JP2012226119A - 化学増幅型レジスト組成物の製造方法及びフォトマスクブランク - Google Patents

化学増幅型レジスト組成物の製造方法及びフォトマスクブランク Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、電子線レジスト組成物の高精度な感度管理をするための感度検査方法を用いた、高精度に管理されたレジスト組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 レジスト組成物用材料と溶剤からなるレジスト組成物原体を調製し、該レジスト組成物原体を一部採取し、該採取したレジスト組成物原体を用いて試験用基板上にレジスト膜を形成し、該レジスト膜にパターン照射を含むパターン形成処理を行ってレジストパターンを形成し、形成された該レジストパターンのサイズと前記パターン照射時の照射エネルギー量に基づいて前記レジスト組成物原体の感度を検定した後、該感度検定結果を基に前記レジスト組成物原体に加える追加材料の量を調整して前記レジスト組成物原体の感度調整を行う化学増幅型レジスト組成物の製造方法において、前記パターン照射を電子線ビーム照射により行うことを特徴とする化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学増幅型レジスト組成物の製造方法、及び該化学増幅型レジスト組成物から得られるレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクに関する。
近年、集積回路の高集積化に伴いより微細なパターン形成が求められ、波長248nmのKrFエキシマレーザー光やそれよりも短波長の露光光や、電子線、X線等の高エネルギー線を使用するリソグラフィーに用いるレジスト組成物は、感度、解像度の点から殆ど全て化学増幅型のものが使用されている。
化学増幅型レジスト組成物にはネガ型とポジ型があり、基本的には、ネガ型(例えば特許文献1等)は、アルカリ水溶液に可溶性のベース樹脂と、酸の存在下にベース樹脂間を架橋してベース樹脂を不溶化する架橋剤(架橋剤とベース樹脂が一体の場合もある)と、高エネルギー線の照射により酸を発生する酸発生剤とを含有するものであり、ポジ型(例えば特許文献2、3等)は、アルカリ水溶液に不溶性であるが酸の存在下に保護基が脱保護を受けてアルカリ可溶性に変化するベース樹脂と、酸発生剤を含有するものである。
上記化学増幅型レジスト組成物から得られるレジスト膜では、高エネルギー線が照射されると酸発生剤より酸が発生し、その酸による触媒反応が起きることで膜の現像液に対する溶解性が変化するものである。ここで、このようなレジスト膜の微細加工を行う上では、一分子の酸が触媒反応を起こす範囲、すなわち酸の拡散距離のコントロールが極めて重要である。なぜなら、酸の拡散距離が小さすぎる場合には期待した感度を得ることができず、一方拡散距離が大きすぎる場合には、明暗のコントラストを損ない、解像性能が低下することになる。そこで、この酸の拡散距離をコントロールする材料である塩基性化合物は、ポジ型にせよネガ型にせよ、実質的に必須の構成材料である。このような、レジスト組成物に使用される塩基性化合物は、一般的には、窒素含有塩基性物質が挙げられ、特許文献1〜4にも多数開示されている。
レジスト組成物を調製する場合、上述の主要材料を始めとするレジスト組成物用材料を溶剤に溶解して塗布用溶液とし、更に必要に応じてパーティクルを除去するための精密ろ過が行われてレジスト組成物が完成する。ここでのレジスト組成物の調製では、純度が検定された材料を用い、その質量が精秤されたものが添加される。ところが、用いる材料のわずかな量の変化に影響を受け、調製される化学増幅型レジスト組成物は、製品ロットによってわずかに異なる感度を持ったものに仕上がる場合がある。しかし、レジスト組成物の使用時に常に感度の検定を行ってから使用しなければならないことは製品として好ましくなく、レジスト組成物が製品として完成した時点で、感度が一定に管理されることが望ましい。そこで、通常、上述のろ過前、あるいはろ過後のレジスト組成物よりサンプルを採取し、実際にテストパターンを形成して感度の検定を行って、その結果に基づき感度調整を行い、レジスト組成物の最終製品とする。
従って、通常、レジスト組成物に対しては、効率良く種々のテストパターンを一括で照射できるKrFエキシマレーザー光を光源とするステッパやスキャナを用いて、光露光によって感度検定が行われている。また、試験用基板には、容易に高精度な膜厚でレジスト膜を成膜できる基板であるシリコンウェハーが用いられる。
また、電子線用化学増幅型レジスト組成物は、電子線照射装置がビーム露光により基板上の点を順次照射していくパターン照射方法を取るため、パターン照射には時間がかかり効率が悪いという問題や、また、フォトマスクブランク用のものであっても、石英基板はシリコンウェハーに比べてはるかに重いため、回転塗布による高精度な膜厚制御に手間がかかるという問題がある。従って、電子線用化学増幅型レジスト組成物についても、KrFエキシマレーザー光を光源とするステッパやスキャナを用いて、光露光によって感度検定が行われている。
特開2006−201532号公報 特開2006−225476号公報 特開2006−124314号公報 特開2010−39474号公報
現在最先端のレジスト組成物により解像されるパターン線幅は、最小寸法が50nm以下のものとなってきているが、100nm以細、特に50nm以細のパターンを形成しようとした場合、わずかな感度誤差でもパターンへの影響が顕著となり、従来より高度な感度管理が要求されるようになってきている。
特にフォトマスクブランクは、マスクへの加工に用いる電子線用化学増幅型レジストを成膜したものを製品とすることがあるが、この場合、基板(例えば、石英基板)も高価であることから、レジスト膜を成膜したフォトマスクブランク製品の1ロットよりサンプルを取りだして、成膜されているレジスト膜の感度検査をすることは大きな経済的負担になる。そこで、塗布する際(即ちレジスト組成物が製品として完成した時点)に既に感度が厳密に調整されたレジスト組成物が必要になる。
ところが、本発明者らが、感度に対するより高精度な製造工程管理を行おうとしたところ、従来のKrFエキシマレーザー光による工程検査では、精度に限界があるのではないかという疑いが持たれた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、レジスト組成物、特に電子線レジスト組成物の高精度な感度管理をするための感度検定方法を用いた、高精度に感度管理されたレジスト組成物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、レジスト組成物用材料と溶剤からなるレジスト組成物原体を調製し、該レジスト組成物原体を一部採取し、該採取したレジスト組成物原体を用いて試験用基板上にレジスト膜を形成し、該レジスト膜にパターン照射を含むパターン形成処理を行ってレジストパターンを形成し、形成された該レジストパターンのサイズと前記パターン照射時の照射エネルギー量に基づいて前記レジスト組成物原体の感度を検定した後、該感度検定結果を基に前記レジスト組成物原体に加える追加材料の量を調整して前記レジスト組成物原体の感度調整を行う化学増幅型レジスト組成物の製造方法において、前記パターン照射を電子線ビーム照射により行うことを特徴とする化学増幅型レジスト組成物の製造方法を提供する。
このように、感度検定を電子線ビーム照射で行うことによって、従来のKrFエキシマレーザー光等の光露光による感度検定に比べて、高精度に感度管理された化学増幅型レジスト組成物を製造することができる。本発明は、特に、電子線用の化学増幅型レジスト組成物の製造に有用である。
また、前記電子線ビーム照射は、1つの前記試験用基板に対し、電子線の照射開始から照射完了までの時間を10時間以内として行うことが好ましい。
このように、10時間以内で照射開始から照射完了までの全照射工程を終了することによって、電子線照射後、照射後加熱までの引き置き時間(PED)の照射位置による時間差を小さくすることができ、検定精度を高く維持することができる。
また、前記電子線ビーム照射を、0.5cm以上80cm以下の領域に行うことが好ましい。
電子線ビーム照射領域の面積を、上記面積範囲に限定することによって、電子線ビーム照射工程をより短時間に設計することができる。
また、前記電子線ビーム照射は、総照射エネルギー量を0.5μC以上5000μC以下として行うことが好ましい。
このように、総照射エネルギー量を上記範囲内として行うことにより、チャージアップ(マイナスの電荷を持った電子が照射されることで検査基板に電荷が溜まる現象)によるパターン形成精度低下を抑制することができ、一層高い検定精度を得ることができる。
また、前記電子線ビーム照射により形成するレジストパターンを、前記レジスト組成物原体がポジ型の場合はダークパターンに、前記レジスト組成物原体がネガ型の場合はブライトパターンになるよう設計することが好ましい。
このように、レジスト組成物原体のタイプによってパターンを選択することで、総照射エネルギー量を抑制しつつ、高精度な感度の検定を行うことができる。
また、前記試験用基板として、石英基板又はフォトマスクブランクを用いることが好ましい。
このように、上記の試験用基板を用いて本発明により製造された化学増幅型レジスト組成物であれば、実際に製品に適用した際に、一層高い感度信頼性が得られる。また、これらは通常シリコンウェーハより質量が大きく、四角形の形状をしていることが多いことから、レジスト組成物原体の段階で、塗布性に問題がないかのチェックを同時に行うことができる。
また、前記感度検定を、製造時期の異なる2以上の標準レジスト組成物を参照として行うことが好ましい。
このように、製造時期の異なる2以上の標準レジスト組成物を参照として感度検定を行うことで、検査の高い信頼性が得られると共に、標準となる組成物を容易に維持することができる。
また、前記追加材料として、塩基性物質を用いることができる。
一般的にレジスト組成物の感度を低下させるものである塩基性物質は、感度調整を行うための追加材料として適している。
また、本発明では、前記化学増幅型レジスト組成物の製造方法により製造された化学増幅型レジスト組成物から得られるレジスト膜が形成されたものであることを特徴とするフォトマスクブランクを提供する。
上述のように、フォトマスクブランクは、マスクへの加工に用いる化学増幅型レジストを成膜したものを製品とすることがあり、経済的負担を少なくするためにも、レジスト組成物を塗布する時点で厳密に感度が調整されたレジスト組成物が求められていた。本発明によれば、レジスト組成物を塗布する時点で高精度に感度管理された化学増幅型レジスト組成物を製造することができるために好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物の製造方法により、高精度で超微細なパターン(最小パターン線幅が100nm以下、特に50nm以下のパターン)の形成を要求されるレジスト組成物の、電子線に対する感度の信頼度を上げることができる。即ち、化学増幅型レジスト組成物が製品として完成した時点で、感度が一定に管理された化学増幅型レジスト組成物を得ることができ、このような化学増幅型レジスト組成物は、加工段階での高い性能再現性を保証し得るものとなる。
本発明の化学増幅型レジスト組成物の製造方法の一例を示すフロー図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
化学増幅型レジスト組成物の一般的製造プロセスでは、まず、ネガ型又はポジ型レジスト組成物に用いる予め決められたレジスト組成物用材料を所定量準備し、それらをレジスト用溶剤に溶解して、レジスト組成物原体を調製する。
ここで用いられるレジスト組成物用材料としては、ポジ型又はネガ型として、酸による触媒反応でアルカリ性現像液等に対する溶解性が変化する機能を有するポリマー類(ベースポリマー)、酸発生剤、ネガ型では更に架橋剤が必須成分であるが、これらに加えて、高解像性を得るために塩基性物質が実質的な必須成分である。ただし、酸発生剤、架橋剤、塩基性物質は、それぞれ、一部分もしくは全部がポリマーに結合されて一体となっている場合もある。また、更に、塗布性を向上させるための界面活性剤、製品を安定化させるための安定化剤、その他の物性を調整するための種々の添加剤が用いられる場合もある。これらの成分によるポジ型およびネガ型の化学増幅レジスト組成物については既に多数の例が公知である(例えば特許文献1〜4参照)。
これらのレジスト組成物用材料、溶剤は、全て厳密な管理の下に純度及び添加量が決められるが、実際に仕上がる化学増幅型レジスト組成物の持つ感度は、上述の成分を全て混合した段階では微妙にぶれることがある。そこで、製品の感度を一定に保つため、全ての成分を添加して出来上がったレジスト組成物用材料と溶剤からなるレジスト組成物原体の感度検定を行い、結果に基づいて感度調整を行う方法が採られる。
この感度調整は、レジスト組成物原体の感度検定結果に基づいて、レジスト組成物原体に加える追加材料の量を調整して行われる。追加材料として、感度を低下させる塩基性物質は容易に用いることができ、微量を添加することによって感度調整を行うことが可能である。一般的には、上記レジスト組成物原体を調製する段階では、塩基性物質量を目標感度に対してわずかに量を減らした原体が調製されることが多い。そして、ここで得られたレジスト組成物原体の感度を検定した後、検定結果で得られた感度に基づいて、塩基性物質、あるいは塩基性物質をレジスト溶剤やレジスト組成物原体で希釈したものを添加して感度調整を行う。この感度調整用の塩基性物質は、通常レジスト組成物に用いる塩基性組成物と同じものを用いるが、添加する塩基性物質が、ポリマーに塩基性官能基を結合されたもののみであるような場合には、別途レジスト組成物に常用される塩基性物質からレジスト性能を下げないものを予め選択しておき、感度調整用として使用されることもある。
一方、感度調整のための追加材料は、レジスト組成物原体の組成に対し塩基性物質のみが欠けているものでもよい。即ち、常時製造が行われるような場合には、始めから予定量全てを用いて原体を調製し、目標感度よりも低感度に仕上がった場合には、調合したレジスト組成物中に、塩基性物質以外の成分を追加して感度を上げることもできる。
感度検定は、通常のレジストパターンの形成方法に準じて、レジスト膜を形成し、高エネルギー線のパターン照射を行い、得られたパターン形状を観察して行うものである。すなわち、レジスト組成物原体を用いて形成されたレジスト膜に対して、所定のパターンを形成するパターン照射を、エネルギー量を段階的に変化させて行い、照射後加熱のようなパターン形成に必要な所定の工程の後、所定の現像液による現像処理を行って得られたパターン形状を観察して、照射パターンと同一の形状のパターンを与える照射量を求める方法である。
最も広く行われる感度の検定方法は、いわゆるEoptを求める方法である。すなわち、レジストパターンの好ましい形状が確実に得られる細すぎない線幅、かつ、測定値の信頼性が落ちないよう広すぎない線幅を持つラインアンドスペースパターンを用い、段階的に照射量を変えて照射していく。KrFエキシマレーザーの場合、例えば、線幅400nm程度の1:1のラインアンドスペースパターンをテストパターンとして使用し、400nmのラインアンドスペースパターンを描画することができるマスクパターンを用いる。
次に、パターン照射されたレジスト膜に所定の条件による露光後加熱(PEB)を行った後、所定の条件による現像を行ってレジストパターンを得る。そして、走査型電子顕微鏡(SEM)で各照射量において実際に形成されたパターンの線幅を測定する。この時レジスト膜がポジ型である場合、レジスト膜の持つ感度に対して照射量がやや少なければ、パターン線幅が400nmよりも大きくなり、照射量がやや多すぎればパターン線幅が400nmよりも小さくなる。そこで、この測定結果より露光量と線幅の関係を求め、400nmの線幅を与える露光量を算出するという方法である。
ここで、従来良く知られている通り、電子線ビームによるパターン照射は、ポジ型の場合、スペース部に相当する部分点全てをビーム照射していくという方法であることから、レジスト性能を検定するために用いられる多くの情報を持ったパターンを、照射量を変化させながら照射していった場合、照射時間が非常に長くなることになる。そこで、従来は電子線照射装置による長時間の検査ではなく、多数の情報を有するパターンを一括で照射できる、フォトマスクを用いた光照射による検査が行われ、100nm以下の最小パターン線幅を持たないようなレジスト組成物であれば十分満足する精度が得られていた。
ところが、本発明者らは、100nm以下、特に50nm以下の最小パターン線幅を得るためのレジスト組成物を、膜厚250nm以下、特に150nm以下のレジスト膜厚として感度検定を行ったところ、KrFエキシマレーザーでは十分な精度がでないことを見出し、この検定には電子線照射によるパターン形成が必要であることを見出した。
すなわち、本発明は、レジスト組成物用材料と溶剤からなるレジスト組成物原体を調製し、該レジスト組成物原体を一部採取し、該採取したレジスト組成物原体を用いて試験用基板上にレジスト膜を形成し、該レジスト膜にパターン照射を含むパターン形成処理を行ってレジストパターンを形成し、形成された該レジストパターンのサイズと前記パターン照射時の照射エネルギー量に基づいて前記レジスト組成物原体の感度を検定した後、該感度検定結果を基に前記レジスト組成物原体に加える追加材料の量を調整して前記レジスト組成物原体の感度調整を行う化学増幅型レジスト組成物の製造方法において、前記パターン照射を電子線ビーム照射により行うことを特徴とする化学増幅型レジスト組成物の製造方法である。
このように、感度の検定を電子線ビーム照射で行うことによって、高精度に感度管理されたレジスト組成物を製造することができる。
また、このように感度調整を高精度に行うためには、レジスト組成物原体の感度検定において極力実験誤差を抑えることが望ましい。そこで、本発明者らは、パターンの最小線幅が100nm以下、特に50nm以下のパターンを形成するためのレジスト(特に電子線用レジスト)の感度を一層高精度に検定する場合、電子線ビーム照射による感度検定を行った上で、更に新たな対策を行うことが望ましいことを知見した。
そして、本発明者らは、電子線ビーム照射による感度検定に用いるレジスト膜の膜厚を高精度、例えば標準膜厚に対して±3nm以下に管理すること等の管理基準の重要性、検査装置に基づく問題、標準サンプルの問題を解消することの重要性に着目した。即ち、電子線ビーム照射による感度検定を一層精度を上げるためには、以下のような基準を設けて、実験誤差が極力排除できる条件とすることが好ましいことが判った。
電子線照射開始時から照射完了時までの時間
パターン照射操作における実験誤差が生じ得る原因としては、電子線照射後、照射後加熱までの引き置き時間の問題(いわゆるPEBディレー:PEDと以下表記する)が挙げられる。電子線ビームによるパターン照射では、照射開始時刻から照射完了時刻までの時間が長く、例えば通常用いられる15〜16cm角のフォトマスク基板を用いて実用のものに近いパターンを電子線により描画した場合には20時間以上が必要である。そこで、照射開始より早い時期に照射を完了した照射位置と、全ての照射が完了した時に照射を完了した位置では、照射後加熱までの引き置き時間に照射工程時間に相当する時間差ができることになり、基板上での位置によりPEDの影響が異なって現れる可能性がある。
通常、電子線用化学増幅型レジスト組成物は、PEDの影響がなるべく小さくなるように成分の設計がなされるが、高精度の感度検定を行う場合にはPEDの影響を可能な限り排除することが好ましい。そこで、照射開始から照射完了までを10時間以内、より好ましくは5時間以内で行うことが可能なパターンのセットを用いることが好ましい。このためには、非常に多段階の照射量について照射するのではなく、後述する事前感度検定を行った後に、ある程度段階を絞ってから電子線ビーム照射による感度検定を行うことが好ましい。
照射領域面積
感度検定時間を短縮するため、試験基板上に成膜されたレジスト膜上で、検査を行うために電子線を照射する領域の面積を、0.5cm以上80cm以下となるよう照射パターンセットの設計を行うことが好ましい。
0.5cm以上であれば、十分な精度を得るためのパターンの数を確保することができ、80cm以下であれば、不要に長いトータル照射時間となる可能性がないために好ましい。
総照射エネルギー
なお、電子線照射では、検査対象にマイナスの電荷を持った電子が照射されることで検査基板に電荷が溜まり(いわゆるチャージアップ)、照射位置の精度を下げる危険性がある。通常、基板は除電のためにアースを取る等の処置は行われるが、検査における高いパターン再現性を確保するためには、レジストパターンの形成に用いる総照射エネルギー量の抑制を図ることが好ましい。レジストの感度は用いる電子線照射装置の電子線の加速電圧によって変化するものであるが、現行の高い解像性を要求される電子線照射装置の加速電圧50keV〜100keVの装置では、検定管理法の設計として、検定に用いる総照射エネルギー量を0.5μC以上5000μC以下とすることが好ましい。
0.5μC以上である場合、必要とする十分なパターンを描画することができ、5000μC以下である場合、パターン信頼性が下がる恐れがないために好ましい。
パターンセット
低い総照射量で検査をするためには、ポジ型レジスト組成物を検定するためのパターンセットとしては、残し部の面積が、抜き部の面積よりも広いパターンセットである、いわゆるダークパターンであることが好ましく、ネガ型レジスト組成物を検定するためのパターンセットとしては、逆に、抜き部の面積が残し部の面積よりも広いパターンセットである、ブライトパターンであることが好ましい。
また、用いるパターンとしては、高精度な測定が可能なパターンであればどのようなパターンでもよいが、ラインアンドスペースパターンはパターン形成後のライン線幅の測定が容易なことから好ましい。
特に、照射時間をなるべく短いものにする場合には、測定精度を得るためには、例えば、検定用の線幅を予め1つ決めておき、その幅のラインを10〜100本持つ1:1のラインアンドスペースパターンを、1:1で解像すると予想される照射量を中心に、5〜25段階、段階的に照射量を変化させて照射することが好ましい。ライン数が10本より少ない場合や、照射段階数が5段階より少ない場合には、検定結果に十分な精度が得られなくなる可能性がある。また、本数や段階数が多すぎる場合には、長い照射時間や高い照射量が必要になる。尚、予想される照射量は、以下の事前感度検定を行うことで求めることが可能である。
また、精度が確保可能な照射時間内で、更にパターン照射することが可能であれば、ラインの線幅を変えてラインアンドスペースパターンを照射することもできる。より微細なパターン形成は、感度検定には不向きであることがあるが、より微細なパターン形成の状態を観察することによって、レジスト材料の劣化等がないことを確認することができる。
事前感度検定
また、本発明の化学増幅型レジスト組成物の製造方法における電子線ビーム照射による精密な感度検定を行う前には、事前感度検定として粗い感度検定を行っておくことが好ましい。この事前感度検定には、フォトマスクを用いた光照射によるパターン露光を用いてもよいし、電子線照射で行ってもよい。電子線照射で行う場合には、この段階でPEDの影響を特に考慮せずに照射時間がやや長めであっても広い照射線量の幅をカバーする方法をとっても、検査時間を短くするために照射量変化のステップ幅を大きく取るような方法で行ってもよい。
レジスト膜厚
また、上記以外の管理上注意すべき条件としては、成膜後のレジスト膜厚の管理が重要である。
本発明においては、例えば参照とする標準レジスト組成物からなる標準レジスト膜(標準サンプル膜)に対して±3nm以下に管理することが好ましい。また、電子線照射による微細加工に用いるレジスト膜厚の幅は、通常10nm〜2000nmであり、特に本発明の検査方法が好適に機能するのは10nm〜300nm、より好適なのは10nm〜150nm、さらに10nm〜100nmで特に意義を持つ。
試験用基板
フォトマスク用石英基板やフォトマスクブランクは、シリコンウェハーより質量が大きく、四角形の形状をしていることが多いことから、均一な膜が成膜しにくい。そこで、逆に、フォトマスク用石英基板や、更に遮光膜等が成膜されたフォトマスクブランクを試験用基板として用いることにより、レジスト組成物原体の段階で、塗布性に問題がないかのチェックを同時に行うことができる。
更に、レジスト膜を成膜するフォトマスクブランク製品によっては、製品の最表面の材料によってレジストパターンに影響を与える場合があり、得られる感度測定結果の誤差要因となる可能性がある。例えばクロム窒化物やクロム酸化窒化物が製品の最表面に用いられることがあるが、このような材料は酸がクロム系材料側に拡散することがあり、シリコンウェハーで感度測定を行った場合よりもわずかに低い感度を示す可能性がある。また、その他の材料でもパターンの基板依存性が全くないということはできない。そこで、フォトマスクブランク製品に塗布するための電子線レジスト組成物を検査する場合、より厳密な検査結果を得るためには、製品として塗布する実際のフォトマスクブランクを模して、その最表面膜を製品と合わせて作成した試験用基板や、より好ましくは実際のフォトマスクブランクを試験用基板として用いることが好ましい。
また、EUV用のフォトマスクブランク製品に用いるような場合には、金属膜による反射膜を持つ基板からの電子線散乱の影響が感度に影響を与える可能性もあり、このような場合には、反射膜を持つ基板を試験用基板に用いることが好ましい。なお、この感度検定に用いるフォトマスクブランクとしては、フォトマスクブランク製品の持つ最表面膜と同じ材料による最表面を持つものが好ましいが、コスト抑制のためには、フォトマスクブランク製品の製造時に発生した傷のような欠陥を持ち、フォトマスク製造用としては用いることができないようなフォトマスクブランクを用いることができる。
標準レジスト組成物(標準サンプル)
上述のような感度検定では、露光装置の照射エネルギー量による絶対値管理が望ましいが、現実的には、装置安定性の点から通常、標準レジスト組成物とテストサンプルの感度を比較する感度検定が行われている。この感度検定用として、化学増幅型レジスト組成物製品では、一般的に、製品化時点で、特定の管理条件で保管されたサンプルを、特定の期間内に使用することにより、同一の感度が得られるという標準サンプル系が確立される。しかし、より厳密な相対感度検定を行う場合、標準サンプルの用い方についても見直すことが好ましい。
本発明における電子線ビームによるパターン照射によるレジスト組成物の感度の検定では、参照として標準レジスト組成物を用い、該標準レジスト組成物を上記レジスト組成物原体と並行して感度測定を行い、それらを比較することによって、光露光による検定よりも一層安定性の高い検定が可能である。また、標準レジスト組成物は製造時期の異なるものを2以上用いることが好ましい。
すなわち、特定の条件で、特定の期間内には感度変化を起こさないことが確立されたものであっても、標準サンプルとしては、製造時期の異なる2つ以上の標準サンプルを準備し、テストサンプルと並行して標準サンプル2つ以上を連続して感度検査することが好ましい。このような検定を行うことによって、標準サンプルの信頼性を同時に確認することができる。また、製造時期の異なる3つの標準サンプルを準備すれば、標準サンプルの間で感度変動が観察された場合、その原因を容易に推定することが可能となる。すなわち、作成日順に感度が上がっているようなことがあれば、サンプルの保管条件に問題がある可能性が示唆される。一方、感度変動に規則性がない場合には、サンプル作成時の事故や感度測定操作に誤差要因があることが推定されることになる。また、それぞれの標準サンプル系の維持は、特定期間内に作成日の異なる必要本数を準備し、特定期間が終了する前に更新していくようにすればよい。
以下、本発明の化学増幅型レジスト組成物の製造方法について、図1を参照にして説明する。尚、以下ではフォトマスクブランク製品用である電子線用レジスト組成物の製造方法について説明する。
まず、レジスト組成物用材料、溶剤の各成分を精秤し、わずかに感度が低くなるよう塩基性成分比がわずかに低いレジスト組成物原体を調製する(図1(A))。次に感度検定に用いる試験用基板上にレジスト膜を形成するのに十分な量のレジスト組成物原体を一部サンプルとして採取して、必要に応じて異物除去のためのフィルターろ過を行う。
次に、本発明における電子線ビーム照射による感度検定の前に、粗い事前感度検定を行うことが好ましい(図1(p))。
既に当該レジスト組成物を何回も調製しており、予めレジスト組成物原体がどのような感度範囲にあるか十分予想できる程感度再現性が高い場合には、この工程は省略してもよい。また、事前感度検定では、テスト基板は、コストを考慮してシリコンウェハーを用いることができる。ただし、この事前感度検定でも、下記の加熱後の膜厚は厳密に管理することが好ましく、検査に用いる膜厚の管理は上述の通りである。
尚、標準サンプルも事前感度検定を行っても良いが、通常製品化されているレジスト組成物では大幅に感度がぶれることは少なく、標準サンプルは用いずに、日常のデータに基づいて判断してもよい。
事前感度検定を行うために回転塗布されたレジスト膜には、レジスト組成物に依存する所定の条件によりパターン照射前の加熱(プリベーク)が行われて膜に含まれる余分の溶剤が除去される。プリベーク条件を含め、パターン形成に係わるプロセス条件は用いるレジスト組成物に特有の条件が予め決められているが、テスト基板がシリコンウェハーの場合、ここでのプリベーク条件は、通常、ホットプレート上で、60〜150℃、1〜6分間、好ましくは80〜140℃、1〜4分間である。
次に、事前感度検定を行うために、KrFエキシマレーザー光を光源とするステッパあるいはスキャナにより300〜400nm相当のラインアンドスペースパターンを含むパターンセットを持つフォトマスク(通常4分の1に縮小されるため、マスク上のパターンの線幅は4倍である)を用いて、パターンセットを露光量を変化させながらレジスト膜に照射する。一般的なレジスト膜の場合、KrFエキシマレーザーによる照射エネルギーは、1〜100mJ/cmの範囲であるが、製造されたレジストの標準的な最適照射エネルギー量を中心に、1mJ/cm程度の幅で10から100段階程度の照射を行う。
一方、事前感度検定を行うために、電子線を光源とする電子線描画装置によりパターン照射をする場合であれば、100〜500nm相当のラインアンドスペースパターンを含む描画レシピを用いて、パターンセットを照射量を変化させながらレジスト膜に照射する。一般的なレジスト膜の場合、電子線による照射エネルギーは、1〜100(μC/cm)の範囲であるが、製造されたレジストの標準的な最適照射エネルギー量を中心に、0.1〜10μC/cm程度の幅で10〜100段階程度の照射を行う。
上記パターン照射後、テスト基板を再びホットプレート上で、照射後加熱(PEB)する。PEB条件は、通常、60〜150℃、1〜6分間、好ましくは80〜140℃、1〜4分間である。
更に、PEB処理されたテスト基板を0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%、通常2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法、通常パドル法により現像して、基板上に目的のパターンを形成する。
得られたレジストパターンは、走査型電子顕微鏡によって検査が行われるが、この際、サンプルは基板を割断してパターン線幅を測定してもよいが、上空からの観察でもよい。また、最適露光量の算出は、例えば400nmにおける最適露光量を求める場合、360nm〜440nmの範囲で各設定照射量における線幅を測定し、横軸に照射量(mJ/cm又はμC/cm)、縦軸に観察された線幅を準備したグラフにプロットし、得られた結果よりターゲット線幅を与える照射量を算出することができる。
上記粗い事前感度検定を光照射により行った場合には、ここで求められた感度(mJ/cm)の値は、過去に標準サンプルで得られた感度(mJ/cm)の値と感度(μC/cm)の値の関係より、感度(μC/cm)の値が推定される。
ここで得られた感度が目標より大きく異なる場合には、この段階で一旦レジスト組成物原体に対して、追加の材料を添加して感度調整を行う。
次に、本発明の特徴である電子ビーム照射によるレジスト組成物原体の感度検定を行う(図1(B))。製造するレジスト組成物が、フォトマスク加工用の電子線用化学増幅型レジスト組成物の場合、試験用基板としてフォトマスクブランクを用いることが好ましい。
試験用基板上に、レジスト組成物原体を例えば回転塗布により塗布する。この際、下記の加熱後の膜厚は厳密に管理することが好ましく、検査に用いる膜厚の管理は上述の通りである。一般に、実際に電子線照射による微細加工に用いるレジスト膜厚の幅は、通常10nm〜2000nmであり、特に本発明の検査方法が好適に機能するのは10nm〜300nm、より好適なのは10nm〜150nm、さらに10nm〜100nmで特に意義を持つ。
また、ここでは参照として、上述のように作成時期が異なる標準レジスト組成物を2以上用いて、標準サンプル膜を持つ標準基板を作成することが好ましい。塗布方法は回転塗布が好ましく、膜厚の管理については上述の通りである。
次に、回転塗布されたそれぞれのレジスト膜には、レジスト組成物に依存する所定の条件によりパターン照射前の加熱(プリベーク)が行われる。プリベーク条件は、通常のフォトマスクブランクの場合、ホットプレート上で60〜150℃、4〜20分間、好ましくは80〜140℃、4〜15分間である。
次に、それぞれの基板に対し、電子線ビーム照射によるパターン照射を行う。
例えば、加速電圧が10〜100keVの電子線ビーム照射装置により100〜500nmから選ばれた線幅を持つラインアンドスペースパターンを含むパターンを10時間、好ましくは5時間以内に描画することが好ましい。なお、ここでのパターンは、レジスト組成物原体がポジ型であればダークパターン、ネガ型であればブライトパターンであることが好ましい。
また、線幅の種類については、電子線の総照射量を最低限にするためには1種類であることが好ましいが、この検査でポリマー等の材料に問題がないか解像性を含めて確認する場合には、感度検定に用いる線幅に加えて、更にそれよりも幅の狭いものを1種類以上描画することが好ましい。なお、ここでパターン描画を行うエネルギー量の幅は、上記の粗い事前感度検定により求められた推定値を中心に0.1〜10μC/cm程度の幅で5〜25段階で行うと、容易に正確なレジスト感度を求めることができる。なお、上記エネルギー量の幅はレジストの感度により幅が調整され、高感度のものでは狭い幅で、低感度のものでは広い幅が適用される。また、電子線ビーム照射においては、総照射エネルギー量を0.5μC以上5000μC以下として行うことが好ましい。このように、総照射エネルギー量を上記範囲内とすることにより、チャージアップ(マイナスの電荷を持った電子が照射されることで検査基板(試験用基板)に電荷が溜まる現象)によるパターン形成精度低下を抑制することができ、一層高い検定精度を得ることができる。
上記パターン照射後、それぞれの基板を再びホットプレート上で、照射後加熱(PEB)する。PEB条件は、通常60〜150℃、4〜20分間、好ましくは80〜140℃、4〜15分間である。
更に、PEB処理されたそれぞれの基板を0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%、通常2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法で行うことができるが、通常パドル法により現像して、基板上にレジストパターンを形成する。
ここで、得られたそれぞれのレジストパターンは、走査型電子顕微鏡を用いてパターン線幅の観察を行う。この際、サンプルは基板を割断してパターン線幅を測定してもよいが、上空からの観察でもよい。また、最適露光量の算出は、例えば400nmにおける最適露光量を求める場合、360nm〜440nmの範囲で各設定照射量における線幅を測定し、横軸に照射量(μC/cm)、縦軸に観察された線幅を準備したグラフにプロットし、得られた結果よりターゲット線幅を与える照射量を算出することができる。
そして、得られた結果より、最適露光量(μC/cm)が求められ、これを検査されたそれぞれのレジスト組成物の感度とする。
次に、上記感度検定結果を基に、前記レジスト組成物原体に加える追加材料の量を調整して前記レジスト組成物原体の感度調整を行い、化学増幅型レジスト組成物を製造する(図1(C))。
感度検定により得られた標準レジスト組成物に対しての感度誤差に基づき、追加材料の量を調整し、調整した量の追加材料を加えてレジスト組成物原体の感度調整を行う。ここでの感度調整は、予め添加する塩基性物質(追加材料)の添加量と感度の変化量の関係についてのグラフを作成しておき、それに基づいて、上記の検査により得られた感度誤差に応じて、レジスト溶剤で適度に希釈した塩基性物質を添加してやればよい。通常この希釈は2〜20質量倍程度であると扱い易い。
尚、感度検定の結果、レジスト組成物原体の標準レジスト組成物に対しての感度誤差が許容範囲内であり、即ち、標準レジスト組成物とレジスト組成物原体の感度に整合が取れた場合には、追加材料を加えて調整する必要はないので、追加材料の量はゼロとすれば良い。本発明において、「レジスト組成物原体の感度検定結果を基に、レジスト組成物原体に加える追加材料の量を調整してレジスト組成物原体の感度調整を行う」とは、このような追加材料の量がゼロとなる場合も当然含まれる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
下記表1の組成の化学増幅型レジスト組成物に対して、以下の実施例1、実施例2、比較例1ように感度検定、該検定結果に基づいた感度調整を行って電子線用化学増幅型レジスト組成物を製造した。
Figure 2012226119
表1中、ポリマー1、ポリマー2は以下のものを用いた。
Figure 2012226119
表1中、PAG−A、PAG−Bは以下のものを用いた。
Figure 2012226119
表1中、Base−1、Base−2は以下のものを用いた。
Figure 2012226119
また、表1中の溶剤は、それぞれ
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
EL:乳酸エチル:
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテルである。
また、各組成物には、界面活性剤としてPF−636(OMNOVA SOLUTIONS製)を0.075質量部添加した。レジスト2についてはテトラメトキシメチルグリコールウリル(TMGU)を添加した。
(実施例1)電子線ビーム照射を用いた感度検定、感度調整
表1に示すレジスト組成物材料及び溶剤を用いてレジスト組成物原体<レジスト1/新ロット>を調製した。その後、参照として用意した2つの標準レジスト組成物の<レジスト1/標準ロット>及び<レジスト1/前回ロット>と同時に、<レジスト1/新ロット>をMark8(東京エレクトロン(株)製)を用いてシリコンウエハー上にスピンコーティングし、ホットプレート上で、110℃で240秒間プリベークして150nmのレジスト膜を作製した。
ここで、<レジスト1/標準ロット>とは、新ロット調合時期から11ヶ月前に製造したものであり、<レジスト1/前回ロット>とは、新ロット調合時期から2ヶ月前に製造したものである。
得られたレジスト膜の膜厚測定は、光学式測定器ラムダエース(大日本スクリーン社製)を用いて行った。測定はウエハー外周から10mm内側までの外縁部分を除くウエハー基板の面内20箇所で行い、膜厚平均値と膜厚範囲を算出した。
更に、電子線露光装置(日立ハイテクノロジー社製、HL−800D、加速電圧50keV)を用いて露光した。ここでは、110℃で240秒間ベーク(PEB:post exposure bake)を行って、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行うと、ポジ型のレジストパターンを得た。パターン形成後のウエハー基板の未露光部分を、上記と同じ要領で光学式測定器ラムダエースを用いて現像後の膜厚を測定し、現像後の膜減り量(塗布後の膜厚−現像後の膜厚)を求めた。
作製したパターン付きウエハーを上空SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、400nmの1:1のラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(感度)(μC/cm)とした。その結果を表2に示す。
Figure 2012226119
この結果、<レジスト1/新ロット>は、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>に対して同一回転数に対する塗布膜厚は5nm以上、感度は3%以上高感度化になっていることが確認できたので、膜厚及び感度の微調整をおこなった。膜厚の微調整については、PGMEA13部、EL13部、PGME18部を<レジスト1/新ロット>中に追加し、感度の微調整については、Base−1を0.003部追加して行った。このように微調整した新ロットレジストを再度上記で示す方法にて評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2012226119
この結果、調整した上記新ロットレジストは、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>に比較して膜厚、感度共にほとんど同等のレジスト組成物を得ることができた。
次に、0.01μmのUPEフィルター及び0.02μmのナイロンフィルターで濾過し、ろ過後の微調整した新ロット、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>を用いて再度確認評価をおこなった。その結果を表4に示す。
なお、得られたレジストパターンの評価は、ウエハーを割断した後、走査型電子顕微鏡(SEM:日立製作所製 S4700H)を用いてパターン形状を観察した。パターン形状については、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>と比較して同等か否かを目視にて判定した。
Figure 2012226119
ウエハー評価で、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>との整合性が確認できたので、最終検査としてフォトマスクブランク基板を用いてロット評価を行った。
上記で得られたろ過後の微調整済み新ロットレジスト、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>を152mm角の最表面が酸化窒化クロム膜であるマスクブランク上にCTS5000(シグマメルティック社製)を用いてスピンコーティングし、ホットプレート上で、110℃で600秒間プリベークして150nmのレジスト膜を作製した。得られたレジスト膜の膜厚測定は、光学式測定器ナノスペック(ナノメトリックス社製)を用いて行った。測定はブランク外周から10mm内側までの外縁部分を除くブランク基板の面内81箇所で行い、膜厚平均値と膜厚範囲を算出した。
更に、電子線露光装置((株)ニューフレアテクノロジー製、EBM5000plus、加速電圧50keV)を用いて露光し、110℃で600秒間ベーク(PEB:post exposure bake)を施し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現像を行うと、ポジ型のパターンを得ることができた。パターン後の基板の未露光部分を、先ほどと同じ要領で光学式測定器ナノスペックを用いて現像後の膜厚を測定し、現像後の膜減り量を求めた。更に得られたレジストパターンを次のように評価した。
作製したパターン付きウエハーを上空SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、400nmの1:1のラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(μC/cm)とし、400nmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量における最小寸法を解像度とした。パターン形状については、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>に比較して同等か否かを目視にて判定した。その評価結果を表5に示す。
Figure 2012226119
このことから、実際に使用するフォトマスクブランク基板を用いての評価についても、<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>に比較して規定の管理内に入っていることが確認された。このように、電子線ビーム照射による感度検定を行うことで、50nm以下という超微細なパターンの形成を要求されるレジスト組成物の、電子線に対する感度の信頼度を高精度に上げることができる。
(実施例2)電子線ビーム照射を用いた感度検定、感度調整
表1に示すレジスト組成物用材料及び溶剤を用いて調製したレジスト組成物原体<レジスト2/新ロット>を調製した。
評価をn=2にした以外は上記実施例に示した方法と同様にして新ロットレジストを製造した。ただし、本品はネガレジストであるため、現像後の膜減り測定は省略した。その結果を表6に示す。
Figure 2012226119
レジスト調整後の感度、膜厚に標準ロット、前回ロットとの整合性が取れたため、追加材料は加えなかった。次に、0.01μmのUPEフィルター及び0.02μmのナイロンフィルターで濾過し、ろ過後レジストを用いて再度確認評価をおこなった。その結果を表7に示す。なお、得られたパターンの評価は、実施例1と同様に目視にて判定した。<レジスト2/標準ロット>、<レジスト2/前回ロット>との整合性が確認でき、本発明による電子線ビーム照射による感度検定結果によれば、レジスト組成物の高精度な感度管理が可能であることが判った。
Figure 2012226119
ウエハー評価で<レジスト2/標準ロット>、<レジスト2/前回ロット>との整合性が確認できたので、最終検査として上記に示す方法にて、フォトマスクブランク基板を用いてロット評価を行った。その結果を表8に示す。
Figure 2012226119
このことから、実際に使用するフォトマスクブランク基板を用いての評価についても、<レジスト2/標準ロット>、<レジスト2/前回ロット>に比較して規定の管理内に入っていることが確認され、本発明による電子線ビーム照射による感度検定によれば、レジスト組成物の高精度な感度管理が可能であることが判った。
(比較例1)KrFステッパーを用いた感度検定、感度調整
ろ過後の表1に示すレジスト1を用いてKrFステッパーを用いて感度の整合性を確認した。<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>、<レジスト1/新ロット>のレジスト液をシリコンウエハー上へスピンコーティングし、150nmに塗布した。
次いで、このシリコンウエハーを110℃のホットプレートで240秒間ベークした。更に、エキシマレーザーステッパー(ニコン社、NSR2005EXNA=0.6)を用いて露光し、110℃で240秒間ベーク(PEB)を施し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現像を行い、ポジ型のパターンを得た。
作製したパターン付きウェーハを上記と同様に上空SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、最適露光量を求めた。<レジスト1/標準ロット>、<レジスト1/前回ロット>との比較結果を表9に示す。
Figure 2012226119
その結果、比較例1のKrF露光により求められた感度には標準ロット、前回ロットに対してまだ3%程度解離があり、電子線レジスト組成物を安定的に製造していく場合には好ましくない。
上記に示す手法で電子線用化学増幅型レジストを製造することで、客先で問題を起こすことなく、ロット間差がない安定な電子線用化学増幅型レジスト組成物を継続して製造することが可能になる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (9)

  1. レジスト組成物用材料と溶剤からなるレジスト組成物原体を調製し、該レジスト組成物原体を一部採取し、該採取したレジスト組成物原体を用いて試験用基板上にレジスト膜を形成し、該レジスト膜にパターン照射を含むパターン形成処理を行ってレジストパターンを形成し、形成された該レジストパターンのサイズと前記パターン照射時の照射エネルギー量に基づいて前記レジスト組成物原体の感度を検定した後、該感度検定結果を基に前記レジスト組成物原体に加える追加材料の量を調整して前記レジスト組成物原体の感度調整を行う化学増幅型レジスト組成物の製造方法において、
    前記パターン照射を電子線ビーム照射により行うことを特徴とする化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  2. 前記電子線ビーム照射は、1つの前記試験用基板に対し、電子線の照射開始から照射完了までの時間を10時間以内として行うことを特徴とする請求項1に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  3. 前記電子線ビーム照射を、0.5cm以上80cm以下の領域に行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  4. 前記電子線ビーム照射は、総照射エネルギー量を0.5μC以上5000μC以下として行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  5. 前記電子線ビーム照射により形成するレジストパターンを、前記レジスト組成物原体がポジ型の場合はダークパターンに、前記レジスト組成物原体がネガ型の場合はブライトパターンになるよう設計することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  6. 前記試験用基板として、石英基板又はフォトマスクブランクを用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  7. 前記感度検定を、製造時期の異なる2以上の標準レジスト組成物を参照として行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  8. 前記追加材料として、塩基性物質を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物の製造方法により製造された化学増幅型レジスト組成物から得られるレジスト膜が形成されたものであることを特徴とするフォトマスクブランク。



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