JP2012063090A - 可動式ラグおよびこれを備えている飛しょう体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ミサイルの外表面部に、機軸直角方向Bに延在する軸線回りに回転可能に取り付けられ、航空機のフックを受け入れる開口部を有し、機軸方向Lに間隔を空けて備えられた一対のラグ13と、各ラグ13における機軸方向Lの前あるいは後に設けられ、ラグ13をミサイルの外表面から突出しないように収容する収容部15と、ラグ13を収容部15側へ回転するように常時付勢するラグ用コイルばね17と、ラグ13に設けられたラグ突起部と係合し、ラグ13を外表面から突出した状態に保持するストッパ部を有するストッパ部材と、一端が航空機に取り付けられ、その張力によってストッパ部材を、ストッパ部がラグ突起部との係合を解除するように移動させるワイヤ部材23と、が備えられている。
【選択図】図3
Description
ラグが飛しょう体に固定されて飛しょう体の外部へ突き出ているので、飛しょう時の大きな空気抵抗となる。飛しょう体の射程や速度等の飛しょう性能が低下する。これは高速で飛行する飛しょう体では、大きな問題となる。
特許文献1のものは、飛しょう体外周にその後端までレールを設け、同レールに係合して滑動できるラグをラグ押さえにラグ固定具(爆発ボルト)で拘束し、ラグ固定具を所要の時期に開放すると、ラグが空気抵抗等によって後方へレールに沿って移動し、飛しょう体後端から分離される。
特許文献2のものは、ラグが枢支軸回りに回転可能に支持され、かつ、バネによって上部が飛しょう体の内部に倒れるように常時付勢されており、フックの係合が解除されるとラグが回転し、飛しょう体の内部に収納される。
特許文献2に示されるものでは、ラグが常時飛しょう体側に倒れるように付勢されているので、航空機への装着時にラグが突出した位置に保持する必要があり、装着に手間がかかる。また、ラグがフックの移動に追従して回転するので、フックに引っかかって飛しょう体の分離が行えない恐れがある等の課題がある。
すなわち、本発明の第一態様は、飛しょう体の外表面部に、機軸直角方向に延在する軸線回りに回転可能に取り付けられ、航空機に備えられたフックを受け入れる開口部を有し、前記飛しょう体の機軸方向に間隔を空けて備えられた一対のラグと、該各ラグにおける前記機軸方向の前あるいは後に設けられ、前記飛しょう体側に倒れた前記ラグを前記飛しょう体の外表面から突出しないように収容する収容部と、前記ラグを前記収容部側へ回転するように常時付勢するラグ付勢部材と、前記ラグに設けられたラグ係合部と係合し、前記ラグを前記外表面から突出した状態に保持する係止部を有する係止部材と、前記航空機に取り付けられ、その張力によって前記係止部材を、前記係止部が前記ラグ係合部との係合を解除するように移動させるワイヤ部材と、が備えられている可動式ラグである。
航空機に装着された飛しょう体を航空機から分離する場合、まず、フックをラグから離脱させる。このとき、係止部材の係止部とラグのラグ係合部とが係合しているので、ラグは飛しょう体の外表面から突出した状態に保持されている。したがって、ラグはフックの移動に拘わらず回転しないので、フックをラグから確実に抜き取ることができる。
このワイヤ部材の張力が所定の大きさになると、ワイヤ部材は、係止部材を移動させ、係止部のラグ係合部との係合を解除させる。係止部とラグ係合部との係合が解除されると、ラグを飛しょう体の外表面から突出した状態に保持する力がなくなるので、ラグはラグ付勢部材の付勢力によって収容部側へ回転され、飛しょう体の外表面から突出しないように収容される。
飛しょう体がさらに落下すると、ワイヤ部材の張力が一層大きくなるので、ワイヤ部材は、途中で、あるいは両端部の取付部で切断され、飛しょう体は航空機から完全に分離される。
また、ラグの収納および飛しょう体の分離がワイヤ部材に作用する張力によって行われるので、たとえば、ワイヤ部材の長さあるいは強度を調整することによって飛しょう体の分離するタイミングを調節することができる。
また、可動式ラグは、ラグが所定位置にラグ付勢部材によって収容部内に位置するように回転可能に設置され、ラグを突出した位置に位置させる係止部材とそれを解除するワイヤ部材とを備えているだけであるので、簡素で小型・軽量な構造とすることができる。このため、航空機への装着を簡便に行なうことができる。
したがって、接続部材が分離する張力となるタイミングで飛しょう体を分離することができるので、飛しょう体の分離するタイミングをより正確に設定することができる。
このとき、駆動部材はワイヤ部材の取付部分がワイヤ部材の存在する側と反対側へ回転するように常時付勢されるようにしてもよい。このようにすると、ワイヤ部材が切断されて張力が作用しなくなると、駆動部材はワイヤ部材の取付部分がワイヤ部材の存在する側と反対側へ回転するので、切断されたワイヤ部材を飛しょう体側に取り込むことができ、ワイヤ部材の飛しょう性能への影響を抑制することができる。
また、簡素で小型・軽量な構造の可動式ラグを用いるので、飛しょう体の構造を小型化することができる。
飛しょう体は航空機から分離されると、ラグは自動的に、かつ、確実に収容部に収納されるので、ラグによる空気抵抗を安全かつ確実に削減することができる。
また、ラグの収納および飛しょう体の分離がワイヤ部材に作用する張力によって行われるので、たとえば、ワイヤ部材の長さあるいは強度を調整することによって飛しょう体の分離するタイミングを調節することができる。
また、可動式ラグは、簡素で小型な構造とすることができる。
図1は、本実施形態にかかる可動式ラグ1を装着したミサイル(飛しょう体)3を示す斜視図である。図2は、ミサイル3が航空機5に装着された状態を示す部分側面図である。
可動式ラグ1には、ミサイル3の外表面部に機軸方向Lで、ミサイル3の重心を挟んで前後に間隔を空けて設置された前部懸吊部材7および後部懸吊部材9が備えられている。
前部懸吊部材7および後部懸吊部材9は前後が逆となっているだけでその構造は同じであるので、ここでは後部懸吊部材9について説明し、前部懸吊部材7の構造説明は省略する。
上部構成部材25は、機軸直角方向B中央部の前側が略U字形に大きく切欠かれ、下部が開放された箱型形状をしている。下部構成部材27は、上部構成部材25の切欠部分31の周囲を覆うように設置され、上部が開放された箱型形状をしている。上部構成部材25の下部と下部構成部材27の上部とは接合されている。上部構成部材25の機軸方向Lの略中央位置における上部構成部材25と下部構成部材27との接合部分に、軸部材33が機軸直角方向Bに延在するように取り付けられている。
中央保持部材29の前端下部中央には、下方に延在し、下部が後側に曲折した保持部35が設けられている。
中央保持部材29は、後端部が上部構成部材25に、保持部35の下部がアーム部材21に取り付けられている。
ラグ用コイルばね17は、軸部材33の周囲を囲うように取り付けられ、一端部が上部構成部材25に、他端部がラグ13に取り付けられている。ラグ用コイルばね17は、ラグ13が軸部材33を中心として前側に、言い換えると、収容部15側に回転するように付勢している。
ストッパ部材19は、ラグ13の両側の脚部に対応して一対備えられている。ストッパ部材19には、下部構成部材27に回動自在に支持された機軸直角方向Bに延在するストッパ軸39と、ストッパ軸39に一体的に取り付けられたストッパ本体41と、が備えられている。ストッパ本体41は、ラグ13の脚部と略同幅の略直方体形状をし、ストッパ軸39回りに回転可能とされている。
ストッパ軸39には、軸端部にコイルばね45が取り付けられている。コイルばね45は、ストッパ軸39をストッパ部43がラグ13側に移動するように付勢している。
図8および図9に示されるように、ラグ突起部37とストッパ部43とが係合するようにすると、ラグ13が直立位置に保持される。
ストッパ本体41の一辺部のストッパ部39と反対側端部には、機軸直角方向Bに延在する棒材であるストッパ駆動部材47がラグ13の内側空間部分に突出するように取り付けられている。ストッパ駆動部材47の断面形状は略矩形をし、ストッパ部43側の角は曲率を有する形状とされている。
駆動軸53には、軸端部にコイルばね55が取り付けられている。コイルばね55は、アーム本体49を自由端部がラグ13から離れる方向に移動するように付勢している。
駆動アーム51は、ストッパ駆動部材47と係合可能な位置に位置し、ミサイル3への装着時、ワイヤ部材23の張力によって図9に示されるようにストッパ部材19のラグ13側への回転を防止する。
このようにすると、駆動アーム51がストッパ駆動部材47へ係合する部分にかかる荷重をワイヤ部材23の取付部分にかかる荷重、すなわち、ワイヤ部材に作用する張力の3倍以上にすることができる。
なお、この倍率は、たとえば、2倍以上であれば十分な効果を発揮することができる。
なお、本実施形態では、第一ワイヤ57がアーム本体49、すなわち、アーム部材21に取り付けられているが、これに限定されるものではない。たとえば、ストッパ部材19にストッパ部43がラグ突起部37から離脱する方向に移動させるように取り付けられていてもよい。
したがって、ラグ13は、ミサイル3にその機軸方向Lに沿って間隔を空けて一対備えられていることになる。一対のラグ13は、収容部15が対向するように設置されていることになる。ラグ13は一対のラグ13間の空間の内側に向けて収容されることになるので、ミサイル3の機軸方向Lにおける可動式ラグ1の設置範囲を小さくすることができる。
図8および図9は、航空機5にミサイル3が装着された状態を示す後部懸吊部材9の部分縦断面図である。図16は、ミサイル3が航空機5から完全に離脱された後の状態、したがって、航空機5への装着前の状態を示す後部懸吊部材9の部分縦断面図である。
図16の状態から、前部懸吊部材7および後部懸吊部材9のラグ13を直立位置(ミサイル3の外表面から突出した状態)に起こすと、ラグ13がストッパ本体41におけるストッパ部43のラグ13側の面を押圧する荷重が無くなる。これにより、ストッパ本体41がコイルばね45によってストッパ部43がラグ13側に移動するように回転するので、ストッパ部43がラグ突起部37に係合する。この状態で、ラグ13が回転しようとする荷重をストッパ部43が支持する、すなわち、ラグ突起部37が移動する方向にかかる力の方向がストッパ軸39を通りストッパ部43と直交する垂線に略一致するので、ラグ突起部37とストッパ部43とが押し合う状態となり、ラグ13は直立位置に保持される。
その後、カプラ61によって第一ワイヤ57と第二ワイヤ59とを連結し、ワイヤ部材23によって前部懸吊部材7および後部懸吊部材9と航空機5とを接続する。
本実施形態では、ワイヤ部材23の長さは、コイルばね55によってアーム本体49の自由端が収容部15側に移動しようとする力に逆らってアーム本体49を略直立する位置にする程度の大きさとされている。このとき、駆動アーム51は、図9に示されるようにその根元部分がストッパ駆動部材47に係合し、ストッパ本体41が回転しないように押さえている。
図10および図11は、航空機5のフック4がラグ13から離脱された直後であるミサイル3の落下初期における状態を示す後部懸吊部材9の部分縦断面図である。
ミサイル3を航空機5から射出する場合、まず、フック4をラグ13から離脱させる。
このとき、ラグ突起部37とストッパ部43とが係合し、ラグ13は直立位置に保持されているので、ラグ13はフック4の移動に拘わらず回転することはない。これにより、フック4をラグ13から確実に抜き取ることができる。
アーム本体49の自由端部が後側に引っ張られると、アーム本体49は駆動軸53を中心に後側へ向かって回転するので、アーム本体49に一体的に取り付けられた駆動アーム51は先端部が下方に移動するように回転する。
ミサイル3がさらに落下すると、ワイヤ部材23の張力によってアーム本体49の自由端部がさらに後側に引っ張られるので、駆動アーム51はストッパ駆動部材47をさらに下方に押すことになる。これにより、ストッパ本体41はストッパ部43がラグ突起部37から離れる方向にさらに回転されるので、図13に示されるようにストッパ部43がラグ突起部37から離脱される。
この位置で、ワイヤ部材23の張力の方向が、アーム本体49の延在方向と略一致するので、アーム本体49の回転が停止する。
このとき、ラグ13はストッパ本体41のストッパ部43に隣り合う面を押すので、ストッパ本体41はストッパ軸39回りに図15に示される位置まで回転する。
また、可動式ラグ1は、ラグ13が所定位置にラグ用コイルばね17によって収容部15内に位置するように回転可能に設置され、ラグ13を突出した位置に位置させるストッパ部材19とそれを解除するアーム部材21およびワイヤ部材23とを備えているだけであるので、簡素で小型・軽量な構造とすることができる。このため、航空機への装着を簡便に行なうことができる。
3 ミサイル
4 フック
5 航空機
13 ラグ
15 収容部
17 ラグ用コイルばね
19 ストッパ部材
21 アーム部材
23 ワイヤ部材
37 ラグ突起部
39 ストッパ軸
43 ストッパ部
51 駆動アーム
57 第一ワイヤ
59 第二ワイヤ
61 カプラ
B 機軸直角方向
L 機軸方向
Claims (7)
- 飛しょう体の外表面部に、機軸直角方向に延在する軸線回りに回転可能に取り付けられ、航空機に備えられたフックを受け入れる開口部を有し、前記飛しょう体の機軸方向に間隔を空けて備えられた一対のラグと、
該各ラグにおける前記機軸方向の前あるいは後に設けられ、前記飛しょう体側に倒れた前記ラグを前記飛しょう体の外表面から突出しないように収容する収容部と、
前記ラグを前記収容部側へ回転するように常時付勢するラグ付勢部材と、
前記ラグに設けられたラグ係合部と係合し、前記ラグを前記外表面から突出した状態に保持する係止部を有する係止部材と、
前記航空機に取り付けられ、その張力によって前記係止部材を、前記係止部が前記ラグ係合部との係合を解除するように移動させるワイヤ部材と、
が備えられていることを特徴とする可動式ラグ。 - 前記係止部材は、前記ラグの前記収容部側下部に少なくとも機軸直角方向の一部が前記ラグと接触するように配置され、機軸直角方向に延在する係止軸回りに回転可能に保持されるとともに前記係止部が前記ラグ側へ回転するように常時付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の可動式ラグ。
- 飛しょう体に移動可能に取り付けられ、前記係止部材と係合可能とされる駆動部を有する駆動部材を備え、前記駆動部材は、接続された前記ワイヤ部材の張力によって移動し、この移動に伴って前記駆動部は前記係止部材を前記係止部が前記ラグ係合部との係合を解除するように移動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可動式ラグ。
- 前記ワイヤ部材は、前記係止部材あるいは前記駆動部材に取り付けられた第一ワイヤと、前記航空機に取り付けられた第二ワイヤと、前記第一ワイヤおよび前記第二ワイヤの自由端部を接続するとともに所定荷重以上の張力が作用すると分離する接続部材と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の可動式ラグ。
- 前記駆動部材は、機軸直角方向に延在する駆動軸回りに回転可能に支持され、該駆動軸を挟んで一方側に前記ワイヤ部材が接続され、
前記駆動軸から前記ワイヤ部材の取付部分までの距離は、前記駆動軸から駆動部が前記係止部材へ係合する部分までの距離よりも大きくされていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の可動式ラグ。 - 前記一対のラグは、前記収容部が対向するように設置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可動式ラグ。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の可動式ラグを備えていることを特徴とする飛しょう体。
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