JP2012060495A - 送信電力制御装置、無線通信システム、及び送信電力制御方法 - Google Patents

送信電力制御装置、無線通信システム、及び送信電力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線リソースを共有するユーザ端末の数(多重ユーザ数)が時間と共に変化しても、基地局がユーザ端末を検出する率(ユーザ検出率)を向上させることができる送信電力制御装置、無線通信システム、及び送信電力制御方法を提供する。
【解決手段】送信電力制御装置100は、無線リソースを共有して信号を送信する複数のユーザ端末から、該ユーザ端末を識別するための識別情報を受信する受信部121と、ユーザ端末が送信する信号の送信電力を定めるためのパラメータをユーザ端末に送信する送信部122と、受信部121が受信した識別情報に基づいて、同時に通信するユーザ端末の数を推定する推定部130と、推定部130が推定したユーザ端末の数に基づいてパラメータを定め、定めたパラメータを送信部122からユーザ端末に送信させる制御部150と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ユーザ端末が無線送信する信号の送信電力を制御する送信電力制御装置、無線通信システム、及び送信電力制御方法に関する。
セルラシステムなどの移動体通信システムでは、ユーザ端末が信号を基地局に無線送信する際、上りリンク通信の受信品質を所要値に合わせるため、ユーザ端末の送信電力を制御する送信電力制御(TPC: Transmit Power Control)が行われる。
CDMA(Code Division Multiple Access)、及びIDMA(Interleave Division Multiple Access)等の非直交型の多元接続方式の場合、無線リソースが共有された非直交の無線チャネルが同一セクタ内のユーザ端末に対して割り当てられる。このため、送信電力は同一セクタ内の電波干渉を考慮して定められる必要がある。
非特許文献1には、無線リソースを共有するユーザ端末の数(以下、「多重ユーザ数」という)に基づいて、同一セル(セクタ)内の電波干渉を考慮し、IDMAのリンク容量を最大化することを目的とした送信電力制御手法が開示されている。
L. Liu, J. Tong, L. Ping, "Analysis and Optimization of CDMA Systems With Chip-Level Interleavers," IEEE JSAC, Vol.24, No.1, January 2006, pp.141-149
しかしながら、非特許文献1に開示された送信電力制御手法では、時間と共に多重ユーザ数が変化しないものとして送信電力を算出しているため、時間と共に多重ユーザ数が変化する場合には、この手法を適用することができず、基地局がユーザ端末を検出する率(以下、「ユーザ検出率」という)が低下してしまうという問題があった。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、時間と共に多重ユーザ数が変化しても、ユーザ検出率を向上させることができる送信電力制御装置、無線通信システム、及び送信電力制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、無線リソースを共有して信号を送信する複数の端末から、該端末を識別するための識別情報を受信する受信部と、前記端末が送信する前記信号の送信電力を定めるためのパラメータを前記端末に送信する送信部と、前記受信部が受信した前記識別情報に基づいて、同時に通信する前記端末の数を推定する推定部と、前記推定部が推定した前記端末の数に基づいて前記パラメータを定め、定めた前記パラメータを前記送信部から前記端末に送信させる制御部と、を備えることを特徴とする送信電力制御装置である。
また、本発明は、前記制御部が、前記推定部が推定した前記端末の数が予め定められた閾値以上である場合、前記信号の受信電力の分散が所定値よりも大きくなるように前記パラメータを定め、一方、前記推定部が推定した前記端末の数が予め定められた閾値未満である場合、前記信号の受信電力の分散が所定値よりも小さくなるように前記パラメータを定めることを特徴とする送信電力制御装置である。
また、本発明は、前記制御部が、前記信号の伝搬損失に乗算する係数を表す前記パラメータを定めることを特徴とする送信電力制御装置である。
また、本発明は、前記制御部が、前記信号の伝搬損失に応じて前記複数の端末を分類し、前記信号の受信電力の目標値を表す前記パラメータを、前記分類毎に定めることを特徴とする送信電力制御装置である。
また、本発明は、前記制御部が、前記信号が受信されなかったために前記端末が当該信号の再送を繰り返した時間に応じて、前記パラメータを定めることを特徴とする送信電力制御装置である。
また、本発明は、送信電力制御装置を有する基地局と、無線リソースを共有して該送信電力制御装置に信号を送信する複数の端末と、を備えることを特徴とする無線通信システムである。
また、本発明は、端末が送信する信号の送信電力を制御する送信電力制御方法であって、受信部が、無線リソースを共有して前記信号を送信する複数の端末から、該端末を識別するための識別情報を受信するステップと、送信部が、前記端末が送信する前記信号の送信電力を定めるためのパラメータを前記端末に送信するステップと、推定部が、前記受信部が受信した前記識別情報に基づいて、同時に通信する前記端末の数を推定するステップと、制御部が、前記推定部が推定した前記端末の数に基づいて前記パラメータを定め、定めた前記パラメータを前記送信部から前記端末に送信させるステップと、を含むことを特徴とする送信電力制御方法である。
本発明によれば、送信電力制御装置は、ユーザ端末から受信した識別情報に基づいて多重ユーザ数を推定し、推定した多重ユーザ数に基づいて、ユーザ端末が送信する信号の送信電力を定めるためのパラメータを定め、定めたパラメータをユーザ端末に送信する。さらに、ユーザ端末は、このパラメータにより定まる最適な送信電力で、基地局に信号を送信する。これにより、送信電力制御装置は、時間と共に多重ユーザ数が変化しても、ユーザ検出率を向上させることができる。
本発明の一実施形態における、無線通信システムの構成例を示す概略図である。 本発明の一実施形態における、送信電力制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における、同時多重ユーザ数と係数αとの関係の例を示す表である。 本発明の一実施形態における、係数αと受信電力の分散との関係の例を示す図である。 本発明の一実施形態における、送信電力制御装置の動作手順、及びユーザ端末の動作手順を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態における、同時多重ユーザ数とユーザ検出率との関係の例を示す図である。 本発明の一実施形態における、伝搬損失と受信電力の目標値のオフセット値との関係の例を示す図である。 本発明の一実施形態における、同時多重ユーザ数と伝搬損失のレベルとにより定まる、受信電力の目標値のオフセット値の例を示す表である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、無線通信システムの構成例が概略図により示されている。無線通信システムは、基地局10と、ユーザ端末200−1〜200−k(kは、1以上の整数)とを、セクタ300内に備える。
各ユーザ端末200は、上りリンク通信において、時間、周波数、及び空間の少なくとも1つを無線リソースとして共有し、コンテンション型(競合型)のアクセス方式により、基地局10に信号を送信する。ここでいう「コンテンション型のアクセス方式」とは、同一の無線リソースを、同時に複数のユーザが共有するアクセス方式である。無線リソースが共有されているため、複数のユーザ端末200が同時に基地局10と通信した場合、セクタ300に電波干渉が発生する。ここで、ユーザ端末200は、ユーザ端末200毎の所定の頻度で、基地局10に信号を送信するものとする。このため、多重ユーザ数は、時間と共に変化する。
各ユーザ端末200は同構成を有するので、ユーザ端末200の構成及び動作については、ユーザ端末200−m(mは、1以上かつk以下の整数の1つ)についてのみ説明する。
ユーザ端末200−mは、自ユーザ端末を基地局10に識別させるため、自ユーザ端末を示す識別情報(ID)を、基地局10に送信する。また、ユーザ端末200−mは、自ユーザ端末の現在の動作モードを基地局10に送信する。この動作モードには、idleモード(非接続中モード)と、Connectedモード(接続中モード)とがある。
また、ユーザ端末200−mは、基地局10からブロードキャスト送信されたパイロット信号を、下り制御チャネルを介して受信する。このパイロット信号は、ユーザ端末200−mと基地局10との間における伝搬損失(パスロス、PL)を推定するための信号である。ユーザ端末200−mは、受信したパイロット信号に基づいて、ユーザ端末200−mと基地局10との間における伝搬損失を推定する。ユーザ端末200−mは、例えば、パイロット信号の受信電力に基づいて、ユーザ端末200−mと基地局10との間における伝搬損失を推定する。
また、ユーザ端末200−mは、送信電力を制御するためのパラメータ(以下、「送信電力制御パラメータ」という)を、基地局10から受信する。ユーザ端末200−mは、次に示す式(1)により、送信電力を定める。
txpower=Ptarget+α・PL …(1)
ここで、Ptxpowerは、送信電力を示す。また、Ptargetは、受信電力の基準値を示す。また、PLは、伝搬損失(パスロス)を示す。また、αはパスロス補正係数(以下、「係数」という)を示す。
基地局10から受信した送信電力制御パラメータには、係数αと、受信電力の基準値Po_puschとが含まれている。ユーザ端末200−mは、基地局10から受信した係数α及び受信電力の基準値Ptargetと、自ユーザ端末が推定した伝搬損失PLとに基づいて、式(1)により送信電力を定め、定めた送信電力により、所定のデータ信号を基地局10に送信する。
基地局10は、無線リソースが共有された非直交の無線チャネルを介して、所定のデータ信号を各ユーザ端末200から受信する。所定のデータ信号には、例えば、画像データ、音声データ、及びユーザ端末を識別するための識別情報(ID)が含まれていてもよい。
基地局10は、各ユーザ端末200が無線送信する所定のデータ信号の送信電力を制御する送信電力制御装置を備える。送信電力制御装置は、多重ユーザ数を推定し、推定した多重ユーザ数に基づく送信電力制御パラメータを、各ユーザ端末200に送信する。また、送信電力制御装置は、下り制御チャネルを介して、パイロット信号をブロードキャスト送信する。
次に、送信電力制御装置の構成例を説明する。
図2には、送信電力制御装置の構成例がブロック図により示されている。送信電力制御装置100は、アンテナ110と、通信部120と、推定部130と、記憶部140と、制御部150とを備える。
通信部120は、受信部121と、送信部122とを備える。受信部121は、無線リソースを共有して所定のデータ信号を送信するユーザ端末200−1〜200−k(図1を参照)から、それらのユーザ端末200を識別するための識別情報を、アンテナ110を介して受信する。また、受信部121は、ユーザ端末200の現在の動作モードを、そのユーザ端末200から受信する。
送信部122は、ユーザ端末200が送信する所定のデータ信号の送信電力を定めるためのパラメータを、アンテナ110を介してユーザ端末200−1〜200−kに送信する。また、送信部122は、パイロット信号を、アンテナ110を介してユーザ端末200−1〜200−kにブロードキャスト送信する。
推定部130には、受信部122が受信した識別情報及び動作モードが入力される。推定部130は、識別情報及び動作モードに基づいて、同時に通信するユーザ端末の数(以下、「同時多重ユーザ数」という)を推定する。
具体的には、推定部130は、予め定められた期間において、「Connectedモード」に遷移しているユーザ端末200の数をカウントし、その期間に「Connectedモード」に遷移していたユーザ端末200の数の時間平均値を算出する。さらに、推定部130は、算出した時間平均値に、ユーザ端末200がデータ信号を送信する頻度を表すパラメータβ(<1)を乗算し、この乗算結果を同時多重ユーザ数とする。パラメータβは、例えば、ユーザ端末200がデータ信号を送信する周期として、予め定められた周期から求められてもよい。
記憶部140は、同時多重ユーザ数と、送信電力制御パラメータに含まれる係数α(式(1)を参照)との対応関係を表すテーブルデータを予め記憶し、予め記憶したテーブルデータを制御部150からの制御に応じて出力する。
図3には、同時多重ユーザ数と係数αとの関係の例が示されている。ここで、同時多重ユーザ数が予め定められた閾値以上である場合、係数αは、データ信号の受信電力(Ptxpower−PL)の分散が所定値よりも大きくなるように定められる。一方、同時多重ユーザ数が予め定められた閾値未満である場合、係数αは、データ信号の受信電力の分散が所定値よりも小さくなるように定められる。
図4には、係数αと受信電力の分散との関係の例が示されている。縦軸は、受信電力の分散を表す。また、横軸は、係数αを表す。図3に示す例では、同時多重ユーザ数が1〜24である場合、係数αは1.0と定められている。これは、同時多重ユーザ数1〜24に対応する受信電力の分散が0「dB」と定められ、図4に示す関係から、係数αが1.0と定められたことによる。また、図3に示す例では、同時多重ユーザ数が25以上である場合、係数αは0.0と定められている。これは、同時多重ユーザ数25以上に対応する受信電力の分散が90「dB」と定められ、図4に示す関係から、係数αが0.0と定められたことによる。
なお、係数αは、ユーザ端末200毎に定められてもよい(Fractional TPC(Transmission Power Control))。例えば、基地局10(図1を参照)に近い位置にあるユーザ端末200の受信電力の目標値(ターゲット値)を高く設定することにより、スループットを増大させると共に、セクタ300の端に近い位置にあるユーザ端末200の送信電力の目標値を低く設定することにより、他のセクタへの電波干渉を低減させることで、セクタ300全体としてのスループットを向上させてもよい。
制御部150は、記憶部140に予め記憶されたテーブルデータ(図3を参照)を用い、同時多重ユーザ数に対応する係数α、及び送信電力の基準値Ptargetを、送信電力制御パラメータとして定める。制御部150は、定めた送信電力制御パラメータを、下り制御チャネルを介してユーザ端末200−1〜200−kに送信するよう、送信部122を制御する。なお、制御部150は、テーブルデータを用いる代わりに、同時多重ユーザ数と係数αとの関係を、関係式により定めてもよい。
次に、送信電力制御装置の動作手順、及びユーザ端末の動作手順を説明する。
図5は、送信電力制御装置の動作手順、及びユーザ端末の動作手順を示すシーケンス図である。送信電力制御装置100の推定部130(図2を参照)は、受信部122が受信した識別情報及び動作モードに基づいて、同時多重ユーザ数を推定する(ステップS1)。送信電力制御装置100の送信部122は、同時多重ユーザ数に対応する送信電力制御パラメータを、ユーザ端末200−1〜200−kに送信する(ステップS2)。送信電力制御装置の送信部122は、下り制御チャネルを介して、パイロット信号をブロードキャスト送信する(ステップS3)。
ユーザ端末200は、パイロット信号を受信し、受信したパイロット信号に基づいて、自ユーザ端末200と送信電力制御装置100(基地局10)との間における伝搬損失PLを推定する(ステップS4)。ユーザ端末200は、受信した送信電力制御パラメータ(係数α、及び送信電力の基準値Ptarget)と、自ユーザ端末が推定した伝搬損失PLとに基づいて送信電力を定め、定めた送信電力により、所定のデータ信号を送信電力制御装置100(基地局10)に送信する(ステップS5)。
図6には、IDMAにおける、同時多重ユーザ数とユーザ検出率との関係の例が示されている。同時多重ユーザ数と、送信電力制御パラメータに含まれる係数αとの対応関係を表すテーブルデータ(図3を参照)に従い、送信電力制御装置100は、同時多重ユーザ数が閾値25以上か否かに応じて、係数αを切り替える。これにより、各ユーザ端末200は、同時多重ユーザ数が変化しても、最適な送信電力で基地局10(図2を参照)にデータ信号を送信するので、ユーザ検出率を高くすることができる。
以上のように、送信電力制御装置100は、無線リソースを共有してデータ信号を送信する複数のユーザ端末200から、ユーザ端末200を識別するための識別情報を受信する受信部121と、ユーザ端末200が送信するデータ信号の送信電力を定めるための送信電力制御パラメータをユーザ端末200に送信する送信部122と、受信部121が受信した識別情報に基づいて、同時多重ユーザ数を推定する推定部130と、推定部130が推定した同時多重ユーザ数に基づいて送信電力制御パラメータを定め、定めた送信電力制御パラメータを送信部122からユーザ端末200に送信させる制御部150と、を備える。
これにより、送信電力制御装置は、時間と共に多重ユーザ数が変化しても、ユーザ検出率を向上させることができる。また、送信電力制御装置は、ユーザ検出率を向上させることにより、通信の成功率を向上させることができる。
制御部150は、推定部130が推定した同時多重ユーザ数が予め定められた閾値以上である場合、データ信号の受信電力の分散が所定値よりも大きくなるように送信電力制御パラメータ(係数αなど)を定め、一方、推定部130が推定した同時多重ユーザ数が予め定められた閾値未満である場合、データ信号の受信電力の分散が所定値よりも小さくなるように送信電力制御パラメータを定める。これにより、送信電力制御装置は、時間と共に多重ユーザ数が変化しても、効率的にユーザ検出率を向上させることができる。
制御部150は、データ信号の伝搬損失PLに乗算する係数αを表す送信電力制御パラメータを定める。これにより、送信電力制御装置は、時間と共に多重ユーザ数が変化しても、係数αにより、ユーザ検出率を向上させることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。第2実施形態では、送信電力制御パラメータに、データ信号の受信電力の目標値(ターゲット値)が含まれている点が、第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
受信電力の目標値のオフセット値について説明する。
各ユーザ端末200(図1を参照)は、自ユーザ端末が推定した伝搬損失PLを、基地局10の送信電力制御装置100に送信する。また、各ユーザ端末200は、送信電力制御パラメータとして、受信電力の目標値のオフセット値を、基地局10の送信電力制御装置100から受信し、受信電力の目標値のオフセット値に応じて送信電力を定め、定めた送信電力により、所定のデータ信号を基地局10に送信する。
図7には、ある同時多重ユーザ数における、伝搬損失と受信電力の目標値のオフセット値との関係の例が示されている。縦軸は、基地局に送信されたデータ信号の受信電力の目標値のオフセット値を表す。また、横軸は、伝搬損失を表す。伝搬損失は、レベル1「PLmin〜PLmin+Δ」から、レベルn「PLmin+(n−1)Δ〜PLmin+nΔ」まで、幅Δ毎のレベルに分類されている。ここで、伝搬損失のレベル1に対応する受信電力の目標値のオフセット値を、オフセット値P1とする。レベル2〜nについても同様に、オフセット値をそれぞれP2〜Pnとする。オフセット値は、例えば、伝搬損失のレベルが高くなるに従い、小さくなるように定められる。
次に、送信電力制御装置100の構成を説明する。
記憶部140(図2を参照)は、同時多重ユーザ数と伝搬損失のレベルとにより定まる、受信電力の目標値のオフセット値を表すテーブルデータを予め記憶する。図8には、同時多重ユーザ数と伝搬損失のレベルとにより定まる、受信電力の目標値のオフセット値の例が、テーブルデータとして示されている。図8に示された例では、同時ユーザ数が1以上かつ10以下である場合、オフセット値は、P1=0、P2=0、…、Pn=0と定められている。また、同時ユーザ数が11以上かつ20以下である場合、オフセット値は、P1=+3、P2=+1、…、Pn=−3と定められている。また、同時ユーザ数が21以上である場合、オフセット値は、P1=+5、P2=+2、…、Pn=−5と定められている。
受信部121は、ユーザ端末200が推定した伝搬損失PLを、そのユーザ端末200から受信する。
制御部150は、受信部121が受信した伝搬損失PLに応じて、各ユーザ端末200を伝搬損失のレベル毎に分類する。制御部150は、記憶部140に記憶されたテーブルデータ(図8を参照)を用い、分類した伝搬損失のレベルと同時多重ユーザ数とに基づいて、受信電力の目標値のオフセット値を、送信電力制御パラメータとして定める。制御部150は、定めた送信電力制御パラメータ(受信電力の目標値のオフセット値)を、下り制御チャネルを介してユーザ端末200−1〜200−kに送信するよう、送信部122を制御する。
送信部122は、送信電力制御パラメータ(受信電力の目標値のオフセット値)を、ユーザ端末200−1〜200−kに送信する。
これにより、各ユーザ端末200(図1を参照)は、同時多重ユーザ数が変化しても、受信電力の目標値のオフセット値に基づいて、最適な送信電力で基地局10(図2を参照)にデータ信号を送信するので、ユーザ検出率を高くすることができる。
なお、制御部150は、テーブルデータ(図8を参照)を用いる代わりに、同時多重ユーザ数と伝搬損失のレベルとの関係を、関係式により予め定めてもよい。また、セクタ300(図1を参照)に複数の基地局10がある場合、セクタ300の端に近い位置にあるユーザ端末200に対応する受信電力の目標値が高くなるように、同時多重ユーザ数と伝搬損失のレベルとの関係を定めてもよい。
以上のように、制御部150は、データ信号(パイロット信号等)の伝搬損失PLに応じて複数のユーザ端末200を分類し、データ信号の受信電力の目標値を表す送信電力制御パラメータを、分類(伝搬損失のレベル)毎に定める。
これにより、送信電力制御装置100は、自由度の高いテーブルデータ(図8を参照)を用い、係数α(式(1)を参照)を変化させる第1実施形態と比較して、自由度の高い送信電力制御ができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。第3実施形態では、伝搬損失が大きいためにデータ信号が受信されなかった等の理由により、ユーザ端末がデータ信号の再送信を繰り返したことで通信が遅延した時間(以下、「遅延時間」という)に応じて、受信電力の目標値のオフセット値が定められる点が、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下では、第1実施形態及び第2実施形態との相違点についてのみ説明する。
送信電力制御装置100の構成を説明する。
制御部150(図2を参照)は、セクタ300内のユーザ端末200の遅延時間の平均値Taveを、所定の周期で測定する。制御部150は、遅延時間が閾値T=Tave+ΔTを超えているユーザ端末200に対し、受信電力が高くなるよう大きなオフセット値を送信部122から送信させる。ここで、閾値Tと平均値Taveとの差(ΔT)は、同時多重ユーザ数毎に定められ、閾値Tと平均値Taveとの差(ΔT)と、同時多重ユーザ数との対応関係を表すテーブルデータは、記憶部140に予め記憶されている。
以上のように、制御部150は、通信が遅延した時間に応じて、送信電力制御パラメータ(受信電力の目標値のオフセット値)を定める。これにより、送信電力制御装置100は、ユーザ端末がデータ信号の再送信を繰り返したことで通信が遅延した場合でも、ユーザ検出率を向上させることができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、送信電力は、伝搬損失(パスロス)のほか、雑音電力及び他のセクタからの電波干渉を考慮して定められてもよい。
また、例えば、ユーザ端末200は、送信電力の基準値Ptarget(式(1)を参照)を、自ユーザ端末に予め記憶していてもよい。また、例えば、ユーザ端末200は、テーブルデータ(図3及び図8を参照)を、自ユーザ端末に予め記憶していてもよい。この場合、ユーザ端末200は、予め記憶したテーブルデータに基づいて、送信電力制御パラメータを自ら定めてもよい。
なお、以上に説明した送信電力制御装置、及び無線通信システムを実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
10…基地局、100…送信電力制御装置、110…アンテナ、120…通信部、121…受信部、122…送信部、130…推定部、140…記憶部、150…制御部、200…ユーザ端末、300…セクタ

Claims (7)

  1. 無線リソースを共有して信号を送信する複数の端末から、該端末を識別するための識別情報を受信する受信部と、
    前記端末が送信する前記信号の送信電力を定めるためのパラメータを前記端末に送信する送信部と、
    前記受信部が受信した前記識別情報に基づいて、同時に通信する前記端末の数を推定する推定部と、
    前記推定部が推定した前記端末の数に基づいて前記パラメータを定め、定めた前記パラメータを前記送信部から前記端末に送信させる制御部と、
    を備えることを特徴とする送信電力制御装置。
  2. 前記制御部は、前記推定部が推定した前記端末の数が予め定められた閾値以上である場合、前記信号の受信電力の分散が所定値よりも大きくなるように前記パラメータを定め、一方、前記推定部が推定した前記端末の数が予め定められた閾値未満である場合、前記信号の受信電力の分散が所定値よりも小さくなるように前記パラメータを定めることを特徴とする請求項1に記載の送信電力制御装置。
  3. 前記制御部は、前記信号の伝搬損失に乗算する係数を表す前記パラメータを定めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信電力制御装置。
  4. 前記制御部は、前記信号の伝搬損失に応じて前記複数の端末を分類し、前記信号の受信電力の目標値を表す前記パラメータを、前記分類毎に定めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信電力制御装置。
  5. 前記制御部は、前記信号が受信されなかったために前記端末が当該信号の再送を繰り返した時間に応じて、前記パラメータを定めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信電力制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の送信電力制御装置を有する基地局と、
    無線リソースを共有して該送信電力制御装置に信号を送信する複数の端末と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  7. 端末が送信する信号の送信電力を制御する送信電力制御方法であって、
    受信部が、無線リソースを共有して前記信号を送信する複数の端末から、該端末を識別するための識別情報を受信するステップと、
    送信部が、前記端末が送信する前記信号の送信電力を定めるためのパラメータを前記端末に送信するステップと、
    推定部が、前記受信部が受信した前記識別情報に基づいて、同時に通信する前記端末の数を推定するステップと、
    制御部が、前記推定部が推定した前記端末の数に基づいて前記パラメータを定め、定めた前記パラメータを前記送信部から前記端末に送信させるステップと、
    を含むことを特徴とする送信電力制御方法。
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