JP2012043870A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池モジュール製造時の処理能力を高くすることを実現する。
【解決手段】複数の単位太陽電池セルが形成された太陽電池セルを発熱検査する第1工程と、太陽電池セルを単位太陽電池セルに分割する第2工程と、分割された単位太陽電池セルを、第1工程の検査結果により分別する第3工程とを有する太陽電池モジュールの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造方法、特に、太陽電池セルを分割したセルを用いて製造する太陽電池モジュールに関する。
太陽光エネルギを直接電気エネルギに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から、次世代のエネルギ源としての期待が急速に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を用いたものなど様々な種類があるが、現在、主流となっているのは、シリコン結晶を用いたものである。
携帯電話等の電子機器に用いられる太陽電池モジュールは、シリコン基板を用いた、長さ、および幅が10mm〜20mmの太陽電池セル(以下「単位太陽電池セル」という。)を複数用いて作製される。この単位太陽電池セルは、1つ1つ製造ラインにて作製されるのではなく、100mm〜200mm角のシリコン基板に、複数の単位太陽電池セルを作りこんだ太陽電池セルを作製し、作製した太陽電池セルをダイシングソーまたはレーザ等により分割することで得られる。
図5は、シリコン基板を用いた太陽電池セルの模式図である。図5(a)は、太陽電池セル1を入射光側である受光面側より見た図である。複数の単位太陽電池セル2が、太陽電池セル1に作りこまれている。図5(b)は、太陽電池セル1を分割した単位太陽電池セル2の1つである。単位太陽電池セル2の受光面には、銀で形成されたメイングリッド電極3及びサブグリッド電極4が形成され、メイングリッド電極3には複数のサブグリッド電極4が接続している。
図6は、電子機器に用いられる太陽電池モジュールの一例を示した模式図である。太陽電池モジュール11は、単位太陽電池セル2を10個直列に接続したものである。
太陽電池モジュール11における単位太陽電池セル2間の電気接続は、個々の単位太陽電池セル2のメイングリッド電極3と、個々の単位太陽電池セル2の受光面の反対の面である裏面に形成された電極とに、金属ワイヤー等の金属配線を接続させて行う。特許文献1には、太陽電池セルをダイシングにより単位セルに分割し、その単位セルを接続して太陽電池モジュールを作製する一例が示されている。
以下に、上記太陽電池モジュールを作製する場合の製造方法の一例を示す。図7は、その際の太陽電池モジュールの製造フロー図である。以下の説明において、太陽電池モジュール自体は、図5と同様であり、これを用いて説明する。
まず、太陽電池セル作製工程(S101。「S」はステップを表す。以下同様。)において、単位太陽電池セル2が25個形成された太陽電池セル1を作製する。次に、太陽電池セル特性測定工程(S102)において、作製された太陽電池セル1の特性測定を行う。次に、判定基準値以上の太陽電池セルに分別する工程(S103)において、太陽電池モジュール11に要求される出力値に対する太陽電池セル1の特性測定における出力値を判定基準値αとして、その判定基準値以上を太陽電池セル1の良品とする。
次に、太陽電池セルを単位太陽電池セルに分割する工程(S104)において、良品とした判定基準値α以上の太陽電池セル1をダイシングソーまたはレーザ等を用いて単位太陽電池セル2に分割する。次に、太陽電池モジュール作製工程(S105)において、分割された単位太陽電池セル2を10個用いて太陽電池モジュール11を作製する。次に、太陽電池モジュール特性測定工程(S106)において、作製された太陽電池モジュール11の特性測定を行い、太陽電池モジュール11に要求される特性測定における出力値以上を良品とし良品判定を行なう。
特開平10−270735号公報(平成10年10月9日公開)
しかしながら、図7に示す太陽電池モジュールの製造フローであると、判定基準値α以上の太陽電池セル1を分割して単位太陽電池セル2を用いることになるが、出力値不足の単位太陽電池セル2が含まれることがあり、このモードによる太陽電池モジュールの不良が、S106で見られた。
そこで、太陽電池セル1から分割された単位太陽電池セル2を、全数特性測定し、判定基準値以上に分別した単位太陽電池セルを用いて太陽電池モジュールを作製した。図8は、その際の太陽電池モジュールの製造フロー図である。なお、図8において、図7と同様の処理については同一の番号(例えば、「101」)を付与している。S101からS104は、図7と同様であるので、S107より下記に示す。
単位太陽電池セル特性測定工程(S107)において、分割された単位太陽電池セル2の全数の特性測定を行う。次に、判定基準値以上の単位太陽電池セルに分別する工程(S108)において、太陽電池モジュール11に要求される出力値に対する単位太陽電池セル2の特性測定における出力値を判定基準値βとして、その判定基準値以上を単位太陽電池セル2の良品とする。
次に、太陽電池モジュール作製工程(S105)において、S108で良品とした10個の単位太陽電池セル2を用いて太陽電池モジュール11を作製する。次に、太陽電池モジュール特性測定工程(S106)において、作製された太陽電池モジュール11の特性測定を行い、太陽電池モジュール11に要求される特性測定における出力値以上を良品とし良品判定を行なう。
上記に示すように、従来技術において、太陽電池モジュール作製時に、単位太陽電池セル2の良品判定を行おうとすると、まず、複数の単位太陽電池セル2が形成された太陽電池セル1での特性測定を行って、太陽電池セル1での良品判定を行ない、次に、良品となった太陽電池セル1を単位太陽電池セル2に分割し、分割した単位太陽電池セル2すべてを特性測定することになる。
しかしながら、単位太陽電池セルでの良品判定において、このように、分割後の単位太陽電池セル1つ1つを全数特性測定するので、良品判定に掛かる時間を短くすることが困難であった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分割した単位太陽電池セルごとに全数特性測定し良品判定を行うことなく、分割する前に、一括して単位太陽電池セルの良品判定を行うことで、製造時の処理能力を高めることにある。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、複数の単位太陽電池セルが形成された太陽電池セルを発熱検査する第1工程と、太陽電池セルを単位太陽電池セルに分割する第2工程と、分割された単位太陽電池セルを、第1工程の検査結果により分別する第3工程とを有することを特徴とする。
ここで、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、第2工程の前に、太陽電池セルをEL(エレクトロ・ルミネッセンス)検査する第4工程を有し、第3工程では、第1工程、および、第4工程の検査結果により分別する工程を含むことがより好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、第1工程において、第1工程の検査結果によって単位太陽電池セルに対しマーキングするマーキング工程を有することがより好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、第4工程において、第4工程の検査結果によって単位太陽電池セルに対しマーキングするマーキング工程を有することがより好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、第1工程は、太陽電池セルに逆方向電圧をかけ、太陽電池セル受光面内での発熱箇所をサーモグラフィカメラにて撮影し判定することがより好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、第4工程は、太陽電池セルに順方向電圧をかけ、太陽電池セル受光面内でのEL発光をカメラにて撮影し判定することがより好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、第1工程の前に、太陽電池セルを特性測定し、判定基準値以上の特性値である太陽電池セルに分別する工程を有することがより好ましい。
本発明によれば、単位太陽電池セルに分割する前に発熱検査を行ない、単位太陽電池セルの良品判定を行うことにより、分割後の単位太陽電池セルを全数特性測定して良品判定を行なうことなく、分割後の単位太陽電池セルの良品判定率を上げ、製造時の処理能力を高くすることができる。
太陽電池モジュールの本発明の製造フローの一例を示す図である。 太陽電池モジュールの本発明の製造フローの他の一例を示す図である。 太陽電池モジュール出力値と単位太陽電池セルの平均出力値とを測定した結果を示す図である。 太陽電池セル出力値と単位太陽電池セルの平均出力値とを測定した結果を示す図である。 太陽電池セルの一例の模式図である。 太陽電池モジュールの一例の模式図である。 太陽電池モジュールの製造フローの一例を示す図である。 太陽電池モジュールの製造フローの他の一例を示す図である。
以下に、太陽電池モジュールの本発明の製造方法の一例を示す。図1は、太陽電池モジュールの本発明の製造フローの一例を表す図である。
まず、太陽電池セル作製工程(S1)において、単位太陽電池セル2が25個形成された太陽電池セル1を作製する。次に、太陽電池セル特性測定工程(S2)において、作製された太陽電池セル1の特性測定を行う。次に、判定基準値以上の太陽電池セルに分別する工程(S3)において、太陽電池モジュール11に要求される出力値に対する太陽電池セル1の特性測定における出力値を判定基準値Aとして、その判定基準値以上を太陽電池セル1の良品とする。
図3は、太陽電池モジュール11の出力値と、太陽電池モジュール11に使用した10個の単位太陽電池セル2の平均出力値とをグラフにしたものである。また、図4は、太陽電池セル1と、太陽電池セル1に形成された25個の単位太陽電池セル2の平均出力値とをグラフにしたものである。図3、図4を用いて、必要とする太陽電池モジュール11の出力値を得るための太陽電池セル1の出力値を求める。
例えば、要求される太陽電池モジュール11の出力値が475mW以上である場合、図3から10個の単位太陽電池セル2の平均出力値は49.9mW以上であることがわかる。さらに、図4から、25個の単位太陽電池セル2の平均出力値は49.9mW以上である場合、太陽電池セル1の出力値は1.5W以上であることがわかる。このことから、太陽電池セル1の判定基準値Aを1.5Wとして、1.5W以上の太陽電池セル1を良品として分別した。
次に、図1に示す発熱検査工程(S4)において、良品とした判定基準値A以上の太陽電池セル1に対し逆方向に電圧をかける。リーク箇所があれば発熱するので、サーモグラフィカメラにより太陽電池セル1の受光面側を撮影し発熱箇所の有無を検査した。この発熱箇所を不良箇所とし、この不良箇所を含まない単位太陽電池セルを、発熱検査において発熱の有無を検査する。リーク箇所は、複数の単位太陽電池セル領域に及ぶことが多いので、一度の検査で、不良箇所を含む多くの単位太陽電池セルを検出することができる。
具体的には、太陽電池セル1に逆方向に10Vの電圧を印加して太陽電池セル1内の最も低い温度を記録し、その温度より10℃以上の発熱箇所を不良とする。不良となる10℃以上の発熱箇所がある場合、10℃以上の発熱箇所を含む単位太陽電池セル2に対し不良とするマーキングを行う。例えば赤インクを受光面につける。
次に、太陽電池セルを単位太陽電池セルに分割する工程(S5)において、太陽電池セル1をダイシングソーまたはレーザ等を用いて単位太陽電池セル2に分割する。次に、判定規準を満たす単位太陽電池セルに分別する工程(S6)において、不良としてマーキングされた単位太陽電池セル2を取り除き、マーキングされていない単位太陽電池セル2のみに分別する。
次に、太陽電池モジュール作製工程(S7)において、マーキングされていない単位太陽電池セル2を用いて太陽電池モジュール11を作製した。次に、太陽電池モジュール特性測定工程(S8)において、作製された太陽電池モジュール11の特性測定を行い、太陽電池モジュール11に要求される特性測定における出力値以上、具体的には475mW以上を良品とし良品判定を行なった。
以下に、太陽電池モジュールの本発明の製造方法の他の一例を示す。図2は、図1で示した実施例1の製造フローに、さらに、EL検査工程を入れた、太陽電池モジュールの本発明の製造フローを表す図である。なお、図2において、図1と同様の処理については同一の番号(例えば、「1」)を付与している。EL検査工程(S9)を、図1のS4とS5との間に入れた以外は、図1と製造フローは同様なので、EL検査工程(S9)のみを下記に示す。
EL検査工程(S9)において、太陽電池セル1に順方向に電圧をかけ、その際のEL発光をカメラにて撮影し、太陽電池セル1の受光面側のEL発光を画像化する。太陽電池セル1内にクラック、割れがある箇所や、pn接合が形成されていない箇所はEL発光がなくEL画像では暗部箇所となる。また、不純物や欠陥の多いシリコン結晶部位ではEL発光は弱く暗部箇所となる場合もある。特に、クラックがある箇所の検出には、EL検査は有効である。これらの暗部箇所を不良箇所とし、この不良箇所を含まない単位太陽電池セルを、EL検査において発光の有無を検査する。不良箇所がない場合の太陽電池セルでは、受光面の電極パターンと同じ箇所のみEL画像が暗部となるため、受光面の電極パターンの欠損に対しても評価できる。
具体的には、EL画像による暗部箇所検出では、順方向に短絡電流程度の電流を太陽電池セル1に流しEL発光させる。クラック、割れ、pn接合が未形成、欠陥の多いシリコン結晶部位、受光面の電極パターン等がある箇所等は暗部となる。受光面の電極パターン以外の箇所で暗部が存在する場合、不良箇所となる暗部箇所が存在するので、その暗部箇所を含む単位太陽電池セル2に対し不良とするマーキングを行う。上記と同様に例えば赤インクを受光面につける。なお、発熱検査工程(S4)とEL検査工程(S9)との工程順序は逆でもよい。
次に、実施例1、2各々の単位太陽電池セルに分別する工程(S6)後に、それぞれ100個の単位太陽電池セル2の特性測定を行い、単位太陽電池セルに必要な出力値として図3で求めた49.9mW以上になっているかどうか、単位太陽電池セルの不良品率を見てみた。表1に結果を示す。また、比較例として、図8のS107工程後の単位太陽電池セルの不良品率も表1に示す。
表1の結果から、実施例1において、単位太陽電池セルの不良品率は1.0%となり、実施例2は、0.0%、比較例は3.0%となった。比較例の不良品率は、図8のフローのS103で良品と判定された太陽電池セルに含まれる単位太陽電池セルの不良品率であり、実施例1、2のS3工程後も同程度の割合で単位太陽電池セルの不良品が含まれていると考えられる。実施例1においては、その後S4の発熱検査を用いることによって、単位太陽電池セルの良品判定の割合を上げることができた。さらに、実施例2においては、その後S4の発熱検査、S9のEL検査を用いることによって、単位太陽電池セルの良品判定を確実に行なうことができた。
これから、単位太陽電池セルに分割する前に発熱検査を行ない、単位太陽電池セルの良品判定を行うことにより、分割後の単位太陽電池セルを全数特性測定して良品判定を行なうことなく、分割後の単位太陽電池セルの良品判定率を上げることができた。
さらに、単位太陽電池セルに分割する前の太陽電池セルにおいて、発熱検査及びEL検査により、太陽電池セル内に局所的に発生するリーク箇所の検査及び太陽電池セルのクラック、割れ等の検査を、一括して行なうことで、個別に全数特性測定による単位太陽電池セルの分別と同等の結果を得ることができる。よって、分割後の単位太陽電池セルを全数特性測定して良品判定を行なう必要がなくなるため、製造時の処理能力を高くすることができる。
また、すべての太陽電池セルについて、発熱検査工程または/およびEL検査工程を実施するのではなく、判定基準値A以上の太陽電池セルのみに対して行うことから、発熱検査工程または/およびEL検査工程を入れても、太陽電池モジュールの製造時の処理能力を高くすることができる。
上記に示した太陽電池セルの特性測定値として、出力値の他に、開放電圧値、短絡電流値、リーク電流値についても同様に判定基準値を設けることができ、その場合でも単位太陽電池セルの良品判定が可能である結果が得られた。
今回、受光面と裏面に電極が形成された太陽電池セルについて記載したが、裏面にのみ電極が形成された裏面電極型太陽電池セルの場合も同様であり、その場合は裏面電極型太陽電池セルに複数の単位裏面電極型太陽電池セルが形成されている。
1 太陽電池セル、2 単位太陽電池セル、3 メイングリッド電極、4 サブグリッド電極、11 太陽電池モジュール。

Claims (7)

  1. 複数の単位太陽電池セルが形成された太陽電池セルを発熱検査する第1工程と、
    前記太陽電池セルを前記単位太陽電池セルに分割する第2工程と、
    分割された前記単位太陽電池セルを、前記第1工程の検査結果により分別する第3工程とを有する太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記第2工程の前に、前記太陽電池セルをEL検査する第4工程を有し、
    前記第3工程では、前記第1工程、および、前記第4工程の検査結果により分別する工程を含む請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記第1工程において、
    前記第1工程の検査結果によって前記単位太陽電池セルに対しマーキングするマーキング工程を有する請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記第4工程において、
    前記第4工程の検査結果によって前記単位太陽電池セルに対しマーキングするマーキング工程を有する請求項2または3に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記第1工程は、前記太陽電池セルに逆方向電圧をかけ、前記太陽電池セル受光面内での発熱箇所をサーモグラフィカメラにて撮影し判定する請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記第4工程は、前記太陽電池セルに順方向電圧をかけ、前記太陽電池セル受光面内でのEL発光をカメラにて撮影し判定する請求項2〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 前記第1工程の前に、前記太陽電池セルを特性測定し、判定基準値以上の特性値である前記太陽電池セルに分別する工程を有する請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。



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