JP2012082094A - イオン性結晶の表面エネルギーの計算方法、及びイオン性結晶の結晶成長方向の評価方法 - Google Patents

イオン性結晶の表面エネルギーの計算方法、及びイオン性結晶の結晶成長方向の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン性結晶の表面エネルギーの大小を簡便に比較する方法、および、イオン性結晶の成長方向の評価方法を提供する。
【解決手段】一対の充分広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶について、その表面に現れるイオンには補正した電荷を、当該結晶の内部に位置するイオンには形式電荷をそれぞれ適用し、且つエワルド法を用いて当該一対の表面を有するイオン性結晶が備える構造のエネルギーを評価すればよい。このようにして最もエネルギーが低い表面を特定することにより、イオン性結晶の結晶成長方向が予測できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、イオン性結晶の表面エネルギーの計算方法、及びイオン性結晶の結晶成長方向の評価方法に関する。
非結晶状態の薄膜等が、加熱処理に伴い表面から結晶化する現象が知られている。そして、表面に如何なる結晶系の、どの結晶面が現れ、そして当該結晶が成長するのかを知ることが望まれている。
加熱処理に伴って物質の表面に現れる結晶面は、当該物質がとりうる結晶系とその結晶面のうち、最も表面エネルギーが低い結晶面となる。従って、当該物質がとりうる全ての結晶系の全ての結晶面についてその表面エネルギーを算出し、最も表面エネルギーが低い表面を特定できれば、加熱処理により如何なる結晶面が表面に現れるかを知ることができる。
また、表面を有する結晶の「表面エネルギー」の算出方法の一例としては、当該結晶系の同一の組成の「表面を有する構造のエネルギー」から、「バルクにおける構造のエネルギー」を差し引いて表面積の2倍で除して求める方法が知られている。
また、「表面を有する構造のエネルギー」、並びに「バルクにおける構造のエネルギー」は、第一原理計算を用いて算出する方法が知られている(非特許文献1)。
また、イオン性結晶の非極性面の表面エネルギーを簡便に算出する方法としてエワルド法に基づく方法が知られている(非特許文献1)。しかし、極性面の表面エネルギーについては、当該方法では妥当な計算結果が導かれていない(非特許文献2)。
PHYSICAL REVIEW, B76, 165435,(2007). SURFACE SCIENCE, 49, 433,(1975). SURFACE SCIENCE, 54, 195,(1976).
ところで、第一原理計算は比較的単純な構造のエネルギーを算出する場合には有用であるが、複雑な構造、例えば多数の原子を単位構造に含む場合は、現実的な時間で構造のエネルギーを算出することは困難である。
本発明は、このような技術的背景のもとでなされたものである。したがって、その目的はイオン性結晶の表面エネルギーの大小を簡便に比較する方法を提供することを課題の一とする。
または、イオン性結晶の成長する結晶系、及びその成長方向の評価方法を提供することを課題の一とする。
上記目的を達成するために本発明は、イオン性結晶を構成するイオンを点電荷と見なして計算モデルを構築し、イオン性結晶が備える構造のエネルギーをイオン同士のクーロン相互作用に由来するエネルギーの総和(クーロンポテンシャル)とし、エワルド法を用いて当該一対の表面を評価する方法に想到した。
特に、一対の充分に広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶の各イオンに形式電荷を適用して計算モデルを構築した結果、該一対の表面に垂直な成分を含む双極子モーメントを該イオン性結晶が備える場合、当該イオン性結晶の双極子モーメントが該一対の表面に垂直な成分を含まないように、該一対の表面に現れる各イオンに補正した電荷を適用することを特徴とする。
なお、本明細書において、一対の充分広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶が、その一対の表面を真空に曝した状態で備える構造のエネルギーを「一対の表面を有する構造のエネルギー」と呼ぶ。
また、上記一対の充分広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶が、三次元方向に充分な広がりを持つイオン性結晶に内包される状態で備える構造のエネルギーは、その全てのイオンに形式電荷を適用し、且つエワルド法を用いて評価できる。なお、本明細書において、このエネルギーを「バルクにおける構造のエネルギー」と呼ぶ。
そして、イオン性結晶の表面エネルギーは、イオン性結晶が備える「一対の表面を有する構造のエネルギー」から、同一の組成のイオン性結晶の「バルクにおける構造のエネルギー」を差し引き、更に表面積の2倍で除して求めることができる。なお、本明細書においては、一対の充分に広い表面を持つイオン性結晶が備える表面は、互いに平行に対峙する充分に広い面のみを指し、便宜上当該表面と交わる他の面は一対の表面に含めないものとする。
また、イオン性結晶の結晶成長方向は、イオン性結晶の複数の結晶系の複数の結晶面について「表面エネルギー」を算出し、最もエネルギーが低い表面を特定することにより予測できる。
なお、本明細書において、一対の充分広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶が、その上面と下面に結晶構造上連続するイオンを有する構成を「一対の表面を有するイオン性結晶」と呼ぶ。例えば、表面に交わる軸上にイオンA、イオンB、イオンC、イオンDがABCDABCDと連続して結晶を構成する場合(図1参照)、上面にイオンAと下面にイオンBを有する構成、又は上面にイオンBと下面にイオンCを有する構成、又は上面にイオンCと下面にイオンDを有する構成、又は上面にイオンDと下面にイオンAを有する構成は、上面のイオンと下面のイオンが互いに連続するため「一対の表面を有するイオン性結晶」に相当する。
また、本明細書において、一対の充分広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶の各イオンに形式電荷を適用して計算モデルを構築した結果、該イオン性結晶が該一対の表面に垂直な成分を含む双極子モーメントを備える場合、該表面を極性面とよぶ。なお、イオン性結晶が一対の極性面を有する場合、本発明の一態様は極性面に表れるイオンの電荷を、双極子モーメントの該一対の表面に垂直な成分がゼロになるように物理的に妥当に補正して、当該イオン性結晶が備える構造のエネルギーを求めることを特徴とする。
すなわち、本発明の一態様は、イオンの形式電荷の総和がゼロであり、一対の表面、同一の構造並びに同一の組成を有する単位格子を周期的に配置して備えるイオン性結晶の表面エネルギーの算出方法である。さらに、イオン性結晶のイオンに形式電荷を適用し、エワルド法を用いてクーロンポテンシャルを評価し、イオン性結晶の「バルクにおける構造のエネルギー」を求める第1のステップと、単位格子の双極子モーメントの一対の表面に垂直な成分並びに単位格子の電荷が共にゼロとなるように、一対の表面に現れるイオンの電荷を補正する第2のステップと、一対の表面にあるイオンに補正された電荷を適用し、イオン性結晶の内部にあるイオンに形式電荷を適用し、エワルド法を用いてクーロンポテンシャルを評価し、イオン性結晶の「一対の表面を有する構造のエネルギー」を求める第3のステップと、「一対の表面を有する構造のエネルギー」から、「バルクにおける構造のエネルギー」を差し引いて、イオン性結晶の表面エネルギーを算出する第4のステップと、を備えるイオン性結晶の表面エネルギーの算出方法である。
上記本発明の一態様によれば、表面に現れるイオンには補正した電荷を、当該結晶の内部に位置するイオンには形式電荷をそれぞれ適用し、且つエワルド法を用いて当該一対の表面を有するイオン性結晶が備える構造のエネルギーを評価する。エワルド法を用いてクーロンポテンシャルから一対の表面を有するイオン性結晶の表面エネルギーを算出する。これにより、負荷の高い第一原理計算を行う必要が無くなる。その結果、汎用計算機を用いてイオン性結晶の表面エネルギーを算出することができる。または、短時間にイオン性結晶の表面エネルギーを算出することができる。
また、本発明の一態様は、第1の表面と第2の表面が対をなす、一対の表面を有する単位格子を含み、第1の表面にイオンを合計Nup個と、第2の表面にイオンを合計Ndown個と、第1の表面と第2の表面の間にイオンと、を有するイオン性結晶に関するものである。そして、第1の表面のイオンのそれぞれの形式電荷に補正値xを加え、第2の表面のイオンのそれぞれの形式電荷に補正値yを加え、第1の表面と第2の表面の間のイオンに形式電荷を適用することにより、単位格子の双極子モーメントの一対の表面に垂直な成分d並びに補正値xと前記Nupの積に補正値yとNdownの積を加えた値が共にゼロとなる、補正値xと、補正値yを定める上記のイオン性結晶の「表面エネルギー」の算出方法である。
上記本発明の一態様によれば、双極子モーメントの前記一対の表面に垂直な成分がゼロとなる物理的に妥当な補正値を容易に定められ、エワルド法を用いてクーロンポテンシャルから一対の表面を有するイオン性結晶の表面エネルギーを算出できる。これにより、負荷の高い第一原理計算を行う必要が無くなる。その結果、汎用計算機を用いてイオン性結晶の表面エネルギーを算出することができる。または、短時間にイオン性結晶の表面エネルギーを算出することができる。
また、本発明の一態様は、上記のイオン性結晶の表面エネルギーの算出方法を用いて、イオン性結晶の複数の表面エネルギーを算出する第1のステップと、算出された複数の表面エネルギーからイオン性結晶の結晶成長方向を特定する第2のステップと、を備える結晶成長方向の評価方法である。
上記本発明の一態様によれば、イオン性結晶の複数の表面エネルギーをクーロンポテンシャルから算出し、互いに比較する。これにより、負荷の高い第一原理計算を複数回行う必要が無くなる。その結果、汎用計算機を用いてイオン性結晶の結晶成長方向を評価することができる。または、短時間にイオン性結晶の結晶成長方向を評価することができる。
本発明によれば、イオン性結晶の表面エネルギーの大小を簡便に比較する方法を提供できる。または、イオン性結晶の成長方向の評価方法を提供できる。
一対の表面を備えるイオン性結晶の構造を説明する図。 実施の形態に係るイオン性結晶の構造のエネルギーの算出方法を説明する図。 実施例に係るInGaZnOの結晶構造を説明する図。 実施例に係るInGaZnOの結晶構造の切断面を説明する図。 実施例に係る薄膜試料のSTEM像。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態)
本実施の形態では、イオン性結晶を構成するイオンを点電荷と見なし、イオン性結晶が備える構造のエネルギーを、イオン同士のクーロン相互作用に由来するエネルギーの総和(クーロンポテンシャル)とし、エワルド法を用いて決定して、イオン性結晶の表面エネルギーの大小を簡便に比較する方法について説明する。
特に、一対の充分に広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶の各イオンに形式電荷を適用した結果、該一対の表面に垂直な成分を含む双極子モーメントを該イオン性結晶が備える場合、当該イオン性結晶の双極子モーメントが該一対の表面に垂直な成分を含まないように、該一対の表面に現れる各イオンに物理的に妥当な補正を施した電荷を適用して当該一対の表面を有するイオン性結晶が備える構造のエネルギーを評価する方法について図2を参照して説明する。
まず、三次元方向に充分な広がりを持つイオン性結晶は周期的に配置された単位格子から構成され、各単位格子は同一の構造並びに組成を備える。このようなイオン性結晶を構成するイオンiが備えるエネルギーは、当該イオンの電荷qと当該イオンiに他の全てのイオンが与えるクーロンポテンシャルVとの積で表される。
また、周期的に配置された単位格子が備えるエネルギーは、単位格子を構成するイオンが備えるエネルギーの総和の1/2となり、(1)式で表すことができる。
本実施の形態では、(1)式を踏まえ、イオン性結晶の表面エネルギーの大小の評価方法について以下の順に説明する。
はじめに、エワルド法を用いてクーロンポテンシャルを評価する方法について説明する。具体的には、点電荷がもたらすクーロンポテンシャル、三次元方向に充分な広がりを持つイオン性結晶中のイオンiが他のイオンから受けるポテンシャル、並びに一対の表面を有するイオン性結晶中のイオンiが他のイオンから受けるポテンシャルについて説明する。
次いで、一対の表面に表れるイオンの形式電荷を補正する理由、並びに補正方法を説明する。
そして、イオン性結晶が備える上述のポテンシャルを用いて、「バルクにおける構造のエネルギー」、及び「一対の表面を有する構造のエネルギー」を算出し、最後に「表面エネルギー」を評価する方法を説明する。
<点電荷がもたらすクーロンポテンシャル>
原点に置かれた点電荷qにより生じる位置rの電荷密度ρ(r)は、ディラックのデルタ関数δ(r)を用いて(2)式で表すことができる。
本実施の形態では、点電荷qにより生じる位置rの電荷密度ρ(r)を、入力パラメータGを用いて(3)式のように分割する。なお、入力パラメータGは数値的な計算の効率を決定するパラメータであり、適切な値に設定すればよい。
(3)式の電荷密度ρ(r)について、真空中のポアソン方程式((4)式参照)を解き、点電荷qが位置rにもたらすクーロンポテンシャルV(r)を求める。なお、真空中の誘電率をεとする。
位置rのクーロンポテンシャルV(r)は(5)式となる。(5)式の第一項と第二項はそれぞれ(3)式の第一項と第二項から導かれる。なお、(5)式における、誤差関数erf(x)を(6)式に、また余誤差関数erfc(x)を(7)式に示す。
<三次元方向に充分な広がりを持つイオン性結晶中のイオンiが他のイオンから受けるポテンシャルV
イオン性結晶は以下の特徴を備える。単位格子が規則的に繰り返して配置され、各単位格子は陽イオンと陰イオンを含み、その形式電荷の総和はゼロである。単位格子が三次元方向に充分な広がりを持って繰り返し配置されるイオン性結晶の構造の一例を図2(A)に示す。
図2(A)に示すイオン性結晶中のイオンiが他のイオンから受けるクーロンポテンシャルVは格子ベクトルtlmnを用いて(8)式で表すことができる。
なお、格子ベクトルtlmnは、整数l、整数m、及び整数n、並びに並進ベクトルa、並進ベクトルa、及び並進ベクトルaを用いて(9)式で表され、格子ベクトルdjiは(10)式で表される。
(8)式の第1項と第2項は、イオンiの全ての並進像から受けるポテンシャルを表し、第3項と第4項は、イオンiと同一の単位格子に含まれる他のイオンjとその全ての並進像から受けるポテンシャルを表す。
(8)式の第2項と第4項はフーリエ変換すると逆格子ベクトルのフーリエ成分で表せることから、イオンiが他のイオンから受けるポテンシャルVを、単位格子の体積Ω、並びに逆格子ベクトルhlmnを用いて(11)式で表すことができる。
なお、逆格子ベクトルhlmnは、整数l、整数m、及び整数n、並びに逆格子の並進ベクトルb、逆格子の並進ベクトルb、及び逆格子の並進ベクトルbを用いて(12)式で表され、格子ベクトルdjiは(13)式で表される。
(11)式に従ってイオンiに働くクーロンポテンシャルを数値的に評価する場合、Gが大きくなるとtlmnに関する和の収束は早くなるが、hlmnに関する和の収束は遅くなる。従って数値的な計算にあたっては、全体的な計算コストが小さくなるように、Gの値を定めればよい。
<一対の表面を有するイオン性結晶中のイオンiが他のイオンから受けるポテンシャルV
単位格子が三次元方向に充分な広がりを持って繰り返し配置されるイオン性結晶に内包されるイオンiに他のイオンが与えるポテンシャルVを求める方法と同様、一対の表面を有するイオン性結晶中のイオンiが、他のイオンから受けるクーロンポテンシャルVを求めることができる。
一対の表面を有するイオン性結晶の一例を図2(B)に示す。当該構造はa方向と、a方向に周期性を備えるが、表面を境にa方向についての周期性が失われている。
方向と、a方向にのみ周期性を有する構成は、格子ベクトルは(14)式で、逆格子ベクトルは(15)式で与えられる。
一対の表面を有するイオン性結晶はa方向に周期が無限大の周期性を持つと見なす事ができる。よって一対の表面を有するイオン性結晶中のイオンiが、他のイオンから受けるクーロンポテンシャルV(r)の評価に当たっては(11)式において、(16)式と(17)式の置き換えを行えばよい。ただしhは単位格子の、aとaが作る面に垂直な方向の長さ、つまり高さであり、hはhlmnのb方向の成分である。
依って、一対の表面を有するイオン性結晶中のイオンiが、他のイオンから受けるクーロンポテンシャルVは、単位格子のa−a面方向の断面積S、逆格子ベクトルhlm、およびその絶対値、並びにベクトルdjiのa軸方向の成分uji、及びベクトルdjiのa−a面内の成分ベクトルρjiを用いて、(18)式で表すことができる。
<一対の表面に表れるイオンの形式電荷の補正>
一対の充分に広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶の各イオンに形式電荷を適用した結果、該イオン性結晶が該一対の表面に垂直な成分を含む双極子モーメントを備える場合、一対の表面を有する構造のエネルギーは、該一対の表面に現れる各イオンに補正された電荷を適用して求める必要がある。
表面に現れる各イオンの電荷を補正する理由は以下の通りである。三次元方向に充分な広がりを持つイオン性結晶に内包されるイオンは、当該イオンを取り囲む他のイオンと電子を授受した結果、形式電荷を備える。しかしながら、表面に現れるイオンの一方の側は他のイオンと対峙するものの、他方の側は真空に曝されている。依って、表面に現れるイオンはイオン性結晶に内包されるイオンとは異なる電荷を備えるものとするべきである。
さらに、イオン性結晶の一対の表面を有する単位格子の双極子モーメントが該一対の表面に垂直な成分を含まないように、表面に現れる各イオンの電荷を補正する。単位格子の双極子モーメントが該一対の表面に垂直な成分を含まないように補正することで、一方の表面に現れるイオンに他方の表面がポテンシャルを与えることがなくなる。
もし、一方の表面に現れるイオンに他方の表面がポテンシャルを与えると仮定すると、当該単位格子の一対の表面間の距離が広がれば、表面に現れるイオンのポテンシャルも単調に、且つ限りなく大きくなる。そして、表面エネルギーが単位格子の大きさに依存して大きくなるという物理的に不適切な結果に至ってしまう。
依って、本発明の一態様は、イオン性結晶の「一対の表面を有する構造のエネルギー」を求める際に、単位格子の双極子モーメントが該一対の表面に垂直な成分を含まないように、該一対の表面に現れる各イオンの電荷を以下の方法に従って補正することを特徴とする(図2(B)参照)。
一対の表面を有する単位格子が備える双極子モーメントの、該一対の表面に垂直な成分dは(19)式で表わすことができる。なお、第1の表面には単一の若しくは異なる種類のイオンが形式電荷qをそれぞれ備えて座標rに位置し、第2の表面上には単一の若しくは異なる種類のイオンが形式電荷qをそれぞれ備えて座標rに位置し、第1の表面と第2の表面の間には単一の若しくは異なる種類のイオンが形式電荷qをそれぞれ備えて座標rに位置する。また、一対の表面はベクトルa、及びベクトルaを含む平面と平行であり、当該平面と垂直に交わる単位ベクトルvは(20)式で表わされる。
第1の表面に現れるイオンのそれぞれの形式電荷qに補正値xを加え、第2の表面に現れるイオンのそれぞれの形式電荷qに補正値yをそれぞれ加えて、一対の表面を有する単位格子が備える双極子モーメントの、該一対の表面に垂直な成分dがゼロになるように補正する。
また、補正の有無に係わらず単位格子を構成するイオンの電荷の総和はゼロに保たれる必要がある。第1の表面にあるイオンの数をNup、第2の表面にあるイオンの数をNdownとし、第1の表面にあるイオンの電荷に施した補正の和と、第2の表面にあるイオンの電荷に施した補正の和の総和はゼロに等しくなる。
上述の条件から(21)式の連立方程式が与えられる。
第1の表面に現れるイオンjの形式電荷qに対する補正値x、及び第2の表面に現れるイオンkの形式電荷qに対する補正値yは、連立方程式(21)式を解いて定めることができる。
<イオン性結晶の「バルクにおける構造のエネルギー」の算出>
イオン性結晶の「バルクにおける構造のエネルギー」の算出方法としては、はじめに各電荷に形式電荷を適用して、イオンiが他のイオンから受けるクーロンポテンシャルVを(11)式を用いて表現する。次いで、当該クーロンポテンシャルVを(1)式に代入して、「バルクにおける構造のエネルギー」を算出すればよい。
<イオン性結晶の「一対の表面を有する構造のエネルギー」の算出>
イオン性結晶の「一対の表面を有する構造のエネルギー」の算出方法としては、一対の表面に現れるイオンに補正した電荷を、一対の表面の間にあるイオンには形式電荷を適用して、イオンi、イオンj、イオンkが他のイオンから受けるクーロンポテンシャルVを(18)式を用いて表現する。次いで、当該クーロンポテンシャルVを(1)式に代入して、「一対の表面を有する構造のエネルギー」を算出すればよい。
<イオン性結晶の「表面エネルギー」の算出>
上述の「一対の表面を有する構造のエネルギー」から「バルクにおける構造のエネルギー」を差し引いて、表面積の2倍で除してイオン性結晶の表面エネルギーを算出する。
本実施の形態では、一対の充分に広い表面、並びに充分な厚さを備えるイオン性結晶の各イオンに形式電荷を適用して計算モデルを構築した結果、該一対の表面に垂直な成分を含む双極子モーメントを該イオン性結晶が備える場合、当該イオン性結晶の双極子モーメントが該一対の表面に垂直な成分を含まないように、該一対の表面に現れる各イオンの電荷に補正して当該一対の表面を有するイオン性結晶が備える構造のエネルギーを評価する方法を例示した。その結果、汎用計算機を用いてイオン性結晶の表面エネルギーを算出することができる。または、短時間にイオン性結晶の表面エネルギーを算出することができる。
本実施の形態で例示した表面エネルギーの算出方法は、簡便であるため、短時間に、且つ計算機に多大な負荷をかけることなく、複数の結晶系の複数の結晶面について表面エネルギーを算出できる。依って、複数の表面エネルギーを互いに比較検討することが可能となり、最も低いエネルギーを備える表面を特定することが容易になる。
真空に曝された面から結晶化するイオン性結晶は、表面エネルギーが低い面を真空に曝して成長する。本実施の形態で例示した方法を用いればイオン性結晶の成長方向を計算により予測することが可能になり、材料選択に要していた試行錯誤の回数を劇的に低減できるため、産業の発達に寄与できる。
本実施例では、一対の充分に広い表面、並びに充分な厚さを備える酸化物からなるイオン性結晶を例に、計算機を用いて当該酸化物からなるイオン性結晶の表面エネルギーを算出した結果について説明する。具体的には、酸化物からなるイオン性結晶としてIn−Ga−Zn−O系酸化物について表面エネルギーを算出した。
表面エネルギーを算出したIn−Ga−Zn−O系酸化物は、InGaZnOの組成からなる。構成するイオンの形式電荷は、インジウム(In)が+3、ガリウム(Ga)が+3、亜鉛(Zn)が+2、並びに酸素(O)が−2である。
なお、表面エネルギーの算出において、InGaZnOの組成からなるイオン性結晶の各イオンの座標は、無機結晶構造データベース(Inorganic Crystal Structure Database:ICSD)のICSD−90003に基づき、インジウム原子、ガリウム原子、亜鉛原子、並びに酸素原子を図3に示すように配置した。
<InGaZnOの結晶構造>
InGaZnOの結晶構造を図3に示す。InGaZnOの単位格子は、4種類の原子からなり、多数の原子から構成されている。図3(A)に示すInGaZnOの結晶構造は、(001)面が紙面と交わり、且つ[001]方向が紙面に沿っている。また、図3(B)に示すInGaZnOの結晶構造は、(100)面が紙面と交わり、且つ[110]方向が紙面に沿っている。
表面に(001)面が現われる結晶構造(図3(A)参照)の表面エネルギーを算出する場合、最小の単位格子の一方の表面と他方の表面の間に多数のイオンが含まれ、一対の表面が充分に離れて配置される。依って、一対の表面の相互作用が無視できる厚さの単位格子を計算の対象として表面エネルギーを算出することができる。
表面に(100)面が現れる結晶構造(図3(B)参照)の表面エネルギーを算出する場合、最小の単位格子を計算の対象とすることができない。なぜなら、(100)面を一対の表面とすると最小の単位格子の一方の表面と他方の表面が近接してしまい、一対の表面の相互作用が無視できない表面のエネルギーを算出することになってしまうからである。そこで、一対の表面を互いに充分に離れた構成とするために、例えば図3(B)に示すように単位格子を2層並べて配置する必要が生じる。
InGaZnOの単位格子は、4種類の原子を含み、多数の原子から構成されている。最小の単位格子を図3(B)に示すように2層並べて配置した構造には、更に多数の原子が含まれることになる。このような構造は第一原理計算の対象とするには大きすぎるため、汎用の計算機を用いて現実的な時間内に表面エネルギーを算出することは困難である。
しかしながら、本実施例で例示する方法によれば、短時間に、且つ計算機に多大な負荷をかけることなく、表面エネルギーを算出できる。
<(001)面の表面エネルギーの算出>
InGaZnOの構造はc軸に沿って長い繰り返し周期を有するため、c軸に交わる一対の面を両端に備える単位格子の構成が複数考えられる。本実施例ではc軸に交わる7つの切断面について計算した。図4に切断面を示す。
図4に示す第1の切断面51には一方にインジウム原子が、他方に酸素原子が現れる。第2の切断面52には一方に酸素原子が、他方にインジウム原子が現れる。第3の切断面53には一方に亜鉛原子が、他方に酸素原子が現れる。第4の切断面54には一方に酸素原子が、他方に亜鉛原子が現れる。第5の切断面55には双方に酸素原子が現れる。第6の切断面56には一方にガリウム原子が、他方に酸素原子が現れる。又は第7の切断面57には一方に酸素原子が、他方にガリウム原子が現れる。また、いずれの切断面もInGaZnOの(001)面に平行である。
上述の切断面で切断した表面を備え、繰り返し単位を一つ備える7つの単位格子について、一対の表面に現れるイオンと、その数と、それぞれの表面エネルギーを算出した結果を表1に示す。
本発明の一態様を適用した計算結果から、InGaZnOの(001)面に平行な切断面のうち、第5の切断面55で切断した一対の表面を有する単位格子の表面エネルギーが最小となることが判った。
また、図3(B)に示したInGaZnOの単位格子を2層並べて配置した構造の(100)面の表面エネルギー、並びに(110)面の表面エネルギーについても同様に算出結果を表2に示す。
<InGaZnOの結晶成長方向>
InGaZnOの組成からなるイオン性結晶は、(001)面の第5の切断面55において、最も表面エネルギーが低い。依って、InGaZnOの組成からなるイオン性結晶は、(001)面を真空に曝して結晶成長しやすいことが予測された。
<InGaZnOの膜の加熱結晶化>
ガラス基板上に成膜したインジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び(O)を含む非晶質の膜に加熱処理を施した結果について説明する。
組成比として、In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数比]からなる酸化物ターゲットをスパッタリングして、ガラス基板に非晶質の膜を形成した。成膜条件は、基板とターゲットの間との距離を60mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、スパッタリングガスとして、アルゴンと酸素の混合気体(流量比をアルゴン30sccmに対し酸素15sccmとした。)を用いた。
次いで、縦型炉を用いて当該非晶質膜に加熱処理を施した。加熱は、650℃、窒素雰囲気下、60分間行った。
加熱処理後の試料の表面近傍の断面を、走査透過型電子顕微鏡(日立製作所製「H−9000」:STEM)で加速電圧を300kVとし、観察した高倍写真(400万倍)を図5に示す。
図5の暗部は膜の断面であり、膜の表面に規則的な結晶構造が観察された。図5から明らかなように、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び(O)を含む非晶質な膜は、加熱処理に伴いその表面から結晶化していた。電子回折像の解析から加熱処理された膜の表面には、InGaZnOの(001)面が配向していた。
本実施例では、一対の充分に広い表面、並びに充分な厚さを備える塩化ナトリウムからなる結晶の表面エネルギーを算出した結果について説明する。
塩化ナトリウムはNaClの組成からなる。構成するイオンの形式電荷は、ナトリウム(Na)が+1、塩素(Cl)が−1である。
なお、表面エネルギーの算出において、NaClの組成からなるイオン性結晶の各イオンの座標は、岩塩構造の配置を用い、格子定数は0.564nmとした。
(001)面、(011)面、(111)面の3種類の表面について計算を行った。それぞれの表面に平行な切断面は一つに決まる。それぞれの表面について、表面エネルギーを計算した結果を表3に示す。当然ながら他の面に関しても本計算方法を用いれば、簡易に表面エネルギーを計算する事ができる。
塩化ナトリウムの結晶は、(001)面において、最も表面エネルギーが低い。依って、塩化ナトリウムの結晶は、(001)面を真空に曝して結晶成長しやすいことが予測された。
51 切断面
52 切断面
53 切断面
54 切断面
55 切断面
56 切断面
57 切断面

Claims (3)

  1. イオンの形式電荷の総和がゼロであり、一対の表面、同一の構造並びに同一の組成を有する単位格子を周期的に配置して備えるイオン性結晶の表面エネルギーの算出方法であって、
    前記イオン性結晶のイオンに形式電荷を適用し、エワルド法を用いてクーロンポテンシャルから、前記イオン性結晶の「バルクにおける構造のエネルギー」を求める第1のステップと、
    前記単位格子の双極子モーメントの前記一対の表面に垂直な成分並びに前記単位格子の総電荷が共にゼロとなるように、前記一対の表面に現れるイオンの電荷を補正する第2のステップと、
    前記一対の表面にあるイオンに補正された電荷を適用し、前記イオン性結晶の内部にあるイオンに形式電荷を適用し、エワルド法を用いてクーロンポテンシャルから、前記イオン性結晶の「一対の表面を有する構造のエネルギー」を求める第3のステップと、
    前記「一対の表面を有する構造のエネルギー」から、前記「バルクにおける構造のエネルギー」を差し引いて、前記イオン性結晶の表面エネルギーを算出する第4のステップと、を備えるイオン性結晶の表面エネルギーの算出方法。
  2. 第1の表面と第2の表面が対をなす、一対の表面を有する単位格子を含み、
    前記第1の表面にイオンを合計Nup個と、
    前記第2の表面にイオンを合計Ndown個と、
    前記第1の表面と前記第2の表面の間にイオンと、を有するイオン性結晶において、
    前記第1の表面のイオンのそれぞれの形式電荷に補正値xを加え、前記第2の表面のイオンのそれぞれの形式電荷に補正値yを加え、前記第1の表面と前記第2の表面の間のイオンに形式電荷を適用することにより、
    前記単位格子の双極子モーメントの前記一対の表面に垂直な成分d並びに前記補正値xと前記Nupの積に前記補正値yと前記Ndownの積を加えた値が共にゼロとなるように、前記補正値xと、前記補正値yを定めて前記一対の表面にあるイオンの電荷を補正する請求項1記載のイオン性結晶の表面エネルギーの算出方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載のイオン性結晶の表面エネルギーの算出方法を用いて、
    イオン性結晶の複数の表面エネルギーを算出する第1のステップと、
    算出された前記複数の表面エネルギーから前記イオン性結晶の結晶成長方向を特定する第2のステップと、を備える結晶成長方向の評価方法。
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