JP2012118830A - 技術継承支援方法および技術継承支援システム - Google Patents

技術継承支援方法および技術継承支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】過去の水質事故、設備故障等の想定外の事象が発生した場合の対応方法、ノウハウを可視化することにより、担当者間の技術継承、管理レベルの底上げを可能とする技術継承支援方法を提供する。
【解決手段】技術支援システムSは、上水道施設200からデータ毎に決められている監視周期に合わせ、各種管理データおよび水質管理基準を逸脱した場合に出力される警報の履歴情報や操作/運転履歴情報(プロセス)データを計算機システム100へ取り込み、データベース10に格納する。当該格納した水質データ、警報出力履歴・プロセスデータに対して操作員が入力した各種ノウハウ情報を時系列に画面上で表示させるとともに、浄水場内の従事者へ情報開示、ノウハウの継承と共に、定量的評価が与えられた当該ノウハウ情報を基に、実効的な管理、運用マニュアルを新規に整備するための支援を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、水道水質のリスク管理を実現するため、水道事業体や水質管理者が水源から給水に至るまでの統合的な水質管理の技術継承に係り、水道事業体もしくは水質管理者が管理する水道施設の維持管理を支援する技術継承支援方法および技術継承支援するシステムに関する。
近年、食品の安全性が損なわれる事態が頻発し、その管理手法に高い関心が寄せられ、検査および管理体制の強化、産地表示等の情報公開が生産者側の義務とされている。生命を維持していく上で、必要不可欠な水に対する消費者の関心は高く、水道水を煮沸する、または商品化されている水を購入する等水質に求められる条件は厳しくなっている。
さらに、国内では公共事業への補助金が削減されており、水道事業の広域化も相成り、水質維持管理のための人員削減が加速されるものと予想され、管理運用に関する技術継承、危機管理対応の確立が急務となっている。
しかしながら、今後数年間に熟練した職員の大量退職が控えており、水道設備管理または水質管理に関するノウハウが少なくなっていくことが懸念されている。これに対して、有効な施策が取られていないことが問題となっており、有効的に管理ノウハウの蓄積および継承が可能な手段を構築することが必要となっている。
また、新たに厚生労働省が推奨する水安全計画が盛り込まれ、水道水質の管理にHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)手法を適用する具体的な動きが目立つようになってきた。水道システムのHACCP手法による水質管理方法の従来例としては、特許文献1に開示されている例がある。食品製造の衛生管理手法を水道の水質管理に適用する場合、水道の特徴や浄水場固有の情報を反映した形で重要管理点の設定を行うことで、水道に適した、より高度な管理が可能となるとされている。
特開2006−223951号公報
生活の基礎となる水を管理、運用する浄水場等の役割は重要であり、水質管理担当者間における技術の継承を実現するための管理ツールの存在は不可欠である。浄水場等では操作管理マニュアル等が整備され、当該マニュアルに沿って管理運用されているため、想定される範囲内に於ける事象に対する対応方法、管理手順という点では問題は無いと考えられる。
しかし、水質事故、設備故障等の想定外の事象が発生した場合の対応については、その場に居合わせた当事者でしか、上記対応の経験を積めないこととなる。また、当事者以外は後日、操作記録または警報履歴情報等でしかその内容を確認することができなく、危機管理対応能力の育成、判断能力のトレーニングという観点では現実性に欠けるものと考えられる。
浄水場の果たす役割は重要であり、当該設備を維持管理していくための人材育成、管理レベルの維持は正規マニュアルにしたがって厳格に行われている。しかしながら、運用マニュアルだけではサポートしきれない、いわば熟練した者が長年に渡り積み上げてきたノウハウが、設備の正常運用、管理に一役かっていると言っても過言ではない。
浄水場等の運用は主として、日々の日報、月報、年表の管理を軸にして、設備の運用状態を詳細にモニタリングし、浄水処理の正常な運用を維持するよう努めている。また、設備メンテナンス、設備故障等に伴い管理データが欠測するような場合、当該日報等へその旨をコメント欄へ記載するような管理運用が一般的となっており、特にコメントの記入経緯、検討内容を記入しない簡易的表現にとどまっている。
しかし、容易に判別しがたい欠測事由、つまり原因追求が複雑となった事象に対しては、トラブル対応、対策に多くの時間を費やすことがしばしばあり、その内容が今後の対応や管理手法の手本となることがある。
そのため、簡素な表記で済ますのではなく、種々検討事項、欠測事由に対する考察や、議事等を記録として保存することは、当事者のみならず、広くその情報を共有し、将来の人材育成、危機管理に対する意識を高められるという点で有効な手段となる。
本発明では、前記の課題を解決するための発明であって、過去の水質事故、設備故障等の想定外の事象が発生した場合の対応方法、ノウハウを可視化することにより、担当者間の技術継承、管理レベルの底上げを可能とする技術継承支援方法および技術継承支援システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の技術支援方法は、上水道施設(例えば、浄水場)の監視制御システム(例えば、監視制御サーバ201)から、データ毎に決められている監視周期に合わせ、各種管理データおよび水質管理基準を逸脱した場合に出力される警報の履歴情報や操作/運転履歴情報(プロセス)データを計算機システムへ取り込み、計算機システムのデータベースに格納する。当該格納した水質データ、警報出力履歴・プロセスデータに対して操作員が入力した各種ノウハウ情報を時系列に画面上で表示させるとともに、浄水場内の従事者へ情報開示、ノウハウの継承と共に、定量的評価が与えられた当該ノウハウ情報を基に、実効的な管理、運用マニュアルを新規に整備するための支援を行うことを特徴とする。
本発明によれば、過去の水質事故、設備故障等の想定外の事象が発生した場合の対応方法、ノウハウを可視化することにより、担当者間の技術継承、管理レベルの底上げを可能とすることができる。
技術継承支援システムの基本形態を示す機能ブロック図である。 各データベースの格納項目の概要を示す説明図である。 ノウハウ情報の評価処理手順を示すフローチャートである。 管理基準のチェック処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、技術継承支援システムの基本形態を示す機能ブロック図である。本実施形態では水道施設として上水道施設(例えば、浄水場施設)を例にして説明する。技術継承支援システムSは、計算機システム100と、上水道施設200とを含んで構成されている。
計算機システム100は、ネットワーク210を介して、原水から浄水を生成するプロセスを備えた上水道施設200に接続され、監視制御サーバ201から、当該浄水施設の水処理設備の複数の工程処理データを受信する。
計算機システム100は、入力手段1、表示手段2、データベース10(記憶手段)、処理手段20から構成される。
入力手段1は、技術継承支援システムSにおいて、データベース10に必要な情報を入力するために用いるもので、通常の計算機のキーボード等を用いても構成可能である。表示手段2は、データベース10の内容に基づいて、各プロセスにおいて実施した一連の管理操作内容を、水道施設の管理・運用者等に表示するためのもので、通常の情報処理システムのディスプレイ等で構成可能である。
データベース10は、水質データベース11、管理基準値データベース12、履歴・プロセスデータベース13、文書管理データベース14、ノウハウ情報データベース15、定量的評価指標データベース16、評価情報データベース17、是正措置データベース18を備える。
処理手段20は、データ収集処理部21、警報出力処理部22、キーワード検索処理部23、ノウハウ情報の評価処理部24、管理基準のチェック処理部25、ノウハウ情報を管理マニュアル等に格上げするための告知をする格上げ告知処理部26を含んで構成される。
〔データベースの構成〕
図2は、各データベースの格納項目の概要を示す説明図である。適宜図1を参照して説明する。水質データベース11には、水質分析項目、水質分析結果、測定場所、測定日時を含み、上水道施設200の管理・運用中に実施される水質検査の結果および測定結果が記録され、定期的な危害分析や管理基準値の見直し等に必要なデータを集積し、保存するために利用される。
管理基準値データベース12には、水質データの管理指標、水質データの管理基準値を含み、上水道施設200の管理・運用に際し、水質の管理指標として設定される管理基準値が記録される。
履歴・プロセスデータベース13には、操作履歴、プロセスデータ、警報発生日時、警報内容を含み、上水道施設200において原水202に対して施された操作履歴を経時的に記録され、当該操作が実施されたプロセス(処理工程)が記録され、また、警報出力処理部22が上水道施設200のプロセスデータがあらかじめ設定していた基準値内であることを診断して、基準値範囲外を示したプロセスデータを検出した警報出力日時および警報内容が記録される。
文書管理データベース14には、管理帳票、報告書、図面を含む業務内容書類、浄水場の立地環境、給水能力、給水面積等の緒元を含み、各種マニュアル、日報等の報告書、故障発生と対応に関する報告書、図面のほか、浄水場の運用管理で管理対象としている指標のモニタリングに関する報告書や、管理目標を逸脱した場合の処置や改善された業務内容に関する書類が格納される。
ノウハウ情報データベース15には、一連の管理操作に対する管理者の対応内容、当該対応に対する検討議事、根拠、操作者の主観等を含み、浄水場等の警報履歴情報と操作/運転履歴情報(プロセス)データに対して、各々運用の為の管理操作情報、設備稼動状況、事故対策情報、管理者の対応内容、当該対応に対する検討議事、根拠、操作者の主観等の記録が格納されている。なお、上水道施設200の操作者等は、日々の管理操作情報を、上水道施設200内の端末(図示せず)から入力し計算機システム100に送信することにより、ノウハウ情報データベース15に蓄積される。
定量的評価指標データベース16には、各種ノウハウ情報を客観的に評価する際に適用する定量的評価指標等を含み、季節性変動に応じた評価指標、当該浄水場の運用に影響が出る近隣で開催されるイベント規模に応じた評価指標、当該浄水場の立地条件/設備に応じた評価指標、当該浄水場の給水量または給水エリアの規模に応じた評価指標、および危害事象等の発生頻度に応じた評価指標が格納される。
評価情報データベース17には、ノウハウ情報データベース15に格納されている各種ノウハウ情報に対して、計算機システム100が定量的評価指標データベース16を適用し、客観的な判断により格付けした定量的評価値が格納される。
是正措置データベース18には、過去の是正措置の実施内容に関する情報、および不具合や異常事象が生じた際に各部署の担当者に提示される是正措置内容が格納される。
〔各処理部の詳細〕
次に、図1を参照して処理手段20の各部を説明する。
データ収集処理部21は、ネットワーク210を介して監視制御サーバ201から送信されてくる上水道施設200の水質分析結果およびプロセスデータ(警報履歴含む)を収集し、各々水質データベース11、履歴・プロセスデータベース13へ格納する機能を有する。また、データ収集処理部21は、上水道施設200内の端末から送信されたノウハウ情報を、ノウハウ情報データベース15へ格納する機能を有する。
警報出力処理部22は、監視制御サーバ201から受信した上水道施設200のプロセスデータの瞬時値、積算値等の有効性の有無を判断する。有効と判断されたプロセスデータは、あらかじめ設定されている管理基準値と比較し、管理基準値範囲外であれば警報を出力する機能を有する。
このときに適用される管理基準値にはデータの上下限値、相関解析値、統計解析値等があり、これらの数値はあらかじめ入力手段1から入力されている。このように警報出力された警報名称および発生時刻等は履歴・プロセスデータベース13へ格納される。
キーワード検索処理部23は、操作員が運用のための管理操作情報、設備稼動状況、事故情報等のノウハウを閲覧する際に、容易に検索、抽出が実現できるようにする機能である。ただし、当該検索処理を実現するために、ノウハウ情報の入力に関する共通ルールを設定する。
ノウハウ抽出は、通常の文章からなるテキストデータを、文節単位で区切り、当該文節の出現頻度、出現の相関、出現傾向、時系列等を解析することで有用な情報を抽出できるテキストマイニング手法を適用する。ノウハウ情報は特別な制約を設けずにフリースタイルでの記述とするが、テキストマイニング手法による抽出をスムーズに行うため、浄水場等で使用されている施設、設備、装置等の共通名称を適用するものとする。
ノウハウ入力方法の一例として、5W1H(When,Where,Who,What,Why,How)にて記載することを前提とし、いつ(When)、誰が(Who)、何を(What)、して、どういう事態、状態となったか?、また、その原因、理由は○○で(Why)、どうのような方法による(How)ものなのかを具体的に記載する。例えば、設備の動作に関するクセ(傾向)を捕らえている熟練者がいるとした場合、『薬品注入設備の3号注入器の開閉バルブは、構造上、全閉→開動作を開始し、全閉信号がOFFとなってから、開度が1%となるまでの時間が10秒要していたものが、経年により30秒以上となってしまっている。そのため、薬品注入するタイミングが遅れる傾向にあるため、早めのタイミングで注入開始操作を始めて、遅れが生じないようにする。または、保守メーカーへのメンテナンスを依頼する。』等の、判断をしやすくするために、5W1Hによるキーワード入力を行うのが望ましい。
また、警報履歴情報と操作/運転履歴情報(プロセス)データに対する各々ノウハウ情報とのリンクを実施することで、操作者が警報発生事象に関わる管理運用ノウハウを直接的に抽出することが可能となる。
キーワード検索処理部23により得られたノウハウ情報の他に、形態素解析により共通単語のヒット数を基に、類似ノウハウ情報も併せて表示することで、関連事象の対応も習得でき、組織全体への効果的な技術継承が可能となる。
ノウハウ情報の評価処理部24は、ノウハウ情報データベース15に格納されている情報に対して、定量的評価指標を適用し、客観的に定量的評価を与え、被評価ノウハウ情報のランク付けを行い定量的評価値を算出する。
評価(ランク付け)は、季節性変動がもたらす影響度を指標とする手段、浄水場近隣で開催されるイベントの規模に準ずる影響度を指標とする手段、当該浄水場の立地条件に応じた影響度を指標とする手段、当該浄水場の給水能力/給水面積の規模に見合った影響度を指標とする手段、各種危害事象の発生頻度に準ずる影響度を指標とする手段を組み合わせて行うものとする。
管理基準のチェック処理部25は、浄水場の運用管理上、設定された各部署の管理基準を対象としてチェックを行う。
格上げ告知処理部26は、評価情報データベース17に格納された定量的評価値が所定のスコア(閾値)以上となったノウハウ情報を抽出し、表示手段2を介して、正規運用規則または管理マニュアルとして格上げを管理者に推奨するするように告知をする。
〔ノウハウ情報の入力タイミング〕
ノウハウ情報データベース15に格納されるノウハウ情報の入力のタイミングとしては、下記のようなものがある。
(a)事故・トラブル発生時:上水道施設200内の機器のトラブル等があった場合に入力されるが、事故・トラブルの情報は、重故障(Aクラス)、軽故障(Bクラス)、注意事象(Cクラス)、その他(Dクラス)等で分類されている。
(b)プラント設定値の変更時:操作員が、薬品の注入量等を変更した場合がある。
(c)業務引き継ぎ時:例えば、夜勤者から日勤者へ、日勤者から夜勤者への業務引き継ぎ時に状況変化報告、イレギュラーな変動を察した事項、普段は発生しえない特殊事情が発生した場合がある。
前記(a)の事故・トラブル発生時の情報等は、水質管理の点で基本事項であるので、頻繁に発生する事象に対しては、マニュアル等に記載されていくのが通例であるが、前記(c)の情報は、これまで見過ごされていることが多々ある。
本実施形態では、特に事故・トラブル情報以外の情報を着目し、ノウハウ情報として有効であるか否かを判断し、有益である場合には、管理マニュアルとして格上げするために告知することが特徴である。この告知により、管理者は、非公式の対応・手段が公の管理マニュアルとして採用される情報の候補として容易に判断でき、技術継承として有効な方法である。また、マニュアルとして採用されると、日々の業務の中で現在注目度が高いノウハウ情報として、各操作員が参照することができる。
図3は、ノウハウ情報の評価処理手順を示すフローチャートである。図3を参照して、本発明の技術継承支援システムSに備えられたノウハウ情報データベース15のうち、特に、事故・トラブル情報以外の状況変化を分析し、ノウハウ情報の定量的評価について説明する。
まず、ステップS301において、キーワード検索処理部23は、対象設備(施設、工程)、事象、発生頻度等のキーワードが入力手段1を介しての入力操作により入力されると、ノウハウ情報データベース15から、ノウハウ情報を検索する。ノウハウ情報データベース15に記憶されている各上水道施設200の操作員が入力する情報は、入力の際には、例えば、ブログ形式で書き込まれ、前記したように通常5W1Hでの記載が要求されているが、テキスト形式のメモ等で記載されている場合も多くある。このため、キーワード検索処理部23は、ノウハウ情報データベース15から、通常の文章からなるテキストデータを文節単位に、分割し、有用な情報を抽出できるテキストマイニング手法を適用するとよい。
次に、ステップS302において、ノウハウ情報の評価処理部24は、ステップS301で取得したノウハウ情報に関し、履歴・プロセスデータベース13から発生日時を、前記5W1Hの情報に基づいて取得する。ノウハウ情報の発生日時とは、操作員がテキストに記載した書き込みの投稿日時ではなく、ノウハウ情報の事象が発生した正確な日時を意味する。
ステップS303では、ステップS301で取得したノウハウ情報に関し、上水道施設名等をキーとして、文書管理データベース14から浄水場の立地環境、および給水能力、給水面積等の浄水場緒元を取得する。
そして、ステップS304では、ノウハウ情報の評価処理部24は、定量的評価指標データベース16を適用し、当該ノウハウ情報の定量的評価を与え、被評価ノウハウ情報のランク付けを行い、定量的評価値を算出する。このときに適用する各々の評価指標には下記がある。
(1)季節性変動、発生日時に応じた評価指標
(2)浄水場の運用に影響を及ぼす近隣の開催イベントの規模に応じた評価指標
(3)浄水場の立地条件/設備に応じた評価指標
(4)当該浄水場の給水量または給水エリアの規模に応じた評価指標
(5)ノウハウ情報と関連付けられる危害事象の発生頻度に応じた評価指標
前記ステップS304におけるノウハウ情報の定量的評価の算出について具体的に説明すると、ステップS301で取得したノウハウ情報の定量的評価を実施する際に、ノウハウ情報の評価処理部24は、ノウハウ情報をテキストデータとして、文章自体を評価するための手段として、形態素解析等により、文章単位に区切られた文節の出願頻度、出現の相関、出現傾向、時系列等の解析で評価を与える。
また、ステップS302で取得した発生日時に関し、ノウハウ情報の評価処理部24は、定量的評価指標データベース16に予め登録されている前記(1)および(2)の評価指標をベースにランク付けを実施する。例えば、夏季、屋外での大規模イベント(大規模コンサート等)ではリスクが大きい、冬季、乾燥して降水量が減り、需給バランスの不均衡が発生等、日時と季節性、イベントの開催有無等から定量的にリスクの評価を与える。
同様に、ステップS303で取得した浄水場立地/緒元に関し、ノウハウ情報の評価処理部24は、定量的評価指標データベース16に予め登録されている前記(3)および(4)の評価指標をベースにランク付けを実施する。例えば、浄水場の給水能力、規模等から、社会生活に大きく貢献、影響を及ぼす浄水場、関連施設が故障した場合のリスクに対し重み付けをした評価を与える。
そして、ノウハウ情報の評価処理部24は、前記(1)〜(5)による定量的評価値を、ノウハウ情報と関連付けて、評価情報データベース17に格納する。
格上げ告知処理部26は、所定のスコア(閾値)以上となったノウハウ情報を表示手段2を介し、正規運用規則または管理マニュアルとして格上げするための告知をすることで、浄水場等の管理手法の見直しを運用面から支援することができる。
本実施形態によれば、経験に基づくノウハウ情報を、個人の主観に依存しない均一化した判断による評価により、オフィシャルな管理/運用則または管理マニュアルへの格上げを推奨する告知をすることができる。
図4は、管理基準のチェック処理手順を示すフローチャートである。浄水場の管理運用則において設定された各部署の管理基準を対象としてチェックを実施する。まず、ステップS401において、管理基準のチェック処理部25は、管理基準値データベース12から管理対象とその目標値を取得し、ステップS402において、水質データベース11から管理対象に関わる実測データを取得する。
次に、ステップS403において、管理基準のチェック処理部25は、管理対象に関連するドキュメントを文書管理データベース14から取得し、管理対象に関わるノウハウ情報をノウハウ情報データベース15から取得し、ステップS404において、是正措置データベース18から是正措置内容を取得する。
なお、是正措置データベース18には、過去の是正措置の実施内容に関する情報、不具合や異常事象が発生した際に、各部署の担当者に提示される是正措置内容が格納されており、是正によって改善される項目、是正措置の対象設備、担当部署、担当者、是正措置設定年月日、是正内容(操作手順、設定値、必要器具、部品、機器等)、関連部署が含まれる。
ステップS405において、管理基準のチェック処理部25は、管理基準の達成度を判定する。水質管理に関する数値目標の達成度は、ステップS401で取得した基準値と、ステップS402で取得した実測データの値を比較して評価する。
また、浄水場管理設備、機器の故障、点検保守における不具合の発見、計測機器の校正等、管理文書上で規定されている管理目標に関して、ステップS401で取得した管理対象とその基準値と、ステップS403で取得した情報との比較により評価する。これらの管理目標に対して、逸脱があった場合には是正措置がとられるが、当該設定と記録が実施されているか否かを、是正措置データベース18から取得した是正の記録で判断する。
なお、管理基準のチェック処理部25は、ステップS402からステップS405の処理を監視頻度に応じて繰り返すのがよい。
以上の実施形態によれば、過去に発生した各々運用の為の管理操作情報、事故対策情報、管理者の対応内容、当該対応に対する詳細情報の可視化が可能となり、熟練者、経験者らが有するノウハウを効果的に継承し、管理運用に関する技術習得が計画的に推進、支援できる技術継承システムを提供することができる。
本実施形態によれば、各種データベースに蓄積された既往データおよび各プロセスにおいて実施した一連の管理操作情報、ならびに管理者の対応内容や当該対応に対する根拠等のノウハウ情報を基にして、水質状況の消長、対応手段、操作方法、警報出力情報を時系列で参照することで、過去の操作内容の反復確認が行える。また、水質管理者の管理能力の育成および担当者間での情報共有が可能となり、将来の人材育成、危機管理に対する意識を高められる。
1 入力手段
2 表示手段
10 データベース
11 水質データベース
12 管理基準値データベース
13 履歴・プロセスデータベース
14 文書管理データベース
15 ノウハウ情報データベース
16 定量的評価指標データベース
17 評価情報データベース
18 是正措置データベース
20 処理手段
21 データ収集処理部
22 警報出力処理部
23 キーワード検索処理部
24 ノウハウ情報の評価処理部
25 管理基準のチェック処理部
26 格上げ告知処理部
100 計算機システム
200 上水道施設(水道施設)
201 監視制御サーバ
202 原水
203 処理工程
204 給配水施設
205 浄水
210 ネットワーク
S 技術継承支援システム

Claims (4)

  1. 入力手段と表示手段とデータベースを記憶した記憶手段と処理手段とを備えた計算機システムを含み、前記計算機システムと水道施設との情報通信が可能な水道施設の管理システムにおいて、前記水道施設の維持管理を支援する技術継承支援方法であって、
    前記記憶手段には、
    前記水道施設の各プロセスにおいて実施した管理操作情報、管理者の対応内容、当該対応に対する根拠のノウハウ情報を格納するノウハウ情報データベースと、
    前記水道施設の管理運用に関わる管理基準値、その算出方法、管理目標値の情報を格納する管理基準値データベースと、
    前記水道施設の水質データを格納する水質データベースと、
    前記水道施設の前記管理基準値と前記水質データとが比較され、前記管理基準値で定められた範囲を水質データが逸脱する場合に警報が出力された履歴情報を含む操作運転履歴情報データを格納する履歴・プロセスデータベースと、
    前記水道施設の管理対象に関連するドキュメントを格納する文書管理データベースと、
    前記水道施設の季節性変動に応じた評価指標、前記水道施設の運用に影響が出る近隣で開催されるイベント規模に応じた評価指標、前記水道施設の立地条件に応じた評価指標、前記水道施設の給水量または給水エリアの規模に応じた評価指標、および危害事象の発生頻度に応じた評価指標が格納されている定量的評価指標データベースと、が記憶されており、
    前記処理手段は、
    前記入力手段から、対象設備、事象、発生頻度を含むキーワードが入力されると、前記ノウハウ情報データベースからノウハウ情報を取得し、
    前記ノウハウ情報に関連する発生日時を、前記履歴・プロセスデータベースから取得し、
    前記ノウハウ情報に関連する前記水道施設の立地環境、および給水能力、給水面積の浄水場緒元を前記文書管理データベースから取得し、
    前記定量的評価指標データベースに基づいて前記ノウハウ情報の定量的評価値を算出し、前記記憶手段の評価情報データベースに記憶する
    ことを特徴とする技術継承支援方法。
  2. 前記処理手段は、
    所定時刻毎に、前記評価情報データベースを検索し、前記ノウハウ情報の定量的評価値が所定の閾値以上となっているノウハウ情報について、当該表示手段を介して、前記ノウハウ情報を管理マニュアルへの格上げを管理者に推奨するように告知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の技術継承支援方法。
  3. 前記処理手段は、
    前記管理基準値データベースから管理対象とその目標値を取得し、
    前記水質データベースから前記管理対象に関わる実測データを取得し、
    定期的に前記実測データが前記管理目標値が満足されているか否かを判断する管理基準チェックを行い、前記管理対象の達成度を評価する
    ことを特徴とする請求項1に記載の技術継承支援方法。
  4. 計算機システムと水道施設との情報通信が可能な技術継承支援システムであって、
    前記計算機システムは、
    前記水道施設の各プロセスにおいて実施した管理操作情報、管理者の対応内容、当該対応に対する根拠のノウハウ情報を格納するノウハウ情報データベースと、
    前記水道施設の管理運用に関わる管理基準値、その算出方法、管理目標値の情報を格納する管理基準値データベースと、
    前記水道施設の水質データを格納する水質データベースと、
    前記水道施設の前記管理基準値と前記水質データとが比較され、前記管理基準値で定められた範囲を水質データが逸脱する場合に警報が出力された履歴情報を含む操作運転履歴情報データを格納する履歴・プロセスデータベースと、
    前記水道施設の管理対象に関連するドキュメントを格納する文書管理データベースと、
    前記水道施設の季節性変動に応じた評価指標、前記水道施設の運用に影響が出る近隣で開催されるイベント規模に応じた評価指標、前記水道施設の立地条件に応じた評価指標、前記水道施設の給水量または給水エリアの規模に応じた評価指標、および危害事象の発生頻度に応じた評価指標が格納されている定量的評価指標データベースと、を記憶する記憶手段と、
    入力手段から、対象設備、事象、発生頻度を含むキーワードが入力されると、前記ノウハウ情報データベースからノウハウ情報を取得し、前記ノウハウ情報に関連する発生日時を、前記履歴・プロセスデータベースから取得し、前記ノウハウ情報に関連する前記水道施設の立地環境、および給水能力、給水面積の浄水場緒元を前記文書管理データベースから取得し、前記定量的評価指標データベースに基づいて前記ノウハウ情報の定量的評価値を算出し、前記記憶手段の評価情報データベースに記憶する処理手段と、を有する
    ことを特徴とする技術継承支援システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020110953A1 (ja) 2018-11-28 2020-06-04 昭和電工株式会社 技術予測装置、方法、およびプログラム
JP7451275B2 (ja) 2020-04-16 2024-03-18 株式会社東芝 管理者支援装置

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