JP2011226804A - 電流検出プローブ、電流測定装置及び電流検出デバイス - Google Patents

電流検出プローブ、電流測定装置及び電流検出デバイス Download PDF

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Tomoya Maekawa
智哉 前川
Kazuyuki Sakiyama
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Abstract

【課題】非接触で電流を直接検出するために用いることができる新規なプローブを提供する。
【解決手段】電流検出プローブ100は、x方向とy方向で規定されたxy平面に沿って、環状に配線された第1コイル101と、第1コイル101に接続され、第1コイル101からy方向に離れた位置においてxy平面に沿って環状に配線され、第1コイル101と逆向きの巻線方向を有する第2コイル102と、z方向とx方向で規定されたzx平面に沿って環状に配線された第3コイル103と、第3コイル103に接続され、第3コイル103からz方向に離れた位置においてzx平面に沿って環状に配線され、第3コイル101と逆向きの巻線方向を有する第4コイル104とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流検出に使用される電流検出プローブ、それを用いた電流測定装置及び電流検出デバイスに関する。
従来、コイルを通過する磁界の変化によってコイルに電位差を生じさせ、当該電位差を基に磁界を検出するプローブが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、立体形状を呈するボビン本体部にそれぞれの中心が略一致し、かつ、直交する位置関係で形成した複数本の環状の溝にコイルを巻いたプローブが提案されている。
また、特許文献2には、互いに異なるループ方向を有する微分型コイルを、所定の間隔で複数並列に配置されているプローブが提案されている。かかるプローブによれば、磁気信号の検出感度は低減せず、かつ、外来ノイズを除去することができるとされている。
また、特許文献3には、高周波電流を検出する磁界プローブが開示されている。当該磁界プローブは同軸ケーブルが用いられ、同軸ケーブルの一端を基点にして平面視において複数のループ状部が形成されており、複数のループ状部のそれぞれの一部において、同軸ケーブルの外部導体を分断して内導体又は絶縁体が露出している。また、かかる複数の切り欠き部により分断された複数の外部導体部分は電気的に互いに接続されている。また、同軸ケーブルの他端における内部導体は、複数の外部導体部分のいずれかに接続され、複数のループ状部のうち少なくとも一対のループ状部は、平面視において巻き方向が互いに逆である。同公報によれば、かかる磁界プローブでは線路を流れる電流の真上の磁界測定値を最大化することができることが開示されている。
特開2006−343178号公報 特開2007−108083号公報 特開2010−8282号公報
ところで、近年、地球温暖化や環境汚染、化石エネルギーの枯渇など、地球環境問題・エネルギー問題は人類にとって大きな課題となっている。その解決手段として、高効率で低消費電力の家電機器の開発や、太陽電池や燃料電池などクリーンエネルギーを電力源とする発電システムの開発、ハイブリッド電気自動車や電動自転車など低燃費、ゼロエミッションへの新しいトランスポートシステムの開発などが必要不可欠である。
かかるエネルギー分野における各種機器やシステムを実用化する上で極めて重要なコア技術として、パワーエレクトロニクス技術がある。パワーエレクトロニクス技術は、一言で言うと電力変換・電力制御を高効率・高精度に行うための技術である。かかるパワーエレクトロニクス技術では、携帯端末などに比べて低周波電流が用いられるとともに大きな電力が消費される。
かかるパワーエレクトロニクス技術については、低周波電流が用いられるものの使用される電力が大きく、EMC問題を生じさせる可能性がある。そのようなパワーエレクトロニクス技術のEMC問題の解決において、非接触で電流を計測する技術は必須であり、適切に電流を計測する技術が要望されている。
本発明は、非接触で電流を直接検出するために用いることができる新規な電流検出プローブ及びそれを用いた電流測定装置及び電流検出デバイスを提供する。
本発明に係る電流検出プローブは、任意に設定されるx方向、y方向、z方向の3つの方向において、x方向とy方向で規定されるxy平面に沿って環状に配線された第1コイルと、第1コイルからy方向に離れた位置においてxy平面に沿って環状に配線された第2コイルと、第1コイルと第2コイルの巻線方向が逆向きになるように第1コイルと第2コイルとを接続した第1接続部と、z方向とx方向で規定されたzx平面に沿って環状に配線された第3コイルと、第3コイルからz方向に離れた位置において、zx平面に沿って環状に配線された第4コイルと、第3コイルと第4コイルの巻線方向が逆向きになるように、第3コイルと第4コイルとを接続した第2接続部とを備える。
この電流検出プローブによれば、第1コイルと第2コイル及び第3コイルと第4コイルによって、y方向に所定距離離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(y)に応じた電位差(V1)と、z方向に所定距離離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(z)に応じた電位差(V2)を同時に検出することができる。そして、かかる電位差(V1)と電位差(V2)とに基づいて、x方向の電流Jxを算出することができる。また、この電流検出プローブは、非接触で電流を直接検出するために用いることができる。
また、本発明に係る電流検出デバイスは、上述した電流検出プローブを、樹脂で封止するとともに、各接続部によって接続された一連のコイルの出力端子を備える。かかるデバイス化することによって電流検出プローブの取り扱いが容易になる。
また、本発明に係る電流測定装置は、上述した電流検出プローブによって検出された電位差に基づいて、電流検出プローブのx方向に沿った電流Jxを算出する第1電流算出部を備える。
また、本発明の多点電流測定装置は、上述した電流検出プローブを備え、測定対象の複数の位置で電流を算出することができる。その多点電流測定装置は、電流検出プローブを測定対象に対して相対移動させる移動装置を備えてもよい。または、多点電流測定装置は、電流検出プローブが複数の位置に配置された検出体を備えてもよい。
また、本発明に係る電気機器は、上述した電流検出プローブと、電流検出プローブに生じる電位差に基づいて電気的な動作状態を制御する制御部とを備える。
本発明によれば、非接触にかつ直接的に電流を計測できる新規な電流検出プローブを提供でき、さらに、それを用いた電流測定装置及び電流検出デバイスを実現できる。
本発明の実施の形態1における電流検出プローブを示す図 本発明の実施の形態1における電流測定装置を説明するための図 本発明の実施の形態1における電流測定方法の処理フローを示す図 本発明の実施の形態2におけるy方向の電流Jyを検出する電流検出プローブを示す図 本発明の実施の形態2におけるz方向の電流Jzを検出する電流検出プローブを示す図 本発明の実施の形態2における3軸方向の電流Jx,Jy,Jzを同時に検出する電流検出プローブを示す図 y方向の電流Jyを測定する電流測定装置を説明するための図 z方向の電流Jzを測定する電流測定装置を説明するための図 3軸方向の電流Jx,Jy,Jzを測定する電流測定装置を説明するための図 電流検出プローブの配置を示す図 電流検出プローブの変形例を示す図 電流検出プローブの変形例を示す図 本発明の一実施形態における電流検出デバイスを示す図 本発明の一実施形態における多点電流測定装置を示す図 本発明の他の実施形態における多点電流測定装置を示す図 電流検出プローブが組み込まれた電気機器を示す図
以下、本発明の一実施形態に係る電流検出プローブ及び電流検出方法を添付の図面を参照して説明する。なお、同じ機能を奏する部材又は部位には適宜に同じ符号を付している。本発明の思想は以下の特定の実施形態に限定されない。
(実施の形態1)
1.1 電流検出プローブの構成
図1は、本発明の一実施形態に係る電流検出プローブ100を示している。この電流検出プローブ100は、図1に示すように、第1コイル101と、第2コイル102と、第3コイル103と、第4コイル104とを備えている。
電流検出プローブ100は、任意に設定されたx方向、y方向、z方向の3つの方向のうち、x方向に流れる電流Jxを検出する。
第1コイル101は、図1に示すように、x方向とy方向で規定されたxy平面に沿って、環状に配線されている。また、第2コイル102は、第1コイル101からy方向に所定距離(本実施形態では、Δy)だけ離れた位置においてxy平面に沿って環状に配線されている。
第1コイル101と第2コイル102は、第1接続部121によって接続されている。第1接続部121は、第1コイル101と第2コイル102の巻線方向が逆向きになるように、第1コイル101と第2コイル102を接続している。換言すると、第1コイル101と第2コイル102は、第1接続部121によって接続される部分が、S字状の線路、或いは、S字の左右を反転した線路を描くように接続されている。これにより、図1に示すように、第1接続部121によって連続した第1コイル101と第2コイル102の線路において、第1コイル101と第2コイル102の巻線方向が逆向きになっている。
また、第3コイル103は、z方向とx方向で規定されたzx平面に沿って環状に配線されている。第4コイル104は、第3コイル103からz方向に所定距離(この実施形態では、Δz)だけ離れた位置において、zx平面に沿って環状に配線されている。
また、第3コイル103と第4コイル104は第2接続部122によって接続されている。第2接続部122は、第3コイル103と第4コイル104の巻線方向が逆向きになるように、第3コイル103と第4コイル104とを接続している。換言すると、第3コイル103と第4コイル104は、第2接続部122によって接続される部分が、S字状の線路、或いは、S字の左右を反転した線路を描くように接続されている。そして、図1に示すように、第2接続部122によって連続した第3コイル103と第4コイル104の線路において、第3コイル103と第4コイル104の巻線方向が逆向きになっている。
電流検出プローブ100は、第1コイル101と第2コイル102を含む第1のコイル対(L1)と、第3コイル103と第4コイル104を含む第2のコイル対(L2)とを備えている。磁界の変化に応じて、第1のコイル対(L1)において、第1コイル101側の端部(端子)101aと第2コイル102側の端部(端子)102aとの間に電位差(V1)が生じ、また、第2のコイル対(L2)において、第3コイル103の端部103aと第4コイル104の端部104aとの間に電位差(V2)が生じる。
このため、磁界の変化に応じた第1のコイル対(L1)に生じる電位差(V1)と、第2のコイル対(L2)に生じる電位差(V2)とを、同時に検出することができる。
この実施形態では、x方向、y方向、z方向の3つの方向は互いに直交しており、x方向、y方向及びz方向は、それぞれ直交座標系を構成する3つの座標軸によって規定される。また、この実施形態では、第2コイル102は、第1コイル101に対してy方向の正の方向に離れた位置に配線されている。また、第4コイル104は、第3コイル103に対してz方向の正の方向に離れた位置に配線されている。また、この実施形態では、第1コイル101と第2コイル102は、概ね同じ形状かつ同じ巻数であり、さらに、第3コイル103と第4コイル104も、概ね同じ形状かつ同じ巻数である。
なお、電流検出プローブ100のx方向、y方向及びz方向は、必ずしも、直交していなくてもよい。また、第1コイル101と第2コイル102、及び、第3コイル103と第4コイル104は、それぞれ同じ形状かつ同じ巻数でなくてもよい。
1.2 電流検出プローブの動作
1.2.1 磁界差分ΔHz(y)
図1に示すように、電流検出プローブ100は、z方向の磁界Hzが時間的に変化した場合に、第1コイル101と第2コイル102にそれぞれ誘導起電力が生じる。図1において、第1コイル101を通過する磁界を矢印Hz(y)1とし、第2コイル102を通過する磁界を矢印Hz(y)2で表している。すなわち、Hz(y)1とHz(y)2は、それぞれ電流検出プローブ100によって検出されるy方向に離れた2つの位置におけるz方向の一対の磁界を意味している。
z方向の磁界Hzが時間に対して変化した場合、第1コイル101には、第1コイル101を通過するz方向の磁界Hz(y)1の時間的な変化量に応じて誘導起電力V101が生じる。同様に、第2コイル102には、第2コイル102を通過するz方向の磁界Hz(y)2の時間的な変化量に応じて誘導起電力V102が生じる。
また、第1コイル101と第2コイル102とは、第1接続部121によって、巻線方向が逆向きになるように接続されている。この構成により、第1コイル101と第2コイル102に同じ向きの誘導起電力V101とV102が生じた場合、V101とV102は相殺される。このため、第1コイル101側の端部101aと第2コイル102側の端部102aには、V101とV102の差分(V102−V101)に応じた電位差(V1)が生じる。すなわち、第1コイル101と第2コイル102の巻線方向を逆向きにすることで、電流検出プローブ100のy方向に所定距離離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(y)に対応した電位差(V1)を容易に生成することができる。
このように、電流検出プローブ100の第1コイル101と第2コイル102を含む第1のコイル対(L1)は、y方向に離れた2つの位置における一対のz方向の磁界Hz(y)1とHz(y)2の変化に応じた誘導起電力(V1)を生じる。この誘導起電力(V1)に基づいて、電流検出プローブ100のy方向に所定距離離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(y)を算出することができる。
1.2.2 磁界差分ΔHy(z)
図1に示すように、電流検出プローブ100は、y方向の磁界Hyが時間的に変化した場合に、第3コイル103と第4コイル104にそれぞれ誘導起電力が生じる。図1において、第3コイル103を通過する磁界を矢印Hy(z)1とし、第4コイル104を通過する磁界を矢印Hy(z)2で表している。すなわち、Hy(z)1とHy(z)2は、それぞれ電流検出プローブ100によって検出されるz方向に離れた2つの位置における一対のy方向の磁界を意味している。
y方向の磁界Hyが時間に対して変化した場合、第3コイル103には、第3コイル103を通過するy方向の磁界Hy(z)1の時間的な変化量に応じた誘導起電力V103が生じる。同様に、第4コイル104には、第4コイル104を通過するy方向の磁界Hy(z)2の時間的な変化量に応じた誘導起電力V104が生じる。
また、第3コイル103と第4コイル104とは、第2接続部122によって、巻線方向が逆向きになるように接続されている。この構成により、第3コイル103と第4コイル104に同じ向きの誘導起電力V103とV104が生じた場合、V103とV104は相殺される。このため、第3コイル103側の端部103aと第4コイル104側の端部104aには、V103とV104の差(V104−V103)に応じた電位差(V2)が生じる。すなわち、第3コイル103と第4コイル104の巻線方向を逆向きにすることで、電流検出プローブ100のz方向に所定距離離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(z)に対応した電位差(V2)を容易に生成することができる。
このように、電流検出プローブ100の第3コイル103と第4コイル104を含む第2のコイル対(L2)は、z方向に離れた2つの位置におけるy方向の一対の磁界Hy(z)1とHy(z)2の変化に応じた誘導起電力(V2)が生じる。この誘導起電力(V2)に基づいて、電流検出プローブ100のz方向に所定距離離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(z)を算出することができる。
1.2.3 電流Jxの算出
3軸直交座標系において、x方向に流れる電流Jxはマクスウェルの方程式より下記の式(1)によって計算することができる。
Figure 2011226804
すなわち、x方向の電流Jxは、式(1)に示されるとおり、z方向の磁界Hzのy方向の距離微分(ΔHz(y)/Δy)と、y方向の磁界Hyのz方向の距離微分(ΔHy(z)/Δz)との差によって計算することができる。ここで、Δyは、第1コイル101と第2コイル102とのy方向の距離である。この実施形態では、Δyは、第1コイル101の捲回中心と第2コイル102の捲回中心とのy方向の距離で規定されている。Δzは、第3コイル103と第4コイル104とのz方向の距離である。この実施形態では、Δzは、第3コイル103の捲回中心と第4コイル104の捲回中心とのz方向の距離で規定されている。
この電流検出プローブ100は非接触で電流を直接検出するために用いることができる。この実施形態では、y方向に所定距離だけ離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(y)に応じた電位差(V1)と、z方向に所定距離離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(z)に応じた電位差(V2)を同時に検出することができる。そして、上述した式(1)にしたがい、電流検出プローブ100によって検出された電位差(V1)と電位差(V2)とに基づいて、x方向の電流Jxを算出することができる。
1.3 電流測定装置
図2は、電流検出プローブ100を備えた電流測定装置200の構成例を示している。電流測定装置200は、図2に示すように、電流検出プローブ100と、電流検出プローブ100によって検出された電位差(V1,V2)に基づいて、電流検出プローブ100のx方向に沿った電流Jxを算出する第1電流算出部181とを備える。
電流測定装置200は、さらに第1検出部141と、第2検出部142と、第1磁界差分算出部161と、第2磁界差分算出部162とを備えている。
また、この実施形態では、電流測定装置200は、図1及び図2に示すように、接続端子201〜204を備えている。接続端子201には、電流検出プローブ100の第1コイル101の端部101aが接続されている。接続端子202には、電流検出プローブ100の第2コイル102の端部102aが接続されている。接続端子203には、電流検出プローブ100の第3コイル103の端部103aが接続されている。接続端子204には、電流検出プローブ100の第4コイル104の端部104aが接続されている。接続端子201、202は、第1検出部141に接続されており、接続端子203、204は、第2検出部142に接続されている。
第1検出部141は、電流検出プローブ100の第1コイル101側の端部101aと第2コイル102側の端部102aとの間に生じる電位差(V1)を検出する。第2検出部142は、第3コイル103側の端部103aと第4コイル104側の端部104aとの間に生じる電位差(V2)を検出する。
なお、第1検出部141と第2検出部142は、それぞれのコイル対の端部の電位差を直接的に測定してもよいし、それぞれのコイル対の一方の端部を接地(グランド接続)して基準電位にし、他方の端部の電位を測定してもよい。第1検出部141と第2検出部142として、電位差を検出する種々の機器を用いることができる。電位差を検出する機器としては、例えば、オシロスコープが挙げられる。
第1磁界差分算出部161は、第1検出部141で検出された電位差(V1)に基づいて、第1コイル101を通過する磁界Hz(y)1と第2コイル102を通過する磁界Hz(y)2との差分ΔHz(y)を算出する。この実施形態では、第1磁界差分算出部161は、下記の式(2)に基づいて、第1コイル101を通過する磁界Hz(y)1と第2コイル102を通過する磁界Hz(y)2との差分ΔHz(y)を求める。
Figure 2011226804
ここで、「μ」は透磁率、「S」はコイルの開口面積、「ω」は周波数である。
また、第2磁界差分算出部162は、第2検出部142で算出された電位差(V2)に基づいて、第3コイル103を通過する磁界Hy(z)1と第4コイル104を通過する磁界Hy(z)2との差分ΔHy(z)を算出する。この実施形態では、第2磁界差分算出部162は、下記の式(3)に基づいて、第3コイル103を通過する磁界Hy(z)1と第4コイル104を通過する磁界Hy(z)2との差分ΔHy(z)を求める。
Figure 2011226804
なお、この実施形態では、第1コイル101と第2コイル102、及び、第3コイル103と第4コイル104は、それぞれ同じ形状かつ同じ巻数である。よって、式(2)及び式(3)において、各コイルの開口面積Sは同一にしている。このため、磁界の差分ΔHz(y)、ΔHy(z)の算出式は、式(2)、式(3)のように簡素化できる。
第1電流算出部181は、第1磁界差分算出部161で算出された差分ΔHz(y)と第2磁界差分算出部162で算出された差分ΔHy(z)とに基づいて上述の式(1)を用いて、x方向に沿った電流Jxを算出する。
図3は、この実施形態における電流測定装置200における電流測定方法の処理フローを示している。電流測定装置200における電流測定方法は、図3に示すように、第1磁界差分算出工程(S1)と、第2磁界差分算出工程(S2)と、第1電流算出工程(S3)とを備えている。
第1磁界差分算出工程(S1)は、電位差(V1)に基づいて、第1コイル101を通過する磁界Hz(y)1と第2コイル102を通過する磁界Hz(y)2との差分ΔHz(y)を算出する。差分ΔHz(y)は、上述の式(2)に沿って算出することができる。
第2磁界差分算出工程(S2)は、電位差(V2)に基づいて、第3コイル103を通過する磁界Hy(z)1と第4コイル104を通過する磁界Hy(z)2との差分ΔHy(z)を算出する。差分ΔHy(z)は、上述の式(3)に沿って算出することができる。
ここで、電流検出プローブ100には、第3コイル103側の端部103aと第4コイル104側の端部104aとの間に生じる電位差(V2)と、第1コイル101側の端部101aと第2コイル102側の端部102aとの間に生じる電位差(V1)とを同時に検出することができる。このため、第2磁界差分算出工程(S2)において算出される差分ΔHy(z)は、第1磁界差分算出工程(S1)において算出される差分ΔHz(y)と同じタイミングでの測定結果が得られる。
第1電流算出工程(S3)は、第1磁界差分算出工程(S1)で算出された差分ΔHz(y)と第2磁界差分算出工程(S2)で算出された差分ΔHy(z)とに基づいて、x方向に沿った電流Jxを算出する。電流Jxは、上述した式(1)に沿って算出することができる。このように、本実施形態の電流測定方法及び電流測定装置200によれば、電流検出プローブ100のx方向に沿った電流Jxを算出することができる。
以上説明した本実施形態の電流検出プローブ100は、マクスウェルの方程式から導かれる式(1)を考慮して構成されたものである。すなわち、第1コイル101と第2コイル102のコイル対L1がコイルの巻線方向を逆にしてxy平面上に配置され、第3コイル103と第4コイル104のコイル対L2がコイルの巻線方向を逆にしてzx平面上に配置される。この構成により、コイル対L1、L2から、差分ΔHz(y)、差分ΔHy(z)に応じた電圧V1、V2を容易に検出することができる。この検出電圧V1、V2及び式(2)、(3)を用いることで、式(1)に沿って、x方向に沿った電流Jxを算出することが可能となる。この結果、本実施形態の電流検出プローブ100は、式(1)を用いて電流Jxを直接的に検出することを可能としている。
(実施の形態2)
以下、本発明の電流検出プローブの他の実施形態を説明する。実施の形態1では、x方向の電流Jxを検出する電流検出プローブ100を説明した。すなわち、電流検出プローブ100は、一つの方向に流れる電流を検出できる。よって、電流検出プローブ100を所望の向きに向けることによって、所望の方向の電流を測定することができる。
図4は、y方向の電流Jyを検出する電流検出プローブ100Aを示している。図5は、z方向の電流Jzを検出する電流検出プローブ100Bを示している。図6は、3軸方向の電流Jx,Jy,Jzを同時に検出する電流検出プローブ100Cを示している。また、図7は、y方向の電流Jyを検出する電流検出プローブ100Aに接続される電流測定装置200Aを示している。また、図8は、z方向の電流Jzを検出する電流検出プローブ100Bに接続される電流測定装置200Bを示している。
なお、y方向の電流Jyを検出する電流検出プローブ100A及びz方向の電流Jzを検出する電流検出プローブ100Bは、x方向の電流Jxを検出する電流検出プローブ100のx、y、zの軸を入れ替えたものであり、x方向の電流Jxを検出する電流検出プローブ100と実質的に同じである。以下、x方向以外の方向に流れる電流を検出できる電流検出プローブの例を具体的に説明する。
2.1 y方向の電流を検出する電流検出プローブ
図4を参照し、y方向の電流Jyを検出する電流検出プローブを説明する。電流検出プローブ100Aは、図4に示すように、第5コイル105と、第6コイル106と、第7コイル107と、第8コイル108とを備えている。
第5コイル105は、図4に示すように、y方向とz方向で規定されたyz平面に沿って環状に配線されている。また、第6コイル106は、第5コイル105からz方向に所定距離(この実施形態では、Δz)だけ離れた位置においてyz平面に沿って環状に配線されている。
第5コイル105と第6コイル106は、第3接続部123によって接続されている。第3接続部123は、第5コイル105と第6コイル106の巻線方向が逆向きになるように、第5コイル105と第6コイル106を接続している。
また、第7コイル107は、x方向とy方向で規定されたxy平面に沿って環状に配線されている。第8コイル108は、第7コイル107からx方向に所定距離(この実施形態では、Δx)だけ離れた位置において、xy平面に沿って環状に配線されている。
また、第7コイル107と第8コイル108は第4接続部124によって接続されている。第4接続部124は、第7コイル107と第8コイル108の巻線方向が逆向きになるように、第7コイル107と第8コイル108とを接続している。
電流検出プローブ100Aは、第5コイル105と第6コイル106を含む第3のコイル対(L3)と、第7コイル107と第8コイル108を含む第4のコイル対(L4)とを備えている。磁界の変化に応じて、第3のコイル対(L3)において、第5コイル105側の端部(端子)105aと第6コイル106側の端部(端子)106aとの間に電位差(V3)が生じ、また、第4のコイル対(L4)において、第7コイル107側の端部(端子)107aと第8コイル108側の端部(端子)108aとの間に電位差(V4)が生じる。
このため、磁界の変化に応じた第3のコイル対(L3)に生じる電位差(V3)と、第4のコイル対(L4)に生じる電位差(V4)とを、同時に検出することができる。
x方向、y方向、z方向の3つの方向は互いに直交している。また、この実施形態では、第6コイル106は、第5コイル105に対してz方向の正の方向に離れた位置に配線されている。また、第8コイル108は、第7コイル107に対してx方向の正の方向に離れた位置に配線されている。また、この実施形態では、第5コイル105と第6コイル106、及び、第7コイル107と第8コイル108は、それぞれ同じ形状かつ同じ巻数とする。
2.1.1 磁界差分ΔHx(z)
図4に示すように、電流検出プローブ100Aは、x方向の磁界Hxが時間的に変化した場合に、第5コイル105と第6コイル106にそれぞれ誘導起電力が生じる。図4において、第5コイル105を通過する磁界を矢印Hx(z)1とし、第6コイル106を通過する磁界を矢印Hx(z)2で表している。すなわち、Hx(z)1とHx(z)2は、それぞれ電流検出プローブ100Aによって検出されるz方向に離れた2つの位置におけるx方向の一対の磁界を意味している。
x方向の磁界Hxが時間的に変化した場合、第5コイル105には、第5コイル105を通過するx方向の磁界Hx(z)1の時間的な変化量に応じて誘導起電力V105が生じる。同様に、第6コイル106には、第6コイル106を通過するx方向の磁界Hx(z)2の時間的な変化量に応じて誘導起電力V106が生じる。
第5コイル105と第6コイル106とは、第3接続部123によって、巻線方向が逆向きになるように接続されている。第5コイル105と第6コイル106に同じ向きの誘導起電力V105とV106が生じた場合、V105とV106は相殺される。このため、第5コイル105側の端部105aと第6コイル106側の端部106aには、V105とV106の差分(V105−V106)に応じた電位差(V3)が生じる。
このように、電流検出プローブ100Aの第5コイル105と第6コイル106を含む第3のコイル対(L3)は、z方向に離れた2つの位置におけるx方向の一対の磁界Hx(z)1とHx(z)2の変化に応じた誘導起電力(V3)を生じる。この誘導起電力(V3)に基づいて、電流検出プローブ100Aのz方向に所定距離離れた位置におけるx方向の磁界の差分ΔHx(z)を算出することができる。
2.1.2 磁界差分ΔHz(x)
図4に示すように、電流検出プローブ100Aは、z方向の磁界Hzが時間的に変化した場合に、第7コイル107と第8コイル108にそれぞれ誘導起電力が生じる。図4において、第7コイル107を通過する磁界を矢印Hz(x)1とし、第8コイル108を通過する磁界を矢印Hz(x)2で表している。すなわち、Hz(x)1とHz(x)2は、それぞれ電流検出プローブ100Aによって検出されるx方向に離れた2つの位置における一対のz方向の磁界を意味している。
z方向の磁界Hzが時間的に変化した場合、第7コイル107には、第7コイル107を通過するz方向の磁界Hz(x)1の時間的な変化量に応じた誘導起電力V107が生じる。これに対して、第8コイル108には、第8コイル108を通過するz方向の磁界Hz(x)2の時間的な変化量に応じた誘導起電力V108が生じる。
また、第7コイル107と第8コイル108とは、第4接続部124によって、巻線方向が逆向きになるように接続されている。第7コイル107と第8コイル108に同じ向きの誘導起電力V107とV108が生じた場合、V107とV108は相殺される。このため、第7コイル107側の端部107aと第8コイル108側の端部108aには、V107とV108の差分に応じた電位差(V4)が生じる。
このように、電流検出プローブ100Aの第7コイル107と第8コイル108を含む第4のコイル対(L4)は、x方向に離れた2つの位置におけるz方向の一対の磁界Hz(x)1とHz(x)2の変化に応じた誘導起電力(V4)が生じる。この誘導起電力(V4)に基づいて、電流検出プローブ100Aのx方向に所定距離離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(x)を算出することができる。
2.1.3 電流Jyの算出
3軸直交座標系において、y方向の電流Jyは、下記の式(4)によって計算することができる。
Figure 2011226804
すなわち、y方向の電流Jyは、式(4)に示されるとおり、x方向の磁界Hxのz方向の距離微分(ΔHx(z)/Δz)と、z方向の磁界Hzのx方向の距離微分(ΔHz(x)/Δx)との差によって計算することができる。ここで、Δzは、第5コイル105の捲回中心と第6コイル106の捲回中心とのz方向の距離で規定されている。Δxは、第7コイル107の捲回中心と第8コイル108の捲回中心とのx方向の距離で規定されている。
この電流検出プローブ100Aは、z方向に所定距離だけ離れた位置におけるx方向の磁界の差分ΔHx(z)に応じた電位差(V3)と、x方向に所定距離離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(x)に応じた電位差(V4)を同時に検出することができる。そして、上述した式(4)に沿って、電流検出プローブ100Aによって検出された電位差(V3)と電位差(V4)とに基づいて、y方向の電流Jyを算出することができる。
2.1.4 電流測定装置
図7は、電流検出プローブ100Aを備えた電流測定装置200Aの構成例を示している。電流測定装置200Aは、図7に示すように、電流検出プローブ100Aと、電流検出プローブ100Aによって検出された電位差(V3)と電位差(V4)とに基づいて、電流検出プローブ100Aのy方向に沿った電流Jyを算出する第2電流算出部182とを備える。
電流測定装置200Aは、さらに第3検出部143と、第4検出部144と、第3磁界差分算出部163と、第4磁界差分算出部164とを備えている。
また、この実施形態では、電流測定装置200Aは、図4及び図7に示すように、接続端子205〜208を備えている。接続端子205には、電流検出プローブ100Aの第5コイル105の端部105aが接続されている。接続端子206には、電流検出プローブ100Aの第6コイル106の端部106aが接続されている。接続端子207には、電流検出プローブ100Aの第7コイル107の端部107aが接続されている。接続端子208には、電流検出プローブ100Aの第8コイル108の端部108aが接続されている。接続端子205、206は、第3検出部143に接続されており、接続端子207、208は、第4検出部144に接続されている。
第3検出部143は、電流検出プローブ100Aの第5コイル105側の端部105aと第6コイル106側の端部106aとの間に生じる電位差(V3)を検出する。第4検出部144は、第7コイル107側の端部107aと第8コイル108側の端部との間に生じる電位差(V4)を検出する。
第3磁界差分算出部163は、第3検出部143で検出された電位差(V3)に基づいて、第5コイル105を通過する磁界Hx(z)1と第6コイル106を通過する磁界Hx(z)2との差分ΔHx(z)を算出する。この実施形態では、第3磁界差分算出部163は、下記の式(5)に基づいて、第5コイル105を通過する磁界Hx(z)1と第6コイル106を通過する磁界Hx(z)2との差分ΔHx(z)を求める。
Figure 2011226804
また、第4磁界差分算出部164は、第4検出部144で算出された電位差(V4)に基づいて、第7コイル107を通過する磁界Hz(x)1と第8コイル108を通過する磁界Hz(x)2との差分ΔHz(x)を算出する。この実施形態では、第4磁界差分算出部164は、下記の式(6)に基づいて、第7コイル107を通過する磁界Hz(x)1と第8コイル108を通過する磁界Hz(x)2との差分ΔHz(x)を求める。
Figure 2011226804
この実施形態では、第5コイル105と第6コイル106、及び、第7コイル107と第8コイル108は、それぞれ同じ形状かつ同じ巻数であるから、式(5)及び式(6)において、各コイルの開口面積Sは同一にしている。このため、磁界の差分ΔHx(z)、ΔHz(x)の算出式は、式(5)、式(6)のように簡素化できる。
第2電流算出部182は、第3磁界差分算出部163で算出された差分ΔHx(z)と第4磁界差分算出部164で算出された差分ΔHz(x)とに基づいて上述した式(4)を用いて、y方向に沿った電流Jyを算出する。
2.2 z方向の電流を検出できる電流検出プローブ
図5を参照し、z方向の電流Jzを検出する電流検出プローブ100Bを説明する。電流検出プローブ100Bは、図5に示すように、第9コイル109と、第10コイル110と、第11コイル111と、第12コイル112とを備えている。
第9コイル109は、図5に示すように、z方向とx方向で規定されたzx平面に沿って環状に配線されている。また、第10コイル110は、第9コイル109からx方向に所定距離(この実施形態では、Δx)だけ離れた位置においてzx平面に沿って環状に配線されている。
第9コイル109と第10コイル110は、第5接続部125によって接続されている。第5接続部125は、第9コイル109と第10コイル110の巻線方向が逆向きになるように、第9コイル109と第10コイル110を接続している。
また、第11コイル111は、y方向とz方向で規定されたyz平面に沿って環状に配線されている。第12コイル112は、第11コイル111からy方向に所定距離(この実施形態では、Δy)だけ離れた位置において、yz平面に沿って環状に配線されている。
また、第11コイル111と第12コイル112は第6接続部126によって接続されている。第6接続部126は、第11コイル111と第12コイル112の巻線方向が逆向きになるように、第11コイル111と第12コイル112とを接続している。
電流検出プローブ100Bは、第9コイル109と第10コイル110を含む第5のコイル対(L5)と、第11コイル111と第12コイル112を含む第6のコイル対(L6)とを備えている。磁界の変化に応じて、第5のコイル対(L5)において、第9コイル109側の端部(端子)109aと第10コイル110側の端部(端子)110aとの間に電位差(V5)が生じ、また、第6のコイル対(L6)において、第11コイル111側の端部(端子)111aと第12コイル112側の端部(端子)112aとの間に電位差(V6)が生じる。
このため、磁界の変化に応じた第5のコイル対(L5)に生じる電位差(V5)と、第6のコイル対(L6)に生じる電位差(V6)とを、同時に検出することができる。
x方向、y方向、z方向の3つの方向は互いに直交している。また、この実施形態では、第10コイル110は、第9コイル109に対してx方向の正の方向に離れた位置に配線されている。また、第12コイル112は、第11コイル111に対してy方向の正の方向に離れた位置に配線されている。また、この実施形態では、第9コイル109と第10コイル110、及び、第11コイル111と第12コイル112は、それぞれ同じ形状かつ同じ巻数とする。
2.2.1 磁界差分ΔHy(x)
図5に示すように、電流検出プローブ100Bは、y方向の磁界Hyが時間的に変化した場合に、第9コイル109と第10コイル110にそれぞれ誘導起電力が生じる。図5において、第9コイル109を通過する磁界を矢印Hy(x)1とし、第10コイル110を通過する磁界を矢印Hy(x)2で表している。すなわち、Hy(x)1とHy(x)2は、それぞれ電流検出プローブ100Bによって検出されるx方向に離れた2つの位置における一対のy方向の磁界を意味している。
y方向の磁界Hyが時間的に変化した場合、第9コイル109には、第9コイル109を通過するy方向の磁界Hy(x)1の時間的な変化量に応じて誘導起電力V109が生じる。同様に、第10コイル110には、第10コイル110を通過するy方向の磁界Hy(x)2の時間的な変化量に応じて誘導起電力V110が生じる。
第9コイル109と第10コイル110とは、第5接続部125によって、巻線方向が逆向きになるように接続されている。第9コイル109と第10コイル110に同じ向きの誘導起電力V109とV110が生じた場合、V109とV110は相殺される。このため、第9コイル109側の端部109aと第10コイル110側の端部110aには、V109とV110の差分(V109−V110)に応じた電位差(V5)が生じる。
このように、電流検出プローブ100Bの第9コイル109と第10コイル110を含む第5のコイル対(L5)は、x方向に離れた2つの位置におけるy方向の一対の磁界Hy(x)1とHy(x)2の変化に応じた誘導起電力(V5)を生じる。この誘導起電力(V5)に基づいて、電流検出プローブ100Bのx方向に所定距離離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(x)を算出することができる。
2.2.2 磁界差分ΔHx(y)
図5に示すように、電流検出プローブ100Bは、x方向の磁界Hxが時間的に変化した場合に、第11コイル111と第12コイル112にそれぞれ誘導起電力が生じる。図5において、第11コイル111を通過する磁界を矢印Hx(y)1とし、第12コイル112を通過する磁界を矢印Hx(y)2で表している。Hx(y)1とHx(y)2は、それぞれ電流検出プローブ100Bによって検出されるy方向に離れた2つの位置における一対のx方向の磁界を意味している。
x方向の磁界Hxが時間的に変化した場合、第11コイル111には、第11コイル111を通過するx方向の磁界Hx(y)1の時間的な変化量に応じた誘導起電力V111が生じる。これに対して、第12コイル112には、第12コイル112を通過するx方向の磁界Hx(y)2の時間的な変化量に応じた誘導起電力V112が生じる。
また、第11コイル111と第12コイル112とは、第6接続部126によって、巻線方向が逆向きになるように接続されている。第11コイル111と第12コイル112に同じ向きの誘導起電力V111とV112が生じた場合、V111とV112は相殺される。このため、第11コイル111側の端部111aと第12コイル112側の端部112aには、V111とV112の差分に応じた電位差(V6)が生じる。
このように、電流検出プローブ100Bの第11コイル111と第12コイル112を含む第6のコイル対(L6)は、y方向に離れた2つの位置におけるx方向の一対の磁界Hx(y)1とHx(y)2の変化に応じた誘導起電力(V6)が生じる。この誘導起電力(V6)に基づいて、電流検出プローブ100Bのy方向に所定距離離れた位置におけるx方向の磁界の差分ΔHx(y)を算出することができる。
2.2.3 電流Jzの算出
3軸直交座標系においてz方向の電流Jzは下記の式(7)によって計算することができる。
Figure 2011226804
すなわち、z方向の電流Jzは、式(7)に示されるとおり、y方向の磁界Hyのx方向の距離微分(ΔHy(x)/Δx)と、x方向の磁界Hxのy方向の距離微分(ΔHx(y)/Δy)との差によって計算することができる。ここで、Δxは、第9コイル109の捲回中心と第10コイル110の捲回中心とのx方向の距離で規定されている。Δyは、第11コイル111の捲回中心と第12コイル112の捲回中心とのy方向の距離で規定されている。
この電流検出プローブ100Bは、x方向に所定距離だけ離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(x)に応じた電位差(V5)と、y方向に所定距離離れた位置におけるx方向の磁界の差分ΔHx(y)に応じた電位差(V6)を同時に検出することができる。そして、上述した式(7)に沿って、電流検出プローブ100Bによって検出された電位差(V5)と電位差(V6)とに基づいて、z方向の電流Jzを算出することができる。
2.2.4 電流測定装置
図8は、電流検出プローブ100Bを備えた電流測定装置200Bの構成例を示している。電流測定装置200Bは、図8に示すように、電流検出プローブ100Bと、電流検出プローブ100Bによって検出された電位差(V5)と電位差(V6)とに基づいて、電流検出プローブ100Bのz方向に沿った電流Jzを算出する第3電流算出部183とを備える。
この実施形態では、電流測定装置200Bは、さらに第5検出部145と、第6検出部146と、第5磁界差分算出部165と、第6磁界差分算出部166とを備えている。
また、この実施形態では、電流測定装置200Bは、図5及び図8に示すように、接続端子209〜212を備えている。接続端子209には、電流検出プローブ100Bの第9コイル109の端部109aが接続されている。接続端子210には、電流検出プローブ100Bの第10コイル110の端部110aが接続されている。接続端子211には、電流検出プローブ100Bの第11コイル111の端部111aが接続されている。接続端子212には、電流検出プローブ100Bの第12コイル112の端部112aが接続されている。接続端子209、210は、第5検出部145に接続されており、接続端子211、212は、第6検出部146に接続されている。
第5検出部145は、電流検出プローブ100Bの第9コイル109側の端部109aと第10コイル110側の端部110aとの間に生じる電位差(V5)を検出する。第6検出部146は、第11コイル111側の端部111aと第12コイル112側の端部112aとの間に生じる電位差(V6)を検出する。
第5磁界差分算出部165は、第5検出部145で検出された電位差(V5)に基づいて、第9コイル109を通過する磁界Hy(x)1と第10コイル110を通過する磁界Hy(x)2との差分ΔHy(x)を算出する。この実施形態では、第5磁界差分算出部165は、下記の式(8)に基づいて、第9コイル109を通過する磁界Hy(x)1と第10コイル110を通過する磁界Hy(x)2との差分ΔHy(x)を求める。
Figure 2011226804
また、第6磁界差分算出部166は、第6検出部146で算出された電位差(V4)に基づいて、第11コイル111を通過する磁界Hx(y)1と第12コイル112を通過する磁界Hx(y)2との差分ΔHx(y)を算出する。この実施形態では、第6磁界差分算出部166は、下記の式9に基づいて、第11コイル111を通過する磁界Hx(y)1と第12コイル112を通過する磁界Hx(y)2との差分ΔHx(y)を求める。
Figure 2011226804
この実施形態では、第9コイル109と第10コイル110、及び、第11コイル111と第12コイル112は、それぞれ同じ形状かつ同じ巻数であるから、式(8)及び式(9)において、各コイルの開口面積Sは同一にしている。このため、磁界の差分ΔHy(x)、ΔHx(y)の算出式は、式(8)、式(9)のように簡素化できる。
第3電流算出部183は、第5磁界差分算出部165で算出された差分ΔHy(x)と第6磁界差分算出部166で算出された差分ΔHx(y)とに基づいて上述した式(7)を用いて、z方向に沿った電流Jzを算出する。
2.3 3軸方向の電流を同時に検出できる電流検出プローブ
図6を参照し、3軸方向の電流Jx,Jy,Jzを同時に検出することができる電流検出プローブ100Cを説明する。電流検出プローブ100Cは、図6に示すように、第1コイル101から第12コイル112の12個のコイルを備えている。
第1コイル101は、図6に示すように、xy平面に沿って環状に配線されている。第2コイル102は、第1コイル101からy方向に所定距離離れた位置において、xy平面に沿って環状に配線されている。第1コイル101と第2コイル102は、巻線方向が逆向きになるように第1接続部121によって接続されている。
第3コイル103は、zx平面に沿って環状に配線されている。第4コイル104は、第3コイル103からz方向に所定距離離れた位置において、zx平面に沿って環状に配線されている。第3コイル103と第4コイル104は、巻線方向が逆向きになるように第2接続部122によって接続されている。
第5コイル105は、yz平面に沿って環状に配線されている。第6コイル106は、第5コイル105からz方向に所定距離離れた位置において、yz平面に沿って環状に配線されている。第5コイル105と第6コイル106は、巻線方向が逆向きになるように第3接続部123によって接続されている。
第7コイル107は、xy平面に沿って環状に配線されている。第8コイル108は、第7コイル107からx方向に所定距離離れた位置においてxy平面に沿って環状に配線されている。第7コイル107と第8コイル108は、巻線方向が逆向きになるように第4接続部124によって接続されている。
第9コイル109は、zx平面に沿って環状に配線されている。第10コイル110は、第9コイル109からx方向に所定距離離れた位置において、zx平面に沿って環状に配線されている。第9コイル109と第10コイル110は、巻線方向が逆向きになるように第5接続部125によって接続されている。
第11コイル111は、yz平面に沿って環状に配線されている。第12コイル112は、第11コイル111からy方向に所定距離離れた位置において、yz平面に沿って環状に配線されている。第11コイル111と第12コイル112は、巻線方向が逆向きになるように第6接続部126によって接続されている。
このように、3軸方向の電流Jx,Jy,Jzを同時に検出することができる電流検出プローブ100Cは、図1に示す電流Jxを検出する電流検出プローブ100、図4に示す電流Jyを検出する電流検出プローブ100A、及び、図5に示す電流Jzを検出する電流検出プローブ100Bの構成を全て備えている。
電流検出プローブ100Cによれば、第1コイル101から第4コイル104までのコイル対によって、y方向に所定距離離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(y)に応じた電位差(V1)と、z方向に所定距離離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(z)に応じた電位差(V2)を同時に検出することができる。そして、上述した式(1)に沿って、電流検出プローブ100によって検出された電位差(V1)と電位差(V2)とに基づいて、x方向の電流Jxを算出することができる。
また、電流検出プローブ100Cによれば、第5コイル105から第8コイル108までのコイル対によって、z方向に所定距離離れた位置におけるx方向の磁界の差分ΔHx(z)に応じた電位差(V3)と、x方向に所定距離離れた位置におけるz方向の磁界の差分ΔHz(x)に応じた電位差(V4)を同時に検出することができる。そして、上述した式(4)に沿って、電流検出プローブ100Aによって検出された電位差(V3)と電位差(V4)とに基づいて、y方向の電流Jyを算出することができる。
さらに、電流検出プローブ100Cによれば、第9コイル109から第12コイル112までのコイル対によって、x方向に所定距離離れた位置におけるy方向の磁界の差分ΔHy(x)に応じた電位差(V5)と、y方向に所定距離離れた位置におけるx方向の磁界の差分ΔHx(y)に応じた電位差(V6)を同時に検出することができる。そして、上述した式(7)に沿って、電流検出プローブ100Bによって検出された電位差(V5)と電位差(V6)とに基づいて、z方向の電流Jzを算出することができる。
さらに、上記のように算出されたx方向の電流Jxと、y方向の電流Jyと、z方向の電流Jzとを合成して、当該電流検出プローブ100Cが配置された空間での電流の大きさ及び向きを算出することができる。
2.3.1 電流測定装置
図9に、電流検出プローブ100Cを備えた、x方向の電流Jxと、y方向の電流Jyと、z方向の電流Jzとを求める電流測定装置200Cの構成を示す。電流測定装置200Cの構成は、上述した電流測定装置200(図2参照)、電流測定装置200A(図7参照)、電流測定装置200B(図8参照)の各構成を含んでおり、同一の機能を奏する部材・部位には、同じ符号を付している。ここでは、これらの部材・部位について重複する説明は省略する。
電流測定装置200Cでは、x方向に沿った電流Jxを算出する第1電流算出部181と、y方向に沿った電流Jyを算出する第2電流算出部182と、z方向に沿った電流Jzを算出する第3電流算出部183とを備えている。この実施形態では、電流測定装置200Cは、第1電流算出部181で算出されたx方向に沿った電流Jxと、第2電流算出部182で算出されたy方向に沿った電流Jyと、第3電流算出部183で算出されたz方向に沿った電流Jzとを合成する電流算出部180を備えている。
電流算出部180は、合成された電流Jを算出する。電流Jは、下記の式(10)に沿って算出できる。
Figure 2011226804
ここで、iはx方向の単位ベクトル、jはy方向の単位ベクトル、kはz方向の単位ベクトルをそれぞれ示している。これにより、電流算出部180は、電流検出プローブ100Cが配置された位置における電流Jを算出することができる。
以上、電流検出プローブ、電流測定装置、電流測定方法について、種々の実施形態を説明した。本発明に係る電流検出プローブ100は、直接的には、電流検出プローブ100Cが配置された位置における磁場の変化から、電流検出プローブ100Cが配置された位置における電流Jを算出することができる。
この場合、例えば、図10に示すように、電流検出プローブ100は、測定対象260から離れた位置に配置される。この場合、電流検出プローブ100と測定対象260との距離hを考慮した電流Jxを補正するとよい。例えば、電流検出プローブ100から検出される電位差(V1)や電位差(V2)に補正する係数を掛けるなどして電流Jxを求めてもよい。
また、電流Jx、Jy,Jz,Jの算出について、上述した実施形態では、第1コイル101から第12コイル112までの各コイルの形状と巻数がともに同じ場合を例に挙げて説明したが、各コイルの形状と巻数は、それぞれ異なっていてもよい。各コイルの形状と巻数が異なる場合には、各コイルの形状と巻数に応じて適当な補正を行うとよい。また、x方向、y方向及びz方向が、それぞれ直交座標系を構成する3つの座標軸に倣って規定された実施形態を例示したが、x、y、zはそれぞれ直交していなくてもよい。x、y、zがそれぞれ直交していない場合には、それぞれの傾きに応じて適当な補正を行うとよい。
2.4 その他の変形例
電流検出プローブ100のその他の変形例を説明する。
電流検出プローブ100の各コイルの形状は、概ね円形のコイルを例示したが、電流検出プローブ100の各コイルの捲回形状は、円形に限定されない。例えば、図11に示すように、第1コイル101と第2コイル102は、x方向の幅に比べてy方向の幅が短い扁平形状にしてもよい。これにより、電流検出プローブ100を全体としてy方向にコンパクトに構成することができる。この構成によって、電流検出プローブ100の中心を測定対象250に近づけることができる。
図11に示す例では、第1コイル101と第2コイル102の捲回形状は、それぞれ角を丸めた長方形にしている。この捲回形状によれば、第1コイル101と第2コイル102をy方向に扁平な形状にしつつ、第1コイル101と第2コイル102の開口面積(コイルに囲まれた面積)を大きく確保することができる。これにより、第1コイル101と第2コイル102に適切に誘導起電力を生じさせることができる。
また、電流検出プローブ100は、図12に示すように、さらに第3コイル103と第4コイル104の形状が、x方向の幅に比べてy方向の幅が短い扁平形状であってもよい。これにより、z方向及びy方向において、電流検出プローブ100をコンパクトに構成しつつ、各コイル101〜104に適切に誘導起電力を生じさせることができる。
(実施の形態3)
以下、上述した電流検出プローブを用いた種々の応用例を説明する。
3.1 電流検出デバイス
上述した電流検出プローブを用いて、電流を検出するデバイスを構成することができる。図13にその構成例を示す。図13に示す電流検出デバイス300は、電流検出プローブ100が樹脂310で封止され、接続部121、122(図13には示さず。図1参照)によって接続されたコイル101〜104の出力端子101a〜104aが外部に導出されている。このようにデバイス化することによって電流検出プローブ100の取り扱いが容易になる。
電流検出デバイス300は、例えば、電流検出プローブ100を金型に設置した状態で、金型に熱硬化性樹脂を流し込むことで製造できる。かかる熱硬化性樹脂には、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。電流検出デバイス300によれば、電流検出プローブ100が樹脂310に埋め込まれているので、例えば、基板への実装が容易になる。また電流検出デバイス300は家電製品の基板に対して予め定めた複数の位置に実装することができる。
3.2 多点電流測定装置
上述の電流検出プローブ100は、測定対象上の複数の位置で電流を算出する多点電流測定装置に適用することもできる。多点電流測定装置400は、例えば、図14に示すように、移動装置410と、電流算出装置420とを備える。移動装置410は、電流検出プローブ100を測定対象430に対して相対移動させる装置である。この実施形態では、移動装置410は、測定対象430が載置されるステージ412と、ステージ412に載置された測定対象430上の任意の位置に電流検出プローブ100を移動させる移動機構414と、移動機構414を制御して電流検出プローブ100を所望の位置に移動させる移動制御部416とを備える。電流算出装置420は、電流検出プローブ100からの出力信号に基づいて電流を算出する。この実施形態では、移動機構414は、ステージ412のx方向、y方向に沿って、それぞれ電流検出プローブ100を移動させる機構を採用する。
この多点電流測定装置400は、電流検出プローブ100を測定対象430上の複数の位置に移動させ、各位置で電流を検出することができる。したがって、多点電流測定装置400は、例えば、測定対象430の複数の位置の電流値に基づいて、測定対象430の電流分布を出力することができる。そのような多点電流測定装置400によれば、例えば、家電製品の基板の電流の分布を検出することができる。また、多点電流測定装置400によれば、不要輻射ノイズの発生源(家電製品)の特定も容易になる。
なお、この実施形態では、測定対象430を固定し、電流検出プローブ100を移動させる機構を例示しているが、これに代わり、電流検出プローブ100を固定し、電流検出プローブ100に対して測定対象430が載置されるステージ412を移動させる機構を採用してもよい。
図15を参照し、点電流測定装置の他の構成例を説明する。図15に示す多点電流測定装置500は、検出体510と、電流算出装置520とを備えている。検出体510は、電流検出プローブ100が複数の位置に配置されている。電流算出装置520は、検出体510に配置された複数の電流検出プローブ100からの出力に基づいて、各電流検出プローブ100が配置された位置における電流を算出する。
この多点電流測定装置500によれば、検出体510を測定対象に近づけることによって、測定対象に生じる磁界分布に基づいて、測定対象の電流分布を検出することができる。例えば、電流算出装置520をモニター530に接続し、電流検出プローブの位置毎に検出結果を表示させてもよい。例えば、検出体510の各電流検出プローブ100で検出された電流の大きさに応じて色を変えた表示をモニター530上に表示させてもよい。これにより測定対象の電流分布を容易に視認できるようになる。
3.3 電流検出プローブが組み込まれた電気機器
図16は、電流検出プローブ100が組み込まれた電気機器(図16の例では電子レンジ)600を示している。電気機器600に電流検出プローブ100を組み込み、電流検出プローブ100の出力に基づいて、電気機器600の電気的な動作状態を制御するように構成してもよい。この場合、電流検出プローブ100は、電気機器600の予め定められた位置、すなわち、電気機器600で生じる電流を検出したい位置に配置するのが好ましい。
電流検出プローブ100は、電気機器600の制御部610に接続されている。制御部610は、電流検出プローブ100の出力に基づいて、電気機器600の電気的な動作状態を制御する。これにより、例えば、電気機器600に生じた異常な電流を検出し、異常電流を抑えるための所定の制御を行うことができる。このように、電流検出プローブ100は、電流(電磁界)の検出手段として電気機器600に組み込み、電気機器600を制御するために用いることができる。また、電流検出プローブ100は、電流(電磁界)を検出する検出手段として用いることができ、電子レンジに限らず、種々の電気機器において電流検出手段として利用できる。
例えば、電流検出プローブ100を用いて上述した電流検出デバイス300(図13参照)を構成し、複数の電流検出デバイス300を、電気機器600の基板上において所定の位置に実装することができる。そして、電流検出デバイス300の出力から電気機器600の基板を流れる電流を検出することができる。さらに、電流検出デバイス300の出力に基づいて電気機器600を電気的に制御することによって、電気機器600の基板を流れる電流を適切に制御することができる。
電流検出デバイス300は、例えば、電気機器600の基板の所定位置に接着するとよい。この場合、電流検出デバイス300は、測定対象となる基板上の配線に対して電気的に接続されない。このため、従来のように、基板上の配線に対して電気的に接続される抵抗器を用いた電流検出デバイスに比べて電力損失を低く抑えることができる。このため、電気機器600の複数の位置に電流検出デバイス300を配置して、当該複数の位置で電流を検出しても、電子機器の電力損失を小さく抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態に係る電流検出プローブ、電流測定装置、電流検出デバイス、電流測定方法を説明したが、本発明は上述した実施形態に限らず、種々の変更が可能である。
本発明は、非接触な方法で電流を計測する電流検出プローブ、電流測定装置に適用でき、また、電流を検出し、検出した電流に基づき動作を制御する種々の電気機器にも適用できる。
100、100A、100B、100C 電流検出プローブ
101〜112 コイル
101a〜112a コイルの端部(出力端子)
121〜126 接続部
141〜146 検出部
161〜166 磁界差分算出部
180〜183 電流算出部
200、200A、200B、200C 電流測定装置
201〜212 接続端子
250 測定対象
260 測定対象
300 電流検出デバイス
310 樹脂
400 多点電流測定装置
410 移動装置
412 ステージ
414 移動機構
416 移動制御部
420 電流算出装置
430 測定対象
500 多点電流測定装置
510 検出体
520 電流算出装置
530 モニター
600 電気機器
610 制御部

Claims (17)

  1. 任意に設定されるx方向、y方向、z方向の3つの方向において、x方向とy方向で規定されるxy平面に沿って環状に配線された第1コイル(101)と、
    前記第1コイル(101)から前記y方向に離れた位置において、前記xy平面に沿って環状に配線された第2コイル(102)と、
    前記第1コイル(101)と前記第2コイル(102)の巻線方向が逆向きになるように、前記第1コイル(101)と前記第2コイル(102)とを接続した第1接続部(121)と、
    前記z方向と前記x方向で規定されたzx平面に沿って環状に配線された第3コイル(103)と、
    前記第3コイル(103)から前記z方向に離れた位置において、前記zx平面に沿って環状に配線された第4コイルと、
    前記第3コイル(103)と前記第4コイル(104)の巻線方向が逆向きになるように、前記第3コイル(103)と前記第4コイル(104)とを接続した第2接続部(122)と、
    を備えた、電流検出プローブ。
  2. 前記第1コイル(101)と前記第2コイル(102)は、前記x方向の幅に比べて、前記y方向の幅が短い扁平形状を有する、請求項1に記載された電流検出プローブ。
  3. 前記第3コイル(103)と前記第4コイル(104)は、前記x方向の幅に比べて前記z方向の幅が短い扁平形状を有する、請求項2に記載された電流検出プローブ。
  4. 前記xy平面と前記zx平面が直交している、請求項1から3までの何れか一項に記載された電流検出プローブ。
  5. 前記第1コイル(101)と前記第2コイル(102)は同じ形状を有し、かつ巻数が同じである、請求項1から4までの何れか一項に記載された電流検出プローブ。
  6. 前記第3コイル(103)と前記第4コイル(104)は同じ形状を有し、かつ巻数が同じである、請求項1から5までの何れか一項に記載された電流検出プローブ。
  7. 前記y方向と前記z方向で規定されるyz平面に沿って環状に配線された第5コイル(105)と、
    前記第5コイル(105)から前記z方向に離れた位置において、前記yz平面に沿って環状に配線された第6コイル(106)と、
    前記第5コイル(105)と前記第6コイル(106)の巻線方向が逆向きになるように、前記第5コイル(105)と前記第6コイル(106)とを接続した第3接続部(123)と、
    前記xy平面に沿って環状に配線された第7コイル(107)と、
    前記第7コイル(107)から前記x方向に離れた位置において、前記xy平面に沿って環状に配線された第8コイル(108)と、
    前記第7コイル(107)と前記第8コイル(108)の巻線方向が逆向きになるように、前記第7コイル(107)と前記第8コイル(108)とを接続した第4接続部(124)と、
    前記zx平面に沿って環状に配線された第9コイル(109)と、
    前記第9コイル(109)から前記x方向に離れた位置において、前記zx平面に沿って環状に配線された第10コイル(110)と、
    前記第9コイル(109)と前記第10コイル(110)の巻線方向が逆向きになるように、前記第9コイル(109)と前記第10コイル(110)とを接続した第5接続部(125)と、
    前記yz平面に沿って環状に配線された第11コイル(111)と、
    前記第11コイル(111)からy方向に離れた位置において、前記yz平面に沿って環状に配線された第12コイル(112)と、
    前記第11コイル(111)と前記第12コイル(112)の巻線方向が逆向きになるように、前記第11コイル(111)と前記第12コイル(112)とを接続した第6接続部(126)と
    を備えた、請求項1から6の何れか一項に記載された電流検出プローブ。
  8. 前記xy平面、前記yz平面、前記zx平面が互いに直交している、請求項7に記載された電流検出プローブ。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載された電流検出プローブを樹脂で封止し、前記各接続部によって接続された一連のコイルの出力端子を備える、電流検出デバイス。
  10. 請求項1から6の何れか一項に記載された電流検出プローブと、
    前記電流検出プローブの第1コイル(101)側の端部と前記第2コイル(102)側の端部との間に生じる電位差と、及び、前記第3コイル(103)側の端部と前記第4コイル(104)側の端部との間に生じる電位差に基とづいて、前記x方向に沿った電流Jxを算出する第1電流算出部(181)と
    を備えた、電流測定装置。
  11. 前記第1コイル(101)の端部と前記第2コイル(102)の端部との間に生じる電位差を検出する第1検出部(141)と、
    前記第3コイル(103)の端部と前記第4コイル(104)の端部との間に生じる電位差を検出する第2検出部(142)と、
    前記第1検出部(141)で検出された電位差に基づいて、前記第1コイル(101)を通過する磁界Hz(y)1と前記第2コイル(102)を通過する磁界Hz(y)2との差分ΔHz(y)を算出する第1磁界差分算出部(161)と、
    前記第2検出部(142)で検出された電位差に基づいて、前記第3コイル(103)を通過する磁界Hy(z)1と前記第4コイル(104)を通過する磁界Hy(z)2との差分ΔHy(z)を算出する第2磁界差分算出部(162)とをさらに備え、
    前記第1電流算出部(181)は、前記第1磁界差分算出部(161)で算出された差分ΔHz(y)と前記第2磁界差分算出部(162)で算出された前記差分ΔHy(z)とに基づいて前記x方向に沿った電流Jxを算出する、
    請求項10に記載の電流測定装置。
  12. 請求項7または8に記載の電流検出プローブと、
    前記第1コイル(101)の端部と前記第2コイル(102)の端部との間に生じる電位差、及び、前記第3コイル(103)の端部と前記第4コイル(104)の端部との間に生じる電位差に基づいて、前記x方向に沿った電流Jxを算出する第1電流算出部(181)と、
    前記第5コイル(105)の端部と前記第6コイル(106)の端部との間に生じる電位差、及び、前記第7コイル(107)の端部と前記第8コイル(108)の端部との間に生じる電位差に基づいて、前記y方向に沿った電流Jyを算出する第2電流算出部(182)と、
    前記第9コイル(109)の端部と前記第10コイル(110)の端部との間に生じる電位差、及び、前記第11コイル(111)の端部と前記第12コイル(112)の端部との間に生じる電位差に基づいて、前記z方向に沿った電流Jzを算出する第3電流算出部(183)とを備えた、
    電流測定装置。
  13. 前記第1コイル(101)の端部と前記第2コイル(102)の端部との間に生じる電位差を検出する第1検出部(141)と、
    前記第3コイル(103)の端部と前記第4コイル(104)の端部との間に生じる電位差を検出する第2検出部(142)と、
    前記第5コイル(105)の端部と前記第6コイル(106)の端部との間に生じる電位差を検出する第3検出部(143)と、
    前記第7コイル(107)の端部と前記第8コイル(108)の端部との間に生じる電位差を検出する第4検出部(144)と、
    前記第9コイル(109)の端部と前記第10コイル(110)の端部との間に生じる電位差を検出する第5検出部(145)と、
    前記第11コイル(111)の端部と前記第12コイル(112)の端部との間に生じる電位差を検出する第6検出部(146)と、
    前記第1検出部(141)で検出された電位差に基づいて、前記第1コイル(101)を通過する磁界Hz(y)1と前記第2コイル(102)を通過する磁界Hz(y)2との差分ΔHz(y)を算出する第1磁界差分算出部(161)と、
    前記第2検出部(142)で検出された電位差に基づいて、前記第3コイル(103)を通過する磁界Hy(z)1と前記第4コイル(104)を通過する磁界Hy(z)2との差分ΔHy(z)を算出する第2磁界差分算出部(162)と、
    前記第3検出部(143)で検出された電位差に基づいて、前記第5コイル(105)を通過する磁界Hx(z)1と前記第6コイル(106)を通過する磁界Hx(z)2との差分ΔHx(z)を算出する第3磁界差分算出部(163)と、
    前記第4検出部(144)で検出された電位差に基づいて、前記第7コイル(107)を通過する磁界Hz(x)1と前記第8コイル(108)を通過する磁界Hz(x)2との差分ΔHz(x)を算出する第4磁界差分算出部164と、
    前記第5検出部(145)で検出された電位差に基づいて、前記第9コイル(109)を通過する磁界Hy(x)1と前記第10コイル(110)を通過する磁界Hy(x)2との差分ΔHy(x)を算出する第5磁界差分算出部165と、
    前記第6検出部(146)で検出された電位差に基づいて、前記第11コイル(111)を通過する磁界Hx(y)1と前記第12コイル(112)を通過する磁界Hx(y)2との差分ΔHx(y)を算出する第6磁界差分算出部とを備え、
    前記第1電流算出部(181)は、前記第1磁界差分算出部(161)で算出された差分ΔHz(y)と前記第2磁界差分算出部(162)で算出された前記差分ΔHy(z)とに基づいて、前記x方向に沿った電流Jxを算出し、
    前記第2電流算出部(182)は、前記第3磁界差分算出部(163)で算出された差分ΔHx(z)と前記第4磁界差分算出部(164)で算出された前記差分ΔHz(x)とに基づいて、前記y方向に沿った電流Jyを算出し、
    さらに、前記第3電流算出部(183)は、前記第5磁界差分算出部(165)で算出された差分ΔHy(x)と前記第6磁界差分算出部(166)で算出された前記差分ΔHx(y)とに基づいて、前記z方向に沿った電流Jzを算出する、
    請求項12に記載の電流測定装置。
  14. 請求項1から8の何れか一項に記載された電流検出プローブと、
    前記電流検出プローブを測定対象に対して相対移動させる移動装置(410)と、
    前記電流検出プローブからの出力に基づいて電流を算出する電流算出装置(420)と
    を備えた、多点電流測定装置。
  15. 請求項1から8の何れか一項に記載された電流検出プローブが複数の位置に配置された検出体(510)と、
    前記検出体に配置された複数の電流検出プローブからの出力に基づいて電流を算出する電流算出装置(520)と
    を備えた、多点電流測定装置。
  16. 所定の位置に配置された請求項1から8の何れか一項に記載された電流検出プローブと、
    前記電流検出プローブに生じる電位差に基づいて電気的な動作状態を制御する制御部(610)と
    を備えた電気機器。
  17. 請求項1から6の何れか一項に記載された電流検出プローブを用いて電流を検出する方法であって、
    前記第1コイル(101)の端部と前記第2コイル(102)の端部との間に生じる電位差に基づいて、前記第1コイル(101)を通過する磁界Hz(y)1と、前記第2コイル(102)を通過する磁界Hz(y)2との差分ΔHz(y)を算出する工程と、
    前記第3コイル(103)の端部と前記第4コイル(104)の端部との間に生じる電位差に基づいて、前記第3コイル(103)を通過する磁界Hy(z)1と前記第4コイル(104)を通過する磁界Hy(z)2との差分ΔHy(z)を算出する工程と、
    前記算出された差分ΔHz(y)と差分ΔHy(z)とに基づいて、前記x方向に沿った電流Jxを算出する工程とを含む、
    電流測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11009531B2 (en) 2015-10-30 2021-05-18 Hamamatsu Photonics K.K. Image generating method, image generating device, image generating program, and storage medium

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