JP2012085211A - 画像処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像符号化の負荷を低減させることができるようにする。
【解決手段】フィルタ制御部501は、適応ループフィルタ処理対象の画像のタイプに関する情報に基づいて、適応ループフィルタのオン/オフを決定する。ON/OFF部511は、フィルタ制御部501から供給されるON/OFF情報の値に従って、フィルタ係数算出部512の動作を制御する。フィルタ係数算出部512は、ON/OFFフラグがオンである場合、適応ループフィルタ処理のフィルタ係数を算出する。フィルタリング部513は、そのフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタ111から供給されるデブロックフィルタ処理後の画像に対して、適応ループフィルタ処理を行う。本発明は、例えば、画像処理装置に適用することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、画像符号化の負荷を低減させることができるようにした画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
近年、画像情報をデジタルとして取り扱い、その際、効率の高い情報の伝送、蓄積を目的とし、画像情報特有の冗長性を利用して、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償により圧縮するMPEG(Moving Picture Experts Group)などの方式に準拠した装置が、放送局などの情報配信、及び一般家庭における情報受信の双方において普及しつつある。
特に、MPEG2(ISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission) 13818-2)は、汎用画像符号化方式として定義されており、飛び越し走査画像及び順次走査画像の双方、並びに標準解像度画像及び高精細画像を網羅する標準で、プロフェッショナル用途及びコンシューマ用途の広範なアプリケーションに現在広く用いられている。MPEG2圧縮方式を用いることにより、例えば720×480画素を持つ標準解像度の飛び越し走査画像であれば4Mbps乃至8Mbpsの符号量(ビットレート)、1920×1088画素を持つ高解像度の飛び越し走査画像であれば18Mbps乃至22Mbpsの符号量(ビットレート)を割り当てることで、高い圧縮率と良好な画質の実現が可能である。
MPEG2は主として放送用に適合する高画質符号化を対象としていたが、MPEG1より低い符号量(ビットレート)、つまりより高い圧縮率の符号化方式には対応していなかった。携帯端末の普及により、今後そのような符号化方式のニーズは高まると思われ、これに対応してMPEG4符号化方式の標準化が行われた。画像符号化方式に関しては、1998年12月にISO/IEC 14496-2としてその規格が国際標準に承認された。
更に、近年、当初テレビ会議用の画像符号化を目的として、H.26L (ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) Q6/16 VCEG(Video Coding Expert Group))という標準の規格化が進んでいる。H.26LはMPEG2やMPEG4といった従来の符号化方式に比べ、その符号化、復号化により多くの演算量が要求されるものの、より高い符号化効率が実現されることが知られている。また、現在、MPEG4の活動の一環として、このH.26Lをベースに、H.26Lではサポートされない機能をも取り入れ、より高い符号化効率を実現する標準化がJoint Model of Enhanced-Compression Video Codingとして行われている。
標準化のスケジュールとしては、2003年3月にはH.264及びMPEG-4 Part10 (Advanced Video Coding、以下AVCと記す)という名の元に国際標準となった。
更に、その拡張として、RGBや4:2:2、4:4:4といった、業務用に必要な符号化ツールや、MPEG2で規定されていた8×8DCTや量子化マトリクスをも含んだFRExt(Fidelity Range Extension)の標準化が2005年2月に完了し、これにより、AVCを用いて、映画に含まれるフィルムノイズをも良好に表現することが可能な符号化方式となって、Blu-Ray Disc等の幅広いアプリケーションに用いられる運びとなった。
しかしながら、昨今、ハイビジョン画像の4倍の、4096×2048画素程度の画像を圧縮したい、或いは、インターネットのような、限られた伝送容量の環境において、ハイビジョン画像を配信したいといった、更なる高圧縮率符号化に対するニーズが高まっている。このため、先述の、ITU-T傘下のVCEGにおいて、符号化効率の改善に関する検討が継続され行なわれている。
ところで、4000×2000画素といった、更に高い解像度の画像の伝送や、既存のハイビジョン画像を、インターネットのような限られたバンド幅の回線において伝送する場合、AVCにより実現される圧縮率ではまだ不十分である。このため、ITU-T傘下のVCEG(Video Coding Expert Group)という団体において、更なる符号化効率の改善が行なわれている(例えば非特許文献1参照)。
かかる符号化効率改善の1手法として、非特許文献1において、適応ループフィルタ(ALF(Adaptive Loop Filter))という手法が提案されている。
Takeshi. Chujoh, et al., "Block-based Adaptive Loop Filter" ITU-T SG16 Q6 VCEG Contribution, AI18, Germany, July, 2008
しかしながら、当該シーケンスに含まれる、全てのピクチャやスライスに対し、非特許文献1において提案されている適応ループフィルタを適用するには、多大な演算量が必要となり、画像符号化処理の負荷が増大する恐れがあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、画質劣化の増大を抑制しながら適応ループフィルタの負荷を低減させることにより、この適応ループフィルタ処理を行うことによる画像符号化処理の負荷の増大を抑制することができるようにすることを目的とする。
本発明の一側面は、画像データに対して行われる適応フィルタ処理の動作を、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて制御するフィルタ制御手段と、動き補償ループ内において、前記フィルタ制御手段により制御されて、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行うフィルタ処理手段とを備える画像処理装置である。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照される場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照されない場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御することができる。
前記画像データはピクチャ単位のデータであり、前記フィルタ制御手段は、前記ピクチャのタイプに応じて、前記画像データに対する前記適応フィルタ処理の動作を制御することができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがPピクチャおよびBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御することができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIピクチャもしくはPピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御することができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データが、階層Bピクチャを含む画像データのIピクチャ、Pピクチャ、若しくは、参照されるBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データが、階層Bピクチャを含む画像データの参照されないBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御することができる。
前記画像データはスライス単位のデータであり、前記フィルタ制御手段は、前記スライスのタイプに応じて、前記画像データに対する前記適応フィルタ処理の動作を制御することができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがPスライスおよびBスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御することができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIスライスもしくはPスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御することができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データが、階層Bスライスを含む画像データのIスライス、Pスライス、若しくは、参照されるBスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データが、階層Bピクチャを含む画像データの参照されないBスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御することができる。
前記適応フィルタ処理された画像データを符号化する符号化手段をさらに備え、前記符号化手段は、前記適応フィルタ処理のフィルタ係数および前記適応フィルタ処理を行う否かを示すフラグ情報を符号化し、前記画像データの符号化データに付加することができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて、前記適応フィルタ処理のフィルタ係数のタップ長を制御し、前記フィルタ処理手段は、前記フィルタ制御手段により制御されたタップ長のフィルタ係数を用いて、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行うことができる。
前記フィルタ制御手段は、前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照される場合、前記タップ長を長くするように制御し、前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照されない場合、前記タップ長を短くするように制御することができる。
本発明の一側面は、また、画像処理装置のフィルタ制御手段が、画像データに対して行われる適応フィルタ処理の動作を、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて制御し、前記画像処理装置のフィルタ処理手段が、動き補償ループ内において、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行う画像処理方法である。
本発明の一側面は、さらに、コンピュータを、画像データに対して行われる適応フィルタ処理の動作を、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて制御するフィルタ制御手段、動き補償ループ内において、前記フィルタ制御手段により制御されて、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行うフィルタ処理手段として機能させるためのプログラムである。
本発明の一側面においては、画像データに対して行われる適応フィルタ処理の動作が、画像データの、所定のデータ単位毎の種類に応じて制御され、動き補償ループ内において、画像データに対して適応フィルタ処理が行われる。
本発明によれば、画像を処理することができる。特に、画質劣化の増大を抑制しながら画像符号化処理の負荷を低減させることができる。
AVC符号化方式に基づく画像圧縮情報を出力する画像符号化装置を示すブロック図である。 AVC符号化方式に基づく画像圧縮情報を入力とする画像復号装置を示すブロック図である。 デブロックフィルタの動作原理を説明する図である。 Bsの定義の方法を説明する図である。 デブロックフィルタの動作原理を説明する図である。 indexAおよびindexBとαおよびβの値の対応関係の例を示す図である。 BsおよびindexAとtC0との対応関係の例を示す図である。 適応ループフィルタを適用した画像符号化装置の一部の構成例を示すブロック図である。 適応ループフィルタを適用した画像復号装置の一部の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した画像符号化装置の主な構成例を示すブロック図である。 適応ループフィルタの主な構成例を示すブロック図である。 適応ループフィルタのON/OFF制御の様子の例を説明する図である。 適応ループフィルタのON/OFF制御の様子の、他の例を説明する図である。 スライスヘッダのシンタックスの例を説明する図である。 適応ループフィルタのパラメータのシンタックスの例を説明する図である。 適応ループフィルタのパラメータのシンタックスの例を説明する、図15に続く図である。 適応ループフィルタのパラメータのシンタックスの例を説明する、図16に続く図である。 符号化処理の流れの例を説明するフローチャートである。 適応ループフィルタ処理の流れの例を説明するフローチャートである。 適応ループフィルタの他の構成例を示すブロック図である。 適応ループフィルタ処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。 マクロブロックの例を説明する図である。 本発明を適用したパーソナルコンピュータの主な構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したテレビジョン受像機の主な構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した携帯電話機の主な構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したハードディスクレコーダの主な構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したカメラの主な構成例を示すブロック図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(画像符号化装置)
2.第2の実施の形態(画像符号化装置)
3.第3の実施の形態(パーソナルコンピュータ)
4.第4の実施の形態(テレビジョン受像機)
5.第5の実施の形態(携帯電話機)
6.第6の実施の形態(ハードディスクレコーダ)
7.第7の実施の形態(カメラ)
<1.第1の実施の形態>
[AVC符号化方式の画像符号化装置]
図1は、AVC符号化方式により画像を符号化する画像符号化装置の一実施の形態の構成を表している。
図1に示される画像符号化装置100は、AVC規格に基づいた符号化方式で画像を符号化し、出力する装置である。図1に示されるように、画像符号化装置100は、A/D変換部101、画面並べ替えバッファ102、演算部103、直交変換部104、量子化部105、可逆符号化部106、および蓄積バッファ107を有する。また、画像符号化装置100は、逆量子化部108、逆直交変換部109、演算部110、デブロックフィルタ111、フレームメモリ112、選択部113、イントラ予測部114、動き予測・補償部115、選択部116、およびレート制御部117を有する。
A/D変換部101は、入力された画像データをA/D変換し、画面並べ替えバッファ102に出力し、記憶させる。画面並べ替えバッファ102は、記憶した表示の順番のフレームの画像を、GOP(Group of Picture)構造に応じて、符号化のためのフレームの順番に並べ替える。画面並べ替えバッファ102は、フレームの順番を並び替えた画像を、演算部103に供給する。また、画面並べ替えバッファ102は、フレームの順番を並び替えた画像を、イントラ予測部114および動き予測・補償部115にも供給する。
演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、選択部116を介してイントラ予測部114若しくは動き予測・補償部115から供給される予測画像を減算し、その差分情報を直交変換部104に出力する。
例えば、イントラ符号化が行われる画像の場合、演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、イントラ予測部114から供給される予測画像を減算する。また、例えば、インター符号化が行われる画像の場合、演算部103は、画面並べ替えバッファ102から読み出された画像から、動き予測・補償部115から供給される予測画像を減算する。
直交変換部104は、演算部103から供給される差分情報に対して、離散コサイン変換、カルーネン・レーベ変換等の直交変換を施し、その変換係数を量子化部105に供給する。
量子化部105は、直交変換部104が出力する変換係数を量子化する。量子化部105は、レート制御部117から供給される符号量の目標値に関する情報に基づいて量子化パラメータを設定し、量子化を行う。量子化部105は、量子化された変換係数を可逆符号化部106に供給する。
可逆符号化部106は、その量子化された変換係数に対して、可変長符号化、算術符号化等の可逆符号化を施す。係数データは、レート制御部117の制御の下で量子化されているので、この符号量は、レート制御部117が設定した目標値となる(若しくは目標値に近似する)。
可逆符号化部106は、イントラ予測を示す情報などをイントラ予測部114から取得し、インター予測モードを示す情報や動きベクトル情報などを動き予測・補償部115から取得する。なお、イントラ予測(画面内予測)を示す情報は、以下、イントラ予測モード情報とも称する。また、インター予測(画面間予測)を示す情報モードを示す情報は、以下、インター予測モード情報とも称する。
可逆符号化部106は、量子化された変換係数を符号化するとともに、フィルタ係数、イントラ予測モード情報、インター予測モード情報、および量子化パラメータなどの各種情報を、符号化データのヘッダ情報の一部とする(多重化する)。可逆符号化部106は、符号化して得られた符号化データを蓄積バッファ107に供給して蓄積させる。
例えば、可逆符号化部106においては、可変長符号化または算術符号化等の可逆符号化処理が行われる。可変長符号化としては、H.264/AVC方式で定められているCAVLC(Context-Adaptive Variable Length Coding)などがあげられる。算術符号化としては、CABAC(Context-Adaptive Binary Arithmetic Coding)などがあげられる。
蓄積バッファ107は、可逆符号化部106から供給された符号化データを、一時的に保持し、所定のタイミングにおいて、H.264/AVC方式で符号化された符号化画像として、例えば、後段の図示せぬ記録装置や伝送路などに出力する。
また、量子化部105において量子化された変換係数は、逆量子化部108にも供給される。逆量子化部108は、その量子化された変換係数を、量子化部105による量子化に対応する方法で逆量子化する。逆量子化部108は、得られた変換係数を、逆直交変換部109に供給する。
逆直交変換部109は、供給された変換係数を、直交変換部104による直交変換処理に対応する方法で逆直交変換する。逆直交変換された出力(復元された差分情報)は、演算部110に供給される。
演算部110は、逆直交変換部109より供給された逆直交変換結果、すなわち、復元された差分情報に、選択部116を介してイントラ予測部114若しくは動き予測・補償部115から供給される予測画像を加算し、局部的に復号された画像(復号画像)を得る。
例えば、差分情報が、イントラ符号化が行われる画像に対応する場合、演算部110は、その差分情報にイントラ予測部114から供給される予測画像を加算する。また、例えば、差分情報が、インター符号化が行われる画像に対応する場合、演算部110は、その差分情報に動き予測・補償部115から供給される予測画像を加算する。
その加算結果は、デブロックフィルタ111またはフレームメモリ112に供給される。
デブロックフィルタ111は、適宜デブロックフィルタ処理を行うことにより復号画像のブロック歪を除去するとともに、例えばウィナーフィルタ(Wiener Filter)を用いて適宜ループフィルタ処理を行うことにより画質改善を行う。デブロックフィルタ111は、各画素をクラス分類し、クラスごとに適切なフィルタ処理を施す。デブロックフィルタ111は、そのフィルタ処理結果をフレームメモリ112に供給する。
フレームメモリ112は、所定のタイミングにおいて、蓄積されている参照画像を、選択部113を介してイントラ予測部114または動き予測・補償部115に出力する。
例えば、イントラ符号化が行われる画像の場合、フレームメモリ112は、参照画像を、選択部113を介してイントラ予測部114に供給する。また、例えば、インター符号化が行われる場合、フレームメモリ112は、参照画像を、選択部113を介して動き予測・補償部115に供給する。
選択部113は、フレームメモリ112から供給される参照画像がイントラ符号化を行う画像である場合、その参照画像をイントラ予測部114に供給する。また、選択部113は、フレームメモリ112から供給される参照画像がインター符号化を行う画像である場合、その参照画像を動き予測・補償部115に供給する。
イントラ予測部114は、画面内の画素値を用いて予測画像を生成するイントラ予測(画面内予測)を行う。イントラ予測部114は、複数のモード(イントラ予測モード)によりイントラ予測を行う。
H.264画像情報符号化方式において、輝度信号に対しては、イントラ4×4予測モード、イントラ8×8予測モード及びイントラ16×16予測モードが定義されており、また、色差信号に関しては、それぞれのマクロブロックごとに、輝度信号とは独立した予測モードを定義することが可能である。イントラ4×4予測モードについては、それぞれの4×4輝度ブロックに対して、イントラ8×8予測モードについては、それぞれの8×8輝度ブロックに対して、1つのイントラ予測モードが定義されることになる。イントラ16×16予測モード、並びに、色差信号に対しては、1つのマクロブロックに対して、それぞれ1つの予測モードが定義されることになる。
イントラ予測部114は、全てのイントラ予測モードで予測画像を生成し、各予測画像を評価し、最適なモードを選択する。イントラ予測部114は、最適なイントラ予測モードを選択すると、その最適なモードで生成された予測画像を、選択部116を介して演算部103や演算部110に供給する。
また、上述したように、イントラ予測部114は、採用したイントラ予測モードを示すイントラ予測モード情報等の情報を、適宜可逆符号化部106に供給する。
動き予測・補償部115は、インター符号化が行われる画像について、画面並べ替えバッファ102から供給される入力画像と、選択部113を介してフレームメモリ112から供給される参照画像とを用いて、動き予測を行い、検出された動きベクトルに応じて動き補償処理を行い、予測画像(インター予測画像情報)を生成する。
動き予測・補償部115は、候補となる全てのインター予測モードのインター予測処理を行い、予測画像を生成する。動き予測・補償部115は、生成された予測画像を、選択部116を介して演算部103や演算部110に供給する。
また、動き予測・補償部115は、採用されたインター予測モードを示すインター予測モード情報や、算出した動きベクトルを示す動きベクトル情報を可逆符号化部106に供給する。
選択部116は、イントラ符号化を行う画像の場合、イントラ予測部114の出力を演算部103や演算部110に供給し、インター符号化を行う画像の場合、動き予測・補償部115の出力を演算部103や演算部110に供給する。
レート制御部117は、蓄積バッファ107に蓄積された圧縮画像に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部105の量子化動作のレートを制御する。
[AVC符号化方式の画像復号装置]
図2は、離散コサイン変換若しくはカルーネン・レーベ変換等の直交変換と動き補償により画像圧縮を実現する画像復号装置の主な構成例を示すブロック図である。図9に示される画像復号装置200は、画像符号化装置100に対応する復号装置である。
画像符号化装置100より符号化された符号化データは、例えば、所定の伝送路を介して、この画像符号化装置100に対応する画像復号装置200に供給され、復号される。
図2に示されるように、画像復号装置200は、蓄積バッファ201、可逆復号部202、逆量子化部203、逆直交変換部204、演算部205、デブロックフィルタ206、画面並べ替えバッファ207、およびD/A変換部208を有する。また、画像復号装置200は、フレームメモリ209、選択部210、イントラ予測部211、動き予測・補償部212、および選択部213を有する。
蓄積バッファ201は、伝送されてきた符号化データを蓄積する。この符号化データは、画像符号化装置100により符号化されたものである。可逆復号部202は、蓄積バッファ201から所定のタイミングで読み出された符号化データを、図1の可逆符号化部106の符号化方式に対応する方式で復号する。
また、当該フレームがイントラ符号化されたものである場合、符号化データのヘッダ部にはイントラ予測モード情報が格納されている。可逆復号部202は、このイントラ予測モード情報も復号し、その情報をイントラ予測部211に供給する。これに対して、当該フレームがインター符号化されたものである場合、符号化データのヘッダ部には動きベクトル情報が格納されている。可逆復号部202は、この動きベクトル情報も復号し、その情報を動き予測・補償部212に供給する。
逆量子化部203は、可逆復号部202により復号されて得られた係数データ(量子化係数)を、図1の量子化部105の量子化方式に対応する方式で逆量子化する。つまり、逆量子化部203は、図1の逆量子化部108と同様の方法で量子化係数の逆量子化を行う。
逆量子化部203は、逆量子化された係数データ、つまり、直交変換係数を、逆直交変換部204に供給する。逆直交変換部204は、図1の直交変換部104の直交変換方式に対応する方式(図1の逆直交変換部109と同様の方式)で、その直交変換係数を逆直交変換し、画像符号化装置100において直交変換される前の残差データに対応する復号残差データを得る。
逆直交変換されて得られた復号残差データは、演算部205に供給される。また、演算部205には、選択部213を介して、イントラ予測部211若しくは動き予測・補償部212から予測画像が供給される。
演算部205は、その復号残差データと予測画像とを加算し、画像符号化装置100の演算部103により予測画像が減算される前の画像データに対応する復号画像データを得る。演算部205は、その復号画像データをデブロックフィルタ206に供給する。
デブロックフィルタ206は、供給された復号画像のブロック歪を除去した後、画面並べ替えバッファ207に供給する。
画面並べ替えバッファ207は、画像の並べ替えを行う。すなわち、図1の画面並べ替えバッファ102により符号化の順番のために並べ替えられたフレームの順番が、元の表示の順番に並べ替えられる。D/A変換部208は、画面並べ替えバッファ207から供給された画像をD/A変換し、図示せぬディスプレイに出力し、表示させる。
デブロックフィルタ206の出力は、さらに、フレームメモリ209に供給される。
フレームメモリ209、選択部210、イントラ予測部211、動き予測・補償部212、および選択部213は、画像符号化装置100のフレームメモリ112、選択部113、イントラ予測部114、動き予測・補償部115、および選択部116にそれぞれ対応する。
選択部210は、インター処理される画像と参照される画像をフレームメモリ209から読み出し、動き予測・補償部212に供給する。また、選択部210は、イントラ予測に用いられる画像をフレームメモリ209から読み出し、イントラ予測部211に供給する。
イントラ予測部211には、ヘッダ情報を復号して得られたイントラ予測モードを示す情報等が可逆復号部202から適宜供給される。イントラ予測部211は、この情報に基づいて、フレームメモリ209から取得した参照画像から予測画像を生成し、生成した予測画像を選択部213に供給する。
動き予測・補償部212は、ヘッダ情報を復号して得られた情報(予測モード情報、動きベクトル情報、参照フレーム情報、フラグ、および各種パラメータ等)を可逆復号部202から取得する。
動き予測・補償部212は、可逆復号部202から供給されるそれらの情報に基づいて、フレームメモリ209から取得した参照画像から予測画像を生成し、生成した予測画像を選択部213に供給する。
選択部213は、動き予測・補償部212またはイントラ予測部211により生成された予測画像を選択し、演算部205に供給する。
[直交変換]
ところで、AVC符号化方式においては、直交変換方式として、Baseline Profile、Extended Profile、Main Profileでは4×4直交変換のみ用いることが可能であり、High Profile以上においては、図3に示されるように、画面内で、4×4直交変換と、8×8直交変換を切り替えて用いることができる。
[デブロックフィルタ]
ところで、AVC符号化方式においては、図1及び図2に示された通り、ループ内にデブロックフィルタを含む。これにより、復号画像におけるブロック歪を除去すると共に、動き補償処理により、これを参照する画像に、ブロック歪が伝播するのを防ぐという効果を有する。
以下では、AVC符号化方式におけるデブロックフィルタにおける動作原理について述べる。
デブロックフィルタの処理としては、画像圧縮情報に含まれる、Picture Parameter Set RBSPに含まれるdeblocking_filter_control_present_flag、及び、Slice Headerに含まれるdisable_deblocking_filter_idcという2つのパラメータに拠って、以下の3通りが指定可能である。
(a)ブロック境界、及びマクロブロック境界に施す
(b)Macroblock境界にのみ施す
(c)施さない
量子化パラメータQPについては、以下の処理を輝度信号に対して適用する場合は、QPYを、色差信号に対して適用する場合はQPCを用いる。また、動きベクトル符号化、イントラ予測、エントロピー符号化(CAVLC/CABAC)においては、異なるスライスに属する画素値は"not available"(使用不可)として処理するが、デブロックフィルタ処理においては、異なるスライスに属する画素値でも、同一のピクチャに属する場合は"available"(使用可)であるとして処理を行う。
以下では、図3に示すように、デブロックフィルタ処理前の画素値をp0〜p3、q0〜q3とし、処理後の画素値をp0'〜p3'、q0'〜q3'とする。
デブロックフィルタ処理に先立ち、図3におけるp及びqに対して、図4に示されるように、Bs (Boundary Strength) が定義される。
図3における(p2,p1,p0,q0,q1,q2)は、以下の2つの条件(式(1)および式(2))が成立する場合のみ、デブロックフィルタ処理が施される。
Bs > 0 ・・・(1)
|p0-q0| < α; |p1-p0| < β; |q1-q0| < β ・・・(2)
式(2)のα、βは、デフォルトでは以下のようにQPに応じてその値が定められているが、画像亜圧縮情報中の(符号化データに含まれる)、スライスヘッダ(Slice Header)に含まれる、「slice_alpha_c0_offset_div2」及び「slice_beta_offset_div2」という2つのパラメータに拠って、図5に示される通り、ユーザがその強度を調整することができる。
図6において、indexAとindexBは以下の式(3)乃至式(5)のように定義される。
Figure 2012085211
・・・(3)
Figure 2012085211
・・・(4)
Figure 2012085211
・・・(5)
上の式(3)乃至(5)において、「FilterOffsetA」及び「FilterOffsetB」が、ユーザによる調整分に相当する。
デブロックフィルタ処理は、以下のように(1)Bs<4の場合と(2)Bs=4の場合とで、異なる方法が定義されている。
Bs<4の場合、デブロックフィルタ処理後の画素値p'0及びq'0 は、以下の式(6)乃至式(8)のように求められる。
Figure 2012085211
・・・(6)
Figure 2012085211
・・・(7)
Figure 2012085211
・・・(8)
ここで、tcは以下のように算出される。すなわち、chromaEdgeFlagの値が0である場合、tcは以下の式(9)のように算出される。それ以外の場合、tcは、以下の式(10)のように算出される。
Figure 2012085211
・・・(9)
Figure 2012085211
・・・(10)
tC0の値は、BsとindexAの値に応じて、図7に示される表のように定義される。また、ap及びaqの値は以下の式(11)および式(12)に示されるように算出される。
Figure 2012085211
・・・(11)
Figure 2012085211
・・・(12)
デブロックフィルタ処理後の画素値p'1は、以下のように求められる。すなわち、chromaEdgeFlagの値が0であり、かつ、aの値がベータ以下である場合、p'1は、以下の式(13)のように算出される。また、この条件が満たされない場合、p'1は、以下の式(14)のように算出される。
Figure 2012085211
・・・(13)
Figure 2012085211
・・・(14)
デブロックフィルタ処理後の画素値q'1は以下のように求められる。すなわち、chromaEdgeFlagの値が0であり、かつ、aqの値がβ以下である場合、q'1は以下の式(15)のように算出される。また、この条件が満たされない場合、q'1は、以下の式(16)のように算出される。
Figure 2012085211
・・・(15)
Figure 2012085211
・・・(16)
p'2及びq'2の値については、Filtering前の値p2及びq2と変わらない。すなわち、p'2及びq'2は、以下の式(17)および式(18)のように求められる。
Figure 2012085211
・・・(17)
Figure 2012085211
・・・(18)
Bs=4の場合、デブロックフィルタ後の画素値p'I(i=0..2)は以下のように求められる。すなわち、chromaEdgeFlagの値が0で、以下の条件(式(19))が成り立つ場合、p'0,p'1,及びp'2は、以下の式(20)乃至式(22)のように求められる。また、上述した条件が当てはまらない場合、p'0,p'1,及びp'2は、以下の式(23)乃至式(25)のように算出される。
Figure 2012085211
・・・(19)
Figure 2012085211
・・・(20)
Figure 2012085211
・・・(21)
Figure 2012085211
・・・(22)
Figure 2012085211
・・・(23)
Figure 2012085211
・・・(24)
Figure 2012085211
・・・(25)
デブロックフィルタ処理後の画素値q'(i=0..2)は、以下のように求められる。すなわち、chromaEdgeFlagの値が0であり、かつ、以下の条件(式(26))が成り立つ場合、q'0,q'1,及びq'2は、以下の式(27)乃至式(29)のように求められる。また、上述した条件が当てはまらない場合、q'0,q'1,及びq'2は、以下の式(30)乃至式(32)のように算出される。
Figure 2012085211
・・・(26)
Figure 2012085211
・・・(27)
Figure 2012085211
・・・(28)
Figure 2012085211
・・・(29)
Figure 2012085211
・・・(30)
Figure 2012085211
・・・(31)
Figure 2012085211
・・・(32)
[ループフィルタ]
上述したように、符号化効率改善の1手法として、非特許文献1において、以下のような手法が提案されている。
図8は、非特許文献1において提案されている画像符号化装置の一部の構成例を示すブロック図である。この非特許文献1において提案されている画像符号化装置300は、図1を参照して説明したAVC符号化方式で画像を符号化する画像符号化装置100と基本的に同様の構成を有するが、図8に示されるように、さらにループフィルタ301を有する。
ループフィルタ301は、ウィナーフィルタ(Wiener Filter)であり、原画像との残差を最小にするようにループフィルタ係数を算出し、そのループフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタ処理後の画素値をフィルタ処理し、そのフィルタ処理結果をフレームメモリ112に供給して格納させる。
また、このループフィルタ係数は、可逆符号化部106に供給されて符号化される(画像データの符号化データに付加される)。つまり、ループフィルタ係数は、画像復号装置に供給される。
図9は、図8の画像符号化装置300に対応する画像復号装置の一部の構成例を示すブロック図である。画像復号装置400は、図2を参照して説明したAVC符号化方式で符号化された画像である符号化データを復号する画像復号装置200と基本的に同様の構成を有するが、図9に示されるように、さらにループフィルタ401を有する。
ループフィルタ401は、ウィナーフィルタ(Wiener Filter)であり、符号化データに付加されて画像符号化装置300から供給されたループフィルタ係数を取得し、そのループフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタ処理後の画素値をフィルタ処理し、そのフィルタ処理結果をフレームメモリ209等に供給する。
このようにすることにより、復号画像の画質を向上させることができる。更に、参照画像の画質も向上させることができる。
[予測モードの選択]
ところで、マクロブロックサイズを16画素×16画素とするのは、次世代符号化方式の対象となるような、UHD(Ultra High Definition;4000画素×2000画素)といった大きな画枠に対しては、最適ではない。そこで、マクロブロックサイズを、例えば、32画素×32画素、64×64画素といった大きさにすることが提案されている。
より高い符号化効率を達成するには、適切な予測モードの選択が重要である。例えば、High Complexity Modeと、Low Complexity Modeの2通りのモード判定方法を選択する方法が考えられる。この方法の場合、どちらも、それぞれの予測モードModeに関するコスト関数値を算出し、これを最小にする予測モードを当該ブロック乃至マクロブロックに対する最適モードとして選択する。
High Complexity Modeにおけるコスト関数は、以下の式(33)のように求めることができる。
Cost(Mode∈Ω)=D+λ×R ・・・(33)
式(33)において、Ωは、当該ブロック乃至マクロブロックを符号化するための候補
モードの全体集合である。また、Dは、当該予測モードModeで符号化した場合の、復号画像と入力画像の差分エネルギーである。さらに、λは、量子化パラメータの関数として与えられるLagrange未定乗数である。また、Rは、直交変換係数を含んだ、当該モードModeで符号化した場合の総符号量である。
つまり、High Complexity Modeでの符号化を行なうには、上記パラメータD及びRを算出するため、全ての候補モードModeにより、一度、仮エンコード処理を行う必要があり、より高い演算量を要する。
これに対してLow Complexity Modeにおけるコスト関数は、以下の式(34)のように求めることができる。
Cost(Mode∈Ω)=D+QP2Quant(QP)×HeaderBit ・・・(34)
式(34)において、Dは、High Complexity Modeの場合と異なり、予測画像と入力画像の差分エネルギーとなる。また、QP2Quant(QP)は、量子化パラメータQPの関数として与えられる。さらに、HeaderBitは、直交変換係数を含まない、動きベクトルや、モードといった、Headerに属する情報に関する符号量である。
すなわち、Low Complexity Modeにおいては、それぞれの候補モードModeに関して、予測処理を行う必要があるが、復号画像までは必要ないため、符号化処理まで行う必要はない。このため、High Complexity Modeより低い演算量での実現が可能である。
ところで、上述したように、当該シーケンスに含まれる、全てのピクチャやスライスに対して、非特許文献1において提案されている適応ループフィルタを適用するのは多大なる演算量を要するので、画像符号化処理の負荷が増大してしまう恐れがあった。
そこで、以下において、ループフィルタ処理を、負荷が増大しないように適用する画像符号化装置について説明する。
[画像符号化装置]
図10は、本発明を適用した画像処理装置としての画像符号化装置の一実施の形態の構成を表している。
図10の画像符号化装置500は、A/D変換部101、画面並べ替えバッファ102、演算部103、直交変換部104、量子化部105、可逆符号化部106、蓄積バッファ107、逆量子化部108、逆直交変換部109、演算部110、デブロックフィルタ111、フレームメモリ112、選択部113、イントラ予測部114、動き予測・補償部115、選択部116、およびレート制御部117を備える点で、図1の画像符号化装置100と共通している。
また、図5の画像符号化装置500は、フィルタ制御部501および適応ループフィルタ502が追加された点で、図1の画像符号化装置100と異なっている。
適応ループフィルタ502は、デブロックフィルタ111とフレームメモリ112の間に設けられている。すなわち、適応ループフィルタ502は、演算部103、直交変換部104、量子化部105、逆量子化部108、逆直交変換部109、演算部110、デブロックフィルタ111、フレームメモリ112、選択部113、イントラ予測部114または動き予測・補償部115、および選択部116からなる動き補償ループ内に設けられている。すなわち、動き補償ループ内では、画像がループして用いられている。
フィルタ制御部501は、適応ループフィルタ処理対象の画像(ピクチャ若しくはスライス)のタイプ(種類)に関する情報を画面並べ替えバッファ102から取得し、そのタイプに応じて、デブロックフィルタ111の出力に対して、適応ループフィルタ502のフィルタ処理を行うか否か(適応ループフィルタのオン/オフ)を制御する。
例えば、フィルタ制御部501は、適応ループフィルタ処理対象の画像が「参照される画像」の場合のみ、適応ループフィルタをオンにする(それ以外の画像に対してはオフにする)。制御方法の、より具体的な例については後述する。
適応ループフィルタ502は、フィルタ制御部501により制御されて、フィルタ係数を算出し、算出されたフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタのから出力される画像に対するフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の画像を、フレームメモリ112に出力する。このフィルタとして、例えば、ウィナーフィルタ(Wiener Filter)が用いられる。
また、適応ループフィルタ502は、算出したフィルタ係数やフィルタ処理のオン/オフを示すフラグ情報(ON/OFFフラグ)を、可逆符号化部106に送る。可逆符号化部106は、このフィルタ係数やON/OFFフラグも、符号化し、符号化データに付加する。
[適応ループフィルタの詳細]
図11は、適応ループフィルタ502の主な構成例を示すブロック図である。図11に示されるように、適応ループフィルタ502は、ON/OFF部511、フィルタ係数算出部512、およびフィルタリング部513を有する。
フィルタ制御部501には、画面並べ替えバッファ102から、例えばピクチャタイプやスライスタイプ等の、適応ループフィルタ処理対象の画像のタイプに関する情報が供給される。フィルタ制御部501は、その情報に基づいて、適応ループフィルタのオン/オフを決定(制御)するON/OFF情報を生成し、それを適応ループフィルタ502のON/OFF部511に供給する。
ON/OFF部511は、フィルタ制御部501から供給されるON/OFF情報の値に従って、フィルタ係数算出部512の動作を制御するON/OFFフラグを生成し、それをフィルタ係数算出部512に供給する。例えば、適応ループフィルタ処理をオンに設定するON/OFF情報が供給された場合、ON/OFF部511は、ON/OFFフラグを、適応ループフィルタ処理がオンであることを示す値に設定し、フィルタ係数算出部512に供給する。また、例えば、適応ループフィルタ処理をオフに設定するON/OFF情報が供給された場合、ON/OFF部511は、ON/OFFフラグを、適応ループフィルタ処理がオフであることを示す値に設定し、フィルタ係数算出部512に供給する。
フィルタ係数算出部512には、このON/OFFフラグの他に、デブロックフィルタ111からデブロックフィルタ処理後の画像が供給される。さらに、フィルタ係数算出部512には、画面並べ替えバッファ102から入力画像も供給される。これらの画像には、少なくとも適応ループフィルタ処理を施す部分が含まれる。
フィルタ係数算出部512は、ON/OFF部511から供給されるON/OFFフラグが、適応ループフィルタ処理がオンであることを示す値である場合、デブロックフィルタ111から供給されるデブロックフィルタ処理後の画像と、画面並べ替えバッファ102から取得した入力画像とを用いて、適応ループフィルタ処理のフィルタ係数を算出する。フィルタ係数算出部512は、そのフィルタ係数とON/OFFフラグをフィルタリング部513に供給する。
これに対して、ON/OFF部511から供給されるON/OFFフラグが、適応ループフィルタ処理がオフであることを示す値である場合、フィルタ係数算出部512は、フィルタ係数を算出せず、適応ループフィルタ処理がオフであることを示すON/OFFフラグのみをフィルタリング部513に供給する。
フィルタリング部513は、フィルタ係数算出部512から供給されたON/OFFフラグが、適応ループフィルタ処理がオンであることを示す値である場合、フィルタ係数算出部512から供給されたフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタ111から供給されるデブロックフィルタ処理後の画像に対して、適応ループフィルタ処理を行う。フィルタリング部513は、そのフィルタ処理結果をフレームメモリ112に供給し、保持させる。
また、フィルタ係数算出部512から供給されたON/OFFフラグが、適応ループフィルタ処理がオフであることを示す値である場合、フィルタリング部513は、適応ループフィルタ処理を行わずに、デブロックフィルタ111から供給されるデブロックフィルタ処理後の画像を、フレームメモリ112に供給し、保持させる。
フィルタ係数算出部512は、ON/OFF部511から供給されるON/OFFフラグが、適応ループフィルタ処理がオンであることを示す値である場合、算出したフィルタ係数と、ON/OFFフラグとを可逆符号化部106に供給する。また、ON/OFF部511から供給されるON/OFFフラグが、適応ループフィルタ処理がオフであることを示す値である場合、フィルタ係数算出部512は、ON/OFFフラグのみを可逆符号化部106に供給する。
[オン/オフ制御例1]
例えば、各タイプのピクチャが、図12に示されるような順(例えば左から右に向かう順)に処理されるとする。フィルタ制御部501は、「参照される画像」として、これらのピクチャの中の、例えばIピクチャとPピクチャを適応ループフィルタ処理の処理対象とする。つまり、フィルタ制御部501は、適応ループフィルタ処理対象のピクチャがIピクチャ若しくはPピクチャの場合、適応ループフィルタ処理をオンに設定するON/OFF情報をON/OFF部511に供給する。Bピクチャに対しては、フィルタ処理部501は、適応ループフィルタ処理をオフに設定するON/OFF情報をON/OFF部511に供給する。
非特許文献1に記載の方法においては、全てのピクチャ若しくはスライスに対して適応ループフィルタを施しているのに対し、フィルタ制御部501は、適応ループフィルタをかけるか否かを、所定の画像単位毎に制御する。
適応ループフィルタ処理においては、最適フィルタ係数を、ウィナーフィルタ(Wiener Filter)により算出する必要があり、これには多大なる演算量を要する。したがって、非特許文献1に記載の方法の場合、全ての画像(ピクチャ若しくはスライス)に対してそれぞれ最適なフィルタ係数を求めなければならないので、この演算量が大幅に増大してしまい、画像符号化処理の負荷が大幅に増大してしまう恐れがある。
そうだからと言って、単純に、適応ループフィルタ処理を全て省略するようにすると、適応ループフィルタ処理を行う場合に対して、復号画像の画質劣化が増大してしまう恐れがある。
そもそも、適応ループフィルタの役割は、復号画像の画質を向上させると共に、これを参照する画像の予測効率をも向上させるというものである。つまり、参照元となる画像(参照される画像)に対する適応ループフィルタの効果の方が、そうでない画像に対する適応ループフィルタの効果よりも、シーケンス全体の画質により大きな影響を及ぼす。
そこで、フィルタ制御部501は、上述したように、当該シーケンス内において、参照される画像(例えばピクチャやスライス)に対してのみ適応ループフィルタを施し、そうでない画像(例えばピクチャやスライス)に対しては適応ループフィルタを施さないように、適応ループフィルタ502の動作を制御する。
このように、復号画像への影響が少ない画像に対する適応ループフィルタ処理を省略するように制御を行うことで、画像符号化装置500は、復号画像の画質劣化を抑制しながら、フィルタ係数算出等の演算量を大幅に低減させることができる。換言するに、画像符号化装置500は、フィルタ処理の効果が大きい画像に対してのみ適応ループフィルタ処理を適用することにより、不要な負荷の増大を抑制しながら、復号画像の画質を向上させることができる。
なお、図12に示されるピクチャの並び順は一例であり、本発明は、それ以外の並び順のシーケンスに対しても適用することができる。
[オン/オフ制御例2]
図13は、階層BピクチャによるGOP(Group Of Picture)構造の例を示す図である。
図13に示されるように、この場合、Bピクチャは複数階層状に構成される。図13において、Bピクチャは、下から上に向かう順に階層化されている。つまり、最下段のBピクチャが第1階層であり、中段のBピクチャが第2階層であり、最上段のBピクチャが第3階層である。B(n)のn(括弧内の数字)は、階層番号を示す。つまり、B(1)は、第1階層のBピクチャであり、B(2)は、第2階層のBピクチャであり、B(3)は、第3階層のBピクチャである。
矢印は参照関係を示している。矢印の向きに参照される。つまり、第3階層のBピクチャ(B(3))は、第2階層のBピクチャ(B(2))とIピクチャ、Pピクチャ、若しくは第1階層のBピクチャ(B(1))を参照し、第2階層のBピクチャ(B(2))は、第1階層のBピクチャ(B(1))とIピクチャ若しくはPピクチャを参照し、第1階層のBピクチャ(B(1))は、他のBピクチャを参照せず、IピクチャやPピクチャのみを参照する。
より具体的には、第1階層のBピクチャ533はIピクチャ531およびPピクチャ532を参照する。また、第2階層のBピクチャ534はIピクチャ531およびBピクチャ533を参照し、Bピクチャ535はBピクチャ533およびPピクチャ532を参照する。
さらに、第3階層のBピクチャ536はIピクチャ531およびBピクチャ534を参照し、Bピクチャ537はBピクチャ533およびBピクチャ534を参照し、Bピクチャ538はBピクチャ533およびBピクチャ535を参照し、Bピクチャ539はBピクチャ535およびPピクチャ532を参照する。
もちろん、階層数、階層構造、各ピクチャの配列、および各ピクチャの参照関係は、任意であり、図13に示されるパターン以外のパターンであってもよい。
このようなGOP構造の画像に対して、フィルタ制御部501は、例えば、第3階層のBピクチャ以外、すなわち、第2階層のBピクチャ、第1階層のBピクチャ、Iピクチャ、およびPピクチャを「参照される画像」とする。
もちろん、図12の場合と同様に、「参照される画像」であるか否かを分ける方法は、どのような方法であってもよく、上述した以外の方法であってもよい。
例えば、第1階層のBピクチャ、Iピクチャ、およびPピクチャを「参照される画像」とするようにしてもよい。また、IピクチャとPピクチャを「参照される画像」とするようにしてもよい。Iピクチャのみ若しくはPピクチャのみを「参照される画像」とするようにしてもよい。
また、この場合も、図12の場合と同様に、「参照される画像」であるか否かの判定は、任意の単位で画像の種類を示す情報に基づいて行うことができる。つまり、例えば、スライスタイプに基づいて、スライス毎に「参照される画像」であるか否かの判定が行われるようにしてもよいし、その他の任意の単位で適応ループフィルタの動作が制御されるようにしてもよい。
なお、図13に示されるような階層Bピクチャを用いたGOP構造は、早送りや巻き戻し等の特殊速度再生(トリックプレイ)に適している。例えば、IピクチャとPピクチャのみを復号することで8倍の高速デコードを実現することができ、さらに第1階層のBピクチャを復号することで4倍の高速デコードを実現することができ、さらに第2階層のBピクチャを復号することで2倍の高速デコードを実現することができる。
フィルタ制御部501が、上述したように適応ループフィルタの動作を制御することにより、このような高速デコードにおいて表示されるピクチャの画質を、適応ループフィルタ502のフィルタ処理によって良好に保つことが出来る。つまり、フィルタ制御部501は、高速デコードに好適なフィルタ制御を行うことができる。
[画像のタイプ]
上述したように、フィルタ制御部501は、画像のタイプに応じて、適応ループフィルタ502の動作を制御する。図14にスライスヘッダのシンタックスの例を示す。図14に示されるように、スライスヘッダにおいては、当該スライスの種類(I,P、B等)を示すスライスタイプ(slice_tupe)が記述される。例えば、フィルタ制御部501は、画面並べ替えバッファ102から入力画像のスライスヘッダを取得し、そのスライスヘッダに記述される情報(スライスタイプ)に基づいて画像のタイプを判定する。
なお、画像のタイプに関する情報は、スライスヘッダ以外に記述されるようにしてもよい。例えば、ピクチャタイプを示す情報が、ピクチャパラメータセット情報に記述されるようにしてもよい。その場合、フィルタ制御部501は、画面並べ替えバッファ102から、入力画像のピクチャパラメータセット情報を取得し、その中に記述されるピクチャタイプを示す情報を参照し、その値に基づいて画像のタイプを判定する。
なお、このスライスヘッダやピクチャパラメータセット情報等は、予め入力画像のデータに含まれるようにしてもよいし、画面並べ替えバッファ102等において生成されるようにしてもよい。
フィルタ制御部501は、このような画像のタイプに関する情報に基づいて、適応ループフィルタ502の動作を容易に制御することができる。
[ON/OFFフラグ]
上述したように、フィルタ係数算出部512は、ON/OFFフラグを(フィルタ係数を算出した場合、そのフィルタ係数も)、可逆符号化部106に供給する。図15乃至図17は、適応ループフィルタに関するフラグ情報のシンタックスを示す図である。
例えば、可逆符号化部106は、フィルタ係数算出部512から供給されたON/OFFフラグを、適応ループフィルタフラグ(adaptive_loop_filtar_flag)として符号化データにセットする(図15)。また、フィルタ係数が供給された場合、可逆符号化部106は、そのフィルタ係数も符号化して符号化データに付加する(図15乃至図17)。
このようにして、適応ループフィルタ処理のON/OFFフラグやフィルタ係数が、画像復号装置に供給される。
なお、以上に説明したON/OFFフラグやフィルタ係数等の情報は、例えば、符号化データの任意の位置に付加されるようにしてもよいし、符号化データとは別に復号側に伝送されるようにしてもよい。例えば、可逆符号化部106が、これらの情報を、ビットストリームにシンタックスとして記述するようにしてもよい。また、可逆符号化部106が、これらの情報を、補助情報として所定の領域に格納して伝送するようにしてもよい。例えば、これらの情報が、SEI(Suplemental Enhancement Information)等のパラメータセット(例えばシーケンスやピクチャのヘッダ等)に格納されるようにしてもよい。
また、可逆符号化部106が、これらの情報を、符号化データとは別に(別のファイルとして)、画像復号装置に伝送させるようにしてもよい。その場合、これらの情報と符号化データとの対応関係を明確にする(復号側で把握することができるようにする)必要があるが、その方法は任意である。例えば、別途、対応関係を示すテーブル情報を作成してもよいし、対応先のデータを示すリンク情報を互いのデータに埋め込むなどしてもよい。
[符号化処理の流れ]
次に、図18のフローチャートを参照して、図10の画像符号化装置500により実行される符号化処理の流れの例を説明する。
符号化処理が開始されると、ステップS501において、A/D変換部101は入力された画像をA/D変換する。ステップS502において、画面並べ替えバッファ102は、A/D変換部101から供給された画像を記憶し、各ピクチャの表示する順番から符号化する順番への並べ替えを行う。
画面並べ替えバッファ102から供給される処理対象の画像がイントラ処理されるブロックの画像である場合、参照される復号済みの画像がフレームメモリ112から読み出され、選択部113を介してイントラ予測部114に供給される。
これらの画像に基づいて、ステップS503において、イントラ予測部114は処理対象のブロックの画素を、候補となる全てのイントラ予測モードでイントラ予測する。なお、参照される復号済みの画素としては、デブロックフィルタ111と適応ループフィルタ502によりフィルタリングされていない画素が用いられる。
ステップS503の処理により、候補となる全てのイントラ予測モードでイントラ予測が行われ、候補となる全てのイントラ予測モードに対してコスト関数値が算出される。そして、算出されたコスト関数値に基づいて、最適イントラ予測モードが選択され、最適イントラ予測モードのイントラ予測により生成された予測画像とそのコスト関数値が選択部116に供給される。
画面並べ替えバッファ102から供給される処理対象の画像がインター処理される画像である場合、参照される画像がフレームメモリ112から読み出され、選択部113を介して動き予測・補償部115に供給される。これらの画像に基づいて、ステップS504において、動き予測・補償部115は、インター動き予測処理を行う。
ステップS504の処理により、候補となる全てのインター予測モードで動き予測処理が行われ、候補となる全てのインター予測モードに対してコスト関数値が算出され、算出したコスト関数値に基づいて、最適インター予測モードが決定される。そして、最適インター予測モードにより生成された予測画像とそのコスト関数値が選択部116に供給される。
ステップS505において、選択部116は、イントラ予測部114および動き予測・補償部115より出力された各コスト関数値に基づいて、最適イントラ予測モードと最適インター予測モードのうちの一方を、最適予測モードに決定する。そして、選択部116は、決定した最適予測モードの予測画像を選択し、演算部103および演算部110に供給する。この予測画像は、後述するステップS506およびステップS511の演算に利用される。
なお、この予測画像の選択情報は、イントラ予測部114または動き予測・補償部115に供給される。最適イントラ予測モードの予測画像が選択された場合、イントラ予測部114は、最適イントラ予測モードを示す情報(すなわち、イントラ予測モード情報)を、可逆符号化部106に供給する。
最適インター予測モードの予測画像が選択された場合、動き予測・補償部115は、最適インター予測モードを示す情報と、さらに、必要に応じて、最適インター予測モードに応じた情報を可逆符号化部106に出力する。最適インター予測モードに応じた情報としては、動きベクトル情報や参照フレーム情報などがあげられる。
ステップS506において、演算部103は、ステップS502で並び替えられた画像と、ステップS505で選択された予測画像との差分を演算する。予測画像は、インター予測する場合は動き予測・補償部115から、イントラ予測する場合はイントラ予測部114から、それぞれ選択部116を介して演算部103に供給される。
差分データは元の画像データに較べてデータ量が小さくなっている。したがって、画像をそのまま符号化する場合に較べて、データ量を圧縮することができる。
ステップS507において、直交変換部104は演算部103から供給された差分情報を直交変換する。具体的には、離散コサイン変換、カルーネン・レーベ変換等の直交変換が行われ、変換係数が出力される。
ステップS508において、量子化部105は変換係数を量子化する。この量子化に際しては、後述するステップS517の処理で説明されるように、レートが制御される。
以上のようにして量子化された差分情報は、次のようにして局部的に復号される。すなわち、ステップS509において、逆量子化部108は量子化部105により量子化された変換係数を量子化部105の特性に対応する特性で逆量子化する。ステップS510において、逆直交変換部109は逆量子化部108により逆量子化された変換係数を直交変換部104の特性に対応する特性で逆直交変換する。
ステップS511において、演算部110は、選択部116を介して入力される予測画像を局部的に復号された差分情報に加算し、局部的に復号された画像(演算部103への入力に対応する画像)を生成する。
ステップS512においてデブロックフィルタ111は、演算部110より出力された画像に対して、デブロックフィルタ処理を行う。これによりブロック歪みが除去される。デブロックフィルタ111からの復号画像は、適応ループフィルタ502に出力される。
ステップS513において、フィルタ制御部501および適応ループフィルタ502は、適応ループフィルタ処理を行い、ステップS512においてデブロックフィルタ処理された画像に対し、適宜、適応ループフィルタ処理を行う。適応ループフィルタ処理の詳細については、後述する。
ステップS514においてフレームメモリ112は、ステップS513の処理により適宜フィルタリングされた画像を記憶する。なお、フレームメモリ112にはデブロックフィルタ111と適応ループフィルタ502によりフィルタ処理されていない画像も演算部110から供給され、記憶される。
一方、上述したステップS508において量子化された変換係数は、可逆符号化部106にも供給される。ステップS515において、可逆符号化部106は量子化部105より出力された量子化された変換係数を符号化する。すなわち、差分画像が可変長符号化、算術符号化等の可逆符号化され、圧縮される。
また、可逆符号化部106は、入力されたON/OFFフラグや適応フィルタ係数、並びに、イントラ予測モード情報、または、最適インター予測モードに応じた情報なども符号化され、ヘッダ情報に付加される。
例えば、インター予測モードを示す情報は、マクロブロック毎に符号化される。動きベクトル情報や参照フレーム情報は、対象となるブロック毎に符号化される。フィルタ係数やON/OFFフラグは、スライス毎あるいはピクチャパラメータセット毎に符号化される。
ステップS516において蓄積バッファ107は、差分画像を圧縮画像として蓄積する。蓄積バッファ107に蓄積された圧縮画像は、適宜読み出され、図示せぬ伝送路を介して復号側に伝送される。
ステップS517において、レート制御部117は、蓄積バッファ107に蓄積された圧縮画像に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部105の量子化動作のレートを制御する。
[適応ループフィルタ処理の流れ]
次に、図19のフローチャートを参照して、図18のステップS513において実行される適応ループフィルタ処理の詳細な流れの例を説明する。
適応ループフィルタ処理が開始されると、フィルタ制御部501は、ステップS531において、適応ループフィルタ処理対象の画像のタイプを判定する。ステップS532において、フィルタ制御部501は、適応ループフィルタ処理対象の画像が参照されるか否かを判定する。ステップS531のタイプ判定結果に基づいて、参照される絵であると判定された場合、フィルタ制御部501は、処理をステップS533に進める。
ステップS533において、ON/OFF部511は、ON/OFFフラグをONに設定する。ステップS534において、フィルタ係数算出部512は、デブロックフィルタ処理された画像および入力画像に基づいて、適切なフィルタ係数を算出する。ステップS535において、フィルタリング部513は、ステップS534において算出されたフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタ処理された画像に対して適応ループフィルタ処理を行う。
ステップS536において、フィルタリング部513は、以上のように使用されたON/OFFフラグおよびフィルタ係数を可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
ステップS536の処理を終了すると、適応ループフィルタ502は、適応ループフィルタ処理を終了し、処理を図18のステップS513に戻し、ステップS514以降の処理を実行させる。
また、図19のステップS532において、適応ループフィルタ処理対象の画像が参照される絵ではないと判定された場合、フィルタ制御部501は、処理をステップS537に進める。
ステップS537において、ON/OFF部511は、ON/OFFフラグをOffに設定する。ステップS538において、フィルタリング部513は、以上のように設定されたON/OFFフラグを可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
ステップS538の処理を終了すると、適応ループフィルタ502は、適応ループフィルタ処理を終了し、処理を図18のステップS513に戻し、ステップS514以降の処理を実行させる。
以上のように、フィルタ制御部501は、適応ループフィルタ502の動作を容易に制御することができる。また、そのフィルタ制御部501が、適応ループフィルタ502の動作を画像のタイプに応じて制御することにより、画像符号化装置500は、復号画像の画質劣化を抑制しながら、符号化処理の負荷を低減させることができる。
なお、以上のように画像符号化装置500により生成され、出力された符号化データは、従来の画像復号装置(例えば、図9を参照して説明した、非特許文献1において提案される画像復号装置400)により、従来と同様に(画像符号化装置300により生成された符号化データを復号する場合と同様に)復号することができる。
つまり、ループフィルタ401は、例えば符号化データに付加された、適応ループフィルタフラグ(adaptive_loop_filtar_flag)やフィルタ係数等の情報を用いて、デブロックフィルタ206によりデブロックフィルタ処理された画像に対して、適宜、適応ループフィルタ処理を行う。このようにすることにより、画像復号装置400は、復号画像の画質劣化を抑制することができる。
<2.第2の実施の形態>
[画像符号化装置の他の例]
なお、以上においては、画像のタイプに応じて適応ループフィルタのON/OFFが制御されるように説明したが、これに限らず、例えば、画像のタイプに応じて適応ループフィルタのタップ数が制御されるようにしてもよい。
つまり、適応ループフィルタ処理において、そのタップ長(tap長)が、ピクチャタイプやスライスタイプ等の画像のタイプに応じて切り替えられるようにしてもよい。例えば、適応ループフィルタ処理において、参照されるピクチャには、より長いtap長が適用され、参照されないピクチャに対してはより短いtap長が適用されるようにしてもよい。
非特許文献1に記載の方法の場合、例えば、5tap、7tap、および9tap等のように、予め用意された複数のタップ長の全てについて適応ループフィルタ処理が行われ、各処理結果のコストに応じて、最適なタップ長のフィルタ処理結果が選択される。
その際に、各係数群の一部をゼロとしてフィルタ処理を行うことにより、タップ長を短くするようにしてもよい。例えば、9tapのフィルタ処理において、その第1の係数と第9の係数(両端の係数)をゼロ(0)とすることで、実質的にタップ長を短くする(7tapとする)。同様にして、5tapのフィルタ処理や7tapのフィルタ処理においてもタップ長を短くすることができる。もちろん、ゼロにする係数の数は任意である。また、何番目の係数をゼロにするかも任意である。
このように、参照されない画像に対する適応ループフィルタ処理のタップ長を短くすることにより、その演算量を低減させることができる。この場合、タップ長は短くされるものの、フィルタ処理は行われるので、復号画像の画質に与える影響を、第1の実施の形態の場合よりも少なくすることができる。つまり、復号画像の画質劣化を、第1の実施の形態の場合よりも抑制することができる。
図20は、その場合のフィルタ制御部および適応ループフィルタの構成例を示すブロック図である。
図20に示されるように、この場合、画像符号化装置500は、フィルタ制御部501の代わりにフィルタ制御部601を有し、適応ループフィルタ502の代わりに適応ループフィルタ602を有する。
フィルタ制御部501が適応ループフィルタ処理対象の画像のタイプに応じて適応ループフィルタ502による適応ループフィルタ処理のオン/オフを制御するのに対して、フィルタ制御部601は、適応ループフィルタ処理対象の画像のタイプに応じて適応ループフィルタ602による適応ループフィルタ処理のタップ長を制御する。
より具体的には、フィルタ制御部601は、画面並べ替えバッファ102から供給されるピクチャタイプ(若しくはスライスタイプ)を示す情報に基づいて、適応ループフィルタ処理対象の画像が「参照される画像」であるか否かを識別し、「参照される画像」でない場合、タップ長を短くするように適応ループフィルタ602の動作を制御する。
フィルタ制御部601は、タップ長を指定するタップ長情報を適応ループフィルタ602のタップ長設定部611に供給する。
適応ループフィルタ602は、フィルタ制御部601に制御されて、フィルタ処理を施す画像のタイプに応じて設定したタップ長で適応ループフィルタ処理を行う。
適応ループフィルタ602は、タップ長設定部611、フィルタ係数算出部612、およびフィルタリング部513を有する。
タップ長設定部611は、フィルタ制御部601から供給されるタップ長情報により指定されるタップ長のフィルタ係数を算出するように指示する制御情報である係数制御情報を生成し、それをフィルタ係数算出部612に供給する。
つまり、タップ長設定部611は、上述したように、適応ループフィルタ処理対象の画像が「参照される画像」でない場合、タップ長が短くなるように設定する係数制御情報を生成し、それをフィルタ係数算出部612に供給する。換言するに、タップ長設定部611は、適応ループフィルタ処理対象の画像が「参照される画像」である場合、タップ長が長くなるように設定する係数制御情報を生成し、それをフィルタ係数算出部612に供給する。
タップ長設定部611は、ゼロ係数設定部621を有する。ゼロ係数設定部621は、フィルタ係数算出部612が算出するフィルタ係数の一部の係数の値をゼロに設定する。つまり、タップ長設定部611は、フィルタ係数算出部612が算出するフィルタ係数の一部の係数の値をゼロに指定する係数制御情報を生成する。この場合、一部の係数がゼロとされることにより、所望のタップ長が実現される。
例えば、フィルタ係数算出部612が9tapのフィルタ係数を算出する場合、ゼロ係数設定部621は、その9tapのうち第1の係数と第9の係数をゼロに設定する。この場合、係数制御情報は、7tapを指定することになる。フィルタ係数算出部612は、このような係数制御情報により指定された係数の値をゼロとし、それ以外の係数を算出する。結果としてフィルタ係数算出部612は、実質的に7tapのフィルタ係数を算出することになる。
フィルタ係数算出部612は、算出したフィルタ係数をフィルタリング部513に供給する。また、この場合、フィルタ係数算出部612は、値がONのON/OFFフラグを生成し、フィルタリング部513に供給する。
フィルタリング部513は、フィルタ係数算出部612から供給されたフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタ111から供給されるデブロックフィルタ処理後の画像に対して適応ループフィルタ処理を行う。
この場合も、フィルタリング部513は、適応ループフィルタ処理後の画像をフレームメモリ112に供給して蓄積させる。フィルタ係数算出部612は、算出したフィルタ係数や値がONのON/OFFフラグを可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
この場合の符号化処理は図18のフローチャートを参照して説明した場合と同様に行われる。
[適応ループフィルタ処理の流れ]
この場合の適応ループフィルタ処理の流れの例を図21のフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、図19のフローチャートに対応する。
適応ループフィルタ処理が開始されると、フィルタ制御部601は、ステップS631において、適応ループフィルタ処理対象の画像のタイプを判定する。
ステップS632において、フィルタ制御部601は、適応ループフィルタ処理対象の画像が参照されるか否かを判定する。ステップS631のタイプ判定結果に基づいて、参照される絵であると判定された場合、フィルタ制御部601は、処理をステップS633に進める。ステップS633において、タップ長設定部611は、フィルタ係数のタップ長を長くするように制御し、ステップS635に処理を進める。
また、ステップS632において、適応ループフィルタ処理対象が参照される絵でないと判定された場合、フィルタ制御部601は、処理をステップS634に進める。ステップS634において、タップ長設定部611は、フィルタ係数のタップ長を短くするように制御し、ステップS635に処理を進める。
ステップS635において、フィルタ係数算出部612は、デブロックフィルタ処理された画像および入力画像に基づいて、適切なフィルタ係数を算出する。また、フィルタ係数算出部612は、値がオンのON/OFFフラグを生成する。ステップS636において、フィルタリング部513は、ステップS635において算出されたフィルタ係数を用いて、デブロックフィルタ処理された画像に対して適応ループフィルタ処理を行う。
ステップS637において、フィルタリング部513は、以上のように使用されたON/OFFフラグおよびフィルタ係数を可逆符号化部106に供給し、符号化させる。
ステップS637の処理を終了すると、適応ループフィルタ602は、適応ループフィルタ処理を終了し、処理を図18のステップS513に戻し、ステップS514以降の処理を実行させる。
以上のように、フィルタ制御部601は、適応ループフィルタ602の動作を容易に制御することができる。また、そのフィルタ制御部601が、適応ループフィルタ602のフィルタ処理のタップ長を画像のタイプに応じて制御することにより、画像符号化装置500は、復号画像の画質劣化を抑制しながら、符号化処理の負荷を低減させることができる。
なお、この場合も、以上のように画像符号化装置500により生成され、出力された符号化データは、従来の画像復号装置(例えば、図9を参照して説明した、非特許文献1において提案される画像復号装置400)により、従来と同様に(画像符号化装置300により生成された符号化データを復号する場合と同様に)復号することができる。
つまり、ループフィルタ401は、例えば符号化データに付加された、適応ループフィルタフラグ(adaptive_loop_filtar_flag)やフィルタ係数等の情報を用いて、デブロックフィルタ206によりデブロックフィルタ処理された画像に対して、適宜、適応ループフィルタ処理を行う。このようにすることにより、画像復号装置400は、復号画像の画質劣化を抑制することができる。
[拡張マクロブロックの例]
また、H.264/AVC方式において、マクロブロックサイズは16×16画素である。しかしながら、マクロブロックサイズを16画素×16画素とするのは、次世代符号化方式の対象となるような、UHD(Ultra High Definition;4000画素×2000画素)といった大きな画枠に対しては、最適ではない。画像符号化装置500においては、図22に示されるように、マクロブロックサイズを、例えば、32画素×32画素、64×64画素といった大きさにすることが採用される場合がある。
図22は、拡張マクロブロックのサイズの例を示す図である。図32に示される例の場合、マクロブロックサイズは32×32画素に拡張されている。
図22の上段には、左から、32×32画素、32×16画素、16×32画素、および16×16画素のブロック(パーティション)に分割された32×32画素で構成されるマクロブロックが順に示されている。図22の中段には、左から、16×16画素、16×8画素、8×16画素、および8×8画素のブロックに分割された16×16画素で構成されるブロックが順に示されている。また、図22の下段には、左から、8×8画素、8×4画素、4×8画素、および4×4画素のブロックに分割された8×8画素のブロックが順に示されている。
すなわち、32×32画素のマクロブロックは、図22の上段に示される32×32画素、32×16画素、16×32画素、および16×16画素のブロックでの処理が可能である。
上段の右側に示される16×16画素のブロックは、H.264/AVC方式と同様に、中段に示される16×16画素、16×8画素、8×16画素、および8×8画素のブロックでの処理が可能である。
中段の右側に示される8×8画素のブロックは、H.264/AVC方式と同様に、下段に示される8×8画素、8×4画素、4×8画素、および4×4画素のブロックでの処理が可能である。
これらのブロックは、以下の3階層に分類することができる。すなわち、図22の上段に示される32×32画素、32×16画素、および16×32画素のブロックを第1階層と称する。上段の右側に示される16×16画素のブロック、並びに、中段に示される16×16画素、16×8画素、および8×16画素のブロックを、第2階層と称する。中段の右側に示される8×8画素のブロック、並びに、下段に示される8×8画素、8×4画素、4×8画素、および4×4画素のブロックを、第3階層と称する。
図22のような、階層構造を採用することにより、16×16画素ブロック以下に関しては、現在のH.264/AVC方式におけるマクロブロックと互換性を保ちながら、そのスーパーセットとして、より大きなブロックが定義されている。
もちろん、マクロブロックのサイズは任意であり、例えば、64×64画素以上のような、さらに大きなマクロブロックが定義されるようにしてもよい。
<3.第3の実施の形態>
[パーソナルコンピュータ]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図23に示されるようなパーソナルコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
図23において、パーソナルコンピュータ700のCPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部713からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース710も接続されている。
入出力インタフェース710には、キーボード、マウスなどよりなる入力部711、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部712、ハードディスクなどより構成される記憶部713、モデムなどより構成される通信部714が接続されている。通信部714は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース710にはまた、必要に応じてドライブ715が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア721が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部713にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図23に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、若しくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア721により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部713に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述した画像符号化装置や画像復号装置は、任意の電子機器に適用することができる。以下にその例について説明する。
<4.第4の実施の形態>
[テレビジョン受像機]
図24は、本発明を適用した画像復号装置200を用いるテレビジョン受像機の主な構成例を示すブロック図である。
図24に示されるテレビジョン受像機1000は、地上波チューナ1013、ビデオデコーダ1015、映像信号処理回路1018、グラフィック生成回路1019、パネル駆動回路1020、および表示パネル1021を有する。
地上波チューナ1013は、地上アナログ放送の放送波信号を、アンテナを介して受信し、復調し、映像信号を取得し、それをビデオデコーダ1015に供給する。ビデオデコーダ1015は、地上波チューナ1013から供給された映像信号に対してデコード処理を施し、得られたデジタルのコンポーネント信号を映像信号処理回路1018に供給する。
映像信号処理回路1018は、ビデオデコーダ1015から供給された映像データに対してノイズ除去などの所定の処理を施し、得られた映像データをグラフィック生成回路1019に供給する。
グラフィック生成回路1019は、表示パネル1021に表示させる番組の映像データや、ネットワークを介して供給されるアプリケーションに基づく処理による画像データなどを生成し、生成した映像データや画像データをパネル駆動回路1020に供給する。また、グラフィック生成回路1019は、項目の選択などにユーザにより利用される画面を表示するための映像データ(グラフィック)を生成し、それを番組の映像データに重畳したりすることによって得られた映像データをパネル駆動回路1020に供給するといった処理も適宜行う。
パネル駆動回路1020は、グラフィック生成回路1019から供給されたデータに基づいて表示パネル1021を駆動し、番組の映像や上述した各種の画面を表示パネル1021に表示させる。
表示パネル1021はLCD(Liquid Crystal Display)などよりなり、パネル駆動回路1020による制御に従って番組の映像などを表示させる。
また、テレビジョン受像機1000は、音声A/D(Analog/Digital)変換回路1014、音声信号処理回路1022、エコーキャンセル/音声合成回路1023、音声増幅回路1024、およびスピーカ1025も有する。
地上波チューナ1013は、受信した放送波信号を復調することにより、映像信号だけでなく音声信号も取得する。地上波チューナ1013は、取得した音声信号を音声A/D変換回路1014に供給する。
音声A/D変換回路1014は、地上波チューナ1013から供給された音声信号に対してA/D変換処理を施し、得られたデジタルの音声信号を音声信号処理回路1022に供給する。
音声信号処理回路1022は、音声A/D変換回路1014から供給された音声データに対してノイズ除去などの所定の処理を施し、得られた音声データをエコーキャンセル/音声合成回路1023に供給する。
エコーキャンセル/音声合成回路1023は、音声信号処理回路1022から供給された音声データを音声増幅回路1024に供給する。
音声増幅回路1024は、エコーキャンセル/音声合成回路1023から供給された音声データに対してD/A変換処理、増幅処理を施し、所定の音量に調整した後、音声をスピーカ1025から出力させる。
さらに、テレビジョン受像機1000は、デジタルチューナ1016およびMPEGデコーダ1017も有する。
デジタルチューナ1016は、デジタル放送(地上デジタル放送、BS(Broadcasting Satellite)/CS(Communications Satellite)デジタル放送)の放送波信号を、アンテナを介して受信し、復調し、MPEG-TS(Moving Picture Experts Group-Transport Stream)を取得し、それをMPEGデコーダ1017に供給する。
MPEGデコーダ1017は、デジタルチューナ1016から供給されたMPEG-TSに施されているスクランブルを解除し、再生対象(視聴対象)になっている番組のデータを含むストリームを抽出する。MPEGデコーダ1017は、抽出したストリームを構成する音声パケットをデコードし、得られた音声データを音声信号処理回路1022に供給するとともに、ストリームを構成する映像パケットをデコードし、得られた映像データを映像信号処理回路1018に供給する。また、MPEGデコーダ1017は、MPEG-TSから抽出したEPG(Electronic Program Guide)データを図示せぬ経路を介してCPU1032に供給する。
テレビジョン受像機1000は、このように映像パケットをデコードするMPEGデコーダ1017として、上述した画像復号装置200を用いる。なお、放送局等より送信されるMPEG-TSは、画像符号化装置100によって符号化されている。
MPEGデコーダ1017は、画像復号装置200の場合と同様に、放送局(画像符号化装置100)より供給されるsubmb_qp_delta等の量子化パラメータを用いて、サブマクロブロック毎に量子化値を算出し、逆量子化を行う。したがって、MPEGデコーダ1017は、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させることができる。
MPEGデコーダ1017から供給された映像データは、ビデオデコーダ1015から供給された映像データの場合と同様に、映像信号処理回路1018において所定の処理が施され、グラフィック生成回路1019において、生成された映像データ等が適宜重畳され、パネル駆動回路1020を介して表示パネル1021に供給され、その画像が表示される。
MPEGデコーダ1017から供給された音声データは、音声A/D変換回路1014から供給された音声データの場合と同様に、音声信号処理回路1022において所定の処理が施され、エコーキャンセル/音声合成回路1023を介して音声増幅回路1024に供給され、D/A変換処理や増幅処理が施される。その結果、所定の音量に調整された音声がスピーカ1025から出力される。
また、テレビジョン受像機1000は、マイクロホン1026、およびA/D変換回路1027も有する。
A/D変換回路1027は、音声会話用のものとしてテレビジョン受像機1000に設けられるマイクロホン1026により取り込まれたユーザの音声の信号を受信し、受信した音声信号に対してA/D変換処理を施し、得られたデジタルの音声データをエコーキャンセル/音声合成回路1023に供給する。
エコーキャンセル/音声合成回路1023は、テレビジョン受像機1000のユーザ(ユーザA)の音声のデータがA/D変換回路1027から供給されている場合、ユーザAの音声データを対象としてエコーキャンセルを行い、他の音声データと合成するなどして得られた音声のデータを、音声増幅回路1024を介してスピーカ1025より出力させる。
さらに、テレビジョン受像機1000は、音声コーデック1028、内部バス1029、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)1030、フラッシュメモリ1031、CPU1032、USB(Universal Serial Bus) I/F1033、およびネットワークI/F1034も有する。
A/D変換回路1027は、音声会話用のものとしてテレビジョン受像機1000に設けられるマイクロホン1026により取り込まれたユーザの音声の信号を受信し、受信した音声信号に対してA/D変換処理を施し、得られたデジタルの音声データを音声コーデック1028に供給する。
音声コーデック1028は、A/D変換回路1027から供給された音声データを、ネットワーク経由で送信するための所定のフォーマットのデータに変換し、内部バス1029を介してネットワークI/F1034に供給する。
ネットワークI/F1034は、ネットワーク端子1035に装着されたケーブルを介してネットワークに接続される。ネットワークI/F1034は、例えば、そのネットワークに接続される他の装置に対して、音声コーデック1028から供給された音声データを送信する。また、ネットワークI/F1034は、例えば、ネットワークを介して接続される他の装置から送信される音声データを、ネットワーク端子1035を介して受信し、それを、内部バス1029を介して音声コーデック1028に供給する。
音声コーデック1028は、ネットワークI/F1034から供給された音声データを所定のフォーマットのデータに変換し、それをエコーキャンセル/音声合成回路1023に供給する。
エコーキャンセル/音声合成回路1023は、音声コーデック1028から供給される音声データを対象としてエコーキャンセルを行い、他の音声データと合成するなどして得られた音声のデータを、音声増幅回路1024を介してスピーカ1025より出力させる。
SDRAM1030は、CPU1032が処理を行う上で必要な各種のデータを記憶する。
フラッシュメモリ1031は、CPU1032により実行されるプログラムを記憶する。フラッシュメモリ1031に記憶されているプログラムは、テレビジョン受像機1000の起動時などの所定のタイミングでCPU1032により読み出される。フラッシュメモリ1031には、デジタル放送を介して取得されたEPGデータ、ネットワークを介して所定のサーバから取得されたデータなども記憶される。
例えば、フラッシュメモリ1031には、CPU1032の制御によりネットワークを介して所定のサーバから取得されたコンテンツデータを含むMPEG-TSが記憶される。フラッシュメモリ1031は、例えばCPU1032の制御により、そのMPEG-TSを、内部バス1029を介してMPEGデコーダ1017に供給する。
MPEGデコーダ1017は、デジタルチューナ1016から供給されたMPEG-TSの場合と同様に、そのMPEG-TSを処理する。このようにテレビジョン受像機1000は、映像や音声等よりなるコンテンツデータを、ネットワークを介して受信し、MPEGデコーダ1017を用いてデコードし、その映像を表示させたり、音声を出力させたりすることができる。
また、テレビジョン受像機1000は、リモートコントローラ1051から送信される赤外線信号を受光する受光部1037も有する。
受光部1037は、リモートコントローラ1051からの赤外線を受光し、復調して得られたユーザ操作の内容を表す制御コードをCPU1032に出力する。
CPU1032は、フラッシュメモリ1031に記憶されているプログラムを実行し、受光部1037から供給される制御コードなどに応じてテレビジョン受像機1000の全体の動作を制御する。CPU1032とテレビジョン受像機1000の各部は、図示せぬ経路を介して接続されている。
USB I/F1033は、USB端子1036に装着されたUSBケーブルを介して接続される、テレビジョン受像機1000の外部の機器との間でデータの送受信を行う。ネットワークI/F1034は、ネットワーク端子1035に装着されたケーブルを介してネットワークに接続し、ネットワークに接続される各種の装置と音声データ以外のデータの送受信も行う。
テレビジョン受像機1000は、MPEGデコーダ1017として画像復号装置200を用いることにより、アンテナを介して受信する放送波信号や、ネットワークを介して取得するコンテンツデータに対して、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させることができる。
<5.第5の実施の形態>
[携帯電話機]
図25は、本発明を適用した画像符号化装置100および画像復号装置200を用いる携帯電話機の主な構成例を示すブロック図である。
図25に示される携帯電話機1100は、各部を統括的に制御するようになされた主制御部1150、電源回路部1151、操作入力制御部1152、画像エンコーダ1153、カメラI/F部1154、LCD制御部1155、画像デコーダ1156、多重分離部1157、記録再生部1162、変復調回路部1158、および音声コーデック1159を有する。これらは、バス1160を介して互いに接続されている。
また、携帯電話機1100は、操作キー1119、CCD(Charge Coupled Devices)カメラ1116、液晶ディスプレイ1118、記憶部1123、送受信回路部1163、アンテナ1114、マイクロホン(マイク)1121、およびスピーカ1117を有する。
電源回路部1151は、ユーザの操作により終話および電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話機1100を動作可能な状態に起動する。
携帯電話機1100は、CPU、ROMおよびRAM等でなる主制御部1150の制御に基づいて、音声通話モードやデータ通信モード等の各種モードで、音声信号の送受信、電子メールや画像データの送受信、画像撮影、またはデータ記録等の各種動作を行う。
例えば、音声通話モードにおいて、携帯電話機1100は、マイクロホン(マイク)1121で集音した音声信号を、音声コーデック1159によってデジタル音声データに変換し、これを変復調回路部1158でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部1163でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理する。携帯電話機1100は、その変換処理により得られた送信用信号を、アンテナ1114を介して図示しない基地局へ送信する。基地局へ伝送された送信用信号(音声信号)は、公衆電話回線網を介して通話相手の携帯電話機に供給される。
また、例えば、音声通話モードにおいて、携帯電話機1100は、アンテナ1114で受信した受信信号を送受信回路部1163で増幅し、さらに周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理し、変復調回路部1158でスペクトラム逆拡散処理し、音声コーデック1159によってアナログ音声信号に変換する。携帯電話機1100は、その変換して得られたアナログ音声信号をスピーカ1117から出力する。
更に、例えば、データ通信モードにおいて電子メールを送信する場合、携帯電話機1100は、操作キー1119の操作によって入力された電子メールのテキストデータを、操作入力制御部1152において受け付ける。携帯電話機1100は、そのテキストデータを主制御部1150において処理し、LCD制御部1155を介して、画像として液晶ディスプレイ1118に表示させる。
また、携帯電話機1100は、主制御部1150において、操作入力制御部1152が受け付けたテキストデータやユーザ指示等に基づいて電子メールデータを生成する。携帯電話機1100は、その電子メールデータを、変復調回路部1158でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部1163でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理する。携帯電話機1100は、その変換処理により得られた送信用信号を、アンテナ1114を介して図示しない基地局へ送信する。基地局へ伝送された送信用信号(電子メール)は、ネットワークおよびメールサーバ等を介して、所定のあて先に供給される。
また、例えば、データ通信モードにおいて電子メールを受信する場合、携帯電話機1100は、基地局から送信された信号を、アンテナ1114を介して送受信回路部1163で受信し、増幅し、さらに周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理する。携帯電話機1100は、その受信信号を変復調回路部1158でスペクトラム逆拡散処理して元の電子メールデータを復元する。携帯電話機1100は、復元された電子メールデータを、LCD制御部1155を介して液晶ディスプレイ1118に表示する。
なお、携帯電話機1100は、受信した電子メールデータを、記録再生部1162を介して、記憶部1123に記録する(記憶させる)ことも可能である。
この記憶部1123は、書き換え可能な任意の記憶媒体である。記憶部1123は、例えば、RAMや内蔵型フラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよいし、ハードディスクであってもよいし、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、USBメモリ、またはメモリカード等のリムーバブルメディアであってもよい。もちろん、これら以外のものであってもよい。
さらに、例えば、データ通信モードにおいて画像データを送信する場合、携帯電話機1100は、撮像によりCCDカメラ1116で画像データを生成する。CCDカメラ1116は、レンズや絞り等の光学デバイスと光電変換素子としてのCCDを有し、被写体を撮像し、受光した光の強度を電気信号に変換し、被写体の画像の画像データを生成する。CCDカメラ1116は、その画像データを、カメラI/F部1154を介して、画像エンコーダ1153で符号化し、符号化画像データに変換する。
携帯電話機1100は、このような処理を行う画像エンコーダ1153として、上述した画像符号化装置100を用いる。画像エンコーダ1153は、画像符号化装置100の場合と同様に、サブマクロブロック毎に画像の複雑さを示す指標を算出し、その指標に基づいてサブマクロブロック毎に量子化値を算出し、そのサブマクロブロック毎の量子化値を用いて直交変換係数の量子化を行う。このようにすることにより、画像エンコーダ1153は、画像の内容により適した量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させるように符号化データを生成することができる。
なお、携帯電話機1100は、このとき同時に、CCDカメラ1116で撮像中にマイクロホン(マイク)1121で集音した音声を、音声コーデック1159においてアナログデジタル変換し、さらに符号化する。
携帯電話機1100は、多重分離部1157において、画像エンコーダ1153から供給された符号化画像データと、音声コーデック1159から供給されたデジタル音声データとを、所定の方式で多重化する。携帯電話機1100は、その結果得られる多重化データを、変復調回路部1158でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部1163でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理する。携帯電話機1100は、その変換処理により得られた送信用信号を、アンテナ1114を介して図示しない基地局へ送信する。基地局へ伝送された送信用信号(画像データ)は、ネットワーク等を介して、通信相手に供給される。
なお、画像データを送信しない場合、携帯電話機1100は、CCDカメラ1116で生成した画像データを、画像エンコーダ1153を介さずに、LCD制御部1155を介して液晶ディスプレイ1118に表示させることもできる。
また、例えば、データ通信モードにおいて、簡易ホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、携帯電話機1100は、基地局から送信された信号を、アンテナ1114を介して送受信回路部1163で受信し、増幅し、さらに周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理する。携帯電話機1100は、その受信信号を変復調回路部1158でスペクトラム逆拡散処理して元の多重化データを復元する。携帯電話機1100は、多重分離部1157において、その多重化データを分離して、符号化画像データと音声データとに分ける。
携帯電話機1100は、画像デコーダ1156において符号化画像データをデコードすることにより、再生動画像データを生成し、これを、LCD制御部1155を介して液晶ディスプレイ1118に表示させる。これにより、例えば、簡易ホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データが液晶ディスプレイ1118に表示される。
携帯電話機1100は、このような処理を行う画像デコーダ1156として、上述した画像復号装置200を用いる。つまり、画像デコーダ1156は、画像復号装置200の場合と同様に、符号化側(画像符号化装置100)より供給されるsubmb_qp_delta等の量子化パラメータを用いて、サブマクロブロック毎に量子化値を算出し、逆量子化を行う。したがって、画像デコーダ1156は、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させることができる。
このとき、携帯電話機1100は、同時に、音声コーデック1159において、デジタルの音声データをアナログ音声信号に変換し、これをスピーカ1117より出力させる。これにより、例えば、簡易ホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる音声データが再生される。
なお、電子メールの場合と同様に、携帯電話機1100は、受信した簡易ホームページ等にリンクされたデータを、記録再生部1162を介して、記憶部1123に記録する(記憶させる)ことも可能である。
また、携帯電話機1100は、主制御部1150において、撮像されてCCDカメラ1116で得られた2次元コードを解析し、2次元コードに記録された情報を取得することができる。
さらに、携帯電話機1100は、赤外線通信部1181で赤外線により外部の機器と通信することができる。
携帯電話機1100は、画像エンコーダ1153として画像符号化装置100を用いることにより、例えばCCDカメラ1116において生成された画像データを符号化して伝送する際に、画像の内容により適した量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させるように符号化データを生成することができる。
また、携帯電話機1100は、画像デコーダ1156として画像復号装置200を用いることにより、例えば、簡易ホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータ(符号化データ)を復号する際に、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させることができる。
なお、以上において、携帯電話機1100が、CCDカメラ1116を用いるように説明したが、このCCDカメラ1116の代わりに、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いたイメージセンサ(CMOSイメージセンサ)を用いるようにしてもよい。この場合も、携帯電話機1100は、CCDカメラ1116を用いる場合と同様に、被写体を撮像し、被写体の画像の画像データを生成することができる。
また、以上においては携帯電話機1100として説明したが、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、UMPC(Ultra Mobile Personal Computer)、ネットブック、ノート型パーソナルコンピュータ等、この携帯電話機1100と同様の撮像機能や通信機能を有する装置であれば、どのような装置であっても携帯電話機1100の場合と同様に、本発明を適用した画像符号化装置および画像復号装置を適用することができる。
<6.第6の実施の形態>
[ハードディスクレコーダ]
図26は、本発明を適用した画像符号化装置および画像復号装置を用いるハードディスクレコーダの主な構成例を示すブロック図である。
図26に示されるハードディスクレコーダ(HDDレコーダ)1200は、チューナにより受信された、衛星や地上のアンテナ等より送信される放送波信号(テレビジョン信号)に含まれる放送番組のオーディオデータとビデオデータを、内蔵するハードディスクに保存し、その保存したデータをユーザの指示に応じたタイミングでユーザに提供する装置である。
ハードディスクレコーダ1200は、例えば、放送波信号よりオーディオデータとビデオデータを抽出し、それらを適宜復号し、内蔵するハードディスクに記憶させることができる。また、ハードディスクレコーダ1200は、例えば、ネットワークを介して他の装置からオーディオデータやビデオデータを取得し、それらを適宜復号し、内蔵するハードディスクに記憶させることもできる。
さらに、ハードディスクレコーダ1200は、例えば、内蔵するハードディスクに記録されているオーディオデータやビデオデータを復号してモニタ1260に供給し、モニタ1260の画面にその画像を表示させ、モニタ1260のスピーカよりその音声を出力させることができる。また、ハードディスクレコーダ1200は、例えば、チューナを介して取得された放送波信号より抽出されたオーディオデータとビデオデータ、または、ネットワークを介して他の装置から取得したオーディオデータやビデオデータを復号してモニタ1260に供給し、モニタ1260の画面にその画像を表示させ、モニタ1260のスピーカよりその音声を出力させることもできる。
もちろん、この他の動作も可能である。
図26に示されるように、ハードディスクレコーダ1200は、受信部1221、復調部1222、デマルチプレクサ1223、オーディオデコーダ1224、ビデオデコーダ1225、およびレコーダ制御部1226を有する。ハードディスクレコーダ1200は、さらに、EPGデータメモリ1227、プログラムメモリ1228、ワークメモリ1229、ディスプレイコンバータ1230、OSD(On Screen Display)制御部1231、ディスプレイ制御部1232、記録再生部1233、D/Aコンバータ1234、および通信部1235を有する。
また、ディスプレイコンバータ1230は、ビデオエンコーダ1241を有する。記録再生部1233は、エンコーダ1251およびデコーダ1252を有する。
受信部1221は、リモートコントローラ(図示せず)からの赤外線信号を受信し、電気信号に変換してレコーダ制御部1226に出力する。レコーダ制御部1226は、例えば、マイクロプロセッサなどにより構成され、プログラムメモリ1228に記憶されているプログラムに従って、各種の処理を実行する。レコーダ制御部1226は、このとき、ワークメモリ1229を必要に応じて使用する。
通信部1235は、ネットワークに接続され、ネットワークを介して他の装置との通信処理を行う。例えば、通信部1235は、レコーダ制御部1226により制御され、チューナ(図示せず)と通信し、主にチューナに対して選局制御信号を出力する。
復調部1222は、チューナより供給された信号を、復調し、デマルチプレクサ1223に出力する。デマルチプレクサ1223は、復調部1222より供給されたデータを、オーディオデータ、ビデオデータ、およびEPGデータに分離し、それぞれ、オーディオデコーダ1224、ビデオデコーダ1225、またはレコーダ制御部1226に出力する。
オーディオデコーダ1224は、入力されたオーディオデータをデコードし、記録再生部1233に出力する。ビデオデコーダ1225は、入力されたビデオデータをデコードし、ディスプレイコンバータ1230に出力する。レコーダ制御部1226は、入力されたEPGデータをEPGデータメモリ1227に供給し、記憶させる。
ディスプレイコンバータ1230は、ビデオデコーダ1225またはレコーダ制御部1226より供給されたビデオデータを、ビデオエンコーダ1241により、例えばNTSC(National Television Standards Committee)方式のビデオデータにエンコードし、記録再生部1233に出力する。また、ディスプレイコンバータ1230は、ビデオデコーダ1225またはレコーダ制御部1226より供給されるビデオデータの画面のサイズを、モニタ1260のサイズに対応するサイズに変換し、ビデオエンコーダ1241によってNTSC方式のビデオデータに変換し、アナログ信号に変換し、ディスプレイ制御部1232に出力する。
ディスプレイ制御部1232は、レコーダ制御部1226の制御のもと、OSD(On Screen Display)制御部1231が出力したOSD信号を、ディスプレイコンバータ1230より入力されたビデオ信号に重畳し、モニタ1260のディスプレイに出力し、表示させる。
モニタ1260にはまた、オーディオデコーダ1224が出力したオーディオデータが、D/Aコンバータ1234によりアナログ信号に変換されて供給されている。モニタ1260は、このオーディオ信号を内蔵するスピーカから出力する。
記録再生部1233は、ビデオデータやオーディオデータ等を記録する記憶媒体としてハードディスクを有する。
記録再生部1233は、例えば、オーディオデコーダ1224より供給されるオーディオデータを、エンコーダ1251によりエンコードする。また、記録再生部1233は、ディスプレイコンバータ1230のビデオエンコーダ1241より供給されるビデオデータを、エンコーダ1251によりエンコードする。記録再生部1233は、そのオーディオデータの符号化データとビデオデータの符号化データとをマルチプレクサにより合成する。記録再生部1233は、その合成データをチャネルコーディングして増幅し、そのデータを、記録ヘッドを介してハードディスクに書き込む。
記録再生部1233は、再生ヘッドを介してハードディスクに記録されているデータを再生し、増幅し、デマルチプレクサによりオーディオデータとビデオデータに分離する。記録再生部1233は、デコーダ1252によりオーディオデータおよびビデオデータをデコードする。記録再生部1233は、復号したオーディオデータをD/A変換し、モニタ1260のスピーカに出力する。また、記録再生部1233は、復号したビデオデータをD/A変換し、モニタ1260のディスプレイに出力する。
レコーダ制御部1226は、受信部1221を介して受信されるリモートコントローラからの赤外線信号により示されるユーザ指示に基づいて、EPGデータメモリ1227から最新のEPGデータを読み出し、それをOSD制御部1231に供給する。OSD制御部1231は、入力されたEPGデータに対応する画像データを発生し、ディスプレイ制御部1232に出力する。ディスプレイ制御部1232は、OSD制御部1231より入力されたビデオデータをモニタ1260のディスプレイに出力し、表示させる。これにより、モニタ1260のディスプレイには、EPG(電子番組ガイド)が表示される。
また、ハードディスクレコーダ1200は、インターネット等のネットワークを介して他の装置から供給されるビデオデータ、オーディオデータ、またはEPGデータ等の各種データを取得することができる。
通信部1235は、レコーダ制御部1226に制御され、ネットワークを介して他の装置から送信されるビデオデータ、オーディオデータ、およびEPGデータ等の符号化データを取得し、それをレコーダ制御部1226に供給する。レコーダ制御部1226は、例えば、取得したビデオデータやオーディオデータの符号化データを記録再生部1233に供給し、ハードディスクに記憶させる。このとき、レコーダ制御部1226および記録再生部1233が、必要に応じて再エンコード等の処理を行うようにしてもよい。
また、レコーダ制御部1226は、取得したビデオデータやオーディオデータの符号化データを復号し、得られるビデオデータをディスプレイコンバータ1230に供給する。ディスプレイコンバータ1230は、ビデオデコーダ1225から供給されるビデオデータと同様に、レコーダ制御部1226から供給されるビデオデータを処理し、ディスプレイ制御部1232を介してモニタ1260に供給し、その画像を表示させる。
また、この画像表示に合わせて、レコーダ制御部1226が、復号したオーディオデータを、D/Aコンバータ1234を介してモニタ1260に供給し、その音声をスピーカから出力させるようにしてもよい。
さらに、レコーダ制御部1226は、取得したEPGデータの符号化データを復号し、復号したEPGデータをEPGデータメモリ1227に供給する。
以上のようなハードディスクレコーダ1200は、ビデオデコーダ1225、デコーダ1252、およびレコーダ制御部1226に内蔵されるデコーダとして画像復号装置200を用いる。つまり、ビデオデコーダ1225、デコーダ1252、およびレコーダ制御部1226に内蔵されるデコーダは、画像復号装置200の場合と同様に、符号化側(画像符号化装置100)より供給されるsubmb_qp_delta等の量子化パラメータを用いて、サブマクロブロック毎に量子化値を算出し、逆量子化を行う。したがって、ビデオデコーダ1225、デコーダ1252、およびレコーダ制御部1226に内蔵されるデコーダは、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、主観画質の劣化を抑制させることができる。
したがって、ハードディスクレコーダ1200は、例えば、チューナや通信部1235が受信するビデオデータ(符号化データ)や、記録再生部1233が再生するビデオデータ(符号化データ)に対して、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、主観画質の劣化を抑制させることができる。
また、ハードディスクレコーダ1200は、エンコーダ1251として画像符号化装置100を用いる。したがって、エンコーダ1251は、画像符号化装置100の場合と同様に、サブマクロブロック毎に画像の複雑さを示す指標を算出し、その指標に基づいてサブマクロブロック毎に量子化値を算出し、そのサブマクロブロック毎の量子化値を用いて直交変換係数の量子化を行う。このようにすることにより、エンコーダ1251は、画像の内容により適した量子化処理を行うことができ、主観画質の劣化を抑制させることができる。
したがって、ハードディスクレコーダ1200は、例えば、ハードディスクに記録する符号化データを生成する際に、画像の内容により適した量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させるように符号化データを生成することができる。
なお、以上においては、ビデオデータやオーディオデータをハードディスクに記録するハードディスクレコーダ1200について説明したが、もちろん、記録媒体はどのようなものであってもよい。例えばフラッシュメモリ、光ディスク、またはビデオテープ等、ハードディスク以外の記録媒体を適用するレコーダであっても、上述したハードディスクレコーダ1200の場合と同様に、本発明を適用した画像符号化装置100および画像復号装置200を適用することができる。
<7.第7の実施の形態>
[カメラ]
図27は、本発明を適用した画像符号化装置および画像復号装置を用いるカメラの主な構成例を示すブロック図である。
図27に示されるカメラ1300は、被写体を撮像し、被写体の画像をLCD1316に表示させたり、それを画像データとして、記録メディア1333に記録したりする。
レンズブロック1311は、光(すなわち、被写体の映像)を、CCD/CMOS1312に入射させる。CCD/CMOS1312は、CCDまたはCMOSを用いたイメージセンサであり、受光した光の強度を電気信号に変換し、カメラ信号処理部1313に供給する。
カメラ信号処理部1313は、CCD/CMOS1312から供給された電気信号を、Y,Cr,Cbの色差信号に変換し、画像信号処理部1314に供給する。画像信号処理部1314は、コントローラ1321の制御の下、カメラ信号処理部1313から供給された画像信号に対して所定の画像処理を施したり、その画像信号をエンコーダ1341で符号化したりする。画像信号処理部1314は、画像信号を符号化して生成した符号化データを、デコーダ1315に供給する。さらに、画像信号処理部1314は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)1320において生成された表示用データを取得し、それをデコーダ1315に供給する。
以上の処理において、カメラ信号処理部1313は、バス1317を介して接続されるDRAM(Dynamic Random Access Memory)1318を適宜利用し、必要に応じて画像データや、その画像データが符号化された符号化データ等をそのDRAM1318に保持させる。
デコーダ1315は、画像信号処理部1314から供給された符号化データを復号し、得られた画像データ(復号画像データ)をLCD1316に供給する。また、デコーダ1315は、画像信号処理部1314から供給された表示用データをLCD1316に供給する。LCD1316は、デコーダ1315から供給された復号画像データの画像と表示用データの画像を適宜合成し、その合成画像を表示する。
オンスクリーンディスプレイ1320は、コントローラ1321の制御の下、記号、文字、または図形からなるメニュー画面やアイコンなどの表示用データを、バス1317を介して画像信号処理部1314に出力する。
コントローラ1321は、ユーザが操作部1322を用いて指令した内容を示す信号に基づいて、各種処理を実行するとともに、バス1317を介して、画像信号処理部1314、DRAM1318、外部インタフェース1319、オンスクリーンディスプレイ1320、およびメディアドライブ1323等を制御する。FLASH ROM1324には、コントローラ1321が各種処理を実行する上で必要なプログラムやデータ等が格納される。
例えば、コントローラ1321は、画像信号処理部1314やデコーダ1315に代わって、DRAM1318に記憶されている画像データを符号化したり、DRAM1318に記憶されている符号化データを復号したりすることができる。このとき、コントローラ1321は、画像信号処理部1314やデコーダ1315の符号化・復号方式と同様の方式によって符号化・復号処理を行うようにしてもよいし、画像信号処理部1314やデコーダ1315が対応していない方式により符号化・復号処理を行うようにしてもよい。
また、例えば、操作部1322から画像印刷の開始が指示された場合、コントローラ1321は、DRAM1318から画像データを読み出し、それを、バス1317を介して外部インタフェース1319に接続されるプリンタ1334に供給して印刷させる。
さらに、例えば、操作部1322から画像記録が指示された場合、コントローラ1321は、DRAM1318から符号化データを読み出し、それを、バス1317を介してメディアドライブ1323に装着される記録メディア1333に供給して記憶させる。
記録メディア1333は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、または半導体メモリ等の、読み書き可能な任意のリムーバブルメディアである。記録メディア1333は、もちろん、リムーバブルメディアとしての種類も任意であり、テープデバイスであってもよいし、ディスクであってもよいし、メモリカードであってもよい。もちろん、非接触ICカード等であっても良い。
また、メディアドライブ1323と記録メディア1333を一体化し、例えば、内蔵型ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)等のように、非可搬性の記憶媒体により構成されるようにしてもよい。
外部インタフェース1319は、例えば、USB入出力端子などで構成され、画像の印刷を行う場合に、プリンタ1334と接続される。また、外部インタフェース1319には、必要に応じてドライブ1331が接続され、磁気ディスク、光ディスク、あるいは光磁気ディスクなどのリムーバブルメディア1332が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて、FLASH ROM1324にインストールされる。
さらに、外部インタフェース1319は、LANやインターネット等の所定のネットワークに接続されるネットワークインタフェースを有する。コントローラ1321は、例えば、操作部1322からの指示に従って、DRAM1318から符号化データを読み出し、それを外部インタフェース1319から、ネットワークを介して接続される他の装置に供給させることができる。また、コントローラ1321は、ネットワークを介して他の装置から供給される符号化データや画像データを、外部インタフェース1319を介して取得し、それをDRAM1318に保持させたり、画像信号処理部1314に供給したりすることができる。
以上のようなカメラ1300は、デコーダ1315として画像復号装置200を用いる。つまり、デコーダ1315は、画像復号装置200の場合と同様に、符号化側(画像符号化装置100)より供給されるsubmb_qp_delta等の量子化パラメータを用いて、サブマクロブロック毎に量子化値を算出し、逆量子化を行う。したがって、デコーダ1315は、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、主観画質の劣化を抑制させることができる。
したがって、カメラ1300は、例えば、CCD/CMOS1312において生成される画像データや、DRAM1318または記録メディア1333から読み出すビデオデータの符号化データや、ネットワークを介して取得するビデオデータの符号化データに対して、画像の内容により適した逆量子化処理を行うことができ、主観画質の劣化を抑制させることができる。
また、カメラ1300は、エンコーダ1341として画像符号化装置100を用いる。エンコーダ1341は、画像符号化装置100の場合と同様に、サブマクロブロック毎に画像の複雑さを示す指標を算出し、その指標に基づいてサブマクロブロック毎に量子化値を算出し、そのサブマクロブロック毎の量子化値を用いて直交変換係数の量子化を行う。このようにすることにより、エンコーダ1341は、画像の内容により適した量子化処理を行うことができ、主観画質の劣化を抑制させることができる。
したがって、カメラ1300は、例えば、DRAM1318や記録メディア1333に記録する符号化データや、他の装置に提供する符号化データを生成する際に、画像の内容により適した量子化処理を行うことができ、復号画像の主観画質の劣化を抑制させるように符号化データを生成することができる。
なお、コントローラ1321が行う復号処理に画像復号装置200の復号方法を適用するようにしてもよい。同様に、コントローラ1321が行う符号化処理に画像符号化装置100の符号化方法を適用するようにしてもよい。
また、カメラ1300が撮像する画像データは動画像であってもよいし、静止画像であってもよい。
もちろん、本発明を適用した画像符号化装置および画像復号装置は、上述した装置以外の装置やシステムにも適用可能である。
500 画像符号化装置, 501 フィルタ制御部, 502 適応ループフィルタ, 511 ON/OFF部, 512 フィルタ係数算出部, 513 フィルタリング部, 601 フィルタ制御部, 602 適応ループフィルタ, 611 タップ長設定部, 612 フィルタ係数算出部, 621 ゼロ係数設定部

Claims (15)

  1. 画像データに対して行われる適応フィルタ処理の動作を、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて制御するフィルタ制御手段と、
    動き補償ループ内において、前記フィルタ制御手段により制御されて、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行うフィルタ処理手段と
    を備える画像処理装置。
  2. 前記フィルタ制御手段は、
    前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照される場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、
    前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照されない場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像データはピクチャ単位のデータであり、
    前記フィルタ制御手段は、前記ピクチャのタイプに応じて、前記画像データに対する前記適応フィルタ処理の動作を制御する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがPピクチャおよびBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御する
    請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIピクチャもしくはPピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御する
    請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記フィルタ制御手段は、前記画像データが、階層Bピクチャを含む画像データのIピクチャ、Pピクチャ、若しくは、参照されるBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データが、階層Bピクチャを含む画像データの参照されないBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御する
    請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像データはスライス単位のデータであり、
    前記フィルタ制御手段は、前記スライスのタイプに応じて、前記画像データに対する前記適応フィルタ処理の動作を制御する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがPスライスおよびBスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御する
    請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記フィルタ制御手段は、前記画像データがIスライスもしくはPスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データがBピクチャである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御する
    請求項7に記載の画像処理装置。
  10. 前記フィルタ制御手段は、前記画像データが、階層Bスライスを含む画像データのIスライス、Pスライス、若しくは、参照されるBスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われるように制御し、前記画像データが、階層Bピクチャを含む画像データの参照されないBスライスである場合、前記適応フィルタ処理が行われないように制御する
    請求項7に記載の画像処理装置。
  11. 前記適応フィルタ処理された画像データを符号化する符号化手段をさらに備え、
    前記符号化手段は、前記適応フィルタ処理のフィルタ係数および前記適応フィルタ処理を行う否かを示すフラグ情報を符号化し、前記画像データの符号化データに付加する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  12. 前記フィルタ制御手段は、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて、前記適応フィルタ処理のフィルタ係数のタップ長を制御し、
    前記フィルタ処理手段は、前記フィルタ制御手段により制御されたタップ長のフィルタ係数を用いて、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行う
    請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記フィルタ制御手段は、
    前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照される場合、前記タップ長を長くするように制御し、
    前記画像データの符号化処理において、前記適応フィルタ処理の対象となる前記画像データが前記他の画像データから参照されない場合、前記タップ長を短くするように制御する
    請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 画像処理装置のフィルタ制御手段が、画像データに対して行われる適応フィルタ処理の動作を、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて制御し、
    前記画像処理装置のフィルタ処理手段が、動き補償ループ内において、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行う
    画像処理方法。
  15. コンピュータを、
    画像データに対して行われる適応フィルタ処理の動作を、前記画像データが他の画像データから参照されるか否かに応じて制御するフィルタ制御手段、
    動き補償ループ内において、前記フィルタ制御手段により制御されて、前記画像データに対して前記適応フィルタ処理を行うフィルタ処理手段
    として機能させるためのプログラム。
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