JP2012211393A - 熱交換器用アルミニウム合金フィン材 - Google Patents
熱交換器用アルミニウム合金フィン材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012211393A JP2012211393A JP2012129005A JP2012129005A JP2012211393A JP 2012211393 A JP2012211393 A JP 2012211393A JP 2012129005 A JP2012129005 A JP 2012129005A JP 2012129005 A JP2012129005 A JP 2012129005A JP 2012211393 A JP2012211393 A JP 2012211393A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brazing
- fin material
- heat exchanger
- aluminum alloy
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
Abstract
【解決手段】Si:0.7〜1.4wt%、Fe:0.5〜1.4wt%、Mn:0.7〜1.4wt%、Zn:0.5〜2.5wt%を含み、不純物のMgを0.05wt%以下に限定し、残部不可避的不純物とAlからなる組成を有し、ろう付後には抗張力130MPa以上、耐力45MPa以上、再結晶粒径500μm以上、導電率47%IACS以上であるアルミニウム合金フィン材。上記組成の溶湯から双ベルト式連続鋳造した薄スラブを所定条件で冷間圧延/焼鈍/冷間圧延/焼鈍/冷間圧延するフィン材製造方法。上記フィン材をろう付け加熱後、所定速度で冷却する熱交換器の製造方法。
【選択図】なし
Description
Siは、Fe、Mnと共存してろう付け時にサブミクロンレベルのAl−(Fe・Mn)−Si系の化合物を生成し、強度を向上させ、同時にMnの固溶量を減少させて熱伝導度(導電率)を向上させる。Siの含有量が0.7wt%未満ではその効果が十分でなく、1.4wt%を超えると、ろう付け時にフィン材の溶融を生じるおそれがある。従って、Si含有量は0.7〜1.4wt%に限定する。好ましくは、Si含有量は0.8〜1.2wt%である。
Feは、Mn、Siと共存してろう付け時にサブミクロンレベルのAl−(Fe・Mn)−Si系の化合物を生成し、強度を向上させるとともに、Mnの固溶量を減少させて熱伝導度(導電率)を向上させる。Feの含有量が0.5wt%未満では強度が低下して好ましくない。1.4wt%を超えると合金の鋳造時に粗大なAl−(Fe・Mn)−Si系晶出物が生成して板材の製造が困難となる。従って、Fe含有量は0.5〜1.4wt%に限定する。好ましくは、Fe含有量は0.5〜1.2wt%である。
Mnは、Fe、Siと共存させることによりろう付け時にサブミクロンレベルのAl−(Fe・Mn)−Si系化合物として高密度に析出して、ろう付け後の合金材の強度を向上させる。また、サブミクロンレベルのAl−(Fe・Mn)−Si系析出物は強い再結晶阻止作用を有するため再結晶粒が500μm以上と粗大になり、耐サグ性と耐エロージョン性が向上する。Mnが0.7wt%未満ではその効果が十分でなく、1.4wt%を超えると合金の鋳造時に粗大なAl−(Fe・Mn)−Si系晶出物が生成して板材の製造が困難となるとともに、Mnの固溶量が増加して熱伝導度(導電率)が低下する。従って、Mn含有量は0.7〜1.4wt%に限定する。好ましくは、Mn含有量は0.8〜1.3wt%である。
Znは、フィン材の電位を卑にし、犠牲陽極効果を与える。含有量が0.5wt%未満ではその効果が十分でなく、2.5wt%を超えると材料の自己耐食性が劣化し、また、Znの固溶によって熱伝導度(導電率)が低下する。従って、Zn含有量は0.5〜2.5wt%に限定する。好ましくは、Zn含有量は1.0〜2.0wt%である。
Mgは、ろう付け性に影響し、含有量が0.05wt%を超えるとろう付け性を害するおそれがある不純物である。とくにフッ化物系フラックスろう付けの場合、フラックスの成分であるフッ素(F)と合金中のMgとが反応し易くなり、MgF2 などの化合物が生成することに起因してろう付け時に有効に作用するフラックスの絶対量が不足し、ろう付け不良が生じ易くなる。従って、Mg含有量は0.05wt%以下に限定する。
双ベルト鋳造法は、上下に対峙し水冷されている回転ベルト間に溶湯を注湯してベルト面からの冷却で溶湯を凝固させてスラブとし、ベルトの反注湯側より該スラブを連続して引き出してコイル状に巻き取る連続鋳造方法である。
本発明の製造方法においては、鋳造するスラブの厚さは5〜10mmに限定する。この厚さであると板厚中央部の凝固速度も速く、均一組織でしかも本発明範囲の組成であると粗大な化合物の少ない、およびろう付け後において結晶粒径の大きい優れた諸性質を有するフィン材とすることができる。
引き続く、第1次中間焼鈍における十分な軟化状態を得るためと、マトリックス中のSi、Fe、Mn等の固溶元素を十分に析出させるために、第1段の冷間圧延の板厚は1.0〜6.0mmに限定する。6.0mmより厚い板厚では、その効果が十分ではなく、1.0mm未満では第1段の冷間圧延時に耳割れが発生するなど圧延性が低下する。また、その後の第2段の冷間圧延と最終冷間圧延とのバランスを取るためにも制御が必要となる。
第1次中間焼鈍の保持温度は250〜550℃に限定する。第1次中間焼鈍の保持温度が250℃未満の場合、十分な軟化状態を得ることができない。第1次中間焼鈍の保持温度が550℃を超えると、マトリックス中のSi、Fe、Mn等の固溶元素が十分に析出せず、ろう付加熱後の熱伝導度(導電率)が低下する。
第2段の冷間圧延は、引き続く第2次中間焼鈍における十分な軟化状態を得るためと、マトリックス中のSi、Fe、Mn等の固溶元素を十分に析出させるために必要である。
板厚が0.4mmを超えるとその効果が十分ではなく、0.05mm未満では、引き続く最終冷間圧延にかける圧下率を制御することができなくなる。このため、第2段の冷間圧延後の板厚は0.05〜0.4mmに限定する。
第2次中間焼鈍の保持温度は360〜550℃に限定する。第2次中間焼鈍の保持温度が360℃未満の場合、十分な軟化状態を得ることができない。しかし、第2次中間焼鈍の保持温度が550℃を超えると、マトリックス中のSi、Fe、Mn等の固溶元素が十分析出せず、ろう付加熱後の熱伝導度(導電率)の低下およびろう付け時の再結晶阻止作用が弱まって、再結晶粒径が500μm未満となり、ろう付け時の耐サグ性と耐エロージョン性が低下する。
<冷間圧延率:20〜75%>
最終冷間圧延における冷間圧延率が20%未満の場合、冷間圧延で蓄積される歪エネルギーが少なく、ろう付け時の昇温過程で再結晶が完了しないため、耐サグ性と耐エロージョン性が低下する。冷間圧延率が75%を超えると,製品強度が高くなりすぎて,フィン材成形において所定のフィン形状を得る事が困難になる。従って、最終冷間圧延における冷間圧延率は20〜75%に限定する。
<最終板厚:40〜200μm>
フィン材の板厚が40μm未満では熱交換器としての強度が不足することに加えて、空気熱伝導が低くなる。フィン材の板厚が200μmを超えると、熱交換器の重量が大きくなる。
〔ろう付け加熱後の少なくともろう付温度から400℃までの温度範囲を冷却速度10〜50℃/minで冷却〕
アルミニウム熱交換器のろう付は、600℃程度で行われるのが一般的である。
ろう付け加熱後の少なくともろう付温度から400℃までの温度範囲を冷却速度10〜50℃/minで冷却しなくてはならない。ろう付け加熱後のろう付温度から300℃までの温度範囲を冷却速度10〜50℃/minで冷却することが望ましい。ろう付け加熱後のろう付温度から200℃までの温度範囲を冷却速度10〜50℃/minで冷却することがさらに望ましい。
〔実施例1〕 本発明例および比較例として、表1に示した合金番号1から9の組成の合金溶湯を溶製し、セラミックス製フィルターを通過させて双ベルト鋳造機に注湯し、鋳造速度8m/min で厚さ7mmのスラブを得た。スラブ厚み1/4における溶湯の凝固時冷却速度は50℃/sec であった。該薄スラブを4mmまで冷間圧延し,昇温速度50℃/hrで昇温して、400℃で2hr保持した後、冷却速度50℃/hrで100℃まで冷却する第1次中間焼鈍処理を施した。次いで120μmまで冷間圧延した後、昇温速度50℃/hrで昇温して、400℃で2hr保持した後、冷却速度50℃/hrで100℃まで冷却する第2中間焼鈍処理を施した。次いで冷間圧延を施し、厚さ60μmのフィン材とした。
得られた本発明例および比較例のフィン材について下記(1)〜(3)の測定を行なった。
〔試験項目〕 [1] 抗張力、耐力(MPa ) [2] 結晶粒径 表面を電解研磨してバーカー法で結晶粒組織を現出後、切断法で圧延方向に平行な結晶粒径(μm)を測定 [3] JIS−H0505記載の導電性試験法で導電率[%IACS]
コルゲート形状:高さ2.3mm×幅21mm×ピッチ3.4mm、10山 測定結果を表1に示す。
すなわち、昇温速度20℃/minで昇温して、600〜605℃で3min間保持した後に、表2に示す下温度(400℃、200℃)まで表2に示す冷却速度(60、40、30、20、10℃/min)で冷却し、その後加熱炉から出し、室温まで冷却した。
これらろう付加熱処理されたフィン材について、ろう付け後の抗張力・耐力、導電率を測定した。引張試験および導電率の測定は実施例1と同様の方法で行なった。測定結果を表2に示す。
Claims (2)
- Si:0.7〜1.4wt%、Fe:0.5〜1.4wt%、Mn:0.7〜1.4wt%、Zn:0.5〜2.5wt%を含み、さらに不純物としてのMgを0.05wt%以下に限定し、残部不可避的不純物とAlからなる組成を有し、
ろう付後の抗張力が130MPa以上、耐力が45MPa以上であり、ろう付け後の再結晶粒径が500μm以上、且つろう付け後の導電率47%IACS以上であることを特徴とする、高強度で且つ伝熱特性、耐エロージョン性、耐サグ性、犠牲陽極効果および自己耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材。 - Si:0.7〜1.4wt%、Fe:0.5〜1.4wt%、Mn:0.7〜1.4wt%、Zn:0.5〜2.5wt%を含み、さらに不純物としてのMgを0.05wt%以下に限定し、残部不可避的不純物とAlからなる組成を有し、
ろう付後の耐力が49MPa以上であり、ろう付け後の再結晶粒径が500μm以上、且つろう付け後の導電率47%IACS以上であることを特徴とする、高強度で且つ伝熱特性、耐エロージョン性、耐サグ性、犠牲陽極効果および自己耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012129005A JP5447593B2 (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012129005A JP5447593B2 (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006210797A Division JP5055881B2 (ja) | 2006-08-02 | 2006-08-02 | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法およびフィン材をろう付けする熱交換器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012211393A true JP2012211393A (ja) | 2012-11-01 |
JP5447593B2 JP5447593B2 (ja) | 2014-03-19 |
Family
ID=47265571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012129005A Expired - Fee Related JP5447593B2 (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5447593B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005002383A (ja) * | 2003-06-10 | 2005-01-06 | Nippon Light Metal Co Ltd | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 |
JP2005220375A (ja) * | 2004-02-03 | 2005-08-18 | Nippon Light Metal Co Ltd | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材およびその製造方法 |
-
2012
- 2012-06-06 JP JP2012129005A patent/JP5447593B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005002383A (ja) * | 2003-06-10 | 2005-01-06 | Nippon Light Metal Co Ltd | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 |
JP2005220375A (ja) * | 2004-02-03 | 2005-08-18 | Nippon Light Metal Co Ltd | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5447593B2 (ja) | 2014-03-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5055881B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法およびフィン材をろう付けする熱交換器の製造方法 | |
JP5371173B2 (ja) | 高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 | |
JP5854954B2 (ja) | 高強度アルミニウム合金フィン材およびその製造方法 | |
JP4725019B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法並びにアルミニウム合金フィン材を備える熱交換器 | |
US9719156B2 (en) | Aluminum fin alloy and method of making the same | |
JP5195837B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材 | |
JP6978983B2 (ja) | 耐座屈性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材及びその製造方法 | |
JP4123059B2 (ja) | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 | |
JP5762387B2 (ja) | 高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 | |
JP2009293059A (ja) | 耐エロージョン性に優れた高強度アルミニウム合金フィン材及びその製造方法、並びに自動車熱交換器 | |
JP5447593B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材 | |
JP5431046B2 (ja) | 高温耐久性に優れた熱交換器用アルミニウム合金製ろう付け構造体の製造方法 | |
JP5506732B2 (ja) | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130903 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131216 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5447593 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |