JP2012054267A - 粒子、樹脂組成物、波長変換層および光起電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の光起電装置は、波長変換物質として用いられる粒子であって、2種類以上の希土類元素を含む半導体粒子が、波長が200nmを超えて600nm以下の光を吸収し、600nmを超えて1300nm以下の波長の光を発光するものであることを特徴とし、発光波長領域などの発光特性に優れるとともに、波長変換時のエネルギーロスの少ない粒子、組成物および波長変換層を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
(1)波長変換物質として用いられる粒子であって、2種類以上の希土類元素を含む半導体粒子。
(2)前記半導体粒子は、波長が200nmを超えて600nm以下の光を吸収し、600nmを超えて1300nm以下の波長の光を発光するものである(1)に記載の粒子。
(3)前記希土類元素が、ユーロピウム(Eu)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)およびイッテルビウム(Yb)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)からなる群より選択される2以上の元素である(1)または(2)に記載の粒子。
(4)前記半導体粒子が、酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、酸化イットリウム(Y2O3)、イットリウム・バナデート(VYO4)およびリン化インジウム(InP)の中から選ばれる1種以上である(1)ないし(3)に記載の粒子。
(5)前記希土類元素として、イッテルビウム(Yb)が含まれている(1)ないし(4)に記載の粒子。
(6)前記希土類元素の総含有量は、前記半導体粒子全体の0.01〜30重量%である(1)ないし(5)のいずれかに記載の粒子。
(7)前記半導体粒子の構成単位である一次粒子の平均粒径は、1〜100nmである(1)ないし(6)のいずれかに記載の粒子。
(8)(1)ないし(7)のいずれかに記載の粒子と、硬化性樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
(9)前記半導体粒子の含有量は、前記樹脂組成物全体の30〜70体積%である(8)に記載の樹脂組成物。
(10)(8)または(9)に記載の樹脂組成物で構成された層を硬化させてなることを特徴とする波長変換層。
(11)(10)に記載の波長変換層を有することを特徴とする光起電装置。
(12)前記波長変換層が、その面内に凹凸構造を有する(13)に記載の光起電装置。
(13)前記凹凸構造の高低差が300nm〜100μmである(12)に記載の光起電装置。
(14)前記凹凸構造の面内周期が300nm〜50μmである(12)または(13)に記載の光起電装置。
(15)前記凹凸構造は、前記凹凸構造より小さな微細凹凸形状を有する(12)ないし(14)のいずれかに記載の光起電装置。
(16)2層以上の前記波長変換層を積層してなる積層体を有し、前記2層の波長変換層の間で、前記凹凸構造の形状が異なっている(12)ないし(15)のいずれかに記載の光起電装置。
(17)前記波長変換層は、前記樹脂組成物をインクジェット法により供給し、供給された前記樹脂組成物を硬化させてなるものである(11)ないし(16)のいずれかに記載の光起電装置。
また、本発明によれば、性能に優れた波長変換層および光起電装置を得ることができる。
本発明の粒子は、波長変換物質として用いられる粒子であって、2種類以上の希土類元素を含む半導体粒子であることを特徴とする。
また、本発明の樹脂組成物は、上記に記載の粒子と、硬化性樹脂とを含むことを特徴とする。
また、本発明の波長変換層は、上記に記載の樹脂組成物で構成された層を硬化させてなることを特徴とする。
また、本発明の光起電装置は、上記に記載の波長変換層を有することを特徴とする。
まず、粒子について説明する。
前記粒子は、EL照明、光通信、EL表示体、LED照明、太陽電池、バイオイメージング等の光学材料に用いることが好ましい。特に、LED照明、太陽電池等の波長変換材料に用いることが好ましい。
上述したような用途の中でも、光(特に、太陽光)の波長を変換するための波長変換層として用いることが好ましく、ここで、光の波長を変換するとは、例えば紫外線領域の光を可視光の領域に波長変換する場合、赤外線領域の光を可視光の領域の光に波長変換する場合等が挙げられる。
まず、粒子について説明する。
前記粒子は、EL照明、光通信、EL表示体、LED照明、太陽電池、バイオイメージング等の光学材料に用いることが好ましい。特に、LED照明、太陽電池等の波長変換材料に用いることが好ましい。
上述したような用途の中でも、光(特に、太陽光)の波長を変換するための波長変換層として用いることが好ましく、ここで、光の波長を変換するとは、例えば紫外線領域の光を可視光の領域に波長変換する場合、赤外線領域の光を可視光の領域の光に波長変換する場合等が挙げられる。
前記粒子は、2種類以上の希土類元素を含む半導体粒子であることを特徴とする。これにより、該粒子の励起発光波長帯をより好ましい波長領域に調節することができる。
前記平均粒子径は、例えば動的光散乱装置(マルバーン社製、ゼータサイザーナノZS)を用いて、透明分散液の状態で評価することができる。また、電界放射型透過型電子顕微鏡(FE−TEM、日立製作所製、HF−2200)を用いた場合、複合粒子の粒径を粉末の状態で評価することができる。
本発明の組成物は、上記に記載の粒子と、バインダーとを含むことを特徴とする。これにより、前記粒子を波長変換層に安定に固定化することができる。
前記バインダーとしては、樹脂、カップリング剤、前記半導体粒子と異なる無機材料(具体的にはシリカ、ジルコニア、ガラス、石英等)等が挙げられるが、これらの中でも樹脂が好ましい。これにより、樹脂はバインダーの機能と共にベース樹脂となり、波長変換層の基本を形成することができる。このようなバインダーは、透明(紫外光〜赤外光に対する吸収が無い)であることが好ましい。これにより、前記粒子の吸収波長以外の波長を容易に透過させることが可能となる。
このうち前記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはこれらの水添化物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂、カルド骨格を有するエポキシ樹脂、ポリシロキサン構造を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。直接アモルファスシリコンなどの光起電層や反射防止膜を形成するなど、組成物に耐熱性を必要とする場合は、脂環式構造を有するものが好ましい。脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’、4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端にそれぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの、水添ビフェニル骨格、および水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
前者のタイプでは水分散液のような希薄な状態では架橋反応がほとんど進行せず、水を蒸発させると常温でも架橋反応が進行し固化するものであれば特に制限されるものではなく、触媒や重合開始剤、反応促進剤などの添加剤を用いてもよいし、自己架橋可能な官能基を利用してもよい。また、反応を完結させる目的で加熱することは制限されない。自己架橋可能な官能基としては特に限定されないが、例えば、カルボキシル基同士、エポキシ基同士、メチロール基同士、ビニル基同士、一級アミド基同士、アルコキシシリル基同士、メチロール基とアルコキシメチル基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボジイミド基とカルボキシル基などが挙げられる。水分散型アクリル樹脂は、波長変換物質を含有する複合粒子が水に親和性がある場合に好適に用いられる。
波長変換層を多層とする場合として、例えば、第1波長変換層を、紫外領域の光を可視・近赤外領域の光へ変換する波長変換物質が含まれる波長変換層とし、第2波長変換層を、赤外領域の光を可視光へ変換する波長変換物質が含まれる波長変換層とし、これを重ねて太陽電池の上に設置する場合が考えられる。
次に、本発明の光起電装置について説明する。
図1に示すように、光起電装置(本発明の光起電装置)5は、太陽光の照射に伴って起電力を生じる光起電層3を有しており、太陽光の入射光側10より、波長変換層1と、光起電層3とが積層されている。これにより、太陽光に対して広範な分光感度を有することができる。
半導体層を構成する材料としては、半導体材料であれば特に限定はされないが、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、球状シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体、有機半導体、量子ドット半導体等が挙げられる。
透明電極は、特に限定されないが、例えばITOの膜や酸化錫の膜などにより構成される。なお、光起電装置5の構成はこれに限定されるものではなく、種々の光起電装置5に適用することができる。特に市販の光起電層3を用意して、これに波長変換層を取り付ける場合、光起電層3の上にさらにガラス、透明電極、無反射層、保護層等が形成されるのが好ましい。この場合、ガラス、透明電極、無反射層、保護層等の上または下に波長変換層を取り付ければよい。
次に、本発明の光起電装置における他の実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、本実施形態において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明した構成部分と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図2〜8は、それぞれ、本発明の光起電装置5における他の実施形態を模式的に示す断面図および平面図である。
上述の実施形態1において、図2に示すように、波長変換層として、紫外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第1波長変換層11と、赤外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第2波長変換層2とを設けてもよい(実施形態1b)。この実施形態1bでは、図2に示すように、光10の入射側から順に第1波長変換層11、第2波長変換層2の順に形成されている。光は、波長が長いほど透過しやすくなる。従って、波長の短い紫外領域の光を可視光領域の光に変換する第1波長変換層11を光の入射側に設け、波長の長い赤外領域の光を可視光領域の光に変換する第2波長変換層2をその内側に設けることにより、波長変換の効率を高めることができる。第2波長変換層2は赤外領域の太陽光線を可視光領域に変換する層に限定されず、紫外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第1波長変換層11とは異なる種類の紫外領域の太陽光線を可視光領域に変換する波長変換層を使用してもよい。また、積層数は2層に限らず3層以上積層してもよい。各波長変換層の屈折率は光の入射側を最も小さくし、半導体側の層に近いほど屈折率を大きくなるようにすることにより、界面での光の反射による損失を少なくでき、光を効率よく光起電装置に供給することができる。
上述したような粒子は、第1波長変換層11を形成する際に用いられていることが好ましい。これにより、効率的に紫外領域の光を可視光領域から近赤外領域の光に効変換することができ、また、光起電装置3などに含まれる有機物が、紫外線により劣化するのを防ぐことができる。
次に、他実施形態2のように波長変換層として、紫外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第1波長変換層11と、赤外領域の太陽光線を可視光領域に変換する第2波長変換層2とを設ける場合、図3に示すように、光起電層3の光の入射面側に第1波長変換層11を形成し、光起電層3の裏面に第2波長変換層2を形成し、さらに第2波長変換層2の光起電層3側とは反対の側に反射層6を設けてもよい。
本実施形態では、光起電装置が、規則的に分布した点状の組成物の硬化物を有する以外は、前記第1実施形態と同様である。
さらには、波長変換層1の吸収波長領域とほぼ同程度またはそれ以下の周期にするのが好ましい。これにより、波長変換層1に光が入射するとき、フレネル反射が起こり難くなる。そして、凹凸構造の形状によらず、波長変換層1による光の反射が減少し、波長変換層1に入射する光量がより増加することとなる。その結果、光起電層3に入射する光量も増加する。
また、光起電層3側が凸である凹凸構造の面内位置と、光が照射される側が凸である凹凸構造の面内位置とは、互いにずれているのが好ましい。これにより、平面視における波長変換層1の面積をより大きく確保することができ、波長変換層1に入射する光量を増やすことができる。
さらには、図8に示す凹凸構造も、L&Sの形状をなす凹凸構造の例であるが、図8に示す凹凸構造は、図8(b)に示すように、Y方向に沿って延伸する細長い平面視形状をなし、等間隔に設けられた複数の組成物と、X方向に沿って延伸する細長い平面視形状をなし、等間隔に設けられた複数の組成物とが、それぞれ直交するように配列している。これにより、図7に示す凹凸構造は、平面視にて格子状をなしている。
また、塗布面にあらかじめ組成物に対して撥液性を制御するように表面処理を施しておくのが好ましい。これにより、インクジェット法により吐出された組成物が、表面張力により自ずと半球状に成形される。その結果、例えば、図4に示すような波長変換層1をより簡単に形成することができる。
なお、以上のような本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
1.半導体粒子の製造
まず、0.1Mの酢酸亜鉛二水和物(Zn(CH3COO)2・2H2O)と酢酸セリウムn水和物(Ce(CH3COO)3・nH2O)、酢酸イッテルビウム四水和物(Yb(CH3COO)3・4H2O)とをエタノール100mlに分散させた。酢酸亜鉛二水和物と酢酸セリウムn水和物、酢酸イッテルビウムx水和物の各々の量が、重量比で、Zn2+:Ce3+:Yb3=98:1.9:0.1になるように調製した。
このエタノール溶液を約80℃で約3時間加熱撹拌しながら全溶液の量が120mlになるまで濃縮した。濃縮後、さらにエタノール120mlを加え、室温まで冷却した。次いで、得られたエタノール溶液に、水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)の濃度が0.14Mになるように加え、23℃以下の温度で20分間超音波処理を行った。これにより、半導体粒子のエタノール分散液400mlを得た。半導体粒子の平均粒子径は、5.6nmであった。
なお、得られた半導体粒子の元素分布について、EDXにより確認した。観察方法は、100万倍程度の適切な倍率で観察し、Zn、O、Ce、Yb各々の元素が粒子中に存在していることが確認できた。
<1>日産化学工業(株)製のオルガノシリカゾル(品番:IPA−ST、シリカ粒子の平均粒子径:約12nm、シリカ粒子の濃度:30重量%、分散媒:2−プロパノール)を無機化合物として用いた。これをエタノールで約34倍に希釈し、シリカ粒子濃度0.15Mの無機化合物分散液を調製した。次に、この分散液10mlと、上記1で作製した半導体粒子のエタノール分散液40mlとを混合し、混合分散液を調製した。
次いで、得られた混合分散液を、噴霧乾燥法により半導体粒子と無機化合物との複合粒子を得た。噴霧乾燥時の炉の温度は400℃とし、キャリアガスには窒素を使用した。得られた複合粒子について、発光特性を上げるために900℃にて30分間焼成した。
得られた複合粒子の元素分布について、EDXにより確認した。観察方法は、100万倍程度の適切な倍率で観察し、Zn、O、Ce、Yb、Si各々の元素が粒子中に存在していることが確認できた。
前記一般式(2)において、X、R3、R4がすべて水素で、Pが0である構造を持つノルボルナンジメチロールジアクリレート(試作品番 TO−2111;東亞合成(株)製)0.30g、N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン(Gelest社製、SIM6501.4)0.24g、および上記2で作製した複合粒子の透明分散液60gを混合した。その後、透明分散液を撹拌しながら40℃で30hPaの条件下で3時間処理を行い、揮発分を除去した。
その後、透明分散液中に、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン製、ダロキュア1173)0.003gを溶解させた。これにより、樹脂組成物を得た。
上記で得た樹脂組成物を、厚み50μmの表面処理を施したETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)フィルム上に塗布した。乾燥後の厚みは約20μmであった。そして、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して樹脂組成物を硬化させ、さらに真空オーブン中で、真空下約180℃で1時間加熱処理を行い、溶媒を除去した。これにより、波長変換層(厚さ20μm)を形成した。
次いで、CIGS太陽電池セルの上に太陽電池用封止材EVA(VA含有量28%、架橋型)シートを敷き、さらにその上に、波長変換層およびETFEフィルムの配置し、真空加熱処理して光起電装置を作製した。
半導体粒子と無機化合物とを複合化せずに、半導体粒子のみで用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合粒子、樹脂組成物および波長変換層を作製した。
半導体粒子として、以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にして複合粒子、樹脂組成物および波長変換層を作製した。
1.半導体粒子の製造
硝酸亜鉛六水和物(Zn(NO3)2・6H2O)0.1M、硝酸セリウム六水和物(Ce(NO3)3・6H2O)、硝酸イッテルビウム六水和物(Yb(NO3)3・6H2O)を蒸留水100mlに溶解させた。この際、亜鉛イオンと希土類元素イオンの添加量は、モル比で亜鉛イオン:セリウムイオン:イッテルビウムイオン=98:1.9:0.1となるように調製した。この溶液を温度80℃に保ちながら3当量のクエン酸を加え、その後、水酸化アンモニウムで中和した。溶液を2時間撹拌して、目的の半導体粒子の分散液を得た。
酢酸セリウムn水和物に代えて、酢酸エルビウム三水和物を添加するようにした以外は、実施例1と同様にして複合粒子、樹脂組成物および波長変換層を作製した。
酢酸セリウムn水和物に代えて、酢酸プラセオジムn水和物を添加するようにした以外は、実施例1と同様にして複合粒子、樹脂組成物および波長変換層を作製した。
酢酸セリウムn水和物、酢酸イッテルビウム四水和物の添加を省略し、また、半導体粒子と無機化合物とを複合化せずに、半導体粒子のみで用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合粒子、樹脂組成物および波長変換層を作製した。
酢酸イッテルビウム四水和物の添加を省略し、また、半導体粒子と無機化合物とを複合化せずに、半導体粒子のみで用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合粒子、樹脂組成物および波長変換層を作製した。
酢酸セリウムn水和物の添加を省略し、また、半導体粒子と無機化合物とを複合化せずに、半導体粒子のみで用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合粒子、樹脂組成物および波長変換層を作製した。
得られた粒子(酸化亜鉛半導体粒子(A)、第1粒子および複合粒子)について、電界放射型透過型電子顕微鏡(FE−TEM、日立製作所製、HF−2200)により、粒子の一次粒子径を観察した。観察方法は、100万倍程度の適切な倍率で観察した画像を100箇所観察し、その画像内にある粒子の平均粒径を算出した。
得られた波長変換部材について、以下の発光特性の評価を行った。
・蛍光分光光度計(堀場製作所製、NanoLog)により、励起吸収波長360nmおよび450nm照射下、おおよその発光ピーク波長を観測した。
波長変換部材を形成したETFEフィルムに関して、以下の透明性の評価を行った。
ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて全光線透過率を測定した。なお、ETFEフィルム単体の全光線透過率は94.2%であった。
光起電装置の短絡電流密度Jsc(mA/cm2)、光電変換効率測定について説明する。擬似太陽光照射装置(分光計器(株)製、OTENTO−SUNV型ソーラシミュレータ)を用いて1kW/m2の光を照射し、そのとき生じた電流と電圧をI−Vテスタ(ケースレーインスツルメンツ(株)製、2400型ソースメータ)を用いて、JIS C 8913に準じて測定した。
また、別途、波長変換層を形成しない以外は、すべて上記と同様にして作製した光起電装置を比較用光起電装置として用意した。そして、実施例1で得られた光起電装置について測定された短絡電流密度Jscから、比較用光起電装置について測定された短絡電流密度Jscを引いた値を、短絡電流密度差ΔJscとした。また、実施例あるいは比較例で得られた光起電装置より求められた発電効率と、比較用光起電装置の発電効率との差を、発電効率の向上率とした。
また、実施例1〜5は、発電効率にも特に優れていた。
11 第1波長変換層
2 第2波長変換層
3 光起電層
5 光起電装置
6 反射層
10 光
Claims (17)
- 波長変換物質として用いられる粒子であって、2種類以上の希土類元素を含む半導体粒子。
- 前記半導体粒子は、波長が200nmを超えて600nm以下の光を吸収し、600nmを超えて1300nm以下の波長の光を発光するものである請求項1に記載の粒子。
- 前記希土類元素が、ユーロピウム(Eu)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)およびイッテルビウム(Yb)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)からなる群より選択される2以上の元素である請求項1または2に記載の粒子。
- 前記半導体粒子が、酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、酸化イットリウム(Y2O3)、イットリウム・バナデート(VYO4)およびリン化インジウム(InP)の中から選ばれる1種以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の粒子。
- 前記希土類元素として、イッテルビウム(Yb)が含まれている請求項1ないし4のいずれかに記載の粒子。
- 前記希土類元素の総含有量は、前記半導体粒子全体の0.01〜30重量%である請求項1ないし5のいずれかに記載の粒子。
- 前記半導体粒子の構成単位である一次粒子の平均粒径は、1〜100nmである請求項1ないし6のいずれかに記載の粒子。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の粒子と、硬化性樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 前記半導体粒子の含有量は、前記樹脂組成物全体の30〜70体積%である請求項8に記載の樹脂組成物。
- 請求項8または9に記載の樹脂組成物で構成された層を硬化させてなることを特徴とする波長変換層。
- 請求項10に記載の波長変換層を有することを特徴とする光起電装置。
- 前記波長変換層が、その面内に凹凸構造を有する請求項13に記載の光起電装置。
- 前記凹凸構造の高低差が300nm〜100μmである請求項12に記載の光起電装置。
- 前記凹凸構造の面内周期が300nm〜50μmである請求項12または13に記載の光起電装置。
- 前記凹凸構造は、前記凹凸構造より小さな微細凹凸形状を有する請求項12ないし14のいずれかに記載の光起電装置。
- 2層以上の前記波長変換層を積層してなる積層体を有し、前記2層の波長変換層の間で、前記凹凸構造の形状が異なっている請求項12ないし15のいずれかに記載の光起電装置。
- 前記波長変換層は、前記樹脂組成物をインクジェット法により供給し、供給された前記樹脂組成物を硬化させてなるものである請求項11ないし16のいずれかに記載の光起電装置。
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