JP2012167599A - Dynamic valve device of internal combustion engine - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動二輪車あるいは自動車等における内燃機関において、アクセル開度に応じてバルブのリフト量及び作用角を無段に可変制御する動弁装置に関するものである。 The present invention relates to a valve operating apparatus that variably controls a lift amount and a working angle of a valve in accordance with an accelerator opening in an internal combustion engine in a motorcycle or an automobile.
この種の内燃機関において、以前より燃焼効率の向上を図るべく、種々の工夫あるいは提案等がなされてきている。バルブの開閉タイミングをずらして行なう可変位相方式に始まり、カム切換によるバルブリフトの可変制御やバルブ休止等が採用されてきた。なお、このカム切換方式は、低速用と高速用の2つのカムを用意し、エンジン出力に応じてバルブ作用角の小さいものから大きなものに切り換えるというものである。 In this type of internal combustion engine, various ideas or proposals have been made in order to improve the combustion efficiency. Beginning with a variable phase system in which the valve opening and closing timing is shifted, variable control of the valve lift by switching the cam, valve suspension, and the like have been adopted. In this cam switching system, two cams for low speed and high speed are prepared, and the cam is switched from a small valve operating angle to a large one according to the engine output.
更に最近では可変位相とカム切換の組合せが出始め、その後バルブ作用角及びリフト量を連続可変する3次元カムを使用する方式が提案されている。例えば、直打式円筒タペットの頂部に接触角変化に対する追従機構を設け、3次元カムを軸方向にスライドさせることにより、バルブリフト量を無段階に可変するものがある。 More recently, a combination of variable phase and cam switching has started, and after that, a system using a three-dimensional cam in which the valve operating angle and the lift amount are continuously variable has been proposed. For example, there is a type in which a follow-up mechanism for a change in contact angle is provided at the top of a direct hitting cylindrical tappet, and a valve lift is steplessly varied by sliding a three-dimensional cam in the axial direction.
従来の動弁装置の具体的構成において例えば特許文献1に開示されるものでは、3次元カム用のタペットは、アジャストスクリューを用いてそのタペットクリアランスを調整している。この場合、該タペットのローラ部外周が僅かにバルブスプリングにオーバーラップする高さ位置に配置される。
In a specific configuration of a conventional valve gear, for example, disclosed in
しかしながら、上述の従来の動弁装置ではタペットのローラ部外周から、バルブステムのステムエンド(上端側)までの距離が小さく、即ちタペットのローラ部とバルブステムとがバルブステム軸方向に連接するように配置される。このためこれらの部材のバルブステム軸方向の合計長さが長くなり、動弁系の高さが大きくなる。これに伴いシリンダヘッドの高さが大きくなってしまい、車両寸法等を大きく変更しないと、そのままでは3次元カム式エンジンを搭載できないものとなっていた。 However, in the above-described conventional valve operating apparatus, the distance from the outer periphery of the roller portion of the tappet to the stem end (upper end side) of the valve stem is small, that is, the roller portion of the tappet and the valve stem are connected in the valve stem axial direction. Placed in. For this reason, the total length of these members in the valve stem axial direction is increased, and the height of the valve operating system is increased. Along with this, the height of the cylinder head becomes large, and it is impossible to mount a three-dimensional cam type engine as it is unless the vehicle dimensions and the like are largely changed.
本発明はかかる実情に鑑み、有効且つ効果的にシリンダヘッドをコンパクト化し得る内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of such circumstances, and an object thereof is to provide a valve operating apparatus for an internal combustion engine capable of effectively and effectively downsizing a cylinder head.
本発明の内燃機関の動弁装置は、シリンダヘッドに回転自在に軸支されたカムシャフトと、前記カムシャフトに回転一体で設けたカムと、前記カムに摺接して転動するタペットローラを介して、前記カムのプロフィルに追従してバルブを開閉動作させるようにバルブ軸端を押圧するタペットと、を備えた内燃機関の動弁装置であって、前記タペットローラは、隣接する2つのバルブスプリングの間であって、その一部が前記シリンダヘッド高さ方向において、前記バルブスプリングと重なって配置されることを特徴とする。 A valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the present invention includes a camshaft rotatably supported on a cylinder head, a cam provided integrally with the camshaft, and a tappet roller that slides in contact with the cam and rolls. And a tappet that presses a valve shaft end so as to open and close the valve following the profile of the cam, wherein the tappet roller includes two adjacent valve springs. A part of which is disposed so as to overlap the valve spring in the cylinder head height direction.
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記タペットローラはその回転中心軸が高さ方向において、前記タペットのアーム部の高さ中央と同一位置もしくは下方位置に配置されることを特徴とする。 Further, in the valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the present invention, the tappet roller is arranged at the same position as or below the center of the height of the arm portion of the tappet in the height direction of the rotation center axis. To do.
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記タペットガイドは前記タペットローラがバルブステム軸受方向のみ作動可能となるように、上面視で略十字状にガイド溝が形成されることを特徴とする。 Further, in the valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the present invention, the tappet guide has a guide groove formed in a substantially cross shape in a top view so that the tappet roller can be operated only in a valve stem bearing direction. To do.
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記タペットのアームと前記バルブ軸端との間にバルブクリアランス調整用のシムが挿着されることを特徴とする。 In the valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the present invention, a valve clearance adjusting shim is inserted between the tappet arm and the valve shaft end.
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記タペットガイドの下面は、バルブ作動方向でスプリングリテーナと重なる範囲が周囲より薄くなるよう形成されたことを特徴とする。 In the valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the present invention, the lower surface of the tappet guide is formed so that a range overlapping with the spring retainer in the valve operating direction is thinner than the surroundings.
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記カムは、前記カムシャフト軸方向に移動可能であって、そのカムロブが軸方向傾斜面を有した立体形状カムであることを特徴とする。 In the valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the present invention, the cam is movable in the axial direction of the camshaft, and the cam lobe is a three-dimensional cam having an axially inclined surface.
本発明によれば、タペットローラのバルブステムに対する高さ位置を下げることで動弁系の高さを小さくできる。これによりシリンダヘッドの高さを従来のエンジンから実質的に変更することなく、動弁系のレイアウトが可能となり、車両側を小変更するだけで3次元カムエンジンを搭載することが可能になる。 According to the present invention, the height of the valve operating system can be reduced by lowering the height position of the tappet roller with respect to the valve stem. As a result, the layout of the valve train can be made without substantially changing the height of the cylinder head from that of the conventional engine, and a three-dimensional cam engine can be mounted only by making a small change on the vehicle side.
以下、図面に基づき、本発明における内燃機関の動弁装置の好適な実施の形態を説明する。
先ず図1は、本発明の適用例としての自動二輪車の側面図である。図1を用いて、この自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lにより示す。
A preferred embodiment of a valve operating apparatus for an internal combustion engine according to the present invention will be described below with reference to the drawings.
First, FIG. 1 is a side view of a motorcycle as an application example of the present invention. The overall configuration of the
図1において鋼製或いはアルミニウム合金材でなるメインフレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された左右2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104の両端にグリップ105を有する。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されると共に、前輪106上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体回転するブレーキディスク108を有している。
In FIG. 1, two
メインフレーム101はステアリングヘッドパイプ102の後部に接続され、更に後方に向けて左右一対が二又状に分岐し、それぞれが後下がりに傾斜して延出する。メインフレーム101の後部付近から、後上りに適度に傾斜してシートレール101Aが延出し、後述するシートを支持する。なお、メインフレーム101やシートレール101Aにより車体フレームが構成される。また、メインフレーム101の後部にはスイングアーム109が揺動可能に結合すると共に、両者間にリヤショックアブソーバ110が装架される。スイングアーム109の後端には後輪111が回転可能に支持される。後輪111は、後述するエンジンの動力を伝達するチェーン112が巻回されたドリブンスプロケット113を介して、回転駆動されるようになっている。後輪111の直近周囲にはその前上部付近を覆うインナフェンダ114が設けられると共に、そのインナフェンダ114の上方にはリヤフェンダ115が配置される。
The
メインフレーム101に搭載されたエンジンユニット116(点線部)には、図示しない燃料供給装置から混合気が供給されると共に、エンジン内での燃焼後の排気ガスがエキゾーストパイプ117を通って排気される。本実施形態において、エンジンは例えば4サイクル多気筒、典型的には4気筒エンジンであってよい。それぞれの気筒のエキゾーストパイプ117はエンジンユニット116の下側にて結合し、その後排気チャンバを経て車両後端付近で排気装置118から排気される。
The engine unit 116 (dotted line portion) mounted on the
また、エンジンユニット116の上方には燃料タンク119が搭載され、燃料タンク119の後方にシート120が連設される。このシート120は、ライダシート120Aとタンデムシート120Bとを含む。ライダシート120A及びタンデムシート120Bに対応して、フートレスト121及びフートレストもしくはピリオンステップ122が配置される。なお、この例では車両左側において、前後方向略中央下部に図示しないプロップスタンドを有している。
A
更に図1において、123はヘッドランプ、124はスピードメータ、タコメータ或いは各種インジケータランプ等を含むメータユニット、125はステー126を介してハンドルバー104に支持されるバックミラーである。
Further, in FIG. 1, 123 is a headlamp, 124 is a meter unit including a speedometer, tachometer or various indicator lamps, and 125 is a rearview mirror supported by the
車両外装において、フェアリング127及びサイドカウル128によって車両の主に前部及び側部が覆われ、車両後部にはサイドカバーあるいはシートカウル129が被着し、これらの外装部材により所謂、流線型を有する車両の外観フォルムが形成される。
In the vehicle exterior, the front and side portions of the vehicle are mainly covered by the fairing 127 and the
ここで、この実施形態におけるエンジンユニット116は、ピストンを往復動可能に収容するシリンダもしくはシリンダブロック116Aと、このシリンダブロック116Aの下方に配置されたクランクケース116Bとを含み、これらが一体的に結合する。また、エンジンユニット116は複数のエンジンマウントを介してメインフレーム101に懸架されることでメインフレーム101に一体的に結合支持され、それ自体でメインフレーム101の剛性部材として作用する。
Here, the
なお、図1に示されるようにドーム状もしくは甲羅状を呈する燃料タンク119は、メインフレーム101の上側全体を上部から蓋うようにメインフレーム101上に搭載支持される。更に、シリンダブロック116Aのシリンダヘッドカバーの上側には、吸気装置に清浄空気を供給するためのエアクリーナ130が配置される。エアクリーナ130によって清浄化された空気は吸気装置によって吸気され、その後図1のようにインテークパイプ131内にて燃料が混合され、混合気としてエンジンユニット116に供給される。
As shown in FIG. 1, a
図2〜図6は、エンジンユニット116のシリンダブロック116A、特にシリンダヘッド10の構成例を示している。シリンダブロック116Aにおいてシリンダヘッド10はシリンダ本体11の上部に固定され、その内部に動弁装置を収容する。これらの図にも示されるように、この実施形態では並列4気筒エンジンであってよく、各気筒ごとに吸気側(IN)及び排気側(EX)にそれぞれ2つのバルブ、つまり4バルブを有している。なお、この実施形態では吸気側に3次元カムを適用した例とするが、吸気側及び排気側の双方に適用することもできる。また、シリンダ本体11内ではピストンが略上下に往復動するようになっている。
2 to 6 show configuration examples of the
シリンダヘッド10は、この例では♯1〜♯4気筒の配列方向に沿って延設され、上部に被着するシリンダヘッドカバー12により動弁装置の収容空間が密閉構造とされる。シリンダヘッド10の底部には各気筒に対応する燃焼室13が形成され、それぞれの燃焼室13にはインテークポート14とエキゾーストポート15が連通形成される。燃焼室13及びインテークポート14間は、互いに隣接配置された一対の吸気バルブ16によって開閉され、また、燃焼室13及びエキゾーストポート15間は互いに隣接配置された一対の排気バルブ17によって開閉される。これら吸気バルブ16及び排気バルブ17を所定のタイミングで駆動制御することで、各気筒のシリンダに対する吸気及び排気を適正に制御することができる。
In this example, the
吸気バルブ16の軸方向、即ちそのバルブステム16a上方には気筒の配列方向に沿って、カムシャフト18が複数のベアリング19を介して、シリンダヘッド10に回転自在に支持される。カムシャフト18には後述するカム20がその軸方向にスライド可能に装着されるが、カム20はカムシャフト18に対して回転方向には固定される。なお、カムシャフト18は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成してカム20等に注油することができる。各気筒に対応する計4つのカム20を有し、各カム20は3次元カムとして形成される。カム20と吸気バルブ16(のバルブステム16a)の間には、タペットガイド22によりガイドされてバルブステム16aの軸方向に往復動可能なローラ式のタペット21が配置される。これらについての詳細は、後述するものとする。
A
排気バルブ17の軸方向、即ちそのバルブステム17a上方には気筒の配列方向に沿って、カムシャフト23が複数のベアリング24を介して、シリンダヘッド10に回転自在に支持される。カムシャフト23にはその軸方向所定位置にカム25が装着固定される。各気筒に対応する計4つのカム25を有し、排気側については各カム25は平板状の所謂平面カムとして形成される。カム25と排気バルブ17のバルブステム17aとの間には、バルブステム17aの軸方向に往復動可能な、この例では直打式のタペット26が配置される。
A
吸気側のカムシャフト18及び排気側のカムシャフト23のそれぞれ一端にはスプロケット27,28が固着している(図6、図9等参照)。これらのスプロケット27,28と図示を省略するが、クランクシャフトの一端に固着するドライブスプロケットとの間にカムチェーンが巻回装架される。なお、カムチェーンは、付属のチェーンガイド、チェーンテンショナ及びチェーンアジャスタ等により適正走行するようになっている。これによりクランクシャフトの回転でカムシャフト18及びカムシャフト23が同期回転する。
更に具体的に説明すると、吸気バルブ16はそのバルブステム16aがバルブガイド29によってガイドされることで、バルブステム16aの軸方向に往復動する。バルブステム16aの端部に取り付けられたスプリングリテーナ30とスプリングシート31の間にバルブスプリング32が装着され、このバルブスプリング32の弾力によりバルブステム16aは常時上方へ付勢される。また、このときバルブステム16aの上端には、後述するシムを介してタペット21が当接する。カム20がバルブスプリング32の弾力に抗してタペット21を押し下げることで、バルブステム16aが下方へ付勢され、即ち吸気バルブ16が開くようになっている。
More specifically, the
排気バルブ17についても吸気バルブ16と同様に、バルブステム17aの端部に取り付けられたスプリングリテーナ30とスプリングシート31の間にバルブスプリング32が装着される。この場合もカム25によりタペット21を押し下げて、排気バルブ17を作動させるが、そのリフトタイミングやバルブリフト量は吸気バルブ16とは異なる設定になっている。
As with the
ここで、吸気側のカム20は前述のように「3次元カム」として構成され、また各気筒に1つのカム20が設けられる。カム20は、カムシャフト18の軸方向であるその長手方向に緩やかに傾斜するプロフィールを持つカムロブを有し、バルブリフト量を連続的に変化させる形状に成形されている。この場合、カム高さと同時にカム作用角及びリフトタイミングも変化し、即ちバルブリフト量が大きくなるのに従ってカム作用角も大きくなり、更にはバルブのリフトタイミングも変化させ得るように設定されている。このようなカム20をカムシャフト18に沿って移動させることにより、吸気バルブのリフト量、作用角及びリフトタイミングを無段階に可変制御することができる。なお、カム20の移動機構等については後述するものとする。
Here, the intake-
カム20をカムシャフト18に沿って移動させるためのカムスライド機構を有し、その駆動源として図2及び図3等に示すようにシリンダヘッドカバー12上にアクセルモータ33が搭載支持される。アクセルモータ33は、この例ではシリンダ10の右後側の角部に配置され、そのフランジ33aを介してボールスクリューハウジング34(図7をも参照)に結合する。このボールスクリューハウジング34内部には、後述するボールスクリュー等の部材が収容される。
A cam slide mechanism for moving the
次に図8〜図10は、シリンダヘッド10からシリンダヘッドカバー12を取り外した状態を示している。動弁装置の主要構成要素であるカム・カムシャフトユニットは、シリンダヘッド10に取付固定されたカムハウジング35内に収容されるが、この場合、排気側のカムシャフト23及びカム25は略全体がカムハウジング35内にすっぽりと収容される。一方、吸気側のカムシャフト18及びカム20は、カムハウジング35の実質的に外部に配置されるカムスライド機構と連結もしくはリンクするため、そのような連結構造を配設可能とすべく開放構造とし、即ちその一部がカムハウジング35から露呈する。ここで、図11は、本実施形態におけるカムハウジング35を示している。カムハウジング35全体としてはカムシャフト18及びカムシャフト23の上方を覆うカバー構造となっているが、吸気側についてはカムスライド機構を搭載するために必要なフレーム部35a等を除き、開放構造となっている。
Next, FIGS. 8 to 10 show a state in which the
前述したようにタペット21は、タペットガイド22によりガイドされる。タペットユニットについて更に説明すると、図12及び図13に示すようにその内側にベアリング37を収容する収容部を有する概略ドーナッツ状に形成されたタペットローラ36と、ベアリング37を介してタペットローラ36を支持する芯部38と、芯部38の両外側方へ延設するアーム39とを有する。タペットローラ36は、バルブスプリング32の弾力に基づきカム20のカムロブに当接する。ベアリング37はこの例では芯部38の外周に沿って配列された複数のニードルベアリングとする。アーム39はバルブステム16aの上端まで延出し、シム40を介してバルブステム16aの上端と間接的に当接する。なお、芯部38の両外側からタペットローラ36側へ延出する突片38Aが付設され、タペットローラ36組付時のベアリング37の脱落防止を図っている。
As described above, the
シリンダヘッド10適所にはタペットガイド22が配置固定されており、タペット21は図14及び図15ようにタペットガイド22内側に収容されるかたちで浮動保持される。タペット21は、そのタペットローラ36がカム20のカム面に押されることで、アーム39がバルブスプリング32の弾力に抗してバルブステム16aを押動させ、これにより吸気バルブ16を開かせるバルブリフタとして機能する。
A
図16〜図19は、動弁装置の吸気側構成例を示している。前述したようにシリンダヘッドカバー12上にアクセルモータ33が搭載され、ボールスクリューハウジング34内に配置構成されたカムスライド機構を作動させる。先ず、シリンダヘッドカバー12内には、カムシャフト18の上方にて所定間隔おいてその軸方向に沿って、カムフォークシャフト41が平行配置されている。このカムフォークシャフト41はカムハウジング35に設けた複数、この例では5つの軸受部35b(図8等参照)により、その軸方向にスライド可能に支持される。ボールスクリューハウジング34内部において、カムフォークシャフト41と平行且つ略同一高さ位置にボールスクリュー42が配置される。このボールスクリュー42はその両軸端付近にて、シリンダヘッドカバー12及びボールスクリューハウジング34の合せ面で一対のベアリング43により回転可能に支持される。ボールスクリュー42のアクセルモータ33側の端部にはギア44が取り付けられると共に、該アクセルモータ33の出力軸にはピニオンギア45が取り付けられ、これらのギア44及びピニオンギア45が噛合し、即ちアクセルモータ33の作動によりボールスクリュー42が回転駆動される。
FIGS. 16-19 has shown the intake-side structure example of the valve operating apparatus. As described above, the
ボールスクリュー42には、回転方向に固定されたスライドナット46が噛合する。このスライドナット46はナットフォーク47を介してカムフォークシャフト41と連結する。ナットフォーク47はボールスクリュー42の軸方向に配置されたベースプレート47aを有し、このベースプレート47aがカムフォークシャフト41と結合する。より具体的にはカムフォークシャフト41には各気筒に対応して4つのカムフォーク48が固定され、このうち♯2及び♯3気筒に対するカムフォーク48とベースプレート47aとが相互に結合される。各カムフォーク48は、カム20の端部に装着されたベアリング49を介して、そのカム20と回転自在に係合する。
A
上記構成のカムスライド機構において、アクセルモータ33によりボールスクリュー42が回転すると、スライドナット46及びナットフォーク47を介してカムフォークシャフト41がその軸方向にスライドする。そして、このようにカムフォークシャフト41がスライドするのに連動もしくは同期して、各カム20が同時にカムシャフト18の軸方向に沿ってスライドする。
In the cam slide mechanism configured as described above, when the
ここで、上記のように構成された動弁装置における基本動作について概略説明する。エンジン運転時、自動二輪車100のアクセルグリップを操作するとアクセルモータ33が作動し、ボールスクリュー42が回転することでスライドナット46及びナットフォーク47を介してカムフォークシャフト41がスライドする。このカムフォークシャフト41のスライドにより各カム20が同時にカムシャフト18の軸方向に沿ってスライドする。例えば、エンジン低速時にはタペット21はカム20に対して、カム高さの低い部位に当接している。この状態で加速、即ちアクセルを開くと、アクセルモータ33の作動によりカム20のスライドに伴いタペット21は次第に、カム高さの高い部位に当接し、これによりカム20が持つリフト特性に従ってバルブリフト量が増大する。一方、減速時にはアクセルを戻すことで、上記とは逆の動作でバルブリフト量を減少させる。
Here, the basic operation of the valve gear configured as described above will be schematically described. When the accelerator grip of the
次に、本発明の特徴的な構成及びその作用効果等について説明すると先ず、本発明において特に、タペットガイド22によりガイドされるタペット21は図14のように、隣接する2つのバルブスプリングの間に配置される。この場合、タペットローラ36の一部が図13(a)のようにシリンダヘッド高さ方向において、バルブスプリング32と重なって配置される。つまり既に説明したように従来のタペットでは、アジャストスクリューを用いてタペットクリアランスを調整していたが、本発明ではアジャストスクリューの替わりにシム40によりタペットクリアランスの調整を行うようにしている。そして、図13(a)のH寸法を大きく確保し、タペットローラ36内のベアリング37がバルブスプリング32とオーバーラップする位置までタペット21を下げることが可能になる。
Next, the characteristic configuration of the present invention and the operation and effects thereof will be described. First, in the present invention, the
このようにタペットローラ36から吸気バルブ16のステムエンドまでの距離(H寸法)を大きくすることで、つまりタペットローラ36のバルブステム16aに対する高さ位置を下げることで動弁系の高さを小さくできる。これに伴い、シリンダヘッド10の高さを従来のエンジンから変更せずに、動弁系のレイアウトが可能となり、車両側を小変更するだけで3次元カムエンジンを搭載できる。なお、従来ではタペットローラの下部がバルブスプリング上端よりも下方に配置することができなかったため、動弁装置をコンパクトに配置することができなかった。
Thus, by increasing the distance (H dimension) from the
この場合、上述のようにカム20の位置を下げるための構成の一つとして、タペットローラ36の下部を隣接するバルブスプリング32間に配置するためにはタペットローラ36の幅がバルブスプリング32の間隔よりも小さい必要がある。図13ようにタペットローラ36の内側に配置されるベアリング37は、タペットローラ36よりも小幅であり、バルブスプリング32と干渉することはなく、タペットローラ36をバルブスプリング32間に適正に配置することができる。
In this case, as one of the configurations for lowering the position of the
また、タペットローラ36の回転中心軸36Aは図13(a)のように高さ方向において、典型的にはアーム39の高さ中央と同一位置に配置される。あるいはまた、タペットローラ36の回転中心軸36Aは、アーム39の高さ中央よりも下方位置に配置してもよい。
Further, the
タペットローラ36はその上部でカム20と接触するため、カム20の位置を下げてシリンダヘッド10の高さをコンパクトにするには、タペットローラ36の回転中心軸36Aをできるだけ下方に配置する程よい。上記のようにタペットローラ36の回転中心軸36Aを配置することで、有効にシリンダヘッド10の高さをコンパクト化することが可能になる。
Since the
また、タペットガイド22はタペットローラ36がバルブステム軸方向、実車では上下方向のみ作動可能なように、上面視で略十字状にガイド溝50が形成される。具体的には図14(a)に示されるようにタペットローラ36の径方向、即ちカムシャフト18の軸方向と直交方向に沿って、タペットガイド22を上下に貫通形成された一方のガイド溝50Aと、このガイド溝50Aと交差するようにアーム39の長手方向、即ちカムシャフト18の軸方向に沿って貫通形成された他方のガイド溝50Bとを有する。そして、これらのガイド溝50A,50Bにタペット21が収容される。アーム39の端部周辺に開口51が開設され、この開口51を下側から臨むようにスプリングリテーナ30が配置されるようになっている。
Further, the
タペットガイド22の上面は実質的に平坦に形成されるが、下面側には図15に示されるようにガイド溝50A,50Bでなる十字状ガイド溝50(図20のハッチング部をも参照)を上下方向に延設するように4つの脚部52が突設される。タペット21は吸気バルブ16の開閉時のバルブシフト量に対応して上下動するが、十字状ガイド溝は少なくとも、タペット21の上下動の際にタペットローラ36及びアーム39をそれぞれ両側面からガイドし得るに十分な上下方向長さを有している。
The upper surface of the
タペット21のタペットローラ36は図17等にも示されるように、隣接する2つのバルブスプリング32間に挟まれるように配置される。このような狭小スペースにおいて、カム20がカムシャフト18の軸方向に移動しながら回転運動したりしても、タペットローラ36は十字状ガイド溝により上下方向にのみ作動するようにガイドされる。これによりタペットローラ36及びアーム39自体の円滑且つ適正作動を確保すると共に、周辺部品もしくは部材との干渉等を回避し、動弁装置の安全作動が保証される。
The
また、タペット21のアーム39の端部と吸気バルブ16の軸端、即ちバルブステム16aのステムエンドとの間には、図13(a)に示されるようにバルブクリアランス調整用の円板状シム40が挿着される。この場合シム40は、スプリングリテーナ30と高さ方向で重なるように配置される。なお、アーム39の端部下面におけるシム40と当接する部位は図13(a)に示されるように、シム40側へ凸状となるように適度な湾曲面として形成される。これによりアーム39とシム40との円滑な当接状態を確保することができる。
Further, as shown in FIG. 13A, a disc-shaped shim for adjusting the valve clearance is provided between the end of the
従来ではタペットローラのアームとバルブステムのステムエンドとの間にアジャストスクリューやアジャストナットが配置されており、ステムエンド及びタペットローラの回転中心軸間のバルブステム方向距離を小さくするのが困難であった。
本発明ではそのようなアジャストスクリューやアジャストナットを用いず、それ自体薄いシム40を、スプリングリテーナ30と高さ方向でオーバーラップするように配置することで、シリンダヘッド10の高さをコンパクトにすることができる。
Conventionally, adjusting screws and adjusting nuts are arranged between the arm of the tappet roller and the stem end of the valve stem, and it is difficult to reduce the distance in the valve stem direction between the stem end and the rotation center axis of the tappet roller. It was.
In the present invention, the height of the
また、タペットガイド22の下面は、吸気バルブ16の作動方向でスプリングリテーナ30と重なる範囲が周囲よりも薄くなるように形成される。即ち、タペットガイド22の下面には、図20のように実質的に略円形の座グリ53が設けられる。
Further, the lower surface of the
このようにタペットガイド22の下面側に座グリ53を入れることにより、スプリングリテーナ30に対するガイド形状を設けることで、タペットガイド22の下面側はスプリングリテーナ30と高さ方向で重なる。これによりカム20を更に低く配置することができ、この点でもシリンダヘッド10を高さ方向でコンパクトにすることができる。
Thus, by providing the
また、本実施形態におけるカム20はカムシャフト18の軸方向に移動可能であって、そのカムロブは軸方向傾斜面を有した立体形状カムである。
この実施形態において本発明を3次元カムに適用して優れた効果が得られた。即ち、カム20のスライド動作により所定のバルブリフト量となるように吸気バルブ16を駆動制御し、良好な吸排気動作を実現することができた。その際、従来のエンジンのシリンダヘッド高さを実質的に変更することなく、3次元カムエンジンを搭載できる。
Further, the
In this embodiment, the present invention was applied to a three-dimensional cam, and an excellent effect was obtained. That is, the
なお、上記の場合、アーム39の端部と吸気バルブ16のバルブステム16aのステムエンドとの間にシム40を設けるが、このシム40はスプリングリテーナ30の上面に嵌合して配置される。厚さの異なるシム40を選択して組付けることでバルブクリアランスを好適に調整することができる。
また、タペットローラ36の位置精度を向上させるために、タペットガイド22とシリンダヘッド10との間に、2箇所程度にノックピンを打設するとよい。
更に、カムシャフト18の位置を下げるために、タペット21のアーム39を薄くして幅広形状とし、これにより剛性を確保している。
In the above case, a
Further, in order to improve the positional accuracy of the
Further, in order to lower the position of the
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば上記実施形態において、4気筒エンジンの場合の例を説明したが、本発明は1気筒又は3気筒エンジン、更にその他の多気筒エンジンに対しても有効に適用可能である。
また、本発明は自動二輪車の場合の他に、例えば乗用車等の4輪車や船外機に適用可能であり、上記実施形態と同様な効果が得られる。
As mentioned above, although this invention was demonstrated with various embodiment, this invention is not limited only to these embodiment, A change etc. are possible within the scope of the present invention.
For example, in the above embodiment, an example in the case of a four-cylinder engine has been described, but the present invention can be effectively applied to a one-cylinder or three-cylinder engine, and other multi-cylinder engines.
Further, the present invention can be applied to, for example, a four-wheeled vehicle such as a passenger car or an outboard motor in addition to the case of a motorcycle, and the same effect as the above-described embodiment can be obtained.
10 シリンダヘッド、11 シリンダ本体、12 シリンダヘッドカバー、13 燃焼室、14 インテークポート、15 エキゾーストポート、16 吸気バルブ、16a バルブステム、17 排気バルブ、18 カムシャフト、19 ベアリング、20 カム、21 タペット、22 タペットガイド、23 カムシャフト、25 カム、26 タペット、27,28 スプロケット、29 バルブガイド、30 スプリングリテーナ、31 スプリングシート、32 バルブスプリング、33 アクセルモータ、34 ボールスクリューハウジング、35 カムハウジング、36 タペットローラ、37 ベアリング、38 芯部、39 アーム、40 シム、41 カムフォークシャフト、42 ボールスクリュー、43 ベアリング、44 ギア、45 ピニオンギア、46 スライドナット、47 ナットフォーク、48 カムフォーク、50,50A,50B ガイド溝、51 開口、52 脚部、53 座グリ、100 自動二輪車、116 エンジンユニット、116A シリンダブロック。
10 Cylinder Head, 11 Cylinder Body, 12 Cylinder Head Cover, 13 Combustion Chamber, 14 Intake Port, 15 Exhaust Port, 16 Intake Valve, 16a Valve Stem, 17 Exhaust Valve, 18 Camshaft, 19 Bearing, 20 Cam, 21 Tappet, 22 Tappet guide, 23 Camshaft, 25 Cam, 26 Tappet, 27, 28 Sprocket, 29 Valve guide, 30 Spring retainer, 31 Spring seat, 32 Valve spring, 33 Accelerator motor, 34 Ball screw housing, 35 Cam housing, 36 Tappet roller , 37 Bearing, 38 Core, 39 Arm, 40 Shim, 41 Cam fork shaft, 42 Ball screw, 43 Bearing, 44 Gear, 4 Pinion gears, 46 sliding
Claims (6)
前記カムシャフトに回転一体で設けたカムと、
前記カムに摺接して転動するタペットローラを介して、前記カムのプロフィルに追従してバルブを開閉動作させるようにバルブ軸端を押圧するタペットと、を備えた内燃機関の動弁装置であって、
前記タペットローラは、隣接する2つのバルブスプリングの間であって、その一部が前記シリンダヘッド高さ方向において、前記バルブスプリングと重なって配置されることを特徴とする内燃機関の動弁装置。 A camshaft rotatably supported on the cylinder head;
A cam provided integrally with the camshaft;
And a tappet that presses a valve shaft end so as to open and close the valve following a profile of the cam via a tappet roller that slides in contact with the cam. And
A valve operating apparatus for an internal combustion engine, wherein the tappet roller is disposed between two adjacent valve springs, and a part of the tappet roller overlaps the valve spring in the cylinder head height direction.
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