JP2012230803A - 二次電池および二次電池を複数積層してなる電池モジュール - Google Patents

二次電池および二次電池を複数積層してなる電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】負極部材に蓄積された水素を効率よく消費して、電池の長寿命化を図る。
【解決手段】二次電池1は、負極部材3と正極部材4とセパレータ5とからなる電極体2を備え、電極体2がセル6に収納されてなる二次電池である。そして、セル6内部に電解液10を所定量装入し、セル6内部上方に空間Sを形成する。この空間Sに電解液10から負極部材3が突き出し、かつ、負極部材3が正極部材4よりも上方に配置された二次電池である。これにより、過充電時等における正極部材4から発生する酸素ガスを負極部材3の水素と効率よく反応させ、負極部材3の水素の消費を促進させる。したがって、正極部材4から発生する酸素ガスや、負極部材3から発生する水素ガスによる二次電池1内の圧力上昇を抑制し、電池の長寿命化を図る。
【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池および二次電池を複数積層してなる電池モジュールに関する。
従来より、携帯電話やモバイルPC、電動工具、電動自転車など、さまざまな製品に二次電池が用いられている。さらに近年では、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーを利用した発電にも二次電池が使われている。これは不安定な出力を二次電池で補い、出力を平滑化するために用いられるもので、大容量の二次電池が使われている。その他、大容量の二次電池は、ハイブリッド車や電気自動車、電車などの車両に搭載されることがよく知られている。
このような車両に搭載する大容量の二次電池としては、高出力、高エネルギー密度、電圧安定性、安全性などの面から、ニッケル水素二次電池が広く採用されている。
ニッケル水素二次電池は、例えば水酸化ニッケル(Ni(OH)2)などを主とした活物質からなる正極と、水素を可逆的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金(M)を主材料とした負極と、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどを主とする電解液とを備えた二次電池であり、エネルギー密度が高く、信頼性に優れた二次電池である。
ニッケル水素二次電池の充放電は、金属が酸化還元するイオン化傾向を利用して酸化還元電位を発生させることにより行う。正極・負極での電極反応は下記(式1)、(式2)で表され、電池全体の反応としては下記(式3)で表される。いずれも右向きが充電反応、左向きが放電反応である。MHは水素吸蔵合金Mが水素Hを吸蔵した状態を表す。
(式1) 正極:Ni(OH)2 + OH- ⇔ NiOOH + H2O + e-
(式2) 負極:M + H2O +e- ⇔ MH + OH-
(式3) 電池全体:M +Ni(OH)2 ⇔ MH +NiOOH
なお、ニッケル水素二次電池の寿命は、理論的には負極の水素吸蔵合金が水素を吸蔵できる限界までである。しかしながら、密閉型のニッケル水素二次電池の場合、過充電等により酸素ガスや水素ガスが発生して電池内部の圧力上昇が起こり、電解液のドライアウトによって寿命となる場合がほとんどである。
過充電時、正極の充電容量を超えて充電が行われると下記(式4)により正極から酸素ガスが発生する。
(式4) 正極:OH- → 1/4O2 + 1/2H2O + e-
なお、正極から発生する酸素ガスについては、負極に蓄えられた水素を消費して、酸素ガスと負極の水素とを反応させ水に転換することで(式5)、電池内部の圧力上昇を抑制している。これによりニッケル水素二次電池の密閉化を可能にしている。つまり、負極には、正極から発生した酸素ガスと反応させるための水素を余分に蓄えられるよう、負極にあらかじめ余分な容量を確保している。
(式5) MH + 1/4O2 → M + 1/2H2
また、負極においては、過充電時に下記(式6)の反応によって水素ガスが発生する。水素ガスが発生すると電池内圧が上昇してしまう。そのため、負極から水素ガスが発生しないよう、あらかじめ負極に余分な容量を確保している。これらの負極に確保される余分な容量を充電リザーブと呼ぶ。
(式6) H2O + e- ⇔ OH- + 1/2H2
一方、放電時においても、正極の放電が完了しても、負極に放電可能な容量を設けている。これを放電リザーブと呼ぶ。
このように、密閉型のニッケル水素二次電池においては、あらかじめ負極の容量を正極の容量よりも大きく設定し、充電リザーブと放電リザーブとを確保している(例えば、特許文献1)。
特開平05−101821号公報
しかしながら、充電リザーブおよび放電リザーブは、電池の充放電には実質寄与しない余分な容量である。また、放電リザーブは、主にニッケル水素二次電池の初期活性化の過程で蓄積し、通常の充放電サイクルによる導電材やセパレータ、バインダーの酸化、負極の腐食等によっても増加していく。放電リザーブ量は、電極が酸化、劣化に要した電気量とほぼ同等と考えられる。つまり、放電リザーブが増加するとは、言い換えれば、充電リザーブが減少し、負極の容量が減少することを意味する。そして、負極の容量が正極の容量よりも小さくなった場合には、負極から水素ガスが発生する。これにより電池の内部圧力が急上昇し、ガス排出弁が作動することによって電解液のドライアウトが生じ電池寿命が低下する(図1参照)。
このような電池寿命の低下を抑制するためには、充電リザーブをより大きく設定して負極に余分な容量を大きく確保することも可能であるが、そうすると充放電に実質寄与しない余分な負極部材(水素吸蔵合金)が大きくなり、電池の容積、重量の増大や電池全体におけるエネルギー密度の低下、コスト増を招くという課題がある。
一方、仮に負極の容量を大きくしても、正極から発生した酸素ガスと負極に蓄えられた水素とを確実に反応させなければ、酸素ガスが電池内に残存したり、負極に多量の水素が蓄積されたまま過充電状態となって水素ガスが発生したりする。このように、負極に蓄えられた水素が効率よく消費されないと、酸素ガスや水素ガスによって電池内圧が上昇し、早期に電池寿命になるという課題もある。
そこで、本発明は、負極に蓄積された水素を効率よく消費して、電池内圧の上昇を抑制し、負極の容量を変えないまま電池寿命の長寿命化を図ることを目的とする。
請求項1記載の二次電池は、正極活物質を含む正極部材と、負極活物質を含む負極部材と、前記正極部材と前記負極部材との間にセパレータを介在させてなる電極体とを有する二次電池において、前記電極体を収納するセルと、前記セルに装入された電解液と、を具備する密閉型の二次電池であって、前記セル内部に前記電解液を完全には充填させず空間を形成し、前記負極部材の一部が前記空間に存在し、他部が前記電解液中に存在していることを特徴とする。
この構成によれば、正極部材から発生した酸素ガスと負極部材の水素とを気中で効率よく反応させることができ、負極部材に蓄積された水素の消費も滞らないため、酸素ガスや水素ガスによるセル内部の圧力上昇を抑制することができる。
また、電解液を液体のまま用いる湿式の二次電池において、仮にセル内部を電解液で完全に充満させた場合、正極部材から発生した酸素ガスは電解液内を上昇して、負極部材の水素と反応できないまま、電解液内の上部に溜まることとなり、セル内部の圧力が上昇する。さらに、負極部材の水素の消費が滞ると、負極部材の充電可能容量が減少することとなり、負極部材からの水素ガスの発生が早まる。これら要因によりセル内部の圧力が一定以上になると、開放弁が開放し電解液のドライアウトが生じる。
なお、前記空間には空気等の気体が存在しているが、酸素ガスや水素ガスの発生により前記空間の気体量が増加した場合にも、気体であるため圧縮が可能であり、電解液(液体)で電池内部を充満させた場合に比べ、電池内部の圧力上昇を抑制できる。
ここで、セパレータはイオンを透過するが電子を透過させないものが望ましく、例えばポリオレフィン系繊維の不織布からなる疎水性、または親水性のセパレータを用いるとよい。このようなセパレータを用いることで、正極部材から発生した酸素ガスの多くがセパレータを通過して負極部材の水素と反応することができ、それ以外の酸素ガスを前記空間にある負極部材の水素と反応させればよいこととなる。なお、セパレータは、常時アルカリ性の電解液に接触するという条件下で使用されるので、セパレータに使用する材料として、疎水性または親水性、かつ耐化学薬品性に優れているものがより好ましく、例えば、上記ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などのポリオレフィン系繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポルフルオロエチレン系繊維、ポリアミド系繊維を用いることができる。そして、これらの繊維から、例えば織物、編物、糸レース、平打組物などにより形成した繊維シートを用いてもよい。なお、上記した不織布や織物は引張強度が高く、形態安定性に優れており、電池組立時に破損しにくいので好ましい。
負極部材と正極部材は、例えば、水素吸蔵合金と水酸化ニッケルの組み合わせを用いることができ、水素吸蔵合金の一例として、Mg2Ni型、LaNi5型、MgZn2型、TiFe型などを挙げることができる。また、電解液には、KOH水溶液、NaOH水溶液、LiOH水溶液などのアルカリ系水溶液を用いることができる。
また、「前記負極部材の一部が前記空間に存在する」とは、負極部材の一部が電解液から空間に突き出している状態をいう。
請求項2記載の二次電池は、前記負極部材の上端が前記正極部材の上端よりも上方に位置するように、前記負極部材と前記正極部材とが配置されていることを特徴とする。この構成によれば、正極部材から発生する酸素ガスをより効率よく負極部材の水素と反応させることができる。前記負極部材の上端が前記正極部材の上端よりも上方にとは、図2(a)のようにセルを横置きにした場合、下方から正極部材、セパレータ、負極部材の順に配置して負極部材を正極部材よりも上方に配置することや、図2(b)のようにセルを縦置きにした場合、負極部材を上方に少しずらして正極部材より上方に配置することとすればよい。また、下端については正極部材および負極部材のどちらが下方となってもよく、下端が揃っていてもよい。なお、図2(b)において、セパレータの裏側に存在する負極部材を点線で表している。
請求項3記載の二次電池は、前記空間における前記負極部材の表面積が、前記空間における前記正極部材の表面積よりも大きいことが好ましい。この構成によれば、空間において酸素ガスと反応できる負極部材の面積が大きいため、反応効率が向上する。
請求項4記載の二次電池は、前記セル内部において、下方より前記正極部材、前記セパレータ、前記負極部材の順に配され、前記セル内部に電解液を装入した状態で、少なくとも前記負極部材の一部が前記空間に接していることを特徴とする。この構成によれば、正極部材よりも負極部材が上方に位置するため、正極部材から発生した酸素ガスが電解液内を上昇し、上方にある負極部材の水素と効率よく反応することができる。
請求項5記載の二次電池は、前記電極体は、前記セパレータが蛇腹状であって、前記正極部材と前記負極部材とが前記セパレータを挟んで交互に配置されてなり、前記セルは、前記電極体の側端部を囲む枠形部材と、前記枠形部材の開口部を対向して覆う第1蓋部材と第2蓋部材と、を備え、前記電極体を前記セル内部に配置した状態で、前記負極部材の上端部が前記第1蓋部材の内側の面に当接し、前記正極部材の下端部が前記第2蓋部材の内側の面に当接したことを特徴とする。この構成によれば、正極部材と負極部材とが蛇腹状のセパレータを介して密接しているため、正極部材より発生した酸素ガスが負極部材の水素と反応しやすい。また、発生した全ての酸素ガスがセパレータを通過するので、酸素ガスの多くが負極部材の水素とすぐに反応でき、その余りの酸素ガスと負極部材の水素とを気中で反応させればよく、反応効率がよい。ここで、正極部材と負極部材の形状としては、例えば短冊状など、蛇腹状のセパレータに挟み込みやすい形状が好ましい。
また、前記負極部材の上端および前記正極部材の下端が、それぞれ第1蓋部材および第2蓋部材の内側の面に当接しているので、第1蓋部材および第2蓋部材を導電性とすれば、第1、第2蓋部材の内側の面が集電体(面)として機能する。同時に、この二次電池を複数積層する場合には、第1、第2蓋部材の外側の面が端子部(面)として機能する。
請求項6記載の二次電池は、前記電極体が、シート状の前記正極部材と前記負極部材とが、前記セパレータを介して渦巻き状に捲回され、その軸方向の下端部に前記正極部材が、上端部に前記負極部材が、それぞれ両部材を軸方向にずらした状態で重ね合わされてなり、前記セル内部に電解液を装入した状態において、前記負極部材の一部が電解液から突出していることを特徴とする。この構成によれば、セパレータを介して負極部材が正極部材よりも上方に配置されるため、電極体が捲回型の場合にも、正極部材より発生した酸素ガスと負極部材とが効率よく反応できる。
請求項7記載の二次電池は、前記セルは、前記電極体の側端部を囲む枠形部材と、前記枠形部材の開口部を対向して覆う第1蓋部材と第2蓋部材と、を備え、前記セル内部に複数の前記電極体を配置して、前記電極体の夫々の前記負極部材の上端部が前記第1蓋部材の内側の面に当接し、前記電極体の夫々の前記正極部材の下端部が前記第2蓋部材の内側の面に当接したことを特徴とする。この構成によれば、複数の捲回型の電極体により電池を形成した場合にも、正極部材より発生した酸素ガスが負極部材の水素と効率よく反応できる。また、第1蓋部材および第2蓋部材を導電性とすれば、負極部材と第1蓋部材とが電気的に接続され、正極部材と第2蓋部材とが電気的に接続される。
請求項8記載の二次電池は、前記二次電池が、ニッケル水素電池であってもよい。この構成によれば、大容量の二次電池とすることができる。
請求項9記載の電池モジュールは、請求項1〜8のいずれか1項記載の二次電池を複数積層してなることを特徴とする。この構成によれば、大容量の電池モジュールとすることができる。
以上のように、本発明に係る二次電池によれば、負極部材の水素を効率よく消費させることで、電池の内部圧力を確実に低減して液漏れ等による電池寿命低下を抑制し、二次電池の長寿命化を図ることができる。
充電リザーブおよび放電リザーブを説明するための模式図である。 負極部材と電解液との関係を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る二次電池の構造を示す図であって、(a)は斜視図である。(b)はXX線断面を表した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る二次電池を積層した電池モジュールを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る二次電池の変形例を示す図であって、(a)は二次電池の構造を表した斜視図である。(b)は同二次電池を積層した電池モジュールの斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る二次電池の電極体の構造を示す斜視図であって、一部断面を表した図である。 本発明の第2実施形態に係る二次電池のセパレータの変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る二次電池の構造を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る二次電池および同二次電池を積層した電池モジュールについて、図3〜図5に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
1.第1実施形態
(1)構造
図3は、本発明の第1実施形態に係る二次電池1の構造を示す斜視図および断面図である。二次電池1は、水素吸蔵合金(M)を主材料とした負極部材3と、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を主とした活物質からなる正極部材4と、ポリプロピレン系の不織布からなる親水性のセパレータ5とを備えたニッケル水素二次電池である。なお、負極部材3と正極部材4とセパレータ5とを合わせて電極体2という。また、電極体2の周囲を取り囲むように形成された矩形の枠形部材7と、枠形部材7と電極体2とを上下から覆う矩形の第1蓋部材8と第2蓋部材9と、によって角形のセル6が構成されている。
図3(b)に示すように、セル6の内部には、短冊状の負極部材3と短冊状の正極部材4とが、蛇腹状(プリーツ状)に折り曲げられたセパレータ5を介して互いに対向して交互に挟みこまれ、セパレータ5の上方に負極部材3、下方に正極部材4となるよう配置されている。そして、負極部材3と第1蓋部材8の負極集電面8aとが当接され、正極部材4と第2蓋部材9の正極集電面9aとが当接された状態となっている。
また、第1蓋部材8および第2蓋部材9はニッケルめっきを施した鋼板で形成されており、負極部材3と第1蓋部材8と、正極部材4と第2蓋部材9とがそれぞれ電気的に接続されることとなる。つまり、第1蓋部材8が負極集電体、第2蓋部材9が正極集電体の機能を担う。なお、第1蓋部材8の負極集電面8aと反対側の面は負極端子面8bとなり、第2蓋部材9の正極集電面9aの反対側の面は正極端子面9bとなり、第1蓋部材8と第2蓋部材9とが端子の機能も担う。
なお、第1蓋部材8および第2蓋部材9の材料としては、ニッケルめっきした鋼板に限定されず、アルカリ電解液中で腐食など変質がなく、イオンが透過せず電気伝導性があるものであればよく、例えばニッケル金属や炭素板、ニッケルめっきした炭素板でもよい。
また、電極体2の周囲を囲む枠形部材7は絶縁材からなる。
そして、セル6内部に水酸化カリウム(KOH)を主体とする電解液10を所定量装入して、セル6内部上方に空間Sを形成し、負極部材3および正極部材4の一部を電解液10から空間Sに突き出した状態に構成している。
以上から、負極部材3の一部が空間Sに、空気に接した状態で存在し、また負極部材3が正極部材4の上方に配置されているので、正極部材4から発生した酸素ガスが効率よく負極部材3と反応でき、負極部材3に蓄積された水素を確実に消費できる。
なお、後述する(4)変形例のように、二次電池1を縦置きにしても本発明を適用できるが、空間Sにおける負極部材3の突き出し分量が大きく、空気に接する表面積も大きいため、縦置きよりも横置きの方が比較的負極部材3に蓄積された水素を効率よく消費できる。
また、本実施形態においては、正極部材4は負極部材3よりも比較的剥がれやすい素材を用いているが、万が一正極部材4の破片が剥がれ落ちた場合にも、正極部材4は下方に配置しているため、セパレータ5を傷つけたり、セパレータ5を突き破り負極部材3と接触して短絡を生じるおそれが少ない。くわえて、正極部材4の破片が剥がれ落ちて堆積しても、破片と負極部材3とには距離があるため接触しづらい。
(2)充放電およびガス発生の仕組み
続き、二次電池1の充電および放電の仕組みについて簡単に説明する。
(充電)
充電時には、二次電池1が発電手段と接続されると、発電手段から放出された電子e-は負極集電体(第1蓋部材8)を介して負極部材3が受容する。そして、負極部材3の水素吸蔵合金の表面にH+イオンが集まり、水素吸蔵合金の表面でH+イオンは電子e-を受け取りH原子となり水素吸蔵合金内に取り込まれる。
(放電)
一方、二次電池1に負荷手段が繋がれると、負極部材3の水素吸蔵合金の表面でH原子が電子e-を失いH+イオンとなって電解液10中を移動する。そして、電子は負極部材3から放出され、負荷手段を通過して正極部材4に向かう(この時、負荷手段に電流が流れる)。
(ガス発生)
以上が充電および放電の簡単な仕組みとなるが、充電時に過充電が起こると、前記した(式4)の反応により、正極部材4から酸素ガスが発生する。この発生した酸素ガスは、セパレータ5を通過して、負極部材3の水素吸蔵合金に含まれる水素と反応することにより水に転換される。この反応により、二次電池1の内部圧力の上昇が抑制される。
上記したとおり、充電時、負極部材3側ではH+イオンが電子を受け取りH原子となって水素吸蔵合金に取り込まれる。しかし、過充電等によって水素吸蔵合金内にH原子が既に充填され、H原子を取り込める容量がなければ水素ガスが発生することとなる。水素ガスが発生すると二次電池1の内部圧力が上昇する。なお、酸素ガスと異なり、一般的な二次電池では水素ガスを水に変換させる構造となっていないため、水素ガスが発生すると二次電池の内部圧力はその分上昇することとなる。
この水素ガスの発生は、放電リザーブの増加により負極部材3の充電容量が減少することが主な要因となっているが、その他、上記の正極部材4から発生した酸素ガスの反応に負極部材3の水素が確実に使われなければ(水素の消費が滞れば)、その分だけ負極部材3の充電容量は低下することなる。ひいては電池寿命の低下にも繋がる。
つまり、二次電池1内で負極部材3が正極部材4の下方に配置されていたり、負極部材3すべてが電解液内に浸漬していたりすると、負極部材3に蓄積された水素の消費が滞りやすく好ましくない。
したがって、本発明の二次電池1のように、負極部材3を正極部材4よりも上方に配置したり、電解液10から空間Sに負極部材3の一部を突き出したりすることで、負極部材3に蓄積された水素を効率よく消費させることができる。これにより、二次電池1の内部圧力の上昇を抑え、充電容量の低下を防ぐことができる。ひいては、電池寿命の長寿命化を図ることができる。
(3)電池モジュール
次に、二次電池を用いた電池モジュールについて説明する。上述した本発明に係る二次電池1は、単体の電池として使用できるだけでなく、図4に示すように、二次電池1を複数積層して構成した電池モジュールに適用することもできる。この電池モジュールは、角形の二次電池1を上下に複数積層したものである。この時、負極端子面8bと正極端子面9bとが対向する向きに積層することで、各二次電池1が電気的に直列接続される。なお、本実施形態において、二次電池1の向きはいずれも負極部材3(第1蓋部材8)を上方として積層している。二次電池1を逆方向に積層してしまうと、正極部材4より負極部材3が下方にきて、負極部材3に蓄積された水素の消費が滞るためである。
また、各二次電池1間には導電性の放熱板11を配している。一般的に、電池温度の上昇は負極部材および正極部材の劣化を招き、放電リザーブの増加となる。このように、電池モジュールにこのような冷却構造を設けることにより、簡単な構造で、各二次電池1の積層面を効果的に冷却して、二次電池1および電池モジュールの性能劣化を防止することもできる。
また、二次電池1および放熱板11を積層した積層体の上下端面には、それぞれ図示しない集電板および圧縮板が配置されている。
(4)変形例
図5は、二次電池1を縦置きにした状態で使用した変形例である。図5に示すように、二次電池1は縦置きにしても使用できる。この状態で使用した場合にも、負極部材3の上方一部が電解液10から空間Sに突き出しており、正極部材4から発生した酸素ガスを負極部材3の水素と効率よく反応できる。これにより、負極部材3の水素の消費が滞らず、水素を効率よく消費できる。よって、酸素ガスや水素ガスによる電池内部の圧力上昇を抑制でき、電池の長寿命化が図れる。
また本変形例において、負極部材3の下端が正極部材4の下端よりも上方に位置するよう配置しているが、負極部材3の下端が下方にきてもよいし、負極部材3と正極部材4の下端が揃っていてもよい。また、縦置きの場合には、負極部材と正極部材の上端は揃えてもよい。
2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図6〜図8に基づき説明する。第1実施形態との主な違いは電極体の構造である。そこで、電極体の構造について主に説明する。
図6は、本発明の二次電池101における捲回型の電極体102の構造を示す斜視図である。図6に示すように、略円筒状の電極体102は、シート状の負極部材103と、シート状の正極部材104と、両部材間に介在するイオンは透過するが電子を透過させない板状のセパレータ105とを備える。セパレータ105の断面は下方が開口した略コ字状であり、この開口部に正極部材104が挟み込まれ、正極部材104の下端がセパレータ105の下方に突き出している。そして、セパレータ105の一方下端は電極体102の径方向外方に折り曲げられ、そこに負極部材103がその上端がセパレータ105の上方に突き出るように配されており、負極部材103と正極部材104とがセパレータ105を介して渦巻き状に巻回されて電極体102を構成する。つまり、電極体102の外方から径方向内方に向け、セパレータ105を介して負極部材103と正極部材104とが交互に配された状態となる。
なお、セパレータ105の断面形状は略コ字状に限定されず、例えば図7(a)に示すように、矩形状のセパレータ105’としてもよい。この場合、負極部材103もしくは正極部材104が剥がれ落ち、他方部材に破片が接触して短絡しないよう、セパレータ105’の高さは負極部材103および正極部材104の高さよりも高くしておくことが望ましい。このとき、負極部材103および正極部材104とセパレータ105’とは、強く捲回することで、それぞれに強い摩擦力が発生し、両部材はセパレータからずれない。
また、上記以外にも、セパレータ105の断面形状は、図7(b)に示す略Z字状のセパレータ105’’などとしてもよく、また図7(c)に示す図断面略L字状のセパレータ105’’’a,bを2つ組み合わせた構成としてもよい。要するに、負極部材103と正極部材104との接触を防ぎ短絡を防止できる構成であればよい。
ここで、負極部材103は、導電性の発泡ニッケルなど板状体に水素吸蔵合金粉末を塗布して発泡ニッケルの細孔に充填し、乾燥したあと所定の厚みに圧延して形成されている。正極部材104は、導電性の発泡ニッケルなどの板状体に水酸化ニッケルを含浸して発泡ニッケルの細孔に充填し、乾燥したあと所定の厚みに圧延して形成されている。セパレータ105は、電気絶縁物質であるポリプロピレン、ポリエチレン またはポリアミドなどからの繊維を材料とする不織布で構成されている。これにより、セパレータ105はイオンを透過するが電子を透過しない。
以上が電極体102の構造である。次に、電極体102を用いて構成した二次電池101について説明する。図8(a)(b)は本発明の第2実施形態に係る二次電池の内部構造を示す斜視図である。
図8に示すように、二次電池101は角形のセル106に複数の電極体102を収納してなる二次電池である。セル106は、第1実施形態のものと同様、矩形の枠形部材107と第1蓋部材108と第2蓋部材109とで構成され、枠形部材107が絶縁材からなり、第1蓋部材108と第2蓋部材109がニッケルめっきを施した鋼板からなる。
そして、枠形部材107に複数の電極体102を並列的に敷き詰め、電極体102の上方が負極部材103となるよう配置し、下方から第2蓋部材109、上方から第1蓋部材108を被せる。また、負極部材103の上端部が第1蓋部材108の負極集電面108aと当接され、正極部材104の下端部が第2蓋部材109の正極集電面109aと当接された状態となり、負極部材103と第1蓋部材108と、正極部材104と第2蓋部材109とが電気的に接続されることとなる。すなわち、第1蓋部材108が負極集電体、第2蓋部材109が正極集電体の機能を担う。なお、第1蓋部材108の負極集電面108aと反対側の面は負極端子面108bとなり、第2蓋部材109の正極集電面109aの反対側の面は正極端子面109bとなり、第1蓋部材108と第2蓋部材109とが端子の機能も担う。
このように複数の電極体102を並列的に配置することによって、大容量の二次電池とすることができる。また、電極体102の上下にそれぞれ突き出している負極部材103および正極部材104とが、第1蓋部材108と第2蓋部材109とにそれぞれ当接するのみで溶接されていないので、溶接部の電気抵抗による電圧低下がない。これにより、二次電池101の高性能化が可能となる。
そして、セル106内部に水酸化カリウム(KOH)を主体とする電解液110を所定量装入して、セル106内部上方に空間S’を形成し、負極部材103の一部が電解液110から空間S’に突き出した状態とする。
これにより、負極部材103の上方一部が空間S’に、空気に接した状態で存在することとなるため、充電時に正極部材104から発生した酸素ガスが効率よく負極部材103と反応でき、負極部材103に蓄積された水素を確実に消費できる。
なお、上記の二次電池101では複数の電極体102を収納する場合について説明したが、一つの電極体102を収納する構成としてもよい。
また、第1実施形態同様、二次電池101は、単体の電池として使用できるだけでなく、図4のように、二次電池101を複数積層して大容量の電池モジュールとすることもできる。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。また、負極部材や正極部材、セパレータ、セルの形状を変更してもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1,101 二次電池
2,102 電極体
3,103 負極部材
4,104 正極部材
5,105 セパレータ
6,106 セル
7,107 枠形部材
8,108 第1蓋部材
8a,108a 負極集電面
8b,108b 負極端子面
9,109 第2蓋部材
9a,109a 正極集電面
9b,109b 正極端子面
10,110 電解液
11 放熱板
S 空間

Claims (9)

  1. 正極活物質を含む正極部材と、負極活物質を含む負極部材と、前記正極部材と前記負極部材との間にセパレータを介在させてなる電極体を有する二次電池において、
    前記電極体を収納するセルと、前記セルに装入された電解液と、を具備する密閉型の二次電池であって、
    前記セル内部に前記電解液を完全には充填させず空間を形成し、
    前記負極部材の一部が前記空間に存在し、他部が前記電解液中に存在している二次電池。
  2. 前記負極部材の上端が前記正極部材の上端よりも上方に位置するように、前記負極部材と前記正極部材とが配置されている請求項1記載の二次電池。
  3. 前記空間における前記負極部材の表面積が、前記空間における前記正極部材の表面積よりも大きい請求項1または2記載の二次電池。
  4. 前記セル内部において、下方より前記正極部材、前記セパレータ、前記負極部材の順に配され、前記セル内部に電解液を装入した状態で、少なくとも前記負極部材の一部が前記空間に接している請求項1〜3のいずれか1項記載の二次電池。
  5. 前記電極体は、前記セパレータが蛇腹状であって、前記正極部材と前記負極部材とが前記セパレータを挟んで交互に配置されてなり、
    前記セルは、前記電極体の側端部を囲む枠形部材と、前記枠形部材の開口部を対向して覆う第1蓋部材と第2蓋部材と、を備え、
    前記電極体を前記セル内部に配置した状態で、前記負極部材の上端部が前記第1蓋部材の内側の面に当接し、前記正極部材の下端部が前記第2蓋部材の内側の面に当接した請求項1〜4のいずれか1項記載の二次電池。
  6. 前記電極体は、シート状の前記正極部材と前記負極部材とが、前記セパレータを介して渦巻き状に捲回され、その軸方向の下端部に前記正極部材が、上端部に前記負極部材が、それぞれ両部材を軸方向にずらした状態で重ね合わされてなり、
    前記セル内部に電解液を装入した状態において、前記負極部材の一部が電解液から突出している請求項1〜3のいずれか1項記載の二次電池。
  7. 前記セルは、前記電極体の側端部を囲む枠形部材と、前記枠形部材の開口部を対向して覆う第1蓋部材と第2蓋部材と、を備え、
    前記セル内部に複数の前記電極体を配置して、
    前記電極体の夫々の前記負極部材の上端部が前記第1蓋部材の内側の面に当接し、前記電極体の夫々の前記正極部材の下端部が前記第2蓋部材の内側の面に当接した請求項6記載の二次電池。
  8. 前記二次電池が、ニッケル水素電池である請求項1〜7のいずれか1項記載の二次電池。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の二次電池を複数積層してなる電池モジュール。
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