JP2012167564A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡易な構成で、噴霧の微粒化を可能とすると共に、適切な貫徹力を有するバタフライ状噴霧を得る。
【解決手段】オリフィスプレート23には、複数の噴孔27−1〜27−8が同心円上に、それぞれ所定のレイアウト角θLAで配設されると共に、噴孔27−1〜27−8のそれぞれの中心軸が、オリフィスプレート23の中心を通り燃料噴射弁20の軸に一致したZ軸方向に対して所定の噴孔角θINCを以て傾くように形成され、さらに、それぞれの噴孔27−1〜27−8の中心軸をオリフィスプレート23へ投影した線とX軸とがなす捻り角θTWが、それぞれの噴孔27−1〜27−8のレイアウト角θLAより小さく設定され、噴霧の微粒化と共に適切な貫徹力を得ることのできるバタフライ状噴霧の形成が可能となっている。
【選択図】図6
【解決手段】オリフィスプレート23には、複数の噴孔27−1〜27−8が同心円上に、それぞれ所定のレイアウト角θLAで配設されると共に、噴孔27−1〜27−8のそれぞれの中心軸が、オリフィスプレート23の中心を通り燃料噴射弁20の軸に一致したZ軸方向に対して所定の噴孔角θINCを以て傾くように形成され、さらに、それぞれの噴孔27−1〜27−8の中心軸をオリフィスプレート23へ投影した線とX軸とがなす捻り角θTWが、それぞれの噴孔27−1〜27−8のレイアウト角θLAより小さく設定され、噴霧の微粒化と共に適切な貫徹力を得ることのできるバタフライ状噴霧の形成が可能となっている。
【選択図】図6
Description
本発明は、燃料噴射弁に係り、特に、ポート噴射式内燃機関に適する燃料噴射弁であって、噴霧の貫徹力の低減等を図ったものに関する。
この種の燃料噴射弁としては、例えば、同一のプレートに複数の噴孔を形成し、その複数の噴孔の一部の噴孔からそれぞれ噴出される噴霧を一つの噴霧に形成するようにすると共に、残余の噴孔についてもそれぞれから噴出される噴霧を別個の一つの噴霧に形成するようにして、ポート噴射式内燃機関用に2本の別個の噴霧を得ることができるように構成された燃料噴射弁が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
また、多噴孔の位置関係を最適化して噴霧の均一化を図った燃料噴射弁なども提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
しかしながら、上記前者の公報に開示された燃料噴射弁においては、各噴孔からの噴霧が重なり合ってしまうため、噴霧の微粒化の点で十分とは言い難いという問題がある。
また、上記後者の公報に開示された燃料噴射弁においては、噴霧の貫徹力が強すぎて、微粒化された液滴が吸気管や吸気弁周辺に必要以上に付着してしまうという問題がある。
また、上記後者の公報に開示された燃料噴射弁においては、噴霧の貫徹力が強すぎて、微粒化された液滴が吸気管や吸気弁周辺に必要以上に付着してしまうという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、比較的簡易な構成で、噴霧の微粒化を可能とすると共に、適切な貫徹力を有するバタフライ状噴霧を得ることのできる燃料噴射弁を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る噴霧形成方法は、
燃料噴射弁のオリフィスプレートに複数の噴孔を穿設し、前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置に、大凡バタフライ状の噴霧を停留形成可能に形成する噴霧形成方法であって、
前記オリフィスプレートにおいて、前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をX軸、このX軸に直交する前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をY軸、前記X軸及びY軸に対して直交する前記燃料噴射弁の中心軸をZ軸と、それぞれ定め、
前記複数の噴孔を、前記X、Y、及び、Z軸の交点、又は、前記複数の噴孔への燃料の流入を可能とする範囲で前記Y軸上の任意の点を中心とした円である噴孔配置円の同一円周上に6個以上偶数個で、前記Y軸を線対称軸として左右線対称に配設し、前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置に、大凡バタフライ状の噴霧を停留形成可能とし、
前記大凡バタフライ状の噴霧は、
前記オリフィスプレートの下流側において、前記X軸に平行する横軸をX´軸とし、前記Y軸に平行し前記Z軸と交わる縦軸をY´軸として、前記Z軸に垂直な平面を測定用X´Y´平面とし、前記測定用X´Y´平面において得られた前記測定用X´Y´平面の各点における噴霧量に基づいて、前記各点における噴霧量を、噴霧量の多い点から順次積算してゆき、その積算値が、全体噴霧流量の5%を超えた位置における噴霧流量を準最大流量と定義した場合に、前記各点における噴霧量が前記準最大流量の1/2となる流量中間位置で前記準最大流量を超える二つの領域を中心に形成される噴霧が結合状態であって、
前記大凡バタフライ状の噴霧の前記流量中間位置に対応する位置において、前記測定用X´Y´平面に現れる前記大凡バタフライ状の噴霧と外部との境界線と、前記境界線により形成される領域をY´軸により分割した二つの領域の幾何学的な重心を結ぶ仮想線に対する垂直二等分線とが交差する2つの交点間の距離をh1とする一方、前記幾何学的重心に対応する前記測定用X´Y´平面上の2つの点を結ぶ仮想線に対して直交する仮想線と、前記境界線とが交差する2つの交点間の前記幾何学的重心を結ぶ仮想線に垂直な方向成分の距離が最長のものをh2とした場合に、前記h2に対する前記h1の比が1/2未満で、かつ、
前記測定用X´Y´平面における噴霧流量分布に基づいて、前記X´軸上で噴霧流量を前記Y´軸方向に積算して、それを前記X´軸に沿って両側の外側から積算を行った際に、それぞれの積算量の和が、全体噴霧流量の0.1を超える前記X´軸の位置に対して、前記2つの幾何学的重心点に対応する前記測定用X´Y´平面上の2つの点を結ぶ仮想線を外挿した線と、前記測定用X´Y´平面における前記大凡バタフライ状の噴霧と外部との境界線との2つの交点の前記X´軸方向での位置が内側となるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る燃料噴射弁は、
二方向への燃料噴射を可能とする燃料噴射弁であって、
複数の噴孔が穿設されるオリフィスプレートにおいて、前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をX軸、このX軸に直交する前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をY軸、前記X軸及びY軸に対して直交する前記燃料噴射弁の中心軸をZ軸と、それぞれ定め、
前記複数の噴孔は、前記X、Y、及び、Z軸の交点、又は、前記複数の噴孔への燃料の流入を可能とする範囲で前記Y軸上の任意の点を中心とした円である噴孔配置円の同一円周上に8個以上、前記Y軸を線対称軸として左右線対称に配設され、
前記線対称軸としてのY軸の一方の側における前記複数の噴孔について、
前記噴孔配置円の中心を通り、Y軸に対して直交すると共に、X軸に一致又は平行する仮想の副X軸の上下において、それぞれ、前記副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とし、前記Y軸に最も近接する噴孔を外側噴孔と規定した場合、
前記外側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートの内側面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は60度以上に設定され、前記内側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートが位置する平面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は20度以上で、かつ、前記内側噴孔のレイアウト角>(90度−前記外側噴孔のレイアウト角)を満たす角度に設定され、
前記仮想の副X軸の上側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角と、前記仮想の副X軸の下側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角は、それぞれにおける内側噴孔のレイアウト角を超え、かつ、外側噴孔のレイアウト角未満の間に設定され、
さらに、前記Y軸の一方の側における前記複数の噴孔は、それぞれの噴孔の中心軸が、前記Z軸方向に対して所定噴孔角を以て傾くように形成されると共に、それぞれの噴孔の中心軸を前記オリフィスプレートへ投影した線と前記副X軸とがなす捻り角は、それぞれの噴孔のレイアウト角より小さく設定されてなるものである。
燃料噴射弁のオリフィスプレートに複数の噴孔を穿設し、前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置に、大凡バタフライ状の噴霧を停留形成可能に形成する噴霧形成方法であって、
前記オリフィスプレートにおいて、前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をX軸、このX軸に直交する前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をY軸、前記X軸及びY軸に対して直交する前記燃料噴射弁の中心軸をZ軸と、それぞれ定め、
前記複数の噴孔を、前記X、Y、及び、Z軸の交点、又は、前記複数の噴孔への燃料の流入を可能とする範囲で前記Y軸上の任意の点を中心とした円である噴孔配置円の同一円周上に6個以上偶数個で、前記Y軸を線対称軸として左右線対称に配設し、前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置に、大凡バタフライ状の噴霧を停留形成可能とし、
前記大凡バタフライ状の噴霧は、
前記オリフィスプレートの下流側において、前記X軸に平行する横軸をX´軸とし、前記Y軸に平行し前記Z軸と交わる縦軸をY´軸として、前記Z軸に垂直な平面を測定用X´Y´平面とし、前記測定用X´Y´平面において得られた前記測定用X´Y´平面の各点における噴霧量に基づいて、前記各点における噴霧量を、噴霧量の多い点から順次積算してゆき、その積算値が、全体噴霧流量の5%を超えた位置における噴霧流量を準最大流量と定義した場合に、前記各点における噴霧量が前記準最大流量の1/2となる流量中間位置で前記準最大流量を超える二つの領域を中心に形成される噴霧が結合状態であって、
前記大凡バタフライ状の噴霧の前記流量中間位置に対応する位置において、前記測定用X´Y´平面に現れる前記大凡バタフライ状の噴霧と外部との境界線と、前記境界線により形成される領域をY´軸により分割した二つの領域の幾何学的な重心を結ぶ仮想線に対する垂直二等分線とが交差する2つの交点間の距離をh1とする一方、前記幾何学的重心に対応する前記測定用X´Y´平面上の2つの点を結ぶ仮想線に対して直交する仮想線と、前記境界線とが交差する2つの交点間の前記幾何学的重心を結ぶ仮想線に垂直な方向成分の距離が最長のものをh2とした場合に、前記h2に対する前記h1の比が1/2未満で、かつ、
前記測定用X´Y´平面における噴霧流量分布に基づいて、前記X´軸上で噴霧流量を前記Y´軸方向に積算して、それを前記X´軸に沿って両側の外側から積算を行った際に、それぞれの積算量の和が、全体噴霧流量の0.1を超える前記X´軸の位置に対して、前記2つの幾何学的重心点に対応する前記測定用X´Y´平面上の2つの点を結ぶ仮想線を外挿した線と、前記測定用X´Y´平面における前記大凡バタフライ状の噴霧と外部との境界線との2つの交点の前記X´軸方向での位置が内側となるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る燃料噴射弁は、
二方向への燃料噴射を可能とする燃料噴射弁であって、
複数の噴孔が穿設されるオリフィスプレートにおいて、前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をX軸、このX軸に直交する前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をY軸、前記X軸及びY軸に対して直交する前記燃料噴射弁の中心軸をZ軸と、それぞれ定め、
前記複数の噴孔は、前記X、Y、及び、Z軸の交点、又は、前記複数の噴孔への燃料の流入を可能とする範囲で前記Y軸上の任意の点を中心とした円である噴孔配置円の同一円周上に8個以上、前記Y軸を線対称軸として左右線対称に配設され、
前記線対称軸としてのY軸の一方の側における前記複数の噴孔について、
前記噴孔配置円の中心を通り、Y軸に対して直交すると共に、X軸に一致又は平行する仮想の副X軸の上下において、それぞれ、前記副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とし、前記Y軸に最も近接する噴孔を外側噴孔と規定した場合、
前記外側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートの内側面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は60度以上に設定され、前記内側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートが位置する平面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は20度以上で、かつ、前記内側噴孔のレイアウト角>(90度−前記外側噴孔のレイアウト角)を満たす角度に設定され、
前記仮想の副X軸の上側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角と、前記仮想の副X軸の下側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角は、それぞれにおける内側噴孔のレイアウト角を超え、かつ、外側噴孔のレイアウト角未満の間に設定され、
さらに、前記Y軸の一方の側における前記複数の噴孔は、それぞれの噴孔の中心軸が、前記Z軸方向に対して所定噴孔角を以て傾くように形成されると共に、それぞれの噴孔の中心軸を前記オリフィスプレートへ投影した線と前記副X軸とがなす捻り角は、それぞれの噴孔のレイアウト角より小さく設定されてなるものである。
本発明によれば、比較的簡易な構成で、噴霧の微粒化と共に適切な貫徹力の噴霧を得ることができ、吸気管内の壁面などへの不必要な燃料の付着が低減されるため、エンジンの応答性向上を促進することができると共に、燃料消費量を低減することができるという効果を奏するものである。
また、吸気管内の壁面などへの不必要な燃料の付着が低減されることにより、排気ガス中のHC(炭化水素)が減少し、そのため、排ガス処理装置の触媒の小型化に寄与することができるという効果を奏するものである。
また、吸気管内の壁面などへの不必要な燃料の付着が低減されることにより、排気ガス中のHC(炭化水素)が減少し、そのため、排ガス処理装置の触媒の小型化に寄与することができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図16を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における燃料噴射弁が用いられる内燃機関について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
図1に示された内燃機関1は、いわゆるポート噴射式のもので、その構成は、基本的に従来同様のものである。
かかる内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、ピストン4とを有しており、シリンダブロック2内部に、ピストン4が摺動可能に収納され、燃焼室5が形成されたものとなっている(図1参照)。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における燃料噴射弁が用いられる内燃機関について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
図1に示された内燃機関1は、いわゆるポート噴射式のもので、その構成は、基本的に従来同様のものである。
かかる内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、ピストン4とを有しており、シリンダブロック2内部に、ピストン4が摺動可能に収納され、燃焼室5が形成されたものとなっている(図1参照)。
燃焼室5には、シリンダヘッド3に形成された吸気管6と排気管7が連通するものとなっている。そして、シリンダヘッド3には、吸気管6と燃焼室5との連通を制御する2つの吸気弁8A,8Bと、排気管7と燃焼室5との連通を制御する2つの排気弁9A,9Bが、それぞれ設けられている(図1及び図2参照)。
また、吸気管6の上流側には、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20が配設されている。かかる燃料噴射弁20は、吸気弁8A,8Bに向けて後述するようなバタフライ状の噴霧(図1乃至図4のそれぞれにおける二点差線部分)が可能な適宜な位置に配設されている。また、シリンダヘッド3には、燃焼室5の上部中心部分に臨むように、点火プラグ10が設けられている(図1参照)。
次に、燃料噴射弁20のノズル部21の構成について、図5乃至図9を参照しつつ説明することとする。
本発明の燃料噴射弁20のノズル部21の端部においては、弁体22の端部にオリフィスプレート23が固着されたものとなっており、弁体22内に収納されたボール弁24が、弁体22に形成された弁座25から離間せしめられることによって、燃料がボール弁24と弁体22との間隙を通過して、流出開口26へ至り、噴孔27へ流入可能に構成されたものとなっている(図5参照)。
なお、図5は、2つの噴孔27がオリフィスプレート23の直径方向に位置する部位での縦断面図である。
本発明の燃料噴射弁20のノズル部21の端部においては、弁体22の端部にオリフィスプレート23が固着されたものとなっており、弁体22内に収納されたボール弁24が、弁体22に形成された弁座25から離間せしめられることによって、燃料がボール弁24と弁体22との間隙を通過して、流出開口26へ至り、噴孔27へ流入可能に構成されたものとなっている(図5参照)。
なお、図5は、2つの噴孔27がオリフィスプレート23の直径方向に位置する部位での縦断面図である。
本発明の実施の形態におけるオリフィスプレート23は、全体外観形状が蓋体状、すなわち、換言すれば、扁平の有底円筒状に形成されてなるもので(図6及び図7参照)、円板状に形成された底部23aに複数の噴孔、すなわち、本発明の実施の形態においては、8個の噴孔27−1〜27−8が次述するように穿設されたものとなっている(図6参照)。なお、以下の説明においては、各噴孔27−1〜27−8に共通する事項の説明においては、適宜、噴孔27と記述して説明することとする。
まず、説明の便宜上、X軸、Y軸、及び、Z軸による3次元の直線直交座標を定義する。すなわち、例えば、燃料噴射弁20の内部側に位置する底部23aの面(図6参照)において、オリフィスプレート23の径方向に沿う一つの軸をX軸、このX軸に直交し、かつ、オリフィスプレート23の径方向に沿う一つの軸をY軸、これらX軸、Y軸に対して直交する燃料噴射弁20の中心軸をZ軸と、それぞれ定義する。
図6においては、紙面左右方向にX軸、紙面上下方向にY軸、紙面表裏方向にZ軸とし、Z軸は、オリフィスプレート23の中心を通るものとする。
図6においては、紙面左右方向にX軸、紙面上下方向にY軸、紙面表裏方向にZ軸とし、Z軸は、オリフィスプレート23の中心を通るものとする。
かかる前提の下、本発明の実施の形態における8個の噴孔27−1〜27−8は、X軸、Y軸、及び、Z軸の交点を中心とした仮想の噴孔配置円(図6において点線の円参照)上に、Y軸を線対称軸として左右線対称に配置されたものとなっている。なお、ここでの左右線対称は、純数学的な意味でのものではなく、それぞれの噴孔27の製造精度による若干の誤差を許容可能とするものである。この場合、許容できる誤差(ずれ)の大きさ、範囲は、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20によるバタフライ状噴霧が所望の形状、大きさで得られる範囲である。
また、上述の仮想の噴孔配置円の中心は、X軸、Y軸、及び、Z軸の交点に限定されるものではなく、噴孔27からの噴射が正常に行われる範囲で、Y軸上の任意の点に設定しても良い。
ここで、このように、仮想の噴孔配置円の中心が、Y軸上の任意の点に設定される場合も含めて、以下の噴孔27の説明の便宜上、Y軸に対して直交すると共に、X軸に一致、又は、X軸に平行する仮想の軸を副X軸として定義し、以降の説明では、噴孔配置円の中心は、副X軸とY軸の交点にあるものとする。
ここで、このように、仮想の噴孔配置円の中心が、Y軸上の任意の点に設定される場合も含めて、以下の噴孔27の説明の便宜上、Y軸に対して直交すると共に、X軸に一致、又は、X軸に平行する仮想の軸を副X軸として定義し、以降の説明では、噴孔配置円の中心は、副X軸とY軸の交点にあるものとする。
しかして、図6に示された構成例の如く、上述の仮想の噴孔配置円の中心が、X軸、Y軸、及び、Z軸の交点に一致する場合には、副X軸は、X軸に一致するものとなる。これに対して、仮想の噴孔配置円の中心が、X軸、Y軸、及び、Z軸の交点以外のY軸上の任意の点に設定された場合には、副X軸は、X軸に平行したものとなる。
上述の仮想の噴孔配置円の大きさは、燃料の噴孔27への流入量や燃料圧等を考慮して適切に選定されるべきものである。
上述の仮想の噴孔配置円の大きさは、燃料の噴孔27への流入量や燃料圧等を考慮して適切に選定されるべきものである。
なお、説明の便宜上、上述の副X軸及びY軸により形成される副X−Y座標平面を、必要に応じて、通常の数学上の定義に従って第1乃至第4象限に区分することとする。
すなわち、図6の副X−Y座標平面において、座標中心、すなわち、換言すれば、副X軸、Y軸、及び、Z軸の交点から紙面右側の副X軸の領域をX>0、座標中心から紙面左側の副X軸の領域を副X<0、また、座標中心から紙面上側のY軸の領域をY>0、座標中心から紙面下側のY軸の領域をY<0であるとする。
しかして、副X>0で、かつ、Y>0の領域は第1象限、副X<0で、かつ、Y>0の領域は第2象限、副X<0で、かつ、Y<0の領域は第3象限、副X>0で、かつ、Y<0の領は第4象限となる。
すなわち、図6の副X−Y座標平面において、座標中心、すなわち、換言すれば、副X軸、Y軸、及び、Z軸の交点から紙面右側の副X軸の領域をX>0、座標中心から紙面左側の副X軸の領域を副X<0、また、座標中心から紙面上側のY軸の領域をY>0、座標中心から紙面下側のY軸の領域をY<0であるとする。
しかして、副X>0で、かつ、Y>0の領域は第1象限、副X<0で、かつ、Y>0の領域は第2象限、副X<0で、かつ、Y<0の領域は第3象限、副X>0で、かつ、Y<0の領は第4象限となる。
次に、噴孔27の噴孔角θINC、レイアウト角θLA、及び、捻り角θTWについて説明する。
噴孔27は、先に述べたように、Y軸を線対称軸として左右線対称に配設されているため、Y軸の一方の側、すなわち、例えば、図6においてY軸を中心として紙面右側、換言すれば、副X−Y座標平面の第1象限及び第4象限における噴孔27−1〜27−4についてレイアウト角θLA、噴孔角θINC、及び、捻り角θTWが、それぞれ定まれば、残余の噴孔27−5〜27−8についても同様に定まることとなるので、以下、第1及び第4象限における噴孔27−1〜27−4のレイアウト角θLA、噴孔角θINC、及び、捻り角θTWについて説明することとする。
噴孔27は、先に述べたように、Y軸を線対称軸として左右線対称に配設されているため、Y軸の一方の側、すなわち、例えば、図6においてY軸を中心として紙面右側、換言すれば、副X−Y座標平面の第1象限及び第4象限における噴孔27−1〜27−4についてレイアウト角θLA、噴孔角θINC、及び、捻り角θTWが、それぞれ定まれば、残余の噴孔27−5〜27−8についても同様に定まることとなるので、以下、第1及び第4象限における噴孔27−1〜27−4のレイアウト角θLA、噴孔角θINC、及び、捻り角θTWについて説明することとする。
まず、噴孔角θINCについて説明すれば、噴孔角θINCは、噴孔27の中心軸、すなわち、噴孔29の中心を通る仮想の軸、例えば、図8において一点鎖線で表された線(中心軸)とZ軸との角度として定められるものである。かかる噴孔角θINCは、バタフライ状噴霧のY軸方向での拡がりを調整可能とするパラメータとなるものである。より具体的には、噴孔角θINCが大きくなるにしたがい、噴孔27からの噴霧は、後述する捻り角θTW方向に飛ぶ距離が遠くなる傾向となる。
したがって、噴孔角θINCをあまり大きくし過ぎると、各噴孔27からの噴霧の幅と、噴霧相互の間隔がY軸方向に拡がり過ぎるため、副X軸方向の噴霧間の干渉が少なくなり、バタフライ状の噴霧が形成されなくなってしまう。
このため、噴孔角θINCは、後述する捻り角θTWやレイアウト角θLAを考慮して、バタフライ状の噴霧の形成を阻害することのない適切な大きさに設定される必要がある。
このため、噴孔角θINCは、後述する捻り角θTWやレイアウト角θLAを考慮して、バタフライ状の噴霧の形成を阻害することのない適切な大きさに設定される必要がある。
次に、レイアウト角θLAについて説明する。
最初に、レイアウト角θLAの設定のため、内側噴孔と外側噴孔を定義する。
図6に示された例において、副X軸は、X軸に一致するが、この副X軸の上側、すなわち、換言すれば、Y軸の右側(紙面右側)における説明であるとする先の前提条件の下、第1象限において、副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とし、同様に、副X軸の下側、すなわち、換言すれば、第4象限において、副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とする。具体的には、第1象限においては、噴孔27−2が内側噴孔であり、第4象限においては、噴孔27−3が内側噴孔となる。
最初に、レイアウト角θLAの設定のため、内側噴孔と外側噴孔を定義する。
図6に示された例において、副X軸は、X軸に一致するが、この副X軸の上側、すなわち、換言すれば、Y軸の右側(紙面右側)における説明であるとする先の前提条件の下、第1象限において、副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とし、同様に、副X軸の下側、すなわち、換言すれば、第4象限において、副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とする。具体的には、第1象限においては、噴孔27−2が内側噴孔であり、第4象限においては、噴孔27−3が内側噴孔となる。
次に、副X軸の上側、すなわち、換言すれば、第1象限において、Y軸に最も近接する噴孔を外側噴孔とし、同様に、副X軸の下側、すなわち、換言すれば、第4象限において、Y軸に最も近接する噴孔を外側噴孔とする。具体的には、第1象限においては、噴孔27−1が外側噴孔であり、第4象限においては、噴孔27−4が外側噴孔となる。
本発明の実施の形態においては、1つの象限に、2つの噴孔を配したため、噴孔は、内側噴孔と外側噴孔だけの区分となるが、全噴孔数が10個以上となる場合には、内側噴孔と外側噴孔の間には、これら内側及び外側噴孔以外の噴孔が配設されることとなる。
本発明の実施の形態においては、1つの象限に、2つの噴孔を配したため、噴孔は、内側噴孔と外側噴孔だけの区分となるが、全噴孔数が10個以上となる場合には、内側噴孔と外側噴孔の間には、これら内側及び外側噴孔以外の噴孔が配設されることとなる。
しかして、レイアウト角θLAは、噴孔27の中心軸(図8参照)がオリフィスプレート23の内側の面と交差する点と、噴孔27が配設された仮想の噴孔配置円の中心とを結ぶ線と、副X軸とがなす角として定義されるものである(図9参照)。
そして、外側噴孔(噴孔27−1及び噴孔27−4)のレイアウト角θLAは、60度以上の任意の大きさに設定されたものとなっている。
なお、第1象限における外側噴孔である噴孔27−1のレイアウト角θLAと第4象限における外側噴孔である噴孔27−4のレイアウト角θLAは、上述のように60度以上であれば、互いに同一である必要はないものである。
そして、外側噴孔(噴孔27−1及び噴孔27−4)のレイアウト角θLAは、60度以上の任意の大きさに設定されたものとなっている。
なお、第1象限における外側噴孔である噴孔27−1のレイアウト角θLAと第4象限における外側噴孔である噴孔27−4のレイアウト角θLAは、上述のように60度以上であれば、互いに同一である必要はないものである。
一方、内側噴孔のレイアウト角θLAは、20度以上であって、かつ、その角度は、90度から外側噴孔のレイアウト角θLAを減算した値を超える大きさに設定されたものとなっている。
上述のように、第1象限と第4象限とでは、外側噴孔の大きさは、別個に設定し得るものであるので、第1象限において、内側噴孔である噴孔27−2のレイアウト角θLAは、20度以上で、かつ、90度から外側噴孔である噴孔27−1のレイアウト角θLAを減算した値より大きな値に設定されたものとなっている。
また、第4象限において、内側噴孔である噴孔27−3のレイアウト角θLAは、20度以上で、かつ、90度から外側噴孔である噴孔27−4のレイアウト角θLAを減算した値より大きな値に設定されたものとなっている。
上述のように、第1象限と第4象限とでは、外側噴孔の大きさは、別個に設定し得るものであるので、第1象限において、内側噴孔である噴孔27−2のレイアウト角θLAは、20度以上で、かつ、90度から外側噴孔である噴孔27−1のレイアウト角θLAを減算した値より大きな値に設定されたものとなっている。
また、第4象限において、内側噴孔である噴孔27−3のレイアウト角θLAは、20度以上で、かつ、90度から外側噴孔である噴孔27−4のレイアウト角θLAを減算した値より大きな値に設定されたものとなっている。
さらに、外側噴孔と内側噴孔以外の残余の噴孔がある場合、その残余の噴孔のレイアウト角θLAは、内側噴孔のレイアウト角θLAを超え、かつ、外側噴孔のレイアウト角θLA未満に設定されたものとなる。
すなわち、第1象限においては、内側噴孔である噴孔27−2のレイアウト角θLAを超え、かつ、外側噴孔である噴孔27−1のレイアウト角θLA未満に設定され、第4象限においては、内側噴孔である噴孔27−3のレイアウト角θLAを超え、かつ、外側噴孔である噴孔27−4のレイアウト角θLA未満に設定されたものとなる。
レイアウト角θLAがバタフライ状噴霧に与える影響の大凡の傾向としては、レイアウト角が小さくなるにしたがい、Y軸方向の噴霧の幅が小さくなる一方、副X軸方向に噴霧の幅が拡がる傾向を示すものとなっている。
すなわち、第1象限においては、内側噴孔である噴孔27−2のレイアウト角θLAを超え、かつ、外側噴孔である噴孔27−1のレイアウト角θLA未満に設定され、第4象限においては、内側噴孔である噴孔27−3のレイアウト角θLAを超え、かつ、外側噴孔である噴孔27−4のレイアウト角θLA未満に設定されたものとなる。
レイアウト角θLAがバタフライ状噴霧に与える影響の大凡の傾向としては、レイアウト角が小さくなるにしたがい、Y軸方向の噴霧の幅が小さくなる一方、副X軸方向に噴霧の幅が拡がる傾向を示すものとなっている。
次に、捻り角θTWについて説明すれば、捻り角θTWは、噴孔27の中心軸(図8参照)をオリフィスプレート23の内側の面に投影した線と、副X軸とがなす角と定義されるものである(図9参照)。
かかる捻り角θTWは、噴孔27からの噴霧の方位角方向の位置を決定する要素であり、捻り角θTWが大きくなる程、噴孔27からの噴霧の幅は、Y軸方向に拡がり、その結果、隣り合う噴孔27からの噴霧間の干渉が大きくなる。
なお、本願発明者の試験、研究の結果によれば、捻り角θTWは、レイアウト角よりも小さく設定するのが好適である。
かかる捻り角θTWは、噴孔27からの噴霧の方位角方向の位置を決定する要素であり、捻り角θTWが大きくなる程、噴孔27からの噴霧の幅は、Y軸方向に拡がり、その結果、隣り合う噴孔27からの噴霧間の干渉が大きくなる。
なお、本願発明者の試験、研究の結果によれば、捻り角θTWは、レイアウト角よりも小さく設定するのが好適である。
上述のように各噴孔27−1〜27−8のレイアウト角θLA、噴孔角θINC、及び、捻り角θTWを設定することにより、各々の各噴孔27−1〜27−8からの噴霧は、図10に概略示されたように、隣り合う噴孔の噴霧のみが干渉し合うように、各噴霧が適宜な位置に位置せしめられることとなる。
なお、図10は、各噴霧の先端部分での位置関係を模式的に示したものであり、同図において、”S1”は、噴孔27−1からの噴霧を、”S2”は、噴孔27−2からの噴霧を、”S3”は、噴孔27−3からの噴霧を、”S4”は、噴孔27−4からの噴霧を、”S5”は、噴孔27−5からの噴霧を、”S6”は、噴孔27−6からの噴霧を、”S7”は、噴孔27−7からの噴霧を、”S8”は、噴孔27−8からの噴霧を、それぞれ示している。
また、図16は、上述のように形成された噴孔27により形成されるバタフライ状噴霧の先端部分の噴霧形状の測定例であり、大凡バラフライ状であることが確認できるものとなっている。
なお、図10は、各噴霧の先端部分での位置関係を模式的に示したものであり、同図において、”S1”は、噴孔27−1からの噴霧を、”S2”は、噴孔27−2からの噴霧を、”S3”は、噴孔27−3からの噴霧を、”S4”は、噴孔27−4からの噴霧を、”S5”は、噴孔27−5からの噴霧を、”S6”は、噴孔27−6からの噴霧を、”S7”は、噴孔27−7からの噴霧を、”S8”は、噴孔27−8からの噴霧を、それぞれ示している。
また、図16は、上述のように形成された噴孔27により形成されるバタフライ状噴霧の先端部分の噴霧形状の測定例であり、大凡バラフライ状であることが確認できるものとなっている。
バタフライ状噴霧の形成には、噴孔27の直径Dと噴孔27の長さLも影響を及ぼす要素の一つであり、噴孔27の直径Dに対する噴孔27の長さLの比、L/Dが中程度の大きさに設定されるのが噴霧の粒径、貫徹力、吸気管内の不要な燃料付着の低減等のバランスが最適である。
なお、噴孔27の直径Dは、噴孔27の中心軸に対して直交する方向での長さであり、噴孔27の長さLは、噴孔27の中心軸に沿った噴孔27の長さである(図8参照)。
なお、噴孔27の直径Dは、噴孔27の中心軸に対して直交する方向での長さであり、噴孔27の長さLは、噴孔27の中心軸に沿った噴孔27の長さである(図8参照)。
次に、上述のように設けられた噴孔27により形成されるバタフライ状噴霧の形状について、図11乃至図15を参照しつつ説明する。
所望のバタフライ状噴霧の形状の確認には、Z軸方向に沿って燃料噴射弁20の下流側に、Matrix試験機と称される噴霧の流量分布を計測する装置を設置し、それによって得られた流量分布によって後述するような点に着目して行われる。
ここで、Matrix試験機は、Z軸に垂直な面、又は、任意の角度での断面内における流量分布の計測を可能とする公知の構成を有してなるものである。
かかるMatrix試験機と燃料噴射弁20との距離は、燃料噴射弁20の具体的な大きさ、噴射量等によって種々異なるが、大凡40mm乃至150mm程度の範囲で設定されるのが好適である。
所望のバタフライ状噴霧の形状の確認には、Z軸方向に沿って燃料噴射弁20の下流側に、Matrix試験機と称される噴霧の流量分布を計測する装置を設置し、それによって得られた流量分布によって後述するような点に着目して行われる。
ここで、Matrix試験機は、Z軸に垂直な面、又は、任意の角度での断面内における流量分布の計測を可能とする公知の構成を有してなるものである。
かかるMatrix試験機と燃料噴射弁20との距離は、燃料噴射弁20の具体的な大きさ、噴射量等によって種々異なるが、大凡40mm乃至150mm程度の範囲で設定されるのが好適である。
また、上述のMatrix試験機を用いた噴霧状態の測定の条件としては、一つの例を挙げれば、燃料圧力は、大凡200乃至900kPaの範囲が好ましく、通常は、300kPaが好適である。また、測定チャンバ内の内圧は、0乃至2barの範囲が好ましく、通常は、大気圧以下が好適である。さらに、測定チャンバ内の温度は、0乃至50degCの範囲が好ましく、通常は、20degCが好適である。またさらに、燃料温度は、0乃至80degCの範囲が好ましく、通常は、20degCが好適である。
次に、上述のMatrix試験機を用いて得られる流量分布の説明に際して、次のように測定面を定義する。
まず、オリフィスプレート23の下流側、すなわち、燃料噴射弁20の下流側において、先に述べたX軸に平行する横軸を測定用X´軸と称して、「X´」と表し、Y軸に平行しZ軸と交わる縦軸を測定用Y´軸と称して、「Y´」と表すこととする。
そして、オリフィスプレート23の下流側において、上述の測定用X´軸と測定用Y´軸とから形成され、Z軸に垂直な測定用の平面を測定用X´Y´平面とする。
まず、オリフィスプレート23の下流側、すなわち、燃料噴射弁20の下流側において、先に述べたX軸に平行する横軸を測定用X´軸と称して、「X´」と表し、Y軸に平行しZ軸と交わる縦軸を測定用Y´軸と称して、「Y´」と表すこととする。
そして、オリフィスプレート23の下流側において、上述の測定用X´軸と測定用Y´軸とから形成され、Z軸に垂直な測定用の平面を測定用X´Y´平面とする。
かかる前提の下、図11は、測定用X´Y´平面に得られる流量分布の一例を示したものである。
すなわち、同図において、一つ一つの格子部分は、噴霧が測定された点であり、各格子の中の数値は、その点における噴霧量を表している。なお、図11における数値は、実測に基づくものではなく、あくまでも、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20による噴霧をMatrix試験機を用いて計測したとの前提条件下でのシミュレーション例である。
すなわち、同図において、一つ一つの格子部分は、噴霧が測定された点であり、各格子の中の数値は、その点における噴霧量を表している。なお、図11における数値は、実測に基づくものではなく、あくまでも、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20による噴霧をMatrix試験機を用いて計測したとの前提条件下でのシミュレーション例である。
まず、図11のような流量分布において、噴霧量の多い点から、各点の噴霧量を順次積算してゆく。
すなわち、例えば、図11の例の場合、符号Saで示された点の噴霧量2.8が最も多く、符号Sbで示された点の噴霧量2.6が2番目に多く、符号Scで示された点の噴霧量2.4が3番目に多く、符号Sdで示された点の噴霧量2.2が4番目に多くなっており、以下、順に続くこととなる。
したがって、2.8+2.6+2.4+2.2・・・の如くに、順次噴流量を積算してゆき、その積算値が、全体噴霧流量の5%を超えた位置における噴霧流量を準最大流量と定義する。
すなわち、例えば、図11の例の場合、符号Saで示された点の噴霧量2.8が最も多く、符号Sbで示された点の噴霧量2.6が2番目に多く、符号Scで示された点の噴霧量2.4が3番目に多く、符号Sdで示された点の噴霧量2.2が4番目に多くなっており、以下、順に続くこととなる。
したがって、2.8+2.6+2.4+2.2・・・の如くに、順次噴流量を積算してゆき、その積算値が、全体噴霧流量の5%を超えた位置における噴霧流量を準最大流量と定義する。
図11の例においては、全体噴霧流量が200であるので、その5%を超えた位置とは、積算値が10となる位置である。すなわち、図11の例においては、積算の4番目の点、すなわち、符号Sdで示された点での積算値が10となり、この点での噴霧流量2.2が準最大流量とされる。
さらに、各点での噴霧量が、準最大流量の1/2、すなわち、図11の例の場合、1.1を超える位置を流量中間位置と定義する。本発明の実施の形態における燃料噴射弁20により得られるバタフライ状噴霧は、上述の流量中間位置を超える領域において、噴霧量が準最大流量2.2を超える2つの領域が形成され、この2つの領域をそれぞれ中心に形成される噴霧が結合状態となっているものと特徴づけられる。
なお、図12は、図11に示された噴霧流量の分布例について、X´軸の各点において、Y´軸上の各点の噴霧流量の積算値をグラフ化した例である。
さらに、各点での噴霧量が、準最大流量の1/2、すなわち、図11の例の場合、1.1を超える位置を流量中間位置と定義する。本発明の実施の形態における燃料噴射弁20により得られるバタフライ状噴霧は、上述の流量中間位置を超える領域において、噴霧量が準最大流量2.2を超える2つの領域が形成され、この2つの領域をそれぞれ中心に形成される噴霧が結合状態となっているものと特徴づけられる。
なお、図12は、図11に示された噴霧流量の分布例について、X´軸の各点において、Y´軸上の各点の噴霧流量の積算値をグラフ化した例である。
さらに、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20により得られるバタフライ状噴霧は、次述するような形状的特徴を有するものである。
まず、先の流量中間位置において、バタフライ状噴霧の外部との境界線を求めると、例えば、図13に示されたようになるが、この形状は、以下のような特徴を有するものとなっている。
まず、先の流量中間位置において、バタフライ状噴霧の外部との境界線を求めると、例えば、図13に示されたようになるが、この形状は、以下のような特徴を有するものとなっている。
測定用X´Y´平面に示されたバタフライ状噴霧の外部との境界線により示された形状は、大凡バタフライ状をなしている。
ここで、このバタフライ状の形状が、測定用Y´軸により2分されるそれぞれの領域の幾何学的な重心を結ぶ仮想線(図示せず)を想定し、この仮想線に対して垂直二等分線(図13において点線で表された縦線)を立てる。そして、この垂直二等分線(以下、便宜的に「幾何学的重心間仮想垂直二等分線」と称する)とバタフライ状噴霧の外部との境界線とが交差する点が、二点生ずるが、この二点間の距離をh1と定義する(図13参照)。
ここで、このバタフライ状の形状が、測定用Y´軸により2分されるそれぞれの領域の幾何学的な重心を結ぶ仮想線(図示せず)を想定し、この仮想線に対して垂直二等分線(図13において点線で表された縦線)を立てる。そして、この垂直二等分線(以下、便宜的に「幾何学的重心間仮想垂直二等分線」と称する)とバタフライ状噴霧の外部との境界線とが交差する点が、二点生ずるが、この二点間の距離をh1と定義する(図13参照)。
一方、測定用X´Y´平面において、先の幾何学的な重心を結ぶ仮想線に対して直交する仮想線と、バタフライ状噴霧の外部との境界線とが交差することによって生ずる交点の内、2つの交点間の、先の幾何学的重心を結ぶ仮想線に垂直な方向成分の距離が最も長いものをh2と定義した場合(図13参照)、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20により得られるバタフライ状噴霧は、h1/h2<1/2を満たすものとなっている。なお、h2を定める2つの交点は、幾何学的な重心を結ぶ仮想線に対して直交する同一の仮想線上に存在する必要はない。
またさらに、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20により得られるバタフライ状噴霧は、次述するような形状的特徴を有するものである。
まず、測定用X´Y´平面における先の2つの幾何学的重心を結ぶ仮想線を、測定用X´Y´平面において外挿し、この外挿した線と、バタフライ状噴霧の外部との境界線との2つの交点のX´軸上での位置を求めると、例えば、図14に示された如くとなる。なお、同図において、縦の点線は、先に図13で示された幾何学的重心間仮想垂直二等分線である。なお、図14においては、図上の線の交錯を避けるため、Y´軸は、その方向のみを示し、位置はずらして描かれている。
まず、測定用X´Y´平面における先の2つの幾何学的重心を結ぶ仮想線を、測定用X´Y´平面において外挿し、この外挿した線と、バタフライ状噴霧の外部との境界線との2つの交点のX´軸上での位置を求めると、例えば、図14に示された如くとなる。なお、同図において、縦の点線は、先に図13で示された幾何学的重心間仮想垂直二等分線である。なお、図14においては、図上の線の交錯を避けるため、Y´軸は、その方向のみを示し、位置はずらして描かれている。
図14において、b1は、バタフライ状噴霧の外部との境界線と上述の外挿線との交点の内、幾何学的重心間仮想垂直二等分線の左側に位置する交点と、幾何学的重心間仮想垂直二等分線との距離のX´軸方向成分である。また、b1rは、バタフライ状噴霧の外部との境界線と上述の外挿線との交点の内、幾何学的重心間仮想垂直二等分線の右側に位置する交点と、幾何学的重心間仮想垂直二等分線との距離のX´軸方向成分である。
一方、測定用X´Y´平面における噴霧流量分布(図11参照)について、X´軸方向の各点において、Y´軸方向の各点の噴霧流量を積算する(この積算値を、以下の説明の便宜上、「1次積算値」と称することとする)。さらに、X´軸において、噴霧流量の分布が零となる両側の外側から、噴霧流量分布が存在する方向に向かって上述の1次積算値を順次積算してゆく。
図15は、この積算結果をグラフ化したものを模式的に示した模式図である。なお、図15において、X´軸に垂直な中央の点線は、先の幾何学的重心を結ぶ仮想線の中点のX´軸上の位置に対応する線である。
図15は、この積算結果をグラフ化したものを模式的に示した模式図である。なお、図15において、X´軸に垂直な中央の点線は、先の幾何学的重心を結ぶ仮想線の中点のX´軸上の位置に対応する線である。
上述の1次積算値の積算は、二方向から行われるが、それぞれの積算値( 積算流量)の和(以下、説明の便宜上、「積算和」と称することとする)が、全体噴霧流量の0.1を超えるX´軸上の位置を、先の幾何学的重心を結ぶ仮想線の中心のX´軸上の位置からの距離として求める。
図15の例においては、積算和が0.1を超えた際の幾何学的重心を結ぶ仮想線の中点のX´軸の位置からの距離が、幾何学的重心間仮想垂直二等分線の左側にb2、幾何学的重心間仮想垂直二等分線の右側にb2rとして例示されている。
図15の例においては、積算和が0.1を超えた際の幾何学的重心を結ぶ仮想線の中点のX´軸の位置からの距離が、幾何学的重心間仮想垂直二等分線の左側にb2、幾何学的重心間仮想垂直二等分線の右側にb2rとして例示されている。
そして、本発明の実施の形態における燃料噴射弁20により得られるバタフライ状噴霧においては、上述のb1、b1rの位置は、b2、b2の位置よりも内側、換言すれば、幾何学的重心間仮想垂直二等分線寄りとなっている。
上述したような本発明の実施の形態におけるバラフライ状噴霧においては、先に述べたように各噴孔27からの噴霧が隣の噴孔27の噴霧と程良く干渉するため、噴霧同士に互いに引き合う流体力学的力が生じ、各噴霧の面積が拡大し、噴霧中の液適同士の飛翔中のぶつかり合いによる合体が減少して噴霧中の液適の平均粒径が小さくなるため、従来に比してさらなる微粒化がなされると考えられる。
上述したような本発明の実施の形態におけるバラフライ状噴霧においては、先に述べたように各噴孔27からの噴霧が隣の噴孔27の噴霧と程良く干渉するため、噴霧同士に互いに引き合う流体力学的力が生じ、各噴霧の面積が拡大し、噴霧中の液適同士の飛翔中のぶつかり合いによる合体が減少して噴霧中の液適の平均粒径が小さくなるため、従来に比してさらなる微粒化がなされると考えられる。
また、本発明の実施の形態におけるバラフライ状噴霧においては、先に述べたように各噴孔27からの噴霧が隣の噴孔27の噴霧と程良く干渉し、噴霧の先端部分で貫徹力を低減するような渦が生じるため、貫徹力が程良い大きさとなり、吸気管6(図1参照)内において内壁面への不要な燃料の付着が低減されるものと考えられる。
なお、上述した本発明の実施の形態においては、噴孔27が8個の場合を例に採り説明したが、これに限定されるものではなく、6個以上の偶数であれば、同様にバタフライ状の噴霧を得ることができる。
なお、上述した本発明の実施の形態においては、噴孔27が8個の場合を例に採り説明したが、これに限定されるものではなく、6個以上の偶数であれば、同様にバタフライ状の噴霧を得ることができる。
簡易な構成で、噴霧の微粒化と共に適切な貫徹力の噴霧が所望される燃料噴射弁に適する。
20…燃料噴射弁
23…オリフィスプレート
27−1〜27−8…噴孔
23…オリフィスプレート
27−1〜27−8…噴孔
Claims (8)
- 燃料噴射弁のオリフィスプレートに複数の噴孔を穿設し、前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置に、大凡バタフライ状の噴霧を停留形成可能に形成する噴霧形成方法であって、
前記オリフィスプレートにおいて、前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をX軸、このX軸に直交する前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をY軸、前記X軸及びY軸に対して直交する前記燃料噴射弁の中心軸をZ軸と、それぞれ定め、
前記複数の噴孔を、前記X、Y、及び、Z軸の交点、又は、前記複数の噴孔への燃料の流入を可能とする範囲で前記Y軸上の任意の点を中心とした円である噴孔配置円の同一円周上に6個以上偶数個で、前記Y軸を線対称軸として左右線対称に配設し、前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置に、大凡バタフライ状の噴霧を停留形成可能とし、
前記大凡バタフライ状の噴霧は、
前記オリフィスプレートの下流側において、前記X軸に平行する横軸をX´軸とし、前記Y軸に平行し前記Z軸と交わる縦軸をY´軸として、前記Z軸に垂直な平面を測定用X´Y´平面とし、前記測定用X´Y´平面において得られた前記測定用X´Y´平面の各点における噴霧量に基づいて、前記各点における噴霧量を、噴霧量の多い点から順次積算してゆき、その積算値が、全体噴霧流量の5%を超えた位置における噴霧流量を準最大流量と定義した場合に、前記各点における噴霧量が前記準最大流量の1/2となる流量中間位置で前記準最大流量を超える二つの領域を中心に形成される噴霧が結合状態であって、
前記大凡バタフライ状の噴霧の前記流量中間位置に対応する位置において、前記測定用X´Y´平面に現れる前記大凡バタフライ状の噴霧と外部との境界線と、前記境界線により形成される領域をY´軸により分割した二つの領域の幾何学的な重心を結ぶ仮想線に対する垂直二等分線とが交差する2つの交点間の距離をh1とする一方、前記幾何学的重心に対応する前記測定用X´Y´平面上の2つの点を結ぶ仮想線に対して直交する仮想線と、前記境界線とが交差する2つの交点間の前記幾何学的重心を結ぶ仮想線に垂直な方向成分の距離が最長のものをh2とした場合に、前記h2に対する前記h1の比が1/2未満で、かつ、
前記測定用X´Y´平面における噴霧流量分布に基づいて、前記X´軸上で噴霧流量を前記Y´軸方向に積算して、それを前記X´軸に沿って両側の外側から積算を行った際に、それぞれの積算量の和が、全体噴霧流量の0.1を超える前記X´軸の位置に対して、前記2つの幾何学的重心点に対応する前記測定用X´Y´平面上の2つの点を結ぶ仮想線を外挿した線と、前記測定用X´Y´平面における前記大凡バタフライ状の噴霧と外部との境界線との2つの交点の前記X´軸方向での位置が内側となるものであることを特徴とするバタフライ状噴霧形成方法。 - 前記複数の噴孔が8個以上であって、前記8個以上の噴孔を、前記Y軸を線対称軸として左右線対称に配設し、
前記線対称軸としてのY軸の一方の側における前記複数の噴孔について、
前記噴孔配置円の中心を通り、Y軸に対して直交すると共に、X軸に一致又は平行する仮想の副X軸の上下において、それぞれ、前記副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とし、前記Y軸に最も近接する噴孔を外側噴孔と規定した場合、
前記外側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートの内側面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は60度以上に設定し、前記内側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートが位置する平面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は20度以上で、かつ、前記内側噴孔のレイアウト角>(90度−前記外側噴孔のレイアウト角)を満たす角度に設定し、
前記仮想の副X軸の上側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角と、前記仮想の副X軸の下側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角は、それぞれにおける内側噴孔のレイアウト角を超え、かつ、外側噴孔のレイアウト角未満の間に設定し、
さらに、前記Y軸の一方の側における前記複数の噴孔を、それぞれの噴孔の中心軸が、前記Z軸方向に対して所定噴孔角を以て傾くように形成すると共に、それぞれの噴孔の中心軸を前記オリフィスプレートへ投影した線と前記副X軸とがなす捻り角は、それぞれの噴孔のレイアウト角より小さく設定してなることを特徴とする請求項1記載のバタフライ状噴霧形成方法。 - Y軸を線対称軸として、その左右それぞれにおいて、複数の噴孔は、隣接する噴孔の噴霧のみが干渉し合うように捻り角により調整可能とされてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバタフライ状噴霧形成方法。
- 前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置において形成される大凡バタフライ状の噴霧形状の、Y軸方向における広がりは、噴孔角によって調整可能とされてなることを特徴とする請求項3記載のバタフライ状噴霧形成方法。
- 二方向への燃料噴射を可能とする燃料噴射弁であって、
複数の噴孔が穿設されるオリフィスプレートにおいて、前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をX軸、このX軸に直交する前記オリフィスプレートの直径方向に沿う一つの軸をY軸、前記X軸及びY軸に対して直交する前記燃料噴射弁の中心軸をZ軸と、それぞれ定め、
前記複数の噴孔は、前記X、Y、及び、Z軸の交点、又は、前記複数の噴孔への燃料の流入を可能とする範囲で前記Y軸上の任意の点を中心とした円である噴孔配置円の同一円周上に8個以上、前記Y軸を線対称軸として左右線対称に配設され、
前記線対称軸としてのY軸の一方の側における前記複数の噴孔について、
前記噴孔配置円の中心を通り、Y軸に対して直交すると共に、X軸に一致又は平行する仮想の副X軸の上下において、それぞれ、前記副X軸に最も近接する噴孔を内側噴孔とし、前記Y軸に最も近接する噴孔を外側噴孔と規定した場合、
前記外側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートの内側面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は60度以上に設定され、前記内側噴孔の中心軸が前記オリフィスプレートが位置する平面と交差する点と前記噴孔配置円の中心とを結ぶ線と前記副X軸とがなすレイアウト角は20度以上で、かつ、前記内側噴孔のレイアウト角>(90度−前記外側噴孔のレイアウト角)を満たす角度に設定され、
前記仮想の副X軸の上側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角と、前記仮想の副X軸の下側における前記内側噴孔と前記外側噴孔とを除く残余の噴孔のレイアウト角は、それぞれにおける内側噴孔のレイアウト角を超え、かつ、外側噴孔のレイアウト角未満の間に設定され、
さらに、前記Y軸の一方の側における前記複数の噴孔は、それぞれの噴孔の中心軸が、前記Z軸方向に対して所定噴孔角を以て傾くように形成されると共に、それぞれの噴孔の中心軸を前記オリフィスプレートへ投影した線と前記副X軸とがなす捻り角は、それぞれの噴孔のレイアウト角より小さく設定されてなることを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置に、大凡バタフライ状の噴霧を停留形成可能にしたことを特徴とする請求項5記載燃料噴射弁。
- Y軸を線対称軸として、その左右それぞれにおいて、複数の噴孔は、隣接する噴孔の噴霧のみが干渉し合うように捻り角により調整可能とされてなることを特徴とする請求項6記載の燃料噴射弁。
- 前記複数の噴孔の下流側において、前記オリフィスプレートを臨む位置において形成される大凡バタフライ状の噴霧形状の、Y軸方向における広がりは、噴孔角によって調整可能とされてなることを特徴とする請求項7記載の燃料噴射弁。
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