JP2011203613A - 駆動回路、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

駆動回路、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2011203613A
JP2011203613A JP2010072347A JP2010072347A JP2011203613A JP 2011203613 A JP2011203613 A JP 2011203613A JP 2010072347 A JP2010072347 A JP 2010072347A JP 2010072347 A JP2010072347 A JP 2010072347A JP 2011203613 A JP2011203613 A JP 2011203613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
transistor
output
signal
deterioration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010072347A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yoshii
貴志 吉井
Koji Shimizu
公司 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Epson Imaging Devices Corp
Original Assignee
Epson Imaging Devices Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Epson Imaging Devices Corp filed Critical Epson Imaging Devices Corp
Priority to JP2010072347A priority Critical patent/JP2011203613A/ja
Publication of JP2011203613A publication Critical patent/JP2011203613A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Control Of El Displays (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Shift Register Type Memory (AREA)
  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)

Abstract

【課題】トランジスターの電気的特性の経時劣化に応じて駆動能力を変化させて、誤動作
を防止しつつ消費電力を低減する。
【解決手段】複数のトランジスターを備え、クロック信号CLKに同期して、開始信号S
TVを順次転送して転送信号を出力するシフトレジスター100と、クロック信号CLK
および開始信号STVを含む複数の制御信号を生成する制御信号発生回路140と、前記
複数の制御信号の各々に対応して設けられ、駆動能力を可変に設定可能な出力回路と、前
記トランジスターの劣化の程度を検出する検出回路120とを備え、前記出力回路は、前
記検出回路120の検出結果に基づいて、前記トランジスターの劣化の程度が大きくなる
ほど、駆動能力が大きくなるように設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動回路、電気光学装置及び電子機器に関する。
液晶や有機EL等を利用して表示を行なう電気光学装置が広く用いられている。このよ
うな電気光学装置において、走査線駆動回路は、シフトレジスターを備え、複数の走査線
を順次選択する走査信号を生成する。このシフトレジスターには、同一導電型のトランジ
スターで構成され、2相のクロック信号で動作するものがある。特許文献1には、シフト
レジスターをアモルファス薄膜トランジスタで構成する例が開示されている。
特許第4083581号公報
ところで、従来の回路構成では、出力段にNチャネル型のトランジスタを2個直列にし
て使用する。そして、高電位側のトランジスターはシフトレジスターの段数に応じた周期
でオン・オフが切り替わる。一方、低電位側のトランジスターのゲートには反転クロック
信号が供給される。よって、低電位側のトランジスターが高電位側のトランジスターに比
較してオン・オフ切替り回数が多くなるとともに動作時間が長くなる。このため、低電位
側のトランジスターの経時劣化が顕著となる。
トランジスターは経時劣化に伴ってそのオン抵抗が大きくなる。低電位側のトランジス
ターはオン状態に遷移したときに出力信号をロウレベルに遷移させるように動作するが、
オン抵抗が大きくなると、低電位側のトランジスターはオン状態に遷移しても直ちに出力
信号をロウレベルに下げることができなくなる。この結果、出力信号波形がオン抵抗の上
昇分だけ遅く立ち下がるようになる。
シフトレジスターの各段の出力信号は、本来、排他的に有効となるが、低電位側のトラ
ンジスターが経時劣化すると、出力信号が有効となる期間が重複してシフトレジスターが
誤動作する原因となる。このため、トランジスターの経時劣化による波形のなまりを予め
見込み、そのようななまりが発生しても誤動作が発生しないようにシフトレジスターの各
部のタイミングマージンを設定している。特に、シフトレジスターの各段に制御信号を供
給する出力回路はマージンを見込んで大きな駆動能力が必要とされる。
しかしながら、大きな駆動能力は、特に初期状態では過剰品質であり、消費電力が増大
するといった問題があった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、トランジスターの電気的特性の経
時劣化に応じて駆動能力を変化させて、誤動作を防止しつつ消費電力を低減することが可
能な駆動回路などを提供することを解決課題とする。
上述した課題を解決するために、本発明の駆動回路は、複数のトランジスターを備え、
クロック信号に同期して、開始信号を順次転送して転送信号を出力するシフトレジスター
と、クロック信号および開始信号を含む複数の制御信号を生成する制御信号発生回路と、
前記複数の制御信号の各々に対応して設けられ、駆動能力を可変に設定可能な出力回路
と、前記トランジスターの劣化の程度を検出する検出回路とを備え、前記出力回路は、前
記検出回路の検出結果に基づいて、前記トランジスターの劣化の程度が大きくなるほど、
駆動能力が大きくなるように設定することを特徴とする。
この発明によれば、トランジスターの劣化の程度を検出し、劣化の程度に応じて駆動能
力が大きくなるように設定するので、トランジスターの劣化による誤動作を防止しつつ、
消費電力を低減することができる。
また、前記出力回路は、駆動能力の異なる複数の個別出力回路と、前記複数の個別出力
回路を選択する選択回路とを備えると好ましい。
この場合には、選択回路が駆動能力の異なる複数の個別出力回路を選択するので、適切
な駆動能力を選択することができ、誤動作を防止しつつ消費電力を低減することができる
また、前記複数の個別出力回路は、並列に設けられており、前記選択回路は、前記複数
の個別出力回路のうち一つを選択し、前記選択回路によって選択されなかった前記個別出
力回路は、動作を停止すると好ましい。
この場合には、選択回路によって複数の個別出力回路のうち一つが選択されるので、適
切な駆動能力で信号を出力することが可能となる。また、個別出力回路が並列に設けられ
ており、トランジスターの劣化が進行すると個別出力回路を切替えて使用するため、一つ
の個別出力回路だけが使用され続けないので、個別出力回路の寿命を長くすることができ
る。また、選択されなかった個別出力回路が動作を停止するので、消費電力を更に低減す
ることができる。
また、前記複数の個別出力回路は、直列に設けられており、初段の入力に前記制御信号
発生回路の出力が供給され、前記選択回路は、直列に接続された前記複数の個別出力回路
の出力の中から一つを選択し、前記選択回路によって選択した出力の後段にある前記個別
出力回路は、動作を停止すると好ましい。
この場合には、選択回路によって複数の個別出力回路のうち一つが選択されるので、適
切な駆動能力で制御信号を出力することが可能となる。また、個別出力回路が直列に設け
られているので、回路の要素を減らして回路構造を単純にすることができる。また、選択
されなかった個別出力回路が動作を停止するので、消費電力を低減することができる。
尚、個別出力回路を薄膜トランジスターを用いて構成する場合、薄膜トランジスターの
オン・オフの切り替わりがない限り、個別出力回路は動作せず、ほとんど電力が消費され
ない。すなわち、信号が供給されない限り、個別出力回路は動作しない。
また、前記複数の個別出力回路の各々はトランジスターを備え、直列に接続された前記
複数の個別出力回路の後段に位置するほど、前記トランジスターのサイズが大きくなると
好ましい。
この場合には、後段に位置するほど個別出力回路の電力増幅の大きさを大きくすること
ができる。
また、前記シフトレジスターは、各々が入力端子と出力端子とを備えた複数の単位回路
が縦続接続され、クロック信号と当該クロック信号を反転した反転クロック信号に同期し
て初段の入力端子に供給される開始信号を順次転送するものであって、前記複数の単位回
路の各々は、前記クロック信号が供給される端子と前記出力端子との間に設けられた第1
のトランジスターと、前記出力端子と前記第1のトランジスターのゲートとの間に設けら
れたコンデンサと、電源電位が供給される電源端子と前記出力端子との間に設けられ、ゲ
ートに前記反転クロック信号が供給される第2のトランジスターと、前段の出力信号又は
前記開始信号がアクティブになると前段の出力信号又は前記開始信号を前記第1のトラン
ジスターのゲートに供給し、前段の出力信号がアクティブになると前記コンデンサの電荷
を放電させる制御部とを備え、前記検出回路は、前記第2のトランジスターの劣化の程度
を検出すると好ましい。
このように構成することで、一連のシフト動作を適切に行うことができる。
また、前記検出回路は、前記第2のトランジスターに流れる電流の大きさを前記第2の
トランジスターの劣化の程度として検出すると好ましい。
この場合には、実際に流れる電流の大きさに基づいてトランジスターの劣化の程度を検
出するので、検出の精度を高めることができる。
また、前記検出回路は、前記第2のトランジスターのドレイン電圧の変化を前記第2の
トランジスターの劣化の程度として検出すると好ましい。
この場合には、実際のドレイン電圧の変化に基づいてトランジスターの劣化の程度を検
出するので、検出の精度を高めることができる。
また、前期検出回路は、前記シフトレジスターの総駆動時間を計測する総駆動時間計測
回路を備え、前記トランジスターの劣化の程度として前記シフトレジスターの総駆動時間
を検出し、前記出力回路は、前記総駆動時間が長くなるほど、駆動能力が大きくなるよう
に設定すると好ましい。
この場合には、シフトレジスターの総駆動時間を計測し、総駆動時間が長くなるに応じ
て駆動能力が大きくなるように設定するので、トランジスターの経時劣化による誤動作を
防止しつつ、消費電力を低減することができる。
また、上記の駆動回路は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記デー
タ線との交差に対応して設けられた電気光学素子とを備えた電気光学装置に用いられ、前
記開始信号を転送して生成した複数の前記転送信号に基づいて、前記複数の走査線を排他
的に順次選択する複数の走査信号を生成すると好ましい。
この場合には、誤動作を防止しつつ消費電力を低減した駆動回路により、信頼性の高い
走査信号の生成が低電力で可能となる。
また、上記の駆動回路は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記デー
タ線との交差に対応して設けられた電気光学素子とを備えた電気光学装置に用いられ、前
記開始信号を転送して生成した複数の前記転送信号に基づいて、前記複数のデータ線を排
他的に順次選択する複数のデータ線選択信号を生成すると好ましい。
この場合には、誤動作を防止しつつ消費電力を低減した駆動回路により、信頼性の高い
データ線選択信号の生成が低電力で可能となる。
本発明に係る電気光学装置は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記
データ線との交差に対応して設けられた電気光学素子と、上述した駆動回路とを備える。
この発明によれば、誤動作を防止しつつ消費電力を低減した駆動回路により、信頼性が
高く消費電力の低い電気光学装置の提供が可能となる。
本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備える。このような電子機器として
は、例えば、携帯情報端末、携帯電話機、ノート型コンピューター、ビデオカメラ、及び
プロジェクタなどが該当する。
第1の実施形態に係る2相のクロック信号で動作するシフトレジスターとその周辺回路の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る単位回路の構成例を示す回路図である。 本実施形態に係る単位回路の動作を説明するタイミングチャートである。 第1実施形態の電流検出回路、選択信号生成回路、および制御信号発生回路の構成を示す回路図である。 第2実施形態の電流検出回路、選択信号生成回路、および制御信号発生回路の構成を示す回路図である。 第3の実施形態に係る2層のクロック信号で動作するシフトレジスターとその周辺回路の構成を示すブロック図である。 本発明に係る電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。 同装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタのブロック図である。 同装置を適用した電子機器の一例たるビデオカメラのブロック図である。
<1.第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る2相のクロック信号で動作するシフトレジスターとその周
辺回路の構成を示すブロック図である。本図に示すように、シフトレジスター100Aは
、複数段の単位回路110(110(1)、110(2)…110(m+2))を備えて
おり、各単位回路110には、ロウレベルの基準電位となる電源電位VGLと、クロック
信号CLKとクロック信号CLKを反転した反転クロック信号CLKBとが供給される。
初段の単位回路110(1)の入力端子には、スタートパルス信号STVが供給され、
次段以降の単位回路110(n)の入力端子には、前段の単位回路110(n−1)の出
力信号G(n−1)が供給される。なお、nは2≦n≦m+1を充たす任意の自然数であ
る。また、各単位回路110(n)の制御端子には、次段の単位回路110(n+1)の
出力信号G(n+1)が供給される。この構成により、シフトレジスター100Aは、初
段の単位回路110(1)にスタートパルス信号STVが供給されると、出力信号Gを順
次シフトして出力する。
図2は、本実施形態に係る単位回路110の構成例を示す回路図である。本図に示すよ
うに単位回路110は、外部端子として、入力端子IT、出力端子OT、クロック入力端
子CT、反転クロック入力端子CbT、制御信号入力端子CtrT、電源端子VTを備え
ている。
また、単位回路110は、プルアップトランジスターPUTr、プルダウントランジス
ターPDTr、コンデンサC1、nodeA制御部112を備えている。プルアップトラ
ンジスターPUTrは、ゲートが入力端子ITに接続され、ドレインがクロック入力端子
CTに接続され、ソースが出力端子OTに接続されており、オン状態でクロック入力端子
CTに供給されたクロック信号CLKを出力端子OTに供給する。なお、以下の説明では
、プルアップトランジスターPUTrのゲートをnodeAと称する。
コンデンサC1は、プルアップトランジスターPUTrのソースとゲートとの間に設け
られる。ただし、コンデンサC1の容量は、プルアップトランジスターPUTrの寄生容
量で構成してもよい。さらに、コンデンサC1の容量は、プルアップトランジスターPU
Trの寄生容量と容量素子の容量の組み合わせで構成してもよい。なお、単位回路110
のトランジスターは、アモルファス薄膜トランジスターで構成することができる。
プルダウントランジスターPDTrは、ゲートが反転クロック入力端子CbTに接続さ
れ、ドレインが出力端子OTに接続され、ソースが電源端子VTに接続されており、反転
クロックCLKBによりオン状態となり、出力端子OTの電位を基準電位である電源電位
VGLとする。
nodeA制御部112は、トランジスターTr3とトランジスターTr4とを備えて
いる。トランジスターTr4は、ダイオード接続されており、入力端子ITとプルアップ
トランジスターPUTrのゲートとの間に設けられている。
トランジスターTr3は、ゲートが制御信号入力端子CtrTに接続され、ドレインが
プルアップトランジスターPUTrのゲートと接続され、ソースが電源端子VTに接続さ
れており、次段の出力信号G(n+1)によりオン状態となり、nodeAの電位を基準
電位である電源電位VGLとする。
図3は、単位回路110の動作を説明するタイミングチャートである。本図において、
時刻t0から時刻t1の期間F1は、初期状態であり、プルアップトランジスターPUT
r、プルダウントランジスターPDTrともオフ状態にある。期間F1におけるnode
Aの電位は、基準電位VGLであり、出力信号G(n)もロウレベルを保っている。ここ
では、経時劣化がない場合について説明する。
時刻t1で、スタートパルス信号STVまたは前段の単位回路110(n−1)の出力
信号G(n−1)が供給されると、トランジスターTr4がオン状態となる。期間F2に
おいて、反転クロック信号CLKBはハイレベルであるから、プルダウントランジスター
PDTrはオン状態になる。このため、期間F2では、トランジスターTr4→コンデン
サC1→プルダウントランジスターPDTrの順に電流が流れ、コンデンサC1に電荷が
充電され、nodeAの電位が上昇する。nodeAの電位がプルアップトランジスター
PUTrの閾値電圧を上回ると、プルアップトランジスターPUTrがオン状態になる。
また、期間F3において出力信号G(n+1)はロウレベルとなるので、トランジスター
Tr3はオフ状態となる。
時刻t2においてスタートパルス信号STVまたは前段の出力信号G(n−1)がロウ
レベルに遷移して期間F3が開始すると、トランジスターTr4はオフ状態となる。この
ため、nodeAの電位がスタートパルス信号STVまたは前段の出力信号G(n−1)
の影響を受けることはない。期間F3において、反転クロック信号CLKBはロウレベル
であるから、プルダウントランジスターPDTrはオフ状態となる。一方、時刻t2にお
いて、nodeAの電位は期間F2より継続してハイレベルであり、プルアップトランジ
スターPUTrはオン状態を継続している。時刻t2に至ると、クロック信号CLKがロ
ウレベルからハイレベルに遷移するから、プルアップトランジスターPUTrを介して電
流が出力端子OTに流れ込み、出力端子OTの電位が上昇する。これに伴って、node
Aの電位がコンデンサC1のブートストラップによって上昇する。このとき、nodeA
の電位は、ドレインの電位を超えて上昇するので、出力信号G(n)の振幅をクロック信
号CLKの振幅と一致させることができる。出力信号G(n)は、次段の入力信号となる
時刻t3でクロック信号CLKがロウレベルになり期間F4が開始し、反転クロック信
号CLKBがハイレベルになると、プルダウントランジスターPDTrがオン状態となる
。これによって、出力信号G(n)がロウレベルになる。この期間F4では、制御信号と
して入力される次段の出力信号G(n+1)がハイレベルとなるから、トランジスターT
r3がオン状態になる。これにより、コンデンサC1に蓄積されていた電荷が放電される
ためnodeAの電位は、ロウレベルとなり、プルアップトランジスターPUTrはオフ
状態となる。
このようにシフトレジスター100Aの一連のシフト動作で、各単位回路110のプル
アップトランジスターPUTrは、出力信号G(n)をハイレベルにするために1回のオ
ン・オフ動作を行なう。例えば、シフトレジスター100Aを、320段の単位回路11
0で構成した場合には、1/320の割合でオン・オフが切替えられることになる。
これに対し、プルダウントランジスターPDTrは、反転クロック信号CLKBに同期
してオン・オフを繰り返す。反転クロック信号CLKB1周期で2段分の出力信号Gが出
力されるため、例えば、シフトレジスター100Aを、320段の単位回路210で構成
した場合には、1/2(=160/320)の割合でオン・オフが切替えられることにな
る。
したがって、プルダウントランジスターPDTrは、プルアップトランジスターPUT
rよりも遙かに頻繁にオン・オフが切替えられ、さらにプルダウントランジスターPDT
rの動作時間はプルアップトランジスターPUTrよりも長くなる。このため、プルダウ
ントランジスターPDTrの劣化が早くなる。プルダウントランジスターPDTrが劣化
すると、オン抵抗が増加する。出力信号G(n)の電位は、出力端子OTに接続される負
荷とプルダウントランジスターPDTrのオン抵抗など与えられる時定数に従って変化す
る。このため、経時劣化によりオン抵抗が増加すると、プルダウントランジスターPDT
rが時刻t3においてオンに切り替わる際に、出力信号G(n)が即座にロウレベルに落
ちずに、点線で示すように出力信号G(n)の立ち下がり波形がなまってしまう。
この結果、期間F4において、出力信号G(n)と、次段の出力信号G(n+1)の両
方がハイレベルとなる期間dTが生じてしまい、シフトレジスター100Aを適用した装
置における誤動作発生や品質劣化の原因となるおそれがある。
そこで、本実施形態は、プルダウントランジスターPDTrの劣化の程度を計測し、そ
の計測結果に基づいて、クロック信号CLK、反転クロック信号CLKB、スタートパル
ス信号STVなどの制御信号を異なる駆動能力で出力する出力回路を選択することで、消
費電力を削減している。
説明を図1に戻す。制御信号発生回路140Aは、電源電位VGL、クロック信号CL
K、反転クロック信号CLKB、およびスタートパルス信号STVを生成して、m+2個
の単位回路110(1)〜110(m+2)に供給する。出力信号G(1)〜G(m)は
表示用信号であり、出力信号G(m+1)および出力信号G(m+2)はダミーの単位回
路110(m+1)および110(m+2)の出力信号である。この例において、単位回
路110(m+1)は出力信号G(m+1)を生成して、単位回路110(m)に供給す
る。単位回路110(m+2)も同様に、出力信号G(m+2)を生成して単位回路11
0(m+1)に供給する。
なお、シフトレジスター100Aを、例えば、走査線駆動回路に用いる場合には、単位
回路110(1)〜110(m)は、m本の走査線の各々に接続する一方、単位回路11
0(m+1)は、走査線と等価的な電気特性を有するダミーの走査線、あるいは、走査線
の等価回路と接続すればよい。
電流検出回路120は、単位回路110(m)のトランジスターに流れる電流の大きさ
を示す電流検出信号Idetを出力する。すなわち、表示に用いられる単位回路110(1
)〜110(m)のうちの一つである。選択信号生成回路130は、電流検出信号Idet
に基づいて、ロウパワー出力回路143A、ミドルパワー出力回路144A、またはハイ
パワー出力回路145Aのうちいずれかを制御信号の供給先として選択するための選択信
号SELを生成して、制御信号発生回路140Aに供給する。
図4に、電流検出回路120、選択信号生成回路130および制御信号発生回路140
Aの構成を示す。まず、電流検出回路120はプルダウントランジスターPDTrのソー
スと電源電位VGLとの間に設けられており、プルダウントランジスターPDTrがオン
状態になるとき(反転クロック信号CLKBがハイレベル)、プルダウントランジスター
PDTrに流れる電流の大きさを検出する。例えば、抵抗値の小さな抵抗をプルダウント
ランジスターPDTrのソースと電源電位VGLとの間に設け、両端の電位差を測定し、
これをAD変換して電流検出信号Idetを生成すればよい。
選択信号生成回路130は、比較回路131、メモリー132、及びルックアップテー
ブル133を備える。メモリー132には、比較の基準となる基準電流値Irefが記憶さ
れている。基準電流値は、比較の方法によって各種の態様が有りうるが、例えば、個別の
回路について測定した基準検出電流の初期値を記憶することができる。この場合には、事
前に動作させて、初期値をメモリー132に書き込む必要がある。あるいは、量産する場
合には、あるロットについては、その平均値を基準電流値として書き込むようにしてもよ
い。この場合には、個々の初期値を計測する必要がないので、製造時間を短縮することが
可能となる。
比較回路131は、電流検出信号Idetと基準電流値Irefとに基づいて、比較結果Ix
を算出する。例えば、Ix=Idet/Iref、すなわち、電流検出信号Idetと基準電流値
Irefとの比、Ix=Iref−Idet、すなわち、基準電流値Irefと電流検出信号Idetとの
差分、あるいは、Ix=(Iref−Idet)/Iref、すなわち、差分を基準電流値Irefで正
規化したものを用いることができる。
ルックアップテーブル133には、比較結果Ixと選択信号SELとが対応づけられて
記憶されている。選択信号SELは、ロウパワー出力回路143Aを選択するか、ミドル
パワー出力回路144Aを選択するか、ハイパワー出力回路145Aを選択するかを示す
2ビットの信号である。選択信号SELは、制御信号発生回路140の複数の出力ユニッ
トUAの選択回路142A、146Aに供給される。
制御信号発生回路140Aは、制御信号源141と、並列に設けられた複数の出力ユニ
ットUAを有する。制御信号源141は、複数の制御信号、すなわち電源電位VGL、ク
ロック信号CLK、反転クロック信号CLKB、およびスタートパルス信号STVのそれ
ぞれを出力ユニットUAの各々に供給する。複数の出力ユニットUAの各々は、制御信号
源141から供給される制御信号を、m+2個の単位回路110(1)〜110(m+2
)に出力する。
以下、クロック信号CLKの出力を例として、出力ユニットUAの構成及び動作を詳細
に説明する。
複数の出力ユニットUAの各々は、2つの選択回路142A及び146A、ならびに、
これら2つの選択回路の間に並列に設けられたロウパワー出力回路143A、ミドルパワ
ー出力回路144A、およびハイパワー出力回路145Aを有する。選択回路142A及
び146Aには、選択信号生成回路130が生成した選択信号SELが供給され、ロウパ
ワー出力回路143A、ミドルパワー出力回路144A、またはハイパワー出力回路14
5Aのいずれかが選択される。選択されなかった出力回路の動作は停止される。
クロック信号CLKが制御信号源141から選択回路142Aに供給される。供給され
たクロック信号CLKは、選択信号SELにより選択されたいずれかの出力回路へと導か
れて電力増幅される。電力増幅されたクロック信号CLKは選択回路146Aを経て出力
され、m+2個の単位回路110(1)〜110(m+2)に供給される。
ここで、各出力回路による駆動能力(電力増幅)の大きさは、ロウパワー出力回路14
3A<ミドルパワー出力回路144A<ハイパワー出力回路145A、という関係にある

プルダウントランジスターPDTrがあまり劣化しておらず、低い駆動能力で駆動して
も出力信号G(n)の波形がなまらないと、電流検出回路120の検出結果から判定でき
るときは、選択信号生成回路130がロウパワー出力回路143Aを選択する選択信号S
ELを制御信号発生回路140Aに供給する。この場合、ロウパワー出力回路143Aを
用いて低い駆動能力で制御信号を出力することで、消費電力を低減することができる。
そして、プルダウントランジスターPDTrが劣化しており、高い駆動能力で駆動しな
いと出力信号G(n)の波形がなまってしまうと、電流検出回路120の検出結果から判
定できるときは、選択信号生成回路130がハイパワー出力回路145Aを選択する選択
信号SELを制御信号発生回路140Aに供給する。この場合、ハイパワー出力回路14
5Aを用いて高い駆動能力で制御信号を出力することで、誤動作を防止することができる

さらに、ロウパワー出力回路143Aよりも駆動能力が高くハイパワー出力回路145
Aよりも駆動能力が低いミドルパワー出力回路144Aがあるので、プルダウントランジ
スターPDTrの劣化の程度に応じて駆動能力を段階的に調節することができ、消費電力
の低減、誤動作防止、および画像の質の保持を同時に実現することができる。
ところで、上述した選択信号SELを供給するためのプルダウントランジスターPDT
rの劣化の程度の検出は、例えば、数千時間に一回といった割合で動作させればよい。常
時動作させることも可能であるが、常時動作させるとプルダウントランジスターPDTr
に常に基準電流値Irefが流れるようにフィードバック制御がなされるので、プルダウン
トランジスターPDTrの劣化が加速され、シフトレジスター100Aの寿命が却って短
くなってしまう。一方、基準電流値Irefが流れなければ誤動作するというわけではなく
、あるマージンが存在する。その範囲内であれば、プルダウントランジスターPDTrに
流れる電流が減少しても誤動作は発生しない。そこで、誤動作が発生しない範囲でプルダ
ウントランジスターPDTrの劣化を許容し、間欠的に制御信号の振幅の調整を実行する
ことが望ましい。
具体的には、選択信号生成回路130にタイマーを設け、タイマーによって動作時間が
所定時間を経過したことを判断し、経過時に選択信号生成回路130を動作させることが
好ましい。この場合、初期状態から第1回目の調整までの時間を第1の時間T1、第1回
目の調整から第2回目の調整までの時間を第2時間T2、第2回目の調整から第3回目の
調整までの時間を第3時間T3…、としたとき、T1,T2、T3…は、T1>T2>T
3>…とすることが好ましい。時間の経過にしたがって、プルダウントランジスターPD
Trの特性は加速度的に劣化するからである。尤も、調整の回数とその時間間隔は、寿命
を最大にできるように決定すればよい。
以上説明したように本実施形態によれば、プルダウントランジスターPDTrに流れる
電流を計測し、その計測結果、すなわち、プルダウントランジスターPDTrの劣化状態
に基づいて、適切な駆動能力で制御信号を出力する出力回路を選択したので、プルダウン
トランジスターPDTrが劣化したときのシフトレジスター100Aの誤動作を防止しつ
つ、消費電力を低減することが可能となる。
尚、本実施形態では、単位回路110(m)で電流を検出したが、変形例では、単位回
路110(1)〜単位回路110(m)のうち少なくとも一つを用いて電流を検出する。
複数の単位回路110から電流を検出する場合は、複数のプルダウントランジスターPD
Trの劣化の程度を検出できるので、検出の精度を向上させることができる。
また、ダミーの単位回路110(m+1)についてプルダウントランジスターPDTr
の電流を検出してもよい。
また、この例では、単位回路110に用いられるプルダウントランジスターPDTrに
よって経時劣化を検出したが、テスト用のトランジスターを別途用意し、これを用いて経
時劣化を検出してもよい。この場合、テスト用のトランジスターのゲート・ソース・ドレ
インには、プルダウントランジスターPDTrと同じ信号で同じ時間だけ駆動し電流を検
出してもよい。
また、プルダウントランジスターPDTrの劣化と一定の割合で劣化するトランジスタ
ーを検出対象としてもよい。例えば、プルアップトランジスターPUTrを検出対象とし
てもよい。この場合は、プルアップトランジスターPUTrのオン電流の大きさを電流検
出回路で検出すればよい。
尚、電流検出回路120を配置する優先順位は、第1順位:表示に寄与する単位回路1
10(1)〜110(m)のプルダウントランジスターPDTr、第2順位:ダミーとし
て機能する単位回路110(m+1)のプルダウントランジスターPDTr、第3順位:
表示に寄与する単位回路110(1)〜110(m)のプルアップトランジスターPUT
r(但し、プルダウントランジスターPDTrの劣化と一定の関係がある場合)、第4順
位:空きスペースに配置したテスト用のプルダウントランジスターPDTr、とすること
が好ましい。
また、この例では、プルダウントランジスターPDTrに流れる電流の大きさで劣化の
程度を検出したが、例えば、プルダウントランジスターPDTrのドレイン電圧の変化で
劣化の程度を検出してもよい。この場合は、電流検出回路120の代わりに電圧検出回路
が設けられることとなる。また、その他の基準で劣化の程度を検出してもよい。
また、この例では、各出力ユニットUAに、ロウパワー出力回路143A、ミドルパワ
ー出力回路144A、およびハイパワー出力回路145Aの3段の出力回路を並列に設け
たが、例えば、2段の出力回路を並列に設けてもよいし、4段以上の出力回路を並列に設
けてもよい。具体的には、例えば、出力の異なる5段(1:スーパーロウパワー、2:ロ
ウパワー、3:ミドルパワー、4:ハイパワー、5:スーパーハイパワー)の出力回路を
設けてもよい。
トランジスターのオン抵抗は、前述した経時劣化だけでなく、製造時のばらつきによっ
ても異なることがある。この製造時のばらつきにより、ロウパワーによる駆動でも過剰品
質となるトランジスターもあれば、経時劣化がなくてもミドルパワーで駆動しないと波形
がなまるトランジスターもある場合がある。上述した5段の出力回路を用いることにより
、例えば、使用当初はスーパーロウパワー出力回路、ロウパワー出力回路、およびミドル
パワー出力回路の内一つを用いて駆動すればよい。すなわち、ロウパワーによる駆動でも
過剰品質となるトランジスターについてはスーパーロウパワー出力回路によって駆動して
更なる低消費電力を実現しつつ、製造時のオン抵抗のばらつきによる波形品位のばらつき
に応じて出力回路を切り替えて、均一な波形を提供することが可能となる。そして、経時
劣化に従いハイパワー出力回路やスーパーハイパワー出力回路も用いて駆動することで、
トランジスターの経時劣化に伴う波形のなまりも抑えることが可能となる。
<2.第2実施形態>
第1実施形態において、制御信号発生回路140Aの出力ユニットUAは、2つの選択
回路142A及び146A、並びに、これら2つの選択回路の間に並列に設けられたロウ
パワー出力回路143A、ミドルパワー出力回路144A、およびハイパワー出力回路1
45Aを有した。これに対して、第2実施形態の制御信号発生回路140Bの出力ユニッ
トUBは、直列に設けられたロウパワー出力回路143B、ミドルパワー出力回路144
B、およびハイパワー出力回路145B、並びに、これらの出力回路の後段に設けられた
1つの選択回路146Bを有する。
第2実施形態の回路構成は、第1実施形態の制御信号発生回路140Aが制御信号発生
回路140Bに置換された以外は、第1実施形態の回路構成と同じである。
図5に、第2実施形態に係る電流検出回路120、選択信号生成回路130および制御
信号発生回路140Bの構成を示す。以下、クロック信号CLKの出力を例として、出力
ユニットUBの構成及び動作を詳細に説明する。
出力ユニットUBは、直列に設けられたロウパワー出力回路143B、ミドルパワー出
力回路144B、およびハイパワー出力回路145B、並びに、これらの出力回路の後段
に設けられた1つの選択回路146Bを有する。選択回路146Bには、選択信号生成回
路130が生成した選択信号SELが供給され、ロウパワー出力回路143B、ミドルパ
ワー出力回路144B、またはハイパワー出力回路145Bのいずれかが選択される。選
択されなかった出力回路の動作は停止される。
ロウパワー出力回路143Bが選択されている場合、クロック信号CLKが制御信号源
141からロウパワー出力回路143Bに供給されて電力増幅され、電力増幅されたロウ
パワー出力回路143Bからの出力が選択回路146Bによって選択されて出力され、m
+1個の単位回路110(1)〜110(m+1)に供給される。このとき、ミドルパワ
ー出力回路144Bおよびハイパワー出力回路145Bは動作を停止する。
ミドルパワー出力回路144Bが選択されている場合、クロック信号CLKが制御信号
源141からロウパワー出力回路143Bに供給されて電力増幅され、続けてミドルパワ
ー出力回路144Bに供給されて電力増幅され、電力増幅されたミドルパワー出力回路1
44Bからの出力が選択回路146Bによって選択されて出力され、m+1個の単位回路
110(1)〜110(m+1)に供給される。このとき、ハイパワー出力回路145B
は動作を停止する。
ハイパワー出力回路145Bが選択されている場合、クロック信号CLKが制御信号源
141からロウパワー出力回路143Bに供給されて電力増幅され、続けてミドルパワー
出力回路144Bに供給されて電力増幅され、続けてハイパワー出力回路145Bに供給
されて電力増幅され、電力増幅されたハイパワー出力回路145Bからの出力が選択回路
146Bによって選択されて出力され、m+1個の単位回路110(1)〜110(m+
1)に供給される。
ここで、各出力回路による電力増幅の大きさは、例えば、ロウパワー出力回路143B
<ミドルパワー出力回路144B<ハイパワー出力回路145B、という関係にある。こ
のように構成することで、入力側の選択回路が不要となる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、プルダウントランジスターPDTrに流
れる電流を計測し、その計測結果、すなわち、プルダウントランジスターPDTrの劣化
状態に基づいて、適切な駆動能力の制御信号を生成する出力回路を選択したので、消費電
力を低減することが可能となる。さらに、複数の出力回路を直列に設けることにより、選
択回路の数を減らして回路を単純化し回路面積を小さくすることが可能となる。前述した
第1実施形態の変形例は、第2実施形態にも適用できる。
また、第1実施形態および第2実施形態において駆動能力の異なる各種の出力回路は
、インバーターを多段に接続したものであってもよい。この場合、駆動能力が大きいもの
ほど、インバーターを構成するトランジスターのサイズを大きくすればよい。すなわち直
列に接続された複数の出力回路の後段に位置するほど、トランジスターのサイズが大きく
なるように構成することが好ましい。この場合には、後段に位置するほど出力回路の電力
増幅の大きさを大きくすることができる。
<3.第3実施形態>
第1実施形態および第2実施形態において、シフトレジスター100Aの周辺回路は、
シフトレジスター100Aに用いられる素子であるプルダウントランジスターPDTrの
経時劣化の程度をオン状態の電流の大きさを検知し、この電流値に基づいて、異なる駆動
能力で制御信号を出力する出力回路を選択した。これに対して、第3実施形態の周辺回路
は、プルダウントランジスターPDTrの経時劣化の程度をシフトレジスター100Bの
総駆動時間によって検知し、総駆動時間に基づいて、異なる駆動能力で制御信号を出力す
る出力回路を選択する。
図6に第3実施形態に係る2相のクロック信号で動作するシフトレジスター100Bと
その周辺回路の構成を示す。
また、周辺回路として、選択信号生成回路135、制御信号発生回路140、および総
駆動時間計測回路150を備える。
総駆動時間計測回路150は、シフトレジスター100Bが動作する累積時間を計測し
て、総駆動時間Txを出力する。
第1実施形態および第2実施形態の選択信号生成回路130は、比較回路131やメモ
リー132を備えたが、第3実施形態の選択信号生成回路135はこれらを設ける必要は
ない。選択信号生成回路135は、ルックアップテーブルで構成されている。このルック
アップテーブルには、総駆動時間Txと選択信号SELが対応づけられて記憶されている
このように第3実施形態は、プルダウントランジスターPDTrの劣化の程度を総駆動
時間Txとして検知し、総駆動時間Txが長くなるほど、駆動能力が大きい出力回路を選
択したので、シフトレジスター100Bの誤動作を防止しつつ消費電力を低減することが
可能となる。
<4.第4実施形態>
次に、上述したシフトレジスター100Aを駆動回路に用いた電気光学装置について説
明する。
図7は、本発明に係る電気光学装置500の電気的構成を示すブロック図である。この
電気光学装置500は電気光学材料として液晶を用いる。電気光学装置500は、主要部
として液晶パネルAAを備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子として薄膜トラン
ジスター(Thin Film Transistor:以下、「TFT」と称する)を形成した素子基板と対
向基板とを互いに電極形成面を対向させて、かつ、一定の間隙を保って貼付し、この間隙
に液晶が挟持されている。
また、電気光学装置500は、液晶パネルAA、タイミング発生回路300および画像
処理回路400を備える。液晶パネルAAは、その素子基板上に画像表示領域A、走査線
駆動回路310、データ線駆動回路320、サンプリング回路330および画像信号供給
線Lを備える。この電気光学装置500に供給される入力画像データDは、例えば、3ビ
ットパラレルの形式である。タイミング発生回路300は、入力画像データDに同期して
第1Yクロック信号YCK1、第2Yクロック信号YCK2、第1Xクロック信号XCK
1、第2Xクロック信号XCK2、Y転送開始パルスDY、及びX転送開始パルスDXを
生成して、走査線駆動回路310およびデータ線駆動回路320に供給する。また、タイ
ミング発生回路300は、画像処理回路400を制御する各種のタイミング信号を生成し
、これを出力する。Y転送開始パルスDYは走査線52の選択開始を指示するパルスであ
り、一方、X転送開始パルスDXはデータ線53の選択開始を指示するパルスである。
次に、画像処理回路400は、入力画像データDに、液晶パネルの光透過特性を考慮し
たガンマ補正等を施した後、RGB各色の画像データをD/A変換して、画像信号VID
を生成して液晶パネルAAに供給する。
次に、画像表示領域Aには、図7に示されるように、m(mは2以上の自然数)本の走
査線52が、X方向に沿って平行に配列して形成される一方、n(nは2以上の自然数)
本のデータ線53が、Y方向に沿って平行に配列して形成されている。そして、走査線5
2とデータ線53との交差付近においては、TFT50のゲートが走査線52に接続され
る一方、TFT50のソースがデータ線53に接続されるとともに、TFT50のドレイ
ンが画素電極56に接続される。そして、各画素は、画素電極56と、対向基板に形成さ
れる対向電極と、これら両電極間に挟持された液晶とによって構成される。この結果、走
査線52とデータ線53との各交差に対応して、画素はマトリクス状に配列されることと
なる。
また、TFT 50のゲートが接続される各走査線52には、走査信号G1、G2、…
、Gmが、パルス的に線順次で印加されるようになっている。このため、ある走査線52
に走査信号が供給されると、当該走査線に接続されるTFT50がオンするので、データ
線53から所定のタイミングで供給される画像信号X1、X2、…、Xnは、対応する画
素に順番に書き込まれた後、所定の期間保持されることとなる。
以上の構成において、走査線駆動回路310及びデータ線駆動回路320に上述した第
1実施形態ないし第3実施形態で説明したシフトレジスター100A,100Bおよび周
辺回路を用いることができる。走査線駆動回路310に適用する場合には、第1Yクロッ
ク信号YCK1及び第2Yクロック信号YCK2をクロック信号CLK及び反転クロック
信号CLKBとして用い、Y転送開始パルスDYをスタートパルス信号STVとして用い
ればよい。また、データ線駆動回路320に適用する場合には、第1Xクロック信号XC
K1及び第2Xクロック信号XCK2をクロック信号CLK及び反転2クロック信号CL
KBとして用い、X転送開始パルスDXをスタートパルス信号STVとして用いればよい
なお、上述した電気光学装置500は、電気光学物質に液晶を用いた液晶表示装置であ
り、この液晶表示装置は、透過型、反射型または半透過半反射型のいずれにも適用可能で
ある。また、アクティブ・マトリクス方式のみならず、パッシブ・マトリクス方式にも適
用可能である。さらには、電気光学装置としては、有機EL装置や、蛍光表示管、プラズ
マ・ディスプレイ・パネル、ディジタルミラーデバイスなど種々のものに適用可能である
<5.電子機器>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を用いた電子機器のいくつかについて説明
する。
図8に、電気光学装置500を適用したモバイル型のパーソナルコンピューターの構成
を示す。パーソナルコンピューター1000は、表示ユニットとしての電気光学装置50
0と本体部1010を備える。本体部1010には、電源スイッチ1001及びキーボー
ド1002が設けられている。
図9に電気光学装置500を用いたプロジェクタの構成を示す。この図に示されるよう
に、プロジェクタ2000内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニッ
ト2002が設けられている。このランプユニット2002から射出された投射光は、内
部に配置された3枚のミラー2006および2枚のダイクロイックミラー2008によっ
てR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ
510R、510Gおよび510Bにそれぞれ導かれる。ここで、ライトバルブ510R
、510G及び510Bは、上述した実施形態に係る電気光学装置500、即ち、透過型
の液晶表示装置と基本的には同様である。即ち、ライトバルブ510R、510G、51
0Bは、それぞれRGBの各原色画像を生成する光変調器として機能するものである。ま
た、Bの光は、他のRやGの光と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、
入射レンズ2022、リレーレンズ2023および出射レンズ2024からなるリレーレ
ンズ系2021を介して導かれる。ライトバルブ510R、510G、510Bによって
それぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2012に3方向から入射する。そし
て、このダイクロイックプリズム2012において、R及びBの光は90度に屈折する一
方、Gの光は直進する。これにより、各原色画像の合成したカラー画像が、投射レンズ2
014を介して、スクリーン2020に投射されることになる。
図10に電気光学装置500を用いたビデオカメラの構成を示す。この図に示されるよ
うに、ビデオカメラ3000の本体には、モニター520として用いられる電気光学装置
500のほか、光学系3012などが設けられる。ここで、電気光学装置500は、軸3
024を中心にして、ヒンジ3016に対し回動自在に取り付けられ、さらに、ヒンジ3
016は、軸3022を中心にして、本体3010に対し開閉する構造となっている。
このため、電気光学装置500は、図に示される態様と、撮影者が図の奥側に位置して
ファインダで用いる態様とでは、表示画像の上下左右が反転した関係にさせる必要がある
。このような場合には、シフトレジスター100Aを駆動回路に採用して、走査線駆動回
路310による垂直走査方向、及び、データ線駆動回路320による水平走査方向をそれ
ぞれ互いに逆向きとすれば、表示画像の上下左右を反転させることができる。
なお、電気光学装置500が適用される電子機器としては、図8から図10に示すもの
の他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニター直視型のビデ
オテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセ
ッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等など
が挙げられる。
100…シフトレジスター、110…単位回路、112…nodeA制御部、120…
電流検出回路、130、135…選択信号生成回路、131…比較回路、132…メモリ
ー、133…ルックアップテーブル、140A、B…制御信号発生回路、150…総駆動
時間計測回路、210…単位回路、300…タイミング発生回路、310…走査線駆動回
路、320…データ線駆動回路、330…サンプリング回路、400…画像処理回路、5
00…電気光学装置、1000…パーソナルコンピューター、2000…プロジェクタ、
3000…ビデオカメラ、CLK…クロック信号、CLKB…反転クロック信号、PDT
r…プルダウントランジスター、PUTr…プルアップトランジスター。

Claims (13)

  1. 複数のトランジスターを備え、クロック信号に同期して、開始信号を順次転送して転送
    信号を出力するシフトレジスターと、
    クロック信号および開始信号を含む複数の制御信号を生成する制御信号発生回路と、
    前記複数の制御信号の各々に対応して設けられ、駆動能力を可変に設定可能な出力回路
    と、
    前記トランジスターの劣化の程度を検出する検出回路とを備え、
    前記出力回路は、前記検出回路の検出結果に基づいて、前記トランジスターの劣化の程
    度が大きくなるほど、駆動能力が大きくなるように設定する、
    ことを特徴とする駆動回路。
  2. 前記出力回路は、
    駆動能力の異なる複数の個別出力回路と、
    前記複数の個別出力回路を選択する選択回路とを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  3. 前記複数の個別出力回路は、並列に設けられており、
    前記選択回路は、前記複数の個別出力回路のうち一つを選択し、
    前記選択回路によって選択されなかった前記個別出力回路は、動作を停止する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の駆動回路。
  4. 前記複数の個別出力回路は、直列に設けられており、初段の入力に前記制御信号発生回
    路の出力が供給され、
    前記選択回路は、直列に接続された前記複数の個別出力回路の出力の中から一つを選択
    し、
    前記選択回路によって選択した出力の後段にある前記個別出力回路は、動作を停止する

    ことを特徴とする請求項2に記載の駆動回路。
  5. 前記複数の個別出力回路の各々はトランジスターを備え、
    直列に接続された前記複数の個別出力回路の後段に位置するほど、前記トランジスター
    のサイズが大きくなる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の駆動回路。
  6. 前記シフトレジスターは、
    各々が入力端子と出力端子とを備えた複数の単位回路が縦続接続され、クロック信号と
    当該クロック信号を反転した反転クロック信号に同期して初段の入力端子に供給される開
    始信号を順次転送するものであって、
    前記複数の単位回路の各々は、
    前記クロック信号が供給される端子と前記出力端子との間に設けられた第1のトランジ
    スターと、
    前記出力端子と前記第1のトランジスターのゲートとの間に設けられたコンデンサと、
    電源電位が供給される電源端子と前記出力端子との間に設けられ、ゲートに前記反転ク
    ロック信号が供給される第2のトランジスターと、
    前段の出力信号又は前記開始信号がアクティブになると前段の出力信号又は前記開始信
    号を前記第1のトランジスターのゲートに供給し、前段の出力信号がアクティブになると
    前記コンデンサの電荷を放電させる制御部とを備え、
    前記検出回路は、前記第2のトランジスターの劣化の程度を検出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の駆動回路。
  7. 前記検出回路は、前記第2のトランジスターに流れる電流の大きさを前記第2のトラン
    ジスターの劣化の程度として検出する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の駆動回路。
  8. 前記検出回路は、前記第2のトランジスターのドレイン電圧の変化を前記第2のトラン
    ジスターの劣化の程度として検出する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の駆動回路。
  9. 前記検出回路は、前記シフトレジスターの総駆動時間を計測する総駆動時間計測回路を
    備え、前記トランジスターの劣化の程度として前記シフトレジスターの総駆動時間を検出
    し、
    前記出力回路は、前記総駆動時間が長くなるほど、駆動能力が大きくなるように設定す
    る、
    ことを特徴とする駆動回路。
  10. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設
    けられた電気光学素子とを備えた電気光学装置に用いられ、
    前記開始信号を転送して生成した複数の前記転送信号に基づいて、前記複数の走査線を
    排他的に順次選択する複数の走査信号を生成することを特徴とする請求項1乃至9のうち
    いずれか1項に記載の駆動回路。
  11. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設
    けられた電気光学素子とを備えた電気光学装置に用いられ、
    前記開始信号を転送して生成した複数の前記転送信号に基づいて、前記複数のデータ線
    を排他的に順次選択する複数のデータ線選択信号を生成することを特徴とする請求項1乃
    至9のうちいずれか1項に記載の駆動回路。
  12. 複数の走査線と、
    複数のデータ線と、
    前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた電気光学素子と、
    請求項10又は請求項11に記載の駆動回路と、
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  13. 請求項12に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
JP2010072347A 2010-03-26 2010-03-26 駆動回路、電気光学装置及び電子機器 Withdrawn JP2011203613A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010072347A JP2011203613A (ja) 2010-03-26 2010-03-26 駆動回路、電気光学装置及び電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010072347A JP2011203613A (ja) 2010-03-26 2010-03-26 駆動回路、電気光学装置及び電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011203613A true JP2011203613A (ja) 2011-10-13

Family

ID=44880290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010072347A Withdrawn JP2011203613A (ja) 2010-03-26 2010-03-26 駆動回路、電気光学装置及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011203613A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102800292A (zh) * 2012-08-21 2012-11-28 昆山龙腾光电有限公司 栅极驱动电路
JP2017016030A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 シャープ株式会社 表示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102800292A (zh) * 2012-08-21 2012-11-28 昆山龙腾光电有限公司 栅极驱动电路
JP2017016030A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 シャープ株式会社 表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4930616B2 (ja) シフトレジスター、走査線駆動回路、データ線駆動回路、電気光学装置及び電子機器
US7627077B2 (en) Shift register with individual driving node
TWI404005B (zh) 光感測器及包含光感測器之顯示器裝置
US7733160B2 (en) Power supply circuit, display driver, electro-optical device, and electronic instrument
JP4985020B2 (ja) 液晶装置、その駆動方法および電子機器
US9741311B2 (en) Data line driver, semiconductor integrated circuit device, and electronic appliance with improved gradation voltage
JP4600147B2 (ja) 検査回路、電気光学装置および電子機器
US20080303775A1 (en) Liquid crystal display having logic converter for controlling pixel units to discharge
US7949085B2 (en) Stressless shift register
JP2008140489A (ja) シフトレジスタ、走査線駆動回路、データ線駆動回路、電気光学装置及び電子機器
US7697656B2 (en) Shift register, method of controlling the same, electro-optical device, and electronic apparatus
WO2021000232A1 (zh) 显示面板及其显示驱动方法、显示装置
US20090002358A1 (en) Source driver, electro-optical device, projection-type display device, and electronic instrument
US20110187759A1 (en) Liquid crystal device, method of controlling liquid crystal device, and electronic apparatus
JP2008191561A (ja) 電気光学装置、駆動方法および電子機器
JP2008287134A (ja) パルス出力回路、シフトレジスタ、走査線駆動回路、データ線駆動回路、電気光学装置及び電子機器
US10991335B2 (en) Display device and electronic apparatus
JP2008170842A (ja) 電気光学装置、駆動回路および電子機器
JP2011203613A (ja) 駆動回路、電気光学装置及び電子機器
US8847872B2 (en) Display for driving a pixel circuitry with positive and negative polarities during a frame period and pixel circuitry
JP2001159883A (ja) 電気光学装置の駆動方法、駆動回路および電気光学装置ならびに電子機器
JP2008216425A (ja) 電気光学装置、駆動方法および電子機器
JP2011204326A (ja) 駆動回路、電気光学装置及び電子機器
JP4016605B2 (ja) シフトレジスタ、電気光学装置、駆動回路および電子機器
JP2013064823A (ja) 電気光学装置、電気光学装置の駆動方法および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130604