JP2012069034A - 携帯型rfidリーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】円偏波の電波を送信可能な携帯型RFIDリーダにおいて、軸比をより適切に調整することができ、読み取りをより良好に行い得る構成を提供する。
【解決手段】携帯型RFIDリーダ1は、円偏波の電波を放射可能に構成され、円偏波の軸比を変更可能な軸比可変アンテナ40が用いられている。更に、鉛直方向に対するケース2の傾きに応じた計測値を取得する端末傾斜計測手段と、鉛直方向に対するRFIDタグ50の傾きに応じた計測値を取得する媒体傾斜計測手段と、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、軸比可変アンテナ40から放射される円偏波の軸比を、RFIDタグ50に対するケースの傾斜状態に応じた値に変更する軸比調整手段とが設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、携帯型RFIDリーダに関するものである。
現在、RFIDタグ等のRFIDタグを読み取るRFIDリーダとして、携帯型のものが広く提供されている。この種の携帯型RFIDリーダは、様々な場所に持ち運ばれ、色々な姿勢、角度で使用されることが想定されるため、端末本体とRFIDタグ(RFIDタグ等)との位置関係によって読み取り易さが変化しにくい構成が望まれている。
このような要望を解決するためには、偏波面をRFIDタグに合わせなくても良好に受信ができるよう、偏波面を円状に切り替える円偏波アンテナを用いることが有効である。なお、特許文献1には、RFIDタグを読み取る無線リーダにおいて円偏波アンテナを用いた技術が開示されている。
特表2009−516944公報
ところで、円偏波アンテナは、一般的には水平方向の利得と垂直方向の利得をほぼ等しくしており、軸比を極力小さくするように設計されている。円偏波アンテナを搭載した無線リーダでも同様であり、RFIDタグがどのような向きであっても同様の読み取り性能を確保するように、上記のように設計されるのが一般的である。しかしながら、読み取りをより一層良好に行うためには、常に真円の円偏波を放射するのではなく、円偏波アンテナの軸比がRFIDタグとの位置関係に応じて最適化されることが望ましい。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、円偏波の電波を送信可能な携帯型RFIDリーダにおいて、軸比をより適切に調整することができ、読み取りをより良好に行い得る構成を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、携帯型RFIDリーダに係るものであり、円偏波の電波を放射可能に構成され、且つ前記円偏波の軸比を変更可能な軸比可変アンテナと、前記軸比可変アンテナを保持するケースと、前記軸比可変アンテナを介して送受信される電波を媒介としてRFIDタグを読み取る通信手段と、鉛直方向に対する前記ケースの傾きに応じた計測値を取得する端末傾斜計測手段と、鉛直方向に対する前記RFIDタグの傾きに応じた計測値を取得する媒体傾斜計測手段と、前記端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、前記媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、前記軸比可変アンテナから放射される前記円偏波の軸比を、前記RFIDタグに対する前記ケースの傾斜状態に応じた値に変更する軸比調整手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯型RFIDリーダにおいて、前記媒体傾斜計測手段が、前記RFIDタグを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって得られた撮像画像から、前記RFIDタグの画像を認識する認識手段と、を備え、前記認識手段によって認識された前記RFIDタグの画像に基づいて、鉛直方向に対する前記RFIDタグの傾きに応じた計測値を取得している。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯型RFIDリーダにおいて、前記軸比可変アンテナが、水平方向の利得が垂直方向の利得以上となる楕円偏波の指向性特性を有し、前記軸比調整手段は前記軸比可変アンテナから放射される楕円偏波の軸比を調整可能とされている。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯型RFIDリーダにおいて、前記軸比可変アンテナが第1の給電点と第2の給電点とを備えた2点給電パッチアンテナによって構成されている。
更に、前記通信手段は、前記RFIDタグに対する送信信号を出力する送信部を備え、前記軸比調整手段は、前記送信部によって出力された送信信号を、前記第1の給電点側への信号と、前記第2の給電点側への信号とに分配する電力分配回路と、前記電力分配回路によって前記第1の給電点側に分離された信号と前記第2の給電点側に分離された信号との位相差を調整する可変位相器と、前記端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、前記媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、少なくとも前記第2の給電点に供給する電力を、前記RFIDタグに対する前記ケースの傾斜状態に応じたレベルに減衰させる給電状態調整手段とを備えている。
請求項5の発明は、請求項4に記載の携帯型RFIDリーダにおいて、前記軸比調整手段が、前記端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、前記媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに応じた制御信号を生成する制御信号生成手段を備えている。
更に、前記制御信号生成手段によって生成された制御信号と、前記送信部によって生成された送信信号とが重畳して伝搬される共通伝搬路と、前記共通伝搬路にて伝搬される重畳信号から前記制御信号を分離して前記給電状態調整手段に分配する信号分離回路とが設けられている。
請求項1の発明では、円偏波の軸比を変更可能な軸比可変アンテナが用いられており、更に、鉛直方向に対するケースの傾きに応じた計測値を取得する端末傾斜計測手段と、鉛直方向に対するRFIDタグの傾きに応じた計測値を取得する媒体傾斜計測手段と、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、軸比可変アンテナから放射される円偏波の軸比を、RFIDタグに対するケースの傾斜状態に応じた値に変更する軸比調整手段が設けられている。
この構成によれば、RFIDタグに対してケースがどのような傾きになっているかを適切に把握した上で、軸比可変アンテナから放射される円偏波の軸比をRFIDタグに対するケースの傾斜状態に応じた適切な値に調整し易くなる。
請求項2の発明では、媒体傾斜計測手段が、RFIDタグを撮像する撮像手段と、撮像手段によって得られた撮像画像から、RFIDタグの画像を認識する認識手段と、を備え、認識手段によって認識されたRFIDタグの画像に基づいて、鉛直方向に対するRFIDタグの傾きに応じた計測値を取得している。
このようにすると、RFIDタグを実際に撮像した撮像画像に基づいてRFIDタグの傾きをより正確に把握することができるようになる。
請求項3の発明は、軸比可変アンテナが、水平方向の利得が垂直方向の利得以上となる楕円偏波の指向性特性を有し、軸比調整手段は軸比可変アンテナから放射される楕円偏波の軸比を調整可能とされている。この構成によれば、楕円偏波の指向性特性を有する軸比可変アンテナにおいて適切に軸比を調整することが可能となる。
請求項4の発明は、軸比可変アンテナが第1の給電点と第2の給電点とを備えた2点給電パッチアンテナによって構成されている。更に、通信手段は、RFIDタグに対する送信信号を出力する送信部を備え、軸比調整手段は、送信部によって出力された送信信号を、第1の給電点側への信号と、第2の給電点側への信号とに分配する電力分配回路と、電力分配回路によって第1の給電点側に分離された信号と第2の給電点側に分離された信号との位相差を調整する可変位相器と、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、少なくとも第2の給電点に供給する電力を、RFIDタグに対するケースの傾斜状態に応じたレベルに減衰させる給電状態調整手段とを備えている。
このようにすると、複雑な構成を用いることなく、2点給電パッチアンテナの各給電点に対する給電状態の調整によって良好に軸比を変更できるようになる。
請求項5の発明は、軸比調整手段が、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに応じた制御信号を生成する制御信号生成手段を備えている。更に、制御信号生成手段によって生成された制御信号と、送信部によって生成された送信信号とが重畳して伝搬される共通伝搬路と、共通伝搬路にて伝搬される重畳信号から制御信号を分離して給電状態調整手段に分配する信号分離回路とが設けられている。
このようにすると、軸比を制御するための制御信号を伝送するラインと、RFIDタグに対する送信信号を伝送するラインを兼用して用いることができるようになり、装置構成の小型化及び部品点数の削減を図り易くなる。
図1(A)は、第1実施形態に係る携帯型RFIDリーダを概略的に例示する平面図であり、図1(B)はその側面図である。 図2は、第1実施形態に係る携帯型RFIDリーダの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図3(A)は、図2の情報コード読取部を概略的に例示するブロック図であり、図3(B)は、図2の無線タグ処理部を概略的に例示するブロック図である。 図4は、第1実施形態に係る携帯型RFIDリーダによって読み取られる無線タグの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図5は、図3(B)の無線タグ処理部の具体的構成を例示するブロック図である。 図6(A)は、電力分配回路の一例を示す説明図であり、図6(B)は電力分配回路の別例を示す説明図である。 図7(A)は、軸比可変アンテナの外観(表面)を概略的に説明する説明図であり、図7(B)は、その裏面を概略的に説明する説明図であり、図7(C)、はその側面を概略的に説明する説明図である。 図8、図1の携帯型RFIDリーダで行われる通信処理の流れを例示するフローチャートである。 図9は、図1の携帯型RFIDリーダを用いて行われる読取操作の一例を説明する説明図である。 図10は、図9とは異なる動かし方で操作した場合を説明する説明図である。 図11(A)は、携帯型RFIDリーダの向きと検出される傾斜角度との関係を説明する説明図であり、図11(B)は、RFIDタグの向きと検出される傾斜角度との関係等を説明する説明図である。 図12(A)は、図8の通信処理で用いるマップデータを概念的に示す説明図であり、図12(B)は、そのマップデータを補正した補正マップデータを示す説明図である。 図13は、切替回路の変形例を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯型RFIDリーダを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(携帯型RFIDリーダの全体構成)
まず、本発明の第1実施形態に係る携帯型RFIDリーダ1の全体構成について説明する。なお、図1(A)は、第1実施形態に係る携帯型RFIDリーダを概略的に例示する平面図であり、図1(B)はその側面図である。図2は、第1実施形態に係る携帯型RFIDリーダの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図3(A)は、図2の情報コード読取部を概略的に例示するブロック図であり、図3(B)は、図2の無線タグ処理部を概略的に例示するブロック図である。図4は、第1実施形態に係る携帯型RFIDリーダによって読み取られる無線タグの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図1(A)(B)に例示される携帯型RFIDリーダ1は、長手状の外観をなしており、その一端側のほぼ半分の領域(キー操作部11付近の領域)が把持領域とされ、ユーザによって把持されつつ使用される構成をなしている。この携帯型RFIDリーダ1は、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能と、無線タグとの間で無線通信を行う無線タグリーダとしての機能とを備えており、ユーザによって携帯されて様々な場所で情報コードの読み取りや無線タグとの無線通信を行うことができるように構成されている。
図1(A)(B)に示すように、携帯型RFIDリーダ1は長手状のケース2によって外郭が構成されている。このケース2は、各種部品(各種電気部品等)を収容するものであり、例えば樹脂材料などからなる複数のケース体(例えば、上ケース及び下ケースの2つのケース体)によって構成され、これらが結合した箱状形態をなしている。
また、図1に示すように、ケース2から露出する形態で様々な部品が取り付けられている。例えば、上面側には、小型液晶表示部などからなる表示部10が設けられると共に、LED表示部や複数個の操作キー11a(数字キーや機能キー等)を有するキー操作部11などが設けられ、側部には、読取指示用のトリガスイッチ7が設けられている。
図2に示すように、携帯型RFIDリーダ1のケース2内には、携帯型RFIDリーダ1全体を制御する制御部8が設けられている。この制御部8は、マイコンを主体として構成され、メモリ12と共に情報処理装置として機能するものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有している。
また、制御部8には、無線タグ処理部20及び情報コード読取部30がそれぞれ接続されている。情報コード読取部30は、図3(A)に示すように、CCDエリアセンサなどの固体撮像素子からなる受光センサ33、結像レンズ37、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部31などを備えた構成をなしており、制御部8と協働して読取対象物Rに付された情報コードC(バーコードやQRコード(登録商標)等)を読み取るように機能する。
この情報コード読取部30では、情報コードの読み取りを行う場合、まず、制御部8から指令を受けた照明部31にて照明光Lfが出射され、この照明光Lfが図示しないケースに形成された読取口(図示略)を通って読取対象物Rに照射されるようになっている。そして、照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrは読取口を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ37を通って受光センサ33に受光される。読取口と受光センサ33との間に配される結像レンズ37は、情報コードCの像を受光センサ33上に結像させる構成をなしており、受光センサ33はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ33から出力される受光信号は、画像データとしてメモリ12(図2)に記憶され、デコード処理などに用いられるようになっている。なお、情報コード読取部30には、受光センサ33からの信号を増幅する公知の増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換する公知のAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
無線タグ処理部20は、アンテナ40及び制御部8と協働してRFIDタグ50(後述)との間で電磁波による通信を行い、RFIDタグ50に記憶されるデータの読み取り、或いはRFIDタグ50へのデータの書き込みを行うように機能している。この無線タグ処理部20は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図3(B)に示すように、送信回路21、受信回路22、切替回路24などを有している。
送信回路21は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から例えば周波数953MHzのキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部8に接続されており、当該制御部8より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、切替回路24を介してアンテナ40に出力している。このようにしてアンテナ40に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該アンテナ40より外部に放射される。
一方、アンテナ40によって受信された電波信号は、切替回路24を介して受信回路22に入力される。この受信回路22は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ40を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部8に出力している。なお、アンテナ40や切替回路24の具体的構成については後に詳述する。
なお、本実施形態では、制御部8及び無線タグ処理部20が「通信手段」の一例に相当し、軸比可変アンテナ40を介して送受信される電波を媒介としてRFIDタグ50を読み取るように機能する。また、本実施形態では、送信回路21が「送信部」の一例に相当し、RFIDタグ50に対する送信信号を出力するように機能する。
制御部8には、トリガスイッチ7、LED9、表示部10、キー操作部11、メモリ12、外部インターフェース13、傾斜センサ17などが接続されている。更に、ケース2内には、電源となるバッテリ15や電源部16が設けられており、これらによって制御部8や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
制御部8に接続される傾斜センサ17は、「端末傾斜計測手段」鉛直方向に対するケースの傾きに応じた計測値を取得するものである。この傾斜センサ17は、例えば三軸加速度センサなど、端末の傾斜を検出し得る公知の傾斜センサによって構成され、本実施形態では、例えばケース2の長手方向(図1に示す矢印Lの方向)と鉛直方向とのなす角度θ1が三軸加速度センサの各軸方向の検出値に基づいて検出可能とされている。なお、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の加速度を検出し得る三軸加速度センサを端末内に配置し、この端末の基準方向(例えば長手方向)と鉛直方向とのなす角度を求める技術は公知であるので詳細は省略する。
なお、傾斜センサ17からの出力(例えば三軸加速度センサの各軸方向の出力)は、図示しない増幅回路によって増幅された後、A/Dコンバータによってデジタル信号に変換され、この信号が制御部8に入力されるようになっている。そして、この入力された検出値(角度θ1を特定し得る値)に基づいて制御部8が角度θ1を算出している。
(RFIDタグの構成)
ここで、携帯型RFIDリーダ1の読取対象となるRFIDタグ50について説明する。
図4に示すように、RFIDタグ50は、アンテナ51,電源回路52,復調回路53,制御回路54,メモリ55,変調回路56などによって構成されている。電源回路52は、アンテナ51を介して受信した携帯型RFIDリーダ1からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御回路54をはじめとする各構成要素に供給している。
また、復調回路53は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御回路54に出力している。メモリ55は、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムやRFIDタグ50を識別するための識別情報(タグID)、或いはRFIDタグ50の用途に応じたデータなどが記憶されている。制御回路54は、メモリ55から上記情報やデータを読み出し、それを送信データとして変調回路56に出力する構成をなしており、変調回路56は、キャリア信号を当該送信データで負荷変調してアンテナ51から反射波として送信するように構成されている。
また、本実施形態で用いられるRFIDタグ50は、全体として長手状に構成されており、例えば、図9のように、RFIDタグ50自身の長手方向(以下、タグ方向ともいう)と水平方向(鉛直方向に対して直交する方向)とのなす角度が所定角度となるように配置されるようになっている。なお、図9の例では、箱状のコンテナCnの前面において横方向に延びるようにRFIDタグ50が取り付けられており、コンテナCnの底面の方向とタグ方向とが略同方向となっている。つまり、コンテナCnを水平面に載置したときにRFIDタグ50の長手方向(タグ方向)が水平方向に沿うように取り付けられている。
(軸比調整手段)
次に、本実施形態に係る携帯型RFIDリーダ1の特徴の一つである軸比調整手段等について説明する。
図5は、図3(B)の無線タグ処理部の具体的構成を例示するブロック図である。図6(A)は、電力分配回路の一例を示す説明図であり、図6(B)ハ電力分配回路の別例を示す説明図である。図7(A)は、軸比可変アンテナの外観(表面)を概略的に説明する説明図であり、図7(B)は、その裏面を概略的に説明する説明図であり、図7(C)は、その側面を概略的に説明する説明図である。
本実施形態では用いられる軸比可変アンテナ40は、円偏波の電波を放射可能に構成され、且つ円偏波の軸比を変更可能に構成されている。なお、円偏波アンテナにおいて軸比を変更する原理は公知であり、本発明では軸比が変更可能なアンテナであれば様々な構成のものを採用できるが、以下では、その一例として、図7に示すように軸比可変アンテナ40が第1の給電点41と第2の給電点42とを備えた2点給電パッチアンテナによって構成され、各給電点への電力分配及び各給電点の位相を調整することで、アンテナから放射される円偏波の軸比を切り替える例を説明する。また、各給電点への電力分配及び各給電点に供給される電力の位相を調整する方法は公知の様々な方法を採用することができるが、以下では代表例として、水平方向の利得が垂直方向の利得以上となる楕円偏波の指向性特性を有するように設定された軸比可変アンテナ40を例に挙げ、図5のような回路を用いて軸比を調整する方法について説明する。なお、軸比可変アンテナ40の水平方向とは、ケース2の長手方向に対して所定の関係(例えば平行関係)をなす平面方向を意味しており、軸比可変アンテナ40の垂直方向とはこの水平方向と直交する平面方向を意味している。本実施形態では、このような軸比可変アンテナ40から放射される楕円偏波の軸比を後述する「軸比調整手段」によって調整可能とされている。
無線タグ処理部20は、具体的には図5のような構成をなしており、上述の送信回路21と、制御信号生成回路62と、信号結合回路63と、信号分離回路71と、電力分配回路72と、可変位相器73と、可変減衰器74とを備えている。そして、電力分配回路72からの出力がパッチアンテナ(軸比可変アンテナ40)の第1の給電点41(以下、OUT1とも称する)に接続され、可変減衰器74からの出力が第2の給電点42(以下OUT2とも称する)に接続されている。
制御信号生成回路62は、後述する通信処理によって生成された軸比を指示する信号(具体的には、可変位相器73での位相変化量を指示する信号F1及び可変減衰器74の減衰量を指示する信号F2)を所定周波数の信号に変換し、信号結合回路63に出力している。なお、制御信号生成回路62で生成、出力される制御信号は、軸比を指示する数ビットのデータをRF帯よりも低い周波数帯の低周波信号で表わしたものであり可変位相器73を制御する制御信号F1と可変減衰器74を制御する制御信号F2を含んでいる。なお、制御信号F1とF2は、例えば異なる周波数帯の信号とされている。
信号結合回路63は、送信回路21にて生成された高周波(RF帯)の送信信号(送信データ)と、制御信号生成回路62で生成された軸比を指示する信号(制御信号F1、F2)とをミキシングし、送信データと制御信号とが重畳した重畳信号を生成・出力している。
共通伝搬路80は、例えば同軸ケーブルなどによって構成されており、制御信号生成回路62(制御信号生成手段)によって生成された制御信号F1、F2と、送信回路21(送信部)によって生成された送信信号F3とが重畳した重畳信号を信号分離回路71に伝搬している。
信号分離回路71は、共通伝搬路80にて伝搬される重畳信号から制御信号F1、F2を分離して可変位相器73及び可変減衰器74(給電状態調整手段)に分配するように機能するものであり、例えば、異なる周波数の信号を分離する公知の周波数分離回路として構成されている。この信号分離回路71は、制御信号生成回路62にて生成された制御信号F1,F2を送信信号F3からそれぞれ分離して可変位相器73及び可変減衰器74に出力し、送信回路21にて生成された送信信号F3を電力分配回路72に出力している。
電力分配回路72は、送信回路21(送信部)によって出力された送信信号F3を、第1の給電点41側への信号と、第2の給電点42側への信号とに分配するように機能するものである。なお、本発明では、RF帯の信号を2つの経路の分配し得る回路であれば公知の様々な電力分配回路を用いることができるが、本実施形態では、例えば図6(A)或いは図6(B)のような構成をなしている。例えば図6(A)の電力分配回路72では、CM結合回路72aのカップリング量によりIN端子からの入力信号(送信信号F3)に対してOUT1側とOUT2側に所望の電力差(例えば6db以上の電力差)を生成しつつ電力分配を行う。また、図6(B)は、C結合により電力分配を実現するものであり、コンデンサCの容量値によりOUT1側とOUT2側に所望の電力差(例えば6db以上の電力差)を生成しつつ電力分配を行っている。
可変位相器73は、電力分配回路72によって第1の給電点41側に分離された信号と第2の給電点42側に分離された信号との位相差を調整するように機能するものであり、MSL(マイクロストリップライン)の線路長により位相差を生成する方式、或いは集中定数となるインダクタ等により位相差を生成する方式等の公知の可変位相器によって構成されている。この可変位相器73は、制御信号F1に応じて位相を制御しており、例えばOUT1出力(即ち、第1の給電点41への出力)とOUT2出力(即ち、第2の給電点42への出力)の間の位相が90度となるように制御している。
可変減衰器74は、公知の可変減衰器によって構成されており、制御信号F2によって減衰量が制御され、OUT1出力(即ち、第1の給電点41への出力)とOUT2出力(即ち、第2の給電点42への出力)との電力比が制御信号F2に対応する電力比となるようにOUT2側の電力を減衰させている。
以上のような構成により、制御信号F1、F2によって指定された電力比及び位相差となるようにOUT1(第1の給電点41)とOUT2(第2給電端子)の出力が調整され、これにより、軸比可変アンテナ40(2点給電パッチアンテナ)から出力される円偏波の軸比が調整されるようになっている。
(読取動作及び通信処理)
次に、携帯型RFIDリーダ1を用いて行われる読取動作及び通信処理について説明する。
図8、図1の携帯型RFIDリーダで行われる通信処理の流れを例示するフローチャートである。図9は、図1の携帯型RFIDリーダを用いて行われる読取操作の一例を説明する説明図である。図10は、図9とは異なる動かし方で操作した場合を説明する説明図である。図11(A)は、携帯型RFIDリーダの向きと検出される傾斜角度との関係を説明する説明図であり、図11(B)は、RFIDタグの向きと検出される傾斜角度との関係等を説明する説明図である。
図8に示す通信処理は、例えば、所定物品に付されたRFIDタグ50を読み取るときに行うものであり、以下の説明では、図9、図10のように配されたRFIDタグ50を読み取る場合を代表例として説明する。図9、図10の例では、上述したように箱状のコンテナCnの前面において横方向に延びるようにRFIDタグ50が取り付けられており、各コンテナCnに取り付けられるRFIDタグ50の長手方向(タグ方向)がほぼ水平方向となっている。
本実施形態の携帯型RFIDリーダ1では、例えばトリガスイッチ7が押圧されたときに図8の通信処理が開始され、まず、端末角度のセンシングを行っている(S1)。上述したように、携帯型RFIDリーダ1では、傾斜センサ17によって例えば鉛直方向とケース2の長手方向L1とのなす角度θ1を検出するように構成されており、S1ではこの角度θ1を取得している。なお、本実施形態では、図11(A)のように、ケース2の長手方向Lにおいて、表示部10が設けられる側を前側、それとは反対側を後側としており(図1参照)、前側が鉛直上方を向く場合のθ1を0°、前側が鉛直下方を向く場合のθ1を180°としている。
その後、RFIDタグ50の向きを検出する処理を行う(S2)。S2の処理では、例えば所定の撮像開始条件が成立した時(例えば、所定操作時或いは所定の撮像タイミング到来時)に受光センサ33によって撮像領域内の画像を撮像しており、RFIDタグ50が撮像領域内にある場合にこのRFIDタグ50の画像が撮像されるようになっている。更に、S2では、得られた撮像画像に基づいてRFIDタグ50の長手方向の向きを検出している。具体的には、公知の境界認識技術等を用いて撮像画像の中からRFIDタグ50の画像領域を認識し、その認識されたRFIDタグ50の画像領域において、RFIDタグ50の長手方向と画像の列方向(即ち画素の列方向)とのなす角度αを求める。そして、この角度αに基づいて水平方向とRFIDタグ50の長手方向とのなす角度θ2を算出する。なお、本実施形態では、受光センサ33の長手方向(即ち横方向に細長に並ぶ受光素子の当該横方向)が画素の列方向に対応している。
例えば、携帯型RFIDリーダ1を所定方向に配置して撮像することを決めておく場合(例えば、長手方向Lを鉛直方向の向きに設定して撮像することが前提となる場合)には、撮像画像内におけるRFIDタグ50の方向と画素列方向とのなす角度αを検出することで、このαに基づいて水平方向とRFIDタグ50の長手方向とのなす角度θ2を算出することができる(θ2=90°−α)。例えば、図11(B)における符号50aのようなタグ画像が得られた場合(なお、画素の列方向は、横方向(即ち90°の方向))、画素列方向とRFIDタグ50の長手方向とのなす角度αは90°であるため、タグ長手方向と水平方向とのなす角度θ2は90°となる。また、図11(B)における符号50bのようなタグ画像が得られた場合、画素列方向とRFIDタグ50の長手方向とのなす角度αは0°であるため、タグ長手方向と水平方向とのなす角度θ2は0°となる。なお、本実施形態では、RFIDタグ50の長手方向において前後の向きを特定せずに上記θ2を算出している。
また、上記のように撮像時の携帯型RFIDリーダ1の向きを決めておかない場合でも、撮像時の携帯型RFIDリーダ1の上記角度θ1(傾斜センサ17の検出値に基づいて算出される角度)と、撮像画像内におけるRFIDタグ50の長手方向と画素列方向とのなす角度αに基づいて、水平方向とRFIDタグ50の長手方向とのなす角度θ2を算出することもできる。
なお、本実施形態では、受光センサ33及び制御部8が「媒体傾斜計測手段」の一例に相当し、鉛直方向に対するRFIDタグ50の傾きに応じた計測値(上記θ2)を取得するように機能する。具体的には、受光センサ33が「撮像手段」の一例に相当する。また、制御部8が「認識手段」の一例に相当し、受光センサ33(撮像手段)によって得られた撮像画像から、RFIDタグ50の画像を認識するように機能する。そして、制御部8は、この認識されたRFIDタグ50の画像に基づいて、鉛直方向に対するRFIDタグ50の傾きに応じた計測値(即ち、鉛直方向とRFIDタグ50の長手方向L2とのなす角度θ2)を取得している。
そして、このように得られた角度θ1とθ2とに基づいて、RFIDタグ50の長手方向L2と携帯型RFIDリーダ1の長手方向Lとのなす角度θ3を算出し、このθ3が45°以上か否かを判断する(S3)。即ち、図10における上側の一点鎖線円の関係に近い場合(RFIDタグ50の長手方向L2の向きと携帯型RFIDリーダ1の長手方向Lの向きが遠い場合)であるか否かを判断する。
図10における上側の一点鎖線円の関係に近い場合には、図12(A)に示すマップデータに基づいて利得レベルGaを算出する(S4)。一方、図10における下側の一点鎖線円の関係に近い場合(RFIDタグ50の長手方向の向きと携帯型RFIDリーダ1の長手方向Lの向きが近い場合)には、図12のマップデータを90°補正したマップデータ(図12(B)のような補正データ)を生成し、そのマップデータに基づいて利得レベルGaを算出する(S4)。図12(B)のデータは、図12(A)の各端末角度から90度を引いたデータであり、例えば図12(A)の端末角度90°のときのデータは、この端末角度から90°引いた0°のときのデータとするように補正している。同様に、図12(A)の端末角度135°のときのデータは、この端末角度から90°引いた45°のときのデータとするように補正している。
また、上記マップデータでは、デフォルトの軸比のときの、θ3の角度と利得レベル(RFIDタグ50との通信し易さの度合いを示す値)とが対応付けられており、上記のように算出されたθ3に基づいて利得レベルGaを算出する。
なお、この例では、図12(B)のような補正データを算出していたが、図12(B)のような補正データを予め備えていてもよい。或いは、図10のいずれの一点鎖線円の場合でも関係なくθ3の値に基づいて利得レベルを決定するようにしてもよい。
S4の後には、マップデータに基づいて軸比変更時の利得レベル(Gb)を算出する(S5)。例えば、θ3に対応する利得レベルGaが、S3で選択されたマップデータにおいて最も高い利得レベルでない場合には、最も高い利得レベルに近づくように複数の軸比パターンの中から軸比を選択することを試み、その時の利得レベルを算出する。本実施形態では、例えば、予め複数の軸比のパターンが用意されており、例えば各軸比毎に図12と同様のマップデータが用意され、角度毎に端末角度θ3に対応する利得レベルが設定されている。従って、S4で算出された利得レベルGaが最高レベル(図12では「5」)でない場合、用意された各軸比のマップデータのいずれか又は全てから端末角度θ3に対応する利得レベル(軸比が変更された場合の利得レベルGb)を取得する。そして、軸比が変更された場合の利得レベルGbとS3、S4でマップデータに基づいて算出された利得レベルGaとを比較し、いずれの軸比でもGaがGb以上であれば現状のまま読み取りを行い、GaがGb未満となる軸比があれば、このような関係となる新たな軸比に変更して読み取りを行う。
なお、本実施形態では、制御部8、及び切替回路24が「軸比調整手段」の一例に相当し、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、軸比可変アンテナ40から放射される円偏波の軸比を、RFIDタグ50に対するケースの傾斜状態に応じた値に変更するように機能する。
また、制御部8及び制御信号生成回路62が「制御信号生成手段」の一例に相当し、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに応じた制御信号を生成するように機能する。
また、電力分配回路72及び可変減衰器74が「給電状態調整手段」の一例に相当し、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、少なくとも第2の給電点42に供給する電力を、RFIDタグ50に対するケース2の傾斜状態に応じたレベルに減衰させるように機能する。
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係るRFIDタグリーダ1では、円偏波の軸比を変更可能な軸比可変アンテナ40が用いられており、更に、鉛直方向に対するケースの傾きに応じた計測値を取得する端末傾斜計測手段と、鉛直方向に対するRFIDタグ50の傾きに応じた計測値を取得する媒体傾斜計測手段と、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、軸比可変アンテナ40から放射される円偏波の軸比を、RFIDタグ50に対するケースの傾斜状態に応じた値に変更する軸比調整手段が設けられている。
この構成によれば、RFIDタグ50に対してケースがどのような傾きになっているかを適切に把握した上で、軸比可変アンテナ40から放射される円偏波の軸比をRFIDタグ50に対するケースの傾斜状態に応じた適切な値に調整し易くなる。
また、第1実施形態に係るRFIDタグリーダ1では、RFIDタグ50を撮像する撮像手段と、撮像手段によって得られた撮像画像から、RFIDタグ50の画像を認識する認識手段とが設けられ、認識手段によって認識されたRFIDタグ50の画像に基づいて、鉛直方向に対するRFIDタグ50の傾きに応じた計測値を取得している。
このようにすると、RFIDタグ50を実際に撮像した撮像画像に基づいてRFIDタグ50の傾きをより正確に把握することができるようになる。
また、本実施形態では、軸比可変アンテナ40が、水平方向の利得が垂直方向の利得以上となる楕円偏波の指向性特性を有し、軸比調整手段は軸比可変アンテナ40から放射される楕円偏波の軸比を調整可能とされている。この構成によれば、楕円偏波の指向性特性を有する軸比可変アンテナ40において適切に軸比を調整することが可能となる。
また、本実施形態では、軸比可変アンテナ40が第1の給電点と第2の給電点とを備えた2点給電パッチアンテナによって構成されている。更に、通信手段は、RFIDタグ50に対する送信信号を出力する送信部を備え、軸比調整手段は、送信部によって出力された送信信号を、第1の給電点側への信号と、第2の給電点側への信号とに分配する電力分配回路と、電力分配回路によって第1の給電点側に分離された信号と第2の給電点側に分離された信号との位相差を調整する可変位相器と、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、少なくとも第2の給電点に供給する電力を、RFIDタグ50に対するケースの傾斜状態に応じたレベルに減衰させる給電状態調整手段とを備えている。
このようにすると、複雑な構成を用いることなく、2点給電パッチアンテナの各給電点に対する給電状態の調整によって良好に軸比を変更できるようになる。
また、本実施形態では、軸比調整手段が、端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに応じた制御信号を生成する制御信号生成手段を備えている。更に、制御信号生成手段によって生成された制御信号と、送信部によって生成された送信信号とが重畳して伝搬される共通伝搬路と、共通伝搬路にて伝搬される重畳信号から制御信号を分離して給電状態調整手段に分配する信号分離回路とが設けられている。
このようにすると、軸比を制御するための制御信号を伝送するラインと、RFIDタグ50に対する送信信号を伝送するラインを兼用して用いることができるようになり、装置構成の小型化及び部品点数の削減を図り易くなる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は切替回路の構成が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。本実施形態でも、軸比可変アンテナ40が、第1の給電点41と第2の給電点42とを備えた2点給電パッチアンテナによって構成されている。
本実施形態でも、RFIDタグ50に対する送信信号F3を出力する送信回路21(送信部)が設けられ、第1実施形態と同様のRF帯の信号F3が制御信号F1、F2と重畳されて信号分離回路271に入力されるようになっている。また、信号分離回路271は第1実施形態の信号分離回路71と同様に公知の周波数分離回路によって構成されており、RF帯の信号F3を電力分配回路272に入力するようになっている。また、電力分配回路273は、第1実施形態の電力分配回路72と同様の構成をなしている。これにより、RF帯の信号F3に基づく電力がスイッチSW1側の経路と、スイッチSW2側の経路に分配されるようになっている。
一方、制御部8は、第1実施形態と同様の方法で取得された角度θ1と、同じく第1実施形態と同様の方法で取得された角度θ2とに基づき、RFIDタグ50の長手方向と携帯型RFIDリーダ1の長手方向とのなす角度θ3を求め、このθ3に基づいて、送信回路21にて出力される送信信号F3の経路を、第1の給電点41及び第2の給電点42のいずれかに切り替えている。
具体的には、θ3が第1の角度範囲のときには、電力分配回路72から直接出力される電力の経路をOUT1側に設定し、可変位相器73から出力される電力の経路をOUT2側に設定する。即ち、θ3が第1の角度範囲のときには、制御信号F2に含まれる信号F21、F22がこのような指示を与える信号となる。また、θ3が第1の角度範囲から外れた第2の角度範囲のときには、電力分配回路72から直接出力される電力の経路をOUT2側に設定し、可変位相器73から出力される電力の経路をOUT1側に設定する。即ち、θ3が第2の角度範囲のときには、制御信号F2に含まれる信号F21、F22がこのような指示を与える信号となる。このようにすることで、θ3が第1の角度範囲のときと、第2の角度範囲のときとで位相を90°切り替えることができるようになり、軸比を2段階に瞬時に切り替え得る構成を実現できる。
本実施形態の構成によれば、複雑な構成を用いることなく、2点給電パッチアンテナの各給電点に対する給電状態の切替及び位相の切替によって軸比を迅速に変更できるようになる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、受光センサ33によって撮像された画像に基づいてRFIDタグ50の長手方向を特定していたが、このような方法に限られない。例えば、RFIDタグ50の長手方向を特定可能なデータ(例えば水平方向とRFIDタグ50の長手方向とのなす角度θ2)をユーザが入力できるようにし、このような入力によってRFIDタグ50の角度を取得してもよい。
上記実施形態では、図8のような軸比の変更方法を用いたが、このような方法に限られない。例えば、上記θ3の値に応じて対応する軸比を定めるようなテーブルデータを用意し、θ3が得られたときにテーブルデータを参照して対応する軸比を読み出し、設定するようにしてもよい。
1…携帯型RFIDリーダ
2…ケース
8…制御部(認識手段、通信手段、媒体傾斜計測手段、軸比調整手段、制御信号生成手段)
17…傾斜センサ(端末傾斜計測手段)
20…無線タグ処理部(通信手段)
21…送信回路(送信部)
23…受光センサ(媒体傾斜計測手段、撮像手段)
24…切替回路(軸比調整手段)
40…軸比可変アンテナ
41…第1の給電点
42…第2の給電点
50…RFIDタグ
71…信号分離回路
72…電力分配回路(給電状態調整手段)
73…可変位相器(軸比調整手段、位相調整手段)
74…可変減衰器(給電状態調整手段)
80…共通伝搬路

Claims (5)

  1. 円偏波の電波を放射可能に構成され、且つ前記円偏波の軸比を変更可能な軸比可変アンテナと、
    前記軸比可変アンテナを保持するケースと、
    前記軸比可変アンテナを介して送受信される電波を媒介としてRFIDタグを読み取る通信手段と、
    鉛直方向に対する前記ケースの傾きに応じた計測値を取得する端末傾斜計測手段と、
    鉛直方向に対する前記RFIDタグの傾きに応じた計測値を取得する媒体傾斜計測手段と、
    前記端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、前記媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、前記軸比可変アンテナから放射される前記円偏波の軸比を、前記RFIDタグに対する前記ケースの傾斜状態に応じた値に変更する軸比調整手段と、
    を備えたことを特徴とする携帯型RFIDリーダ。
  2. 前記媒体傾斜計測手段は、
    前記RFIDタグを撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段によって得られた撮像画像から、前記RFIDタグの画像を認識する認識手段と、
    を備え、
    前記認識手段によって認識された前記RFIDタグの画像に基づいて、鉛直方向に対する前記RFIDタグの傾きに応じた計測値を取得することを特徴とする請求項1に記載の携帯型RFIDリーダ。
  3. 前記軸比可変アンテナは、水平方向の利得が垂直方向の利得以上となる楕円偏波の指向性特性を有し、
    前記軸比調整手段は、前記軸比可変アンテナから放射される楕円偏波の軸比を調整可能とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯型RFIDリーダ。
  4. 前記軸比可変アンテナは、第1の給電点と第2の給電点とを備えた2点給電パッチアンテナからなり、
    前記通信手段は、前記RFIDタグに対する送信信号を出力する送信部を備え、
    前記軸比調整手段は、
    前記送信部によって出力された送信信号を、前記第1の給電点側への信号と、前記第2の給電点側への信号とに分配する電力分配回路と、
    前記電力分配回路によって前記第1の給電点側に分離された信号と前記第2の給電点側に分離された信号との位相差を調整する可変位相器と、
    前記端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、前記媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに基づき、少なくとも前記第2の給電点に供給する電力を、前記RFIDタグに対する前記ケースの傾斜状態に応じたレベルに減衰させる給電状態調整手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯型RFIDリーダ。
  5. 前記軸比調整手段は、前記端末傾斜計測手段によって取得された計測値と、前記媒体傾斜計測手段によって取得された計測値とに応じた制御信号を生成する制御信号生成手段を備え、
    更に、前記制御信号生成手段によって生成された制御信号と、前記送信部によって生成された送信信号とが重畳して伝搬される共通伝搬路と、
    前記共通伝搬路にて伝搬される重畳信号から前記制御信号を分離して前記給電状態調整手段に分配する信号分離回路と、
    が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の携帯型RFIDリーダ。
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