ植物に、この有害生物の個体数を記録した後でスプレーした。24、72および120時間後に個体数の減少を記録した。
この試験では、300ppmの実施例8、15および16の化合物がそれぞれ、未処理の対照と比較して90%を超える死亡率を示した。
IV. シルバーリーフコナジラミ(Silverleaf whitefly)(ベミシア・アルゲンチホリイ(bemisia argentifolii)、成虫)
活性化合物を50:50のアセトン:水と100ppmのKinetic(登録商標)界面活性剤中で製剤化した。
選択したワタ植物を子葉段階まで生育させた(1鉢につき1植物)。この子葉を試験溶液に浸漬して葉を完全に覆い、通気のよい場所に置いて乾燥させた。処理した苗木が植えられている各鉢をプラスチック製のカップの中に置き、10〜12匹のコナジラミの成虫(約3〜5日齢)を入れた。これらの虫は、吸引装置と、バリヤーピペットチップに接続した0.6cmの非毒性Tygon(登録商標)管(R-3603)を使用して採集した。その後、採集された虫を含むチップを、処理済みの植物が植えられている土壌に穏やかに挿入し、虫をチップから這い出させて食餌用の葉に到達させた。カップは、再利用可能な遮蔽蓋(Tetko Inc製の、150ミクロンメッシュのポリエステルスクリーンPeCap)で覆った。試験植物は、蛍光照明(24時間光周期)への直接曝露を避けてカップ内に熱がこもるのを防ぎながら、約25℃、相対湿度約20〜40%の保持室内で3日間保持した。死亡率は、植物を処理してから3日後に評価した。
この試験では、300ppmの実施例8、18および19の化合物がそれぞれ、未処理の対照と比較して70%を超える死亡率を示した。

Claims (24)

  1. 一般式I:
    Figure 2012502009
    (式中、
    nは、0、1、2、3、4または5であり;
    mは、0、1、2、3、4または5であり;
    R1、R2は、それぞれ独立して、以下からなる群:
    ハロゲン、CN、N3、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル[この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または1、2もしくは3個の基R#の任意の組み合わせを有していてもよい]、
    -C(=O)Ra、-C(=S)Ra、-C(=NRf)Ra、-C(=NRf)ORb、-C(=NRf)NRcRd、-C(=NRf)SRe、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、-C(=O)SRe、-C(=S)ORb、-C(=S)NRcRd、-C(=S)SRe、-ORb、-O-C(=O)Ra、-O-C(=O)ORb、-O-C(=O)-NRcRd、-O-C(=O)SRe、-SRe、-S(=O)Re、-S(=O)2Re、-S(=O)2ORb、-S(=O)2NRcRd、-NRcRd、-NRf-C(=O)Ra、-NRf-C(=O)ORb、-NRf-C(=O)NRcRd、-N=CRaRa'、-NRf-NRcRd、-NRf-C(=O)SRe および-NRf-C(=S)NRcRd
    -Y-CyおよびY-Ar1、[この場合、
    Yは、単結合、C1-C6-アルカンジイル、C1-C6-アルカンジイルオキシ、-C(=O)-、-C(=S)-、-C(=NRf)-、-C(=NRf)O-、-C(=NRf)S-、-C(=NRf)NRc、-C(=O)O-、-C(=O)NRc-、-C(=O)S-、-C(=S)O-、-C(=S)NRc-、-C(=S)S-、-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)O-、-O-C(=O)-NRc-、-O-C(=O)S-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2O-、-S(=O)2NRc-、-NRc-、-NRf-C(=O)-、-NRf-C(=O)O-、-NRf-C(=O)NRc-、-N=CRa-、-NRf-NRc-、-NRf-C(=O)S-、-NRf-C(=S)NRc-であり、
    Cyは、C3-C12-シクロアルキル、または環員としてS、OおよびNから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和もしくは部分不飽和の5、6または7員の複素環であり、この場合、C3-C12-シクロアルキルおよび複素環は、それぞれ非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルおよびR#から選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有し、
    Ar1は、下記の意味の1つを有する]
    から選択され、
    および/またはフェニル環の隣接する炭素原子に結合している2個の基R1または2個の基R2は、該炭素原子と一緒になって、環員としてO、SおよびNから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する縮合5、6もしくは7員炭素環または縮合5、6もしくは7員複素環を形成し、この場合、それぞれの縮合炭素環または複素環は、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルおよびR#から選択される1、2、3または4個の置換基を有し、
    R3およびR4は、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル[この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、-ORb、NRcRd、-SRe、-C(=O)RaおよびC(=O)ORbからなる群から互いに独立して選択される1、2または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい]、
    C3-C6-シクロアルキル、フェニルおよびベンジル[この場合、C3-C6-シクロアルキル、フェニルおよびベンジルは、ハロゲン、CN、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルおよびC1-C6-ハロアルキル、-ORb、NRcRd、-SRe、-C(=O)RaおよびC(=O)ORbからなる群から互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基を有していてもよい]
    からそれぞれ互いに独立して選択され;
    Aは、式A.1またはA.2:
    Figure 2012502009
    [式中、
    *は、化合物の残りの部分への結合点を示し;
    R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキルおよびAr2から互いに独立して選択され、この場合、C1-C6-アルキルならびにC1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルキルアミノおよびジ(C1-C6-アルキル)アミノ中のアルキル部分は、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または1、2もしくは3個の基R#の任意の組み合わせを有していてもよく、またC3-C6-シクロアルキルは、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、ハロゲンおよびR#から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
    R5aおよびR5bまたはR5cおよびR5dまたはR5eおよびR5fは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル、ならびにR#から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する3、4、5、6または7員の飽和炭素環を形成することも可能であり;
    R5aおよびR5cまたはR5dおよびR5fは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル、ならびにR#から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する縮合5、6もしくは7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環を形成することも可能であり;
    R6およびR7は、水素、CN、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、Ar3、-B-C(=O)Ra、-B-C(=S)Ra、-B-C(=NRf)Ra、-B-C(=NRf)ORb、-B-C(=NRf)NRcRd、-B-C(=NRf)SRe、-B-C(=O)ORb、-B-C(=O)NRcRd、-B-C(=O)SRe、-B-C(=S)ORb、-B-C(=S)NRcRd、-B-C(=S)SRe、-B-ORb、-B-O-C(=O)Ra、-B-O-C(=O)ORb、-B-O-C(=O)-NRcRd、-B-O-C(=O)SRe、-B-SRe、-B-NRcRd、-B-NRf-C(=O)Ra、-B-NRf-C(=O)ORb、-B-NRf-C(=O)NRcRd、-B-N=CRaRa'、-B-NRf-NRcRd、-B-NRf-C(=O)SRe、-B-NRf-C(=S)NRcRd、-B-S(=O)Re、-B-S(=O)2Re、-S(=O)2ORb、-S(=O)2NRcRd、-P(=O)RgRhおよびP(=S)RgRhからそれぞれ互いに独立して選択され、
    この場合、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/または1、2、3、4または5個の置換基R*の任意の組み合わせを有していてもよく、
    C3-C8-シクロアルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキルおよびR*から選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
    5、6または7員の複素環基は、環員としてS、OおよびNから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、また該5、6または7員の複素環基は、非置換であるか、またはC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、ハロゲンおよびR*から選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有し、
    Bは、単結合または直鎖もしくは分枝鎖C1-C4-アルカンジイルであり、またRa、Ra'、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、互いに独立して下記の意味の1つを有し、
    R*は、CN、NO2、-ORb、-NRcRd、-SRe、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、C3-C8-シクロアルキル、飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、-Ar4、-O-Ar4、-S-Ar4および-CH2-Ar4から選択され、
    この場合、5、6または7員の複素環基は、環員としてS、OおよびNから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、且つ
    C3-C8-シクロアルキルおよび該複素環基は、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニル、ならびにR#から互いに独立して選択される1、2または3個の置換基の任意の組み合わせを有する]
    で表される基であり、
    R#は、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、CN、NO2、-ORb、-SRe、-NRcRd、C(=O)-RaおよびC(=O)ORbから選択され;
    Ra、Ra'、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、環員としてO、S、Nから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、およびAr5から互いに独立して選択され、
    この場合、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-ハロアルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、Ar6、-CH2-Ar6、-O-Ar6およびS-Ar6から互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、また
    C3-C8-シクロアルキルおよび該複素環基は、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、OH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-ハロアルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、Ar6、-CH2-Ar6、-O-Ar6およびS-Ar6から互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく;
    Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6は、フェニル、ナフチルおよび環員としてO、SおよびNから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する単環式または二環式の5〜10員のヘテロアリールから互いに独立して選択され、この場合、フェニル、ナフチルおよびヘテロアリールは、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、NH2、CH2NH2、OH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-ハロアルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-ハロシクロアルキル、非置換フェニルならびにハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシから選択される1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルから選択される1、2、3、4または5個の置換基RArの任意の組み合わせを有する)
    で表されるピロリン-2-イルアミノ化合物、およびその塩。
  2. 指数nおよびmの少なくとも1つが0ではなく、且つ
    R1およびR2が、ハロゲン、CN、NO2、C1-C6-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、ホルミル、C1-C6-アルキルカルボニル、-C(=O)OH、C1-C6-アルコキシカルボニル、-C(=O)NH2、C1-C6-アルキルアミノカルボニル、ジ(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル、-OH、C1-C6-アルコキシ、-SH、C1-C6-アルキルチオ、-NH2、C1-C6-アルキルアミノおよびジ(C1-C6-アルキル)アミノから独立して選択され、
    この場合、アルキルならびにアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノのアルキル部分は、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオから互いに独立して選択される1、2または3個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
    C3-C8-シクロアルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、CN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオから互いに独立して選択される1、2または3個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、ならびに/あるいは
    フェニル環の隣接する炭素原子に結合している2個の基R1および/またはフェニル環の隣接する炭素原子に結合している2個の基R2が、該炭素原子と一緒になって、縮合ベンゼン、縮合飽和もしくは部分不飽和5員もしくは6員炭素環または環員としてO、SおよびNから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する縮合5員または6員複素環を形成し、
    この場合、それぞれの縮合ベンゼン、炭素環または複素環は、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、OH、SH、NH2、COOH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシおよびC1-C6-アルキルチオから互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基を有する、
    請求項1に記載の化合物。
  3. R1およびR2が、ハロゲン、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシから独立して選択される、請求項2に記載の化合物。
  4. mが2または3であり、2個の基R1が、結合位に対して3位および5位に位置する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. nが2または3であり、2個の基R2が結合位に対して2位および3位に位置する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 式Iの化合物が、式I':
    Figure 2012502009
    (式中、A、R3およびR4は請求項1で定義したとおりであり、
    R1aおよびR1bは、互いに独立して水素であり、またはR1について記載した意味の1つを有し、
    R2a、R2bおよびR2cは、互いに独立して水素であり、または請求項1〜5のいずれか1項においてR2について記載した意味の1つを有する)
    で表される化合物から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. R1aが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシから選択され;且つ
    R1bが、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシから選択され;
    R2aが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシから選択され;
    R2bが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキルおよびC1-C3-ハロアルキルから選択され;または
    R2aがR2bと一緒になって、-CH=CH-CH=CH-、-O-CH2-CH2-、-O-CH2-O-、-O-CF2-O-または-O-CH2-CH2-O-から選択される二価の基を形成し;
    R2cが、水素、ハロゲン、C1-C3-アルキル、C1-C3-アルコキシ、C1-C3-ハロアルキルおよびC1-C3-ハロアルコキシから選択される、
    請求項6に記載の化合物。
  8. R2bおよびR2cが、水素およびC1-C3-アルキルから独立して選択される、請求項7に記載の化合物。
  9. R3が水素またはC1-C6-アルキルであり、且つR4が、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニルから選択され、この場合、最後の3つの基は部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、-OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、NH2、C1-C6-アルキルアミノ、ジ(C1-C6-アルキル)アミノ、-SHおよびC1-C6-アルキルチオからなる群から互いに独立して選択される1、2または3個の基の任意の組み合わせを有していてもよい、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. R4が、水素、ハロゲンおよびC1-C6-アルキルから選択される、請求項9に記載の化合物。
  11. R3およびR4が水素である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. R5eおよびR5fが水素である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. R5a、R5b、R5cおよびR5dが、水素、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、および非置換であるか、または1、2、3、4または5個の置換基RArの任意の組み合わせを有するフェニルから互いに独立して選択され、この場合、RArは請求項1に記載した意味の1つを有し、
    R5aおよびR5bまたはR5cおよびR5dまたはR5eおよびR5fのいずれかが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキルおよびC1-C6-ハロアルキルから互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組合せを有する3、4、5、6または7員の飽和炭素環を形成することができる、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  14. R5a、R5b、R5cおよびR5dが水素であり、または基R5a、R5b、R5cおよびR5dの1個もしくは2個が、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、および非置換であるか、または1、2、3、4または5個の置換基RArの任意の組み合わせを有するフェニルから選択され、あるいは
    R5aおよびR5bまたはR5cおよびR5dまたはR5eおよびR5fのいずれかが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキルおよびC1-C6-ハロアルキルから互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組み合わせを有する3、4、5、6または7員の飽和炭素環を形成し、残りの基R5a、R5b、R5c、R5d、R5eまたはR5fが水素である、
    請求項13に記載の化合物。
  15. R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fが水素である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. R6およびR7が、互いに独立して、水素、CN、NO2、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、B-C(=O)Ra、-B-C(=O)ORb、-B-C(=O)SRe、-B-C(=S)ORb、-B-C(=S)NRcRd、-B-C(=S)SRe、-B-ORb、-B-SRe、-S(=O)Re、-B-NRcRd、-S(=O)2ReおよびS(=O)2ORbから選択され、
    この場合、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニルおよびC2-C6-アルキニルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、-OH、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、-SH、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、-C(=O)H、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、環員としてO、S、Nから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、およびAr4から互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
    C3-C8-シクロアルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、CN、NO2、-OH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルコキシ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、-SH、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-ハロアルキルチオ、-C(=O)H、C1-C6-アルキルカルボニル、C1-C6-ハロアルキルカルボニル、環員としてO、S、Nから互いに独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する飽和または部分不飽和の5、6または7員の複素環基、-Ar4および-CH2-Ar4-から互いに独立して選択される1、2、3または4個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
    Bは、単結合または-CH2-であり、また
    Ra、Rb、Rc、RdおよびReは、互いに独立して、請求項1に記載した意味の1つを有する、
    請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. R6およびR7が、互いに独立して、水素、CN、C1-C6-アルキル、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-ORbおよび-B-NRcRdから選択され、
    この場合、C1-C6-アルキルは、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよく、および/またはCN、NO2、OH、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシおよびC1-C6-アルキルチオから互いに独立して選択される1、2、または3個の置換基の任意の組み合わせを有していてもよく、
    Bは、単結合または-CH2-であり、また
    Ra、Rb、RcおよびRdは、水素、C1-C6-アルキルおよびフェニルから互いに独立して選択され、ここでフェニルは非置換であるか、またはハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシおよびC1-C6-ハロアルコキシから互いに独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基を有する、
    請求項16に記載の化合物。
  18. R6およびR7が水素である、請求項17に記載の化合物。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項で定義した少なくとも1種の式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物および/またはその農業上許容可能な塩、ならびに少なくとも1種の液体担体または固体担体を含有する農業用組成物。
  20. 動物有害生物を防除する方法であって、有害生物、それらの餌供給源、生息地もしくは繁殖地あるいは植物、植物繁殖材料、土壌、区域、資材、または有害生物が成長している、もしくは成長し得る環境、あるいは有害生物の攻撃または侵入から保護すべき資材、栽培植物、植物繁殖材料、土壌、表面または空間を、殺有害生物有効量の請求項1〜18のいずれか1項で定義した式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物またはその塩で処理することを含んでなる、前記方法。
  21. 植物繁殖材料および/またはそこから成長する植物を保護するための請求項19に記載の方法であって、種子を、殺有害生物有効量の請求項1〜18のいずれか1項で定義した式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物および/またはその農業上許容可能な塩で処理することを含んでなる、前記方法。
  22. 請求項1〜18のいずれか1項で定義した少なくとも1種の式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物および/またはその農業上許容可能な塩を含む植物繁殖材料。
  23. 寄生生物による侵入または感染に対して動物を処置または保護する方法であって、動物を、殺寄生生物有効量の請求項1〜18のいずれか1項で定義した式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物および/またはその獣医学的に許容可能な塩と接触させることを含む、前記方法。
  24. 動物有害生物を防除するための、請求項1〜18のいずれか1項で定義した式Iで表されるピロリン-2-イルアミノ化合物またはその塩の使用。
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