JP2011527689A - 2−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−n−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アセトアミドの結晶形態 - Google Patents

2−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イル]−2−オキソ−n−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アセトアミドの結晶形態 Download PDF

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Abstract

2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの新規結晶形態に関する。この形態を作製するための方法、この形態を含む組成物、およびその使用方法も記載する。

Description

発明の分野
本発明は2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの新規結晶形態に関する。この形態を作製するための方法、この形態を含有する組成物、およびその使用方法についても記載する。
発明の背景
薬学的に有用な化合物の新しい多形形態および溶媒和物の発見は、医薬品の性能特性を改善する新しい機会になる。これは、例えば、標的放出プロファイルまたは他の所望の特性を有する薬物の医薬剤形を設計するために製剤科学者が利用することのできる材料のレパートリーを拡大することになる。ラジプロジル(radiprodil)の新しい多形形態をここに発見した。
ある態様において、本発明は、約6.4、約13.7、および約25.8±0.2度(2θ)において特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(1)で表される2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態に関する。
もう一つの態様において、本発明は、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態を作製する方法であって、以下の工程を含む方法に関する:
(i)2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド二水和物、水、およびアセトンの混合物を形成する工程、
(ii)前記混合物をある期間にわたって維持する工程、および
(iii)任意で、前記結晶形態を単離する工程。
もう一つの態様において、本発明は、約6.4、約13.7、および約25.8±0.2度(2θ)において特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(1)で表される2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態を含む薬学的組成物に関する。
さらにもう一つの態様において、本発明は、NMDA受容体の調節を必要とする状態を処置および/または予防するための方法であって、その必要がある患者に、約6.4、約13.7、および約25.8±0.2度(2θ)において特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(1)で表される2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態の有効量を投与する工程を含む方法に関する。
2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド(ラジプロジル)の形態CのX線粉末回折パターンを表す。 2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド(ラジプロジル)の形態Cのフーリエ変換赤外スペクトルを表す。 2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド(ラジプロジル)の形態Cのラマンスペクトルを表す。 2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド(ラジプロジル)の形態Cに関する示差走査熱量測定トレースを表す。 2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド(ラジプロジル)の形態Cに関する熱重量分析を表す。
発明の詳細な説明
本発明の一態様は2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態に関する。米国特許出願公開第2004/0157886号には、NMDA受容体のアンタゴニストとして、新規ピペリジン誘導体が開示されている。前記米国特許出願公開で言及されている製剤は全て、その全体として参照により本明細書に組み入れられる。
前記明細書において開示されている1つの特定化合物2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドは、ラジプロジルとしても公知であり、NMDA受容体の極めて有効なNR2Bサブタイプ選択的アンタゴニストである。ラジプロジルの構造式を以下の式(I)に示す。
Figure 2011527689
本発明のもう一つの態様は、形態Cである、式(I)によって表される2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態に関する。
さらにもう一つの態様において、結晶形態Cは無水物であることができる。
本明細書において使用する用語「約」または「およそ」は、個々の値に関して、当業者によって決定される許容される誤差範囲内であることを意味し、これは、一つには、その値が測定または決定される方法、すなわち測定システムの制約に依存する。例えば「約」は、当技術分野における慣例によれば、1またはそれ以上の標準偏差内であることを意味することができる。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらに好ましくは1%までの範囲を意味することもできる。
「実質的に純粋」という用語は、例えば、約90重量%より高い純度を有する化合物、例えば約91重量%より高い、約92重量%より高い、約93重量%より高い、約94重量%より高い、約95重量%より高い、約96重量%より高い、約97重量%より高い、約97.5重量%より高い、約98重量%より高い、約99重量%より高い、約99.5重量%より高い、または約99.9重量%より高い純度を有する化合物を意味する。
「処置する」という用語は、対象における状態の少なくとも一つの症状を緩和し、軽減し、遅延させ、減少させ、逆戻りさせ、改善し、または予防することを意味する。「処置する」という用語は、発症を停止させること、発症を遅延させること(すなわち疾患の臨床的発現前の期間)および/または状態を進行もしくは悪化させるリスクを減少させることも意味し得る。
「有効量」とは、ある疾患を処置するために患者(例えば哺乳動物)に投与された場合に、その疾患の当該処置を達成するのに十分であるような、本発明の結晶形態の量、またはNMDA受容体(例えばNR2B選択的NMDA受容体)を調節して本発明の目的を達成するのに十分であるような化合物の量を意味する。「有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置されるべき患者の年齢、体重などに依存して変動する。
ある態様において、本発明は、表1に記載する1つまたはそれ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態に関する。
Figure 2011527689
もう一つの態様において、本発明は、約6.4、約8.0、約13.7、約19.8、約21.7、約24.1、および約25.8±0.2度(2θ)において1つまたはそれ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態に関する。
さらにもう一つの態様において、本発明は、約6.4、約13.7、および約25.8±0.2度(2θ)において1つまたはそれ以上のピークを含むX線粉末回折パターンを有する2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態に関する。
さらなる一態様において、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cは、図1に実質的に示すX線粉末回折パターンによって特徴づけられる。「実質的に」という用語に関して、ピークの相対強度が、試料調製技法、試料マウント手法および使用する特定の計器に依存して変動し得ることは、当業者には理解されるだろう。さらにまた、計器変動および他の要因も2θ値に影響を及ぼし得る。したがってXRDピークの帰属は、±約0.2度(2θ)の範囲で変動し得る。
さらにもう一つの態様において、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cは、さらに約13.9、約6.5、および約3.5Åにd間隔ピークを含むX線回折パターンによって特徴づけられる。
当業者には、d-間隔値が一定に保たれる場合でも、X線の波長λに依存して2θ値が変化し得ることが理解されるだろう。
2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cは、図2に示すそのフーリエ変換赤外スペクトルによって同定することもできる。
もう一つの態様において、本発明は、約3278、約3106、約2846、約1683および約1560cm-1において特徴的なピークを含むフーリエ変換赤外スペクトルによって特徴づけられる2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態(形態C)を提供する。
さらにもう一つの態様では、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cが、図2に実質的に示すフーリエ変換赤外スペクトルによって特徴づけられる。
2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cは、図3に示すそのラマンスペクトルによって同定することもできる。
もう一つの態様において、本発明は、約3280、約3030、約1730および約1570cm-1において特徴的なピークを含むラマンスペクトルによって特徴づけられる2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態(形態C)を提供する。
さらにもう一つの態様において、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cは、図3に実質的に示すラマンスペクトルによって特徴づけられる。
もう一つの態様において、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cは、図4に示すような、その特徴的な示差走査熱量測定(DSC)トレースによって特徴づけることもできる。さらにもう一つの態様において、形態Cは、約205℃で始まる第1吸熱転移と約224℃で始まる第2吸熱転移とを示すDSCトレースによって特徴づけられる。
2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cに関する熱重量分析(TGA)トレースを図5に示す。
本発明は、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cを作製するための方法も提供する。
ある態様において、形態Cは、(i)2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド二水和物、水、およびアセトンの混合物を形成する工程、(ii)前記混合物をある期間にわたって維持する工程、および(iii)任意で、結晶形態を単離する工程、を含む方法によって作製することができる。
ある態様では、水:アセトンの比が約10:90〜約30:70(v/v);約15:85〜約25:75;約20:80〜約25:75(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)である。もう一つの態様では、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドと水:アセトンとの混合物がスラリーを形成する。さらなる一態様では、工程(ii)において、混合物が室温で維持される。さらなる態様では、工程(ii)における期間が約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)である。
結晶形態は乾燥させてもよい。乾燥は例えば、大気圧で(例えば溶媒を蒸発させることなどによって)行うか、減圧下(1気圧未満)で、例えば約100mmHg未満で行うことができる。乾燥は例えば、大気圧下で室温にて行うことができる。
ある態様では、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cが、実質的に純粋な形態で単離される。
X線粉末回折によって得られるピークおよび赤外分光法またはラマン分光法によって得られるバンドの相対強度および位置が、とりわけ試料調製技法、試料マウント手法および使用する特定の計器などに依存して変動し得ることが、当業者には理解されるだろう。
組成物
ある態様では、NMDA受容体(例えばNR2B選択的NMDA受容体)の調節を必要とする状態を処置する方法が、有効量の形態Cを、活性成分として単独で、または薬学的に許容される組成物の追加成分として投与する工程を含む。本発明は、例えば1つまたはそれ以上の薬学的に許容される担体を含有する、形態Cの薬学的組成物も包含する。
本発明の化合物を投与するのに適したさまざまな製剤を製造するための手法が記載されている数多くの標準的な参考文献を利用することができる。製剤候補および調製物候補の例は、例えば「Handbook of Pharmaceutical Excipients」American Pharmaceutical Association(最新版);「Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets」(Lieberman, LachmanおよびSchwartz編)最新版, Marcel Dekker, Inc.刊;および「Remington's Pharmaceutical Sciences」(Arthur Osol編)1553-1593(最新版)に記載されている。
NMDA受容体(例えばNR2B選択的NMDA受容体)の調節を必要とする状態を処置するのに有効な投与は、NMDA受容体の調節に関連する障害を処置するかその重症度を低下させるための任意の投与経路を用いて達成することができる。正確な量は患者の必要性に従い、対象の年齢および全身状態、感染の重症度ならびに投与様式、例えば経口投与、鼻腔内投与、非経口(皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内および注入)投与、吸入投与、直腸内投与、膣内投与、局所投与、および眼投与などに応じて、変動し得る。
形態Cの投与には、錠剤、ジェルキャップ剤、カプセル剤、カプレット剤、顆粒剤、ロゼンジおよび原薬粉末などの固形剤形を含む、さまざまな固形経口剤形を使用することができる。そのような固形剤形では、形態Cが、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または(a)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアラビアゴムなど、(c)加湿剤(humectant)、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート類、および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば4級アンモニウム塩、(g)湿潤剤(wetting agent)、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール、(h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレイ、および(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。
頬側投与または舌下投与に適した組成物には、活性成分が糖およびアラビアゴム、トラガカント、またはゼラチンおよびグリセリンなどの担体と共に製剤化される、錠剤、ロゼンジおよびトローチ錠などがある。
コーティングおよび殻、例えば腸溶コーティングおよび医薬製剤分野で周知の他のコーティングを持つ、錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形を製造することができる。それらは任意で不透明化剤を含有してもよく、および本発明の結晶性化合物を放出する組成物であることもできる。本発明のもう一つの態様では、形態Cを、徐放性のカプセル剤、錠剤およびゲル剤に製剤化することができ、これは、本発明の結晶性化合物の標的放出においても有利である。
形態Cの投与には、水性および非水性の溶液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を含むさまざまな液状経口剤形も使用することができる。液状剤形は、形態Cに加えて、当技術分野において一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、油、脂肪酸エステルおよびそれらの混合物なども含有することができる。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味、矯味矯臭および着香剤などの佐剤も含むことができる。エアロゾル製剤は、通例、生理学的に許容される水性または非水性溶媒中の本発明の結晶性化合物の溶液または微細懸濁液を含み、通常は、密封容器に入れて、滅菌された形態で、1回量ずつ、または複数回量ずつ提示される。
本発明の注射可能調製物、例えば、滅菌した注射可能な水性または油性の懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使って、公知技術に従って製剤化することができる。
形態Cの直腸投与用の坐剤は、化合物を、カカオバター、サリチレートおよびポリエチレングリコールなどの適切な賦形剤と混合することによって、製造することができる。膣投与用の製剤は、活性成分に加えて、当技術分野において公知の適切な担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム製剤、ゲル製剤、パスタフォーム(past foam)製剤、または噴霧製剤の形態をとることができる。
局所投与の場合、薬学的組成物は、皮膚、目、耳または鼻への投与に適したクリーム剤、軟膏、リニメント剤、ローション剤、乳剤、懸濁剤、ゲル剤、溶液剤、パスタ剤、粉末剤、噴霧剤、および滴剤の形態をとることができる。局所投与は、経皮パッチ剤などの手段による経皮投与を含んでもよい。
吸入による投与に適したエアロゾル製剤も製造することができる。例えば、気道の障害を処置するために、形態Cを、粉末(例えば微粒子化したもの)の形態または霧化した溶液もしくは懸濁液の形態での吸入によって投与することができる。エアロゾル製剤は、加圧された許容される噴射剤に入れることができる。
ある態様において、本発明は、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cと薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。
本発明は、NMDA受容体(例えばNR2B選択的NMDA受容体)の調節を必要とする状態を処置するための医薬の製造における形態Cの使用も提供する。
もう一つの態様において、本発明の組成物は、薬学的に許容される組成物の約0.5重量%〜約25%、約1%〜約20%、約2%〜約18%、約4%〜約15%、約6%〜約12%、約8%〜約10重量%の形態Cを含有する。
本発明は、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cの有効量を投与する工程を含む、NMDA受容体(例えばNR2B選択的NMDA受容体)の調節を必要とする状態を処置するための方法を、さらに提供する。
NMDAアンタゴニストで有益に処置され得る障害には、例えば脳[Neurol. Res., 21, 330-338 (1999)]または脊髄[Eur. J. Pharmacol., 175, 165-74 (1990)]の外傷性傷害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連ニューロン傷害[Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., 1998;38159-77]、筋萎縮性側索硬化症[Neurol. Res., 21, 309-12 (1999)]、オピオイドによる疼痛処置に対する耐性および/または依存性[Brain. Res., 731, 171-181 (1996)]、アルコール、オピオイドまたはコカインなどの離脱症候群[Drug and Alcohol Depend., 59, 1-15 (2000)]、筋痙縮[Neurosci. Lett., 73, 143-148 (1987)]、さまざまな原因による認知症[Expert Opin. Investig. Drugs, 9, 1397-406 (2000)]などがある。NMDAアンタゴニストは、任意の原因(例えば脳卒中、心臓手術)による脳虚血、慢性神経変性障害、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、疼痛(例えば外傷後または術後)および慢性疼痛状態、例えば神経因性疼痛またはがん関連疼痛、てんかん、不安、うつ病、片頭痛、精神病、低血糖、網膜の変性障害(例えばCMV網膜炎)、緑内障、喘息、耳鳴り、アミノグリコシド抗生物質誘発性難聴[Drug News Perspect 11, 523-569 (1998)および国際公開公報第00/00197号]を処置するのにも役立ち得る。
本発明の一態様では、処置される状態が疼痛および慢性疼痛状態であり、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cの有効量を投与する工程を含む。
さらにもう一つの態様では、疼痛および慢性疼痛状態によって表される状態が、糖尿病性神経因性疼痛(糖尿病性神経障害)である。もう一つの態様では、糖尿病性神経因性疼痛が真性糖尿病(例えばI型またはII型真性糖尿病)によるものである。さらなる一態様では、疼痛および慢性疼痛によって表される状態が、糖尿病性末梢神経因性疼痛(DPNP)である。他の態様では、疼痛および慢性疼痛によって表される状態が、糖尿病性自律神経因性疼痛である。さらに別の態様では、疼痛および慢性疼痛によって表される状態が、糖尿病性近位神経因性疼痛(diabetic proximal neuropathic pain)である。別の態様では、疼痛および慢性疼痛状態によって表される状態が、糖尿病性限局性神経因性疼痛(diabetic focal neuropathic pain)である。
さらに別の態様では、疼痛および慢性疼痛状態によって表される状態が神経痛(例えば帯状疱疹後神経痛)である。
もう一つの態様において、形態Cは、脳または脊髄の外傷性傷害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連ニューロン傷害、筋萎縮性側索硬化症、オピオイドによる疼痛処置に対する耐性および/または依存性、アルコール、オピオイドまたはコカインなどの離脱症候群、てんかん、不安、うつ病、片頭痛、精神病、筋痙縮、さまざまな原因による認知症、低血糖、網膜の変性障害、緑内障、喘息、耳鳴り、アミノグリコシド抗生物質誘発性難聴の処置において有益に使用することができる。
もう一つの態様では、処置される状態が、統合失調症、統合失調情動障害、統合失調症に伴う認知障害、軽度〜中等度認知欠損(cognitive deficit)であり、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cの有効量を投与する工程を含む。
もう一つの態様では、処置される状態が双極性障害であり、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cの有効量を投与する工程を含む。
もう一つの態様では、処置される状態がうつ病であり、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cの有効量を投与する工程を含む。
さらにもう一つの態様において、形態Cは、通常、例えば約0.01mg〜約200mg、約0.1mg〜約150mg、約10mg〜約150mg、約25mg〜150mg、約25mg〜125mg、約50mg〜100mg(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)の1日量レジメン(成人患者の場合)で投与することができる。
もう一つの態様では、活性成分が、約0.1mg、約0.5mg、約1mg、約2mg、約4mg、約8mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30.0mg、約35.0mg、約40.0mg、約45.0mg、約50.0mg、約55.0mg、約60.0mg、約65.0mg、約70.0mg、約80.0mg、約85.0mg、約90.0mg、約95.0mg、約100.0mg、約105.0mg、約110.0mg、約115.0mg、または約120.0mg(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)の量で投与される。
さらにもう一つの態様では、活性成分が、約20mg、約40mg、約60mg、または約80mg(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)の量で投与される。
ある態様では、形態Cを1日に1〜4回(例えば1日1回、1日2回)投与することができる。もう一つの態様では、ある継続的治療期間にわたって、例えば1週間またはそれ以上にわたって、形態Cを、好適に投与することができる。
もう一つの態様では、糖尿病性神経因性疼痛(糖尿病性神経障害)、真性糖尿病(例えばI型またはII型真性糖尿病)による糖尿病性神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経因性疼痛(DPNP)、糖尿病性自律神経因性疼痛、糖尿病性近位神経因性疼痛、糖尿病性限局性神経因性疼痛または神経痛(例えば帯状疱疹後神経痛)によって表される障害が、形態Cの有効量を、約25mg〜約125mgの投薬量で、それを必要とする患者に投与することによって処置される。
さらにもう一つの態様では、糖尿病性神経因性疼痛(糖尿病性神経障害)、真性糖尿病(例えばI型またはII型真性糖尿病)による糖尿病性神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経因性疼痛(DPNP)、糖尿病性自律神経因性疼痛、糖尿病性近位神経因性疼痛、糖尿病性限局性神経因性疼痛または神経痛(例えば帯状疱疹後神経痛)によって表される障害が、形態Cの有効量を、約20mg、約40mg、約60mg、または約80mg(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)の投薬量で投与することによって処置される。
もう一つの態様では、統合失調症、統合失調情動障害、統合失調症に伴う認知障害、軽度〜中等度認知欠損によって表される障害が、形態Cの有効量を、約25mg〜約125mgの投薬量で、それを必要とする患者に投与することによって処置される。
もう一つの態様では、統合失調症、統合失調情動障害、統合失調症に伴う認知障害、軽度〜中等度認知欠損によって表される障害が、形態Cの有効量を、約20mg、約40mg、約60mg、または約80mg(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)の投薬量で投与することによって処置される。
もう一つの態様では、双極性障害によって表される障害が、形態Cの有効量を、約25mg〜約125mgの投薬量で、それを必要とする患者に投与することによって処置される。
もう一つの態様では、双極性障害によって表される障害が、形態Cの有効量を、約20mg、約40mg、約60mg、または約80mg(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)の投薬量で投与することによって処置される。
もう一つの態様では、うつ病によって表される障害が、形態Cの有効量を、約25mg〜約125mgの投薬量で、それを必要とする患者に投与することによって処置される。
もう一つの態様では、うつ病によって表される障害が、形態Cの有効量を、約20mg、約40mg、約60mg、または約80mg(全ての範囲およびそこに含まれる部分的範囲を含む)の投薬量で投与することによって処置される。
いずれの特定の対象についても、具体的な用量レベルおよび投薬頻度は変動し、使用する具体的化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、対象の種、年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事、投与様式および投与時刻、排泄速度、薬物の組合せ、および状態の重症度を含むさまざまな要因に依存することは、理解されるだろう。
治療化合物の投与が疾患または障害の有効な治療レジメンである対象または患者は、好ましくはヒトであるが、臨床試験またはスクリーニングまたは活性実験における実験動物を含む任意の動物であることができる。したがって、当技術分野において通常の技術を有する者には容易に理解されるように、本発明の方法、化合物および組成物は、任意の動物、特に哺乳動物、例えば限定するわけではないがヒト、家畜、例えばネコまたはイヌ対象、農用動物、例えば限定するわけではないがウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、およびブタ対象、野生動物(野生であるか、動物園にいるかを問わない)、研究動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコなど、鳥類、例えばニワトリ、七面鳥、鳴禽などへの投与に、すなわち獣医学的用途に、特に適している。
本発明に包含される多くの変形および等価物が、本明細書を読んだ当業者には明らかになると考えられるから、以下の実施例は本発明の単なる例示であって、決して、本発明の範囲を限定するものであると解釈すべきではない。
X線粉末回折法(XRD)
少量の試料をゼロバックグラウンドホルダーに装填し、広角卓上型X線回折計(モデルMiniFlex、Rigaku/MSC Inc.、テキサス州ウッドランズ)において、1.541Åの波長λを持つCuKα線(3OkV×15mA)を照射した。計器は0.05°2刻みのステップ走査法で稼働させた。角度範囲は2〜40°2とし、走査速度は0.5〜1°2の範囲であった。データの収集と解析は、市販されているソフトウェア(JADE、バージョン7.1、Materials Data, Inc.、カリフォルニア州リバーモア)を使って行った。
フーリエ変換ラマンおよびIR分光法(FT-ラマンおよびFT-IR)
FT-ラマンの場合は、少量の試料(LT 1mg)をガラススライドに装填し、ラマン分光測光器(Thermo Nicolet Nexus 670 FT-IR/FT-ラマン分光計、Thermo Electron、マサチューセッツ州ウォルサム)において、Nicolet EZ Omnic 5.1ソフトウェアを使って、ラマンレーザーに曝露した。スペクトルは全て、0.8〜0.9ワットのレーザー出力で、3600〜100cm-1のストークスシフト、300スキャンおよび2cm-1の解像度で測定した。FT-IRの場合は、少量の試料(LT 1mg)をDurascope(商標)ダイヤモンドステージに装填し、FT-IR分光計で、減衰全拡散反射(ATR)モードを使って、IRビームに曝露した。スペクトルは全て、4000〜525cm-1の波数、16スキャンおよび2cm-1の解像度で測定した。
示差走査熱量測定(DSC)
冷蔵冷却付属品を装備した示差走査熱量計(MDSC Q1OOO、TA Instruments、デラウェア州ニューカッスル)を使用した。計器はインジウムの純粋試料で較正した。50μm穴付カバーを持つ開放非気密アルミニウムパン中で約0.5〜1mgの試料を秤量し、乾燥窒素パージ(流量50ml/分)下で加熱した。加熱プログラムは、0℃と250℃の間を2℃/分で振幅±1℃/60秒という変調条件下で実行した。データはUniversal Analysis 2000(TA Instruments、デラウェア州ニューカッスル)を使って解析した。
熱重量測定
空冷式熱重量測定分析機(Pyris 1、Perkin Elmer、マサチューセッツ州ウェルズリー)を使用した。白金TGAパン中で約0.5〜1mgの試料を秤量し、乾燥窒素パージ(流量70ml/分)下、10℃/分で加熱した。データはPyrisソフトウェア(バージョン5.00.02、Perkin Elmer、マサチューセッツ州ウェルズリー)を使って解析した。
2-[4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド二水和物の合成
6-アミノ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン(5.6g、0.037mol)を、[4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-1-イル]-オキソ酢酸(11.8g、0.045mol)、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)(16.85g、0.045mol)、トリエチルアミン(4.55g、6.24ml、0.045mol)およびジメチルホルムアミド(100ml)の撹拌混合物に加えた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した後、8%NaHCO3溶液(136ml)を滴下した。その混合物をさらに4時間撹拌した。得られた結晶を濾過し、150mlの水で2回洗浄した。その湿った生成物をアセトン(300ml)に溶解し、10℃未満の1%NaHCO3溶液(200ml)とアセトン(80ml)の混合物に滴下した。得られた混合物を1時間撹拌し、水(70ml)で3回洗浄し、50℃で乾燥することにより、8.5gの2-[4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド二水和物を得た。含水率(カールフィッシャー法):8.3%。
実施例1: 2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cの作製
およそ200mgの2-[4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド二水和物を3本のガラス製シンチレーションバイアルのそれぞれに秤量した。およそ5mLの10/90、20/80および30/70 水/アセトン(v/v)溶媒混合物を前記ガラスバイアルに個別に加え(1本のバイアルにつき1つの溶媒混合物)、得られた3つの混合物をボルテックスで2分間分散させた。次に3本のバイアルのそれぞれに蓋をして、室温で1ヶ月間、平衡に到達させた。次に各スラリーを注意深く濾過し、Whatman No.4セルロース濾紙と減圧濾過フラスコ装置を使って乾燥させた。各バイアルから単離された生成物は、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの形態Cであった。
図1のXRPDパターン(形態C)に関するピーク位置を表1に記載する。
Figure 2011527689
本発明の例示的態様を参照して本発明を描写し説明したが、そのような参照が、本発明に対する限定を含意するわけではなく、そのような限定が推論されてはならない。本明細書の恩典をうける当該分野の当業者には想起されるであろうとおり、本発明には、形態面および機能面で、かなりの変更、改変、および等価物が可能である。
ここに描写し説明した本発明の態様は例示に過ぎず、本発明の範囲を網羅したものではない。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ限定され、あらゆる点において、等価物を全て包含するものとする。

Claims (19)

  1. 約6.4、約13.7、および約25.8±0.2度(2θ)において特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(1)で表される2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態。
  2. 約3278、約3106、約2846、約1683および約1560cm-1において特徴的な吸収バンドを含む赤外スペクトルを有する、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態。
  3. さらに約13.9、約6.5、および約3.5Åにおいてd間隔ピークを含むX線回折パターンを有する、請求項1または2記載の結晶形態。
  4. 約3280、約3030、約1730および約1570cm-1において特徴的な吸収バンドを含むラマンスペクトルを有する、2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミドの結晶形態。
  5. さらに約13.9、約6.5、および約3.5Åにおいてd間隔ピークを含む、請求項1または4記載の結晶形態。
  6. (i)2-[4-(4-フルオロ-ベンジル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル)-アセトアミド二水和物、水、およびアセトンの混合物を形成する工程、
    (ii)前記混合物をある期間にわたって維持する工程、および
    (iii)任意で、結晶形態を単離する工程
    を含む、請求項1記載の結晶形態を作製するための方法。
  7. 水対アセトンの比が約10:90〜約30:70(v/v)である、請求項6記載の方法。
  8. 工程(ii)が、混合物を室温で維持することを含む、請求項6記載の方法。
  9. 期間が約1ヶ月である、請求項6記載の方法。
  10. 請求項1記載の結晶形態を含む、薬学的組成物。
  11. 薬学的に許容される担体をさらに含む、約25mg〜約125mgの量の、請求項10記載の薬学的組成物。
  12. 結晶形態が組成物の約0.5重量%〜25重量%である、請求項11記載の薬学的組成物。
  13. NMDA受容体の調節を必要とする状態を処置および/または予防するための方法であって、その必要がある患者に、請求項1記載の結晶形態の有効量を投与する工程を含む、方法。
  14. NMDA受容体がNR2B選択的NMDA受容体である、請求項13記載の方法。
  15. 疼痛および慢性疼痛状態、統合失調症、双極性障害、ならびにうつ病からなる群より選択される状態を処置する方法であって、その必要がある患者に、請求項11記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
  16. 状態が疼痛および慢性疼痛状態である、請求項15記載の方法。
  17. 状態が統合失調症である、請求項15記載の方法。
  18. 状態が双極性障害である、請求項15記載の方法。
  19. 状態がうつ病である、請求項15記載の方法。
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