JP2012037428A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 搭載性に優れて設置箇所の制約がなく、被水割れや被毒を抑制できる、小型で実用性の高いガスセンサを提供する。
【解決手段】 ガスセンサ1は、排気管壁に固定される筒状ハウジング4の開口内にセンサ素子3を保持し、外部の制御部12にセンサ素子3からの検出信号を出力する。センサ素子3は板状体で、基体31の厚さ方向をセンサ軸方向としてハウジング4の先端開口縁より内方に配置され、センサ軸に対して垂直な2つの対向する面を有し、通路側の一方の面に排気側電極33を形成し、他方に大気側電極32を形成して検出部とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両等に搭載されて各種ガスを検出するために用いられるガスセンサ、特に小型のガスセンサに関する。
車両内燃機関の排気管にガスセンサを設け、排気ガス中の酸素等のガス濃度を検出して、その検出信号を基に機関本体各部を制御することが行われている。ガスセンサは、一般に、ジルコニア等の酸素イオン導電性の固体電解質を利用したものが広く用いられている。従来技術として、特許文献1のガスセンサの基本構造を図8に示す。ガスセンサSは、センサ素子101と、その基端部を保持するハウジング102を備え、センサ素子101からの検出信号は外部の制御部(図示せず)に入力される。センサ素子101は、酸素イオン導電性の固体電解質を、例えばコップ型に形成した基体103を有し、このコップ型の基体103を挟んで内外表面に電極が形成され、固体電解質内を酸素イオンが拡散する性質を利用して、ガス濃度を測定する。
ガスセンサは、ハウジング102の外周に設けたねじ部にて図示しない排気管壁に固定され、二重筒状の素子カバー104内に保持されるセンサ素子101の先端部が、排気管内に位置する。センサ素子101の電極端子には、検出結果を取り出すためにリード線105が接続される。リード線105は、ハウジング102に固定した保護カバー106の開口に配設したブッシュ107を貫通して外部に引き出され、その延出端が車両の制御部と直接電気的に接続されて検出信号を出力するようになっている。
一方、家庭用または車両用の制御システムにおいて、検出結果を制御部に無線等を用いて発信することが可能なワイヤレス装置が知られている(例えば、特許文献2、3)。このようなワイヤレス装置は、有線式のセンサに必要な配線の引き回しが不要になるといった利点があるが、内蔵電池の交換が必要となる。そこで、本発明者等は、検出信号をワイヤレスで制御部に発信することができるだけでなく、電源部を備え、内蔵電池の交換が不要な小型のガスセンサを先に提案した(特許文献4)。
また、内燃機関の低温始動時等に、排気管内の凝縮水がガスセンサに付着すると、ヒータ加熱による熱衝撃でセンサ素子の被水割れを生じるおそれがある。この対策として、センサ素子に、撥水性の表面層を形成して水の付着を抑制する構成(例えば、特許文献5)、素子カバーの開口の形状や配置を工夫して、排水性能を向上させるか水の侵入を抑制する構成が提案されている(例えば、特許文献6、7)。
特開2008−122414号公報 特開平7−318144号公報 特開2008−50943号公報 特開2010−60452号公報 特開平8−240559号公報 特開2008−76211号公報 特開2008−46102号公報
特許文献4のガスセンサは、電源部を小型とし、排気管外部へ延出する配線の引き回しを不要にしたことで、全体をコンパクトにできる。ただし、排気管内に位置する素子部構造は、従来のガスセンサと同様である。つまり、従来のガスセンサが、素子カバー104とともにセンサ素子101を排気管中央部付近まで突出させる基本構造であるため、より小径の排気管には配置できず、搭載性が悪い。
しかも、従来のガスセンサは、センサ素子101を排気流れの中央部に位置するために、レスポンスは良好であるものの、素子部を排気中の水や被毒物が直撃しやすい。このため、凝縮水が生じやすい場所には取り付けできず、設置位置が制約される。これに対して、特許文献5〜7のガスセンサは、素子表面層の追加や、素子カバー形状といった構造の見直しで対応しているが、いずれも構造が複雑となってコスト高となる懸念がある。
本発明は、このような問題点を解決するために、車両内燃機関の排気管等に設置されるガスセンサの搭載性を改善し、設置箇所の制約なく酸素等のガス濃度を良好に検出すること、しかも構造を簡易にしながら、被水割れや被毒を抑制可能とすることで、小型で低コストであり実用性の高いガスセンサを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、被測定ガス中の特定ガス成分を検出するセンサ素子と、該センサ素子を内部に保持する筒状ハウジングと、上記センサ素子からの検出信号を外部の制御部に出力する出力部とを備えるガスセンサであって、
上記筒状ハウジングは、被測定ガスが流通する通路壁に固定されて、一端側が上記通路内に突出開口し、該一端側開口縁より内方に上記センサ素子を配置しており、
上記センサ素子は、センサ軸に対して垂直な2つの対向する面を有し、この2つの面のうち上記通路側の一方に測定側電極を形成し、他方に基準側電極を形成した検出部を備えている。
請求項2記載の発明において、上記センサ素子は板状体であり、固体電解質を板状に成形した基体と、該基体の対向する2つの板面の一方に形成した上記測定側電極が、上記筒状ハウジングの開口に面するように配置している。
請求項3記載の発明において、上記センサ素子は、上記筒状ハウジングの上記一端側開口内に、上記基体の厚み方向がセンサ軸方向となるように配置されており、センサ軸方向の素子長さがセンサ径方向の素子長さより短く形成されている。
請求項4記載の発明において、上記センサ素子と上記筒状ハウジングの上記一端側の開口縁との間に、多孔性の保護層を形成している。
請求項5記載の発明において、上記筒状ハウジングの他端側に上記出力部を設けたセンサ軸方向の全長をL1とし、上記筒状ハウジングの上記一端側の開口縁から上記センサ素子の先端面までの距離をL2とした時に、L2/L1×100=6.25〜25%としている。
請求項6記載の発明において、上記出力部は、上記ハウジングの他端側に発信部と電源部を設けて、上記発信部から上記制御部に設けた受信部に信号を出力するワイヤレス通信部としている。
本発明の請求項1記載のガスセンサは、センサ素子がハウジング内に保持されるので、被測定ガスの通路内への突出長が短くなり、小型にできる。また、通路内を流通する被測定ガスに凝縮水や被毒物質が含まれていても、センサ素子を直撃することがない。したがって、素子カバーをなくすことができ、簡易な構成で、搭載性に優れ、しかも被水割れや被毒が生じにくいガスセンサとすることができるので、実用性が高い。
請求項2記載のガスセンサは、板状センサ素子とすることで、小型でシンプルな構成となるので、従来のコップ型素子よりも生産工程が簡素化でき、低コスト化が可能である。
請求項3記載のガスセンサは、板状センサ素子の厚み方向がセンサ軸方向、すなわち筒状ハウジングの軸方向となるように、ハウジングに収容されるので、軸方向長を短くして小型にできる。また、センサ軸方向に対してセンサ径方向の素子長さを長くしているので、出力取り出しのための構造も容易に形成できる。
請求項4記載のガスセンサは、ハウジングの開口部に多孔性の保護層を有するので、センサ素子を被水や被毒からより効果的に保護することができる。
請求項5記載のガスセンサは、センサ軸方向長L1に対して、ハウジングの開口縁から素子先端面までの距離L2が所定の範囲となるように設定すると、上記効果を得やすい。
請求項6記載のガスセンサは、出力部がワイヤレス通信部として構成されるので、より小型で、搭載性に優れ、内蔵電池の交換が不要で実用性が高いガスセンサとすることができる。
(a)、(b)は本発明の第1実施形態であり、(a)はガスセンサの全体構成図、(b)はガスセンサを車両エンジンの排気管へ搭載した例を示す図、(c)は本発明の第2実施形態であり、ガスセンサを小型船舶エンジンの排気管へ搭載した例を示す図である。 (a)はガスセンサの詳細構成を説明するための断面図、(b)は酸素センサ素子として構成した例を示す要部拡大図、(c)は空燃比センサ素子として構成した例を示す要部拡大図である。 本発明のガスセンサを排気管へ搭載した構成を、従来のガスセンサと比較して示す断面図である。 (a)は本発明のガスセンサを小型船舶エンジンの排気管へ搭載した効果を説明するための図、(b)〜(d)は車両エンジンの排気管へ搭載した効果を説明するための図である。 (a)は本発明のガスセンサの詳細構成を示す断面図、(b)はセンサ素子の生産工程を説明するための図である。 (a)はガスセンサの保護層と応答性の関係を示す図、(b)はガスセンサの素子構成と応答性の関係を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれセンサ素子厚さおよび素子温度と応答性の関係を示す図、(c)、(d)はそれぞれ水滴下量および素子温度と素子割れ率の関係を示す図、(e)は素子内部抵抗と素子温度の関係を示す図である。 従来のガスセンサの全体構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1(a)は、本発明を適用した内燃機関用のガスセンサ1の第1実施形態であり、本実施形態は、例えば図1(b)に示すように、車両エンジンの排気通路への搭載例として説明する。本発明のガスセンサ1は、被測定ガスである排ガス中に含まれる特定成分を検出するもので、代表的なものとして酸素センサ、空燃比センサがある。その他、NOxセンサ、COセンサ、HCセンサ等、排ガス中の特定のガス成分やその濃度を検出する種々のガスセンサに適用することができる。本発明のガスセンサ1は、車両以外のエンジンへ搭載することもでき、図1(c)には、第2実施形態として、例えば小型船舶エンジンの排気通路に搭載されるガスセンサ1を示している。
図1(a)の全体構成図に示すように、本発明のガスセンサ1は、センサ本体11と、公知の電子制御ユニット(ECU)からなる制御部12を備える。センサ本体11の発信部21と電源部22は、出力部であるワイヤレス通信部2を構成しており、制御部12に設けられる受信部へ、ワイヤレスで出力可能となっている。ECUは、一般的な車両エンジン用の基本構成を有するもので、ガスセンサ1の他、機関各部に設けた各種センサ類からの情報に基づいて、機関の運転および各種装置の作動をフィードバック制御する。
ガスセンサ1のセンサ本体11は、センサ素子3と、センサ素子3を内部に保持する筒状ハウジング4と、ワイヤレス通信部2とを有する。筒状ハウジング4は、中間部外周にフランジ部41を有し、このフランジ部41より先端側(図の下端側)が、非測定ガスが流通する通路である排気通路内に突出位置する。図1(b)では、排気通路である排気管Pの途中に介設した三元触媒6の外周壁に取り付け穴を設けて、ガスセンサ1のハウジング4を挿通固定している。具体的には、図1(a)において、金属製(例えばSUS等)のハウジング4の先端部(図の下端部)外周にネジ部42を形成し、フランジ部41の下面にシール用のガスケットを配置して、取り付け穴にねじ固定する。
ワイヤレス通信部2は、筒状ハウジング4の基端側(図の上端側)に設けられる。ハウジング4の基端側開口(図の上端側開口)は、カプラー5で封止され、カプラー5の上面に設けた筒状部内に、後述するワイヤレス通信部2の発信部21が収容されている。カプラー5内には、電源部22を構成する振動素子23と、変換素子24が収容保持される。振動素子23はセンサ本体11自体の振動に対応して相対的に振動するものであり、この振動エネルギを変換素子24が電気エネルギに変換して、発信部21の電力源とする。このようにワイヤレス通信部2は、自己発電可能な電源部22を有するので、内蔵電池が不要であり、電池交換や保守点検の手間が省ける利点がある。カプラー5は、多孔質フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる。
次に、本発明の特徴部分であるセンサ素子3の構成と配置について説明する。本実施形態において、センサ素子3は、図示するように矩形の板状体であり、ハウジング4は、排気通路内に突出開口する筒状の先端部内に、センサ素子3の厚み方向をセンサ軸方向として先端部内空間を上下に仕切るように配置し、例えばアルミナ等からなるインシュレータ43を介して絶縁保持している。このように本発明では、センサ素子3をハウジング4内に収容する構成としており、従来のようにハウジング4外に突出する部分を覆う素子カバーを設けていない。
センサ素子3は、例えばジルコニア等の固体電解質よりなる基体31と、その対向する2面に形成される電極32、33からなる検出部を有する。基体31は、所望形状(ここでは長方形)の板状体に成形されて、厚み方向に対向する2面を電極形成面としており、基端面(図の上面)に基準側電極である大気側電極32が、先端面(図の下面)に測定側電極である排気側電極33が、例えば白金ペースト等を用いて印刷形成されている。インシュレータ43は筒状で、中央に開口を有する先端面を有し、該先端面上にセンサ素子3を保持している。この時、インシュレータ43先端面の開口は、センサ素子3の排気側電極33の形成位置と一致するように形成され、排気側電極33に排気通路から排気が導入可能となる。大気側電極32が露出するインシュレータ43内空間には、排気通路外部の空間から大気が導入される。
大気側電極32および排気側電極33は、インシュレータ43内に配置される大気側電極ホルダ34、排気側電極ホルダ35にそれぞれ接続される。これら大気側電極ホルダ34、排気側電極ホルダ35は、例えばNi基超合金(耐熱温度約550℃)等からなり、縦方向の複数箇所にスリットを形成したバネ部を有する形状として、センサ素子3の表面に押圧され、電気的接続を確保するようになっている。ハウジング4は、先端開口縁が内方に屈曲してフランジ部を形成し、このフランジ部とカプラー5の間に、インシュレータ43を保持している。また、インシュレータ43の外周とハウジング4内周面の間は、SUS等よりなるパッキン44でシールされる。
これにより、センサ軸方向長(厚み方向長)がセンサ径方向よりも短いセンサ素子3を、ハウジング4の開口より内方に保持し、排気通路内への突出長を短くすることができる。この時、センサ素子3に、排気通路内の排気流れが直接衝突しないので、素子カバーがなくても凝縮水による被水割れや被毒物質による汚染を抑制できるが、好適には、センサ素子3の先端面とハウジング4の開口縁との間に、多孔質の保護層36を設ける。保護層36は、例えばアルミナ等の多孔質材料からなり、多孔度を適宜調整することにより拡散抵抗層、被毒トラップ層の2層構造とすることもできる。
図2により、本発明のガスセンサ1の基本作動を説明する。図2(a)において、センサ素子3は、例えば、代表的なガスセンサである酸素センサ素子として構成されており、排気側電極33の下方に形成される保護層36(多孔質アルミナ)を通過して、図示しない排気管から被測定ガスである排気が取り込まれる。一方、カプラー5を構成する多孔質PTFEを通過してハウジング4内に外気が取り込まれ、大気側電極32の上方に、基準ガスとしての大気が存在している。カプラー5を構成する多孔質PTFEは、例えばポリフロン原料の粒径を大小混ぜることで圧縮成形時の密度を向上させ、またガラス粉末を20〜30%添加することにより熱による変形を抑えながらシール性・通気性を確保できる。
この時、図2(b)に示すように、ジルコニア固体電解質(基体31)を挟んで、大気側電極32と排気側電極33が対向配置され、酸素濃淡電池を構成する。保護層36は、排気側電極33に接する拡散抵抗層の外側に、気孔率のより大きい被毒トラップ層を配置することで、排気中に含まれる被毒物質を捕捉するようになっている。上記構成において、酸素センサ素子には、ジルコニア固体電解質(基体31)の両面に設けた大気側電極32と排気側電極33の酸素濃度差に応じた起電力を発生する。この起電力を大気側電極ホルダ34、排気側電極ホルダ35を介して取り出し、発信部21からガス濃度の検出信号として、ワイヤレス通信により制御部12の受信部へ出力することができる。
図2(c)に示すように、センサ素子3を、空燃比(A/F)センサ素子として構成することもできる。この場合、センサ素子3には、大気側電極32を正極性、排気側電極33を負極性とする一定のバイアス電圧Voが印加されている。排気の空燃比がリーンの時には、酸素ポンプ特性により、排気側電極33から大気側電極へ酸素イオン(O2−)の移動が起こり、その結果、正極から、大気側電極32、ジルコニア固体電解質(基体31)、排気側電極33を介して、負極へと電流が流れる。この時流れる限界電流の大きさを検出すれば、酸素濃度を知ることができ、リーン領域における空燃比を知ることができる。一方、排気の空燃比がリッチの時には酸素濃淡電池特性により、大気側電極32から排気側電極33へ酸素イオン(O2−)の移動が引き起こす方向に作用し、大気側電極32から、電圧源を通って排気側電極33へ電流が流れる。この時流れる電流の大きさは、移動する酸素イオン(O2−)の量に依存し、さらには排気中から拡散抵抗層(保護層36)を通って拡散により流入するHC、CO等の未燃ガス濃度に対応するため、この限界電流の大きさを検出すれば、未燃ガス濃度を知ることができ、リッチ領域における空燃比を知ることができる。
図3に、本発明のガスセンサ1を排気管に取り付けた状態を、従来のガスセンサSと比較して示す。従来のガスセンサSは、センサ素子101が排気管内に突出しており、凝縮水や被毒物質が直撃しやすい構成となっている。このため、二重の素子カバー104で保護する必要があり、構成が複雑となる。これに対して、本発明のガスセンサ1は、検出部を小さくし、素子カバーをなくして簡素な構造とした小型センサである。すなわち、センサ素子3をハウジング4内に収容したので、凝縮水や被毒物質が直撃することがなく、被水割れや被毒を防止する効果が高い。しかも、排気通路内への突出長を短くすることができ、素子カバーをなくすことで、簡素な構造でコストを低減し、搭載性を向上させることができる。
また、内蔵電池不要のワイヤレス通信部2によりセンサ出力を発信するので、排気通路外への突出長も短くなり、取り付け位置の制約が小さい。このため、図1(b)のように、従来のガスセンサSでは困難であった三元触媒6外周への取り付けも可能となり、対向する車両ボディBとの間隔は、より小径の排気管Pに取り付けられた従来のガスセンサSと同等とすることができる。また、本発明のガスセンサ1は、内部への突出長も小さいので、排気通路構造や排気流通への影響が小さく、三元触媒6内の酸素濃度または空燃比を直接測定できるので、エンジンのフィードバック制御に大きく貢献する。
ここで、ワイヤレス通信部2を構成する発信部21および制御部12の受信部は、例えば、公知の無線LAN規格に対応するネットワーク通信機能を備え、検出したガス濃度情報を出入力可能である。発信部21に無線LANを用いると、車両グランドアースにより、ノイズの影響を受けにくい利点がある。また、汎用性が高く、小型化が可能で実用性が高い。その他、電波無線、赤外線、光通信を用いたワイヤレス通信を採用することもできる。
なお、電源部22の電力源としては、振動エネルギの他、光エネルギ、熱エネルギおよび化学エネルギの少なくとも1種を用いて電気エネルギを発生可能なものであればよい。例えば、高温となるセンサ本体11の熱を利用して電気エネルギに変換し、あるいはソーラー電池等をセンサ本体11に付設することもできる。また、化学エネルギとして、上述したセンサ素子3の電極における排ガスとの反応を利用することもできる。この際、固体電解質よりなる基体31内を酸素イオンが移動することにより、電力・電流が発生するため、これを発信部21に導入することで、電力源としてもよい。
本発明のガスセンサ1は小型であり、また排気流れがセンサ素子3に対向していないので、より径の小さい排気管、あるいは従来形状では凝縮水や被毒物質の影響を受けるおそれがある場所にも搭載が可能である。例えば、図1(c)のような小型船舶の船外機では、従来のガスセンサSは、エンジンの排気管とその周囲のエンジンカバーとの間にスペースがあり、排気流れに対して位置調節が容易な場所に設けられる。例えば、各気筒からの排気ポートの集合部付近では、水冷されているために凝縮水が発生しやすく、しかも排気流れの方向がそれぞれ異なるために、従来のガスセンサSでは素子カバーを有していても、被水を避けることは難しい。これに対して、本発明のガスセンサ1は、排気ポートの集合部近傍への配置が可能であり、耐被水性を確保しながら小型化を実現する。しかも、従来のガスセンサSの設置場所では、単一の気筒からの排気のみが流通するが、本発明のガスセンサ1は、排気の集合部で測定できるので、精度よい検出が可能であり制御性が向上する。
ここで、図4(a)に示すように、ガスセンサ1の搭載位置は、ハウジング4のフランジ41より基端側のA寸法、先端側のB寸法によって制約を受ける。すなわち、図1(c)の船外機であれば、エンジンの排気管の外側にA寸法以上のスペースが、排気管内にB寸法以上のスペースが必要となる。また、排気管内には、エンジンからの凝縮水C、船外からの海水Dが浸入するが、図示するように、本発明のガスセンサ1を排気の集合部に設置した場合には、寸法に充分な余裕があり、かつ被水しにくい配置とすることができる。
図4(b)、(c)に示すように、本発明のガスセンサ1を車両エンジンに搭載する場合には、ガスセンサ1の基端側のA寸法がエンジンルームスペースによって制約され、ガスセンサ1の先端側のB寸法が排気管内スペースによって制約を受ける。なお、図4(d)に図示するように、三元触媒6の側面には、車両ボディBや路面との間のようなスペースの制約はなく、従来のガスセンサSであっても設置可能であるが、飛石がガスセンサSの頭部に当たって破損するため、現実的ではない。
次に、図3において、ガスセンサ1のサイズを変更した時の、保護層36による耐被水性および応答性への影響を調べた。ガスセンサ1の軸方向の全長をL1、センサ素子3の先端面からガスセンサ1の先端までの距離をL2とし、排気管への取り付け径となるネジ径をM8、M12、M18の3種類について、全長L1を20mm〜60mmまたは20mm〜80mmの範囲で変更した。なお、ここでは全長L1を、ガスセンサ1の先端からカプラー5の基端までの距離とし、いずれもL2は5mmとした。耐被水性は、素子部に100μlの水を滴下した時の割れの有無を、応答性は、素子温度600℃で、導入されるガスの空燃比(λ)を、λ=0.90→1.10、λ=1.10→0.90となるように変化させた時の出力が、空燃比に追従して変化するまでの時間を調べた(0.6V⇔0.3V)。また、比較のため、従来のガスセンサSについても同様の評価を行い、結果を表1に示した。
Figure 2012037428
表1に明らかなように、本発明のガスセンサ1は、ネジ径や全長によらず、優れた耐被水性を示し、従来センサSよりも向上した。また、応答性は、従来センサSより若干劣るもののほぼ同等であり、実用上問題ない値が得られた。これらより、通常使用されるガスセンサ1のサイズであれば、L2/L1×100=6.25〜25%の範囲となるように設定することで、耐被水性と応答性を両立させ、十分な効果が得られる。
さらに、素子構成がシンプルであるために、生産工程が簡素化可能である。図5(a)、(b)に示すように、本実施例では、センサ素子3の基体31を長方形としているので、固体電解質をシート化することで切削が容易になり、1シートから多数の基体31を取り出すことができる。また、長方形の素子形状であると、出力取り出し構造が複雑になることがなく、量産効果、コスト低減効果が大である。
図6(a)に示すように、本発明のガスセンサ1において、保護層36の構成とセンサ素子3の応答性には相関がある。本発明では、センサ素子3がハウジングから突出していないため、応答性については従来のガスセンサSに対してやや劣る。応答性をよくするには、保護層36となる多孔質アルミナ層を通過する排気のガス拡散スピードが重要であり、原料となるアルミナ粒径を大小混ぜて、その比率を調整したアルミナスラリーに浸漬して保護層36を形成し、応答性との関係を調べた(素子温度600℃)。図示の結果から、アルミナ粒径が大の比率が大きいほど応答性が良好であり、これら比率を適宜調整してガス拡散スピードを設定するとよいことがわかる。
図6(b)に、本発明のガスセンサ1において、センサ素子3の排気側電極33が排気ガスに接触する面積と、応答性の関係を示す。図示するように、接触面積が大きいほど、応答性が速くなっている。また、図7(a)、(b)に示すように、保護層36厚さが薄いほど、あるいは素子温度が高いほど、応答性が速くなる。ただし、図7(c)、(d)に示すように、被水割れについては、水滴下量が多いほど、あるいは素子温度が高いほど、素子割れ率が高くなるので、これら素子構成や検出条件を必要に応じて適宜調整するのがよい。
図7(e)に示すように、本発明のガスセンサ1において、センサ素子3の内部抵抗は、素子温度と相関があるので、これを利用して簡易構造の温度センサとして使用することもできる。例えば、センサ素子3を自己発熱により加熱し、素子インピーダンスをモニタすることで早期活性化し、ヒータレスで早期に三元触媒のフィードバック制御を開始して排気浄化性能を向上できる。
このようにして形成される本発明のガスセンサは、小型でメンテナンスフリーのワイヤレスガスセンサであるので、軽自動車のターボエンジンのようにエンジンルームにスペースが少ない場合に優位である。あるいは、二輪自動車に設置した場合には、小型で目立たないためにデザイン性に優れる。このように従来設置が困難であったエンジンその他のガスセンサとして好適に利用することができる。
1 ガスセンサ
11 センサ本体
12 制御部
2 ワイヤレス通信部(出力部)
21 発信部
22 電源部
23 振動素子
24 変換素子
3 センサ素子
31 基体
32 大気側電極(基準側電極)
33 排気側電極(測定側電極)
34 大気側ホルダ
35 排気側ホルダ
36 保護層
4 ハウジング
41 フランジ部
5 カプラー
6 三元触媒

Claims (6)

  1. 被測定ガス中の特定ガス成分を検出するセンサ素子と、該センサ素子を内部に保持する筒状ハウジングと、上記センサ素子からの検出信号を外部の制御部に出力する出力部とを備えるガスセンサであって、
    上記筒状ハウジングは、被測定ガスが流通する通路壁に固定されて、一端側が上記通路内に突出開口し、該一端側開口縁より内方に上記センサ素子を配置しており、
    上記センサ素子は、センサ軸に対して垂直な2つの対向する面を有し、この2つの面のうち上記通路側の一方に測定側電極を形成し、他方に基準側電極を形成した検出部を備えていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 上記センサ素子は板状体であり、固体電解質を板状に成形した基体と、該基体の対向する2つの板面の一方に形成した上記測定側電極が、上記筒状ハウジングの開口に面するように配置する請求項1記載のガスセンサ。
  3. 上記センサ素子は、上記筒状ハウジングの上記一端側開口内に、上記基体の厚み方向がセンサ軸方向となるように配置されており、センサ軸方向の素子長さがセンサ径方向の素子長さより短く形成される請求項2記載のガスセンサ。
  4. 上記センサ素子と上記筒状ハウジングの上記一端側の開口縁との間に、多孔性の保護層を形成した請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 上記筒状ハウジングの他端側に上記出力部を設けたセンサ軸方向の全長をL1とし、上記筒状ハウジングの上記一端側の開口縁から上記センサ素子の先端面までの距離をL2とした時に、L2/L1×100=6.25〜25%とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  6. 上記出力部は、上記ハウジングの他端側に発信部と電源部を設けて、上記発信部から上記制御部に設けた受信部に信号を出力するワイヤレス通信部とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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