以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場(ホール)運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入すると、入賞が発生したこと(又は取得された各種の乱数値)を記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が流入しても表示は増えない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入しても表示は増えない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。その他に演出ユニット40には、演出用の可動体(例えばキャラクターのフィギュア、装飾物等)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属していてもよい。演出用の可動体は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、リーチモード乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図7は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図5)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別遊技管理処理及び普通遊技管理処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別遊技管理処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別遊技管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通遊技管理処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通遊技管理処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、変動時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別遊技管理処理(ステップS205)や普通遊技管理処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図9は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図10は、第1特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行ってもよい。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が変動時間短縮機能作動中であるか否か、あるいは、大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であって変動時間短縮機能が非作動であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。変動時間短縮機能が作動中であるか、もしくは大当り中のいずれかであれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、先ず大当り中は先読みによる演出を行わないためである。また大当り中以外では、第1特別図柄の作動記憶と第2特別図柄の作動記憶がともに残存する場合、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動を優先して行う(第2特別図柄の作動記憶を優先して消費する)こととしており、特に変動時間短縮機能作動中は可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるからである。なお、変動時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば低確率で251分の25→251分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→1.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2〜3回程度に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の変動を優先しても、その作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄について優先順位を設けることなく、これらを入賞発生順に当り判定(変動)することとしてもよい。なおステップS36は、例えば「変動時間短縮機能作動中」を判定するステップS36aと「大当り中」を判定するステップS36bの2つに分割してもよい。
ステップS37:変動時間短縮機能が非作動の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図11は、第2特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図10)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図10)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図10)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図10)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図10)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。ここで、先のステップS45aで大当り中か否かだけを判定し、変動時間短縮機能の作動状態を判定していないのは、上記のように本実施形態では、大当り中以外の遊技において第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させるため、大当り中以外は変動時間短縮機能の作動状態に関わらず、第2特別図柄については事前に内部抽選の結果を判定し、その結果を先読み演出に利用できるからである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置24に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図12は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS37,図11中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、変動時間(又は変動パターン番号)やリーチ変動の有無の判定情報が反映される。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図10)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図10)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11)に復帰する。
〔特別遊技管理処理〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される特別遊技管理処理の詳細について説明する。図13は、特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。特別遊技管理処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動開始待ち処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別遊技管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動開始待ち処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば15回とする)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りが設けられているが、その他に例えば5ラウンド大当りや2ラウンド大当りが設けられていてもよい。また15ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられているものとする。なお、当選種類についてはさらに後述する。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段)。また「時間短縮状態」では変動時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として以下のものが含まれているものとする。なお、以下の当選種類はあくまで例示であって、これらに限定されるものではなく、その他の当選種類が設けられている態様であってもよい。
(1)「15ラウンド通常大当り1」
(2)「15ラウンド通常大当り2」
(3)「15ラウンド通常大当り3」
(4)「15ラウンド確変大当り1」
(5)「15ラウンド確変大当り2」
(6)「15ラウンド確変大当り3」
(7)「15ラウンド確変大当り4」
(8)「15ラウンド確変大当り5」
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「15ラウンド通常大当り1」は「15ラウンド通常図柄1」の大当りに対応し、「15ラウンド通常大当り2」は「15ラウンド通常図柄2」の大当りに対応し、「15ラウンド通常大当り3」は「15ラウンド通常図柄3」の大当りに対応する。また、「15ラウンド確変大当り1」は「15ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り2」は「15ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。以下同様に、「15ラウンド確変大当り3」は「15ラウンド確変図柄3」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り4」は「15ラウンド確変図柄4」の大当りに対応し、「15ラウンド確変大当り5」は「15ラウンド確変図柄5」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔15ラウンド通常図柄1,2,3〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド通常図柄1」、「15ラウンド通常図柄2」又は「15ラウンド通常図柄3」のいずれかの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。このため「15ラウンド通常図柄1」、「15ラウンド通常図柄2」又は「15ラウンド通常図柄3」の大当り遊技は、いずれも15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「変動時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「変動時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。ただし、大当り遊技の終了後に「変動時間短縮機能」を作動させる変動時間短縮機能作動回数(特別図柄の変動回数)は、「15ラウンド通常図柄1」、「15ラウンド通常図柄2」又は「15ラウンド通常図柄3」でそれぞれ異なる。本実施形態では、「15ラウンド通常図柄1」の場合は例えば10回まで、「15ラウンド通常図柄2」の場合は20回まで、そして、「15ラウンド通常図柄3」の場合は30回まで(いずれも上限回数)と規定されている。
〔15ラウンド確変図柄1〜5〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄4」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。これら「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」の大当り遊技もまた、それぞれが15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「変動時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「変動時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔当選種類による変動時間短縮機能作動回数の相違〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」について、大当り遊技終了後に付与される変動時間短縮機能作動回数の違いによって大きく2つのグループに分けることができる。すなわち、1つは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」までの第1グループであり、もう1つは「15ラウンド確変図柄4」及び「15ラウンド確変図柄5」の第2グループである。このうち第1グループについては、「15ラウンド確変図柄1」の場合は例えば変動時間短縮機能作動回数が10回まで、「15ラウンド確変図柄2」の場合は変動時間短縮機能作動回数が20回まで、そして、「15ラウンド確変図柄3」の場合は変動時間短縮機能作動回数が30回まで(いずれも上限回数)と規定されている。このように第1グループについては、変動時間短縮機能作動回数を10回、20回又は30回程度に設定することで、「高確率状態」中に次回の当選が得られないまま「時間短縮状態」が終了する可能性もある、といった緊張感のある遊技性を実現することができる。これに対し、第2グループについては、「15ラウンド確変図柄4」及び「15ラウンド確変図柄5」のいずれについても変動時間短縮機能作動回数は例えば内部的に10000回(次回大当りまで)と規定されている。このように第2グループについては、変動時間短縮機能作動回数に「10000回」程度の膨大な回数を設定することで、実質的に次回の大当りを得られるまで「時間短縮状態」が継続することを確率的に保証することができる。
〔当選時の状態別による変動時間短縮機能作動回数の相違〕
また、上述した当選種類による変動時間短縮機能作動回数の相違とは別に、当選時の状態別によって付与される変動時間短縮機能作動回数が相違する場合もある。例えば、変動時間短縮機能の非作動時(非時間短縮状態)に当選した場合は変動時間短縮機能作動回数が比較的少なく設定されるが、変動時間短縮機能の作動時(時間短縮状態)に当選した場合は変動時間短縮機能が比較的多く設定されるという態様であってもよい。
〔2ラウンド確変図柄〕
また先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」及び「変動時間短縮機能」をともに作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典とともに、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。このような「2ラウンド確変図柄」については、遊技者に対して明確な大当り遊技を経ることなく、突発的に「高確率状態」及び「時間短縮状態」が発生したかのような印象を抱かせるものとなる。
いずれにしても、当選図柄が上記の「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「変動時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動開始待ち処理〕
図14は、特別図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の特別図柄当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)することになる。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、特別図柄当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ特別図柄当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の特別図柄当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の特別図柄当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、先ず主制御CPU72は特別図柄について、はずれ変動時に使用するべき変動パターンテーブルの種類を選択する。変動パターンテーブルは、今回のはずれ変動パターン番号を決定するためのデータテーブルである。ROM74のテーブル領域には、予め複数種類の変動パターンテーブルが記憶されており、各テーブルに複数の変動パターン番号が規定されている(変動パターン規定手段)。この処理において主制御CPU72は、今回のはずれ変動で使用する変動パターンテーブルの種類を選択すると、その種類に対応するROM74のテーブル領域アドレスを指定する。そして主制御CPU72は、先のステップS2200でシフトしたリーチ判定乱数を用いてリーチ変動又は非リーチ変動の抽選を行うとともに、その結果に応じて変動開始時作動記憶数及び変動パターン決定乱数に基づき第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン番号を選択する。
また主制御CPU72は、選択した変動パターン番号に対応する変動時間の値を特別図柄変動時間タイマに設定するとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、はずれ時の停止表示時間は予め一定(例えば0.5秒程度)に設定されているが、複数の停止表示時間(例えば0.5秒、4.0秒、6.0秒等)からいずれかを選択することとしてもよい。
なお本実施形態では、現在の遊技状態や変動回数に応じて、予め意図した所望の変動パターンを選択させる制御手法を採用している。例えば、現在の遊技状態が「時間短縮状態」又は「高確率状態」である場合、大当り遊技終了後からカウントしたときの変動回数に応じて所望の変動パターンを選択したり、変動回数を重ねた結果、遊技状態が変化(例えば「時間短縮状態」が終了)したことを契機として特定の変動パターンを選択したりすることが可能である。これにより、例えば現在の遊技状態が「時間短縮状態」であっても、変動回数が特定のカウントに達すると、はずれ時に所望の変動パターン(変動時間)を選択して特別図柄(例えば第2特別図柄)を変動表示させることができる。なお、このような所望の変動パターンを選択させる制御手法については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
先ず、大当り時の処理について説明する。
ステップS2422:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)別に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて上記の9種類が用意されている。9種類の内訳は、上記のとおり「15ラウンド通常図柄1」、「15ラウンド通常図柄2」、「15ラウンド通常図柄3」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄4」、「15ラウンド確変図柄5」、そして「2ラウンド確変図柄」である。ただし本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかが選択される。一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」のいずれかが選択され、「2ラウンド確変図柄」は選択されないこととなっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される当選図柄が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行した場合、通常時(変動時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第2特別図柄についての作動記憶が途切れにくくなっている。そして、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄についての記憶が優先して消費されることから、第2特別図柄についての当選種類から「2ラウンド確変大当り」を除外しておけば、特に「高確率状態」で「2ラウンド大当り」を引きにくくなるため、それだけ遊技者に煩わしさを感じさせることが少なく、また、当選時には15ラウンド分の賞球(出玉)を獲得できるという利点がある。
ここでは特に図示していないが、第1特別図柄及び第2特別図柄について、それぞれの確変比率は同じである。その上で、第1特別図柄について例えば「15ラウンド通常図柄」の選択比率を35%とすると、残り65%の中で「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」及び「2ラウンド確変図柄」の選択比率がそれぞれ適宜に設定されている。また第2特別図柄についても、例えば「15ラウンド通常図柄」の選択比率を35%とすると、残り65%の中で「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」の選択比率がそれぞれ適宜に設定されている。
上記のような当選図柄別の選択比率は、第1特別図柄及び第2特別図柄のそれぞれについて、図示しない「大当り時停止図柄選択テーブル」によって予め規定されており、そのテーブルデータは例えばROM74に記憶されている。そして、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1,第2特別図柄別の「大当り時停止図柄選択テーブル」に示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、主制御CPU72は第1,第2特別図柄別の「大当り時停止図柄選択テーブル」から当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
ステップS2424:次に主制御CPU72は、変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は現在の遊技状態に基づき、今回の大当りで使用する「変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」を決定する。「変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」は、遊技状態別及び当選図柄の種類別に確率変動機能作動回数、変動時間短縮機能作動回数をそれぞれ規定するとともに、合わせて当選図柄の種類別に「第1オフセット値(状態パラメータ値)」及び「変動パターン選択用カウンタ値(回数パラメータ値)」を予め規定したデータテーブルである。これら「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」は、大当り遊技終了後のはずれ変動時において、主制御CPU72がはずれ時変動パターン決定処理(ステップS2406)で変動パターンテーブルの種類を選択する際に必要なパラメータ値(変動パターン管理用パラメータ値)に該当する。なお、「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」についてはさらに後述する。また「確率変動機能作動回数」は、上記のように大当り遊技の終了後、確率変動機能を作動させる特別図柄の変動回数(上限回数)であり、また「変動時間短縮機能作動回数」は大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能を作動させる特別図柄の変動回数(上限回数)である。
ステップS2426:主制御CPU72は、先のステップS2424で選択した「変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」から、今回の当選図柄種別に対応する「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」をそれぞれ取得し、各パラメータ値をRAM76のパラメータ領域に退避させる。ここで退避させた「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」は、大当り遊技の終了を契機(設定契機)として新たに設定されるものであるが、この点についてはさらに後述する。
ステップS2428:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。大当り時の停止表示時間は、はずれ時と共通(例えば0.5秒程度)としてもよいし、はずれ時より長い時間(例えば1.0秒程度)としてもよい。
ステップS2430:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2422で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2422で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)である「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄5」又は「2ラウンド確変図柄」の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、変動時間短縮機能作動手段)。ここでは全ての確変図柄に変動時間短縮機能が付加されることとしているが、例えば「2ラウンド確変図柄」について変動時間短縮機能作動回数を0回とした場合、ここでは変動時間短縮機能作動フラグがセットされない。
またステップS2430の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。小当り時の停止表示時間についても、はずれ時と共通(例えば0.5秒程度)としてもよいし、はずれ時より長い時間(例えば1.0秒程度)としてもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
上記のステップS2406、ステップS2409又はステップS2430のいずれかの処理から復帰すると、主制御CPU72はステップS2432を実行する。
ステップS2432:主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンコマンドを生成し、その値をコマンドバッファに保存する。変動パターンコマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別遊技管理処理に復帰する。
〔図13:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図14中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2422)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間(停止表示時間)にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図15は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動開始待ち処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図14中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、優先して消費する方の第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「1」以上であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動開始待ち処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動開始待ち処理(図14)に復帰する。
〔変動パターン管理用パラメータ値設定テーブルの例〕
図16は、「通常時変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」の構成例を示す図である。例えば、通常遊技状態(確率変動機能非作動かつ変動時間短縮機能非作動)から第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選で当選が得られた場合、図16に示される「通常時変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」に基づいて確率変動機能作動回数及び変動時間短縮機能作動回数がそれぞれ設定されることに加えて、上記の「変動パターン管理用パラメータ値」である「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」がそれぞれ設定される。以下、具体的に説明する。
「通常時変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」には、通常遊技状態から大当り(いわゆる初当り)した場合の当選図柄の種類別に「確率変動機能作動回数」、「変動時間短縮機能作動回数」、「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」がそれぞれ割り当てられている。
〔15ラウンド通常図柄1当選時〕
図16中の左端カラムに「図柄種別」と示されているように、初当り時に「15ラウンド通常図柄1」に該当した場合、テーブルの最上段(見出し段を除く。以下も同じ。)に示される各種の値が選択される。その結果、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「0回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「10回」がそれぞれ設定されるとともに、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「1」、「変動パターン選択用カウンタ値」は「10」にそれぞれ設定されることになる。
〔15ラウンド通常図柄2当選時〕
また、初当り時に「15ラウンド通常図柄2」に該当した場合、テーブルの第2段に示される各種の値が選択され、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「0回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「20回」がそれぞれ設定されるとともに、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「1」、「変動パターン選択用カウンタ値」は「20」にそれぞれ設定される。
〔15ラウンド通常図柄3当選時〕
初当り時に「15ラウンド通常図柄3」に該当した場合、テーブルの第3段に示される各種の値が選択され、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「0回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「30回」がそれぞれ設定されるとともに、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「1」、「変動パターン選択用カウンタ値」は「30」にそれぞれ設定される。
〔15ラウンド確変図柄1当選時〕
一方、初当り時に「15ラウンド確変図柄1」に該当した場合、テーブルの第4段に示される各種の値が選択され、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「10000回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「10回」がそれぞれ設定されるとともに、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「4」、「変動パターン選択用カウンタ値」は「10」にそれぞれ設定される。
〔15ラウンド確変図柄2当選時〕
また、初当り時に「15ラウンド確変図柄2」に該当した場合、テーブルの第5段に示される各種の値が選択され、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「10000回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「20回」がそれぞれ設定されるとともに、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「4」、「変動パターン選択用カウンタ値」は「20」にそれぞれ設定される。
〔15ラウンド確変図柄3当選時〕
初当り時に「15ラウンド確変図柄3」に該当した場合、テーブルの第6段に示される各種の値が選択され、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「10000回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「30回」がそれぞれ設定されるとともに、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「4」、「変動パターン選択用カウンタ値」は「30」にそれぞれ設定される。
〔15ラウンド確変図柄4当選時〕
次に、初当り時に「15ラウンド確変図柄4」に該当した場合、テーブルの第7段に示される各種の値が選択され、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「10000回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「10000回」がそれぞれ設定される。また、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「2」に設定され、「変動パターン選択用カウンタ値」は「0」に設定される。
〔15ラウンド確変図柄5当選時〕
そして、初当り時に「15ラウンド確変図柄5」に該当した場合、テーブルの最下段に示される各種の値が選択され、大当り遊技終了後の「確率変動機能作動回数」として「10000回」、「変動時間短縮機能作動回数」として「10000回」がそれぞれ設定される。この場合、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」は「4(特定の値)」に設定され、「変動パターン選択用カウンタ値」は「30」に設定される。
上記の例は、「通常時変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」についてのものであるが、当選時の遊技状態が例えば「時間短縮状態」であった場合、別途図示しない「時短時変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」に基づいて各種の値が設定される。いずれにしても本実施形態では、「変動パターン管理用パラメータ値」として「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」が新たに設定されると、これら値の組み合わせに基づいて主制御CPU72が演算を行い、はずれ時の変動パターンテーブルの種類を選択する手法を採用している。以下、「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」を用いて変動パターンテーブルの種類を選択する手法について説明する。
〔はずれ時変動パターン決定処理〕
図17は、特別図柄変動開始待ち処理の中で実行されるはずれ時変動パターン決定処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。この処理において主制御CPU72は、「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」の組み合わせに基づいて変動パターンテーブルの種類を選択することができる。以下、手順例に沿って説明する。
〔第1オフセット値,変動パターン選択用カウンタ値の取得〕
ステップS2450:先ず主制御CPU72は、現在の「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」をそれぞれ取得する。各種パラメータ値は、例えばRAM76のパラメータ領域に保存されており、主制御CPU72はパラメータ領域から現在(最新)の値を取得する。「現在の値」とは、「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」のそれぞれについて、新しく設定後に更新された場合は更新後の値であることを意味する。なお、「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」の更新についてはさらに後述する。したがって、ここでは新たな設定後(例えば大当り遊技終了後のはずれ変動1回目)における処理を前提として説明する。
〔第2オフセット値の算出〕
ステップS2452:次に主制御CPU72は、取得した各値から「第2オフセット値」を算出する。ここで「第2オフセット値」は、現在の「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから決定される別の「変動パターン管理用パラメータ値」である。主制御CPU72は、ROM76に記憶されている「オフセット値算出テーブル」を参照し、現在の「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから該当する「第2オフセット値」を算出(取得)する。なお、「オフセット値算出テーブル」の例については後述する。
〔演出選択オフセット値の算出〕
ステップS2454:また主制御CPU72は、現在の「第1オフセット値」と算出した「第2オフセット値」とを加算して「演出選択オフセット値(演出選択パラメータ値)」を算出する。
〔変動パターンテーブルの選択〕
ステップS2456:そして主制御CPU72は、算出した「演出選択オフセット値」から該当する変動パターンテーブルの種類を選択する。本実施形態では、「演出選択オフセット値」として例えば「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」のいずれかが算出され、その結果、該当する変動パターンテーブルの種類として「A」,「B」,「C」,「D」,「E」,「F」のいずれかが選択されるものとなっている。
〔リーチ変動モードの選択〕
ステップS2458:また主制御CPU72は、リーチ変動モード選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記のようにリーチ判定乱数を用いてリーチ変動又は非リーチ変動の抽選を行う。リーチ変動を選択した場合、さらにリーチモード乱数を用いてリーチグループ(リーチの種類)の選択を合わせて実行する。リーチグループには、例えば「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「ストーリー系リーチ」、「疑似連後発展リーチ」等がある。これらリーチグループの違いにより、変動時間の長さや変動演出の態様が異なったものとなる。
ステップS2460:主制御CPU72は、先のステップS2458でリーチ変動又は非リーチ変動のいずれを選択したか確認し、非リーチ変動を選択した場合(No)はステップS2462に進み、リーチ変動を選択した場合(Yes)はステップS2468に進む。
〔非リーチ変動選択時〕
ステップS2462:非リーチ変動を選択した場合、主制御CPU72は今回の変動の対象図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)について、変動開始時作動記憶数を取得する。なお変動パターンテーブルは、同じ種類(例えば「B」の種類)に該当するものであっても、変動開始時作動記憶数(例えば0〜4)別にさらに複数のものが用意されている。
〔変動パターン選択〕
ステップS2464:主制御CPU72は、今回選択した種類に該当する変動パターンテーブルのうち、変動開始時作動記憶数別の変動パターンテーブルから変動パターン決定乱数を用いて通常はずれ時変動パターンを抽選する(変動パターン選択手段)。
〔リーチ変動選択時の変動パターン選択〕
一方、リーチ変動を選択した場合(ステップS2460:Yes)は以下の手順となる。
ステップS2468:主制御CPU72は今回選択した種類に該当する変動パターンテーブルのうち、変動開始時作動記憶数別でみて先頭(例えば0個)の変動パターンテーブルからリーチモード乱数及び変動パターン決定乱数を用いてはずれリーチ変動パターンを抽選する。
〔リーチ変動/非リーチ変動共通〕
ステップS2466:そして主制御CPU72は、特別図柄変動パターン番号設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2464又はステップS2468で選択した変動パターンに対応する変動パターン番号を設定する。ここで設定した変動パターン番号に基づき、上記の変動タイマの値が設定されるとともに、変動パターンコマンドが生成される。
〔オフセット値算出テーブルの例〕
図18は、「第2オフセット値」の算出に用いられる「オフセット値算出テーブル」の構成例を示す図である。先のステップS2452において主制御CPU72は、例えば図18に示される「オフセット値算出テーブル」を用いて「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」を算出(取得)することができる。
「オフセット値算出テーブル」は、その左端カラムに示されているように、「第1オフセット値」が「0」,「1」,「2」,「3」,「4」のいずれかの値であるとき、対応する「変動パターン選択用カウンタ値」によって「第2オフセット値」に「0」,「1」又は「4」のいずれかを算出結果として返すものである。ただし本実施形態では、「第1オフセット値」が「0」,「2」又は「3」のいずれかである場合、対応する「変動パターン選択用カウンタ値」は「0」に設定されたまま変化しないため、常に「第2オフセット値」は「0」として算出される仕組みになっている。
これに対し、「第1オフセット値」が「1」又は「4」に設定された場合、上記のように当選図柄の種類に応じて「変動パターン選択用カウンタ値」が「10」,「20」,「30」等に設定されるため、そのとき対応する「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」,「2〜10」,「11」,「12〜20」,「21」又は「22〜30」のいずれに該当するかによって算出される「第2オフセット値」は異なってくる。
〔第1オフセット値の役割〕
ここで「第1オフセット値」は、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」が現在の遊技状態を表す役割を持っている。すなわち、初期値の「0」は通常遊技状態、つまり確率変動機能が非作動かつ変動時間短縮機能が非作動の状態(確変なし、時短なし)を表している。また、「1」は確率変動機能が非作動かつ変動時間短縮機能作動中の状態(確変なし、時短あり)を表しており、「2」は確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中の状態(確変あり、時短あり)を表している。また「3」は、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能が非作動の状態(確変あり、時短なし)を表しており、この状態は演出上で「高確率状態」であることが遊技者に開示されない(いわゆる潜伏確変中、確変内在中)。また「4」は、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中の状態(確変あり、時短あり)であり、内部状態としては「2」と同じであるが、演出上で「高確率状態」であることは遊技者に開示されない。なお、このような「第1オフセット値」の役割はあくまで本実施形態での一例であり、その他の役割を与えることもできる。
〔変動パターン選択用カウンタ値の役割〕
「変動パターン選択用カウンタ値」は、今回の変動が特殊変動状態(特定種類の変動パターンテーブルを選択させる状態)に該当するか、もしくは、非特殊変動状態(特定種類の変動パターンテーブルを選択させない状態)に該当するかを表す役割を持っている。本実施形態の一例では、特に「第1オフセット値」が「1」又は「4」の場合において、「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」,「11」又は「21」をとる場合に特殊変動状態に該当し、それ以外では非特殊変動状態に該当することを表している。
〔第2オフセット値の役割〕
また「第2オフセット値」は、特殊変動状態又は非特殊変動状態のいずれであっても、現在の遊技状態に応じて制御上で選択するべき変動パターンテーブルの種類を指定する役割を持っている。すなわち「第2オフセット値」は、これを「第1オフセット値」に加算することによって「第1オフセット値」をずらす(オフセットさせる)ことにより、「演出選択オフセット値」の算出結果を所望に変化させることができる。したがって、特殊変動状態の場合、制御上で特定種類の変動パターンテーブルを選択させる必要があるため、「第2オフセット値」は「0」以外の値をとり、逆に非特殊変動状態の場合、制御上で特定種類の変動パターンテーブルを選択させる必要はないため、「第2オフセット値」は「0」となる。
〔特殊変動状態の発生手法〕
上述した「第1オフセット値」、「変動パターン選択用カウンタ値」及び「第2オフセット値」の各役割に基づき、本実施形態で特殊変動状態を所望に発生させる手法について説明する。
本実施形態において特殊変動状態は、遊技状態が「低確率時間短縮状態」又は「高確率時間短縮状態」のいずれかである場合に発生させることとしている。そこで、上記のように「第1オフセット値」が「1」又は「4」の場合に「変動パターン選択用カウンタ値」によって「第2オフセット値」を「0」又はそれ以外の値に変化させ、特定回数の変動で特殊変動状態を発生させることとしている。
〔低確率時短状態〕
図18中に網掛けで示されているように、例えば「第1オフセット値」が「1」の場合であって、「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」,「11」又は「21」をとる場合、いずれも「第2オフセット値」は「0」以外の「4」に設定されている。この場合、「第1オフセット値」の「1」に「4」が加算されることで、「演出選択オフセット値」は「5」として算出されることになる。それ以外の場合は「第2オフセット値」が「0」のまま変化しないため、「演出選択オフセット値」は「第1オフセット値」と同じ「1」として算出される。
〔高確率時短状態〕
同じく図18中に網掛けで示されているように、例えば「第1オフセット値」が「4」の場合であって、「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」,「11」又は「21」をとる場合、いずれも「第2オフセット値」は「0」以外の「1」に設定されている。この場合、「第1オフセット値」の「4」に「1」が加算されることで、「演出選択オフセット値」は「5」として算出されることになる。それ以外の場合は「第2オフセット値」が「0」のまま変化しないため、「演出選択オフセット値」は「第1オフセット値」と同じ「4」として算出されることになる。
〔演出選択オフセット値を用いた特定種類の変動パターンの選択〕
図19は、「演出選択オフセット値別変動パターンテーブルアドレス選択テーブル」の構成例を示す図である。この選択テーブルは、例えば「演出選択オフセット値」を引数として、これに対応して選択するべき変動パターンテーブルのアドレスを返す構成である(変動パターン選択種類管理手段)。
上述したはずれ時変動パターン選択処理(図17中のステップS2456)において、主制御CPU72は図19に示される「演出選択オフセット値別変動パターンテーブルアドレス選択テーブル」を参照し、今回の「演出選択オフセット値」である「0」,「1」,「2」,「3」,「4」又は「5」のいずれかに対応する変動パターンテーブルアドレスを取得する。ここで取得した変動パターンテーブルアドレスは、今回のはずれ変動パターンの抽選で使用するべき変動パターンテーブルの所在(ROM76上での先頭アドレス)を表している。したがって、主制御CPU72は以降のステップS2464又はステップS2468において、取得した変動パターンテーブルアドレスに基づいて今回選択した変動パターンテーブルを検索し、上述した変動パターン抽選を実行することができる。
〔演出選択オフセット値=0〕
例えば、「演出選択オフセット値」が「0」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮なし状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。図19中の右端カラムに示されているように、本実施形態では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を例えば「A」としている。
〔演出選択オフセット値=1〕
次に「演出選択オフセット値」が「1」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。また本実施形態では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を例えば「B」としている。
〔演出選択オフセット値=2〕
「演出選択オフセット値」が「2」である場合、選択テーブルは「特別図柄高確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。また本実施形態では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を例えば「C」としている。
〔演出選択オフセット値=3〕
「演出選択オフセット値」が「3」である場合、選択テーブルは「特別図柄高確率時間短縮なし状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。本実施形態では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を例えば「D」としている。
〔演出選択オフセット値=4〕
「演出選択オフセット値」が「4」である場合、選択テーブルは「特別図柄高確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。本実施形態では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を例えば「E」としている。
〔演出選択オフセット値=5〕
以上の変動パターンテーブル種類「A」〜「E」は、上述した非特殊変動状態に対応するものであるが、特殊変動状態の場合は「演出選択オフセット値」が「5」となる。
すなわち、「演出選択オフセット値」が「5」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮あり状態時or特別図柄高確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。本実施形態では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を例えば「F」としており、この変動パターンテーブル種類「F」が特殊変動状態の場合に選択されることとしている。
〔変動パターンテーブルの構成例〕
図20は、変動パターンテーブルの構成例を種類別に示した図である。このうち図20中(I)は、変動パターンテーブルとして「変動開始時作動記憶数別変動パターン番号選択テーブルA〜E」の構成例を示し、図20中(II)は、変動パターンテーブルとして「特殊変動状態演出用変動パターン番号選択テーブルF」の構成例を示している。なお、ここでいう「A〜E」、「F」は、それぞれ上記の変動パターンテーブルの種類として図19に示した「A〜E」、「F」に相当する。
〔非特殊変動状態〕
図20中(I):「変動開始時作動記憶数別変動パターン番号選択テーブルA〜E」は、上記のように非特殊変動状態の場合に選択される。選択テーブルA〜Eは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。図中に示されている選択テーブルAを例に挙げると、「比較値」には、例えば10段階に異なる値「24」,「49」,「74」,「99」,「124」,「149」,「174」,「199」,「224」,「255(FFH)」が設けられており(全ては図示していない)、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「01(非リーチ)」〜「10(非リーチ)」が割り当てられている。
さらに選択テーブルA〜Eは、10段階の「比較値」と10通りの「変動パターン番号」を定めた記憶領域をブロック単位として規定している。選択テーブルAの例でみると、例えば先頭アドレスから1ブロック目には、非リーチグループの変動パターン番号「01(非リーチ)」〜「10(非リーチ)」が記憶されているが、2ブロック目には10段階の「比較値」とともにリーチモード1の変動パターン番号「11(リーチモード1)」〜「20(リーチモード1)」が記憶されている。同様に、3ブロック目には10段階の「比較値」とともにリーチモード2の変動パターン番号「21(リーチモード2)」〜「30(リーチモード2)」が記憶されており、4ブロック目以降にもそれぞれ同様に、10段階の「比較値」とともにリーチモード3,4,・・・の変動パターン番号「31(リーチモード3)」〜「40(リーチモード3)」,「41(リーチモード4)」〜「50(リーチモード5)」,・・・が記憶されている(全ては図示していない)。
なお、非リーチ(通常)の変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」が基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて1.5秒〜12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜150秒程度)に対応するものである。
〔非リーチ変動パターン抽選〕
主制御CPU72は非リーチの通常はずれ時変動パターン抽選(図17中のステップS2464)において、取得した変動パターン決定乱数値を選択テーブル中の1ブロック目にある「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「45」であったとすると、最初の比較値「24」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「49」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「02(非リーチ)」を選択する(選択テーブルAの場合)。
〔リーチ変動パターン抽選〕
また主制御CPU72は、はずれリーチ変動パターン抽選(図17中のステップS2468)において、先ず取得したリーチモード乱数から選択テーブル中の該当するブロックの先頭アドレスを選択する。そして、取得した変動パターン決定乱数値を該当ブロック内にある「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、取得したリーチモード乱数が2ブロック目(リーチモード1)に該当し、そのときの変動パターン決定乱数値が例えば「58」であったとする。この場合、ブロック内で最初の比較値「24」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「49」と乱数値を比較する。この場合も乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「74」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「13(リーチモード1)」を選択することができる(同じく選択テーブルAの場合)。
いずれにしても、変動パターンテーブルA〜Eから変動パターン番号を選択すると、主制御CPU72は特別図柄変動パターン番号設定処理(図17中のステップS2466)において選択結果を今回の変動パターン番号として設定する。なお、ここでは図示されていないが、その他の選択テーブルB〜Eには、上記と異なる変動パターン番号(例えば101〜)が割り当てられているものとする。
〔特殊変動状態〕
図20中(II):これに対し、「特殊変動状態演出用変動パターン番号選択テーブルF」は、上記のように特殊変動状態の場合に選択される。選択テーブルFもまた、例えば「比較値」と「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。ただし、「比較値」には「255(FFH)」だけが設けられており、これに対して「変動パターン番号」の「51(特殊変動演出用)」が割り当てられている。したがって、非リーチ変動又はリーチ変動のいずれであっても、主制御CPU72は変動パターン抽選(図17中のステップS2464又はステップS2468)において、取得した変動パターン決定乱数値を単一のブロック内にある「比較値=255(FFH)」と比較する。乱数値の更新範囲を例えば0〜249とすると、変動パターン決定乱数がいずれの値であっても、主制御CPU72は変動パターン番号として「51(特殊変動演出用)」を選択することができる(変動パターン選択種類管理手段)。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図21は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。特別図柄停止表示中処理は、毎回の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示の終了後、停止表示状態にある場合に実行される。またこの処理において、主制御CPU72は変動パターン管理用パラメータ値更新処理を実行することで、適宜に「変動パターン選択用カウンタ値」や「第1オフセット値」を更新している。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図13中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図14中のステップS2422)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「15ラウンド通常図柄1〜3」又は「15ラウンド確変図柄1〜5」のいずれかであれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動開始待ち処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、いずれも極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。また、「時間短縮状態」については、上記のように当選図柄の種類別に規定された回数切りカウンタ値(例えば10回、20回,30回又は10000回)が設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。具体的には、確変回数切りカウンタ値及び時短回数切りカウンタ値のそれぞれについて0であるか否かを確認する。このとき、既に両方の回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。一方、いずれかの回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、未だ0でない回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。すなわち、確変回数切りカウンタ値又は時短回数切りカウンタ値がいずれも0でなければ両方を減算し、いずれか一方が0でなければ、そのカウンタ値を減算する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、いずれかの減算結果が0でないか否かを判断する。本実施形態では、確変回数切りカウンタ値は10000回でセットされるため、確率的にその値が0になることはほとんどない。したがって、時短回数切りカウンタ値について減算した結果、その値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。これに対し、時短回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは変動時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了することになる。
ステップS4655:次に主制御CPU72は、リセットした回数切り機能について、遊技状態変化フラグをセットする。「遊技状態変化フラグ」は、例えば今回の変動終了を契機として「時間短縮状態」から「非時間短縮状態」への変化が発生することを意味している。
ステップS4660:ここで主制御CPU72は、変動パターン管理用パラメータ値更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各種の更新契機に応じて変動パターン管理用パラメータ値を更新する(詳細は次で説明)。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔変動パターン管理用パラメータ値更新処理〕
図22は、変動パターン管理用パラメータ値更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って処理の内容を説明する。
ステップS4662:先ず主制御CPU72は、各種パラメータ値を取得する。具体的には、主制御CPU72は現在の「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」を取得する。
ステップS4664:次に主制御CPU72は、取得した「変動パターン選択用カウンタ値」が0より大きいか否かを確認する。未だ「変動パターン選択用カウンタ値」が0に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4666を実行する。
〔変動パターン選択用カウンタ値の更新〕
ステップS4666:この場合、主制御CPU72は「変動パターン選択用カウンタ値」を1減算し、その結果を新たな「変動パターン選択用カウンタ値」として更新する。すなわち本実施形態では、はずれ時の特別図柄の停止表示(確定停止)を更新契機として「変動パターン管理用パラメータ値」が更新されることになる(管理用パラメータ値更新手段)。
ステップS4668:次に主制御CPU72は、上記の更新を行った結果、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化したか否かを確認する。具体的には、今回更新前の「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」であり、更新によって「0」に変化した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4670を実行する。
ステップS4670:この場合、主制御CPU72はいずれかの更新契機が発生したものとして、「第1オフセット値」を更新する(管理用パラメータ値更新手段)。なお、更新後の値は更新契機によって異なり、その詳細については後述する。
これに対し、特に更新後の「変動パターン選択用カウンタ値」が「0」に変化していなければ(ステップS4668:No)、主制御CPU72は次にステップS4672に進む。あるいは、先のステップS4664で「変動パターン選択用カウンタ値」が既に0に達していた場合(ステップS4664:No)、同じく主制御CPU72はステップS4672に進む。なお、「変動パターン選択用カウンタ値」が既に0に達していた場合(ステップS4664:No)、ステップS4672を実行することなく、特別図柄停止表示中処理に復帰することとしてもよい。
ステップS4672:ここで主制御CPU72は、上記の「遊技状態変化フラグ」に値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に「遊技状態変化フラグ」がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理に復帰する。
これに対し、今回の処理で「遊技状態変化フラグ」に値(01H)がセットされていた場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS4674に進む。
ステップS4674:この場合、主制御CPU72は「遊技状態変化フラグ」をリセットし、ステップS4670に進む。そして主制御CPU72は、「遊技状態の変化」により別の更新契機が発生したものとして「第1オフセット値」を更新する(管理用パラメータ値更新手段)。なお、上記のように更新後の値は更新契機によって異なったものとなる。
〔第1オフセット値更新テーブル〕
図23は、第1オフセット値更新テーブルの構成例を示す図である。この更新テーブルは、更新契機の種類別にそれぞれ異なった「第1オフセット値」の更新結果を返すものである。以下、具体的に説明する。
〔更新契機(1)〜(3)〕
図23のテーブル中、見出し段を除く1段目から3段目までに示されているように、更新契機(1)の変動時間短縮機能作動終了時に変動パターン選択用カウンタ値が1から0に変化した時、更新契機(2)の変動時間短縮機能作動終了時、更新契機(3)の確率変動機能作動終了時については、いずれも「第1オフセット値」が「0」に更新される。
〔更新契機(4)〕
次に、図23のテーブル中、見出し段を除く4段目に示されているように、更新契機(4)の確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動終了時に変動パターン選択用カウンタ値が1から0に変化した時は、「第1オフセット値」が「3」に更新されることになる。
〔更新契機(5)〕
そして図23のテーブル中、最下段に示されているように、更新契機(5)の確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中に変動パターン選択用カウンタ値が1から0に変化した時は、「第1オフセット値」が「2」に更新されることになる。
〔図柄別変動パターンテーブル選択一覧表〕
図24は、当選図柄の種類別に毎回の変動時に選択される変動パターンテーブルの種類を変動回数に対応させて示した一覧表である。以下、具体的に説明する。
〔15ラウンド通常図柄1〕
先ず、一覧表の1段目(見出し段を除く。以下も同じ。)に示されているように、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド通常図柄1」に該当すると、大当り遊技の終了を設定契機として各種パラメータ値が設定される結果、大当り遊技終了後の変動1回目から変動9回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「B」となる。なお、変動1回目から9回目までの間、毎回の図柄停止表示を更新契機として「変動パターン選択用カウンタ値」は1ずつ減算して更新される。
〔変動10回目:特殊変動状態の発生〕
特別図柄の変動が9回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「1」に更新されている。したがって、変動10回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「4」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、上記のように変動10回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、変動時間短縮機能作動中であっても所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔更新契機(1)〕
そして10回目の変動(特殊変動状態)が終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するとともに、変動時間短縮機能作動終了によって上記の更新契機(1)が発生し、「第1オフセット値」は「0」に更新される。
〔変動11回目〜〕
したがって、変動11回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」は「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「0」として算出される。これにより、変動11回目以降は変動パターンテーブルの種類に「A」が選択されるため、通常遊技状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド通常図柄2〕
次に、一覧表の2段目に示されているように、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド通常図柄2」に該当すると、大当り遊技の終了を設定契機として各種パラメータ値が設定される結果、大当り遊技終了後の変動1回目から変動9回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「B」となる。なお、変動1回目から9回目までの間、毎回の図柄停止表示を更新契機として「変動パターン選択用カウンタ値」は1ずつ減算して更新される。
〔変動10回目:特殊変動状態の発生〕
特別図柄の変動が9回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「11」に更新されている。したがって、変動10回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「4」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、上記のように変動10回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、変動時間短縮機能作動中であっても所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔変動11回目〜〕
この場合、10回目の変動終了時に「変動パターン選択用カウンタ値」は未だ「0」に達していないので、更新契機(1)は発生しない。したがって、「第1オフセット値」は引き続き「1」のままであり、変動11回目から変動19回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「B」に復帰する。ここでも同様に、変動11回目から19回目までの間、毎回の図柄停止表示を更新契機として「変動パターン選択用カウンタ値」は1ずつ減算して更新される。
〔変動20回目:特殊変動状態の発生〕
この後、特別図柄の変動が19回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「1」に更新されている。したがって、変動20回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「4」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、上記のように変動20回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、変動時間短縮機能作動中であっても所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔更新契機(1)〕
そして20回目の変動(特殊変動状態)が終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するとともに、変動時間短縮機能作動終了によって上記の更新契機(1)が発生し、「第1オフセット値」は「0」に更新される。
〔変動21回目〜〕
したがって、変動21回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」は「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「0」として算出される。これにより、変動21回目以降は変動パターンテーブルの種類に「A」が選択されるため、通常遊技状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド通常図柄3〕
また、一覧表の3段目に示されているように、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド通常図柄3」に該当すると、大当り遊技の終了を設定契機として各種パラメータ値が設定される結果、大当り遊技終了後の変動1回目から変動9回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「B」となる。
「15ラウンド通常図柄3」については、変動1回目から9回目、変動10回目、変動11回目〜19回目、変動20回目でそれぞれ「15ラウンド通常図柄2」と同じ種類の変動パターンテーブルが選択されるため、ここでは重複した説明を省略する。
〔変動21回目〜〕
「15ラウンド通常図柄3」の場合、20回目の変動終了時に「変動パターン選択用カウンタ値」は未だ「0」に達していないため、ここで更新契機(1)は発生しない。したがって、「第1オフセット値」は引き続き「1」のままであり、変動21回目から変動29回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「B」に復帰する。
〔変動30回目:特殊変動状態の発生〕
この後、特別図柄の変動が29回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「1」に更新されている。したがって、変動30回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「4」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、変動30回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、変動時間短縮機能作動中であっても所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔更新契機(1)〕
そして30回目の変動(特殊変動状態)が終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するとともに、変動時間短縮機能作動終了によって上記の更新契機(1)が発生し、「第1オフセット値」は「0」に更新される。
〔変動31回目〜〕
したがって、変動31回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「0」として算出される。これにより、変動31回目以降は変動パターンテーブルの種類に「A」が選択されるため、通常遊技状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド確変図柄1〕
次に、15ラウンド確変図柄の場合について説明する。
先ず一覧表の4段目に示されているように、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド確変図柄1」に該当すると、大当り遊技の終了を設定契機として各種パラメータ値が設定される結果、大当り遊技終了後の変動1回目から変動9回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「E」となる。ここでも同様に、変動1回目から9回目までの間、毎回の図柄停止表示を更新契機として「変動パターン選択用カウンタ値」は1ずつ減算して更新される。
〔変動10回目:特殊変動状態の発生〕
特別図柄の変動が9回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「1」に更新されている。したがって、変動10回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「1」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、上記のように変動10回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中であっても、所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔更新契機(4)〕
そして10回目の変動(特殊変動状態)が終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するとともに、変動時間短縮機能作動終了によって上記の更新契機(4)が発生する。これにより、「第1オフセット値」は「3」に更新される。
〔変動11回目〜〕
したがって、変動11回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」は「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「3」として算出される。これにより、変動11回目以降は変動パターンテーブルの種類に「D」が選択されるため、高確率状態かつ非時間短縮状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド確変図柄2〕
また一覧表の5段目に示されているように、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド確変図柄2」に該当した場合についても、大当り遊技の終了を設定契機として各種パラメータ値が設定される結果、大当り遊技終了後の変動1回目から変動9回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「E」となる。
〔変動10回目:特殊変動状態の発生〕
特別図柄の変動が9回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「11」に更新されている。したがって、変動10回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「1」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、変動10回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中であっても、所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔変動11回目〜〕
またこの場合、10回目の変動終了時に「変動パターン選択用カウンタ値」は未だ「0」に達していないので、そこでの更新契機(4)は発生しない。したがって、「第1オフセット値」は引き続き「4」のままであり、変動11回目から変動19回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「E」に復帰する。またここでも同様に、変動11回目から19回目までの間、毎回の図柄停止表示を更新契機として「変動パターン選択用カウンタ値」は1ずつ減算して更新される。
〔変動20回目:特殊変動状態の発生〕
この後、特別図柄の変動が19回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「1」に更新されている。したがって、変動20回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「1」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、上記のように変動20回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中であっても、所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔更新契機(4)〕
そして20回目の変動(特殊変動状態)が終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するとともに、変動時間短縮機能作動終了によって上記の更新契機(4)が発生し、「第1オフセット値」は「3」に更新される。
〔変動21回目〜〕
したがって、変動21回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」は「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「3」として算出される。これにより、変動21回目以降は変動パターンテーブルの種類に「D」が選択されるため、確率変動状態かつ非時間短縮状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド確変図柄3〕
また一覧表の6段目に示されているように、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド確変図柄3」に該当すると、大当り遊技の終了を設定契機として各種パラメータ値が設定される結果、大当り遊技終了後の変動1回目から変動9回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「E」となる。
「15ラウンド確変図柄3」については、変動1回目から9回目、変動10回目、変動11回目〜19回目、変動20回目でそれぞれ「15ラウンド確変図柄2」と同じ種類の変動パターンテーブルが選択されるため、ここでは重複した説明を省略する。
〔変動21回目〜〕
そして「15ラウンド確変図柄3」の場合、20回目の変動終了時に「変動パターン選択用カウンタ値」は未だ「0」に達していないため、ここで更新契機(4)は発生しない。したがって、「第1オフセット値」は引き続き「4」のままであり、変動21回目から変動29回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は「E」に復帰する。
〔変動30回目:特殊変動状態の発生〕
この後、特別図柄の変動が29回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」は「1」に更新されている。したがって、変動30回目では「第1オフセット値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「1」として算出される結果、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される。これにより、変動30回目で変動パターンテーブルの種類は「F」が選択されるため、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中であっても、所望に特殊変動状態を発生させることができる。
〔更新契機(4)〕
そして30回目の変動(特殊変動状態)が終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するとともに、変動時間短縮機能作動終了によって上記の更新契機(4)が発生し、「第1オフセット値」は「3(特殊な値)」に更新される。
〔変動31回目〜〕
したがって、変動31回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「3」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「3」として算出される。これにより、変動31回目以降は変動パターンテーブルの種類に「D」が選択されるため、高確率状態かつ非時間短縮状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド確変図柄4〕
次に、「15ラウンド確変図柄4」の場合について説明する。
本実施形態では、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド確変図柄4」に該当した場合、大当り遊技終了後は明確な高確率状態かつ時間短縮状態であることを開示する態様の演出を行うこととしている。このため、特定の変動回数で特殊変動状態を発生させる必要はない。
すなわち、一覧表の7段目に示されているように、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド確変図柄4」に該当した場合、大当り遊技の終了を設定契機として各種パラメータ値が設定される結果、大当り遊技終了後の変動1回目から次回の当選時まで、選択される変動パターンテーブルの種類は「C」のみとなっている。
〔15ラウンド確変図柄5〕
さらに「15ラウンド確変図柄5」の場合について説明する。
本実施形態では、通常遊技状態からの当選時に「15ラウンド確変図柄5」に該当した場合、大当り遊技終了後の変動30回目までは高確率状態かつ時間短縮状態であることを非開示とする態様の演出を行うが、変動31回目からは、明確な高確率状態かつ時間短縮状態であることを開示する態様の演出を行うこととしている。そして、変動30回目までの特定の変動回数(10回目、20回目、30回目)でそれぞれ特殊変動状態を発生させることにより、それまでの間に発生する演出の態様を「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」や「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」等と同一又は近似したものとしている。
したがって「15ラウンド確変図柄5」については、上述した「15ラウンド確変図柄3」と同様の手法で変動パターンテーブルの種類が選択されることになる。すなわち、大当り遊技終了後の変動1回目から9回目まで、11回目から19回目まで、21回目から29回目までで変動パターンテーブルの種類には「E」が選択される。また、変動10回目、20回目、30回目ではそれぞれ変動パターンテーブルの種類に「F」が選択されて特殊変動状態が発生する。
〔更新契機(5)〕
ただし、30回目の変動(特殊変動状態)が終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するが、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中であるため、ここで上記の更新契機(5)が発生する。したがって、「第1オフセット値」は「4(特定の値)」から「2(特別な値)」に更新されることになる。
〔変動31回目〜〕
これにより、変動31回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「2」として算出される。これにより、変動31回目以降は変動パターンテーブルの種類に「C」が選択されるため、高確率状態かつ時間短縮状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
なお本実施形態では、「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」や「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」について、それぞれ実際に付加される「変動時間短縮機能作動回数」と「変動パターン選択用カウンタ値」とを相互に整合させて設定しているが、必ずしも両者が一致している必要はない。例えば、実際に付加される「変動時間短縮機能作動回数」が30回であっても、大当り遊技終了時に設定される「変動パターン選択用カウンタ値」を30より少ない値(例えば10,20等)としてもよい。
〔当選図柄種類別変動パターンテーブル選択一覧のまとめ〕
以上のように本実施形態では、「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」を算出し、最終的に「演出選択オフセット値」を算出することで、毎回の変動で選択するべき変動パターンテーブルの種類を所望に(予め意図したとおりに)指定することができる。
また、実際の遊技状態が異なっていても、特定の変動回数で共通の「演出選択オフセット値」が算出されるロジックを予め構築しておくことにより、遊技状態が種々に異なる場合であっても、特定の変動回数で特殊変動状態を発生させることができる。そして、特殊変動状態の発生時に選択される変動パターンテーブルの種類を共通の「F」に設定することで、異なる遊技状態であっても、所望の変動回数で共通した態様の演出(特殊変動状態演出)を実行することにより、より多様な遊技性を実現することができる。
〔表示出力管理処理〕
次に図25は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。なお、当選図柄にラウンド数の異なる種類が存在しない場合(例えば「15ラウンド」のみの場合)、大当り種別表示ランプ38a,38bを制御対象外とし、その点灯制御を省略することができる(あるいは、ランプ38a,38bの設置を省略してもよい。)。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図26は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図27は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別遊技管理処理(図13)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。またラウンド間のインターバル時間は、例えば「2ラウンド図柄」については2秒程度、「15ラウンド図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図14中のステップS2422)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図28は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図27中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド確変図柄」の1ラウンド目と2ラウンド目の開放は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図27中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図29は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図26中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図27中のステップS5218)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図26中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図30は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。また主制御CPU72は、この処理において「変動パターン管理用パラメータ値」を設定する。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動開始待ち処理中の大当り時その他設定処理(図14中のステップS2430)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、変動時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動開始待ち処理中の大当り時その他設定処理(図14中のステップS2430)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば10回、20回、30回又は10000回)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で変動時間短縮機能を作動させる(特別図柄の変動時間を短縮化する)上限回数となる。なお、変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、変動時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔設定契機の発生〕
ステップS5515:また主制御CPU72は、大当り遊技の終了時を設定契機として、上記の「変動パターン管理用パラメータ値」を設定する。具体的には、先の特別図柄変動開始待ち処理(図14中のステップS2426)で退避しておいた「第1オフセット値」及び「変動パターン選択用カウンタ値」をそれぞれ取得し、RAM76の管理用パラメータ領域に設定する(管理用パラメータ値設定手段)。これにより、大当り遊技終了後の変動1回目から上述した変動パターンテーブルの選択手法(図24)を実現することができる。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別遊技管理処理の中の実行選択処理(図13中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動開始待ち処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔各種パラメータ値の別例〕
本実施形態では、各種パラメータ値の設定及び更新の手法について、上記とは別の例を採用することもできる。以下、具体的に説明する。
〔当選時状態別変動パターン管理用パラメータ値の設定〕
図31は、別例で用いられる「変動時間短縮機能非作動時変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」の構成例を示す図である。また図32は、同じく別例で用いられる「変動時間短縮機能作動時変動パターン管理用パラメータ値設定テーブル」の構成例である。
図31及び図32のテーブル構成例に示されているように、ここで挙げる別例では、当選図柄の種類を「15ラウンド通常図柄1」、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2」及び「15ラウンド確変図柄3」の4種類(2ラウンド確変図柄を除く。)としている。そして図31の「変動時間短縮機能作動回数」のカラムに示されているように、通常遊技状態からの当選時に例えば「15ラウンド通常図柄1」又は「15ラウンド確変図柄1」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に変動時間短縮機能作動回数としてそれぞれ「30回」が付加される。これに対し、図32の「変動時間短縮機能作動回数」のカラムに示されているように、時間短縮状態(変動時間短縮機能作動時)からの当選時に「15ラウンド通常図柄1」に該当すると、大当り遊技終了後は変動時間短縮機能作動回数として「100回」が付加され、「15ラウンド確変図柄1」に該当すると、変動時間短縮機能作動回数として「10000回(次回まで)」が付加されるものとなっている。このように、別例では当選時の変動時間短縮機能作動の有無によって変動時間短縮機能作動回数が変化する遊技性能を実現している。
〔オフセット値算出テーブルの別例〕
次に図33は、別例で「第2オフセット値」の算出に用いられる「オフセット値算出テーブル」の構成例を示す図である。本実施形態で別例を用いる場合、はずれ時変動パターン決定処理(図17中のステップS2452)において主制御CPU72は、図33に示される「オフセット値算出テーブル」を用いて「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」を算出(取得)することができる。
別例の「オフセット値算出テーブル」は、その左端カラムに示されているように、「第1オフセット値」が「0」,「1」,「2」,「3」のいずれかの値であるとき、対応する「変動パターン選択用カウンタ値」によって「第2オフセット値」に「0」,「2」,「3」,「4」,「5」のいずれかを算出結果として返すものである。ただし別例では、「第1オフセット値」が「0」又は「3」のいずれかである場合、対応する「変動パターン選択用カウンタ値」は「0」に設定されたまま変化しないため、常に「第2オフセット値」は「0」として算出される仕組みになっている。
これに対し、「第1オフセット値」が「1」又は「2」に設定された場合、上記のように当選時の遊技状態及び当選図柄の種類に応じて「変動パターン選択用カウンタ値」が「0」又は「30」に設定される。したがって、そのとき対応する「変動パターン選択用カウンタ値」が「0」,「1〜10」,「11〜20」,「21〜30」のいずれに該当するかによって算出される「第2オフセット値」が異なってくる。
〔第1オフセット値の役割〕
別例において、「第1オフセット値」は遊技状態の4区分を表す役割を持っている。具体的には、「0」は通常遊技状態、つまり確率変動機能が非作動かつ変動時間短縮機能が非作動の状態(確変なし、時短なし)を表している。また、「1」は確率変動機能が非作動かつ変動時間短縮機能作動中の状態(確変なし、時短あり)を表しており、「2」は確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中の状態(確変あり、時短あり)を表している。また「3」は、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能が非作動の状態(確変あり、時短なし)を表しており、この状態は演出上で「高確率状態」であることが遊技者に開示されない(いわゆる潜伏確変中、確変内在中)。なお別例において、「第1オフセット値」が「4」に設定されることはない。
〔変動パターン選択用カウンタ値の役割〕
「変動パターン選択用カウンタ値」の役割は、先に挙げた実施形態の場合と同様である。すなわち「変動パターン選択用カウンタ値」は、今回の変動が特殊変動状態(特定種類の変動パターンテーブルを選択させる状態)に該当するか、もしくは、非特殊変動状態(特定種類の変動パターンテーブルを選択させない状態)に該当するかを表す役割を持っている。ただし、ここで挙げる別例では、「変動パターン選択用カウンタ値」が「0」の場合は非特殊変動状態を表し、それ以外の場合は特殊変動状態を表している点が異なっている。
〔第2オフセット値の役割〕
「第2オフセット値」の役割もまた、先に挙げた実施形態の場合と同様である。すなわち「第2オフセット値」は、特殊変動状態又は非特殊変動状態のいずれであっても、現在の遊技状態に応じて制御上で選択するべき変動パターンテーブルの種類を指定する役割を持っている。特殊変動状態の場合、制御上で特定種類の変動パターンテーブルを選択させる必要があるため、「第2オフセット値」は「0」以外の値をとり、逆に非特殊変動状態の場合、制御上で特定種類の変動パターンテーブルを選択させる必要はないため、「第2オフセット値」は「0」となる。
〔別例の演出選択オフセット値を用いた特定種類の変動パターンの選択〕
図34は、別例で用いられる「演出選択オフセット値別変動パターンテーブルアドレス選択テーブル」の構成例を示す図である。この選択テーブルもまた、「演出選択オフセット値」を引数として、これに対応して選択するべき変動パターンテーブルのアドレスを返す構成である(変動パターン選択種類管理手段)。
本実施形態に別例を用いる場合、はずれ時変動パターン選択処理(図17中のステップS2456)において、主制御CPU72は図34に示される「演出選択オフセット値別変動パターンテーブルアドレス選択テーブル」を参照し、今回の「演出選択オフセット値」である「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」のいずれかに対応する変動パターンテーブルアドレスを取得する。ここで挙げる別例では、特に「演出選択オフセット値」が「4」,「5」,「6」のいずれかである場合、特殊変動状態に対応する変動パターンテーブルアドレスが選択されるものとなっている(変動パターン選択種類管理手段)。
〔演出選択オフセット値=0〕
別例において、「演出選択オフセット値」が「0」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮なし状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。また、このとき選択される変動パターンテーブルの種類は「A」である。
〔演出選択オフセット値=1〕
次に「演出選択オフセット値」が「1」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。また、このとき選択される変動パターンテーブルの種類は「B」である。
〔演出選択オフセット値=2〕
「演出選択オフセット値」が「2」である場合、選択テーブルは「特別図柄高確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。また、このとき選択される変動パターンテーブルの種類は「C」である。
〔演出選択オフセット値=3〕
「演出選択オフセット値」が「3」である場合、選択テーブルは「特別図柄高確率時間短縮なし状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。また、このとき選択される変動パターンテーブルの種類は「D」である。
ここまでは先に挙げた実施形態の場合と同様であり、以上の変動パターンテーブル種類「A」〜「D」は、いずれも非特殊変動状態に対応するものであるが、ここで挙げる別例においては、以下の変動パターンテーブル種類が異なっている。
〔演出選択オフセット値=4〕
すなわち、別例において「演出選択オフセット値」が「4」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮あり状態時or特別図柄高確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。そして別例では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を「E」としているが、この変動パターンテーブル種類「E」は特殊変動状態の場合に選択される。
〔演出選択オフセット値=5〕
また、別例において「演出選択オフセット値」が「5」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮あり状態時or特別図柄高確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。そして別例では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を「F」としており、この変動パターンテーブル種類「F」もまた特殊変動状態の場合に選択される。
〔演出選択オフセット値=6〕
さらに、別例において「演出選択オフセット値」が「6」である場合、選択テーブルは「特別図柄低確率時間短縮あり状態時or特別図柄高確率時間短縮あり状態時変動パターンテーブルアドレス」を結果値として返す。そして別例では、このとき選択される変動パターンテーブルの種類を「G」としており、この変動パターンテーブル種類「G」もまた特殊変動状態の場合に選択される。
このように本実施形態の別例においては、特殊変動状態で選択される変動パターンテーブルの種類として「E」,「F」,「G」の3種類が存在し、それぞれが固有の特殊変動状態を発生させることができる。例えば特殊変動状態中、選択されるテーブル種類「E」→「F」→「G」の順に平均的な変動時間(短縮変動時間)が長く設定されたり、逆にテーブル種類「E」→「F」→「G」の順に平均的な変動時間(短縮変動時間)がより短く設定されたりする。あるいは、テーブル種類「E」→「F」→「G」の順にリーチ変動の選択比率が高くなったり、逆にリーチ変動の選択比率が低くなったりする。
〔更新契機〕
別例においても、先に挙げた実施形態の場合と同様に「第1オフセット値」又は「変動パターン選択用カウンタ値」の更新契機が発生する。すなわち、毎回の特別図柄の停止表示(確定停止)を更新契機として「変動パターン選択用カウンタ値」が1減算により更新される。また「第1オフセット値」は、図23に示される更新契機でそれぞれ「0」,「3」,「2」に更新される。
〔別例での変動パターンテーブル選択一覧表〕
図35は、別例において大当り遊技終了後に選択される変動パターンテーブルの種類を変動回数に対応させて示した一覧表である。この別例では、特に当選時の遊技状態(変動時間短縮機能作動の有無)によって変動パターンテーブルの選択傾向に顕著な違いが現れる。以下、この点について説明する。
〔変動時間短縮機能非作動時(時短なし時)〕
図35中(A):変動時間短縮機能非作動(時短なし)の状態で当選した場合、上記のように「15ラウンド通常図柄1」、「15ラウンド確変図柄1」及び「15ラウンド確変図柄3」については、いずれも大当り遊技終了を設定契機として「変動パターン選択用カウンタ値」が「30」に設定される。その結果、これら3種類の当選図柄については、いずれも大当り遊技終了後の変動1回目から変動10回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は共通して「E(特殊変動状態)」となる。また、大当り遊技終了後の変動11回目から変動20回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は共通して「F(特殊変動状態)」となり、さらに変動21回目から変動30回目までに選択される変動パターンテーブルの種類は共通して「G(特殊変動状態)」となる。したがって、これら3種類の当選図柄による大当り遊技終了後は、最大で変動30回まで特殊変動状態が発生することになる。なお、変動30回までに内部抽選で当選した場合は特殊変動状態が終了する。
〔変動31回目〜〕
一方、変動31回目以降については、当選図柄の種類別に異なる「第1オフセット値」に更新される結果、選択される変動パターンテーブルの種類が違ってくる。
〔15ラウンド通常図柄1〕
「15ラウンド通常図柄1」の場合、当選することなく変動が30回目まで終了すると、「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化するとともに、変動時間短縮機能作動終了によって上記の更新契機(1)が発生し、「第1オフセット値」は「0」に更新される。したがって、変動31回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「0」として算出される。これにより、変動31回目以降は変動パターンテーブルの種類に「A」が選択されるため、通常遊技状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド確変図柄1〕
「15ラウンド確変図柄1」の場合、当選することなく変動が30回目まで終了すると、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動終了時に「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化することで上記の更新契機(4)が発生し、「第1オフセット値」は「3」に更新される。したがって、変動31回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「3」として算出される。これにより、変動31回目以降は変動パターンテーブルの種類に「D」が選択されるため、確率変動状態かつ非時間短縮状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔15ラウンド確変図柄3〕
次に「15ラウンド確変図柄3」の場合、当選することなく変動が30回目まで終了すると、確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中に「変動パターン選択用カウンタ値」が1から0に変化することで上記の更新契機(5)が発生し、「第1オフセット値」は「2」に更新される。したがって、変動31回目では「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「2」として算出される。これにより、変動31回目以降は変動パターンテーブルの種類に「C」が選択されるため、確率変動状態かつ時間短縮状態に応じた変動パターンを選択させることができる。なお、「第1オフセット値」に変更が生じない場合、更新をすることなく現状の値を維持することとしてもよい。
〔15ラウンド確変図柄2〕
「15ラウンド確変図柄2」については、大当り遊技終了を設定契機として「変動パターン選択用カウンタ値」が「0」に設定されるため、特殊変動状態が発生しない。すなわち、大当り遊技終了後の変動1回目から「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」が「0」として算出される結果、「演出選択オフセット値」は「2」として算出される。これにより、変動1回目から変動パターンテーブルの種類に「C(非特殊変動状態)」が選択されるため、確率変動状態かつ時間短縮状態に応じた変動パターンを選択させることができる。
〔変動時間短縮機能作動時(時短あり時)〕
図35中(B):これに対し、変動時間短縮機能作動(時短あり)の状態で当選した場合、上記のように「15ラウンド通常図柄1」については、大当り遊技終了後の変動時間短縮機能作動回数が100回に設定され、「15ラウンド確変図柄1」については10000回に設定される。また、全ての当選図柄について、大当り遊技終了を設定契機として「変動パターン選択用カウンタ値」は「0」に設定される。その結果、これら全ての種類の当選図柄について、大当り遊技終了後の変動1回目から特殊変動状態は発生せず、非特殊変動状態での変動パターンテーブルが選択されることになる。なお、「15ラウンド通常図柄1」については変動パターンテーブルの種類に「B」が選択され、「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」については、いずれも変動パターンテーブルの種類に「C」が選択される。
上述した別例の選択手法によれば、当選時の変動時間短縮機能作動の有無によって大当り遊技終了後の変動時間短縮機能作動回数が変化する遊技性能を実現するとともに、合わせて通常遊技状態からの大当り遊技終了後、「15ラウンド通常図柄1」、「15ラウンド確変図柄1」及び「15ラウンド確変図柄3」については、変動30回目まで特殊変動状態を発生させることができる。これにより、演出上で大当り遊技終了後の内部状態(確率変動機能作動の有無)の判別を困難にすることで、変動30回目までの遊技に緊張感(確変ありか否か)を抱かせることができる。
また本実施形態では、上記のように先に挙げた例と後に挙げた別例について、それぞれ個々に各種テーブルを設けているが、制御上のロジックは互いに共通化することができる。これにより、変動パターンを指定する条件が複数に存在する場合であっても、制御ロジック上でプログラムコードが不用意に増加することがなく、条件の増加に対してデータ容量は軽微な追加だけで実現することができる。
また、多様な遊技性能のパチンコ機1に対して共通の制御プログラムを適用することができるため、ROM76の使用容量を少なく抑えて多様な遊技性能を実現することができる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、上述した選択手法を用いて主制御CPU72が変動パターンテーブルの種類を選択し、そこから乱数抽選を行って変動パターン(変動時間)を決定した上で、多様に第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「0」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「0」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「0」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図36は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図36中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。またマーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお図36中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
また演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、結果表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「2ラウンド大当り」や「15ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色や緑色表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図36中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(特別図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。なお、内部状態別に対応するモードについてはさらに後述する。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図36中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図36中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図36中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図36中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図36中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と結果表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、結果表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
すなわち、演出図柄に用いられている数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の各絵柄画像には、予め「15ラウンド通常図柄1〜3」や「15ラウンド確変図柄1〜5」、「2ラウンド確変図柄」との対応関係が規定されている。本実施形態(先に挙げた例とする。これ以降も同様。)では、例えば以下の対応関係を設けている。
〔15ラウンド通常図柄1〜3〕
例えば、当選図柄が「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」のいずれかであれば、演出図柄の停止表示態様は基本的に偶数(「0」を含む)を表す絵柄画像の3つ揃いの組み合わせ(例えば「2」−「2」−「2」)として選択される。ただし、ある程度の比率(例えば20%〜40%程度)で、奇数(「3」と「7」は除く)を表す絵柄画像の3つ揃いの組み合わせ(例えば「1」−「1」−「1」)が選択される場合もある。
〔15ラウンド確変図柄1〜3,5〕
また、当選図柄が「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」、「15ラウンド確変図柄5」のいずれかであれば、演出図柄の停止表示態様は基本的に奇数(「3」と「7」は除く)を表す絵柄画像の3つ揃いの組み合わせ(例えば「5」−「5」−「5」)として選択される。ただし、ある程度の比率(例えば20%〜40%程度)で、偶数(「0」を含む)を表す絵柄画像の3つ揃いの組み合わせ(例えば「8」−「8」−「8」)が選択される場合もある。
このように、本実施形態では通常図柄と確変図柄とで、互いに共通の演出図柄を用いて結果表示演出を実行することにより、大当り時の当選図柄を演出上で判別することを困難にしている。これにより、演出図柄が偶数揃いで大当りした場合であっても、奇数揃いで大当りした場合であっても、大当り遊技終了後の内部状態(確率変動機能作動の有無)を判別しにくくし、遊技に対する緊張感や高確率状態への期待感を維持することができる。ただし、「15ラウンド確変図柄4」については、大当り遊技終了後に高確率状態であることを明確に教示するため、以下のように演出図柄の表示態様を規定している。
〔15ラウンド確変図柄4〕
すなわち、当選図柄が「15ラウンド確変図柄4」の場合、演出図柄の停止表示態様は奇数の「3」又は「7」を表す絵柄画像の3つ揃いの組み合わせ(例えば「3」−「3」−「3」又は「7」−「7」−「7」)として選択される。これにより、大当り時の当選図柄を遊技者に対して明確に教示し、確変大当り時の達成感や高確率状態への期待感を強く抱かせることができる。
なお「2ラウンド確変図柄」については、元々が大当りを遊技者に気付かれにくくするための当選種類であるため、この場合の演出図柄の停止表示態様は同一絵柄の3つ揃いといった明確(あからさま)な態様ではなく、例えば奇数を表す絵柄画像の連番(例えば「1」−「3」−「5」)として選択される。
また各演出図柄について、数字の絵柄部分の表示色は、例えば奇数の「3」及び「7」については赤色とし、その他の奇数「1」,「5」,「9」については緑色とすることで、特に奇数の「3」又は「7」が確変確定の演出図柄であるが、その他の奇数については確変確定ではないこと(ただし確変の期待度はある)を遊技者に印象付けることができる。また、偶数の「0」,「2」,「4」,「6」,「8」については青色とすることで、これら偶数の演出図柄が確変確定ではないことを遊技者に印象付けるとともに、場合によっては確変昇格の可能性もあることを想起させることができる。
このように本実施形態では、演出図柄を用いた結果表示演出を通じて「当選」を遊技者に対して明確に伝達する一方で、「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、あるいは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」の当選種類(当選図柄の種類)を明確には開示しないこととしている。これにより、大当り遊技終了後に行われる変動表示演出に対する注目度を高め、遊技に対する緊張感や高確率状態への期待感を維持することとしている。以下、大当り時に当選種類を非開示とする演出例について説明する。
〔大当り時の演出例(非開示演出)〕
図37は、「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、あるいは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかの大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、あるいは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される。なお図37中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また上記のマーカM1,M2については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図37中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図37中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図37中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図37中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図37中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「4」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図37中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「4」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「4」−「変動中」−「4」と「5」−「変動中」−「5」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「4」と「5」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、この場合は数字の「5」が揃えば確率変動大当りの期待度が高くなり(確変確定ではない)、数字の「4」が揃えば通常(非確変)大当りの可能性が高くなる(非確変確定ではない)ことから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変期待度が高いか、非確変の可能性が高いか、単なるはずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「4」と「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図37中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図37中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「4」又は「5」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「3」まで消去されて「4」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当りの可能性が高い状態」であるが、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「確変大当りの期待度が高い状態」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なおこの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「3」まで消去され、数字の「4」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「通常(非確変)大当り」又は「確変大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図37中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「4」が消去されずに残れば、そのまま「4」−「4」−「4」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば、「5」−「5」−「5」の確変期待度が高い図柄で大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ確変大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔結果表示演出(非開示演出)〕
図37中(I):例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的には当選図柄が「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、あるいは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれかに該当しているが、当選図柄の種類を非開示としつつ、演出上で例えば「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、今回は「通常大当り又は確変大当りのどちらか(確変確定ではない大当り)」に該当したことを遊技者に教示する演出が行われている。
図37中(J):そして、例えば第1特別図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。逆に言えば、演出上で不明確な確定停止表示を行うことにより、「確変大当りであるか、それとも通常(非確変)大当りであるか」を遊技者に対して非開示としておくことができる。
なお、「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、あるいは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」の場合は大当り遊技終了後まで当選種類を非開示とするが、「15ラウンド確変図柄4」の場合は以下の演出手法を採用することができる。すなわち、内部的に「15ラウンド確変図柄4」に該当した場合、ひとまず偶数の演出図柄を停止表示させておき、再度の変動によって奇数の演出図柄を停止表示させて「確変」に昇格させたり、あるいは結果表示演出では偶数の演出図柄を停止表示させておき、大当り遊技中の演出で「確変」に昇格させたりする演出が行われる。また、「2ラウンド確変大当り」の場合は、上記のように例えば奇数が「1」−「3」−「5」のように並んだ組み合わせで演出図柄が表示される。
また、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「4」や「5」以外の数字「3」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔大役中演出(非開示演出);特別遊技演出実行手段〕
次に図38は、「15ラウンド確変図柄5」の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、この例においては、上記のように大役中の確変昇格演出(確変大当りの開示)は行われない。
〔1ラウンド開始時〕
図38中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。また画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「5」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、あるいは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれに該当したかを遊技者に対して非開示としておくことができる。
〔15ラウンド中〕
図38中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の15ラウンドに移行する。このとき、画面内には「ROUND15」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「5」)が表示されている。この段階に至っても、特に「確変昇格演出」は実行されないことから、いよいよ「確変昇格なし」ということを遊技者に対して印象付けることができる。これにより、大当り遊技の終了時まで引き続き「15ラウンド通常図柄1」〜「15ラウンド通常図柄3」、あるいは「15ラウンド確変図柄1」〜「15ラウンド確変図柄3」又は「15ラウンド確変図柄5」のいずれに該当したかを非開示としておくことができる。
〔大役終了時〕
図38中(C):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「チャンスUPモード突入!」という文字情報とともに、「1stステージ」という付加情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「時間短縮状態」に移行することを見かけ上で遊技者に教示することができる。そして、実際には内部的に「高確率状態」に移行していたとしても、演出上ではこれを非開示とすることができる。本実施形態では、このように大当り遊技終了後の内部状態を非開示とする演出を「チャンスUPモード演出」と呼称する。
また上記の付加情報である「1stステージ」は、例えば「チャンスUPモード演出」を開始してからの変動回数(内部抽選の回数)がどの程度まで進行したかを表している。本実施形態では大当り遊技終了後、「チャンスUPモード演出」中の変動1回目から10回目までを例えば「1stステージ」とし、変動11回目から20回目までを例えば「2ndステージ」とし、そして、変動21回目から30回目までを例えば「3rdステージ」としている。
〔チャンスUPモード演出中の図柄演出例〕
図39は、「チャンスUPモード演出」とともに実行される図柄演出例を示す連続図である。
〔変動1回目〕
図39中(i):大当り遊技終了後に「チャンスUPモード演出」が開始されると、例えばそれまでに蓄積されていた作動記憶(第1特別図柄又は第2特別図柄)が消費されることで、変動表示演出が開始される。この時点で、背景画像は上記の「通常モード」と異なり、別の「チャンスUPモード」の「1stステージ」を表す画像に変更されている。この例では「海辺の情景」を表す背景画像を表示することで、通常モードとは異なる趣ないし雰囲気を演出上で醸し出している。またこれにより、遊技者に対して「通常モードとは現在の状態が異なる」ということを明確に教示することができる。なお本実施形態では、図示の「チャンスUPモード」を表す画像が「確率変動機能作動中かつ変動時間短縮機能作動中」か、もしくは「確率変動機能非作動かつ変動時間短縮機能作動時中」のいずれかの状態に対応しているものとする。このように、2つの遊技状態で共通した態様の「チャンスUPモード演出」を実行することにより、遊技者に対して内部遊技状態を非開示とすることができる。また画面の右上隅位置には、現在までの変動回数の進行状況として「1stステージ」を表す付加情報が表示されている。
図39中(ii):変動時間短縮機能の作動により、非当選時は基本的に特別図柄の変動時間が変動開始時作動記憶数に応じて最短の短縮変動時間に設定されるため、変動開始から比較的短時間内(例えば1秒以内)に左演出図柄が停止する。また変動時間短縮機能の作動により、上記のように可変始動入賞装置28の作動頻度が通常時と比較して高くなり、下始動入賞口28aへの入賞が通常時よりも高頻度で発生する。このため、変動時間短縮機能作動中は第2特別図柄に対応する作動記憶が通常時よりも高頻度で蓄積されることになる。このとき画面の右下位置では、第2特別図柄の作動記憶数の増加に対応して作動記憶数マーカM2の点灯表示を増加(この例では2個増加)させる演出が実行されている。
図39中(iii):左演出図柄に続いて、右演出図柄も変動開始から比較的短時間内(例えば変動開始から1.2秒以内)に停止する。また画面の右下位置では、第2特別図柄の作動記憶数のさらなる増加に対応して作動記憶数マーカM2の点灯表示を増加(この例では合計4個まで増加)させる演出が実行されている。合わせて画面の左下位置では、第1特別図柄の作動記憶数の増加に対応し、作動記憶数マーカM1を4個に増加させる演出が実行されている。
〔1回目の変動終了〕
図39中(iv):右演出図柄の停止に続いて、ほとんど時間をあけることなく(例えば右演出図柄の停止から0.3秒後に)中演出図柄が停止する。演出図柄の組み合わせは数字の「6」−「3」−「7」であり、これによって今回の抽選結果が非当選(はずれ)であったことが演出上で表示されている。このとき、第1特別図柄表示装置34では、非当選時の態様(例えば中央のバー「−」)による停止表示が行われている。
〔非特殊変動状態での変動〕
なお、このとき主制御CPU72による制御上では、上記のように「第1オフセット値」と「変動パターン選択用カウンタ値」との組み合わせから「第2オフセット値」を算出し、さらに「第1オフセット値」と「第2オフセット値」とを加算して算出した「演出選択オフセット値」を用いて変動パターンテーブルの種類が選択されている。そして、上記のように変動1回目では、「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」,「11」又は「21」以外の値であるため、ここでは特殊変動状態が発生しておらず、演出上でも非特殊変動状態を表す態様が選択されている。
〔変動2回目〜9回目〕
図40は、「チャンスUPモード」の「1stステージ」において変動2回目から9回目までに実行される標準的な演出例を示す連続図である。
図40中(A):大当り遊技の終了後、第2特別図柄の作動記憶数が1個以上に増加したため、2回目以降の変動(内部抽選)では第2特別図柄の作動記憶が優先して消費される。このとき画面の右下位置では、第2特別図柄に対応する作動記憶数マーカM2が消去され、記憶順にシフトされていく演出(作動記憶数減少演出)が実行されている。また第2特別図柄の変動表示に同期して、第4図柄Z2が変動表示されている。
〔非特殊変動状態の継続〕
図40中(B):変動時間短縮機能作動中のため、2回目以降でも通常時より短縮された短縮変動時間で変動表示が終了する。このとき演出図柄は、はずれ目(この例では「3」−「1」−「7」)の態様で停止表示されている。また第4図柄Z2は、非当選の態様で停止表示されている。
図40中(C),(D):これ以降も同様に、変動9回目までに当選が得られなかった場合、上記の標準的な変動表示演出及び結果表示演出が実行される。なお、この例では第2特別図柄に対応する作動記憶数マーカM2が2個に減少した状態を表しているが、この間に下始動入賞口28aへの入賞が発生すると、作動記憶数マーカM2は4個まで点灯表示される。
〔変動10回目:特殊変動状態の発生〕
図41は、「チャンスUPモード」の「1stステージ」において変動10回目に実行される特殊変動状態の演出例を示す連続図である。
図41中(A),(B):ここでも同様に、例えば第2特別図柄の変動表示開始に伴い、演出図柄を用いた変動表示演出が開始される。なお、以下では作動記憶数マーカM1,M2や第4図柄Z1,Z2の図示を省略するものとする。
〔特殊変動状態中〕
このとき、主制御CPU72による制御上で「変動パターン選択用カウンタ値」が例えば「21」に更新されているとすると、上記のように「演出選択オフセット値」が「5」として算出される結果、選択される変動パターンテーブルの種類は「F(特殊変動状態)」となる。これにより、今回の変動対象である第2特別図柄の変動パターンは特殊変動となり、変動時間短縮機能が作動中で作動記憶数が4個程度であったとしても、ある程度まで延長された変動時間(例えば10秒〜12秒程度)が設定されることになる。そして本実施形態では、このような特殊変動状態で設定された変動時間を利用して、以下の特殊変動状態演出を実行することとしている。
〔変動10回目での特殊変動状態演出の例〕
図41中(C):例えば、今回(変動10回目)の変動表示演出中に画面の左右両外側から扉(襖)を表す画像が出現し、これらが背景画像を含めた演出図柄の画像を覆い隠すようにして表示される。この間も、引き続き変動表示演出が行われており、左右の扉の間に残された中央の帯部分では、中演出図柄が辛うじて変動表示されている様子がわかる。
図41中(D):続いて、両側から出現した扉(襖)が画面の中央位置でぴしゃりと閉じられる演出が行われる。これにより、遊技者に対して意外な印象を抱かせるとともに、この後の演出の展開に対する興味を惹き付けることができる。この時点でも、引き続き第2特別図柄が変動表示中であるため、例えば画面の右下隅位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出(下向きの矢印で示す)が実行されている。
〔特殊変動状態演出の後半〕
図42は、変動10回目に行われる特殊変動状態演出の後半部分とその後の演出例を示す連続図である。
図42中(E):特殊変動状態演出の後半部分にさしかかると、それまで中央位置で閉じられていた扉(襖)をがたがたと震わせる内容の演出(煽り演出)が実行される。これにより、遊技者に対して「これから扉(襖)が開いて何かが現れるかもしれない」という期待感を抱かせることができる。また画面の右下隅位置では、引き続き演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている。
今回の例では、主制御CPU72による制御上で変動時間短縮機能の作動が終了しない場合を想定している。したがって、内部的には時間短縮状態が継続することを前提として、演出上は以下の流れで特殊変動状態演出の後半部分が実行される。
図42中(F):すなわち、上記の煽り演出に続いて扉(襖)が勢いよく左右両側へ開く内容の演出(扉開放演出)が実行される。これにより、遊技者に対して「果たして扉(襖)が開いた先に何が出現するのか」といった期待感を抱かせ、この後の演出の成り行きに注目させることができる。また、この時点でも演出図柄は画面の右下隅位置で変動表示されている。
〔チャンスUPモード継続演出〕
図42中(G):特別図柄の変動終期から停止表示にかけて扉(襖)が開ききると、画面一杯に「チャンスUPモード継続!」の文字が表示され、それに対応する背景画像が表示される。この例では、女性キャラクターがニッコリ微笑む様子が演出的に表現されている。また画面の左下位置では、「2ndステージ」の付加情報が合わせて表示されている。これにより、「チャンスUPモード」に突入して変動10回目まで進行したことにより、「チャンスUPモード」が次の段階(ステージ)に進んだことを遊技者に想起させ、内部的に高確率状態であることへの期待感を持続させることができる。また、変動時間の終了により第2特別図柄が停止表示されると、それに伴って画面の右下隅位置では非当選時の態様(例えば「1」−「5」−「6」)により結果表示演出が行われる。
〔変動11回目以降〕
図42中(H):変動11回目から19回目までは、画面内に「チャンスUPモード」の「2ndステージ」に対応した背景画像が表示される。この例では、浴衣を着こなした女性キャラクターが画面の中央に位置し、団扇を手にして佇んでいる様子が演出的に表現されている。また画面の右上隅位置では、「2nd」の付加情報が縮小表示されており、これにより、遊技者に対して現時点での遊技の進行状況(大当り遊技終了後の変動11回目〜19回目)を明確に伝達することができる。
図42中(I):この後も内部抽選ではずれに該当し続けると、変動19回目までは短縮変動時間(平均的に1.5秒程度)で変動表示が停止し、はずれの結果表示演出がテンポよく実行されることになる。
〔変動20回目:特殊変動状態〕
特に図示していないが、「チャンスUPモード」中の変動20回目においても、例えば図41中(C),(D)に示される扉閉演出が発生する。
このとき、主制御CPU72による制御上で「変動パターン選択用カウンタ値」が「11」に更新されているとすると、「演出選択オフセット値」が「5」として算出される結果、選択される変動パターンテーブルの種類は「F(特殊変動状態)」となる。これにより、今回の対象図柄(例えば第2特別図柄)の変動パターンは特殊変動となり、変動時間短縮機能が作動中で作動記憶数が4個程度であったとしても、変動10回目と同様に、ある程度まで延長された変動時間(例えば10秒〜12秒程度)が設定されている。
〔変動20回目での特殊変動状態演出の例〕
図42中(J):扉閉演出の実行後、特殊変動状態演出の後半部分にさしかかると、ここでも同様に煽り演出が実行される。これにより、遊技者に対して「今回も扉(襖)が開いて何かが現れるかもしれない」という期待感を抱かせることができる。また画面の右下隅位置では、引き続き演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている。
ここでも同様に、主制御CPU72による制御上で変動時間短縮機能の作動が終了しない場合を想定している。したがって、内部的には時間短縮状態が継続することを前提として、演出上は以下の流れで変動20回目での特殊変動状態演出の後半部分が実行される。
特に図示していないが、上記の煽り演出に続いて扉開放演出が実行される。これにより、遊技者に対して「果たして扉(襖)が開いた先に何が出現するのか」といった期待感を抱かせ、この後の演出の成り行きに注目させることができる。なお、この時点でも演出図柄による変動表示が継続されている。
〔チャンスUPモード継続演出〕
図42中(K):そして、特別図柄の変動終期から停止表示にかけて扉(襖)が開ききると、またしても画面一杯に「チャンスUPモード継続!」の文字が表示され、それに対応する背景画像が表示される。また画面の左下位置では、「3rdステージ」の付加情報が合わせて表示されている。これにより、「チャンスUPモード」に突入して変動20回目まで進行したことにより、「チャンスUPモード」がさらに次の段階(ステージ)に進んだことを遊技者に想起させ、内部的に高確率状態であることへの期待感をより一層持続させることができる。また、変動時間の終了により第2特別図柄が停止表示されると、それに伴って画面の右下隅位置では非当選時の態様(例えば「2」−「5」−「9」)により結果表示演出が行われる。
〔変動21回目以降〕
図42中(L):変動21回目から29回目までは、画面内に「チャンスUPモード」の「3rdステージ」に対応した背景画像が表示される。この例では、夜空に打ち上げられる花火とともに、別の女性キャラクターが花火を見上げている様子が演出的に表現されている。また画面の右上隅位置では、「3rd」の付加情報が縮小表示されており、これにより、遊技者に対して現時点での遊技の進行状況(大当り遊技終了後の変動21回目〜29回目)を明確に伝達することができる。
〔変動30回目:特殊変動状態の発生〕
図43は、「チャンスUPモード」の「3rdステージ」において変動30回目に実行される特殊変動状態の演出例を示す連続図である。
図43中(A),(B):ここでも同様に、例えば第2特別図柄の変動表示開始に伴い、演出図柄を用いた変動表示演出が開始される。またこの場合、背景画像には上記の「3rdステージ」に対応するものが用いられている。
この場合、主制御CPU72による制御上では「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」に更新されている。このため、上記のように「演出選択オフセット値」が「5」として算出される結果、選択される変動パターンテーブルの種類は「F(特殊変動状態)」となる。これにより、今回の変動対象である第2特別図柄の変動パターンは特殊変動となり、変動時間短縮機能が作動中で作動記憶数が4個程度であったとしても、同じく延長された変動時間(例えば10秒〜12秒程度)が設定されることになる。
〔変動30回目での特殊変動状態演出の例〕
図43中(C):変動30回目の変動表示演出中において、これまでと同様に画面の左右両外側から扉(襖)を表す画像が出現し、これらが背景画像を含めた演出図柄の画像を覆い隠すようにして表示される。
図43中(D):続いて扉閉演出が行われることで、遊技者に対していよいよの緊張感を抱かせるとともに、この後の演出の展開に対する興味を惹き付けることができる。この時点でも、引き続き第2特別図柄が変動表示中であるため、同じく画面の右下隅位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている。
〔特殊変動状態演出の後半:状態開示演出〕
図44は、変動30回目に行われる特殊変動状態演出の後半部分とその後の状態開示演出の例を示す連続図である。
図44中(E):変動30回目で特殊変動状態演出の後半部分にさしかかると、これまでと同様の煽り演出が実行される。これにより、遊技者に対して「いよいよ扉(襖)が開いて確変画面に突入するかもしれない」という期待感を抱かせることができる。また画面の右下隅位置では、引き続き演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている。
今回の例では、主制御CPU72による制御上で変動時間短縮機能の作動が終了せず、変動31回目以降も継続する場合を想定している。本実施形態では、31回目以降も変動時間短縮機能の作動が継続する当選図柄は「15ラウンド確変図柄5」であるため、継続によって同時に高確率状態(確率変動機能作動中)であることが対外的に確定する。したがって、内部的に時間短縮状態が継続する場合、対外的には高確率状態が確定することを前提として、演出上は以下の流れで特殊変動状態演出の後半部分が実行される。
図44中(F):すなわち、上記の煽り演出に続いて扉開放演出が実行される。これにより、遊技者に対していよいよ「高確率状態の確定が現実になる」といった強い期待感を抱かせることができる(「扉が開く」=「確変確定」の遊技性能であるため。)。
〔確変モード突入演出〕
図44中(G):特別図柄の変動終期から停止表示にかけて扉(襖)が開ききると、画面一杯に「確変モード突入!」の文字が表示され、それに対応する背景画像が表示される。この例では、女性キャラクターが大きく笑みをうかべながら「やったね!」という台詞を発する様子が演出的に表現されている。これにより、遊技者に対して現在の遊技状態が高確率状態であることを明確に教示(開示)し、一定の達成感や満足感を抱かせることができる。また、変動時間の終了により第2特別図柄が停止表示されると、それに伴って画面の右下隅位置では非当選時の態様(例えば「5」−「1」−「4」)により結果表示演出が行われる。
〔変動31回目以降:確変中演出〕
図44中(H):今回のケースで変動31回目以降は、背景画像が確率変動状態に対応したものに変化する。この例では、浴衣を着こなした3人の女性キャラクターが画面に大きく表示され、涼やかな表情を浮かべている様子が演出的に表現されている。また一時的な態様として、画面の右上隅位置では縮小された演出図柄による変動表示演出が行われる。特に図示していないが、この後、演出図柄が元通りに拡大表示されて変動表示が行われる態様であってもよい。
以上は確変モード突入時の演出例であるが、本実施形態では変動30回目で確変モード突入演出が発生せず、「チャンスUPモード」が終了する場合もある。すなわち、当選図柄が「15ラウンド通常図柄3」又は「15ラウンド確変図柄3」に該当していた場合、大当り遊技終了後の変動30回目までは変動時間短縮機能が作動するが、そこで変動時間短縮機能の作動が終了し、変動31回目以降は非作動となる。このような場合、本実施形態では「チャンスUPモード終了演出」が実行される。
なお、変動30回目は変動時間短縮機能作動中の最終変動となり、主制御CPU72による制御上で「変動パターン選択用カウンタ値」が「1」に更新されている。このため、上記のように「演出選択オフセット値」が「5」として算出される結果、選択される変動パターンテーブルの種類は「F(特殊変動状態)」となる。これにより、今回の変動対象である第2特別図柄の変動パターンは特殊変動となり、現時点で変動時間短縮機能が作動中であり、作動記憶数が4個程度であったとしても、同じく延長された変動時間(例えば10秒〜12秒程度)が設定されることになる。
〔チャンスUPモード終了演出〕
図45は、変動時間短縮機能の作動終了時に実行される「チャンスUPモード終了演出」の例を示す連続図である。「チャンスUPモード終了演出」は、変動30回目での特殊変動状態演出の後半部分で実行される。すなわち、前半部分の(扉閉演出)までは変動30回目の特殊変動状態演出と共通であり、その後半部分で「チャンスUPモード終了演出」が実行されることになる。
図45中(I):変動30回目で特殊変動状態演出の後半部分にさしかかると、これまでと同様の煽り演出が実行される。これにより、遊技者に対して「いよいよ扉(襖)が開いて確変画面に突入するかもしれない」という期待感を抱かせる一方で、「扉が開かずに終了してしまうかもしれない」という緊張感をも抱かせることができる。
図45中(II):次に、上記の煽り演出に続いて扉(襖)がぴしゃりと閉じてしまう演出(扉開放失敗演出)が実行される。これにより、遊技者に対して「今回は扉が開かず、確変モードに突入しなかった」ということを実感させることができる。
図45中(III):そして、画面全体が次第に暗転(グレーアウト)し、画面中央に大きく「終了・・・」という文字情報が表示される。これにより、遊技者に対して「やはり確変モード突入がなく、チャンスUPモードが終了した」ということを明確に教示することができる。
〔変動31回目以降〕
図45中(IV):この場合、変動31回目からは別モードでの背景画像演出が実行される。この例では、画面内に「祭り」に関係する小道具(太鼓や提灯、団扇)や花火といった画像が表示されている。本実施形態では、このようなモード演出を「お祭りモード」とする。「お祭りモード」は、変動時間短縮機能の作動は明らかに終了しているが、高確率状態であるか否かが明確に開示されない状態に対応している。これにより、遊技者に対して「まだ高確率状態の可能性がある」との期待感を抱かせ、遊技意欲の維持を図ることができる。
〔その他のチャンスUPモード終了演出〕
以上の流れは、変動30回目まで「チャンスUPモード」が継続した上で終了するパターンであるが、本実施形態では、変動10回目や20回目でチャンスUPモードが終了するパターンもある。
すなわち、「15ラウンド通常図柄1」又は「15ラウンド確変図柄1」のいずれかに該当した場合、変動時間短縮機能は10回の変動で作動を終了する。このため、「15ラウンド通常図柄1」又は「15ラウンド確変図柄1」のいずれかに該当した場合は変動10回目で継続演出が発生せず、上記の終了演出が実行されることになる。
あるいは、「15ラウンド通常図柄2」又は「15ラウンド確変図柄2」のいずれかに該当した場合、変動時間短縮機能が20回の変動で作動を終了する。このため、「15ラウンド通常図柄2」又は「15ラウンド確変図柄2」のいずれかに該当した場合、変動10回目で継続演出が発生するが、変動20回目で継続演出は発生せず、上記の終了演出が実行されることになる。
〔特殊変動状態演出を用いた遊技性〕
以上の流れで大当り遊技終了後の「チャンスUPモード演出」や「チャンスUPモード継続演出」、「チャンスUPモード終了演出」等を実行することにより、本実施形態では以下のような遊技性を実現することができる。
(1)「チャンスUPモード演出」中は、変動10回ごとに特殊変動状態演出が発生し、「モード継続か、それとも終了か」という遊技の山場を発生させることができる。特に本実施形態では、主制御CPU72による制御(はずれ時変動パターン決定処理)との連係によって特殊変動状態演出を実行できるため、単なる偶発的にではなく、制御上で計画的に整然と所望の演出を発生させ、安定感のある遊技性を遊技者に実感させることができる。
(2)また変動10回目、20回目で「チャンスUPモード」の継続演出又は終了演出のいずれが発生するかは、大当り時の当選図柄によって予め決まっているため、ここでも制御上で計画的に所望の演出の流れを発生させ、整然とした安定感のある遊技性を提供することができる。
(3)変動30回目まで継続すると、いよいよ「確変モード突入」への期待感が高まるため、遊技者に対して「チャンスUPモードが継続すれば継続するほど期待度が高い」というシンプルで分かりやすい遊技性を提供することができる。
(4)そして、変動30回目で「確変モード突入」又は「終了演出」の2通りの流れが存在するため、「チャンスUPモードが30回まで継続しても、最後まで油断できない」といった適度な緊張感を持続させることができる。これにより、遊技の単調化を防止し、遊技意欲の低下を抑えることができる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出、大当り中演出、チャンスUPモード演出、モード継続演出、確変モード突入演出、モード終了演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図46は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や先読み予告演出の実行を制御する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、セリフ予告演出等)のパターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に何らかの可動体(フィギュア体やギミック体)が設けられている場合、演出制御CPU126は可動体ソレノイドや可動体モータ等の駆動用IC(いずれも図示されていない)に対して制御信号を出力する。これにより、可動体が可動体ソレノイドや可動体モータを駆動源として動作し、例えば液晶表示器42による画像の表示と同期して予告演出を実行したり、あるいは、可動体が単独で演出上の動作を実行したりする。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される図柄演出管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図47は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図13中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出のパターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン、セリフ予告パターン、先判定予告演出パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお2ラウンド確変の当選時や小当り時には、はずれと同様かそれに近似した態様で結果表示演出が実行される。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば大分類で15ラウンドの大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、15ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図48は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図46中のステップS404)、ランプ駆動処理(図46中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の組み合わせ」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の組み合わせは、例えば上記のように数字の「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)とすることができる。また、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。また大当り遊技終了後については、上記の「チャンスUPモード」と合わせて「特殊変動状態でのはずれ変動」や「非特殊変動状態でのはずれ変動」に分類されており、それぞれに演出パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。また大当り遊技終了後の「チャンスUPモード演出」中は、そのときの特殊変動状態演出パターン番号に対応する画像演出の態様(継続又は終了、あるいは確変モード突入)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。また本実施形態では、予告演出としてリーチ発生前予告演出やリーチ発生後予告演出、セリフ予告演出、先判定予告演出等があり、それぞれに演出パターンが予め規定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図47中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び結果表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図49は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。この処理において演出制御CPU126は、はずれ時に実行するべき各種の変動演出パターン番号を設定することができる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、受信した変動パターンコマンドを詳細に解析する。これにより、今回のはずれ変動がどのような条件(現在の遊技状態や大当り遊技終了後の演出モード)で行われるかを演出制御CPU126が認識することができる。
ステップS702:そして演出制御CPU126は、今回のはずれ変動が上記の「特殊変動状態」に該当するか否かを確認する。特に「特殊変動状態」に該当しなければ(No)、演出制御CPU126はステップS708に進む。
ステップS708:この場合、演出制御CPU126は非特殊変動状態演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は変動パターンコマンドに基づき、予めROM128に記憶されている変動演出パターンテーブルから「はずれ時変動演出パターン番号」を取得する。なお変動演出パターンテーブルには、遊技状態別に与えられる全ての変動パターンコマンド(はずれ時)について、それぞれ対応する「はずれ時変動演出パターン番号」が割り当てられている。
ステップS710:そして演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン番号を送信バッファにセットし、演出図柄変動前処理に復帰する。
これに対し、今回のはずれ変動が上記の「特殊変動状態」に該当する場合(ステップS702:Yes)、演出制御CPU126はステップS704を実行する。
ステップS704:この場合、演出制御CPU126は特殊変動状態演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は変動パターンコマンドに基づき、予めROM128に記憶されている特殊変動状態演出パターンテーブルから「特殊変動状態演出パターン番号」を取得する。特殊変動状態演出パターンテーブルには、上記の「特殊変動状態」に該当する変動パターン番号について、それぞれ対応する「特殊変動状態演出パターン番号」が割り当てられている。
ステップS706:そして演出制御CPU126は、特殊変動状態演出パターン番号を送信バッファにセットし、演出図柄変動前処理に復帰する。ここでセットした特殊変動状態演出パターン番号に基づき、実際に液晶表示器42の画面上で各種の特殊変動状態演出(図41〜図45)が実行されることになる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた変動パターンテーブルの選択手法(一例及び別例)は好ましい例示であるが、これらに限定されるものではない。
また、一実施形態で挙げた各種演出の態様は例示であり、特に「チャンスUPモード演出」や「モード継続演出」、「モード終了演出」、「確変モード突入演出」等はその他の態様で実施してもよい。
また、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。