本明細書に含まれている本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明および実施例への参照により、本発明をより容易に理解することができる。本明細書において用いる専門用語が、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定する意図がないことは理解されたい。本明細書中で特に定義しない限り、本明細書において用いる専門用語が、当該技術分野において公知であるようなその従来の意味を与えられているはずであることも理解されたい。
本明細書において用いる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別様に示していない限り、複数の指示を含む。
本明細書において用いる場合、用語「患者」は、ヒトまたは動物患者を指す。好ましい実施形態において、患者はヒトである。
特定の疾患または障害に関しての用語「治療する」、「治療すること」または「治療」は、その疾患もしくは障害の予防、ならびに/またはその疾患もしくは障害の症状および/もしくは病状の軽減、向上、改善、緩和もしくは除去を含む。
用語「治療有効量」または「有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家が求める、細胞、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起するであろう薬物または医薬の量を意味すると解釈される。この用語は、細胞増殖速度を低下もしくは停止させること(例えば、腫瘍成長を遅速もしくは休止させること)または増殖性癌細胞の数を減少させること(例えば、腫瘍の一部もしくはすべてを除去すること)を指す場合もある。時には、細胞増殖速度を10%、20%、30%、40%、50%、60%、または70%以上、低下させる。時には、増殖細胞数を10%、20%、30%、40%、50%、60%、または70%以上、減少させる。
本明細書において用いる場合、用語「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」は、不飽和であるときにはCおよびHしか含有しない、直鎖、分岐鎖および環式一価ヒドロカルビルラジカル、ならびにこれらの組み合わせを含む。例としては、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルエチル、2−プロペニル、3−ブチニル、およびこれらに類するものが挙げられる。それぞれのそのような基内の炭素原子の総数を本明細書に記載することがあり、例えば、その基が炭素原子を12個まで含有できるとき、それを1〜12C、C1〜C12、C1〜12、またはC1〜12と記載することがある。例えばヘテロアルキル基の場合のように、ヘテロ原子(概してN、OおよびS)でアルキル、アルケニルまたはアルキニル基内の炭素原子を置換することができるとき、その基を表現する数は、例えばC1〜C6と記載されていたとしても、その基内の炭素原子の数と、記載されている環または鎖内に炭素原子の代わりのものとして含まれているようなヘテロ原子の数との合計を表す。
概して、本発明のアルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜12C(アルキル)または2〜12C(アルケニルもしくはアルキニル)を含有する。好ましくは、それらは、1〜8C(アルキル)または2〜8C(アルケニルもしくはアルキニル)を含有する。時には、それらは、1〜4C(アルキル)または2〜4C(アルケニルもしくはアルキニル)を含有する。単一の基が、多重結合の1つより多くのタイプ、または1つより多くの多重結合を含む場合があり;そのような基は、それらが少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有するときは用語「アルケニル」の定義の中に含まれ、およびそれらが少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有するときは用語「アルキニル」の中に含まれる。
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および「ヘテロアルキニル」、ならびにこれらに類するものは、対応するヒドロカルビル(アルキル、アルケニルおよびアルキニル)基と同様に定義されるが、「ヘテロ」という用語は、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子およびそれらの組み合わせを主鎖残基内に含有する基を指し;従って、対応するアルキル、アルケニルまたはアルキニル基の少なくとも1個の炭素原子が、指定したヘテロ原子のうちの1つによって置き換えられて、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニル基を形成する。好ましくは、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルおよびヘテロアルキニル基それぞれは、そのヘテロアルキル基の主鎖の骨格の一部として、すなわち存在することがある置換基を含めず、1〜2個のヘテロ原子しか含有しない。例示的ヘテロアルキルとしては、アルコキシル、例えばO−アルキル、アルキルエーテル、第二級および第三級アルキルアミン、硫化アルキル、ならびにこれらに類するものが挙げられる。
アルキル、アルケニルおよびアルキニル基の典型的な好ましいサイズは、一般に、対応するヒドロカルビル基についてのものと同じであり、ならびにそれらのヘテロ形上に存在することがある置換基は、ヒドロカルビル基について上で説明したものと同じである。そのような基がNを含有する場合、その窒素原子は、NHとして存在することがあり、またはそれは、そのヘテロアルキルもしくは類似の基が、場合によっては置換されていると記載されている場合には、置換されていることがある。そのような基がSを含有する場合、その硫黄原子は、別の指示がない限り、場合によってはSOまたはSO2に酸化されていることがある。化学的安定性の理由で、別の指定がない限りそのような基がそのヘテロアルキル鎖の一部として3個より多くの隣接するヘテロ原子を含むことはないが、ニトロまたはスルホニル基の場合のようにオキソ基がNまたはS上に存在することはあることも理解される。従って、−C(O)NH2は、=Oで置換されているC2ヘテロアルキル基であり得;および−SO2NH−は、Sが1個の炭素に置き換わり、Nが1個の炭素に置き換わり、およびSが2つの=O基で置換されている、C2ヘテロアルキレンであり得る。
本明細書において用いる場合の「アルキル」は、シクロアルキルおよびシクロアルキルアルキル基を含むが、環炭素原子によって接続されている飽和または部分飽和、単環式または縮合もしくはスピロ多環式炭素環を特に記述するために本明細書では用語「シクロアルキル」を用いることがあり、およびアルキルリンカーによって基礎分子に接続される炭素環式非芳香族基を記述するために「シクロアルキルアルキル」を用いることがある。類似して、少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する非芳香族環式の基であって、CまたはNであり得るその環式の基の環原子により分子に接続される基を記述するために「ヘテロシクリル」を用いることがあり;およびアルキルリンカーによって別の分子に接続されるそのような基を記述するために「ヘテロシクリルアルキル」を用いることがある。シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキル基に適しているサイズおよび置換基は、アルキル基について上で説明したものと同じである。多くの場合、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は、C3〜C8であり、ならびにシクロアルキルアルキルまたはヘテロシクリルアルキル基は、C4〜C12である。シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクリルアルキル基のサイズは、炭素原子の総数、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキル部分の炭素原子に置き換わるヘテロ原子を加えた炭素原子の総数を表す。本明細書において用いる場合、これらの用語は、その環が芳香族でない限り、1つの二重結合または2つの二重結合を含有する環も含む。
本明細書において用いる場合、「アシル」は、カルボニル炭素原子の2箇所の利用可能な原子価位置のうちの一方に付いているアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキルラジカルを含む基(これは、本明細書では−C(=O)R、−C(O)R、またはCORと表現されることがある)を包含し、ここでのRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキル基であり、ならびにヘテロアシルは、カルボニル炭素以外の少なくとも1個の炭素が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって置き換えられた、対応する基を指す。従って、ヘテロアシルは、例えば、−C(=O)ORおよび−C(=O)NR2ならびに−C(=O)−ヘテロアリールを含む。チオアシル置換基、例えば−C(=S)R、およびイミン基、例えば−C(=NH)Rも、ヘテロアシル基の定義の中に含まれる。
アシルおよびヘテロアシル基は、任意の基または分子に結合され、それらアシルおよびヘテロアシル基は、その任意の基または分子にカルボニル炭素原子の開いた原子価を介して付けられる。概して、それらは、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルを含むC1〜C8アシル基、ならびにメトキシアセチル、エトキシカルボニルおよび4−ピリジノイルを含むC2〜C8ヘテロアシル基である。このヒドロカルビル基、アリール基、ならびにアシルまたはヘテロアシル基を含むような基のヘテロ形は、アシルまたはヘテロアシル基の対応する成分のそれぞれに一般に適する置換基として本明細書に記載する置換基で置換されている場合がある。
「芳香族」部分または「アリール」部分は、芳香族性の周知の特徴を有する単環式または縮合二環式部分を指し;例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。炭素環式アリール環および環構造は、概して6〜12個の炭素環原子を含有し、ならびに芳香族環に縮合している飽和または部分不飽和炭素環式の環、例えば、テトラヒドロナフタレン、インダンまたはインデン環構造を含むことがある。類似して、「ヘテロ芳香族」および「ヘテロアリール」は、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子を環員として含有する、そのような単環式または縮合二環式環構造を指す。ヘテロ原子を含めることにより、6員環と同様に5員環における芳香族性が可能となる。典型的なヘテロ原子系としては、単環式C5〜C6芳香族基、例えばピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリルおよびテトラゾリル環、ならびにこれらの単環式の基のうちの1つとフェニル環とを、またはヘテロ芳香族単環式の基のいずれかとを、C8〜C10二環式の基を形成するように縮合させることによって形成された縮合二環式部分、例えばインドリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソキノリニル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイソオキサゾリル、ピラゾロピリジル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、およびこれらに類するものが挙げられる。環構造全体にわたる電子分布の点から見て芳香族性の特徴を有する単環式または縮合環二環式構造はいずれもこの定義の中に含まれる。それは、非芳香族環と縮合していたとしても、少なくとも一方の環が芳香族性の特徴を有する場合の二環式の基も含む。概して、この環構造は、5〜12個の環員原子を含有する。好ましくは、この単環式アリールおよびヘテロアリール基は、5〜6個の環員を含有し、ならびにこの二環式アリールおよびヘテロアリール基は、8〜10個の環員を含有する。
類似して、「アリールアルキル」および「ヘテロアリールアルキル」は、置換または非置換、飽和または不飽和、環式または非環式リンカーを含む連結器、例えばアルキレンによってそれらの結合点に結合する、芳香族およびヘテロ芳香族環構造を指す。概して、このリンカーは、C1〜C8アルキルまたはそのヘテロ形、好ましくはC1〜C4アルキルである。これらのリンカーは、カルボニル基を含むこともあり、その結果、アシルまたはヘテロアシル部分のような置換基を提供できるようになる。
本明細書において用いる場合の「アリールアルキル」基は、それらが不飽和である場合にはヒドロカルビル基であり、ならびにその環およびアルキレンまたは類似のリンカーの中の炭素原子の総数によって表される。従って、ベンジル基は、C7−アリールアルキル基であり、フェニルエチルは、C8−アリールアルキルである。好ましくは、アリールアルキル基は、1つまたは2つの場合によっては置換されているフェニル環と、非置換であるまたは1つもしくは2つのC1−C4アルキル基もしくはC1−C4ヘテロアルキル基で置換されているC1−C4アルキレンとを含み、ここでのアルキルまたはヘテロアルキル基は、場合によっては環化して、シクロプロパン、ジオキソラン、またはオキサシクロペンタンなどの環を形成することがあり、ならびにこのアルキルまたはヘテロアルキル基は、場合によってはフッ素化されていることがある。アリールアルキル基の例としては、場合によっては置換されているベンジル、フェニルエチル、ジフェニルメチル、およびトリフェニルメチル基が挙げられる。アリールアルキル基のアリール環上に存在する任意の置換基は、本明細書にアリール環について記載するものと同じである。アリールアルキル基は、概して7〜20個の原子、好ましくは7〜14個の原子を含有する。
上で説明したような「ヘテロアリールアルキル」は、連結基によって付けられているアリール基を含む部分を指し、ならびにアリール部分の少なくとも1個の環原子または連結基内の1個の原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子である点で、「アリールアルキル」とは異なる。ヘテロアリールアルキル基は、本明細書では環内の原子とリンカー内の原子を併せた総数に従って表され、ならびにそれらは、ヘテロアルキルリンカーによって連結されたアリール基;アルキレンなどのヒドロカルビルリンカーによって連結されたヘテロアリール基;およびヘテロアルキルリンカーによって連結されたヘテロアリール基を含む。例えば、ヘテロアリール基としては、ピリジルメチル、ピリジルエチル、−O−ベンジル、およびこれらに類するものが挙げられる。ヘテロアリールアルキル基は、概して6〜20個の原子、好ましくは6〜14個の原子を含有する。
本明細書において用いる場合の「アルキレン」は、二価ヒドロカルビル基を指し;それは、二価であるため、2つの他の基を互いに連結することができる。概して、それは、−(CH2)n−(ここでのnは、1〜8であり、および好ましくは、nは、1〜4である)を指し、これにより、アルキレンが、他の基によって置換されている場合もあり、かつ他の長さのものである場合もあること、ならびに開いた原子価が、鎖の反対端にある必要はないことが指定される。従って、−CH(Me)−および−C(Me)2−は、アルキレンを指すこともあり、シクロプロパン−1,1−ジイルなどの環式の基を指す場合もある。しかし、明確にするために、アルキレン基である3原子リンカーは、例えば、他の基への結合のために利用できる原子価が3個の原子によって隔てられている二価の基、例えば、−(CH2)3−を指し、すなわち、指定されている長さは、ヒドロカルビル基内の原子の総数ではなく結合点を連結する原子の数を表す:従って、−C(Me)2−は、利用できる原子価が1個だけの原子によって隔てられるので、1原子リンカーとなる。アルキレン基が置換されている場合、それらの置換基は、本明細書に記載するようなアルキル基上に概して存在するものを含み、従って、−C(=O)は、1炭素置換アルキレンの一例である。不飽和と記載されている場合、そのアルキレンは、1つ以上の二重または三重結合を含有し得る。
本明細書において用いる場合の「ヘテロアルキレン」は、対応するアルキレン基と同様に定義されるが、「ヘテロ」という用語は、O、SおよびNから選択される1個以上のヘテロ原子およびそれらの組み合わせを主鎖残基内に含む基を指し;従って、対応するアルキレン基の少なくとも1個の炭素原子が、指定したヘテロ原子のうちの1つによって置き換えられて、ヘテロアルキレン基を形成している。従って、−C(=O)NH−は、Nが1個の炭素に置き換わり、Cが=O基で置換されている、2炭素置換ヘテロアルキレンの一例である。
本明細書において用いる場合の「ヘテロ形」は、示されている炭素環式の環の少なくとも1個の炭素原子が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって置き換えられた、アルキル、アリールまたはアシルなどの基の誘導体を指す。従って、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アシル、アリール、およびアリールアルキルのヘテロ形は、それぞれ、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロアルキニル、ヘテロアシル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルである。ヘテロ原子を含めることによって5員環における芳香族性が可能となるので、アリールまたはアリールアルキル部分のヘテロ形が、対応するすべての炭素系より1個少ない「C」原子を含有し得ることは、理解されるであろう。例えば、C6〜C12アリールのヘテロ形は、C5〜C12ヘテロアリールであり、C7〜C20アリールアルキルのヘテロ形は、C6〜C20ヘテロアリールアルキルである。オキソ基をNもしくはSに付けてニトロもしくはスルホニル基を形成する場合を除き、または一定のヘテロ芳香族環、例えば、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールおよびこれらに類するものの場合には、通常、2個より多くのN、OまたはS原子が連続して接続されないことは理解される。
別の指示がない限り、用語「オキソ」は、=Oを指す。
「ハロ」は、本明細書において用いる場合、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。フルオロ、クロロ、およびブロモが、多くの場合、好ましい。
本明細書において用いる場合の「アミノ」は、NH2を指すが、アミノが「置換されている」または「場合によっては置換されている」と記載されている場合、この用語は、NR2を含み、この場合のそれぞれのRは、独立して、Hであるか、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリールもしくはアリールアルキル基またはこれらの基のうちの1つについての、本明細書中でさらに定義されているとおりの、ヘテロ形(それらのそれぞれは、対応する基のタイプに適すると本明細書に記載する置換基で、場合によっては置換されていることがある)である。この用語は、1個の窒素原子上の2つのR基(すなわち、NR2)が互いに連結されて、3〜8員単環式アザ環式の環構造または8〜12員二環式縮合アザ環式の環構造を形成している形態も含み;この環構造のそれぞれは、飽和されている、不飽和である、または芳香族であることがあり;ならびにN、OおよびSから独立して選択されるアザ環式環窒素原子を含む1〜3個のヘテロ原子(すなわち、アザ環式の環の窒素原子に加えて、N、OおよびSから選択される0〜2個のヘテロ原子)を環員として含有することがあり;ならびにアルキル基に適すると記載する置換基で、場合によっては置換されていることがあり;またはNR2が芳香族基を含む場合には、アリールもしくはヘテロアリール基に典型的であると記載する置換基で、場合によっては置換されていることがある。
アミノ基は、場合により、保護された形態であることもあり、または未保護の形態であることもある。適切なアミン保護基が、個々の分子内に存在する官能基、およびそのアミノ基の性質に依存して変わり得ることは、当業者には理解されるであろう。適切に保護されたアミンとしては、例えば、カルバマート(例えば、t−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、フルオレニルメトキシ−カルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)または(トリアルキルシリル)エトキシカルボニル)、カルボキサミド(例えば、ホルミル、アシルまたはトリフルオロアセチル、ベンゾイル)、スルホンアミド、フタルイミド、スクシンイミド、シッフ塩基誘導体、およびこれらに類するものとして保護されたアミンを挙げることができる。アルキルまたはアリルアミン、ならびにトリアルキルシリル保護アミンも含まれる。
アミンが保護形態で存在する場合、保護基を除去することが望ましいことがある。従って、本発明の方法は、アミンまたはアミノアルキル基上の任意の保護基を除去する段階も、場合によっては含む。
本明細書において用いる場合の用語「アルキルスルホニル」および「アリールスルホニル」は、−SO2アルキルまたは−SO2アリールの形の部分を指し、ここでのアルキルおよびアリールは、上で定義したとおりである。場合によりフッ素化されているC1〜4アルキル、および場合によっては置換されているフェニル基が、スルホニル部分に好ましい。アリールスルホニル部分のフェニル基は、アリール基に適する1つ以上の置換基で場合によっては置換されていることがあり;例えば、それらは、ハロ、メチル、ニトロ、アルコキシ、アミノ、またはこれらに類するものによって置換されていることがある。そのようなスルホニル部分は、酸素上に存在するとスルホナートになる。そのようなスルホニル部分は、窒素上に存在するとスルホンアミドになり、炭素上に存在するとスルホンになる。代表的なスルホンとしては、例えば、−OSO2Me(メシレート)、−OSO2CF3(トリフレート)、−OSO2トリル(トシレート)、およびこれらに類するものが挙げられる。
本明細書において用いる場合の用語「アルコキシカルボニル」は、−COOR’の形の部分を指し、ここでのR’は、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C5〜C6アリール、またはC7〜C14アリールアルキル、トリアルキルシリル、またはこれらに類するものであり、これらのそれぞれは、場合によっては置換されていることがある。窒素上に存在すると、そのようなアルコキシカルボニル部分はカルバマートとなり、これらは、多くの場合、窒素保護基として使用される。一部のそのような実施形態において、R’は、場合によってはハロゲン化されているC1〜C4アルキル(例えば、t−ブチル、メチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチル)、アリル、場合によっては置換されているベンジル、フルオレニルメチル、またはトリアルキルシリル(例えば、トリイソプロピルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル)であり得る。炭素上に存在するとき、そのような部分は、カルボン酸エステル、カルボアルコキシ基、またはこれらに類するものと呼ばれることもある。カルボン酸エステル官能基を含有する一部の実施形態において、R’は、好ましくは、C1〜4アルキル基である。一部のそのような実施形態において、R’は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルである。
用語「置換されている」は、指定の基または部分が1つ以上の非水素置換基を有することを意味する。用語「非置換の」は、指定の基がそのような置換基を有さないことを意味する。
本明細書において用いる場合の「場合によっては置換されている」は、記載されている特定の基(単数もしくは複数)が、非水素置換基を有さないこともあり、またはその基(単数もしくは複数)が、1つ以上の非水素置換基を有することもあること(すなわち、その基が置換されていることもあり、または非置換であることもある)ことを示す。別の指定がない場合、存在し得るそのような置換基の総数は、記載されている非置換形の基の上に存在するH原子の数に等しい。任意の置換基が二重結合、例えばカルボニル酸素(=O)、によって付いている場合、その基が2つの利用可能な原子価をとるので、含めることができる置換基の総数は、利用可能な原子価の数に従って低減される。
アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、多くの場合、そのような置換が化学的に道理にかなう程度に置換される。典型的な置換基としては、ハロ、OH、=O、=N−CN、=N−OR、=NR、OR、NR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、COR、およびNO2が挙げられるが、これらに限定されず、この場合、それぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C5〜C20アリールアルキル、またはC5〜C20ヘテロアリールアルキルであり、およびそれぞれのRは、ハロ、OH、=O、=N−CN、=N−OR’、=NR’、OR’、NR’2、SR’、SOR’、SO2R’、SO2NR’2、NR’SO2R’、NR’CONR’2、NR’COOR’、NR’COR’、CN、COOR’、CONR’2、OOCR’、COR’、およびNO2から選択される1つ以上の基で場合によっては置換されており、この場合、それぞれのR’は、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C5〜C20アリールアルキル、またはC5〜C20ヘテロアリールアルキルである。アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、C1〜C8アシル、C2〜C8ヘテロアシル、C6〜12アリールまたはC5〜C12ヘテロアリール(これらのそれぞれは、個々の基に適切である置換基によって置換されている場合がある)によって置換されている場合もある。
アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形の上に存在するとき好ましい置換基としては、ハロ、OH、=O、OR、SR、およびNR2が挙げられ、ここでのRは、上で定義したとおりであり;時として、Rは、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルである。R3上に存在するとき特に好ましい置換基としては、OH、=O、C1〜C4アルコキシ、OAc、NHAc、NH2、およびNHMeが挙げられる。時として、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形の上に存在する任意の置換基としては、NRSO2R、NRCONR2、COOR、またはCONR2が挙げられ、ここでのRは、上で定義したとおりであり;好ましくは、それぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキルであり、またはC6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C20アリールアルキル、もしくはC6〜C20ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)である。
アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル部分は、場合によってはフッ素化されているC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C1〜C8アシル、およびこれらのヘテロ形、C6〜C12アリール(ヘテロアリールについてはC5〜C12)、C6〜C20アリールアルキル(ヘテロアリールアルキルについてはC5〜C20)をはじめとする様々な置換基で置換されていることがあり、これらの置換基のそれぞれが、それ自体、さらに置換されている場合があり;アリールおよびヘテロアリール部分についての他の置換基としては、ハロ、OH、OR、CH2OH、CH2OR、CH2NR2、NR2、SR、SOR、SO2R、SO2NR2、NRSO2R、NRCONR2、NRCOOR、NRCOR、CN、COOR、CONR2、OOCR、C(O)R、およびNO2が挙げられ、この場合、それぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C8アルキル、C2〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C20アリールアルキル、またはC6〜C20ヘテロアリールアルキルであり、およびそれぞれのRは、アルキル基について上に記載したように場合によっては置換されている。勿論、アリールまたはヘテロアリール基上の置換基は、その置換基を含む基のそれぞれのタイプに適すると本明細書に記載する基でさらに置換されていることがある。アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル部分上に存在するとき好ましい置換基としては、ハロ、OH、OR、CH2OH、CH2OR、CH2NR2、SR、NR2、CN、COOR、CONR2、およびNO2が挙げられ、ここでのRは、上で定義したとおりであり、または場合によっては置換されているC6〜C12アリールもしくはC5〜C12ヘテロアリール環である。
アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基が場合によっては置換されていると記載されている場合、それらの置換基は、その基のアルキルもしくはヘテロアルキル部分の上にあることもあり、またはアリールもしくはヘテロアリール部分の上にあることもある。アルキルまたはヘテロアルキル部分の上に場合によっては存在する置換基は、アルキル基について一般に上に記載したものと同じであり;アリールまたはヘテロアリール部分の上に場合によっては存在する置換基は、アリール基について一般に上に記載したものと同じである。
一定の実施形態において、式(I)、(II)、(III)、(V)、(VI)中の置換基R1を有する炭素原子、または式(IV)中の対応する原子は、(S)配置を有する。式(I)〜(VI)の一定の実施形態において、置換基NR4R5、NHC(=O)R3、NHC(=O)CH(Z)R10またはNHC(=O)C(Z)R10aR10bを有する炭素原子は、(S)配置を有する。
本発明は、増殖性疾患、特に癌の治療または改善に有用である、式(I)の新規インドリン類似体を提供する。
式(I)の化合物において、R1は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C5〜C6アリール、C6〜C12アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれは、場合によっては置換されていることがある)である。一定の好ましい実施形態において、R1は、場合によっては置換されているC1〜C4アルキルであり;一部のそのような実施形態において、R1は、イソプロピルである。
式(I)の化合物において、R2は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C7〜C14アリールアルキル、C6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれは、場合によっては置換されていることがある)である。特定の実施形態において、R2は、Hまたはメチルである。一定の好ましい実施形態において、R2は、Hである。
他の実施形態において、R1およびR2は、それらが付いている原子と一緒になって、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環を形成し、この環は、N、O、およびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。特定の実施形態において、R1およびR2は一緒になって、追加のヘテロ原子を含有しない、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環、すなわち場合によっては置換されているピロリジン、ピペリジンまたはホモピペリジン環を形成する。他の実施形態において、R1およびR2は一緒になって、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を含有する、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環を形成する。一部のそのような実施形態において、R1およびR2は一緒になって、場合によっては置換されているモルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、またはホモピペラジン環を形成する。
式(I)の化合物において、R4は、H、またはC1〜C4アルキルである。好ましい実施形態において、R4は、Hである。
式(I)の一定の実施形態において、R5は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C12アルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C2〜C12アルキニル、C6〜C12アリール、C7〜C14アリールアルキル、アルキルスルホニル、もしくはアリールスルホニル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)である。
本発明の化合物において、R
5がアリールスルホニル基であるとき、それは、好ましくは、o−ニトロフェニルスルホニル基ではない。詳細には、本発明は、式:
の化合物を特に除外する。
式(I)の他の実施形態において、R5は、−C(=O)R3であり、ここでのR3は、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、またはC6〜C14ヘテロアリールアルキルであり、これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。
一定の実施形態において、R5は、C(=O)R3であり、ここでのR3は、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C8シクロアルキルアルキル、またはC6〜C8アリールアルキルであり、これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。好ましい実施形態において、R3のアルキル基構成部は、OH、OMe、OAc、NH2、NHMeおよびNHAcから成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
他の実施形態において、R5は、C(=O)R3であり、ここでのR3は、C1〜C8アルキル、C2〜C10アルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C4〜C9シクロアルキルアルキル、またはC7〜C14アリールアルキルであり、これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。好ましい実施形態において、R3のアルキル基構成部分は、OH、OMe、OAc、NH2、NHMe、CH2OHおよびNHAcから成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
式(I)の特定の実施形態において、R5は、−C(O)R3であり、R3は、C1〜C8直鎖、分岐、またはシクロアルキル基であり、これらのそれぞれが、R5の一部であるカルボニル基に隣接する炭素原子においてOH、OMe、OAc、NH2、NHMe、CH2OHまたはNHAcで置換されている。
式(I)の他の実施形態において、R4およびR5は窒素と一緒になって、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成し、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。
式(I)の化合物において、R6は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C7〜C14アリールアルキル、C6〜C14ヘテロアリールアルキル、場合によってはフッ素化されているC1〜C6アシル、C6〜C12アロイル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)である。式(I)の好ましい実施形態において、R6は、Hである。一部の実施形態において、R6での置換基は、保護基として機能することがある。本明細書に記載する方法が、分子上に存在する任意の保護基を除去する任意の脱保護段階を含むことは理解されるであろう。
式(I)の化合物において、R7は、H、ハロ、場合によっては置換されているC6〜C12アリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロアリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロシクリル、−CN、−COR8、−COOR8、または−C(O)NR9 2であり、ここでのR8は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり、およびそれぞれのR9は、独立して、Hであるか、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、もしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;または同じN上の2つのR9が環化して、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成する場合があり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。
一定の実施形態において、R7は、CONR9 2であり、ここでのそれぞれのR9は、上記のとおり定義される。よくある実施形態において、少なくとも1つのR9は、Hであり、他のR9は、Hまたは場合によっては置換されているC7〜C14アリールアルキルもしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル基であり;好ましくは、そのような基のアルキル部分は、C1〜C4アルキルである。特定の実施形態において、少なくとも1つのR9は、場合によっては置換されているベンジル、ジフェニルメチル、フェネチル、テトラヒドロナフチル、またはヘテロアリールアルキル基、例えば、インドリルアルキルもしくはピリジニルアルキルである。一部の実施形態において、同じ窒素原子上の2つのR9基が環化して、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成する場合があり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。特定の実施形態において、同じ窒素原子上の2つのR9基が環化されて、場合によっては置換されているピロリジン環を形成する。
他の実施形態において、R7は、場合によっては置換されているC6〜C12アリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロアリール環、または場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロシクリル環である。一部のそのような実施形態において、R7は、場合によっては置換されているフェニル、ナフチル、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニル環である。他のそのような実施形態において、R7は、場合によっては置換されているオキサゾール、オキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピロール、ピロリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールまたはテトラゾール環である。
R7における場合によっては置換されているC6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリールまたはC5〜C12ヘテロシクリル環上に存在するとき好ましい置換基としては、ハロ、ニトロ、シアノ、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルコキシ、COOR8’、CONR9’ 2、C6〜C12アリールもしくはC5〜C12ヘテロアリール(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)が挙げられ;ここでのR8’は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;およびそれぞれのR9’は、独立して、Hであるか、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、もしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;または同じN上の2つのR9’が環化して、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成することがあり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。
一定の好ましい実施形態において、R7は、場合によっては置換されているオキサゾールまたはチアゾール環である。一部のそのような実施形態において、R7は、場合によっては置換されているC6〜C12アリールまたはC5〜C12ヘテロアリール環で置換されている、オキサゾール環である。一部の実施形態において、R7は、1つ以上のアルキル、ハロ、カルボン酸、エステルまたはアミド置換基で置換されている、オキサゾール環である。
式(I)の化合物において、mは、0〜4の整数であり、およびm’は、0〜3の整数である。一定の実施形態において、mは、0、1または2であり、およびm’は、0または1である。よくある実施形態において、m’は、0である。
式(I)の化合物において、YおよびY’それぞれは、独立して、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であるか、ハロ、OH、またはC1〜C4アルコキシである。
式(II)の化合物において、R1、R2、R3、R6、R7、Y、Y’、mおよびm’は、式(I)について定義したとおりである。式(II)の好ましい実施形態において、R6は、Hであり、m’は、0であり、およびmは、0または1である。よくある実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルである。一部の実施形態において、R2は、Hまたはメチルであり;好ましくは、R2は、Hである。
式(I)の実施形態に有用であると本明細書において記載した同じ基が、式(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物にも適する。
式(II)の一定の実施形態において、R3は、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C8シクロアルキルアルキル、またはC6〜C8アリールアルキルであり、これらのそれぞれが場合によっては置換されていることがある。他の実施形態において、R3は、C1〜C8アルキル、C2〜C10アルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C4〜C9シクロアルキルアルキル、またはC7〜C14アリールアルキルであり、これらのそれぞれが場合によっては置換されていることがある。好ましい実施形態において、R3のアルキル基構成部は、OH、OR、CH2OR、SR、およびNR2から成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、ここでのそれぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルである。時として、R3は、OH、OMe、OAc、NH2、NHMe、CH2OHおよびNHAcから成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
式(II)の一定の実施形態において、R3は、−CH(Z)R10の形の基であり、ここでのZは、OH、OR、CH2OR、SRおよびNR2であり、ここでのそれぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルであり、およびR10は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形であり、それらのそれぞれが場合によっては置換されていることがある。一部のそのような実施形態において、Zは、OH、OMe、OAc、CH2OH、SH、SMe、SAc、NH2、NHMe、NMe2、NHAcである。時として、Zは、OH、OMe、OAc、NH2、NHMe、またはNHAcである。一定の好ましい実施形態において、Zは、OHである。
式(II)の他の実施形態において、R3は、−C(Z)R10aR10bの形の基であり、ここでのZは、OH、OR、CH2OR、SR、およびNR2であり、ここでのそれぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルであり、およびR10aおよびR10bのそれぞれは、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、もしくはこれらのうちの1つのヘテロ形であり、それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがあり;またはR10aおよびR10bは、それらが付いている炭素と一緒になって、場合によっては置換されていることがあるC3〜C8シクロアルキルまたはC3〜C8ヘテロシクリル環を形成することがある。一部のそのような実施形態において、Zは、OH、OMe、OAc、CH2OH、SH、SMe、SAc、NH2、NHMe、NMe2、NHAcである。時として、Zは、OH、OMe、OAc、NH2、NHMe、またはNHAcである。一定の好ましい実施形態において、Zは、OHである。
式(III)の化合物において、R1、R2、R3、R6、R7、Y、およびmは、式(I)について定義したとおりである。式(III)の好ましい実施形態において、R6は、Hであり、m’は、0であり、およびmは、0または1である。よくある実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルである。一部の実施形態において、R2は、Hまたはメチルであり;好ましくは、R2は、Hである。
式(I)または(II)について説明した実施形態は、式(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物にも適する。
式(III)の一部の実施形態において、R1は、C1〜C8アルキル、時としてC1〜C4アルキルであり、これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。一定の好ましい実施形態において、R1は、イソプロピルである。式(III)の一部の実施形態において、R2は、Hまたはメチルであり;一定の好ましい実施形態において、R2は、Hである。他の実施形態において、R1およびR2は一緒になって、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環を形成し、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を場合によっては含有する。
式(III)の化合物において、R3は、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、またはC6〜C14ヘテロアリールアルキルであり、これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。式(III)の一部の実施形態において、R3は、C1〜C8アルキル、C2〜C10アルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C4〜C9シクロアルキルアルキル、またはC7〜C14アリールアルキルであり、これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。好ましい実施形態において、R3のアルキル基構成部は、OH、OMe、OAc、NH2、NHMe、CH2OHおよびNHAcから成る群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
式(III)の一定の実施形態において、R3は、−CH(Z)R10の形の基であり、ここでのZは、OH、OR、CH2OR、SRおよびNR2であり、ここでのそれぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルであり、およびR10は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形であり、それらのそれぞれが場合によっては置換されていることがある。一部のそのような実施形態において、Zは、OH、OMe、OAc、CH2OH、SH、SMe、SAc、NH2、NHMe、NMe2、NHAcである。好ましい実施形態において、Zは、OHである。他の実施形態において、Zは、OH、OMe、OAc、NH2、NHMe、またはNHAcであり、およびR10は、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、または場合によっては置換されているフェニルである。
式(III)の他の実施形態において、R3は、−C(Z)R10aR10bの形の基であり、ここでのZは、OH、OR、CH2OR、SR、およびNR2であり、ここでのそれぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルであり、およびR10aおよびR10bのそれぞれは、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、もしくはこれらのうちの1つのヘテロ形であり、それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがあり;またはR10aおよびR10bは、それらが付いている炭素と一緒になって、場合によっては置換されていることがあるC3〜C8シクロアルキルもしくはC3〜C8ヘテロシクリル環を形成することがある。一部のそのような実施形態において、Zは、OH、OMe、OAc、CH2OH、SH、SMe、SAc、NH2、NHMe、NMe2、NHAcである。時として、Zは、OH、OMe、OAc、NH2、NHMe、またはNHAcである。一定の好ましい実施形態において、Zは、OHである。
式(III)の特定の実施形態において、化合物は、式:
(またはその医薬的に許容される塩もしくはコンジュゲート)
を有する。式(III)の化合物および実施形態に対して行う言及が、式(III−A)、(III−B)、(III−C)および(III−D)の化合物を含むことは、理解されるであろう。
式(II)および式(III)の一部の実施形態において、R7は、−C(O)NR9 2であり、ここでのR9は、式(I)において定義したとおりである。式(II)および(III)の好ましい実施形態において、R7は、場合によっては置換されているC6〜C12アリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロアリール、または場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロシクリル環である。一部のそのような実施形態において、R7は、場合によっては置換されているフェニル、ナフチル、ベンゾイミダゾール、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニル環である。他のそのような実施形態において、R7は、場合によっては置換されているオキサゾール、オキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピロール、ピロリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールまたはテトラゾール環である。
式(IV)の化合物において、R4、R5、R6、R7、Y、Y’、mおよびm’は、式(I)について定義したとおりである。式(IV)の化合物において、Xは、O、S、NR’’または(CH2)nであり、ここでのnは、0〜2であり、およびR’’は、H、C1〜C8アルキル、C5〜C8アリール、C6〜C12アリールアルキル、C1〜C6アシル、C6〜C12アロイル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルである。一定の好ましい実施形態において、Xは、(CH2)nであり、ここでのnは、0〜2である。
式(IV)の一部の実施形態において、R4は、Hまたはメチルであり、およびR5は、C(O)R3であり、ここでのR3は、式(I)について定義したとおりである。一部のそのような実施形態において、R3は、−CH(Z)R10または−C(Z)R10aR10bの形の基であり、ここでのZは、OH、OMe、OAc、NH2、NHMeまたはNHAcであり、およびR10、R10aおよびR10bのそれぞれは、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、もしくはこれらのうちの1つについてのヘテロ形であり、それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがあり;またはR10aおよびR10bは、それらが付いている炭素と一緒になって、場合によっては置換されていることがあるC3〜C8シクロアルキルまたはC3〜C8ヘテロシクリル環を形成することがある。
式(IV)の特定の実施形態において、化合物は、式:
(またはその医薬的に許容される塩もしくはコンジュゲート)
を有し、式中のR
3、X、R
7、Yおよびmは、式(IV)について定義したとおりである。
式(I)、(II)および(III)について説明した特定の実施形態は、式(IV)、(V)または(VI)の化合物にも適する。
一定の好ましい実施形態において、本発明は、式(V)または式(VI):
の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはコンジュゲートを提供し、式中、
R
1は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C1〜C8ヘテロアルキル、C2〜C8ヘテロアルケニル、C2〜C8ヘテロアルキニル、C6〜C12アリール、C7〜C14アリールアルキル、C5〜C12ヘテロアリール、もしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;
R
2は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C7〜C14アリールアルキル、C6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;または、
R
1およびR
2は、それらが付いている原子と一緒になって、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環を形成することがあり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有し;
R
7は、H、ハロ、場合によっては置換されているC6〜C12アリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロアリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロシクリル、−CN、−COR
8、−COOR
8、または−C(O)NR
9 2であり;
R
8は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;および、
それぞれのR
9は、独立して、Hであるか、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、もしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;または同じN上の2つのR
9が環化して、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成することがあり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有し;
mは、0〜4であり;および、
それぞれのYは、独立して、ハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、あるいはC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;
Zは、OH、OR、CH
2OR、SR、およびNR
2であり、ここでのそれぞれのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルであり;ならびに、
R
10、R
10aおよびR
10bのそれぞれは、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、もしくはこれらのうちの1つについてのヘテロ形であり、それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがあり;または
R
10aおよびR
10bは、それらが付いている炭素と一緒になって、場合によっては置換されていることがあるC3〜C8シクロアルキルまたはC3〜C8ヘテロシクリル環を形成することがある。
式(V)および式(VI)の一定の実施形態において、R1は、場合によっては置換されているC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニルまたはC2〜C4アルキニルであり、一部のそのような実施形態において、R1は、イソプロピルである。一部の実施形態において、R2は、HまたはC1〜C4アルキルであり;時として、R1は、Hまたはメチルである。一定の好ましい実施形態において、R2は、Hである。
式(V)および式(VI)の他の実施形態において、R1およびR2は、それらが付いている原子と一緒になって、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環を形成し、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。特定の実施形態において、R1およびR2は一緒になって、追加のヘテロ原子を含有しない、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環、すなわち場合によっては置換されているピロリジン、ピペリジンまたはホモピペリジン環を形成する。他の実施形態において、R1およびR2は一緒になって、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を含有する、場合によっては置換されている5〜7員アザ環式の環を形成する。一部のそのような実施形態において、R1およびR2は一緒になって、場合によっては置換されているモルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、またはホモピペラジン環を形成する。
式(V)および式(VI)の化合物において、mは、0〜4の整数である。好ましい実施形態において、mは、0または1である。式(V)および式(VI)の化合物において、それぞれのYは、独立して、ハロ、OHまたはC1〜C4アルコキシであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)である。一定の実施形態において、mは、1であり、およびYは、ハロ、好ましくはクロロである。他の実施形態において、mは、0である。
式(V)および式(VI)の化合物において、Zは、OH、OR、CH2OR、SR、およびNR2であり、ここでのRは、独立して、H、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アシルである。一定の実施形態において、Zは、OH、OMe、OAc、CH2OH、SH、SMe、SAc、NH2、NHMe、NMe2、NHAcである。一定の好ましい実施形態において、Zは、OHである。
式(V)の化合物において、R10aおよびR10bのそれぞれは、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、もしくはこれらのうちの1つのヘテロ形であり、それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。
式(V)の一部の実施形態において、R10aおよびR10bは、同じである。他の実施形態において、R10aおよびR10bは、異なる。一定の好ましい実施形態において、R10aおよびR10bのそれぞれは、少なくとも2個の炭素原子を含む。例えば、R10aおよびR10bのそれぞれは、独立して、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、プロパルギル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロプロピル、およびこれらに類するものであり得;一部のそのような実施形態において、R10aおよびR10bは、同じである。好ましい実施形態において、R10aおよびR10bのそれぞれがエチルである。
他の実施形態において、R10aおよびR10bは、それらが付いている炭素と一緒になって、場合によっては置換されていることがあるC3〜C8シクロアルキルまたはC3〜C8ヘテロシクリル環を形成する。例えば、R10aおよびR10bは一緒になって、場合によっては置換されているシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロチオピラン、ピロリジン、またはピペリジン環、およびこれらに類するものを形成することがある。好ましい実施形態において、R10aおよびR10bのそれぞれが一緒になって、シクロヘキシルまたはシクロペンチル環を形成する。一部の実施形態では、R10aおよびR10bによって形成される環を置換または非置換フェニル環と縮合させて、例えば、インデニルまたはテトラヒドロナフチル環系を生じさせることができる。
式(VI)の化合物において、R10は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキルアルキル、C6〜C12アリール、C7〜C20アリールアルキル、もしくはこれらのうちの1つについてのヘテロ形であり、それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある。
式(V)および式(VI)の化合物において、R7は、H、ハロ、場合によっては置換されているC6〜C12アリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロアリール、場合によっては置換されているC5〜C12ヘテロシクリル、−CN、−COR8、−COOR8、または−C(O)NR9 2である。
一部の実施形態において、R7は、C(O)NR9 2であり、ここでのR9は、式(I)について定義したとおりである。好ましい実施形態において、R7は、場合によっては置換されている芳香族、ヘテロ芳香族または複素環式の環を含む。一部のそのような実施形態において、R7は、場合によっては置換されているフェニル、ナフチル、ベンゾイミダゾール、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニル環である。他のそのような実施形態において、R7は、場合によっては置換されているオキサゾール、オキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピロール、ピロリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾールまたはテトラゾール環である。
式(V)または式(VI)の特定の実施形態において、化合物は、それぞれ、式(V−A)または(IV−A):
(またはその医薬的に許容される塩もしくはコンジュゲート)
を有し、式中のR
1、R
2、Z、Y、m、R
10、R
10aおよびR
10bは、式(V)および式(VI)について定義したとおりであり;ならびに、
R
11およびR
12それぞれは、独立して、H、ハロ、ニトロ、シアノ、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルコキシ、COOR
8’、CONR
9’ 2、C6〜C12アリールもしくはC5〜C12ヘテロアリール(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;
ここでのR
8’は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;および
それぞれのR
9’は、独立して、Hであるか、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、もしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;または同じN上の2つのR
9’が環化して、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成することがあり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。
一部のそのような実施形態において、R11およびR12それぞれは、独立して、H、ハロ、C1〜C4アルキル、COOR8’、もしくはCONR9’ 2であり;またはC6〜C12アリールもしくはC5〜C12ヘテロアリール(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)である。
式(I)〜(VI)の特定の実施形態において、R
7は、式:
の場合によっては置換されている複素環式またはヘテロ芳香族環であり、これらの式中のQは、O、SまたはNR
13であり、ここでのR
13は、HまたはC1〜4アルキルであり;
それぞれのR
14は、独立して、ハロ、ニトロ、シアノ、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルコキシ、COOR
8’、CONR
9’ 2、C6〜C12アリールもしくはC5〜C12ヘテロアリール(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;
ここでのR
8’は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;および、
それぞれのR
9’は、独立して、Hであるか、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、もしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;または同じN上の2つのR
9’が環化して、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成することがあり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有し;
pは、0〜3であり;ならびに
qは、0〜4である。
式(I)〜(VI)の一定の好ましい実施形態において、R
7は、
であり、これらの式中、
R
11およびR
12それぞれは、独立して、H、ハロ、ニトロ、シアノ、または場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルキル、場合によってはフッ素化されているC1〜C4アルコキシ、COOR
8’、CONR
9’ 2、C6〜C12アリールもしくはC5〜C12ヘテロアリール(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;
ここでのR
8’は、Hであるか、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C6〜C12アリール、もしくはC7〜C14アリールアルキル、またはこれらのうちの1つについてのヘテロ形(それらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;および
それぞれのR
9’は、独立して、Hであるか、C1〜C12アルキル、C1〜C12ヘテロアルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12ヘテロアルケニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ヘテロシクリル、C4〜C12シクロアルキルアルキル、C4〜C12ヘテロシクリルアルキル、C6〜C12アリール、C5〜C12ヘテロアリール、C7〜C14アリールアルキル、もしくはC6〜C14ヘテロアリールアルキル(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)であり;または同じN上の2つのR
9’が環化して、場合によっては置換されている3〜8員アザ環式の環を形成することがあり、この環は、N、OおよびSから選択される追加のヘテロ原子を環員として場合によっては含有する。一部のそのような実施形態において、R
11およびR
12それぞれは、独立して、H、ハロ、C1〜C4アルキル、COOR
8’、またはCONR
9’ 2であるか、C6〜C12アリールまたはC5〜C12ヘテロアリール(これらのそれぞれが、場合によっては置換されていることがある)である。
化学構造にキラル炭素が含まれる場合、特定の配向が描かれていない限り、両方の立体異性体形が包含されると解釈される。式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物は、例えば、2つ以上の不斉中心を有することがあり、従って、異なるエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー形で存在することがある。ラセミ体、1つ以上のエナンチオマー形、1つ以上のジアステレオマー形、またはそれらの混合物を含めて、本明細書に記載する化合物のすべての光学異性体および立体異性体、ならびにそれらの混合物が、本発明の範囲内であると考える。詳細には、記載するものなどの個々のジアステレオマーのラセミ混合物、90%より高いまたは約95%より高いジアステレオマー過剰度(d.e.)を有するジアステレオマー、および90%より高いまたは約95%より高いエナンチオマー過剰度(e.e.)を有するエナンチオマー。類似して、二重結合が存在する場合、それらの化合物は、場合により、シス異性体として存在することもあり、またはトランス異性体として存在することもあり;本発明は、それぞれの異性体を個々に含み、かつ異性体の混合物も含む。記載する化合物が、互変異性体形でも存在し得る場合、本発明は、すべてのそのような互変異性体およびそれらの混合物の使用に関する。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物を遊離塩基形で供給することができ、または医薬的に許容される塩として、もしくは遊離塩基形とその対応する塩の混合物として供給することができる。本発明の化合物は、塩基性アミンまたはカルボン酸などのイオン化可能な基が存在する場合、塩として単離することができる。本発明は、医薬的に許容される対イオンを有するこれらの化合物の塩を含む。そのような塩は、当該技術分野において周知であり、ならびに、例えば、有機または無機塩基との反応によって形成される酸性基の塩、および有機または無機酸との反応によって形成される塩基性基の塩を含むが、その反応によって導入される対イオンが薬学的使用に許容されることを条件とする。無機塩基の例には、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、カルシウム、マグネシウムなどの)、およびアルミニウム、アンモニウムなどの水酸化物がある。使用することができる有機塩基の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどが挙げられる。
適する塩としては、無機酸のもの、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫化水素塩、およびこれらに類するもの、または有機酸付加塩が挙げられる。使用することができる無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。有機酸の例としては、ギ酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。塩基性アミノ酸、例えばアルギニン、リシン、オルニチンなどとの塩、および酸性アミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩も挙げられる。
加えて、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物をターゲッティング剤などの部分とカップリングさせることができる。そのようなターゲッティング剤には、抗体またはそれらの免疫活性フラグメント(腫瘍抗原または腫瘍に関連した受容体もしくはインテグリンに対する一本鎖抗体形、これらの部分に対するペプチドミメティック、およびそれらに類するものを含む)がある。加えて、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物を、薬物動態を改変するために、ポリエチレングルコールなどの賦形剤にカップリングさせることができる。選択されるPEGは、任意の従来の分子量のものであり得、および線状であってもよく、または分岐していてもよく、かつ場合によってはリンカーによりコンジュゲートされていてもよい。PEGの平均分子量は、好ましくは、約2キロダルトン(kDa)〜約100kDa、さらに好ましくは、約5kD〜約40kDaである。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物は、細胞増殖性疾患の治療または改善の際に有用である。詳細には、本明細書に記載する化合物および方法は、乳房、卵巣、肺(SCLCおよびNSCLC)、結腸、直腸、前立腺、精巣、皮膚(例えば、黒色腫、基底細胞癌、および扁平上皮癌)、膵臓、肝臓、腎臓、脳(例えば、神経膠腫、髄膜腫、シュワン細胞腫、および髄芽種)ならびに血液および造血系(例えば、白血病、非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫を含む)に関連した腫瘍および悪性病変の治療または改善に有用である。
本明細書に記載する方法において、例えば、細胞増殖を減少させることができ、および/または細胞死、例えばアポトーシスもしくはアポトーシス細胞死を誘導することができる。細胞増殖性疾患は、ヒトまたは動物患者における腫瘍または非腫瘍癌であり得る。
細胞増殖を減少させるおよび/または細胞死を誘導するための、本明細書に提供する化合物および方法は、単独で使用することができ、あるいは外科手術、放射線、化学療法、免疫療法、ならびに骨髄および/もしくは幹細胞移植法と、または他の緩和剤、例えば、栄養または全身の健康状態を補助する化合物、制吐剤、およびこれらに類するものと共に使用、または併用することができる。
一部の実施形態では、本発明の化合物を化学療法薬と併用で投与し、ならびに本発明の化合物を使用して、細胞増殖を減少させる、細胞死を誘導する、および/または細胞増殖性障害を治療または改善する。
本明細書に記載する化合物は、一定の薬物耐性腫瘍および癌細胞株に対しても、詳細には、TAXOL(登録商標)および/またはビンカアルカロイド抗癌剤に耐性である癌に対しても、有用である。
追加の化学療法薬を投与する場合、それは、概して、細胞増殖抑制活性、細胞傷害活性または抗腫瘍活性を有することが知られているものである。これらの薬剤としては、限定ではないが、代謝拮抗物質(例えば、シタラビン、フルダラビン(fludaragine)、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート);DNA活性剤(例えば、ブレオマイシン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド);インターカレート剤(例えば、アドリアマイシンおよびミトキサントロン);タンパク質合成阻害剤(例えば、L−アスパラギナーゼ、シクロヘキシミド、ピューロマイシン);トポイソメラーゼI型阻害剤(例えば、カンプトテシン、トポテカンまたはイリノテカン);トポイソメラーゼII型阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシドアントラキノン、アントラサイクリンおよびポドフィロトキシン);微小管阻害剤(例えば、タキサン、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、コルセミド、コルヒチン、またはビンカアルカロイド、例えばビンブラスチンおよびビンクリスチン);キナーゼ阻害剤(例えば、フラボピリドール、スタウロスポリンおよびヒドロキシスタウロスポリン)、Hsp90に影響を及ぼす薬物(例えば、ゲルダナマイシンおよびゲルダナマイシン誘導体、ラディシコール、プリン誘導体、およびHsp90に選択的に結合する抗体または抗体フラグメント)、TRAIL、TRAIL受容体抗体、TNF−αもしくはTNF−β、および/または放射線療法薬が挙げられる。
一部の好ましい実施形態において、この追加の癌療法薬は、TRAIL、TRAIL受容体抗体、TNF−αまたはTNF−βである。他の好ましい実施形態において、本発明の化合物との共同投与のためのこの追加の薬物は、Hsp90(熱ショックタンパク質90)に影響を及ぼす。
適するHsp90阻害剤としては、米国特許第4,261,989号、同第5,387,584号および同第5,932,566号(これらのそれぞれが参照により本明細書に援用されている)に開示されているアンサマイシン誘導体、例えば、ゲルダナマイシンおよびゲルダナマイシン誘導体[17−(アリルアミノ)−17−デスメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、そのジヒドロ誘導体、17−AAGH2、およびゲルダナマイシンの17−アミノ誘導体、例えば17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン(17−DMAG)、11−オキソゲルダナマイシン、ならびに5,6−ジヒドロゲルダナマイシンを含む]が挙げられる。他の適するHsp90阻害剤としては、Sogaら,Curr.Cancer Drug Targets,3,359−69(2003)に、およびYamamotoら,Angew.Chem.,42,1280−84(2003)に、およびMoulinら,J.Amer.Chem.Soc.vol 127,6999−7004(2005)に開示されている、ラディシコールおよびオキシムならびにそれらの他の類似体;プリン誘導体、例えばPU3、PU24FCIおよびPUH64(Chiosisら,ACS Chem.Biol.Vol.1(5),279−284(2006)参照)ならびにPCT出願国際公開第2002/0236075号に開示されているもの;PCT出願国際公開第2005/028434号に開示されている関連複素環式誘導体;ならびにCheungら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,vol.15,3338−43 (2005)に開示されている3,4−ジアリールピラゾール化合物が挙げられる。Hsp90に選択的に結合する抗体または抗体フラグメントも、Hsp90の阻害を生じさせる薬物として投与することができ;および本発明の化合物と併用することができる。
本明細書に記載する化合物を別の治療薬と共に利用、または併用する場合、それら2つの薬剤を共同投与することができ、またはそれらを別々に投与する(この場合、2つの薬剤が同時にもしくは逐次的に作用するように、それらの投与時間を合わせる)ことができる。
従って、本明細書に記載する方法において使用する組成物は、本発明の化合物を少なくとも1つ含み、および場合によっては、1つ以上の追加の細胞傷害性または細胞増殖抑制性治療薬、例えば上に開示したもの(しかし、それらに限定されない)を含むことができる。類似して、本発明の方法は、癌の治療が必要な状態にあると診断された患者を本発明の少なくとも1つの化合物または組成物で治療する、ならびに上に記載した追加の治療薬の1つ以上で同時または併用治療する方法を含む。
製剤および投与
本発明において有用な製剤は、参照により本明細書に援用されているRemington’s Pharmaceutical Sciences,latest edition,Mack Publishing Co.,Easton,PAにおいて述べられているものなどの標準的な製剤を含む。そのような製剤は、経口送達、徐放、局所投与、非経口投与、または担当する医師もしくは獣医によって投与されるような任意の他の適する経路のために設計されたものを含む。従って、投与は、全身的である場合もあり、または局所的である場合もある。適するビヒクルまたは賦形剤は、リポソーム、ミセル、ナノ粒子、ポリマー材料、緩衝剤、および現場の人間に公知の製剤の全範囲を含む。
全身用製剤としては、注射(例えば、筋肉内、静脈内または皮下注射)のために設計されたものおよび経皮、経粘膜または経口投与のために調製されたものが挙げられる。この製剤は、一般に、希釈剤、ならびに場合によってはアジュバント、緩衝剤、保存薬およびこれらに類するものを含むであろう。この化合物をリポソーム組成物に入れて投与することもでき、またはマイクロエマルジョンとして投与することもできる。
注射方法は、全身治療のために適する化合物投与経路である場合があり、および局限治療のために適する化合物投与経路である場合もある。これらとしては、静脈内、筋肉内、皮下送達のための方法、ならびに粘膜および皮膚バリアを迂回して患者の生組織に組成物を直接送達する他の体内送達方法が挙げられる。
注射のために、従来の形態で、溶液もしくは懸濁液として、または注射の前に液体に溶解もしくは懸濁させるのに適する固体形態として、またはエマルジョンとして、製剤を調製することができる。適する賦形剤としては、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロールおよびこれらに類するものが挙げられる。そのような組成物は、非毒性補助物質、例えば湿潤もしくは乳化剤、pH緩衝剤およびこれらに類するもの、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレートなどの量も含有することがある。
薬物のための様々な持続放出システムも考案されており、本発明の化合物と共に用いることができる。例えば、米国特許第5,624,677号参照。本発明の組成物は、適する場合にはそのような制御放出送達システムで用いることができる。
全身投与は、比較的非侵襲的な方法、例えば、坐剤、経皮パッチ、経粘膜送達および鼻腔内投与の使用も含むことがある。経口投与も本発明の化合物に適する。適する形態としては、当該技術分野において理解されているようなシロップ、カプセル、錠剤、およびこれらに類するものが挙げられる。
所与の患者および適応症のための個々の投与経路の選択は、当該技術分野における通常技能レベルの十分に範囲内である。例えば、患者が、有効な経口送達を妨げる悪心および嘔吐を経験している場合、坐剤としての直腸送達が適することが多い。経皮パッチは、制御放出投薬量を数日間にわたって、または特定の位置に送達することが一般にでき、従って、これらの効果が望まれる患者に適する。
経粘膜送達も本発明の一部の組成物および方法に適する。従って、当該技術分野において公知である技術および調合方法を用いて本発明の組成物を経粘膜投与することができる。
選択する投与経路にかかわらず、適する水和形態で使用することができる本明細書に記載する化合物、および/または本発明の組成物を、当業者に公知の従来の方法によって医薬的に許容される剤形に調合する。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬レベルを変えて、患者に有毒ではなく、個々の患者、組成物および投与形式に対して望ましい治療応答を達成するために有効である量の活性成分を得ることができる。
選択する投薬レベルは、利用する本発明の特定の化合物またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与の回数、利用することとなる個々の化合物の排泄または代謝の速度、吸収の速度および程度、治療継続期間、利用する個々の化合物と併用する他の薬物、化合物および/または材料、治療することとなる患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態および以前の病歴、ならびに医学技術分野において周知のこれらに類する要因をはじめとする様々な要因に依存するであろう。
動物またはヒト患者への投与の場合、本発明の化合物の投薬量は、概して、1投与あたり10〜2400mgである。しかし、投薬レベルは、状態の性質、患者の状態、現場の人間の判断、ならびに投与の頻度および方式に大きく依存する。そのような化合物の投薬量の選択は、通常の当業者の技術の範囲内であり、ならびに比較的低い投薬量で始めて、許容される効果が達成されるまでその投薬量を増加させることによって達成することができる。
本発明の化合物の投与頻度も、当業者は周知の技術を用いて容易に決定することができる。例えば、本発明の化合物または組成物の低い投薬量を低い頻度、例えば多くの場合、1日1回以下で投与することができ;そしてその投薬量および/または投与頻度を、その患者において所望の効果が達成されるまで、系統的に増加させることができる。
合成プロセス
スキーム1に示すような新規で効率的な多段階プロセスによって式(I)のインドリンを調製した。このプロセスの重要な段階は、式(I)のインドリン化合物を生じさせるためのフェノール系中間体の電気化学的酸化的環化を含み、そのインドリン化合物を、本明細書に記載する化合物によって例示されるようにさらに官能化することができる。この酸化的環化は、2008年6月6日に出願され、米国特許出願公開第2009/0005572号として公開された米国特許出願第12/134,984号に記載されており、この内容は、それら全体が参照により本明細書に援用されている。式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物は、類似に調製される。
スキーム1に示すように、ジペプチド出発原料を、当該技術分野において公知の標準的な条件下で、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルまたは保護アミノ酸の別の活性化エステルとセリンとをカップリングさせることによって調製した。ペプチドおよびペプチドミメティックの合成を説明する文献の広範囲の本論を含めて、多種多様に適する条件を、このジペプチド出発原料を形成するために利用できることは、当業者には理解されるであろう。
そのジペプチドを、場合によっては置換されているインドールおよび活性化剤と、場合によってはプロトン酸の存在下で、反応させてインドール含有ジペプチドを生じさせた。適する活性化剤としては、例えば、カルボン酸無水物、混合無水物、またはハロゲン化アシル(例えば、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、塩化アセチル、塩化オキサリル)、スルホン酸無水物またはハロゲン化物(例えば、無水メタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、塩化メタンスルホニル)、無機酸ハロゲン化物(例えば、塩化チオニル、または塩化ホスホリル)、およびこれらに類するものが挙げられる。
好ましい実施形態において、この活性化剤は無水酢酸であり、かつその反応をプロトン性溶媒としての酢酸中で行った。特に好ましい実施形態では、ジペプチドおよび場合によっては置換されているインドールを酢酸中、約80℃で無水酢酸と反応させて、所望の化合物を生じさせた。
無水酢酸および酢酸中でのセリンまたはN−アセチルセリンと場合によっては置換されているインドールとの反応によるN−アセチルトリプトファン誘導体の調製は、以前に報告されている。Y.Yokoyamaら,Tetrahedron Letters(1999),40:7803;Y.Yokoyamaら,Eur.J.Org.Chem.(2004),1244;Y.Konda−Yamadaら,Tetrahedron(2002),58:7851;M.W.Ormeら,米国特許第6,872,721号。しかし、これらの条件下での他のアシル化トリプトファン、例えば、本発明のジペプチド類似体の調製は、本発明者らが知る限り、以前に記載されていない。
遊離カルボン酸のエステル化、続いて、酸化剤、例えばDDQでのジペプチド中間体の酸化的環化によって、オキサゾール中間体が得られた。例えば、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、硝酸第二セリウムアンモニウム、多価ヨウ化物試薬、およびこれらに類するものなどの使用のような、他の酸化的条件を利用することができることは、当業者には理解されるであろう。
存在する場合には保護アミノ基の脱保護、およびアミド結合形成によって、フェノール系中間体が得られた。そのフェノール系中間体の電気化化学的酸化的環化によって、大環状インドリン化合物が得られた。一連の直接的な化学的変換によってそのような化合物を式(I)の化合物へとさらに解明した。例えば、カルボン酸エステルの脱保護、続いてアミド結合の形成により、R7がC(O)NR9 2である実施形態が得られた。Cbz基の除去およびアシル化またはアミド結合形成を用いて、R5がアシル置換基、例えば−C(O)R3である式(I)の化合物を生じさせた。同じアミンのスルホニル化、還元的アルキル化、またはN−アルキル化を用いて、R5がスルホニル(すなわち、−SO2Rもしくは−SO2Ar)またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、もしくはこれらの基のうちの1つのヘテロ形である化合物を生じさせることができた。R5に置換基を取り付けるための他の変換、例えば、カルバモイル化または尿素形成も考えられる。取り付けることとなる官能基の性質および用いる保護基に依存して、これらの段階の順序を逆にすることができることは、当業者には理解されるであろう。
スキーム1は、式(I)の大環状インドリン化合物の調製に有用な一般合成経路を提供するものである。本発明の本質を改変することなく一定の反応条件を変えることができることは、当業者には理解されるであろう。例えば、カップリング反応は、様々な活性化エステル、例えば、単なる例として、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、過フルオロフェニルエステル、N−ヒドロキシフタルイミドエステル、カルボン酸とカルボジイミドの反応によって生じた活性化エステル、およびアミンをアシル化してアミド結合を形成するために従来から用いられている他の活性化エステルを用いて遂行することができる。加えて、アミノ基は、従来的には、カルボベンジルオキシ(Cbz)基として保護されるが、他の適する保護基を利用できることは当業者には理解されるであろう。適する保護基ならびにそれらを付けるおよび除去する方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、T.H.Greene,PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS,2
nded.に記載されている。
スキーム1
スキーム1に記載したプロセスは、式(I)のインドリンの高収率および高純度での調製に有用である。詳細には、本発明の化合物を良好な収率および高いジアステレオマー純度、好ましくは95%より高いジアステレオマー過剰度、時として98%のジアステレオマー過剰度で入手することができる。
以下の実施例は、本発明を限定するためではなく例証するために提供するものである。
[実施例1]
段階A:
L−セリン(104.19g、991mmol)を4Lエルレンマイヤーフラスコの中で水(1440mL)に溶解した。固体NaHCO
3(83.25g、991mmol)を添加し、その混合物を室温で攪拌して透明な溶液を得た。Cbz−Val−OSu(300.0g、861mmol)を1,4−ジオキサン(1500mL)中の溶液として添加し、追加の1,4−ジオキサン(220mL)を用いてすすいだ。得られた濁った混合物は、25℃での1.5時間の攪拌後、透明になった。44時間後、その混合物を二等分に分けた。メタノール(700mL)および12NのHCl水溶液(42mL、504mmol)をそれぞれの部分に添加し、その後、EtOAc(1000mL)と水(600mL)に溶解したNaCl(100g)の溶液とを添加した。層を分離し、有機層をNaCl飽和水溶液(350mL)で洗浄した。引き続き、水性層をEtOAc(1000mL)で抽出した。反応の両方の部分の処理の結果として得られた有機層を併せ、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させて351gの白色の固体を得た。この材料をCH
2Cl
2(1500mL)に懸濁させ、2時間攪拌した。その混合物を濾過し、結晶をCH
2Cl
2(1000mL)で洗浄して、Cbz−Val−Ser−OHを262.3gの白色の結晶として得た(収率90%)。MS:m/z=339.1(M+1)。
段階B:
メカニカルスターラーと還流凝縮器と内部温度計とを取り付けた丸底フラスコの中の上の段階AからのCbz−Val−Ser−OH(42.89g、127mmol)および7−ブロモインドール(30.96g、158mmol)に酢酸(180mL)を添加した。無水酢酸(40mL、43g、420mmol)を添加し、その混合物を40分にわたって80℃に加熱した。この温度で4時間、加熱を継続した。室温に冷却し、一晩放置した後、その混合物をエチルエーテル(180mL)で希釈し、30分間攪拌した。その混合物を濾過し、結晶をエチルエーテル(250mL)で洗浄した。それらの結晶の乾燥により、42.49gの生成物を生じさせた(収率65%)。MS:m/z=516.0(M+1)。
段階C:
2,2−ジメトキシプロパン(1200mL、1020g、9.8mol)中の上の段階Bにおいて合成した化合物(32.53g、63.0mmol)の攪拌懸濁液に濃HCl水溶液(60mL、720mmol)を添加した。24時間、25℃で攪拌した後、溶媒の大部分を蒸発させて、湿潤結晶を得た。MTBE(250mL)を添加し、混合物を、時々渦流攪拌しながら3時間にわたって放置した。結晶を濾過し、MTBE(100mL)で洗浄することによって、30.31gの生成物を得た(収率91%):MS:m/z=530.1(M+1)。
段階D:
THF(251g、282mL)中のDDQ(28.41g、125mmol)の溶液をTHF(848g、954mL)中の上の段階Cにおいて合成した化合物(30.20g、56.9mmol)に添加し、その暗色溶液を85℃の油浴内で6時間加熱して穏やかに還流させた。冷却し、室温で一晩放置した後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。メタノール(200mL)を添加し、溶媒を蒸発させて91gの褐色皮殻質固体を残した。メタノール(200mL)を添加し、固体をスパチュラでほぐした。その混合物を、黄色の沈殿物を含有する赤色の液体に外観が変わるまで、渦流攪拌した。その混合物を濾過し、沈殿をメタノール(60mL)で洗浄した。薄灰色の結晶を空気乾燥させ、その後、真空下で乾燥させて、17.98gの生成物を得た(収率60%)。MS:m/z=526.0(M+1)。
段階E:
メカニカルスターラーを取り付けた500mL丸底フラスコの中の上の段階Dにおいて合成したCbz誘導体(9.99g、19.0mmol)に氷酢酸(25mL)を添加した。その懸濁液を25℃で攪拌し、酢酸中33%のHBr(50mL)を1回で添加した。その混合物は均質になり、その後、5〜10分のうちに沈殿が形成した。1時間後、MTBE(235mL)を添加し、25℃でさらに1時間20分間攪拌した。その混合物を濾過し、沈殿をMTBE(150mL)で洗浄した。そのクリーム色の粉末を真空下で8.91gの重量まで乾燥させた(収率99%)。MS:m/z=392.0(M+1)。
段階F:
丸底フラスコの中の上の段階Eにおいて合成したアミン塩(9.16g、19.4mmol)、HOBt(3.17g、23.5mmol)およびCBZ−Tyr−OH(6.44g、20.4mmol)にDMF(100mL)を添加した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.22mL、3.13g、129mmol)を添加し、その後、EDC(4.15g、21.6mmol)を添加した。24時間、25℃で攪拌した後、その溶液をEtOAc(500mL)で希釈し、その混合物を1NのHCl水溶液(250mL)、NaHCO
3飽和水溶液(250mL)そして塩化ナトリウム飽和水溶液(250mL)で洗浄した。その溶液を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて黄褐色の固体を得た。この材料を90℃の2−PrOH(180mL)に溶解した。ヘキサン(85mL)を添加し、その溶液を放置して室温に冷却した。一晩攪拌した後、その混合物を4時間、5℃に冷却した。固体を濾過によって分離し、1:1の2−PrOH/ヘキサン(140mL)で洗浄した。この時点では残留溶媒を保持していたこの材料を真空マニホールドで乾燥させて、11.58gの生成物を得た(収率87%)。MS:m/z=689.0(M+1)。
段階G:
ポリエチレンシリンダー(直径15cm×高さ30cm)と48本の垂直なグラファイト棒(直径6.15cm×長さ30cm)を支持する外注ラック(ポリプロピレンおよびナイロン)とを使用して、電気化学的電池を組み立てた。それらの棒を、内側の環および外側の環の中にそれぞれ12および24のアノードを有する3つの同心環のパターンに配列した。中間の環は、隣接アノードからおよそ7mm離れた12のカソードを有した。電極を24cmの深さに埋めた。上の段階Fで合成したフェノール系材料(20.00g、29.0mmol)およびEt
4NBF
4(70.00g、322mmol)をDMF(4000mL)に溶解し、KOH(約86%、1.68g、26mmol)を10mLの水に添加した。単一軸上の2つの四枚羽根タービン(直径50mm、45°の羽根、およそ680rpm)によってその溶液を激しく攪拌した。1.5〜1.6ボルトの電位で電気化学的反応を行った。第3、5、8および10日にそれぞれ水(5.0mL、5.0mL、5.0mL、および2.0mL)中のKOH(約86%、1.60g、1.63g、1.53g、および0.65g)と共に、追加のフェノール系出発原料(20.00g、20.00g、20.00g、および7.94g)を固体として添加した。13日後、およそ27.7アンペア時の電流を通し、220nMでのHPLC積分によって判定すると原SMの5.8%が残存した。その反応混合物をロータリーエバポレーター(浴温≦35℃)で濃縮し、真空マニホールドでさらに乾燥させた。残留物をEtOAc(1200mL)と0.5NのHCl水溶液(600mL)とで分配した。有機層をNaHCO
3(250mL)そしてその後、NaCl飽和水溶液(250mL)で洗浄した。引き続き、水性層をEtOAc(2x250mL)で抽出した。併せた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、70.1gの粗製生成物を得た。この材料を3回に分けてフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製した。それぞれの分にシリカゲル(283g)とCH
2Cl
2中25%のEtOAc(カラム充填および溶離のためにおよそ2.4L)を用いた。これにより、35.6g(収率41%)の生成物を立体異性体の混合物(220nMでのHPLC積分によって測定して83.5:13.6)として生じさせた。MTBE(500mL)を添加し、その混合物を室温で2時間攪拌した。さらに3時間放置した後、混合物を濾過し、固体をMTBE(3回分、合計100mL)で洗浄した。濾液のHPLCは、純度94.8%(220nmでの積分によって測定して94.8:2.1の立体異性体比)を示した。その濾液を蒸発させ、得られた残留物を真空下で乾燥させて、31.99gの生成物(収率36%)を薄黄色の固体として生じさせた。MS:m/z=687.0(M+1)。
[実施例2]
温度計と添加漏斗と磁気攪拌棒とを装備した三つ口丸底フラスコに、実施例1の段階Gにおいて合成したメチルエステル(530mg、0.77mmol)およびメタノール(18mL)を添加した。その溶液を氷水浴内で0℃に冷却し、その後、0℃で攪拌しながら水中のLiOH(324mg/5mL、7.7mmol、10当量)を添加した。添加後、その反応混合物はスラリーになった。冷却浴を取り外し、混合物を放置して室温に温めた。沈殿が徐々に消失した。室温で4.5時間攪拌した後、LCMSによって判定すると2%未満のSMが残存した。氷(40g)をその反応混合物に添加し、激しく攪拌しながら添加漏斗から1NのHCl水溶液(10mL)を一滴ずつ添加してその0℃反応混合物を酸性にした。混合物のpHを2.5〜3.0に調整した。薄黄色の固体が沈殿し、EtOAc(2×50mL)を使用してそれを抽出した。水性相を濃縮してメタノールの大部分を除去し、その後、EtOAc(2×50mL)で抽出した。併せた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して粗製生成物(516mg、0.77mmol、純度約96%、および水和副生成物含有)を得、それをさらに精製せずに次の段階で直接使用した。MS:m/z=673.2(M+1)。
[実施例3]
実施例1の段階Gにおいて合成した化合物(200mg、0.291mmol)をメタノール(12mL)に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.100mL、74mg、0.57mmol)および炭素担持10%パラジウム(40mg)を添加し、その混合物を3時間、水素雰囲気下で攪拌した。混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、触媒を追加のメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させ、残留物をEtOAc(30mL)とNaHCO
3飽和水溶液(10mL)とで分配した。有機層をNaCl飽和水溶液(10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させてアミン生成物を得た。MS:m/z=475.1(M+1)。
[実施例4]
実施例3において合成した化合物(138mg、0.291mmol)をTHF(5.5mL)に溶解し、その溶液を室温で攪拌した。4−メチルモルホリン(0.052mL、44mg、0.43mmol)を添加し、その後、クロロギ酸ベンジル(0.046mL、55mg、0.32mmol)を添加した。1.5時間後、その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、1NのHCl水溶液、NaHCO
3飽和水溶液、そしてNaCl飽和水溶液(それぞれの10mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2中30%のEtOAcで溶離するシリカゲルでのフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製して、148mgのCbz保護生成物を得た。MS:m/z=609.1(M+1)。
[実施例5]
実施例4において合成した化合物(641mg、1.05mmol)をメタノール(22mL)に溶解し、その溶液を氷浴内で冷却した。水(4.0mL)中のLiOH・H
2O(440mg、10.5mmol)の溶液を5分かけて添加した。氷浴を取り外し、その混合物を5時間攪拌した。その混合物を氷浴内で冷却し、水(30mL)を添加し、その後、反応温度を10℃未満に保ちながら1NのHCl水溶液(11mL)を添加した。その混合物を水(15mL)とEtOAc(50mL)とで分配し、有機層をNaCl飽和水溶液で洗浄した。引き続き、水性層をEtOAc(30mL)で抽出した。併せた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、酸生成物を微細白色結晶として得た。MS:m/z=595.2(M+1)。
[実施例6]
実施例3において合成したアミン(23mg、0.0485mmol)が入っている乾いた15mLフラスコに、室温、N
2下で無水THF(1mL)、(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(12.5mg、0.0582mmol、1.2当量)およびNa
2CO
3(8mg、0.097mmol、2当量)を添加した。得られた反応溶液を3時間攪拌した。SMの10%未満が残存した。すべての溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtOAc(30mL)に溶解し、NaHCO
3飽和水溶液(10mL)、水(2×10mL)そしてブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。その溶液を濃縮し、MeOH/CH
2Cl
2(6/94)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(25mg、0.0435mmol、90%)。MS:m/z=575.1(M+1)。
[実施例7]
実施例3において合成した化合物(20mg、0.042mmol)を、(S)−マンデル酸(7mg、0.046mmol)およびHOBt(7mg、0.052mmol)と共に、DMF(0.80mL)に溶解した。3Aモレキュラー・シーブ・ペレットを添加し、その後、EDC(10mg、0.052mmol)を添加した。室温で2.5時間攪拌した後、その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、1NのHCl水溶液(15mL)、NaHCO3飽和水溶液(15mL)、そしてNaCl飽和水溶液(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、デカントし、蒸発させた。1:1 EtOAc/CH2Cl2中2%のメタノールで溶離するシリカゲルでのフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによってその粗製生成物を精製して、17mgのアミド生成物を得た。MS:m/z=609.0(M+1)。
[実施例8〜10]
実施例8および9の生成物は、実施例7のために用いた条件下で、実施例3からのアミンと(R)−テトラヒドロ−2−フロ酸および(S)−2−ヒドロキシイソカプロン酸とをそれぞれカップリングさせることによって調製した。実施例10の場合は、塩化3,4,5−トリメトキシベンゾイルと実施例3からのアミンの反応によって生成物を調製した。
[実施例11]
段階A:
磁気攪拌棒が入っている乾いた15mLフラスコに、実施例2からのカルボン酸(22mg、0.0327mmol)、トリプタミン(5.2mg、0.0327mmol、1.0当量)、HOBt(4.4mg、0.0327、1.0当量)、無水DMF(1mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0057mL、0.0327mmol、1当量)を添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、EDC(6.3mg、0.0327mmol、1.0当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)によって抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和NaHCO
3(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(6/94)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(15mg、0.0184mmol、56%)。MS:m/z=815.1(M+1)。
段階B:
上の段階Aにおいて合成した材料(15mg、0.0184mmol)が入っている15mLフラスコに、N
2下で、メタノール(1mL)およびPd/C(10%)(9.8mg、0.0092mmol、0.5当量)を添加した。H
2バルーンを付加し、そのフラスコを4時間、H
2でパージした。その後、H
2バルーンを反応系に解放した。3時間攪拌後、出発原料は、ほぼ残存しなかった。反応を停止させた。その反応混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、黒色のケークをメタノール(3×1mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階C:
上の段階Bにおいて合成したアミン(0.0184mmol)が入っている乾いた15mLフラスコに、室温、N
2下で無水THF(1mL)、(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(7.9mg、0.0368mmol、2当量)およびNaHCO
3(4.6mg、0.0552mmol、3当量)を添加した。得られた反応溶液を20時間攪拌した。すべての溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtOAc(30mL)に溶解し、その後、飽和NaHCO
3(10mL)、水(2×10mL)そしてブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。その溶液を濃縮し、MeOH/CH
2Cl
2(7/93)で溶離するPTLCによってその粗製物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(3.5mg、0.00498mmol、27%)。MS:m/z=703.2(M+1)。
[実施例12]
磁気攪拌棒を装備した15mLフラスコに、実施例6において合成したメチルエステル(7.2mg、0.0125mmol)およびメタノール(1mL)を添加した。その溶液を氷水浴内で0℃に冷却し、その後、攪拌しながら0〜5℃で水中のLiOH(3.0mg/0.2mL、0.125mmol、10当量)を添加した。添加後、その反応混合物はスラリーになった。冷却浴を取り外し、混合物を放置して室温に温めた。沈殿が徐々に消失した。室温で4.5時間攪拌した後、LCMSによって判定するとSMの2%未満が残存した。氷(5g)をその反応混合物に添加し、激しく攪拌しながら注射器からHCl/H2O(1N、0.13mL)を一滴ずつ添加して、その0℃反応混合物を酸性にした。その混合物のpHを2.5〜3.0に調整した。薄黄色の固体が沈殿し、EtOAc(20mL)を使用してそれを抽出した。水性相を濃縮してメタノールの大部分を除去し、その後、EtOAc(2×5mL)で抽出した。併せた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して所望の生成物を得た(6mg、0.0107mmol、収率86%)。MS:m/z=561.2(M+1)。
[実施例13〜30]
実施例13〜30における化合物は、実施例11の段階A〜Cにおいて説明したものに類似した条件を用いて調製した。実施例2において合成したカルボン酸が実施例13〜30のための出発原料として役立ち、それを一連のアミンとのカップリング反応において使用した。
[実施例31]
段階A:
乾いた15mLフラスコに、実施例5において合成したカルボン酸(11mg、0.0185mmol)、無水CH
2Cl
2(2mL)および無水THF(0.1mL)を添加した。その反応溶液を氷水浴内で0℃に冷却した。攪拌しながら、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0032mL、0.0185mmol、1当量)およびクロロギ酸イソブチル(0.0024mL、0.0185mmol、1.0当量)を添加した。その混合物を0℃、N
2下で20分間攪拌し、その後、1,4−ジオキサン中のアンモニアの溶液(0.5M、0.185mL、0.0925mmol、5当量)を添加した。その後、その得られた反応溶液を0℃でさらに1時間、そして室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水(2×10mL)、ブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(10/90)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(6mg、0.0101mmol、55%)。MS:m/z=594.0(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。その粗製物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階C:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=560.1(M+1)。
[実施例32]
段階A:
丸底フラスコの中の実施例2において合成したカルボン酸(157mg、0.23mmol、純度約96%)、HOBt(38mg、0.28mmol、1.2当量)および塩酸2−アミノ−1−(7−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エタノール(66mg、0.28mmol、1.2当量)にDMF(7mL)を添加した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.051mL、37mg、0.29mmol、1.25当量)を添加し、その後、EDC(49mg、0.26mmol、1.1当量)を添加した。12時間、25℃で攪拌した後、DMFの大部分を真空下で除去した。残留物をEtOAc(100mL)に溶解し、1NのHCl水溶液(50mL)、NaHCO
3飽和水溶液(50mL)そして塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄した。その溶液を乾燥させた(Na
2SO
4)。濃縮後、その粗製生成物(186mg、0.22mmol、94%)を得、それをさらに精製せずに次の段階で直接使用した。MS:m/z=845.1(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は、実施例3のために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=633.2(M+1)。
段階C:
この反応のためのカップリング条件は、実施例7のために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した化合物がアミン反応体として役立ち、および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸を(S)−マンデル酸の代わりに使用した。MS:m/z=733.0(M+1)。
[実施例33]
この化合物は、実施例32の段階Cから副生成物として単離した。MS:m/z=811.0(M+1)。
[実施例34]
段階A:
この反応のための条件は、実施例91の段階Aのために用いたものに類似している。実施例32の段階Aにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。
段階B:
この反応のための条件は、実施例91の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=617.1(M+1)。
段階C:
この反応についてのカップリング条件は、実施例7において説明したものに類似している。上の段階Bにおいて合成した化合物をアミン反応体として役立て、および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸を(S)−マンデル酸の代わりに使用した。MS:m/z=717.2(M+1)。
[実施例35]
実施例35の化合物は、実施例7について説明したものに類似したカップリング条件を用いて実施例3からのアミンの反応によって調製した。Boc−L−プロリンを(S)−マンデル酸の代わりに使用した。カップリング生成物の単離後、1,4−ジオキサン中4MのHClでの処理によってBoc保護基を除去した。MS:m/z=572.1(M+1)。
[実施例36]
実施例36の生成物は、実施例7について説明したものに類似したカップリング条件を用いて実施例3からのアミンの反応によって調製した。トランス−Boc−4−ヒドロキシ−L−プロリンを(S)−マンデル酸の代わりに使用した。カップリング生成物の単離後、1,4−ジオキサン中4MのHClでの処理によってBoc保護基を除去した。MS:m/z=588.2(M+1)。
[実施例37]
段階A:
乾いた15mLフラスコに、実施例4において合成した材料(55mg、0.0904mmol)および無水CH
2Cl
2(1mL)を添加した。その反応溶液を氷水浴内で0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.057mL、0.409mmol、4.5当量)とCH
2Cl
2(0.3mL)中の塩化メタンスルホニル(0.023mL、0.296mmol、3.3当量)の保存溶液とを添加した。その反応混合物を放置して室温に温め、2時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水(2×10mL)、ブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で使用した。
段階B:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階C:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=653.1(M+1)。
[実施例38]
段階A:
15mLフラスコに、実施例1の段階Gにおいて合成した化合物(25mg、0.0364mmol)、フェニルボロン酸ピナコールエステル(8.9mg、0.0437mmol、1.2当量)、K
3PO
4(23mg、0.109mmol、3当量)およびPd(PPh
3)
4(4.2mg、0.00364mmol、0.1当量)を添加した。20分間、窒素ガス流を通すことによってその混合物を脱気し、その後、予め脱気しておいたジオキサン/水(5/1、3mL)を添加した。得られた反応混合物を70℃に加熱し、N
2下で5時間攪拌した。反応を停止させた。その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水(3×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、EtOAc/トルエン(40/60)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(6mg、0.00876mmol、24%)。MS:m/z=685.0(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階C:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=651.2(M+1)。
[実施例39〜42]
実施例39〜42における化合物は、実施例38の段階A〜Cにおいて説明したものに類似した条件を用いて調製した。実施例1の段階Gにおいて合成したカルボン酸が実施例39〜42のための出発原料として役立ち、4つの異なる芳香族ボロン酸を段階Aにおいて用いた。
[実施例43]
段階A:
磁気攪拌棒を有する乾いた15mLフラスコに、実施例5において合成したカルボン酸(50mg、0.0841mmol)、塩酸エタノールアミン(9.0mg、0.0925mmol、1.1当量)、HOBt(12.5mg、0.0925mmol、1.1当量)、無水DMF(2mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.032mL、0.185mmol、2.2当量)を添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、EDC(17.7mg、0.0925mmol、1.1当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。その反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)で抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和NaHCO
3(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、その粗製物を次の段階で直接使用した。MS:m/z=638.1(M+1)。
段階B:
乾いたフラスコに、上の段階Aからの粗製生成物(13mg、0.020mmol)および無水CH
2Cl
2(0.9mL)を添加した。この反応溶液は、それをドライアイス/アセトン浴内で−78℃に冷却すると濁ってきた。CH
2Cl
2(0.25mL)中の三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(0.0074mL、0.022mmol、2.8当量)の新たに作った保存溶液を一滴ずつ添加した。得られた反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、一晩、室温に温めた。その反応混合物をNaHCO
3飽和水溶液(3mL)の添加によって失活させ、EtOAc(20mL)で希釈し、水(2×10mL)そしてまたブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(10/90)で溶離するPTLCによってその残留物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(4mg、0.00646mmol、32%)。MS:m/z=620.1(M+1)。
段階C:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成したオキサゾリンが出発原料として役立った。その粗製生成物を精製せずに次の段階で直接使用した。
段階D:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成したアミンが出発原料として役立った。MS:m/z=580.0(M+1)。
[実施例44]
段階A:
磁気攪拌棒を有する乾いた15mLフラスコに、実施例5において合成した材料(50mg、0.0841mmol)、塩酸L−セリンメチルエステル(14.4mg、0.0925mmol、1.1当量)、HOBt(12.5mg、0.0925、1.1当量)、無水DMF(2mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.032mL、0.185mmol、2.2当量)を添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、EDC(17.7mg、0.0925mmol、1.1当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)によって抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和NaHCO
3(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で使用した。MS:m/z=696.2(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は、実施例43の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成したアミドが出発原料として役立った。
段階C:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成したオキサゾリンが出発原料として役立った。
段階D:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成したアミンが出発原料として役立った。MS:m/z=644.1(M+1)。
[実施例45]
この合成のための条件は、実施例44の段階A〜Dのために用いたものに類似している。実施例5において合成した材料および塩酸D−セリンメチルエステルが出発原料として役立った。MS:m/z=644.2(M+1)。
[実施例46]
段階A:
乾いたフラスコに、実施例44の段階Aにおいて合成した化合物(14mg、0.020mmol)および無水CH
2Cl
2(0.9mL)を添加した。その反応溶液をドライアイス/アセトン浴内で−78℃に冷却すると濁った。CH
2Cl
2(0.10mL)中の三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(0.0079mL、0.060mmol、3.0当量)の新たに作った保存溶液を一滴ずつ添加した。得られた反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、10分間、室温に温めた。その混合物を冷却して−78℃に戻し、DBU(0.015mL、0.1mmol、5当量)およびCBrCl
3(0.010mL、0.1mmol、5当量)を添加した。得られた混合物を一晩放置してゆっくりと室温に温めた。その反応混合物をNaHCO
3飽和水溶液(3mL)の添加によって失活させ、EtOAc(20mL)で希釈し、水(2×10mL)そしてまたブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(10/90)で溶離するPTLCによってその残留物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(5mg、0.0074mmol、37%)。MS:m/z=676.0(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成したオキサゾ−ルが出発原料として役立った。その粗製生成物を精製せずに次の段階で直接使用した。
段階C:
上の段階Bにおいて合成したアミン(0.0074mmol)が入っている乾いた15mLフラスコに、室温、N2下で、無水THF(1.5mL)、(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(3.2mg、0.0148mmol、2当量)およびNaHCO3(1.9mg、0.0222mmol、3当量)を添加した。得られた反応溶液を20時間攪拌した。すべの溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtOAc(30mL)に溶解した。その溶液を飽和NaHCO3(10mL)、水(2×10mL)そしてブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。その溶液を濃縮し、MeOH/CH2Cl2(10/90)で溶離するPTLCによってその粗製物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(2.0mg、0.00311mmol、42%)。MS:m/z=642.2(M+1)。
[実施例47〜53]
実施例47〜53における化合物は、実施例7において用いたものに類似したカップリング条件を用いて調製した。実施例46の段階Bにおいて合成したアミンが出発原料として役立った。このアミンと一連のカルボン酸のカップリングによってアミド誘導体を生じさせた。
[実施例54]
段階A:
乾いた15mLフラスコに、実施例1の段階Gにおいて合成した材料(45mg、0.0655mmol)、Pd(Ph
3P)
2Cl
2(2.3mg、0.00328mmol、0.05当量)、CuI(0.6mg、0.0032mmol、0.05当量)、予め脱気しておいたDMF(2mL)およびTEA(0.091mL、0.653mmol、10当量)を添加した。その反応混合物にN
2流を30分間通した。その後、1−ヘキシン(0.036mL、0.32mmol、4.9当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応を停止させ、混合物をCeliteのパッドに通して濾過した。濾液をEtOAc(30mL)で希釈し、水(2×10mL)、ブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(6/94)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(7mg、0.0101mmol、15%)。MS:m/z=689.3(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は、実施例12のために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=675.3(M+1)。
段階C:
この反応のための条件は、実施例44の段階Aのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=776.2(M+1)。
段階D:
この反応のための条件は、実施例46の段階Aのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=756.3(M+1)。
段階E:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Dにおいて合成した材料が出発原料として役立った。その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階F:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Eにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=726.3(M+1)。
[実施例55]
磁気攪拌棒を装備した15mLフラスコに、実施例47において合成したメチルエステル(14mg、0.0213mmol)およびメタノール(1.4mL)を添加した。その溶液を氷水浴内で0℃に冷却し、その後、攪拌しながら、0〜5℃で、水中のLiOH(5.1mg/0.3mL、0.213mmol、10当量)を添加した。添加後、その反応混合物は、スラリーになった。冷却浴を取り外し、混合物を放置して室温に温めた。沈殿が徐々に消失した。室温で18時間攪拌した後、LCMSによって判定するとSMの2%未満が残存した。氷(10g)をその反応混合物に添加し、激しく攪拌しながら注射器からHCl/H
2O(1N、0.218mL)を一滴ずつ添加して、その0℃反応混合物を酸性にした。その混合物のpHを2.5〜3.0に調整した。オフホワイトの固体が沈殿し、EtOAc(20mL)を使用してそれを抽出した。水性相を濃縮してメタノールの大部分を除去し、その後、EtOAc(2×5mL)で抽出した。併せた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して所望の生成物を得た(13mg、0.0203mmol、収率95%)。MS:m/z=642.0(M+1)。
[実施例56]
この反応のための条件は、実施例55のために用いたものに類似している。実施例46の段階Cにおいて合成したメチルエステルが出発原料として役立った。MS:m/z=628.0(M+1)。
[実施例57]
段階A:
磁気攪拌棒を有する乾いた15mLフラスコに、実施例46の段階Bにおいて合成したアミン(5mg、0.00932mmol)と、Cbz−(N−Met−L−Val)−OH(3.7mg、0.0138mmol、1.5当量)と、DMF(0.050mL)中のHOBt(1.86mg、0.0138mmol、1.5当量)の保存溶液と、無水DMF(0.8mL)と、DMF(0.050mL)中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0032mL、0.0185mmol、2.0当量)の保存溶液とを添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、DMF中のEDCの保存溶液(2.65mg、0.0138、1.5当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。その反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)で抽出した。併せた有機相を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、NaHCO
3飽和水溶液(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(7/93)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(3.5mg、0.0044mmol、48%)。MS:m/z=789.2(M+1)。
段階B:
上の段階Aにおいて合成した材料(3.5mg、0.0044mmol)が入っている15mLフラスコに、N
2下で、メタノール(2mL)および10%Pd/C(1.4mg、0.0013mmol)を添加した。H
2バルーンを付加し、そのフラスコを4時間、H
2でパージした。その後、H
2バルーンを反応系に解放した。5時間攪拌後、出発原料は、ほぼ残存しなかった。反応を停止させた。その反応混合物をCeliteのパッドに通し、その黒色のケークをメタノール(3×1mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(2.8mg、0.0043mmol、96%)。MS:m/z=655.2(M+1)。
[実施例58]
磁気攪拌棒を有する乾いた15mLフラスコに、実施例56において合成した材料(3.0mg、0.00478mmol)と、無水DMF(1mL)と、DMF(0.050mL)中の塩酸メチルアミンの保存溶液(0.48mg、0.0072mmol、1.5当量)と、DMF(0.050mL)中のHOBt(0.097mg、0.0072mmol、1.5当量)の保存溶液と、DMF(0.050mL)中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0021mL、0.012mmol、2.5当量)の保存溶液とを添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、DMF(0.100mL)中のEDC(1.4mg、0.0072、1.5当量)の保存溶液を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)によって抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO4水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和NaHCO3(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na2SO4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH2Cl2(12/88)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(2.1mg、0.00328mmol、69%)。MS:m/z=641.1(M+1)。
[実施例59〜65]
実施例46の段階Aにおいて合成したオキサゾールエステルが実施例59〜65のための出発原料として役立った。実施例55において説明したものに類似した条件を用いて、この材料をオキサゾール酸に転化させた。その後、実施例11の段階A〜Cにおいて説明したものに類似した条件を用いて、このカルボン酸を一連のアミンとのカップリング反応、Cbz基の除去、および結果として生じたアミンと(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸とのカップリングに用いた。
[実施例66]
段階A:
この反応のための条件は、実施例44の段階Aのために用いたものに類似している。実施例2において合成したカルボン酸および塩酸L−セリンメチルエステルが出発原料として役立った。
段階B:
この反応のための条件は、実施例46の段階Aのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した材料が出発原料として役立った。
段階C:
マイクロ波反応管に、上の段階Bにおいて合成した材料(11mg、0.0146mmol)、THF(2mL)および水酸化アンモニウム水溶液(28%、2mL)を添加し、その管を封止した。得られた反応溶液に80℃で90分間、マイクロ波を照射した。室温に冷却した後、その管を注意深く開けた。反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)で抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、NaHCO
3飽和水溶液(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(9/91)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(9mg、0.0122mmol、83%)。MS:m/z=739.0(M+1)。
段階D:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成した材料が出発原料として役立った。
段階E:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Dにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=627.0(M+1)。
[実施例67]
段階A:
磁気攪拌棒を有する乾いた15mLフラスコに、実施例2において合成したカルボン酸(105mg、0.154mmol)、塩酸L−トレオニンメチルエステル(32mg、0.187mmol、1.2当量)、HOBt(25mg、0.187、1.2当量)、無水DMF(3mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.065mL、0.374mmol、2.4当量)を添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、EDC(36mg、0.187、1.2当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。反応混合物をEtOAc(60mL)/水(20mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×20mL)によって抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和NaHCO
3(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で使用した。MS:m/z=788.1(M+1)。
段階B:
乾いたフラスコに、上の段階Aにおいて合成した材料(114mg、0.148mmol)および無水CH
2Cl
2(2mL)を添加した。その反応溶液をドライアイス/アセトン−水浴内で−20℃に冷却すると濁ってきた。三フッ化ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄(0.041、0.22mmol、1.5当量)を一滴ずつ添加した。得られた反応混合物を1時間、−20℃で攪拌し、10分間、室温に温めた。その混合物を冷却して0℃に戻し、DUB(0.155mL、1.036mmol、7当量)およびCBrCl
3(0.102mL、1.036mmol、7当量)を添加した。得られた混合物を一晩放置してゆっくりと室温に温めた。その反応混合物をNaHCO
3飽和水溶液(3mL)の添加によって失活させ、EtOAc(60mL)で希釈し、水(2×20mL)そしてまたブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(7/93)で溶離するPTLCによってその残留物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(85mg、0.11mmol、2段階で78%)。MS:m/z=768.0(M+1)。
段階C:
この反応のための条件は、実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成したオキサゾールが出発原料として役立った。その粗製生成物を精製せずに次の段階で直接使用した。
段階D:
この反応のための条件は、実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成したアミンが出発原料として役立った。MS:m/z=656.1(M+1)。
[実施例68〜70]
実施例68〜70における化合物は、実施例7において用いたものに類似したカップリング条件を用いて調製した。実施例67の段階Cにおいて合成したアミンが出発原料として役立った。このアミンと一連のカルボン酸のカップリングによってアミド誘導体を生じさせた。
[実施例71]
段階A:
磁気攪拌棒を有する乾いた15mLフラスコに、実施例5において合成したカルボン酸(25mg、0.042mmol)、塩酸2−アミノ−4’−メトキシアセトフェノン(10mg、0.050mmol、1.2当量)、HOBt(6.2mg、0.046、1.1当量)、無水DMF(1mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.016mL、0.092mmol、2.2当量)を添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、EDC(8.9mg、0.046、1.1当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)で抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和NaHCO
3(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で使用した。
段階B:
温度計および磁気攪拌棒を装備した乾いた15mLフラスコに、トリフェニルホスフィン(57mg、0.216mmol、10当量)およびヘキサクロロエタン(51mg、0.216mmol、10当量)を添加した。無水CH
2Cl
2(2mL)を添加し、得られた溶液をN
2下、氷水浴内で10℃に冷却した。トリエチルアミン(0.042mL、0.302mmol、14当量)をその溶液にゆっくりと添加し、その後、10分間、10℃で攪拌した。無水CH
2Cl
2(1mL)中の上の段階Aからの材料(16mg、0.0216mmol、1当量)の溶液を2分間かけて一滴ずつ添加し、温度を10〜12℃で保持した。その反応混合物を10℃でさらに10分間攪拌した。TLCは、SMが残っていないことを示した。その反応混合物を−30℃に冷却し、その後、リン酸緩衝液(30mL、pH=6.9、0.5M)を添加して、過剰試薬を消費した。得られた反応混合物を冷蔵室(4℃)で48時間攪拌した。LCMSによって判定すると、トリフェニルホスフィンの大部分が消費された。有機相を分離し、水性相をCH
2Cl
2(2×10mL)によって抽出した。併せた有機相を水(10mL)そしてブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(8/92)で溶離するPTLCによってその残留物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(3mg、0.00415mmol、2段階で20%)。MS:m/z=723.7(M+1)。
段階C:
この反応のための条件は実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した材料が出発原料として役立った。その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階D:
この反応のための条件は実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=689.8(M+1)。
[実施例72]
この化合物の合成のための条件は、実施例71(段階A〜D)において用いたものに類似している。段階Aにおいて塩酸2−アミノ−4’−メトキシアセトフェノンを塩酸2−アミノアセトフェノンで置き換えた。MS:m/z=659.8(M+1)。
[実施例73]
段階A:
乾いたフラスコに、実施例46の段階Aにおいて合成した粗製材料(210mg、0.311mmol)、THF(4mL)および2−プロパノール(12mL)を添加した。この溶液を0℃に冷却し、その後、水素化ホウ素ナトリウムリチウム(67.7mg、3.11mmol、10当量)を添加した。得られた混合物を放置して室温に温め、18時間攪拌した。その反応をLCMSでモニターした。出発原料はほぼ残存しなかった。その反応混合物を0℃に冷却し、重硫酸ナトリウム水溶液(10%、10mL)の添加によって失活させた。その後、その反応混合物をEtOAc(200mL)/水(30mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×50mL)で抽出した。併せた有機層を水(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)、そしてブライン(2×50mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(9/91)で溶離するPTLCによってその残留物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(70mg、0.108mmol、2段階で35%)。MS:m/z=648.2(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した材料を出発原料として役立てた。その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階C:
この反応のための条件は実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した材料を出発原料として役立てた。MS:m/z=614.2(M+1)。
[実施例74]
磁気攪拌棒を有する乾いた15mLフラスコに、実施例73の段階Bにおいて合成したアミン(2.7mg、0.00525mmol)と、無水DMF(1mL)と、DMF(0.050mL)中の2−エチル−2−ヒドロキシ酪酸(1.04g、0.00787mmol、1.5当量)の保存溶液と、DMF(0.050mL)中のHOBt(1.4mg、0.0105mmol、2.0当量)の保存溶液と、DMF(0.050mL)中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0018mL、0.0105mmol、2.0当量)の保存溶液とを添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、その後、DMF(0.100mL)中のEDC(2.0mg、0.0105、2.0当量)の保存溶液を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。反応混合物をEtOAc(30mL)/水(10mL)で希釈した。有機相を分離し、水性相をEtOAc(2×10mL)によって抽出した。併せた有機層を水(20mL)、10%NaHSO
4水溶液(20mL)、水(20mL)、飽和NaHCO
3(20mL)、そしてブライン(2×20mL)で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(13/87)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(1.7mg、0.00271mmol、52%)。MS:m/z=627.5(M+1)。
[実施例75]
段階A:
CH
2Cl
2(2mL)中の実施例46の段階Aにおいて合成したエステル(48mg、0.071mmol、1.0当量)の溶液に、DIBAL−H(トルエン中1M、0.28mL、0.28mmol、4.0当量)を−78℃で一滴ずつ添加した。得られた混合物をその温度で1時間攪拌し、その後、メタノール(0.1mL)で失活させた。酒石酸カリウムナトリウム溶液(25%、10mL)を添加し、その混合物を室温で1時間攪拌した。水性層を分離し、EtOAcで抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。PTLCによってアルデヒド生成物を得た。MS:m/z=645.5(M+1)。
段階B:
THF(5mL)中の上の段階Aにおいて合成したアルデヒド(39mg、0.06mmol、1.0当量)の溶液に、臭化エチルマグネシウム溶液(THF中1M、1.2mL、1.2mmol、20当量)を−78℃で一滴ずつ添加した。その反応物を−30℃まで温め、30分間攪拌した。反応を塩化アンモニウム溶液で失活させ、得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。その粗製生成物をPTLCによって精製して、15mgのアルコール生成物を得た。
段階C:
THF(2.5mL)中の上の段階Bにおいて合成したCbz誘導体の溶液に、10%Pd/C(7.5mg)を添加した。その反応フラスコをH
2でパージし、H
2バルーンを装着した。その反応物を室温で一晩攪拌した。得られた混合物をCeliteパッドに通して濾過し、濾液を濃縮した。その粗製材料をさらに精製せずに次の段階で使用した。MS:m/z=542.3(M+1)。
段階D:
DMF(1mL)中の上の段階Cにおいて合成した粗製アミン(12mg、0.022mmol、1.0当量)および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸(4mg、0.033mmol、2.0当量)の溶液に、HOBt(4.5mg、0.033mmol、1.5当量)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0076mL、0.044mmol、2.0当量)およびEDC(6.3mg、0.033mmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。その反応混合物にEtOAcを添加し、有機層を水、1NのHCl水溶液、NaHCO
3飽和水溶液、水、そしてブラインで洗浄した。その粗製生成物をPTLCによって精製して、3mgのカップリング生成物を得た。MS:m/z=642.3(M+1)。
[実施例76]
段階A:
乾いた15mLフラスコに、実施例73の段階Aにおいて合成した材料(10mg、0.0154mmol)、プロトンスポンジ(6.6mg、0.0308mmol、2.0当量)および無水CH
2Cl
2(2mL)を添加した。その反応溶液をドライアイス/アセトン−水浴内で−20℃に冷却した。テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(2.7mg、0.0185mmol、1.2当量)を添加した。得られた混合物を1時間、N
2下、−20℃で攪拌し、その後、NaHCO
3飽和水溶液(2mL)で失活させた。その反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(8/92)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(3.0mg、0.00454mmol、29%)。MS:m/z=662.3(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した材料が出発原料として役立った。その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階C:
この反応のための条件は実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=628.2(M+1)。
[実施例77]
段階A:
この反応のための条件は、実施例44の段階Aのために用いたものに類似している。塩酸L−セリンメチルエステルを(2,S)−アミノ−(3,R/S)−ヒドロキシノナン酸メチルのトリフルオロ酢酸塩で置き換えた。(2,S)−アミノ−(3,R/S)−ヒドロキシノナン酸メチルは、U.Schoellkopfら(Liebigs Ann.Chem.1983,1133−1151)の手順を適応させることによって合成した。MS:m/z=780.4(M+1)。
段階B:
この反応のための条件は実施例46の段階Aのために用いたものに類似している。上の段階Aにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=760.3(M+1)。
段階C:
この反応のための条件は実施例46の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=626.3(M+1)。
段階D:
この反応のための条件は実施例46の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=726.3(M+1)。
[実施例78]
段階A:
実施例2において合成した化合物(60mg、0.089mmol)およびHOBt(15mg、0.11mmol)をDMF(1.1mL)に溶解した。3−アミノ−1,2−プロパンジオール(9mg、0.10mmol)および追加のDMF(0.1mL)を添加し、その後、少量の3Aモレキュラー・シーブ・ペレットを添加した。その後、EDC(21mg)を添加し、その混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、その溶液を1NのHCl水溶液(10mL)、NaHCO
3飽和水溶液(5mL)そしてNaCl飽和水溶液(5mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、66mgのアミド誘導体を得た。MS:m/z=746.1(M+1)。
段階B:
上の段階Aにおいて合成した化合物(63mg、0.084mmol)をTHF(1.7mL)に溶解し、水(0.20mL)中のNaIO
4(23mg、0.11mmol)の溶液を添加し、その後、すすぐために追加の水(0.10mL)を添加した。2.25時間後、水(0.10mL)中の追加のNaIO
4(9mg、0.042)。さらに2時間後、その混合物をEtOAc(20mL)に入れて希釈し、NaHCO
3飽和水溶液(10mL)そしてNaCl飽和水溶液(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、63mgの中間体アルデヒドを無色の脆性ガラスとして得た。この材料をCH
2Cl
2(2.4mL)に溶解し、少量の3Aモレキュラー・シーブ・ペレットを添加した。Hendricksonら(J.Org.Chem.1987,52,4137−4139)の一般的な方法に従って、乾燥CH
2Cl
2(4.2mL)中のN−ジフェニルホスフィニル−N’−メチルピペラジン(344mg、1.15mmol)の溶液を氷浴内で冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.091mL、153mg、0.54mmol)で処理した。30分後、このアルデヒドの溶液を添加した。さらに1.5時間後、1NのHCl水溶液(15mL)の添加によって反応を失活させ、その混合物を追加のEtOAc(25mL)と共に分液漏斗に移した。有機層を1NのHCl水溶液、NaHCO
3飽和水溶液、そしてNaCl飽和水溶液(それぞれ15mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させた。CH
2Cl
2中25%または30%のEtOAcを使用するシリカゲルでのフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって、13mgのビス−オキサゾール誘導体を得た。MS:m/z=696.2(M+1)。
段階C:
上の段階Bにおいて合成した化合物(13mg、0.019mmol)をメタノール(3.0mL)に溶解し、炭素担持10%パラジウム(4mg)を添加し、その後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.010mL、7.4mg、0.057mmol)を添加した。その混合物を1.25時間、水素雰囲気下で攪拌した。その後、その混合物を0.45マイクロメートルの膜に通して濾過し、追加のメタノールでフィルターおよび触媒をすすいだ。濾液を蒸発させ、残留物をHOBt(3.5mg、0.026mmol)およびL−α−ヒドロキシイソ吉草酸(L−α−hydroxyisovalereric acid)(3.0mg、0.025mmol)と共にDMF(0.50mL)に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.004mL、3mg、0.023mmol)を添加し、その後、EDC(4.4mg、0.023mmol)を添加し、その溶液を一晩、室温で攪拌した。その後、その反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、1NのHCl水溶液(10mL)、NaHCO
3飽和水溶液(5mL)、そしてNaCl飽和水溶液(5mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させた。4:1のEtOAc/CH
2Cl
2で溶離するシリカゲルでのフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによってその粗製生成物を精製して、8.1mgのアミド生成物を白色の固体として得た。MS:m/z=584.2(M+1)。
[実施例79]
段階A:
実施例2において合成した化合物を、実施例78の段階Aについて説明した同じ条件を用いて、(S)−2−アミノ−1−プロパノールとカップリングさせた。これによりアミド誘導体を生じさせた。
段階B:
上の段階Aにおいて合成した化合物(62mg、0.085mmol)をCH
2Cl
2(1.5mL)に溶解し、CH
2Cl
2(0.60mL)中のデス・マーチン・ペルヨージナン(45mg、0.11mmol)の溶液を添加した。1時間後、NaHCO
3飽和水溶液(0.32mL)と水(0.10mL)の混合物中のNa
2S
2O
3(155mg)の溶液を添加し、その混合物を室温で30分間攪拌した。その混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、NaHCO
3飽和水溶液(2×5mL)そしてNaCl飽和水溶液(5mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、64mgの中間体アルデヒドを得た。この材料をCH
2Cl
2に溶解し、実施例78の段階Bにおいて説明したようなトリフルオロ酢酸無水物で活性化したN−ジフェニルホスフィニル−N’−メチルピペラジンの溶液で処理した。これにより26mgのビス−オキサゾール誘導体を生じさせた。MS:m/z=710.1(M+1)。
段階C:
上の段階Bにおいて合成した化合物を、メタノールの代わりに無水エタノールを使用して、実施例78の段階Cにおいて説明したように水素化した。より長い反応時間を必要とした。その後、その粗製中間体アミンをL−α−ヒドロキシイソ吉草酸とカップリングさせ、実施例78の段階Cにおいて説明したように単離して、16mgのアミド誘導体を得た。MS:m/z=598.2(M+1)。
[実施例80]
乾いたフラスコに、実施例46の段階Cにおいて合成した材料(5mg、0.0078mmol)と、無水エタノール(1mL)中のナトリウムt−ブトキシド(0.75mg、0.0078mmol、1.0当量)の保存溶液とを添加した。得られた混合物を室温で4時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水中の塩化アンモニウム飽和溶液(10mL)そしてまたブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(8/92)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(5.0mg、0.0076mmol、98%)。MS:m/z=656.2(M+1)。
[実施例81]
乾いたフラスコに、実施例46の段階Cにおいて合成した材料(5mg、0.0078mmol)と、無水2−プロパノール(2mL)中のナトリウムt−ブトキシド(0.75mg、0.0078mmol、1.0当量)の保存溶液とを添加した。得られた混合物を室温で4時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水中の塩化アンモニウム飽和溶液(10mL)そしてまたブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(8/92)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(2.9mg、0.0043mmol、55%)。MS:m/z=670.2(M+1)。
[実施例82]
4Aモレキュラーシーブ(20mg)が入っている乾いたフラスコに、実施例46の段階Cにおいて合成した材料(5mg、0.0078mmol)と、無水t−ブタノール(2mL)中のナトリウムt−ブトキシド(0.75mg、0.0078mmol、1.0当量)の保存溶液とを添加した。得られた混合物を28℃で4時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水中の塩化アンモニウム飽和溶液(10mL)そしてまたブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(8/92)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(1.5mg、0.0022mmol、28%)。MS:m/z=684.3(M+1)。
[実施例83]
段階A:
乾いた15mLフラスコに、実施例4において合成した材料(50mg、0.0822mmol)および無水CH
2Cl
2(2mL)を添加した。その溶液をドライアイス/アセトン浴内で−78℃に冷却し、その後、トルエン中のDIBAL−Hの溶液(1M、0.288mL、0.228mmol、3.5当量)を添加した。得られた反応混合物を−78℃、N
2下で1時間攪拌した。メタノール(0.5mL)をゆっくりと添加して−78℃で反応を失活させ、その後、水中の酒石酸カリウムナトリウム(potassium sodium tartrat)の溶液(20%、2mL)を添加した。その混合物を室温に温めた。その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水中の塩化アンモニウム飽和溶液(10mL)そしてまたブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(8/92)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(20mg、0.0346mmol、42%)。MS:m/z=579.2(M+1)。
段階B:
乾いた15mLフラスコに、上の段階Aにおいて合成した材料(8mg、0.0138mmol)、イソシアン酸p−トルエンスルホニルメチル(3.0mg、0.0152mmol、1.1当量)、K
2CO
3(4.2mg、0.0304mmol、2.2当量)およびメタノール(2mL)を添加した。得られた混合物を2時間還流させた。その反応をLCMSによってモニターした。溶媒の大部分を減圧下で除去した後、MeOH/CH
2Cl
2(8/92)で溶離するPTLCによってその残留物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(5mg、0.0081mmol、59%)。MS:m/z=618.2(M+1)。
段階C:
この反応のための条件は実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。上の段階Bにおいて合成した材料が出発原料として役立った。その粗製生成物をさらに精製せずに次の段階で直接使用した。
段階D:
この反応のための条件は実施例11の段階Cのために用いたものに類似している。上の段階Cにおいて合成した材料が出発原料として役立った。MS:m/z=583.5(M+1)。
[実施例84]
この反応のための条件は、実施例74のために用いたものに類似している。2−エチル−2−ヒドロキシ酪酸および実施例83の段階Cにおいて合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=597.6(M+1)。
[実施例85]
段階A:
この反応のための条件は実施例83の段階Aのために用いたものに類似している。実施例6において合成した化合物が出発原料として役立った。MS:m/z=545.3(M+1)。
段階B:
小規模反応管に、上の段階Aにおいて合成した材料(8mg、0.0147mmol)、メタノール(0.2mL)、水酸化アンモニウム水溶液(30%、0.5mL)およびグリオキサール(水中40%、0.0134mL、0.294mmol、20当量)を添加した。その管を封止し、反応溶液を室温で20時間攪拌した。その反応をLCMSによってモニターした。その反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、ブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(12/88)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(2.8mg、0.0048mmol、33%)。MS:m/z=583.2(M+1)。
[実施例86]
乾いた15mLフラスコに、実施例12において合成した材料(37mg、0.066mmol)、p−トルエンスルホン酸アミノマロノニトリル(17mg、0.066mmol、1.0当量)、無水ピリジン(2mL)、およびEDC(13mg、0.066mmol、1.0当量)を添加し、得られた反応物を室温で22時間攪拌した。その反応混合物をクロロホルム(30mL)で希釈し、水(10mL)、ブライン(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、MeOH/CH
2Cl
2(12/88)で溶離するPTLCによってその粗製生成物を精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た(5.6mg、0.0090mmol、14%)。MS:m/z=623.7(M+1)。
[実施例87]
G.LiangおよびD.D.Feng(Tetrahedron Letters 1996,37,6627−6630)によって記載された一般手順を用いて、オキサジサゾール環を導入した。実施例12において合成した化合物(0.018mmol)を、アセトアミドオキシム(0.018mmol)およびEDC(0.022mmol)と共に、一晩、50℃で、ジエチレングリコールジメチルエーテル中で加熱した。その後、その反応混合物を3時間、110℃でさらに加熱した。標準的な抽出処理後、逆相HPLCを用いて精製することにより、所望の化合物を白色の固体として得た。MS:m/z=599.3。
[実施例88]
実施例88における化合物は、アセトアミドオキシムを2−オキシイミノオキサミド酸エチルで置き換えて、実施例87に類似した仕方で合成した。この反応は、実施例87において説明したような3時間ではなく110℃で9時間の加熱を必要とした。MS:m/z=657.3。
[実施例89]
段階A:
この反応のための条件は実施例11の段階Bのために用いたものに類似している。実施例1の段階Fにおいて合成した材料が出発原料として役立った。
段階B:
この反応のためのカップリング条件は実施例7において説明したものに類似している。上の段階Aにおいて合成した化合物をアミン反応体として役立て、および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸を(S)−マンデル酸の代わりに使用した。MS:m/z=577.0(M+1)。
[実施例90]
段階A:
実施例32の段階Aの粗製生成物(78mg、0.09mmol)が入っている乾いた50mLフラスコに、無水THF(0.4mL)および無水CH
2Cl
2(1.7mL)を添加した。得られた溶液を氷水浴内で0℃に冷却した。0℃で無水酢酸(0.027mL、0.27mmol、3.0当量)そしてピリジン(0.012mL、0.14mmol、1.5当量)を順次添加した。その後、その混合物を放置して室温に温め、N
2下で攪拌した。3.5時間後、その反応溶液をEtOAc(40mL)で希釈し、その後、ブライン(2×30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、粗製生成物(82mg、0.09mmol、収率99%)を得、それをさらに精製せずに次の段階で直接使用した。MS:m/z=887.2(M+1)。
段階B:
温度計と添加漏斗と磁気攪拌棒とを装備した乾いた1L三つ口丸底フラスコに、トリフェニルホスフィン(13.48g、5.14mmol、10当量)およびヘキサクロロエタン(12.17g、51.4mmol、10当量)を添加した。無水CH
2Cl
2(320mL)を添加し、得られた溶液をN
2下、氷水浴内で10℃に冷却した。その溶液にトリエチルアミン(10.03mL、71.96mmol、14当量)をゆっくりと添加し、その後、10分間、10℃で攪拌した。無水CH
2Cl
2(160mL)中の上の段階Aにおいて合成した化合物(4.56g、5.14mmol、1当量)の溶液を5分間かけて一滴ずつ添加し、温度を10〜12℃に保った。その反応混合物を10℃でさらに10分間攪拌した。TLCは、SMが残っていないことを示した。反応混合物を−30℃に冷却し、その後、リン酸緩衝液(200mL、pH=6.9、0.5M)を添加して、過剰試薬を消費した。得られた反応混合物を冷蔵室(4℃)で48時間攪拌した。LCMSによって判定すると、トリフェニルホスフィンの大部分が消費された。有機相を分離し、水性相をCH
2Cl
2(2×100mL)によって抽出した。併せた有機相を水(100mL)そしてブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。ロータリーエバポレーターを用いて減圧下ですべての溶媒を除去し、その後、EtOAc(40mL)を添加してトリフェニルホスフィンオキシドを沈殿させた。濾過してCH
2Cl
2で洗浄した後、濾液を濃縮した。EtOAc/トルエンで溶離するフラッシュクロマトグラフィー(60/40;カラム 4×28cm)によってその粗製生成物を精製して、所望の生成物を得た(3.41g、3.92mmol、収率76%)。MS:m/z=869.1(M+1)。
段階C:
上の段階Bにおいて合成した化合物(1.50g、1.72mmol)をメタノール(40mL)に溶解し、その溶液を氷浴内で冷却した。水(2mL)中のLiOH・H
2O(109mg、2.6mmol)の溶液を添加した。1時間後、その反応混合物を水(60mL)で希釈し、1NのHCl水溶液(4mL)で酸性にした。得られた混合物をEtOAcの2回分(60mLおよび30mL)で抽出した。引き続き、有機層をNaCl(30mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、1.48gの脆性黄褐色フォームを得た。MS:m/z=826.7(M+1)。
段階D:
上の段階Cにおいて合成した化合物(250mg、0.302mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、炭素担持10%パラジウム(49mg)を添加した。その混合物を水素雰囲気下で5時間攪拌した。その混合物を0.45マイクロメートルの膜に通して濾過し、触媒を追加のメタノールですすいだ。濾液を蒸発させ、残留物をEtOAc(25mL)とNaHCO
3飽和水溶液とで分配してCH
2Cl
2(10mL)を添加した。有機層をNaCl飽和水溶液(10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、185mgの薄黄褐色の固体を得た。MS:m/z=614.8(M+1)。
段階E:
この反応のためのカップリング条件は実施例7において説明したものに類似している。上の段階Dにおいて合成した化合物をアミン反応体として役立て、および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸を(S)−マンデル酸の代わりに使用した。MS:m/z=715.0(M+1)。
[実施例91]
段階A:
実施例90の段階Cにおいて合成した化合物(980mg、1.18mmol)を、多少の3Aモレキュラー・シーブ・ペレットを含有するCH
2Cl
2(60mL)とTHF(6mL)の混合物に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.62mL、460mg、3.56mmol)を添加し、その混合物を氷浴内で冷却した。CH
2Cl
2(7mL)中のトリフルオロ酢酸無水物(0.22mL、370mg、1.3mmol)の溶液を添加し、その溶液を氷浴内で2時間攪拌した。その反応混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、1NのHCl水溶液、NaHCO
3飽和水溶液、そしてNaCl飽和水溶液(それぞれ50mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させた。CH
2Cl
2中7〜60%のEtOAcで溶離する、シリカゲルでのフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによってその粗製生成物を精製して、786mgの生成物を薄黄褐色の固体として得た。MS:m/z=958.5(M+1)。
段階B:
上の段階Aにおいて合成した化合物(786mg、0.819mmol)をメタノール(33mL)および炭素担持10%パラジウム(78mg)と共に攪拌し、その後、ジエチルアミン(0.400mL、283mg、3.87mmol)を添加した。多くの溶けていない出発原料を含有する、得られた懸濁液を、水素雰囲気下で一晩攪拌した。その後、その混合物をCeliteのプラグに通して濾過し、触媒をエタノールですすぎ、濾液を蒸発させた。その粗製生成物を、54mgの出発原料から同様に得た材料と併せ、EtOAc(75mL)とNaHCO
3飽和水溶液(20mL)とで分配した。有機層は、追加のNaHCO
3飽和水溶液(2×20mL)およびNaCl飽和水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させて、503mgの薄黄褐色の脆性ガラスを得た。MS:m/z=598.8(M+1)。
段階C:
この反応のためのカップリング条件は実施例7において説明したものに類似している。上の段階Bにおいて合成した化合物がアミン反応体として役立ち、および(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸を(S)−マンデル酸の代わりに使用した。MS:m/z=699.2(M+1)。
[実施例92]
実施例91の段階Bにおいて合成した化合物(31mg、0.052mmol)を、HOBt(8.1mg、0.060mmol)および2−エチル−2−ヒドロキシ酪酸(7.9mg、0.060mmol)と共に、DMF(1.0mL)に溶解した。多少の3Aモレキュラー・シーブ・ペレットを添加し、その後、EDC(13.5mg、0.071mmol)を添加し、その混合物を室温で一晩攪拌した。その後、その反応混合物をEtOAc(25mL)に入れて希釈し、1NのHCl水溶液、NaHCO
3飽和水溶液、そしてNaCl飽和水溶液(それぞれ10mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、デカントし、蒸発させた。CH
2Cl
2中20%のEtOAcで溶離する、シリカゲルでのフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによる精製によって、生成物を16mgの淡黄褐色の粉末として得た。MS:m/z=713.2(M+1)。
[実施例93]
化学式:C31H33ClN4O7
正確な質量:608.20;分子量:609.07
[実施例94]
化学式:C31H36N4O6
正確な質量:560.26;分子量:560.64
[実施例95]
この化合物は、実施例71の段階Dからの副生成物として単離した。MS:m/z=689.8(M+1)。
[実施例96]
追加の化合物
構造的に類似した化合物について本明細書に記載する方法により、表1に示す化合物を調製する。
[実施例97]
細胞生存率アッセイプロトコル
当業者に公知の標準的なプロトコルを用いて、細胞生存率アッセイを実行した。細胞を96ウエルプレートに、1ウエルにつき3,000〜10,000細胞の密度でプレーティングした。24時間後、細胞を漸増濃度(1nM〜1μM)の試験化合物で処理した。さらに48時間後、CELL−TITER−GLO(登録商標)試薬(Promega)を、その製造業者によって提供されたプロトコルに従って使用して、細胞生存を測定した。IC50値を、細胞集団の50%を死滅させる試験化合物の濃度として決定した。
[実施例98]
代表的生物学的データ
実施例97において説明したプロトコルに従って生成される細胞生存率データを、A2058およびU937細胞において代表化合物について生成させた。データを下の表2に提供する。
合成ジアゾンアミド類似体(「化合物J」)を参照化合物として使用した。化合物Jは、構造:
を有する。
[実施例99]
細胞プロファイリングデータ
実施例46の化合物を、様々な起源に由来する腫瘍細胞株においてプロファイルした。データを表3に提供する。
[実施例100]
異種移植腫瘍モデル
実施例73の化合物を、週齢5〜6のHarlan Athymic Nude−FoxnlnuマウスのHCT116ヒト結腸癌異種移植腫瘍モデルおよびMiapaca膵臓癌異種移植腫瘍モデルにおいて試験した。
プロトコル:
腫瘍細胞の調製
1.腫瘍細胞を完全PRMI培地で培養し、一切の汚染を排除した。
2.細胞が70〜80%集密になったら、培地を除去し、無血清培地で洗浄し、トリプシン処理し、回収し、遠心分離機によって3回、無血清培地で洗浄した。最終洗浄後、細胞をカウントし、容量での比率1:1でマトリゲルと混合した。200μLが注射1回あたりの必要細胞数を含有する量に細胞を懸濁させた。
注射の準備
1.マウスの接種領域をヨード溶液およびエタノールで清浄にし、滅菌する。
2.1cc注射器に細胞をとる。
3.腫瘍細胞(1×107)をマウスの下側腹部に皮下(s.c.)注射する。
4.腫瘍のサイズが200〜300mm3に達したら、1群あたりマウス5匹の治療群にマウスをランダムに割り当てる。
5.週2回、マウスの計量し、ノギスを使用して腫瘍を測定する。式:
体積(mm3)=(長さ×幅2)/2
により、mm3での腫瘍体積を計算する。
処置
実施例73の化合物を保存溶液としてクレモホール/エタノール(1:1)に20mg/mLで溶解し、その後、食塩水で2.5mg/mLに希釈した。その化合物およびビヒクル(食塩水中の6.25%クレモホール/6.25%エタノール)を、合計6回の治療のために、週3回、0.2mLの総量で静脈内投与した。
HCT116結腸癌異種移植モデルでは、腫瘍細胞注射後、第9、11、14、16、18および21日に、動物に注射した。
Miapaca膵臓癌異種移植モデルでは、腫瘍細胞注射後、第6、8、11、13、15および18日に、動物に注射した。
結果
HCT116結腸癌異種移植モデルにおける20mpkでの実施例73の活性を図1に提供する。
Miapaca膵臓癌異種移植モデルにおける20mpkでの実施例73の活性を図2に提供する。
本明細書において参照したそれぞれの特許、特許出願、公報および文献の全体が、参照により本明細書に援用されている。上記特許、特許出願、公報および文献の引用は、上記のもののいずれかが該当先行技術であるという承認ではなく、これらの公報または文献の内容または日付に関してのいかなる承認にもならない。
本発明の基本的態様を逸脱することなく、上述したことに修飾を施すことができる。1つ以上の具体的な実施形態を参照して相当詳細に本発明を説明したが、本出願に具体的に開示する実施形態に変更を施すことができながらも、これらの修飾および改善が本発明の範囲および精神の範囲内であることは、通常の当業者には理解されるであろう。