JP2012247355A - コンクリート応力計 - Google Patents

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Noriji Niitani
教治 二井谷
Hiroshi Watase
博 渡瀬
Yoshitoshi Sueyoshi
良敏 末吉
Tadashi Sano
禎 佐野
Kazumasa Fujita
数正 藤田
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Oriental Shiraishi Corp
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Abstract

【課題】小型且つ簡易な構成で、信頼性の高い応力測定を精度よく行なうことができるコンクリート応力計を提供する。
【解決手段】コンクリートの内部に埋設されてコンクリート内部に発生する応力に応じた圧力を受ける板状の受圧部2を備えており、受圧部2には、受圧部2に作用する圧力を検知するセンサ素子6として、圧力により抵抗値が変化する薄膜状の抵抗素子又は圧力に応じた電圧を発生する薄膜状の圧電素子が内蔵されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、プレストレスト・コンクリート(PC)等のコンクリートの内部に発生する応力を計測するためのコンクリート応力計に関する。
PC等のコンクリートの内部に発生する応力を計測する応力計としては、従来、例えば特許文献1、2に見られるものが知られている。
特許文献1の応力計は、表裏面に低摩擦性シートを貼り付けた低剛性の筒状ケース体の一端部にロードセルを装着した構造のものであり、測定対象のコンクリートと同質、同材齢のコンクリートをケース体に充填した後に、測定対象のコンクリートに埋設され、この状態で、ロードセルにより応力を計測する。
また、特許文献2の応力計は、両端の受圧部の間に、ひずみゲージを貼り付けた起歪体を備えた構造のものであり、測定対象のコンクリートに埋設した状態で受圧部に作用する応力を、起歪体及びひずみゲージを介して電気量に変換して測定する。
特開2008−185550号公報 特開2009−63521号公報
しかしながら、特許文献1に見られるものでは、測定対象のコンクリートの打設直前に、そのコンクリートと同質、同材齢のコンクリートをケース体に充填する必要があるが、その充填したコンクリートの状態は、充填作業や締め固めの仕方等に左右されやすい。このため、ケース体の内部のコンクリートの状態が、ケース体の周囲に配置される測定対象のコンクリートの状態に対してばらつきを生じやすく、ひいては、測定対象のコンクリートの応力の測定結果の信頼性を十分に確保することが困難である。
また、応力計のケース体へのコンクリートの充填及び応力計の設置を、測定対象のコンクリートの打設直前の短い期間内で行なう必要があるため、それらの作業を熟練者であっても適切に行うことが困難である。
さらに、ロードセルよりも長いケース体を有するため、応力計の小型化が困難であると共に、製造コストも高くなるという不都合がある。
また、前記特許文献2に見られるものでは、起歪体やこれを搭載する構造が必要となるため、応力計の小型化が困難であると共に、必要な部品点数も多くなって、製造コストが高くなるという不都合がある。
さらに、起歪体を有するために、受圧部の幅に対する応力計の厚さの比率が比較的大きなものとならざるを得ない。このため、応力計を埋設する測定対象のコンクリートの水和が進行して、該コンクリートの弾性係数が増加すると、応力の測定精度が低下しやすいという不都合がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、小型且つ簡易な構成で、信頼性の高い応力測定を精度よく行なうことができるコンクリート応力計を提供することを目的とする。
本発明のコンクリート応力計は、かかる目的を達成するために、コンクリートの内部に発生する応力を計測するためのコンクリート応力計であって、コンクリートの内部に埋設されて該コンクリート内部に発生する応力に応じた圧力を受ける板状の受圧部を備えており、該受圧部には、該受圧部に作用する圧力を検知するセンサ素子として、該圧力により抵抗値が変化する薄膜状の抵抗素子又は該圧力に応じた電圧を発生する薄膜状の圧電素子が内蔵されていることを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、受圧部に作用する圧力を検知するために該受圧部に内蔵された前記センサ素子を、該圧力に応じて抵抗値が変化する薄膜状の抵抗素子又は該圧力に応じた電圧を発生する薄膜状の圧電素子としたので、受圧部を薄い板状に形成することができる。
このため、受圧部を、コンクリートの内部で発生する応力やその分布を極力乱さないように該コンクリートの内部に配置することができるとと共に、受圧部の周辺でコンクリートに作用する圧力(コンクリートの応力状態に応じた圧力)に高い精度で近似する圧力を受圧部に作用させることができる。
このため、センサ素子を介して検知される圧力に基づいて、受圧部の周辺のコンクリートで発生する応力を高い信頼性で精度よく計測できることとなる。
また、受圧部は、その厚み方向の両端面に作用する圧力が前記センサ素子に伝わるように構成されていればよいので、受圧部を小型で簡易な構成とすることができる。
よって、第1発明によれば、小型且つ簡易な構成で、信頼性の高い応力測定を精度よく行なうことができるコンクリート応力計を提供できる。
なお、前記抵抗素子としては、例えばマンガニン(登録商標)やイッテリビウム等により構成された抵抗素子を採用することできる。また、前記圧電素子としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛により構成された圧電素子を採用することができる。
上記第1発明では、前記受圧部は、例えば、その厚み方向の両端の受圧面を形成する一対の板状のベース部材の間に前記薄膜状の抵抗素子又は圧電素子を挟みこんだ構造のものとされる。この場合、該一対のベース部材のそれぞれは、前記コンクリートの線膨張係数に一致する線膨張係数を有する材質により構成されていることが好ましい(第2発明)。
なお、この第2発明において、前記コンクリートの線膨張係数に一致する線膨張係数というのは、該コンクリートの線膨張係数と厳密に一致する線膨張係数でよいことはもちろんであるが、該コンリートの線膨張係数に近似的に一致する線膨張係数(該コンクリートの線膨張係数との差が十分に小さい線膨張係数)であってもよい。
かかる第2発明によれば、コンクリートとベース部材との線膨張係数の差に起因する温度応力(温度変化に応じて発生する応力)による圧力が受圧部のベース部材に作用するのが防止される。このため、前記センサ素子が検知する圧力に当該温度応力が影響を及ぼすのを排除することができる。ひいては、コンクリートそのものに発生する応力状態に対応する圧力を、センサ素子を介して検知することができ、該コンクリートの応力計測の精度をより一層高めることができる。
なお、上記ベース部材の材質としては、例えば鉄系材料が好適である。
また、上記第1発明又は第2発明では、前記受圧部の外周面は、前記コンクリートに対する該受圧部の外周面の拘束を絶縁するための縁切り部材により被覆されていることが好ましい(第3発明)。
この第3発明によれば、受圧部の外周面がこれに接触するコンクリートの拘束を受けないこととなるので、受圧部の周辺のコンクリートの応力状態に応じた圧力を受圧部の厚み方向の両端面に適切に作用させることができる。
また、上記第1〜第3発明では、前記受圧部は、円板形状であり、その直径Dに対する厚さLの比率L/Dが、1/10以下の比率に設定されていることが好ましい(第4発明)。
この第4発明によれば、前記コンクリートの内部に発生する応力やその分布を前記受圧部によって乱さないようにすることを好適に実現することができ、コンクリートそのものの応力状態に応じた圧力に精度よく一致する圧力を前記受圧部に作用させることができる。従って、受圧部が検知する圧力に基づいて、コンクリートの応力を高い信頼性で精度よく測定することができる。
さらに、この第4発明では、前記センサ素子は、円形状であり、前記受圧部の直径Dに対する前記センサ素子の直径Bの比率B/Dは、0.4〜0.6の範囲内の比率に設定されていることが好適である(第5発明)。
この第5発明によれば、受圧部の周辺のコンクリートの平均的な圧力(コンクリートの応力状態に応じた圧力)に精度よく一致する圧力を前記センサ素子に作用させることができる。その結果、受圧部の周辺の平均的な応力を高い信頼性で適切に測定することができる。
補足すると、以上説明した第1〜第3発明において、前記センサ素子を前記抵抗素子とした場合には、該抵抗素子の抵抗値の変化を電圧信号に変換するために、例えばホイートストンブリッジ回路を用いることができる。この場合、前記センサ素子を含むホイートストンブリッジ回路を構成するための抵抗回路を収容した胴体部をさらに備え、この胴体部を前記受圧部から離隔させるように該受圧部にパイプを介して連結すると共に、前記センサ素子と前記抵抗回路とを接続する接続線を該パイプに挿通するようにすることが好ましい。
このようにすることで、受圧部の周辺のコンクリートの応力状態が胴体部により乱されないよう該胴体部を受圧部から離隔させた状態で、該胴体部を受圧部と共に測定対象のコンクリートに埋設することができる。
なお、この場合、前記抵抗回路には、前記センサ素子の温度変化に応じた抵抗値の変化の影響を補償する(該温度変化に応じた抵抗値の変化が、前記ホイートストンブリッジ回路の出力電圧に影響を及ぼさないようにする)ための温度補償用抵抗体を備えておくことが好ましい。
本発明の一実施形態におけるコンクリート応力計の平面図。 図1のII−II線断面図。 図3(a),(b)は実施形態のコンクリート応力計の測定精度に関する説明図。 実施形態のコンクリート応力計の測定精度の特性を示すグラフ。 実施形態のコンクリート応力計の測定精度に関する説明図。 実施形態のコンクリート応力計の測定精度の特性を示すグラフ。
本発明の一実施形態を図1〜図6を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のコンクリート応力計1(以下、単に応力計1という)は、受圧部2と、この受圧部2に細菅状のパイプ3を介して連結された胴体部4とを備える。これらの受圧部2及び胴体部4は、PC(プレストレスト・コンクリート)等のコンクリートの内部に発生する応力を計測する際に、該コンクリートの内部に埋設される部材である。
受圧部2は、測定対象のコンクリートの内部で発生する応力に応じた圧力を検知する機能部であり、その外観形状が円板形状とされている。この受圧部2は、図2に示すように、受圧部2の厚み方向の両端に、受圧面を形成する部材として配置された一対の円板状のベース部材5a,5bと、これらのベース部材5a,5bの間で受圧部2に内蔵されたセンサ素子6とを備える。
ベース部材5a,5bは、いずれも、測定対象のコンクリートと同一もしくはほぼ同一の線膨張係数を有する高剛性の材質で円板形状に形成された部材である。本実施形態では、ベース部材5a,5bの材質は、鉄系材料である。
センサ素子6は、本実施形態では、圧力に応じて抵抗値が変化する金属材料、例えばマンガニン(登録商標)により構成された抵抗素子である。このセンサ素子6は、エッチング加工により円形の薄膜状に形成されており、ベース部材5a,5bの間に挟み込まれるようにして、これらのベース部材5a,5bに固着されている。これにより、ベース部材5a,5bに作用する圧力が、該ベース部材5a,5bを介してセンサ素子6に付与されるようになっている。
この場合、センサ素子6の面積はベース部材5a,5bの面積よりも小さく、ベース部材5a,5bは、センサ素子6の周囲で間隙を存して対向するように設けられている。そして、その間隙には、センサ素子6を水分等から保護するための防水コーティング剤7が充填されている。
また、ベース部材5a,5b及び防水コーティング剤7により形成される受圧部2の外周面は、該外周面が測定対象のコンクリートによって拘束されないようにするために、縁切り材8により被覆されている。この縁切り材8としては、例えばシリコンが用いられている。
本実施形態では、以上の構成の受圧部2の直径(=ベース部材5a,5bの直径)に対する該受圧部2の厚さの比率(以下、アスペクト比という)は、十分に小さいものとされている。具体的には、例えば受圧部2の直径は30mm、受圧部2の厚さは3mm以下とされている。従って、アスペクト比は、1/10以下とされている。
また、本実施形態では、受圧部2の直径に対するセンサ素子6の直径の比率は、例えば0.4〜0.6の範囲内の比率(具体的には、例えば0.47)に設定されている。
前記胴体部4は、センサ素子6が検知する圧力に応じた電気信号を生成するための回路要素を内蔵する部分である。本実施形態では、胴体部4には、センサ素子6と併せてホイートストンブリッジ回路を構成するための複数の抵抗体から成る抵抗回路9が内蔵されている。その抵抗回路9には、温度変化に起因するセンサ素子6の抵抗値の変化の影響を補償するための温度補償用抵抗体(図示省略)が含まれる。
この温度補償用抵抗体は、センサ素子6と同じ材質(本実施形態ではマンガニン(登録商標))の抵抗体であり、該センサ素子6と同様に薄膜状に形成されている。そして、温度補償用抵抗体は、胴体部4の周辺のコンクリートの応力が温度補償用抵抗体に伝わらないように胴体部4内に配置されている。
また、胴体部4には、上記ホイートストンブリッジ回路に外部から電源電圧を供給する電源線や該ホイートストンブリッジ回路の出力電圧を外部に出力する信号線により構成されたケーブル10が接続されている。
受圧部2と胴体部4とを連結するパイプ3は、受圧部2の周辺のコンクリートの弾性応力及びその分布が胴体部4によって乱されないように、該胴体部4を受圧部2から離隔させる機能を有する部材であり、その一端部がベース部材5a,5bの間の前記間隙に挿着され、他端部が胴体部4に挿着されている。
そして、このパイプ3には、センサ素子6からあらかじめ導出された接続線11が挿通されている。該接続線11は、パイプ3の内部を通って胴体部4内に導入され、前記抵抗回路9に電気的に接続されている。これにより該抵抗回路9とセンサ素子6とによってホイートストンブリッジ回路が構成されるようになっている。
なお、パイプ3は、本実施形態の例では、受圧部2の直径方向に直線状に延在するものとされているが、屈曲又は湾曲された形状であってもよい。
以上が、本実施形態の応力計1の構成である。
ここで、本実施形態の応力計1の受圧部2の前記アスペクト比や、受圧部2の直径に対するセンサ素子6の直径の比率と、測定精度との関係について以下に説明しておく。
まず、受圧部2のアスペクト比に関し、測定対象のコンクリートの応力測定のために、図3(a),(b)に示すように受圧部2を測定対象のコンクリートの内部に埋設した状況を想定する。図3(a)はコンクリートに圧力が作用していない状態(圧力Pがゼロである状態)を示しており、図3(b)はコンクリートに圧力PがP0である等分布荷重が受圧部2の厚み方向(図では上下方向)に作用した状態を示している。
ここで、図3(a)に示すように、受圧部2の直径をDとし、圧力が作用していない状態(圧力Pがゼロの状態)での受圧部2の厚さをLとする。この場合、受圧部2の前記アスペクト比はL/Dである。また、測定対象のコンクリートの弾性係数をEc、ポアソン比をνc、受圧部2の全体の弾性係数をEsとする。
なお、図3(a),(b)において、M層は、受圧部2が配置されているコンクリート層を示し、C層は、M層の上下のコンクリート層を示している。
そして、コンクリートに等分布荷重が作用した状態において、図3(b)に示すように、M層のコンクリートにP0の圧力が作用し、これによってM層のコンクリートの厚さがLからΔSmだけ縮むものとする。さらに、このとき、受圧部2には、M層のコンクリートと異なる平均圧力(P0+Pe)が受圧部2の厚み方向に作用し、これによって、受圧部2の厚さが、LからΔSsだけ縮むものとする。なお、Peは、受圧部2が受ける圧力の、コンクリートに作用する圧力P0(本来の検出対象たる圧力)に対する誤差分に相当するものである。
この図3(b)の状態で、受圧部2の厚み方向の各端面(上端面及び下端面)は、C層のコンクリートにScだけめり込むものとすると、ΔSm、ΔSs、Scの関係は、次式(1)により表される。

ΔSm−ΔSs=2・Sc ……(1)

また、ΔSm、ΔSsは、それぞれ、次式(2)、(3)により求められる。

ΔSm=(P0/Ec)・L ……(2)
ΔSs=((P0+Pe)/Es)・L ……(3)

また、Scは、高剛性の円板としての受圧部2がPeの圧力によって、弾性体としてのC層のコンクリートにめり込むことによって生じるものと考えることができる。この場合、Scは、次式(4)により求められる。

Sc=((π・(1−νc2)・D)/(4・Ec))・Pe ……(4)

上記式(2)〜(4)を式(1)に代入して整理すると、次式(5)が得られる。
Figure 2012247355

この式(5)により、Pe/P0と、Es/Ecとの間の関係は、図4のグラフにより示される。なお、図4は、D/Lの値、すなわち、受圧部2のアスペクト比の逆数値が、1、5、10、100である場合のPe/P0と、Es/Ecとの間の関係を示すグラフを代表的に例示している。
図4に見られるように、D/Lの値が大きいほど(受圧部2のアスペクト比が小さいほど)、Pe/P0がゼロに近い値となること、すなわち、受圧部2に作用する圧力(P0+Pe)が、受圧部2の周囲のコンクリートに作用する圧力P0により一致する圧力になることが判る。特に、Es/Ecが1よりも大きい場合には、D/Lの値が大きいと、Pe/P0の値は、コンクリートの弾性係数Ecが変化しても、ゼロに近い値でほぼ一定に保たれることが判る。
ここで、コンクリートの若材齢時には、該コンクリートの弾性係数Ecは十分に小さいので、Es/Ecは、1よりも十分に大きな値となる。また、コンクリートが十分に硬化しても、その弾性係数Ecは、鉄系材料の弾性係数を超えることはない。従って、ベース部材5a,5bを鉄系材料により構成した本実施形態の受圧部2では、Es/Ecは、コンクリートの材齢によらずに、1以上の値に保たれる。
このため、受圧部2のアスペクト比を十分に小さくしておくことによって、測定対象のコンクリートの材齢によらずに、Pe/P0の値をゼロに近いほぼ一定の値に保つことができることとなる。ひいては、受圧部2に作用する圧力が、該受圧部2の周辺のコンクリートに作用する圧力P0と同等の圧力になるようにすることができることとなる。
そこで、本実施形態では、受圧部2のアスペクト比を、前記した如く1/10以下になるように設定した。この場合、図4のグラフによれば、Pe/P0の値を、概略6%以下に収めることができることとなる。
次に、受圧部2の直径に対するセンサ素子6の直径の比率に関し、図5に示すように受圧部2の半径をR(=D/2)とし、この受圧部2の表面(図5の上面)に圧力Peの等分布荷重を受ける状態を想定する。圧力Peは、前記した通り、受圧部2が受ける圧力の、コンクリートに作用する圧力P0(本来の検出対象たる圧力)に対する誤差分に相当するものである。
このとき、受圧部2が剛体であるとすると、受圧部2の底面の反力q(詳しくは、受圧部2の中心軸からrの距離の円周上での反力q)の強度は、次式(6)により表される。
Figure 2012247355

そして、受圧部2の底面のうち、受圧部2の中心軸からR1の距離までの範囲内の領域(半径R1の円内の領域)における上記反力qの合力P1は、次式(7)により与えられる。
Figure 2012247355

従って、受圧部2の中心軸からR1の距離までの範囲内の領域の平均圧力Pmは、次式(8)により与えられる。さらに、Peに対するPmの比率Pm/Pe(以降、これをMとおく)は、次式(9)により与えられる。
Figure 2012247355

従って、受圧部2の受感部たるセンサ素子6の直径をBとすれば、この直径Bのセンサ素子6には、受圧部2に作用する誤差分の圧力Peに対して、式(8)により与えられるPmの平均圧力、すなわち、PeのM倍(M≦1)の平均圧力が作用することとなる。このため、センサ素子6が検知する圧力P0+PmのP0に対する誤差分Pmは、Peよりも小さくなる。
また、上記比率M(≡Pm/Pe)と、受圧部2の直径Dに対するセンサ素子2の直径Bの比率(=B/D)との間の関係は、前記式(9)によって、図6のグラフで示すような関係になる。
図示の如く、B/Dが小さいほど、受圧部2のセンサ素子6が検知する圧力の誤差分Pmは小さくなる。従って、誤差分Pmを極力小さくする上では、B/Dが小さいことが好ましいと考えられる。ただし、B/Dが小さ過ぎると、センサ素子6は、局所的な圧力だけを検知することとなるため、受圧部2の周辺のコンクリートの平均的な応力状態を観測する上では、B/Dは大きい方が好ましい。
そして、図6のグラフに見られる如く、B/Dがほぼ0.6以下であれば、比率Mがほぼ一定に保たれる。
これらのことから、B/Dは、0.4〜0.6程度の範囲内に設定しておくことが望ましいと考えられる。そこで、本実施形態では、前記した如く、受圧部2の直径に対するセンサ素子6の直径の比率、すなわち、B/Dを前記した如く0.4〜0.6の範囲内に設定した。
以上説明した応力計1によって、測定対象のコンクリートの応力を測定する場合には、応力計1の受圧部2及び胴体部4が測定対象のコンクリートの打設予定箇所に事前に設置され、その状態で、該打設予定箇所にコンクリートを打設することで、応力計1の受圧部2及び胴体部4が測定対象のコンクリートの内部に埋設される。
この場合、胴体部4は、受圧部2の配置箇所の周辺のコンクリートの弾性応力及びその分布を乱すことがないような位置で、且つ、受圧部2の配置箇所とほぼ同一の温度環境となるような位置としてあらかじめ選定された位置に設置される。
そして、上記のようにコンクリートの内部に受圧部2等を埋設した状態で、前記ホイートストンブリッジ回路の出力電圧により、受圧部2に作用する圧力が計測され、その圧力に基づいて測定対象のコンクリートの内部で発生した応力が観測される。
この場合、本実施形態の応力計1によれば、受圧部2の厚み方向の両端のベース部材5a,5bが測定対象のコンクリートとほぼ同一の線膨張係数を有するため、ベース部材5a,5bとコンクリートとの線膨張係数の差に起因する温度応力による圧力がベース部材5a,5bに作用するのが防止される。これにより、当該温度応力の影響が排除される。
また、受圧部2の外周面は、縁切り材8により被覆されているので、該外周面が測定対象のコンクリートから拘束されることがない。このため、該コンクリートで発生する応力状態に対応する圧力をベース部材5a,5bに適切に作用させることができる。
そして、受圧部2の前記アスペクト比や、受圧部2の直径に対するセンサ素子6の直径の比率が前記した如く設定されているので、受圧部2の周辺の応力やその分布を乱さないようにしつつ、コンクリートの材齢によらずに、受圧部2の周辺のコンクリートに作用する圧力(コンクリートそのものの応力状態に対応する圧力)に高い精度で一致する圧力を、受圧部2のセンサ素子6にベース部材5a,5bを介して作用させることができる。
この結果、本実施形態によれば、センサ素子6により検知する圧力に基づいて、受圧部2の周辺のコンクリートの応力を精度よく計測できることとなる。
また、本実施形態では、前記温度補償用抵抗体を備えるため、温度変化に起因してセンサ素子6の抵抗値が変化しても、その影響が、ホイートストンブッジ回路の出力電圧に反映されないようにすることができる。このため、ホイートストンブリッジ回路の出力電圧に基づいて、受圧部2に作用する圧力を精度良く計測できることとなり、ひいては、コンクリートの応力測定の精度を高めることができる。
また、本実施形態の応力計1は、前記特許文献1に見られる如きケース体や、前記特許文献2に見られる如き起歪体を必要とすることなく、受圧部2を薄いベース部材5a,5b及びセンサ素子6によって、少ない部品点数で小型に構成することができる。従って、品質のばらつきが少ない応力計1を比較的安価な製造コストで製造することができる。
なお、以上説明した実施形態では、受圧部2に作用する圧力を検知するためのセンサ素子6として、マンガニン(登録商標)により構成された抵抗素子を用いたが、例えばイッテリビウムにより構成された抵抗素子であってもよい。あるいは、センサ素子6として、チタン酸ジルコン酸鉛により構成された圧電素子を用いてもよい。これらのセンサ素子6は、前記実施形態のものと同様に、エッチング加工等により薄膜状に形成できる。
1…コンクリート応力計、2…受圧部、5a,5b…ベース部材、6…センサ素子、8…縁切り材。

Claims (5)

  1. コンクリートの内部に発生する応力を計測するためのコンクリート応力計であって、
    コンクリートの内部に埋設されて該コンクリート内部に発生する応力に応じた圧力を受ける板状の受圧部を備えており、該受圧部には、該受圧部に作用する圧力を検知するセンサ素子として、該圧力により抵抗値が変化する薄膜状の抵抗素子又は該圧力に応じた電圧を発生する薄膜状の圧電素子が内蔵されていることを特徴とするコンクリート応力計。
  2. 請求項1記載のコンクリート応力計において、
    前記受圧部は、その厚み方向の両端の受圧面を形成する一対の板状のベース部材の間に前記薄膜状の抵抗素子又は圧電素子を挟みこんだ構造のものであり、該一対のベース部材のそれぞれは、前記コンクリートの線膨張係数に一致する線膨張係数を有する材質により構成されていることを特徴とするコンクリート応力計。
  3. 請求項1又は2記載のコンクリート応力計において、
    前記受圧部の外周面は、前記コンクリートに対する該受圧部の外周面の拘束を絶縁するための縁切り部材により被覆されていることを特徴とするコンクリート応力計。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート応力計において、
    前記受圧部は、円板形状であり、その直径Dに対する厚さLの比率L/Dが、1/10以下の比率に設定されていることを特徴とするコンクリート応力計。
  5. 請求項4記載のコンクリート応力計において、
    前記センサ素子は、円形状であり、前記受圧部の直径Dに対する前記センサ素子の直径Bの比率B/Dは、0.4〜0.6の範囲内の比率に設定されていることを特徴とするコンクリート応力計。
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