JP2011506398A - プラスモディウム感染症の予防及び治療のための化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野
本発明は、プラスモディウム感染症を予防及び治療するために有用な化合物及び方法に関する。
本発明は、プラスモディウム感染症を予防及び治療するために有用な化合物及び方法に関する。
発明の背景
多剤耐性アラリア寄生虫の世界的な蔓延は、赤血球における寄生虫の繁殖を標的する新規化学療法剤の緊急な要求を招いている(プロセスは病態の原因となる)。このことは、明らかな要求であり、マラリア研究に利用できるほとんどの資材はこの目的に特に新規のアルテミシニン系併用療法(ACT)について捧げられている。しかしながら、血液中での繁殖の前に、寄生虫は肝臓で繁殖を経る。
多剤耐性アラリア寄生虫の世界的な蔓延は、赤血球における寄生虫の繁殖を標的する新規化学療法剤の緊急な要求を招いている(プロセスは病態の原因となる)。このことは、明らかな要求であり、マラリア研究に利用できるほとんどの資材はこの目的に特に新規のアルテミシニン系併用療法(ACT)について捧げられている。しかしながら、血液中での繁殖の前に、寄生虫は肝臓で繁殖を経る。
実際にマラリア寄生虫は、媒介昆虫、蚊、及び脊椎宿主を含む複雑なライフサイクルを示す。4つの主なプラスモディウム種、P. ファルシパルム(P. falciparum)、P. ビバックス(P. vivax)、P. オバール(P. ovale)及びP. マラリアエ(P. malariae)は、ヒトに感染する。4つの種のすべては、小さな変化があるが類似のライフサイクルを示す。
給餌蚊の唾液でスポロゾイトが注入されと、感染が始まる。スポロゾイトは、肝臓に運ばれ、肝細胞に侵入する。細胞倍寄生虫は、肝細胞内の赤血球外の増員生殖として知られている無性複製を経る。このステージは、肝臓(肝細胞)ステージとしても又は前赤内(PE)期としても知られている。赤血球外の増員生殖は、血流に放出されるメロゾイトの産生において頂点に達する。P. ビバックス(P. vivax)及びP. オバール(P. ovale)由来の肝臓ステージ寄生虫のある割合は、直ちに無性複製を経る代わりに休止期間を経る。ピプノゾイトは、一次感染後、数週間から数ケ月(又は数年)再活性化し、再発の原因となる。
メロゾイトは、赤血球に侵入し、よって赤血球発達期又は血液ステージを開始し、寄生虫が増える栄養期間を経る。初期のトロホゾイトは、通常、その形態のために「環状」と称される。トロホゾイトの増殖は、宿主細胞質の摂取及びヘモグロビンのアミノ酸へのタンパク質分解を含む活性代謝を伴う。栄養期の最後は、分裂体をもたらすサイトカインなしの核分割の多数ラウンドを特徴とする。成熟分裂体由来のメロゾイト芽は、セグメンタとも称され、メロゾイトは感染赤血球の破裂後に放出される。赤血球の侵入は、血液ステージ複製サイクルの別のラウンドを再開する。
血液ステージは、マラリアに関連する病態の原因である。無性複製サイクルに代わるものとして、寄生虫は、小配偶体又は雄性生殖母体として知られる有性形態に識別され得る。配偶体は、赤血球を満たす大きな寄生虫でるが、1つの核を含むにすぎない。媒介蚊による配偶体の摂取は、配偶子形成を誘導し、宿主の赤血球から脱け出す。鞭毛放出として知られているプロセスによって形成された小配偶体は、雄性生殖体の発達を促して接合子を導くことになる鞭毛状形態である。
接合体は、腸管上皮細胞を通過する運動性オオキネートに発達し、接合子嚢に発達する。接合子嚢は、無性複製の対数のラウンドを経て、スポロゾイトの産生をもたらす。成熟接合子嚢の破裂は、スポロゾイトを、蚊の血体腔(すなわち、体腔)に放出する。スポロゾイトは、唾液腺に移動し、唾液腺を侵入し、よってそのライフサイクルを完了する。
したがって、感染の前赤内(PE)期の完全な阻害は、正に偶然の予防を提供し、それによって血液ステージ感染及びその関連のある臨床的兆候は、総合的に抑制されることになる。更に、P. ビバックス及びP. オバールに関して、ピプノゾイトに対して活性な薬物は、感染症の完治を提供することになる。
しかし、薬物発見プログラムにおいて、抗-PEステージ活性のための規定のスクリーニングはほとんど行われない。これは、一部には、これらのステージは、臨床的に沈黙であるからであるが、主には、PE寄生虫に対するアクセスはコストがかかり、いくつかの研究室に限定されているからである。したがって、プラスモディウム肝臓ステージ寄生虫に対して効果的なヒト使用のための薬物の数は限定されている。
プリマキン、すなわち肝臓感染症を予防するために特別に開発された唯一の薬物の展開は、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠乏の人に投与した時に、関連する毒性、低いコンプライアンス及び高い溶血リスクによって削られてきた。この後者の問題はまた、現在臨床試験を供されている2つの関連した合成8-アミノキノリン、ブラキン (Valecha他, 2001) 及びタフェノキン (Walsh他, 2004) に影響を与えることになる。
葉酸代謝拮抗薬及びアトバクオンは、主に血液ステージ感染症を治療するために組み合わせて使用されるが、感染した肝細胞に対して活性であることが明らかになっている。しかし、前者に対する耐性寄生虫の高蔓延、及び耐性が後者に起こる容易性は、これらの薬物の予防的有用性を制限する。更に、これらの化合物は、ヒプノゾイトに対して活性であることは示されていなかった。
キニン、クロロキニン、メフロキン及びアルテミシニン-型化合物は、肝臓寄生虫に対してほとんど又はまったく効果を有さない。
他の化合物は、ヒトでの抗-前赤内期活性を有することがあるが(Neerja他, 2004; Singh他, 1998; Lindenthal他, 2005; Puri他, 1990, Guan他, 2005; Zhang他, 2005; Carraz他, 2006)、それらのいずれも今のところ臨床試験に達していない。
従って、プラスモディウム寄生虫の前赤内期活性を標的する傾向のある新規化合物についての要求が依然として存在する。
モネンシンは、ストレプトマイセス・シンナモネンシス(Streptomyces cinnamonensis)から単離された天燃の抗生物質である。モネンシンの2つの主な形態は、下記式:
のストレプトマイセス・シンナモネンシス、モネンシンA及びモネンシンBに記載される。
モネンシンは、ポリエーテルイオノフォア抗生物質の種類に属し、細胞膜を通過する、一価及び二価のカチオンとの仮大環状複合体を形成する。モネンシンA及びモネンシンAのメチルエーテル誘導体は、P. チャバウディ(P. chabaudi)及びP. ビンケイペテリ(P. vinckei petteri)寄生赤血球によって(すなわち、血液ステージのみを標的することによって)、感染したマウスを処置することが報告された (Gumila他, 1997)。
発明の説明
本発明は、モネンシンAがP. ヨエリ スポロゾイト(P. yoelii sporozoites)でチャレンジしたマウスにおけるマラリアの発症を抑制するという、本発明者らによる予測しない発見から生じている。
本発明は、モネンシンAがP. ヨエリ スポロゾイト(P. yoelii sporozoites)でチャレンジしたマウスにおけるマラリアの発症を抑制するという、本発明者らによる予測しない発見から生じている。
従って、本発明は、プラスモディウム寄生虫の前赤内期を阻害することによる、個体における該プラスモディウム寄生虫による感染症を予防又は治療するための医薬の製造のための、下記式(I):
[式中、
R1〜R12は、互いに独立に、H又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示し;
R13は、-OR、-NHR、-OCONHR、-OCOR14から成るリストより選ばれる基を示し、ここで、R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、5〜8個の炭素原子を有するアリール、5〜13個の炭素原子を有するアルキルアリール、5〜8個の炭素原子を有するハロアリール、5〜13個の炭素原子を有するアルキルハロアリール、及び5〜13個の炭素原子を有するハロアリールアルキルから成るリストより選ばれる基を示す。]
で表わされる少なくとも1つの化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用に関する。
R1〜R12は、互いに独立に、H又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示し;
R13は、-OR、-NHR、-OCONHR、-OCOR14から成るリストより選ばれる基を示し、ここで、R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、5〜8個の炭素原子を有するアリール、5〜13個の炭素原子を有するアルキルアリール、5〜8個の炭素原子を有するハロアリール、5〜13個の炭素原子を有するアルキルハロアリール、及び5〜13個の炭素原子を有するハロアリールアルキルから成るリストより選ばれる基を示す。]
で表わされる少なくとも1つの化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用に関する。
本発明はまた、プラスモディウム寄生虫の前赤内期を阻害することによる、個体におけるプラスモディウム寄生虫による感染症を予防又は治療するための方法であって、上で定義した式(I)の化合物の予防上又は治療上有効量が該個体に投与される、方法に関する。
本発明はまた、プラスモディウム寄生虫の前赤内期を阻害することによる、個体におけるプラスモディウム感染症による感染症の予防又は治療のための同時、別個の又は連続した使用のための組合せ調製物としての、以下:
−上で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物、及び
−抗-マラリア活性を有する少なくとも1つの化合物
を含む生成物に関する。
−上で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物、及び
−抗-マラリア活性を有する少なくとも1つの化合物
を含む生成物に関する。
本明細書に示すとおり、上で定義した式(I)の化合物は、具体的には、赤血球に感染することができる形態へのプラスモディウムスポロゾイトの発達を阻害する、すなわち、上で定義した式(I)の化合物は、プラスモディウム感染症のライフサウィクルの肝臓(liver)又は肝臓(hepatic)ステージを標的し、損なう。任意の特定の理論に拘束されるものではないが、上で定義した式(I)の化合物は、プラスモディウムスポロゾイトの、肝細胞に侵入し、そこで発達する能力を直接的に損なう。上で定義した式(I)の化合物は、プラスモディウム感染症の最初のステージを標的し、これらの化合物は、特に、プラスモディウム感染症による感染症の予防、及びプラスモディウム感染症に関連する症候、例えば赤血球破壊を予防するために有用である。そのようなわけで、上で定義した式(I)の化合物は、プラスモディウム感染症によって感染したことのない個体、又はプラスモディウム感染症による感染症に曝露されたことのあるもしくはその危険性を有する無症候個体を目的としている。従って、該個体がヒトである場合には、好ましくはそれは妊娠女性又は子供である。
本明細書に示すとおり、個体は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
本明細書に示すとおり、プラスモディウム感染症は、プラスモディウム属の任意の寄生虫に関する。しかし、それは、好ましくは。哺乳動物でのマラリアと関連するものであり、特にマラリアのヒト型である。そのようなわけで、プラスモディウム感染症は、好ましくは、P. ファルシパルム(P. falciparum)、P. ビバックス(P. vivax)、P. オバール(P. ovale)及びP. マラリアエ(P. malariae)からなるリストから選択される。
式(I)の化合物は、当業者によって容易に合成又は得られる。例として、ストレプトマイセス・シンナモネンシスから単離され得るモネンシンA及びBに加えて、米国特許第4 294 925号明細書は、ストレプイトマイセス属の特定の株から式(I)の化合物を得ることを記載している。式(I)の多数の化合物の入手はまた、Gaboyard他 (1990) Agric. Biol. Chem. 54: 1149-1155, Tanaka他 (2001) Chem. Pharm. Bull. 49: 711-715、及びSmith & Still (1988) J. Am. Chem. Soc. 110: 7917-7919に記載されている。
一般的には、本発明の範囲は、モネンシンから得られそうな任意の安定な化合物まで化学的修飾によって拡張し、プラスモディウムスプロゾイト又はプラスモディウムスポロゾイト感染症に対する効果(その効果は、具体的には以下の実施例に記載されるようにしてアッセイされる)を示す、と解釈されるべきである。
しかし、好ましくは、上で定義した式(I)の化合物は、下記式(II):
[式中、
R15はメチル又はエチルを示し;
R16はH又はメチルを示す;
R17はH又は-CONHR18を示し、ここで、R18は、フェニル、p-クロロフェニル又はp-風呂もフェニルから成るリストから選ばれる基を示す。]
で表わされる化合物である。
R15はメチル又はエチルを示し;
R16はH又はメチルを示す;
R17はH又は-CONHR18を示し、ここで、R18は、フェニル、p-クロロフェニル又はp-風呂もフェニルから成るリストから選ばれる基を示す。]
で表わされる化合物である。
より好ましくは、式(I)の化合物は、以下:
(R18は前記定義のとおりである)
からなる群より選択される。
からなる群より選択される。
最も好ましくは、式(I)の化合物は、下記式(III):
のモネンシンAである。
好ましくは、本医薬は、該化合物の1〜15 mg/kg/日、より好ましくは約7又は8 mg/kg/日の投薬レジメに好適である。好ましくは、本医薬は、該化合物の10 mg〜2 g、より好ましくは70 mg〜600 mgの単位投薬量を含む。好ましくは、本医薬は、経口経路による投与に好適である。
また好ましくは、該医薬は、抗マラリア活性を有する少なくとも1つの化合物を更に含む。
好ましくは、上で定義された抗マラリア活性を有する化合物は、アトバクオン、プログアニル、キニン、キニジン、キニン-デオキシサイクリン、アルテメーター、アルテモチル、アーテスネート、アルテエーテル、メフロキン、アモジアキン、ジヒドロアルテミシニン、ピペラキン、ハロファントリン、クロロキイン、ダプソン、デオキシサイクリン、サイクリン、ルメファントリン、プログアニル、ピリメタミン、ピロナリジン、スルファドキシン、ジアミジン、フェロキン、フルオロキノロン、ホスミドマイシン、タフェノキン及びトリオキサキンから成る群より選ばれる。より好ましくは、上で定義された抗マラリア活性を有する化合物は、アトバクオン又はプログアニルであり、最も好ましくはプログアニルである。
実施例1: 薬物治療は、プラスモディウム・ヨエリ スポロゾイトでチャレンジした後の赤血球感染の発症を抑制する
材料及び方法
すべての動物を飼育し、機関ガイドライン及び欧州規則に従って使用した。24〜31 gの雌性6週齢スイスマウス (Rene Janvier, Le Genest-Saint-lsle, France) をすべての群にランダムに分けた。
材料及び方法
すべての動物を飼育し、機関ガイドライン及び欧州規則に従って使用した。24〜31 gの雌性6週齢スイスマウス (Rene Janvier, Le Genest-Saint-lsle, France) をすべての群にランダムに分けた。
試験した薬物を腹腔内(IP)投与した。モネンシン(MN)(モネンシンAナトリウム塩, 参照番号M5273, Sigma)をPBS-メタノール2%及びニゲリシン (NG) (ニゲリシンナトリウム塩, 参照番号N7143, Sigma)、PBS-DMSO 2%中の別のポリエーテルイオノフォア抗生物質で希釈した。
薬物を-1、0、+1、+2 (+40時間) に投与し、5,000のP. ヨエリ スポロゾイト (265 BY株) の静脈内注射によって0日目にマウスをチャンレンジした。
群1には、25 mg/kg/日のMNを与え、群2には、PBS-メタノール2%を与えた。これらの群には、-1日目から薬物及び溶媒を与えた。感染後0日目から、群3には、25 mg/kg/日のMNを与え、群4には、PBS-メタノール2%を与えた。群5には、-1日目から、35 mg/kg/日のNGを与え、群6には、PBS-DMSO 2%を与えた。群7及び8には、感染後0日目から、35 mg/kg/日のNG及びPBS-DMSO 2%をそれぞれ与えた。
すべての群は、0日目に5,000のスポロゾイトでチャレンジした。感染後9、12及び15日目まで、3日目に回収したギムザ-染色した尾を引いたような血液塗抹の顕微鏡検査によって、寄生虫を数えた。20,000個の赤血球(50倍の光学顕微鏡対物レンズ下で50倍)中に寄生虫が観察されなかった時に、マウスは陰性であると判断した。
結果
5,000のP. ヨエリ スポロゾイトでのチャレンジ後、寄生虫が血液塗抹中に観察されなかったので、3日間(処置)又は4日間(前処置)について毎日のMNで処置したマウスの100 %において、赤血球感染からの保護を得た(図1)。
5,000のP. ヨエリ スポロゾイトでのチャレンジ後、寄生虫が血液塗抹中に観察されなかったので、3日間(処置)又は4日間(前処置)について毎日のMNで処置したマウスの100 %において、赤血球感染からの保護を得た(図1)。
しかし、3日間(処置)又は4日間(前処置)について毎日のMNを受けた群については、全体的保護は証明されなかった。実際に、対照に関する寄生虫血症が51%及び71%減少したにすぎなかった(図2)。
実施例2: 肝臓ステージ寄生虫負荷のリアルタイムPCR定量化
リアルタイムPCRによる肝臓中の寄生虫数の定量化によって、インビボで、P. ヨエリの前赤内期に対するMNの抗マラリア活性を更に評価した。
リアルタイムPCRによる肝臓中の寄生虫数の定量化によって、インビボで、P. ヨエリの前赤内期に対するMNの抗マラリア活性を更に評価した。
材料及び方法
MNを0日目及び1日目にIP投与した。群1は、25 mg/kgのMNを与えたが、対照群は、NM溶媒(PBS-メタノール2%)を与えた。次いで、マウスは、0日目に、2.5x105のP. ヨエリ スポロゾイトで静脈内注射してチャレンジし、注射後40時間に屠殺した。
MNを0日目及び1日目にIP投与した。群1は、25 mg/kgのMNを与えたが、対照群は、NM溶媒(PBS-メタノール2%)を与えた。次いで、マウスは、0日目に、2.5x105のP. ヨエリ スポロゾイトで静脈内注射してチャレンジし、注射後40時間に屠殺した。
肝臓片 (0.2 g) を採取し、製造者の教示に従ってMicroからMidi Kit (Invitrogen, France) までを用いて総RNAを抽出し、Dnase Turbo DNAなし (Ambion, France) で処置した。総RNAの5マイクログラムをSuperscript Il (Invitrogen)で逆転写し、MX4000マルチプレックス定量PCR装置 (Stratagene, France) で、等量の100 ng RNAを各TaqMan(登録商標)PCR反応に使用した。
Primer Express software (PE Applied Biosystems, France) を用いて、P. ヨエリ265By 18S rRNA配列 (GeneBank受入番号: AF266261) から、P. ヨエリ遺伝子特異的プライマー (フォワード TTAGATTTTCTGGAGACAAACAACT (配列番号1)、リバース TCCCTTAACTTTCGTTCTTGAT (配列番号2); Invitrogen) 及びプローブ (6-FAM-CGAAAGCATTTGCCTAAAATACTTCCAT-BHQ1 (配列番号3); MWG biotech) を選択した、これらは齧歯類DNAと交差反応しなかった。
マウスβ-アクチンプライマー(フォワード ACGGCCAGGTCATCACTATTG (配列番号4)、リバースCAAGAAGGAAGGCTGGAAAAG (配列番号5); Invitrogen)及びプローブ(HEX-CAACGAGCGGTTCCGATGCCC-BHQ2 (配列番号6); MWG biotech)を標準化のために使用した。
P. ヨエリ18S rRNA及びマウスβ-アクチンPCRフラグメントをプラスミドにクローン化し、10倍希釈系列で使用して、標準曲線を決定した。
外部標準曲線に基づいて、各遺伝子の絶対転写コピー数を計算した。実験差を説明するために、P. ヨエリ全体18S rRNAリボゾームcDNAとマウスβ-アクチンcDNAの絶対コピー数の比として、定量的寄生虫負荷を表わした。TaqMan(登録商標)試験サンプル及びプラスミドスタンダートを4つ組で行った。
結果
MN処置について、寄生虫発達の96.8%阻害を得た(図3)。
MN処置について、寄生虫発達の96.8%阻害を得た(図3)。
実施例3: P. ヨエリスポロゾイトの転移及び侵入性に対するMNのインビトロ効果を更に試験した。
1. 転移アッセイ
材料及び方法
MNの3つの濃度(5 μM、5 nM及び5ピコモーラー)で処理したP. ヨエリスポロゾイトを、0.5 mg/ml FITC-デキストランの継続存在下で、37℃で2時間、HepG2CD81細胞でインキュベートした。37℃で2時間後、細胞を洗浄し、PBS-ホルムアルデヒド 1%で固定し、FITC-陽性細胞をフローサイトメトリでカウントした。
1. 転移アッセイ
材料及び方法
MNの3つの濃度(5 μM、5 nM及び5ピコモーラー)で処理したP. ヨエリスポロゾイトを、0.5 mg/ml FITC-デキストランの継続存在下で、37℃で2時間、HepG2CD81細胞でインキュベートした。37℃で2時間後、細胞を洗浄し、PBS-ホルムアルデヒド 1%で固定し、FITC-陽性細胞をフローサイトメトリでカウントした。
結果
MNの全ての濃度は、非処理スポロザイトと比べて、スポロザイト転移の阻害効果(93%の阻害)を示した。
MNの全ての濃度は、非処理スポロザイトと比べて、スポロザイト転移の阻害効果(93%の阻害)を示した。
2. 侵入アッセイ
材料及び方法
2つの実験を行った。
第1の実験は、5 pM、0.5 μM又は5 μMで室温で1時間、MNによるP. ヨエリスポロゾイトの前処理、次いで洗浄、及び肝細胞への添加から成った。スポロゾイト対照は、培地のみで前処理し、同一の条件下に室温で1時間インキュベートした。次いで、5% CO2で37℃で48時間、寄生虫を肝細胞でインキュベートし、染色し、顕微鏡的に検査して、赤血球外形態(EEF)の量を測定した(Basco他, 1999; Mahmoudi他, 2003)。
材料及び方法
2つの実験を行った。
第1の実験は、5 pM、0.5 μM又は5 μMで室温で1時間、MNによるP. ヨエリスポロゾイトの前処理、次いで洗浄、及び肝細胞への添加から成った。スポロゾイト対照は、培地のみで前処理し、同一の条件下に室温で1時間インキュベートした。次いで、5% CO2で37℃で48時間、寄生虫を肝細胞でインキュベートし、染色し、顕微鏡的に検査して、赤血球外形態(EEF)の量を測定した(Basco他, 1999; Mahmoudi他, 2003)。
第2の実験は、50 pM、1 μM、又は10 μMでのMNの存在下にスポロゾイトで肝細胞を感染することから成った。3時間のインキュベーション後、MNを除き、培地を5% CO2で37℃で45時間維持した。
培養液を染色し、赤血球外形態(EEF)の量を顕微鏡的に測定した。
結果
第1の実験では、寄生虫の発達の完全な阻害は、5 μM及び0.5 μMのMNについて観察されたが、96.26%阻害は5 pMの濃度で観察された。
第1の実験では、寄生虫の発達の完全な阻害は、5 μM及び0.5 μMのMNについて観察されたが、96.26%阻害は5 pMの濃度で観察された。
第2の実験では、MNの試験したすべての濃度は、寄生虫発達を総合的に阻害した。
実施例4: P. ヨエリ成熟に対するモネンシン作用
P. ヨエリスポロゾイトの発達に対するMNのインビトロ効果も試験した。
材料及び方法
実験は、3時間、P. ヨエリスポロゾイトで肝細胞培養物を感染し、洗浄し、次いで37℃で45時間、MN 50 pM、1 μM又は10 μMで処理することから成った。
P. ヨエリスポロゾイトの発達に対するMNのインビトロ効果も試験した。
材料及び方法
実験は、3時間、P. ヨエリスポロゾイトで肝細胞培養物を感染し、洗浄し、次いで37℃で45時間、MN 50 pM、1 μM又は10 μMで処理することから成った。
結果
MNの全ての濃度は、寄生虫発達を完全に阻害した。
MNの全ての濃度は、寄生虫発達を完全に阻害した。
実施例 5: 赤血球感染の予防は肝臓レベルでの効果に因る
インビボで観察された抗マラリア活性が、具体的には、プラスモディウム感染症の前赤内期ステージに指向されること確認するために、本発明者らは、P. ヨエリ血液ステージに対するモネンシンの阻害効果を試験した。
インビボで観察された抗マラリア活性が、具体的には、プラスモディウム感染症の前赤内期ステージに指向されること確認するために、本発明者らは、P. ヨエリ血液ステージに対するモネンシンの阻害効果を試験した。
材料及び方法
2つの群のマウスは、MN(25 mg/kg)又は溶媒(PBS-メタノール-2%)による感染前の3日目、2日目及び1日目に処置した。0日目に、マウスを4x105 P. ヨエリ-感染赤血球でIP接種した。感染後3日目から感染後10日目まで血液塗抹中の寄生虫を数えた。
2つの群のマウスは、MN(25 mg/kg)又は溶媒(PBS-メタノール-2%)による感染前の3日目、2日目及び1日目に処置した。0日目に、マウスを4x105 P. ヨエリ-感染赤血球でIP接種した。感染後3日目から感染後10日目まで血液塗抹中の寄生虫を数えた。
結果
対照群と比較すると遅れるが寄生虫血症の増加は、MNで処置されたマウスにおいて証明することができた(図4)、このことは、実施例1で証明された寄生虫血症の非存在が本質的に、プラスモディウム感染症の前赤内期ステージに対する効果に関連していることを示している。興味深いことに、MNで処置されたマウスでは、非処置群と比較して雄性の生殖母細胞は観察されなかった。
対照群と比較すると遅れるが寄生虫血症の増加は、MNで処置されたマウスにおいて証明することができた(図4)、このことは、実施例1で証明された寄生虫血症の非存在が本質的に、プラスモディウム感染症の前赤内期ステージに対する効果に関連していることを示している。興味深いことに、MNで処置されたマウスでは、非処置群と比較して雄性の生殖母細胞は観察されなかった。
実施例6: モネンシンは蚊への感染を抑制する
材料及び方法
実施例3のMN処置群及び対照群のマウスは麻酔し、100匹の雌性研究室飼育のアノフェレス・ステフェンシ(Anopheles stephensi)を有するケージに2時間置いた。接合子嚢は、8日後に解剖した30匹の蚊中腸で数えた。
材料及び方法
実施例3のMN処置群及び対照群のマウスは麻酔し、100匹の雌性研究室飼育のアノフェレス・ステフェンシ(Anopheles stephensi)を有するケージに2時間置いた。接合子嚢は、8日後に解剖した30匹の蚊中腸で数えた。
結果
非処置群と比較してMN処置群では、接合子嚢は観察されなかった(図5)。
非処置群と比較してMN処置群では、接合子嚢は観察されなかった(図5)。
参考文献
Carraz M., Jossang A., Franetich J. F., Siau A., Ciceron L., Hannoun L., Sauerwein R., Frappier F., Rasoanaivo P., Snounou G. and Mazier D. (2006). A plant-derived morphinan as a novel lead compound active against malaria liver stages. PLoS Medecine 3(12): e513
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Claims (12)
- プラスモディウム寄生虫の前赤内期を阻害することによる、個体における該プラスモディウム寄生虫による感染症を予防又は治療するための医薬の製造のための、下記式(I):
R1〜R12は、互いに独立に、H又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を示し;
R13は、-OR、-NHR、-OCONHR、-OCOR14から成るリストより選ばれる基を示し、ここで、R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、5〜8個の炭素原子を有するアリール、5〜13個の炭素原子を有するアルキルアリール、5〜8個の炭素原子を有するハロアリール、5〜13個の炭素原子を有するアルキルハロアリール、及び5〜13個の炭素原子を有するハロアリールアルキルから成るリストより選ばれる基を示す。]
で表わされる少なくとも1つの化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。 - 前記プラスモディウム寄生虫が、P. ファルシパルム(P. falciparum)、P. ビバックス(P. vivax)、P. オバール(P. ovale)及びP. マラリアエ(P. malariae)から成る群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
- プラスモディウム寄生虫による個体の感染症を予防するための、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用。
- 前記個体が妊娠女性又は子供である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
- 前記医薬が、前記化合物の1〜15 mg/kg/日の投薬レジメに好適である、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
- 前記医薬が、前記化合物の10 mg to 2 gの単位投薬量を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の使用。
- 前記医薬が経口駅路による投与に好適である、請求項1〜8のいずれか1項記載の使用。
- 前記医薬が、抗-マラリア活性を有する少なくとも1つの化合物を更に含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用。
- 前記の抗-マラリア活性を有する化合物が、アトバクオン、プログアニル、キニン、キニジン、キニン-デオキシサイクリン、アルテメーター、アルテモチル、アーテスネート、アルテエーテル、メフロキン、アモジアキン、ジヒドロアルテミシニン、ピペラキン、ハロファントリン、クロロキイン、ダプソン、デオキシサイクリン、サイクリン、ルメファントリン、プログアニル、ピリメタミン、ピロナリジン、スルファドキシン、ジアミジン、フェロキン、フルオロキノロン、ホスミドマイシン、タフェノキン及びトリオキサキンから成る群より選ばれる、請求項10記載の使用。
- プラスモディウム寄生虫の前赤内期を阻害することによる、個体における該プラスモディウム寄生虫による感染症の予防又は治療のための、同時の、別個の又は連続した使用のための組合せ調製物としての、
−請求項1〜3のいずれか1項で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物、
−請求項10又は11で定義された抗-マラリア活性を有する少なくとも1つの化合物
を含む生成物。
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