JP2011252581A - 動力伝達軸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コラプス荷重に関しての不良率を低減する動力伝達軸の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、筒状の外軸7に対して内軸6をセレーション嵌合させ、かつ、当該外軸7の内面に形成された内方への突出部を圧迫しながら当該内軸を所定長さ圧入して成る動力伝達軸の製造方法であって、突出部を段階的に形成することを特徴としている。まず、外軸7の所定部位に、一定の初期突出部を形成し、内軸6を予備的な圧入長さ(12mm)まで圧入して、初期軸荷重を測定し、初期突出部のもとで測定して得た初期軸荷重に基づいて、目標軸荷重を得るために必要な最終突出部を推定し、この最終突出部を所定部位に形成し、内軸6を、予備的な圧入長さより長い所定の長さ(20mm)まで圧入するというものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両の操舵系に用いられる動力伝達軸の製造方法に関する。
図7は、自動車における操舵系の一部の概略を示す図である。図において、ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト4、ユニバーサルジョイント5、インターミディエイトシャフト(中間軸)8、ユニバーサルジョイント9を介して、ラックアンドピニオン装置10と接続されている。ステアリングシャフト4やインターミディエイトシャフト8は、トルクを伝達する動力伝達軸としての機能の他、衝突事故時の衝撃から運転者を守るための、衝撃吸収機能を有している。
上記衝撃吸収のために、トルク伝達上は本来1本であってもよいシャフトが、2本の鉄製の軸(外軸・内軸)を互いに嵌合したものとなっている。すなわち、ステアリングシャフト4は、外軸2と内軸3とを互いに嵌合したものであり、また、インターミディエイトシャフト8は、内軸6と外軸7とを互いに嵌合したものである(例えば、特許文献1参照。)。
図8,図9は、上記のような各シャフト4,8のうち例えばインターミディエイトシャフト8に関して、2軸圧入の要領を示す断面図である。図8の(a)は、完成状態の図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。(b)に示すように、トルク伝達のために内軸6と外軸7とは、互いにセレーション嵌合の関係となっている。なお、このセレーションは、内軸6と外軸7とを軸方向に固定するものではない。圧入は、外軸7を外側から押し込んで内面に形成された突出部7aを内軸6が圧迫することにより実現される。
図8の(a)の状態とするには、まず、図9の(a)に示すように、内軸6の端部近傍に形成された細径部6aを外軸7に内挿し、丸棒状の加圧工具11を外軸7の外面に当てて、内方へ押し込む。これにより、(b)に示すように、外軸7の外面には楕円状の凹部7bが形成され、内面には突出部7aが形成される。このように突出部7aを形成した後、外軸7に対して内軸6を、一気に軸方向へ一定量圧入する。
この結果、図8の(a)の状態となり、突出部7aを圧迫して内軸6が圧入されている。通常は、圧入された状態で相互に軸方向には動かないが、衝突事故時に一定以上の衝撃が加わると、圧入固定された状態を脱して相互にスライド収縮することにより、衝撃を吸収する構造となっている。なお、このときのスライド収縮が円滑に行われるように、内軸6には一部、セレーションを浅く削り落とした逃がし部6bが形成されている。
特開2004−324700号公報(図1)
上記のように衝突事故時に一定以上の衝撃が加わると確実に圧入固定の状態を脱してスライド収縮するためには、圧入力すなわち、圧入固定された状態にするために付与された軸荷重(コラプス荷重という。)がほぼ一定で、大きなばらつきが無い状態であることが必要である。そこで、圧入力を測定しながら図9の(b)から図8の(a)へ、一定ストロークの圧入を行い、規格範囲内のコラプス荷重が得られたことが確認されれば、製品として合格となる。また、規格範囲内のコラプス荷重が得られなければ、不合格となる。
しかしながら、同一品番のシャフトであっても、製品によって微小な仕上がり寸法のばらつきがあり、そのため、規格範囲内のコラプス荷重が得られないことがある。すなわち、このような圧入工程で不良品となることがある。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、コラプス荷重に関しての不良率を低減する動力伝達軸の製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明は、筒状の外軸に対して内軸をセレーション嵌合させ、かつ、当該外軸の内面に形成された内方への突出部を圧迫しながら当該内軸を所定長さ圧入して成る動力伝達軸の製造方法であって、(a)前記突出部を段階的に形成するとして、まず、前記外軸の所定部位に、一定の初期突出部を形成し、(b)前記内軸を予備的な圧入長さまで圧入して、初期軸荷重を測定し、(c)前記初期突出部のもとで測定して得た初期軸荷重に基づいて、目標軸荷重を得るために必要な最終突出部を推定し、(d)前記最終突出部を前記所定部位に形成し、(e)前記内軸を、前記予備的な圧入長さより長い所定の長さまで圧入する、というものである。
上記(1)の製造方法では、突出部を一発形成せずに段階的に形成するようにして、初期突出部のもとで圧入した初期軸荷重を知ることにより、外軸及び内軸の製品個々の微小な寸法のばらつきによって異なってくる相互嵌合状態を把握することができる。そして、目標軸荷重を得るために必要な最終突出部を所定部位に形成して、内軸を圧入すれば、所望の軸荷重(コラプス荷重)が得られる。
(2)また、本発明は、筒状の外軸に対して内軸をセレーション嵌合させ、かつ、当該外軸の内面に形成された内方への突出部を圧迫しながら当該内軸を所定長さ圧入して成る動力伝達軸の製造方法であって、(a)前記突出部を段階的に形成するとして、まず、前記外軸の所定部位を外側から一定の1次押し込み量だけ押し込んで初期突出部を形成し、(b)前記内軸を予備的な圧入長さまで圧入して、初期軸荷重を測定し、(c)前記初期突出部のもとで測定して得た初期軸荷重に基づいて、目標軸荷重を得るために追加的に必要な2次押し込み量を算出し、(d)前記所定部位を前記2次押し込み量だけ押し込んで最終突出部を形成し、(e)前記内軸を、前記予備的な圧入長さより長い所定の長さまで圧入する、というものである。
上記(2)の製造方法では、(1)の製造方法と同様に、突出部を一発形成せずに段階的に形成するようにして、初期突出部のもとで圧入した初期軸荷重を知ることにより、外軸及び内軸の製品個々の微小な寸法のばらつきによって異なってくる相互嵌合状態を把握することができる。そして、目標軸荷重を得るために必要な最終突出部を所定部位に形成して、内軸を圧入すれば、所望の軸荷重(コラプス荷重)が得られる。
(3)また、上記(2)の動力伝達軸の製造方法において、予め、初期軸荷重の測定データを複数用意し、これらに対してランダムに2次押し込み量を与えた場合に最終突出部のもとで内軸を所定の長さまで圧入する最終軸荷重がどのようにばらつくかを示すデータを取得し、初期軸荷重を説明変数X1、2次押し込み量を説明変数X2、最終軸荷重を目的変数Yとして、重回帰分析により、Y=a+a・X1+a・X2における定数a、a、aを求め、初期軸荷重から目標軸荷重を得るために必要な2次押し込み量を算出可能とする、という方法をとることが好ましい。
この場合、初期軸荷重と2次押し込み量とによって最終軸荷重がどう変わるかが1次式で規定されるので、既知の初期軸荷重に基づいて、最終軸荷重を所望の値に設定することにより、容易に、2次押し込み量を算出することができる。
(4)また、上記(2)の動力伝達軸の製造方法において、最終突出部のもとで内軸を所定の長さまで圧入する最終軸荷重を測定することが好ましい。
この場合、所望の最終軸荷重が得られたことを確認することができる。また、万一、最終軸荷重が規格範囲を逸脱すれば、不良品として除外することができる。さらに、この結果を新たなデータとすることにより、重回帰式の係数を更新して、より適切な2次押し込み量を求めることができる。
(5)また、上記(1)又は(2)の動力伝達軸の製造方法において、予備的な圧入長さは、当該圧入長さまで内軸を圧入することにより初期軸荷重が飽和領域に達するという条件を充足するものであることが好ましい。
この場合、初期軸荷重のばらつきが少なくなり、安定する。
(6)また、上記(1)又は(2)の動力伝達軸の製造方法において、初期突出部は、当該初期突出部のもとでは、初期軸荷重が目標軸荷重の規格範囲に到達しないという条件を充足するものであることが好ましい。
この場合、初期突出部だけでは目標軸荷重の規格範囲に達しないので、突出部を段階的に形成するという工程を確実に実行することができる。
本発明の動力伝達軸の製造方法によれば、コラプス荷重に関しての不良率を低減することができる。
本発明の一実施形態による動力伝達軸の製造方法により、例えばインターミディエイトシャフトに関して、外軸に対して内軸を圧入する要領を示す断面図である。 図1の状態から予備的な圧入を行った状態を示す断面図である。 図2の状態から最終突出部を形成して最終的な圧入をする状態を示す断面図である。 従来と同様の製造方法で、但し、突出部を形成するための加圧工具による押し込み量を種々設定して、圧入位置と軸荷重との関係を調べた結果を示すグラフである。 押し込み量0.54と0.58とについてそれぞれ、12mmまで圧入したときの軸荷重を10回調べた結果を示すグラフである。 表1のデータに対して、MICROSOFT EXCEL(登録商標)による重回帰分析を行った結果を、画面に表示されるそのままの形で表わした図である。 自動車における操舵系の一部の概略を示す図である。 従来の製造方法に関する図であり、例えばインターミディエイトシャフトに関して、2軸圧入の要領を示す断面図である。 図8の状態となる前の、突出部形成の要領を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る動力伝達軸の製造方法について図面を参照して説明する。対象となる動力伝達軸は、従来と同様であり、図7におけるステアリングシャフト4又はインターミディエイトシャフト8である。図1〜3は、例えばインターミディエイトシャフト8に関して、外軸7に対して内軸6を圧入する要領を示す断面図である。なお、内軸6及び外軸7そのものは、従来と同様であり、内軸6は外面にセレーション加工が施され、細径部6a及び逃がし部6bを有している。外軸7は、内面にセレーション加工が施されている。インターミディエイトシャフト8は、筒状の外軸7に対して内軸6をセレーション嵌合させ、かつ、外軸7の内面に形成された内方への突出部(詳細後述)を圧迫しながら内軸6を所定長さ圧入して成るものである。
内軸6及び外軸7に関して、その各部の径が以下の寸法を有するものの例に基づき、以下の説明を行う。すなわち、内軸6は、その大径(軸を挟んで対向するセレーションの歯の先端間で測った直径)が約17.5mm、小径(軸を挟んで対向するセレーションの歯の谷間で測った直径)が約16.5mmである。また、外軸7のセレーションの大径(歯の谷間で測った直径)が約17.7mm、小径(歯の先端間で測った直径)が約16.7mmである。外軸7の外径は約22mmである。
本実施形態に係る動力伝達軸の製造方法では、外軸7の内方への突出部を段階的に形成するものとし、最初に形成するのが「初期突出部」、最終的に形成するのが「最終突出部」である。また、圧入に関しても、予備的な圧入と、最終的な圧入とを、それぞれ別個に行うものとする。そこで、初期突出部として、どの程度の加工をすればよいか、また、予備的な圧入として、どの程度の長さまで入れるべきかを、予め調べる。
図4は、従来と同様の製造方法(図8、図9)で、但し、突出部を形成するための加圧工具11による押し込み量[mm]を種々設定して、圧入位置[mm]と軸荷重[N]との関係を調べた結果を示すグラフである。ここで、押し込み量[mm]は、0.54、0.56、0.58、0.60、0.62の5パターンであり、グラフとの対応は、グラフ右端に示す通りである。圧入位置とは、図9の(b)の状態が0であり、図8の(a)の状態が20[mm]である。軸荷重は内軸6の端部にロードセル(図示せず。)を当てて圧入することにより容易に測定することができる。
図4のグラフに示すデータは、ロードセルの出力にフィルタをかけていないので受信側のサンプリングによるパルス状のノイズが含まれているが、全体としては明確に特性が表れている。すなわち、図4より、軸荷重は圧入位置が約12mmまでは変化が大きいが、約12mm以降は、押し込み量に関わらず、サチュレート領域(飽和領域)となり、軸荷重が安定する。従って、前述の予備的な圧入としては、軸荷重が安定する12mmが好適である。
一方、押し込み量0.60及び0.62の場合は、最終的に軸荷重が、コラプス荷重の規格範囲に入っている。これは、いわば一発で、コラプス荷重の規格範囲に達しているということになり、段階的に突出部を形成する製造方法には適用できない押し込み量である。そこで、コラプス荷重の規格範囲に届いていない押し込み量0.58、0.56、0.54のうち、どれか1つを押し込み量の候補としたい。軸荷重のばらつきが少ないという観点からは、0.54が最も好ましいように見えるが、念のため、ばらつきを調査する。
図5は、押し込み量0.54と0.58とについてそれぞれ、12mmまで圧入したときの軸荷重を10回調べた結果を示すグラフである。グラフ中の縦向きの直線の範囲がばらつきを示し、菱形は平均値を表わす。これにより明らかに、0.54の方が、ばらつきが少ない。そこで、初期突出部を形成するための押し込み量を0.54mmに決定する。
《初期突出部の形成》
図1の(a)に戻り、まず、内軸6の端部近傍に形成された細径部6aを外軸7に内挿し、丸棒状の加圧工具11を外軸7の外面に当てて、内方へ押し込む。この押し込み量、すなわち、1次押し込み量は0.54mmである。これにより、(b)に示すように、外軸7の外面には楕円状の凹部7b1が形成され、内面の所定部位には初期突出部7a1が形成される。
《予備的な圧入》
次に、図1の(b)における内軸6の端部にロードセル12を当てて、図2に示す位置まで外軸7に対して内軸6を圧入する。この圧入長さ(ストローク)は12mmである。この圧入による軸荷重(初期軸荷重という。)はロードセル12により検知され、プログラマブルコントローラやパソコン等の演算装置13は、この初期軸荷重を記憶する。
《最終突出部の推定(2次押し込み量の演算)》
上記の1次押し込み量と初期軸荷重とに基づいて、所望の最終軸荷重(最終コラプス荷重)を得るために必要となる最終突出部、具体的には、その最終突出部を形成するために追加的に必要となる2次押し込み量を求める。ここで、初期軸荷重をX1、2次押し込み量をX2、最終軸荷重をYとすると、これらの間には以下の重回帰式が成り立つ。
Y=a+a・X1+a・X2 ・・・(1)
すなわち、初期軸荷重と2次押し込み量とによって最終軸荷重がどう変わるかが1次式で規定されるので、既知の初期軸荷重に基づいて、最終軸荷重を所望の値に設定することにより、容易に、2次押し込み量を算出することができる。また、最終軸荷重を所望の値に設定できるということは、製品の種類によって異なり得るコラプス荷重の規格に対応して任意にコラプス荷重を設定することができる、ということになる。
ここで、重回帰分析により求めた定数a,a,aを代入すると(詳細後述)、
Y=461+0.819・X1+3243・X2 ・・・(2)
となる。
そして、最終軸荷重Yに、例えばコラプス荷重の規格範囲(2000〜3000)の中央値2500を代入すると、
X2=(2039−0.819・X1)/3243 ・・・(3)
となる。演算装置13は、この式(3)を記憶しており、初期軸荷重X1から2次押し込み量X2を求め、表示する。
《最終突出部の形成》
次に、図3の(a)に示すように、一端、押し棒(工具)14を用いて図1と同じ位置まで内軸6を押し戻す。そして、加圧工具11により、式(3)で算出された2次押し込み量の分だけ追加的に外軸7を内方へ押し込む。この結果、より深い凹部7b2が形成され、内面の所定部位には、より突出量の大きい突出部7a2が形成される。なお、押し込み量とは加圧工具11のストロークであり、突出部7a2の突出量とは加圧工具11を取り除いた後に残る塑性変形としての量であるので、実際には外軸7の弾性による若干の戻りもあるが、基本的には、押し込み量と突出量とは対応関係にあるので、突出量を押し込み量で管理することができる。
《最終的な圧入》
そして、図3の(b)に示すように、ロードセル12を当てながら内軸6を再び圧入する。このときの圧入長さは20mmである。この圧入時の最終軸荷重が、この製品のコラプス荷重となる。これにより、所望の最終軸荷重が得られたことを確認することができる。また、万一、最終軸荷重が規格範囲を逸脱すれば、不良品として除外することができる。さらに、この結果を新たなデータとすることにより、重回帰式の係数を更新して、より適切な2次押し込み量を求めることができる。
《結論》
上記のようなインターミディエイトシャフト8の製造方法では、突出部を一発形成せずに段階的に形成するようにして、初期突出部のもとで圧入した初期軸荷重を知ることにより、いわば探りを入れてフィードバックした情報を2次押し込み量に生かすことができ、外軸7及び内軸6の製品個々の微小な寸法のばらつきによって異なってくる相互嵌合状態を把握することができる。そして、目標軸荷重を得るために必要な最終突出部を所定部位に形成して、内軸6を圧入すれば、所望の軸荷重(コラプス荷重)が得られる。
《重回帰分析の実例》
式(2)の重回帰式の係数を求めるには、予め、初期軸荷重、2次押し込み量、最終軸荷重という3つの量についての重回帰分析を行っておくことが必要である。これには、例えば以下の表1のようなデータが必要である。
上記表1において、初期軸荷重は、1次押し込み量0.54で12mm圧入した場合の軸荷重のデータを、例えば10個、取ったものである。10個というのは一例であり、10個以上が好ましく、しかも、ばらついたデータが多くある方が良い。そして、初期軸荷重に対して、ランダムに2次押し込み量を与えた場合に、最終突出部のもとで内軸6を所定の長さ(20mm)まで圧入する最終軸荷重がどのようにばらつくかを示す表1のデータを取得する。
そして、初期軸荷重を説明変数X1、2次押し込み量を説明変数X2、最終軸荷重を目的変数Yとして、重回帰分析により、Y=a+a・X1+a・X2における定数a、a、aを求める。
重回帰分析は、表計算ソフトの機能により実行することができ、図6は、表1のデータに対して、MICROSOFT EXCEL(登録商標)による重回帰分析を行った結果を、画面に表示されるそのままの形で表わした図である。3段目の表の左端に、「切片」、「X値1」、「X値2」の係数として表示されている数値がそれぞれ、式(2)における定数a、a、aである。
《その他》
なお、上記実施形態では、当該製造方法によりインターミディエイトシャフト8を製造する例について説明したが、ステアリングシャフト4(図7)についても同様の要領で製造することができる。
また、上記実施形態では、外軸7の突出部を加圧工具11の押し込み量で管理したが、これに代えて、突出部の突出量を直接測定するようにしてもよい。
また、上記実施形態における外軸7の突出部は、一箇所で、かつ、ピンポイント的に形成されるが、複数箇所に形成することも可能である。また、外軸7の全周をかしめる、絞る等で、突出部を形成することも可能である。
なお、上記実施形態では重回帰分析を分析ツールとして使用したが、これは多変量解析の一例であり、他の分析法によっても、多くのデータから論理式を求めることは可能である。
4:ステアリングシャフト(動力伝達軸)、6:内軸、7:外軸、7a1:初期突出部
7a2:最終突出部、8:インターミディエイトシャフト(動力伝達軸)

Claims (6)

  1. 筒状の外軸に対して内軸をセレーション嵌合させ、かつ、当該外軸の内面に形成された内方への突出部を圧迫しながら当該内軸を所定長さ圧入して成る動力伝達軸の製造方法であって、
    前記突出部を段階的に形成するとして、まず、前記外軸の所定部位に、一定の初期突出部を形成し、
    前記内軸を予備的な圧入長さまで圧入して、初期軸荷重を測定し、
    前記初期突出部のもとで測定して得た初期軸荷重に基づいて、目標軸荷重を得るために必要な最終突出部を推定し、
    前記最終突出部を前記所定部位に形成し、
    前記内軸を、前記予備的な圧入長さより長い所定の長さまで圧入する、
    ことを特徴とする動力伝達軸の製造方法。
  2. 筒状の外軸に対して内軸をセレーション嵌合させ、かつ、当該外軸の内面に形成された内方への突出部を圧迫しながら当該内軸を所定長さ圧入して成る動力伝達軸の製造方法であって、
    前記突出部を段階的に形成するとして、まず、前記外軸の所定部位を外側から一定の1次押し込み量だけ押し込んで初期突出部を形成し、
    前記内軸を予備的な圧入長さまで圧入して、初期軸荷重を測定し、
    前記初期突出部のもとで測定して得た初期軸荷重に基づいて、目標軸荷重を得るために追加的に必要な2次押し込み量を算出し、
    前記所定部位を前記2次押し込み量だけ押し込んで最終突出部を形成し、
    前記内軸を、前記予備的な圧入長さより長い所定の長さまで圧入する、
    ことを特徴とする動力伝達軸の製造方法。
  3. 予め、前記初期軸荷重の測定データを複数用意し、これらに対してランダムに2次押し込み量を与えた場合に前記最終突出部のもとで前記内軸を前記所定の長さまで圧入する最終軸荷重がどのようにばらつくかを示すデータを取得し、
    前記初期軸荷重を説明変数X1、前記2次押し込み量を説明変数X2、前記最終軸荷重を目的変数Yとして、重回帰分析により、Y=a+a・X1+a・X2における定数a、a、aを求め、前記初期軸荷重から前記目標軸荷重を得るために必要な前記2次押し込み量を算出可能とする請求項2記載の動力伝達軸の製造方法。
  4. 前記最終突出部のもとで前記内軸を前記所定の長さまで圧入する最終軸荷重を測定する請求項2に記載の動力伝達軸の製造方法。
  5. 前記予備的な圧入長さは、当該圧入長さまで前記内軸を圧入することにより前記初期軸荷重が飽和領域に達するという条件を充足するものである請求項1又は2に記載の動力伝達軸の製造方法。
  6. 前記初期突出部は、当該初期突出部のもとでは、前記初期軸荷重が前記目標軸荷重の規格範囲に到達しないという条件を充足するものである請求項1又は2に記載の動力伝達軸の製造方法。
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