JP2012122845A - クロマトグラムシミュレーション方法、システム、およびプログラム、ゲルろ過カラムの設計方法、並びにシミュレーション結果の評価方法 - Google Patents

クロマトグラムシミュレーション方法、システム、およびプログラム、ゲルろ過カラムの設計方法、並びにシミュレーション結果の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】mFGCに必要なカラムの設計パラメータと分析条件を求めることができるクロマトグラムシミュレーション方法を提供する。
【解決手段】カラムの最小機能単位の容積vuを充填剤のサイズに基づいて設定(S2)し、移動相容積v0u、固定相容積viu、及びタンパク質が入り込める固定相中の容積vipを、容積vuに基づいて設定(S3)し、カラムに流す液量dVを移動相容積v0uに基づいて設定(S5)し、試料の液量Vsを最小機能単位の積層数m及び移動相容積v0uに基づいて設定(S6)し、カラムに適用する総液量Vmaxを積層数m、移動相容積v0u、及び容積vipに基づいて設定(S7)し、これらの値と試料の総タンパク質濃度P0、総リガンド濃度C0、解離定数Kdとを用いて、各移動相の総タンパク質量QP、総リガンド量QL、総タンパク質濃度Pt、及び総リガンド濃度Ltを計算して求める(S8〜S11)。
【選択図】図8

Description

本発明はフロンタルゲルろ過法クロマトグラフィーに関し、より詳細には、微量の試料でフロンタルゲルろ過法を行うのに必要なミクロゲルろ過カラムの設計パラメータと分析条件を求めることができるクロマトグラムシミュレーション方法、システム、およびプログラムと、ゲルろ過カラムの設計方法と、当該設計パラメータに基づいて作製したカラムを評価する方法とに関する。
タンパク質と低分子化合物(以下、リガンドともいう)との分子間相互作用を、タンパク質およびリガンドのどちらに対してもラベルやセンサー表面への固定など行わずに測定する方法のうち、タンパク質に結合しているリガンドの分子数とタンパク質に結合していないリガンド(以下、遊離型リガンドともいう)の濃度とを一回の測定だけで測定できる方法は、透析平衡法、限外ろ過法及びフロンタルゲルろ過法である。この3種の方法の中で、予め指定したタンパク質およびリガンドの濃度を変えることなく測定を行えるのは、フロンタルゲルろ過法だけである。透析平衡法および限外ろ過法は、リガンドのみが透過できる膜を使用するので、微量の試料では膜の持つ容積が相対的に大きくなり、膜へのリガンドの吸着・分配のため正確な測定が原理的に困難である。一方、フロンタルゲルろ過法は、タンパク質をセンサーチップに固定し、リガンドの結合に伴うセンサーチップの物性変化を測定することで相互作用を間接的に測定する各種方法に比べて、測定に必要な試料の量が多いことが欠点となり、その普及が阻まれてきた。
ゲルろ過クロマトグラフィー ゲルろ過クロマトグラフィーでは流体力学的に大きい分子ほど速く移動する。そして、多孔性充填剤を均質に詰めたカラムを利用し、多孔性充填剤の孔領域にどれだけ入り込めるかは高分子の大きさ(ストークス半径)で決まる。カラム内部で充填剤の外にある部分を移動相といい、充填剤の孔の内部はカラムの入り口から出口への正味の流れがなく固定相という。高分子が孔領域(固定相領域)にどれだけ入り込めるかで高分子のカラム移動速度が決まり、ストークス半径が小さい高分子ほど固定相に寄り道し、カラム移動相度が遅くなる。
ゲルろ過クロマトグラフィーは、高分子の混合液から特定の高分子のみを精製する目的で通常は使用する。試料中の各高分子は、ゲルろ過カラムに注入した時点での試料の幅よりも必ず広がってカラムから溶出する。そのため、試料はできるだけ濃縮して少ない容積にし(カラム容積の50分の1以下)、カラムに注入する。精製目的には、大きさの異なる成分ができるだけ離れて溶出し、かつ各ピークの広がりが小さいほど良い。高分子成分間の分離をできるだけ良くするため、ミクロカラムは不適で、小型のカラムでも内径が4.6 mm以上で長さが30 cm程度のものが使われる(カラム容量は少なくとも数ミリリットルある)。
フロンタル解析(前端分析、frontal analysis、frontal chromatography) 2〜3種類程度のみの成分からなる混合液が多量にあり、各成分の移動速度が異なるカラムが存在するとする。上記のカラムにこの混合液を連続的に流し続けると、一番早く移動する成分が、元の混合液での濃度のまま単独で溶出してくる。2番目に早く移動する成分が溶出し始めるまでは、一番速く移動する成分のみの溶出が続く。以上のような方法で、多量にある試料から特定の成分のみを元の濃度のまま取り出す方法をフロンタル分析という。
フロンタル分析の実用例:タンパク質溶液の脱塩 1 mL程度のタンパク質試料に対し、それに含まれる塩化ナトリウムなどの塩を除去する目的で、脱塩用のゲルろ過カラムが市販されている(例えば、GEヘルスケアのHiTrap Desalting)。カラムには、タンパク質のような高分子が全く入り込めない小さな孔を持つ多孔性充填剤が、約5 mL詰められている。ナトリウムイオンのような小さなイオンや低分子有機化合物は、この小さな孔の隅々まで入り込める。カラムに1 mL程度のタンパク質試料を流すと、あまり希釈されずにタンパク質が溶出し、塩類は十分に遅れて溶出する。
フロンタル分析の実用例:フロンタルゲルろ過クロマトグラフィー(FGC) タンパク質と低分子リガンドとの結合反応を直接調べるには、遊離型リガンドの平衡濃度の測定が必要である。FGC法では、ゲルろ過カラムを用いて反応液のフロンタル分析を行う。その際、反応液をカラムに流し続けるのでなく、一定量がカラムに流し込まれた後、緩衝液による溶出に切り替える。その結果、クロマトグラムの後端に、元の濃度のままの遊離型リガンドを純粋に取り出すことができる。もちろん、クロマトグラムの前端には、元の濃度のままのタンパク質が取り出される。両者の間に、元の反応液が台形部分としてそのまま取り出される。反応液の遊離型リガンド濃度は、FGCで得られる後端の台形部分のリガンド濃度を測定するだけで分かる。
結合反応をする試料のフロンタル解析を行い、クロマトグラムの後端に元の反応液の平衡濃度のまま遊離型リガンドのみを取り出すためには、以下の条件が必要である。(1)タンパク質の方が低分子リガンドよりも速くカラムを移動する。(2)タンパク質の移動速度はリガンドが結合しても変わらない。(3)カラムの分離メカニズムが機能するために必要な時間スケールに対して結合反応速度が速く、カラムの局所で結合反応が平衡状態にある。ほとんどの試料に対して上記の条件を満たすのは、ゲルろ過カラムを分析に用いるフロンタルゲルろ過クロマトグラフィー(FGC)だけである(キャピラリー電気泳動によるフロンタル解析例もあるが、ごく限られたリガンドにしか適応できない)。
フロンタル解析では、元の試料がそのまま溶出するまで、試料をカラムに連続的に流す。そのため、分析に使うカラム容積の数倍量の試料が必要である。微量の試料でフロンタル解析ができないと、優れた特徴があっても実用性がない。本発明者らは、従来の十分の1のサンプル量(1-2.5 ml)でフロンタルクロマトグラムが得られたことを以前報告している(非特許文献1及び2)。
また、非特許文献3では、A+B=C型の相互作用をする系に対するFGCの理論クロマトグラムを計算したことが報告されている。
M. Honjo, T. Ishida, and K. Horiike, J. Biochem., 122, 258-263(1997) O. Sawada, T. Ishida, and K. Horiike, J. Biochem., 129, 899-907(2001) JR. Cann, and DJ. Winzor, Arch. Biochem. Biophys., 256, 78-89(1987)
FGCを超微量の試料で行うには、ミクロサイズのゲルろ過カラムが必要である。100マイクロリットル以下の微量試料でフロンタル解析を行うには、分析カラムを小さくする、すなわちカラム容量が100マイクロリットル未満のミクロカラムを使う必要がある。
ミクロフロンタルゲルろ過法(mFGC法)では、内径が1 mm以下のミクロゲルろ過カラムを用い、100マイクロリットル以下の微量試料を、図1に示すように、3つの部分に分離する。
・中央の2で示す台形部分では、元の試料がそのまま溶出している(希釈も濃縮もされず)。
・前端部分の1で示す部分では、タンパク質が元の濃度のまま溶出している。
・後端の3で示す台形部分では遊離型の低分子のみが溶出し、その濃度は元の試料における遊離型低分子の平衡濃度と等しい。
mFGC法ではこのような微量試料の前処理を簡単に行うことができ、以下の利点がある。
・試料中の遊離型リガンド濃度を直接求めることができる。
・試料に複数のリガンドが含まれる場合、タンパク質と強く結合するリガンドほど、3よりも1に多く出現するので、強結合型リガンドを簡単にスクリーニングできる。
・3にはタンパク質が含まれないので、質量分析などによるリガンドの解析が簡単にできる。
これらの特徴があるので、mFGC法は、分子間相互作用の直接測定だけでなく、薬物動態解析・創薬・新規バイオマーカー探索にも極めて効果的な試料前処理法である。
しかし、ミクロゲルろ過カラムでのFGC(mFGC)に用いるためのカラムの設計指針や実験装置の構築方法や実験方法の評価をするための客観的な方法は、現在存在していない。通常のゲルろ過クロマトグラフィーは、タンパク質の精製やタンパク質試料の脱塩や緩衝液交換が目的であるので、従来のカラムの評価方法や実験指針はmFGCには役に立たない。更に、非特許文献3に記載の方法も、具体的にmFGC実験を行うために役立つシミュレーションができる方法ではない。
そこで、本発明は、シミュレーションモデルに基づいて予測クロマトグラムを得ることができ、mFGCに必要なカラムのミニマムサイズと試料量と流速とを決定することができるクロマトグラムシミュレーション方法、システム、およびプログラム、並びにゲルろ過カラムの設計方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、当該クロマトグラムシミュレーション方法により求めたカラムの設計パラメータに基づいて作製したカラムを、実際の試料を用いて評価する方法を提供することを目的とする。
上記目的の達成のために、本発明に係るフロンタルゲルろ過クロマトグラムのシミュレーション方法は、演算装置および記録部を備えるコンピュータにおいて、ミクロゲルろ過カラムを用いるフロンタル法におけるクロマトグラムのシミュレーション方法であって、前記演算装置が、移動相および固定相を有するゲルろ過カラムの充填剤のサイズrgを設定する第1のステップと、前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積vuを、前記充填剤の前記サイズrgに基づいて設定する第2のステップと、前記ゲルろ過カラムの分離特性である、移動相容積v0u、固定相容積viu、およびタンパク質が入り込める前記固定相中の容積vipを、前記最小機能単位の前記容積vuに基づいて設定し、且つ、リガンドの前記充填剤への可逆的な結合を意味する係数ngとKgまたはkを設定する第3のステップと、前記ゲルろ過カラムにおける前記最小機能単位の積層数mを設定する第4のステップと、1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量dVを、前記移動相容積v0uに基づいて、前記移動相容積v0u未満の値に設定する第5のステップと、前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量Vsを、前記積層数mおよび前記移動相容積v0uに基づいて設定する第6のステップと、前記ゲルろ過カラムに適用する総液量Vmaxを、前記積層数m、前記移動相容積v0u、および前記タンパク質が入り込める前記固定相中の前記容積vipに基づいて設定する第7のステップと、前記試料の総タンパク質濃度P0および前記試料の総リガンド濃度C0を設定する第8のステップと、前記タンパク質および前記リガンドの結合反応に対する解離定数Kdを設定する第9のステップと、前記移動相の総タンパク質濃度Pt、総タンパク質量QP、前記移動相の総リガンド濃度Lt、および総リガンド量QLの初期値を設定し、且つ、第1番目の前記最小機能単位から順番に、1番目の前記最小機能単位については、前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が続いている間は、
総タンパク質量QP=QP(1)+P0×dV−Pt(1)×dV
総リガンド量QL =QL(1)+C0×dV−Lt(1)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が完了した後は、
総タンパク質量QP=QP(1)−Pt(1)×dV
総リガンド量QL =QL(1)−Lt(1)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記全タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、i(iは2以上の自然数)番目の前記最小機能単位については、
総タンパク質量QP=QP(i)+Pt(i−1)×dV−Pt(i)×dV
総リガンド量QL =QL(i)+Lt(i−1)×dV−Lt(i)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、1番目の前記最小機能単位およびi番目の前記最小機能単位について、新しい移動相の前記総タンパク質濃度Ptおよび前記総リガンド濃度Ltを、
Figure 2012122845
および
Figure 2012122845
に基づいて計算する第10のステップと、溶出容積、溶出液の総タンパク質濃度、溶出液の総リガンド濃度に基づいて、予測クロマトグラムを得る第11のステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るクロマトグラムのシミュレーションシステムは、演算装置および記録部を備え、フロンタルゲルろ過法におけるクロマトグラムをシミュレーションするシステムであって、前記演算装置が、移動相および固定相を有するゲルろ過カラムの充填剤のサイズrgを設定する第1のステップと、前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積vuを、前記充填剤の前記サイズrgに基づいて設定する第2のステップと、前記ゲルろ過カラムの分離特性である、移動相容積v0u、固定相容積viu、およびタンパク質が入り込める前記固定相中の容積vipを、前記最小機能単位の前記容積vuに基づいて設定し、且つ、リガンドの前記充填剤への可逆的な結合を意味する係数ngとKgまたはkを設定する第3のステップと、前記ゲルろ過カラムにおける前記最小機能単位の積層数mを設定する第4のステップと、1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量dVを、前記移動相容積v0uに基づいて、前記移動相容積v0u未満の値に設定する第5のステップと、前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量Vsを、前記積層数mおよび前記移動相容積v0uに基づいて設定する第6のステップと、前記ゲルろ過カラムに適用する総液量Vmaxを、前記積層数m、前記移動相容積v0u、および前記タンパク質が入り込める前記固定相中の前記容積vipに基づいて設定する第7のステップと、前記試料の総タンパク質濃度P0および前記試料の総リガンド濃度C0を設定する第8のステップと、前記タンパク質および前記リガンドの結合反応に対する解離定数Kdを設定する第9のステップと、前記移動相の総タンパク質濃度Pt、総タンパク質量QP、前記移動相の総リガンド濃度Lt、および総リガンド量QLの初期値を設定し、且つ、第1番目の前記最小機能単位から順番に、1番目の前記最小機能単位については、前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が続いている間は、
総タンパク質量QP=QP(1)+P0×dV−Pt(1)×dV
総リガンド量QL =QL(1)+C0×dV−Lt(1)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が完了した後は、
総タンパク質量QP=QP(1)−Pt(1)×dV
総リガンド量QL =QL(1)−Lt(1)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、i(iは2以上の自然数)番目の前記最小機能単位については、
総タンパク質量QP=QP(i)+Pt(i−1)×dV−Pt(i)×dV
総リガンド量QL =QL(i)+Lt(i−1)×dV−Lt(i)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、1番目の前記最小機能単位およびi番目の前記最小機能単位について、新しい移動相の前記総タンパク質濃度Ptおよび前記総リガンド濃度Ltを、
Figure 2012122845
および
Figure 2012122845
に基づいて計算する第10のステップと、溶出容積、溶出液の全タンパク質濃度、溶出液の全リガンド濃度に基づいて、予測クロマトグラムを得る第11のステップと、を実行することを特徴とする。
また、本発明に係るクロマトグラムのシミュレーションプログラムは、演算装置および記録部を備えるコンピュータにおいて、フロンタルゲルろ過法におけるクロマトグラムをシミュレーションするプログラムであって、前記コンピュータに、移動相および固定相を有するゲルろ過カラムの充填剤のサイズrgを設定する第1の機能と、前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積vuを、前記充填剤の前記サイズrgに基づいて設定する第2の機能と、前記ゲルろ過カラムの分離特性である、移動相容積v0u、固定相容積viu、およびタンパク質が入り込める前記固定相中の容積vipを、前記最小機能単位の前記容積vuに基づいて設定し、且つ、リガンドの前記充填剤への可逆的な結合を意味する係数ngとKgまたはkを設定する第3の機能と、前記ゲルろ過カラムにおける前記最小機能単位の積層数mを設定する第4の機能と、1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量dVを、前記移動相容積v0uに基づいて、前記移動相容積v0u未満の値に設定する第5の機能と、前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量Vsを、前記積層数mおよび前記移動相容積v0uに基づいて設定する第6の機能と、前記ゲルろ過カラムに適用する総液量Vmaxを、前記積層数m、前記移動相容積v0u、および前記タンパク質が入り込める前記固定相中の前記容積vipに基づいて設定する第7の機能と、前記試料の総タンパク質濃度P0および前記試料の総リガンド濃度C0を設定する第8の機能と、前記タンパク質および前記リガンドの結合反応に対する解離定数Kdを設定する第9の機能と、前記移動相の総タンパク質濃度Pt、総タンパク質量QP、前記移動相の総リガンド濃度Lt、および総リガンド量QLの初期値を設定し、且つ、第1番目の前記最小機能単位から順番に、1番目の前記最小機能単位については、前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が続いている間は、
総タンパク質量QP=QP(1)+P0×dV−Pt(1)×dV
総リガンド量QL =QL(1)+C0×dV−Lt(1)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が完了した後は、
総タンパク質量QP=QP(1)−Pt(1)×dV
総リガンド量QL =QL(1)−Lt(1)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、i(iは2以上の自然数)番目の前記最小機能単位については、
総タンパク質量QP=QP(i)+Pt(i−1)×dV−Pt(i)×dV
総リガンド量QL =QL(i)+Lt(i−1)×dV−Lt(i)×dV
の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、1番目の前記最小機能単位およびi番目の前記最小機能単位について、新しい移動相の前記総タンパク質濃度Ptおよび前記総リガンド濃度Ltを、
Figure 2012122845
および
Figure 2012122845
に基づいて計算する第10の機能と、溶出容積、溶出液の総タンパク質濃度、溶出液の総リガンド濃度に基づいて、予測クロマトグラムを得る第11の機能と、を実現させることを特徴とする。
また、本発明に係るゲルろ過カラムの設計方法は、ゲルろ過カラムの設計パラメータと分析条件とを求める方法であって、ゲルろ過カラムの設計パラメータおよび分析条件を入力値として、結合反応系のモデルに基づいてクロマトグラムのシミュレーションを行い、前記分析条件または前記モデルのいずれかを変えて前記クロマトグラムのシミュレーションを繰り返し行うことで、前記ゲルろ過カラムの前記設計パラメータの最適な値を求め、前記設計パラメータが、前記ゲルろ過カラムの充填剤のサイズと、前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積と、前記最小機能単位の分離特性と、前記最小機能単位の積層数とを含み、前記分析パラメータが、1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量と、前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量と、前記ゲルろ過カラムに適用する総液量とを含み、前記モデルが、前記試料の総タンパク質濃度および前記試料の総リガンド濃度と、タンパク質およびリガンドの結合反応に対する解離定数と、前記リガンドおよび前記充填剤の相互作用とに基づくことを特徴とする。
また、本発明に係るゲルろ過カラムの評価方法は、本発明に係るクロマトグラムのシミュレーション方法、システムおよびプログラム、のいずれかにより得た設計パラメータに基づいて作製したゲルろ過カラムを評価する方法であって、リガンドのみを含む第1の試料の第1のクロマトグラムを測定する第1のステップと、タンパク質のみを含む第2の試料の第2のクロマトグラムを測定する第2のステップと、前記ゲルろ過カラムの容積に占める移動相の比率と固定相の比率とを計算する第3のステップと、前記タンパク質および前記リガンドの混合液の第3のクロマトグラムを測定する第4のステップと、前記第2のクロマトグラムおよび前記第3のクロマトグラムの間の前記タンパク質の溶出パターンと、前記第3のクロマトグラムから前記第1のクロマトグラムを引き算した差クロマトグラムとに基づいて、前記設計パラメータの妥当性を判断する第5のステップと、を含むことを特徴とする。
本発明のクロマトグラムシミュレーション方法、システム、またはプログラムによると、シミュレーションモデルに基づいて予測されたクロマトグラムを得ることができる。また、カラムサイズ、流速、及び最低必要試料量を得ることができ、ミクロフロンタルゲルろ過法の分析カラム設計と分析装置の設計と実験条件の最適化とが可能になる。
すなわち、既に実現されているよりもさらに微量試料でのFGCが、既に市販されている充填剤を用いても実現できる可能性を示すことができ、タンパク質−タンパク相互作用を含むFGCの適用対象を拡大するために必要な充填剤の開発目標を、定量的に指示することができる。
また、本発明のゲルろ過カラムの評価方法によると、本発明のクロマトグラムシミュレーション方法、システム、またはプログラムにより得た設計パラメータに基づいて作製したゲルろ過カラムを評価することができる。
典型的なmFGCのクロマトグラムを示す図である。 本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法において用いるカラムの最小機能単位を説明するための図である。 カラムの最小機能単位間でのタンパク質およびリガンドの移動モデルを示す図である。 カラムの最小機能単位間でのタンパク質およびリガンドの移動モデルを示す図である。 カラムの最小機能単位間でのタンパク質およびリガンドの移動モデルを示す図である。 本発明の実施形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法を行うコンピュータ・システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法を用いてカラムの設計パラメータと分析情報とを求める方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法の処理順序を示すフローチャートである。 ミクロフロンタルゲルろ過法を行う装置構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るクロマトグラムシミュレーションにより予想したクロマトグラムの一例である。 本発明の実施形態に係るクロマトグラムシミュレーションにより予想したクロマトグラムの一例である。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法に関して、まず(I)において、シミュレーションにおける数学的な関係を説明する。次に(II)において、フローチャートを参照して、シミュレーション方法の処理内容を説明する。その後(III)において、当該クロマトグラムシミュレーション方法により求めたカラムの設計パラメータに基づいて作製したカラムを、実際の試料を用いて評価する方法について説明する。
(I)シミュレーションにおける数学的な関係
図2〜図5は、本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法において用いる、カラムの最小機能単位(Minimum Functional Unit:MFU)の概念を説明するための図である。
図2に、カラムの最小機能単位の内容を示す。図2中、総容積をvu、移動相容積をv0u、固定相容積をviu、固定相中のタンパク質が入り込める容積をvipで示すと、1で示す領域が、遊離型タンパク質、遊離型リガンド、タンパク質−リガンド複合体(結合型リガンド)のすべてが存在する容積v00(=v0u+vip)であり、2で示す領域が、遊離型リガンドのみが存在する容積である。
MFUからMFUへのタンパク質やリガンドの移動は、移動相の移動に伴ってのみ起こる。次に、この移動を記述するための基本変数とその変数間の関係について説明する。
(1)MFU間でのタンパク質およびリガンドの移動モデル
本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法では、溶出が容積dVだけ進む際の、MFU間でのタンパク質およびリガンドの移動モデルを導入する。
(1.1)i番目の(i≧2)MFUについて
i番目のMFUについては、図3に示す関係が成立する。図3中、QP(i)は、i番目のMFUに存在する総タンパク質の量(pmol)であり、QL(i)は、i番目のMFUに存在する総リガンドの量(pmol)であり、Pt(i)は、i番目のMFUの移動相中の総タンパク質濃度(μmol/L)であり、Lt(i)は、i番目のMFUの移動相中の総リガンド濃度(μmol/L)である。
容積dVだけ溶出が進むと、i番目のMFUには、(i−1)番目のMFUからPt(i−1)×dV pmolのタンパク質と、Lt(i−1)×dv pmolのリガンドとが流入する。一方、i番目のMFUからは、Pt(i)×dV pmolのタンパク質とLt(i)×dV pmolのリガンドとが流出する。その結果、i番目のMFUに存在する全タンパク質と全リガンドの量は以下のようになる。
総タンパク質量 = QP(i) + Pt(i−1)×dV − Pt(i)×dV
総リガンド量 = QL(i) + Lt(i−1)×dV − Lt(i)×dV
(1.2)カラムの入り口にある最初のMFU(第1番目のMFU)について
カラムへの試料の流入が続いている間は、図4に示す関係が成立する。カラムへの試料の注入が完了し、緩衝液による送液に変わった後では、図5に示す関係が成立する。
図4および図5中、QP(1)は、1番目のMFUに存在する総タンパク質の量(pmol)であり、QL(1)は、1番目のMFUに存在する総リガンドの量(pmol)であり、Pt(2)は、2番目のMFUの移動相中の総タンパク質濃度(μmol/L)であり、Lt(2)は、2番目のMFUの移動相中の総リガンド濃度(μmol/L)である。ここで、P0は、試料の総タンパク質濃度(μmol/L)であり、C0は、試料の総リガンド濃度(μmol/L)である。
図4を参照して、dVだけ溶出が進むと、1番目のMFUには、試料液からP0×dV pmolのタンパク質と、L0×dv pmolのリガンドとが流入する。一方、1番目のMFUからは、Pt(1)×dV pmolのタンパク質とLt(1)×dV pmolのリガンドとが流出する。その結果、1番目のMFUに存在する総タンパク質と総リガンドの量は次のようになる。
総タンパク質量 = QP(1) + P0×dV − Pt(1)×dV
総リガンド量 = QL(1) + C0×dV − Lt(1)×dV
図5を参照して、dV溶出が進むと、1番目のMFUには、もはやタンパク質もリガンドも流入しない。一方、1番目のMFUからは、Pt(1)×dV pmolのタンパク質とLt(1)×dV pmolのリガンドとが流出する。その結果、1番目のMFUに存在する総タンパク質と総リガンドの量は次のようになる。
総タンパク質量 = QP(1) − Pt(1)×dV
総リガンド量 = QL(1) − Lt(1)×dV
以上、図2〜図5を参照して説明したように、容積dVだけさらに溶出が進んだ後の、各MFUに存在するタンパク質の総量とリガンドの総量とを計算するには、
・各MFUに存在するタンパク質の総量QP(i)
・各MFUに存在するリガンドの総量QL(i)
・各MFUの移動相の総タンパク質濃度Pt(i)
・各MFUの移動相の総リガンド濃度Lt(i)
が予め分かっていれば良いことがわかる。
(2)MFUの移動相の総タンパク質濃度Ptおよび総リガンド濃度Ltの計算
MFUに存在するタンパク質の総量QPとリガンドの総量QLとが分かると、そのMFUの移動相の総タンパク質濃度Ptと総リガンド濃度Ltとを計算できる。なお、以下では、あらゆる種類の結合反応系を取り扱えるように、タンパク質とリガンドとの結合反応について、最も一般的な反応式で考えることにする。
・タンパク質にはリガンドに対するn個の結合部位があるものとする。すなわち、1分子のタンパク質に最大n個までのリガンド分子が結合できるとする。結合部位の間に協同性がある場合も含まれる以下の形式0aで、この多重結合系を表現する。
Figure 2012122845
以上の式で、Kはi番目の結合反応の平衡定数で、イタリックで書いた文字は対応する成分のモル濃度(単位はμmol/Lとする)を表す。
・この結合平衡系において、タンパク質の総濃度Ptと遊離型タンパク質濃度Pおよび遊離型リガンド濃度Lとの間には以下の関係式が成立する。
Figure 2012122845
また、リガンド総濃度LtとPtとLとの間には以下の関係式が成立する。
Figure 2012122845
・MFUにおいて、タンパク質は移動相(容積v0u)と固定相内の入り込める領域(容積vip)に、リガンドの結合状態に関係なく、自由に分布できると考えているので、この両者を合わせた容積(v0u+vip)の領域で、タンパク質の総濃度Ptは一定である。従って、MFUのタンパク質の総量QPとPtとの間には以下の関係が成立する。
Figure 2012122845
この式から、QPからPtが簡単に求められる。
・本実施の形態に係るシミュレーションでは、リガンドと充填剤自体との可逆的な吸着を次のように考えて取り扱う。すなわち、MFUの充填剤は合計nピコモル(pmo)lのリガンド結合部位を持ち、これらの部位は互いに独立でかつ等価であると考える。この時、遊離型リガンド濃度Lと充填剤に結合したリガンド量Lbg(単位はpmol)との間には次の関係式が成立する。
Figure 2012122845
ここでKは充填剤の各結合部位への結合反応に対する解離定数(単位はμmol/L)である。
・MFUにおいて、リガンドは、移動相(容積v0u)とタンパク質が入り込める固定相内の領域(容積vip)においては、あらゆる結合状態で存在でき、固定相内のタンパク質が入り込めない領域(容積はviu−vip)では遊離型でのみ存在する。従って、MFUの総リガンド量は、充填剤に結合しているもの加えることで、以下の式で与えられる。
Figure 2012122845
この式に、先ほど導いた式3aを代入すると、次の式が得られる。
Figure 2012122845
式7aはLの多次元方程式である。
式4aと式7aを用いることで、MFUの総タンパク質量QPと総リガンド数QLとから、MFUの移動相の総タンパク質濃度Ptと総リガンド濃度Ltとを計算できる。式7aは通常の多次元方程式の解法(ニュートン法など)を用いて解くことができる。
・最も単純な結合反応、1:1の結合反応で、しかも、リガンドと充填剤との相互作用が比較的弱く、式5aでK≫Lと考えていい場合には、式7aは、非常に簡単な以下の式になる。
Figure 2012122845
ここで、k=n/K。方程式9aはLの2次方程式なので、簡単に解くことができる。後述する(II)シミュレーション方法の処理内容、および実施例に添付するプログラムの一例では、この一番簡単な系を扱っている。
以上説明した(1)の移動モデルおよび(2)の計算に基づいて、本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法では、次の特徴1)〜特徴5)に示す事項をシミュレーションに導入している。
特徴1) カラムの最小機能単位(MFU)の概念の導入。
・実際の充填剤の直径を基に、充填剤をカラムに均一に充填可能な最小の厚さとして充填剤粒子の直径の50倍を想定する(実際にはカラムの充填技術によってこの厚みは決まる)。
・最小機能単位には少なくとも数万個以上のゲル粒子が収まるようにし、通常のキャピラリーHPLC装置の流路容積を考慮して、MFUの移動相容積が数十ナノリットル以上となるようにMFUの直径(=カラムの内径)を設定する。
特徴2) カラムは直列した最小機能単位で構成され、ひとつのMFUから隣のMFUへの物質の移動はMFUの移動相溶液の移動のみで起こる。
・カラムは少なくとも200以上のMFUが直列していると想定。
・FGCではクロマトグラムの立ち上がりや下がりの形そのものは問題にせず、台形部分を用いる。この領域では各物質の濃度は一定であるので、軸方向への濃度勾配による物質の拡散を無視できる。
特徴3) 計算の上の1単位時間(デフォルトでは2秒)の溶出液量を最小機能単位の移動相の容積を基準に設定。
・最小機能単位の移動相の容積以下であればよく、デフォルトではその80%に設定
特徴4) 充填剤と低分子リガンドとの間に可逆的な吸着が存在する場合も取り扱えるように設定している。
特徴5) タンパク質が固定相の一部に浸透できる場合も取り扱えるように設定している。
・例えば血清アルブミンはSuperdex Peptideでは移動相のみに局在するが、TSKgel SuperSW2000では固定相の約30%に浸透できる。
(II)シミュレーション方法の処理内容
図6は、本発明の実施形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法を行うコンピュータ・システムの概略構成を示すブロック図である。実施形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法を行うコンピュータ・システム1(以下、単に、コンピュータ1とも記す)は、後述するデータの演算を行うCPU10と、演算の作業領域に使用するメモリ11と、演算データを記録する記録部12と、各部の間でデータを伝送するバス13と、外部機器とのデータの入出力を行うインタフェース部14(以下、I/F部と記す)とを備えている。なお、図6では記載を省略しているが、コンピュータが通常備えている操作手段(キーボード等)や表示手段(ディスプレイ等)も備えている。
以下の説明においては、特に断らない限り、コンピュータ1が行うクロマトグラムシミュレーション方法として説明する。また、コンピュータ1が行う処理は、実際にはコンピュータ1のCPU10が行う処理を意味する。CPU10はメモリ11を作業領域として必要なデータ(処理途中の中間データ等)を一時記憶し、記録部12に演算結果等の長期保存するデータを適宜記録する。また、コンピュータ1は、以下で説明するステップS1〜S11の処理を行うために使用するプログラムを、例えば実行形式(例えば、C言語等のプログラミング言語からコンパイラにより変換されて生成される)で記録部12に予め記録しており、コンピュータ1は、記録部12に記録したプログラムを使用して処理を行う。
本発明の実施形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法において使用する入力パラメータは次の通りである。
・使用する充填剤粒子の直径rg
・総カラム容積に占める移動相の容積(充填剤の外の容積)の比率rout
・総カラム容積に占める固定相の容積(充填剤の細孔の容積)の比率rin
・総固定相容積に占める分析対象タンパク質が浸透可能な領域の比率rip
これら4つのパラメータが、ゲルろ過カラム自体の基本パラメータである。それ以外は、分析するタンパク質の大きさ、分析するリガンドと充填剤との吸着相互作用の程度で決まるので、以下で説明するシミュレーションでは、図7に示すように、これらのパラメータをいろいろに変えて調べる。また、試料の添加量や総溶出量などもデフォルト値から自由に変えてクロマトパタンを調べる。インタラクティブにシミュレーションできることが重要である。
上記した4つの入力パラメータのうち、充填剤粒子の直径rgについては、市販のゲルろ過用充填剤については添付されているデータシートの値を使用することができる。移動相の容積の比率rout、固定相の容積の比率rin、および分析対象タンパク質が浸透可能な領域の比率ripについては、市販のカラムに添付される標準タンパク質の分析データから予め読み取って、使用することができる。
また、本発明の実施形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法により得られる出力パラメータは次の通りである。
・カラムサイズ
・流速
・最低必要試料量
・予測クロマトグラム
図8は、本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法の処理を示すフローチャートである。以下、本発明の実施の形態に係るクロマトグラムシミュレーション方法の処理の構成について、図8に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
ステップS1において、充填材の直径を設定する。充填剤の直径rg[単位:mm]は、市販のゲルろ過用充填剤に添付されているデータシートに記入されている値を使用する。コンピュータ1は、入力された充填剤の直径rgを記録する。コンピュータ1への値の入力は、例えばオペレータが操作手段を用いて入力する。或いは、操作手段を用いない例として、例えば、コンピュータ1が、入力値が記録されたデータファイルを予め記録部12に記録しておき、各ステップの処理において、コンピュータ1が、データファイルに記録した入力値を記録部12から適宜読み込んで使用してもよい。
ステップS2において、最小機能単位(MFU)の容積を設定する。MFUのサイズとして直径をru[単位:mm]、長さをlu[単位:mm]とすると、コンピュータ1は、例えばデフォルト値として、直径ru=50rg、長さlu=50rgを記録する。このデフォルト値は、上記した特徴1)に基づく。使用するカラムの内径や長さがあらかじめ決まっている場合はそれらの値を入力する。そして、コンピュータ1は、MFUの容積vu[単位:μL]を計算して記録する。容積vuは、例えばvu=π・ru・ru・lu/4から求める。
ステップS3において、MFUの分離特性を設定する。移動相容積をv0u[単位:μL]、固定相容積をviu[単位:μL]、固定相中のタンパク質が入り込める容積をvip[単位:μL]とすると、コンピュータ1は、例えばデフォルト値として、v0u=0.4vu、vin=0.4vu、vip=0を記録する。これらデフォルト値の値は、充填カラムに添付のメーカ評価データに基づく。例えば、上記説明したrout=v0u/vu、rin=viu/vu、rip=vip/vinの各々の値を、メーカ評価データから計算して使用する。実際に分析するタンパク質やリガンドに対する分析データがある場合には、それらの値を入力する。また、コンピュータ1は、値kのデフォルト値として、例えばk=0を記録する。値k[単位:μL]は、リガンドの充填剤への可逆的な弱い結合を示す。値kの導入は、上記した特徴4)に基づく。
ステップS4において、分析カラムのMFU積層数を設定する。積層数をmとすると、コンピュータ1は、例えばデフォルト値としてm=200を記録する。このデフォルト値は、上記した特徴2)に基づく。あらかじめカラムサイズが決まっている場合はカラムの長さをMFUの長さで割った値の整数部を積層数として入力する。
ステップS5において、1ステップの計算で流す液量を設定する。1ステップの計算で流す液量をdV[単位:μL]とすると、コンピュータ1は、例えばデフォルト値として、dV=0.8・v0uを記録する。このデフォルト値は、上記した特徴3)に基づく。なお、dVはv0u未満(dV<v0u)である。
ステップS6において、アプライする試料の液量を設定する。アプライする試料の液量をVs[単位:μL]とすると、コンピュータ1は、例えばデフォルト値として、Vs=2・m・v0uを記録する。
ステップS7において、アプライする総液量を設定する。アプライする総液量をVmax[単位:μL]とすると、コンピュータ1は、例えばデフォルト値として、Vmax=2.5・m・(v0u+vip)を記録する。
ステップS8において、試料の全タンパク質濃度および全リガンド濃度を設定する。試料の全タンパク質濃度をP0[単位:μM]、全リガンド濃度をC0[単位:μM]とすると、コンピュータ1は、入力されたこれらP0、C0の値を記録する。
ステップS9において、解離定数を設定する。解離定数をKd[単位:μM]とすると、コンピュータ1は、例えばデフォルト値として、Kd=20を記録する。
ステップS10において、移動モデルに基づく計算を行う。移動モデルとは、上記した「(1)MFU間でのタンパク質およびリガンドの移動モデル」にて説明した移動モデルである。すなわち、コンピュータ1は、第1番目のMFUから順番に、各MFUについて、まず新しい総タンパク質量QPおよび総リガンド数QLを計算し、次に式4aと式9a(一般の場合には式7a)に従って、新しい移動相の総タンパク質濃度Ptおよび総リガンド濃度Ltを計算する。コンピュータ1は、この計算を、移動相をdV移動させて最後のMFUまで繰り返し計算し、計算結果を記録する。この時点において、予測クロマトグラムは、溶出容積、溶出液の総タンパク質濃度、溶出液の総リガンド濃度としてコンピュータ1に記録されている。
ステップS11において、ステップS10の計算結果を出力する。コンピュータ1が出力する計算結果の項目は次の通りである。
・カラムサイズ
・流速(カラム内部の局所的平衡到達時間)
・最低必要試料量
・予測クロマトグラム
(なお、実施例に添付するプログラムの一例に示すように、カラムサイズ、流速、最低必要試料量、遊離型リガンド濃度などのパラメータはセルの17列目に出力し、予測クロマトグラムはセルの10,11,12列目に出力している。)
コンピュータ1は、予測クロマトグラムのパターンを例えば表示手段にグラフ表示する。そして、オペレータが、表示手段にグラフ表示された予測クロマトグラムのパターンに基づいて、元の試料がそのまま溶出している部分を持つ典型的なFGCのクロマトグラムが得られているかどうか、リガンドの溶出パターンの2番目の台形部分(図1の3の部分)のリガンド濃度が元の試料の遊離型リガンドの平衡濃度と等しいかどうか、を判断する。分析する仮想の試料のタンパク質の総濃度とリガンドの総濃度と解離定数を入力すると、コンピューター1はその結合反応系の遊離型リガンドの平衡濃度を計算する。この計算値と予測クロマトグラムのリガンドの溶出パターンの2番目の台形部分のリガンド濃度が一致しなければならない。
オペレータが、典型的なFGCのクロマトグラムが得られていないと判断した場合、また、仮想試料のタンパク質やリガンドの濃度や相互作用の強さなどいろいろな条件を変えてクロマトグラムのパターンの変化を詳しく調べたい場合は、オペレータが、操作手段を用いて各設定値のデフォルト値を変えて再度コンピュータ1に入力し、コンピュータ1が、ステップS1〜S11に示すシミュレーションを再度実行する。
なお、実際の実験では、試料の遊離型リガンド濃度を求めることが目的であるが、シミュレーションではあらかじめ仮想試料の濃度と解離定数を入力するので、自動的に遊離型リガンド濃度も決まる。この値と2番目の台形部分のリガンド濃度とが一致しなければ、シミュレーションが正しくないことになる。また、mFGC法は、一次的には図1に示す独特の試料の分割(前処理方法)であって、試料の遊離型リガンド濃度が測定できるのはその分割で得られる重要な結果のひとつにすぎない。
(III)実際の試料を用いたカラムの設計パラメータの評価
図9は、ミクロフロンタルゲルろ過法を行う装置構成の一例を示す概略図である。装置は、ゲルろ過カラム20と、試料注入ポート21と、サンプルループ22と、第1のポンプ23と、第2のポンプ24と、検出器25とを備える。図9に示すように、試料注入ポート21、サンプルループ22、および第1のポンプ23は、ゲルろ過カラム21の上流側に接続され、第2のポンプ24および検出器25は、ゲルろ過カラム20の下流側に接続される。ゲルろ過カラム20への試料/緩衝液の注入は、第1のポンプ23で行い、第1のポンプ23は流速を正確に制御する。第2のポンプ24は、ゲルろ過カラム20の出口で溶出液を希釈する必要がある場合に使用する。
ゲルろ過カラム20は、微量試料のフロンタル解析が可能となるカラム容量が1000μl未満のミクロサイズのものであれば良く、充填剤はゲルろ過クロマトグラフィーに通常使用されるゲルろ過用充填剤を使用することができ、そのような充填剤としては、例えば、TSKgel Super SW2000、Superdex Peptide、Superdex 75等が挙げられる。試料注入ポート21は、シリンジ等により分析するための試料や緩衝液をサンプルループ22に注入するためのものであり、サンプルループ22はゲルろ過カラムに注入される前の試料と緩衝液を一旦保持しておくためのものである。第1のポンプ23は低流速で流量精度が高いものが適しており、第2のポンプ24はHPLC等で一般的に使用されるポンプを使用できる。検出器25はカラムから出てくるタンパク質及び/又はリガンドを検出するものであり、例えば、フォトダイオードアレイ、紫外可視モニター、蛍光モニター等が挙げられる。
次に、「(II)シミュレーション方法の処理内容」にて説明したモデル計算の結果に基づいて作製したミクロカラムを用いて、実際の試料を分析し評価する方法について説明する。
シミュレーション結果に基づいて適切なサイズの空カラムを準備し、充填剤の充填を行う。実際の分析では種々の要因による試料成分の界面の広がりが起こるので、シミュレーション結果より大きめのカラム、具体的には、例えば入手可能で充填が容易な内径1mmの空カラムでその長さがシミュレーションでのカラム容積より大きいものを準備し、市販の充填剤の中から最適なもの選んで自家充填する。分析の流速と試料量はシミュレーションで得られた値に実際のカラムサイズとシミュレーションでの仮想カラムのサイズとの比を掛け算して補正した値でまず行い、実測のクロマトグラムに基づいて最適化する。
(1)低分子リガンド単独の試料のクロマトグラムを測定
測定はカラムに注入する試料の液量(体積)を変えて行い、リガンドが元の濃度のまま台形状に溶出するのに必要な試料の液量を決定する。カラムに注入したリガンドの総量がカラムから溶出していることを確認する(リガンドの充填剤への不可逆的な吸着の有無を確認)。クロマトグラムの立ち上がりのパターンからリガンドの溶出容積を求める。
(2)タンパク質単独の試料のクロマトグラムの測定
(1)で求めた試料量をカラムに注入する。クロマトグラムの立ち上がりのパターンからタンパク質の溶出容積を求める。
(3)カラム容積に占める移動相の比率と固定相の比率の実効値を計算
タンパク質は移動相のみに局在すると仮定して、(2)のデータからカラム容積に占める移動相の比率を計算する(rout = タンパク質の溶出容積/カラム容積)。(1)のデータと(2)のデータとからカラム容積に占める固定相の比率の実効値を計算する(rin =(リガンドの溶出容積−タンパク質の溶出容積)/カラム容積)。なお、リガンドと充填剤との間に可逆的吸着があると、見かけ上固定相が大きくなる。
(4)タンパク質−リガンド混合液のクロマトグラムの測定
(1)、(2)と同じ濃度のタンパク質とリガンドを含む混合液を(1)、(2)と同じ量カラムに注入する。得られたクロマトグラムに元の試料がそのまま溶出している台形部分が認められない場合は、それが出現するまでカラムに注入する試料量を増やす。もし、試料量を増やした場合は、その試料量で(1)と(2)の測定を行う。
(5)FGC前提条件の確認
(2)と(4)のクロマトグラムでタンパク質の溶出パターンが完全に一致することを確認する。(4)のクロマトグラムから(2)のクロマトグラムを引き算した差クロマトグラムを計算し、その前の正のピークと後の負のピークの面積の絶対値が等しいことを確認する。
これは、タンパク質との相互作用のために速く溶出したリガンドの分だけ、遊離型リガンドを示している2番目の台形部分が元の高さから削られるからである(図1参照)。
(1)〜(5)が無事完了すれば、FGCが正しく実行できることが保証される。
・得られた実効パラメータrout及びrinを用いて理論シミュレーションを行い、最終的なカラムの設計を行う。
(6)結合曲線の測定
タンパク質−リガンド混合液の濃度を変えて測定を行い、タンパク質単独、リガンド単独の分析も間に入れる。測定結果から結合曲線(遊離型リガンド濃度とタンパク質1分子当たりに結合しているリガンド分子の平均数との関係)を算出する。タンパク質1分子当たりに結合しているリガンド分子の平均数(r)は、遊離型リガンド濃度から求めることができる。
結合曲線は、式0aの多重結合系では次式で表現される。
Figure 2012122845
ここで関数fは式2aである。
結合曲線を上式にフィッティングし(修正マーカット法を使用する)、結合パラメータを求める。例えば、n個の独立で等価な結合部位がある場合には、上式は以下の簡単な式になる。
r=n・L(Kd+L)
Kd: 解離定数
L: 遊離型リガンド濃度
r: タンパク質1分子当たりに結合しているリガンド分子の平均数
n: 結合部位の数
以下に、本発明の実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。以下のステップ1)〜ステップ6)に示す計算の進め方では、計算シミュレーションに、米国マイクロソフト・コーポレイションの「MICROSOFT EXCEL」および「VISUAL BASIC」(いずれも登録商標)を使用した。
ステップ1) 1つ前の計算段階でのi番目のMFUの移動相の総タンパク質濃度Ptを5列目のi行目のセル(cells(i,5))に、総タンパク質量QPを6列目のi行目のセル(cells(i,6))に、移動相の総リガンド濃度Ltを7列目のi行目のセル(cells(i,7))に、総リガンド量QLを8列目のi行目のセル(cells(i,8))に保存しておく。第一回目の計算のときは、当然これらのセルの値はすべてゼロである(i = 1〜m)。
ステップ2) 移動相をdV移動させて、ステップ1)の値と、上記した「(I)シミュレーションにおける数学的な関係」の「(1)MFU間でのタンパク質およびリガンドの移動モデル」で説明した式とに従って、第一番目のMFUから順番に、各MFUについて、まず新しい総タンパク質量QPと総リガンド量QLを計算し、次に式4aと式9a(一般の場合には式7a)に従って、新しい移動相の総タンパク質濃度Ptと総リガンド濃度Ltを計算する。
ステップ3) ステップ2)で計算したi番目のMFUの新しいPt、QP、Lt、QLの値をそれぞれ1列目、2列目、3列目、4列目のi番目のセルに保存する。
ステップ4) 最後のMFU、すなわちm番目のカラム出口のMFUの移動相のPtおよびLtの値を、それぞれ11列目と12列目のj番目のセルとに保存する(jは計算回数)。10列目のj番目のセルにはj×dVの値(この時点でのカラムからの溶出容積になる)を保存する。
ステップ5) ステップ3)で保存した各値を、対応する5列目、6列目、7列目、8列目のセルに移動させる。
ステップ6) ステップ1)〜ステップ5)の操作を繰り返す。予測クロマトグラムは、10列目(溶出容積)、11列目(溶出液の総タンパク質濃度)、12列目(溶出液の総リガンド濃度)に保存される。
(実施例1) TSK−gel SuperSW2000の場合
この場合は、充填剤粒子径は0.004ミリメートルで、全カラム容積に占める移動相と固定相の割合は、それぞれ0.38と0.36である。これらの値を入力して得られた結果は以下の通りである。カラムサイズは内径0.8ミリメートル、長さ40ミリメートル、流速は0.9マイクロリットル/分、試料量は7.6マイクロリットル。この条件で予想されたクロマトグラムを図10に示す。図中の符号1はタンパク質の溶出を示し、符号2は低分子の溶出を示す。なお、タンパク質濃度30マイクロモル/リットル、低分子濃度20マイクロモル/リットル、解離定数20マイクロモル/リットルとした。
(実施例2) Superdex Peptideの場合
この場合は、充填剤粒子径は0.013ミリメートルで、全カラム容積に占める移動相と固定相の割合は、それぞれ0.32と0.49である。これらの値を入力して得られた結果は以下の通りである。カラムサイズは内径0.65ミリメートル、長さ130ミリメートル、流速は1.7マイクロリットル/分、試料量は19マイクロリットル。この条件で予想されたクロマトグラムを図11に示す。図中の符号1はタンパク質の溶出を示し、符号2は低分子の溶出を示す。なお、タンパク質濃度30マイクロモル/リットル、低分子濃度20マイクロモル/リットル、解離定数20マイクロモル/リットルとした。
(実施例に示す計算に使用したプログラムの記載例)
以下に、「VISUAL BASIC」で記載したプログラムの記載例を示す。本プログラムの記載例は一例であり、プログラムの処理内容はこの記載例に示す内容に限定されるものではない。

Sub SimulationFGC1()

rg = 0.013 'mm gel particle diameter
lu = 50 * rg 'mm length of the functional unit
ru = 50 * rg 'mm diameter of the functinal unit
vu = 3.14 * ru * ru * lu / 4 'uL volume of the functinal unit
rout = 0.32
v0u = rout * vu 'uL void volume of the functinal unit
rin = 0.49
viu = rin * vu 'uL internal volume of the functinal unit
rip = 0
vip = rip * viu 'uL the volume of the internal space accesible for protein
rk = 0
k = rk * viu 'uL k=ng/Kg binding to the gel matrix Kg>>C0

m = 200 'total number of the functinal unit
B = m * lu 'the length of the column
V0 = m * v0u 'uL void volume of the column
Vi = m * viu 'uL internal volume of the column
Vp = m * vip
dV = 0.8 * v0u 'elution volume per unit calculation step

Vmax = (V0 + Vi) * 2.5 'total elution volume (including sample volume)
nv = Int(Vmax / dV) 'total number of calculation step

Vs = 2 * V0 'sample volume applied

ns = Int(Vs / dV)

C0 = 20 'uM the total concentration of ligand (L)
P0 = 30 'uM the total concentration of acceptor protein (P)
kd = 20 'uM dissociation constant (one to one stoichiometry)

d00 = kd + P0 - C0
d01 = d00 ^ 2 + 4 * kd * C0
d02 = d01 ^ 0.5
lf = 2 * kd * C0 / (d00 + d02)

Cells(2, 15) = nv
Cells(1, 17) = B ‘mm length of the column
Cells(2, 17) = ru ‘mm internal diameter of the column
Cells(3, 17) = V0 ‘uL void volume of the column
Cells(4, 17) = Vi ‘uL internal volume of the column
Cells(5, 17) = V0 + Vp ‘uL elution volume of the protein
dt = 2 ‘sec
Cells(6, 17) = dV * 60 / dt ‘uL/min flow rate
Cells(7, 17) = Vmax
Cells(8, 17) = Vs ‘uL sample volume applied
Cells(9, 17) = C0
Cells(10, 17) = P0
Cells(11, 17) = kd
Cells(12, 17) = lf ‘free ligand concentration of the original sample
Cells(13, 17) = k
Cells(14, 17) = m * vu ‘bed volume of the column

v00 = v0u + vip
v01 = v0u + viu + k


QP = P0 * dV
QL = C0 * dV

Pt = QP / v00
a00 = v01 * kd + Pt * v00 - QL
b00 = 4 * v01 * QL * kd
a01 = a00 ^ 2 + b00
a02 = a01 ^ 0.5

CL = 2 * QL * kd / (a00 + a02)
CP = Pt / (1 + CL / kd)
CPL = Pt * CL / (kd + CL)
Lt = CL + CPL


Cells(1, 1) = Pt
Cells(1, 2) = QP
Cells(1, 3) = Lt
Cells(1, 4) = QL


For j = 2 To m
Cells(j, 1) = 0
Cells(j, 2) = 0
Cells(j, 3) = 0
Cells(j, 4) = 0
Next j

Cells(1, 10) = dV
Cells(1, 11) = Cells(m, 1) 'Pt
Cells(1, 12) = Cells(m, 3) 'Lt

For j = 1 To m
Cells(j, 5) = Cells(j, 1)
Cells(j, 6) = Cells(j, 2)
Cells(j, 7) = Cells(j, 3)
Cells(j, 8) = Cells(j, 4)
Next j


For i = 2 To ns

QP = Cells(1, 6) + P0 * dV - Cells(1, 5) * dV
QL = Cells(1, 8) + C0 * dV - Cells(1, 7) * dV

Pt = QP / v00
a00 = v01 * kd + Pt * v00 - QL
b00 = 4 * v01 * QL * kd
a01 = a00 ^ 2 + b00
a02 = a01 ^ 0.5

CL = 2 * QL * kd / (a00 + a02)
CP = Pt / (1 + CL / kd)
CPL = Pt * CL / (kd + CL)
Lt = CL + CPL


Cells(1, 1) = Pt
Cells(1, 2) = QP
Cells(1, 3) = Lt
Cells(1, 4) = QL

For j = 2 To m
QP = Cells(j, 6) + Cells(j - 1, 5) * dV - Cells(j, 5) * dV
QL = Cells(j, 8) + Cells(j - 1, 7) * dV - Cells(j, 7) * dV

Pt = QP / v00
a00 = v01 * kd + Pt * v00 - QL
b00 = 4 * v01 * QL * kd
a01 = a00 ^ 2 + b00
a02 = a01 ^ 0.5

CL = 2 * QL * kd / (a00 + a02)
CP = Pt / (1 + CL / kd)
CPL = Pt * CL / (kd + CL)
Lt = CL + CPL


Cells(j, 1) = Pt
Cells(j, 2) = QP
Cells(j, 3) = Lt
Cells(j, 4) = QL

Next j

Cells(i, 10) = i * dV
Cells(i, 11) = Cells(m, 1) 'Pt
Cells(i, 12) = Cells(m, 3) 'Lt

For j = 1 To m
Cells(j, 5) = Cells(j, 1)
Cells(j, 6) = Cells(j, 2)
Cells(j, 7) = Cells(j, 3)
Cells(j, 8) = Cells(j, 4)
Next j

Cells(1, 15) = i

Next i

For i = ns + 1 To nv

QP = Cells(1, 6) - Cells(1, 5) * dV
QL = Cells(1, 8) - Cells(1, 7) * dV

Pt = QP / v00
a00 = v01 * kd + Pt * v00 - QL
b00 = 4 * v01 * QL * kd
a01 = a00 ^ 2 + b00
a02 = a01 ^ 0.5

CL = 2 * QL * kd / (a00 + a02)
CP = Pt / (1 + CL / kd)
CPL = Pt * CL / (kd + CL)
Lt = CL + CPL


Cells(1, 1) = Pt
Cells(1, 2) = QP
Cells(1, 3) = Lt
Cells(1, 4) = QL



For j = 2 To m

QP = Cells(j, 6) + Cells(j - 1, 5) * dV - Cells(j, 5) * dV
QL = Cells(j, 8) + Cells(j - 1, 7) * dV - Cells(j, 7) * dV

Pt = QP / v00
a00 = v01 * kd + Pt * v00 - QL
b00 = 4 * v01 * QL * kd
a01 = a00 ^ 2 + b00
a02 = a01 ^ 0.5

CL = 2 * QL * kd / (a00 + a02)
CP = Pt / (1 + CL / kd)
CPL = Pt * CL / (kd + CL)
Lt = CL + CPL


Cells(j, 1) = Pt
Cells(j, 2) = QP
Cells(j, 3) = Lt
Cells(j, 4) = QL

Next j

Cells(i, 10) = i * dV
Cells(i, 11) = Cells(m, 1) 'Pt
Cells(i, 12) = Cells(m, 3) 'Lt

For j = 1 To m
Cells(j, 5) = Cells(j, 1)
Cells(j, 6) = Cells(j, 2)
Cells(j, 7) = Cells(j, 3)
Cells(j, 8) = Cells(j, 4)
Next j

Cells(1, 15) = i


Next i




End Sub
1 コンピュータ
10 CPU
11 メモリ
12 記録部
13 バス
14 インタフェース部
20 ゲルろ過カラム
21 試料注入ポート
22 サンプルループ
23 第1の無脈流ポンプ
24 第2の無脈流ポンプ
25 検出器

Claims (6)

  1. 演算装置および記録部を備えるコンピュータにおいて、フロンタルゲルろ過法におけるクロマトグラムのシミュレーション方法であって、
    前記演算装置が、
    移動相および固定相を有するゲルろ過カラムの充填剤のサイズrgを設定する第1のステップと、
    前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積vuを、前記充填剤の前記サイズrgに基づいて設定する第2のステップと、
    前記ゲルろ過カラムの分離特性である、移動相容積v0u、固定相容積viu、およびタンパク質が入り込める前記固定相中の容積vipを、前記最小機能単位の前記容積vuに基づいて設定し、且つ、リガンドの前記充填剤への可逆的な結合を意味する係数kを設定する第3のステップと、
    前記ゲルろ過カラムにおける前記最小機能単位の積層数mを設定する第4のステップと、
    1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量dVを、前記移動相容積v0uに基づいて、前記移動相容積v0u未満の値に設定する第5のステップと、
    前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量Vsを、前記積層数mおよび前記移動相容積v0uに基づいて設定する第6のステップと、
    前記ゲルろ過カラムに適用する総液量Vmaxを、前記積層数m、前記移動相容積v0u、および前記タンパク質が入り込める前記固定相中の前記容積vipに基づいて設定する第7のステップと、
    前記試料の総タンパク質濃度P0および前記試料の総リガンド濃度C0を設定する第8のステップと、
    前記タンパク質および前記リガンドの結合反応に対する解離定数Kdを設定する第9のステップと、
    前記移動相の総タンパク質濃度Pt、総タンパク質量QP、前記移動相の総リガンド濃度Lt、および総リガンド量QLの初期値を設定し、且つ、第1番目の前記最小機能単位から順番に、
    1番目の前記最小機能単位については、
    前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が続いている間は、
    総タンパク質量QP=QP(1)+P0×dV−Pt(1)×dV
    総リガンド量QL =QL(1)+C0×dV−Lt(1)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が完了した後は、
    総タンパク質量QP=QP(1)−Pt(1)×dV
    総リガンド量QL =QL(1)−Lt(1)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    i(iは2以上の自然数)番目の前記最小機能単位については、
    総タンパク質量QP=QP(i)+Pt(i−1)×dV−Pt(i)×dV
    総リガンド量QL =QL(i)+Lt(i−1)×dV−Lt(i)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    1番目の前記最小機能単位およびi番目の前記最小機能単位について、新しい移動相の前記総タンパク質濃度Ptおよび前記総リガンド濃度Ltを、
    Figure 2012122845
    および
    Figure 2012122845
    に基づいて計算する第10のステップと、
    溶出容積、溶出液の全タンパク質濃度、溶出液の全リガンド濃度に基づいて、予測クロマトグラムを得る第11のステップと、
    を含むクロマトグラムのシミュレーション方法。
  2. 演算装置および記録部を備え、フロンタルゲルろ過法におけるクロマトグラムをシミュレーションするシステムであって、
    前記演算装置が、
    移動相および固定相を有するゲルろ過カラムの充填剤のサイズrgを設定する第1のステップと、
    前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積vuを、前記充填剤の前記サイズrgに基づいて設定する第2のステップと、
    前記ゲルろ過カラムの分離特性である、移動相容積v0u、固定相容積viu、およびタンパク質が入り込める前記固定相中の容積vipを、前記最小機能単位の前記容積vuに基づいて設定し、且つ、リガンドの前記充填剤への可逆的な結合を意味するngとKgまたは係数kを設定する第3のステップと、
    前記ゲルろ過カラムにおける前記最小機能単位の積層数mを設定する第4のステップと、
    1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量dVを、前記移動相容積v0uに基づいて、前記移動相容積v0u未満の値に設定する第5のステップと、
    前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量Vsを、前記積層数mおよび前記移動相容積v0uに基づいて設定する第6のステップと、
    前記ゲルろ過カラムに適用する総液量Vmaxを、前記積層数m、前記移動相容積v0u、および前記タンパク質が入り込める前記固定相中の前記容積vipに基づいて設定する第7のステップと、
    前記試料の総タンパク質濃度P0および前記試料の総リガンド濃度C0を設定する第8のステップと、
    前記タンパク質および前記リガンドの結合反応に対する解離定数Kdを設定する第9のステップと、
    前記移動相の総タンパク質濃度Pt、総タンパク質量QP、前記移動相の総リガンド濃度Lt、および総リガンド量QLの初期値を設定し、且つ、第1番目の前記最小機能単位から順番に、
    1番目の前記最小機能単位については、
    前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が続いている間は、
    総タンパク質量QP=QP(1)+P0×dV−Pt(1)×dV
    総リガンド量QL =QL(1)+C0×dV−Lt(1)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が完了した後は、
    総タンパク質量QP=QP(1)−Pt(1)×dV
    総リガンド量QL =QL(1)−Lt(1)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    i(iは2以上の自然数)番目の前記最小機能単位については、
    総タンパク質量QP=QP(i)+Pt(i−1)×dV−Pt(i)×dV
    総リガンド量QL =QL(i)+Lt(i−1)×dV−Lt(i)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    1番目の前記最小機能単位およびi番目の前記最小機能単位について、新しい移動相の前記総タンパク質濃度Ptおよび前記総リガンド濃度Ltを、
    Figure 2012122845
    および
    Figure 2012122845
    に基づいて計算する第10のステップと、
    溶出容積、溶出液の総タンパク質濃度、溶出液の総リガンド濃度に基づいて、予測クロマトグラムを得る第11のステップと、
    を実行する、クロマトグラムのシミュレーションシステム。
  3. 演算装置および記録部を備えるコンピュータにおいて、フロンタルゲルろ過法におけるクロマトグラムをシミュレーションするプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    移動相および固定相を有するゲルろ過カラムの充填剤のサイズrgを設定する第1の機能と、
    前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積vuを、前記充填剤の前記サイズrgに基づいて設定する第2の機能と、
    前記ゲルろ過カラムの分離特性である、移動相容積v0u、固定相容積viu、およびタンパク質が入り込める前記固定相中の容積vipを、前記最小機能単位の前記容積vuに基づいて設定し、且つ、リガンドの前記充填剤への可逆的な結合を意味するngとKgまたは係数kを設定する第3の機能と、
    前記ゲルろ過カラムにおける前記最小機能単位の積層数mを設定する第4の機能と、
    1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量dVを、前記移動相容積v0uに基づいて、前記移動相容積v0u未満の値に設定する第5の機能と、
    前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量Vsを、前記積層数mおよび前記移動相容積v0uに基づいて設定する第6の機能と、
    前記ゲルろ過カラムに適用する総液量Vmaxを、前記積層数m、前記移動相容積v0u、および前記タンパク質が入り込める前記固定相中の前記容積vipに基づいて設定する第7の機能と、
    前記試料の総タンパク質濃度P0および前記試料の総リガンド濃度C0を設定する第8の機能と、
    前記タンパク質および前記リガンドの結合反応に対する解離定数Kdを設定する第9の機能と、
    前記移動相の総タンパク質濃度Pt、総タンパク質量QP、前記移動相の総リガンド濃度Lt、および総リガンド量QLの初期値を設定し、且つ、第1番目の前記最小機能単位から順番に、
    1番目の前記最小機能単位については、
    前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が続いている間は、
    総タンパク質量QP=QP(1)+P0×dV−Pt(1)×dV
    総リガンド量QL =QL(1)+C0×dV−Lt(1)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    前記試料の前記ゲルろ過カラムへの流入が完了した後は、
    総タンパク質量QP=QP(1)−Pt(1)×dV
    総リガンド量QL =QL(1)−Lt(1)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    i(iは2以上の自然数)番目の前記最小機能単位については、
    総タンパク質量QP=QP(i)+Pt(i−1)×dV−Pt(i)×dV
    総リガンド量QL =QL(i)+Lt(i−1)×dV−Lt(i)×dV
    の関係に基づいて、新しい移動相の前記総タンパク質量QPおよび前記総リガンド量QLを計算し、
    1番目の前記最小機能単位およびi番目の前記最小機能単位について、新しい移動相の前記総タンパク質濃度Ptおよび前記総リガンド濃度Ltを、
    Figure 2012122845
    および
    Figure 2012122845
    に基づいて計算する第10の機能と、
    溶出容積、溶出液の総タンパク質濃度、溶出液の総リガンド濃度に基づいて、予測クロマトグラムを得る第11の機能と、
    を実現させる、クロマトグラムのシミュレーションプログラム。
  4. ゲルろ過カラムの設計パラメータと分析条件とを求める方法であって、
    ゲルろ過カラムの設計パラメータおよび分析条件を入力値として、結合反応系のモデルに基づいてクロマトグラムのシミュレーションを行い、
    前記分析条件または前記モデルのいずれかを変えて前記クロマトグラムのシミュレーションを繰り返し行うことで、前記ゲルろ過カラムの前記設計パラメータの最適な値を求め、
    前記設計パラメータが、
    前記ゲルろ過カラムの充填剤のサイズと、前記ゲルろ過カラムの最小機能単位の容積と、前記最小機能単位の分離特性と、前記最小機能単位の積層数とを含み、
    前記分析パラメータが、
    1回の計算ステップにおいて前記ゲルろ過カラムに流す液量と、前記ゲルろ過カラムに適用する試料の液量と、前記ゲルろ過カラムに適用する総液量とを含み、
    前記モデルが、
    前記試料の総タンパク質濃度および前記試料の総リガンド濃度と、タンパク質およびリガンドの結合反応に対する解離定数と、前記リガンドおよび前記充填剤の相互作用とに基づくことを特徴とするゲルろ過カラムの設計方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法、システムまたはプログラムにより得た設計パラメータに基づいて作製したゲルろ過カラムで実試料を分析し評価する方法であって、
    リガンドのみを含む第1の試料の第1のクロマトグラムを測定する第1のステップと、
    タンパク質のみを含む第2の試料の第2のクロマトグラムを測定する第2のステップと、
    前記ゲルろ過カラムの容積に占める移動相の比率と固定相の比率とを計算する第3のステップと、
    前記タンパク質および前記リガンドの混合液の第3のクロマトグラムを測定する第4のステップと、
    前記第2のクロマトグラムおよび前記第3のクロマトグラムの間の前記タンパク質の溶出パターンと、前記第3のクロマトグラムから前記第1のクロマトグラムを引き算した差クロマトグラムとに基づいて、前記設計パラメータの妥当性を判断する第5のステップと、を含むゲルろ過カラムの評価方法。
  6. 前記第1のステップが、
    前記第1のクロマトグラムの測定を、前記ゲルろ過カラムに注入する前記第1の試料の量を変えて行い、前記リガンドが元の濃度のまま台形状に溶出するのに必要な試料量を求める第1Aのステップと、
    前記ゲルろ過カラムに注入した前記リガンドの全量が前記ゲルろ過カラムから溶出していることを確認する第1Bのステップと、
    前記第1のクロマトグラムの立ち上がりパターンから、前記リガンドの溶出容積を求める第1Cのステップとを含み、
    前記第2のステップが、
    前記第1Aのステップにて求めた前記試料量と同じ量のタンパク質を前記ゲルろ過カラムに注入する第2Aのステップと、
    前記第2のクロマトグラムの立ち上がりパターンから、前記タンパク質の溶出容積を求める第2Bのステップとを含み、
    前記第3のステップが、
    前記タンパク質が前記固定相のみに局在すると仮定して、前記第2Bのステップにて求めた前記タンパクの前記溶出容積から、前記ゲルろ過カラムの容積に占める前記移動相の比率と前記固定相の比率とを計算する第3Aのステップと、
    前記第1Cのステップにて求めた前記リガンドの前記溶出容積と、前記第2Bのステップにて求めた前記タンパクの前記溶出容積とから、前記ゲルろ過カラムの容積に占める前記固定相の比率の実効値を計算する第3Bのステップとを含み、
    前記第4のステップが、
    前記第1Aのステップと同じ濃度および同じ量のタンパク質と、前記第2Aのステップと同じ濃度および同じ量のリガンドとを含む混合液を、前記ゲルろ過カラムに注入する第4Aのステップと、
    前記第3のクロマトグラムに元の試料がそのまま溶出している台形部分が認められない場合に、前記台形部分が出現するまで前記ゲルろ過カラムに注入する試料の量を増大させる第4Bのステップと、
    前記第4Bのステップにおいて、注入する試料の量を増大させた場合に、増大させた後の試料の量で前記第1のステップおよび前記第2のステップを再度実行する第4Cのステップとを含み、
    前記第5のステップが、
    前記第2のクロマトグラムおよび前記第3のクロマトグラムの間で、前記タンパク質の溶出パターンが一致することを確認する第5Aのステップと、
    前記差クロマトグラムの前の正のピークの面積と、前記差クロマトグラムの後の負のピークの面積とが等しいことを確認する第5Bのステップとを含む、請求項4に記載のゲルろ過カラムの評価方法。
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