JP2012253536A - 無線通信システム、送信側装置、受信側装置、及び通信方法 - Google Patents

無線通信システム、送信側装置、受信側装置、及び通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】帯域が不安定なネットワーク側通信区間を介して多くのデータパケットを送信する場合でもリアルタイム通信における伝送遅延やパケットロス率を低減する。
【解決手段】無線通信システム10Aでは、無線端末100と無線通信を行う無線基地局200A、及び、無線端末100の通信先装置500と無線基地局200Aとの間のゲートウェイ装置300Aのうち、一方をデータパケットの送信側装置とし、他方をデータパケットの受信側装置とする。送信側装置は、受信側装置に送信すべきデータ量が閾値を超え、且つ、データパケットの種別がリアルタイムパケットである場合に、受信側装置に送信する複数のデータパケットに代えて、連結データパケットを受信側装置に送信する。連結データパケットは、複数のデータパケットそれぞれのペイロード部分を連結して得られた連結ペイロード部分と、1つのヘッダ部分とによって構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、データパケットを送受信する無線通信システム、送信側装置、受信側装置、及び通信方法に関する。
近年、無線通信システムにおいて、符号化された音声データを含むリアルタイムパケット(例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)パケット)など、伝送遅延を抑制することが要求されるデータパケットを伝送するリアルタイム通信を提供することが実現されている。しかし、無線通信システムにおいては、無線端末と無線基地局との間の無線通信区間における通信品質が不安定であり、安定した通信帯域を確保することが難しい。
このため、次世代無線通信システムにおいては、パケット通信を用いた音声通話を実現するために、当該無線通信区間について、再送制御や優先制御などの様々な検討がなされている。このような次世代無線通信システムとしては、3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて仕様策定中のLTE(Long Term Evolution)が挙げられる。
このような次世代無線通信システムにおいては、無線基地局と転送制御装置(ゲートウェイ装置)との間のネットワーク側通信区間についても仕様が策定されている(例えば非特許文献1参照)。転送制御装置は、無線端末の通信先装置と無線基地局との間の通信経路上に設けられる。
"3GPP TS 36.410 V8.1.0 (2008-12)",[online],<URL:http://www.quintillion.co.jp/3GPP/Specs/36410-810.pdf>
ところで、上述した次世代無線通信システムにおいては、無線基地局と転送制御装置との間のネットワーク側通信区間の通信帯域が安定していることが前提とされており、無線通信区間と比較して、十分な検討がなされていないのが現状である。
しかしながら、当該ネットワーク側通信区間の通信帯域は、必ずしも安定しているとは限らない。例えば、有線インフラを構築困難な発展途上国などにおいては、当該ネットワーク側通信区間において無線通信が用いられ、通信帯域が安定しないことがある。
通信帯域が不安定なネットワーク側通信区間を介して多くのデータパケットを送信する場合、伝送遅延やパケットロス率が大きくなる。特に、リアルタイムパケットについては、伝送遅延やパケットロス率が大きくなると、ユーザの主観的な音声品質が劣化する問題があった。
そこで、本発明は、通信帯域が不安定なネットワーク側通信区間を介して多くのデータパケットを送信する場合であっても、リアルタイム通信における伝送遅延やパケットロス率を低減できる無線通信システム、送信側装置、受信側装置、及び通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、無線端末と無線通信を行う無線基地局、及び、前記無線端末の通信先装置と前記無線基地局との間の通信経路上の転送制御装置のうち、一方をデータパケットの送信側装置とし、他方を前記データパケットの受信側装置とする無線通信システムであって、
前記データパケットは、前記データパケットの転送制御に用いられる第1ヘッダ部分と、前記第1ヘッダ部分以外のペイロード部分とによって構成され、
前記送信側装置は、前記データパケットの優先度およびパケット送信状態に応じて、前記データパケットを廃棄するか、または、前記受信側装置に送信する複数のデータパケットに代えて、前記複数のデータパケットそれぞれの前記ペイロード部分を連結して得られた連結ペイロード部分と、1つの前記第1ヘッダ部分とによって構成される連結データパケットを送信することを要旨とする。
送信側装置と受信側装置との間にトラフィックにある程度の負荷がある場合、優先度に応じてパケットを破棄する事によって、緊急通信・高優先度の通信を優先的に確保する事ができる。
本発明の特徴によれば、通信帯域が不安定なネットワーク側通信区間を介して多くのデータパケットを送信する場合であっても、リアルタイム通信における伝送遅延やパケットロス率を低減できる無線通信システム、送信側装置、受信側装置、及び通信方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る無線通信システムを含む通信システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る送信側装置と受信側装置との間で実行される動作を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る無線基地局の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るゲートウェイ装置(転送制御装置)の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る送信側装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る受信側装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る連結データパケットの詳細構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る無線通信システムを含む通信システムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る無線基地局とゲートウェイ装置との間で実行される動作を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る無線基地局の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る送信側装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る受信側装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る連結データパケットの詳細構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るRTPヘッダ部分に含まれるIPヘッダ、UDPヘッダ、及びRTPヘッダの構成例を示す図である。 その他の実施形態に係る送信側装置の動作を示すフローチャートである。 対象ベアラの優先判定の詳細を示すフローチャートである。 送信パケットの優先度と送信占有率との関係を示すテーブルである。
次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態、第2実施形態、その他の実施形態を説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
[第1実施形態]
第1実施形態においては、(1)無線通信システムの概要、(2)無線通信システムの詳細構成、(3)無線通信システムの詳細動作、(4)連結データパケットの詳細構成例、(5)作用効果について説明する。
(1)無線通信システムの概要
まず、第1実施形態に係る無線通信システムの概要について、(1.1)無線通信システムの概略構成、(1.2)無線通信システムの概略動作の順に説明する。
(1.1)無線通信システムの概略構成
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム10Aを含む通信システム1Aの概略構成図である。第1実施形態では、無線通信システム10Aは、LTE技術を用いて構成されている。無線通信システム10Aは、無線端末100、無線基地局200A、及びゲートウェイ装置300A(転送制御装置)を有する。
無線端末100及び無線基地局200Aは、無線通信区間20を介して無線通信を行う。LTEにおいて無線端末100及び無線基地局200Aの方式はE-UTRAN (Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)と呼ばれる。また、無線端末100は、インターネット400を介して通信先装置500とパケット通信を行う。第1実施形態では、無線端末100は、パケット通信を用いた音声通話技術(すなわち、VoIP(Voice over Internet Protocol))を使用する。
ゲートウェイ装置300Aは、無線端末100と通信先装置500との間の通信経路上において、データパケットDPの転送を制御する。ゲートウェイ装置300Aは、ネットワーク側通信区間30を介して無線基地局200Aと通信する。LTEにおいてゲートウェイ装置300Aは、サービングゲートウェイと呼ばれる。ゲートウェイ装置300Aは、無線端末100が他の無線通信システムへハンドオーバを実行する際に、無線通信システム10Aと他の無線通信システムとのインタフェースとして機能する。
LTEにおいては、ゲートウェイ装置300Aを含むコアネットワークは、EPC(Evolved Packet Core)と呼ばれる。当該EPCには、データパケットDPの転送を制御するゲートウェイ装置300Aに加えて、無線端末100の移動性を管理する管理装置(MME;Mobility Management Entity)と、外部ネットワークであるインターネット400とのインタフェースとなるPDNゲートウェイとが設けられる。なお、無線基地局200Aとゲートウェイ装置300Aとの間のネットワーク側通信区間30における通信仕様はS1-Uインターフェースとして定義されている。以下においては、ネットワーク側通信区間30における通信について主に説明する。
ネットワーク側通信区間30において送受信されるデータパケットDPは、データパケットDPの転送制御に用いられるGTP−Uヘッダ部分HAと、GTP−Uヘッダ部分HAに基づき転送されるペイロード部分PAとによって構成される。
上り方向通信において、無線基地局200Aは、無線端末100から受信したデータパケットをペイロード部分PAとし、当該ペイロード部分PAにGTP−Uヘッダ部分HAを付加してデータパケットDPを構成する。無線端末100から受信したデータパケットの宛先(宛先アドレス)は通信先装置500に設定されている。データパケットDPのGTP−Uヘッダ部分HAの宛先(宛先アドレス)はゲートウェイ装置300Aに設定されている。
下り方向通信において、ゲートウェイ装置300Aは、PDNゲートウェイ(不図示)から受信したデータパケットをペイロード部分PAとし、ペイロード部分PAにGTP−Uヘッダ部分HAを付加してデータパケットDPを構成する。PDNゲートウェイから受信したデータパケットの宛先(宛先アドレス)は無線端末100に設定されている。データパケットDPのGTP−Uヘッダ部分HAの宛先(宛先アドレス)は無線基地局200Aに設定されている。
このように、GTP−Uヘッダ部分HAは、無線基地局200Aとゲートウェイ装置300Aとの間に論理的な通信路(すなわち、トンネリング)を形成するために用いられる。GTP−Uヘッダ部分HAは、ネットワーク側通信区間30における転送制御(具体的には、トンネリング処理)に用いられ第1ヘッダ部分を構成する。GTP−Uヘッダ部分HAは、例えば、IPヘッダ、UDPヘッダ、及びGTP−Uヘッダを含む。GTP−Uとは、トンネリングプロトコルの一つである。
(1.2)無線通信システムの概略動作
図2は、無線基地局200Aとゲートウェイ装置300Aとの間で実行される動作を説明するための図である。ここでは、無線基地局200A及びゲートウェイ装置300Aのうち、一方をデータパケットDPの送信側装置とし、他方をデータパケットDPの受信側装置とした場合の動作について説明する。
図2(a)の例では、4個のデータパケットDP1〜DP4が図示されている。データパケットDP1〜DP4それぞれは、ペイロード部分PA(PA1〜PA4)に音声データを含むリアルタイムパケットであるものとする。リアルタイムパケットとは、低遅延が要求される音声データ又は映像データを転送するためのパケットであり、例えばRTP(Real-time Transport Protocol)が適用される。4つのデータパケットDP1〜DP4は、4つのGTP−Uヘッダ部分HA1〜HA4と、4つのペイロード部分PA1〜PA4とからなる。
送信側装置は、受信側装置に送信すべきデータ量が閾値を超え、データパケットDPの種別がリアルタイムパケットであり、且つ、送信側装置と受信側装置との間のネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化している場合には、次のような動作を行う。具体的には、送信側装置は、受信側装置に送信するデータパケットDP1〜DPn(n≧2)に代えて、連結データパケットCDPを受信側装置に送信する(図2(b)参照)。連結データパケットCDPは、データパケットDP1〜DPnそれぞれのペイロード部分PA1〜PAnを連結して得られた連結ペイロード部分CPと、1つのGTP−Uヘッダ部分HA1とによって構成される。
図2(b)の例では、4つのデータパケットDP1〜DP4から、連結データパケットCDPが構成されている。図2(b)に示す連結データパケットCDPは、4つのペイロード部分PA1〜PA4とパッキング情報Pinfo(分解用情報)とからなる連結ペイロード部分CPと、1つのGTP−Uヘッダ部分HA1とによって構成される。パッキング情報Pinfoとは、受信側装置における連結ペイロード部分CPの分解に用いられる情報である。
受信側装置は、連結データパケットCDPを送信側装置から受信した場合に、受信した連結データパケットCDP内のパッキング情報Pinfoに基づいて、連結ペイロード部分CPを4つのペイロード部分PA1〜PA4に分解する。
このような動作によって、図2(a)に示す4つのGTP−Uヘッダ部分HA1〜HA4と4つのペイロード部分PA1〜PA4とが、図2(b)に示す1つのGTP−Uヘッダ部分HA1と4つのペイロード部分PA1〜PA4とに変換されるため、3つのGTP−Uヘッダ部分HA2〜HA4を不要にすることができる。
(2)無線通信システムの詳細構成
次に、無線通信システム10Aの詳細構成、具体的には、(2.1)無線基地局の構成、(2.2)ゲートウェイ装置の構成について説明する。
(2.1)無線基地局の構成
図3は、無線基地局200Aの構成を示すブロック図である。図3に示すように、無線基地局200Aは、第1通信部210、第2通信部220、制御部230A、及び記憶部240を有する。
第1通信部210は、ゲートウェイ装置300AとデータパケットDPを送受信する。第1通信部210とゲートウェイ装置300Aとの通信は、無線通信でもよく有線通信でもよい。第2通信部220は、無線端末100と無線通信を行う。
制御部230Aは、例えばCPUによって構成され、無線基地局200Aが具備する各種機能を制御する。記憶部240は、例えばメモリによって構成され、無線基地局200Aにおける制御などに用いられる各種情報を記憶する。記憶部240は、ゲートウェイ装置300Aに送信すべきデータパケットDPをバッファリングする機能を有する。
制御部230Aは、検出部231、判定部232、連結パケット生成部233、及び連結パケット分解部234を有する。
検出部231は、ゲートウェイ装置300Aに送信すべきデータ量と、ゲートウェイ装置300Aに送信するデータパケットDPの種別と、ネットワーク側通信区間30の通信品質とを検出する。
検出部231は、例えば、記憶部240にバッファリングされているデータパケットDPの量又は数を、ゲートウェイ装置300Aに送信すべきデータ量として検出する。
検出部231は、例えば、無線基地局200Aを介して設定されたベアラの種別に基づいて、ゲートウェイ装置300Aに送信するデータパケットDPの種別を検出する。あるいは、検出部231は、データパケットDPの送信間隔やパケットサイズに基づいて、データパケットDPの種別を検出してもよい。すなわち、送信間隔が短く且つ送信サイズが小さい場合にデータパケットDPの種別がリアルタイムパケット(RTPパケット)であるとみなすことができる。
検出部231は、例えば、上位レイヤにおけるデータパケットDPの再送数に基づいて、ネットワーク側通信区間30の通信品質を検出する。データパケットDPの再送数が多いということは、ネットワーク側通信区間30におけるパケットロス率が高いことを意味している。あるいは、検出部231は、タイムスタンプを含むパケットをネットワーク側通信区間30を介してゲートウェイ装置300Aと送受信することで、ネットワーク側通信区間30の遅延時間を測定し、当該遅延時間に基づいて、ネットワーク側通信区間30の通信品質を検出してもよい。
判定部232は、検出部231によって検出された送信データ量が閾値を超えたか否かを判定する。判定部232は、検出部231によって検出されたパケット種別がリアルタイムパケットであるか否かを判定する。
判定部232は、検出部231によって検出された、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化しているか否かを判定する。判定部232は、単位時間あたりの再送数が閾値を超えた場合に、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していると判定してもよい。
連結パケット生成部233は、送信データ量が閾値を超え、データパケットDPの種別がリアルタイムパケットであり、且つ、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していると判定部232が判定した場合に、記憶部240にバッファリングされているデータパケットDP1〜DPnから連結データパケットCDPを生成する。
なお、連結データパケットCDPがロスすると、1回あたりの音声切断時間は長くなり、音声品質(R値・MOS値)の劣化が予想されるため、連結するデータパケットの数はネットワーク側通信区間30の状況により流動的に変更可能とする。
第1通信部210は、連結パケット生成部233によって生成された連結データパケットCDPをゲートウェイ装置300A(受信側装置)に送信する送信部を構成する。
一方、第1通信部210がゲートウェイ装置300Aから受信するデータパケットが連結データパケットCDPである場合、連結パケット分解部234は、当該連結データパケットCDPを分解する。すなわち、連結パケット分解部234は、連結データパケットCDP内の連結ペイロード部分CPを元のペイロード部分PA単位に分解する分解部を構成する。
(2.2)ゲートウェイ装置の構成
図4は、ゲートウェイ装置300Aの構成を示すブロック図である。以下においては、無線基地局200Aの構成と同様の構成については、重複する説明を省略する。
図4に示すように、ゲートウェイ装置300Aは、第1通信部310、第2通信部320、制御部330A、及び記憶部340を有する。
第1通信部310は、無線基地局200AとデータパケットDPを送受信する。第2通信部320は、図示を省略するPDNゲートウェイと通信を行う。制御部330Aは、例えばCPUによって構成され、ゲートウェイ装置300Aが具備する各種機能を制御する。記憶部340は、例えばメモリによって構成され、ゲートウェイ装置300Aにおける制御などに用いられる各種情報を記憶する。記憶部340は、無線基地局200Aに送信すべきデータパケットDPをバッファリングする機能を有する。
制御部330Aは、検出部331、判定部332、連結パケット生成部333、及び連結パケット分解部334を有する。
検出部331は、無線基地局200Aに送信すべきデータ量と、無線基地局200Aに送信するデータパケットDPの種別と、ネットワーク側通信区間30の通信品質とを検出する。
検出部331は、例えば、記憶部340にバッファリングされているデータパケットDPの量又は数を、無線基地局200Aに送信すべきデータ量として検出する。
検出部331は、例えば、無線基地局200Aを介して設定されたベアラの種別に基づいて、無線基地局200Aに送信するデータパケットDPの種別を検出する。あるいは、データパケットDPの送信間隔やパケットサイズに基づいて、データパケットDPの種別を検出してもよい。すなわち、送信間隔が短く且つ送信サイズが小さい場合にデータパケットDPの種別がリアルタイムパケットであるとみなすことができる。
検出部331は、例えば、上位レイヤにおけるデータパケットDPの再送数に基づいて、ネットワーク側通信区間30の通信品質を検出できる。
判定部332は、検出部331によって検出された送信データ量が閾値を超えたか否かを判定する。判定部332は、検出部331よって検出されたパケット種別がリアルタイムパケットであるか否かを判定する。
判定部332は、検出部331によって検出された、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化しているか否かを判定する。判定部332は、単位時間あたりの再送数が閾値を超えた場合に、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していると判定してもよい。
連結パケット生成部333は、送信データ量が閾値を超え、データパケットDPの種別がリアルタイムパケットであり、且つ、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していると判定部332が判定した場合に、記憶部340にバッファリングされているデータパケットDP1〜DPnから連結データパケットCDPを生成する。
なお、連結データパケットCDPがロスすると、1回あたりの音声切断時間は長くなり、音声品質(R値・MOS値)の劣化が予想されるため、連結するデータパケットの数はネットワーク側通信区間30の状況により流動的に変更可能とする。
第1通信部310は、連結パケット生成部333によって生成された連結データパケットCDPを無線基地局200A(受信側装置)に送信する送信部を構成する。
一方、第1通信部310が無線基地局200Aから受信するデータパケットが連結データパケットCDPである場合、連結パケット分解部334は、当該連結データパケットCDPを分解する。すなわち、連結パケット分解部334は、連結データパケットCDP内の連結ペイロード部分CPを元のペイロード部分PA単位に分解する分解部を構成する。
(3)無線通信システムの詳細動作
次に、無線通信システム10Aの詳細動作について説明する。ここでは、無線基地局200Aが送信側装置であり、ゲートウェイ装置300Aが受信側装置である場合の動作について説明する。
(3.1)送信側動作
図5は、送信側装置(本動作例では、無線基地局200A)の動作を示すフローチャートである。
ステップS11において、無線基地局200Aの判定部232は、検出部231によって検出された送信データ量が閾値を超えたか否かを判定する。送信データ量が閾値を超えたと判定された場合、処理がステップS12に進む。一方、送信データ量が閾値以下であると判定された場合、処理がステップS15に進み、通常の送信処理(つまり、データパケットDP単位の送信処理)が実行される。
ステップS12において、判定部232は、検出部231によって検出された、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化しているか否かを判定する。ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していると判定された場合、処理がステップS13に進む。一方、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していないと判定された場合、処理がステップS15に進み、通常の送信処理が実行される。
ステップS13において、判定部232は、ゲートウェイ装置300Aに送信するデータパケットDPの種別がリアルタイムパケットであるか否かを判定する。例えば、判定部232は、データパケットDPの送信間隔及びパケットサイズが所定の条件を満たす場合に、データパケットDPの種別がリアルタイムパケットであると判定してもよい。データパケットDPの種別がリアルタイムパケットであると判定された場合、処理がステップS14に進む。一方、データパケットDPの種別がリアルタイムパケットでないと判定された場合、処理がステップS15に進み、通常の送信処理が実行される。
ステップS14において、無線基地局200Aの連結パケット生成部233は、記憶部240にバッファリングされているデータパケットDP1〜DPnから連結データパケットCDPを生成する。連結パケット生成部233によって生成された連結データパケットCDPは、第1通信部210からゲートウェイ装置300Aに送信される。
(3.2)受信側動作
図6は、受信側装置(本動作例では、ゲートウェイ装置300A)の動作を示すフローチャートである。
ステップS21において、ゲートウェイ装置300Aの連結パケット分解部334は、第1通信部310が無線基地局200Aから受信するデータパケットが連結データパケットCDPであるか否かを判定する。連結パケット分解部334は、連結データパケットCDPに含まれるパッキング情報Pinfoに基づいて当該判定を行うことができる。
無線基地局200Aから受信するデータパケットが連結データパケットCDPであると判定された場合、処理がステップS22に進む。一方、無線基地局200Aから受信するデータパケットが連結データパケットCDPではないと判定された場合、処理がステップS23に進み、通常の受信処理(つまり、データパケットDP単位の受信処理)が実行される。
ステップS22において、連結パケット分解部334は、第1通信部310が受信した連結データパケットCDP内のパッキング情報Pinfoに基づいて、連結ペイロード部分CPを複数のペイロード部分PA1〜PAnに分解する。
ステップS23において、第2通信部320は、データパケットを転送先(例えばPDNゲートウェイ)に転送する。
(4)連結データパケットの詳細構成例
図7は、連結データパケットCDPの詳細構成例を示す図である。図7においては、連結データパケットCDPの一部を構成する連結ペイロード部分CPを図示している。
連結ペイロード部分CPは、パッキング情報Pinfoと、複数のペイロード部分PA1〜PAnとによって構成される。
パッキング情報Pinfoは、該当するパケットがパッキング(連結)されているか否かを受信側装置が判別可能で、かつフラグメント(分解)可能とするための情報である。パッキング情報Pinfoは、連結パケット生成部233又は連結パケット生成部333によって生成される。
パッキング情報Pinfoは、識別コード、パッキングペイロード数、1パケット(1ペイロード部分)当たりのサイズのそれぞれの情報を有している。
識別コードとは、無線基地局200A及びゲートウェイ装置300Aにおいて共有するユニークな値である。設定データ等であらかじめ無線基地局200A及びゲートウェイ装置300Aに同じ値を初期設定し、受信したパケットにフラグメント処理が必要か否かを判断可能にする。
パッキングペイロード数とは、連結データパケットCDPの連結ペイロード部分CPにおいて連結されているペイロード部分の数(例えば、最大16まで)を示す。リアルタイムパケットに対象が限定されているため、その通信品質を維持するためには最大でも16あれば十分である。また、10msに1回リアルタイムパケットが送信されている場合、連結データパケットCDPに変更すると、最大160msに1回送付されることになる。これ以上の送信間隔の遅延は逆に音声品質を劣化させる可能性がある。
1パケットあたりのサイズとは、連結ペイロード部分CPにおける各ペイロード部分PAのサイズを示す情報である。RTPを使用するリアルタイム通信は、パケットサイズが一定であるため本情報をもって各ペイロードのオフセット値を導き出すことができる。
(5)作用効果
以上説明したように、連結データパケットCDPを送信する場合には、複数のペイロード部分PA1〜PAnに対して1個のGTP−Uヘッダ部分HAしか必要とされないため、(n−1)個のGTP−Uヘッダ部分HAが削減され、送信すべきデータ量が削減される。特に、リアルタイムパケットにおいては、パケットサイズが小さく、パケット送信間隔が短いことが一般的であり、GTP−Uヘッダ部分HAの割合が大きいため、(n−1)個のGTP−Uヘッダ部分HAが削減されることで、送信すべきデータ量が大幅に削減される。これにより、無線基地局200Aとゲートウェイ装置300Aとの間のネットワーク側通信区間30の通信帯域が狭くなっている場合でも、伝送遅延やパケットロス率を低減できる。
したがって、第1実施形態によれば、通信帯域が不安定なネットワーク側通信区間30を介して送信するデータ量が多い場合であっても、リアルタイム通信における伝送遅延やパケットロス率を低減できる。
なお、リアルタイムパケット以外の種別のデータパケットでは、そのサイズが大きく、且つ送信時間間隔が長いため、GTP−Uヘッダ部分HAを削減してもデータ量の削減効果が小さい。よって、連結データパケットCDPの対象としないことで、連結データパケットの生成に伴う処理負荷が増大することを抑制できる。
また、音声コーデック方式がG.729であり、10ms間隔のRTPにより音声通話を実施している場合、ネットワーク側通信区間30の理由によりパケットロスする機会は、1秒間に100回存在する。しかしながら、上記パケットを4回分連結して送信することで、パケットロスの機会は1秒間に25回に低下するという効果も得られる。
[第2実施形態]
第2実施形態においては、(1)無線通信システムの概要、(2)無線通信システムの詳細構成、(3)無線通信システムの詳細動作、(4)連結データパケットの詳細構成例、(5)作用効果について説明する。ただし、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、重複する説明を省略する。
(1)無線通信システムの概要
図8は、第2実施形態に係る無線通信システム10Bを含む通信システム1Bの概略構成図である。無線通信システム10Bは、無線端末100A〜100C、無線基地局200B、及びゲートウェイ装置300B(転送制御装置)を有する。無線端末100A〜100Cと無線基地局200Bとは、無線通信区間20を介して無線通信を行う。
図8の例では、ネットワーク側通信区間30において送受信されるデータパケットDPは、GTP−Uヘッダ部分HA、RTPヘッダ部分HB、ユーザデータ部分PBを有する。RTPヘッダ部分HBは、無線端末100と通信先装置500との通信の制御に用いられる第2ヘッダ部分を構成する。ユーザデータ部分PBとは、無線端末100又は通信先装置500において生成されるアプリケーションデータ、例えば、音声データ又は映像データである。なお、RTPヘッダ部分HB及びユーザデータ部分PBは、GTP−Uヘッダ部分HAに基づき転送されるペイロード部分PAを構成する。
図9は、無線基地局200Bとゲートウェイ装置300Bとの間で実行される動作を説明するための図である。ここでは、無線基地局200B及びゲートウェイ装置300Bのうち、一方をデータパケットDPの送信側装置とし、他方をデータパケットDPの受信側装置とした場合の動作について説明する。
図9(a)の例では、データパケットDP1〜DP4は、データパケットDP1〜DP4の転送制御に用いられるGTP−Uヘッダ部分HA1〜HA4と、GTP−Uヘッダ部分HA1〜HA4以外のペイロード部分PA1〜PA4とによって構成されている。ペイロード部分PA1〜PA4は、RTPヘッダ部分HB1〜HB4と、ユーザデータ部分PB1〜PB4とを含む。
RTPヘッダ部分HB1〜HB4のそれぞれは、IPヘッダ、UDPヘッダ、及びRTPヘッダを含む(図15参照)。GTP−Uヘッダ部分HA1〜HA4がネットワーク側通信区間30での転送制御に用いられる一方、RTPヘッダ部分HB1〜HB4は、無線端末100と通信先装置500との間の通信経路全体での転送制御に用いられる。
送信側装置は、複数の無線端末100A〜100Cのうちの同一無線端末を送信元又は送信先とする複数のペイロード部分を特定する。ここでは、ペイロード部分PA1〜PA4の送信元又は送信先が、複数の無線端末100A〜100Cのうちの同一無線端末(例えば無線端末100A)であるものとする。
送信側装置は、図9(b)に示すように、ペイロード部分PA1〜PA4のうち、1つのペイロード部分PA1のRTPヘッダ部分HB1を維持しつつ、残りのペイロード部分PA2〜PA4のRTPヘッダ部分HB2〜HB4を省略する。図9(b)の例では、送信側装置は、ペイロード部分PA1〜PA4のうちの先頭のペイロード部分PA1のRTPヘッダ部分HB1を維持しているが、先頭に限らず、例えば最後のペイロード部分PA4のRTPヘッダ部分HB4を維持してもよい。
受信側装置は、連結データパケットCDPを分解するとともに、送信側装置によって維持されたRTPヘッダ部分HB1を用いて、省略されたRTPヘッダ部分HB2〜HB4を再構築する。すなわち、同一無線端末に係るRTPヘッダ部分HB間の整合性に着目し、受信側装置は、RTPヘッダ部分HB1を基にRTPヘッダ部分HB2〜HB4を再構築する。このような再構築処理のアルゴリズムとしては、例えばRoHC(RFC3095)を応用できる。
このような動作によって、図9(a)に示す4つのRTPヘッダ部分HB1〜HB4が、図9(b)に示す1つのRTPヘッダ部分HB1に変換されるため、3つのRTPヘッダ部分HB2〜HB4を不要にすることができる。さらに、第1実施形態で説明したように3つのGTP−Uヘッダ部分HA2〜HA4を不要にすることができる。その結果、3つのGTP−Uヘッダ部分HA2〜HA4と3つのRTPヘッダ部分HB2〜HB4とのデータ量を削減可能になる。
(2)無線通信システムの詳細構成
次に、無線通信システム10Bの詳細構成、具体的には、(2.1)無線基地局の構成、(2.2)ゲートウェイ装置の構成について説明する。
(2.1)無線基地局の構成
図10は、無線基地局200Bの構成を示すブロック図である。図10に示すように、無線基地局200Bは、第1通信部210、第2通信部220、制御部230B、及び記憶部240を有する。
無線基地局200Bにおいては、制御部230Bが、ヘッダ省略部235及びヘッダ再構築部236を有する点で第1実施形態とは異なる。
ヘッダ省略部235は、ゲートウェイ装置300Bに送信する連結データパケットCDPにおいて、同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAnを特定し、特定したペイロード部分PA1〜PAnのうち、先頭のペイロード部分PA1のRTPヘッダ部分HB1を維持しつつ、残りのペイロード部分PA2〜PAnのRTPヘッダ部分HB2〜HBnを省略する。
ヘッダ省略部235は、例えば、無線端末100A〜100Cの何れかと通信先装置500との通信を確立する処理を監視し、監視結果に基づいて、同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAn(データパケット)を特定する。すなわち、通話制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)又はH.323等におけるIP/UDP情報を用いて同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAnを特定可能である。あるいは、ヘッダ省略部235は、ゲートウェイ装置300Bに送信すべき各ペイロード部分PAを監視し、監視結果に基づいて、同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAnを特定する。すなわち、RTP情報から識別されるセッションに応じて、同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAnを特定可能である。
ヘッダ再構築部236は、ゲートウェイ装置300Bから受信した連結データパケットCDPを連結パケット分解部234が分解する際、ゲートウェイ装置300Bによって維持されたRTPヘッダ部分HB1を用いて、ゲートウェイ装置300Bによって省略されたRTPヘッダ部分HB2〜HBnを再構築する。
(2.2)ゲートウェイ装置の構成
図11は、ゲートウェイ装置300Bの構成を示すブロック図である。図11に示すように、ゲートウェイ装置300Bは、第1通信部310、第2通信部320、制御部330B、及び記憶部340を有する。
ゲートウェイ装置300Bにおいては、制御部330Bが、ヘッダ省略部335及びヘッダ再構築部336を有する点で第1実施形態とは異なる。ヘッダ省略部335は、無線基地局200Bに送信する連結データパケットCDPにおいて、同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAnを特定し、特定したペイロード部分PA1〜PAnのうち、先頭のペイロード部分PA1のRTPヘッダ部分HB1を維持しつつ、残りのペイロード部分PA2〜PAnのRTPヘッダ部分HB2〜HBnを省略する。
ヘッダ再構築部336は、無線基地局200Bから受信した連結データパケットCDPを連結パケット分解部334が分解する際、無線基地局200Bによって維持されたRTPヘッダ部分HB1を用いて、無線基地局200Bによって省略されたRTPヘッダ部分HB2〜HBnを再構築する。
(3)無線通信システムの詳細動作
次に、無線通信システム10Bの詳細動作について説明する。ここでは、無線基地局200Bが送信側装置であり、ゲートウェイ装置300Bが受信側装置である場合の動作について説明する。
(3.1)送信側動作
図12は、送信側装置(本動作例では、無線基地局200B)の動作を示すフローチャートである。
ステップS31〜S33及びステップS37の処理は、第1実施形態と同様にして実行される。
ステップS34において、無線基地局200Bのヘッダ省略部235は、記憶部240にバッファリングされているデータパケットにおいて、同一無線端末に係る複数のデータパケット(具体的には、ペイロード部分PA1〜PAn)が記憶部240に存在するか否かを判定する。同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAnが記憶部240に存在する場合には、処理がステップS35に進み、存在しない場合には、処理がステップS36に進む。
ステップS35において、無線基地局200Bのヘッダ省略部235は、同一無線端末に係る複数のペイロード部分PA1〜PAnのうち、先頭のペイロード部分PA1のRTPヘッダ部分HB1を維持しつつ、残りのペイロード部分PA2〜PAnのRTPヘッダ部分HB2〜HBnを省略する。
ステップS36において、無線基地局200Bの連結パケット生成部233は、連結データパケットCDPを生成する。連結パケット生成部233によって生成された連結データパケットCDPは、第1通信部210からゲートウェイ装置300Aに送信される。
(3.2)受信側動作
図13は、受信側装置(本動作例では、ゲートウェイ装置300B)の動作を示すフローチャートである。ステップS41〜S43の処理は、第1実施形態と同様にして実行されるため、それ以降の処理について説明する。
ステップS44において、ヘッダ再構築部336は、連結データパケットCDPにおいて、RTPヘッダ部分HBの省略されたペイロード部分が存在するか否かを判定する。RTPヘッダ部分HBの省略されたデータパケットが存在する場合には、処理がステップS45に進み、存在しない場合には、処理がステップS46に進む。
ステップS45において、ヘッダ再構築部336は、省略されずに維持されているRTPヘッダ部分HBを用いて、省略されたRTPヘッダ部分HBを再構築する。
ステップS46において、第2通信部320は、データパケットを転送先(例えばPDNゲートウェイ)に転送する。
(4)連結データパケットの詳細構成例
図14は、連結データパケットCDPの一部を構成する連結ペイロード部分CPの詳細構成例を示す図である。
パッキング情報Pinfoは、該当するデータパケットがパッキング(連結)されているか否かを受信側装置が判別可能な情報と、受信側装置が連結データパケットCDPをフラグメント(分解)可能とするための情報とを含む。
具体的には、パッキング情報Pinfoは、識別コード、パッキングペイロード数、1パケット(1ペイロード部分)当たりのサイズのそれぞれの情報を有している。なお、1パケット(1ペイロード部分)当たりのサイズとしては、第1実施形態においては各ペイロード部分のサイズを示していたが、第2実施形態においては各ユーザデータ部分のサイズを示している。
省略されたRTPヘッダ部分HBを受信側装置が再構築可能とするために、第2実施形態に係る連結ペイロード部分CPは、省略されずに維持されたRTPヘッダ部分HBを含んでいる。RTPヘッダ部分HBは、例えば、20バイトのIPヘッダ、8バイトのUDPヘッダ、及び12バイトのRTPヘッダを含む。
図15は、RTPヘッダ部分HBに含まれるIPヘッダ、UDPヘッダ、及びRTPヘッダの構成例を示す図である。ヘッダ再構築部236及びヘッダ再構築部336は、先頭のデータパケットDP1のRTPヘッダ部分HB1さえあれば、同一無線端末に係るIPヘッダ、UDPヘッダ、及びRTPヘッダのそれぞれの情報要素を再構築できる。具体的には、同一無線端末に係る複数のRTPヘッダ部分HBにおいて、固有の値についてはそのまま流用し、規則により推測可能な値(シーケンス番号およびタイムスタンプ)については、等差により計算が可能であり、計算により求まる値については、パケット毎(ペイロード部分毎)に計算すればよい。
(5)作用効果
以上説明したように、第2実施形態によれば、同一無線端末に係るn個のペイロード部分PA1〜PAnのうち、(n−1)個のペイロード部分PA2〜PAnのRTPヘッダ部分HB2〜HBnを省略することにより、連結データパケットCDPのデータ量がさらに削減される。特に、リアルタイムパケットにおいては、パケットサイズが小さく、パケット送信間隔が短いことが一般的であり、RTPヘッダ部分HBの割合が大きいため、(n−1)個のRTPヘッダ部分HB2〜HBnが削減されることで、ネットワーク側通信区間30を介して送信すべきデータ量が大幅に削減される。これにより、無線基地局200Aとゲートウェイ装置300Aとの間のネットワーク側通信区間30の通信帯域が狭くなっている場合でも、伝送遅延やパケットロス率を低減できる。
したがって、第2実施形態によれば、通信帯域が不安定なネットワーク側通信区間30を介して送信するデータ量が多い場合であっても、リアルタイム通信における伝送遅延やパケットロス率をさらに低減できる。
[その他の実施形態]
ここで、その他の実施形態について説明する。
上述した実施形態の処理を施しても、トラヒックの負荷が改善されない場合があり、このような場合において改善を行う実施例について説明する。なお、送信パケットに優先度が設定されていることが前提となる。
図16は、送信側装置(本動作例では、無線基地局200A)の動作を示すフローチャートである。なお、上述の処理と同一の処理には同じ符号を付している。
ステップS11において、無線基地局200Aの判定部232は、検出部231によって検出された送信データ量(無線基地局からバックホール側に向けての送信データ量)が閾値を超えたか否かを判定する。送信データ量が閾値を超えたと判定された場合、処理がステップS51(送信パケットにおける対象ベアラの優先判定)に進む。一方、送信データ量が閾値以下であると判定された場合、処理がステップS15に進み、通常の送信処理(つまり、データパケットDP単位の送信処理)が実行される。
ここで、対象ベアラの優先判定(ステップS51)の詳細を示すフローチャートの図17について説明する。
ステップS61において、判定部232は、送信データのパケットに相当するベアラの優先度(送信パケットの優先度)を取得する。例えば、パケット優先制御の判定方式として、3GPPの規格で規定されているQCI(QoS Class Identifier)等からパケットの優先度を判別する。
次に、ステップS62において、判定部232は、無線基地局200に予め設定されている図18に示すテーブルに従い、バックホールに対する送信占有率(最大送信データに対する送信データ量の割合)と送信パケットの優先度との関係に応じてパケットの処理を決定する。
例えば、現在の送信占有率が60%を超えていなければ、全パケットは送信可能となる。現在の送信占有率が60%以上の場合、優先度5のパケットは、廃棄と判定される。現在の送信占有率が70%以上の場合、優先度4、5のパケットは、廃棄と判定される。現在の送信占有率が80%以上の場合、優先度3、4、5のパケットは、廃棄と判定される。現在の送信占有率が90%以上の場合、優先度2、3、4、5のパケットは、廃棄と判定される。廃棄と判定されなかったパケットは、送信と判定される。
ステップS52において、送信と判定された場合、処理がステップS12に進み送信パケットが引き続き処理される。廃棄と判定された場合、処理がステップS11に進み送信パケットが廃棄される。
ステップS12において、判定部232は、検出部231によって検出された、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化しているか否かを判定する。ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していると判定された場合、処理がステップS13に進む。一方、ネットワーク側通信区間30の通信品質が劣化していないと判定された場合、処理がステップS15に進み、通常の送信処理が実行される。
ここでの実施形態では、バックホール回線の狭帯域に起因して、バックホール回線のトラフィックに負荷がかかる場合、低優先度のパケット通信から先にパケットを破棄する事によって、緊急通信・高優先度の通信を優先的に確保する事ができる。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態では、ネットワーク側通信区間30において、上り方向及び下り方向のそれぞれにおいて連結データパケットCDPが適用されていたが、上り方向及び下り方向の何れか一方のみにおいて連結データパケットCDPが適用されてもよい。
上述した実施形態では、ゲートウェイ装置300A又は300B(サービングゲートウェイ)がデータパケットの送信側装置又は受信側装置となる転送制御装置として説明した。しかしながら、PDNゲートウェイを、データパケットの送信側装置又は受信側装置となる転送制御装置としてもよい。
上述した実施形態では、LTE技術を用いて構成された無線通信システム10A,10Bについて説明したが、LTEに限らず、他の無線通信規格に従った無線通信システムに対して本発明を適用してもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
1A,1B…通信システム、10A,10B…無線通信システム、20…無線通信区間、30…ネットワーク側通信区間、100,100A〜100C…無線端末、200A,200B…無線基地局、210…第1通信部、220…第2通信部、230A,230B…制御部、231…検出部、232…判定部、233…連結パケット生成部、234…連結パケット分解部、235…ヘッダ省略部、236…ヘッダ再構築部、240…記憶部、300A,300B…ゲートウェイ装置、310…第1通信部、320…第2通信部、330A,330B…制御部、331…検出部、332…判定部、333…連結パケット生成部、334…連結パケット分解部、335…ヘッダ省略部、336…ヘッダ再構築部、340…記憶部、400…インターネット、500…通信先装置

Claims (3)

  1. 無線端末と無線通信を行う無線基地局、及び、前記無線端末の通信先装置と前記無線基地局との間の通信経路上の転送制御装置のうち、一方をデータパケットの送信側装置とし、他方を前記データパケットの受信側装置とする無線通信システムであって、
    前記データパケットは、前記データパケットの転送制御に用いられる第1ヘッダ部分と、前記第1ヘッダ部分以外のペイロード部分とによって構成され、
    前記送信側装置は、前記データパケットの優先度およびパケット送信状態に応じて、前記データパケットを廃棄するか、または、前記受信側装置に送信する複数のデータパケットに代えて、前記複数のデータパケットそれぞれの前記ペイロード部分を連結して得られた連結ペイロード部分と、1つの前記第1ヘッダ部分とによって構成される連結データパケットを送信する無線通信システム。
  2. 前記送信側装置は、前記データパケットの種別がリアルタイムパケットである場合に、前記連結データパケットを送信する請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 無線端末と無線通信を行う無線基地局、及び、前記無線端末の通信先装置と前記無線基地局との間の通信経路上の転送制御装置のうち、一方をデータパケットの送信側装置とし、他方を前記データパケットの受信側装置とする無線通信システムに用いられる通信方法であって、
    前記データパケットは、前記データパケットの転送制御に用いられる第1ヘッダ部分と、前記第1ヘッダ部分以外のペイロード部分とによって構成され、
    前記送信側装置は、前記データパケットの優先度およびパケット送信状態に応じて、前記データパケットを廃棄するか、または、前記受信側装置に送信する複数のデータパケットに代えて、前記複数のデータパケットそれぞれの前記ペイロード部分を連結して得られた連結ペイロード部分と、1つの前記第1ヘッダ部分とによって構成される連結データパケットを送信するステップを有する通信方法。

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