JP2012101094A - 心臓弁修復のための送達装置および方法 - Google Patents

心臓弁修復のための送達装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】心臓弁輪治療処置効果を高めるための方法、装置およびシステムを改善すること。
【解決手段】連結されたアンカー210を心臓弁輪に適用するための装置200であって、近位端および遠位端202を有する細長いシャフト204と、遠位端202に隣接するハウジング206と、ハウジング206内に配置された複数の連結されたアンカー210と、ハウジング206からアンカー210を送達させるための少なくとも1つのアンカー接触部材と、上記シャフト204の近位端あるいはその近くにある、アンカー210を弁輪に送達させるようアンカー210接触部材に作用するための少なくとも1つのアクチュエータ208と、を備える、連結されたアンカー210を心臓弁輪に適用するための装置200。
【選択図】図3

Description

(発明の背景)
1.技術分野。本発明は概して医療装置および方法に関連する。さらに具体的には、本発明は心臓血管弁修復、特に心臓僧帽弁および三尖弁といった心臓弁の修復に関連する。
近年、心臓手術の侵襲性低減において多くの進展があった。患者の高い罹患率および死亡率を伴う可能性、開心、停心の処置を避けようとする試みにおいて、 比較的小さな切開口を通して心臓手術を行うため、鼓動している心臓に手術を行うため、また経血管アクセスでの心臓処置を行うためにいたるまで、数々の装置および方法が開発されてきた。心房細動に対処するための心臓切除技術、アテローム性動脈硬化症のためのステント挿入処置、および僧帽弁逆流といった症状の 治療における弁修復処置等、あらゆる種類の心臓処置に有意な技術進展があった。侵襲性を最小限にとどめた多くの心臓手術技術、特に鼓動している心臓への処置技術の実施において、最も大いなる難関の一つは、処置を行うため、心臓の中または周囲の望ましい位置に治療装置を配置することである。別の難関は、装置 が配置された後、目指す心臓組織に、ある特定の治療を効果的に展開することである。
侵襲性の低い技術から利益を受けると考えられる心臓手術の一種は、心臓弁修復である。僧帽弁または三尖弁逆流といった心臓弁狭窄症または心臓弁逆流の従 来の治療には、通常、弁の置換または修復のために開心外科的処置が伴う。弁修復処置には通常、弁輪の形を復元し、弁輪を強化するために設計された一連の技術である、弁形成術が伴う。従来の弁形成手術では、概して患者の胸部の広範囲での切開(開胸術)、および時として胸骨正中切開術(胸骨の正中の切開)が必 要である。これらの開心、開胸処置は通常、患者の心臓および肺が処置の間人工的に停止しているよう、患者に、持続した期間にわたって、心肺バイパス装置を使用することになる。さらには、弁修復および置換処置は通常、技術的に困難であり、弁にアクセスするために心臓壁を比較的広範囲で切開することが必要であ る。
開心弁修復または置換は元来侵襲性が高いため、高齢の患者、最近他の外科的処置を受けた患者、併存症を有する患者、子供、晩期心不全を有する患者等、多 くの患者がしばしば心臓弁手術を受けるにあたりリスクが高過ぎると見なされ、悪化が進み、心肥大へとつながる。かかる患者の心臓弁状態への実行可能な代替治療法が存在しないことがしばしばある。
この状況を未然に防ぐために、侵襲性の低い方法での心臓弁修復のための装置および方法が数々説明されてきた。いくつかの装置が侵襲性を最小限にとどめた 切開を通しての心臓弁修復のために提供されている一方で、鼓動している心臓、停止した心臓、もくしは双方での開心外科的処置での改善を提供している装置もある。上述のように、侵襲性を最小限にとどめた心臓内手術の難しさは、処置を行うために、望ましい位置に侵襲性を最小限にとどめた治療装置を配置するこ と、および、目指す心臓組織に、ある特定の治療を効果的に展開することである。例えば心臓弁修復処置においては、医師が弁輪組織に1つ以上の治療装置を固定することが必要不可欠である。弁輪組織は、周辺筋肉または弁尖組織と比較して、単に線維である傾向にあり、したがってアンカーといった心臓弁治療のため の当該治療装置を固定するのに適した位置となる。アンカー送達装置を弁輪組織に隣接する望ましい位置に配置することは、特に当該の位置の可視化が制限される心臓内処置においては、しばしば困難となる可能性がある。
これらの難関に取り組んだ装置および方法は、米国特許出願番号10/792,681、10/741,130、10/656,797、10/461,043、60/388,935、60/429,288、60/445,890、60/462,502および60/524,622に記載され ており、これらは参照することですでに組み込まれた。例として、これらの参考文献は、僧帽弁輪といった心臓弁輪への処置の暴露、安定化、および/または実施のための装置および方法について記述している。発明者達によって以前に記述されている装置や方法の多くは非常に効果的であるが、まだ改善の余地がある。
したがって、心臓弁輪治療処置効果を高めるための方法、装置およびシステムの改善は有益である。かかる方法、装置およびシステムが、心臓弁輪への処置を 行うため、左心室またはその他の位置に1つ以上の装置を配置すること、弁輪の可視化すること、および/または同等のことを容易にすることが理想的である。また、かかる方法、装置およびシステムが経脈管的に導入できることが理想的である。これらの目標の内、少なくともいくつかは、本発明によって達成される。
2.背景技術の説明。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6、ならびに特許文献7および特許文献8は、弁形成術 を行うためのカテーテルベースの方法について記述している。特許文献9は、任意で連結片に装着される収縮可能なひだバンドを用いた心臓弁形成術について記述している。特許文献10は弁形成術を行うために、アンカーおよび係留紐を送達するために使用可能な遠隔操作式のカテーテルシステムについて記述してい る。その他の関連する特許公報には、WO01/26586、US2001/0005757、US2001/0014800、US2002/0013621、US2002/00290R0、US2002/0035361、US2002/0042621、 US2002/0095167、US2003/0074012等がある。関連の米国特許には、014,492、4,042,979、4,043,504、4,055,86 L、4,700,250、5,366,479、5,450,860、5,571,215、5,674,279、5,709,695、 5,752,518、5,845,969、5,860,992、5,904,651、5,961,539、5,972,004、6,165,183、6,197,017、6,250,308、6,260,552、6,283,993、6,269,819、6,312,447、6,332,893、 6,524,338等がある。関連の発行物は、De
Simone ら(1993) Am. J. Cardiol. 73:721−722およびDowningら(2001) Heart Surgery Forum,
Abstract 7025などである。これら上述の引用参考文献は全て、参照することにより本出願に組み込まれる。
米国特許出願公開第2002/0156526号明細書 米国特許出願公開第2003/0220685号明細書 米国特許出願公開第2004/0019378号明細書 米国特許出願公開第2004/0003819号明細書 米国特許出願公開第2004/0030382号明細書 米国特許出願公開第2004/0039442号明細書 米国特許第6629534号明細書 米国特許第6619291号明細書 米国特許出願公開第2002/0042621号明細書 米国特許出願公開第2002/0087169号明細書
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
連結されたアンカーを心臓弁輪に適用するための装置であって、
近位端および遠位端を有する細長いシャフトと、
上記遠位端に隣接するハウジングと、
上記ハウジング内に配置された複数の連結されたアンカーと、
上記ハウジングからアンカーを送達させるための少なくとも1つのアンカー接触部材と、上記シャフトの上記近位端あるいはその近くにある、上記アンカーを弁輪に送達させるよう上記アンカー接触部材に作用するための少なくとも1つのアクチュエータと、を備える、連結されたアンカーを心臓弁輪に適用するための装置。
(項目2)
上記細長いシャフトが、大動脈を通して左心室の中へと進め弁輪に接触させ得る柔軟性のあるカテーテルを備える、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記ハウジングが約1.67mm以下の断面直径を有し、上記ハウジングから展開した際の各アンカーの半径が少なくとも約3mmである、項目2に記載の装置。
(項目4)
上記ハウジングが、上記弁輪に適合するに十分な柔軟性を有する、項目1に記載の装置。
(項目5)
上記ハウジングが、左心室壁と1つ以上の心臓僧帽弁弁尖との交差部分の上記弁輪に適合する、項目4に記載の装置。
(項目6)
上記ハウジングの上記弁輪との接触を促進するために、拡張して上記ハウジングを上記交差部分に向けて推進するための、上記ハウジングに連結した少なくとも1つの拡張可能部材をさらに備える、項目5に記載の装置。
(項目7)
上記ハウジングのアンカー送達表面が上記弁輪に接触するよう配向することができるように、上記ハウジングが長円または楕円形状を有する、項目5に記載の装置。
(項目8)
上記ハウジングが、上記ハウジングを変形させて上記弁輪に適合させるためのアクチュエータに連結される、項目4に記載の装置。
(項目9)
上記ハウジングが、上記ハウジングを変形させて上記弁輪に適合させるように拡張する成型された拡張可能部材に連結される、項目4に記載の装置。
(項目10)
上記ハウジングが形状変化部分を含む、項目4に記載の装置。
(項目11)
上記形状変化部分に張力を加えて少なくとも第一の方向に湾曲させるための、上記形状変化部分に連結した少なくとも第一の引張コードをさらに備える、項目10に記載の装置。
(項目12)
上記形状変化部分に張力を加えて少なくとも第二の方向に湾曲させるための、上記形状変化部分に連結した少なくとも第二の引張コードをさらに備える、項目11に記載の装置。
(項目13)
上記第一の方向が、上記弁輪に適合するための略C字形状を含み、上記第二の方向が、力を上記輪に加えるための上方向あるいは近位方向を含む、項目12に記載の装置。
(項目14)
上記形状変化部分が、上記弁輪の形状に適合する曲線となるよう湾曲を制御するための、少なくとも1つの側部に沿った複数のノッチを含む、項目11に記載の装置。
(項目15)
上記形状変化部分が、上記弁輪の形状となるよう湾曲を制御するための、少なくとも上記第一の引張部材に連結される複数の積層断片を備える、項目11に記載の装置。
(項目16)
上記形状変化部分が、上記弁輪の形状に適合するよう構成された形状記憶材料を含む、項目11に記載の装置。
(項目17)
上記形状変化部分が、流体を導入して上記形状記憶材料を上記弁輪の形状に適合させるための少なくとも1つの管腔をさらに備える、項目16に記載の装置。
(項目18)
上記ハウジングが、各開口部が上記複数のアンカーの1つを解放させるような大きさである複数の開口部を備える、項目1に記載の装置。
(項目19)
各アンカーが、少なくとも1つの保持部材により上記ハウジング内に拘束されている際には非展開形状であり、上記ハウジングから解放された際には弾性的に展開形状に広がる、項目1に記載の装置。
(項目20)
各アンカーの上記非展開形状が比較的直線であり、各アンカーは2つの鋭い先端を有し、展開時には各アンカーは屈曲し、2つの先端が反対方向に屈曲する、項目19に記載の装置。
(項目21)
各アンカーの上記展開形状が、二つの交差形状を含み、スライド可能な係留紐を通過させるための小穴が上記形状の交差部分に配置された、項目20に記載の装置。
(項目22)
上記交差形状が、円、半円、螺旋、重複螺旋、および長円からなる群より選択される、項目21に記載の装置。
(項目23)
各アンカーが、開いた弓形の非展開形状を有し、拘束から解放された後に末端が重なった閉じた形状をとる、項目19に記載の装置。
(項目24)
上記非展開形状が、鋭い2つの末端を有する略C字形状または半円であり、上記展開形状が、上記2つの末端が重なった閉じた円であり、送達装置からの解放時に、上記アンカーが上記末端により上記弁輪を貫通し、次に上記閉じた円の形状をとることにより上記弁輪に固定される、項目23に記載の装置。
(項目25)
上記アンカーがスライド可能に係留紐に連結される、項目1に記載の装置。
(項目26)
上記複数のアンカーのそれぞれが少なくとも1つの小穴を含み、上記係留紐が各アンカーの上記少なくとも1つの小穴を通過する、項目25に記載の装置。
(項目27)
上記係留紐が、上記アンカーが展開した際に上記アンカーと上記弁輪との間に位置するように上記アンカーに沿って配置される、項目25に記載の装置。
(項目28)
上記アンカーがさらに、各アンカーと固定連結される自己変形連結部材と連結され、上記自己変形部材は、上記ハウジングからの解放時に、非展開形状から展開形状に変形して上記アンカーを引き締め上記弁輪を締め付ける、項目25に記載の装置。
(項目29)
上記係留紐上をスライド可能に進む停止装置をさらに備え、上記停止装置は、
上記複数のアンカーの少なくとも1つの末端アンカーに上記係留紐を取り付けるための少なくとも1つの取付部材と、
引き締められ、係留されたアンカーを上記弁輪に固定されたままにするために上記係留紐を切るための、少なくとも1つ切断部材を備える、項目25に記載の装置。
(項目30)
上記連結されたアンカーを圧着して上記弁輪に固定するための少なくとも1つの圧着部材をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目31)
上記アンカーが、各アンカーと固定連結される自己変形連結部材と連結され、上記自己変形部材は、上記ハウジングからの解放時に、非展開形状から展開形状に変形して上記アンカーを引き締め上記弁輪を締め付ける、項目1に記載の装置。
(項目32)
上記少なくとも1つのアンカー接触部材が、上記ハウジングに対して近位に牽引した場合、上記アンカーに連続的に接触して上記アンカーに力を加え、それらが上記ハウジングの少なくとも1つの開口部を介して上記ハウジングから出るようにする、少なくとも1つの牽引力適用装置を備える、項目1に記載の装置。
(項目33)
上記少なくとも1つのアンカー接触部材が、上記アンカーを上記ハウジング内に保持するための少なくとも1つの保持部材を備え、上記少なくとも1つのアクチュエータが上記保持部材を動かして上記アンカーを上記ハウジングから解放する、項目1に記載の装置。
(項目34)
上記少なくとも1つのアクチュエータが、上記連結されたアンカーを引き締めて上記弁輪の外周を縮小させるための手段を含む、項目1に記載の装置。
(項目35)
上記ハウジングから上記アンカーを押し出すための、上記ハウジング内に配置された少なくとも1つの拡張可能部材をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目36)
上記係留紐を引き締めた後に上記係留紐を上記アンカーのうち少なくとも1つに固定するための、上記係留紐に連結された少なくとも1つのファスナーをさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目37)
複数の引き締められたアンカーを心臓弁輪に適用するための装置であって、
上記引き締められたアンカーを送達するための、遠位部を有する柔軟性のある細長いカテーテルであって、上記遠位部は約1.67mm以下の断面直径を有するカテーテルと、
上記遠位部内に配置される複数の引き締められたアンカーであって、上記ハウジングから展開した際に各アンカーは少なくとも約3mmの半径を有するアンカーと、
上記カテーテルから上記アンカーを送達させるための、上記カテーテルに連結される少なくとも1つのアンカー送達部材と、を備える、装置。
(項目38)
心臓弁の輪状組織に取り付けられるための自己固定アンカーであって、1.67mm以下の断面直径を有する送達カテーテル内に上記アンカーを配置することができる、比較的細長い非展開形状を有し、上記送達装置からの解放時には少なくとも3mmの半径を有する展開形状をとる、超弾性的材料または形状記憶材料を備える、自己固定アンカー。
(項目39)
上記アンカーが上記送達装置から解放された際に、上記アンカーの2つの鋭い先端が反対方向に屈曲する、項目38に記載のアンカー。
(項目40)
上記アンカーが上記2つの鋭い先端の間に配置される小穴を備える、項目39に記載のアンカー。
(項目41)
心臓弁の輪状組織に取り付けられるための自己固定アンカーであって、開いた弓形の非展開形状を有し、拘束から解放された後に末端が重なった閉じた形状をとる、超弾性的材料または形状記憶材料を備える、自己固定アンカー。
(項目42)
上記非展開形状が、鋭い2つの末端を有する略C字形状または半円であり、上記展開形状が上記2つの末端が重なった閉じた円である、項目41に記載の装置。
(項目43)
上記輪状組織に固定された際に上記輪状組織と並んで位置する、項目41に記載のアンカー。
(項目44)
上記形状記憶材料がニチノールを含む、項目41に記載のアンカー。
(項目45)
患者体内での使用のためのアンカーアセンブリであって、
開いた内部を有し、血管を通って心臓内へと通過することができるよう構成された、カテーテル型のハウジングと、
上記ハウジング内に取り外し可能に収納された、組織に食い込み可能な一連のアンカーであって、上記ハウジングの上記開いた内部に遠位アンカーおよび近位アンカーを備えるアンカーと、
上記アンカーを互いに連続的に連結する係留紐と、を備えるアンカーアセンブリ。
(項目46)
上記ハウジングの少なくとも一部が柔軟性を有する、項目45に記載のアセンブリであって、上記ハウジングの柔軟性を有する一部を、第一の構成から、第二の、放射状に外側に拡張した、屈曲した構成へと推進するための手段をさらに備える、アセンブリ。
(項目47)
上記遠位アンカーが上記係留紐に固定され、上記近位アンカーが上記係留紐にスライド可能に連結される、項目45に記載のアセンブリ。
(項目48)
上記係留紐が上記カテーテル型ハウジングの実質的に外部に位置する、項目45に記載のアセンブリ。
(項目49)
上記アンカーが、自己形成かつ自己固定アンカーである、項目45に記載のアセンブリ。
(項目50)
上記アンカーの少なくとも1つが、電極および生体活性因子の少なくとも1つを含む、項目45に記載のアセンブリ。
(項目51)
患者体内での使用のためのアンカー装置であって、
長手方向軸を有する細長いハウジングと、
上記ハウジングにより担持され、またそこから展開可能である、自己形成型の、組織に食い込み可能なアンカーと、
第一の部分および第二の部分を有する上記アンカーであって、上記第二の部分は組織を刺し貫く先端を有する上記アンカーと、
上記ハウジングにより担持された際に、上記長手方向軸とほぼ平行な比較的直線の非展開状態に設置することができる上記アンカーと、
上記ハウジングから展開した後は自然に、屈曲した、組織に食い込む展開状態をとる上記アンカーと、を備えるアンカー装置。
(項目52)
上記細長いハウジングが開いた内部を有し、
上記アンカーが、上記開いた内部に担持され、またそこから展開可能であり、そして
上記ハウジングが、上記アンカーが上記ハウジングから展開した際に、上記アンカーが通過する大きさの開口部を有する、項目51に記載の装置。
(項目53)
上記アンカーが、上記第一の部分と、上記第一の部分から延在する上記第二の部分の少なくとも2つを備える、項目51に記載の装置。
(項目54)
上記第二の部分が、非展開状態の際にはほぼ互いに反対方向に延在する、項目53に記載の装置。
(項目55)
上記アンカーが、非展開状態の際には上記長手方向軸に対してほぼ垂直な方向を向いている、項目51に記載の装置。
(項目56)
上記アンカーの上記第二の部分が、非展開状態の際にはほぼ円または半円の形状を有する、項目51に記載の装置。
(項目57)
一連の上記アンカーであって、遠位アンカーと近位アンカーとを備えるアンカーと、
上記アンカーを互いに連続的に連結する係留紐と、をさらに備える、項目51に記載の装置。
(項目58)
上記ハウジングが直径寸法dを有し、展開状態における上記アンカーが直径寸法Dを有し、dに対するDの比が少なくとも3.5である、項目51に記載の装置。
(項目59)
上記ハウジングが直径寸法dを有し、展開状態における上記アンカーが直径寸法Dを有し、dに対するDの比が少なくとも4.4である、項目51に記載の装置。
(項目60)
上記ハウジングが直径寸法dを有し、展開状態における上記アンカーが直径寸法Dを有し、dに対するDの比が少なくとも7である、項目51に記載の装置。
(項目61)
上記ハウジングが直径寸法dを有し、展開状態における上記アンカーが直径寸法Dを有し、dに対するDの比が少なくとも8.8である、項目51に記載の装置。
(項目62)
組織アンカーアセンブリであって、
ベースと、
上記ベースから延在する、弾力的で、自己形成型の、組織に食い込む部分であって、組織を刺し貫く先端を備え、屈曲した非抑制状態と抑制状態との間で移動可能である、組織に食い込む部分と、を備えるアンカーと、
上記アンカーに連結される連結要素と、
ハウジングと、を備え、
上記アンカーは、上記組織に食い込む部分が上記抑制状態で上記ハウジングに解放可能に装備され、上記組織に食い込む部分は、上記アンカーが上記ハウジングから解放された際に、上記抑制状態から上記非抑制状態に転換可能であり、上記アンカーにさらなる力が加えられることなしに、上記組織に食い込む部分が、上記屈曲し、非抑制状態に移るときに、組織を通過する上記組織を刺し貫く先端が上記アンカーを上記組織に固定する、組織アンカーアセンブリ。
(項目63)
上記組織に食い込む部分が、上記抑制状態のときにまっすぐである、項目62に記載のアセンブリ。
(項目64)
上記アンカーが、第一および第二の上記組織に食い込む部分を備え、上記第一および第二の上記組織に食い込む部分がそれぞれ、上記非抑制状態のときにほぼ互いに反対方向に延在するフックを備える、項目62に記載のアセンブリ。
(項目65)
上記連結要素が各上記アンカーに連結された複数の上記アンカーをさらに備える、項目62に記載のアセンブリ。
(項目66)
少なくとも1つの上記アンカーがスライド可能に上記連結要素に連結され、他の上記アンカーが上記連結要素に留められる、項目65に記載のアセンブリ。
(項目67)
組織アンカーアセンブリであって、
複数のアンカーであって、それぞれのアンカーは、ベースと、上記ベースから延在する、第一および第二の、自己形成型の、組織に食い込む部分であって、それぞれが組織を刺し貫く先端を備え、屈曲した非抑制状態とまっすぐの抑制状態との間でそれぞれ移動可能であり、上記非抑制状態のときには、それぞれがほぼ円または半円の形状を有する、組織に食い込む部分と、を備える複数のアンカーと、
上記アンカーの上記ベースに連結される係留紐であって、少なくとも1つの上記アンカーがスライド可能に上記係留紐に連結され、他の上記アンカーが上記係留紐に留められる、係留紐と、
ハウジングと、を備え、
上記アンカーおよび係留紐は、上記組織に食い込む部分が上記抑制状態で上記ハウジングに解放可能に装備され、上記組織に食い込む部分は、上記アンカーおよび係留紐が上記ハウジングから解放された際に、上記抑制状態から上記非抑制状態に転換可能であり、上記アンカーにさらなる力が加えられることなしに、上記組織に食い込む部分が、上記屈曲した非抑制状態に移るときに、組織を通過する上記組織を刺し貫く先端が上記アンカーを上記組織に固定する、組織アンカーアセンブリ。
(項目68)
組織アンカーアセンブリであって、
ベースと、上記ベースから延在する、弾力的で、自己形成型の、組織に食い込む部分であって、組織を刺し貫く先端を備え、屈曲した非抑制状態と抑制状態との間で移動可能である、組織に食い込む部分と、を備えるアンカーと、
上記アンカーに連結される連結要素と、
ハウジングと、を備え、
上記アンカーは、上記組織に食い込む部分が上記抑制状態で上記ハウジングに解放可能に装備され、上記組織に食い込む部分は、上記アンカーが上記ハウジングから解放された際に、上記抑制状態から上記非抑制状態に転換可能であり、
上記組織に食い込む部分は、上記組織を刺し貫く先端が組織を通過し上記組織に食い込む部分が上記屈曲した非抑制状態に移るときに、上記アンカーを組織内に引っ張るための手段を備える、組織アンカーアセンブリ。
(項目69)
組織アンカーアセンブリであって、
複数のアンカーであって、それぞれのアンカーは、ベースと、上記ベースから延在する、第一および第二の、弾力的で、自己形成型の、組織に食い込む部分であって、それぞれが組織を刺し貫く先端を備え、屈曲した非抑制状態と抑制状態との間でそれぞれ移動可能であり、上記非抑制状態のときには、それぞれがほぼ円または半円の形状を有する、組織に食い込む部分と、を備える複数のアンカーと、
上記アンカーのそれぞれに連結される連結要素と、
管状ハウジングと、を備え、
上記アンカーは、上記組織に食い込む部分が上記抑制状態で上記ハウジング内に解放可能に装備され、上記組織に食い込む部分は、上記アンカーが上記ハウジングから解放された際に、上記抑制状態から上記非抑制状態に転換可能であり、
上記組織に食い込む部分は、上記組織を刺し貫く先端が組織を通過し上記組織に食い込む部分が上記屈曲し、非抑制状態に移るときに、上記アンカーを組織内に引っ張るための手段を備え、アンカー引張手段は、上記抑制状態のときにポテンシャルエネルギーを蓄えるための手段を備える、組織アンカーアセンブリ。
(項目70)
患者体内での使用のためのアンカー装置であって、
血管を通って心臓内へと通過することができるように構成された細長いキャリアと、
上記細長いキャリアにより解放可能に担持された、一連の組織に食い込み可能なアンカーであって、遠位アンカー、第一の中間アンカー、および近位アンカーを備えるアンカーと、
上記アンカーを互いに連続的に連結する係留紐であって、上記係留紐が近位方向に引っ張られた際に、上記遠位アンカーに固定されるかまたは遠位アンカーに食いこみ可能である遠位端を有し、少なくとも上記近位アンカーが上記係留紐にスライド可能に連結されている、係留紐と、
上記係留紐が引っ張られているときに上記アンカーの隣同士が互いに近付く程度を制限するための、上記アンカーの隣同士の間の上記係留紐に沿って位置するセパレータと、を備える、装置。
(項目71)
上記アンカーが自己形成型かつ自己固定型のアンカーである、項目70に記載の装置。
(項目72)
上記セパレータがほぼ管状の部材を備え、上記係留紐がほぼ管状の上記部材を通過する、項目70に記載の装置。
(項目73)
上記セパレータが、第一の長さから第二の圧縮長へ軸方向に圧縮可能である、項目70に記載の装置。
(項目74)
上記細長いキャリアが長手方向軸を有し、
上記アンカーが自己形成型の組織に食い込み可能なアンカーであり、
上記アンカーがそれぞれ、第一の部分および第二の部分を有し、上記第二の部分は組織を刺し貫く先端を有し、
上記細長いキャリアが、上記アンカーが通過する大きさの開口部を有し、
上記アンカーは、上記細長いキャリア内の上記長手方向軸とほぼ平行な比較的直線の非展開状態に設置することができ、
上記アンカーが、上記細長いキャリア内の上記開口部を通過した後は自然に、屈曲した、組織に食い込む展開状態をとる、項目70に記載の装置。
(項目75)
患者体内での使用のためのアンカー装置であって、
その少なくとも一部が柔軟性を有する、血管を通って心臓内へと通過することができるよう構成された長手方向軸を有する細長いキャリアと、
上記細長いキャリアにより開放可能に担持される一連の自己形成型、組織に食い込み可能なアンカーであって、遠位アンカー、第一の中間アンカー、および近位アンカーを備え、それぞれ第一の部分と、上記第一の部分から延在し、それぞれが組織を刺し貫く先端を有する少なくとも2つの上記第二の部分を有し、上記細長いキャリアは、上記アンカーが通過する大きさの開口部を有し、上記アンカーは、上記細長いキャリア内の上記長手方向軸とほぼ平行な比較的直線の非展開状態に設置することができ、上記アンカーは、上記細長いキャリア内の上記開口部を通過した後は自然に、屈曲した、組織に食い込む展開状態をとり、上記第二の部分は、展開状態の際にはほぼ円または半円の形状を有し、上記アンカーは、展開状態の際には上記長手方向軸に対してほぼ垂直な方向を向き、上記細長いキャリアは直径寸法dを有し、展開状態における上記アンカーは直径寸法Dを有し、dに対するDの比が少なくとも3.5である、アンカーと、
上記アンカーを互いに連続的に連結する係留紐であって、上記係留紐が近位方向に引っ張られた際に、上記遠位アンカーに固定されるかまたは遠位アンカーに食いこみ可能である遠位端を有し、少なくとも上記近位アンカーが上記係留紐にスライド可能に連結されている、係留紐と、
上記係留紐が引っ張られているときに上記アンカーの隣同士が互いに近付く程度を制限するための、上記アンカーの隣同士の間の上記係留紐に沿って位置するセパレータと、を備える、装置。
(項目76)
心臓弁輪と接触する1つ以上の装置の設置を容易にするための装置であって、
近位部分および遠位部分を持つ細長いカテーテル体と、
上記カテーテル体の近位部分に連結され、上記遠位部分に延在する少なくとも1つの引張部材と、
上記引張部材に張力を加えて上記遠位部分を変形することで、上記弁輪の形状にほぼ適合させるために上記近位部分と上記引張部材を連結する少なくとも1つの引張アクチュエータと、を備える装置。
(項目77)
少なくとも1つの引張部材が2つの引張部材を備え、上記遠位部分を少なくとも2つの異なる方向に変形させる、項目76に記載の装置。
(項目78)
上記遠位部分を上記弁輪に接触させるための上記カテーテル体の遠位部分に連結された促進部材をさらに備える、項目76に記載の装置。
(項目79)
上記促進部材が、(a)心臓の左心室壁、少なくとも1つの僧帽弁弁尖および腱索により形成される左心室内の空間で拡張する拡張可能部材と、(b)それ自体と上記弁輪に隣接する冠状静脈洞内に配置される対立電荷マグネットとの間に活性磁力を加えるための上記遠位部分に連結された少なくとも1つのマグネットとの少なくとも1つ、を備える、項目78に記載の装置。
(項目80)
1つ以上の装置を心臓弁輪と接触するように設置することを容易にするシステムであって、
上記僧帽弁の下位にある上記遠位端を位置決めするための遠位端に向けて少なくとも1つの屈曲を有する成形ガイドカテーテルと、
上記成形ガイドカテーテルを通過することができ、上記僧帽弁の下の上記弁輪の長さに沿って前進するための可動型遠位端を有する可動型ガイドカテーテルと、
上記成形ガイドカテーテルを通して上記可動型ガイドカテーテルを通過可能なガイドシースと、を備え、ここで1つ以上の上記装置が上記ガイドシースを通過して、上記僧帽弁輪と接触することができる、システム。
(項目81)
上記成形ガイドカテーテルの少なくとも1つの屈曲が、
上記成形ガイドカテーテルの中心軸に対してほぼ垂直であり、上記カテーテルの遠位端を上記僧帽弁の平面にほぼ平行な平面に接触させる近位屈曲と、
上記僧帽弁の曲率半径とほぼ同じ曲率半径を持つ遠位屈曲と、を備える、項目80に記載のシステム。
(項目82)
上記ガイドシースの遠位部分が上記ガイドシースの近位部分から取り外し可能であり、弁輪治療手順後も上記弁輪に取り付けられたまま残る、項目80に記載のシステム。
(項目83)
上記取り外し可能な遠位部分が上記僧帽弁輪を締め付けるように固定可能である、項目82に記載のシステム。
(項目84)
上記ガイドシースを通過することができ、上記僧帽弁輪と接触して連結したアンカーを上記僧帽弁に適用するアンカー送達装置をさらに備える、項目80に記載のシステム。
(項目85)
上記ガイドシースを通過することができ、上記僧帽弁輪の可視化を容易にする可視化装置をさらに備える、項目80に記載のシステム。
(項目86)
心臓弁輪に対して手順を実施する装置であって、
近位部分および成形遠位部分を持つ柔軟性のある細長いカテーテルであって、ここで上記遠位部は、組織アンカーの通過を可能にするための少なくとも1つの開口部を持つ、カテーテルと、
上記成形遠位部分に解放可能に格納された複数の組織アンカーと、
上記組織アンカーとスライド可能に連結される少なくとも1つの固定可能な係留紐と、
上記弁輪の組織に食い込むように少なくとも1つの上記開口部から上記アンカーを送達するための上記遠位部分に格納された少なくとも1つのアンカー送達部材と、を備える装置。
(項目87)
上記成形遠位部分が1.3mmと3.8mmとの間の半径を持つ第一の屈曲を備える、項目86に記載の装置。
(項目88)
上記成形遠位部分がさらに第二の屈曲を備える、項目87に記載の装置。
(項目89)
上記第一および第二の屈曲が、上記カテーテルの最遠位部分を、上記遠位部分にすぐ隣接する上記カテーテルの上記近位部分に対して45°と90°との間の方向に向ける、項目88に記載の装置。
(項目90)
上記第二の屈曲が上記心臓弁より大きい曲率半径を持ち、その大きい曲率半径により上記遠位部分が上記弁輪に対して外側に押し付けられる、項目88に記載の装置。
(項目91)
第一および第二の屈曲のうちの少なくとも1つが、上記細長いカテーテルを送達して上記弁輪と接触させるために使用されるガイドカテーテルにおいて対応する屈曲と同じ形状を持つ、項目88に記載の装置。
(項目92)
上記細長いカテーテルにおける第一および第二屈曲が、上記ガイドカテーテルにおいて対応する第一および第二屈曲に対応する、項目91に記載の装置。
(項目93)
上記細長いカテーテルが、上記ガイドカテーテルを前進する際に、上記少なくとも1つの開口部が上記弁輪組織と接触するような方向に向けられる、項目91に記載の装置。
(項目94)
上記遠位部分を弁輪組織と接触させて維持するための、上記細長いカテーテルに連結された少なくとも1つの安定化部材をさらに備える、項目86に記載の装置。
(項目95)
少なくとも1つの上記補強部材が、
上記遠位部分から延在して心臓壁組織に押し付けることで、上記遠位部分を上記輪組織に押し付けて推進する螺旋形の部材と、
上記遠位部分から延在して心臓壁組織に押し付けることで、上記遠位部分を上記輪組織に押し付けて推進するアーチ型形状記憶部材またはバネ付勢部材と、
上記遠位部分から延在して心臓壁組織に押し付けることで、上記遠位部分を上記輪組織に押し付けて推進する複数のバネと、
上記カテーテルの遠位部分に連結され、上記弁輪の曲率半径より大きい曲率半径を持つ屈曲バルーンであって、ここで、上記バルーンを膨張することにより上記遠位部分を上記弁組織に押し付けて推進する、バルーン、
のうちの少なくとも1つを備える、項目94に記載の装置。
(項目96)
末端組織アンカーの上記心臓弁輪への取り付けを強化するための少なくとも1つの停止部材をさらに備える、項目86に記載の装置。
(項目97)
少なくとも1つの上記停止部材が、上記係留紐にスライド可能に連結され得る、項目96に記載の装置。
(項目98)
上記組織アンカーがそれぞれ、上記係留紐が固定される際に上記アンカーが上記弁輪組織から引き抜かれることを避けるための少なくとも1つのサポート部材を備える、項目86に記載の装置。
(項目99)
上記組織アンカーがそれぞれ、上記組織アンカーの上記弁輪組織への取り付けを強化するための少なくとも1つの組織接着機能を備える、項目86に記載の装置。
(項目100)
上記組織接着機能が、材料の各アンカーの少なくとも一部に配置される1つ以上の材料を備え、該材料が、上記アンカーを上記弁輪組織に収容するために選択される、項目99に記載の装置。
(項目101)
少なくとも1つのアンカー送達部材が、
上記アンカーと接触して、少なくとも1つの開口部から推進するためのアンカー接触部材と、
上記アンカー接触部材に力を加えて上記アンカーと接触して推進するための、上記アンカー接触部材に連結された引張コードと、を備える、項目86に記載の装置。
(項目102)
心臓弁輪を締め付けるための装置であって、
スライド可能に連結された複数の組織アンカーであって、各アンカーが、上記アンカーの弁輪組織への取り付けを強化するための少なくとも1つの組織接着機能を含む、アンカーと、
少なくとも一部の組織アンカーにスライド可能に連結され、少なくとも第一の上記アンカーに固定して取り付けられる少なくとも1つの固定可能な係留紐と、を備える装置。
(項目103)
少なくとも1つの上記接着機能が、
各アンカーの少なくとも一部に沿った多孔質表面と、
各アンカーの少なくとも一部に沿った少なくとも1つの加工表面と、
各アンカーの少なくとも一部に沿ったコーティングされた表面と、
小さい曲率半径を持つ、各アンカーの少なくとも1つの円またはかぎ状部分と、
各アンカーの各末端にひげと、
のうちの少なくとも1つを備える、項目102に記載の装置。
(項目104)
ガイドシース軸を持つガイドシースと、
上記ガイドシース内でスライド可能に延在でき、細長い装置軸を持つ細長い装置と、を含み、
上記ガイドシースは、選択した形状で設置できるシース配向部分を備え、
上記細長い装置は、上記選択した形状で設置できる装置配向部分を備え、
これにより、上記選択した形状の上記シースおよび装置配向部分が軸方向に配列される際に、上記選択した形状の上記シースおよび装置配向部分に相補的な回転方向をとらせる傾向がある、カテーテルアセンブリ。
(項目105)
上記ガイドシースおよび細長い装置のうちの少なくとも1つの選択されたものが可動型である、項目104に記載のカテーテルアセンブリ。
(項目106)
上記シース配向部分が上記ガイドシースの遠位端に配置される、項目104に記載のカテーテルアセンブリ。
(項目107)
上記装置配向部分が上記細長い装置の遠位端から離れた位置に配置される、項目104に記載のカテーテルアセンブリ。
(項目108)
上記選択した形状が、第一平面の第一屈曲部分および第二平面の第二屈曲部分を備え、上記第一および第二平面は異なる平面である、項目104に記載のカテーテルアセンブリ。
(項目109)
方向探索内部部材および方向探索外部部材を有するカテーテルアセンブリを作製する方法であって、
シースのシース配向部分に対して第一選択位置を選択するステップと、
上記ガイドシース内にスライド可能に延在できる細長い装置の、上記細長い装置の配向部分に対する第二選択位置を選択するステップと、
選択した形状で設置できる上記シース配向部分を上記シースの第一選択位置に作製するステップと、
上記の選択形状で配置できる上記細長い装置配向部分を上記シースの第二選択位置に作製するステップと、を含み、上記選択した形状のシース配向部分および選択した形状の装置配向部分が軸方向に配列される際に、上記シース配向部分および装置配向部分に相補的な回転方向をとらせる傾向がある方法。
(項目110)
上記第一選択位置の選択ステップが、第一の選択位置として上記ガイドシースの遠位端を選択することを含む、項目109に記載の方法。
(項目111)
上記第二選択位置の選択ステップが、第二の選択位置として上記細長い装置の遠位端から離れた位置を選択することを含む、項目109に記載の方法。
(項目112)
上記シース配向部分の作製ステップが、第一の屈曲部分および第二の屈曲部分を形成することを含む、項目109に記載の方法。
(項目113)
カテーテルアセンブリの上記内部部材および外部部材を配向する方法であって、
ガイドシース軸および遠位端を持つガイドシースと、
細長い装置軸を持ち、上記ガイドシース内でスライド可能に延在できる細長い装置と、
上記選択した形状で設置できる上記装置配向部分を備える細長い装置と、を備え、上記ガイドシースが、選択した形状で設置できるシース配向部分を備える、カテーテルアセンブリを選択するステップと、
上記ガイドシースの遠位端を選択した位置に設置するステップと、
上記ガイドシースおよび細長い装置が選択した軸方向となるように、上記ガイドシースと細長い装置配向部分とを配列するステップと、
必要に応じて、上記シース配向部分および装置配向部分が相補的な回転方向となるまで、上記ガイドシースおよび細長い装置を上記選択軸方向から離したり、戻したりして軸方向に再配列するステップと、を含む方法。
(項目114)
アンカーを患者の組織に固定する方法であって、
アンカーキャリアにより運ばれるアンカーを備えるアンカーアセンブリを標的組織部位に向けるステップと、
上記アンカーを上記アンカーキャリアから解放するステップと、を含み、上記解放するステップは、上記アンカーの組織を刺し貫く先端を上記標的組織部位の組織に食い込むように設置するステップ、および上記アンカーが締め付け状態から非締め付け状態に移るにつれて、上記アンカーがそれ自体を組織に引き込むステップを含む、方法。
(項目115)
1つ以上の装置を心臓の左心室に前進させて僧帽弁輪と接触させる方法であって、
可動型ガイドカテーテルを上記左心室内および上記僧帽弁輪の少なくとも一部の周辺に前進させるステップと、
ガイドシースを上記可動型ガイドカテーテル上に通過させるステップと、
上記可動型ガイドカテーテルを上記ガイドシースから引き抜くステップと、
1つ以上の装置を上記ガイドシースを通じて前進させて上記僧帽弁輪と接触させるステップと、を含む方法。
(項目116)
1つ以上の装置を心臓の左心室に前進させて僧帽弁輪と接触させる方法であって、
成形ガイドカテーテルを、大動脈を通じて上記左心室内へと前進させるステップと、
可動型ガイドカテーテルを上記成形ガイドカテーテルを通して上記僧帽弁輪の長さの少なくとも一部周辺に通過させるステップと、
ガイドシースを上記成形ガイドカテーテル内の上記可動ガイドカテーテル上で通過させるステップと、
上記可動ガイドカテーテルを上記ガイドシースから引き抜くステップと、
1つ以上の装置を上記ガイドシースを通じて前進させて上記僧帽弁輪と接触させるステップと、を含む方法。
(項目117)
心臓の僧帽弁輪の治療方法であって、
可動型ガイドカテーテルを心臓の左心室内および上記僧帽弁輪の少なくとも一部の周辺に前進させるステップと、
上記可動型ガイドカテーテル上にガイドシース通過させるステップと、
上記ガイドシースから上記可動型ガイドカテーテルを引き抜くステップと、
アンカー送達装置を上記ガイドシースを通じて前進させて上記僧帽弁輪と接触させるステップと、
複数の連結アンカーを上記アンカー送達装置から送達して、上記アンカーを上記僧帽弁輪に固定するステップと、
上記アンカーをともに引っ張って、上記輪の円周を締め付けるステップと、を含む方法。
(項目118)
心臓の弁輪を締め付ける方法であって、
上記弁輪と、持つアンカー送達カテーテル装置の成形遠位部分とを接触させるステップと、
複数のスライド可能な連結アンカーを上記アンカー送達装置から送達して、上記アンカーを上記輪に固定するステップと、
上記アンカーをともに引っ張り、上記弁輪の円周を締め付けるステップと、
上記アンカーの弁輪組織への取り付けを促進して、上記アンカーの上記組織への固定を常に助けるステップと、を含む方法。
(項目119)
操作装置を心臓の左心室に前進させて僧帽弁輪と接触させる方法であって、
操作装置を左心室内および心臓の僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って前進させるステップと、
上記操作装置を放射状に外側に推進して、上記操作装置を上記僧帽弁輪に対向して配置するステップと、
上記操作装置により上記僧帽弁輪に対して作用するステップと、を含む方法。
(項目120)
操作装置を心臓の左心室に前進させて、上記僧帽弁輪と接触させて周囲を締め付ける方法であって、
直径寸法dを有する細長いハウジング、および展開状態において直径寸法Dを有するアンカー備える操作装置を選択するステップであって、dに対するDの比が少なくとも3.5である、ステップと、
上記操作装置を大動脈を通じて左心室内および患者の心臓の僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って前進させるステップであって、
長手方向軸および開いた内部を持つ細長いハウジングと、
上記ハウジングの開いた内部に遠位アンカーと近位アンカーを備える、一連の自己形成型の組織に食い込み可能なアンカーであって、第一の部分と、上記第一の部分から延在してそれぞれ組織を刺し貫く先端を持ち、展開状態である際にほぼ円または半円の形状を有する少なくとも2つの第二の部分を持つアンカーと、
上記近位アンカーを係留紐に連結し、そして遠位アンカーを上記係留紐に固定して、上記アンカーを互いに連続的に連結する係留紐と、
上記アンカーが先端から先に通過する大きさの開口部を有するハウジングと、
上記ハウジング内で、上記長手方向軸とほぼ平行な比較的直線の非展開状態に設置することができる上記各アンカーと、を備える、操作装置を使用して行われる、前進ステップと、
上記操作装置を放射状に外側に推進して上記僧帽弁輪に対向して配置するステップと、
上記ハウジングにおいて上記開口部を通過した後は自然に、屈曲した、組織に食い込む展開状態をとる上記アンカーを、その先端から先に上記開口部を通して操作するステップであって、上記アンカーが、展開状態の際に長手方向軸に対して垂直方向である、ステップと、
上記係留紐を引っ張って、上記近位アンカーおよび遠位アンカー間の周辺距離を低減し、上記僧帽弁輪の円周を締め付けるステップと、によって、上記連続的なアンカーを、上記僧帽弁輪に固定するステップと、を含む方法。
(項目121)
操作装置を心臓の左心室に前進させて上記僧帽弁輪と接触させる方法であって、
ガイドカテーテルを左心室内および心臓の僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って前進させるステップと、
柔軟性を有するガイドシースを上記ガイドカテーテル上および上記僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って通過させるステップと、
操作装置を上記ガイドシースを通じて前進させるステップと、
上記操作装置を放射状に外側に推進して上記僧帽弁輪に対向して配置するステップと、
上記操作装置により上記僧帽弁輪に対して作用するステップと、を含む方法。
(項目122)
操作装置を心臓の左心室に前進させて上記僧帽弁輪と接触させる方法であって、
操作装置を左心室内および心臓の僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って前進させるステップと、
上記操作装置を放射状に外側に推進して上記僧帽弁輪に対向して配置するステップであって、上記推進ステップは、上記僧帽弁輪の曲率半径より大きい拡大状態の曲率半径を持つ上記操作装置により、少なくとも部分的に実施される、ステップと、
上記操作装置により上記僧帽弁輪に対して作用するステップと、を含む方法。
(項目123)
操作装置を心臓の左心室に前進させて上記僧帽弁輪と接触させる方法であって、
拡張可能な要素を備える操作装置を左心室内および心臓の僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って前進させるステップであって、上記操作装置の操作を含む、ステップと、
放射状に外側に上記拡張可能な要素を拡張させて、上記操作装置を放射状に外側に推進して、上記操作装置を上記僧帽弁輪に対向して配置するステップと、
上記操作装置により上記僧帽弁輪に対して作用するステップと、を含む方法。
(項目124)
操作装置を心臓の左心室に前進させて上記僧帽弁輪と接触させる方法であって、
ガイドカテーテルを左心室内および僧帽弁輪半径を持つ心臓の僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って前進させるステップと、
屈曲可能な部分を持ち柔軟性を有するガイドシースを選択するステップであって、上記屈曲可能な部分は外側に拡張した屈曲状態である際にガイドシースを持ち、上記ガイドシース半径は上記僧帽弁輪半径より大きい、ステップと、
上記ガイドシースを上記ガイドカテーテル上および上記僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って通過させるステップと、
上記ガイドシース半径の少なくとも一部を利用して、屈曲状態にある上記ガイドシースの屈曲可能な部分を上記僧帽弁輪に向けて前進させるステップと、
操作装置を上記ガイドシースを通じて前進させるステップと、
上記操作装置により上記僧帽弁輪に対して作用するステップと、を含む方法。
(項目125)
操作装置を心臓の左心室に前進させて上記僧帽弁輪と接触させる方法であって、
外側に拡張した屈曲状態である際にガイドカテーテル半径の上記屈曲可能な部分を持つ柔軟性を有するガイドカテーテルを選択するステップと、
上記ガイドカテーテルを左心室内および僧帽弁輪の半径を持つ心臓の僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って前進させるステップであって、上記僧帽弁輪半径より大きい上記ガイドカテーテル半径で実施される、ステップと、
ガイドシースの屈曲可能な部分を上記ガイドカテーテル上および上記僧帽弁輪の少なくとも一部に沿って通過させるステップと、
上記ガイドカテーテル半径の少なくとも一部を利用して、上記ガイドシースの屈曲可能な部分を上記僧帽弁輪に向けて推進するステップと、
操作装置を上記ガイドシースを通して前進させるステップと、
上記操作装置により上記僧帽弁輪に対して作用するステップと、を含む方法。
(項目126)
心臓の弁輪を締め付ける方法であって、
上記弁輪の長さを持つアンカー送達装置を接触させるステップと、
複数の連結したアンカーをアンカー送達装置から送達して、上記アンカーを上記輪に固定するステップと、
上記アンカーをともに引っ張って、上記弁輪の円周を締め付けるステップと、を含む方法。
(項目127)
心臓の弁輪を締め付ける方法であって、
上記弁輪の長さを持ち、断面直径が約1.67mm以下のアンカー送達装置を接触させるステップと、
複数の連結したアンカーをアンカー送達装置から送達して、半径が少なくとも約3mmの展開形状を持つ上記各アンカーを上記輪に固定するステップと、
上記アンカーをともに引っ張って、上記弁輪の円周を締め付けるステップと、を含む方法。
(発明の簡単な開示)
本発明の装置、システムおよび方法は概して、治療場所への治療装置送達を容易にすることで、経血管型、侵襲性を最小限にとどめた、およびその他の「侵襲 性の低い」外科的処置を容易にするために用いられる。本出願の目的における「侵襲性の低い」とは、従来の、広範囲の切開、切開外科的処置よりも侵襲性の低い、あらゆる処置を意味する。したがって、侵襲性の低い処置とは、1つ以上の比較的低範囲での切開を伴う切開外科的処置、経血管型、経皮アクセスを介して 行われる処置、静脈切開、腹腔鏡的もしくはその他内視鏡的処置を介する経血管型処置、または同等のものであってよい。概して、患者への侵襲性を最小限にとどめること、または低減させることを目的とするあらゆる処置が「侵襲性の低い」と考えられてよい。さらには、本出願においては「侵襲性の低い」と「侵襲性 を最小限にとどめた」という用語は時としてほぼ同義語のように用いられることがあるが、これらの用語も、外科的もしくはその他処置の特定の部分集合を説明する上で用いられる用語も、いずれも本発明の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。概して、本発明の装置および方法は、あらゆる適当な処置の実 施または強化に用いられてよい。
本出願は一般的に、心臓弁修復処置実施のための装置、システムおよび方法について記載しており、さらに具体的には、僧帽弁逆流を治療するための僧帽弁形 成といった心臓弁形成術について記載している。しかしながら、本発明の装置および方法は、心臓および非心臓系両方の、あらゆる適当な処置に使用することができる。これらは例として、頭弁の修復、心房中隔欠損症の修復、冠状静脈洞から(もしくは、冠状静脈洞を介した)弁修復もしくはその他の処置のアクセスおよび可能であれば実施、1つ以上のペースメーカーリードの設置、心房細動治療のための肺静脈周囲切除といった心臓切除処置、および/または同等のもののために使用することができる。他の実 施形態では、本装置および方法は、膀胱、胃、胃食道接合部、血管系、胆嚢、その他といった、体のあらゆる部位における腹腔鏡的、またはその他の内視鏡的処置効果を高めるために使用されてよい。したがって、以下の説明は一般的に僧帽弁およびその他の心臓弁修復に重点を置いてはいるが、かかる説明は請求項にて 定義される本発明の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。
とは言え、本発明は概して、僧帽弁輪といった心臓弁輪の治療効果を高める装置、システムおよび方法を提供する。当該方法は概して、アンカー送達装置を弁 輪の長さで接触させるステップ、アンカー送達装置から複数の連結されたアンカーを送達して前記アンカーを弁輪に固定させるステップ、および前記アンカーを弁輪周辺に締め付けるために前記アンカーを一斉に引くステップを伴う。1つの装置は概して、複数の連結されたアンカーを解放可能に収納するため、ハウジン グを遠位端に、あるいはその近くに備える細長いカテーテルを含む。装置は、ハウジングが左心室壁と1つ以上の心臓僧帽弁弁尖との交差部分等、弁輪組織に隣接または近くなるよう配置されてよい。いくつかの実施形態は、非展開構造から展開構造へと変化できる自己固定アンカーを含む。アンカーは、スライド可能な ようにアンカーに連結された係留紐をしっかりつかむことで、および/またはアンカーに連結された自己変形部材によって、弁輪を締め付けるために一斉に引っ張ることが可能である。別の装置は、弁輪治療のためにアンカー送達装置を配置することを容易にする、操縦可能なガイドカテーテルを含む。
多くの場合において、本発明の方法は鼓動している心臓に用いられる。鼓動している心臓へのアクセスは、血管内、経胸腔的、その他等のあらゆる可能な技術 にて達成できる。心臓弁への血管内アクセスは、あらゆる適当な経路または方法を用いて達成することができる。例えば1つの実施形態では、僧帽弁への処置を実施するために、カテーテルは大腿動脈を通して大動脈へ、そして心臓の左心室へと到達し、僧帽弁の全長に接触することができる。代替的に、静脈系を通って 中心静脈、心臓の右心房へ、そして心房中隔を横切り心臓の左側へと到達するアクセスにて、僧帽弁の全長に接触してもよい。これらの二種類の血管内アクセスはいずれも、カテーテルが心臓の左側に入った後は、カテーテルは容易に左心室壁、1つ以上の僧帽弁弁尖、左心室の腱索に規定されたスペースへと到達できる ことがほとんどである。このスペースは、僧帽弁修復を行うためにカテーテルを望みの位置までさらに進めるための便利な導管となる。代替の実施形態では、カテーテル装置は冠状静脈洞にアクセスすることができ、冠状静脈洞から直接、弁への処置を行うことができる。さらに、心臓を鼓動させた状態のアクセスに加 え、本発明の方法は、停心開胸処置ならびに停心血管内アクセスにも用いることができる。あらゆる適当な血管内またはその他のアクセス方法が本発明の範囲内と考えられている。
本発明の1つの側面によると、連結されたアンカーを心臓弁輪に適用するための装置は、近位端および遠位端を有する細長いシャフトと、前記遠位端に隣接す るハウジングと、前記ハウジング内に配置された複数の連結されたアンカーと、前記ハウジングからアンカーを送達させるための少なくとも1つのアンカー接触部材と、前記近位端あるいはその近くにある、前記アンカーを弁輪に送達させるよう前記アンカー接触部材に作用するための少なくとも1つのアクチュエータ と、を備える。
いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、血管内を通って心臓まで到達することができる柔軟性のあるカテーテルを備える。好適な実施形態においては、 柔軟性のあるカテーテルの直径は約5フレンチ(1.67mm)以下であり、カテーテルは展開時の半径が約3mm以上のアンカーを展開する。ハウジングそのものはあらゆる適当な数のアンカーを収納することができる。例えば1つの実施形態では、ハウジングは1から20のアンカーを収納するが、さらに好ましくは約3から10アンカーであり、1つの実施形態では10アンカーである。またいくつかの実施形態では、ハウジングは弁輪に適合するに充分な柔軟性を備える。例えば、ハウジングは左心室壁と1 つ以上の心臓僧帽弁弁尖との交差部分の前記弁輪に適合することができる。したがってハウジングは上述のように弁下部スペースを通って配置または到達することができるのである。いくつかの実施形態では、ハウジングを変形させて前記弁輪に適合させるためのアクチュエータに連結される。ハウジングはあらゆる適当 な構造を有してよいが、いくつかの実施形態では、ハウジングの断面はおおよそ半円、円、長円、長円の一部、一部もしくは完全に楕円、または同等である。例えば、楕円形状のハウジングは時として、ハウジングのアンカー送達面が弁輪組織と接触することをさらに確実にするために使用されてよい。様々な実施形態に おいて、ハウジングはアンカーが外に出られるよう、1つまたは複数の開口部を有している場合がある。例えば1つの実施形態では、ハウジングは複数の開口部を有しており、各開口部はアンカー1つの出口として適している。
いくつかの実施例では、ハウジングは、形状変化部分、通常は遠位部分を含む。このような実施例は、形状変化部分に張力を加えて少なくとも第一の方向に湾 曲させるための、形状変化部分に連結した第一の引張コードをさらに備えることができる。任意で、形状変化部分に張力を加えて少なくとも第二の方向に湾曲させるための、形状変化部分に、第二の引張コードを連結することができる。例えば、第一の方向は、弁輪に適合するための略C字形状となることができ、かつ、 第二の方向が、力を弁輪に加えるための上方向あるいは近位方向を含む。いくつかの実施例では、形状変化部分は、弁輪の形状に適合する曲線となるよう湾曲を制御するための、少なくとも1つの側に沿った複数のノッチを含む。あるいは、形状変化部分は、弁輪の形状となるよう湾曲を制御するための、少なくとも第一 の引張部材に連結される複数の積層断片を備える。その他の実施例では、形状変化部分は、弁輪の形状に適合するよう構成された、形状記憶材料を備える。いくつかの実施例では、形状変化部分は、液体を導入して形状記憶材料を弁輪の形状に適合させるための少なくとも1つの管腔をさらに備える。あるいは、ハウジン グの遠位部分は、遠位部分を変形させるための、拡張可能バルーンと結合させることができる。いくつかの実施例では、ハウジングは、拡張可能部材と結合できるため、拡張可能部材が膨張した時、ハウジングは、弁輪組織に対し、押し込み、押し詰めまたは押し付けられる。例えば、このような拡張可能部材は、室壁と 弁弁尖によって形成される角に、ハウジングを押し込む働きができる。
上記で説明したように、装置のアンカーは、あらゆる適切な形状、大きさ、および特性を持つことができ、かつ、あらゆる適切な材料で作られることができ る。アンカーは、いくつかの実施例では、自己変形することができるため、送達装置のハウジング内に拘束されている際には非展開形状となり、ハウジングから解放された後、展開形状が想定される。ある実施例では、各複数個の連結されたアンカーは、通常、2つの尖った先端、およびその2つの間に輪を持つ、直線構 造である。配置の際、各先端が逆方向に曲がると共に、このようなアンカーは、湾曲し組織に埋め込まれる。輪は、順に、係留紐の穴としての役割を果たすことができる。別の実施例では、各アンカーは、C字形状または半円非展開形状、および重複円または鍵輪形状となることができる。このような実施例では、Cの開 放端は通常、尖っており、弁輪の組織にアンカーが入ることができるようになる。C字形状のアンカーが、組織と接触しそこに入ると、C字形状のアンカーはまた閉じて、端部が重なり、円または鍵輪形状の展開アンカーを形成する。このようなアンカーは、尖った端部または他の部分が突き出ることなく、弁輪の表面と 同一平面に置かれるよう利用できる。アンカーは、ニチノール、形状記憶ステンレススチール、もしくは他の超伸縮材料または形状記憶材料で作ることができる。あるいは、アンカーは、バネ付勢されることができ、そうでない場合、ハウジング内部に収容され、ハウジングから解放された時、非展開形状から展開形状 に変化する。
いくつかの実施例では、アンカーは、係留紐とスライド可能なように結合される。このような実施例では、各複数個のアンカーは、各アンカーの小穴をスライ ド可能な状態で通過する係留紐と共に、少なくとも1つの小穴を含むことができる。あるいは、係留紐は、アンカーに沿って伸びることができ、配置の際、アンカーと環状組織の間に配置される。他の実施例では、アンカーは、各アンカーに固定して結合される自己変形結合部材によって、結合されることができる。例え ば、結合部材(または「基幹」)は、直線に近い非展開形状、および複数の屈曲を持つ線の展開形状を持つニチノール部材を備えることができる。非展開形状から展開形状に変化する時、結合部材はアンカーをしっかりつかみ、弁輪の周辺を締め付けることができる。いくつかの実施例では、係留紐および自己変形結合部 材の両方を含むことができ、その2つは、弁輪をしっかりとつかむために利用できる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのアンカー接触部材は、少なくとも1つの引込み式の力を加える装置を備え、ハウジングに対して近位で引き込まれた 時、アンカーに順次に接触しアンカーに力を加え、ハウジングの少なくとも1つの開口部を介して、ハウジングから抜け出るようになる。このような力を加える装置は、例えば、コード、ワイヤ、係留紐、または同等のものに結合された、ボール、板、アンカー、フック、プランジャ、または同等のものを備えることがで きる。係留紐が、近位で引かれた場合、送達装置にある最末端のアンカーに、ボールが接触し、装置の開口部から強制的に押し出す。さらに引き込まれた時、ボールは、次のアンカーに接触し、それを強制的に押し出す、と続く。代替実施例では、少なくとも1つのアンカー接触部材は、少なくとも1つの移動可能な保 持部材を備えている。例えば、このような移動可能な保持部材は、ハウジングにスライド可能なように配置された1つ以上のアンカー保持マンドレルを備えることができるため、マンドレルを引き込むことは、1つ以上のアンカーを解放することになる。時には、例えば、各アンカーの非展開形状がおおよそC字形状また は半円の時、例えば、2つのマンドレルはハウジングに配置され、各アンカーの2つのアームを保持する。通常、マンドレルが引き込まれ、アンカーを一回につきグループごと、または同時にすべてを解放できる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのアクチュエータは、結合アンカーをしっかりとつかむための手段を含み、弁輪の周囲長を減少させる。このようなア クチュエータは、例えば、トリガー、ハンドル、プランジャ、圧迫作動装置、シリンジグリップ装置、足踏み式装置、または同等のものを備えることができる。また、装置のいくつかの実施例では、アンカーをハウジングから押し出すための、ハウジング内部に配置された少なくとも1つの拡張可能な部材を含む。
発明の別の側面では、複数の拘束されたアンカーを心臓弁輪に適合するための装置は、拘束されたアンカーを運ぶための遠位部分を持つ、柔軟性のある細長い カテーテルと、約1.67mm以下の断面の直径を持つ前述の遠位部分と、前述の遠位部分に配置された複数の拘束されたアンカーと、ハウジングから配置された時、少なくとも約3mmの半径を持つ各アンカーと、アンカーをカテーテルから運ぶための、カテーテルに結合された少なくとも1つのアンカー送達装置を備 える。
発明の別の側面では、心臓弁の環状組織に取り付けるための、自己固定アンカーは、1.67mm以下の断面の直径を持つ送達カテーテル内に、アンカーを配 置することができる、比較的細長い非展開形状を持ち、かつ、送達装置から解放された時、少なくとも3mmの半径を持つ展開形状を想定する、超伸縮または形状記憶材料を備える。一般に、このようなアンカーは、送達装置からアンカーが解放された時、逆方向に向いたアンカーの湾曲の尖った2つの先端を持つことが できる。任意で、アンカーは、2つの尖った先端の間に配置された小穴を含むことができる。
本発明の別の側面では、心臓弁の環状組織に取り付けるための、自己固定アンカーは、開かれた作動非展開形状を持ち、かつ、拘束から解放された時、重なり合う端部と共に、閉じられた形状を想定する、形状記憶材料を備える。非展開形状および展開形状は、あらゆる適切な形状となり得る。ある実施例では、例え ば、非展開形状は、2つの尖った端部を持つ、おおよそC字形状または半円で、また、展開形状は、2つの端部が重なり合う、閉ざされた円である。いくつかの実施例では、アンカーは、組織に固定された時、環状組織と同一平面に置かれるよう構成される。ニチノールやその他の適切な材料などの、超伸縮または形状記 憶の材料は、アンカーを形成するために使用できる。
本発明のさらなる側面によると、患者の体内に使用されるアンカーアセンブリは、血管および心臓を通過可能なように構成された、開放された内部を持つ、カ テーテルタイプのハウジングと、ハウジングに取り外しできるよう収容された、組織に係合可能なアンカーの一組であって、前記アンカーは、ハウジングの開放された内部にて、遠位アンカーおよび近位アンカーを備えるアンカーと、アンカーを互いに連続的に結合させる係留紐を含む。ある実施例では、ハウジングの少 なくとも1つの部分は柔軟性がある。このような実施例は、ハウジングの柔軟性のある部分を、第一構造から、半径方向外向きに広がった湾曲の第二構造に強制するための手段をさらに任意で含む。
いくつかの実施例では、遠位アンカーは係留紐に固定され、近位アンカーは、スライド可能なように係留紐に結合される。また、いくつかの実施例では、係留 紐は、カテーテルタイプのハウジングの外部に、実質的に配置されることができる。ある実施例では、アンカーは、自己形成および自己固定型である。ある実施例では、少なくとも1つのアンカーは、生体活性因子を備える。あるいは、少なくとも1つのアンカーは、電極を備える。例えば、このような電極は、インピー ダンス、温度、および電気信号のうち少なくとも1つを検出できる。他の実施例では、電極は、エネルギー利用電極を備え、少なくとも切除および副切除の量のエネルギーを、組織に供給する。
本発明の別の側面では、患者の体内に使用されるアンカーアセンブリは、血管および心臓を通過可能なように構成された、開放された内部を持つ、カテーテル タイプのハウジングであって、前記ハウジングの少なくとも1つの部分は柔軟性があるハウジングと、ハウジングの柔軟性のある部分を、第一構造から、半径方向外向きに広がった湾曲の第二構造に強制するための手段と、ハウジングの開かれたハウジング内部に収容された、組織に係合可能なアンカーの一組であって、 前記アンカーは、係留紐に固定された遠位アンカー、および係留紐にスライド可能なように結合された近位アンカーを備えるアンカーと、自己形成および自己固定型のアンカーである前記アンカーと、前記アンカーを互いに連続的に結合させる係留紐を含む。
発明の別の側面では、患者の体内に使用されるアンカー装置は、長手方向軸を持つ細長いハウジングと、ハウジングによって運ぶことができ、かつハウジング から配置可能な自己形成型組織に係合可能なアンカーと、第一部分および第二部分を持つアンカーであって、前述の第二部分は、組織を貫通する先端を持つ第二部分と、ハウジングによって運ばれる時、長手方向軸と通常平行である比較的まっすぐな非展開状態で配置可能なアンカーと、ハウジングから配置された後、湾 曲した組織に係合する展開状態を自然に想定するアンカーを含む。ある実施例では、細長いハウジングは開放された内部を持つ。アンカーは、開放された内部で運ばれ、かつ開放された内部から配置可能である。そのため、ハウジングはアンカーがハウジングから配置された時、アンカーの通過と等しい大きさの開口部を 持つ。
任意で、細長いハウジングの少なくとも1つの部分は、柔軟性を持たせることができる。いくつかの実施例では、細長いハウジングは可動型である。ある実施例では、第一部分および、第一部分から広がった第二部分の少なくとも2つを備える。ある実施例では、例えば、第二部分は、展開状態の時、通常は互いに反対方向に広がる。このような実施例では、前記アンカーの第二部分は、展開状態の時、通常は円または半円形状を持つ。
いくつかの実施例では、アンカーは、展開状態の時、長手方向軸に対して垂直の方向に置かれる。また、いくつかの実施例では、アンカーは、展開状態の時、 通常は円または半円形状を持つことができる。いくつかの実施例では、装置はさらに、一組のアンカーを備えることができ、前述のアンカーは、遠位アンカーおよび近位アンカー、ならびにアンカーを互いに連続して結合させる係留紐を備える。いくつかの実施例では、ハウジングは直径dを持ち、かつ展開状態のアン カーは直径Dを持ち、D対dの比は最低3.5である。他の実施例では、D対dの比は最低4.4であり、好ましくは最低7であり、さらに好ましくは最低8.8である。上記で述べたように、いくつかの実施例では、アンカーは、生体活性因子または電極を備えることができる。
本発明の別の側面では、組織アンカーアセンブリは、土台、および土台から広がる弾力性のある自己形成型組織係合部であって、前記組織係合部は組織貫通部 分を備える組織係合部であって、前記組織係合部は屈曲した無拘束状態および拘束状態を移動可能な組織係合部を備えるアンカーと、アンカーに結合された結合素子と、ハウジングとを備え、前記アンカーは、拘束状態の組織係合部と共に前記ハウジングに開放可能なように取り付けられたアンカーであって、前記組織係 合部は、前記アンカーがハウジングから解放された時、拘束状態から無拘束状態に移動可能な組織係合部であり、そのため、前記組織係合部が屈曲した無拘束状態に移行するにつれ、アンカーに力がさらに加わることなく、組織を通過する前記組織貫通部分は前記アンカーを組織に固定できる。
いくつかの実施例では、組織係合部は無拘束状態の時、通常、円または半円形状である。いくつかの実施例では、組織係合部は拘束状態の時、まっすぐであ る。任意で、アンカーは第一および第二組織係合部を備えることができる。例えば、ある実施例では、第一組織係合部はフックを備える。別の実施例では、第一および第二組織係合部はそれぞれフックを備える。このような実施例では、フックは無拘束状態の時、通常互いに反対方向に伸びることができる。他の組織係合 部も無拘束状態の時、通常互いに反対方向に伸びることができる。
いくつかの実施例において、連結する要素は、アンカーのベースに連結された係留紐を備える。一実施例において、係留紐はアンカーのベースにスライド可能 に連結される。別の実施例において、連結する要素は柔軟性のある紐状の要素を備える。そのような実施例において、ハウジングは管状ハウジングを備える場合がある。状況に応じて、アンカーは、管状ハウジング内に解放可能に取り付けられる場合がある。状況に応じて、装置は、更に各アンカーに連結された連結する 要素を伴う複数のアンカーを含む場合がある。いくつかの実施例において、少なくとも1つのアンカーが連結する要素にスライド可能に連結され、別のアンカーは連結する要素に引き締められる。
本発明の別の側面では、組織アンカーアセンブリは、複数のアンカー、係留紐、およびハウジングを備え、各アンカーは、ベース、ならびに前記ベースから延 在している第一自己形成型組織食い込み部分および第二自己形成型組織食い込み部分を備え、各前記組織食い込み部分は、組織貫通チップを備え、各前記組織食い込み部分は、屈曲した非拘束状態と真っ直ぐな拘束状態との間で移動が可能であり、各前記組織食い込み部分は、非拘束状態時にほぼ円または半円形を有し; 前記係留紐は、前記アンカーのベースと連結しており;少なくとも1つの前記アンカーが前記係留紐とスライド可能に連結し、別の前記アンカーは前記係留紐に固定されており;組織食い込み部分の拘束状態時にアンカーおよび係留紐がハウジングに解放可能に取り付けられており、アンカーおよび係留紐がハウジングから解放された際に組織食い込み部分が拘束状態から非拘束状態へと移動可能なので、アンカーへいかなる追加の力も適用されずに、組織食い込み部分が屈曲した非拘束状態へと移動する際に組織内を通過する組織貫通チップが、アンカーを組織に固定する。
本発明の別の側面では、組織アンカーアセンブリは、ベースおよびこのベースから拡張した弾性の自己形成型の組織食い込み部分を備えるアンカーと、アン カーに結合した連結する要素と、ハウジングと、を備え、この組織食い込み部分は、組織貫通チップを備え、この組織食い込み部分は、屈曲した非拘束状態および拘束状態の間で移動が可能であり、前記アンカーは組織食い込み部分が拘束状態にある場合にハウジングに解放可能に組み込まれ、前記組織食い込み部分は、 アンカーがハウジングから解放される際に拘束状態から非拘束状態へと移動可能であり、そして組織食い込み部分は、組織貫通チップが組織内を通過し組織食い込み部分が屈曲した非拘束状態へと移動する際にアンカーを組織へと引き込む手段を備える。様々な実施例において、アセンブリはいかなる上記特徴をも含む場 合がある。
いくつかの実施例において、アセンブリはむしろ各アンカーに結合した連結する要素を伴う複数のアンカーを含む場合がある。いくつかの実施例において、少 なくとも1つのアンカーは連結要素にスライド可能に連結され、別の前記アンカーは連結する要素に引き締められる。いくつかの実施例において、アンカー引き込み手段は拘束状態時に位置エネルギーを保存する手段を含む。再度、様々な実施例において、アンカーは、生物活性材または電極を含む場合がある。例えば、 電極は少なくとも1つのインピーダンス、温度、および電気信号を感知する場合がある。代わりに、少なくとも1つの切除および副切除量を組織へエネルギーを供給する電極はエネルギー印加電極を含む場合もある。
本発明の別の側面では、組織アンカーアセンブリは、複数のアンカー、アンカーの各々に連結された連結する要素、および管状ハウジングを備え、各アンカー は、ベースならびに前記ベースから拡張する第一および第二の弾力性の自己形成型の組織食い込み部分を備え、各前記組織食い込み部分は、組織貫通チップを含み、各前記組織食い込み部分は、屈曲した非拘束状態と拘束状態との間で移動が可能であり、各前記組織食い込み部分は、非拘束状態時にほぼ円または半円形を 有し、組織食い込み部分の拘束状態時にアンカーがハウジング内で解放可能に取り付けられ、アンカーがハウジングから解放された際に組織食い込み部分が拘束状態から非拘束状態へと移動可能であり、組織食い込み部分が、組織貫通チップが組織内を通過し組織食い込み部分が屈曲した非拘束状態へと移動する際にアン カーを組織へと引き込む手段を備える手段を含み、そしてアンカー引き込み手段は拘束状態時に位置エネルギーを保存する手段を備える。
本発明の別の側面に従って、患者内で使用されるアンカー装置は、血管を通って心臓に入り得る構造である細長いキャリアと、一連の組織と係合可能なアン カーアセンブリと、係留紐と、セパレータとを備え、このアンカーアセンブリは、この細長いキャリアによって解放可能に運搬され、これらのアンカーは、遠位アンカー、第一中間アンカーおよび近位アンカーを備え、この係留紐は、これらのアンカーを相互に連続して結合し、この係留紐は、この係留紐が近位方向に引 かれる場合に遠位アンカーに固定されるかもしくは遠位アンカーへと取り付け可能な遠位端を有し、少なくとも近位アンカーは、係留紐にスライド可能に連結されており、そしてこのセパレータは、係留紐が張力かにおかれる場合に、隣接するアンカーの1つをどれだけ近く別のアンカーへと接近できるかを制限するよう に、隣接するアンカーの間で、係留紐に沿って位置する。
いくつかの実施例において、細長いキャリアは、開放内部を有するカテーテル型ハウジングを含む。例えば、アンカーは、いくつかの実施例において、ハウジングの開放内部内に解放可能に収容される。いくつかの実施例において、隣接アンカーは、遠位および第一中間アンカーである。いくつかの実施例において、アンカーは自己形成および自己固定である。また、いくつかの実施例において、セパレータはほぼ管状の部材を含む。そのような実施例において、概して係留紐が管状部材を通過する場合がある。
いくつかの実施例において、セパレータは、折り目の入った外表を有する。また、いくつかの実施例において、セパレータは無孔性である。あるいは、セパ レータが多孔性の場合もある。一実施例において、多孔性セパレータは孔を有し、これらの孔は、セパレータに形成された切り抜きにより提供される。別の実施例において、セパレータは織られたり編みこまれたりする場合がある。そのようなセパレータは、一実施例においてのみ制限される場合がある。いくつかの実施 例において、セパレータは効果的に軸方向に非圧縮性である。別の実施例において、セパレータは第一長さから第二圧縮長さまで軸方向に圧縮性である。いくつかの実施例において、軸方向圧縮性のセパレータは相互に結合する。その他の実施例において、セパレータは係留紐に取り組まれた第一および第二部分、第一お よび第二部分に接続する第三部分を含む。例えば、第三部分は概して係留紐の片方へ平行に拡張する場合がある。
ある実施例では、細長いキャリアは長手方向軸を持ち、アンカーは、自己形成型の組織に係合可能なアンカーであって、前記アンカーはそれぞれ第一部分およ び第二部分を持ち、前記第二部分は組織を貫く先端を持つ第二部分であって、前記細長いキャリアは、開口部を通るアンカーの通過のための大きさの開口部を持つ細長いキャリアであって、前記アンカーは、前記細長いキャリア内で、長手方向軸とほぼ平行な、比較的まっすぐの非展開状態において配置可能な細長いキャ リアであって、前記アンカーは、前記細長いキャリアの開口部を通過した後、組織に係合する湾曲した展開状態を自然にとるアンカーである。このようないくつかの実施例では、細長いキャリアの少なくとも一部分は柔軟性がある。また、いくつかの実施例では、細長いキャリアは可動型である。いくつかの実施例では、 アンカーのうち少なくとも1つは第一部分を備え、かつ第二部分の少なくとも2つは、第一部分から拡張される。このような実施例では、第二部分は展開状態の時、ほぼ互いに反対方向に広がることができる。代わりに、第二部分は展開状態の時、ほぼ円または半円形状を持つことができる。
いくつかの実施例では、アンカーは通常展開状態の時、長手方向軸に対して垂直の方向に置かれる。いくつかの実施例では、各アンカーは展開状態の時、ほぼ 円または半円形状を持つことができる。ある実施例では、細長いキャリアは直径dを持ち、かつ展開状態のアンカーは直径Dを持ち、D対dの比は最低3.5である。他の実施例では、D対dの比は最低4.4であり、好ましくは最低7であり、さらに好ましくは最低8.8である。いくつかの実施例では、細長いキャリ アは近位および遠位部分を備え、前記アンカーは前記遠位部分によって運ばれるアンカーであって、前記遠位部分は、前記近位部分から解放可能な遠位部分であって、前記遠位部分は、前記アンカーによって貫通可能な遠位部分である。
本発明の別の側面では、患者体内での使用のためのアンカー装置は、長手方向軸を有する細長いキャリア、細長いキャリアによって解放可能に担持された一連 の自己形成型の組織に食い込み可能なアンカー、係留紐、およびセパレータを備え、この細長いキャリアは、血管を通り心臓に到達するように構成され、その少なくとも一部は柔軟性があり、これらのアンカーは、遠位アンカー、第一中間アンカーおよび近位アンカーを備え、各アンカーは、第一の部分およびこの第一の 部分から延在する少なくとも2つの第二の部分を有し、各第二の部分は組織を刺し貫く先端を有し、細長いキャリアは、アンカーが通る大きさの開口部を有し、アンカーは、細長いキャリア内で長手方向軸とほぼ平行な比較的直線の非展開状態に設置することができ、細長いキャリアの開口部を通った後、屈曲した、組織 に食い込む展開状態を自然にとり、第二の部分は、展開状態においてほぼ円または半円の形状を有し、アンカーは、展開状態の際には長手方向軸に対してほぼ垂直な方向を向いており、細長いキャリアは、直径寸法dを有し、展開状態におけるアンカーが直径寸法Dを有し、dに対するDの比が少なくとも3.5であり、係留紐は、アンカーを互いに連続的に連結し、そして遠位アンカーに固定されたままで あるかまたは係留紐が近位方向に引かれた際に遠位アンカーに食い込み可能な遠位端を有し、少なくとも近位アンカーは、係留紐にスライド可能に連結され、セパレータは、係留紐がピンと張って設置された際に隣接するアンカーがどの程度互いに近づくかを制限するために隣接するアンカー間で係留紐に沿って配置され る。
本発明の別の側面によると、心臓弁輪と接触する1つ以上の装置の配置を容易にするための装置は、近位部および遠位部を有する細長いカテーテル本体と、カ テーテル本体の近位部に連結され、遠位部まで延在する少なくとも1つの引張部材と、近位部および、引張部材に張力を加えて遠位部を変形させ、ほぼ弁輪の形状に一致させるための引張部材に連結された少なくとも1つのアクチュエータとを備える。通常、カテーテル本体は輪に接触するように心臓へ向かって脈管内に 前進することができる。いくつかの実施例では、例えば、カテーテル本体は、大動脈を通して左心室の中へ到達させ弁論に接触することができる。
いくつかの実施例では、カテーテル本体の近位部は遠位部と比較して堅固である。また、いくつかの実施例では、カテーテル本体は、曲線的な、非外傷性の遠 位先端をさらに含む。カテーテル本体は任意で可視化を増すため遠位先端またはその近くに少なくとも1つの放射線不透過性部分をさらに含むことができる。カテーテル本体はまた、1つ以上の液体を通すために近位部および遠位部を通って延在する少なくとも1つの管腔を含むことができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つの引張部材は、遠位部を少なくとも2つの異なる方向に変形させる2つの引張部材を備える。少なくとも1つの引張部 材は、ニチノール、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、および/またはその他のポリマーあるがこれらに限定されない、適合する材料でできていてもよい。少なくとも1つの引張アクチュエータは、いくつかの実施例では、引張部材に連結したつまみを備え、ここで一方向につまみを回すと引張部材に張力が加わ り遠位部を変形させ、逆方向につまみを回すと引張部材から張力を解放して遠位部を変形の少ない構造に戻す。
装置のいくつかの実施例は、遠位部を弁輪に接触させるためカテーテル本体に連結された少なくとも1つの促進部材をさらに含む。例えば、少なくとも1つの 促進部材は、左心室壁、少なくとも1つの僧帽弁弁尖および心臓の腱索により形成された左心室の空間内で拡張するための拡張可能部材を備えることができる。代替実施例では、少なくとも1つの促進部材は、この促進部材自体と、弁輪に隣接する冠状静脈洞内に配置した逆に荷電した磁石との間に、引き合う磁力を適用 するため、遠位部に連結された少なくとも1つの磁石を備える。
いくつかの実施例は、カテーテル本体の近位端に連結されたハウジングをさらに含み、ここで引張アクチュエータはハウジングに連結されている。任意で、ハ ウジングは、1つ以上の液体を管腔に導入するため、細長い軸内の少なくとも1つの管腔に液体連絡する少なくとも1つの液体注入ポートをさらに備えることができる。
本発明の別の側面では、心臓弁輪に接触する1つ以上の装置配置を容易にするためのシステムは、僧帽弁の下方位置における遠位端の位置決めのため、少なく とも1つの遠位端方向への湾曲を有する成形ガイドカテーテル、僧帽弁下方の弁輪の長さを延長するため、成形ガイドカテーテルに通すことができ可動型遠位端を有する可動型ガイドカテーテル、および成形ガイドカテーテルを通して可動型ガイドカテーテルに渡せるガイド鞘を含み、ここで1つ以上の装置はガイド鞘を通して僧帽弁輪に接触することができる。概して、成形ガイドカテーテル、可動型ガイドカテーテルおよびガイド鞘は、様々な実施例で上述した様々な機能および特徴のうちいずれかを有すること ができる。
ある実施例では、例えば、成形ガイドカテーテルは、カテーテルの遠位端を初期値の平面とほぼ平行である平面に移動させるため、成形ガイドカテーテルの中 央軸に対しほぼ垂直である近位湾曲、および僧帽弁輪の曲率半径とほぼ同じ曲率半径を有する遠位湾曲を含む。ある実施例では、可動型ガイドカテーテルは、近位部および遠位部、カテーテル本体の近位部に連結し遠位部に延在する少なくとも1つの引張部材、ならびに引張部材に張力を加えて遠位部を変形させ、ほぼ弁 輪の形状に一致させるため近位部および引張部材に連結する少なくとも1つの引張アクチュエータを有する細長いカテーテル本体を備える。様々な実施例では、この可動型カテーテルは、上述したカテーテルの特徴のうちいずれかを有することができる。
システムのいくつかの実施例では、ガイド鞘の遠位部は、輪治療処置後も弁輪に取り付けられたままにするため、ガイド鞘の近位部から取り外し可能である。 例えば、取り外し可能な遠位部は、ダクロンまたは同様のものを含む管状部材を備えることができる。いくつかの実施例では、取り外し可能な遠位部は、僧帽弁輪を締めるために引き締め可能である。
いくつかの実施例において、前記システムは、さらに少なくとも1つの前記成形ガイドカテーテルに連結された少なくとも1つの促進部材、前記可動型ガイド カテーテルおよび前記ガイド鞘を含むことができる。例えば、前記促進部材は、左心室壁によって形成された左室内の空間で拡張するための拡張可能部材、少なくとも1つの僧帽弁弁尖、および心臓の腱索を含むことができる。または、前記促進部材は、少なくとも1つの成形ガイドカテーテルに連結された少なくとも1 つの磁石、前記可動型ガイドカテーテル、およびこの促進部材自身と、弁輪に隣接した冠状静脈洞に配置された逆帯電した磁石との間に引き付ける磁力を適用するための、前記ガイド鞘を含むことができる。
適切な任意の装置、または装置の組合せは、さまざまな実施例において、僧帽弁輪との接触に発展できる。いくつかの実施例において、例えば前記システム は、僧帽弁輪に連結されたアンカーと接触し、適用するために前記ガイド鞘を通って通過できるアンカー送達装置を含む。前記システムは追加で、または代替で、僧帽弁輪の可視化を助けるために、前記ガイド鞘を通って通過できる可視化装置を含む。例えば、前記可視化装置は、超音波装置、カメラ、内視鏡、あるい は光ファイバー装置を含むことができるが、これに限定されない。
本発明のさらに進んだ側面によると、心臓弁輪に対して、ある手順を行うための装置には、近位部および成形遠位部を有する、柔軟性のある、細長いカテーテ ル、組織アンカーの通過を可能にする、少なくとも1つの開口を有する前記遠位部、前記成形遠位部に解放可能なように保管された複数の組織アンカー、前記組織アンカーとスライド可能なように連結された少なくとも1つの引き締めることのできる係留紐、および弁輪の問題に取り組むために、少なくとも1つの前記開 口から前記アンカーを送達するために、前記遠位部に保管された少なくとも1つのアンカー送達部材が含まれる。
いくつかの実施例では、成形遠位部分は少なくとも第一の湾曲を備える。第一の湾曲は、第一の湾曲が1.27cmから3.81cmの曲率半径である1つの 実施例のように、あらゆる適切な形状、曲率半径または同様のものを持つことができる。いくつかの実施例では、成形遠位部分は第二の湾曲をさらに備える。第一および第二の湾曲は、カテーテルの近位部が遠位部分に直接隣接するのに対して、カテーテルの最端部に45°から90°の角度で方向を合わせるように構成されることができる。いくつかの実施例では、第二の湾曲は、心臓弁の曲率半径に近い曲率半径を持つ。代替実施例では、第二の湾曲は心臓弁の曲率半径より大きい曲率半径を持ち、ここでそのよ り大きい曲率半径は遠位部分が弁輪に対し外側に押し付ける原因となる。任意で、第一および第二の湾曲のうち少なくとも1つは、細長いカテーテルを弁輪に接触するように送達するために使用されるガイドカテーテルにおいて類似の湾曲と同様の形状を持つことができる。例えば、細長いカテーテルにおける第一および 第二の湾曲は、ガイドカテーテルにおける第一および第二の類似湾曲に該当する。このような実施例では、細長いカテーテルは、ガイドカテーテルを通して到達する場合、少なくとも1つ開口が弁輪組織に接触するように方向を合わせられる。
前記装置のいくつかの実施例は、遠位部分と弁輪組織の接触を維持するための細長いカテーテルに連結した少なくとも1つの補強材をさらに備える。いくつか の実施例では、例えば、補強材は心臓壁組織を押し付けるように遠位部分から広がり、従って遠位部分が輪組織を押し付けるよう強制する螺旋状部材を備える。任意で、螺旋状部材の遠位端は、1つ以上の乳頭筋および心臓壁組織の接合部に係合しこれを押し付けるように構成されることができる。別の実施例では、補強 材は心臓壁組織を押し付けるように遠位部分から広がり、従って遠位部分が輪組織を押し付けるよう強制するアーチ型形状記憶またはバネ付勢部材を備える。ある実施例では、アーチ型部材の一部は1つ以上の乳頭筋および心臓壁組織の接合部に係合しこれを押し付けるように構成される。前記装置はさらに任意で心臓壁 組織をさらに押し付けるために膨張するアーチ型部材に連結した拡張可能部材を含むことができる。別の実施例では、補強材は心臓壁組織を押し付けるように遠位部分から広がり、従って遠位部分が輪組織を押し付けるよう強制する多重バネを備える。あるいは、補強材はカテーテルの遠位部分と連結した湾曲バルーンを 含むことができ、ここで前記湾曲バルーンは弁輪の曲率半径より大きい曲率半径を有する。バルーンを膨張させることは、従って遠位部分が輪組織を押し付けるように強制する。
いくつかの実施例では、前記装置は末端組織アンカーの心臓弁輪への取付を促進するための少なくとも1つの末端部材をさらに含む。いくつかの実施例では、 末端部材は係留紐にスライド可能なように連結することができる。いくつかの実施例では、末端部材は末端カテーテル装置を介して係留紐に連結される。末端部材は、例えば弁輪組織への取付のために拡張された構造に送達するための陥没構造から配置可能な、少なくとも1つの配置可能組織取付部材を含むことができ る。組織取付部材は、返し、先端部、針、フック、先叉、レーキ、ワイヤ、歯、および/または同様のもの等であるがこれらに限定されない複数の部材を含むことができる。いくつかの実施例では、組織取付部材は形状記憶材料または超伸縮材料を備える。組織取付部材は、例えば係留紐上をスライドするように構成され た円筒部材の円周に配置されてもよい。あるいは、組織取付部材は係留紐上をスライドするように構成された円筒部材の一部に沿って配置されてもよい。
いくつかの実施例では、組織取付部材は、取付部材を押して細長いカテーテルから出し弁輪組織に入れるためのプッシャーをさらに含む。いくつかの実施例で は、組織取付部材は末端組織アンカーを係合するように構成される。ある実施例では、組織取付部材は、末端組織アンカーから別の組織アンカーへの方向で弁輪組織に入るように構成される。任意で、組織取付部材は、前記組織取付部材における組織増加を促進するため、前記組織取付部材の少なくとも一部に配置される ファイバー、マトリックス、テキスタイル、またはメッシュをさらに含むことができる。
いくつかの実施例では、各組織アンカーは、係留紐が締められた際にアンカーが弁輪組織から引き抜かれるのを防止するため少なくとも1つの組織連結機構を備える。例えば、前記組織連結機構は各組織アンカーの両端にある返しを含むことができる。そのような返しはアンカーの中心に向かって内側、または中心から外側に向いていてもよい。別の実施例では、組織連結機構は各アンカーに複数の屈曲を備える。任意で、各組織アンカーは、係留紐が締められた際にアンカーが弁輪組織から引き抜かれるのを防止するため少なくとも1つの支持部材を含むことができる。例えば、支持 部材は各アンカーの一方のアームと各アンカーの他方のアームとの取付点を備えることができ、ここで前記取付点はアンカーの小穴に隣接する。さらに支持を提供するため、任意で抑制部材を取付点上に配置してもよい。前記抑制部材は、例えばバンド、紐、スリーブ、ベルト等を含むことができる。装置のいくつかの実 施例では、各組織アンカーは組織アンカーの弁輪組織への取付を促進するように構成された少なくとも1つ組織接着機構を備える。例えば、組織接着機構は各アンカーの少なくとも一部に配置された1つ以上の材料を備えることができ、前記材料は弁輪組織内でカプセル充填を推進するために選択されたものである。ある 実施例では、アンカー送達部材は、アンカーを少なくとも1つの開口と、アンカーに接触し促すアンカー接触部材に適合するためのアンカー接触部材に連結した引張コードに接触させて出すよう強制するため、アンカー接触部材を備える。
発明の別の側面では、心臓内の弁輪を収縮するための装置は複数のスライド可能に連結した組織アンカーを含み、ここで各アンカーはアンカーの弁輪組織への 取付を促進する少なくとも1つの組織取付機構、少なくともいくつかの組織アンカーとスライド可能なように連結され、少なくとも第一のアンカーに流動的に取り付けられた、少なくとも1つの締め付け可能な係留紐を含む。組織取付機構は、多くの適切な機構のうちいずれかを備えることができる。ある実施例におい て、例えば表面特徴は、多孔性の、織り目加工された、またはコーティングした表面等、各アンカーの少なくとも一部の間に含まれる。別の実施例では、取付機構は少なくとも1つの小さい曲率半径を有する各アンカーの円形またはかぎ状部分を備える。代替として、または追加で、取付機構は各アンカーの両端に返しを 備えることができる。
本発明の別の側面によると、カテーテルアセンブリは、ガイド鞘軸を有するガイド鞘、ガイド鞘内でスライドして拡張可能な細長い装置、細長い装置軸を有す る細長い装置、選ばれた形状に配置できる鞘位置付け部分を備えるガイド鞘、および前記選ばれた形状に配置できる装置位置付け部分を備える細長い装置を含む。発明のこの側面では、鞘および装置位置付け部分の選ばれた形状は、鞘および装置位置付け部分が軸方向に一直線に並んでいる場合に、鞘および装置位置付 け部分に相補的な回転位置付けを想定させる傾向がある。
いくつかの実施例では、少なくとも1つの選ばれたガイド鞘または細長い装置は可動型である。いくつかの実施例では、鞘位置付け部分はガイド鞘の遠位端に 配置される。また、いくつかの実施例では、装置位置付け部分は細長い装置の遠位端から間隔を空けた位置に配置される。いくつかの実施例では、選ばれた形状は第一湾曲部分および第二湾曲部分を備える。いくつかの実施例では、選ばれた形状は第一の平面に第一の湾曲、第二の平面に第二の湾曲を備える。あるいは、 前記選ばれた形状は第一の平面に第一の湾曲、第二の平面に第二の湾曲を備えることができ、ここで前記第一および第二の平面は異なる平面である。いくつかの実施例では、鞘位置付け部分はリラックス状態の場合に選ばれた形状を想定する。いくつかの実施例では、鞘位置付け部分および装置位置付け部分はそれぞれリ ラックス状態の場合に選ばれた形状を想定する。
本発明の別の側面では、位置付け模索内部部材および外部部材を有するカテーテルアセンブリを作製するための方法は、鞘の鞘位置付け部分の第一選択位置を 選択するステップと、細長い装置の細長い装置位置付け部分の第二選択位置を選択し、ここで細長い装置はガイド鞘内にスライドして拡張可能であるステップと、鞘の第一選択位置で鞘位置付け部分を作製し、ここで鞘位置付け部分は選ばれた形状に配置できるステップと、鞘の第二選択位置で細長い装置位置付け部分を作製し、ここで装置位置付け部分は前記選ばれた形状に配置できるステップを含み、それによって鞘および装置位置付け部分の選ばれた形状は、鞘および装置位置付け部分が軸方向に一直線に並んでいる場合に、鞘および装置位置付け部分に相補的な回転位置付けを想定させる傾向があ る。
いくつかの実施例では、第一選択位置の選択ステップは、ガイド鞘の遠位端を第一選択位置として選択するステップを含む。また、いくつかの実施例では、第 二選択位置の選択ステップは、細長い装置から間隔を空けた位置を第二選択位置として選択するステップを含む。その他の実施例では、鞘位置付け部分作製ステップは、第一湾曲部分および第二湾曲部分を形成するステップを含む。任意で、鞘位置付け部分作製ステップは、第一湾曲部分を第一平面に、第二湾曲部分を 第二平面に形成するステップを伴ってもよい。いくつかの実施例では、形成ステップは、異なる平面である前記第一および第二平面とともに得られる。いくつかの実施例では、鞘位置付け部分作製ステップは、リラックス状態の場合に選ばれた形状を自然に想定する鞘位置付け部分を用いて実行される。
本発明の別の側面では、カテーテルアセンブリの内側および外側部材を方向づける方法は、ガイド鞘軸および遠位端を有するガイド鞘、ガイド鞘内でスライド して拡張可能な細長い装置軸を有する細長い装置、選ばれた形状に配置されることができる鞘位置付け部分を備えるガイド鞘、および前記選ばれた形状に配置されることができる装置位置付け部分を備える細長い装置、を含むカテーテルアセンブリを選択するステップと、ガイド鞘の遠位端を選ばれた位置に配置するス テップと、ガイド鞘および細長い装置が選ばれた軸方向にあるように、鞘および装置位置付け部分を軸方向に一直線に並べるステップと、ガイド鞘および細長い装置を、選ばれた軸方向から離れ逆方向にある鞘および装置位置付け部分が相補的な回転位置付けを想定するまで必要に応じて軸方向に再配置するステップとを 伴う。いくつかの実施例では、カテーテルアセンブリ選択ステップは、ガイド鞘の遠位端にある第一選択位置を用いて実行される。いくつかの実施例では、軸方向に一直線に並べるステップは、ガイド鞘の遠位端の位置にある細長い装置の遠位端を用いて実行される。
本発明の別の側面では、位置付け模索内部および外部部材を有するカテーテルアセンブリを作製するための方法は、鞘の鞘位置付け部分の第一選択位置を選択 するステップと、細長い装置の細長い装置位置付け部分の第二選択位置を選択し、ここで細長い装置はガイド鞘内にスライドして拡張可能であるステップと、鞘の第一選択位置で鞘位置付け部分を作製し、ここで鞘位置付け部分は選ばれた形状に配置できるステップと、鞘の第二選択位置で細長い装置位置付け部分を作製 し、ここで装置位置付け部分は前記選ばれた形状に配置できるステップを含み、それによって鞘および装置位置付け部分の選ばれた形状は、鞘および装置位置付け部分が軸方向に一直線に並んでいる場合に、鞘および装置位置付け部分に相補的な回転位置付けを想定させる傾向がある。
いくつかの実施例では、第一選択位置の選択ステップは、ガイド鞘の遠位端を第一選択位置として選択するステップを含む。また、いくつかの実施例では、第 二選択位置の選択ステップは、細長い装置から間隔を空けた位置を第二選択位置として選択するステップを含む。その他の実施例では、鞘位置付け部分作製ステップは、第一湾曲部分および第二湾曲部分を形成するステップを含む。任意で、鞘位置付け部分作製ステップは、第一湾曲部分を第一平面に、第二湾曲部分を 第二平面に形成するステップを伴ってもよい。いくつかの実施例では、形成ステップは、異なる平面である前記第一および第二平面とともに得られる。いくつかの実施例では、鞘位置付け部分作製ステップは、リラックス状態の場合に選ばれた形状を自然に想定する鞘位置付け部分を用いて実行される。
本発明の別の側面では、カテーテルアセンブリの内側および外側部材を方向づける方法は、ガイド鞘軸および遠位端を有するガイド鞘、ガイド鞘内でスライドして拡張可能な細長い装置軸を有する細長い装置、選ばれた形状に配置されることができる鞘位置付け部分を備えるガイド鞘、および前記選ばれた形状に配置されることができる装置位置付け部分を備える細長い装置、を含むカテーテルアセンブリを選択するステップと、ガイド鞘の遠位端を選ばれた位置に配置するステップと、ガイド鞘 および細長い装置が選ばれた軸方向にあるように、鞘および装置位置付け部分を軸方向に一直線に並べるステップと、ガイド鞘および細長い装置を、選ばれた軸方向から離れ逆方向にある鞘および装置位置付け部分が相補的な回転位置付けを想定するまで必要に応じて軸方向に再配置するステップとを伴う。いくつかの実 施例では、カテーテルアセンブリ選択ステップは、ガイド鞘の遠位端にある第一選択位置を用いて実行される。いくつかの実施例では、軸方向に一直線に並べるステップは、ガイド鞘の遠位端の位置にある細長い装置の遠位端を用いて実行される。
これらのおよびその他の側面および実施例を、作図を参照し、以下でより完全に説明する。
図1は、本発明のある実施例に従って、僧帽弁輪の治療のために配置された柔軟性のあるアンカー送達装置を有する心臓の断面図である。 図2Aおよび2Bは、本発明のある実施例に従って、僧帽弁輪の治療のための柔軟性のある装置の位置決めを図式的に示す心臓の一部の断面図である。 図2Aおよび2Bは、本発明のある実施例に従って、僧帽弁輪の治療のための柔軟性のある装置の位置決めを図式的に示す心臓の一部の断面図である。 図2Cおよび2Dは、本発明のある実施例に従って、僧帽弁輪の治療のための柔軟性のあるアンカー送達装置の位置決めを示す心臓の一部の断面図である。 図2Cおよび2Dは、本発明のある実施例に従って、僧帽弁輪の治療のための柔軟性のあるアンカー送達装置の位置決めを示す心臓の一部の断面図である。 図3は、本発明のある実施例に従って、アンカー送達装置の遠位部分の斜視図である。 図4は、非展開形状および位置にあるアンカーを有する、アンカー送達装置の遠位部分の断片の斜視図である。 図5は、図4に示す装置の断片の、異なる斜視図である。 図6は、展開形状および位置にあるアンカーを有する、アンカー送達装置の遠位部分の断片の斜視図である。 図7A−7Eは、発明のある実施例に従って、アンカーを弁輪に送達する方法を図解する、アンカー送達装置の断面図である。 図7A−7Eは、発明のある実施例に従って、アンカーを弁輪に送達する方法を図解する、アンカー送達装置の断面図である。 図7A−7Eは、発明のある実施例に従って、アンカーを弁輪に送達する方法を図解する、アンカー送達装置の断面図である。 図7A−7Eは、発明のある実施例に従って、アンカーを弁輪に送達する方法を図解する、アンカー送達装置の断面図である。 図7A−7Eは、発明のある実施例に従って、アンカーを弁輪に送達する方法を図解する、アンカー送達装置の断面図である。 図8Aおよび図8Bは、自己変形連結部材または「基幹」に連結する複数のアンカーの上方図であり、基幹は非展開形状および展開形状で示されている。 図8Aおよび図8Bは、自己変形連結部材または「基幹」に連結する複数のアンカーの上方図であり、基幹は非展開形状および展開形状で示されている。 図9A−9Cは、本発明のある実施例に従って、柔軟性のあるアンカー送達装置の遠位部分の様々な斜視図である。 図9A−9Cは、本発明のある実施例に従って、柔軟性のあるアンカー送達装置の遠位部分の様々な斜視図である。 図9A−9Cは、本発明のある実施例に従って、柔軟性のあるアンカー送達装置の遠位部分の様々な斜視図である。 図10A−10Fは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置を使用してアンカーを弁輪に適用し、そのアンカーを引き締め輪を締め付ける方法を明示するものである。 図10A−10Fは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置を使用してアンカーを弁輪に適用し、そのアンカーを引き締め輪を締め付ける方法を明示するものである。 図10A−10Fは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置を使用してアンカーを弁輪に適用し、そのアンカーを引き締め輪を締め付ける方法を明示するものである。 図10A−10Fは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置を使用してアンカーを弁輪に適用し、そのアンカーを引き締め輪を締め付ける方法を明示するものである。 図10A−10Fは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置を使用してアンカーを弁輪に適用し、そのアンカーを引き締め輪を締め付ける方法を明示するものである。 図10A−10Fは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置を使用してアンカーを弁輪に適用し、そのアンカーを引き締め輪を締め付ける方法を明示するものである。 図11は、発明のある実施例に従って、大動脈を通して左心室の中へ到達したガイドカテーテル装置とともに心臓を横断面で示すものである。 図11Aは、発明のある実施例に従って、ガイドカテーテルを通過するアンカー送達装置の遠心端を示すものである。 図11Bは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置の中間部分および類似の位置付け部分を有するガイドカテーテルを示すものである。 図12A−12Dは、弁輪に対しアンカー送達装置を支持するための支持部材の様々な実施例を示すものである。 図12A−12Dは、弁輪に対しアンカー送達装置を支持するための支持部材の様々な実施例を示すものである。 図12A−12Dは、弁輪に対しアンカー送達装置を支持するための支持部材の様々な実施例を示すものである。 図12A−12Dは、弁輪に対しアンカー送達装置を支持するための支持部材の様々な実施例を示すものである。 図13A−13Cは、発明のある実施例に従って、一連のアンカーの停止および負荷分散を容易にするための装置および方法を示すものである。 図13A−13Cは、発明のある実施例に従って、一連のアンカーの停止および負荷分散を容易にするための装置および方法を示すものである。 図13A−13Cは、発明のある実施例に従って、一連のアンカーの停止および負荷分散を容易にするための装置および方法を示すものである。 図14A−14Fは、発明のある実施例に従って、心臓弁の処置を行うための位置にアンカー送達装置を到達させる方法を明示するものである。 図14A−14Fは、発明のある実施例に従って、心臓弁の処置を行うための位置にアンカー送達装置を到達させる方法を明示するものである。 図14A−14Fは、発明のある実施例に従って、心臓弁の処置を行うための位置にアンカー送達装置を到達させる方法を明示するものである。 図14A−14Fは、発明のある実施例に従って、心臓弁の処置を行うための位置にアンカー送達装置を到達させる方法を明示するものである。 図14A−14Fは、発明のある実施例に従って、心臓弁の処置を行うための位置にアンカー送達装置を到達させる方法を明示するものである。 図14A−14Fは、発明のある実施例に従って、心臓弁の処置を行うための位置にアンカー送達装置を到達させる方法を明示するものである。 図15Aおよび15Bは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置の位置決めを容易にするためのガイドカテーテル装置の側断面図である。 図15Aおよび15Bは、発明のある実施例に従って、アンカー送達装置の位置決めを容易にするためのガイドカテーテル装置の側断面図である。 図16A−16Eは、本発明の様々な実施例に従って、改善した組織アンカーを示すものである。 図16A−16Eは、本発明の様々な実施例に従って、改善した組織アンカーを示すものである。 図16A−16Eは、本発明の様々な実施例に従って、改善した組織アンカーを示すものである。 図16A−16Eは、本発明の様々な実施例に従って、改善した組織アンカーを示すものである。 図16A−16Eは、本発明の様々な実施例に従って、改善した組織アンカーを示すものである。 図17A−17Cは、本発明のある実施例に従って、弁輪の組織に取り付けられている自己成形アンカーを示すものである。 図17A−17Cは、本発明のある実施例に従って、弁輪の組織に取り付けられている自己成形アンカーを示すものである。 図17A−17Cは、本発明のある実施例に従って、弁輪の組織に取り付けられている自己成形アンカーを示すものである。 図18は、本発明の別の実施例に従って、弁輪の組織に取り付けられている自己成形アンカーを示すものである。 図19Aは、発明のある実施例に従って、2つの隣接するアンカーの間にスリーブを有するアンカー装置を示すものである。 図19Bは、発明のある実施例に従って、3つのアンカーの間にスリーブを有するアンカー装置を示すものである。
(発明の詳細な説明)
本発明の装置、システムおよび方法は一般的に、治療が必要な部位での治療装置の送達を容易にすることによって、経血管型、低侵襲およびその他の「さらに 侵襲性が低い」外科手術を容易にするために使用される。以下の説明は僧帽弁の治療に関する本発明の装置および方法に焦点を当てているが、その装置および方法は心臓病およびそれ以外に対する適切な手術で使用される場合がある。本発明が心臓弁輪の治療に使用される場合、本発明の方法は一般的に、弁輪の長さを有 するアンカー送達装置の接触、複数の連結されたアンカーのアンカー送達装置からの送達および弁輪を一斉に引き弁輪を締め付けることを含む。装置は複数の連結されたアンカーが解放可能となるように覆うために遠位端あるいは近くにハウジングを有する細長いカテーテル、およびアンカー送達装置の前進を促進するた め、および/または配置するための送達装置を含む。装置は、左心室壁、僧帽弁弁尖および腱索によって輪郭を示される左心室の中など、ハウジングが弁の環状組織を接触するよう、あるいは近くなるように配置される場合がある。いくつもの異なる構成を有する自己固定アンカーは、いくつかの実施例で使用される場合 がある。追加装置は、治療が必要な部位でアンカー送達装置の到達および/または配置を容易にするための送達装置を含む。
多くの場合、本発明の方法は、機能している心臓に対して行われる。機能している心臓への接近手段として、血管内からの方法、経胸腔的方法および同等のも のなど有効な方法がある。機能している心臓への接近手段に加えて、本発明の方法は、停止した心臓への血管内での接近手段、および停止した心臓の開胸手術に対して使用される場合がある。
図1を参照すると、心臓Hは断面図で示されており、心臓H内に挿入する細長いアンカー送達装置100を有する。一般的に、送達装置100はアンカーを心 臓弁輪へ送達するよう構成された遠位部102を有する細長い本体で構成される(図1、2Aおよび2Bでは、図をより明確にするため、アンカーまたはアンカー送達構造なしで遠位部102を図式的に示す)。いくつかの実施例では、前記細長い本体は剛性軸で構成され、一方その他の実施例では、経血管型の手法に より、遠位部102が心臓Hの中、および弁輪に食い込むよう1つ以上の弁尖の下に配置されるように、柔軟性のあるカテーテルで構成される。例えば、経血管型の接近手段は、内頸静脈(図示せず)から上大静脈SVC、右心房RAへ行き、心房中隔を越えて左心房LAへ行き、そして1つ以上の僧帽弁弁尖MVLの下 にある弁輪(図示せず)の下の左心室(LV)の中の位置へ到達することで行われてもよい。あるいは、心臓への接近手段は、大腿静脈および下大静脈を通しても行うことができる。他の実施例では、接近手段は、冠状静脈洞(図示せず)および心房壁から左心房へと通ることによって行うことができる。さらに他の実施 例では、接近手段は、大腿動脈および大動脈から左心室、そして僧帽弁の下へと通ることによって行うことができる。この接近経路については、さらに詳しく下記で説明する。その他の適切な接近経路が、本発明の範囲内で考えられる。
その他の実施例では、心臓Hへの接近手段として、切開あるいは心臓壁のポートによって挿入された送達装置100を使用した経胸腔的方法がある。また、心 臓切開の外科手術に対して本発明の方法および装置は有効であるかもしれない。さらに、いくつかの実施例は、三尖弁尖TVLに隣接した三尖弁輪あるいはその他の心臓または血管の弁の手術を強化するために使用される場合がある。したがって、以下の説明は主として、低侵襲またはさらに侵襲性が低い僧帽弁の僧帽弁 逆流の治療に焦点を合わせるが、本発明はその使用に限定されるものではない。
図2Aおよび2Bを参照すると、僧帽弁VAの治療用の送達装置100を配置するための方法は、断面図で図式的に示される。まず図2Aのように、遠位部 102は、僧帽弁弁尖Lの下、心室壁VWの隣と、好ましい位置に配置されている(ここでも遠位部102は表示のため、アンカーまたはアンカー送達構造なしで示される)。弁輪VAは一般的に、心室壁VWと比較的繊維質である心房壁AWが交差する位置にある心臓壁の組織の部分で構成されるので、弁尖の組織およ び心臓壁の組織よりかなり丈夫である。
遠位部102は、適切な方法によって弁輪の下の位置へ前進することが可能であり、その方法については下記でさらに詳しく説明する。一般的に遠位部102 は、アンカーを弁輪まで送達する、弁輪を固定する、および/または見えるようにする、あるいはその両方のために使用される。ある実施例では、図1で示される柔軟性のある細長い本体を有する送達装置を使用して、柔軟性のある遠位部102は、右心房RAから卵円孔の部分(表示せず。大動脈Aの後ろ)にある心房 中隔を通って左心房LAそして左心室LVへ通される。あるいは、柔軟性のある遠位部102は、例えば大腿動脈を通る接近手段によって、大動脈Aを通って左心室LVへ前進する。多くの場合、遠位部102はさらに移動した後、後部の弁尖Lで左心室壁VWの内面、僧帽弁弁尖Lの下面、心室壁VWおよび弁尖Lにつ ながる腱索CTによって囲まれた空間として、本願の目的で概略で示される弁下部の空間104の上で輪郭が示される空間へと自然に前進する。本発明の送達装置など柔軟性のあるアンカー送達カテーテルが血管内で接近して僧帽弁の下を通る際、比較的簡単に弁下部の空間104へ頻繁に入り、弁の外周を部分的または 全体的に空間104に沿って前進することが明らかになっている。空間104に入ると、遠位部102は弁尖および心室壁VWの交差部分に都合よく配置され、その交差部分は図2Aで示されるように、弁輪VAのすぐ隣または非常に近い位置にある。これらは弁輪への可能な(アンカー送達装置の)接近経路の例に過ぎ ず、その他の接近経路も使用される。
いくつかの実施例では、遠位部102は形状変化部分を含み、それによって遠位部102が弁輪の形状に適合する。カテーテルは通常、直線で柔軟性のある構 造をした形状変化遠位部で脈管構造を通って挿入される。弁尖と内側の心室壁の間の交差部分にある弁尖の下に配置されると、遠位部102の形状は弁輪に適合するように変形し、通常、その形状は遠位部102から弁輪へかかる力を可能にするための十分な堅さ、あるいは剛性を与えるために「固定」される。遠位部 102の成形および状況に応じた固定は、多くの方法で行うことができる。例えばいくつかの実施例では、形状変化部分は区分、切欠き、すり割り、または分節される場合があり、形状変化部分に連結された引張コード、ワイヤまたは引張装置などの引張部材が遠位部102の成形および剛性化に使用される。例えば分節 された遠位部は、それぞれ異なる方向のアーティキュレーションを遠位部に与える2つの引張部材に連結された複数の断片を含む場合がある。第一の屈曲は、弁輪に適合するよう遠位部にC字形状あるいは同様の形状を与えるために第一の部材を引っ張ることによって形成され、一方、第二の屈曲はC字形状の部材を弁輪 の方向へ上に折り曲げるように第二の部材を引っ張ることによって形成される。他の実施例では、バルーンなどの形成された拡張可能部材は、形状変化・変形に備えて遠位部102に連結される。多くの実施例では、任意の構成および組み合わせを使用して遠位部102を好ましい形状にする。
経胸腔的なその他の実施例では、遠位部102は成形され、方法は単に遠位部102を弁尖の下に挿入することを含む。成形された遠位部102は堅く、ニチ ノール、バネステンレススチールまたは同等のものなど、適切な超弾性的材料または形状記憶材料によって作られる場合がある。
アンカーを弁輪VAへ送達することに加えて、送達装置100(および特に遠位部102)は、弁輪VAを固定および/または見えるようにするために使用さ れる場合がある。当該の固定および露出は、既に参照により組み込まれた米国特許出願番号10/656797で詳しく記述されている。例えば遠位部102が弁輪の下に配置されると、遠位部102に力がかかり、図2Bで示されるように、弁輪VAを固定する。当該の力は、弁輪を露出、配置および/または固定する ためにいかなる適切な方向にもかかる。例えば斜め上向きの力が、図2Bで遠位部102の中心から描かれた塗りつぶされた矢印によって示される。その他の場合、上向きのみ、横向きのみ、あるいはその他の適切な力がかかる場合がある。遠位部102へかかる力によって、弁輪VAは持ち上げられ外側に突き出し、し たがってより良い観察および接近手段を得るために弁輪が見えるようになる。かかる力によっても弁輪VAが固定され、外科手術および可視化を容易にする。
いくつかの実施例は、アンカー送達部品だけではなく固定部品も含む場合がある。例えばいくつかの実施例は、2つの柔軟性のある部材を含む場合があり、1 つは弁輪の心房側に接触するためのもので、もう1つは心室側に接触するためのものである。いくつかの実施例では、当該の柔軟性のある部材は、その間にある弁輪を「クランプ」するために使用される。例えば当該の部材の1つはアンカー送達部材で、もう1つは固定部材でる場合がある。固定および/またはアンカー 送達部材のいかなる組み合わせおよび構成も考えられる。
図2Cおよび2Dを参考にすると、アンカー送達装置108は、アンカー110を弁輪VAに送達していることが示される。もちろん、これらも表示用の図で あり、実物大ではない。まず、アンカー110は送達装置108の中にあることが示され(図2C)、次に、弁輪VAへ送達されていることが示される(図2D)。示されるように、ある実施例では、アンカー110は送達装置108の中にある場合、比較的直線的な構造を有し、恐らく2つの尖った先端およびその 先端の間に輪を有する。送達装置108から展開すると、アンカー110の先端は反対方向に屈曲し、2つの半円、円、長円、重複螺旋または同等のものを形成する。これは単に弁輪へ送達される種類の自己固定アンカーの一例である。通常、複数の連結されたアンカー110は送達され、弁輪を締め付けるよう一斉に引かれる。アンカー送達およびアンカーを一斉に引く方法について、下記でさらに説明する。
送達装置108は、図2Cおよび2Dでは円形の断面形状を有するように示されるが、代替として、その他の適切な形状を有する場合がある。例えばある実施 例では、卵形あるいは楕円形の断面形状を有する送達装置を備えていることが有利である場合がある。心室壁および弁尖で形成された角に配置されている場合、当該の形状によって、アンカーが弁輪の組織へ送達されるよう送達装置の1つ以上の開口部を方向付けるために装置が調整されていることを確認しやすくなる。 弁輪の接触および/または送達装置の位置付けをさらに強化するために、いくつかの実施例は送達装置と連結される拡張可能部材をさらに含む場合があり、それは送達装置を心室壁および弁尖で形成された角へと強制、圧迫または押し込むために拡張し、弁輪に接触する。当該の強化について、下記でさらに説明する。
図3を参照すると、アンカー送達装置200の一部分の実施例は、係留紐212と連結される複数のアンカー210を弁輪の組織へ送達するように構成された 遠位部202を有する細長いシャフト204を適切に含む。係留アンカー210は、1つ以上のアンカー保持マンドレル214および拡張可能部材208とともに遠位部202のハウジング206の中にある。これらの1つ以上の機能には多くのパターンがあり、本発明の範囲で多くの部品が加えられたり省かれたりする 場合がある。これらのいくつかのパターンについて下記でさらに説明するが、添付の請求によって定義されるように、どの実施例も本発明の範囲を制限するものではない。
多くの実施例では、ハウジング206は柔軟性あるいは剛性である。例えばいくつかの実施例では、柔軟性のあるハウジング206は、複数の断片で構成さ れる場合があり、それらは断片に連結される引張部材を引くことによってハウジング206が変形可能になるよう構成される。いくつかの実施例では、ハウジング206は、連動し状況に応じて弁輪を形成したり収縮したりするよう選択された形状を有する弾性材料で形成される。例えば輪は、ニチノール、バネステンレ ススチールまたは同等のものなど、形状記憶合金、超伸縮材料で形成される場合がある。その他の例では、ハウジング206は膨らますことができるもので形成することが可能であり、グースネック、固定可能な部品シャフトなど、前述した堅くなる構造物あるいはその他の堅くなる構造物がそのままの状態で選択的に硬 くなることがある。
本願の目的で「アンカー」はファスナーを意味するよう定義される。したがって、アンカー210はC字形状あるいは半円のフック、その他の形状の屈曲した フック、真っ直ぐなフック、かかりのついたフック、いかなる種類のクリップ、T字タグまたはその他の適切なファスナーで構成される。ある実施例では、上述のように、アンカーは展開した後、2つの交差する半円、円、長円、螺旋または同等のものを形成するよう反対方向に屈曲する2つの先端で構成される。いくつ かの実施例では、アンカー210は自己変形する。「自己変形」は、アンカー210がハウジング206での拘束から解放された後、第一の非展開形状から第二の展開形状へ変形することを意味する。当該の自己変形アンカー210は、ハウジング206から解放され弁輪の組織に入る際に変形し、組織に固定される。し たがって、アンカー210に力をかけ形状組織に取り付けるための圧着装置またはその他の同様の構造は、遠位端202には必要ない。
自己変形アンカー210は、ニチノールまたはバネステンレススチールのような超伸縮あるいは形状記憶材料などで作られる場合がある。他の実施例では、ア ンカー210は非形状記憶材料で作られ、解放時に形状を変えられるようにハウジング206へ装備されることができる。あるいは、自己変形型ではないアンカー210が使用される場合があり、当該のアンカーは圧着、焼き入れまたは同等のものによって組織に固定される場合がある。また、いくつかの実施例では、自己固定アンカーは圧着され、より強く組織に取り付く。いくつかの実施例では、アンカー210は1つ以上の生体活性因子で構成される。他の実施例では、アンカー210は電極で構成される。例 えば当該の電極は、電気抵抗、温度、電気信号などに限定するものではないが、多くのパラメータを感知する場合がある。他の実施例では、当該電極は、切除または副切除量のエネルギーを組織に供給するために使用される場合がある。アンカーの送達は、適切な装置および下記で詳しく記述されるような水圧バルーン送 達によって単にアンカーを解放するなどの方法によって遂行することができる。いかなる数、サイズ、形状のアンカー210がハウジング206に含まれる。
ある実施例では、アンカー210は一般的に非展開形状において、C字形状あるいは半円であり、C字の先端は組織を貫通するよう鋭い。C字形状のアンカー 210の途中には、係留紐212がスライドして通過できるように小穴が形成されている。アンカー210を展開状態でC字形状に保つために、アンカー210は2つのマンドレル214によってハウジング206に保持され、マンドレル214の1つはアンカー210のC字形状の2つのアームをそれぞれ保持する。マ ンドレル214は細長いカテーテル本体204の中で引込み式となり、アンカー210を解放し、非展開のC字形状から展開形状へ変える。例えば、展開形状はほぼ完全な円または末端が重なった円であり、後者は鍵輪と同様に見える。当該のアンカーについて下記で詳しく説明するが、一般的に非展開形状から展開形状 へ変化することによって環状組織に固定する能力において有利である。いくつかの実施例では、アンカー210も展開時には組織表面とぴったり重なっている状態になるよう構成される。「重なる」ということは、少量は突き出るかもしれないが、アンカーは表面からほとんど突き出ないことを意味する。
係留紐212は1つの長い材料、2つまたはそれ以上の材料であり、縫合糸、縫合糸のような材料、ダクロン製ストリップまたは同等のものなど適切な材料で 構成される。保持マンドレル214もいかなる適切な構成を有し、ステンレススチール、チタニウム、ニチノールまたは同等のものなど、適切な材料で作られる。多くの実施例では1つのマンドレル、2つのマンドレルあるいは2つ以上のマンドレルを有する場合がある。
いくつかの実施例では、アンカー210は送達装置200からのさらなる力なしで、環状組織に接触し固定するためにマンドレル214から解放される。しか し、いくつかの実施例は1つ以上の拡張可能部材208を有する場合もあり、それは拡張してアンカー210を組織へと押し詰める。拡張可能部材208は適切なサイズおよび構成を有し、適切な材料で作られる。拡張可能部材などの水圧システムはこの分野の人々には知られており、既知あるいはまだ知られていない拡 張可能部材が本発明の一部としてハウジング206に含まれる。
図4および5を参照すると、アンカー送達装置の遠位部302の断片は、ハウジング306に張力をかけ形状を変化させる複数の引張部材320、スライド可 能なようにハウジング306に配置された2つのアンカー保持マンドレル314、スライド可能なように係留紐312に連結された複数のアンカー310およびアンカー310とハウジング306の間に配置された拡張可能部材308を適切に含む。図4および5で見られるように、ハウジング306は複数の断片を含 み、引張部材320へ張力をかけることによってハウジング306の全体の形状を変えることが可能となる。また、図からわかるように、「C字形状」アンカー310は、ハウジング306のマンドレル314によって保持される際、実際にほぼ直線構造となる。したがって、本願の目的で、「G字形状」または「半円」 は円の一部、わずかに屈曲した線、線上の一点に小穴を有するわずかに屈曲した線および同等のものなど非常に幅広い形状を言及している。
図6を参照すると、遠位部302の同じ断片が示されるが、マンドレル314は、アンカー310をハウジング306から解放するための2つのマンドレル開口322から引っ張られている。さらに、拡張可能部材308はアンカーをハウジング306から押し出すように拡張している。マンドレル314から解放され たアンカー310は、非展開の保持された形状から展開し解放された形状に変化し始めている。
図7Aから7Eを参照すると、アンカーを弁輪VAの組織へ送達している様々な段階で、アンカー送達装置の遠位部402横断面が示される。図7Aでは、遠 位部402は弁輪に接触して配置され、アンカー410は2つのマンドレル414に保持され、係留紐412はアンカー410の小穴を通ってスライド可能なように配置され、拡張可能部材408はアンカー410をハウジング406から押し出すような位置でハウジング406に連結する。マンドレル414に保持され る際、アンカー410は非展開形状にある。上記での説明と同様、マンドレル414は図7Aの塗りつぶされた矢印で示されるように、アンカー410を解放するためのスライド可能な引込み式である。多くの実施例では、マンドレル414をゆっくりと引き込むなどによって、アンカー410は一度に1つ解放された り、マンドレル414の速い引き込みなどによって群で解放あるいはすべて同時に解放されたりする場合がある。
図7Bでは、アンカー410は非展開形状から展開形状へ変わり始め(塗りつぶされていない矢印で示される)、また環状組織VAを貫通し始めている。空に なったマンドレル開口422は、マンドレル414が少なくともアンカー410が後方されるまで遠くに引き込まれたことを示す。図7Bでは、拡張可能部材408は拡張し、アンカー410を部分的にハウジング406から押し出し、弁輪VAへ押し入れている。また、塗りつぶされていない矢印で示されるように、 アンカー410は非展開形状から展開形状へ移り続ける。図7Dでは、アンカー410は展開形状になり、それはほぼ完全な末端が重なった円または「鍵輪」の形状である。図7Eでは、送達装置402は係留アンカーを弁輪の中に残した状態で取り外された。もちろん通常では、複数の係留アンカーが環状組織に固定さ れる。係留紐412はアンカー410に力をかけるためにしっかり締められ、弁輪をつかみ締め付ける。
図8Aおよび8Bを参照すると、連結されたアンカーのその他の実施例が図式によって表示される。ここで、アンカー510は自己変形または変形可能な連結 部材あるいは基幹505に連結する。例えば、基幹505はニチノール、バネステンレススチールまたは同等のものから作られ、適切なサイズまたは構成を有する。ある実施例では、図8Aのように、アンカー送達装置のハウジングの中で拘束されている場合など展開状態で保たれている際、基幹505は一般的に直線形 状である。送達装置から解放される際、図8のように基幹505は複数の屈曲を有する展開形状へ変化する。図8Bの塗りつぶされた矢印で示されるように、屈曲によって基幹505はアンカー間の長手方向の距離が短くなる。この短縮過程が、アンカー510が固定される弁輪をしっかりつかむ役割をする。したがっ て、基幹505に連結するアンカー510は、係留紐あるいは係留の力なしに弁輪をしっかりつかむために使用される。あるいは、係留紐もアンカー510に連結し、さらに弁輪をしっかりとつかむ。そのような実施例では、係留紐を通してアンカー510および基幹505に力がかかる際に、基幹505が屈曲しさらに 弁輪をしっかりとつかめるように、基幹505は少なくとも部分的に適合可能あるいはしっかりつかめるようになる。
図9Aから9Cを参照すると、ある実施例では、アンカー送達装置520の柔軟性のある遠位部は、拡張可能部材524に連結されたハウジング522を適切 に含む。ハウジング522は、複数の連結されたアンカー526および引張コード532に連結された部材530に接触するアンカーを覆うように構成される。ハウジング522はまた、アンカー526を外に出させる複数の開口528を含む。わかりやすくするために、図9Aおよび9Cでは、送達装置520は係留紐なしで示されるが、図9Bは、係留紐534が各アンカー526の小穴、輪あるいはその他の部分から延在し、複数のアンカー526を解放するために各開口528から抜け出ることを示す。本実施例の多くの機能について、下記で詳しく説明する。
図9Aから9Cで示される実施例では、アンカー526は比較的直線で、比較的送達装置522の長軸と比較的平行した状態である。ボール、板、フック、結 び、プランジャ、ピストンまたは同等のものなどの適切な装置で構成されるアンカー接触部材530は一般的に、ハウジング522の内径とほぼ同じ、あるいはわずかに少ない外径を有する。接触部材530は、最末端のアンカー526より遠位のハウジングの中に配置され、引張コード532を引くことによってハウジ ング522に対して引き込まれる。引き込まれる際、アンカー接触部材530は最末端のアンカー526に接触し力をかけ、アンカー526が開口528の1つを通ってハウジング522を抜け出させるよう解放する。そして接触部材530は、滑らかなアンカー526に接触し力をかけるために近位でさらに遠くへ引か れ、そのアンカー526を展開していく。
アンカー526を開口528から押し出す引き込み接触部材530は、アンカー526が隣接組織に固定することのみできるように促進する。非展開の際に比 較的直線・平らなアンカー526を使用することによって、比較的大きなサイズのアンカー526を比較的小さいハウジング522に配置(およびそこからの送達)することが可能となる。例えばある実施例では、近似の2つの交差する半円、円、長円、螺旋または同等の形状に展開し、半径が約3mmの1つの半円を有 するアンカー526は、約5フレンチ(1.67mm)およびさらに好ましくは4フレンチ(1.35mm)あるいはそれ以下の直径を有するハウジングの中に配置される。当該のアンカー526は、最も広い寸法で約6mmまたはそれ以上である。いくつかの実施例では、展開状態でハウジング522は直径寸法 (「d」)を有し、アンカー526は直径寸法 (「D」)を有し、D対dの割合は少なくとも約3.5である。他の実施例では、D対dの割合は少なくとも約4.4で、さらに好ましくは少なくとも約7、そしてより好ましくは少なくとも約8.8である。しかしこれらは単に例であり、その他のより大きいあるいは小 さいアンカー526はより大きいあるいは小さいハウジング522の中に配置される。さらに、都合のよい数のアンカー526がハウジング522の中に配置される。例えばある実施例では、ハウジング522は約1から20のアンカー526、さらに好ましくは約3から10のアンカー526を持つ。その他の実施例で は、より多い数のアンカー526を持つ。
アンカー接触部材530および引張コード532は適切な構成を有し、いかなる材料または材料のいかなる組み合わせで製造される。代替の実施例では、接触 部材530は押し部材によって押され、アンカー526に接触してアンカー526が展開する。あるいは、前述したいかなるアンカー展開装置および方法も使用される。
図9Bで示される係留紐534は、既に上述されたいかなる係留紐534または係留紐のような装置、あるいはその他の適切な装置で構成される。係留紐 534は一般的に、付着点536にある最末端のアンカー526に取り付けられる。取り付け自体は、結び、溶接、接着剤またはその他の適切な取り付け手段によって行われる。そして、係留紐234は、アンカー526とスライド可能なように連結するよう、各アンカー526上にある小穴、輪またはその他の同様な構 成物を通って延在する。示される実施例では、係留紐534は各開口528を抜け出てから、次に最も近い開口に挿入し、アンカー526の輪をスライド可能なように通り、同じ開口528を抜け出る。係留紐534が各開口528に挿入したり抜け出たりすることによって、複数のアンカー526は組織で展開し、しっ かりつかむ。ハウジング522、アンカー526および係留紐534のその他の構成も代替として使用される。例えば、ハウジング522は係留紐534が通る縦のスリットを含み、そのため展開する前に係留紐534がハウジングの中で完全に存在できるようになる。
拡張可能部材524はアンカー送達装置520のオプション機能なので、それを含む実施例と含まない実施例がある。すなわち、アンカー送達装置520の遠 位部はハウジング、ハウジングの内容物、取り付けられた拡張可能部材付きのその他の機能または付いていない機能を含む。拡張可能部材524は現在知られている、または将来出てくる適切な拡張可能部材で構成され、拡張可能部材524を拡張するためにいかなる方法および材料も使用される。通常、拡張可能部材 524はハウジング522の表面に連結され、ハウジング522より大きい半径を有し、ハウジング522が弁輪に接近したり接触したりして拡張する際、拡張可能部材524がハウジング522を押して、弁輪とさらに強く接触させるように構成される。例えば拡張可能部材524は、左心室壁および僧帽弁弁尖で成形 された角の付近にある空間内で拡張するよう構成される。
図10Aから10Fを参照すると、心臓内で複数の係留アンカー526を弁輪VAに適用する方法を示す。図10Aで示されるように、アンカー送達装置 520はまず、開口部528を位置付けてアンカー526が弁輪へ展開するよう弁輪VAに接触する。当該の位置付けは、適切な方法で行うことができる。例えば、ある実施例では、楕円形の断面形状を有するハウジング522が開口部528を位置付けるために使用される場合がる。説明のように、ハウジング522と 弁輪VAとの間での接触は、拡張可能部材524を拡張することによって強化され、弁輪に隣接する角の中にあるハウジングを押し込む。
一般的に、送達装置520は適切な前進方法あるいは装置交換方法によって弁を治療するための適切な位置へ前進する。例えば、血管内の手術を行うための多 くのカテーテルをベースにした低侵襲装置および方法は有名で、そのような装置および方法、そして後に改善されるその他の装置または方法によって、目的とする位置に送達装置520を前進または配置するために使用される。例えばある実施例では、可動型ガイドカテーテルはまず、通常、大腿動脈からの接近手段で逆 行性に大動脈を通って前進する。可動型カテーテルは心臓の左心室に入り、左心室の僧帽弁弁尖、心室壁および腱索によって形成される空間に入る。この空間に入ると、可動型カテーテルは僧帽弁の外周の一部(または全部)に沿って簡単に前進する。鞘のような覆いは、弁尖の下にある空間の中で可動型カテーテルを越 えて前進し、可動型カテーテルは鞘のような覆いを通って取り外される。そして、アンカー送達装置520は鞘のような覆いを通り空間の中の目的とした位置へ前進し、鞘のような覆いは取り外される。場合によっては、送達装置520に連結された拡張可能部材が拡張し、弁輪との接触を強化するために左心室壁と弁尖 で形成された角へ送達装置を520押し込み、そうでなければ移動させる。もちろん、これは単に送達装置520を弁の治療をするための位置に前進させる方法の一例であり、その他の適切な方法、装置の組み合わせなどが使用される。
図10Bで示されるように、アンカー526を展開することを目的とした位置に送達装置520が位置付けられる際、アンカー接触部材530は最末端のアン カー526に接触して力をかけるために引き込まれ、開口528を通って弁輪VAの組織へアンカー526を展開し始める。図10Cはアンカー526が開口528から弁輪 VAへさらに展開していることを示す。図10Dはアンカー526のさらなる展開が見えるように弁輪VAを透過的に示す。示されるように、 本発明のある実施例では、アンカー526は、ハウジング522からの解放時および弁輪VAに接触する際に反対方向へ動く2つの尖った先端を含む。2つの尖った先端の間でアンカー526は輪になり、または係留紐534とのスライド可能な連結を可能にするためのその他の適切な小穴あるいは装置を有する。
図10Eを参照すると、アンカー526は円または半円を形成するために屈曲した各アンカー526の各鋭いリップ(または「アーム」)とともに、完全展開形状またはほとんど展開した形状に見える。もちろん多くの実施例では、上記でさらに十分に説明したように、アンカー526はその他の適切な展開形状および非展開形状を有する。図10Fは弁輪VAへ展開し係留紐534に連結したアンカー526を示し、最末端のアンカー526が付着点536にある係留紐524に固定されるよう に連結され取り付けられている。この段階では、係留紐534が弁輪を締め付けるためにしっかり締められるので、弁逆流が軽減している。いくつかの実施例では、弁の機能は心エコー図および/または蛍光透視などの手段でモニターされ、係留紐534は締められ、緩められ、使用された可視化技術でわかる好ましい程 度の締め付けを得るために調整される。好ましい程度の締め付けが得られたら、係留紐534は最も近いアンカー526(または2つあるいはそれ以上の最も近いアンカー526)に適切な方法で取り付けられてから、最も近いアンカー526の近位で切られ、そして、しっかり締められた係留アンカー526を弁輪VA に沿った位置に寄り掛からせる。係留紐534の最も近いアンカー526への取り付けは、接着剤、節止め、圧着、結び、またはその他の方法で行われ、また、係留紐534の切断はハウジング522に連結された切断部材などのいかなる方法でも行われる。
ある実施例では、係留紐534をしっかり締めること、係留紐534の最も近いアンカー526への取り付け、および係留紐534の切断は終了装置(図示せ ず)を使用して行われる。例えば、終了装置は切断部材およびニチノールナットまたは係留紐534を最も近いアンカーへ取り付けるためのその他の取付部材を含む係留紐534を超えて前進可能なカテーテルで構成される。終了カテーテルは、係留アンカー526の近位端あるいはその付近にある位置へ係留紐534を 超えて前進する。そして、係留紐534がしっかり締められる間、最も近いアンカー526へ反対の力をかけるために使用される場合がある。そして、取り付けおよび切断部材は、最も近いアンカー526に係留紐534を取り付けるために使用され、最も近いアンカー526のちょうど近位で係留紐534を切断するた めに使用される。そのような終了装置は締め付け、取り付け切断を行うための可能な方法の1つであり、その他の適切な装置(あるいは方法)も使用される。
いくつかの実施例では、一番目のアンカー526を弁輪VAの一番目の部分に沿って展開し、弁輪のその部分を締め付けるために一番目のアンカーをしっかり つかみ、送達装置520を弁輪の他の部分に移動させ、2番目のアンカー526を弁輪の2番目の部分に沿って展開・しっかりつかむことが有利な場合がある。場合によっては、そのような方法は、送達装置520を弁輪の全外周あるいは外周のほとんどに延在させるよりも便利で、使用するハウジング522はより短 く、操縦しやすくなる。
図10Aから10Fで示される実施例と同様の実施例では、類似している方法が使用されるが、アンカー526は送達装置520に取り付けられた生体適合性 材料を通して送達装置520から押し出され、その結果、生体適合性材料が弁輪VAに取り付けられる。例えばある実施例では、ダクロン製ストリップは送達装置520に取り付けられ、装置520に沿って延在し、開口528を覆う。そして、アンカー526はダクロン製ストリップを通って送達装置520から弁輪 VAへと押し出されるので、ダクロン製ストリップは装置520から離され、弁輪VAに取り付けられる。そのような生体適合性材料はアンカー526の組織成長を促進し、通常、弁輪VAへの取り付けを強化する場合がある。代替の実施例では、各開口528の上に配置された別々の材料など、複数の生体適合性材料が 使用される場合がある。例えばある実施例では、ダクロン材料の複数の円板が複数の開口528の上に配置される。
他の実施例では、送達装置520の遠位部は送達装置520の近位部から分離可能である。そのような実施例は、アンカー526が装置520から展開される 際、装置520の遠位部は近位部から離れ、アンカー526によって弁輪VAへ取り付けられるように構成される。例えばある実施例では、アンカー526は開口528を通って装置520から抜け出るのではなく、装置520の遠位部を貫通する。遠位部はせん孔または同等のものなどの適切な手段によって分離可能となる。
図11を参照すると、心臓Hの断面描写が示され、アンカー送達装置ガイド カテーテル550が大動脈Aを通り左心室LVへ前進している。好ましい実施例 では、弁輪下部スペースおよび弁輪へのこの接近手段経路が使用される場合がある。ガイドカテーテル550は一般的に、柔軟性のある細長いカテーテルで、弁輪下部スペース552でのカテーテル550の遠位端の交換を容易にするために、その遠位端に向けて1つ以上の湾曲部または屈曲を有する。上記で詳しく上述 した弁輪下部スペース552は一般的に、左心室壁、僧帽弁弁尖MVLおよび腱索によって輪郭が示され、弁輪の全外周または外周のほとんどに沿って移動する。ガイドカテーテル550の遠位端は、次のカテーテル装置がガイドカテーテル550から空間552へと通るように、開口部から空間552または空間 552の中へ位置付けられるよう構成される。いくつかの実施例では、弁輪の半径より大きい拡張した屈曲した状態での半径を有する屈曲可能な部分をガイドカテーテル550に与えることが有利である。例えばある実施例では、拡張した状態でのガイドカテーテル550は、弁輪より約25%から50%大きい半径を有 する。
図11Aを参照すると、ガイドカテーテル550の遠位部が示され、アンカー送達装置558はそれを通ってその遠位端から延在している。示されるように、 ある実施例では、ガイドカテーテル550は少なくとも1つの屈曲551または湾曲を含み、アンカー送達装置558は少なくとも1つのガイドカテーテル550の屈曲551とほぼ同じ曲率半径を有する対応する屈曲553を含むためにあらかじめ形成される。いくつかの実施例では(図示せず)、ガイドカテーテ ル550は複数の屈曲551を有し、アンカー送達装置558は複数の対応する屈曲553を有する。示される実施例では、アンカー送達装置558はガイドカテーテル550の屈曲551に対応する近位の屈曲553および遠位の屈曲555を含む。近位の屈曲553の曲率半径とガイドカテーテルの屈曲551を一致 させることによって、1つ以上のアンカー送達開口557が弁輪(図示せず)に接触するようにアンカー送達装置558の遠位部は自動的に方向付けられる(ガイドカテーテル550を通って前進する際)。さらに、遠位の屈曲555は、弁輪の曲率半径にほぼ一致する曲率半径を有する。あるいは、遠位の屈曲555 は、アンカー送達装置558の遠位部が半径方向に外側に向かって押される傾向となり、その結果として装置558の弁輪の組織との接触が強化されるよう、弁輪の曲率半径より大きい曲率半径を有する。湾曲のそのような大きい半径について、下記でさらに詳しく説明する。したがって、近位の屈曲553および遠位の 屈曲555はお互いに対して、およびアンカー送達装置558のさらに近い部分に対して適切な角度を有する。いくつかの実施例では、また、アンカー送達装置558は可動型である。
次に図11Bを参照すると、直前の実施例および/または別の実施例において、アンカー送達装置588、およびガイドカテーテル590は、それらに沿って 他の位置に1つ以上の対応する(あるいは「位置合わせ」)屈曲、あるいは方位付け部分592a、592bを含むことができる。すなわち、屈曲551、553、555は、図11Aにおいて、ガイドカテーテル550およびアンカー送達装置558の遠位端、またはその付近に示してあるが、類似の屈曲を、より 近位置で形成する可能性がある。例えば、図11Bは、緩めた時に選ばれた形状を持つ方位付け部分592aの付いたガイドカテーテル590を示している。その選ばれた形状は、二次元または三次元の軌道に沿うことができる。アンカー送達装置588は、それに沿って、方位付け部分592aの形状と相補的な、対応 する方位付け部分592bを有する。選ばれた形状はまた、エネルギー、機械的な操作などを利用して作ることもできる。そのような方位付け部分592a、592bは、送達装置588を望ましい方向に位置合わせあるいは方位付けするために利用する可能性がある。一般的に、方位付け部分592a、592bが軸 方向に並んでいる場合、患者の体外で、ガイドカテーテル590およびアンカー送達装置588の近位端にある方位目印によって示すことができるが、適切な回転方向は、アンカー送達装置588の遠位端が確実に正しく方位付けするのを助けるために、医師によって手探りで知覚できる。送達装置588は、望ましい方向を得るために、ガイドカテーテル590 内で、任意の適切な状態に回転、前進、または移動することができる。1つ以上の相補的な方位付け部分592x、592bが、ガイドカテーテルおよびアンカー送達装置の多数のさまざまな実施例を用いて使用できる。
多くの場合、また今度は図12A‐12Dを参照すると、装置653を弁輪組織に対して支持するため、および/またはその組織との接触を向上させ、その組 織に送達を固定するために装置658を弁輪組織に対して押し付けるために、アンカー送達装置658にさらに支持を与えると有利である場合がある。一実施例において、図12Aに示す通り、螺旋状支持部材652アンカー送達装置658の遠位端に連結することができ、心臓壁651と接触し、よってアンカー送達装 置658を弁輪組織に対して支持するため、左心室(あるいは他の実施例においては他の心腔)の中まで延在することができる。代替の実施例において、螺旋状支持部材651は、心臓壁651と接触し、アンカー送達装置658を支持するために、ガイドカテーテル650の外に延在することができる。適切な任意の手 段が、左室またはその他の心室に螺旋状部材652を延在するために使用できる。例えば螺旋状部材652は、一実施例においてガイドカテーテル650の外へ押し出されるが、その代わりにアンカー送達装置658の外へ延在することもできる。螺旋状部材652は、ニチノール、ステンレススチールなどの任意の適切 な材料から作ることができるが、これに限定されない。
代替の実施例において、図12Bに描かれている通り、展開可能なU型支持部材662は、アンカー送達装置668の遠位部に可動的に連結でき、その両方は ガイドカテーテル660を通じて前進できる。ガイドカテーテル660の遠位端外に前進させると、U型部材662は自動的に広がる、あるいはその代わりに、心臓壁の内表面に接触するため、および/または乳頭筋663に接触するために、外側に延在するよう手動で操作することができる。図12Bに示す通り、一実 施例においてU型部材663は乳頭筋663と心臓壁の交差部分に接触し、よってアンカー送達装置668に上方向の支持(先端塗りつぶし矢印)を提供する。この場合もやはり、そのようなU型部材662は、例えば部材662が、ニチノールやバネステンレススチール、または他の形状記憶あるいは超伸縮材料から作 られている場合、ガイドカテーテル660を通じて送達するため、直線構造からU型構造に自動的に変形することができる。または、U型部材662はアンカー送達装置668の遠位端、あるいはその付近に接続できる、あるいはU型部材662をU型に拡張させるために遠位に押しやることができる。代替の実施例にお いて、U型部材662は近位に取り付けることができ、その拡張構造に引っ張ることができる。U型部材662の形状を直線からU型に変えるために、さまざまな実施例で適切な任意の方法が使用できる。
図12Cに示す通り、U型部材662は、場合によっては膨らませることのできるバルーンのような、拡張可能部材667を含むことができる。拡張可能部材 667は、前記弁輪組織との接触を向上させるために、アンカー送達装置668に対してさらに力、および支持を供給するために拡張することができる。別の実施例において、図12Dに示す通り、心臓壁の内表面(先端塗りつぶし矢印)に対して力を提供し、よってアンカー送達装置678を弁輪組織(先端白抜き矢 印)に対して支持するために、複数のバネ部材672をアンカー送達装置678の遠位端に連結できる。従って、本発明のさまざまな実施例には、弁輪組織に対するアンカー送達装置の支持を向上させ、よって前記送達装置が組織アンカーを弁倫に送達する能力を向上させるために、多数の適切な支持装置を含むことがで きる。
今度は図13A−13Cを参照すると、いくつかの実施例において、末端組織アンカー710の弁輪組織VAへの取付を向上させる1つ以上の装置を提供すると有利な場合がある。一般的に、組織アンカーを弁輪組織VAに取り付けるには、まず係留されたアンカー(図示せず)が取り付けられた後、次のアンカーが取 り付けられ、最終あるいは末端アンカー710で終了する。その後係留紐718を引き締め、取り付けられたアンカー間に力を加え(白抜き矢印)、よって弁輪VAを引き締める。係留紐718は、一般的にはその後、末端アンカー710に適切な任意の手段で取り付けられ、そして切断される、またはそうでなければ引 き締められ、係留されたアンカーを所定の位置に、弁輪VAに取り付けたままにして、末端アンカー710の近接に取り外される。末端アンカー710に置かれた張力をいくらか和らげるため、および/またはさらに係留されたアンカーの終端に取付アンカー力を提供するために、1つ以上の施錠部材714を、終端、ま たはその付近で展開することができる。例えば、一実施例において施錠部材714は係留紐718上にスライド可能なように配置されたシリンダーを含み、そのシリンダーの一端からはプロング712が伸びている。施錠部材714は、停止カテーテル、ガイドカテーテルなど(図示せず)の遠位端から展開し、そして係 留紐718に沿って、プロング712が弁輪組織VAと接触し、中に入るようにスライドする。一実施例において、係留紐718上にスライド可能なように配置されたボールのような押し込み部材716は、図13Bに先端塗りつぶし矢印で指定されている通り、施錠部材714を前に押しやり、組織にはめ込むために使 用できる。いくつかの実施例において、施錠部材714は、図13Bおよび13Cに示す通り末端アンカー710とかみあっているが、そのようなかみ合わせは必要とされてはいない。一旦施錠部材714が弁組織VAと完全にかみ合うと、係留紐718は施錠部材714に近位で切断される。いくつかの実施例におい て、押し込み部材716は所定の位置に残るが、別の実施例では、係留紐718の切断の前に取り除くことができる。
さまざまな実施例において、施錠部材に多数の異なる変化を与えることが考えられる。例えば、二又の部材が使用でき、そのプロングは送達位置から拡張構造 へ展開でき、またそのプロングは場合によっては末端アンカー710とかみ合う。別の実施例において、複数のプロングは、例えば熊手のような構造で、施錠部材に沿って直線的に並ばせることもできる。また別の実施例は、末端アンカー710とかみ合う2つのプロング、および弁輪組織VAとかみ合うもう一つのプロ ングを含む。従って、任意の多数の異なる実施例が、本発明の一部として利用できる。そのような施錠部材は、ニチノール、バネステンレススチールおよび/またはその他の形状記憶あるいは超伸縮材料のような、任意の適した材料、あるいはその組合せから組み立てることができる。
図14A−14Fは、アンカー送達装置を僧帽弁MVを治療するための位置へ前進させる方法を示している。僧帽弁弁尖MVLを含む僧帽弁MVは、下から上 を見るように図式的に表されており、装置を環状空間下部552に送達する方法を表している。図14Aでは、図11と同様第一ガイドカテーテル550は、環状空間下部552まで、あるいはその中に拡張していくよう示されている。図14Bに示す通り、1つの方法では、第二ガイドカテーテル554は、第一ガイド カテーテル550を介し、環状空間下部554を通じて/沿って通過するように前進させることができる。この第二ガイドカテーテル554は、一実施例において舵がきき、以下で述べる通り第二ガイドカテーテル554が環状空間下部552に適合するのを助ける。
次に図14Cの通り、ガイド鞘556は第二ガイドカテーテル554を超えて通過し、環状空間下部に沿って延在することができる。鞘556は一般的に、ガ イドカテーテル554を超えて第一ガイドカテーテル550内を通過できる、柔軟性のある管状部材である。通過および交換を向上させるために、これらおよびその他で記載の任意のカテーテル部材、鞘部材、または同等のものが、1つ以上の摩擦耐性のある材料から製造、および/またはそういった材料で覆われること ができる。一旦鞘556が所定の位置に来ると、第二ガイドカテーテル554は図14Dに示す通り、後退してよい。図14Eに示す通り、その後アンカー送達装置558は、鞘556を通じて、僧帽弁MVを治療する位置へ前進させることができる。そして鞘556は、図14Fの通り、アンカー送達装置558を治療を行うための位置に残して、後退させることができ る。弁輪の治療が行われ、広範囲に渡り上述した通り、アンカー送達装置558を後退させることができる。いくつかの実施例において、アンカー送達装置558は弁輪の一部分の治療に使用され、その後別の部分、一般的には反対側に移動し、弁輪の他の部分を治療する。そのような実施例において、今述べた1つ 以上の任意の段階を繰り返すことができる。いくつかの実施例において、アンカー送達装置558は第一ガイドカテーテル550を通じて後退し、今度は第一ガイドカテーテル550が後退する。代替の実施例において、第一ガイドカテーテル550は、アンカー送達装置558の前に後退させることもできる。
さまざまな実施例において、アンカー送達装置558を前記弁輪と接触させるために、代替の手段を使用することもできる。例えば、一実施例において、拡張 可能部材をアンカー送達装置558に連結させ、環状空間下部552内で拡張させる。代替の実施例において、アンカー送達装置558に磁石を連結させることもでき、また別のアンカーを最初の磁石の近位の、冠状静脈洞内に配置することもできる。2つの磁石が互いに引きつけ合い、それにより、アンカー送達装置 558を弁輪により強く接触させる。別の実施例において、延在(あるいは展開)状態のアンカー送達装置558は僧帽弁輪の曲率半径より大きい曲率半径を持つことができ、従って装置558は弁輪に対して働き掛けるようになる。一実施例において、例えば、延在/展開状態の装置558の曲率半径は、僧帽弁輪の曲 率半径より約25%−50%大きい。
さまざまな実施例はまた、アンカー送達装置558に連結された、あるいは装置558と分離した可視化部材を用いて弁輪を可視化することを含むことができ る。いくつかの実施例において、アンカーは、アンカー送達装置558に連結された、しかし弁輪にアンカーを介して貼り付けるために取り外せる、ダクロンのような、取り外し可能な、生体適合性材料でできた細長い一片を通じて操作できる。いくつかの実施例において、前記一片は、弁輪を固定するために引き締める ことができる。その他の実施例において、アンカーは、取り外し可能な、生体適合性のある、前記ガイド鞘556の遠位部を通じて動かすことができ、そしてガイド鞘556はアンカーを介して弁輪に取り付けられたままでよい。この場合もやはり、いくつかの実施例において、取り外された鞘は弁輪固定するために引き 締めることができる。
もちろん、今述べた方法は、アンカー送達装置を弁輪を治療するための場所へ送達する方法の一実施例にすぎない。様々な代替の実施例において、同様の結果 を得るために、1つ以上の段階を追加、削除、または修正することができる。いくつかの実施例において、上部/右心房の位置から僧帽弁を治療するため、あるいは他の心臓弁の治療に、同様の方法を使用できる。加えて、今述べたシステムのその他の装置または修正を、他の実施例で使用することができる。
図15Aおよび15Bを参照すると、舵がきくカテーテル装置560の一実施例が示されている。舵がきくカテーテル装置560は、図14A−14Fを参照 して今述べたような方法に使用できる。例えば、第二ガイドカテーテル554で行ったものと同様な機能を行う際である。その他の実施例において、カテーテル装置560は、他の適切な任意の機能を行うことができる。示したとおり、カテーテル装置560は、適切に近位部562および遠位部564を持つ細長いカ テーテル本体を含む。引張コードのような、しかにこれに限定されない、少なくとも一つの引張部材568が近位部562から遠位部564に伸び、遠位部564および近位部上の少なくとも一つの引張アクチュエータ570/572と連結される。引張アクチュエータ570/572は、張力を適用、また取り除く ために、例えば引張部材568を包み、また包みを開くための取っ手570およびバレル572を含むことができる。引張部材568は、遠位部564と1つ以上の接続点580で連結される。いくつかの実施例において、カテーテル装置560は、近位ハウジング571、柄あるいは同等のものを含み、ハブ576あるいはそ の他の手段を介して、近位部562の近位端に連結される。ハウジング571は、引張アクチュエータ570/572と連結され、液体を注入する、あるいはその他の機能のために、1つ以上のアーム574を含むことができる。前記の実施例において、アーム574およびハウジング571は、カテーテル本体の液体管 腔566と液体が伝達する管腔567を含む。装置560の可視化を向上させるために、例えばカテーテル装置560の遠位先端で対照材料を与えるために、手順中に、液体管腔566を通過して、アーム574を通じて、液体を導入することができる。他の任意の適切な単数または複数の液体は、その他の任意の目的の ために管腔567/566を通過させることができる。別の管腔578は、遠位部564に含まれ、それを通じ、引張部材568が、遠位部564に沿って遠位置に取り付ける前に通過する。
図15Bは、取っ手570およびバレル572を介して、引張部材568に張力を適用することにより、遠位部564に張力が適用された後の、変形/屈曲構 造のカテーテル装置560を示している。遠位部564の屈曲により、弁輪により容易に適合する一方、直線構造のカテーテル装置560は、患者の脈管構造を通じて通過するために、より従順であろう。引張部材568は、ニチノール、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンおよび/またはその他のポリマーのよう な、しかしそれに限定されない、任意の適切な材料またはその組合せから製造される。いくつかの実施例は、遠位部564の形状を複数の方向に変更するために、2つ以上の引張部材56Rおよび/または2つ以上の引張アクチュエータ570/572を含むことができる。代替の実施例において、取っ手570および バレル572は、プルコード、ボタン、レバー、あるいは他のアクチュエータのような、適切な任意の装置で代用できる。また、多様な代替物がさまざまな実施例において、引張部材568に代用できる。例えば、拡張可能部材、形状記憶部材、および/または同等のものが、遠位部564の形状を変更するために使用で きる。
概して、カテーテル本体の近位部562は、遠位部564ほど柔軟ではない。近位部562は、PEBAX、FEP、ナイロン、ポリエチレン、および/また は同等のものといった適切な任意の材料から作られ、剛性および強度を提供するために、ステンレススチールのような網状の材料を含むことができる。遠位部564は、類似のまたはその他の材料で作ることができるが、より柔軟性を提供するために、一般的には網状の材料は含まれない。近位部および遠位部 562/564の両方は、適切な任意の長さ、直径、全体の構造などを持つことができる。一実施例において、前記カテーテル本体は、長さが約140cmで、直径が6フレンチであるが、他の実施例では、その他の適切な任意のサイズを使用することができる。近位部562あるいは遠位部564のどちらか、あるいは 好ましくは両方が、装置560の導入カテーテルの通過を向上させる、および/または鞘、あるいはその他の装置のカテーテル装置560の通過を向上させるために、1つ以上の摩擦耐性のある材料、または減摩剤で作る、あるいは覆うことができる。
図16A−16Eを参照すると、本発明の別の側面には、アンカーの弁輪組織への取付を向上させるために、改善された組織アンカーが含まれる。そのような 改善されたアンカーには、一般的にアンカーが引き締められた係留紐からの張力下に置かれる場合、アンカーが組織から引き抜かれるのを防ぐのを助ける、および/またはさらに取付を向上させるために、アンカーの組織成長を向上させるのを助ける、1つ以上の特徴が含まれる。一実施例において、図16Aに示す通 り、組織アンカー810は、外向きに面したフック812、あるいはアンカー810の2つのアームの両端に屈曲を含む。別の実施例において、図16Bの通り、組織アンカー820は内向きに面したフック822を含む。関連する実施例において、図16Dに示す通り、組織アンカー840は、複数の屈曲842を含 む。これらの実施例のいずれにおいても、フック812、822、または屈曲842は、アンカー810、820、840の組織への取付を向上させ、従ってアンカーの引き抜きを防ぐことが分かった。別の実施例において、図16Cに示す通り、組織アンカー830の2つのアームは、取付点832に取り付けられる。取 付点832は、はんだ付け、あるいは同等のものといった適切な任意の技術によって形成することができる。別の実施例において、図16Eの通り、ベルト852は、アンカーの2つのアームを一緒に保持するために、組織アンカー850上に配置することができる。図16Cおよび16Eに示した実施例のいずれに おいても、アンカーの2つのアームを一緒に保持することで、アンカー830、850の組織からの引き抜きが減少することが分かった。
今述べた実施例、あるいは代替の実施例において、組織アンカーはまた、アンカーの細胞内への成長および/または封入を向上させるためにデザインされた1 つ以上の特徴を有することができる。そのような特徴には、例えば塗面、多孔性の表面、および/または粗面、ポリエステルのバンドまたはベルトのような取付部分、あるいはその他の適切な任意の表面特徴、あるいは追加特徴を含むことができる。組織アンカーの封入を促進することにより、アンカーの組織への取付強 度が向上する。
今度は図17A−17Cを参照すると、多くの実施例において、自己形成アンカー900は、図17Aに示す通り、送達装置に直線構造で、係留紐902に連 結されて、保存される。基本的にアンカー900は、それらの自然な構造では湾曲しているが、直線構造に保持、あるいは抑制される。従って、直線にされたアンカー900が前記送達装置から組織Tに解放されると、アンカー900は図17Bに示す通り、直線にされた状態で潜在的にエネルギーが保存され、またアン カー900のそれぞれのアーム901が、図解の通りアームの先端を組織内に動かす傾向性のため、それ自身を組織T内に引き込む。アーム901は接点903で交わる。それぞれのアーム901は、もう一方のアームに支えられ、各アーム901上に組織Tによって加えられた力は、もう一方のアーム901に対抗し、 ここで前記アームは、互いに交わる。これにより、ホチキスなどを使用する際に必要な、アンカーを操作する装置の必要性がなくなり、従って、アセンブリや方法が大幅に簡素化できる。加えて、またアーム901を互いに支えあうことで、組織のたわみに関連する問題を減らす、あるいは解消するのに役立つ。図17B の先端白抜き矢印で示す通り、前記アンカー900は、その自然の湾曲した形状をとり、垂直、水平、また湾曲した方向に力を加えるため、それ自身を組織Tに引き込む。最後に、組織内に自身を引き込み、自然な形状をとった後、図17Cの通り、アンカー900は組織Tに埋め込まれる。
代替の実施例において、図18に示す通り、アンカー910は、1つの湾曲したアームと1つの真っ直ぐなアームを持つこともできる。そのようなアンカー 910は、やはりそれ自身を組織Tに引き込むであろうし、それによってそれ自身を埋め込み、係留紐912を組織Tと同一平面上に位置する。
今度は図19Aを参照すると、弁輪アンカー装置のいくつかの実施例は、アンカー922、係留紐924、係留紐924に連結された遠位で力を加える部材 927、停止部材926、そして係留紐924上および近接したアンカー922間に配置された1つ以上の力を分配するスリーブ420を含むことができる。一実施例において、示す通り、個別のスリーブ920を、2つの近接するアンカー922aと922bの間に配置することもできる。場合によっては追加のスリー ブ920を、アンカー922bや922cのような、別の1組の2つのアンカーの間に配置することもできる。図19Aでは、簡素化するために3つのアンカー922のみを示してあるが、アンカー間の任意の数のアンカー922およびスリーブ920を、さまざまな実施例で使用することができる。スリーブ920は、 2つの近接するアンカー922の間に加えられた力を分配するために働き、係留紐924に力が加えられた際、そのようなアンカー922が組織から引き抜かれるのを防ぐのを助ける。スリーブ922は、金属のような、しかしそれに限定されない、ニチノール、ポリマー、繊維や同等のもののような、適切な任意の材料から作ることができる。スリーブ922は、中身のつまった円筒形の部材であってもよいし、あるいは代わって、ステントのように、切り抜きのある形態でもよく、あるいはうねの ある、織られた、網状の、多孔性、非多孔性あるいはその他の適切な任意の材料、形態、構造あるいは同等のもので作ることもできる。スリーブ920は基本的に硬く、軸方向には非圧縮性を持ってもよいが、他の実施例においては、軸方向に圧縮できてもよい。一実施例において、スリーブ920は、係留紐924はス リーブ922によって取り囲まれないように、2つの輪からなり、近接する2つのアンカー922を配置し、前記輪は棒あるいはシャフトで接続されることもできる。
今度は図19Bを参照すると、代替の実施例において、スリーブ930は1つ以上のアンカー932間に伸びるよう、係留紐934上に位置することができ る。そのようなスリーブ930は、従って、アンカーが組織から引き抜かれるのを防ぐのを助けるために、停止部材936と力を加える部材937との間に加えられた力を分配することができる。そのようなスリーブ930は、1つ以上の開口部を含むことができ、そこから1つ以上の中間アンカーが延長できる。この場 合もやはり、スリーブ930は適切な、任意の構造、サイズ、形状あるいは同等のものを有することができ、適切な任意の材料あるいは材料の組み合わせから作ることができる。スリーブ930は、さまざまな実施例において、3つ、4つ、5つ、あるいは適切な任意の数のアンカー932間に延長できる。代替の実施例 において、スリーブ930は、1つ以上のアンカー932により貫通され、よって弁輪組織に取り付けられる。
前述は本発明の完全で正確な説明であるが、上記の説明は、例を示す目的のために提供されているだけであり、本発明の適用範囲から外れることなく、述べた 実施例に変化を与えることができる。従って、上記の説明は、添付の請求項で述べている通り、本発明の適用範囲を制限するように理解されるべきではない。

Claims (30)

  1. 心臓弁輪の組織に対して手順を実施するシステムであって、
    近位部分および成形遠位部分を有する柔軟で細長いカテーテルであって、該遠位部分は複数の開口部を有し、各開口部はアンカーが通過するための大きさであり、および、そこを通る係留紐の通路のための長いスリットを有する、カテーテルと、
    該カテーテル内に配置される少なくとも1つの係留された組織アンカーと、
    該各開口部を通過して係留されたアンカーをその後に展開するよう構成されたアンカー接触部材と、を有する、システム。
  2. 前記組織アンカーの心臓弁輪の組織への取り付けを強化するための少なくとも1つの停止部材をさらに備え、該少なくとも1つの停止部材が、前記係留紐にスライド可能に連結され得る、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記成形遠位部分が、1.3mmと3.8mmとの間の曲率半径を持つ第1の屈曲を備える、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記成形遠位部分がさらに第2の屈曲を備える、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記細長いカテーテルを弁輪組織と接触させるよう送達するように構成されたガイドカテーテルをさらに備え、
    該ガイドカテーテルは、該細長いカテーテルの第1および第2の屈曲の少なくとも1つに対応する少なくとも1つの屈曲を有する、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記細長いカテーテルにおける第1および第2の屈曲が、前記ガイドカテーテルにおいて対応する第1および第2の屈曲に対応する、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記少なくとも1つの開口部が前記弁輪組織に接触するように、前記細長いカテーテルが、前記ガイドカテーテルに配向するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記第1および第2の屈曲が、前記カテーテルの最遠位部分を、前記遠位部分にすぐ隣接する前記カテーテルの前記近位部分に対して45°と90°との間の方向に向ける、請求項4に記載のシステム。
  9. 前記第2の屈曲が心臓弁の曲率半径より大きい曲率半径を持ち、その大きい曲率半径により前記遠位部分が前記弁輪組織に対して外側に押し付けられる、請求項4に記載のシステム。
  10. 前記カテーテルを通過し得る可視化装置をさらに備え、該可視化装置は、超音波装置、カメラ、内視鏡および光ファイバー装置からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記アンカーに接続される係留紐を切断するための、少なくとも1つの切断部材をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記係留された組織アンカーの係留紐が、カテーテルのルーメン内に長手方向に延びる、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記アンカー接触部材が、加圧部材、ボール、板、アンカー、フック、プランジャ、およびコードからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記カテーテルが、大動脈を通過して心臓の左心室へ進めることを許容するサイズを有する、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記カテーテルが、交差部分の組織の複数の開口を向くように形成された楕円形の断面形状を有する、請求項1に記載のシステム。
  16. 1つ以上の装置を、交差部分での組織の長さと接触するように設置することを容易にするシステムであって、
    該装置は、遠位部分と、シース配向部分とを有し、該シース配向部分は予備成形の屈曲形状を有し、
    ガイドシースが該交差部分の周りで該遠位部分に配置するよう構成され、
    該交差部分での組織の長さと接触する該ガイドシースを通して、スライドして延長可能である細長い装置を有し、該細長い装置は、遠位端および装置配向部分を有し、該装置配向部分は、シースおよび装置配向部分が配列するように、シース配向部分の屈曲形状に予め相補的な屈曲形状を有し、
    該シースおよび装置配向部分は相補的な内部係合を形成し得る、システム。
  17. 前記装置配向部分が、前記シースの配向部の曲率半径とほぼ同じかまたはそれより大きい曲率半径を有する、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記シースおよび装置配向部分が、可視的に配列されるように構成される配向マーカーを備える、請求項16に記載のシステム。
  19. 前記シースの配置および装置配向部分の配置が、触って感知される、請求項16に記載のシステム。
  20. 前記細長い装置がアンカー送達装置であり、該アンカー送達装置が、カテーテルの近位端または遠位端でハウジングを有する細長いカテーテルを備え、
    該アンカー送達装置が、前記ガイドシースを通過することができ、前記交差部分での組織の長さに接触して前記アンカーを適用する、請求項16に記載のシステム。
  21. 前記ガイドシースを通過することができ、前記交差部分での組織の長さの可視化を容易にする可視化装置をさらに備え、該可視化装置は、超音波装置、カメラ、内視鏡および光ファイバー装置からなる群から選択される、請求項16に記載のシステム。
  22. 前記細長い装置が、複数の異なるアンカー送達部位を有する、請求項16に記載のシステム。
  23. 前記シース配向部分が、選択した形状で設置可能であり、前記装置配向部分が、選択した形状で設置可能であり、これにより、該選択した形状が、複数の異なる平面で、1以上の屈曲した部分を有する、請求項16に記載のシステム。
  24. 前記細長いカテーテルのハウジングが、形状変化部分を含む、請求項20に記載のシステム。
  25. 前記シース配向部分が、選択した形状で設置可能であり、
    前記装置配向部分が、選択した形状で設置可能であり、
    これにより、前記選択した形状の前記シースおよびアンカー送達装置配向部分が、該シースおよび装置配向部分が軸方向に配列される際に、該シースおよび装置配向部分に相補的な回転方向をとらせる傾向がある、請求項20に記載のシステム。
  26. 前記シース配向部分が、前記ガイドシースの遠位部分に配置される、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記装置配向部分が、前記アンカー送達装置のカテーテルの遠位端から離れた位置に配置される、請求項25に記載のシステム。
  28. 前記選択した形状が、第1屈曲部分および第2屈曲部分を備える、請求項25に記載のシステム。
  29. 前記選択した形状が、第1平面の第1屈曲部分および第2平面の第2屈曲部分を備える、請求項25に記載のシステム。
  30. 前記選択した形状が、第1平面の第1屈曲部分および第2平面の第2屈曲部分を備え、該第1および第2平面は異なる平面である、請求項25に記載のシステム。
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