JP2011204099A - 車両の配置方法決定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ライフライン関連業務或いは緊急出動業務の車両を各基地に配置する際の配置方法をコンピュータの演算処理を用いて決定する。
【解決手段】 最適配置パターン決定手段10は、一の仮配置パターンを決定すると、出動実績DB12に登録された複数の演算対象出動案件から選択出動案件として選択し、出動要請日時において空き車両が存在し且つ出動現場に最も近い基地を出動基地として決定し、地図DB13及び渋滞情報DB14の登録情報に基づいて、出動時間を導出する。そして、選択出動案件を変更しながら、全ての演算対象出動案件につき出動基地と出動時間を決定し、演算対象出動案件別の前記出動時間に基づいて決定される指標値を算出する。そして、仮配置パターンを変更しながら、車両配置パターン別に前記指標値を算出し、指標値が最も優れた車両配置パターンをもって最適配置パターンと決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 最適配置パターン決定手段10は、一の仮配置パターンを決定すると、出動実績DB12に登録された複数の演算対象出動案件から選択出動案件として選択し、出動要請日時において空き車両が存在し且つ出動現場に最も近い基地を出動基地として決定し、地図DB13及び渋滞情報DB14の登録情報に基づいて、出動時間を導出する。そして、選択出動案件を変更しながら、全ての演算対象出動案件につき出動基地と出動時間を決定し、演算対象出動案件別の前記出動時間に基づいて決定される指標値を算出する。そして、仮配置パターンを変更しながら、車両配置パターン別に前記指標値を算出し、指標値が最も優れた車両配置パターンをもって最適配置パターンと決定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コンピュータの演算処理を用いて行う車両の最適配置計画システムに関する。
ライフライン関連業務(水道、ガス、電力、鉄道等)或いは緊急出動業務(救急、消防、警察等)においては、緊急事態が生じた場合に少しでも早く現場に到着することが要求される。
車両を配置する基地(車庫、営業所等)は、それぞれの業務に応じて地域毎に設定されているが、車両にも限りがあるため、全ての基地に多くの車両を配置するというのは現実的ではない。このため、過去の出動要請の実績からエリア別の出動要請の多寡を大まかに認識し、要請の多いエリアに近い基地には多くの車両を、要請の少ないエリアに近い基地には少ない車両を配置するということで対処するのが一般的である。
しかし、出動要請の案件の中には、基地を離れてから再び基地に帰還するまでに要した時間(基地不在時間)が長時間にわたる案件もあれば、それが短時間で済むような案件もある。後者の場合には、一度基地を出発しても、短時間経過後に再び基地に帰還することができるため、同一の車両で別の案件の現場に出動することが可能となる。しかし、前者の場合にはそのような対応を採ることができない。
つまり、担当エリア内で発生する案件の数が少ないとしても、基地不在時間が長くなるような案件の場合には、同日のうちに別の出動要請がなされたことを考えて予備の車両を配置した方が良い場合があることも想定される。逆に、担当エリア内で発生する案件の数が多いとしても、基地不在時間が短い案件が多い場合であれば、作業終了後にすぐに車両を基地に帰還させ、その車両を次の現場に出動させることができるため、更に追加的に車両を配置しなくても良い場合があることも想定される。
例えば、都心部と地方部を比較した場合、地方部と比べて都心部における出動要請数が多くなることは予め想定されるため、都心部には前もって多くの基地を設定するのが通例である。この場合、各基地間の距離は短くなり、各基地が担当するエリア面積はこれに伴って縮小される。その結果、仮に現場に最も近い基地に空き車両が存在しない場合に、近隣基地から車両を出動させたとしても、出動時間の著しい増加を招くということが想定されない。逆に基地間の距離が長くなる地方部においては、近隣基地から車両を出動させると出動時間の著しい増加を招くことも想定される。
以上のことを踏まえると、現存する全ての出動用車両を各基地に何台ずつ配置するかという点に対し、必ずしも単に担当エリア毎の出動回数の多寡のみに応じて割り振るのが最適な方法であるとはいえず、好ましい車両の配置方法が要求される。
配車決定方法に関連する技術として、下記特許文献1及び2が開示されている。
上記各特許文献は、いずれもタクシーの配車を対象としており、特に客待ち状態にある走行中のタクシーの現在位置を考慮して、顧客に対してどのタクシーを配車するかを決定する処理を主たる要素としている。
タクシーの場合、客からの予約が入ると、基地(車庫)から客先に車両を向かわせるよりも、客待ち状態で走行中の車両を客先に向かわせるのが通常である。このため、客待ち状態で走行中の車両が現在どの地点に存在するかという情報が重要視される。
しかし、ライフライン関連業務や緊急出動業務の車両を現場に出動させる場合は、出動基地に車両及び人員が滞在していれば、基地からの出動を優先させるのが一般的ともいえる。これは、ライフライン関連業務においては、タクシーと比べてそもそも同一エリアを担当する車両台数が少ないことや、単に車両と運転手のみが存在すれば良いというのではなく、作業に必要な人員の同乗や道具の携行が必要となること、ひとたび作業が終われば再び出動命令が下るまでに路上を走行しながら待機するという状況があまり想定できないこと、といった点でタクシーとは事情が大きく異なる。これらの点から、上記従来技術をライフライン関連業務の車両の配車方法に採用することは困難である。
本発明は上記の問題に鑑み、ライフライン関連業務或いは緊急出動業務の車両を各基地に配置する際に、コンピュータの演算処理を用いてその配置方法を決定することが可能なシステムを提供することを目的とする。
本発明は、ライフライン関連業務或いは緊急出動業務の車両を各基地に配置する際の配置方法をコンピュータの演算処理を用いて決定する車両の配置方法決定システムであって、
各基地の地理的情報が登録された基地DBと、
過去の出動実績につき、出動現場の地理的位置に関する情報及び出動要請日時に関する情報が出動案件別に登録された出動実績DBと、
車両の配置対象となる各基地から車両を出動させる対象エリアを少なくとも含む地域の道路地図が登録された地図DBと、
前記対象エリアを含む地域の道路における過去の渋滞情報が登録された渋滞情報DBと、
前記各DBに登録された情報に基づいてソフトウェアを用いた演算処理を行うことで、車両の最適配置パターンを決定する最適配置パターン決定手段と、を備え、
前記最適配置パターン決定手段において、
配置すべき車両総数を各基地毎に分配する際に想定される複数の車両配置パターンの中から仮配置パターンを決定する第1ステップと、
当該仮配置パターンの下で前記出動実績DBに登録された案件のうち、演算対象とされる複数の演算対象出動案件の中から一の出動案件を選択出動案件として選択する第2ステップと、
前記選択出動案件の地理的情報及び出動要請日時に基づいて、当該出動要請日時において空き車両が存在する基地のうち前記選択出動案件の出動現場に最も近い位置に存在する基地を選択して出動基地として決定する第3ステップと、
前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて、前記出動基地を前記出動要請日時に出発してから前記選択出動案件の前記出動現場に到達するのに要した出動時間を導出する第4ステップと、
前記選択出動案件を変更しながら、全ての前記演算対象出動案件につき前記第2〜第4ステップを実行した後、各演算対象出動案件別の前記出動時間に基づいて決定される所定の指標値を算出する第5ステップと、
前記仮配置パターンを変更しながら、全ての前記車両配置パターンにつき前記第1〜第5ステップを実行した後、前記車両配置パターン別に前記指標値を算出し、当該指標値が最も優れた車両配置パターンをもって最適配置パターンと決定する第6ステップと、が実行されて最適配置パターンを決定することを特徴とする。
各基地の地理的情報が登録された基地DBと、
過去の出動実績につき、出動現場の地理的位置に関する情報及び出動要請日時に関する情報が出動案件別に登録された出動実績DBと、
車両の配置対象となる各基地から車両を出動させる対象エリアを少なくとも含む地域の道路地図が登録された地図DBと、
前記対象エリアを含む地域の道路における過去の渋滞情報が登録された渋滞情報DBと、
前記各DBに登録された情報に基づいてソフトウェアを用いた演算処理を行うことで、車両の最適配置パターンを決定する最適配置パターン決定手段と、を備え、
前記最適配置パターン決定手段において、
配置すべき車両総数を各基地毎に分配する際に想定される複数の車両配置パターンの中から仮配置パターンを決定する第1ステップと、
当該仮配置パターンの下で前記出動実績DBに登録された案件のうち、演算対象とされる複数の演算対象出動案件の中から一の出動案件を選択出動案件として選択する第2ステップと、
前記選択出動案件の地理的情報及び出動要請日時に基づいて、当該出動要請日時において空き車両が存在する基地のうち前記選択出動案件の出動現場に最も近い位置に存在する基地を選択して出動基地として決定する第3ステップと、
前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて、前記出動基地を前記出動要請日時に出発してから前記選択出動案件の前記出動現場に到達するのに要した出動時間を導出する第4ステップと、
前記選択出動案件を変更しながら、全ての前記演算対象出動案件につき前記第2〜第4ステップを実行した後、各演算対象出動案件別の前記出動時間に基づいて決定される所定の指標値を算出する第5ステップと、
前記仮配置パターンを変更しながら、全ての前記車両配置パターンにつき前記第1〜第5ステップを実行した後、前記車両配置パターン別に前記指標値を算出し、当該指標値が最も優れた車両配置パターンをもって最適配置パターンと決定する第6ステップと、が実行されて最適配置パターンを決定することを特徴とする。
本発明に係るシステムによれば、好ましい車両配置パターンであるか否かを比較するための客観的な指標として「指標値」を導入し、当該指標値が最も優れている配置パターンが最適配置パターンとして決定される。そして、この「指標値」は、基地から出動要請現場に向かうのに要する出動時間に基づいて決定される値であり、更にこの出動時間は、地図情報並びに当該出動要請日時における渋滞度を考慮した形で算定されているため、客観的な評価に基づく解の抽出が可能となる。
ここで、前記第3ステップにおいて前記出動基地を決定する際の処理内容につき、
上記内容に代えて、前記選択出動案件の地理的情報及び出動要請日時、並びに前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて、当該出動要請日時において空き車両が存在する基地のうち前記選択出動案件の出動現場に到着するまでに要する時間が最も短い位置に存在する基地を選択して前記出動基地として決定する構成としても良い。
上記内容に代えて、前記選択出動案件の地理的情報及び出動要請日時、並びに前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて、当該出動要請日時において空き車両が存在する基地のうち前記選択出動案件の出動現場に到着するまでに要する時間が最も短い位置に存在する基地を選択して前記出動基地として決定する構成としても良い。
更にこのとき、前記第3ステップにおいて、
前記選択出動案件の出動現場からの距離が近い上位所定数の基地を候補基地として検索し、
前記候補基地を前記出動要請日時に出発してから前記選択出動案件の前記出動現場に到達するのに要した出動候補時間を導出し、
前記出動候補時間の短い順に、前記出動要請日時に前記候補基地に空き車両が存在するか否かの判定を行い、最初に空き車両の存在が確認された前記候補基地を前記出動基地として決定すると共に、前記候補基地の前記出動候補時間を前記出動時間として決定することで前記第4ステップの処理内容が当該第3ステップに内包される構成とするのが好適である。
前記選択出動案件の出動現場からの距離が近い上位所定数の基地を候補基地として検索し、
前記候補基地を前記出動要請日時に出発してから前記選択出動案件の前記出動現場に到達するのに要した出動候補時間を導出し、
前記出動候補時間の短い順に、前記出動要請日時に前記候補基地に空き車両が存在するか否かの判定を行い、最初に空き車両の存在が確認された前記候補基地を前記出動基地として決定すると共に、前記候補基地の前記出動候補時間を前記出動時間として決定することで前記第4ステップの処理内容が当該第3ステップに内包される構成とするのが好適である。
出動現場からの距離の近い順ではなく、出動現場までに要する移動時間が短い順に空き車両の存在を判断して出動基地を決定することで、各案件毎に出動時間をできるだけ短くすることができる基地が出動基地として選択される。そして、この方法によって得られた出動基地から現場に向かうまでに要する出動時間に基づいて各仮配置パターン別に指標値を算定し、最も優れた指標値を示す配置パターンを最適配置パターンとして決定することで、距離の近い順に検索して出動基地を決定した場合よりも厳密に評価された最適配置パターンが導出される。
しかし、この方法による場合、各基地別に移動時間の算定が必要となるが、これを全ての基地に対して行うとすれば、各案件毎、各仮配置パターン毎に同様の演算を行うことになるため演算処理数が膨大になるおそれがある。そこで、演算処理数を少しでも削減すべく、予め現場に近い所定数の基地のみを候補基地として選定し、この候補基地についてのみ移動時間の算定を行って、移動時間の短い順に空き車両の存在する基地を検索して出動基地とする。なお、このとき、出動基地が決定した時点で当該基地を候補基地としたときの移動時間も既に算定されているため、この時間を出動時間とすることができる。つまり、この方法の場合、第3ステップの中で第4ステップの処理も実行される。
本発明のシステムは、上記特徴に加えて、
前記第4ステップにおいて、
前記出動要請日時が示す時刻に前記出動時間と予め定められた一律の想定作業時間を加算して作業完了時刻を導出し、
更に、前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて前記出動現場を前記作業完了時刻に出発してから前記出動基地まで到達するのに要した帰還時間を導出し、この帰還時間に前記作業完了時刻を加算して帰還時刻を導出し、
前記第3ステップにおいて、
既に演算済の前記選択出動案件における前記第4ステップの演算処理内容に基づいて、演算対象となっている前記選択出動案件の前記出動要請日時における各基地の空き車両の存否を判断することを別の特徴とする。
前記第4ステップにおいて、
前記出動要請日時が示す時刻に前記出動時間と予め定められた一律の想定作業時間を加算して作業完了時刻を導出し、
更に、前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて前記出動現場を前記作業完了時刻に出発してから前記出動基地まで到達するのに要した帰還時間を導出し、この帰還時間に前記作業完了時刻を加算して帰還時刻を導出し、
前記第3ステップにおいて、
既に演算済の前記選択出動案件における前記第4ステップの演算処理内容に基づいて、演算対象となっている前記選択出動案件の前記出動要請日時における各基地の空き車両の存否を判断することを別の特徴とする。
本発明のシステムは、上記特徴に加えて、
前記出動実績DBには、前記出動案件別に実際に行われた作業内容に関する情報が登録されており、
前記第4ステップにおいて、前記作業内容に準じて決定される前記想定作業時間に基づいて前記作業完了時刻を導出することを別の特徴とする。
前記出動実績DBには、前記出動案件別に実際に行われた作業内容に関する情報が登録されており、
前記第4ステップにおいて、前記作業内容に準じて決定される前記想定作業時間に基づいて前記作業完了時刻を導出することを別の特徴とする。
本発明のシステムは、上記各特徴に加えて、
前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間につき、全ての前記演算対象出動案件にわたって平均値を算出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを別の特徴とする。
前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間につき、全ての前記演算対象出動案件にわたって平均値を算出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを別の特徴とする。
この構成によれば、指標値として全ての演算対象出動案件における平均出動時間が設定され、この値を最小にする車両配置パターンが「最適配置パターン」として決定される。よって、各出動案件における平均出動時間を最短にする車両配置パターンを「最適車両配置パターン」として抽出することができる。
また、本発明のシステムは、
前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間のうち、所定の基準時間を超過した前記演算対象出動案件の数を抽出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを別の特徴とする。
前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間のうち、所定の基準時間を超過した前記演算対象出動案件の数を抽出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを別の特徴とする。
この構成によれば、指標値として、全ての演算対象出動案件における出動時間が所定の基準時間を超過した案件数が設定され、この値を最小にする車両配置パターンが「最適配置パターン」として決定される。よって、前記所定の基準時間として、出動要請から現場到着までに要する出動時間の目標値を設定することで、この目標が達成される案件数を最大にする(目標未達の案件数を最小にする)車両配置パターンを「最適車両配置パターン」として抽出することができる。
また、本発明のシステムは、
前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間の中から、最大値を抽出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを特徴とする。
前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間の中から、最大値を抽出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを特徴とする。
この構成によれば、指標値として、全ての演算対象出動案件における出動時間のうちの最大値(最長値)が設定され、この値を最小にする車両配置パターンが「最適配置パターン」として決定される。よって、ワーストケースにおける出動時間を最短にする車両配置パターンを「最適車両配置パターン」として抽出することができる。
また、本発明のシステムは、
前記第6ステップに代えて、
前記指標値の決定方法に依存して決定される所定の規則に従って直前の前記第1ステップで選択されていた前記仮配置パターンの配置方法の一部が変更されることで前記仮配置パターンが変更された後、この変更後の前記仮配置パターンの下で前記第1〜第5ステップを実行する一連の処理を、変更前の前記仮配置パターンの下での前記指標値が変更後の前記仮配置パターンの下での前記指標値より優れた値を示す終了条件が成立するまで繰り返し行い、前記終了条件が成立した時点における前記変更前の前記仮配置パターンをもって最適配置パターンと決定するステップが実行されることを別の特徴とする。
前記第6ステップに代えて、
前記指標値の決定方法に依存して決定される所定の規則に従って直前の前記第1ステップで選択されていた前記仮配置パターンの配置方法の一部が変更されることで前記仮配置パターンが変更された後、この変更後の前記仮配置パターンの下で前記第1〜第5ステップを実行する一連の処理を、変更前の前記仮配置パターンの下での前記指標値が変更後の前記仮配置パターンの下での前記指標値より優れた値を示す終了条件が成立するまで繰り返し行い、前記終了条件が成立した時点における前記変更前の前記仮配置パターンをもって最適配置パターンと決定するステップが実行されることを別の特徴とする。
上記構成によれば、想定される全ての車両配置パターンに対して第1〜第6ステップを行うことなく最適配置パターンが決定されるため、演算処理時間の短縮化が図れる。
上記構成において、前記所定の規則を、
直前の前記第1ステップで選択されていた前記仮配置パターンの下で全ての前記演算対象出動案件について前記第1〜第5ステップが実行されることで把握される各基地の空き車両の存否に関し、空き車両が存在しない状態の継続時間又は総時間が最も長い基地の配置台数を1台減少させる一方、それが最も短い基地の配置台数を1台増加させる内容とすることができる。
直前の前記第1ステップで選択されていた前記仮配置パターンの下で全ての前記演算対象出動案件について前記第1〜第5ステップが実行されることで把握される各基地の空き車両の存否に関し、空き車両が存在しない状態の継続時間又は総時間が最も長い基地の配置台数を1台減少させる一方、それが最も短い基地の配置台数を1台増加させる内容とすることができる。
また、上記特徴に加えて、前記演算対象出動案件を異ならせて前記第1〜第6ステップを実行させることで得られた前記最適配置パターンを初期の前記仮配置パターンとして設定して演算を実行することを別の特徴とする。
本システムを用いて、既に別条件で最適配置パターンを決定していた場合には、このパターンを初期の仮配置パターンとして設定した上で、条件を変えて演算処理を行うことで、収束解たる最適配置パターンの抽出に要する時間の短縮化が図れる可能性がある。
また、上記の各特徴に加えて、
所定のシミュレーション期間にわたって、前記対象エリア内の任意の位置に、任意の時刻に出動要請の発生を模擬することで得られた想定の出動実績につき、出動現場の地理的位置に関する情報及び出動要請日時に関する情報が出動案件別に登録された想定出動情報DBを、前記出動実績DBに代えて又はこれと共に備え、
前記最適配置パターン決定手段において実行される前記第2ステップが、当該仮配置パターンの下で前記想定出動情報DBに登録された案件のうち、演算対象とされる複数の演算対象出動案件の中から一の出動案件を前記選択出動案件として選択するステップであることを別の特徴とする。
所定のシミュレーション期間にわたって、前記対象エリア内の任意の位置に、任意の時刻に出動要請の発生を模擬することで得られた想定の出動実績につき、出動現場の地理的位置に関する情報及び出動要請日時に関する情報が出動案件別に登録された想定出動情報DBを、前記出動実績DBに代えて又はこれと共に備え、
前記最適配置パターン決定手段において実行される前記第2ステップが、当該仮配置パターンの下で前記想定出動情報DBに登録された案件のうち、演算対象とされる複数の演算対象出動案件の中から一の出動案件を前記選択出動案件として選択するステップであることを別の特徴とする。
上記構成によれば、モデル化された出動要請の下で最適配置パターンを導出することができるため、モデルケースを適宜変更しながら状況に応じた最適配置パターンを導出することができる。
本発明によれば、客観的な指標値に基づき、道路状況や渋滞度を反映した形で最適な車両の配置パターンを自動的に抽出することができる。そして、前記の指標値はシステムの利用者が設定可能な構成であるため、システムの利用者が希望する「目的」に応じた最適な配置パターンを抽出できる。
本発明は、ライフライン関連業務或いは緊急出動業務の車両を各基地に配置する際の配置方法をコンピュータの演算処理を用いて決定するシステムである。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る車両の配置方法決定システムの概念的構成を示すブロック図である。
図1は、本発明に係る車両の配置方法決定システムの概念的構成を示すブロック図である。
本システム1は、各種情報が格納されているDB(データベース)11〜14と、これらの情報を用いて演算処理を行う最適配置パターン決定手段10を備える。最適配置パターン決定手段10は、コンピュータのハードウェア資源(CPUや各種記憶装置等)及びソフトウェア資源(OS、各種ドライバ、データベース管理ソフト等)を使用して演算処理を実行する機能的手段であり、演算を行うに際して必要な情報を一時的に保持するための記憶手段を適宜備えている。
基地DB11は、出動用の車両を配置する場所である基地に関する情報が登録されたデータベースであり、具体的には基地の地理的情報(住所、或いは緯度及び経度等)、最大配置可能車両台数が登録されている。
出動実績DB12は、過去において各基地から現場に出動した実績が登録されたデータベースであり、具体的には、出動現場の地理的情報(住所、或いは緯度及び経度等)、日時情報(出動要請日時)、作業時間情報が登録されている。また、同DB12には、必要に応じて、実際に当該現場に出動した車両の基地に関する情報、出動した作業員に関する情報、実際に現場に到着した時刻や作業を完了した時刻に関する情報が適宜登録されていても良い。
地図DB13は、通常のGIS(Geographic Information System:地理情報システム)が有するものと同様、各地における道路地図情報が登録されている。
渋滞情報DB14は、地図DB13に登録された地図に表示される道路の渋滞情報が登録されている。登録形式の一例としては、一の交差点を出発してから隣接する次の交差点に到達するまでに要する時間について、平日休日別、時刻別に登録している。ここで時刻別とは、前記一の交差点を出発する時刻につき、一日を15分毎に区切った場合の各時刻に設定することを意味する。渋滞情報DB14の情報としては、道路交通情報通信システム(Vehicle Information and Communication System:VICS)を利用するものとしても良い(VICSは財団法人道路交通情報通信システムセンターの登録商標)。
最適配置パターン決定手段10では、主として以下の5つの処理を行う。すなわち、仮配置パターン選択処理A,出動案件選択処理B,出動基地決定処理C,移動時間算出処理D,及び最適配置パターン決定処理Eである。これら一連の処理をより具体的に記載したフローチャートを図2に示す。なお、以下において#1〜#16は、それぞれ図2内のステップの番号を指す。
最適配置パターン決定手段10は、まず、複数(i=0,1,…,iMax)の車両配置パターンL(i)の中から一の車両配置パターンL(0)を選択する(#1)。#1で選択された車両配置パターンを「仮配置パターン」と称する。
車両配置パターンとは、各基地sに対して、それぞれ何台車両を配置するかという組み合わせを示す内容である(s=0,1,…,sMax)。基地sに配置する車両台数をN(s)と表記するとすれば、車両配置パターンL(i)は、L(i)=(N(0),N(1),…,N(sMax))という行列として規定される。車両配置パターンL(i)は、iが変わることで、N(0),N(1),…,N(sMax)の各要素の一又は複数が変化する。なお、最適配置パターン決定手段1において配置すべき車両の総数ΣNが予め設定されており、この値と、基地DB11に登録されている各基地sの最大配置車両台数NMax(s)によって、ΣN=N(0)+N(1)+…+N(sMax),N(s)≦NMax(s)を満たすように各車両配置パターンL(i)が設定される。また、基地においては最低2台は配置すべきというように、必要最小配置台数が設定される基地が存在する場合には、基地DB11が基地別の必要最小配置台数Nmin(s)を登録させておくことで、更にN(s)≧Nmin(s)を満たすようにL(i)が設定される。このとき、必要最小配置台数が存在しない場合にはNmin(s)=0とすれば良い。
次に、最適配置パターン決定手段10は、出動実績DB12に登録された案件のうち、演算に利用する対象となる複数の出動案件(演算対象出動案件)を抽出し、その中から一の出動案件を選択する。本実施形態では、昨年一年間の出動案件を用いて最適配置パターンを決定するものとする。この場合、昨年一年間の出動案件が演算対象出動案件に対応する。無論、出動実績DBに登録された全ての案件を演算に利用しても構わない。
以下では、演算対象出動案件をG(j)と記載する(j=0,1,…,jMax)。このとき、#2において、まずG(0)が選択される。選択された演算対象出動案件を、「選択出動案件」と称する。
次に、基地DB11に登録されている基地のうち、#2で選択された選択出動案件G(0)の現場までの距離が最も近い基地を選択する(#3)。#3で選択された基地を「候補基地」と称する。
そして、選択出動案件G(0)の出動要請日時において#3で選択された候補基地に空き車両があるか否かを確認する(#4)。空き車両があるか否かは、現在設定されている仮配置パターンL(i)によって決定される各基地sの配置台数N(s)と、現在の計算対象となっている選択出動案件の出動要請日時において、既に同基地sから出動していると判断される車両の台数の差によって算出できる。しかし、現在の計算対象としている選択出動案件が最初の案件G(0)であるため、各基地から既に車両が出動しているということがなく、#4においてYesが選択され、選択出動案件G(0)の現場に車両を出動させる基地(出動基地)として#3で選択された候補基地に決定する(#6)。以下では、#6においてG(0)の現場に車両を出動させる基地として決定された出動基地をs_G(0)と記載し、G(0)の現場をy_G(0)と記載する。
次に、出動基地s_G(0)から選択出動案件G(0)の現場y_G(0)までに要する移動時間(出動時間)を、地図DB13及び渋滞情報DB14の登録情報に基づいて導出する(#7)。このとき、まず出動基地s_G(0)及び現場y_G(0)の地理的情報を地図DB13から読み出して、その経路の候補を抽出すると共に、選択出動案件G(0)の出動要請日時に該当する渋滞情報を渋滞情報DB14から読み出し、抽出された経路を走行した場合に要する移動時間を渋滞を加味して計算する。そして、最も移動時間が短い経路を走行するものとして、当該経路を走行した場合に要する時間をもって出動時間とする。
次に、選択出動案件G(0)に係る現場y_G(0)での作業完了時刻、並びに出動基地s_G(0)に帰還する時刻を算出する(#8)。本実施形態では、作業時間については、計算の効率化の観点から過去の作業時間の実績の平均値を用いて全ての演算対象出動案件G(j)につき同一の時間を採用する。しかし、出動実績DB12内に、各演算対象出動案件G(j)で実際に要した作業時間が登録されていれば、この作業時間を用いても構わない。また、実際に要した作業時間は登録されていないが、各現場で行った作業内容が登録されていれば、この作業内容を数種類(例えば4種類)にグループ化しておき、各グループ毎に設定された作業時間を用いるものとしても良い。
そして、選択出動案件の出動要請時刻に、前記出動時間と前記作業時間を加算した時刻をもって作業完了時刻とする。更に、この作業完了時刻を基準に、地図DB13及び渋滞情報DB14に基づいて出動基地s_G(0)に帰還するのに必要な移動時間を算出し、これを帰還時間とする。そして、作業完了時刻に帰還時間を加算した時刻でもって帰還時刻とする。
その後、演算対象出動案件をG(j)のうち、未演算の出動案件が存在するか否かを判定を行う(#9)。現時点では、G(0)しか演算を行っていないため、#9においてNoが選択され、選択出動案件がG(1)に変更される(#10)。なお、#10では、選択出動案件の変更と共にkの値が初期値「1」にリセットされる。G(0)においては、#4においてYesが選択されたことでkは初期値1のまま変更されていないため、k値のリセットに特段の意味はないが、#4でNoが選択されると#5においてkの値が2以上に設定されることがあり得るため、選択出動案件が変更される際に#10においてk値をリセットする。
再び#3に戻り、今度は、選択出動案件G(1)に対して、G(0)の場合と同様の演算、すなわち選択出動案件G(1)の現場に出動する基地(出動基地)の決定、出動時間、帰還時刻の導出を行う。以下、同様の演算を全ての演算対象出動案件G(2),G(3),…,G(jMax)に対しても行う(#3〜#10)。
なお、この繰り返し演算(#3〜#10)の実行時において、#4で空き車両がない場合には、#4でNoが選択され、k値が1増加されて#3に戻る。このとき、#3では、選択出動案件G(j)の現場までの距離が2番目に近い基地が候補基地として選択され、#4では、この候補基地において選択出動案件G(j)の出動要請日時における空き車両の確認がなされる。つまり、#3〜#5では、空き車両が存在する基地のうちで、選択出動案件G(j)の現場までの距離が最も近い基地を出動基地s_G(j)に選択する処理が行われている。
このようにして、全ての演算対象出動案件G(0),G(1),…,G(jMax)に対して、出動基地の決定、出動時間及び帰還時刻の導出がなされると、#9でYesが選択されて、#11において指標値F(L(i))が算出される。この指標値とは、現在選択されている仮配置パターンL(i)の下で、演算対象出動案件G(0),G(1),…,G(jMax)に対してそれぞれ出動を行った場合に実現できる出動状態を、比較可能な客観的な値として指標化したものである。
この指標化の方法は、各基地に何台の車両を配置するかという最適化問題を解く際の目的関数の設定に依存する。例えば、出動時間の平均値を最も短くできるような配置パターンを導出したい場合には、出動時間の平均値が「目的関数」であり、これをもって指標値F(L(i))と設定する。本実施形態では、この場合につき説明する。
なお、別の例としては、以下のような内容が想定される。
1)出動時間が所定の基準時間(例えば30分)を超過する案件数を最も少なくするような配置パターンを導出することが考えられる。かかる場合には、出動時間が所定の基準時間を超過する案件数をもって指標値F(L(i))と設定する。
2)出動時間の最大値(最も時間を要したもの)の値を最も短くするような配置パターンを導出することが考えられる。かかる場合には、出動時間の最大値が「目的関数」であり、これをもって指標値F(L(i))と設定する。
1)出動時間が所定の基準時間(例えば30分)を超過する案件数を最も少なくするような配置パターンを導出することが考えられる。かかる場合には、出動時間が所定の基準時間を超過する案件数をもって指標値F(L(i))と設定する。
2)出動時間の最大値(最も時間を要したもの)の値を最も短くするような配置パターンを導出することが考えられる。かかる場合には、出動時間の最大値が「目的関数」であり、これをもって指標値F(L(i))と設定する。
本実施形態では、指標値F(L(i))は、各演算対象出動案件G(j)の現場に向かうのに必要な出動時間の平均値として設定されるため、各G(j)について#7で算出された出動時間の平均値を算出することで求められる。このため、#7で算出した各G(j)毎の出動時間に関する情報は、内部の記憶手段で保持しておくことが好ましい。
次に、#11において指標値が算出された仮配置パターンL(i)が、指標値が算出された最初の配置パターンであるか否かの確認を行う(#12)。現時点で指標値が算出されたのは仮配置パターンL(0)に対してであったため、#12でYesが選択され、#14において指標値F(L(i))を暫定最小指標値Fmin、仮配置パターンL(0)を暫定最適配置パターンL_bestにそれぞれ設定する。
次に、車両配置パターンL(i)のうち、指標値が算出されていない配置パターンが存在するか否かを判定を行う(#15)。現時点では、車両配置パターンL(0)に対してしか演算を行っていないため、#15においてNoが選択され、仮配置パターンがL(1)に変更される(#16)。そして、この仮配置パターンL(1)に対し、L(0)と同様に、全ての演算対象出動案件G(0),G(1),…,G(jMax)につき、出動基地の決定、出動時間及び帰還時刻の導出を行う(#1〜#10)。
なお、#16では、仮配置パターンの変更と共にjの値が初期値「0」に、kの値が初期値「1」にそれぞれリセットされる。L(0)について、演算対象出動案件G(0),G(1),…,G(jMax)につき、出動基地の決定、出動時間及び帰還時刻の導出が行われた結果、直前の状態においてj=jMaxに設定されている。しかしL(1)について、再び、G(0),G(1),…,G(jMax)につき、出動基地の決定、出動時間及び帰還時刻の導出を行う必要があるため、j=0に初期化する。k=1に初期化するのは#10と同様の理由である。
仮配置パターンL(1)につき、全ての演算対象出動案件G(0),G(1),…,G(jMax)に対して、出動基地の決定、出動時間及び帰還時刻の導出がなされると、#9でYesが選択され、#11において指標値F(L(1))を算出する。前述のように、ここでは、全ての演算対象出動案件G(0),G(1),…,G(jMax)についての各出動時間の平均値でもってF(L(1))とする。
次に、この指標値を算出した対象となる仮配置パターンはL(1)であるため、i≠0であり、#12においてNoが選択される。そして、#11で算出された指標値F(L(1))と現時点における暫定最小指標値Fminの大小比較を行う(#13)。F(L(1))がFmin(ここではF(L(0))であるが)よりも小さければ、#13でYesが選択され、F(L(1))が新たに暫定最小指標値Fminとして、仮配置パターンL(1)が新たに暫定最適配置パターンL_bestとしてそれぞれ設定される。その後、車両配置パターンL(i)のうち、指標値が算出されていない配置パターンが存在するか否かを判定を行う(#15)。一方、F(L(1))がFmin以上であれば、#13でNoが選択されてそのまま#15に進む。
現時点では、L(0)及びL(1)につき指標値が算出されているが、指標値が算出されていない車両配置パターンが更に残っている場合には、#15においてNoが選択され、仮配置パターンがL(2)に変更される(#16)。以後、同様にして、各車両配置パターンL(2),L(3),…,L(iMax)につき、指標値F(L(i))の算出、並びに当該指標値と暫定最小指標値Fminとの比較が行われる。
そして、全ての車両配置パターンにつき、指標値F(L(i))の算出と暫定最小指標値Fminとの比較が完了すると、#15においてYesが選択され処理を完了する。このとき、現時点における暫定最小指標値Fminが最小指標値FMINとして確定され、この暫定最小指標値を導出した暫定最適配置パターンL_bestが最適配置パターンL_BESTとして確定される。
このようにして得られた最適配置パターンL_BEST=(N(0),N(1),…,N(sMax))によって規定されるパターンに従って、各基地s(s=0,1,…,sMax)に対して車両を配置することで、昨年一年間における平均出動時間の短縮化が図れる。出動要請は、発生場所や発生日時につき必ずしも毎年同じ傾向で起こるというものではないが、大まかな要請の分布は過去の傾向に従うところも多いため、上記方法で決定された配置パターンに従って車両を配置することで、作業主任や管理責任者の経験によって主観的に決定する場合と比べた場合には出動時間の短縮化が見込める。
なお、指標値として、出動時間が所定の基準時間を超過する案件数を採用し、この案件数が最小値となるような最適配置パターンL_BESTに従って車両を配置することで、所定の基準時間を超過する案件数を少なくする効果が期待できる。同様に、指標値として、出動時間の最長値を採用し、この値が最小値となるような最適配置パターンL_BESTに従って車両を配置することで、出動から現場到着までに要した最長時間を短縮化する効果が期待できる。
特に、本システムの場合、各車両配置パターン毎に各案件別の出動時間を算出しているが、その際に、出動要請が発生した日時に応じた渋滞度を考慮した上で算出している。基地から現場に到着するまでに要する時間は、渋滞の程度に応じて大きく左右される。このため、渋滞の影響を考慮せずに出動時間を算出し、その値に基づいて最適配置パターンを決定した場合、実際よりもかなり短く見積もられた出動時間に基づいて最適配置パターンが決定されることとなる。
各案件につき、同じ程度に渋滞の影響を受けるのであれば、渋滞度の考慮の有無によって最適配置パターンに大きな影響を及ぼすことがないとも思えるが、実際には、案件に応じて渋滞が発生している場合と発生していない場合が存在するところ、渋滞の影響を考慮することなく出動時間を算出しても、演算対象出動案件間や出動基地間において大きな誤差が生じ得る。この誤差は、出動時間として現れる他、空き車両があるか否かの判断結果(#4)にも影響し得る。例えば、渋滞度を考慮していなければ既に基地に帰還していると判断される車両が、渋滞度を考慮することで未だ基地に帰還できていないという事態が起こり得る。
本発明は、渋滞度についても考慮した上で各配置パターン別、各演算対象出動案件別に出動時間や帰還時間を算出したため、より現実に近い形で演算処理がされている。このため、かかる演算処理によって得られた結果に基づいて決定された最適配置パターンに従って車両を配置することで、目標とする車両配置を実現することができる。
更に、本システムでは、そもそも何をもって「最適」とするかという点につき、指標化方法(#11)を変更することで自由に設定できる。このため、目的に応じて最適な配置パターンをシミュレートすることができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、全ての配置パターンL(i)について指標値F(L(i))を算出し、最も指標値が小さい配置パターンをもって最適配置パターンL_BESTとした。これに対し、本実施形態では、仮配置パターンを変更する際に一定の規則を設けることで、全ての配置パターンについての計算を行うことなく最適配置パターンを決定する。
第1実施形態では、全ての配置パターンL(i)について指標値F(L(i))を算出し、最も指標値が小さい配置パターンをもって最適配置パターンL_BESTとした。これに対し、本実施形態では、仮配置パターンを変更する際に一定の規則を設けることで、全ての配置パターンについての計算を行うことなく最適配置パターンを決定する。
図3に本実施形態におけるフローチャートを示す。なお、図2と同一の処理を行うステップにおいては、同一のステップ番号を付し、説明を省略する。
初期の仮配置パターンL(0)に対して指標値F(L(0))を算出するところまでは図2と同じである(#1〜#11)。
次に、#11において指標値が算出された仮配置パターンL(i)が、指標値が算出された最初の配置パターンであるか否かの確認を行う(#12)。現時点で指標値が算出されたのは仮配置パターンL(0)に対してであったため、#12でYesが選択され、#16へと進む。
#16では、jの値が初期値「0」に、kの値が初期値「1」にそれぞれリセットされると共に、仮配置パターンの種類を示すiの値が1カウントアップされる。なお、この時点では仮配置パターンL(i)は決定されていない。
そして、#22において、先ほど演算を行った仮配置パターンであるL(i-1)と、所定の規則αに基づいて次の仮配置パターンL(i)が決定される。この規則αは、指標化決定方法(指標化方法)に一定の関係を有するものが採用される。
一例としては、仮配置パターンL(i-1)によって各基地s(s=0,1,…,sMax)に対して車両台数N(s)を配置した場合において、空き車両が存在しない状態の総時間が最も長い基地s_aと最も短い基地s_bを検索し、基地s_aの台数を1台増加、s_bの台数を1台減少させて仮配置パターンL(i)とする。このとき、「総時間」に代えて「連続時間」を採用しても良い。
そして、このようにして新たに決定された仮配置パターンL(i)に対して全ての演算対象出動案件G(j)につき出動基地の決定、出動時間及び帰還時刻の導出、及び指標値F(L(i+1))の算出を行う(#2〜#11)。ここではL(1)に対する演算が行われる。
#11で指標値F(L(1))が算出されると、i≠0であるため#12においてNoが選択され、直前の指標値との大小比較がなされる(#21)。ここでは、F(L(0))とF(L(1))の大小比較がなされる。
#21において、演算対象となっている仮配置パターンの指標値F(L(i))が直前の仮配置パターンの指標値F(L(i-1))よりも小さければ、Yesが選択され、#16でj値及びk値の初期化、及びi値のインクリメントがされた後、#22において先ほどと同様の方法により次の演算対象となる仮配置パターンL(i)が決定される。以後、同様に#2〜#12、及び#21が行われる。
#21においてYesが選択されるということは、直前に演算が行われた仮配置パターンよりも結果が向上したことを意味し、このことは、更に向上する余地が見込めることを意味している。
#22では、空き車両が存在しない状態の総時間が最も長い基地(即ち高稼働率の基地)の台数を1台増加し、前記総時間が最も短い基地(即ち低稼働率の基地)の台数を1台減少させている。演算対象出動案件G(j)の現場y_G(j)に最も近い基地において、その案件の出動要請時刻に空き車両がなければ(#4でNo)、その基地よりも現場から少し離れた基地から車両を出動させることになるが(#6)、現場に最も近い基地から車両を出動させた方が出動時間の短縮化が図れることはいうまでもない。しかし、#3において、k値が低い値(特にk=1)の下で高稼働率の基地が選択されると、#4でNoとなる可能性が高く、その結果出動時間が長くなっている可能性がある。
このため、#22において、高稼働率の基地の台数を1台増加させることで、#3においてk値が低い値の下で当該基地が選択されても、#4で空き車両が存在する確率が上昇し、これによって平均出動時間が向上することが想定される。
他方、演算対象となっている仮配置パターンの指標値F(L(i))が直前の仮配置パターンの指標値F(L(i-1))よりも大きいか又は等しい値であれば、#21でNoが選択される。これは、直前の#22における仮配置パターンの変更処理が、平均出動時間の向上という観点からは効果がなかったことを意味しており、このことは配置パターンF(L(i-1))を最適な配置パターンとして決定することが可能であることを意味するものである。
無論、厳密に処理を行うことで、このF(L(i-1))よりも平均出動時間の短い配置パターンの存在を確認できる可能性もあるが、その場合は第1実施形態のように全ての配置パターンに対して演算を行う必要があり、演算時間が長くなってしまう。本実施形態の方法によれば、短い演算時間の下で、目標とする平均出動時間の短い配置パターンの例を抽出することができるという点で効果的である。
なお、出動時間が所定の基準時間を超過する案件数を最も少なくするような配置パターンを導出する場合や、出動時間の最大値(最も時間を要したもの)の値を最も短くするような配置パターンを導出する場合においても、前記と同様の規則に従って仮配置パターンの変更を行うものとして良い。空き車両が存在しない状態の総時間(又は継続時間)が長い基地の台数を1台増加し、逆にそれが短い基地の台数を1台減少させることは、基準時間の超過案件の減少や、出動時間の最大値の減少にも効果的であるためである。
また、本実施形態において、各基地に設置する台数の上限値或いは下限値が設定されている場合には、#22において1台増加及び1台減少させる基地を決定するに際し、これらの許可条件を考慮するものとする。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉 上記の各実施形態では、出動実績DB12に登録された過去の実績に基づいて最適配置パターンを導出する方法であった。これに対し、時系列的に管轄エリア内の任意の場所に出動要請を発生させるプログラムを実行することで、出動要請のシミュレーションを行い、このシミュレーションに基づいて最適配置パターンを決定するものとしても良い。この場合、出動実績DB12に代えて(又はこれと共に)、出動要請発生プログラムの実行結果を登録する想定出動情報DBを備え、この想定出動情報DBから読み出された各出動要請に基づいて最適配置パターンを決定する。
出動要請の発生プログラムの一例としては、地図上のメッシュ(1m〜1km四方)位置において、所定の時間(例えば1秒)毎に出動要請が発生するかどうかを乱数により決定する方法を採用することができる。1秒毎に全メッシュに対して0〜1の数値を偏りなくランダムで発生させ、その数値が予めメッシュごとに与えた出動要請発生確率を上回るか下回るかした時に、そのメッシュの中心点でその時間に出動要請が発生したと見なす。例えば、出動要請発生確率を0.02%としたメッシュ位置Xでは、0.0002以下の乱数が割り振られた時、出動要請が発生したと見なす。
このような方法によって出動要請をモデル化することで、モデルケースを適宜変更しながら状況に応じた最適配置パターンを導出することができる。例えば、出動要請の傾向が季節や時間帯別に変化する場合であれば、季節別、或いは時間帯別にメッシュ毎の発生確率に差異を設けた状態でプログラムを実行することで、かかる傾向を反映した出動要請発生モデルを実現できる。よって、このモデルによってシミュレーションされた出動要請に基づき最適配置パターンを導出することで、季節別或いは時間帯別の出動要請傾向を考慮した最適配置パターンを導出することができる。
〈2〉 第2実施形態では、全ての車両配置パターンについて指標値を算出することなく最適配置パターンを決定する方法であるため、初期の仮配置パターンL(0)の決定如何によって演算時間の長短に影響を及ぼす。
例えば、既に別の指標化方法の下で最適配置パターンが決定されているような場合であれば、そのときに決定された最適配置パターンをもって初期の仮配置パターンL(0)とすることで、ループ回数を大幅に削減し演算時間の短縮化が図れる可能性が高い。また、出動実績DB12に登録された案件のうち、演算に利用する案件(演算対象出動案件)を変えて別途最適配置パターンを決定させるような場合であっても、別の演算対象出動案件の下で決定された最適配置パターンをもって初期の仮配置パターンL(0)として演算を行うことにより、ランダムに仮配置パターンL(0)を決定する場合よりも、ループ回数が大幅に削減され、演算時間の短縮化が図れる可能性が高い。
〈3〉 第2実施形態において、#22で採用される規則αとしては、他に下記の内容が想定される。
1)仮配置パターンL(i-1)によって各基地s(s=0,1,…,sMax)に対して車両台数N(s)を配置した場合において、#7において出動案件G(j)別に求められる出動時間を、出動基地s_G(j)別に平均化することで平均出動時間を基地別に算出し、この平均出動時間が最も長い基地s_aと最も短い基地s_bを検索して、基地s_aの台数を1台増加、s_bの台数を1台減少させて仮配置パターンL(i)とする。
2)仮配置パターンL(i-1)によって各基地s(s=0,1,…,sMax)に対して車両台数N(s)を配置した場合において、#7において出動案件G(j)別に求められる出動時間につき、所定の基準時間(例えば30分)を超過する案件数を基地別に算出し、この案件数が最も多い基地s_aと最も少ない基地s_bを検索して、基地s_aの台数を1台増加、s_bの台数を1台減少させて仮配置パターンL(i)とする。
〈4〉 上記#13では、指標値F(L(i))が最小値となる配置パターンをもって最適配置パターンとしているが、指標値の設定方法によっては、その最大値を実現する配置パターンをもって最適配置パターンとしても構わない。
〈5〉 上記実施形態では、#3〜#5によって選択出動案件の現場に最も近い基地から順に空き車両が存在するか否かを判定することで出動基地を決定した(#6)。これに対し、選択出動案件の出動要請日時の下で、出発してから当該現場に到着するまでに要する時間が最も短い基地から順に空き車両が存在するか否かを判定するものとしても良い(図4参照)。この場合、出動基地が決定された時点で出動時間の算出も完了されたことになる(#6A)。
この方法による場合、出発してから当該現場に到着するまでに要する時間が最も短い基地をまず検索する必要がある。そして、形式的には全ての基地に対する出動時間を求めた上で時間の短い順に並べ替えることで、対応する基地を見つけることができる。しかし、この方法では演算処理量が多くなり、処理時間が増加してしまう。
このため、全ての基地に対する出動時間の算出を行うのではなく、選択出動案件の現場までの距離が短い上位所定数Zの基地を候補基地として選択する(#31)。そして、これらの候補基地につき、地図DB13及び渋滞情報DB14の登録情報に基づいて出動時間を算出し(#32)、出動時間の短い順に並べ替える。
以下は、第1実施形態の場合と同様の方法により(#4〜#5)、最も出動時間の短い候補基地から順次空き車両の存在確認をし、空き車両が存在していれば(#4でYes)、当該候補基地を出動基地として決定する(#6A)。空き車両が存在しなければ、次に出動時間の短い候補基地について空き車両の存在確認をし、以下これを繰り返す。
明らかに選択出動案件の現場に遠い基地から出動した場合、前記候補基地から出動した場合よりも出動時間が長くなるのは自明である。このため、自明である判断が可能な基地については候補基地から外し、出動時間の計算を行う基地数を削減することで演算処理数の削減を図っている。
この方法によれば、第1実施形態の場合よりも、更に厳密に出動時間の短縮化を目的とした最適配置パターンの導出が可能となる。反面、第1実施形態よりも演算処理数が増加してしまうというデメリットは内在する。
このデメリットを少しでも解消すべく、#31において選択する候補基地数Zを、選択出動案件の現場のエリアに応じて変化させるのが効果的である。すなわち、前記対象エリアをいくつかのブロックに分割し、選択出動案件の現場がどのブロックに属しているかによってZの値を変化させることが可能である。
例えば、基地の密度が低いブロックで出動要請があった場合に、現場までの距離の近い順に並べた場合の上位Zの基地を候補基地として選択すると、この候補基地の中には明らかに現場から離れた基地も候補基地として選択されてしまう可能性があり、このとき、無駄に出動時間の計算を行うこととなってしまう。他方、そのような基地を排除すべく、Zの数を減少させると、基地の密度が高いブロックで出動要請があった場合に、本来候補基地として選択すべき基地が含まれない可能性がある。そこで、基地の密度が低いブロックではZ値を小さくし、同密度が高いブロックではZ値を大きくすることで、冗長な演算処理の実行を排斥しながらも、出動時間の短縮化をより一層図れる出動基地を各選択出動案件毎に決定することができる。
なお、本別実施形態の方法は、第2実施形態で説明したフローチャートによる場合にも適用できる。
1: 車両の配置方法決定システムの概念的構成を示すブロック図
10: 最適配置パターン決定手段
11: 基地DB
12: 出動実績DB
13: 地図DB
14: 渋滞情報DB
10: 最適配置パターン決定手段
11: 基地DB
12: 出動実績DB
13: 地図DB
14: 渋滞情報DB
Claims (12)
- ライフライン関連業務或いは緊急出動業務の車両を各基地に配置する際の配置方法をコンピュータの演算処理を用いて決定する車両の配置方法決定システムであって、
各基地の地理的情報が登録された基地DBと、
過去の出動実績につき、出動現場の地理的位置に関する情報及び出動要請日時に関する情報が出動案件別に登録された出動実績DBと、
車両の配置対象となる各基地から車両を出動させる対象エリアを少なくとも含む地域の道路地図が登録された地図DBと、
前記対象エリアを含む地域の道路における過去の渋滞情報が登録された渋滞情報DBと、
前記各DBに登録された情報に基づいてソフトウェアを用いた演算処理を行うことで、車両の最適配置パターンを決定する最適配置パターン決定手段と、を備え、
前記最適配置パターン決定手段において、
配置すべき車両総数を各基地毎に分配する際に想定される複数の車両配置パターンの中から仮配置パターンを決定する第1ステップと、
当該仮配置パターンの下で前記出動実績DBに登録された案件のうち、演算対象とされる複数の演算対象出動案件の中から一の出動案件を選択出動案件として選択する第2ステップと、
前記選択出動案件の地理的情報及び出動要請日時に基づいて、当該出動要請日時において空き車両が存在する基地のうち前記選択出動案件の出動現場に最も近い位置に存在する基地を選択して出動基地として決定する第3ステップと、
前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて、前記出動基地を前記出動要請日時に出発してから前記選択出動案件の前記出動現場に到達するのに要した出動時間を導出する第4ステップと、
前記選択出動案件を変更しながら、全ての前記演算対象出動案件につき前記第2〜第4ステップを実行した後、各演算対象出動案件別の前記出動時間に基づいて決定される所定の指標値を算出する第5ステップと、
前記仮配置パターンを変更しながら、全ての前記車両配置パターンにつき前記第1〜第5ステップを実行した後、前記車両配置パターン別に前記指標値を算出し、当該指標値が最も優れた車両配置パターンをもって最適配置パターンと決定する第6ステップと、が実行されて最適配置パターンを決定することを特徴とする車両の配置方法決定システム。 - 前記第3ステップにおいて前記出動基地を決定する際の処理内容につき、上記内容に代えて、
前記選択出動案件の地理的情報及び出動要請日時、並びに前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて、当該出動要請日時において空き車両が存在する基地のうち前記選択出動案件の出動現場に到着するまでに要する時間が最も短い位置に存在する基地を選択して前記出動基地として決定することを特徴とする請求項1に記載の車両の配置方法決定システム。 - 前記第3ステップにおいて、
前記選択出動案件の出動現場からの距離が近い上位所定数の基地を候補基地として検索し、
前記候補基地を前記出動要請日時に出発してから前記選択出動案件の前記出動現場に到達するのに要した出動候補時間を導出し、
前記出動候補時間の短い順に、前記出動要請日時に前記候補基地に空き車両が存在するか否かの判定を行い、最初に空き車両の存在が確認された前記候補基地を前記出動基地として決定すると共に、前記候補基地の前記出動候補時間を前記出動時間として決定することで前記第4ステップの処理内容が当該第3ステップに内包されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の配置方法決定システム。 - 前記第4ステップにおいて、
前記出動要請日時が示す時刻に前記出動時間と予め定められた一律の想定作業時間を加算して作業完了時刻を導出し、
更に、前記地図DB及び前記渋滞情報DBの登録情報に基づいて前記出動現場を前記作業完了時刻に出発してから前記出動基地まで到達するのに要した帰還時間を導出し、この帰還時間に前記作業完了時刻を加算して帰還時刻を導出し、
前記第3ステップにおいて、
既に演算済の前記選択出動案件における前記第4ステップの演算処理内容に基づいて、演算対象となっている前記選択出動案件の前記出動要請日時における各基地の空き車両の存否を判断することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の配置方法決定システム。 - 前記出動実績DBには、前記出動案件別に実際に行われた作業内容に関する情報が登録されており、
前記第4ステップにおいて、前記作業内容に準じて決定される前記想定作業時間に基づいて前記作業完了時刻を導出することを特徴とする請求項4に記載の車両の配置方法決定システム。 - 前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間につき、全ての前記演算対象出動案件にわたって平均値を算出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両配置方法決定システム。 - 前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間のうち、所定の基準時間を超過した前記演算対象出動案件の数を抽出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両配置方法決定システム。 - 前記第5ステップでは、前記第1ステップで決定された前記仮配置パターンの下で、前記第4ステップにおいて算出された前記演算対象出動案件別の前記出動時間の中から、最大値を抽出することで前記指標値とし、
前記第6ステップでは、全ての前記車両配置パターンの中から前記指標値が最も小さい前記車両配置パターンを選択して前記最適配置パターンと決定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両配置方法決定システム。 - 前記第6ステップに代えて、
前記指標値の決定方法に依存して決定される所定の規則に従って直前の前記第1ステップで選択されていた前記仮配置パターンの配置方法の一部が変更されることで前記仮配置パターンが変更された後、この変更後の前記仮配置パターンの下で前記第1〜第5ステップを実行する一連の処理を、変更前の前記仮配置パターンの下での前記指標値が変更後の前記仮配置パターンの下での前記指標値より優れた値を示す終了条件が成立するまで繰り返し行い、前記終了条件が成立した時点における前記変更前の前記仮配置パターンをもって最適配置パターンと決定するステップが実行されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の配置方法決定システム。 - 前記所定の規則は、
直前の前記第1ステップで選択されていた前記仮配置パターンの下で全ての前記演算対象出動案件について前記第1〜第5ステップが実行されることで把握される各基地の空き車両の存否に関し、空き車両が存在しない状態の継続時間又は総時間が最も長い基地の配置台数を1台減少させる一方、それが最も短い基地の配置台数を1台増加させる内容であることを特徴とする請求項9に記載の車両の配置方法決定システム。 - 前記演算対象出動案件を異ならせて前記第1〜第6ステップを実行させることで得られた前記最適配置パターンを初期の前記仮配置パターンとして設定して演算を実行することを特徴とする請求項9又は10に記載の車両の配置方法決定システム。
- 所定のシミュレーション期間にわたって、前記対象エリア内の任意の位置に、任意の時刻に出動要請の発生を模擬することで得られた想定の出動実績につき、出動現場の地理的位置に関する情報及び出動要請日時に関する情報が出動案件別に登録された想定出動情報DBを、前記出動実績DBに代えて又はこれと共に備え、
前記最適配置パターン決定手段において実行される前記第2ステップが、当該仮配置パターンの下で前記想定出動情報DBに登録された案件のうち、演算対象とされる複数の演算対象出動案件の中から一の出動案件を前記選択出動案件として選択するステップであることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の車両の配置方法決定システム。
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---|---|---|---|
JP2010071943A JP2011204099A (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | 車両の配置方法決定システム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016004530A (ja) * | 2014-06-19 | 2016-01-12 | Necエンジニアリング株式会社 | 消防司令システム、消防指令方法および消防指令プログラム |
KR101950685B1 (ko) * | 2017-09-15 | 2019-02-21 | 한국철도기술연구원 | Soc 시설물 피해복구 실행계획 수립 시스템 및 방법 |
JP2019113935A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | 日本電信電話株式会社 | 事象発生対応システム、方法およびプログラム |
-
2010
- 2010-03-26 JP JP2010071943A patent/JP2011204099A/ja not_active Withdrawn
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