JP2011509423A - プレクトラム - Google Patents
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Abstract
本発明は、弦楽器を演奏するためのプレクトラムに関する。本プレクトラムは、楽器の演奏者の指(または親指)に対して固定可能なようになっており、本プレクトラムは、弦係合部分と指係合部分とを有する。指係合部分(またはその少なくとも一部)は、渦巻き形態を有し、この渦巻き形態は、渦巻きが指(または親指)の端部または一部分の周りに少なくとも部分的に巻き付いている状態でプレクトラムが位置付けられた場合、プレクトラムを指(または親指)に対して固定できる。
【選択図】図6
【選択図】図6
Description
本発明は、弦楽器を演奏するためのプレクトラムに関する。
プレクトラム(「ピック」としても一般的に知られている)は、ギター、バンジョー、ウクレレ、および演奏者が手で弦を扱う他の同様の弦楽器などの弦楽器を演奏するために使用される道具である。プレクトラムは、一連の非西洋の楽器を演奏するためにも使用される。
一般的に使用されるプレクトラムの一形態は、図1に例示されている。図1のプレクトラムのようなプレクトラムは典型的には、薄い平坦なプラスチックのアイテムであり、それらアイテムは、2つの丸みを帯びた角および1つの比較的鋭利な角(i)を備えた曲線状の略三角形状を有する。使用の際、このようなプレクトラムは、プレクトラムの鋭利な角(i)が突き出ている状態で(例えば図2〜図3に示されているように)親指と1本以上の指との間で把持され、そのため演奏者は、その突き出ている角を使用して楽器を「つま弾く」、あるいは個々の弦を次々にかき鳴らすことができ、このことは当業者および/またはこの分野に精通している者により十分に理解されるであろう。
図1に例示されているプレクトラムのようなプレクトラムに関連する問題点の1つは、そのようなプレクトラムは、演奏者の指/手が熱または楽器演奏の運動により汗をかいた場合に特に、滑りやすくなりうるということである。演奏者の指/手はまた、演奏中に疲労したり、あるいは痙攣を起こしたりして、プレクトラムの把持を緩ませることがありうる。これらのことは、演奏者の把持中にプレクトラムがよじれたり、あるいは動いたりすることをもたらし、そのためプレクトラムがもはや楽器の弦に係合するように正しく位置合わせされていないことになりうる。さらに、プレクトラムは、演奏者の把持から完全に滑り落ちることもあり得、床に落ちたり楽器の中に落ちたりするなどし得る。このような状況において、演奏者は、演奏を続ける前に、演奏を止めてプレクトラムの位置を変えたりプレクトラムを回収したりしなければならない。このことが引き起こす、演奏者が曲の途中である場合の中断、特に録音またはライブ・パフォーマンスの途中の場合の中断は、その音楽を台無しにしたり、その音楽を損なったりすることがあり得、したがって非常に望ましくないものである。
図1に示されているプレクトラムのようなプレクトラムに関連する別の問題点は、演奏者が演奏者の親指と少なくとも1本の他の指との間で把持されなければならないという方法に関する。プレクトラムは概してこのような方法で把持されなければならないので、演奏者の他の指は概して、楽器の弦を別々にかき鳴らしたり弦に別々に係合したりするためにプレクトラムから独立して働くことができるような方法において、少なくとも幾分か制限される。
前述の不利点を克服するのを助けるプレクトラムを提供する試みがなされてきた。そのようなプレクトラムの2つの例が、それぞれ図4および図5に例示されている。図4および図5に例示されたプレクトラムは、演奏者の指のうちの1本(あるいは図4のプレクトラムの場合は親指)に取り付けるように設計されている。図4のプレクトラムは、環状部(ii)が親指の端部の周りに延びてプレクトラムをそこの所定の位置に保ち、突き出ている「ピック」部分(iii)が演奏者の親指に対して略垂直に延びて弦に係合するように、演奏者の親指の端部上にスライドするように設計されている。図5のプレクトラムは、演奏者の指のうちの1本の端部上にスライドするように設計されている。演奏者は時折、「フィンガーピッキング」(当業者および/またはこの分野に精通している者は分かるであろう演奏スタイル)を援助するために図5のプレクトラムのようなプレクトラムを2本以上の指に同時に装着することもできる。
図4および図5に示されているプレクトラムのようなプレクトラムは、前述された問題点に対処するのに幾分助けとなってきたが、問題点は依然として残っている。例えば、それぞれの場合において、プレクトラムは、演奏者の親指/指に十分にしっかりと付着しない場合があり、したがって所定の位置からよじれたり、あるいは位置がずれたり落下したりする場合がある。したがって代替のプレクトラムが望ましいのは明白であろう。
本発明の目的は、前述された問題点の1つ以上を克服するのを助けるプレクトラムを提供すること、あるいは上記に記載された種類のプレクトラムに対する有用または商業的な代替物を市場に少なくとも提供することである。
既存のプレクトラム設計、それらの使用、または関連する問題点に対する本明細書におけるいかなる参照が、いかなるプレクトラム、プレクトラム設計、またはそれらの使用、またはそれらに関連する問題点が、あるいはいかなるの他の情報(文献または別のもの)でさえ、オーストラリアまたはいかなる他の国で、これまで共通の一般的な知識または容認された先行技術である/であったと、承認または容認するものではないということが、明白に理解されるであろう。
一形態において、本発明は、弦楽器を演奏するためのプレクトラムに広く属するもので、プレクトラムは、楽器の演奏者の指(または親指)に対して固定可能なようになっており、プレクトラムは、弦係合部分と指係合部分とを有し、それにより指係合部分(または少なくともその一部)は、渦巻き形態を有し、渦巻きが指(または親指)の端部または一部分の周りに少なくとも部分的に巻き付く状態でプレクトラムが位置付けられた場合、この渦巻き形態は、指(または親指)に対してプレクトラムを固定することができ、弦係合部分は、プレクトラムがそのように位置付けられ場合、指(または親指)から突き出ることができる。
本発明によるプレクトラムは、演奏者によって人差し指上に装着されることが多いであろうと予想される。しかしながら、このことに限定することが含意されるものではまったくなく、本発明によるプレクトラムは、あらゆる指または親指上に装着されうる。さらに、演奏者は、本発明によるプレクトラムを複数の指上(すなわち指および親指)に同時に装着するように選択することもできる。本発明によるプレクトラムは、演奏者の左手または右手に適切に使用されうる(したがって、左利きの演奏者および右利きの演奏者により使用可能でありうる)。本発明によるプレクトラムはまた、左手および右手の指(または親指)の間で交換可能に使用可能でありうる。
指係合部分の渦巻き形態、およびその渦巻き形態が演奏者の指の端部または一部分の周りに巻き付くことができる方法が、このプレクトラムを他のプレクトラム設計よりもよりしっかりと演奏者の指に保たれるということが見出される。したがって、このことは、プレクトラムが演奏者の把持中に落下したり位置がずれたりするといった、プレクトラムに関連する上記に記載された問題点を減らすのを助けることもできる。特に、本発明は、演奏している間にプレクトラムが演奏者の指に対して回転する可能性、またはプレクトラムが演奏者によって落とされる可能性を防ぐか、または少なくとも有意に減ずることもできる。本発明によるプレクトラムはまた、演奏者の個々の指の機敏さに対してほとんど妨害を与えないであろう。すなわち、本プレクトラムは、このプレクトラムが固定されている指(すなわちプレクトラムがこの指に対して固定されている)、あるいは他の指の、自由な使用を妨害しないだろう。
いくつかの実施形態により、プレクトラムは、プレクトラムが固定されている指(すなわちプレクトラムがこの指に対して固定されている)の指球(すなわち指紋を有する指の部分)に隣接する位置から弦係合部分が突き出ることができるように、構成されることもできる。上記で述べたように、プレクトラムは多くの場合、演奏者によって人差し指上に装着されることもできる。これらの状況において、また弦係合部分が演奏者の指の指球に隣接する位置から突き出ることができるようにプレクトラムが構成されている場合、このことにより、弦係合部分(またはその一部分)が演奏者の指と親指との間で強く摘まれてプレクトラムが演奏者の人差し指と親指との間で保持されているかのように、プレクトラムが使用されうることができる。ゆえに、図1〜図3に示されているプレクトラムのようなプレクトラムを使用するのに慣れた演奏者が、かれらの演奏スタイルまたは演奏技術を(仮にあったとしても)それほど変える必要がないであろう。なお、本発明のプレクトラムを持ってすれば、演奏者の手/指が滑りやすくなったり、演奏者の把持が緩んだりしても、あるいはたとえ演奏者の親指と指とが離れたとしても、プレクトラムが落下したり位置がずれたりしないであろう。
本プレクトラムはまた、人差し指以外の指上(例えば限定することなく、中指または薬指など)に装着されて、その指の指球と演奏者の親指との間で弦係合部分(またはその一部分)が強く摘まれ、そのためプレクトラムが、先の段落で記載されたのと同様の別の方法でも使用されうる。
代替的に、本発明によるプレクトラムは、指と親指との間で強く摘まれる必要がない。ゆえに、プレクトラムは、一本の指上または親指上に位置付けられ得、そして、プレクトラムのいかなる部分も、演奏者の手の複数の指の間/指−親指の間で強く摘まれることなく、楽器の弦をかき鳴らすまたはつま弾くために使用されうる。
加えて、プレクトラムのいくつかの代替的実施形態は、このプレクトラムが固定されている指(すなわちプレクトラムがこの指に対して固定されている)の(指球とは反対側の)指爪に隣接する位置から弦係合部分が突き出ることができるように構成されうる。これにより、弦係合部分が実際上、演奏者の指爪の延長部を形成することができうる。この構成のプレクトラムは、このプレクトラムが一本の指上または親指上に位置付けられて、プレクトラムのいかなる部分も、演奏者の手の複数の指の間/指−親指の間で強く摘まれることなく、楽器の弦をかき鳴らすまたはつま弾くために使用される演奏スタイルに、役立てられる。いくつかの場合では、演奏者は選択的に、この種類のプレクトラムを複数の指上に同時に装着することもでき、このことは、「フィンガーピッキング」などの演奏スタイルに、そしてフィンガーピッキングが主流の演奏スタイルである、例えばバンジョーまたはフラメンコ・ギターを演奏するのに、特に有用でありうる。
本発明の異なる実施形態が、演奏者の指球に隣接する位置から突き出るようになっている弦係合部分を備えるように、あるいは代替的に演奏者の指爪に隣接する位置から突き出るようになっている弦係合部分を備えるように、構成されうるが、本発明はこれらの代替形態に必ずしも限定されない。実際に、本発明によるプレクトラムは、弦係合部分が演奏者の指/親指に対してある範囲の角度で指/親指から突き出るように、演奏者の指/親指上に(または指/親指に対して)位置付け可能でありうる(または位置付け可能に構成されうる)。このことにより(指/親指に対する弦係合部分の角度によって)演奏者は異なる音響をだすことができるであろうし、また、異なる演奏スタイル/技術を好む演奏者によってプレクトラムが使用されることもできるであろう。例として、本発明によるプレクトラムは、プレクトラムが固定されている指の側面(すなわちプレクトラムがその側面に対して固定されている)に隣接する位置から弦係合部分が突き出す、すなわち指爪の面に対しておおよそ垂直な面内に突き出すように、装着されうることが可能である。別の例としては、本発明のプレクトラムは、弦係合部分が指の周りでわずかに回転されることより指球から少しずれるように装着されうることが可能である。このことによりプレクトラムは斜めに弦を打ち鳴らすことができる。
上記で述べたように、本発明によるプレクトラムは、指に対して固定可能なように構成されている。このプレクトラムは典型的には、演奏者の指の端部上、またはその端部に向けて装着されるであろうと予想される。しかしながら、この点に限定することが含意されるものではなく、本発明の実施形態は、演奏者の指のいくつかの他の部分、例えば指の中程まで(中節骨の近位または近位指節間関節)などに固定するように働くこともできることが可能である。そのような実施形態では、連結部分、またはいくつかの他の手段が提供されて、使用の際、指/親指の端部の近傍に概して位置付けられるであろう弦係合部分に指係合部分を連結することができる。
上記でも説明されたように、指係合部分(または少なくともその一部)は、渦巻き形態を有する。適切には、指係合部分(渦巻き形態を有する少なくともその一部)は形状が、略らせんになるであろう。前記指係合部分/その一部はまた、コイル形状とも説述されうる。このコイル/らせんは概して、少なくとも1つの完全な(すなわち360度の)らせん巻きを含むであろう。言い換えれば、使用の際、指係合部分は概して、少なくとも1回は演奏者の指の周りに延びる少なくとも一部を有するであろう(らせん形状は指の周りにまさに閉ループ的に巻き付くのではなく、むしろ指に沿って巻き付くことになると認識されるであろうが)。このらせん形状は、本発明によって提供される利点のいくつかに貢献することもできる。例えば、らせん形状のために、指係合部分は、閉ループ的に指の周りに延びるプレクトラムよりも演奏者の指のより多くの量、すなわちより広い表面積と接触することもできる。演奏者の指のより多くの量、すなわちより広い表面積と接触することにより、本発明のプレクトラムは、(摩擦などにより)プレクトラムを所定の位置に維持するためにより優れた能力を提供することもできる。この保持能力を増すために、多くの実施形態における指係合部分は、1回より多い完全ならせん巻きを形成するコイル/らせんを含むこともできると予想される。いくつかの好適な実施形態は、約1回半から3回の完全ならせん巻きを有することもできるが、他の回数の巻き(または部分的な巻き)も可能である。
指係合部分(または渦巻き形態を有するその指係合部分の少なくとも一部)は、左巻きまたは右巻きの渦巻きであってもよい(すなわちコイル形状は、プレクトラムの一端から見たときに時計回りまたは反時計回りに延びていてもよい)。プレクトラムは、左巻きの渦巻きバージョン、および右巻きの渦巻きバージョンに作られてもよく、演奏者は、個人的な好みまたは所望される異なる使用などにより一方または他方を選ぶこともできる(あるいは、ことによると両方を選択)。指係合部分の渦巻き形態(またはその一部)は、単純なコイル/らせんである必要はないこともまた注目されるべきである。例えば、さらに以下で説明されるようにジグザグの渦巻き形状を含むこともできる。それでも、指係合部分(またはその少なくとも一部)は、全体的には渦巻き/コイル/らせんの形態を有するべきである。
渦巻き形態は、渦巻きが少なくとも部分的に指の端部または一部分の周りに巻き付いている状態でプレクトラムが位置付けられた場合、指に対してプレクトラムを固定するようになっている。適切には、渦巻きが指の端部または一部分の周りに少なくとも部分的に巻き付いているまたは取り巻いているように渦巻き部分を位置付けることは、指の端部/一部分を覆うようにフィットするために、渦巻き部分を(渦巻きの主要な長さ方向軸に対して)放射方向外側に曲げさせることもできる。この弾力的可撓性により、渦巻き部分は所定の位置にある場合、指の周りを締め付け、それにより、さらにプレクトラムを所定の位置に固定するのに役立つこともできる。フィットの圧迫感は、コイルの直径と比較して指がどのくらい大きいかにより変わることもあることは認識されるであろう。したがって適切には、本発明によるプレクトラムは、フィット感の圧迫感を考慮すると、異なる指の寸法または異なる好みを有する演奏者に合わせるために様々な寸法に(すなわち様々なコイル直径を有するように)作られうる。また、演奏者の他の指などと比較して演奏者の親指上にフィットさせるためには、より大きな寸法がしばしば必要とされうることも認識されるであろう。
プレクトラムを演奏者の指上に位置付ける(これは典型的には渦巻き部分を指の端部上にスライドさせることによって行われる)のに役立つように、渦巻きはわずかに先細の渦巻きであってもよい。言い換えれば、渦巻きの巻きの直径は、渦巻きの一端から他端へわずかに増していてもよい。適切には、渦巻きの巻きは、演奏者の指上に最初にスライドする、弦係合部分の端部に向かうにつれて広がることもできる。適切には、これは、弦係合部分から見て渦巻きの反対側の端部であることもできる。ゆえに、演奏者の指上に初めにスライドする渦巻き部分の端部は、わずかに広い巻きを有することができ、このことは初めにプレクトラムを指上にスライドする際の容易さを増すことができる。プレクトラムが指上にさらにスライドするにつれて、指上を移動するコイル巻きは直径が、漸次的により小さく(したがってよりきつく)なって、それによりきつい固定フィットを提供することができる。渦巻きの先細形状はまた、指先から後退するにつれ、多くの場合、幅/寸法がわずかに増す大抵の指にプレクトラムがフィットするのを助けることもできる。渦巻き部分が様々な度合いの先細を有する様々なバージョンのプレクトラムが作られうることも可能である。言い換えれば、渦巻きの一端と他端との間のコイル巻きの寸法が大なり小なり差異がある種々のバージョンが作られうる。
本発明によるプレクトラムは、任意の適切な製造/生産技術を使用して、任意の適切な材料から作られうる。プレクトラムは典型的には(熱可塑性物質を含む)プラスチックまたは金属から作られ、そのため、このプレクトラムは、弦係合部分として十分に硬く、楽器の弦をかき鳴らす/つま弾くために使用される場合に過度に曲がる/撓むことがないであろう。しかしながら、他の材料が使用されえないということではない。例えば、木材または骨、あるいは繊維強化複合材またはグラファイトなどといった他のより高機能の材料が使用されうることが可能である。本発明によるプレクトラムは、異なる材料から作られ共に接着/接合/連結されている、プレクトラムの異なる部分を有しうることも可能である。
本発明によるプレクトラムはまた、ある範囲の剛性で作られうる。異なる剛性は、異なる音響をだすため、あるいは異なる演奏スタイルまたは好みのため、異なる演奏者によって好まれうる。プレクトラムは、少なくとも「柔軟」、「中位」、および「堅固」バージョンで製造されうることが予想されるが、広範囲でより種々の範囲の剛性が作られうることが可能である。プレクトラムが作られる材料の厚みを変えることによって、あるいは異なる剛性のプレクトラムのために異なる材料を使用することによって(あるいは両方の組み合わせによって)、異なる剛性は達成されうる。一例として、比較的より硬いプレクトラムを作り出すために金属が使用され得、比較的より硬くないプレクトラムを作り出すためにプラスチックが使用され得ることが可能である。別の例では、プラスチック製プレクトラム間での異なる剛性が、異なるプラスチックまたは種々の材料特性を有するプラスチック混合物を使用することにより達成されうる。
本プレクトラムは、異なる色で提供されうる。いくつかの例では、色は、例えば異なる寸法のプレクトラム、異なる剛性のプレクトラムなど、異なるプレクトラム間で区別するために使用されうる。代替的に、プレクトラムは単に、演奏者が最も視覚的に魅力があると判断したプレクトラムを選択することができるように、異なる色で提供されうる。
本発明のいくつかの好適な実施形態では、プレクトラムは、大まかにすなわちほぼ蛇に似せることもできる。これらの実施形態では、プレクトラムのコイル状の指係合部分が蛇の胴体に似ていてもよく、プレクトラムの弦係合部分が蛇の頭部として識別できてもよい。このことは、本発明によるプレクトラムに追加の魅力を、特にロックギタリストなどに対する魅力を与えるのを助けることもできる。プレクトラムの表面は、蛇の皮に似せるため、または蛇の皮を表現するために(鋳造またはいくつかの他の技術により)風合いを持たせてもよく、弦係合部分は、蛇の頭部に似せるように、または蛇の頭部を表現するように成形されてもよく、ことによると、目、鼻孔などの外見を与える特徴部を備えることもできる。想像上、渦巻き部分が演奏者の指の周りを締め付ける様子は、いくつかの蛇が獲物の周りに巻きついて獲物を圧迫している様子に結び付けられうる。また、弦係合部分(またはその一部)が蛇の頭部のように成形されるならば、したがって鼻/鼻孔の領域は、従来のプレクトラムの鋭利な角と同様に成形されうる。プレクトラムの縁は、装着の快適さを増すために丸みを帯びさせるか、または面取りされてもよい。
図1〜図5は、上記の背景の項で説明された先行技術のプレクトラムに関する。図6〜図11は、本発明のいくつかの実施形態を例示している。しかしながら、以下で与えられる図6〜図11の実施形態の説明は、単に例示および例のためのもので、本発明は必ずしも説明された特定の特徴に限定されたり、それら特徴により限定されたりするものではない、ということが明らかに理解されるであろう。
図6〜図8に例示された実施形態によるプレクトラムは、参照番号10で全体が指定されている。プレクトラム10は、指係合部分12と(「フィンガー・ラップ」とも呼ばれるであろう)、弦係合部分14と(「ピック・エンド」とも呼ばれるであろう)、を含む。この実施形態では、プレクトラム10は、熱可塑性物質から作られ、フィンガー・ラップ12は、ピック・エンド14と一体的に形成される。したがって、プレクトラムは、一体の「単一片」構造を有する。
フィンガー・ラップ12は、約2と4分の1回のらせん巻きを含むらせん形状を有する。らせんは、巻きの直径がピック・エンド14から離れるにつれてわずかに増すが、巻きは、らせんの主要な長さ方向軸15を中心に略同心のままであるような、先細のらせんである。その結果として、フィンガー・ラップ12の自由端の近傍における巻きの直径(例えばD1)は、フィンガー・ラップ12がピック・エンド14に連結する箇所の近傍における巻きの直径(例えばD2)よりも大きい。このことは、プレクトラム10が演奏者の指/親指の端部上に容易にスライドすることができるよう助けることができ、また(上記に記載されたように)しっかりとしたフィットを提供するのを助けることもできる。
プレクトラム10のピック・エンド14は、図1に示されている先行技術のプレクトラムと同様の全体形状を有し、少なくともピック・エンド14の先端すなわち鼻部分16の限りでは、楽器の弦と係合するようになっている比較的鋭利な角を形成している。
図9は、本発明の別の実施形態によるプレクトラムを示している。図9のプレクトラムは、参照番号10’で全体が指定されている。プレクトラム10’は設計および構成が、いくつかの小さな相違を除いて、たった今説明されたプレクトラム10と同様である。
図9のプレクトラム10’と図6〜図8のプレクトラム10との間の相違の1つは、プレクトラム10’のフィンガー・ラップ12’は、約1回半のらせん巻きのみを含むことである。別の相違は、プレクトラム10’では、ピック・エンド14’の形状が、図1に示されている先行技術のプレクトラムの形状にさらにいっそう酷似していることである(すなわち、ピック・エンド14’は、2つの丸みを帯びた角、および楽器の弦に係合するための1つの比較的より鋭利な先頭角を備えた、さらにいっそう三角形の形状を有する)。
プレクトラム10(図6〜図8)およびプレクトラム10’(図9)の双方とも、ピック・エンド14、14’が、演奏者の指(あるいは演奏者の親指に装着される場合は親指)の指球の近傍に位置付けられ、その指球から突き出る状態で装着されるように構成されている。図10は、演奏者の人差し指上に位置付けられたプレクトラム10’を示すことによりこのことを例示している。実際は図10では、プレクトラム10’は、ピック・エンド14’が演奏者の人差し指と親指との間で把持された状態で保持されている。したがって、図10を図3と比較することにより、演奏者は、かれらの演奏スタイルまたは技術を著しく変えることなくプレクトラム10’を使用することができるということが認識されうる。しかしながら、プレクトラム10’は代替的に、人差し指上(または別の指)に装着され得、プレクトラム10’のいかなる部分も前記指と演奏者の親指との間で把持されることなく、楽器の弦をかき鳴らすまたはつま弾くために使用されうることもまた認識されるであろう。
図11は、本発明のいくつかの代替実施形態において、場合によりフィンガー・ラップのために使用されうる「ジグザグ」コイル形状を例示している。図11の波状の実線は、ある長さの金属製ワイヤまたは類似物を表現していると考えることができ、このある長さの金属製ワイヤまたは類似物は、曲げられている、すなわち一連のジグザグ状の正弦曲線として形成されており、そのうえ、全体的にらせん形状を形成するために中心長さ方向軸(A)の周りを取り巻いている。図11では、種々の点線および陰影が、単に全体的ならせん形状を例示するのを助けるためだけに含まれている。
図11の目的は、指係合部分(または少なくともその一部)が本発明では渦巻き形態を有するが、渦巻きは単純すなわち簡単な渦巻きである必要はない、ということを例示するためのものである。単なる単純な渦巻きを含まないが、依然として全体として渦巻き形態を有する他の形態もまた、可能である(そして図11は単なるこの可能性のある一例にすぎない)。
当業者および/またはこの分野に精通している者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、説明された実施形態に種々の他の変更および/または改変がなされうることを認識するであろう。
Claims (20)
- 弦楽器を演奏するためのプレクトラムであって、前記プレクトラムは楽器の演奏者の指または親指に対して固定可能なようになっているプレクトラムであり、
弦係合部分と、
指係合部分と、
を有するプレクトラムであって、
それにより前記指係合部分またはその一部は、渦巻き形態を有し、前記渦巻き形態は、前記渦巻きが少なくとも部分的に前記指または親指の端部または一部分の周りに巻き付いている状態で前記プレクトラムが位置付けられている場合に、前記指または親指に対して前記プレクトラムを固定することができ、
前記弦係合部分は、前記プレクトラムがそのように位置付けられている場合、前記指または親指から突き出ることができる、プレクトラム。 - 前記弦係合部分は、前記指の指球または前記親指の指球に隣接する位置から突き出ることができ、前記プレクトラムは、前記指球に固定される、あるいは前記指球に対して固定されるように構成されている、請求項1に記載のプレクトラム。
- 前記弦係合部分は、前記指の指爪または前記親指の指爪に隣接する位置から突き出ることができ、前記プレクトラムは、前記指爪に固定される、あるいは前記指爪に対して固定されるように構成されている、請求項1に記載のプレクトラム。
- 前記弦係合部分が前記指/親指から突き出る角度は、使用の際、選択的に変えることができる、請求項1に記載のプレクトラム。
- 前記指/親指の前記端部上に、または前記端部に向けて装着されるようになっている、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のプレクトラム。
- 前記渦巻き形態を有する、前記指係合部分または少なくともその一部は、略らせん形状を有する、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のプレクトラム。
- 前記らせん形状は、少なくとも1回の完全ならせん巻きを含む、請求項6に記載のプレクトラム。
- 1回半と3回との間のらせん巻きを含む、請求項7に記載のプレクトラム。
- 使用の際、前記渦巻きが前記指または親指の端部または一部分の周りに少なくとも部分的に巻き付く場合、これにより前記渦巻きが放射方向外側に曲がり、この弾力的可撓性により前記渦巻き部分が前記指または親指の周りを締め付ける、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載のプレクトラム。
- 前記渦巻きは、先細の渦巻きである、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のプレクトラム。
- 前記渦巻き形態を有する前記指係合部分またはその一部は、前記弦係合部分により近い近位端、および前記近位端とは反対側の遠位端を有し、前記先細の渦巻きの前記巻きは、前記近位端から前記遠位端へ向けて広がっている、請求項10に記載のプレクトラム。
- 以下の物質、すなわちプラスチック、金属、木材、骨、繊維強化複合材またはグラファイトのうちのいずれか1つあるいはこれらの組み合わせから作られる、請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のプレクトラム。
- 一連のプレクトラムであって、前記一連の全てのプレクトラムは、請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載されており、
前記一連のいくつかのプレクトラムにおいて、渦巻き形態を有する指係合部分またはその一部は、左巻きの渦巻きであり、前記一連の他のプレクトラムにおいて、渦巻き形態を有する指係合部分またはその一部は、右巻きの渦巻きである、一連のプレクトラム。 - 一連のプレクトラムであって、前記一連の全てのプレクトラムは、請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載されており、
前記一連には、異なる寸法のプレクトラムが含まれ、前記異なる寸法は、異なるらせん直径を有する、一連のプレクトラム。 - 一連のプレクトラムであって、前記一連の全てのプレクトラムは、請求項10または11に記載されており、
前記一連の異なるプレクトラムは、異なる度合いの先細の渦巻きを有する、一連のプレクトラム。 - 一連のプレクトラムであって、前記一連の全てのプレクトラムは、請求項1〜12に記載されており、
前記一連の異なるプレクトラムは、異なる剛性を有する、一連のプレクトラム。 - 前記一連には、柔軟、中位、および堅固の剛性のプレクトラムが含まれる、請求項16に記載の一連のプレクトラム。
- 前記異なる剛性は、異なる剛性のプレクトラムのために異なる厚みの材料を使用することによって、あるいは異なる剛性のプレクトラムのために異なる材料を使用することによって達成される、請求項16または17に記載の一連のプレクトラム。
- 前記一連には、異なる色のプレクトラムが含まれ、前記色は、異なる寸法、異なる剛性、または異なるスタイルのプレクトラム間で区別を立てる、請求項13〜18のうちのいずれか1項に記載の一連のプレクトラム。
- 実質的には図5〜図11を参照して以下で説明される、プレクトラム。
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