JP2012039842A - A型電荷搬送体を使用する静電モータ・静電発電機 - Google Patents

A型電荷搬送体を使用する静電モータ・静電発電機 Download PDF

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Abstract

【課題】非対称力を使用する静電機器(モータ、発電機、加速器)に使用される非対称形移動体(電荷搬送体・移動子)の形状及び配置を最適化する。移動体を静電浮上させる機構を簡素化する。静電モータに、静電ブレーキ、逆回転機能を加えてより使いやすくする。
【解決手段】検討する形状の数を増やして、最適形状およびその最適配置を求める。移動体に適当な電荷を与えて上方向の静電力を発生させて重力と相殺させる。静電モータの移動子の形状を工夫して、印加電圧極性を反転させたとき、移動子に作用する静電力の向きが反転するようにする。静電モータの上下固定電極の一部を、静電発電機の上下固定電極の形状とし、この区間では、移動子が、電荷搬送体の役割を果たすようにする。また、静電発電機では、回収電極の印加電圧を注入電極の電圧(接地)にすることで、静電モータと同一の電界を形成させ一時的に静電モータとして機能させる。
【選択図】図10

Description

発明の詳細な説明
本発明は、非対称形形状効果、すなわち、非対称形帯電または無帯電導体に作用する静電気力の大きさが電界の方向で異なる、あるいはその方向が電界の方向と異なる現象を利用する静電発電機、静電モータ、静電加速器に関するものである。特に、非対称形導体の形状とその配置に関するものである。
従来、静電発電機においては、電荷搬送体を、搬送電荷に作用する電界によるクーロン力に抗して、静電エネルギー的により高い位置に搬送するために、機械的なエネルギーが使用されていた。
これにたいして、本発明者は、先に、機械的エネルギーに代えて、電界の有するエネルギーが使用できることを発見し、その方法装置を出願した。(特許文献1、2、3、4)
特開2006−325394 特開2008−005690 特開2009−262667 特開2010−098925
その中で、特許文献1においては、電荷搬送体として、平板を直角に折ったL字形電極を左右反転させ、その立て板部分を電界方向と直角に、その平板部分を電界と平行にして使用している。
また、特許文献2においては、電荷搬送体として、平ネジ型とコップ(箱)型を比較して、コップ(箱)型を最適形状として選択している。(同特許、請求項4、5、7、図16〜20)。特許文献1で開示されたL字型は、コップ(箱)型の一部分と説明されている(同、[0010])。また、その配置は、その側面を、移動方向(電界方向)と平行とすると請求されている(請求項5)。
また、特許文献3においては、上下2枚の電極間に、外底面を右方向に向けた無帯電のコップ型移動子に働く水平方向の静電気力を使う新しい方式の静電モータが記載されている。(請求項2、[0021]、図9A)
また、特許文献4においては、進行方向に非対称形の電極(移動子)を含む移動体の非対称形電極が形成されていない部分にエレクトレット帯を形成し、それと対応する、該移動体をおおう筐体の内面に、それと同極性のエレクトレット帯を形成することが請求されている。(請求項3)両エレクトレット間に働く反発静電力により、該移動体は、筐体に接触しない。([0047],[0048]、実施例3、4、5、図8、9、11、12、14、15)
そこで、本発明の第一の課題は、特許文献1、2において検討された電荷搬送体の形状が少なかったので、平ネジ型とコップ(箱)型以外の、より多くの形状の電荷搬送体に作用する静電力も求めて、本当の最適形状を選びなおすことである。
第二の課題は、特許文献4に記載された電荷搬送体・移動子の静電浮上方法を実施するためには、電荷搬送体・移動子円板と筐体の一部にエレクトレットを形成しなければならずコストがかかるため、より簡単な、コストのかからない方法を確立することである。
第三の課題は、特許文献3に記載された静電モータそのものはシンプルな構成であるが、実際に使用するためには、その外部に機械的なブレーキ機構を付加する必要があり、装置全体としては大きくコストも高くなるので、付加機械ブレーキ装置を使用しない、静電ブレーキ方法を確立することである。
第四の課題は、特許文献1〜4に記載された静電発電機は、その立ち上げ時に、外部付加モータで、電荷搬送体円板を回転させる必要があり、また、特許文献1〜4に記載された静電モータは、外部電源で、上下固定電極円板が形成しているコンデンサーのリーク電流を補う必要があり、それぞれ、装置が大きくコスト高になるので、静電発電機自身に一時的に静電モータの機能を、また、静電モータ自身に、静電発電機の機能を持たせることである。
1、均一電界中に置かれた形状の異なる19個の帯電導体に働く静電気力をシミュレーションで求めて比較する。
2、1において、該導体に静電誘導で付与する電荷量を変えて、水平方向の静電力に加えて、電荷搬送体・移動子円板に働く重力を上回る、上向きの静電力を発生させる。
3、移動子の形状を工夫して、上下固定円板電極が形成する電界の向きが反転したとき、移動子中の電荷移動により、逆方向の静電力が発生するようにする。
4、該静電発電機と該静電モータの基本的な構成は同じなので、電圧の印加方法、または、単一電極の分割で、両方の機能が発生できるようにする。
1、従来、最適形状と思われたカップ(箱)型以上の性能を示す、Λ型が発見された。これを使用することにより、静電発電機・静電モータの性能は従来の2倍以上となる。
2、静電誘導で付与する電荷量は、静電誘導電圧を変えることで制御できるので、該静電発電機・静電モータになんら変更を加えることなく、電荷搬送体・移動子円板の静電浮上が可能になる。エレクトレットを各所に形成する必要がなくなり大幅にコストが削減される。
3、移動子の形状は、すこしだけ複雑になるが、上下固定円板電極に印加する電圧を逆にするのみで強力なブレーキをかけられるようになる。また、機械的なブレーキと異なり、逆方向の静電力を発生させているので、継続して、逆回転させることもできる。外部に機械的ブレーキ機構を付加する必要がなくなり、装置が小さくなり、コストが大幅に削減される。
4、電圧の印加方法のみ、または、単一電極の一部分割で、静電発電機に静電モータの機能を、静電モータに静電発電機の機能を持たせられて、外部に電源やモータを付加する必要がなくなり、装置が小型になり、コストが大幅に削減される。
従来最適と考えられているコップ(箱)型電荷搬送体・移動子に代わるより高性能の形状を、シミュレーションで探したいのだが、その前に、クーロンの法則を復習しておきたい。よく知られているように、クーロンの法則は、点電荷か、帯電した小球のみにしか適応できないが、現在の静電気の基本法則であり、本発明が使用する非球形の(帯電)導体に働く静電力を考察する上でも非常に参考になる。
図1は、クーロンの法則の説明図である。すなわち、上下電極によって形成された均一電界E中に、点電荷q(+)が置かれると、該点電荷に静電力Fが作用する。該静電力は通常クーロン力と呼ばれる。クーロン力には、下記の3つの特徴がある。
1)、その大きさ(絶対値)は一定で、次式で計算される。
F=qE (1)
2)、その方向は、電界の方向と同じである(電荷の極性が正のとき)。または、その反対方向である(電荷の極性が負のとき)。
3)、電界の方向が反転されたとき、力の大きさ(絶対値)は変わらない。
以下、最適形状を求めて、各種形状の帯電導体に働く静電気力をシミュレーションで計算し比較するわけであるが、使用した19個の形状は、すべて1枚の基本板から作製された。図2にその形状を示す。その長さは、100.5mm、幅は10.5mm、厚さは1.5mmである。
電位のシミュレーション後の、静電気力を計算する過程を、簡略化するために、基本板の配置角度を図3に示す4方向に限定した。すなわち、x軸から、0度、45度、90度、135度である。
シミュレーションで使用した19個の形状を、図4と図5に示す。その1番から3番は、1枚の基本板の配置角度を変えて作製した。4番から11番は、2枚の基本板を組み合わせて作製した。12番から19番は、3枚の基本板を組み合わせて作製した。
これら19個の導体は、それぞれ一定の電荷を与えられて、均一電界中に置かれて、そこに働く静電気力が、シミュレーションで求められた。シミュレーションは、XY二次元の差分法で行われた。その詳細は、特許文献1、2で紹介したのでここでは省略する。
図6は、シミュレーション対象領域の構成を示す。上下に、大きな平行平板電極が置かれ、そのセンターに小さな帯電導体が置かれる。両電極板の幅は、1021.5mmで、上下電極間の間隔も1021.5mmである。上電極には、1021050Vが印加され、下電極は接地される。この結果、両電極間には、均一電界が形成され、その強さは、1.0e+6V/mである。形状の異なる19個の導体には、それぞれ、−100nCの電荷が与えられる。もし、この導体の形状が小球であれば、そこに働く静電力は、クーロンの法則により、0.1Nと計算される。しかしながら、これら19個の帯電導体の形状は小球ではないため、そこに働く静電力は、それぞれ、シミュレーションで求められた。
導体の表面に作用する静電力の向きは、常に、その表面に垂直である。その結果、4つの角度に配置された基本板の表面に作用する静電力は、図7に示されるように8個になる。そのうち、4個の力の向きは、XまたはY軸と同じである。残りの4個の力の向きは、XおよびY軸とは異なるが、その角度が、XまたはY軸に対して45度なので、以下の式で、X成分とY成分に分解できる。
X軸と同一方向の力は、すべて、次式で、Fxに集約され、
Fx=F0(+)+F0(−)+F45(+).x−F45(−).x−F135(+).x+F135(−).x (10)
Y軸と同一方向の力は、すべて、次式で、Fyに集約された。
Fy=F90(+)+F90(−)+F45(+).y−F45(−)y+F135(+).y−F135(−).y (11)
なお、この過程で、すべての力は、各導体の重心に働くと仮定された。その結果、トルクは無視された。
最終的に、各帯電導体に働く静電気力の大きさFと、その方向θは、Fxと、Fyを使って次のように計算された。すなわち、θは、y軸(電界の向きと逆の方向)からの角度である。
19個の形状の異なる帯電導体に作用する静電力の大きさを図8に示す。帯電量が−100nCなので、導体の形状が小球であれば、クーロンの法則により、その大きさは、0.1Nになる。これを、図中に点線で示す。形状の異なる19個の帯電導体に働く力の大きさは、0.1N前後が多いが、その半分、あるいは半分以下の場合もある。19個の形状の中では、黒べたで示すΛ型が一番大きく、0.131Nである。一方、従来最適と考えられたコップ(箱)型に相当するП型はあまり大きくなく0.083Nである。これを白抜きで示す。なお、コップ(箱)型はXY二次元のシミュレーションでは扱えないため、П(樋)型を使用した。
19個の形状の中では、Λ型に働く静電力が一番大きいことが分かったが、特許文献1〜4に開示された新しい静電発電方法(電界駆動型)は、一定電界での静電力の大きさではなく、その大きさと、電界の向きが反転したときの静電力の大きさの差を使って電界のエネルギーをくみ上げている。そこで、電界の向きが反転したとき、Λ型導体に働く力の大きさが問題である。これも、大きければ、電界反転前後の力の差がなくなり、電界駆動型静電発電機の電荷搬送体として不適当である。
電界が反転したときに、該19個の帯電導体に働く静電力を図9に示す。なお、この図では、電界の反転を示す代わりに、各帯電導体の向きを、上下方向に、すなわち、電界の向きに反転させて表示している。
驚いたことに、黒ベタで示すΛ型に働く静電力が最小で、0.016Nである。一方、白抜きで示すП型は小さいほうではあるが0.038Nである。
電界の反転前の静電力(絶対値)から、電界の反転後の静電力(絶対値)を差し引いた結果を図10に示す。明らかに、Λ型が一番大きく、0.115Nである。一方、П型は、0.045Nである。
なお、図中11個の電荷搬送体では電界反転前後の静電力の差がゼロになっているが、これは、その形状が、上下、すなわち電界の方向に対称で、電界の向きが反転してもそこに働く静電気力の大きさは変わらないからである。
それでは、Λ型がなにゆえ、もっとも大きな静電気力の差を得られる結果となったのであろうか? 最初に、反転前の電界で、Λ型に働く静電気力が最大になった原因を考える。そのために、Λ型と、3番目に大きな静電気力の差を示したT型導体の周囲の電界を比較してみよう。なお、二番目に大きかったλ型を対象としなかったのは、形状がΛ型と似ていたからである。
図11が、Λ型とT型帯電導体の周辺の電界の様子を示している。図中、太い矢印が電界の強さと向きを示している。図から、両導体ともその裏面はよくシールドされていて、下向きの静電気力は、Λ型とT型で、それぞれ、0.0136Nと0.0156Nと小さいことがわかる。違いは、前面の電界の強さで、そのピーク値で比較すると、Λ型は、7.4MV/mで、T型は6.0MV/mである。この結果、上向きの静電気力は、Λ型とT型で、それぞれ、0.1442Nと0.1202Nになる。そして、総合的な静電力は、それぞれ、0.1306Nと0.1046Nになった。
T型よりも、Λ型の方がその前面の電界が強くなったのは、その前面形状が凸型で電界がより集中したためと考えられる。すなわち、反転前の電界で、Λ型に働く静電気力が最大になった理由は、その前面形状が凸型で、電界が集中しやすいことと、その裏面がよくシールドされていることの2点にある。なお、裏面シールドの効果は、特許文献4の箱型、及び樋型電極の説明でも言及されている。
次に、反転電界中でΛ型に働く静電力が最小になった原因を考える。そのために、Λ型と、もっともシンプルな形状の、―型の周囲の電界を比較してみよう。
図12が、Λ型と―型帯電導体の周辺の電界の様子を示している。電界の方向が、下から上で、帯電極性はマイナスなので、下向きの静電力が働くはずである。実際、Λ型には、−0.0161N、―型には、−0.088Nの力が働いている。なお、言うまでもないことであるが、帯電導体の形状が小球ならばクーロンの法則によりその力は、−0.100Nになる。ここで、この力を、上向きの成分Fupと、下向きの成分Fdnに分けてみると、上向きの成分は、Λ型が、0.0381Nで、―型が、0.0485Nで大きな差はない。一方、下向きの成分は、Λ型が、−0.0542Nなのに対して、―型はその2.5倍の、−0.1365Nである。―型を標準と考えれば、―型は、その40%である。60%も減少したのは、図12からあきらかに、Λ型の電界に向かう前面(下面)が、シールドされて、その面の電界が弱くなったためである。
すなわち、Λ型に働く静電力が、電界の反転前で、最大で、反転後に最小になった理由は、共通で、その前面の、凸型形状による、電界集中効果と、その裏面のシールド効果である。
以上の結果、すなわち、非球形の帯電導体に作用する静電力は、クーロンの法則と異なり一定ではなく、その形状で変わり、特に、その形状がΛ型のとき、最大となり、また、電界が反転した場合は最小となるという現象は、今回、発明者によって初めて発見された。以下、従来の形状に変えて、この新発見の形状を使用することで、静電機器の効率を大輻に改善した結果を紹介するわけであるが、その前に、該19個の形状の異なった帯電導体に作用する静電気力の方向に関するシミュレーション結果も報告する。この結果も、静電モータの効率を改善するために非常に重要になるからである。
図13に、形状の異なる19個の帯電導体に働く静電気力の向きを示す。横向きにしたΛ型導体のみが非常に大きい、60度近くの傾きを示すことがわかる。これに対して、横向きにしたП型導体の傾きは、その1/5程度である。なお、図13において、傾きが0度になったのは、電界の垂直方向(図の水平方向)で、対称形の8個の導体である。
それでは、横向きにしたΛ型導体がなにゆえ、もっとも大きな傾きを得られる結果となったのであろうか? この原因を考えるため、横向きにしたΛ型導体と、2番目に大きな傾きを示した\型導体の周囲の電界を比較してみよう。
図14が、横向きにしたΛ型と\型帯電導体の周辺の電界の様子を示している。図中、太い矢印が電界の強さと向きを示している。図より、右下がりの1枚の斜め板で構成される\型導体に、右上がりの1枚の斜め板が結合されて、横置きΛ型導体となったとき、右下がり板の後面がシールドされ、付け加えられた右上がり板により、右下の静電力が付加されたのが分かる。この結果、Fyが小さくなり、Fxが大きくなって、傾きθが36.1°から58.3°まで広がった。
この現象は、横向きΛ型導体の進行方向の前面形状が凸型で電界がより集中したことと、その後面が近接した2枚の斜め導板が互いにシールドしたことで説明される。電界の垂直方向(図の水平方向)で非対称形の帯電導体に働く静電力の方向は電界の方向より離れる、特に、Λ型形状の場合はその度合いが非常に大きい、というこの現象も、今回、初めて発明者により発見された。
ここで、均一電界(E)中に置かれた、非球形の帯電(q)導体に働く静電力(F)の特徴を、クーロン力の特徴([0012])と対比してまとめておく。
1)、その大きさは、一般的に、F=qE にはならない。その前面に電界が集中し、その裏面が電気的にシールドされる形状の場合、qEよりも大きくなる。(図8参照)
2)、その方向は、電界と垂直方向で、対称形状の場合、電界の方向、またはその逆方向と一致するが、非対称形状の場合は一致しない。(図13参照)
3)、電界が反転した場合、その形状が電界方向で対称の場合は、その大きさ(絶対値)は同じになるが、非対称の場合は、異なる。(図8、図9、図10参照)
以上のシミュレーション結果と、その考察は、現在、学術誌(Journal of Electrostatics)に投稿中である。
次に、非対称形の帯電導体に働く静電気力の大きさと方向に関する新発見の現象を使う静電発電機や静電モータ等の実施例の説明に入るわけであるが、その前に、現在知られている静電発電機や静電モータを簡単に紹介する。
従来一番よく知られ、また実際に使われている静電発電機は、バンデグラーフ型である。その構成・動作を、静電気ハンドブックに記載された図で説明する。図15において図示しないモータで矢印方向に回転移動されている絶縁性ベルトは電荷搬送体である。最初に、その最下部でコロナ放電により正コロナイオンで正帯電される。次に、高圧、たとえば100万ボルトに維持されている電荷回収球内に入りると、コロナ放電針列と、絶縁性ベルト上の正イオン間にコロナ放電が発生する。この結果、絶縁性ベルトで搬送された正電荷は、高電圧の電荷回収球に回収される。
この原理を、図16で模擬的に説明する。バンデグラーフ型静電発電機では、負電荷(電子)を電荷搬送体に乗せて、−100万ボルトの電荷回収電極にむかって搬送する。このとき、該電荷搬送体には、これを押し戻す方向に強い静電力Feが働くので、それ以上に強い機械的な力Fmを該電荷搬送体に加えて、引き上げている。すなわち、帯電した絶縁性ベルトを機械的にモータで回転させている。
これに対して、本出願人が発明し、特許文献2で出願した、新型静電発電機では、0Vから受け取った電子を−200Vまで持ち上げるのに、機械的な力を使用しない。その代わりに、非対称形状の電荷搬送体に働く静電力の大きさ(絶対値)が電界の方向が反転すると変わるという本出願人により新たに発見された現象を使用している。すなわち、重力で例えれば、下り坂の重力が大きく、上り坂の重力が小さい状態では、一度、坂道を下って十分な運動エネルギーを蓄えてから、上り坂に入れば、スタート地点よりも高いところまで到達できる現象である。以下、この方式の静電発電機を電界駆動型静電発電機と呼ぶ。
その具体的な内容を、特許文献3の図11、12、14を使って説明する。図17は、電界駆動型静電発電機の1ユニットの電極配置を示している。図中、記号2は電荷注入電極、1は電位源となるエレクトレット、4は電荷回収電極、そして3は、左側が空いた横置きの箱型電荷搬送体である。電荷注入電極とエレクトレットの幅は、100μmで、電荷回収電極の幅は、160μmである。箱型電荷搬送体の幅は80μm、高さは160μmである。エレクトレットの電荷密度は、+1.25E−5(C/m)で、注入電極との間の電界強度は約1.0E+6(V/m)である。この結果、該電荷搬送体が、注入電極間を、これと電気的に導通して通り抜けるとき、静電誘導で注入される電荷量は、−3.03E−13(C)になった。
この帯電した電荷搬送体3が、注入電極2を抜けて、回収電極4に入るまでに、電界から受ける静電気力のシミュレーション結果を図18に示す。この図から、該帯電電荷搬送体に働く静電気力は、エレクトレット1の手前では、右方向に約8.0E−8(N)であり、エレクトレット1を抜けた後は、左方向に約3.0E−8(N)であることが分かる。すなわち、重力のたとえで言えば、下りの重力の方が、上りの重力よりも、2倍以上大きいので、より高い地点まで登れる訳である。
図17で、該電界駆動型静電発電機の1ユニットを示したが、これを円板上に並べた1カセットを図19に示す。該カセットは、3枚の円板で構成されている。すなわち、上下の固定電極円板11,12と、その中間に回転自在にセットされた電荷搬送体円板10である。上下の固定電極円板には、図のように、電荷注入電極2、エレクトレット1、電荷回収電極4が、放射状に、上下固定円板に対抗して並べられている。電荷搬送体円板10が回転することで、その上に形成されている電荷搬送体3が、これらの間を順次、繰り返し通り抜けることで、発電がなされる。
次に、非対称形帯電導体に作用する静電力の大きさ(絶対値)が、電界の方向が反転すると変わる現象を使う静電モータを、特許文献2の図25と図29を使って説明する。なお、次に紹介する別方式の静電モータと区別するため、以下この方式を電界平行移動型正殿モータと呼ぶ。
図20は、電界平行移動型静電モータの電極の配置を示している。図中、1Eはエレクトレット、2L,2Rは、左右の接地電極を示す。エレクトレットと左右接地電極の間隔は1.2mmで、エレクトレットの電位は+1200Vである。エレクトレット及び左右接地電極の半径は5.0mmで、その中心に、半径0.21mmの孔21が空けられている。記号3は、その開口部を左に向けて横向きに置かれたカップ型移動子を示す。その半径は、0.2mmで、その幅(高さ)は0.3mmである。また、その厚みは0.01mmである。該カップが、左接地電極の孔を抜けるとき、導電糸22で、瞬間的に接地されたとき、静電誘導で、−5.2E−12(C)の電荷が注入される。
該カップ型帯電移動子が、左接地電極から、右接地電極に移動する間に、電界から受ける静電気力をシミュレーションすると図21のようになる。図から、エレクトレット1Eの手前では、右方向に強い静電力を受けるが、エレクトレット1Eを過ぎると、逆に、左方向に弱い静電力を受けることが分かる。この結果、右接地電極に到達したカップ型移動子には、運動エネルギーの形で、2.6E−9(J)のエネルギーが残される。このエネルギーを、移動子を加速するために使わなければ、モータ出力として外部に取り出すことができる。
特許文献2には、これ以上の記載はないが、先に、静電発電機の1カセットとして示した図19の、上下固定電極円板の電荷回収電極を外すだけで、実際の静電モータ装置ができる。
次に、別方式の静電モータを特許文献3の図8、図9で説明する。図22は、その基本構成を示している。すなわち、上下の平行平板電極11、12に電位差を与えて、上下方向に平行電界を形成し、その中間に、無帯電の、開口部を左に向けたカップ(箱、樋)型電極3をフロート状態で置くと、静電誘導された電荷に右方向に静電気力が働く。もちろん、上下(周)方向により強い静電力が働くが、その方向が反対なので互いに相殺してゼロになる。右方向のみならず、左方向にも静電力は働くが、左側面の面積が、右側面と比較して非常に狭いため、非常に弱く、トータルとして、右方向に力が働く。この結果、該カップ(箱、樋)型電極は右に移動する。すなわち、電界の垂直方向に移動する。そこで、この方式の静電モータを、電界垂直移動型静電モータと名づける。
図23に、その装置構成を示す。直径120mmの2枚の円板電極11、12を、0.32mmのスペーサを介して向かい合わせ、その中間に、樋型電極(移動子)3を放射状に形成した直径120mmの移動子円板10を、中心軸14に固定して回転自在に配置した。樋型電極の幅と高さは0.08mmである。
下固定電極12を接地し、上固定電極11に、+320Vを印加して、このモータ出力をシミュレーションしたところ、5mNであった。
各種形状の非対称形導体の中で、Λ型がもっとも強い静電力を示し、電界の向きが反転したときの静電力の大きさ(絶対値)との差ももっとも大きいことが分かった(発見された)ので、[0036]〜[0038]に紹介した電界駆動型静電発電機において、樋(П)型電荷搬送体に代えて、Λ型電荷搬送体を使用した。そのとき、両電荷搬送体に作用する静電気力をシミュレーションで求めた。このとき使用した両電荷搬送体の側面図を図24に、また、シミュレーションを実施した位置を図25に示す。すなわち、今回は、図18(特許文献3の図12)や、図21(特許文献2の図29)に示される、電荷注入されてから、電荷回収されるまでの全工程をシミュレーションする代わりに、図25のA、B2点のみでシミュレーションを行った。なんとなれば、図18、図21から、この2点、すなわち中間地点、で作用する静電力が、それぞれ、電界反転前後の静電力の平均値とほぼ同じと判断されたからである。なお、注入電荷量は、−40nCとした。
シミュレーション結果を図26に示す。なお、ここでは、電界形成用高圧電源1と、電荷注入用接地電源2間の電界を順電界、高圧電源1と電荷回収電源4間の電界を逆電界と呼んでいる。同図から、順電界で作用する静電力と、逆電界で作用する静電力の大きさの差は、Λ型電荷搬送体の方が、П(樋)型電荷搬送体の2倍以上であることが分かる。この差は、Λ型電荷搬送体の前面形状が、П(樋)型電荷搬送体の平面と異なり、凸状で電界が集中したために生じた。
この結果、電荷搬送体3が、電荷注入電極2を抜けて、高圧電極1を越え、電荷回収電極4に入るまでに、電荷搬送体3が電界から受け取るエネルギーは、従来のП(樋)型電荷搬送体に代えて新発見のΛ型電荷搬送体を使用することで、2倍以上となり、電界駆動型静電発電機の出力も、2倍以上になることは明らかである。
なお、今回は、電荷回収電極の電圧を、−3kVとしてシミュレーションしたが、これが発電電圧の上限ではない。順・逆電界で作用する静電力の絶対値の差は、まだ十分余裕があるので、−10kVでも可能である。
[0039]〜[0041]に紹介した電界平行移動型静電モータにおいても、電界が反転したときの静電力の大きさ(絶対値)の差が大きいほど出力は大きくなるので、従来のП型移動子に代えて、新発見のΛ型移動子を使用すれば、該移動子に働く静電力は2倍以上になり、その結果、モータ出力も2倍以上になるはずである。
電界平行移動型静電モータと、電界駆動型静電発電機の電極配置は、図27に示すように、よく似ている。すなわち、前者では、接地電極対2と高圧電極(エレクトレット)対1が、交互に並べられるが、後者では、接地(電荷注入)電極対2と高圧電極(エレクトレット)対1と電荷回収電極対4が1組となって並べられる。どちらも、高圧電極(エレクトレット)1の前後で、電界の向きが反転する点では同じである。ただ、後者の場合には、該電荷回収電極対4には、高圧電極1と逆極性の電圧が印加されているため、この間の電界がより強くなっている。
そこで、図25に示す電界駆動型静電発電機のシミュレーションレイアウトで、電荷回収電極4の印加電圧を−3000Vから0Vに変えて右接地電極2とし、電界平行移動型静電モータのシミュレーションレイアウトとした。このレイアウト(図28)で、図24に示す形状のП型、Λ型に作用する静電力のシミュレーションを行った。その結果を図29に示す。順電界中で、右方向に働く静電気力は、П型が、27.1mN、Λ型が、32.2mNで、Λ型がより大きい。この差は、Λ型に電界が集中したためである。さらに、逆電界中で左方向に働く静電気力は、П型が、16.0mN、Λ型が、4.0mNで、Λ型が非常に小さい。この差は、裏面のシールド効果の違いに起因している。
この結果、順・逆電界を通して働く静電気力は、П型が、11.1mN、Λ型が、28.2mNとΛ型が2倍以上、3倍近くになった。この結果から、従来のП型移動子に代えて、新発見のΛ型移動子を使用することで、電界平行移動型静電モータの出力が2倍以上になることは明らかである。また、この静電気力をモータ出力として取り出さずに、移動子を加速し続ける静電加速器の場合にも、その最終速度がより速くなることは自明である。
図12に示すΛ型電極周囲の電界の分布から、シールド効果をさらに強め、左右の底面の面積を減らせば、下向きの力の大きさは、上向きの力の大きさより小さくなって、トータルの静電力は上向きになると予想される。そうなると、マイナスに帯電した導体は、電界と反対の向きに動くはずなのに、逆に、自動的に電界の向きに動くことになる。これは、電荷が、電界の力で、より静電ポテンシャルの高い方向に移動することを意味する。この現象は静電発電そのものなので、機械的なエネルギーを使うことなく、何百万ボルトでも自動的に発電できることになる。この静電発電方式を電界逆駆動型静電発電機と呼び、その模式説明図を、図16に示す。
その具体的な電荷搬送体の形状を図30に示す。Λ型の真ん中に平板31が加わった形状をしているが、これは、もちろんΛ型でもよい。ただし、その左右翼32、33の両端は、このように、x軸と平行ではなく、y軸と平行に切る必要がある。また、裏面に加えられた5枚の薄い垂直板は、シールド板34である。この存在により、裏面はほぼ完全にシールドされる。
図31は、該シールド板有無の電荷搬送体に−3.0nCの電荷を与えて、±2.08MV/mの電界中に置いたときこれに作用する静電気力を電界の反転前後で示したものである。シールド板34が無い時は、電界が反転すると、作用する静電気力の向きも反転し、その大きさは約1/2になるが、シールド板34があると、電界が反転しても、静電気力の向きは反転せず、小さいながらも元の方向に静電気力が残ることが分かる。なお、この詳細は、今後発行される下記の本に記載される予定である。
[参考文献1] “Asymmetric Electrostatic Forces and a New Electrostatic Generator”by Katsuo Sakai,Nova Science Publisher(New York),2010
[0042]〜[0043]に紹介した電界垂直移動型静電モータにおいては、横向き
のП型移動子を使用していた。この場合は、固定電界中に置かれた無帯電移動子に、電界と垂直方向に働く静電力を使用している。先に紹介した19個の異なる形状の導体に作用する静電力のシミュレーションは、該導体を帯電して行った。そのため、静電力が、電界の垂直方向に作用する結果はなかった。しかしながら、その中で、電界方向からの傾きが一番大きな形状の導体が、無帯電の場合に、電界の垂直方向に一番大きな静電力を示すと予想される。
そこで、19個の帯電導体に作用する静電力の電界方向からの傾きを示す図13を見ると、一番大きく傾いたのは、横置きのΛ型電極である。その大きさは、横置きのП型電極の約5倍である。この結果から、電界垂直移動型静電モータの移動子として、横置きのП型電極に代えて、横置きのΛ型電極を使用すれば、その出力は大幅に改善されると予測できる。
この予測を確認するために、図32に示すシミュレーションレイアウトで、横置きのП型電極と、横置きのΛ型電極に働く静電力を求めた。その結果を、図33に示す。左方向の力は、П型が、2.26mN、Λ型が、3.13mNとほとんど同じであったが、右方向の力は、П型が、3.01mN、Λ型が、10.42mNと、Λ型が、П型の3倍以上となった。この大きな違いは、Λ型に対する電界集中に起因している。この結果、両者を合わせた水平方向の静電気力は、П型が、0.75mN、Λ型が、7.29mNと、10倍近くもΛ型が強くなった。
なお、上下方向の静電力は、その大きさが等しく、その方向が反対なので、互いに相殺して、結局ゼロになる。しかし、その上方向の力を比較すると、П型が、16.54mN、Λ型が、5.21mNで、П型が、Λ型より3倍以上も強かった。Λ型の、45度に置かれた導板が、この上下方向の強い力を、一部水平方向に向けたと解釈できる。
実施例4の電界垂直移動型静電モータは、移動子の形状は異なったが、装置構成は特許文献3の電界垂直移動型静電モータと同じで、図23に示す構造をしている。すなわち、固定電極円板11、12間に、放射状に、横向きΛ型電極(移動子)3を多数配置した回転自在な移動子円板10を配している。図示していないが、上電極11は高圧電源に、スイッチを介して接続されている。一方、下電極12は常時接地されている。移動子円板は、その中間で、電気的にフロート状態に置かれている。なお、移動子円板は、導体の1枚板から、打ち抜き加工と折り曲げ加工で機械的に安価に簡単に精度良く作製できる。
移動子円板10を無帯電の状態で、上電極11に電圧を印加すると、移動子円板10は、水平方向の静電気力を受けて、横向きΛ型電極の先端方向に回転始める。この場合、回転する移動子円板10に加わる空気抵抗と、移動子円板10とその支持体間の動摩擦抵抗が問題になる。空気抵抗は、該静電モータの内部を減圧して減少させることができる。一方、摩擦抵抗は、該移動子円板10に加わる重力以上の上向きの静電力を該移動子円板10に加えることで解消できる。
この目的で、特許文献4の実施例3(電界駆動型静電発電機)では、電荷搬送体電極の形成されない、中央部分で、該円板の表裏と、対応する筐体の表面に同極性のエレクトレットを形成させて、静電斥力で、該円板を静電浮上させている。しかしながら、エレクトレットの形成には、それなりに、時間も手間もコストもかかるので望ましい手段とは言えない。特に、本実施例の場合は、移動子円板10を1枚の導体板から作製するのでエレクトレットの形成は不可能である。
そこで、該移動子円板10にマイナス電荷を与えて、水平方向に加えて垂直方向の静電気力を発生させることとした。図34に、1個の横向きΛ型電極に与えた電荷量と、そのとき、該横向きΛ型電極に加わる水平(右)、及び垂直(上)方向の静電気力(FrとFup)を示す。この図から、上向きの静電気力は注入電荷量に正比例することが分かる。故に、注入電荷量を制御することで、容易に正確に、上向きの静電気力を与えることができる。なお、電荷を注入することで、上向きの静電力のみならず、モータの推進力となる(右向きの)水平方向の静電力も増加することが明らかである。
電荷は、静電誘導(電荷注入)で容易に与えることができる。すなわち、移動子円板10と下接地電極12を電気的に導電糸等で一時的に接続し、上電極10に正電圧を印加すると、負電荷(電子)が静電誘導されて移動子円板10に注入される。図35に、印加電圧と1個の横向きΛ型電極に注入される電荷量の関係を示す。同図から、注入電荷量は、上電極11に印加された電圧に正比例することが分かる。上向きの静電力は、注入電荷量に正比例するため、結局、上向きの静電気力は、電荷注入時の印加電圧に正比例することになる。
シミュレーションで使用した1個の横向きΛ型電極に加わる重力は、その体積と比重(材質をアルミとして2.7とした。)から計算すると、47.8mNになる。図34と比較するとかなり大きな値で、必要と見込まれる注入電荷量は、約−80nCである。しかしながら、シミュレーションを容易にするために、移動子電極の厚さとして、1.5mmと1.06mmを使用したが、実際には、0.1mmの板圧でよいと思われる、そのとき、1個の移動子電極の重さは、1/10の、4.8mNになるので、必要な注入電荷量は、図から−8nCになる。このとき、必要な電圧は、図35から、5kVである。
なお、これは1個の単体移動子をそこに働く重力に抗して静電浮上させるために必要な、電荷量・電圧で、移動子円板の移動子以外の部分の重さも考慮すると、この2倍程度が適正量と考えられる。
また、注入された電荷は、特に、周りが真空状態のときは、長く維持されるので、電荷注入は、たとえば、毎日、立ち上げ時に1回実施すればよい。
そして、この方法は、Λ型移動子の場合にもっとも効果的ではあるが、他の形状でも可能である。
実施例4(移動子無帯電)の電界垂直移動型静電モータは、図23に示すように装置が簡単でよい。しかも、操作も簡単で、上固定電極11に電圧を印加するのみでよい。そして、電圧を切れば、自動的に止まる。しかし、止まるまでにはある程度の時間が必要である。使用方法によっては、問題にならないが、即座に止めることが必要な場合もある。そのためには、機械的なブレーキ、たとえば、自動車に使用されているようなディスクブレーキが必要である。
しかし、本体自身が非常にシンプルな構成なので、ディスクブレーキを加えて複雑な構成にすることは避けたい。また、用途によっては、ブレーキのみならず、逆回転も必要な場合もある。たとえば、自動車の車輪の直接駆動装置として使用する場合、逆回転ができなければ、後退時には、ギヤの組み合わせを変える必要がある。しかしながら、モータ自身が逆回転可能であれば、複雑なギヤの組み合わせ装置は不要になる。
そこで、該静電モータの誘導子の形状を少し変えるだけで、ブレーキも逆回転も、複雑な装置を追加せずに、電圧印加手段のみで可能とした。その形状を図36に示す。すなわち、図32の右側に示す横置きΛ型移動子の上下を絶縁体をはさんで電気的に分離した形状である。以下この形状を上下分離Λ型と呼ぶ。
図36に示す電極と移動子の配置で、上電極に+25500Vを印加し、下電極を接地し、該移動子の上斜め板に−10nC、下斜め板に+10nCを入れて、該移動子に働く静電力をシミュレーションしたところ、上下方向の合算静電力はゼロで、水平方向の静電力は、+6.47mN(右方向)となった。
次に、上電極を接地し、下電極に+25500Vを印加して、電界の向きを反転させて、該移動子に働く静電力をシミュレーションしたところ、上下方向の合算静電力はゼロで、水平方向の静電力は、−5.84mN(左方向)となった。すなわち、該移動子に作用する静電力の向きが、電界の反転とともに反転したわけである。
ゆえに、上下分離Λ型移動子を使用する、電界垂直移動型静電モータでは、上下電極に加える電圧を切り替えるのみで、ブレーキ力、ひいては逆回転力を発生させることができる。なお、言うまでもないことではあるが、実施例4の単体Λ型移動子では、電界を反転させても、静電力はまったく変わらない。なんとならば、電界で静電誘導された正負電荷も、電界の反転に応じてお互いに入れ替わるだけだからである。
単体Λ型移動子を使用する電界垂直移動型静電モータでは、実施例5のように、そこに、適当量の電荷を加えることで、上向きの静電力を付与することができた。同様に、上下分離Λ型移動子でも、上向きの静電力を付与できれば、非常に便利である。
そこで、図36に示す電極と移動子の配置で、上電極に+25500Vを印加し、下電極を接地し、該移動子の上斜め板に−15nC、下斜め板に+10nCを入れて、該移動子に働く静電気力をシミュレーションしたところ、水平方向の静電気力は、+7.28mN(右方向)で、上下方向の合算静電力は+3.08mN(上方向)となった。さらに、上斜め板の電荷量を−15nCから−20nCに増やしたところ、水平方向の静電力は、+8.15mNで、上下方向の合算静電力は+6.35mNとなった。すなわち、上下分離Λ型移動子でも、上斜め板に入れる電荷の絶対値を、下斜め板に入れる電荷の絶対値より適正量大きくすれば、、目的とする任意の上向きの静電力を付加することができる。
次に、電界垂直移動型静電モータの誘導子の形状を少し変えるだけで、ブレーキも逆回転も、複雑な装置を追加せずに、電圧印加手段のみで可能とする別の形状を図37に示す。横向きのΛ型移動子の、下方の斜め板を左右反転させ、元の上の斜め板と、左右反転させた下の斜め板を、平板でつないだ形状である。以下、斜めN型と呼ぶ。これに、−40nCの電荷を与えて、上から下、またはその逆に向かう均一電界中に置いたときの、その10個の表面に集まる電荷量を、模擬的に図38に示す。図中、黒丸ひとつは、−1.0nCの電荷量を示す。
図から、上電極に+25500Vが印加されたときは、−40nCのうちの6割に近い−23nCが、右上の表面に集中し、逆に、下電極に+25500Vが印加されたときには、やはり6割に近い−23nCが左下の表面に集中したことが分かる。すなわち、電界の向きが反転したことによって、誘導子電極中で、右上から左下への電荷の大移動が起こったわけである。この結果、電界の反転前には、該移動子に加わる静電気力は、上方向に、24.59mN、右方向に17.27mNだったのが、電界が反転すると、下方向に24.24mN、左方向に14.72mNとなった。この左方向の静電力がブレーキ力となるわけである。
そして、下電極への電圧をそのまま保持すれば、移動子円板は、いったん停止してから、逆方向に回転始める。なお、この場合、今まで上向きに働いて、重力に抗して、該移動子円板を静電浮上させていた静電力が、向きを変えて下向きに働き、重力とともに、該移動子円板の軸の先端を、支持体に押し付けるので、摩擦抵抗が発生して、回転力はその分弱くなる。
なお、この目的、ブレーキと逆回転、を達成するための移動子の形状は、上下分離Λ型、斜めN型に限らない。図38より直感的に理解されるように、進行方向に向かって、右上と、左下に斜めの形状の導電性面が含まれていればよいわけである。たとえば、図39Aに示すひし形でも、さらに、同図Bに示す、進行方向の最前面と最後面に斜め形状を有するひし形でもよい。この場合、その内部は導体、金属で構成する必要はないので、プラスチック性のひし形の表面を導電性塗料でコーティングすればよく、軽い移動子を低コストに作製することができる。
実施例6,7で示したように、上下分離Λ型移動子を使用することで、ブレーキ力・逆回転力を与えるとともに、上方向の静電力を付加することができる。ここでは、それが可能となる別の形状を紹介する。すなわち、図40に示す形状で、図37の移動子を左右反転させて絶縁体をはさんでもとの移動子と合体させた形状である。
この場合、4枚の斜め導電板は電気的に絶縁されるが、右上と左下、右下と左上は図のように別途接続される。この結果、上電極に+25500Vが印加され、下電極が接地されたとき、右上斜め板に集中していた負電荷と、右下斜め板に集中していた正電荷は、上下電極の印加電圧が反転されて、電界が反転したとき、それぞれ、左下斜め板と左上斜め板に移動する。この結果、左方向の水平静電力が発生して、ブレーキ力、ひいては逆回転力となる。
本発明の特徴のひとつは、先に[0047]で述べたように、電界駆動型静電発電機(本願実施例1)と電界平行移動型静電モータ(本願実施例2)の電極構成(配置)が図27に示すようによく似ていることである。それゆえ、印加電圧を切り替えるだけで、電界駆動型静電発電機を電界平行移動型静電モータに切り替えることができる。具体的には、図27Aにおいて、回収電極4に印加している電圧(−3000V)を接地にすればよいだけである。この結果、同図Bに示す静電モータと同一の電極配置になることが分かる。この場合、新たに接地した電極と、もともとの接地電極の間には電界が形成されず、ムダな領域となり、その分、出力は低下するが、実に簡単な方法である。
もちろん、モータとして、外部に、その出力を取り出すためには、多少の追加部品が必要である。しかしながら、自分自身、すなわち、誘導子円板を回転させるだけであれば、追加部品はなにもいらない。たとえば、停止状態から、静電発電を再開する場合、まず、モータ機能で、目標の回転数、たとえば、1000rpmまで、回転を上げておいてから、発電機能に切り替えると非常にスムーズである。なお、発電機能でも、設計上、得られるエネルギーをすべて発電に割り当てず、多少、モータ機能に残しているので、いきなり発電機能に入っても立ち上げ可能ではある。
また、この切り替え方法では、高圧電極に代えて、エレクトレットが使用されていても、まったく問題なく実施できる。
電界駆動型静電発電機の各電極に印加する電圧を切り賛えて電界垂直移動型静電モータにする方法もある。すなわち、図41に示すように、上固定電極円板の電荷注入電極2と電荷回収電極4の電圧を高圧電極1の電圧に切り替え、下固定電極円板の高圧電極1と電荷回収電極4の電圧を電荷注入電極2の電圧に切り替える、すなわち、接地する方法である。この結果、上固定電極円板と下固定電極円板間には、上から下に向かう電界が形成される。この状態は、[0042]で紹介した特許文献3の電界垂直移動型静電モータの状態と近似している(図22参照)。この結果、図41に示す各移動子には右向きの静電力が働き移動子円板は回転始める。
この方法は、実施例10と同様に、静電発電機を、一時的に、静電モータとして使用する場合にも、静電発電機の急速な立ち上げにも有効である。
なお、この方法は、高圧発生源としてエレクトレットを使用している場合は、実行できない。エレクトレットを接地できないからである。
一方、電界平行移動型静電モータを電界駆動型静電発電機に切り替えるのは、可能ではあるが、1箇所の電極の電圧切り替えのみでは実施できない。図42に、図示したように、接地電極2と高圧電極1の1組おきに、両電極の回収電極4化、すなわち、印加電圧を、0Vと61500Vから、それぞれ−3000Vに切り替える必要がある。このためには、もともと、接地電極2と、高圧電極1を1組おきに互いに別の配線にしておく必要がある。
静電モータで、発電する必要があるのは、高圧電極からのリーク電流を補う必要があるからである。もちろん、外部電源に接続されている場合にはその必要はないが、内部の独立した高圧電源を使用する場合には、そのリーク分を補わなければならない。その量は、微小(nAオーダー)と予想されるので、全電極を、発電モードに切り替える代わりに、上下固定電極円板11、12の一部を発電電極配置に置き換えて、移動子円板10の1回転ごとに、少しずつ発電する方が、総合的に判断してよいと思われる。
また、図23に示す、上下1枚板の固定電極11、12を使用する実施例4の電界垂直移動型静電モータでは、印加電圧を切り替えて静電発電させることは、不可能である。それゆえ、この場合にも、上下の、固定電極の一部を空けてそこに静電発電用の電極を組み込むのが現実的である。
クーロンの法則の説明図 形状の異なる19個の導体を構成する基本板の俯瞰図 基本板の配置角度を示す側面図 形状の異なる19個の導体の側面図(その1) 形状の異なる19個の導体の側面図(その2) 形状の異なる19個の導体に作用する静電気力をシミュレーションするための電極と導体の配置図 4つの角度に配置された基本板の表面に作用する静電力の方向を示す模式図 形状の異なる19個の帯電導体に作用する静電気力の大きさを示すグラフ 電界が反転したときに、19個の帯電導体に働く静電気力の大きさを示すグラフ 電界反転前後で、19個の帯電導体に働く静電気力の大きさの差を示すグラフ Λ型とT型帯電導体の周辺の電界の様子を示した模式図 Λ型と―型帯電導体の周辺の電界の様子を示した模式図 形状の異なる19個の帯電導体に働く静電気力の向きを示すグラフ 横向きにしたΛ型と\型帯電導体の周辺の電界の様子を示した模式図 バンデグラーフ型静電発電機の説明図(従来例) 新旧静電発電機の基本原理説明図 電界駆動型静電発電機の1ユニットの電極配置を示す模式図(従来例) 電界駆動型静電発電機の電荷搬送体が、注入電極から回収電極に至る行程で電界から受ける静電力を示すグラフ(従来例) 電界駆動型静電発電機の装置構成を示す模式図(従来例) 電界平行移動型静電モータの電極の配置を示す模式図(従来例) カップ型帯電移動子が、左接地電極から、右接地電極に移動する行程で、電界から受ける静電気力を示すグラフ(従来例) 電界垂直移動型静電モータの電極の配置を示す模式図(従来例) 電界垂直移動型静電モータの装置構成を示す模式図(従来例) П型電荷搬送体と、Λ型電荷搬送体の側面図 電界駆動型静電発電機の1ユニットにおける、П型電荷搬送体と、Λ型電荷搬送体の配置を示す模式図 電界駆動型静電発電機の1ユニットにおいて、П型電荷搬送体と、Λ型電荷搬送体に、順方向電界と逆方向電界中で働く静電力を示すグラフ 電界平行移動型静電モータと、電界駆動型静電発電機の電極配置を示す模式図 電界平行移動型静電モータの1ユニットにおける、П型電荷搬送体と、Λ型電荷搬送体の配置を示す模式図 電界平行移動型静電モータの1ユニットにおいて、П型電荷搬送体と、Λ型電荷搬送体に、順方向電界と逆方向電界中で働く静電力を示すグラフ 電界逆駆動型静電発電機の電荷搬送体の側面図 電界逆駆動型静電発電機の1ユニットにおいて、裏面シールド板有無の電荷搬送体に、順方向電界と逆方向電界中で働く静電力を示すグラフ 電界垂直移動型静電モータの1ユニット中に置かれたП型移動子と、Λ型移動子の側面図 電界垂直移動型静電モータの1ユニットにおいて、П型移動子と、Λ型移動子に、働く水平方向の静電力を示すグラフ 電界垂直移動型静電モータのΛ型移動子に与えた電荷量と、該Λ型移動子に加わる水平(右)、及び垂直方向の静電気力を示すグラフ 電界垂直移動型静電モータにおける、印加電圧とΛ型移動子に注入される電荷量の関係を示すグラフ 電界垂直移動型静電モータ用上下分離Λ型移動子の側面図 電界垂直移動型静電モータ用ブレーキ機能を有する斜めN型移動子の側面図 斜めN型移動子の、順・逆電界中の表面電荷分布を示す模式図 電界垂直移動型静電モータ用ブレーキ機能を有する別形状移動子の側面図 ブレーキ機能を有する上下分離移動子の側面図 電界駆動型静電発電機の各電極に印加する電圧を切り替えて電界垂直移動型静電モータにする方法の説明図 電界平行移動型静電モータを電界駆動型静電発電機に切り替える方法の説明図
1、電界形成電極
1E、エレクトレット
2、注入(接地)電極
2L、左注入(接地)電極
2R、右接地電極
2M、中接地電極
21、注入(接地)電極の中心孔
22、注入(接地)電極に設けられた電荷注入用糸電極−
3、移動体(電荷搬送体・移動子)
31、電界逆駆動型静電発電機用電荷搬送体の中央主平板
32、電界逆駆動型静電発電機用電荷搬送体の左斜め板
33、電界逆駆動型静電発電機用電荷搬送体の右斜め板
34、電界逆駆動型静電発電機用電荷搬送体の裏面シールド板
4、電荷回収電極
10、電荷搬送体・移動子円板
11、上電極、上固定電極円板
12、下電極、下固定電極円板
14、回転軸
20、絶縁性支持体

Claims (20)

  1. 電界中に置かれた、帯電または無帯電の非対称形導体に作用する静電力を使用する静電発電機・静電モータ・静電加速器等の静電気応用機器で、該導体として、その進行方向の表面に電界が集中する、あるいはその進行方向の表面に電界が集中し、かつその裏面が電気的にシールドされやすい形状の導体を使用することを特徴とする静電気応用機器。
  2. 請求項1において、該導体の進行方向の形状が凸型であること。
  3. 請求項2において、該導体の進行方向の形状が、Λ型または円錐形であること。
  4. 請求項1において、該導体に、適当量の電荷を加えて、該導体に加わる重力よりも少し大きい上向きの静電力を発生させて、該導体を静電浮上させること。
  5. 請求項1において、電界の垂直方向に進む静電モータの移動子の形状がΛ型で、進行方向上下の2枚の斜め面が、電気的に互いに絶縁されていて、それぞれに異極性の電荷が注入されること。
  6. 請求項5において、上下斜め面に加える電荷の量を異ならせて、該移動子に加わる重力よりも少し大きい上向きの静電力を発生させて、該移動子を静電浮上させること。
  7. 請求項1において、該導体に電荷を注入して、電界と垂直方向に移動させ、必要に応じて、電界を形成する固定電極に印加する電圧を入れ替えることで、電界の向きを反転させて、該導体に加わる静電力の向きを反転させて、ブレーキをかける、またその電界を維持して、該導体を逆方向に移動させることを特徴とする静電モータ。
  8. 請求項7において、該導体の形状が、Λ型で、進行方向上下の2枚の斜め面が、電気的に互いに絶縁されていて、それぞれに異極性の電荷が注入されること。
  9. 請求項7において、該導体の形状が、進行方向に向かって下がる2枚の斜め面を、上方と下方、または進行方向最前面と再後面に有すること。
  10. 請求項9において、N型形状の導体を使用し、その真ん中の斜め部分が、電界の垂直方向と平行になるように配置すること。
  11. 請求項9において、ひし形の導体を使用し、その平行面が電界の方向、または電界と垂直な方向になるように配置する。
  12. 請求項7において、該導体の形状が、電気的に接続された、進行方向に向かって下がる2枚の斜め面を、進行方向最前面と再後面に有し、また、電気的に接続された、進行方向に向かって上がる2枚の斜め面を、進行方向最前面と再後面に有し、それぞれ、異極性の電荷が注入されること。
  13. 請求項1において、進行方向の表面に電界が集中する形状の電荷搬送体を複数並べた回転円板をはさんで、電荷注入電極、高電圧発生源(高圧印加電極またはエレクトレット)、電荷回収電極が複数個並べられた上下固定円板から構成される静電発電機において、電荷回収電極に印加する電圧を電荷注入電極に印加する電圧に切り替えて電極の配置を静電モータと同じにして、該回転円板を回転させることで、静電モータの機能を発揮させること。
  14. 請求項13において、該静電発電機の立ち上げ時に、電荷回収電極に印加する電圧を電荷注入電極に印加する電圧に切り替えて電極の配置を静電モータと同じにして、該回転円板を必要な回転数になるまで回転させ、その後、電荷回収電極に印加する電圧を元に戻して静電発電を開始させることを特徴とする静電発電方法。
  15. 請求項1において、進行方向の表面に電界が集中する形状の電荷搬送体を複数並べた回転円板をはさんで、電荷注入電極、高電圧発生源(高圧印加電極またはエレクトレット)、電荷回収電極が複数個並べられた上下固定円板から構成される静電発電機において、上固定円板と下固定円板の全電極に、それぞれ異なる電圧(接地含む)を印加して、上下固定円板間に、上下方向に均一電界を発生させて、全電荷搬送体に、電界と垂直方向の静電力を加えて、該回転円板を回転させて静電モータの機能を発揮させること。
  16. 請求項15において、該静電発電機の立ち上げ時に、上固定円板と下固定円板の全電極に、それぞれ異なる電圧(接地含む)を印加して、上下固定円板間に、上下方向に均一電界を発生させて、全電荷搬送体に、電界と垂直方向の静電力を加えて、該回転円板を必要な回転数になるまで回転させ、その後、上下固定円板の各電極にそれぞれの本来の静電発電機としての電圧を加えて静電発電を開始させることを特徴とする静電発電方法。
  17. 請求項1において、進行方向の表面に電界が集中する形状の移動子を複数並べた回転円板をはさんで、接地電極、高圧印加電極が対応して複数組並べられた上下固定円板から構成される静電モータにおいて、接地電極、高圧印加電極の1組おきに、両電極に印加する電圧を、静電発電機の電荷回収電極に印加する電圧に切り替えて電極の配置を静電発電機と同じにして、静電発電機の機能を発揮させること。
  18. 請求項1において、進行方向の表面に電界が集中する形状の移動子を複数並べた回転円板をはさんで、上下固定円板から構成される静電モータにおいて、上下固定円板の一部を空けて、ここに、電荷注入電極、高電圧発生源(高圧印加電極またはエレクトレット)、電荷回収電極を複数個並べて、この領域では、移動子を電荷搬送体として、発電を行うことを特徴とする静電モータ。
  19. 請求項1において、電荷搬送体の進行方向裏面を電気的にシールドすることにより、マイナス極性に帯電された該電荷搬送体に、電界の方向と同じ方向に働く静電力、または、プラス極性に帯電された該電荷搬送体に、電界の方向と逆の方向に働く静電力を作用させて該電荷搬送体を移動させることを特徴とする静電発電機。
  20. 請求項19において、電荷搬送体の進行方向裏面に、電界と平行に薄い導電性板を立てること。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014176286A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Toshio Sakai 非対称静電力を使う静電機器の電荷搬送体の最適形状。
JP2015035938A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 酒井 捷夫 非対称静電力を使うスイチバック型静電発電機

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