JP2012194134A - 測色装置及び測色方法 - Google Patents

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Tsutomu Ono
努 大野
Masaaki Kami
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Yasuhiro Nakahara
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Abstract

【課題】被測定対象において反射又は吸収した光の数値化の精度を向上させることが可能な測色装置及び測色方法を提供すること。
【解決手段】特定の波長を有する光を被測定対象に照射する発光部と、発光部から照射され被測定対象を反射又は透過した光を受光する受光部120と、受光部で受光した特定の波長を有する光の反射率又は透過率を算出する演算部と、反射率又は透過率に基づいて被測定対象の色等級を算出する色等級算出部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、測色装置及び測色方法に関する。
色は一般に、人間の目が感じる青(0.436nm)、緑(0.546nm)、赤(0.7nm)の3刺激分布に基づいて、R、G、Bの3個の指標を定義することにより表現される。
色の表現方法には、(R,G,B)をベクトルとみなし、その一次変換によりUCSカラーモデル、CMYカラーモデル、YIQカラーモデル、HSVカラーモデル、HLSカラーモデルなど、複数の表示方法が存在する。基本的には、人間の目の3刺激分布に基づいた指標に変換している点で共通する。
色の3刺激分布を波長の関数として表わした等色関数をr(λ)、g(λ)、b(λ)、ある被測定対象のスペクトルをE(λ)と定義すると、被測定対象のR、G、Bはそれぞれ次式のように定義される。
また、色の表現方法にはXY色度図やマンセル色空間による色表現法などがある。XY色度図は、XY平面に色度値を表示したものであり、マンセル色空間は、マンセルヒュー(色相)、マンセルバリュー(明度)、マンセルクロマ(彩度)によって色を表示したものである。
ところで、従来の分光測色計は、たとえ高波長分解能で反射スペクトルを取得したとしても、xyz表色系等に変換する際にほとんどの波長情報を欠落させていた。例えば、近赤外域の反射強度等は、xyz表色系などでは参照されていない。そのため、近赤外域の反射強度の強弱によって、例えばメロンの熟度の予測が可能であることが分かっているが、従来の分光色彩計によるxyz表色系などの指標では定量的に表現し客観化することができなかった。
また、従来の分光測色計や色彩色差計などでは、測定点が小さな点であることから、測定位置に依存する誤差が多く、測定現場で扱いづらいという問題があった。更に、従来の色彩色差計等では、例えば色相、彩度、明度の3種類の座標で色を表現している。一方、色の測定が必要な品質管理などの現場では、被測定対象の色を1個の数値(等級)で管理することが多い。そのため、従来の色彩色差計等における色相、彩度、明度の3種類の座標で色を表現する指標は、直感的に理解しにくいこともあり、実際には有効に使用されていないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、被測定対象において反射又は吸収した光の数値化の精度を向上させることが可能な、新規かつ改良された測色装置及び測色方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、特定の波長を有する光を被測定対象に照射する発光部と、発光部から照射され被測定対象を反射又は透過した光を受光する受光部と、受光部で受光した特定の波長を有する光の反射率又は透過率を算出する演算部と、反射率又は透過率に基づいて被測定対象の色等級を算出する色等級算出部とを備えることを特徴とする測色装置が提供される。
上記発光部は、複数の特定の波長を有する光を被測定対象に照射し、複数の特定の波長を有する光のうち、反射率又は透過率の相違が相対的に大きい1又は複数の特定の波長を有する光を抽出する抽出部を備え、色等級算出部は、抽出部で抽出された複数の特定の波長を有する光に基づいて色等級を算出するものであってもよい。
上記発光部は、特定の波長を有する光を被測定対象に照射する複数の発光素子を備えるものであってもよい。
上記受光部は中心部に設けられ、発光部は中心部の周囲の円周上に発光素子が複数設けられたものであってもよい。
上記受光部と発光部を遮光する壁部が設けられたものであってもよい。
上記発光部は仮想円周上に発光素子が複数設けられ、受光部は発光部と対向して設けられたものであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、特定の波長を有する光を被測定対象に照射する第1のステップと、被測定対象に照射され被測定対象を反射又は透過した光を受光する第2のステップと、受光した特定の波長を有する光の反射率又は透過率を算出する第3のステップと、反射率又は透過率に基づいて被測定対象の色等級を算出する第4のステップとを含むことを特徴とする測色方法が提供される。
上記第1のステップは、複数の特定の波長を有する光を被測定対象に照射し、第3のステップの後、複数の特定の波長を有する光のうち、反射率又は透過率の相違が相対的に大きい1又は複数の特定の波長を有する光を抽出するステップを備え、第4のステップは、抽出された複数の特定の波長を有する光に基づいて色等級を算出するものであってもよい。
本発明によれば、被測定対象において反射又は吸収した光の数値化の精度を向上させることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態の第1の構成例)
まず、本発明の第1の実施形態に係る測色装置の第1の構成例について説明する。図1は、本実施形態に係る測色装置の第1の構成例を示す断面図である。図1(a)は測色装置100を図1(b)のA−A線で切断した図であり、図1(b)は、測色装置100を図1(b)のB−B線で切断した図である。
測色装置100は、図1に示すように本体部102と、壁部104、106と、発光素子111、112、113、114、115、116、117、118(以下、発光素子を総称して発光素子110ともいう。)と、受光部120と、レンズ122と、拡散シート130と、情報処理部(図示せず。)などからなる。
本体部102は、例えば、発光素子110や受光部120に電力を供給する電源部、発光素子110や受光部120の駆動を制御する制御部、受光部120で受光した光情報から変換された電気信号を情報処理部に送信する送信部等が設けられる。
壁部104は、発光素子110と外部とを隔てるように設けられ、外部からの光の入射や外部への光の拡散を防止できる。壁部106は、発光素子110と受光部120とを隔てるように設けられ、発光素子110から受光部120への光の直接の入射を防止できる。
発光素子110は、例えばLEDであり、発光部の一例である。発光素子110が照射する光の波長は、例えば紫(400nm)から近赤外(1000nm)である。発光素子111〜118は、それぞれ異なる波長を有してもよいし、受光部120を中心に対称に配置された2個の発光素子(例えば、発光素子111と発光素子115、発光素子112と発光素子116など)が同じ波長を有するように配置されてもよい。
発光素子111〜118は、受光部120を中心として円周上に配置され、図1(a)に示すように、被測定対象10に光を照射する。なお、本実施形態では、8個の発光素子111〜118が配置される例について示したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、8個未満又は9個以上の発光素子が配置されてもよい。
受光部120は、例えばPD(フォトダイオード)、CCD(charge−coupled Device)、CMOS(Complementary metal−oxide−semiconductor)などの受光素子である。受光部120は、被測定対象10を反射した光を受光し、受光した光を電気信号(電圧値)に変換する。取得した電圧値からは、予め用意した標準白色のデータとの比を計算し、反射率として、紫(400nm付近)から近赤外(1000nm付近)の反射スペクトルを取得する。異なる波長の発光素子111〜118を組み合わせることによって、受光部120は、被測定対象10で反射した光の反射スペクトルを得ることができる。
受光部120が、CCD、CMOSなどの2次元データを取得できるイメージセンサーである場合、スペクトルの違いから、例えば被測定対象に混入している小さな異物を検出することができる。この場合、本発明の測色装置は異物検査用の検出装置として適用することができる。
レンズ122は、受光部120の被測定対象10側に設置される。レンズ122は、被測定対象10の反射光を効率良く集光することができる。また、レンズ122は、受光部120を塵、埃等から保護することができる。更に、レンズ122は、被測定対象101らの反射光以外の側面からの光を減らす効果があり、かつ、壁部104、106等での発光素子110の内部反射による外乱光ノイズを軽減することができる。
拡散シート130は、発光素子110の被測定対象10側に設置される。拡散シート130は、発光素子110の光を拡散し、被測定対象10に発光素子110の照射光によって発生する光のムラを軽減できる。その結果、本実施形態によれば測定店が小さな点となることなくある一定の面積で平均化することができる。
情報処理部は、後述するように被測定対象10で反射した光の情報を分析、評価する。情報処理部は、例えばCPUやメモリなどを備え、メモリに記録されたプログラムによって動作可能である。情報処理部は、発光素子110や受光部120と一体的に設置されてもよいし、別体で設置されてもよい。
情報処理部は、例えば、演算部、色等級算出部、抽出部等の構成ブロックを有する。演算部は、受光部120で受光した特定の波長を有する光の反射率を算出する。抽出部は、複数の特定の波長を有する光のうち、演算部が算出した反射率の相違が相対的に大きい1又は複数の特定の波長を有する光を抽出する。色等級算出部は、抽出部で抽出された複数の特定の波長を有する光の反射率に基づいて色等級を算出する。
(第1の実施形態の第2の構成例)
次に、本発明の第1の実施形態に係る測色装置の第2の構成例について説明する。図2は、本実施形態に係る測色装置の第2の構成例を示す断面図である。図3は、本実施形態に係る測定装置の第2の構成例を示す発光部210側の断面図及び受光部220側の正面図である。
測色装置200は、発光素子211〜218を有する発光部210と受光部220とからなる2つの別体の構成部材を有する。第1の構成例の測色装置100は、被測定対象10で反射した光を測定可能であるが、第2の構成例の測色装置200は、被測定対象12で透過した光を測定可能である。受光部220は、発光部210の本体部202と通信線240で接続され、受光した光に関する電気信号を本体部202に送信可能である。
発光部210は、例えば本体部202と、壁部204、206と、発光素子211、212、213、214、215、216、217、218と、拡散シート230となどからなる。本体部202と、壁部204、206と、発光素子211、212、213、214、215、216、217、218と、拡散シート230は、それぞれ第1の構成例で説明した構成要素と同一の構成及び作用を有するため、詳細な説明は省略する。発光部210は、被測定対象12に光を照射し、対向して配置される受光部220側へ光を透過させる。
受光部220は、発光部210に対向して設けられ、発光部210から発光し被測定対象12を透過した光を受光する。
第2の構成例の情報処理部は、例えば、演算部、色等級算出部、抽出部等の構成ブロックを有する。演算部は、受光部220で受光した特定の波長を有する光の透過率を算出する。抽出部は、複数の特定の波長を有する光のうち、演算部が算出した透過率の相違が相対的に大きい1又は複数の特定の波長を有する光を抽出する。色等級算出部は、抽出部で抽出された複数の特定の波長を有する光の透過率に基づいて色等級を算出する。
色が薄い被測定対象の場合には反射による強度変化が少ないことが多い。そのような場合には反射スペクトルではなく、吸収スペクトルの変化からスペクトルの変化を検出する第2の構成例の測色装置200のような構成にすることにより、計測精度を格段に改善することができる。
(本実施形態の色の評価方法)
次に、本発明の第1の実施形態に係る色の評価方法について説明する。この評価方法は、例えば情報処理部で処理される。なお、以下では、被測定対象で反射される光について説明するが、被測定対象で吸収される光についても同様に適用することができる。まず、被測定対象において反射した光を表現する物理量について、人間の目の感覚に依存しない量として、反射率ベクトルを定義する。
次に、従来の色表現の形式を数学的に拡張する。色の表現は、次の(1)〜(3)の3つの条件を暗黙の前提としている。
色の3刺激分布を波長の関数として表わした等色関数をr(λ)、g(λ)、b(λ)、被測定対象からの反射率(反射スペクトル)をR(λ)とすると、被測定対象のR、G、Bはそれぞれ次式のように定義される。

従って、反射率ベクトルの評価関数Fとして、次式のようにみなすことができる。
なお、この評価関数Fは反射率ベクトルの特定の成分のみで構わない。
(3)色の表現空間S:例えばマンセル色空間やXY色度図等
以上の(1)〜(3)の概念を一般化することにより、これらの3つの属性を有する新しい色空間CLを次のように定義する。
そして、従来の色表現の数学的扱いは全てこのCLの部分空間として位置付けられる。
次に、評価関数Fの次元圧縮化について説明する。
(A)パラメータを連続的に変化させたときのスペクトル変化
被測定対象を構成する成分Aを連続的に変化させることによって生じるスペクトル変化を定量化する評価関数Fは、次式で示されるとする。
上の評価関数Fは、変数をN個含む関数であるが、多くの場合、評価関数Fに寄与する変数は2〜3個というような数個である。なぜならば、成分量Aの変化に伴って反射率が変化する波長域と、成分量Aの変化に関わらず反射率が変化しない波長域に分類できるからである。そのため、通常は、反射率が変化する波長域の中から選ばれた数個の波長とそれに対応する反射率ベクトルが分かれば十分であることが多い。
反射率ベクトルの全体空間TotRは、次式で表すことができる。
このとき、反射率の変化に寄与する成分だけを抜き出したベクトル空間をSubAとすると、SubAはTotRの部分空間となる(次式参照)。
従って、次式に示すように、評価関数Fは、より少ない情報量で表現することができる。
このように、評価関数Fについて、反射率ベクトルの全体空間の部分空間に落としこむ操作(低次元化の操作)を「色空間の次元圧縮化」と呼ぶことにする。
次元圧縮化の例として、植物の光合成能力の指標である正規化植生指数NDVIを適用した例について説明する。正規化植生指数NDVIでは、可視光域から近赤外域までのスペクトル帯域の中から赤(λ)と近赤外(λIR)の2波長を選ぶ。そして、この2つの波長に対応する反射率R、RIRによって、植物の光合成能力を評価することができるため、評価関数Fは、次式で表される。
即ち、正規化植生指数NDVIにおける実効的な反射率空間は2次元空間SubA(その成分は(R,RIR)の2成分)に圧縮されている。
(B)機械的振動による反射率の計測誤差を軽減する方法
一般に、近赤外域の反射率は、被測定対象の状態変化に伴う可視光域での色変化にはあまり影響を受けずにほぼ一定値をとることが多い。この性質を利用して、可視光域の反射率成分と、近赤外域に属する特定の波長の反射率成分との比を変数として扱えば、測定時の振動等に伴う角度誤差を吸収することができる。
可視光域の波長空間をL、近赤外域の波長空間をLIR、測定対象となる波長に対応する波長空間をLVNIRとし、次式に示すように波長空間を2つのグループに分ける。
波長は、次式に示すように波長空間LV、IRのそれぞれから複数選ぶとする。
そして、波長空間LV、IRそれぞれに対応する反射率部分空間のベクトルは、次式のように表せる。
近赤外域から不動点として選ぶべき波長をλN-1と仮定すると、規格化された反射率ベクトルは、次式に示すように表せる。
従って、測定時の振動等に伴う角度誤差を吸収するため、この規格化反射率ベクトルを用いて色の評価関数Fを作ればよい。規格化反射率ベクトルを示す上の式の表現から分かるように、反射率空間は、N次元からN−1次元に1次元下がっている(次元圧縮化されている)。
次に、本実施形態に係る測色装置を用いて、被測定対象を評価した実施例について説明する。
(バナナの色の等級化への応用)
(1)反射率ベクトル
バナナの色を評価し等級化する際、波長は次式のように可視光域から近赤外域の範囲で選ぶ。
また、反射率ベクトルは、次式で定義される。
(2)表現空間
バナナの色の等級化にはバナナ・カラーチャートが一般的に用いられる。バナナ・カラーチャートでは、バナナの色は1〜8に等級化される。これに対応して、本実施例の表現空間Sには0から10までの1次元空間を対応付ける。即ち、表現空間Sは次式のように表される。
なお、表示方法はSに比例した複数の表現があってもよい。
(3)評価関数
バナナの色の等級化にはバナナ・カラーチャートを評価量として用いる。バナナの等級と反射スペクトルの関係を図4(a)に示す。カラーチャートの等級と共に反射率が変化する波長をR1、R2とし、不動点となる反射率をR3とする。これらに対応する波長は、λ=610nm、λ=630nm、λ=945nmとなる。この3つの波長により、反射率ベクトル空間は圧縮化することができ、次式で表される。
評価関数Fを次式のように定義すると、スペクトルによるバナナの色の等級化が可能となる。
この式を用いて反射スペクトルによるバナナの色の等級化を行った計算結果を図4(b)に示す。図4(b)は、バナナ・カラーチャートの等級と変数(R+R)/2Rの関係を示すグラフである。
(焼き菓子の色の等級化への応用)
(1)反射率ベクトル
焼き菓子の色を評価し等級化する際、波長は次式のように可視光域から近赤外域の範囲で選ぶ。
また、反射率ベクトルは、次式で定義される。
(2)表現空間
焼き菓子の色の等級化にはカラーチャートを用い、1〜5に等級化した場合について説明する。これに対応して、本実施例の表現空間Sには0から10までの1次元空間を対応付ける。即ち、表現空間Sは次式のように表される。
なお、表示方法はSに比例した複数の表現があってもよい。
(3)評価関数
焼き菓子の色の等級化にはカラーチャートを評価量として用いる。ある焼き菓子の等級と反射スペクトルの関係を図5(a)に示す。一般に、焼き菓子は赤付近のスペクトルに等級化に適した反応が現れる。従って、赤付近の波長であればカラーチャートの等級と共に変化する波長R1の選び方は複数ありうる。カラーチャートの等級と共に反射率が変化する波長をR1とし、不動点となる反射率をR2とする。これらに対応する波長は、λ=610nm、λ=945nmとなる。この2つの波長により、反射率ベクトル空間は圧縮化することができ、次式で表される。
評価関数Fを次式のように定義すると、スペクトルによる焼き菓子の色の等級化が可能となる。
この式を用いて反射スペクトルによるある焼き菓子の色の等級化を行った計算結果を図5(b)に示す。図5(b)は、焼き菓子の色の等級と変数R/Rの関係を示すグラフである。
(鶏卵の鮮度の等級化への応用)
(1)反射率ベクトル
鶏卵の色から鮮度を評価し鮮度を等級化する際、波長は次式のように可視光域から近赤外域の範囲で選ぶ。
また、反射率ベクトルは、次式で定義される。
(2)表現空間
鶏卵の鮮度の等級化にはハウユニット(HU)が一般的に用いられる。ここでは鶏卵の鮮度は0〜100に等級化されるものとする。これに対応して、本実施例の表現空間Sには0〜100までの1次元空間を対応付ける。即ち、表現空間Sは次式のように表される。
なお、表示方法はSに比例した複数の表現があってもよい。
(3)評価関数
鶏卵の鮮度の等級化にはハウユニット(HU)を評価量として用いる。鶏卵(白)のハウユニットと反射スペクトルの関係を図6(a)に示す。ハウユニットの等級と共に反射率が変化する波長をR1とする。これに対応する波長は、λ=630nmとなる。この波長により、反射率ベクトル空間は圧縮化することができ、次式で表される。
評価関数Fを次式のように定義すると、スペクトルによる鶏卵の鮮度(ハウユニット)の等級化が可能となる。
この式を用いて反射スペクトルによる鶏卵の鮮度の等級化を行った計算結果を図6(b)に示す。図6(b)は、ハウユニットと変数Rの関係を示すグラフである。
(キュウリの鮮度評価への応用)
(1)反射率ベクトル
キュウリの鮮度を評価する際、波長は次式のように可視光域から近赤外域の範囲で選ぶ。
また、反射率ベクトルは次式で定義される。
(2)表現空間
キュウリの鮮度評価には重量変化(水分量)を指標とすることが多い。ここではキュウリの鮮度は0〜100に等級化されるものとする。これに対応して、本実施例の表現空間Sには0〜100までの1次元空間を対応付ける。即ち、表現空間Sは次式のように表される。
なお、表示方法はSに比例した複数の表現があってもよい。
(3)評価関数
キュウリの鮮度評価には測定開始時の重量を100とし、時間経過に伴う重量変化が次式によって定義される「相対重量」を用いて評価する。
次に、時間経過に伴うキュウリの反射スペクトルの推移を図7(a)に示す。時間経過に伴って変化する波長の反射率をR1とする。これに対応する波長は、λ=945nmとなる。この波長により、反射率ベクトル空間は圧縮化することができ、次式で表される。
評価関数Fを次式のように定義すると、スペクトルによるキュウリの相対重量との対応が可能となる。
この式を用いてキュウリの相対重量を推定した計算結果を図7(b)に示す。図7(b)は、反射スペクトルによるキュウリの相対重量の評価を示すグラフである。
(キャベツの鮮度予測への応用)
(1)反射率ベクトル
キャベツの鮮度を予測する際、波長は次式のように可視光域から近赤外域の範囲で選ぶ。
また、反射率ベクトルは次式で定義される。
(2)表現空間
キャベツの鮮度を収穫日からの経過時間で評価する。ここでは0〜2までの数値で等級化を行う。これに対応して、表現空間Sには0から2までの1次元空間を対応付ける。即ち、表現空間Sは次式のように表される。
なお、表示方法はSに比例した複数の表現があってもよい。
(3)評価関数
経過時間で鮮度を評価することから、評価関数には反射率ベクトルを変数とし、かつ時間と共に単調減少する関数を割り当てる必要がある。時間経過に伴うキャベツの反射スペクトルの推移を図8(a)に示す。時間経過に伴って変化する波長の反射率をR1、R2、R3とし、不動点となる反射率をR4とする。これらに対応する波長は、λ=505nm、λ=565nm、λ=610nm、λ=945nmとなる。この4つの波長により、反射率ベクトル空間は圧縮化することができ、次式で表される。
評価関数Fを次式のように定義すると、スペクトルによるキャベツの鮮度評価が可能となる。
この式を用いて鮮度評価を行った計算結果を図8(b)に示す。図8(b)は、反射スペクトルによるキャベツの鮮度評価を示すグラフである。
(富良野メロンの完熟期予測への応用)
(1)反射率ベクトル
富良野メロンの完熟期を予測する際、波長は次式のように可視光域から近赤外域の範囲で選ぶ。
また、反射率ベクトルは、次式で定義される。
(2)表現空間
富良野メロンの完熟期(収穫適期)は通常、農家の職人の勘によって評価されている。判断基準は未熟、完熟という選択の何れかであるため、表現空間Sには0または1を値としてとる離散集合を割り当てることができる。即ち、表現空間Sは次式のように表される。
(3)評価関数
富良野メロン農家の職人は、通常、メロンのヘタの付け根部分の色で完熟時期を評価している。メロンのヘタの付け根部分の変化は、通常の色(色相)の差で表すことができない。職人の勘として見ているヘタの付け根部分の“色”をスペクトル計測した例を図9に示す。図9の縦軸に示す反射率は最大値を基準に規格化している。この反射率を「規格化反射率」と定義する。つまり、職人が判断基準としている“色”とは近赤外のスペクトルであることが分かる。そこで、R1として800nm±25nm付近での規格化反射率の平均値を指標とし、評価関数として次式を用いれば完熟期の予測が可能となる。
この式を用いれば、F=1の時が完熟期、F=0の時が未熟となる。なお、評価関数Fには、0または1を値とする離散的な値ではなく、R1を変数とし、かつR1に対して単調増加する連続関数を選んでもよい。
(ファンデーションの視覚効果の等級化への応用)
(1)反射率ベクトル
ファンデーションの視覚効果を等級化する際、波長は次式のように可視光域から近赤外域の範囲で選ぶ。
また、反射率ベクトルは次式で定義される。
なお、この事例に限って、反射率ベクトルの代わりに反射率ベクトルから算出したマンセル色空間を割り当ててもよい。
(2)表現空間
ファンデーションはオークルという数値により等級化されている。そこで、本実施例の表現空間Sには0〜100を値としてとる1次元空間を割り当てる。即ち、表現空間Sは次式のように表される。
表示方法はSに比例した複数の表現があってもよい。
(3)評価関数
ファンデーションの等級化にはオークルを評価量として用いる。オークルの数値とファンデーションを塗布した肌の反射スペクトルを図10(a)に示す。反射率ベクトルから色相Hを計算する。
色相Hはオークルとほぼ比例関係にあることが図10(b)より分かる。オークル値をYとすると、色相Hを用いて次式により評価することができる。
本実施形態によれば、人間の目の3刺激分布に基づいて変換した従来の指標ではなく、スペクトル分布を用いて被測定対象で反射または透過した光の評価を行う。
その結果、既存の分光色彩計では、反射スペクトルの全波長を参考とする「職人の勘」等を指標化することは不可能であったが、本実施形態の一例として、メロンの熟度の予測が可能となる点が挙げられる。メロンの熟度はヘタの色合いを判断しているが、特に職人が参考にしているのは、図のようなxyz表色系などでは参考されない近赤外域の反射強度である。そのため、「職人の勘」等の指標化が、反射スペクトルの全波長を使用した本実施形態の測色装置によって可能となり、定量的な物理量で表現するため、客観化することができる。
また、色彩色差計等では例えば色相、彩度、明度の3種類の座標で表現していたが、本実施形態の表現方法では、直感的に理解しやすい等級化を行うため、1個の数値で色を管理するという現場のニーズにこたえることができる。また、従来の測定装置における色の定義を再定義して、色の数値化の精度を上げることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施形態に係る測色装置の第1の構成例を示す断面図である。 同実施形態に係る測色装置の第2の構成例を示す断面図である。 同実施形態に係る測定装置の第2の構成例を示す発光素子側の断面図及び受光部側の正面図である。 バナナの等級と反射スペクトルの関係を示すグラフ及びバナナ・カラーチャートの等級と変数(R+R)/2Rの関係を示すグラフである。 ある焼き菓子の等級と反射スペクトルの関係を示すグラフ及び焼き菓子の色の等級と変数R/Rの関係を示すグラフである。 鶏卵(白)のハウユニットと反射スペクトルの関係を示すグラフ及びハウユニットと変数Rの関係を示すグラフである。 時間経過に伴うキュウリの反射スペクトルの推移を示すグラフ及び反射スペクトルによるキュウリの相対重量の評価を示すグラフである。 時間経過に伴うキャベツの反射スペクトルの推移を示すグラフ及び反射スペクトルによるキャベツの鮮度評価を示すグラフである。 富良野メロンのヘタ付け根部分のスペクトル特性を示すグラフである。 ファンデーションを塗布した肌の反射スペクトルを示すグラフ及び色相とオークルの関係を示すグラフである。
100、200 測色装置
102、202 本体部
104、106、204、206 壁部
110、111、112、113、114、115、116、117、118、211、212、213、214、215、216、217、218 発光素子
120、220 受光部
122、222 レンズ
130、230 拡散シート
210 発光部
240 通信線

Claims (8)

  1. 特定の波長を有する光を被測定対象に照射する発光部と、
    前記発光部から照射され前記被測定対象を反射又は透過した光を受光する受光部と、
    前記受光部で受光した前記特定の波長を有する光の反射率又は透過率を算出する演算部と、
    前記反射率又は前記透過率に基づいて前記被測定対象の色等級を算出する色等級算出部と、
    を備えることを特徴とする、測色装置。
  2. 前記発光部は、複数の前記特定の波長を有する光を前記被測定対象に照射し、
    前記複数の特定の波長を有する光のうち、前記反射率又は透過率の相違が相対的に大きい1又は複数の前記特定の波長を有する光を抽出する抽出部を備え、
    前記色等級算出部は、前記抽出部で抽出された前記複数の特定の波長を有する光に基づいて前記色等級を算出することを特徴とする、請求項1に記載の測色装置。
  3. 前記発光部は、特定の波長を有する光を被測定対象に照射する複数の発光素子を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の測色装置。
  4. 前記受光部は中心部に設けられ、
    前記発光部は前記中心部の周囲の円周上に前記発光素子が複数設けられたことを特徴とする、請求項3に記載の測色装置。
  5. 前記受光部と前記発光部を遮光する壁部が設けられたことを特徴とする、請求項4に記載の測色装置。
  6. 前記発光部は仮想円周上に前記発光素子が複数設けられ、
    前記受光部は前記発光部と対向して設けられたことを特徴とする、請求項3に記載の測色装置。
  7. 特定の波長を有する光を被測定対象に照射する第1のステップと、
    前記被測定対象に照射され前記被測定対象を反射又は透過した光を受光する第2のステップと、
    前記受光した前記特定の波長を有する光の反射率又は透過率を算出する第3のステップと、
    前記反射率又は前記透過率に基づいて前記被測定対象の色等級を算出する第4のステップと、
    を含むことを特徴とする、測色方法。
  8. 前記第1のステップは、複数の前記特定の波長を有する光を前記被測定対象に照射し、
    前記第3のステップの後、前記複数の特定の波長を有する光のうち、前記反射率又は透過率の相違が相対的に大きい1又は複数の前記特定の波長を有する光を抽出するステップを備え、
    前記第4のステップは、前記抽出された前記複数の特定の波長を有する光に基づいて前記色等級を算出することを特徴とする、請求項7に記載の測色方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113758090A (zh) * 2021-09-24 2021-12-07 北京小米移动软件有限公司 食物储存装置、冰箱、食物监测方法及装置

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