JP2011221343A - 電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器 - Google Patents

電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電気泳動粒子の移動を制御することによって、明度、彩度、色相の3つまたは少なくとも1つを制御することができ、良好なカラー表示が行える電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器を提供することを目的の一つとしている。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置は、第1基板および第2基板と、第1基板および第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の粒子と、分散媒と、を有する電気泳動層と、第1基板の電気泳動層側に島状に形成され、総面積が1/4画素以下の面積となる第1電極および第2電極と、第2基板の電気泳動層側に形成され第1電極および第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、第1電極および第2電極は互いに独立に駆動され、第3電極側から電気泳動層を見たときに視認される粒子の面積により階調を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器に関するものである。
近年、電子ペーパーなどの表示部として、電気泳動表示装置が用いられるようになっている。電気泳動表示装置は、液相分散媒(溶媒)に複数の電気泳動粒子が分散された電気泳動分散液を有する構成になっている。電気泳動表示装置は、電界を印加することで電気泳動粒子の分布状態が変化し、電気泳動分散液の光学特性が変化することを表示に利用した装置である。
このような電気泳動表示装置において、下記特許文献1,2に記載されているような3粒子を用いたカラー電気泳動表示装置の概念が提案されている。これらには、電荷が正に帯電した粒子、負に帯電した粒子、無帯電の粒子の3粒子が3つの電極を用いて駆動されることが記載されている。ところが、カラー電気泳動表示装置を実現するために1つのサブ画素で明度および彩度の制御性に課題があり、フルカラー表示を行うことが困難である。すなわち、上記文献には電荷が、正、負、帯電なしの3粒子が3つの電極を用いて駆動されることが記載されているが、1画素が3つのサブ画素に分かれており、それらの分離に隔壁の形成が必要である。隔壁を用いた場合は隔壁内への電気泳動材料の充填や対向基板の貼り合せ方法など、生産性に関して多くの課題を有している。
一方、他の方法としてカラーフィルターを用いる方法も提案されている(特許文献3)。
特開2009−9092号公報 特開2009−98382号公報 特開2009−301059号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載されているようなカラーフィルターを用いる方法は原理的に暗く、明るく視認性の良い表示が得られないという問題がある。
このように、明るく視認性が良く、生産性に優れるカラー電気泳動装置の実現方法はいまだ提案されていなかったのが実情である。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、電気泳動粒子の移動を制御することによって、明度、彩度、色相の3つまたは少なくとも1つを制御することができ、良好なカラー表示が行える電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器を提供することを目的の一つとしている。
本発明の電気泳動表示装置は、上記課題を解決するために、第1基板および第2基板と、前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の粒子と、分散媒と、を有する電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側に画素ごとに島状に形成された第1電極および第2電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御することを特徴とする。
本発明によれば、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の粒子と、分散媒と、を有する電気泳動層を備えているので、複数色の表示が可能となる。第1電極および第2電極に印加する電圧の極性や大きさなどによって電気泳動層内に混入された粒子の移動や分布範囲を制御することができる。これにより、明度、再度、色相の3つまたは少なくとも1つを制御することができ、良好なカラー表示が行える電気泳動表示装置を提供することができる。本発明では、第1電極、第2電極および第3電極に任意の電圧を印加することで粒子を第3電極上に分布させることができるため、第3電極側から電気泳動層を見たときに視認される粒子の面積により階調を制御することによって所望とする表示が得られる。また、画素ごとにもうけられた第1電極および第2電極の1画素における総面積が1/4画素以下であることから第3電極上に小さなドット領域で粒子を分布させることができ、この結果、階調の幅が広くなる。
本発明の電気泳動表示装置は、上記課題を解決するために、第1基板および第2基板と、前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の分散媒と、を有する電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側に画素ごとに島状に形成された第1電極および第2電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御することを特徴とする。
本発明によれば、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の分散媒と、を有する電気泳動層を備えているので、複数色の表示が可能となる。第1電極および第2電極に印加する電圧の極性や大きさなどによって電気泳動層内に混入された粒子の移動や分布範囲を制御することができる。これにより、明度、再度、色相の3つまたは少なくとも1つを制御することができ、良好なカラー表示が行える電気泳動表示装置を提供することができる。本発明では、第1電極、第2電極および第3電極に任意の電圧を印加することで粒子を第3電極上に分布させることができるため、第3電極側から電気泳動層を見たときに視認される粒子の面積により階調を制御することによって所望とする表示が得られる。また、画素ごとにもうけられた第1電極および第2電極の1画素における総面積が1/4画素以下であることから第3電極上に小さなドット領域で粒子を分布させることができ、この結果、階調の幅が広くなる。
また、前記第1の色の粒子はプラスに帯電しており、前記第2の色の粒子はマイナスに帯電していることが好ましい。
本発明によれば、溶媒中にプラスに帯電した第1の色の粒子と、マイナスに帯電した第2の色の粒子とが混在していることから、正負に帯電した各粒子の移動および分布状態を制御することによって任意の色を表示することができる。つまり、第1電極および第2電極に印加する電圧の極性によって第3電極側への粒子の移動を制御することができる。これにより、任意の色の粒子を第3電極上に分布させることが可能である。
また、前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色が、RGBあるいはCMYのうちのいずれかの組み合わせであることが好ましい。
本発明によれば、粒子と溶媒との色の組み合わせによってフルカラー表示を行うことができる。
また、前記第1電極及び前記第2電極がそれぞれ複数設けられ、複数の第1電極どうしは第1接続電極により相互に接続され、複数の第2電極どうしは第2接続電極により相互に接続されていることが好ましい。
本発明によれば、第1接続電極を介して複数の第1電極に対して同じ電圧を同時に印加でき、第2接続電極を介して第2電極に対して同じ電圧を同時に印加することができるので、各電極に対する印加電圧の制御が容易である。
また、第1電極どうしが隣り合う方向、あるいは第1電極と第2電極とが隣り合う方向における第1電極および第2電極の幅が、前記第1電極と前記第3電極との間隔よりも短いことが好ましい。
本発明によれば、本発明によれば、第1電極どうしが隣り合う方向、あるいは第1電極と第2電極とが隣り合う方向における第1電極および第2電極の幅が、前記第1電極と前記第3電極との間隔よりも短い寸法に設定されていることから、第3電極上での粒子の分布範囲を小さくすることができる。これにより、小さなドット表示を行うことが可能である。このドットの大きさで階調(色)を調整することが可能である。
また、第1電極および第2電極の幅が、前記第1電極と前記第3電極との間隔の半分以下の長さであることが好ましい。
本発明によれば、第1電極および第2電極の幅が、前記第1電極と前記第3電極との間隔の半分以下の長さであることから、より小さいドット表示を行うことが可能となる。
また、粒子が透明部と着色部とを有してなり、着色部は、波長により透過率が異なるよう構成されていることが好ましい。
本発明によれば、淡い色を表現することができる。
また、前記分散媒中に無色透明粒子が混在されていることが好ましい。
本発明によれば、光が無色透明粒子によって反射されて輝度が向上してより明るい表示が得られる。
また、前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記第1の色の粒子の面積と、前記第2の色の粒子の面積とに応じて、前記第1の色と前記第2の色との混色を表示することが好ましい。
本発明によれば、第3電極側から電気泳動層を見たときに視認される第1の色の粒子の面積と、第2の色の粒子の面積とに応じて、第1の色と第2の色との混色を表示することから、第1の色の粒子と第2の色の粒子の分布面積を制御することによって所望とする色表示が行える。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は、第1基板および第2基板と、前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の粒子と、分散媒と、を有する電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側に形成された第1電極および前記第2電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御する電気泳動表示装置の駆動方法であって、表示動作が、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第1電極および第2電極側に引き寄せるための電圧をそれぞれに印加する動作と、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第3電極側へ移動させるための電圧をそれぞれに印加する動作と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、一旦、初期状態に戻すことができるので、新たな表示のための電位を書き込む際に粒子の移動がスムーズに行われる。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は、第1基板および第2基板と、前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の分散媒と、を有する電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側に形成された第1電極および前記第2電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御する電気泳動表示装置の駆動方法であって、表示動作が、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第1電極および第2電極側に引き寄せるための電圧をそれぞれに印加する動作と、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第3電極側へ移動させるための電圧をそれぞれに印加する動作と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、一旦、初期状態に戻すことができるので、新たな表示のための電位を書き込む際に粒子の移動がスムーズに行われる。
また、粒子の第2基板側における2次元あるいは3次元的な分布を第1電極、第2電極および第3電極に印加する電圧の大きさおよび印加時間によって制御することが好ましい。
本発明によれば、粒子の第2基板(第3電極)側における2次元あるいは3次元的な分布を各電極に印加する電圧の大きさおよび印加時間によって制御することによって、階調制御を行うことができ、任意の色の表示を実現することが可能となる。
また、前記印加時間をパルス幅あるいはフレーム数によって制御することが好ましい。
本発明によれば、印加時間をパルス幅あるいはフレーム数によって制御することによって、容易に階調制御を行うことができ、任意の色の表示を確実に実現することが可能である。
また、第1電極および第2電極に対して異なる電圧を同時に印加することが好ましい。
本発明によれば、第1電極および第2電極に対して異なる電圧を同時に印加することにより、表示の切り替えを迅速に行える。
また、第1電極および第2電極に対して異なる電圧を順次印加することが好ましい。
本発明によれば、第1電極および第2電極に対して異なる電圧を順次印加することにより、対向基板側での粒子の2次元あるいは3次元的な分布の制御が容易である。
また、前記第1電極に、前記第3電極に対して正極性の電圧を印加し、前記第2電極に、前記第3電極に対して負極性の電圧を印加することにより前記粒子を前記第1電極側及び前記第2電極側に引き寄せる、第1のプリセット動作と、前記第1電極に、前記第3電極に対して負極性の電圧を印加し、前記第2電極に、前記第3電極に対して正極性の電圧を印加することにより前記粒子を前記第1電極側及び前記第2電極側に引き寄せる、第2のプリセット動作と、有することが好ましい。
本発明によれば、第1のプリセット動作と第2のプリセット動作とで、第1電極と第2電極に印加する電圧の極性を切り替えて表示を行なうことにより、第1電極、第2電極および第3電極間のDC成分が無くなり、それぞれが交流駆動されることになる。これにより、電気泳動材料の劣化や、電極の腐食等を防止することができる。
また、前記第1のプリセット動作と前記第2のプリセット動作とを交互に行うことが好ましい。
本発明によれば、第1のプリセット動作と前記第2のプリセット動作とを交互に行うことで、プリセット動作で一旦初期状態に戻してから表示を行える。これにより、連続して表示動作を実行するときよりも粒子の移動がスムーズになり、表示の切り替えを安定して行うことができる。
また、前記第1の色の粒子はプラスに帯電しており、前記第2の色の粒子はマイナスに帯電していることが好ましい。
本発明によれば、第1電極および第2電極に異なる極性の電圧(第3電極に対して正極性あるいは負極性の電圧)を印加することによって、第1の色の粒子の移動および第2の色の粒子の移動をそれぞれ制御することができる。
また、前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色が、RGBあるいはCMYのうちのいずれかの組み合わせであることが好ましい。
本発明によれば、フルカラー表示が行える。
本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、サブ画素を用いることなくカラー表示が可能な表示部を備えていることから、表示画像(表示色)の明度、彩度、色相の少なくともいずれかを適宜制御することが可能である。
第1実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示す図。 LCD,CRTなどで用いられているカラー表示方法についての説明図。 インクジェットプリンターにおけるカラー表示方法についての説明図。 表示方法の概念を示す図であって、(a)加法混合、(b)減法混合。 第1実施形態の電気泳動表示装置の1画素における部分断面図。 シアン(C)色の電気泳動粒子の光の透過率を示す図。 3粒子を用いた電気泳動表示装置の動作原理を示す図であって、(a)マゼンタ表示、(b)シアン表示、(c)白表示。 黒表示。 透明粒子の保持状態を示す断面図。 印加極性を逆にした場合の表示状態を示す断面図。 1画素内の画素電極の分布を示す説明図。 粒子の分布状態を示す図であって、(a)シアン表示、(b)イエロー表示。 粒子の分布状態を示す図であって、(a)黒表示、(b)白表示。 第1実施形態の電気泳動表示装置における等価回路図。 1画素における概略構成を示す平面図。 1画素における具体的な構成例を示す平面図。 図16のA−A線に沿う断面図。 画素をシアン表示、黒表示にする動作を示すタイミングチャートである。 画素を緑表示から白表示に切り替える動作を示すタイミングチャートである。 第1実施形態の電気泳動表示装置の1画素における概略構成を示す断面図。 第1実施形態の電気泳動表示装置の製造方法を示す工程図。 上記に続く工程図。 上記に続く工程図。 第2実施形態の電気泳動表示装置における等価回路図。 第2実施形態の1画素における具体的な構成例を示す平面図。 変形例1の電気泳動表示装置における概略構成を示す図。 変形例2の電気泳動表示装置における製造工程図。 散布装置を用いてスペーサーを配置する場合の説明図。 スペーサーを散布して製造する場合の工程図。 変形例2の構成を示す図。 変形例2の電気泳動表示装置における製造工程図。 緑表示を行う場合の構成例を示す断面図。 画素電極の変形例。 画素電極の変形例。 画素電極の変形例。 電子機器の一例を示す図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。本明細書では、赤、緑、青の各色をそれぞれR、G、Bとも表記し、シアン、マゼンタ、イエローの各色をそれぞれC、M、Yとも表記する。
[第1実施形態]
図1(a)は、電気泳動表示装置100の全体構成を示す平面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置100は、素子基板300が対向基板310よりも大きな平面寸法を有しており、対向基板310よりも外側に張り出した素子基板300上に2つの走査線駆動回路61と2つのデータ線駆動回路62とが外部機器と接続するためのフレキシブル基板201,202上にCOF(Chip On Film)実装(あるいはTAB(Tape Automated Bonding)実装)されている。そして、走査線駆動回路61が実装されたフレキシブル基板201が、素子基板300の一短辺に沿った辺縁部に形成された端子形成領域に、ACP(異方性導電ペースト)やACF(異方性導電フィルム)等を介して実装されている。ここで、素子基板300は、後述する第1基板30を基体として構成され、対向基板310は、後述する第2基板31を基体として構成されている。
また、データ線駆動回路62が実装されたフレキシブル基板202が、素子基板300の一長辺に沿った辺縁部に形成された端子形成領域に、ACPやACF等を介して実装されている。各端子形成領域には、それぞれ複数の接続端子が形成されており、各々の接続端子に対して表示部5から延びる後述の走査線やデータ線が接続されている。
また、素子基板300と対向基板310とが重なる領域に表示部5が形成されており、表示部5から延びる配線(走査線66やデータ線68)が、走査線駆動回路61及びデータ線駆動回路62が実装されている領域に延出され、当該実装領域に形成された接続端子に接続されている。そして、かかる接続端子に対してフレキシブル基板201,202がACPやACFを介して実装されている。
図1(b)は、電気泳動表示装置の全体構成を示す等価回路図である。
図1(b)に示すように、電気泳動表示装置100の表示部5には、複数の画素40がマトリクス状に配列されている。表示部5の周辺には、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62が配置されている。走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62は、それぞれコントローラー(不図示)と接続されている。コントローラーは、上位装置から供給される画像データや同期信号に基づき、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62を総合的に制御する。
表示部5には走査線駆動回路61から延びる複数の走査線66と、データ線駆動回路62から延びる複数のデータ線68とが形成されており、これらの交差位置に対応して画素40が設けられている。各画素40には、2本の異なるデータ線68が接続されている。
走査線駆動回路61は、複数の走査線66を介して各々の画素40に接続されており、コントローラーの制御のもと、各走査線66を順次選択し、画素40に設けられた選択トランジスタTR1、TR2(図14参照)のオンタイミングを規定する選択信号を、選択した走査線66を介して供給する。データ線駆動回路62は、複数のデータ線68を介して各々の画素40に接続されており、コントローラーの制御のもと、画素40の各々に対応する画素データを規定する画像信号を画素40に供給する。
以下に、一般的なカラー表示方法について説明する。
図2(a),(b)は液晶表示装置(LCD)や陰極線管(CRT)などで用いられているカラー表示方法についての説明図である。図3(a),(b)はインクジェットプリンターなどで用いられているカラー表示方法についての説明図である。図4(a)は加法混色についての説明図であり、(b)は減法混色についての説明図である。
図2(a),(b)に示すように、LCD,CRTなどで用いられている一般的なカラー表示方法は、1つの画素をRGBの3つのサブ画素に分け、各色の光強度を制御することによってフルカラー表示を行う。すなわち、RGBの各画素からの光を足し合わせたスペクトルの光により表示を行う。これはいわゆる加法混色である。図2(a),(b)では、Bの光の透過強度を0.8、Gの光の透過強度を0.7、Rの光の透過強度を0として足し合わせることにより、水色に近い色を表示している状態を示している。
これに対して、図3(a),(b)に示す、インクジェットプリンターなどで用いられている方法は、CMYの各色インクを1画素内で多数のドットとして打ち、それらの組み合わせによってフルカラー表示を行う。具体的には、CMYの各色インクは、所定の吸収スペクトルを有しており、画素に入射した光はこれらのインクにより特定の波長域において一部吸収される。この結果、画素において反射した光は、入射光のスペクトルからインクの吸収スペクトルを減じたスペクトルを有する光となる。このような光により表示が行われる。
図3(a),(b)では、図2(a),(b)と同様の色を表示した状態を示している。このように、青(B)の成分については、シアン(C)とマゼンタ(M)の重ね合わせにより実現し、緑(G)の成分については、シアン(C)に含まれるGの波長成分により実現する。また、反射強度が0となる赤(G)の成分については、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の重ね合わせにより表現する。具体的には、図3(b)に示すように、画素全体にシアン(C)のインクを塗布し、その一部の領域においてマゼンタ(M)のインクを重ね、マゼンタ(M)の塗布領域のさらに一部の領域においてイエロー(Y)のインクを重ねることで実現する。
このように、RGBの色はCMYのうち2色を重ねることで表現し、CMYの色はCMYのうち1色を単独で配置することで表現する。また、白はインクを打たないこと、黒はCMY3つの重ね打ちで実現できる。打つインクの場所は1画素内で多数あり、それらの大きさを任意に変え、一部を重ねたり、重ねなかったりすることにより細かい色合いも表現でき、フルカラー表示を実現できる。これはいわゆる減法混色である。
また、ここで紙が白色で光を反射する、そしてインクも光を透過するように作られているために明るい画像が得られることも付記しておく。
図4(a),(b)は上記2つの概念(加法混色、減法混色)を用いて赤色を表示した時の概念図である。図4(a)は加法混色により赤色を表示した場合を示しており、発色しているのは、1画素を構成する3つのサブ画素のうちの1つのサブ画素のみである。残り2つのサブ画素からは、表示に寄与する光が観察側に射出されていない。それに対して図4(b)の減法混色は1画素の全エリアで発色が可能である。よって、加法混色より減法混色の方が明るい表示を行うことができる。このことは、反射型の電気光学装置において表示を行う場合にも妥当する。よって、反射型の電気光学装置において明るい表示を行うためには、例えば1画素内にCMYの3色の要素を任意の面積で、かつ重ねることが可能なように構成すれば良いことがわかる。
ここでのポイントは、CMYの3色の要素により1画素を構成し、サブ画素を用いないことと、CMYは1画素内で複数のドットとして表現し、それらの大きさや重ねあわせを用いて色(明度、彩度、色相)を表現することである。
次に、電気泳動表示装置におけるカラー表示方法について述べる。
図5は電気泳動表示装置の1画素における部分断面図である。図6は、シアン粒子の光の透過率を示すグラフである。なお、図5においては原理を説明するために各構成については簡略化してある。
図5に示すように、電気泳動表示装置100は、第1基板30と第2基板31との間に電気泳動層32が挟持されてなる。電気泳動層32は、透明な分散媒21(T)中に、マイナスに帯電したシアン色の負帯電粒子26(C)(第1の色の粒子)と、プラスに帯電したイエロー色の正帯電粒子27(Y)(第2の色の粒子)と、マゼンタ色の無帯電粒子28(M)(第3の色の粒子)と、を保持(分散)している。帯電した粒子(負帯電粒子26(C)、正帯電粒子27(Y))は、電気泳動層中において電気泳動粒子として振る舞う。第1基板30の電気泳動層32側には、第1画素電極35A(第1電極)および第2画素電極35B(第2電極)が形成されている。第2基板31の電気泳動層32側には、対向電極37が形成されている。対向電極37は、平面視で第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bを覆い、第2基板31の少なくとも表示に寄与する部分を覆う領域に形成されている。電気泳動表示装置100は、第2基板31側から観察するものとする。
そして、第1画素電極35Aと対向電極37との間に生じる電界、および第2画素電極35Bと対向電極37との間に生じる電界により、負帯電粒子26(C)と正帯電粒子27(Y)とが制御される。図5において、対向電極37はグランド電位となっているものとする。また、第1画素電極35A、第2画素電極35Bに印加される正の電圧のうち絶対値が最大となる電圧を電圧VH(以下、正の最大値とも称する)、負の電圧のうち絶対値が最大となる電圧を電圧VL(以下、負の最大値とも称する)とする。また、電圧Vhを、絶対値が電圧VHより小さい正の電圧とし、電圧Vlを、絶対値が電圧VLより小さい負の電圧とする。なお、「電極に電圧を印加する」とは、「電極に対して、グランド電位との間で当該電圧を生じさせるような電位を供給する」ことと同義である。
図5の左側において、第1画素電極35Aには絶対値が電圧VLより小さい中程度の大きさのマイナス電圧Vlが印加されている。第1画素電極35Aと対向電極37との間には、第1画素電極35Aの電圧Vlに対応する電位と、対向電極37のグランド電位との電位差に起因した電界が生じており、この電界によりマイナスに帯電した負帯電粒子26(C)は対向電極37側に移動する。ここでは、電極間の電圧があまり大きくないため負帯電粒子26(C)は対向電極37上であまり広がらないで分布する。これは、以下の理由による。すなわち、負帯電粒子26(C)は斜め電界(第1画素電極35Aから、第1基板30の法線に対して傾いた方向に出る電気力線を有する電界)でも移動するが、もともとの電界が大きくないため斜め電界も大きくはならない。よって、負帯電粒子26(C)の第2基板31に平行な方向についての移動量が少なくなり、負帯電粒子26(C)が狭い範囲に集中してスポット的な分布を実現できる。また、移動する粒子数も少なくなる。よって、ここでは小さい面積のシアン表示が行われる。
なお、第1画素電極35Aに電圧VL(負の最大値)を印加すると、電極間電圧が図5の左側の状態より大きくなるため、電極間に生じる電界が大きくなり、図5の左側の状態より多くの負帯電粒子26(C)が第2基板31側に移動する。典型的には、すべての負帯電粒子26(C)が第2基板31側に移動する。また、もともとの電界が大きくなるため、これに従って斜め電界も大きくなり、負帯電粒子26(C)の第2基板31に平行な方向についての移動量が大きくなって、負帯電粒子26(C)が図5より広い範囲に分布した状態となる。この場合には、図5より大きい面積のシアン表示が行われる。
また、図5の右側において、大きなプラス電圧VH(正の最大値)が第2画素電極35Bに印加されており、例えば全ての正帯電粒子27(Y)が対向電極37側に移動し、第2基板31に平行な面内での分布も大きいものになる。ここでは広い面積のイエロー表示が行われる。
なお、第2画素電極35Bに電圧VHより小さい電圧Vhを印加すると、電極間電圧が図5の右側の状態より小さくなるため、電極間に生じる電界が小さくなり、図5の右側の状態より少数の正帯電粒子27(Y)が第2基板31側に移動する。また、もともとの電界が小さくなるため、これに従って斜め電界も小さくなり、正帯電粒子27(Y)の第2基板31に平行な方向についての移動量が小さくなって、正帯電粒子27(Y)が図5より狭い範囲に分布した状態となる。この場合には、図5より小さい面積のイエロー表示が行われる。
また、例えば第1画素電極35Aに電圧VHを印加し、第2画素電極35Bに電圧VLを印加することにより、負帯電粒子26(C)は第1画素電極35A側に引き寄せられ、正帯電粒子27(Y)は第2画素電極35B側に引き寄せられる。この場合には、負帯電粒子26(C)および正帯電粒子27(Y)より相対的に対向電極37側にマゼンタ色の無帯電粒子28(M)が分布することになり、第2基板31側からはマゼンタ色の無帯電粒子28(M)が視認され、1画素の表示がマゼンタとなる。
ここでのポイントは、分散媒中に各色(CMY)の3粒子をプラス、マイナス、無帯電の3つに分けて用いることである。対向電極37に比べて面積の小さい第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bは負帯電粒子26(C)、正帯電粒子(Y)のそれぞれに対して用いられ、各画素電極に印加される電圧の極性に応じて粒子の対向電極37上での分布が制御されるようになっている。ここで、対向電極37上での粒子の分布は、電圧の大きさだけでなく、電圧を印加する時間の長短によっても制御することが可能である。
図6はシアン(C)色の電気泳動粒子の光の透過率を示している。
このシアン粒子は、透明な粒子に対し赤(R)の波長域における透過率を下げたものである。これは明るい表示を得るための工夫である。電気泳動装置で白色が発色されるのは透明粒子が多数存在し、それと分散媒の間で散乱が生じた結果、乱反射が形成され、それが人間の目に白く見えるからである。シアン粒子をこの透明粒子をベースとし、赤のみの透過率を下げたので、青(B)、緑(G)は従来どおり散乱される。このため明るいシアンの発色が得られる。この時、Rの透過率をどの程度下げるかは、電気光学装置に求められる明るさと色合いに応じて決めることができる。図6ではRの透過率を1から99%の範囲とした。また、透過率を下げる波長の範囲も明るさやコントラストを加味して変更できる。透過率を下げる手段としては粒子内での吸収や減衰を用いると良い。
また、シアン粒子においてはR以外の色(B,G)は透過するとしたが、粒子表面である程度の反射を持たせても良い。すなわち半透明な粒子にしてもよい。ここでの反射とは入射光が進行方向でなく入射側に戻ることを指す。粒子に反射を持たせることにより混色を効率よく行う事ができる。例えば、粒子は、透明部と着色部とを有し、このうち着色部が波長により反射率又は透過率が異なるように構成される。
ここで、透過率は1〜99%の範囲であればよく、また反射率は1〜99%の範囲とした。粒子内での波長の減衰、吸収はほとんどないため、吸収率と反射率の和でほぼ100%となる。
また、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の2粒子も同様に作られているので明るい発色が得られる。この状態で第2基板31上にCMYの3粒子を1/3エリアずつ配置すると白表示が得られる。その時の明るさは入射した全光量の2/3が反射するものである。また、このように入射光を散乱する透明粒子(透光性を有する粒子)を用いることにより電気泳動表示装置200の表示のベースを白とすることが可能になる。これでプリンターの白表示と同様の表示が行える。
ここでのポイントは、CMYの3粒子は透明又は半透明粒子であり、CMYの各色の表示を構成するためRGBのどれかの波長域の透過率を下げていることである。また、分散媒は無色透明が好ましい。また、粒子は粒子全体が任意の色で着色されていても良いし、核の部分だけ着色されていても良い。逆に表面だけが着色されていても良い。また表面から核の部分までなだらかに着色状態が変化していてもよい。あるいは部分的に着色されていても良い。また、粒子は球形に限らない。材料は酸化チタンなどの透明無機材料や透明有機材料を主剤とし、そこに染料や顔料を保持させる。
図7に、3粒子を用いた電気泳動表示装置の動作原理を示す。
電気泳動表示装置の電気泳動層32は、透明な分散媒21(T)中にマイナスに帯電したシアン色の負帯電粒子26(C)、プラスに帯電したイエロー色の正帯電粒子27(Y)と、マゼンタ色の無帯電粒子28(M)が保持されてなる。第2基板31の電気泳動層32側には表示エリアほぼ全面に対向電極37が形成されており、第1基板30の電気泳動層32側には1画素ごとに第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bがそれぞれ複数ずつ形成されている(図7中では1つずつ図示してある)。これら第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bは対向電極37よりも小さく形成されている。
図7(a)はマゼンタ表示のときの状態を示す。
ここでは、第1画素電極35Aにプラスの電圧VHを印加し、第2画素電極35Bにマイナスの電圧VLを印加している。すると、マイナスに帯電した負帯電粒子26(C)は第1画素電極35A上に吸着し、プラスに帯電した正帯電粒子27(Y)は第2画素電極35B上に吸着する。外部から入射した光(図中矢印で示す。以下同じ)は分散媒21中を浮遊するマゼンタ色の無帯電粒子28(M)にて青および赤の波長域の成分が散乱され、マゼンタ色となって対向電極37側から出光する。
図7(b)はシアン表示のときの状態を示す。
ここでは、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bにマイナスの電圧VLを印加する。すると、マイナスに帯電した負帯電粒子26(C)は全て対向電極37側へと移動する。一方、プラスに帯電した正帯電粒子27(Y)は第2画素電極35B上に吸着する。外部から入射した光は対向電極37上に分布する負帯電粒子26(C)にて青および赤の波長域の成分が散乱され、シアン色となって対向電極37側から出光する。
図7(c)は白表示のときの状態を示す。
ここでは、まず図7(a)に示した状態から第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに対して電圧を印加する。具体的には、第1画素電極35Aに上記マイナス電圧VLよりも絶対値の小さいマイナス電圧Vlを印加し、第2画素電極35Bに上記プラス電圧VHよりも絶対値の小さいプラス電圧Vhを印加する。すると、第1画素電極35A上の負帯電粒子26(C)の一部が対向電極37側へと移動し、第2画素電極35B上の正帯電粒子27(Y)の一部が対向電極37側へと移動する。対向電極37上に分布した負帯電粒子26(C)および正帯電粒子27(Y)による小さなシアンドット、イエロードットと、これらの間に分布する無帯電粒子28(M)とがそれぞれ画素の面積の約1/3ずつを占有する。この状態の場合、入射光は、RGBそれぞれの波長域においてほぼ同じ量だけ反射されるため白表示となる。
図7(d)は緑表示のときの状態を示す。
ここでは、まず図7(a)に示した状態から第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに対して電圧を印加する。具体的には、第1画素電極35Aに、絶対値が電圧VLより小さくかつ電圧Vlより大きいマイナス電圧を印加して負帯電粒子26(C)を対向電極37上に分布させる。同時に、第2画素電極35Bに、絶対値が電圧VHより小さくかつ電圧Vhより大きいプラス電圧を印加して、正帯電粒子27(Y)を対向電極37上に分布させる。
すると、負帯電粒子26(C)と正帯電粒子27(Y)はそれぞれ白表示の場合より広範囲に分布し、対向電極37上で少なくとも一部が重なり合う。外部から入射した光は、負帯電粒子26(C)と正帯電粒子27(Y)の両方の粒子で散乱され、その際にRとBの光が相対的に多く吸収される。結果としてGの光が表に出る。
図7(d)のポイントは、対向電極37の近傍でCMYの各粒子は互いに少なくとも一部エリアで重なり合う(混ざり合う)ことで、混色が表現される点である。ただし、図7(d)に示すように、対向電極37の全面において負帯電粒子26(C)と正帯電粒子27(Y)の粒子が混ざり合う必要はない。例えば緑色を表示する場合には、一部のエリアにおいてのみ負帯電粒子26(C)と正帯電粒子27(Y)とが混ざり合い、その他の領域はCMYそれぞれの単色エリアとなっていても(白表示も含む)G表示は可能である。その時は淡い(彩度の低い)緑色となる。
図8を用いて黒を表示する場合の動作を説明する。
図7(a)を出発点とし、まず、第1画素電極35Aに小さなマイナス電圧、第2画素電極35Bに小さなプラス電圧を印加する。このとき第1画素電極35Aに印加されるマイナス電圧の絶対値は、図7(c),(d)でそれぞれ第1画素電極35Aに印加される電圧の絶対値の中間の値とする。また、第2画素電極35Bに印加されるプラス電圧の絶対値は、図7(c),(d)でそれぞれ第2画素電極35Bに印加される電圧の絶対値の中間の値とする。すると、対向電極37上には実質的にCMYの3色の粒子がほぼ均等に分布することになる。外部から入射した光はCMYの各色の粒子で次々に透過、散乱されるため、RGB全ての波長域の成分がほぼ均等に吸収される。このため、反射光は黒になる。その後、第1画素電極35Aにプラス、第2画素電極35Bにマイナスの電圧を印加すると、図7(a)のマゼンタ表示に戻ることができる。
以上のように、電気泳動表示装置100は、第1画素電極35A、第2画素電極35Bを独立に駆動することにより、対向電極37側から見たときに視認されるCMY各色の粒子の面積を制御することにより階調を表現する。ここで、CMYそれぞれの粒子の分布領域の境界では粒子の量が少なく完全なCMYそれぞれの色を呈するとは限らない。しかし、この領域においてもCMY各色の表示に対する寄与分は存在する。このような領域の寄与分を含めて視認される実効的な面積、すなわち実効的な粒子の分布面積により階調の制御が行われる。また、粒子によりCMY各色の色を呈するためには、入射光が粒子により複数回散乱されることが必要なため、電気泳動層32内の3次元的な深さ方向の分布も必要になる。上記した視認される面積とは、粒子の2次元、3次元的分布を含めて実際に視認される実効的な面積をさす。このように、電気泳動表示装置100においては、対向電極37側から見た実効的な粒子の面積により階調表示が行われる。
図7(c)、(d)および図8において、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに対して同時に書き換えのための電圧を印加したが、各電極に順次印加しても構わない。順次に印加するというのは1フレーム内において時間差を設けてそれぞれ印加しても良いし、複数フレームを用いて順次印加を実現しても良い。例えば、あるフレームでは第1画素電極35Aに電圧を印加し、次のフレームでは第2画素電極35Bに電圧を印加するとしてもよい。
ここで、図7(d)および図8で示すように、2〜3色の混色を表現する時、粒子は100%の透明性を有する構成ではなく、ある程度の反射性を有していると混色が効率的に行なわれる。例えば、透過率が100%に近いと入射した光は表に出るまで多くの屈折等の反射が必要となり、光を表に出すための厚い粒子層が必要になる。厚い粒子層を対向電極37側の全面に作るのはエネルギー的にも効率的ではない。また、粒子層が薄いと光が表に出ずにセルの底に到達して本来不要な粒子の色を感じて不必要な混色が生じてしまう。それよりも、粒子にある程度の反射性を持たせて、厚くない粒子層で光を表に導く方が混色を行ないやすい。
また、図9(a),(b)に示すように、2つの画素電極35A,35Bが配置された第1基板30の表面に透明粒子29を固定しても良い。これで第2基板31側から電気泳動層32を透過してきた光を散乱し、効率よく表に反射させることができる。粒子は酸化チタンなどの透明無機材料や透明有機材料を用いることができる。図9(a)では画素電極35A,35B上にも透明粒子29が存在し、図9(b)では画素電極35A,35B間のみに透明粒子29が存在する。これにより、より多くの光を反射させることができ輝度が向上する。ここで、透明粒子29は無帯電である。
さらに、図9(c)に示すように無帯電の無色の透明粒子29を分散媒21(T)中に分散されても良い。これにより、透明粒子29全体の光の全波長に対する散乱能が向上し、明るい白が出しやすくなる。また、少量の無帯電の黒粒子を分散媒に保持させて黒を出しやすくしても良い。あるいは、両者を保持させても良い。無帯電の透明粒子29の透過率、反射率、材料等は色粒子に準じる。
また、任意の画像を表示する際にリセット動作としてマゼンタ表示を出発点としているが、連続して異なる画像を表示する場合には、図10(a),(b)に示すように、最初の画像を表示するときのリセット表示動作では画素電極35Aにプラス電圧VHを印加するとともに画素電極35Bにマイナス電圧VLを印加し、次の画像を表示するときのリセット表示動作では画素電極35Aにマイナス電圧VLを印加するとともに画素電極35Bにプラス電圧VHを印加してもよい。このように、先のリセット動作とは逆極性の電圧を各画素電極35A,35Bに印加することによって、対向電極37を含めた3つの電極間に交流電圧が印加されて、直流電圧がかからなくなり、電気泳動材料の劣化や電極の腐食を防止することができる。
図11は1画素内の画素電極の分布を示す説明図である。
第1基板上には、第1画素電極35A、第2画素電極35Bおよび電極未形成領域Sが設けられている。これらは、1画素内においてそれぞれ均等に分布されている。ここでは、原理説明のため一方向に繰り返すパターンとした。1画素内の複数の第1画素電極35Aには、同一の信号が供給され、1画素内の複数の第2画素電極35Bには、同一の信号が供給される。よって、負帯電粒子26(C)および正帯電粒子27(Y)は第1画素電極35A、第2画素電極35Bのいずれかに対応して動作する。なお、マゼンタ色の無帯電粒子28(M)は、第1画素電極35A、第2画素電極35Bに供給される信号に関わらず動作しないため、対応する電極がない。
具体的には、第1画素電極35Aと第2画素電極35Bとをそれぞれ3つずつ用い、正三角形を描くレイアウトを基本としている。ここでは、各電極35A,35Bの基本レイアウトを用いて六角形を呈するように配列されたパターンとされている。各電極35A,35Bは六角形の6つの頂部にそれぞれ位置し、隣り合う画素電極どうしが異なるように交互に配列されている。
電極未形成領域Sはこれら六角形状に配置された6つの電極35A,35Bの配列の中央に配置することとなる。
換言すれば、各第1画素電極35Aの周囲には、当該第1画素電極35Aの位置が重心となるように3つの第2画素電極35Bが正三角形を形成するように配置されており、また、各第2画素電極35Bの周囲には、当該第2画素電極35Bの位置が重心となるように3つの第1画素電極35Aが正三角形を形成するように配置されている。また、各第1画素電極35A、各第2画素電極35Bの周囲には、これら第1画素電極35A又は第2画素電極35Bの位置が重心となるように3つの電極未形成領域Sが位置する。
なお、電極35A,35Bの配列は六角形に限定されることはなく、電極35A,35Bおよび電極未形成領域Sどうしが互いに等間隔で配置されればこれ以外の配列形状であってもよい。
図12(a)はシアン表示のときのシアン粒子の分布状態を示す図である。
図12(a)に示すように、第1画素電極35Aにマイナスの電圧を印加することでマイナスに帯電したシアン色の負帯電粒子26(C)を対向電極37側へ全て移動させる。負帯電粒子26(C)は第1画素電極35Aを中心とする平面視円形状の領域(分布領域R(C))に分布する。対向電極37上に形成される複数の分布領域R(C)どうしは部分的に重なっている。
このように、対向電極37の表面全体においてシアン粒子層が形成されることにより、外部から入射した光はシアン粒子によって反射されてシアン色となり、外部に出光する。よってシアン表示となる。
図12(b)はイエロー表示のときのイエロー粒子の分布状態を示す図である。
図12(b)に示すように、第2画素電極35Bにプラスの電圧を印加することでプラスに帯電したイエロー色の正帯電粒子27(Y)を対向電極37側へ全て移動させる。正帯電粒子27(Y)は第2画素電極35Bを中心とする平面視円形状の領域(分布領域R(Y))に分布する。対向電極37上に形成される複数の分布領域R(Y)どうしは部分的に重なっている。
このように、対向電極37の表面全体においてイエロー粒子層が形成されることにより、外部から入射した光はイエロー粒子によって反射されてイエロー色となり、外部に出光する。よってイエロー表示となる。
図13(a)は黒表示のときのシアン粒子、イエロー粒子、マゼンタ粒子の分布状態を示す図である。
図13(a)に示すように、シアン粒子およびイエロー粒子が隣り合う画素電極あたりまで分布している。第1画素電極35A上に分布するシアン粒子はその分布領域R(C)が隣り合う第2画素電極35Bにまで分布しており、第2画素電極35B上に分布するイエロー粒子はその分布領域R(Y)が隣り合う第1画素電極35Aにまで分布している。マゼンタ粒子は例えばシアン粒子層およびイエロー粒子層の隙間やそれらの下層側に分布する。
このように、対向電極37の表面全体においてシアン粒子、イエロー粒子およびマゼンタ粒子が互いに重なり合うようにして分布する。その結果、外部から入射した光は各粒子に吸収されて黒色となり、黒表示となる。
図13(b)は白表示のときのシアン粒子、イエロー粒子、マゼンタ粒子の分布状態を示す図である。
図13(b)に示すように、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに対してそれぞれシアン表示、イエロー表示のときに印加した電圧よりも小さい電圧を印加すると、図12(a),(b)に示した分布領域よりも小さい面積の分布領域R(C),R(Y)が形成される。シアン粒子およびイエロー粒子の分布領域R(C),R(Y)の総面積はそれぞれ1画素の面積の1/3ずつを占める。マゼンタ粒子はシアン粒子およびイエロー粒子の分布領域R(C),R(Y)の隙間を含む領域に分布しているため、この領域において対向電極37側に露出した状態となる。マゼンタ粒子が露出する領域の面積も、1画素の面積の約1/3となる。
このように、対向電極37の表面全体においてシアン粒子、イエロー粒子、マゼンタ粒子がそれぞれ略均一に混在することによって、外部から入射した光は各粒子に反射されて白色となり、外部に出光する。
図14は、電気泳動表示装置における等価回路図である。
図14に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置では1画素内に2つの選択トランジスタが設けられている。1画素における画素回路は、電気光学材料としての電気泳動層32と、この電気泳動層32に電圧を供給するためのスイッチング動作を行う選択トランジスタTR1,TR2と、を含んでそれぞれ構成されている。2つの選択トランジスタTR1,TR2で第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bへの印加電圧を独立に制御することでクロストークのない画像表示を行うことができる。
選択トランジスタTR1は、ゲートに走査線66(第1走査線)が接続され、ソースにデータ線68(第1データ線)が接続され、ドレインに電気泳動層32が接続されている。選択トランジスタTR2は、ゲートに走査線66(第2走査線)が接続され、ソースにデータ線68(第2データ線)が接続され、ドレインに電気泳動層32が接続されている。具体的には、列方向で隣り合う画素40A,40Bのうち画素40Aにおいては、選択トランジスタTR1,TR2のそれぞれのゲートにm行の走査線66が接続されている。そして、選択トランジスタTR1のソースにN(A)行のデータ線68が接続され、ドレインに電気泳動層32が接続されている。一方、選択トランジスタTR2のソースにN(B)行のデータ線68に接続され、ドレインに電気泳動層32が接続されている。
ここで、選択トランジスタTR1のドレインは第1接続電極44A(図15)を介して電気泳動層32に接続され、選択トランジスタTR2のドレインは第2接続電極44B(図15)を介して電気泳動層32に接続されている。
図15は1画素における概略構成を示す平面図であり、図16は1画素における具体的な構成例を示す平面図である。
図15および図16に示すように、本実施形態の第1接続電極44Aおよび第2接続電極44Bは平面視櫛歯状を呈しており、同画素内に設けられた選択トランジスタTR1,TR2の各ドレイン電極41dと同じ層に形成されている。第1接続電極44Aは選択トランジスタTR1のドレイン電極41dと一体とされ、第2接続電極44Bは選択トランジスタTR2のドレイン電極41dと一体とされている。そして、各接続電極44A,44Bには、これらを覆うようにして第1基板上に形成された層間絶縁膜(不図示)に形成されたコンタクトホールH1,H2(図16)を介してその上に形成された第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bと接続されている。具体的に、第1接続電極44AにはコンタクトホールH1を介して第1画素電極35Aが接続され、第2接続電極44BにはコンタクトホールH2を介して第2画素電極35Bが接続されている。
本実施形態では走査線66を順次選択することによって第1選択トランジスタTR1および第2選択トランジスタTR2を介して各接続電極44A,44Bおよび各画素電極35A,35Bに電圧を供給する。
各接続電極44A,44Bは、上記2方向(例えば、走査線66あるいはデータ線68の延在方向)にそって延在する直角に屈曲した、く字状の幹部441と当該幹部441によって連結された複数の枝部442とを有してなる。複数の枝部442は、幹部441の延在方向とは異なる方向(ここでは、枝部442に対して約45°の方向)に互いに平行に延在しており、すべての枝部442の延在長さが異ならせてある。幹部441の角部(屈曲部分)付近から延出する枝部442が最も長く、該幹部441から遠ざかる幹部441ほど短い長さとなっている。各接続電極44A,44Bは櫛歯状を呈しており、互いにかみ合うようにして画素40内に配置されている。つまり、第1接続電極44Aの枝部442aの両側に第2接続電極44Bの枝部442b,442bが存在する状態となっている。ここで、第1接続電極44Aの枝部442aがその両側に存在する第2接続電極44Bの枝部442b、442bのうちの一方側に片寄るように、接続電極44A,44Bが形成されている。
第1接続電極44Aの枝部442aは第1画素電極35Aに対応し、第2接続電極44Bの枝部442bは第2画素電極35Bに対応している。
そして、第1接続電極44Aおよび第2接続電極44Bにおける特定の枝部442どうしの間に無帯電粒子に対応する電極未形成領域Sが位置している(図15)。もっとも、電極未形成領域Sに対応する位置に第1接続電極44Aおよび第2接続電極44Bが配置されていても良い。
本実施形態の電気泳動表示装置100は、電気泳動層32においてシアン、イエロー、マゼンタの3色の粒子を混在させた状態でカラー表示を行うことが可能であるため、画素ごとにシール材等で電気泳動層32を区画する必要はない。ただし、画素ごとの3色の粒子の数を揃えること等を目的として、1画素を区画するようにしてシール材を配置してもよい。あるいは、シール材により区画される領域が複数の画素を含むようにシール材を配置してもよい。シール材は、液晶装置と同様の材料が用いられ、例えばUV硬化型のアクリル系の材料を用いることができる。あるいは熱硬化型のエポキシ系樹脂を用いてもよい。
ここでは、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bが平面視で円形状に形成されているが、この直径はセルギャップ(第1画素電極35A又は第2画素電極35Bと、対向電極37との距離)よりも小さい形状とされており、セルギャップの1/2以下がより好ましい。これにより、対向電極37上での表示ドットの大きさを小さくすることができ、淡い色表示が可能となる。これで表現できる色範囲が広がる。
本実施形態では、島状に形成された第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bは画素ごとに複数ずつ設けられており、1画素における第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bの総面積が、1画素の面積の1/4以下となっている。
ここで、画素面積は、画素に含まれる電気泳動層32がシール材により区画されている場合には、シール材により区画された領域の面積とすることができる。また、画素に含まれる電気泳動層32がシール材により区画されていない場合には、選択トランジスタTR1に接続される走査線66の配置ピッチと、選択トランジスタTR1に接続されるデータ線68の配置ピッチとの積で定められる面積を画素面積と定義することができる。
また、第1画素電極35Aと第2画素電極35Bは同一画素エリア内で重ならないように、互いに距離を設けて混在するようにして形成されている。
なお、画素電極35A,35Bの平面形状は円形に限らず、多角形でも良い。
素子基板300と対向基板310との間隔を保持するためのスペーサーSPは、感光性アクリルを用いて柱状を呈する厚さ(高さ)40μmを有してなり、複数の画素40ごとに1つの割合で用いた。
本実施形態では、1画素内に複数の島状の画素電極35A,35Bが形成されている。これら複数の画素電極35A,35Bにより、対向電極37上での粒子の混合をより効率的に行え、混色を効果的に行うことが可能となる。
図17は、図16のA−A線に沿う断面図である。
図17に示すように、第1基板30は厚さ0.5mmのガラス基板からなり、その表面上に厚さ300nmのアルミニウム(Al)からなるゲート電極41e(走査線66)が形成されている。そして、このゲート電極41eを覆うようにして第1基板30の表面全体に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜41bが形成され、ゲート電極41eの直上に厚さ50nmのa−IGZO(In、Ga、Znの酸化物)からなる半導体層41aが形成されている。
このゲート絶縁膜41b上には、厚さ300nmのAlからなるソース電極41c(データ線68)およびドレイン電極41dがゲート電極41eおよび半導体層41aと一部重なるようにそれぞれ設けられている。ソース電極41cとドレイン電極41dは半導体層41aに一部乗り上げるようにして形成されている。また、同じく厚さ300nmのアルミニウム(Al)からなる接続電極44がゲート絶縁膜41b上に形成されている。この接続電極44は、ソース電極41cおよびドレイン電極41dと同時にパターン形成されるものでドレイン電極41dと接続されている。
ここで、選択トランジスタTR1,TR2としては、一般的なa−SiTFT、ポリSiTFT、有機TFT、酸化物TFT等が使用可能である。構造もトップゲート、ボトムゲート構造共に可能である。
選択トランジスタTR1,TR2および接続電極44上にはこれらを覆うようにして、厚さ300nmの酸化シリコン膜からなる第1層間絶縁膜42Aと、厚さ1μmの感光性アクリルからなる第2層間絶縁膜42Bとが形成されている。第2層間絶縁膜42Bは平坦化膜として機能する。なお、第1層間絶縁膜に平坦化膜としての機能を付与で着れば第2層間絶縁膜は必ずしも必要ではなく、省略することができる。そして、これら第1層間絶縁膜42Aおよび第2層間絶縁膜42Bに形成されたコンタクトホールHを介して50nmのITOからなる画素電極35が複数設けられている。
そして、第1基板30の最表面上に上記したスペーサーSPが形成されている。
〔電気泳動表示装置の駆動方法〕
図18および図19に本実施形態の電気泳動表示装置を駆動する際の駆動波形を示す。
図18は、画素40Aをシアン表示、画素40Bを黒表示にする動作を示すタイミングチャートである。
本実施形態では、対向電極37にはグランド電位Vcomを印加し、その状態で、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに所定の電圧を印加することで、任意の色の表示を行う。
[プリセット期間T11]
まず、各画素40A,40Bに対してプリセット動作(第1のプリセット動作)を実施する。画素40A,40Bの第1画素電極35Aにプラスの電圧VH(正の最大値)を印加してマイナスに帯電したシアン色の負帯電粒子26(C)を第1画素電極35A上に吸着させる。同時に、第2画素電極35Bに大きなマイナスの電圧VL(負の最大値)を印加してプラスに帯電したイエロー色の正帯電粒子27(Y)を第2画素電極35B上に吸着させる。このようにして全画素40A,40Bをマゼンタ表示とし、初期状態にする(図7(a),(図10(b)))。
[書き込み期間T12]
続いて、画素40Aをシアン表示、画素40Bを黒表示にする際の書き込み動作を実施する。
まず、画素40Aをシアン表示にする際の動作を説明する。ここでは、m行の走査線66が選択されている間に画素40Aの第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに対してそれぞれマイナスの電圧VLを印加する。すると、第1画素電極35A上に吸着していた負帯電粒子26(C)が全て対向電極37側へと移動し、第2画素電極35B上には正帯電粒子27(Y)が吸着したままである。これにより、画素40Aがシアン表示になる(図7(b))。
次に、画素40Bを黒表示にする際の動作を説明する。ここでは、m+1行の走査線66が選択されている間に、画素40Bの第1画素電極35Aに対して絶対値が電圧VLより小さいマイナスの電圧Vl1(|Vcom|<|Vl1|<|VL|)を印加するとともに、第2画素電極35Bに対して絶対値が電圧VHより小さいプラスの電圧Vh1(Vcom<Vh1<VH)を印加する。すると、第1画素電極35A上に吸着していた負帯電粒子26(C)の一部が対向電極37側へと移動する。同時に、第2画素電極35B上に吸着していた正帯電粒子27(Y)の一部が対向電極37側へと移動する。これにより、それぞれの粒子26(C),27(W),28(M)が対向電極37近傍で混在するように分布する。このようにして画素40Bを黒表示にする(図8)。
[表示保持期間T13]
次に、各画素40A,40Bのシアン表示および黒表示を保持するための動作を実施する。ここでは、表示を書き換えずに保持するため、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35BにVcomを印加する。
次に、各画素40A,40Bにおける第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに印加する極性を切り替えて表示を行う場合の動作について説明する。
[プリセット期間T21]
まず、上述したようなプリセット動作を実行する。ただし、プリセット期間T21では第1画素電極35Aに大きなマイナスの電圧VL(負の最大値)を印加し、第2画素電極35Bに大きなプラスの電圧VH(正の最大値)を印加する(第2のプリセット動作)。これにより、先に述べたプリセット動作のときとは逆の色の粒子が各画素電極35A,35B側にそれぞれ集合する。つまり、第1画素電極35A上にプラスに帯電した正帯電粒子27(Y)が吸着し、第2画素電極35B上にマイナスに帯電した負帯電粒子26(C)が吸着する。このようにして全画素40A,40Bをマゼンタ表示とし、初期状態にする(図10(b))。
[書き込み期間T22]
続いて、画素40Aをシアン表示、画素40Bを黒表示にする際の書き込み動作を実施する。
ここで、画素40Aをシアン表示にする際の動作は先の書き込み期間T12のときと同様である。第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに対してそれぞれ大きなマイナスの電圧VL(負の最大値)を印加して、第2画素電極35B上に吸着していた負帯電粒子26(C)を全て対向電極37側へと移動させ、第1画素電極35A上には正帯電粒子27(Y)を吸着させたままにすることで、画素40Aがシアン表示になる。
次に、画素40Bを黒表示にする際の動作を説明する。ここでは、第1画素電極35Aに対して絶対値が電圧VHより小さいプラスの電圧Vh1(Vcom<Vh1<VH)を印加し、第2画素電極35Bに対して絶対値が電圧VLより小さいマイナスの電圧Vl1(|Vcom|<|Vl1|<|VL|)を印加する。すると、第1画素電極35A上に吸着していた正帯電粒子27(Y)の一部が対向電極37側へと移動し、第2画素電極35A上に吸着していた負帯電粒子26(C)の一部が対向電極37側へと移動する。これにより、それぞれの粒子26(C),27(W),28(M)が対向電極37近傍において混在するように分布する。ここでは、粒子26(C),27(W),28(M)が対向電極37上において混合するような電圧を各画素電極35A,35Bに印加する。これにより画素40Bが黒表示になる(図8)。
[表示保持期間T23]
次に、各画素40A,40Bのシアン表示および黒表示を保持するための動作を実施する。第1画素電極35A、第2画素電極35Bおよび対向電極37の3電極にVcomを印加する。これにより、3つの電極が同電位となって各画素40A,40Bの表示が保持される。
本実施形態では、プリセット期間T11とプリセット期間T21とで、第1画素電極35Aと第2画素電極35Bに印加する電圧の極性を切り替えて表示を行った。印加電圧の極性の切り替えは、1画面の書き込みが終了し、次の画面を書くためのプリセット状態のときに行なう。これにより、第1画素電極35A、第2画素電極35Bおよび対向電極37間のDC成分が無くなり、それぞれが交流駆動されることになる。これにより、電気泳動材料の劣化や、電極の腐食等を防止することができる。
ここで、各電極の印加極性を切り替えるのは1画面毎でなくても、複数画面表示毎でも構わない。
本実施形態では、プリセット動作と書き込み動作を連続して行ったが、間に保持動作を入れても良い。この保持動作(保持状態)は実質的に画素電極に画像を書き換える電圧が外部から印加されない状態を示す。
また、黒表示にする際、各画素電極35A,35Bに印加する電圧の大きさは粒子の大きさや数に応じて適宜設定される。
また、表示保持期間T13、T23では、画素電極35A、35B、対向電極37の3つの電極のうち、少なくとも1つの電極をオープンにして保持しても良い。
図19は、画素40を緑表示から白表示に切り替える動作を示すタイミングチャートである。
対向電極37にはグランド電位Vcomを印加し、その状態で、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに所定の電圧を印加する。
<緑表示>
[プリセット期間T31]
まず、各画素40に対して先に述べたプリセット動作(図18におけるプリセット期間T11と同様の動作)を実施して全画素40をマゼンタ表示とし、初期状態にする(図7(a))。
[書き込み期間T32]
続いて、画素40を緑表示にする際の書き込み動作を実施する。
ここでは、第1画素電極35Aに対して、絶対値が電圧Vl1より大きく電圧VHより小さいマイナスの電圧Vl2(|Vl1|<|Vl2|<|VL|)を印加し、第2画素電極35Bに対して絶対値が電圧Vh1より大きく電圧VHより小さいプラスの電圧Vh2(Vh1<Vh2<VH)を印加する。すると、第1画素電極35A上に吸着していた負帯電粒子26(C)の一部が対向電極37側へ移動し、第2画素電極35B上に吸着していた正帯電粒子27(Y)の一部が対向電極37側へと移動する。これにより、それぞれの粒子26(C),27(Y)が対向電極37上において混合するようにして分布する。また、粒子28(M)のほとんどは粒子26(C),27(Y)による粒子層の下層側にて分布する。これにより全画素40が緑表示となる(図7(d))。なお、3粒子の分布はこれに限らない。
[表示保持期間T33]
次に、各画素40の緑表示を保持するため、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35BにVcomを印加する。このようにして、第1画素電極35A、第2画素電極35Bおよび対向電極37の3電極を同電位にし、緑表示を保持する。
<白表示>
[プリセット期間T41]
まず、各画素40に対して先に述べたプリセット動作(プリセット期間T21と同様の動作)を実施して全画素40をマゼンタ表示とし、初期状態にする(図10(b))。
[書き込み期間T42]
続いて、画素40を白表示にする際の書き込み動作を実施する。
ここでは、第1画素電極35Aに対して絶対値が電圧Vh1より小さなプラスの電圧Vh3(Vcom<Vh3<Vh1)を印加し、第2画素電極35Bに対して絶対値が電圧Vl1より小さなマイナスの電圧Vl3(|Vcom|<|Vl3|<|Vl1|)を印加する。すると、第1画素電極35A上に付着していた正帯電粒子27(Y)の一部が対向電極37上に移動する。同時に、第2画素電極35B上に吸着していた負帯電粒子26(C)の一部が対向電極37側へと移動する。これにより、それぞれの粒子26(C),27(W),28(M)が対向電極37上において1/3画素ずつの面積を占めるように分布する。このときの各粒子の分布面積は、黒表示のときよりも小さい。このようにして画素40Bを白表示にする。
[表示保持期間T43]
次に、各画素40の白表示を保持するため、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35BにVcomを印加する。このようにして、第1画素電極35A、第2画素電極35Bおよび対向電極37の3電極の全てを同電位にし、白表示を保持する。
表示保持期間T33、T43では、画素電極35A、35B、対向電極37の3つの電極のうち、少なくとも1つの電極をオープンにして保持しても良い。
各画素電極35A,35Bに印加する電圧の絶対値の大きさとしては、白表示、黒表示、緑表示の順に印加電圧が大きくなっており、|Vl3|<|Vl1|<|Vl2|<|VL|、Vh3<Vh1<Vh2<VH、となっている。
これらの電圧の大小関係は一例である。なぜなら、これらの値の大小関係は画素電極35Aと画素電極35Bとの距離や、画素電極35A、35Bと対向電極37との距離、画素電極35A、35Bの大小や電気泳動材料によっても変わるからである。
さらにプリセット期間に2つの画素電極35A、35Bに印加する電圧の極性の切り替えは1画面毎でなく、複数の画面毎でも良い。
また、Vcomはグランド電圧に限らない。
図18,19に示す駆動方法において対向電極37に印加する電圧をVcomとし一定としたが、交流電圧を印加しても良い。例えば、Vcomをグランド電位と電圧VHとの間で振ってもよい。Vcomがグランド電位の際に、画素電極35A(35B)に電圧VH等のプラスの電圧を印加すれば、上記実施形態において画素電極35A(35B)にプラスの電圧を印加した場合と同様の動作を行うことができる。また、Vcomが電圧VHである際に、画素電極35A(35B)にグランド電位、又はグランド電位と電圧VHとの中間電位を印加することで、画素電極35A(35B)は相対的に対向電極37の電位より小さくなり、上記実施形態において画素電極35A(35B)にマイナスの電圧を印加した場合と同様の動作を行うことができる。
図18,19に示す上記実施形態では、第1画素電極35A、第2画素電極35Bには振幅│VH−VL│の電圧が印加されるが、交流電圧を印加するようにすれば振幅を|VH|に低減させる事ができる。
また、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに印加する電圧の極性を切り替えて実施する第1のプリセット動作と第2のプリセット動作とを交互に実行することが好ましい。
図20は、電気泳動表示装置の1画素における概略構成を示す断面図である。
図20に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置100は、第1基板30と第2基板31との間に電気泳動層32が挟持されてなるもので、第1基板30の電気泳動層32側には回路層34と複数の第1画素電極35Aおよび複数の第2画素電極35Bが設けられ、第2基板31の電気泳動層32側には対向電極37が設けられている。複数の第1画素電極35Aおよび複数の第2画素電極35Bに対向する対向電極37は、島状の第1画素電極35Aおよび第2画素電極35B画素電極の面積の総和より広い面積を有し、少なくとも画素内の表示に寄与する領域において一繋がりの電極(ベタ電極)となっている。対向電極37には、必要に応じて、電極の無い切り欠き部を設けても良い。第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bは互いに独立に駆動されるようになっている。
より詳しくは、第1基板30、回路層34、第1画素電極35A、第2画素電極35Bを含む素子基板300と、第2基板31及び対向電極37を含む対向基板310との間に電気泳動層32が挟持されている。素子基板300と対向基板310との間には、平面視で表示領域7(図1)の周囲全体を取り囲むように配置されたシール材63が形成されている。電気泳動層32は、素子基板300、対向基板310、及びシール材63によって封止されている。
また、図示していないが、画素電極と対向電極との間にカプセルを配置し、カプセル内に分散媒及び帯電粒子を封入したカプセル型の電気泳動層を用いることも可能である。このようなカプセル型の電気泳動層においても、他の実施例同様の動作を行なうことができる。
電気泳動層32は、無色透明な分散媒21(T)中に3種の粒子を複数ずつ保持してなる。3種の粒子は、マイナスに帯電したシアン色の負帯電粒子26(C)と、プラスに帯電したイエロー色の正帯電粒子27(Y)と、マゼンタ色の無帯電粒子28(M)である。
対向電極37、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに用いる透明電極の構成材料としては、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリピロール、またはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド等のマトリックス樹脂中に、NaCl、LiClO、KCl、LiBr、LiNO、LiSCN等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープした錫酸化物(FTO)、錫酸化物(SnO)、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、画素電極35A,35Bに用いる電極の材料としては、視認側とは反対側に位置するため透明である必要はなく、金属、シリサイド、銀などのペースト等を用いてもよい。
電気泳動層32を構成する部材に用いることのできる材料の一例を示す。
分散媒21の材料としては、実質的に無色透明であることが好ましい。このような分散媒としては、比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒としては、例えば各種類(蒸留水、純水、イオン交換水等)、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロへキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、流動パラフィンなどの鉱物油類、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸等の植物油類、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系液体またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。また、気体や真空を用いることもできる。
また、分散媒21中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等カップリング剤の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
分散媒21中に含まれる、帯電粒子、無帯電粒子および透明粒子は、それぞれいかなるものをも用いることができ、特に限定はされないが、染料粒子、顔料粒子、樹脂粒子、セラミックス粒子、金属粒子、金属酸化物粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、三酸化アンチモン、硫化亜鉛、亜鉛華等の白色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料、フェロシアン化第二鉄等のシアン色顔料、あるいは無機酸化鉄等のマゼンタ色顔料等が挙げられる。無機顔料、有機顔料を用いることも出来る。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記顔料の代わりに染料を用いて染料粒子を構成できる。この場合は白色顔料に染料を混入させても良いし、着色の顔料と混ぜて用いても良い。例えばカルボニウム系のマゼンタ等の染料を用いることもできる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、スチレンとアクリロニトリルを共重合したAS樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。また、分散媒21中に含まれる各種粒子としては、粒子の中心を空洞にした構造のものを用いても良い。このような構成によれば、粒子の表面で光を散乱させることに加えて、粒子内部の、空洞を構成する壁面においても光を散乱させることができ、光の散乱効率を向上させることが可能となる。よって、白、及びその他の色の発色性を向上させることができる。
また、このような電気泳動粒子の分散媒中における分散性を向上させることを目的に、各粒子の表面に、分散媒と相溶性の高い高分子を物理的に吸着させたり、化学的に結合させたりすることができる。これらの中でも、電気泳動粒子の表面からの離脱着の問題から、高分子が化学的に結合しているものが特に好ましい。かかる構成とすれば、電気泳動粒子の見かけの比重が小さくなる方向に作用して、電気泳動粒子の分散媒での親和性、すなわち分散性を向上させることができる。
このような高分子としては、例えば、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基を有する高分子、電気泳動粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル鎖、長鎖エチレンオキシド鎖、長鎖フッ化アルキル鎖、長鎖ジメチルシリコーン鎖等を有する高分子、および、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル鎖、長鎖エチレンオキシド鎖、長鎖フッ化アルキル鎖、長鎖ジメチルシリコーン鎖等を有する高分子等が挙げられる。
上述したような高分子において、電気泳動粒子と反応性を有する基としては、例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、アルコキシシラン基、シラノール基、アルキルアミド基、アジリジン基、オキサゾン基、およびイソシアネート基等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を選択して用いることができるが、用いる電気泳動粒子の種類等に応じて、選択するようにすればよい。
電気泳動粒子の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.02〜5μm程度であるのがより好ましい。
また、画素電極35A,35Bと接続電極44A,44Bとの絶縁性を確保するための層間絶縁膜42A,42Bの材料としてはアクリルを用いている。これ以外の材料を用いることも可能であり、シリコン酸化膜等の無機絶縁膜、有機絶縁膜も可能である。
第1基板30および第2基板31としては、PET基板以外の有機絶縁基板や薄ガラス等の無機ガラス基板、あるいは無機材料および有機材料からなる複合基板を用いてもよい。
[電気泳動表示装置の製造方法]
以下に、電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
図21〜図23は電気泳動表示装置の製造工程を説明するための部分断面図である。
まず、図21(a)に示すように、0.6mm厚のガラス基板からなる第1基板30上にスパッタ法で300nmのアルミニウム(Al)を基板面全体に成膜し、フォトエッチング法でゲート電極41eを形成する。
次に、図21(b)に示すように、厚さ300nmの酸化シリコン膜を基板面全体に形成し、ゲート絶縁膜41bを形成する。
次に、図21(c)に示すように、ゲート絶縁膜41b上に、スパッタ法によりa―IGZO(In、Ga、Znの酸化物)からなる厚さ50nmの半導体層41aを形成する。このとき、フォトエッチングプロセスでゲート電極41e上を部分的に残すように島状態に加工した。酸化物半導体のソース、ドレイン領域は特に不純物導入等を行なわなくても自然に形成されることが知られている。本実施形態においても不純物導入等は行っていない。また、第2層間絶縁膜42Bと半導体層41aの形成は、アモルファスシリコンのように、必ずしも真空中での連続成膜である必要はない。
次に、図21(d)に示すように、ゲート絶縁膜41b上の全面にアルミニウム(Al)膜をスパッタ法により厚さ300nmで成膜し、該アルミニウム膜をフォトエッチング法でパターニングすることによって、半導体層41aに一部乗り上げるようにしてソース電極41cおよびドレイン電極41dを形成するとともに第1接続電極44A(不図示)および第2接続電極44Bを形成する。ここで、接続電極44A,44Bを選択トランジスタTR1のソース電極41cおよびドレイン電極41dと同時にパターン形成することから製造が容易である。
次に、図22(a)に示すように、ソース電極41c、ドレイン電極41d、第1接続電極44A及び第2接続電極44Bを覆うようにして、厚さ300nmの酸化シリコン膜からなる第1層間絶縁膜42AをプラズマCVD法で形成した。
次に、図22(b)に示すように、第1層間絶縁膜42A上に厚さ1umの感光性アクリルをスピンコート法で塗布することによって第2層間絶縁膜42Bを形成する。その後、第1接続電極44A(不図示)および第2接続電極44B上の第1層間絶縁膜42Aおよび第2層間絶縁膜42Bを部分的に露光、現像して第1層間絶縁膜41Aを一部露光させ、第2層間絶縁膜42Bをマスクとして第1層間絶縁膜41Aをエッチングすることにより、ドレイン電極41d上を一部露出させる貫通孔11aを複数形成する。
次に、図22(c)に示すように、第2層間絶縁膜42Bの表面全体にスパッタ法で厚さ50nmのITO膜を成膜し、フォトエッチング法でパターニングすることで複数の画素電極35A,35Bおよび複数のコンタクトホールHを形成した。これらコンタクトホールHを介して第1画素電極35Aは第1接続電極44Aに接続され、第2画素電極35Bは第2接続電極44Bに接続される。
次に、図23に示すように、素子基板300の最表面(第2層間絶縁膜42B)上に感光性アクリルからなる20μmのスペーサーSPを塗布、露光、現像することにより形成する。図示しないが、続けて、素子基板300上に表示部5を囲むようにしてシール材を形成し、該シール材によって囲まれた領域内に電気泳動材料を塗布した後、素子基板300上に対向基板310を貼り合わせる。このようにして電気泳動表示装置が完成する。なお、図23においては、画素電極35A,35Bがそれぞれ1つずつ図示してあるが、実際には各画素に複数ずつ設けられている。
本実施形態の電気泳動表示装置100は、第1基板30および第2基板31と、第1基板30および第2基板31との間に配置され、少なくとも分散媒21(T)と該分散媒21(T)内に混入されたCMYの少なくとも3種の電気泳動粒子26(C),27(Y),28(M)とを有する電気泳動層32と、第1基板30の電気泳動層32側に島状に形成された複数の第1画素電極35Aおよび複数の第2画素電極35Bと、第2基板31の電気泳動層32側に形成され複数の第1画素電極35Aおよび複数の第2画素電極35Bの総面積よりも広い面積の対向電極37と、を備え、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bは互いに独立に駆動され、対向電極37側から電気泳動層32を見たときに視認される電気泳動粒子26(C),27(Y),28(M)の面積により階調を制御する構成となっている。
この構成によれば、少なくとも分散媒21(T)と該分散媒21(T)内に混入されたCMYの少なくとも3種の電気泳動粒子を有する電気泳動層32を備えているので、CMYの各色表示,黒表示,白表示あるいはこれらの混色による複数の色表示が可能となる。
また、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに異なる極性の電圧を印加することによって任意の電気泳動粒子が対向電極37上に分布する。本実施形態では、対向電極37側から電気泳動層32を見たときに視認される3色の粒子の面積により諧調を制御することができる。
また、複数の第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bの総面積は、1画素の面積の1/4以下としてもよく、このような構成によれば、対向電極37上に電気泳動粒子を小さなドット領域で分布させることができる。これにより、より多くの階調を表現することができる。
本実施形態では、着色された帯電粒子の他に、これらとは異なる色に着色された無帯電粒子が分散媒21(T)中に保持されている。これにより、帯電粒子の移動および分布状態を制御することによって3色以上の色表示が可能である。
また、複数の第1画素電極35Aどうしは第1接続電極44Aを介して相互に接続され、複数の第2画素電極35Bどうしは第2接続電極44Bを介して相互に接続されている。これにより、第1接続電極44Aを介して複数の第1画素電極35Aに対してそれぞれ同じ電圧を同時に印加することができる。複数の第2画素電極35Bに対しても同様である。
また、本実施形態では粒子の色の組み合わせがCMYとなっているが、RGBの組み合わせであってもよいしこれ以外の組み合わせでもよい。ここで、粒子は、その全体が着色してあってもよいし、透明部と着色部とを有していてもよい。透明部と着色部とを有する場合には、着色部が波長により異なる反射率又は透過率を有するように構成する。例えば、粒子の核(着色部)の部分だけ着色してもよい。逆に表面(着色部)のみが着色されていてもよい。また、表面から核の部分まで濃度が低下するように色の濃さが変化していてもよい。あるいは核や表面に関わらず部分的に着色されていてもよい。また、粒子は球形に限らない。材料は酸化チタンなどの透明無機材料や透明有機材料を主材とし、そこに染料や顔料を保持させたものとする。このような構成の粒子により、淡い色を表現することが可能となる。
また、負帯電粒子、正帯電粒子、無帯電粒子の色をそれぞれC,Y,Mに設定しているが、各粒子を3色のうちいずれの色に設定するかは任意である。
また、本実施形態では無色透明な分散媒21(T)を用いているが、着色された分散媒を用いても良い。例えば、電気泳動層32は、マイナスに帯電したシアン色の負帯電粒子26(C)(第1の色の粒子)と、プラスに帯電したイエロー色の正帯電粒子27(Y)(第2の色の粒子)と、マゼンタ色に着色された分散媒21(第3の色の分散媒)と、含む構成であってもよい。この場合も、分散媒、粒子の色をCMYのいずれに設定するかは任意である。
このように、着色分散媒や着色粒子と任意に組み合わせることによりフルカラー表示が可能となる。
また、分散媒中に透明粒子29が混在されていても良い。ここの透明粒子29により、分散媒21中において光を効果的に散乱させることができ、表示輝度を向上させることができる。その結果、高いコントラスト表示が可能となる。
また、本実施形態の駆動方法によれば、表示を切り替える前にプリセット動作を実施して一旦初期状態に戻してから新たな表示を書き込んでいるので、電気泳動粒子の移動がスムーズに行われ、安定した表示の切り替えが可能となる。
また、本実施形態では、帯電粒子の対向電極37側における2次元あるいは3次元的な分布を各電極に印加する電圧の大きさおよび印加時間によって制御することが可能である。これにより、対向電極37近傍での色粒子分布の面積を変えて階調制御を行うことができ任意の色を表現することが可能である。また、入射光が2種類以上の異なる色粒子に散乱され、出光する事でも混色を行い、任意の色を表現することができる。
また、第1画素電極お35Aよび第2画素電極35Bに対して異なる電圧を同時に印加してもいいし、順次印加してもよい。これにより、表示の切り替えを迅速に行えたり、対向電極37側での2次元あるいは3次元的な粒子の分布状態の制御が容易になるなどの効果が得られる。
また、各第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bに印加する電圧の印加時間をパルス幅あるいはフレーム数によって制御することも可能である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電気泳動表示装置について述べる。以下、第1実施形態の電気泳動表示装置と異なる部分について説明する。その他の部分については第1実施形態と同様である。
図24は第2実施形態の電気泳動表示装置における等価回路図である。
図24に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置200は、表示領域に複数の走査線66(m、m+1、…)と複数のデータ線68(N(A),N(B),N+1(A),N+1(B))が形成されており、これら走査線66およびデータ線68の交点に形成される画素ごとに1画素内に2つの選択トランジスタTR1,TR2が設けられている。1画素における画素回路は、電気光学材料としての電気泳動層32と、この電気泳動層32を電気分極状態を保持するための保持容量C1,C2と、スイッチング動作を行って保持容量C1,C2に電荷を蓄積させるための選択トランジスタTR1,TR2と、を含んでそれぞれ構成されている。
選択トランジスタTR1,TR2は、ゲートに走査線66が接続され、ソースにデータ線68が接続され、ドレインに電気泳動層32および保持容量C1,C2の一方の電極が接続されている。
具体的には、列方向で隣り合う画素40A,40Bのうち画素40Aにおいては、選択トランジスタTR1,TR2のそれぞれのゲートにm行の走査線66が接続されている。そして、選択トランジスタTR1のソースにN(A)行のデータ線68が接続され、ドレインに電気泳動層32および保持容量C1の一方の電極が接続されている。一方、選択トランジスタTR2のソースにN(B)行のデータ線68に接続され、ドレインに電気泳動層32および保持容量C2の一方の電極が接続されている。
図25は、第2実施形態の1画素における具体的な構成例を示す平面図である。
図25に示すように、本実施形態の第1接続電極44Aおよび第2接続電極44Bは平面視櫛歯状を呈しており、これらを覆うようにして形成された層間絶縁膜(不図示)のコンタクトホールHを介して上層側の第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bとそれぞれ接続されている。そして、第1接続電極44A、第2接続電極44Bと容量線69とが重なる領域にゲート絶縁膜41bを容量絶縁膜とした保持容量C1,C2(図24)が形成されている。
本実施形態では走査線66を順次あるいは同時に選択することによって第1選択トランジスタTR1および第2選択トランジスタTR2を介して各接続電極44A,44Bおよび各画素電極35B,35Cに電圧を供給する。
このように、各画素40に2つの保持容量C1,C2を付加することによって任意色の表示を確実に行える。
また電気泳動層32に電圧を印加するための、保持容量以外の手段を具備しても良い。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。以下の各変形例は、第1実施形態、第2実施形態のいずれの電気泳動表示装置に対しても適用することができる。
[変形例1]
変形例1の電気泳動表示装置とその製造方法について述べる。
図26(a)は第2基板を基体とする対向基板710の平面図であり、(b)は第1基板を基体とする素子基板700の平面図である。
図26(a),(b)に示すように、対向基板710は素子基板700よりも小さい基板からなり、素子基板700上には表示領域7と非表示領域8とが設けられており、この表示領域7の周囲全体を取り囲むようにしてシール材63が形成されている。表示領域7には走査線66、データ線68、および任意の位置にスペーサーSPが複数形成されている。非表示領域8には、走査線66およびデータ線68にそれぞれ接続される実装端子110,111と、上下導通部9が形成されている。
本変形例に係る電気泳動表示装置を製造する際には、まず図27(a)に示すように、上記した各種配線等が形成された素子基板700上にシール材63を形成する。ここでは、UV硬化型のアクリル系の材料を用いて表示領域7を囲むようにして枠形状にシール材63を形成した。材料としては、熱硬化型のエポキシ系樹脂を用いても良い。
次に、図27(b)に示すように、素子基板700上のシール材63によって囲まれた領域内に、分散媒、及び粒子を含む電気泳動材料320を塗布する。ここでは、減圧下においてディスペンサーなどを用いて電気泳動材料を塗布する。
そして、図27(c)に示すように、別途形成しておいた対向基板710をその対向電極37が形成された側を素子基板700側に向けた状態で素子基板700との位置合わせを行い、素子基板700と対向基板710とを接合させる。このようにして、電気泳動表示装置を形成しても良い。
電気泳動材料320は液晶材料とは異なり粒子を保持している。図27(c)で粒子は分散媒と共に表示部5全体に広がっていくが、そのスピードが粒子の種類により異なる。すなわち、2種類の帯電粒子と、無帯電粒子間で異なる。そのため図27(b)のように表示部5の中心のみに電気泳動材料320を塗布したのでは中心と周辺で粒子数比にムラが生じる。これはそのまま表示の不均一性になる。これを回避するために表示部5内の複数の点に電気泳動材料320を塗布するとよい。
なお、本例においては、電気泳動材料320内に電気泳動粒子や無帯電粒子などとともにスペーサーSPを混在させておいても良い。
あるいは、図28に示すような散布機構321を用いて対向基板710上に球状のスペーサーSPを多数散布させて設けてもよい。対向基板710の対向電極37上にスペーサーSPを直接散布させることにより、一箇所に密集させることなくある程度均一に分布させることができる。
そして、図29(a)に示すように、対向電極37上に複数のスペーサーSPが配置された対向基板710を回路層34およびシール材63が形成された素子基板700上に配置する。
その後、図29(b)に示すようにスペーサーSPを介して素子基板700と対向基板710とを貼り合わせることによって電気泳動表示装置を形成してもよい。このとき、対向基板710と素子基板700とを貼り合わせる前に、上述したディスペンサーなどを用いて素子基板700上に電気泳動材料320を配置しておいてもいいし、別の方法によって電気泳動材料320を配置してもよい。
[変形例2]
次に、変形例2の電気泳動表示装置とその製造方法について述べる。
図30(a)は対向基板710の平面図であり、(b)は第1基板を基体とする素子基板800の平面図である。
図30(a),(b)に示すように、対向基板710は素子基板800よりも小さい基板からなり、素子基板800上には表示領域7と非表示領域8とが設けられており、この表示領域7を取り囲むようにしてシール材73が形成されている。本例におけるシール材73は、その周方向における一部に後の工程において電気泳動材料を取り込むための注入口73Aが形成されている。
図31は変形例2の電気泳動表示装置の製造工程を示す。
本例においては、図31(a)に示すような素子基板800と対向基板710とが貼り合わされてなるパネル100Aを、図31(b)に示すようにその注入口73A側を下方に向けた姿勢にして、材料貯留部311内に貯留されている電気泳動材料320内に注入口73Aを浸らせる。すると、注入口73Aから毛細管力によって電気泳動材料320が引き上げられて、素子基板800と対向基板710とシール材73によって囲まれた狭い隙間が電気泳動材料320によって充填される。
その後、図31(c)に示すように注入口73Aを樹脂材料などからなる封止部6によって封止する。
このようにして電気泳動表示装置を形成しても良い。
先に述べたように分散媒中の粒子の移動のスピードが異なるため、注入口とその反対側で粒子数比が異なる。これを均一化するために封止後に加熱処理を行なった。例えば60℃の温度で加熱処理時間を90分とすることができる。この時に画素電極に不均一な電荷がたまっていると均一にならないため、駆動ICを実装した後、図18,19に示すプリセット状態にして行なった。または、画素電極、対向電極にグランド電位を印加してもよく、あるいはオープンとしても良い。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、無帯電粒子の着色は上記した色に限らず、CMY,RGBのいずれかから選択してもよい。
図32に示すように、透明な分散媒21(T)中にマイナスに帯電した赤色の負帯電粒子26(R)とプラスに帯電した青色の正帯電粒子27(B)と緑色の無帯電粒子28(G)とを保持させておけば、第1画素電極35Aにプラスの電圧VHを印加し、第2画素電極35Bにマイナスの電圧VLを印加することで緑表示が可能となる。ここでは他に、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bにマイナスの電圧VLを印加すれば赤表示が得られ、第1画素電極35Aおよび第2画素電極35Bにプラスの電圧VHを印加すれば青表示が得られる。
先の実施形態では、各画素電極35A,35Bが平面視円形状となっていたが、図33(a),(b)に示すように四角形状や、図34(a),(b)に示すように長方形状であってもよく、各画素電極35がコンタクトホールHを介して下層側の接続電極44と確実に接続されていればその他の形状であってもよい。あるいは、図35に示すように平面視で略星型を呈していてもよく、電極の形状としては様々なものが適用できる。隣り合う画素電極35A,35Bに向かって部分的に突出する形状にすることで、隣り合う画素電極35A,35B側へ電界が向かいやすくなり、混色が生じやすくなるという効果が得られる。
ここでは、画素電極35A,35Bの配置が平面視で六角形をなす配置であることから、6つの突出部を有した形状となっている。画素電極35A,35Bの配置が平面視で三角形をなす配置である場合は3つの突出部を有した形状とすることで同様の効果が得られるようになる。
また、図33(b)に示すように、コンタクトホールH内が画素電極35によって埋められた形状とし、粒子がコンタクトホール内に入り込むのをあらかじめ防止するような構成であってもよい。
また、各実施形態では液体の分散媒を用いているが、分散媒は気体でも良い。
[電子機器]
次に、上記各実施形態の電気泳動表示装置を電子機器に適用した場合について説明する。
図36は、本発明の電気泳動表示装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図である。
図36(a)は、電子機器の一例である電子ブックを示す斜視図である。この電子ブック1000は、ブック形状のフレーム1001と、このフレーム1001に対して回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー1002と、操作部1003と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部1004と、を備えている。
図36(b)は、電子機器の一例である腕時計を示す斜視図である。この腕時計1100は、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部1101を備えている。
図36(c)は、電子機器の一例である電子ペーパーを示す斜視図である。この電子ペーパー1200は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体部1201と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部1202を備えている。
例えば電子ブックや電子ペーパーなどは、白地の背景上に文字を繰り返し書き込む用途が想定されるため、消去時残像や経時的残像の解消が必要とされる。
なお、本発明の電気泳動表示装置を適用可能な電子機器の範囲はこれに限定されず、帯電粒子の移動に伴う視覚上の色調の変化を利用した装置を広く含むものである。
以上の電子ブック1000、腕時計1100及び電子ペーパー1200によれば、本発明に係る電気泳動表示装置が採用されているので、カラー表示手段を備えた電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
100,200 電気泳動表示装置、R 分布領域、21 分散媒、26 負帯電粒子(第2の電気泳動粒子)、27 正帯電粒子(第1の電気泳動粒子)、28 無帯電粒子(第3の電気泳動粒子)、29 透明粒子、30 第1基板、300,700,800 素子基板、31 第2基板、310,710 対向基板、32 電気泳動層、35 画素電極、35A 第1画素電極(第1電極)、35B 第2画素電極(第2電極)、37 対向電極(第3電極)、40,40A,40B 画素、41a 半導体層、41b ゲート絶縁膜、41c ソース電極、41d ドレイン電極、41e ゲート電極、42A 第1層間絶縁膜、42B 第2層間絶縁膜、44,44A,44B 第2接続電極、63,73 シール材、66 走査線、68 データ線、69 容量線、C1,C2 保持容量、H,H1,H2 コンタクトホール、T11,T21,T31,T41 プリセット期間、T12,T22,T32,T42 書き込み期間、T13,T23,T33,T43 表示保持期間、TR1 第1選択トランジスタ、TR2 第2選択トランジスタ、1000 電子ブック(電子機器)、1100 腕時計(電子機器)、1200 電子ペーパー(電子機器)

Claims (21)

  1. 第1基板および第2基板と、
    前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の粒子と、分散媒と、を有する電気泳動層と、
    前記第1基板の前記電気泳動層側に画素ごとに島状に形成された第1電極および第2電極と、
    前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、
    前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、
    前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御することを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 第1基板および第2基板と、
    前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の分散媒と、を有する電気泳動層と、
    前記第1基板の前記電気泳動層側に画素ごとに島状に形成された第1電極および第2電極と、
    前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、
    前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、
    前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御することを特徴とする電気泳動表示装置。
  3. 前記第1の色の粒子はプラスに帯電しており、
    前記第2の色の粒子はマイナスに帯電していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色が、RGBあるいはCMYのうちのいずれかの組み合わせであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記第1電極及び前記第2電極がそれぞれ複数設けられ、
    複数の前記第1電極どうしは第1接続電極により相互に接続され、
    複数の前記第2電極どうしは第2接続電極により相互に接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  6. 前記第1電極どうしが隣り合う方向、あるいは前記第1電極と前記第2電極とが隣り合う方向における前記第1電極および第2電極の幅が、前記第1電極と前記第3電極との間隔よりも短いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  7. 前記第1電極および前記第2電極の幅が、前記第1電極と前記第3電極との間隔の半分以下の長さであることを特徴とする請求項6記載の電気泳動表示装置。
  8. 前記粒子が透明部と着色部とを有してなり、
    前記着色部は、波長により透過率が異なるよう構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  9. 前記分散媒中に無色透明粒子が混在されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  10. 前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記第1の色の粒子の面積と、前記第2の色の粒子の面積とに応じて、前記第1の色と前記第2の色との混色を表示することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  11. 第1基板および第2基板と、前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の粒子と、分散媒と、を有する電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側に形成された第1電極および前記第2電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御する電気泳動表示装置の駆動方法であって、
    表示動作が、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第1電極および第2電極側に引き寄せるための電圧をそれぞれに印加する動作と、
    前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第3電極側へ移動させるための電圧をそれぞれに印加する動作と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
  12. 第1基板および第2基板と、前記第1基板および前記第2基板との間に配置され、第1の色の粒子と、第2の色の粒子と、第3の色の分散媒と、を有する電気泳動層と、前記第1基板の前記電気泳動層側に形成された第1電極および前記第2電極と、前記第2基板の前記電気泳動層側に形成され前記第1電極および前記第2電極の総面積よりも広い面積の第3電極と、を備え、前記第1電極および前記第2電極は互いに独立に駆動され、前記第3電極側から前記電気泳動層を見たときに視認される前記粒子の面積により階調を制御する電気泳動表示装置の駆動方法であって、
    表示動作が、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第1電極および第2電極側に引き寄せるための電圧をそれぞれに印加する動作と、
    前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に対して前記粒子を前記第3電極側へ移動させるための電圧をそれぞれに印加する動作と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
  13. 前記粒子の前記第2基板側における2次元あるいは3次元的な分布を前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極に印加する電圧の大きさおよび印加時間によって制御することを特徴とする請求項11または12に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  14. 前記印加時間をパルス幅あるいはフレーム数によって制御することを特徴とする請求項13に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  15. 前記第1電極および前記第2電極に対して異なる電圧を同時に印加することを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  16. 前記第1電極および前記第2電極に対して異なる電圧を順次印加することを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  17. 前記第1電極に、前記第3電極に対して正極性の電圧を印加し、前記第2電極に、前記第3電極に対して負極性の電圧を印加することにより前記粒子を前記第1電極側及び前記第2電極側に引き寄せる、第1のプリセット動作と、
    前記第1電極に、前記第3電極に対して負極性の電圧を印加し、前記第2電極に、前記第3電極に対して正極性の電圧を印加することにより前記粒子を前記第1電極側及び前記第2電極側に引き寄せる、第2のプリセット動作と、
    を有することを特徴とする請求項11から16のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  18. 前記第1のプリセット動作と前記第2のプリセット動作とを交互に行うことを特徴とする請求項17に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  19. 前記第1の色の粒子はプラスに帯電しており、
    前記第2の色の粒子はマイナスに帯電していることを特徴とする請求項11から18のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  20. 前記第1の色、前記第2の色、前記第3の色が、RGBあるいはCMYのうちのいずれかの組み合わせであることを特徴とする請求項11から19のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  21. 請求項1から10のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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