JP2012043199A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】隊列内に共通の制御形態での制御の対象外となる車両が存在していても、その隊列内での他車への追従性を向上させること。
【解決手段】隊列を成す複数の車両の車両モデルに基づく隊列モデルによる当該車両間の最適制御を行う車両制御システムにおいて、先頭車両と後続車両との間に存在している前記隊列モデルに組み込まれていない車両又は当該隊列モデルに組み込まない車両を除いた当該後続車両に対する先行車両との間で前記最適制御を車両の制御装置10に実行させること。例えば、その制御装置10には、後続車両の走行情報と、この後続車両が通信装置20で受信した先頭車両の走行情報と、この後続車両と先頭車両との間の車間距離の情報と、を用いて、前記最適制御における当該後続車両の制御目標値を設定させればよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、自車の周辺を走行している他車との間で所定の制御を行う車両制御システムに関する。
従来、この種の車両制御システムに関して例えば下記の特許文献1に開示されている。その特許文献1には、少なくとも2台の車両間で車車間通信を行い、各車両間で車間制御を行う技術が開示されている。
特開昭63−098706号公報
従来の情報通信型の車間制御においては、隊列を成す全ての車両を制御対象としている。しかしながら、或る隊列においては、その全ての車両が必ずしも同じ制御形態による車間制御の対象になっている又は当該車間制御の対象にできるとは限らない。従って、その際には、その隊列内で適切な車間制御を実行できない可能性がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、隊列内に共通の制御形態での制御の対象外となる車両が存在していても、その隊列内での他車への追従性を向上させることが可能な車両制御システムを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、隊列を成す複数の車両の車両モデルに基づく隊列モデル(状態空間モデル)による当該車両間の最適制御を行う車両制御システムにおいて、先頭車両と後続車両との間に存在している前記隊列モデルに組み込まれていない車両又は当該隊列モデルに組み込まない車両を除いた当該後続車両に対する先行車両との間で前記最適制御を実行することを特徴としている。
ここで、後続車両の走行情報と、該後続車両が通信装置で受信した先頭車両の走行情報と、該後続車両と当該先頭車両との間の車間距離の情報と、を用いて、前記最適制御における当該後続車両の制御目標値を設定することが望ましい。
また、前記隊列モデルに組み込まれていない車両又は当該隊列モデルに組み込まない車両が先頭車両との間に存在している前記後続車両毎に前記最適制御を実行することが望ましい。
また、前記最適制御は、先頭車両と後続車両との間の車間制御に関するものであることが望ましい。
本発明に係る車両制御システムは、隊列内の先頭車両と後続車両との間に対象外車両(隊列モデルに組み込まれていない車両又は当該隊列モデルに組み込まない車両)が存在している場合、その対象外車両を除いた先頭車両と後続車両との2車間からなる隊列モデルによる最適制御を実行して、隊列内の車間制御を行うことができる。これが為、この車両制御システムは、隊列内に共通の制御形態での制御の対象外となる対象外車両が存在していても、その隊列内での適切な車間制御の実行が可能になり、その隊列内で他車への追従性を向上させることができる。
図1は、本発明に係る車両制御システムの構成を示す図である。 図2は、隊列内の全車両に関するLQ制御について説明する図である。 図3は、隊列内に対象外車両が存在している場合のLQ制御について説明する図である。
以下に、本発明に係る車両制御システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る車両制御システムの実施例を図1から図3に基づいて説明する。
本実施例の車両制御システムは、無線通信を利用して周辺の夫々の車両間で車両の情報を送受信し、その各車両が共有する自車と他車の情報を用いた当該各車両間での走行制御の実行を可能にするものである。ここでは走行制御として複数の車両間での車間制御を例に挙げるので、この車両制御システムは、下記の車間自動制御システムに適用されるものとして例示する。本システムは、図1に示す構成要素を車両に搭載することで実現させる。その図1に示す構成要素は、特に言及しない限り、本システムにおける自車と周辺の他車(例えば先行車両と後続車両)の双方に共通して搭載されるものとして例示する。本システムの制御動作は、図1に示す制御装置(ECU)10に実行させる。
車間自動制御システムは、設定した目標車間距離や目標車間時間となるように車間の制御を行う所謂ACC(Adaptive Cruise Control)と云われるものである。この車間自動制御システムは、その目標車間距離や目標車間時間となるように車間を詰めさせることで、後続車両の空気抵抗の低減が可能になるので、その後続車両の燃費を向上させることができる。また、この車間自動制御システムは、車間を詰めさせることで道路上の或る地点における単位時間内の通過車両の台数(所謂交通容量)を増加させることができるので、渋滞の緩和にも役立つ。
ここで例示する車間自動制御システムの車間制御とは、先行する目の前の1台の車両に追従走行する際又は後続の1台の車両に追従走行される際の2台の車両間の車間制御のみならず、複数台の車両が一群の隊列(車群)を成して先行車両に追従しながら又は後続車両に追従されながら隊列走行する際の夫々の車両間の車間制御を含む。
この車間自動制御システムにおいては、自動車向けの無線通信技術を利用して車両間で当該車両における各種情報の授受を行い、その情報又は当該情報における車間制御必要情報に基づいて車間制御の制御目標値を設定する。そして、この車間自動制御システムでは、その制御目標値に応じた車両制御を実行し、車間を制御目標値の1つである目標車間距離(目標車間時間)へと制御する。つまり、この車間自動制御システムにおいては、情報通信型の車間制御(ACC)が実行される。
制御装置10には、その自動車向けの無線通信を行う通信装置20が接続される。この通信装置20は、制御装置10に制御され、車間自動制御システムにおいて車両間で受け渡しされる下記の各種情報(識別情報、走行情報、制御目標値情報、運転者による操作情報、車両の仕様情報、通信規格情報、走行環境情報等)をアンテナ21から送信する。
その自動車向けの無線通信については、次の様な形態がある。例えば、この種の無線通信には、車両間で直接情報の授受を行うものや、車両間で車外に敷設された通信施設を介して間接的に情報の授受を行うものがある。前者の無線通信としては、車両同士が直接情報をやりとりする車車間通信がある。一方、後者の無線通信としては、車外に敷設された通信施設(路側機)を介して車両同士が情報のやりとりを行う車路車間通信、車外に敷設された通信施設(情報センタ等の基地局)を介するインターネット等の通信インフラを利用して車両同士が情報のやりとりを行うものがある。情報の授受が直接であると間接であるとに拘わらず、隊列走行時には、直前の先行車両だけでなく、それ以外の車群内における他の先行車両も、そして、直後の後続車両だけでなく、それ以外の車群内における他の後続車両も通信相手となり得る。
上記の車路車間通信は、車両の通信装置20と車外に敷設された通信施設(路側機)とが情報をやりとりする路車間通信の応用例である。その路車間通信は、例えば前方の混雑状況や信号の状態等の情報を車両が受け取る際にも利用される。
車両間で受け渡しされる各種情報としては、例えば、識別情報、走行情報、制御目標値情報、運転者による操作情報、車両の仕様情報、通信規格情報、走行環境情報等がある。そして、車両には、その各種情報を得る為の検出装置等が搭載されている。その検出装置等で得られた情報(検出信号等)は、制御装置10に送られる。
識別情報とは、情報の送信元を特定及び識別する為の情報のことである。この車間自動制御システムにおいては、車両そのものを特定及び識別する為の車両識別情報が予め車両に設定されている。尚、その車両識別情報は、通信を行う際に付与してもよい。また、隊列走行時には、その車群を特定及び識別する為の車群識別情報も付与される。この車群識別情報は、例えば隊列走行開始時に、その車群に属する各車両の内の何れか(例えば先頭車両)の制御装置10が設定し、夫々の車両に対して無線通信を介して付与する。ここで、隊列走行時には、車両の増加や離脱等によって車群の所属車両が変化することがある。これが為、この車間自動制御システムにおいては、その変化が生じた際に新たな車群識別情報を再付与させてもよい。また、これに替えて、車両の増加時には、新規加入車両に対して既存の車群識別情報を付与するようにしてもよい。一方、車両の離脱時には、離脱車両の保持している車群識別情報を当該車両の制御装置10が削除する。
走行情報とは、自車の走行時における測定情報又は推定情報のことである。例えば、この走行情報には、自車の現在位置情報や進行方向情報がある。現在位置情報は、例えばGPS(Global Positioning System)31による測定情報を利用すればよい。また、進行方向情報は、例えばGPS31による測定情報の変移から推定してもよく、下記のウィンカ操作方向やステアリング操舵角の情報に基づいて推定してもよい。これら現在位置情報や進行方向情報については、GPS31による測定情報と共にカーナビゲーションシステムの地図情報を併用してもよい。更に、走行情報には、自車の車速情報、自車の車両加速度情報(車両減速度情報)、自車の車両横加速度情報、自車のジャーク情報、自車のヨーレート情報、自車のピッチ角情報、自車のロール角情報がある。これらの走行情報は、自車に搭載されている車速センサや加速度センサ等の各種センサの検出値に基づいて得られる情報である。
制御目標値情報とは、他車との間で車間制御を行う際に必要な自車の制御目標値の情報のことである。この制御目標値情報には、前述した目標車間距離や目標車間時間の情報と、この目標車間距離や目標車間時間を実現させる為に設定する自車の目標車速、目標車両加速度又は目標車両減速度(以下、「目標車両加減速度」という。)、目標ジャークや駆動源の目標駆動力等の情報と、がある。制御装置10は、受信した他車の情報等に基づいて、この車間制御に係る制御目標値の設定を行う。
運転者による操作情報には、運転者による自車の入力機器に対する操作量の情報及び当該入力機器に対する操作の有無の情報がある。前者の操作量の情報とは、アクセルペダルに対するアクセル操作量(アクセル開度等)の情報、ブレーキペダルに対するブレーキ操作量(ブレーキ踏力等)の情報、ウィンカスイッチに対する左右何れかへの操作方向の情報、ステアリングホイールに対するステアリング操舵角の情報、ヘッドライトスイッチに対する操作状態の情報(ヘッドライトがハイビームなのか、ロービームなのか、スモールなのかの情報)などである。一方、後者の操作の有無の情報とは、ブレーキ操作の有無(ブレーキランプスイッチのON/OFF)の情報、ウィンカスイッチ操作の有無の情報、ヘッドライトスイッチ操作の有無の情報、ワイパースイッチ操作の有無の情報、その他、空気調和機や音響機器等に対するスイッチ操作の有無の情報などである。
車両の仕様情報には、予め車両の設計値として決まっている情報だけでなく、頻繁に変わることのない情報も含む。例えば、この仕様情報とは、車両重量、最大車両制動力(最大車両減速度:路面摩擦係数に依存)、最大加速力(最大車両加速度)、最大ジャーク、車両応答特性情報、各種アクチュエータの応答性(制御指令に対する反応速度)、装備等の情報のことである。アクチュエータとは、ブレーキアクチュエータ、スロットルアクチュエータ、変速機のアクチュエータ等である。また、装備の情報とは、例えば、タイヤのグリップ性能等のことである。
ここで、その車両応答特性情報とは、車両の制御目標値に対しての制御応答を示す伝達関数G(s)に関する情報、つまり制御目標値で駆動源やアクチュエータ等を制御した際の出力の応答性(制御応答特性)に関わる情報のことである。その伝達関数G(s)に関する情報とは、例えば、下記の式1に示す如き伝達関数G(s)そのもののことでもあり、この伝達関数G(s)に係る時定数Tsのことでもある。また、その伝達関数G(s)に関する情報としては、この伝達関数G(s)に対応するマップであってもよい。その時定数Tsは、車両毎に有している値である。この式1の「s」はラプラス演算子である。
Figure 2012043199
この式1の伝達関数G(s)を用いて、目標車両加減速度uに対する実際の車両加減速度aの制御応答特性は、下記の式2のように示される。
Figure 2012043199
通信規格情報とは、例えば、双方向無線通信の通信規格、無線LANの通信規格、ビーコンの通信規格等の情報のことである。自動車向けの無線通信における双方向無線通信には、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等がある。また、この通信規格情報には、送信先への挨拶情報、上記の各種アクチュエータにおける応答遅れを示す時定数の情報、転送情報を示すフラグ等も含まれる。
走行環境情報とは、自車の走行している路面の情報のことである。この走行環境情報には、路面摩擦係数の情報、路面勾配の情報、路面温度の情報、路面がアスファルトなのか未舗装なのかの情報、ウエット路面なのかドライ路面なのか凍結路面なのかの情報がある。
この車間制御において設定される制御目標値は、第1に車間制御における主要目標たる目標車間距離や目標車間時間である。この目標車間距離(目標車間時間)は、車両間における現在の相対速度、相対車間距離、相対車両加減速度等に基づいて、例えば先行車両が急制動等を行ったとしても車間距離が零にならない値を設定する。その相対速度等は、受信した先行車両の情報(車速や位置情報等)に基づいて算出される。この車間自動制御システムにおいては、その目標車間距離(目標車間時間)に基づいて、これを実現し得る車両に対する実際の制御目標値としての目標車速、目標車両加減速度、目標ジャーク、目標駆動力等を設定する。
この車間自動制御システムにおいては、自車に搭載した周辺物検出装置40が他車を検出したときに、その他車を隊列走行(追従走行)の相手となる可能性のある車両として判断する。その際には、例えば自車から他車に向けた情報の送信を行い、これを契機にして、その車両間で情報通信型の車間制御を開始させるようにしてもよい。また、隊列走行制御中においては、その周辺物検出装置40が新たな車両を自車の前方又は後方に見つけたときに、その新たな車両に対して情報の送信を行い、互いの情報が共有された時点で新たな隊列での情報通信型の車間制御を実行させるようにしてもよい。一方、隊列からの他車の離脱を周辺物検出装置40が検出したときには、台数の減った新たな隊列での情報通信型の車間制御を実行させるようにしてもよい。
その周辺物検出装置40とは、自車の周辺の物体を検出する装置であり、自車の周辺に存在している車両の検出に用いる。制御装置10は、その周辺物検出装置40の検出結果を用いて自車の周辺の車両の検出を行う。この周辺物検出装置40は、自車に対する前方、後方又は側方の内の監視対象とする方向の他車を検出できる場所に設置する。つまり、この周辺物検出装置40は、自車の前方を監視対象とするならば車両の前部に設置し、自車の後方を監視対象とするならば車両の後部に設置し、自車の側方を監視対象とするならば車両の右側部及び左側部に設置する。
この周辺物検出装置40には、例えば、ミリ波レーダ、安価なレーザレーダ、UWB(Ultra Wide Band)レーダ等の近距離用レーダ、可聴域の音波又は超音波を用いたソナー、撮像装置などを利用できる。その撮像装置としては、具体的に、可視光線カメラ、赤外線カメラ(赤外線投光機の有るもの又は無いもの)、単一カメラ、ステレオカメラ等が挙げられる。レーダ装置(ミリ波レーダ、レーザレーダ、近距離用レーダ)やソナーの場合、自車の制御装置10は、その検出信号に基づいて先行車両を検出し、その先行車両との間の車間距離、相対速度、相対加速度等を演算する。撮像装置の場合、自車の制御装置10は、その撮像画像に基づいて先行車両を検出し、その先行車両との間の車間距離や相対速度等を演算する。尚、GPS31から先行車両の位置情報についても取得できるのであれば、そのGPS31による先行車両の位置情報と自車の位置情報とに基づいて相対的な位置関係を求めさせてもよい。
この車間自動制御システムにおいては、例えば、2台以上の新たな隊列が形成され、その隊列を成す全ての車両の情報が無線通信によって共有された後、その全ての車両の識別情報や上述した伝達関数G(s)に関する情報等に基づいて、この隊列での情報通信型の車間制御を実行するのか否かの最終的な判断を行う。例えば、この車間自動制御システムでは、その全ての車両について、その識別情報等に基づいて情報通信型の車間制御の対象にしてもよい車両であると認識できた場合に、この隊列での情報通信型の車間制御を開始させる。その対象か否かの認識については、例えば、本システムで予め識別情報等を登録し、その登録情報を情報通信型の車間制御の対象となる各車両で共有させておけばよい。
例えば、この車間自動制御システムにおいては、隊列を成す各車両間の車両モデルに基づくモデルベースのモデル制御を行い、制御目標値(目標車間距離、目標車間時間)となるように各車両間の車間制御を実行する。具体例を挙げるとするならば、本実施例では、2つ以上の車両モデルを含む系で最適化が図られるように夫々の車両の制御目標値を設定する最適制御(LQ制御)を実行する。
ここでは、図2に示す5台の車両C1〜C5を隊列走行させる際のLQ制御による車間制御(隊列走行制御)について例示する。そのLQ制御においては、夫々の車両C1〜C5の制御装置10が、無線通信で送受信した各車両C1〜C5の情報を共有し、その共有情報に基づいて後続車両C2〜C5の目標車両加減速度u〜uの組み合わせを設定する。そして、各車両C1〜C5においては、自車の目標車両加減速度u〜uに基づいて自車の走行制御を行う。その際、その共有情報の中には伝達関数G(s)又は時定数Tsも含まれる。従って、目標車両加減速度u〜uの組み合わせを設定するときには、その各車両C1〜C5の伝達関数G(s)又は時定数Tsを考慮した上で組み合わせの設定を行うことが好ましい。これにより、各車両C1〜C5の制御応答特性、つまり実情に沿ったより適切なLQ制御の実行が可能になる。このLQ制御の一例を簡単に説明する。
この車間自動制御システムにおいては、先頭車両C1の走行状態に応じて、この先頭車両C1に追従するよう後続車両C2〜C5の走行状態を制御し、目標車間距離Ltgtで隊列走行させる。その際には、自車及び他車の上述した各種情報の全て又は当該各種情報の内の必要な情報が無線通信により各車両C1〜C5の間で共有されており、その共有情報に基づいて後続車両C2〜C5の目標車両加減速度u〜uを設定し、これら後続車両C2〜C5をその目標車両加減速度u〜uとなるよう各々制御する。このときの共有情報には、夫々の車両C1〜C5についての車両加減速度(加速度センサ等の前後加速度検出装置32による実測値又は推定値)a〜a及び目標車両加減速度u〜uと、前後関係にある車両間の車間誤差L〜L及び相対速度L’〜L’(dL/dt〜dL/dt)と、が含まれている。
この隊列走行制御においては、後続車両C2〜C5の目標車両加減速度u〜uを制御入力とし、車両加減速度a〜a、車間誤差L〜L及び相対速度L’〜L’を状態量として、車両C1〜C5の隊列走行を下記の状態ベクトルxの時間微分の式(式3:状態空間方程式)で表す。
Figure 2012043199
ここで、この式3における「u」は目標車両加減速度ベクトル、「u」は先頭車両C1の目標車両加減速度、「u」は道路勾配や風等の外乱である。また、「A」、「B」、「B」、「B」は、夫々の車両C1〜C5の仕様情報等によって決まる行列を示す。状態ベクトルxと目標車両加減速度ベクトルuは、下記の通りである。
x=(a,L,L’,a,L,L’,a,L,L’,a,L,L’,a
=(u,u,u,u
その目標車両加減速度ベクトルuについては、フィードバックゲイン行列Kを用いて、下記の式4の如く表すことができる。この例示のフィードバックゲイン行列Kは、13列×4行の行列である。
Figure 2012043199
上記の状態空間方程式(式3)で表されるシステムのLQ制御を行う為の評価関数Jは、下記の式5の如く定める。
Figure 2012043199
この式5の「ε」、「εdL」、「ε」は、各々車間誤差L〜Lに関する項、相対速度L’〜L’に関する項、目標車両加減速度u〜uに関する項に対して重み付けする為の重みである。従って、この隊列走行制御においては、その重みε、εdL、εを調整することで、車間距離の安定性、相対速度の低減、加減速の低減を調和させる。
この評価関数Jを最小にするフィードバックゲイン行列Kは、隊列を成す車両C1〜C5の組が決まったときに、一意に求まる。
この隊列走行制御においては、上記の式4に対して、そのフィードバックゲイン行列Kと各種検出装置の情報に基づき得た状態ベクトルxを代入し、且つ、先頭車両C1の目標車両加減速度uをフィードフォワードにセットして、評価関数Jを最小にする目標車両加減速度ベクトルuを求める。上述した各車両C1〜C5の伝達関数G(s)又は時定数Tsは、例えばその目標車両加減速度ベクトルuの演算時に用いればよい。これにより、評価関数Jを最小にする目標車両加減速度u〜uの組み合わせが求められる。後続車両C2〜C5の夫々の制御装置10は、その目標車両加減速度u〜uとなるよう各々後続車両C2〜C5を制御して、車両C1〜C5を隊列走行させる。
上述した情報通信型の車間制御においては、例えば相手先から受信した先行車両等の他車の情報に基づいて制御目標値を設定するので、通信途絶になると他車の情報が得られず、目標車間距離等の制御目標値の設定が行えなくなる。そこで、この車間自動制御システムにおいては、通信途絶時に上記の情報通信型の車間制御を止めて、従来から行われている直前の先行車両との間の車間制御に切り替える。つまり、この車間自動制御システムにおいては、従来の情報検出型の車間制御(ACC)も実行される。その情報検出型の車間制御とは、自車の周辺物検出装置40で直前の先行車両との間の車間距離、相対速度、相対加速度等の情報を測定し、その情報に基づき目標車速等の制御目標値を設定して行う車間制御のことである。
ここで、通信途絶時とは、相手先の通信装置20が情報を送信し難くなっている又は自らの通信装置20が相手先からの情報を受信し難くなっている通信異常時だけでなく、相手先から情報が送られてくるのを待っている通信待機時も含む。この車間自動制御システムでは、例えば所定の通信周期内における情報の受信失敗回数が所定回数(1分間に数回等)に達したときに通信異常と判定し、通信途絶との判断を行う。また、この車間自動制御システムでは、自車の通信装置20が正常であるにも拘わらず、例えば所定時間の間(数秒間等)情報を受信できないときに通信待機時と判定し、通信途絶との判断を行う。尚、相手先の通信装置20が情報を送信し難くなっているときには、その状況を自車側で判断し難いので、一旦通信待機時と判定し、その後の通信状態如何で通信異常と判定させればよい。
ここまでの例示では、隊列を成す全ての車両が情報通信型の車間制御の対象となり得る場合について説明した。しかしながら、その全ての車両が必ずしもその情報通信型の車間制御の対象になっているとは限らない。つまり、見た目上、隊列を成しているが、その隊列には、或る特定の制御形態による車間制御の実行が可能な車両と、その車間制御を実行できない車両と、が混在している場合も有り得る。また、所定の事情により、特定の制御形態による車間制御の実行対象から除外したい隊列内の車両の存在も有り得る。
例えば、その特定の制御形態による車間制御を実行できない又は実行させない車両(以下、「対象外車両」という。)としては、この制御形態の車間制御における識別情報の登録されていない車両、この制御形態とは異なる別の制御形態の車間制御を実行するものとして登録されている車両等が該当する。また、例えば、制御目標値、実際の車両加減速度や直前の車両との車間距離等の情報の送信には成功したが、通信途絶によって識別情報等の本制御形態による車間制御の実行可否の判別情報の送信に失敗した車両についても、対象外車両に該当する。
ここで、その隊列の中に別の車両が入ってきた場合には、別の車両も含めた新たな隊列の車両間において無線通信で情報の共有化を行い、その新たな隊列で車間制御を行う為の各車両の制御目標値を通信情報に基づき改めて設定し直すことができなければ、その新たな隊列での各車両間における車間制御を開始できない。これが為、その新たな制御目標値が設定されるまでの間においては、新しく入ってきた車両が本制御形態による車間制御の実行が可能なものであっても、対象外車両に該当していると云える。
これらのような対象外車両が隊列の中に存在している場合、その隊列においては、全ての車両間で適切な車間制御が行われず、他車への追従性が低下してしまう虞がある。そこで、この場合には、次の様にして隊列走行を実現させる。
ここでは、先に例として挙げた最適制御(LQ制御)を用いて説明する。この場合の対象外車両とは、換言するならば、その最適制御(LQ制御)を行う隊列モデルに組み込まれていない車両(当該隊列モデルに組み込むことのできない車両も含む)のことであると云える。
この車間自動制御システムにおいては、隊列内の先頭車両と後続車両との間に対象外車両が存在している場合に、その対象外車両を除いた当該後続車両に対する先行車両との間で最適制御(LQ制御)を実行する。その最適制御においては、自車たる後続車両の情報(特に車両加減速度等の走行情報)と、自車が通信装置で受信した先行車両(対象外車両を除く)の情報(特に車両加減速度等の走行情報)と、自車と先頭車両との間の車間距離の情報と、を用いて、自車と先行車両(対象外車両を除く)の制御目標値(目標車両加減速度)の組み合わせを設定する。
具体的に、この例示では、図2に示す5台の車両C1〜C5の内の4台目を自車C4としたとき、つまり先頭車両C1から自車C4までの図3に示す4台の車両C1〜C4を例に挙げて説明する。その隊列においては、先頭車両C1と後続車両となる自車C4との間に挟まれている車両C2,C3を対象外車両とする。ここでは、先頭車両C1と自車C4との間でのみ無線通信による車両C1,C4の情報の共有化が行われ、対象外車両C2,C3の情報を各車両C1,C4が無線通信で取得できない場合について示す。この場合には、その車両C1,C4の共有情報である車両C1,C4の車両加減速度a,aの情報と車両C1,C4の間の車間距離Lrallの情報とに基づいて、車両C1,C4における目標車両加減速度u,uの組み合わせを設定する。この車間自動制御システムにおいては、車両C1,C4を目標車両加減速度u,uで走行させることで、車両C1,C4の間を目標車間距離Ltgtall(=Ltgt1+Ltgt2+Ltgt3)にして隊列走行させる。その「Ltgt1」は車両C1,C2の間の目標車間距離、「Ltgt2」は車両C2,C3の間の目標車間距離、「Ltgt3」は車両C3,C4の間の目標車間距離である。
この隊列走行制御においては、先頭車両C1と自車C4の目標車両加減速度u,uを制御入力とし、車両C1,C4の車両加減速度a,a、車両C1,C4の間の車間距離Lrall及び車両C1,C4の間の相対速度Lrall’(dLrall/dt)を状態量として、車両C1〜C4の隊列走行を下記の状態ベクトルxの時間微分の式(式6:状態空間方程式)で表す。
Figure 2012043199
ここで、この式6における「u」は、目標車両加減速度ベクトルであり、下記の通りである。また、「A」、「B」は、夫々の車両C1,C4の仕様情報等によって決まる行列を示す。
=(u,u
その目標車両加減速度ベクトルuについては、フィードバックゲイン行列Kを用いて、下記の式7の如く表すことができる。この例示のフィードバックゲイン行列Kは、4列×2行の行列である。
Figure 2012043199
状態ベクトルxは、下記の式8の通りである。
Figure 2012043199
ここで、車両C1,C4の間における車間距離Lrall及び相対速度Lrall’は、下記の通りである。その車間距離Lrallについては、例えば、GPS31に基づく車両C1,C4の夫々の現在位置情報から算出すればよい。
Lrall=Lr+Lr+Lr
Lrall’=Lr’+Lr’+Lr
その「Lr」、「Lr」、「Lr」は、各々車両C1,C2の間の車間距離、車両C2,C3の間の車間距離、車両C3,C4の間の車間距離である。「Lr’」、「Lr’」、「Lr’」は、各々車両C1,C2の間の相対速度、車両C2,C3の間の相対速度、車両C3,C4の間の相対速度である。
式8の「Lall」は、下記の通りであり、車間距離Lr,Lr,Lrと目標車間距離Ltgt1,Ltgt2,Ltgt3とに基づく「L(=Lr−Ltgt1)」、「L(=Lr−Ltgt2)」、「L(=Lr−Ltgt3)」を用いて導き出すことができる。
all=L+L+L
この「Lall」は、車両C1,C4の間を現状の車間距離Lrallから目標車間距離Ltgtallに制御する為の車両C1,C4の間の制御量(制御車間距離)である。これと同様に、「L」は車両C1,C2の間を現状の車間距離Lrから目標車間距離Ltgt1に制御する為の車両C1,C2の間の制御量(制御車間距離)であり、「L」は車両C2,C3の間を現状の車間距離Lrから目標車間距離Ltgt2に制御する為の車両C2,C3の間の制御量(制御車間距離)であり、「L」は車両C3,C4の間を現状の車間距離Lrから目標車間距離Ltgt3に制御する為の車両C3,C4の間の制御量(制御車間距離)である。
また、式8の「Lall’」は、制御車間距離Lallの時間微分であり、下記の通りに表される。
all’=L’+L’+L
上記の状態空間方程式(式6)で表されるシステムのLQ制御を行う為の評価関数Jは、下記の式9の如く定める。
Figure 2012043199
この式9の「ε」、「εdL」、「εu1」、「εu4」は、制御車間距離Lallに関する項、制御車間距離の時間微分Lrall’に関する項、先頭車両C1の目標車両加減速度uに関する項、自車C4の目標車両加減速度uに関する項に対して重み付けする為の重みである。従って、この隊列走行制御においては、その重みε、εdL、εu1、εu4を調整することで、車間距離の安定性、相対速度の低減、加減速の低減を調和させる。
この評価関数Jを最小にするフィードバックゲイン行列Kは、例えば、隊列を成す車両C1〜C4の組が決まったときに、一意に求まる。
この隊列走行制御においては、上記の式7に対して、そのフィードバックゲイン行列Kと各種検出装置の情報に基づき得た状態ベクトルxを代入し、且つ、先頭車両C1の目標車両加減速度uをフィードフォワードにセットして、式9の評価関数Jを最小にする目標車両加減速度ベクトルuを求める。車両C1,C4の伝達関数G(s)又は時定数Tsは、例えばその目標車両加減速度ベクトルuの演算時に用いればよい。これにより、その評価関数Jを最小にする目標車両加減速度u,uの組み合わせが求められる。自車C4の制御装置10は、その目標車両加減速度uとなるよう自車C4を制御して、車両C1〜C4を隊列走行させる。
このように、本実施例の車間自動制御システムにおいては、対象外車両が自車と先頭車両との間に存在していた場合でも、その対象外車両を間に挟んだ状態のまま隊列走行させることができるので、その隊列内での他車への追従性が向上する。
このような最適制御の際、自車C4の制御装置10には、直前の対象外車両C3を監視させながら、対象外車両C3との間の車間距離を適正な距離に保持させることが好ましい。つまり、自車C4の制御装置10には、上述した先頭車両C1との最適制御による車間制御と共に、従来の情報検出型の車間制御を併用させてもよい。その際には、例えば、先頭車両C1との最適制御における制御目標値(目標車両加減速度u)について、従来の情報検出型の車間制御の実行時における測定情報又は制御目標値(目標車両加減速度u)に基づき適正な距離に補正させる。これにより、この車間自動制御システムにおいては、自車C4の直前の対象外車両C3に対する追従性をより向上させることができる。
また、この隊列においては、そのような従来の情報検出型の車間制御を対象外車両C2,C3に実行させてもよい。これにより、この車間自動制御システムでは、隊列全体の他車への追従性を更に向上させることができる。また、その対象外車両C2,C3が別のモデルベースに組み込まれている場合、対象外車両C2,C3については、自らの隊列モデルに応じた最適制御で制御目標値(目標車両加減速度u,u)の組み合わせを設定し、その最適制御による車間制御を実行させてもよい。
また、上記の式6の状態空間方程式に替えて、下記の式10のような道路勾配や風等の外乱uを考慮した状態空間方程式を用いてもよい。「B」は、夫々の車両C1,C4の仕様情報等によって決まる行列を示す。
Figure 2012043199
また、先頭車両C1や自車C4が対象外車両C2,C3の所定の情報を無線通信で受信できた場合には、その情報を用いて上記の最適制御を行ってもよい。その所定の情報とは、対象外車両C2,C3の現在位置情報、又は先頭車両C1と対象外車両C2との間の車間距離Lrの情報及び対象外車両C2,C3の間の車間距離Lrの情報、先頭車両C1と対象外車両C2との間の目標車間距離Ltgt1の情報及び対象外車両C2,C3の間の目標車間距離Ltgt2の情報である。この場合には、自車C4が対象外車両C3との間の車間距離Lrを周辺物検出装置40の検出結果に基づき得ることで、先頭車両C1と自車C4との間の車間距離Lrallが求められる。また、先頭車両C1と自車C4との間の目標車間距離Ltgtallについては、受信した目標車間距離Ltgt1,Ltgt2と自車C4の直前の車両C3との間の目標車間距離Ltgt3とを加算して求められる。従って、この車間自動制御システムにおいては、そのようにして演算した車間距離Lrallや目標車間距離Ltgtallの情報を利用することで、上記の最適制御による車間制御を実行できる。
ここで、自車C4の後方を走行している車両C5についても、本制御形態の最適制御の隊列モデルに組み込まれている場合がある。この場合には、その車両C5と先頭車両C1との間で上記の最適制御を実行すればよい。その際には、車両C4の車両加減速度aと目標車両加減速度uを車両C5の車両加減速度aと目標車両加減速度uとに置き換えると共に、車両C1,C4の間の車間距離Lrallを車両C1,C5の間の車間距離Lrallに置き換える等して、目標車両加減速度uを求めればよい。つまり、先頭車両C1との間に対象外車両を挟んでいる後続車両が隊列内で複数台存在している場合には、その後続車両毎に先頭車両C1とのみ上記の最適制御による車間制御を実行させればよい。尚、このように車両C5も隊列モデルに組み込まれている場合には、隊列モデルに組み込まれている全ての車両C1,C4,C5の間で上記の如き最適制御による車間制御を実行させてもよい。
更に、この先頭車両C1との間でのみ行う上記の最適制御による車間制御は、例えば複数の隊列が合流したときにも適用可能である。例えば、図示しないが5台の車両C1〜C5の隊列Aの後ろに4台の車両C6〜C9の隊列Bが合流した場合を例に挙げて説明する。この場合には、その9台の車両C1〜C9からなる新たな隊列において、各車両C1〜C9の共有情報に基づいて新しい夫々の制御目標値(目標車両加減速度u〜u)の組み合わせを設定することで、隊列内の全ての車両C1〜C9の間で最初の最適制御の例示の如く車間制御が可能になる。つまり、この場合には、5台の車両C1〜C5の車間制御から9台の車両C1〜C9の車間制御への切り替えが必要になり、全ての車両C1〜C9の制御形態を一斉に切り替える必要がある。
そこで、この場合、例えば、隊列Aは、実行中の最適制御による車間制御を継続させ、隊列Aの後ろに追従する車両C6〜C9については、隊列Aの先頭車両C1とのみの上記の最適制御による車間制御を車両C6〜C9毎に実行させればよい。これにより、この車間自動制御システムでは、全ての車両C1〜C9の制御形態を一斉に切り替える必要が無く、隊列Bを成していた車両C6〜C9の制御形態のみを切り替えればよいので、新たな隊列内で応答性良く車間制御を実行させることができる。また、新たな隊列を成す車両が増えるので、各車両間で無線通信により共有される情報量や新たな制御目標値の演算に用いられる情報量が多くなり、新たな制御目標値が得られるまでに時間を要するが、この車間自動制御システムでは、隊列Aの制御形態をそのまま継続させ、且つ、隊列Bを成していた車両C6〜C9に関しては先頭車両C1との間の2車間でのみ制御を行えばよいので、本制御で扱う情報量を少なくでき、隊列A,Bの合流後に応答性良く新規隊列内の車間制御を行うことができる。その際には、隊列Aを成す車両C1〜C5の伝達関数G(s)に関する情報を利用して当該各車両C1〜C5の制御目標値が設定され、且つ、組となる2台の車両の伝達関数G(s)に関する情報を利用して夫々に後続車両C6〜C9の制御目標値が設定されるので、実情に沿った、より応答性の良い車間制御が可能になる。ここで、車両C6〜C9においては、先頭車両C1以外の自身に対する全ての先行車両が対象外車両となる。この場合の対象外車両は、全ての車両C1〜C9を制御対象とする最適制御の隊列モデルに組み込まない車両と云える。
また更に、この先頭車両C1との間でのみ行う上記の最適制御による車間制御は、隊列から車両が離脱したときにも適用可能である。例えば、5台の車両C1〜C5の内の4台目を自車C4とし、自車C4の直後の車両C5の隊列からの離脱により自車C4が最後尾の車両となった場合を例に挙げて説明する。この場合には、その4台の車両C1〜C4からなる新たな隊列において、各車両C1〜C4の共有情報に基づいて新しい夫々の制御目標値(目標車両加減速度u〜u)の組み合わせを設定することで、隊列内の全ての車両C1〜C4の間で最初の最適制御の例示の如く車間制御が可能になる。つまり、この場合には、新たな制御目標値の組み合わせの設定が行われるまで車間制御が実行できない。
しかしながら、この車間自動制御システムでは、車両C5の離脱時に、後続車両C2,C3,C4毎に先頭車両C1とのみの上記の最適制御による車間制御を実行させることで、新たな制御目標値の組み合わせが設定されるまでの間においても車間制御の実行が可能になる。特に、隊列を成す車両が多いほど、各車両間で無線通信により共有される情報量や新たな制御目標値の演算に用いられる情報量が多くなり、新たな制御目標値が得られるまでに時間を要するが、この車間自動制御システムでは、先頭車両C1との間の2車間でのみ制御を行えばよいので、本制御で扱う情報量を少なくでき、車両C5の離脱後に応答性良く隊列内の車間制御を行うことができる。その際には、組となる2台の車両の伝達関数G(s)に関する情報を利用して夫々に後続車両C2,C3,C4の制御目標値が設定されるので、実情に沿った、より応答性の良い車間制御が可能になる。ここで、先頭車両C1と車両C3との間の制御においては車両C2が対象外車両となり、先頭車両C1と車両C4との間の制御においては車両C2,C3が対象外車両となる。この場合の対象外車両は、全ての車両C1〜C4を制御対象とする最適制御を行う隊列モデルに組み込まない車両と云える。尚、先頭車両C1と車両C2との間においては、対象外車両が存在していないので、その2車間において最初に例示した最適制御が行われている。
ここでは最後尾の車両C5の離脱を例に挙げたが、中間の車両(例えばC2等)の離脱の際にも同様の最適制御による車間制御を行うことで、同様の有用な効果が得られる。
以上示したように、本実施例の車間自動制御システムにおいては、隊列内の先頭車両と後続車両との間に対象外車両(隊列モデルに組み込まれていない車両又は当該隊列モデルに組み込まない車両)が存在している場合、その対象外車両を除いた先頭車両と後続車両との2車間における最適制御を実行して、隊列内の車間制御を行うことができる。これが為、この車間自動制御システムは、上記に例示したような様々な状況に合わせた臨機応変な車間制御が可能になり、隊列内における他車への追従性を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る車両制御システムは、隊列内に共通の制御形態での制御の対象外となる車両が存在していても、その隊列内での他車への追従性を向上させる技術に有用である。
10 制御装置
20 通信装置
31 GPS
32 前後加速度検出装置
40 周辺物検出装置

Claims (4)

  1. 隊列を成す複数の車両の車両モデルに基づく隊列モデルによる当該車両間の最適制御を行う車両制御システムにおいて、
    先頭車両と後続車両との間に存在している前記隊列モデルに組み込まれていない車両又は当該隊列モデルに組み込まない車両を除いた当該後続車両に対する先行車両との間で前記最適制御を実行することを特徴とした車両制御システム。
  2. 後続車両の走行情報と、該後続車両が通信装置で受信した先頭車両の走行情報と、該後続車両と当該先頭車両との間の車間距離の情報と、を用いて、前記最適制御における当該後続車両の制御目標値を設定することを特徴とした請求項1記載の車両制御システム。
  3. 前記隊列モデルに組み込まれていない車両又は当該隊列モデルに組み込まない車両が先頭車両との間に存在している前記後続車両毎に前記最適制御を実行することを特徴とした請求項1又は2に記載の車両制御システム。
  4. 前記最適制御は、先頭車両と後続車両との間の車間制御に関するものであることを特徴とした請求項1,2又は3に記載の車両制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107554524A (zh) * 2017-09-12 2018-01-09 北京航空航天大学 一种基于主观危险感知的跟驰模型稳定性控制方法
JP7424086B2 (ja) 2019-02-11 2024-01-30 トヨタ自動車株式会社 車両マイクロクラウドによる異常マッピング

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