JP2012225740A - 蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置 - Google Patents

蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの充放電履歴を高精度に判定することができる蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を提供する。
【解決手段】充放電停止後、ステップS6でプローブパルスを蓄電池10に印加し、ステップS9〜S11でOCV測定値を時間積分してOCV積分値Sts1_ts2を算出する。ステップS12では、時刻tcにおけるOCVを測定してこれをOCV_baseとする。ステップS13では、Sts1_ts2とOCV_baseとからOCV変化積分値DSts1_ts2を算出する。ステップS14では、予め保存されている充放電履歴判定値Th1、Th2に基づいて蓄電池10の充放電履歴を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置に関し、特に蓄電デバイスの内部状態の変化を支配する充放電履歴を精度よく判定する蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置に関するものである。
近年、蓄電デバイスは多方面の分野で利用されるようになっており、容量や寸法、重量等も多種類のものが提供されている。小型小容量の蓄電デバイスとしては、携帯型の電動機器や情報端末等に利用されるものがあり、大型大容量の蓄電デバイスとしては、停電時のバックアップ用電源や電動フォークリフト等の電源に利用されるものがある。
携帯型情報機器の分野では、情報処理システムやアプリケーション、データ処理速度などの進歩に合わせて、ユーザが情報機器を2−3年程度で交換することが多く、情報機器の製品寿命が短くなっている。そのため、情報機器に搭載されている小型小容量の蓄電デバイスが寿命末期まで使用し続けられることは少なく、蓄電デバイスの管理としては使用中の残容量が表示されて管理できれば十分であり、劣化により満充電容量が新品時に比べてどの程度低下したかは大きな問題となっていない。
一方で、大型大容量の蓄電デバイスが利用される分野では、蓄電デバイスを搭載する装置の方が蓄電デバイスの寿命より長い期間にわたって使用されるため、蓄電デバイスのメンテナンスや交換等の管理が必要であった。従来、このような大型大容量の蓄電デバイスは、常に満充電かそれに近い状態に維持するように管理されており、蓄電デバイスの残容量を検出して管理する必要性はなかった。そのため、従来より知られているインピーダンス法を用いて蓄電デバイスの新品時からの劣化度を管理すればよかった。
また、最近の新たな用途として蓄電デバイスの利用が始まったハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)の分野、さらには電力網における電力エネルギーマネージメントシステム(EMS)の分野では、システムの製品寿命が長いため、劣化に伴う満充電容量の新品時からの劣化度を管理する必要がある。それに加えて、このような新規の用途分野では、蓄電デバイスからの放電だけでなく蓄電デバイスへの充電も要求されるため、蓄電デバイスを常に充電も放電も可能な状態、すなわち残容量を適切な部分充電状態(PSOC)に維持するように管理することが要求されている。このように、HEV、EV、EMS等の蓄電デバイスの新規の用途分野では、蓄電デバイスの劣化度の管理と残容量の管理を両立させて行うことが要求される。
従来より、蓄電デバイスの残容量と電圧との関係がネルンストの式で定義されており、電圧を測定することで蓄電デバイスの性能を判断することができていた。例えば、特許文献1には、液式鉛蓄電池が充放電停止後十分に安定したときの開放端電圧(OCV:Open Circuit Voltage)と残容量(SOC:State of charge)との間に図12に示すような1:1に対応する関係があることが記載されており、このような安定時のOCVとSOCとの関係を用いて蓄電デバイスの状態検知を行う技術が記載されている。
特開2007−178215号公報
しかしながら、蓄電デバイスの種類によっては、SOCが変化しているにもかかわらず安定時OCVがほとんど変化しないものがある。一例として、燐酸鉄系Liイオン電池におけるSOCと安定時OCVとの関係を図13に示す。同図において、SOCがSOC_1〜SOC_2[%]の範囲では安定時OCVの変化が非常に小さくなっている。ここで、SOC_1、SOC_2はそれぞれ、例えば40%、75%程度であり、35%程度の比較的大きなSOCの範囲で安定時OCVの変化が小さい。そのため、SOCがSOC_1〜SOC_2の範囲にあるときは、安定時OCVを測定してSOCを求めようとしても十分な精度でSOCを得るのが難しいといった問題がある。
そこで、SOCの変化に対して安定時OCVがほとんど変化しない場合には、安定時OCVに代えて、蓄電デバイスの充放電履歴に基づいて内部状態の変化をより適格に示すことができる状態量を求め、この状態量を用いてSOCを算出するようにするのがよい。しかしながら、蓄電デバイスが充電履歴を有しているか、あるいは放電履歴を有しているか、といった充放電履歴を判定する方法はこれまで知られておらず、従来は充放電履歴に依存しない方法で蓄電デバイスの状態検知を行っていた。そのため、充放電履歴によっては十分な精度でSOCを求めることができなかった。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、蓄電デバイスの充放電履歴を高精度に判定することができる蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の第1の態様は、充放電停止後に停止前の充放電履歴を判定する蓄電デバイスの状態検知方法であって、第1容量の充電または放電をプローブパルスとして前記蓄電デバイスに印加し、前記プローブパルス印加後の第1の期間に前記蓄電デバイスの開回路電圧(OCV)の測定値を取得し、前記OCV測定値から所定の履歴判定用状態量を算出し、前記履歴判定用状態量と事前に作成された参照データとから前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記履歴判定用状態量は、前記プローブパルス印加後の第1の期間にわたって前記OCV測定値を時間積分して算出したOCV積分値であり、前記参照データは、前記OCV積分値に対する閾値であり、前記OCV積分値を前記参照データと比較することで前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記履歴判定用状態量は、前記OCV測定値の所定の基準OCVからの変化量を時間積分したOCV変化積分値であり、前記参照データは、前記OCV変化積分値に対する閾値であり、前記プローブパルス印加後の前記第1の期間が経過したときの前記OCV測定値を取得して前記基準OCVとし、前記OCV測定値を時間積分したOCV積分値から前記基準OCVに前記第1の期間の時間長を乗じた値を減算して前記OCV変化積分値を算出し、前記OCV変化積分値を前記参照データと比較することで前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記参照データとして所定の第1閾値及び該第1閾値より大きい第2の閾値を予め設定しておき、前記OCV積分値または前記OCV変化積分値が前記第1閾値より小さいときに前記充放電履歴を放電履歴と判定する一方、前記OCV積分値または前記OCV変化積分値が前記第2の閾値より大きいときに前記充放電履歴を充電履歴と判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記履歴判定用状態量は、前記OCV測定値と所定の基準OCVとの差である電圧降下量であり、前記参照データは、電圧降下量の時間変化を表す関数または表であり、前記電圧降下量を前記充放電停止からの経過時間に対応する前記参照データと比較し、前記電圧降下量が前記参照データより小さいときに前記充放電履歴を放電履歴と判定する一方、前記電圧降下量が前記参照データより大きいときに前記充放電履歴を充電履歴と判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記第1容量の充電または放電は、前記蓄電デバイスの新品換算容量の5%以下であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記蓄電デバイスの電流測定値が所定の停止時電流閾値以下のときを前記充放電停止と判定することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記プローブパルスが前記第1容量の充電でかつ前記充放電履歴が充電履歴のとき、あるいは前記プローブパルスが前記第1容量の放電でかつ前記充放電履歴が放電履歴のときには、予め設定された残容量(SOC)算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記充放電履歴が充電履歴かあるいは放電履歴かによってそれぞれ第2容量の充電あるいは放電を前記蓄電デバイスに印加し、前記第2容量の充電あるいは放電を印加後に前記OCV積分値または前記OCV変化積分値と前記基準OCVとを求め、予め設定されたSOC算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記充放電履歴が充電履歴で前記プローブパルスが前記第1容量の放電のときには第2容量の充電を前記蓄電デバイスに印加し、あるいは前記充放電履歴が放電履歴で前記プローブパルスが前記第1容量の充電のときには前記第2容量の放電を前記蓄電デバイスに印加し、前記第2容量の充電あるいは放電を印加後に前記OCV積分値または前記OCV変化積分値と前記基準OCVとを求め、予め設定されたSOC算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記充放電履歴が充電履歴で前記プローブパルスが前記第1容量の充電のときには第2容量の充電を前記蓄電デバイスに印加し、前記第2容量の充電を印加後に前記OCV積分値または前記OCV変化積分値と前記基準OCVとを求め、予め設定されたSOC算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記第2容量は、前記第1容量より大きいことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記蓄電デバイスは、複数のセルを直列または並列に接続して構成されており、前記プローブパルスを前記複数のセルの少なくとも1つに印加して前記充放電履歴を判定し、前記第2容量の充電あるいは放電を前記複数のセルすべてに印加してそれぞれのSOCを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記SOC算出式は、OCV積分値またはOCV変化積分値対SOCの関係式、あるいは基準OCV対SOCの関係式であり、前記基準OCVが所定の範囲にあるときは、前記OCV積分値またはOCV変化積分値対SOCの関係式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値から前記SOCを算出し、前記基準OCVが前記所定の範囲外にあるときは、前記基準OCV対SOCの関係式を用いて前記基準OCVから前記SOCを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知装置の第1の態様は、充放電手段を用いて充放電可能な蓄電デバイスの充放電停止後に停止前の充放電履歴を判定する蓄電デバイスの状態検知装置であって、記憶部と、プローブパルスとして第1容量の充電または放電を前記蓄電デバイスに印加するように前記充放電手段を制御し、前記プローブパルス印加後の第1の期間に前記蓄電デバイスの開回路電圧(OCV)の測定値を取得し、前記プローブパルス印加後の第1の時間が経過したときの前記OCV測定値を取得して基準OCVとし、前記第1の期間にわたって前記OCV測定値を時間積分したOCV積分値から前記基準OCVに前記第1の期間の時間長を乗じた値を減算してOCV変化積分値を算出し、前記OCV変化積分値を所定の閾値と比較することで前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定する状態検知部と、前記状態検知部から前記充放電履歴の判定結果を入力して外部に出力する入出力手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、蓄電デバイスの充放電履歴を高精度に判定することができる蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知装置の構成を示すブロック図である。 蓄電池のSOCに対する安定時OCVの変化の一例を示す説明図である。 充電と放電を混在させたときの電圧変化を模式的に示す説明図である。 充電と放電を混在させたときのSOCに対する緩和量の変化の一例を示すグラフである。 第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法による充放電制御の一例を示す説明図である。 プローブパルスを印加したときの電圧降下量の時間変化の一例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の第3実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートである。 複数のセルを組み合わせて構成された蓄電デバイスを示すブロック図である。 本発明の第4実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートである。 液式鉛蓄電池のSOCと安定時OCVとの関係を示すグラフである。 燐酸鉄系Liイオン電池のSOCと安定時OCVとの関係を示すグラフである。
本発明の好ましい実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明によれば、蓄電デバイスの充放電履歴を高精度に判定することができる蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を提供することができる。また、SOCの変化に対する安定時OCVの変化が小さいために安定時OCVからSOCを精度よく求めるのが難しい蓄電デバイスに対し、蓄電デバイスの充放電履歴に基づいてSOCを高精度に算出することができる状態検知方法及び状態検知装置を提供する。SOCの変化に対して安定時OCVの変化が小さくなる蓄電デバイスとして、以下では燐酸鉄系Liイオン電池を例に説明する。但し、以下で説明する内容は、燐酸鉄系Liイオン電池に限定されず、別の蓄電デバイスにも同様に適用できるものである。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る蓄電デバイスの蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を、図1、2を用いて説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図2は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知装置の構成を示すブロック図である。
図2に示す本実施形態の状態検知装置100は、対象システム1に搭載された蓄電デバイス(蓄電池)10の状態検知を行うものである。蓄電池10は、内部に電解液または固体電解質を含有してイオンの移動を伴う状態変化により電気的なエネルギーを蓄積することができる蓄電デバイスである。
対象システム1は、蓄電池10を充放電するための充放電手段11と、蓄電池10の電圧を測定する電圧測定手段12と、蓄電池10の電流を測定する電流測定手段13とを備えている。電圧測定手段12及び電流測定手段13で測定された測定値は、状態検知装置100に入力されて状態検知に使用される。また、必要に応じて温度測定手段14を蓄電池10に接続し、温度測定手段14で測定された温度測定値も状態検知装置100に入力して状態検知に用いるようにしてもよい。
対象システム1に接続された状態検知装置100は、状態検知部110と、記憶部120と、入出力手段130とを備えている。状態検知部110は、電圧測定手段12及び電流測定手段13からそれぞれ蓄電池10の電圧測定値及び電流測定値を入力し、本実施形態の状態検知方法による処理を行って蓄電池10の状態検知を行う。また、蓄電池10に温度測定手段14を接続し、これから状態検知部110に温度測定値を入力して蓄電池10の状態検知に用いるようにしてもよい。記憶部120は、状態検知の処理に必要な各種参照データや測定データ等を保存するのに用いる。さらに入出力手段130は、状態検知結果等を使用者等に通知する手段である。
蓄電池10のSOCに対する安定時OCVの変化の一例を図3に示す。符号21で示す安定時OCVは、SOCがSOC1未満あるいはSOC2より大きいときは、SOCの変化に対して比較的大きく変化する。従って、SOCがこの範囲にあるときは、安定時OCV対SOCの関係を用いて安定時OCVからSOCを精度よく求めることができる。これに対し、SOCがSOC1以上SOC2以下(以下ではこの間のSOCを中間SOCと称する)のときは、SOCの変化に対して符号21で示す安定時OCVがわずかしか変化しない。そのため、安定時OCV対SOCの関係を用いて安定時OCVからSOCを精度よく求めることは極めて難しい。
なお、状態検知装置100では、電圧測定手段30で測定されたOCVを用いて状態検知を行うことから、安定時OCV対SOCの関係を用いることができるか否かの判断は、上記のSOC1及びSOC2でなくそれぞれに対応する安定時OCVであるOCV1及びOCV2を用いて行う。すなわち、安定時OCVがOCV1未満あるいはOCV2より大きいときに、安定時OCV対SOCの関係を用いて安定時OCVからSOCを求める処理を行う。
充放電終了後の緩和途中における内部状態の変化をより適格に表すことができる状態量として、充放電終了後の所定期間におけるOCV積分値、または所定の基準OCVからのOCVの変化量を積算したOCV変化積分値を用いることができる。以下では、OCV積分値またはOCV変化積分値を緩和量と称することとし、この緩和量を用いてSOCを算出することができることを説明する。また、この緩和量は蓄電池10の充放電履歴に依存して変化することを説明する。
緩和量は、蓄電デバイスの内部に存在する電解液の移動量を表すものである。蓄電デバイスの残存容量が変わると電解液のイオン濃度が変化するため、電解液の移動速度が変化して緩和量が変化する。また、蓄電デバイスの極板や活物質の状態が変化して極板格子が膨張したり極板表面に不可逆性の析出物が生じると、電解液の移動や反応速度が変化して緩和量の変化として現れる。このように、緩和量を用いて蓄電デバイス内部の電解液の移動量の変化を知ることができる。
緩和量に用いるOCV積分値またはOCV変化積分値の算出方法を以下に説明する。時刻をtで表し、時刻tにおける蓄電池10のOCV測定値をOCV_now(t)とするとき、時刻tがt1からt2の期間におけるOCV積分値(St1_t2とする)は、下記の式(1)を用いて算出される。
Figure 2012225740
また、所定の基準OCVをOCV_baseとしたとき、期間t1〜t2におけるOCV変化積分値(DSt1_t2とする)は下記の式(2)で算出される。
Figure 2012225740
ここで、Δt=t2−t1である。
SOCに対する緩和量の変化の一例を図3の符号22に示す。ここでは、一例として式(2)で算出されるOCV変化積分値DSt1_t2のSOCの変化を示しているが、OCV積分値St1_t2を用いても同様の傾向が得られる。同図に示すように、SOCがSOC1以上SOC2以下(安定時OCVがOCV1以上OCV2以下)の中間SOCでは安定時OCV21がほとんど変化しないのに対し、緩和量22は中間SOCに対して単調に増加する傾向を示している。そこで、図3の符号22で示すような緩和量対SOCの関係を事前に求めて記憶部120に記憶させておき、安定時OCVがOCV1以上OCV2以下のときに緩和量対SOCの関係を用いてSOCを算出することができる。
SOCに対する緩和量の変化の一例を図3に示したが、このような緩和量対SOCの関係は、蓄電池が充放電停止前に充電または放電のいずれか一方だけを行っていたときに得られる。これに対し、充放電停止前に充電と放電とを混在させて行っていたときには、SOCに対する緩和量の変化が小さくなることが明らかとなった。充電と放電とを混在させたときのSOCに対する緩和量の変化の一例を、図4、5を用いて説明する。図4は、横軸を時間として縦軸に蓄電池の電圧を示したグラフである。また図5は、横軸をSOCとし縦軸に緩和量を示したグラフである。
図4(a)では、時刻t1におけるSOCを満充電とし、時刻t1から時刻t2までの間に10%の放電を行った後、時刻t2から時刻t3までの1時間放電を停止して蓄電池の内部状態を緩和させている。その後、時刻t3から時刻t4までの間に5%の充電を行い、時刻t4から時刻t5までの1時間充電を停止して再び蓄電池の内部状態を緩和させている。さらに、時刻t5から時刻t6までの間に5%の放電を行い、時刻t6から時刻t7までの1時間放電を停止して蓄電池の内部状態を緩和させている。このように、図4(a)の例では放電の途中に充電を行っている。
これに対し図4(b)では、時刻t11におけるSOCを20%とし、時刻t11から時刻t2までの間に10%の充電を行った後、時刻t12から時刻t13までの1時間充電を停止して蓄電池の内部状態を緩和させている。その後、時刻t13から時刻t14までの間に5%の放電を行い、時刻t14から時刻t15までの1時間放電を停止して再び蓄電池の内部状態を緩和させている。さらに、時刻t15から時刻t16までの間に5%の充電を行い、時刻t16から時刻t17までの1時間充電を停止して蓄電池の内部状態を緩和させている。このように、図4(b)の例では充電の途中に放電を行っている。
図4に示すような充電と放電とを混在させたときのSOCに対する緩和量の変化を図5に示す。図4では、充放電開始前の時刻t1におけるSOCを満充電とし時刻t11におけるSOCを20%としたが、時刻t1及びt11におけるSOCをさらに変化させて図5に示す横軸のSOCとしている。図5では、図4(a)に示した放電の途中に充電を行ったときの緩和量の変化を符号31〜33で示し、図4(b)に示した充電の途中に放電を行ったときの緩和量の変化を符号34〜36で示している。
まず、図4(a)の充放電に対応した緩和量の変化では、10%放電後の時刻t2〜t3の緩和中に算出した緩和量が、符号31で示すように中間SOCに対して単調に増加している。これに対し、10%放電後に5%充電を行った後の時刻t4〜t5の緩和中に算出した緩和量は、符号32で示すように中間SOCに対する変化が小さくなっている。さらに、10%放電及び5%充電後に5%放電を行った後の時刻t6〜t7の緩和中に算出した緩和量は、符号33で示すように中間SOCに対して再び単調に増加するようになっている。
一方、図4(b)の充放電に対応した緩和量の変化でも、上記と同様の傾向がみられる。すなわち、10%充電後の時刻t12〜t13の緩和中に算出した緩和量は、符号34で示すように中間SOCに対して単調に増加している。これに対し、10%充電後に5%放電を行った後の時刻t14〜t15の緩和中に算出した緩和量は、符号35で示すように中間SOCに対してほとんど変化していない。さらに、10%充電及び5%放電後に5%充電を行った後の時刻t16〜t17の緩和中に算出した緩和量は、符号36で示すように中間SOCに対して再び単調に増加するようになっている。
図4,5を用いて説明したように、放電後に充電を行う、あるいは充電後に放電を行うと、その後の緩和中に算出した緩和量は、中間SOCに対する変化が小さくなることが明らかとなった。すなわち、中間SOCに対する緩和量の変化は、それまでの充放電の履歴に依存することがわかった。このように、充放電停止中の蓄電池の電解液分布に充電の影響と放電の影響が混在して残っているときは、電解液の移動量を表す緩和量にも充電の影響と放電の影響が残ってしまう。そのため、充放電履歴によっては、緩和量からSOCを適切に推定することができなくなるおそれがある。そこで、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法では、充放電停止前の充放電履歴を検知する方法を提供する。
本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法を、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法による充放電制御の一例を示すグラフである。本実施形態の状態検知方法では、充放電停止中の時刻taにおいて、それ以前の充放電履歴を判定するために所定容量のプローブパルス40を蓄電池10に印加する。そして、プローブパルス印加後の時刻tb〜tcの期間に、式(2)を用いてOCV変化積分値DSt1_t2を算出する。プローブパルス40は、蓄電池10の種類に応じて事前に設定しておくことができ、例えば燐酸鉄系Liイオン電池では0.5%の充電とするのがよい。また、プローブパルス印加後の緩和期間tb〜tcの時間長を30分程度とするのがよい。
上記のプローブパルス40として0.5%の充電を行ったときの電圧降下量の時間変化の一例を図7に示す。図7では、横軸をプローブパルス印加後の経過時間とし、縦軸を電圧降下量としている。電圧降下量の変化の一例として、プローブパルスを印加するときのSOCを同じとし、充電履歴を有する状態でプローブパルスを印加したときと放電履歴を有する状態でプローブパルスを印加したときのそれぞれのプローブパルス印加後の電圧降下量の変化を、それぞれ符号41、42で示す。電圧降下量41、42は、ともにプローブパルス40の印加を終了してから30分間の変化を示している。
図7より、充電履歴を有する状態でプローブパルスを印加したときの電圧降下量41は、放電履歴を有する状態でプローブパルスを印加したときの電圧降下量42より常に高い値で0に収束していくことがわかる。SOCが異なる場合でも、充電履歴を有する状態でプローブパルスを印加したときの電圧降下量は図7に示す境界線43より高い領域で変化し、放電履歴を有する状態でプローブパルスを印加したときの電圧降下量は境界線44より低い領域で変化することが明らかとなった。
図7に示す結果より、プローブパルス印加後の電圧降下量の積分値、すなわちOCV変化積分値DSは、充電履歴を有するときは所定の値(第1閾値Th1とする)より大きくなり、放電履歴を有するときは別の所定の値(第2閾値Th2とする)より小さくなる。よって、プローブパルス印加後に緩和量DSを算出し、これをもとに蓄電池10の充放電履歴を下記のように判定することができる。すなわち、
DS>Th1 (3)
のときは充電履歴を有すると判定し、
DS<Th2 (4)
のときは放電履歴を有すると判定する。
なお、上記では充放電履歴を判定するための履歴判定用状態量として緩和量DSを用いているが、OCV変化積分値DSに代えてOCV積分値Sを履歴判定用状態量に用いてもよいのは言うまでもない。さらに、図7に示す電圧降下量の変化より、緩和量DSに代えて電圧降下量そのものを用いて充放電履歴を判定することも可能であることがわかる。本実施形態の状態検知方法では、緩和量DSに代えて電圧降下量を用いて充放電履歴を判定するようにしてもよい。
上記の充放電履歴の判定に用いる式(3)、(4)の緩和量DSは、プローブパルス印加後の一期間におけるOCV変化量の積分値に限定されず、例えばプローブパルス印加後の緩和期間を2以上の期間に分割してそれぞれの期間でOCV変化積分値DSを算出するようにしてもよい。この場合、それぞれの期間のOCV変化積分値DSをそれぞれの期間に対応する参照データ(それぞれの期間に対応する第1閾値、第2閾値)と比較することによって、さらに詳細な充放電履歴の量(充電量または放電量の大きさ)を判定できるようにすることも可能である。この判定は、OCV変化積分値DSに代えて、OCV積分値Sまたは電圧降下量を用いても同様に行うことができる。
本実施形態の状態検知装置100を用いて状態検知を行う処理の流れを、図1に示すフローチャートを用いて説明する。ここでは、蓄電池10の充放電履歴を判定する方法を詳細に説明している。まず、ステップS1において、状態検知部110が入出力手段130から充放電履歴判定を要求する信号を入力すると、ステップS2で蓄電池10を負荷2から切断できるか否かを判定する。この判定では、例えば蓄電池10の切断許可が対象システム1あるいは対象システム1のユーザ等から事前に与えられているときに、切断可能と判定させるようにする。
ステップS2で蓄電池10の切断が不可と判定されると、充放電履歴判定の処理を終了する。一方、ステップS2で蓄電池10の切断が可能と判定されると、ステップS3で蓄電池10を負荷2から切断する。つぎのステップS4では、電流測定手段13から電流測定値を入力して所定の停止時電流閾値と比較し、電流測定値が停止時電流閾値以下のときに充放電停止と判定させる。充放電停止の判定では、電流測定値が0のときのみに限定する必要はなく、例えば計測器、制御器、通信機等で微小な電流(暗電流)が消費されているとき等も充放電停止と判定させるようにしてもよい。
ステップS4で電流測定値が停止時電流閾値より大きいときは、ステップS5で例えば「充放電履歴判定エラー」等を入出力手段130に出力して処理を終了する。一方、ステップS4で充放電停止と判定されると、ステップS6で蓄電池10に充放電手段11を接続し、予め設定されている所定容量の電流積算値、すなわちプローブパルスを蓄電池10に印加する。
次のステップS7では、充放電手段11を蓄電池10から切断するとともに、このときの時刻tをtbとして記憶する。時刻tbは、図6に示すtbに相当する。ステップS8では、電流測定手段13から電流測定値を入力して停止時電流閾値と比較し、電流測定値が停止時電流閾値以下のときは充放電停止中と判定してステップS9に進む。一方、電流測定値が停止時電流閾値より大きいときはステップS5に進み、入出力手段130に「充放電履歴判定エラー」等を出力して処理を終了する。
ステップS9では、時刻tが所定の時刻区間ts1〜ts2(ts1<ts2)に達したか、すなわち時刻tが時刻ts1以降か否かを判定し、時刻tが時刻ts1以降であると判定したときはステップS10に進む。一方、時刻ts1に達していないと判定したときは、所定の時間間隔(状態検知周期)後に再びステップS8に戻る。ここで、時刻区間ts1〜ts2は、図6に示す時刻tb〜tcの期間に含まれる。ステップS10では、式(1)に基づいてOCV測定値OCV_now(t)に時間間隔を乗算したものをOCV積分値Sts1_ts2に加算する。続くステップS11では、時刻tが時刻区間ts1〜ts2の最後に達したか否かを判定し、時刻tがts2に達していないときは所定の時間間隔後に再びステップS8に戻る。一方、時刻tがts2に達しているときはステップS12に進む。
ステップS12では、時刻tがtcに達するのを待ち、そのときのOCVを測定してこれをOCV_base=OCV_now(tc)として記憶させる。次のステップS13では、ステップS10で算出したSts1_ts2とステップS12で記憶させたOCV_baseとから、式(2)に基づいてOCV変化積分値DSts1_ts2を算出する。ここで、式(2)におけるΔtは、Δt=ts2−ts1で与えられる。ステップS14では、予め記憶部120に保存されている充放電履歴判定値Th1、Th2を読出し、式(3)、(4)に基づいて蓄電池10の充放電履歴を判定する。充放電履歴の判定結果は、ステップS15で入出力手段130から外部に出力される。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る蓄電デバイスの蓄電デバイスの状態検知方法を、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法では、第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法で判定した充放電履歴判定結果に基づいて、蓄電池10のSOCを高精度に算出できるようにしたものである。
図1に示したステップS1〜S14の処理の結果に基づき、ステップS21では充放電履歴が放電かあるいは充電かを判定する。その結果、放電履歴であると判定されるとステップS22に進む一方、充電履歴であると判定されるとステップS23に進む。ステップS6で蓄電池10に印加したプローブパルスが所定容量の充電であることから、ステップS21で放電履歴であると判定されたときは、放電の後にプローブパルスの印加で充電を行ったことになる。その結果、蓄電池10の内部状態が放電の影響と充電の影響を混在させた状態になっていることが判る。そこで、この場合にはステップS22で、所定容量の放電を行う(以下ではこれを状態検知前放電という)。これにより、図4(a)に示した充放電履歴と同様の放電、充電、放電を順次行ったことになり、図5の符号33で示した緩和量と同様に、中間SOCの変化に対して単調に変化する緩和量が得られるようになる。
なお、ここではステップS6で印加されるプローブパルスが所定容量の充電である場合について説明するが、プローブパルスが所定容量の放電である場合には、ステップS21で充放電履歴が充電であると判定されたときにステップS22に進み、放電であると判定されたときにはステップS23に進むようにする。また、この場合にはステップS22で所定容量の充電(状態検知前充電)を行う。
状態検知前放電(あるいは状態検知前充電)として行う放電量(あるいは充電量)は、蓄電池10の種類、型番、容量、及び複数のセルを組み合わせて構成されている場合にはその組み合わせ数等に応じて好適に決定する。一例として、18650型の燐酸鉄系Liイオン電池の場合には、状態検知前放電として新品容量換算で2%以上の放電を行うのが望ましい。
また、プローブパルスで印加する充電容量(放電容量)の絶対値は、状態検知前放電(状態検知前充電)で放電(充電)する放電容量(充電容量)の絶対値よりも小さくするのがよい。これにより、プローブパルスの印加による充電履歴(放電履歴)の影響を、その後行う状態検知前放電(状態検知前充電)により大幅に低減させることができ、放電(充電)のみを行ったときの中間SOCと緩和量との関係に近づけることが可能となる。一例として、燐酸鉄系Liイオン電池の場合には、プローブパルスの充放電を新品容量換算で0.5%の充電とするのがよい。
ステップS22で状態検知前放電が行われると、次にステップS23に進む。ステップS23では、安定時OCVに略等しいOCV_baseがOCV1以上かつOCV2以下であるかを判定する。OCV_baseがOCV1以上かつOCV2以下のときはステップS24に進む一方、OCV_baseがOCV1より小さいかあるいはOCV2より大きいときはステップS26に進む。
ステップS24では、式(1)または式(2)に基づいて緩和量を算出する。緩和量として式(1)から算出されるOCV積分値St1_t2を用いるときは、所定の緩和期間中にステップS8〜S11と同様の処理を行ってOCV積分値St1_t2を算出する。また、緩和量として式(2)から算出されるOCV変化積分値DSt1_t2を用いるときは、所定の緩和期間中にステップS8〜S13と同様の処理を行ってOCV変化積分値DSt1_t2を算出する。
次のステップS25では、ステップS23で算出された緩和量を用いて緩和量対SOCの関係から蓄電池10のSOCを算出する。緩和量対SOCの関係は、図5の符号33で示すような中間SOCに対する緩和量の変化の関係を事前に求め、これをもとに作成することができる。事前に作成された緩和量対SOCの関係は記憶部120に保存され、ステップS25で記憶部120から読み出してSOCの算出に用いられる。ステップS25でSOCが算出されると、次にステップS27に進む。
一方ステップS26では、OCV_baseを安定時OCVとして安定時OCV対SOCの関係からSOCを算出する。安定時OCV対SOCの関係は、図3に示したSOCに対する安定時OCV21の変化を事前に求め、これをもとに作成することができる。事前に作成された安定時OCV対SOCの関係は記憶部120に保存され、ステップS26で記憶部120から読み出してSOCの算出に用いられる。ステップS26でSOCが算出されると、次のステップS27に進む。
ステップS27では、ステップS26またはS27で算出されたSOCを入出力手段130から外部に出力される。なお、OCV_baseを取得する基準時間は、状態検知前充放電制御の終了から30分以上経過した時間とするのが好ましく、例えば燐酸鉄系Liイオン電池では1時間程度とするのがよい。基準時間は、電池の大きさや種類等によって異なる。
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法を、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法による処理の流れを説明するためのフローチャートである。
第2実施形態の状態検知方法では、ステップS21で放電履歴と判定されたときのみステップS22で状態検知前放電を行うようにしていた。これに対し、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法では、ステップS21で放電履歴でない、すなわち充電履歴と判定されたときには、ステップS31で状態検知前充電を行うようにしている。これにより、充電停止後の蓄電池の内部状態に対応した緩和量対SOCの関係を用いて、さらに高精度にSOCを算出することが可能となる。
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法を、図10、11を用いて説明する。図10は、複数のセルを組み合わせて構成された蓄電デバイス10’を示すブロック図である。蓄電デバイス10’は、それぞれ6個のセル10a〜10f及び10g〜10lを直列に接続したものを並列に接続して構成されている。このように複数のセルから構成されている蓄電デバイス10’では、充放電履歴を判定するのにすべてのセルにプローブパルスを印加する必要はなく、一部のセルにプローブパルスを印加するだけで判定することができる。
図11に、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法による処理の流れを説明するためのフローチャートを示す。本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法では、ステップS1〜S5の処理の後、ステップS41でプローブパルスを印加するセルを選択する。そして、選択されたセルに対し、ステップS6〜S15の処理を行って充放電履歴を判定する。その後、SOCを算出するためにまず、ステップS21、S22で必要に応じて状態検知前放電を行う。さらに、ステップS42、S43の処理によりすべてのセルに対してステップS23〜S27の処理を行う。これにより、すべてのセルのSOCを算出することができる。
上記説明のように、本発明の蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置によれば、蓄電デバイスの充放電履歴を高精度に判定することができる。また、充放電履歴を判定することで、必要に応じて蓄電デバイスに状態検知前充電または状態検知前放電を印加することができ、これによりSOCを高精度に求めることが可能となる。その結果、蓄電デバイスを搭載したシステムの運用を容易とし、システムの稼動率や安全性の向上、さらに管理コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1:対象システム
2:負荷
10:蓄電デバイス
11:充放電手段
12:電圧測定手段
13:電流測定手段
14:温度測定手段
100:状態検知装置
110:状態検知部
120:記憶部
130:入出力手段

Claims (15)

  1. 充放電停止後に停止前の充放電履歴を判定する蓄電デバイスの状態検知方法であって、
    第1容量の充電または放電をプローブパルスとして前記蓄電デバイスに印加し、
    前記プローブパルス印加後の第1の期間に前記蓄電デバイスの開回路電圧(OCV)の測定値を取得し、
    前記OCV測定値から所定の履歴判定用状態量を算出し、
    前記履歴判定用状態量と事前に作成された参照データとから前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定する
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知方法。
  2. 前記履歴判定用状態量は、前記プローブパルス印加後の第1の期間にわたって前記OCV測定値を時間積分して算出したOCV積分値であり、
    前記参照データは、前記OCV積分値に対する閾値であり、前記OCV積分値を前記参照データと比較することで前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  3. 前記履歴判定用状態量は、前記OCV測定値の所定の基準OCVからの変化量を時間積分したOCV変化積分値であり、
    前記参照データは、前記OCV変化積分値に対する閾値であり、
    前記プローブパルス印加後の前記第1の期間が経過したときの前記OCV測定値を取得して前記基準OCVとし、
    前記OCV測定値を時間積分したOCV積分値から前記基準OCVに前記第1の期間の時間長を乗じた値を減算して前記OCV変化積分値を算出し、
    前記OCV変化積分値を前記参照データと比較することで前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  4. 前記参照データとして所定の第1閾値及び該第1閾値より大きい第2の閾値を予め設定しておき、前記OCV積分値または前記OCV変化積分値が前記第1閾値より小さいときに前記充放電履歴を放電履歴と判定する一方、前記OCV積分値または前記OCV変化積分値が前記第2の閾値より大きいときに前記充放電履歴を充電履歴と判定する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  5. 前記履歴判定用状態量は、前記OCV測定値と所定の基準OCVとの差である電圧降下量であり、
    前記参照データは、電圧降下量の時間変化を表す関数または表であり、
    前記電圧降下量を前記充放電停止からの経過時間に対応する前記参照データと比較し、
    前記電圧降下量が前記参照データより小さいときに前記充放電履歴を放電履歴と判定する一方、前記電圧降下量が前記参照データより大きいときに前記充放電履歴を充電履歴と判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  6. 前記第1容量の充電または放電は、前記蓄電デバイスの新品換算容量の5%以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  7. 前記蓄電デバイスの電流測定値が所定の停止時電流閾値以下のときを前記充放電停止と判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  8. 前記プローブパルスが前記第1容量の充電でかつ前記充放電履歴が充電履歴のとき、あるいは前記プローブパルスが前記第1容量の放電でかつ前記充放電履歴が放電履歴のときには、予め設定された残容量(SOC)算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  9. 前記充放電履歴が充電履歴かあるいは放電履歴かによってそれぞれ第2容量の充電あるいは放電を前記蓄電デバイスに印加し、
    前記第2容量の充電あるいは放電を印加後に前記OCV積分値または前記OCV変化積分値と前記基準OCVとを求め、
    予め設定されたSOC算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  10. 前記充放電履歴が充電履歴で前記プローブパルスが前記第1容量の放電のときには第2容量の充電を前記蓄電デバイスに印加し、あるいは前記充放電履歴が放電履歴で前記プローブパルスが前記第1容量の充電のときには前記第2容量の放電を前記蓄電デバイスに印加し、
    前記第2容量の充電あるいは放電を印加後に前記OCV積分値または前記OCV変化積分値と前記基準OCVとを求め、
    予め設定されたSOC算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  11. 前記充放電履歴が充電履歴で前記プローブパルスが前記第1容量の充電のときには第2容量の充電を前記蓄電デバイスに印加し、
    前記第2容量の充電を印加後に前記OCV積分値または前記OCV変化積分値と前記基準OCVとを求め、
    予め設定されたSOC算出式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値あるいは前記基準OCVから前記蓄電デバイスのSOCを算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  12. 前記第2容量は、前記第1容量より大きい
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  13. 前記蓄電デバイスは、複数のセルを直列または並列に接続して構成されており、
    前記プローブパルスを前記複数のセルの少なくとも1つに印加して前記充放電履歴を判定し、
    前記第2容量の充電あるいは放電を前記複数のセルすべてに印加してそれぞれのSOCを算出する
    ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  14. 前記SOC算出式は、OCV積分値またはOCV変化積分値対SOCの関係式、あるいは基準OCV対SOCの関係式であり、
    前記基準OCVが所定の範囲にあるときは、前記OCV積分値またはOCV変化積分値対SOCの関係式を用いて前記OCV積分値または前記OCV変化積分値から前記SOCを算出し、
    前記基準OCVが前記所定の範囲外にあるときは、前記基準OCV対SOCの関係式を用いて前記基準OCVから前記SOCを算出する
    ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  15. 充放電手段を用いて充放電可能な蓄電デバイスの充放電停止後に停止前の充放電履歴を判定する蓄電デバイスの状態検知装置であって、
    記憶部と、
    プローブパルスとして第1容量の充電または放電を前記蓄電デバイスに印加するように前記充放電手段を制御し、前記プローブパルス印加後の第1の期間に前記蓄電デバイスの開回路電圧(OCV)の測定値を取得し、前記プローブパルス印加後の第1の時間が経過したときの前記OCV測定値を取得して基準OCVとし、前記第1の期間にわたって前記OCV測定値を時間積分したOCV積分値から前記基準OCVに前記第1の期間の時間長を乗じた値を減算してOCV変化積分値を算出し、前記OCV変化積分値を所定の閾値と比較することで前記充放電履歴が充電履歴あるいは放電履歴であると判定する状態検知部と、
    前記状態検知部から前記充放電履歴の判定結果を入力して外部に出力する入出力手段と、を備える
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知装置。

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