JP2012194165A - 走査型顕微光散乱測定解析装置および光散乱解析方法 - Google Patents

走査型顕微光散乱測定解析装置および光散乱解析方法 Download PDF

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【課題】走査型の測定により多点で得られた試料の緩和データから適切な緩和データを選別してアンサンブル平均を正確に測定することができる走査型顕微光散乱測定解析装置および光散乱解析方法を提供する。
【解決手段】走査機構6により走査した各試料位置において検出した散乱光7に基づく時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、アンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かの閾値を異常な現象に起因する振幅の大きさに基づいて設定する閾値設定手段と、走査機構6により走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、閾値設定手段により設定した閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かを選別する緩和データ選別手段とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、走査型顕微光散乱測定解析装置および光散乱解析方法に関するものである。
動的光散乱法は、溶液内部で起こっている熱運動を光の散乱現象を通して測定することにより、溶液内部の微細な構造とその運動性を解析する方法である。
通常、光を用いる測定は、光の波長以下の構造を調べることは原理的に困難である。しかし動的光散乱法は、熱運動を通して内部構造を観測するため光の波長以下(1μm以下から0.1nmまで)の微細構造を測定することができる。従って、動的光散乱法は、人体に対して比較的安全な可視光のレーザ光源を用いて、溶液中に分散した粒子のサイズやゲルの網目構造を決定できる便利な観測法である。
動的光散乱法は、透明な粒子分散系における粒子サイズを溶液状態でそのまま測定する方法として広く用いられている。一方、動的光散乱法をゲル、液晶、コロイド等の微細構造が複雑な試料の測定に応用しようという試みは早くからなされていたが、実用化には至っていなかった。これは、ゲル等からの散乱光には内部構造の不均一性に起因する過剰な成分が不可避に含まれているが、この成分を正しく評価する方法が無かったことが主な要因である。
特にゲルにおいては、大部分が水で溶質が少ないこと、溶媒と溶質の誘電率が近く光に対するコントラストがつきにくいこと、本質的に不均一な構造であり様々なスケールの不均一性が混在するため散乱光は場所に強く依存すること等から動的光散乱法による測定の実用化が困難であった。
このような背景において、本発明者らは、ゲルの不均一性を克服するものとして走査型顕微光散乱(SMILS)を開発した(非特許文献1〜4、特許文献1)。そして走査型顕微散乱により不均一性に起因する散乱光の過剰成分を厳密に考慮し、時間平均と空間平均を正しく行った統計平均(アンサンブル平均)の測定量を決定する方法が開発された(非特許文献1〜3参照)。
走査型顕微光散乱は、入射光の集光部と、散乱光の検出部に対物レンズを用いることで散乱体積を直径数μmに絞り、走査機構により数μm間隔で測定位置を変えながら微小な散乱体積についての動的光散乱測定:を行うことができる。走査型顕微光散乱は微小な領域をピックアップして内部を測定でき、多数の点を連続的に測定して不均一な系でも厳密な平均量を測定することができる。
そして不均質または格段に微量な試料、高粘度や複雑な形状など、これまで測定が困難だった範囲の測定ができるようになり、動的揺らぎを分析する原理に基づくことでナノスケールの構造に関する情報が得られるため、非常に広い時空間領域(100ns〜1h,0.1nm〜数mm)をカバーすることができる。
このようにして、可視光の光源を用いながら、複雑な内部構造をもつゲルの微細な内部構造を非破壊、非接触でそのまま測定する実用的な方法が確立した。この走査型顕微光散乱測定解析装置は、ゲル解析用途等の製品化が期待されている。例えば、高強度ゲルを活かした新しい機能性材料の研究が盛んに行われつつあるが、中でもDN(Double Network)ゲルは、含水率90%で破断応力10〜40MPaと、大量の溶媒を含みながらもゴムや生体軟骨に匹敵する強度を持つゲルである(非特許文献5)。このDNゲルの構造解析ができれば、製品製造工程におけるゲル使用量の低減等において効果をもたらすと考えられる。
特許第4517145号明細書
H.Furukawa,K.Horie,R.Nozaki,M.Okada,"Swelling−induced modulation of static and dynamic fluctuaions in polyacrylamide gels observed by scanning micro scopic light scattering",Phys.Rev.E,68,2003,p.031406−1〜031406−14 古川英光、堀江一之、「走査型顕微光散乱による高分子ゲルの微細網目構造のキャラクタリゼーション」高分子論文集59、2002、p.578−589 H.Furukawa and S.Hirotsu,"Dynamic Light Scattering from Static and Dynamic Fluctuations in Inhomogeneous Media",J.Phys.Soc.J.,71,2002,p.2873−2880 古川英光、「ゲルの階層的な内部構造と走査型顕微鏡光散乱」大塚電子(株)光散乱ジャーナルLSアドバンスVol.8 2009年12月1日発行 J.P.Gong,Y.Katsuyama,T.Kurokawa,Y.Osada,Adv.Mater.,15,1155−1158(2003)
しかしながら、走査型顕微光散乱測定解析装置には、次のような点が求められている。
第1に、上記したようにゲル状の試料には一見透明に見えても試料の内部に屈折率の濃淡やコントラストがあるため散乱した光の強さが測定する場所に強く依存する。従って強い散乱光強度のデータほど解析に適さないデータが含まれる場合が多い。
そのため試料中の多くの位置で測定したり、一度に多くの位置を測定するという方法が採られているが、従来のアンサンブル平均の取り方では試料中の多くの位置で測定した緩和データを単純に数平均するため、解析に適さない緩和データに統計的な重みが掛かり、平均した後の緩和データの正確性を低下させる要因となっている。
第2に、緩和データの中には、単純緩和(寿命)、並進運動(速度)、拡散運動(拡散係数)の3つの情報が含まれているが、専門家でないと緩和データの解釈は難しく、容易な判別ができない。そのため試料に応じたこれら3つの情報を専門家でなくとも容易に判別できることが求められている。
第3に、従来の走査型顕微光散乱においては測定する散乱角を規定するために分光器としての形態をとることが多く、微量な生体試料を測定すること等が困難である。そのため、散乱角を簡易な構成で規定することができ、散乱角を規定する構成を走査型顕微光散乱に容易に組み込む技術が望まれている。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、走査型の測定により多点で得られた試料の緩和データから適切な緩和データを選別してアンサンブル平均を正確に測定することができる走査型顕微光散乱測定解析装置および光散乱解析方法を提供することを課題としている。
また、緩和データに含まれる単純緩和、並進運動、拡散運動の情報を容易に判別することができる走査型顕微光散乱測定解析装置および光散乱解析方法を提供することを課題としている。
さらに、散乱光の散乱角を簡易な構成で規定することができ、散乱角を規定する構成を走査型顕微光散乱に容易に組み込むことができる走査型顕微光散乱測定解析装置および光散乱解析方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置は、
試料にレーザ光を入射するレーザ光源と、
試料をレーザ光源からのレーザ光軸に対して相対移動可能な走査機構と、
レーザ光源から試料に入射したレーザ光の散乱光を検出する検出手段と、
走査機構により走査した各試料位置での検出手段による散乱光の検出結果に基づいて時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する時間平均相関関数演算手段と、
走査機構により走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データに基づいてアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算するアンサンブル平均相関関数演算手段とを備えた走査型顕微光散乱測定解析装置において、
時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、アンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かの閾値を異常な現象に起因する振幅の大きさに基づいて設定する閾値設定手段と、
走査機構により走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、閾値設定手段により設定した閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かを選別する緩和データ選別手段とを備えることを特徴としている。
この走査型顕微光散乱測定解析装置おいては、異常な現象に基づく振幅は、緩和成分が少なく横一直線に近い緩和データの振幅、機械的または電気的な振動による異常振幅、緩和データの裾野における跳ね上がりの振幅、および緩和データの裾野における減少振幅から選ばれる1種以上であることが好ましい。
この走査型顕微光散乱測定解析装置おいては、閾値設定手段は、閾値の初期値、変化分、および最終値を設定し、
走査型顕微光散乱測定解析装置は、緩和データ選別手段によりアンサンブル平均相関関数の演算に採用しないと決定された不採用緩和データ数の全体の緩和データ数に対する割合について許容範囲の上限値を設定する許容範囲設定手段と、
不採用緩和データ数の割合が許容範囲設定手段により設定された許容範囲を超える場合に閾値を初期値から変化分に応じて変更する閾値変更手段と、
閾値を変化分に応じて最終値まで変更しても不採用緩和データ数が許容範囲を超える場合にアンサンブル平均相関関数の演算を行わずにエラー信号を出力するエラー信号出力手段とを備えることが好ましい。
この走査型顕微光散乱測定解析装置おいては、走査機構により走査した各試料位置での散乱光をレーザ光の波長およびレーザ光軸に対する散乱角から選ばれるいずれかの空間スケールを変更して測定可能な空間スケール変更手段と、
走査機構により走査した各試料位置での散乱光の測定結果に基づいて算出したアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データより、空間スケール変更手段により空間スケールを変更した緩和データごとに、逆ラプラス変換により緩和時間分布−緩和時間のピークデータを演算する緩和時間分布演算手段と、
空間スケールを変更したそれぞれの緩和時間分布−緩和時間のピークデータについて、単純緩和、並進運動、および拡散運動の3種類に対応して、緩和時間を相対移動させずに、または緩和時間を空間スケールの大きさに対して比例的に相対移動させ、あるいは緩和時間を空間スケールの大きさに対して二乗依存的に相対移動させて、各ピークデータのピーク位置を重ね合せて積算し、単純緩和、並進運動、および拡散運動を分別してピークデータを演算する分別演算手段とを備えることが好ましい。
この走査型顕微光散乱測定解析装置おいては、空間スケール変更手段は、試料への入射光軸を揃えた波長の異なる複数のレーザ光源であり、空間スケールとしてレーザ光の波長を変更することが好ましい。
この走査型顕微光散乱測定解析装置おいては、空間スケール変更手段は、試料からの散乱光のレーザ光軸に対する散乱角を変更可能な散乱角変更手段であり、空間スケールとして散乱角を変更することが好ましい。
この走査型顕微光散乱測定解析装置おいては、試料が上面に位置する開口部を有する試料ステージと、
開口部の下方に配置され検出手段に散乱光を導入する光学系の一部を構成する対物レンズと、
対物レンズの上面に、対物レンズの上面の周縁部近傍のうち一部を散乱光通過部として開放しそれ以外の部分を覆うように配置され、レーザ光を入射した試料から開口部を通過した散乱光を対物レンズの上面のうち散乱光通過部のみから入射させることによりレーザ光軸に対する散乱角を規定するカバー部材とを備えることが好ましい。
この走査型顕微光散乱測定解析装置おいては、試料面に対向配置された対物レンズと、
対物レンズの下面側の光学系に配置され、レーザ光を入射した試料からの散乱光のレーザ光軸に対する散乱角を規定する散乱光通過孔が設けられた散乱角選択フィルタとを備えることが好ましい。
また上記の課題を解決するために、本発明の光散乱解析方法は、レーザ光源から試料にレーザ光を入射し、試料をレーザ光軸に対して相対移動させて走査し各試料位置からの散乱光を検出する走査型顕微光散乱による光散乱解析方法において、
走査した各試料位置での散乱光の検出結果に基づいて得られる時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、アンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かの閾値を異常な現象に起因する振幅の大きさに基づいて設定する工程と、
走査した各試料位置での散乱光の検出結果に基づいて、各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する工程と、
走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、設定した閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かを選別する工程と、
設定した閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして選別した緩和データ群に基づいてアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する工程とを含むことを特徴としている。
この光散乱解析方法おいては、異常な現象に基づく振幅は、緩和成分が少なく横一直線に近い緩和データの振幅、機械的または電気的な振動による異常振幅、緩和データの裾野における跳ね上がりの振幅、および緩和データの裾野における減少振幅から選ばれる1種以上であることが好ましい。
この光散乱解析方法おいては、閾値の初期値、変化分、および最終値を設定する工程と、
閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数の演算に採用しないと決定された不採用緩和データ数の全体の緩和データ数に対する割合について許容範囲の上限値を設定する工程と、
走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算した結果、不採用緩和データ数の割合が設定された許容範囲を超える場合に閾値を初期値から変化分に応じて変更する工程と、
閾値を変化分に応じて最終値まで変更しても不採用緩和データ数が許容範囲を超える場合にアンサンブル平均相関関数の演算を行わずにエラー信号を出力する工程とを含むことが好ましい。
この光散乱解析方法おいては、走査した各試料位置での散乱光をレーザ光の波長およびレーザ光軸に対する散乱角から選ばれるいずれかの空間スケールを変更して測定する工程と、
走査した各試料位置での散乱光の測定結果に基づいて算出したアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データより、空間スケール変更手段により空間スケールを変更した緩和データごとに、逆ラプラス変換により緩和時間分布−緩和時間のピークデータを演算する工程と、
空間スケールを変更したそれぞれの緩和時間分布−緩和時間のピークデータについて、単純緩和、並進運動、および拡散運動の3種類に対応して、緩和時間を相対移動させずに、または緩和時間を空間スケールの大きさに対して比例的に相対移動させ、あるいは緩和時間を空間スケールの大きさに対して二乗依存的に相対移動させて、各ピークデータのピーク位置を重ね合せて積算し、単純緩和、並進運動、および拡散運動を分別してピークデータを演算する工程とを含むことが好ましい。
この光散乱解析方法おいては、試料への入射光軸を揃えた波長の異なる複数のレーザ光源を用いて、空間スケールとしてレーザ光の波長を変更することが好ましい。
この光散乱解析方法おいては、空間スケールとして、試料からの散乱光のレーザ光軸に対する散乱角を変更することが好ましい。
本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置によれば、走査型の測定により多点で得られた試料の緩和データから適切な緩和データを選別してアンサンブル平均を正確に測定することができる。また、緩和データに含まれる単純緩和、並進運動、拡散運動の情報を容易に判別することができる。さらに、散乱光の散乱角を簡易な構成で規定することができ、散乱角を規定する構成を走査型顕微光散乱に容易に組み込むことができる。
本発明の光散乱解析方法によれば、走査型の測定により多点で得られた試料の緩和データから適切な緩和データを選別してアンサンブル平均を正確に測定することができる。また、緩和データに含まれる単純緩和、並進運動、拡散運動の情報を容易に判別することができる。
本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置の実施形態を概略的に示した図である。 光散乱測定解析の一例を示すフローチャートである。 走査機構により走査した各試料位置での散乱光検出、時間平均相関関数−相関時間の緩和データの演算と閾値による選別、および選別された緩和データに基づくアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データの演算を説明する図である。 時間平均相関関数−相関時間の緩和データにおける異常な現象に基づく振幅と閾値の設定の例を示した図である。 アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データと逆ラプラス変換により得られる緩和時間分布−緩和時間のピークデータを示した図である。 空間スケールを変更した測定による単純緩和、並進運動、拡散運動のそれぞれの緩和時間分布−緩和時間のピークデータのずれ方を示した図である。 空間スケールを変更した測定による並進運動の緩和時間分布−緩和時間のピークデータの分別方法を説明する図である。 本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置の別の実施形態を概略的に示した図である。 本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置の別の実施形態を概略的に示した図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置の実施形態を概略的に示した図である。
この走査型顕微光散乱測定解析装置1は、試料5にレーザ光3を入射するレーザ光源2と、試料5をレーザ光源2からのレーザ光軸に対して相対移動可能な走査機構6と、レーザ光源2から試料5に入射したレーザ光3の散乱光7を検出する検出手段11とを備えている。
レーザ光源2は、例えば可視光領域の波長のレーザ光3を出射するものを用いることができ、He−Ne(ヘリウムーネオン)レーザ(λ=632.8nm)、半導体レーザ(λ=473nm、532nm、671nm等)、He−Cd(ヘリウムーカドミウム)レーザ(λ=442nm)等を用いることができる。
また図1に示すように、レーザ光源2に加えて、試料5への入射光軸を揃えた波長の異なる複数のレーザ光源2a、2bを用いることもできる。これらはハーフミラーや全反射ミラーを配置してそれぞれのレーザ光源2、2a、2bが時分割で出射するように構成することができる。この実施形態では、レーザ光源2としてHe−Neレーザ、レーザ光源2aとして半導体レーザ、レーザ光源2bとしてHe−Cdレーザを用いている。
試料5は、測定の対象となる物質であり、透明、不透明のいずれであってもよく、ゲル、固体、液晶、コロイド、高分子溶液、高分子溶融液、電解質溶液、微生物・細胞小器官・細胞内形質等の微粒子が溶解した溶液等を挙げることができる。例えば、不均質なものや透明度が低いもの、高粘度で複雑な形状をしたものでも試料5として測定、解析することができる。
レーザ光源2からのレーザ光3は、入射側の光学系4を通じて試料5に入射する。光学系4は、集光用の対物レンズ等から構成することができる。例えば、レーザ光3を集光する円筒面平凸レンズと、垂直偏光ではない余分な成分を取り除く偏光板を入射側の光学系4として配置することができる。
試料5は、必要に応じてレーザ光3に対して透明な試料セル等に収容される。試料5は、走査機構6によりレーザ光源2からのレーザ光軸に対して相対移動可能であり、コンピュータ13の指示により走査機構6の制御部を駆動し、試料5の位置を三次元に、例えばXYZ軸の座標を用いて移動させる。
試料5に入射したレーザ光3が試料5を通過する際に散乱する散乱光7は、レーザ光3から所定の散乱角8の方向において検出側の光学系10に導入される。散乱角8は、0°〜180°の間で設定することができ、散乱角調節機構9によりレーザ光3の光軸と光学系10とを相対的に回転移動させて散乱角8を変更することができる。
検出側の光学系10は、例えば、試料5から散乱した散乱光7を集光する対物レンズ、散乱光7の光路を変更するプリズム、偏光板、散乱光7を通過させるピンホールやスリット、散乱光7の効率を上げる凸レンズ等を適宜に配置して構成することができる。
検出手段11は、散乱光7を検出し電気信号に変換する。検出手段11として、例えば光電子増倍管やアバランシェダイオード等を用いることができる。
検出手段11からの電気信号は、信号処理部12により処理されデジタル信号としてコンピュータ13に入力される。信号処理部12は、例えば、プリアンプ−ディスクリミネータ、パルス間隔測定器、コンピュータ13とのインターフェースとしてのデジタル入力回路等を適宜に用いて構成することができる。
コンピュータ13は、試料5の走査機構6や散乱角調節機構9を制御する。また後述する処理により、検出手段11からの信号処理部12を通じて入力された時系列の散乱光データの解析を行う。走査機構6により走査した各試料位置における時系列の散乱光データに基づいて各試料位置における散乱光強度の時間平均相関関数(自己相関関数)が演算され、これらを後述の閾値により選別した後にアンサンブル平均を取り、最終的には緩和時間分布が得られる。
走査型顕微鏡光散乱は、ナノ構造の情報を数分から30分程度の短時間の分析で簡便に得ることができる技術であり、例えば1μL程度の微量ゲル状試料5を走査型顕微鏡光散乱により光学的に測定し後述するような適切な統計処理を施すことにより、試料5内部のナノメートルサイズの網目構造を非破壊、非接触で定量的に測定することができる。走査機構6によりゲルの試料5の微小な内部領域において多数の点をピックアップし連続的に走査を行い適切な統計処理をすることで不均質な試料5でも厳密な平均量を測定できる。これにより、含水率に基づいた分析では得ることのできないナノスケールの網目サイズ分布を定量的に分析することができ、例えば10μmステップで1mm立方(=1μL)のゲルの試料5の領域内の100カ所を走査測定することにより、網目サイズの分布関数を定量的に決定し、微量な試料5の内部のナノ網目構造についての情報を視覚的・直感的に把握することができる。ゲルの試料5の構造解析の場合、走査型顕微光散乱で測定可能な網目サイズは通常1nm〜10μm程度であり、網目サイズの平均値だけでなく分布の形状も決定できる。
コンピュータ13は、データを演算処理する演算部と、各処理を実行する際にデータを保持し、読み込み、書き込む記憶部とを有している。またCPU(Central Processing Unit)等のコンピュータ13の処理全体(演算部の処理実行も含む)を制御する手段を有している。
コンピュータ13の演算部は、記憶部に格納されている時系列の散乱光データを用いて、時間平均相関関数を算出する。散乱光データの取得と時間平均相関関数の算出には、非特許文献1、2、特許文献1に記載の方法を適用することができる。走査型顕微光散乱を用いると試料5内部の多くの位置で連続的に時間平均相関関数g (2)(q,τ)を測定することができる。ここで、τは相関時間、qは散乱ベクトルを表す。また、下付き添字のは時間平均であること、上付き添宇の(2)は二次の相関関数であることを表している。
この試料5内部の各位置で測定された多くのg (2)(q,τ)を用いて、アンサンブル平均相関関数gen (1)(q,τ)を次式を用いて厳密に決定できる(H.Furukawa,S.Hirotsu,J.Phys.Soc.Jpn.,71,2873−2880(2002))。
Figure 2012194165
ここで、Iは散乱光強度、γは装置定数である。また、下付き添字のspは空間平均、enはアンサンブル平均であること、上付き添字の(1)は一次の相関関数であることを表している。1つの試料5の中の多くの場所で時間平均相関関数を細かく測定することで、正確に測定されたデータが適切に積算され、最終的に誤差の小さい結果が得られる。
信号処理部12とコンピュータ13の演算部により各データの取得が行われる。これらは次に説明する時間平均相関関数演算手段、アンサンブル平均相関関数演算手段、閾値設定手段、緩和データ選別手段、許容範囲設定手段、閾値変更手段、エラー信号出力手段、緩和時間分布演算手段、および分別演算手段として機能する。
検出手段11から信号処理部12により処理された時系列の散乱光データ、時間平均相関関数−相関時間の緩和データ、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データ、緩和時間分布−緩和時間のピークデータはコンピュータ13の記憶部に格納することができる。また、次に説明する各データ処理は、アルゴリズムに基づく解析プログラムによりコンピュータ13の演算部に実行させることができる。解析プログラムは、コンピュータ13に読み込まれることにより実行可能なプログラムとして記録媒体に記録することができる。
この実施形態では、まず図1および図3に示すように、走査機構6により走査した各試料位置での検出手段11による散乱光7の検出結果に基づいて時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算し、この緩和データについて次に説明する閾値による緩和データの選別を行った後、選別された緩和データに基づいてアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する。
図2は、光散乱測定解析の一例を示すフローチャートである。フローチャートに沿って説明すると、まずコンピュータ13の閾値設定手段は、時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、アンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かの閾値を異常な現象に起因する振幅の大きさに基づいて設定する(S1)。
この実施形態では、異常な現象に基づく振幅として、図4(a)に示すような緩和成分が少なく横一直線に近い緩和データの振幅、図4(b)に示すような機械的または電気的な振動による異常振幅、図4(c)に示すような緩和データの裾野における跳ね上がりの振幅、および図4(d)に示すような緩和データの裾野における減少振幅について閾値(1)〜閾値(4)を設定する。
図4(a)では、緩和成分が少なく、横一直線に見えるデータについて、閾値(1)を設定する。横軸(相関時間)における所定位置での緩和成分の振幅Aが閾値(1)よりも小さい場合に緩和データを不採用にする。自己相関関数g (1)(τ)(以下g (2)(q,τ)をg (1)(τ)と略記)のτ=0における振幅Aは理論的には散乱光に含まれる動的揺らぎ成分と静的揺らぎ成分の比に関係しており、動的揺らぎ成分が少なくなる程振幅Aは小さくなる(H.Furukawa,S.Hirotsu,J.Phys.Soc.Jpn.,71,2873−2880(2002))。一方、実験的には、振幅Aが小さくなりすぎると測定時のノイズの揺らぎを受けて正確な測定が難しくなるため、例えば測定精度の有効桁数を3桁程度とするのであれば、ノイズの少ない状況で測定したとしてもA<0.01となるような場合の緩和データは解析に利用できないと考えられる。
図4(b)では、望ましくない機械的または電気的な振動、主に50Hz(ハムノイズ)が入っている緩和データについて、横軸(相関時間)における該当部分の振動の振幅Bについて閾値(2)を設定し、それよりも大きな振幅であれば緩和データを不採用にする。
図4(c)では、測定時間内に緩和しない現象において緩和データの裾野が上方向に跳ね上がる場合があるが、この異常について閾値(3)を設定し、横軸(相関時間)における裾野の所定位置での跳ね上がりの振幅Cが閾値(3)よりも大きな場合は緩和データを不採用にする。振幅Cについては緩和データの裾野の下限(ベースライン)の計算方法にもよる。図中にここでのベースラインの計算範囲を示した。
図4(d)では、測定時間内に緩和しない現象において緩和データの裾野が下方向に大きく下がる場合があるが、この異常について閾値(4)を設定している。すなわち、緩和データの裾野が下方向に大きく下がることにより、緩和データの裾野が理論的な下限(ベースライン)である1を下回る場合もある。そこで閾値(4)を設定し、横軸(相関時間)における所定位置での下方向への振幅Dが閾値(4)よりも大きな場合は緩和データを不採用にする。
閾値(2)−(4)の設定の仕方は図中に示したτ=0における振幅αと比較すべきであるが、例えば測定精度の有効桁数を3桁程度とするのであれば、B,C,D>0.01αとなるような場合の緩和データは解析に利用できないと考えられる。
そして閾値設定手段は、閾値の初期値、変化分、および最終値を設定する。これらの設定値は試料5の種類や測定条件等により適正値は異なり特に限定されないが、一例として、閾値(1)の場合は初期値0.1〜0.2程度、最終値0.01〜0.1程度として変化分を−0.001〜−0.01程度とすることができる。閾値(2)−(4)の場合は初期値0.01α〜0.1α程度、最終値0.1α〜0.2α程度として変化分を0.001〜0.01程度とすることができる。
また、コンピュータ13の許容範囲設定手段は、後述する緩和データ選別手段によりアンサンブル平均相関関数の演算に採用しないと決定された不採用緩和データ数の全体の緩和データ数に対する割合について許容範囲を設定する(図2、S2)。具体的には、上記のように設定した閾値(1)〜閾値(4)に基づく不採用のデータ数を全体の何%まで許容するかを設定する。例えば、許容範囲を10%以下とした場合には、まず閾値(1)〜閾値(4)の初期値の組み合わせで不採用緩和データ数を数え、それが許容範囲である10%以下であれば不採用緩和データを取り除いてアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する。
次に、図1および図3左側に示すように走査機構6により試料5を走査し、各試料位置での検出手段11による散乱光7の検出を行う(図2、S3)。これにより各試料位置での時系列の散乱光データが取得される。
次に、コンピュータ13の時間平均相関関数演算手段は、走査機構6により走査した各試料位置での時系列の散乱光データに基づいて時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する(図2、S4)。この時間平均相関関数−相関時間の緩和データはコンピュータ13の記憶部に格納される。
次に、コンピュータ13の緩和データ選別手段は、走査機構6により走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、閾値設定手段により設定した閾値(1)〜閾値(4)の初期値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かを選別する(図2、S5)。
そして不採用緩和データ数の割合が許容範囲設定手段により設定された許容範囲内に収まっている場合には、選別された緩和データ群に基づいてコンピュータ13のアンサンブル平均相関関数演算手段によりアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する(図2、S8)。
一方、不採用緩和データ数の割合が許容範囲設定手段により設定された許容範囲を超える場合は、コンピュータ13の閾値変更手段は、閾値(1)〜閾値(4)のうち少なくともいずれかを初期値から閾値設定手段により予め設定した変化分に応じて変更する(図2、S6)。この変更はユーザがコンピュータ13への入力により行うこともでき、あるいは予め自動処理としてプログラムに組み込むようにしてもよい。
そしてS5に戻り、アンサンブル平均相関関数の演算のための緩和データとして採用するか否かの選別を再度行い、不採用緩和データ数の割合が許容範囲設定手段により設定された許容範囲内に収まるまでこの処理を繰り返す。
そして閾値を変化分に応じて変更した結果、不採用緩和データ数の割合が許容範囲設定手段により設定された許容範囲内に収まった場合には、選別された緩和データ群に基づいてコンピュータ13のアンサンブル平均相関関数演算手段によりアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する(図2、S8)。
一方、閾値(1)〜閾値(4)を閾値設定手段により予め設定した最終値まで変更しても不採用緩和データ数の割合が許容範囲設定手段により設定された許容範囲を超える場合は、アンサンブル平均相関関数の演算を行わずに、コンピュータ13のエラー信号出力手段は、エラー信号を出力する(図2、S7)。具体的には、例えばコンピュータ13のディスプレイ等の表示手段にエラーを表示してユーザに知らせることができる。
エラー信号が出力された場合には、ユーザは許容範囲設定手段により設定された許容範囲を変更して許容範囲を広げるか、あるいは閾値設定手段により設定された閾値(1)〜閾値(4)を変更してこれらの閾値を高くする等の対応をすることができる。
以上のようにして、走査型の測定により多点で得られた時間平均相関関数−相関時間の緩和データからアンサンブル平均のための適切なデータを選別することができ、試料5の場所に依存する不適切な緩和データを取り除いて適切なデータを選別することができる。これにより、不均質な液体やゲルを正確に測定することができ、従来測定できなかった試料の測定も可能となる。さらに図2の処理はコンピュータ13等により自動的に行うことができるので、専門家でなくとも容易に測定することができる。
次に、以上のようにして得られたアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データから逆ラプラス変換により緩和時間分布−緩和時間のピークデータを演算する方法について説明する。図5に示すように、試料5がゲルの場合には、この演算処理により内部の網目サイズの指標となる網目サイズ分布関数を導出できる。
走査型顕微鏡光散乱を用いて得られたアンサンブル平均相関関数に、数値解析法として逆ラプラス変換を適用すると、緩和時間スペクトルを厳密に得ることができる。普通のゲルを測定すると、ゲルモードと呼ばれる網目のブラウン運動に起因する緩和モードが1つだけ測定される。ゲルモードの緩和時間τからは、de Gennesのブロッブ理論に従って、網目サイズを定量的に求めることができる(古川英光,「若手研究者のための有機・高分子ラボガイド」,野瀬卓平,金谷利治,堀江一之編,講談社サイエンティフィク(2006),pp.206−215)。
走査型顕微鏡光散乱を用いたアンサンブル平均測定では、厳密に緩和時間分布を決定できることから、ゲルモードの緩和時間から網目サイズの平均値を求めるだけでなく、ゲルモードの分布の幅から網目サイズ分布についての情報まで得ることができる。実際のゲルの網目は高分子の鎖同士が複雑に絡み合いながら、架橋点によるランダムな橋掛けで網目構造を形成している。従って、架橋点の空間分布や架橋点間の鎖の長さ(架橋点間分子量)を反映した網目のサイズ分布が存在するので、網目のプラウン運動に起因して観測されるゲルモードも、網目のサイズ分布を反映した緩和時問分布をもって観測される。
この実施形態では、緩和時間分布−緩和時間のピークデータを演算すると同時に、緩和データの中に含まれている、単純緩和(寿命)、並進運動(速度)、拡散運動(拡散係数)の3つの情報を分別する。単純緩和は、測定対象が留まっていてその場所で生成/消滅を繰り返す。並進運動は、測定対象が等速直線運動により移動し、このとき移動距離が時間に比例する。拡散運動は、測定対象がランダムウォークで移動し、このとき移動距離の二乗が時間に比例する。
この分別のために、測定に複数のレーザ光源2、2a、2bを用いて波長(記号λ)を変更するか、あるいは測定の散乱角8(記号θ)を変更することで測定の空間スケールを変更する。空間スケールは散乱ベクトルの大きさqの逆数としてq−1として定義できる(古川英光,「若手研究者のための有機・高分子ラボガイド」,野瀬卓平,金谷利治,堀江一之編,講談社サイエンティフィク(2006),pp.206−215)。ここで、散乱ベクトルの大きさは次式で計算される。
Figure 2012194165
ここで、nは試料の屈折率である。正確には空間スケールに対応するのは2π/qであるが、ここでは相対的な大きさが重要であるので、簡単のためq−1として説明する。具体的には、単純緩和の場合は空間スケールを変更しても緩和時間分布−緩和時間のピークデータは横軸(時間スケール:緩和時間)方向に移動しない。なぜなら、単純緩和の場合、その寿命をτとすれば、緩和時間τ
Figure 2012194165
となり、空間スケールq−1に依存しないためである。並進運動の場合は空間スケールを変更すると緩和時間分布−緩和時間のピークデータは横軸方向に空間スケールの大きさに比例して移動する。なぜなら、並進運動の場合、その速度ベクトルをvとすれば、緩和時間τ
Figure 2012194165
となり、散乱ベクトルと速度ベクトルの内積の逆数に比例するため、空間スケールq−1に比例することになるからである。拡散運動の場合は空間スケールを変更すると緩和時間分布−緩和時間のピークデータは横軸方向に空間スケールの二乗に比例して移動する。なぜなら、拡散運動の場合、その拡散係数をDとすれば、緩和時間τ
Figure 2012194165
となり、散乱ベクトルの二乗と拡散係数の積の逆数に比例するため、空間スケールq−1に二乗に比例することになるからである。この現象に基づいて単純緩和、並進運動、拡散運動のそれぞれについて緩和時間をずらして積算することにより分別する。
空間スケール変更を変更する空間スケール変更手段は、試料5への入射光軸を揃えた波長の異なる複数のレーザ光源2、2a、2bにより構成することができる。この場合は空間スケールとしてレーザ光の波長を変更する。
また、空間スケール変更手段は、試料5からの散乱光7のレーザ光軸に対する散乱角8を変更可能な散乱角変更手段により構成することができる。図1では散乱角調節機構9がこれに相当する。この場合は空間スケールとして散乱角8を変更する。
走査型顕微光散乱測定解析装置1は、走査機構6により走査した各試料位置での散乱光7の測定を、空間スケール変更手段により空間スケールを変更した各条件にて行う。空間スケールとしてレーザ光3の波長を変更する場合には、試料5への入射光軸を揃えた波長の異なる複数のレーザ光源2、2a、2bにより時分割で測定を行い、各波長における散乱光7の測定を行う。3種類のレーザ光3の切り替えは、ユーザが切り替えることもでき、あるいはコンピュータ13によりレーザ光3の切り替えを制御することもできる。
空間スケールとして試料5からの散乱光7のレーザ光軸に対する散乱角8を変更する場合には、散乱角調節機構9により散乱角8を変更した各条件にて散乱光7の測定を行う。
そして空間スケールを変更して測定したそれぞれの散乱光データから、空間スケールごとに、前述したような手順によりアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを取得する。
空間スケールを変更した各緩和データは、次の処理により単純緩和、並進運動、拡散運動のいずれかに分別される。
コンピュータ13の演算部は、緩和時間分布演算手段および分別演算手段として機能する。緩和時間分布演算手段は、走査機構6により走査した各試料位置での散乱光7の測定結果に基づいて算出したアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データより、空間スケール変更手段により空間スケールを変更した緩和データごとに、逆ラプラス変換により緩和時間分布−緩和時間のピークデータを演算する。これによりアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データをピークのデータにすることができる。
分別演算手段は、空間スケールを変更したそれぞれの緩和時間分布−緩和時間のピークデータについて、単純緩和、並進運動、および拡散運動の3種類に対応して、緩和時間を相対移動させずに、または緩和時間を空間スケールの大きさに対して比例的に相対移動させ、あるいは緩和時間を空間スケールの大きさに対して二乗依存的に相対移動させて、各ピークデータのピーク位置を重ね合せて積算し、単純緩和、並進運動、および拡散運動を分別してピークデータを演算する。
図6に示すように、空間スケールを変えながら測定した場合、単純緩和、並進運動、および拡散運動のそれぞれで横軸のずれ方が異なる。そこで、例えば並進運動を例として説明すると、図7に示すように横軸を空間スケールの大きさに対して比例的にずらすと並進運動の場合のみピーク位置を重ね合わせることができる。このようにピーク位置を重なった各データについて積算すると、並進運動のみ分別してピークを取り出すことができる。
単純緩和については、空間スケールを変更した各ピークデータの間で横軸をずらさずにピーク位置を重ね合わせることができ、これらの各ピークデータを積算すると、単純緩和のみ分別してピークを取り出すことができる。
拡散運動については、空間スケールを変更した各ピークデータの横軸を空間スケールの大きさに対して二乗依存的に、並進運動に比べてさらにずらすことでピーク位置を重ね合わせることができ、これらの各ピークデータを積算すると、拡散運動のみ分別してピークを取り出すことができる。
以上のようにして、緩和時間分布−緩和時間のピークデータを得ることができるとともに、ゲル試料内部の網目サイズの指標となる網目サイズ分布関数を導出でき、さらに、緩和データに含まれる単純緩和、並進運動、拡散運動の情報を専門家でなくとも容易に判別することができる。
図8(a)〜(c)は本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置の別の実施形態の一部を概略的に示した図であり、(a)は静止した試料を試料ステージの上面に配置した例を示す正面図、(b)はカバー部材を配置した対物レンズの上面図、(c)は試料を流路に流して流速を与えながら測定を行う例を示す正面図である。
この実施形態の光散乱測定解析装置1は、測定装置を簡易に顕微鏡に組み込めるように構成されている。図8(a)に示すように、光散乱測定解析装置1は、試料5が上面14aに位置する試料ステージ14と、対物レンズ15と、対物レンズ15の上面15aに配置されたカバー部材16とを備えている。
試料ステージ14は、ゲル等の静止した試料5が上面14aに配置され、試料5が上面14aに位置する箇所に下方に貫通する開口部14bを有している。
対物レンズ15は、開口部14bの下方に配置され、図1の検出手段11に散乱光7を導入する光学系10の一部を構成する。
対物レンズ15の上面15aにはカバー部材16が配置されている。カバー部材16は、図8(a)、(b)に示すように、対物レンズ15の上面15aの周縁部近傍のうち一部を散乱光通過部17として開放し、それ以外の部分を覆うように配置されている。カバー部材16としては、例えば、ガラスやプラスチック製、金属製の不透明な円板の一部を透明にするかあるいは孔をあけて光が通過するようにしてあるのもの用いることができる。
また、散乱光通過部を可動式にすることによって、散乱角8を変更することができる。
レーザ光源2からのレーザ光3を入射した試料5からの散乱光7は、開口部14bを通過して対物レンズ15の上面15aのうち散乱光通過部17のみから入射され、これによりレーザ光軸に対する散乱角8を規定することができる。
対物レンズ15を通過した散乱光7は、光学系10を通じて図1の検出手段11に導入され、前述したようなデータ処理によりアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データや緩和時間分布−緩和時間のピークデータが取得される。
なお、レーザ光3の試料5への入射は、図8(a)に示すような試料ステージ14の開口部14bの上方からの入射以外にも、開口部14bの斜め上方や横方向からの入射であってもよく、あるいは試料ステージ14の斜め下方からの入射であってもよい。また、対物レンズ15を通して下方からレーザ光3を入射させることも可能である。
また図8(c)に示すように、レーザ光3に対して透明な材料を用いたフローセル等の流路部材18を試料ステージ14の上面14aに配置することもできる。この場合、流動性の試料5を試料ステージ14の上面と平行に流し、試料5に流速を与えながら連続的な測定が可能となる。
このように、従来の走査型顕微光散乱では散乱角8を変更するための装置構成として分光器の形態をとることが多く、微量な生体試料等を測定するのが困難な場合もあったが、対物レンズ15に入射する散乱光7をカバー部材16により選択することで、散乱角を容易に変更し顕微鏡に直接組み込むことができる。
図9は本発明の走査型顕微光散乱測定解析装置の別の実施形態の一部を概略的に示した図である。
この実施形態の光散乱測定解析装置1も、測定装置を簡易に顕微鏡に組み込めるように構成されている。図9に示すように、光散乱測定解析装置1は、試料5の試料面5aに対向配置された対物レンズ15と、対物レンズ15の下面側の光学系10に配置され、レーザ光を入射した試料5からの散乱光7のレーザ光軸に対する散乱角8を規定する散乱光通過孔19aが設けられた散乱角選択フィルタ19とを備えている。
対物レンズ15は、ゲル等の静止した試料5の試料面5aに対向して配置され、散乱角選択フィルタ19、結像用レンズ20、結像面21と共に図1の検出手段11に散乱光7を導入する光学系10の一部を構成する。
対物レンズ15の下面側には散乱角選択フィルタ19が配置されている。散乱角選択フィルタ19は、不透明な金属板(例えば、反射を押さえるために黒色に塗られたもの)あるいはそれと同様の効果をもたらすガラス板、プラスチック板等をフィルタ素材として用いることができる。
レーザ光源2からのレーザ光3を入射した試料5からの散乱光7は、対物レンズ15を通過して散乱角選択フィルタ19の散乱光通過孔19aのみから入射され、これによりレーザ光軸に対する散乱角8を規定することができる。そして散乱光通過孔19aの位置を変えることにより散乱角8を任意に変化させることができる。
散乱角選択フィルタ19を通過した散乱光7は、光学系10を通じて図1の検出手段11に導入され、前述したようなデータ処理によりアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データや緩和時間分布−緩和時間のピークデータが取得される。
なお、レーザ光3の試料5への入射は、試料5の上方からの入射以外にも、試料5の斜め上方や横方向からの入射であってもよく、あるいは試料5の斜め下方からの入射であってもよい。また、対物レンズ15を通して下方からレーザ光3を入射させることも可能である。
また、図8(c)の場合と同様に、レーザ光3に対して透明な材料を用いたフローセル等の流路部材18を用いて流動性の試料5に流速を与えながら連続的に測定することもできる。
このように、従来の走査型顕微光散乱では散乱角8を変更するための装置構成として分光器の形態をとることが多く、微量な生体試料等を測定するのが困難な場合もあったが、対物レンズ15を通過した散乱光7の一部を散乱角選択フィルタ19により選択することで、散乱角を散乱光通過孔19aの位置により容易に変更し顕微鏡に直接組み込むことができる。
以上に説明した各実施形態の走査型顕微光散乱測定解析装置1は、化学、材料、繊維、再生医療、医薬品等の産業分野での利用に加えて、医療機器や化学分析機器への組み込み、センサやアクチュエータへの応用も期待される。また、網目サイズ分布を定量的に調べることができれば、ゲル状試料の内部構造の定量的な評価や管理が可能になり、工場生産ラインにおける品質管理、劣化や耐久性、腐食性の評価等、様々な場面で利用することができる。また、近年開発が進んでいる高機能ゲルを利用した新規機能性材料や新規医薬品、ジェル状化粧品や機能性食品等の開発現場における新しい解析システム、商品開発を加速化させる重要なツールとして活用できる可能性もある。
1 走査型顕微鏡光散乱測定解析装置
2、2a、2b レーザ光源
3 レーザ光
4 光学系
5 試料
5a 試料面
6 走査機構
7 散乱光
8 散乱角
9 散乱角調節機構
10 光学系
11 検出手段
12 信号処理部
13 コンピュータ
14 試料ステージ
14a 上面
14b 開口部
15 対物レンズ
15a 上面
16 カバー部材
17 散乱光通過部
18 流路部材
19 散乱角選択フィルタ
19a 散乱光通過孔
20 結像用レンズ
21 結像面

Claims (14)

  1. 試料にレーザ光を入射するレーザ光源と、
    試料をレーザ光源からのレーザ光軸に対して相対移動可能な走査機構と、
    レーザ光源から試料に入射したレーザ光の散乱光を検出する検出手段と、
    走査機構により走査した各試料位置での検出手段による散乱光の検出結果に基づいて時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する時間平均相関関数演算手段と、
    走査機構により走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データに基づいてアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算するアンサンブル平均相関関数演算手段とを備えた走査型顕微光散乱測定解析装置において、
    時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、アンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かの閾値を異常な現象に起因する振幅の大きさに基づいて設定する閾値設定手段と、
    走査機構により走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、閾値設定手段により設定した閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かを選別する緩和データ選別手段とを備えることを特徴とする走査型顕微光散乱測定解析装置。
  2. 異常な現象に基づく振幅は、緩和成分が少なく横一直線に近い緩和データの振幅、機械的または電気的な振動による異常振幅、緩和データの裾野における跳ね上がりの振幅、および緩和データの裾野における減少振幅から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の走査型顕微光散乱測定解析装置。
  3. 閾値設定手段は、閾値の初期値、変化分、および最終値を設定し、
    走査型顕微光散乱測定解析装置は、緩和データ選別手段によりアンサンブル平均相関関数の演算に採用しないと決定された不採用緩和データ数の全体の緩和データ数に対する割合について許容範囲の上限値を設定する許容範囲設定手段と、
    不採用緩和データ数の割合が許容範囲設定手段により設定された許容範囲を超える場合に閾値を初期値から変化分に応じて変更する閾値変更手段と、
    閾値を変化分に応じて最終値まで変更しても不採用緩和データ数が許容範囲を超える場合にアンサンブル平均相関関数の演算を行わずにエラー信号を出力するエラー信号出力手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の走査型顕微光散乱測定解析装置。
  4. 走査機構により走査した各試料位置での散乱光をレーザ光の波長およびレーザ光軸に対する散乱角から選ばれるいずれかの空間スケールを変更して測定可能な空間スケール変更手段と、
    走査機構により走査した各試料位置での散乱光の測定結果に基づいて算出したアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データより、空間スケール変更手段により空間スケールを変更した緩和データごとに、逆ラプラス変換により緩和時間分布−緩和時間のピークデータを演算する緩和時間分布演算手段と、
    空間スケールを変更したそれぞれの緩和時間分布−緩和時間のピークデータについて、単純緩和、並進運動、および拡散運動の3種類に対応して、緩和時間を相対移動させずに、または緩和時間を空間スケールの大きさに対して比例的に相対移動させ、あるいは緩和時間を空間スケールの大きさに対して二乗依存的に相対移動させて、各ピークデータのピーク位置を重ね合せて積算し、単純緩和、並進運動、および拡散運動を分別してピークデータを演算する分別演算手段とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の走査型顕微光散乱測定解析装置。
  5. 空間スケール変更手段は、試料への入射光軸を揃えた波長の異なる複数のレーザ光源であり、空間スケールとしてレーザ光の波長を変更することを特徴とする請求項4に記載の走査型顕微光散乱測定解析装置。
  6. 空間スケール変更手段は、試料からの散乱光のレーザ光軸に対する散乱角を変更可能な散乱角変更手段であり、空間スケールとして散乱角を変更することを特徴とする請求項4に記載の走査型顕微光散乱測定解析装置。
  7. 試料が上面に位置する開口部を有する試料ステージと、
    開口部の下方に配置され検出手段に散乱光を導入する光学系の一部を構成する対物レンズと、
    対物レンズの上面に、対物レンズの上面の周縁部近傍のうち一部を散乱光通過部として開放しそれ以外の部分を覆うように配置され、レーザ光を入射した試料から開口部を通過した散乱光を対物レンズの上面のうち散乱光通過部のみから入射させることによりレーザ光軸に対する散乱角を規定するカバー部材とを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の走査型顕微光散乱測定解析装置。
  8. 試料面に対向配置された対物レンズと、
    対物レンズの下面側の光学系に配置され、レーザ光を入射した試料からの散乱光のレーザ光軸に対する散乱角を規定する散乱光通過孔が設けられた散乱角選択フィルタとを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の走査型顕微光散乱測定解析装置。
  9. レーザ光源から試料にレーザ光を入射し、試料をレーザ光軸に対して相対移動させて走査し各試料位置からの散乱光を検出する走査型顕微光散乱による光散乱解析方法において、
    走査した各試料位置での散乱光の検出結果に基づいて得られる時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、アンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かの閾値を異常な現象に起因する振幅の大きさに基づいて設定する工程と、
    走査した各試料位置での散乱光の検出結果に基づいて、各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する工程と、
    走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データについて、設定した閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして採用するか否かを選別する工程と、
    設定した閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数を演算する緩和データとして選別した緩和データ群に基づいてアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データを演算する工程とを含むことを特徴とする光散乱解析方法。
  10. 異常な現象に基づく振幅は、緩和成分が少なく横一直線に近い緩和データの振幅、機械的または電気的な振動による異常振幅、緩和データの裾野における跳ね上がりの振幅、および緩和データの裾野における減少振幅から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項9に記載の光散乱解析方法。
  11. 閾値の初期値、変化分、および最終値を設定する工程と、
    閾値に基づいてアンサンブル平均相関関数の演算に採用しないと決定された不採用緩和データ数の全体の緩和データ数に対する割合について許容範囲の上限値を設定する工程と、
    走査した各試料位置における時間平均相関関数−相関時間の緩和データを演算した結果、不採用緩和データ数の割合が設定された許容範囲を超える場合に閾値を初期値から変化分に応じて変更する工程と、
    閾値を変化分に応じて最終値まで変更しても不採用緩和データ数が許容範囲を超える場合にアンサンブル平均相関関数の演算を行わずにエラー信号を出力する工程とを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の光散乱解析方法。
  12. 走査した各試料位置での散乱光をレーザ光の波長およびレーザ光軸に対する散乱角から選ばれるいずれかの空間スケールを変更して測定する工程と、
    走査した各試料位置での散乱光の測定結果に基づいて算出したアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和データより、空間スケール変更手段により空間スケールを変更した緩和データごとに、逆ラプラス変換により緩和時間分布−緩和時間のピークデータを演算する工程と、
    空間スケールを変更したそれぞれの緩和時間分布−緩和時間のピークデータについて、単純緩和、並進運動、および拡散運動の3種類に対応して、緩和時間を相対移動させずに、または緩和時間を空間スケールの大きさに対して比例的に相対移動させ、あるいは緩和時間を空間スケールの大きさに対して二乗依存的に相対移動させて、各ピークデータのピーク位置を重ね合せて積算し、単純緩和、並進運動、および拡散運動を分別してピークデータを演算する工程とを含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の光散乱解析方法。
  13. 試料への入射光軸を揃えた波長の異なる複数のレーザ光源を用いて、空間スケールとしてレーザ光の波長を変更することを特徴とする請求項12に記載の光散乱解析方法。
  14. 空間スケールとして、試料からの散乱光のレーザ光軸に対する散乱角を変更することを特徴とする請求項12に記載の光散乱解析方法。
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