JP2012180154A - Elevator - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態は、乗籠と釣合錘をつるべ式に吊下げるロープを摩擦係合によって駆動する駆動シーブを備えるエレベータに関する。 Embodiments of the present invention relate to an elevator including a drive sheave that drives a rope that suspends a riding rod and a counterweight in a slidable manner by friction engagement.
つるべ式にメインロープで乗籠と釣合錘とを吊下げるエレベータにおいて、巻上機に組み付けられる駆動シーブは、摩擦力によってメインロープを保持している。メインロープと駆動シーブとの摩擦力は、メインロープおよび駆動シーブの強度、メインロープに掛かる張力、巻上機のレイアウト、駆動シーブの溝形状、接触長さすなわち巻付角、などによって設定される。釣合錘の重量は、乗籠の重量に最大積載荷重の半分の搭載重量を加えた総重量と釣り合うように設定される。 In an elevator that suspends a carriage and a counterweight with a main rope in a slidable manner, a drive sheave assembled to the hoisting machine holds the main rope by frictional force. The frictional force between the main rope and the drive sheave is determined by the strength of the main rope and the drive sheave, the tension applied to the main rope, the layout of the hoist, the groove shape of the drive sheave, the contact length or winding angle, etc. . The weight of the counterweight is set so as to be balanced with the total weight obtained by adding the loading weight half of the maximum loading load to the weight of the riding rod.
巻上機に掛かる負荷を軽減するために、乗籠の重量を軽減することが求められている。ただし、最大積載荷重を大きくし、かつ、必要な駆動摩擦力を得るという観点において、乗籠をある程度以下に軽量化できない。 In order to reduce the load applied to the hoisting machine, it is required to reduce the weight of the riding board. However, it is not possible to reduce the weight to a certain extent from the viewpoint of increasing the maximum load capacity and obtaining the necessary driving frictional force.
メインロープと駆動シーブとの間の摩擦力を大きくするために、メインロープを駆動シーブと逸らせシーブとの間でさらに巻き掛けるいわゆる「全掛け(フルラップ)」と呼ぶロープの巻き掛け方法を採用した巻上機を備えるエレベータが知られている。つまりこのエレベータにおいて巻上機は、駆動シーブに対するメインロープの巻付角を増やすことで、必要な摩擦力を得ている。 In order to increase the frictional force between the main rope and the drive sheave, a so-called “full wrap” method is used to wind the main rope further away from the drive sheave and the sheave. There is known an elevator equipped with a hoisting machine. That is, in this elevator, the hoisting machine obtains the necessary frictional force by increasing the winding angle of the main rope with respect to the drive sheave.
また、メインロープとシーブとの間に生じる摩擦力を大きくするために、メインロープに掛かる張力や駆動シーブの溝形状によらない機構を特別に有したエレベータがある。このエレベータは、メインロープが巻き掛けられた範囲のシーブの外周からベルトでメインロープをシーブに押し当てる機構を備えている。この機構によって、メインロープとシーブとの間の摩擦力を大きくしている。 In addition, there is an elevator that has a special mechanism that does not depend on the tension applied to the main rope or the groove shape of the drive sheave in order to increase the frictional force generated between the main rope and the sheave. This elevator includes a mechanism for pressing the main rope against the sheave with a belt from the outer periphery of the sheave in a range where the main rope is wound. This mechanism increases the frictional force between the main rope and the sheave.
全掛けによってメインロープと駆動シーブの間の摩擦力を確保するエレベータの場合、駆動シーブおよび逸らせシーブを備える巻上機の寸法は、回転軸に沿う方向に大きくなる。また、ベルトによってメインロープをシーブに押し当てる機構を備えるエレベータの場合、シーブの外側に配置されるベルトおよび関連する部品の分だけ装置が大きくなる。 In the case of an elevator that secures a frictional force between the main rope and the drive sheave by full hooking, the size of the hoisting machine including the drive sheave and the deflecting sheave increases in the direction along the rotation axis. Further, in the case of an elevator having a mechanism for pressing the main rope against the sheave by the belt, the apparatus becomes larger by the amount of the belt and the related parts arranged outside the sheave.
このように、メインロープを全掛けする巻上機や、ベルトを押し当てる機構を追加で備える巻上機は、巻上機の寸法を増大させる。巻上機を昇降路の上部に配置することによって巻上機を設置するための機械室を設けないエレベータにとって、巻上機の寸法が大きくなることは、昇降路内部のレイアウトを見直したり昇降路を拡げたりするなどの設計変更が必要となる。既設のエレベータをリニューアルする場合、昇降路を拡げる必要が生じるような機構は、採用できない。 Thus, the hoisting machine which fully hangs the main rope and the hoisting machine additionally provided with a mechanism for pressing the belt increase the size of the hoisting machine. For elevators that do not have a machine room for installing the hoisting machine by placing the hoisting machine at the upper part of the hoistway, the size of the hoisting machine becomes larger because the layout inside the hoistway can be reviewed and the hoistway It is necessary to change the design such as expanding When renewing an existing elevator, a mechanism that requires the hoistway to be expanded cannot be adopted.
そこで、本発明は、外形寸法を変えずにメインロープと駆動シーブとの間の摩擦力を大きくした巻上機を備えるエレベータを提供する。 Therefore, the present invention provides an elevator provided with a hoisting machine in which the frictional force between the main rope and the drive sheave is increased without changing the external dimensions.
一実施形態のエレベータは、複数のメインロープと駆動シーブと摩擦部材とを備える。メインロープは、乗籠および釣合錘を吊るす。駆動シーブは、メインロープが巻き掛けられる溝が形成されている。摩擦部材は、メインロープの直径よりも狭い間隔で溝の縁の両外側に配置され、メインロープを挟む。 The elevator of one embodiment is provided with a plurality of main ropes, a drive sheave, and a friction member. The main rope suspends the riding rod and the counterweight. The drive sheave has a groove around which the main rope is wound. The friction members are arranged on both outer sides of the edge of the groove at an interval narrower than the diameter of the main rope, and sandwich the main rope.
または、一実施形態のエレベータは、乗籠および釣合錘を吊るす複数のメインロープと、これらのメインロープが巻き掛けられる溝が形成された駆動シーブとを備え、メインロープと溝との間に生じる摩擦力によって、乗籠および釣合錘をつるべ式に駆動する。このエレベータは、摩擦部材を備えている。摩擦部材は、駆動シーブの溝に巻き掛けられたメインロープの直径よりも狭い間隔で、溝の縁の両外部に配置され、メインロープを挟む。 Alternatively, an elevator according to an embodiment includes a plurality of main ropes for suspending the riding rod and the counterweight, and a drive sheave in which a groove around which these main ropes are wound is formed, between the main rope and the groove. The riding force and the counterweight are driven in a sliding manner by the generated frictional force. The elevator includes a friction member. The friction members are arranged on both outer sides of the edge of the groove at intervals smaller than the diameter of the main rope wound around the groove of the drive sheave, and sandwich the main rope.
第1の実施形態のエレベータ1は、図1から図5を参照して説明する。図1に示すエレベータ1は、昇降路2の上部に巻上機3を配置している。巻上機3は、出力軸に駆動シーブ31を備えている。エレベータ1は、それぞれのガイドレール41,51に沿って移動する乗籠4と釣合錘5を、駆動シーブ31に巻き掛けられる複数のメインロープ6によって、昇降路2内につるべ式に吊下げている。駆動シーブ31は、複数のメインロープ6を巻き掛ける溝311が形成されている。このエレベータ1において、複数本のメインロープ6は、2:1(Two to One)ローピングによって乗籠4と釣合錘5と駆動シーブ31とに掛けている。このメインロープ6と駆動シーブ31の溝311との間に生じる摩擦力によって、乗籠4および釣合錘5を巻上機3で駆動する。
The elevator 1 of 1st Embodiment is demonstrated with reference to FIGS. 1-5. In the elevator 1 shown in FIG. 1, a hoisting
駆動シーブ31は、図2に示すように摩擦部材32を備えている。摩擦部材32は、図3中の左部に示すように、駆動シーブ31の溝311に巻き掛けられるメインロープ6の直径dよりも狭い間隔eで、溝311の縁311aの両外部に配置されている。図3中の中央部や右部のように駆動シーブ31の溝311にメインロープ6が捲き掛けられると、摩擦部材32は、扁平して、メインロープ6を挟む。この摩擦部材32は、図2に示すように駆動シーブ31の外周に装着される一続きの環状に形成されている。第1の実施形態において、それぞれの溝311の縁311aに配置されて隣り合う摩擦部材32どうしは、一続きに形成されている。
The
摩擦部材32は、弾性を有し耐磨耗性に優れた合成樹脂であり、駆動シーブ31の外周面に接着される。摩擦部材32が脱落しないように、図3に示すように摩擦部材32の外周に保持金具33が巻かれ、駆動シーブ31の半径方向に貫通するビス34で固定される。摩擦部材32を形成する合成樹脂には、例えば、デュロメータD(ショアD)硬度で50〜67程度のポリウレタンが採用される。
The
駆動シーブ31の溝311は、巻き掛けられるメインロープ6の外形に適合する曲面、いわゆる「トロイダル面」に沿って形成された支持部312と、支持部312の中央部でメインロープ6に接しないように凹んだアンダカット部313とを含む。支持部312は、メインロープ6の中心を溝311の外に配置するように形成されている。したがって、摩擦部材32は、駆動シーブ31の回転軸に平行に、メインロープ6の直径部分を挟む。摩擦部材32は、扁平した量に相当する圧接力を発生する。この結果、メインロープ6と摩擦部材32の間の動摩擦係数に比例して、駆動シーブ31の周方向に沿う保持力が発生する。この保持力は、メインロープ6と駆動シーブ31の溝311の支持部312との間に発生する摩擦力とは別にメインロープ6に対して作用する。
The
ここで、駆動シーブ31に巻き掛けられた1つのメインロープ6に対して作用する力について図4および図5を参照して説明する。図4に示すように、個々の溝311に対してメインロープ6が嵌っている状態において、メインロープ6の中心に対して、支持部312の外縁すなわち溝311の縁311a間の角度を溝角度δ、アンダカット部313によって造られる支持部312の内縁間の角度をアンダカット角度βとそれぞれ呼ぶ。第1の実施形態では、溝角度δを125〜150°、アンダカット角度βを70〜105°の範囲内でそれぞれ最適となる値を選択している。
Here, a force acting on one
そこで図5に示すように、駆動シーブ31の直径D、乗籠4が吊るされている方向に作用する張力と釣合錘5が吊るされている方向に作用する張力とのうち大きいほうの張力T1、小さいほうの張力T2、駆動シーブ31にメインロープ6が巻き掛けられている範囲の角度を巻付角θ、巻き掛けられたメインロープ6の微小部分が駆動シーブ31の中心に対するの巻き掛かり角度dθ、張力が作用することによって巻き掛かり角度dθあたりのメインロープ6の微小部分に駆動シーブ31の中心Sに向かって生じる力dNとする。
Therefore, as shown in FIG. 5, the larger one of the diameter D of the
巻付角θの範囲内の任意の位置に作用する張力T(θ)、任意の位置に対して微小部分の反対方向へ加わる張力T(θ)+dT、とすると、メインロープ6の任意の位置の微小部分に生じる力dNは、次の式(1)で表される。
ここで、メインロープ6と駆動シーブ31との間の見かけ上の動摩擦係数μとする。巻き掛かり角度dθに対する張力T(θ)の変化量dTは、摩擦部材32を備えていない場合、メインロープ6と駆動シーブ31の溝311との間の見かけ上の摩擦力dF=μ・dNと釣合うので、次の式(2)を得る。
式(2)を解くと、式(3)で示す摩擦による張力の釣合いを示す式を得る。
見かけ上の動摩擦係数μは、溝311の断面形状によって決まる。図4に示した支持部312およびアンダカット部313を有した溝311の場合、図4および図5に示すように、駆動シーブ31の直径D、メインロープ6の直径d、メインロープ6の巻付角θ、メインロープ6の中心に対するメインロープ6と駆動シーブ31との任意の接触位置までの開き角φとすると、微小部分に生じる力dNに対して、メインロープ6の表面と溝311の表面との間に生じる接触圧p(φ)は、式(4)に示す関係を有する。
接触圧p(φ)は、次の式(5)に示すように置き換えられることがわかっている。
この式(5)を式(4)に代入すると、式(1)から、Pは、式(6)のようになる。
さらに、式(6)を式(5)に代入すると式(7)を得る。
この式(7)によるp(φ)を用いることによって、巻き掛かり角度dθにおいて生じる摩擦力dFは、メインロープ6の表面と溝311の表面の間の材料による実際の動摩擦係数μ’を用いて式(8)のように表すことができる。
式(8)に式(7)を代入して整理すると、式(9)を得る。
式(9)と式(2)から、アンダカット部313を有した溝311の見かけ上の動摩擦係数μを得る。このとき、溝の形状によって決まる定数として溝係数κを定義すると、式(10)のようになる。
アンダカット部313を有する溝311の場合、支持部312に対する接触圧P(φ)の最大値PUCmaxは、式(7)においてφ=β/2となる、支持部312とアンダカット部313との境界のエッジ部分に生じ、式(11)に示される。
乗籠4に積載荷重が無い場合、釣合錘5のほうが重いので、釣合錘5によって作用する張力T1、乗籠4によって作用する張力T2とし、乗籠4が上昇している状態から減速度αで速度が低下するときのそれぞれの張力を求める。釣合錘5の質量MCWは、定格積載重量MLの半分が乗せられた乗籠4の質量MCARと等しいので、張力T1および張力T2は、式(12)、式(13)のようになる。
乗籠4の質量MCARが減少するにしたがって、トラクション比T1/T2は、増大する。駆動摩擦力の限界は、式(3)の右辺で決まるので、乗籠4を軽くする場合の重量限界は、駆動シーブ31の溝311の形状に由来する溝係数κとメインロープ6の巻付角θによって決まることが分かる。
As the mass M CAR of the car 4 decreases, the traction ratio T 1 / T 2 increases. Since the limit of the driving frictional force is determined by the right side of the equation (3), the weight limit when the riding
第1の実施形態のエレベータ1の場合、駆動シーブ31の外側に摩擦部材32を有し、この摩擦部材32がメインロープ6を挟んでいる。摩擦部材32がメインロープ6を挟み込む圧接力phは、図4に示したように、駆動シーブ31の回転軸と平行な方向に沿って作用し、メインロープ6の中心に対して駆動シーブ31の半径方向に対称に作用する。したがって、摩擦部材32によって発生する摩擦力dF’は、式(9)によって得られる摩擦力dFに影響を与えることなく追加される。
In the case of the elevator 1 according to the first embodiment, a
したがって、第1の実施形態の場合、巻き掛かり角度dθに対する張力T(θ)の変化量dTは、メインロープ6と駆動シーブ31との見かけ上の摩擦力dFおよびメインロープ6と摩擦部材32との間の摩擦力dF’と釣合う。メインロープ6と摩擦部材32との間の動摩擦係数μh、駆動シーブ31の回転中心からメインロープ6と摩擦部材32の接触範囲の中心までの距離、すなわち駆動シーブ31の回転中心からこの駆動シーブ31に巻き掛けられたメインロープ6の中心までの回転半径Rとすると、式(14)を得る。
この式(14)を解くと、駆動シーブ31から吊り下がるメインロープ6に掛かる張力T1,T2、および巻付角θの関係は、式(15)に示される。
式(15)において、exp{μθ}>1である。摩擦部材32の要素が含まれていない式(3)と比較すると、摩擦部材32によって増加した駆動摩擦力は、式(15)の第2項であることが分かる。
In Expression (15), exp {μθ}> 1. Compared with the equation (3) in which the element of the
駆動シーブ31の溝311のアンダカット角度βを70〜105°および溝角度δを125〜150°の範囲とし、メインロープ6の巻付角θをいわゆる「半掛け(シングル・ラップ)」とする。実際の動摩擦係数μ’を0.1と設定すると、式(3)から得られるトラクション比は、1.67〜1.97となる。式(12)および式(13)から、摩擦部材32を有していない場合には、乗籠4の定格積載重量を1000kgとすると、乗籠4の質量は、1000kg程度必要である。これに対して本実施形態の場合、式(15)の第2項の分だけ乗籠4の質量を軽くしても十分な駆動摩擦力を得ることができる。
The undercut angle β of the
以上のように、摩擦部材32を設けたことによって、巻上機の外形寸法を変えることなく、付加的な摩擦力を得ることができる。したがって、新設のエレベータのみならず既設のエレベータにも簡単に導入することができる。既設のエレベータの駆動シーブ31に適用すれば、乗籠4の重量を軽くして巻上機3に掛かる負荷を軽減することもできるし、釣合錘5の重量を追加して定格積載重量を大きくすることもできる。
As described above, by providing the
なお、第1の実施形態において、メインロープ6は、2:1ローピングによって巻上機3、乗籠4、釣合錘5の各シーブに巻き掛けられている。エレベータのメインロープ6のローピングは、図1に示した2:1ローピングに限られない。したがって、巻上機3が昇降路2の底部のピットに配置されているエレベータにも第1の実施形態は、適用される。さらに、1:1ローピングによるエレベータにも第1の実施形態は適用される。
In the first embodiment, the
以下に第2から第5の実施形態のエレベータ1について図を参照して説明する。各実施形態は、巻上機3の駆動シーブ31の溝311の形状、および各溝311の両脇に装着される摩擦部材32がそれぞれ異なっており、それ以外は第1の実施形態のエレベータ1と同じである。第1の実施形態のエレベータ1と同じ機能を有する構成は、各実施形態の図中に同じ符号を付す。また、各実施形態において図示されない構成であっても同じ機能を有する構成には同じ符号を付す。そして、これらの詳細な説明は、第1の実施形態の説明および対応する図面を参酌し、ここでの説明を省略する。
Hereinafter, elevators 1 according to second to fifth embodiments will be described with reference to the drawings. In each embodiment, the shape of the
第2の実施形態のエレベータ1における駆動シーブ31の溝311および摩擦部材32は、図6を参照して説明する。溝311は、第1の実施形態と同じく、図6に示すように支持部312とアンダカット部313とを備える。摩擦部材32は、溝311の縁311aの外側に配置されている。そして、摩擦部材32は、隣り合うメインロープ6の間に配置されるものどうしで、一体に構成されている。
The
摩擦部材32は、メインロープ6に接する範囲に合成樹脂で造られたパッド部321と、パッド部321をメインロープ6に押し当てる圧接力phを発生させる弾性体322とを含む。パッド部321は、第1の実施形態の摩擦部材32と同様のポリウレタン製であり、弾性体322に接着されている。弾性体322は、バネ鋼によって成形されている。
また、弾性体322は、図6に示すようにスペーサ35やシム36を間に挿入して、駆動シーブ31に取り付けられている。厚みの異なるスペーサ35やシム36に取り替えることによって、パッド部321は、駆動シーブ31の回転軸と平行なメインロープ6の直径部分を中心にメインロープ6に当接する位置を調整される。
Further, the
以上のように構成された第2の実施形態において、摩擦部材32を摩擦係数の高いパッド部321と、このパッド部321をメインロープ6に押し当てる弾性体322とに機能を分けることで、安定した性能が発揮される。駆動シーブ31の溝311の形状は、第1の実施形態の駆動シーブ31と同じであるので、溝311とメインロープ6の間に発生する摩擦力は、第1の実施形態において説明したとおりである。また、摩擦部材32によって発生する摩擦力は、第1の実施形態と同様に、溝311とメインロープ6の間に発生する摩擦力に係らず、付加的に発生する。摩擦部材32によって発生した摩擦力によって得られる保持力の分だけ、乗籠4の重量を軽くしたり、定格積載重量を大きくしたりすることができる。
In the second embodiment configured as described above, the function is divided into the
第3の実施形態のエレベータ1における駆動シーブ31の溝311および摩擦部材32は、図7を参照して説明する。図7に示す駆動シーブ31の溝311は、メインロープ6に2方向から接触する2つの円錐面に沿って形成された支持部312を備えた、いわゆるV溝である。摩擦部材32は、第2の実施形態と同様に、パッド部321および弾性体322を備えている。
The
すなわち、第3の実施形態では、図7に示すようにV溝を有した駆動シーブ31に第2の実施形態の摩擦部材32を採用して、駆動シーブ31が構成されている。したがって、第3の実施形態においても第1の実施形態と同様に、溝311とメインロープ6との間の摩擦力に係らず、摩擦部材32とメインロープ6との間に摩擦力を付加的に発生する。この駆動シーブ31を備えることで、第1および第2の実施形態と同じ効果を得る。
That is, in the third embodiment, as shown in FIG. 7, the
なお、第1の実施形態の式(10)に示した溝係数κに対応するV溝の溝係数κVは、支持部312が成す角度を溝角度γとすると、式(16)に示される。
第3の実施形態の溝311は、溝角度γが60°以下であれば、アンダカット角度βを70〜105°、溝角度δを125〜150°とする第1の実施形態の溝311と同等の駆動摩擦力を得られる。各部材の実用的な寿命を考慮すると、V溝の溝角度γは、35°以上であることが望ましい。また、支持部312に対する接触圧p(φ)の最大値pVmaxは、図7に示すように、メインロープ6が支持部312に接する位置、すなわちφ=(π−γ)/2となる位置に発生する。
The
第4の実施形態のエレベータ1における駆動シーブ31の溝311および摩擦部材32は、図8を参照して説明する。図8に示す駆動シーブ31の溝311は、メインロープの外形に適合する曲面に沿って形成される支持部312を有しているが、第1の実施形態のアンダカット部313を有していない、いわゆるU溝である。つまり、第4の実施形態では、U溝に対して第2の実施形態の摩擦部材32を採用して、駆動シーブ31を構成している。
The
第4の実施形態においても第2の実施形態と同様に、溝311とメインロープ6との間の摩擦力に係らず、摩擦部材32とメインロープ6との間に摩擦力を付加的に発生する。この駆動シーブ31を備えることで、第1から第3の実施形態と同じ効果を得る。
Also in the fourth embodiment, similarly to the second embodiment, a frictional force is additionally generated between the
なお、第1の実施形態の式(10)に示した溝係数κに対応するU溝の溝係数κUは、メインロープ6の中心に対して支持部312の外側の縁311aが成す角度を溝角度δとすると、式(17)に示される。
支持部312に対する接触圧p(φ)の最大値pUmaxは、図8に示すように、溝311の底部に生じ、式(18)に示される。
なお、第4の実施形態の駆動シーブ31の溝311は、U溝で有り、メインロープ6との接触範囲が第1の実施形態の駆動シーブ31の溝311よりも広い。したがって、第1の実施形態の駆動シーブ31の溝311に比べて、メインロープ6との間に生じる単位面積当たりの接触圧が小さくなる。このことは、第1の実施形態の式(11)と第4の実施形態の式(18)を比較すれば明らかである。
Note that the
このような場合でも、摩擦部材32を設けた分だけ駆動シーブ31の溝311とメインロープ6の間の駆動摩擦力が付加されることによって、乗籠4の質量を小さくすることができる。
Even in such a case, the driving friction force between the
第5の実施形態のエレベータ1における駆動シーブ31の溝311および摩擦部材32は、図9を参照して説明する。溝311は、第1の実施形態と同じく、図9に示すように支持部312とアンダカット部313とを備える。摩擦部材32は、溝311の縁311aの外側に配置されている。第5の実施形態において、隣り合うメインロープ6の間に配置される摩擦部材32どうしが別々に設けられている。そして、各摩擦部材32は、駆動シーブ31の外周側から装着される環状の保持金具33によって押さえ込まれている。駆動シーブ31の外周面と保持金具33の間にシム36を挿入し、摩擦部材32の締め付け代を調整することによって、メインロープ6に対する摩擦部材32の圧接力phは調整される。
The
以上のように、第1から第5の実施形態のエレベータ1によれば、駆動シーブ31は、巻き掛けられるメインロープ6を駆動シーブの回転軸に平行な方向に挟む摩擦部材32を備えている。巻上機3の外形寸法を変えることなく、摩擦部材32によって駆動摩擦力が追加されるので、乗籠4の質量を軽くすることができる。巻上機3に掛かる負荷が軽減されるとともに、乗籠4を加速または減速させるために必要なエネルギーが小さくなる。したがって、エネルギー損失の少ない環境にやさしいエレベータを提供できる。
As described above, according to the elevator 1 of the first to fifth embodiments, the
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。 Although several embodiments of the present invention have been described, these embodiments are presented by way of example and are not intended to limit the scope of the invention. These novel embodiments can be implemented in various other forms, and various omissions, replacements, and changes can be made without departing from the scope of the invention. These embodiments and modifications thereof are included in the scope and gist of the invention, and are included in the invention described in the claims and the equivalents thereof.
1…エレベータ、4…乗籠、5…釣合錘、6…メインロープ、31…駆動シーブ、311…溝、311a…縁、312…支持部、313…アンダカット部、32…摩擦部材、321…パッド部、322…弾性体。 DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Elevator, 4 ... Saddle, 5 ... Counterweight, 6 ... Main rope, 31 ... Drive sheave, 311 ... Groove, 311a ... Edge, 312 ... Support part, 313 ... Undercut part, 32 ... Friction member, 321 ... pad part, 322 ... elastic body.
Claims (8)
前記メインロープが巻き掛けられる溝が形成された駆動シーブと、
前記メインロープの直径よりも狭い間隔で前記溝の縁の両外側に配置されて前記メインロープを挟む摩擦部材と
を備えることを特徴とするエレベータ。 A plurality of main ropes for suspending the carriage and counterweight;
A drive sheave formed with a groove around which the main rope is wound;
An elevator comprising: a friction member disposed on both outer sides of the edge of the groove at an interval narrower than a diameter of the main rope and sandwiching the main rope.
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 The elevator according to claim 1, wherein the friction member disposed between the adjacent main ropes is integrally formed.
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 The said groove | channel is provided with the support part formed along the curved surface which adapts the external shape of the said main rope, and the undercut part which does not contact | connect the said main rope in the center part of the said support part. The elevator described in 1.
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 The elevator according to claim 1, wherein the groove includes a support portion formed so as to come into contact with the main rope from two directions at two conical surfaces.
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 The elevator according to claim 1, wherein the groove includes a support portion formed along a curved surface that conforms to an outer shape of the main rope.
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 The elevator according to claim 1, wherein the friction member is made of a synthetic resin having excellent wear resistance.
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 2. The elevator according to claim 1, wherein the friction member generates a holding force that sandwiches the main rope in parallel with a rotation shaft of the drive sheave.
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 2. The friction member includes a pad portion made of a synthetic resin in a range in contact with the main rope, and an elastic body that generates a pressing force that presses the pad portion against the main rope. The elevator described in 1.
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