JP2011188405A - 電子回路および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小容量のキャパシタンス素子を介して信号検出可能な高入力インピーダンスの緩衝増幅回路を、極端に高抵抗値、高容量値の抵抗器やコンデンサーコンデンサーを用いずに実現する。また、誘導ノイズや帯電物の接近等による電位変動等の妨害に強い電子装置を提供する。
【解決手段】第一の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路に入力信号を接続するキャパシタンス素子と、第二の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路の出力信号を前記第二の非反転増幅回路に入力するコンデンサーと、前記第二の非反転増幅回路の出力信号を前記第一の非反転増幅回路に入力する抵抗器と、前記非反転増幅回路の入力と所定の電位間に接続されたスイッチ回路を含んで構成することによって電子回路を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は高入力インピーダンスを要する緩衝増幅回路およびそれを含む電子装置、特に心電図、脳波などの生体計測の入力部に好適な電子回路および電子装置に関する。
近年心電図計測や脳波を日常的にモニタリングし健康管理をするための研究が多くなされている。これらの生体情報は信号が微弱であり検出が容易でなく、より信号の検出がしやすい検出電極が開発されている。しかしながら、これらの電極はウェット感のあるゲルなどを用いた接触型の電極であり、日常的にモニタリングするには装着感の悪さが大きな課題である。特許文献1および非特許文献1および2にはゲルなどの接触電極を用いずに容量結合による非接触電極による心電検出の方法が紹介されている。電極の面積と人体との距離から結合容量は数pFでありこのわずかな結合容量を通して周波数1Hz程度の信号を検出しなければならない。そのために計測器の入力となる緩衝増幅回路には非常に高い入力インピーダンスが要求される。
高入力インピーダンスの増幅回路は図8(a)に示す演算増幅回路803を用いた非反転増幅回路が知られている。入力端子806からみた入力インピーダンスは演算増幅回路803の入力インピーダンスのみでありまた抵抗器(R1)804、抵抗器(R2)805、による負帰還の働きにより該入力インピーダンスがより高く見える作用がある。信号源インピーダンス(Z)801が非常に高い場合でも信号源(S)802の信号を正確に増幅し低いインピーダンスで出力端子807から出力する。
非反転増幅回路では図8(b)のようにR1→0、R2→∞としたときも含まれ、この回路はボルテージフォロワーと呼ばれるものである。なお、本願に用いる図では以後説明の重複を避けるために同じ働きをする構成要素は同じ番号を付して説明を省略する。
上記の容量結合による非接触電極では必然的に緩衝増幅回路にコンデンサーを介して接続することになる。しかしながら上記非反転増幅回路やボルテージフォロワーには図8(c)に示すようにコンデンサー(Ci)808を介して信号源802を接続するときは必ず抵抗器809(値をRbとする)が必要である。なぜならばこのRbがなければ演算増幅回路803の非反転入力端子がDC的に浮きの状態となり、直流電位が定まらないからである。このためにRbあるいはその他該入力端子のDCレベルを決定する対策が必要である。
この対策を取って緩衝増幅回路の入力インピーダンスを高める方法については特許文献2がある。
特開2007−82938号公報 特表2005−511174号公報
生態医工学Vol.44No.1(Mar.2006) PP.177−183 丸山敏弘ほか「非接地容量結合型電極による心電図計測」 第23回生体・生理工学シンポジウム論文集PP.233−236松田敏之ほか 「静電容量型電極による運転中の心拍変動の非接触計測」
上記先行資料のいずれにおいても、1Hz程度の信号を数pF程度の容量を通して検出する回路を構成するためには数十GΩ以上の高抵抗器を要する。また、特許文献2によって示される前置緩衝増幅回路を用いると上記の抵抗器の値は低くすることができるが、現在の技術によって半導体集積回路上に上記抵抗器を構成するには、依然として困難である。
またたとえば摩擦電気によって帯電した人物や物体の接近等によっておこる、緩やかな入力電位の変動は、時として人が近づいただけで計測を不安定にして大きな誤差となることがある。
さらに、上記先行資料では、高入力インピーダンス回路でしばしば問題となる、商用電源からの誘導ノイズの混入に対しては全く考慮されていない。高入力インピーダンスの前置緩衝増幅回路の入力にはフィルターをいれてこれらのノイズを除去することができない。なぜならば、このフィルターを入れることによって前置緩衝増幅回路の入力インピーダンスを落としてしまうからである。商用電源からの誘導ノイズは入力インピーダンスが高いと意外と大きく時によっては前置緩衝増幅回路の動作範囲を超えるような過大な入力となることもある。近年の半導体集積回路の低電源電圧化に伴い集積回路に許容される入力電圧範囲は狭くなる傾向にあり、今後ますます深刻な課題となってくる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第一の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路に入力信号を接続するキャパシタンス素子と、第二の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路の出力信号を前記第二の非反転増幅回路に入力するコンデンサーと、前記第二の非反転増幅回路の出力信号を前記第一の非反転増幅回路に入力する抵抗器と、前記第二の非反転増幅回路の入力と所定の電位間に接続されたスイッチ回路と、を含んで構成されることを特徴とする電子回路。
本適用例の構成によれば、上記第一の非反転増幅回路の出力信号は、上記コンデンサーを介して第二の非反転増幅回路に供給され増幅され、さらに上記抵抗器を介して上記第一の非反転増幅回路に帰還される。これにより上記抵抗器の両端にかかる電圧の信号成分はほとんどゼロにすることができ、見かけ上の抵抗器の抵抗値を高くできる。上記スイッチ回路をオンにするたびに、上記第二の非反転増幅回路の入力電位が上記電圧源によって供給される電位になるように上記コンデンサーに充電され上記第一、第二の非反転増幅回路の動作点を定めることができる。該コンデンサーは上記第二の非反転増幅回路による緩衝増幅回路に接続されるため小さな容量値で十分な性能を得ることができる。
また、上記第一の反転増幅回路を構成する演算増幅回路の入力オフセット電流は上記第二の非反転増幅回路から上記抵抗器を介して補償され入力側から見たインピーダンスを下げることはない。これによって、極端な高抵抗の抵抗器や高容量のコンデンサーを使用することなく非常に高インピーダンスで歪の少ない増幅回路を構成することが可能となる。極端な高抵抗の抵抗器や高容量のコンデンサーが不要であるため半導体集積回路化が容易であり大きな利点となる。
[適用例2]前記所定の電位を供給する電圧源を含み、前記電圧源の所定の電位は前記第一の非反転増幅回路および第二の非反転増幅回路のオフセットをキャンセルするよう調整されることを特徴とする上記適用例1に記載の電子回路。
上記適用例の構成によれば、上記電圧源の電位を調整することによって本適用例による電子回路の入力インピーダンスを下げることなく上記第一および第二の非反転増幅回路のオフセット電圧やオフセット電流による出力値の誤差をキャンセルできる。
[適用例3]第一の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路に入力信号を接続するキャパシタンス素子と、第二の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路の出力信号を前記第二の非反転増幅回路に入力するコンデンサーと、前記第二の非反転増幅回路の出力信号を前記第一の非反転増幅回路に入力する抵抗器と、演算増幅回路と、前記演算増幅回路の反転入力に前記第一の非反転増幅回路の出力信号を接続する第一のスイッチ回路と、前記第二の非反転増幅回路の入力端子に前記演算増幅回路の出力を接続する第二のスイッチ回路と、を含んで構成されることを特徴とする電子回路。
本適用例の構成によれば、上記第一の非反転増幅回路の出力信号は、上記コンデンサーを介して第二の非反転増幅回路に供給され増幅され、さらに上記抵抗器を介して上記第一の非反転増幅回路に帰還される。これにより上記抵抗器の両端にかかる電圧の信号成分はほとんどゼロにすることができ、見かけ上の抵抗器の抵抗値を高くできる。上記第一および第二のスイッチ回路をオンにするたびに、上記第一、第二の非反転増幅回路のオフセットが上記コンデンサーに充電され上記第一、第二の非反転増幅回路のオフセットの影響を減らすことができる。該コンデンサーは上記第二の非反転増幅回路による緩衝増幅される小さな容量値で十分な性能を得ることができる。
また、上記第一の反転増幅回路を構成する演算増幅回路の入力オフセット電流は上記第二の非反転増幅回路から上記抵抗器を介して補償され入力側から見たインピーダンスを下げることはない。これによって、極端な高抵抗の抵抗器や高容量のコンデンサーを使用することなく非常に高インピーダンスで歪の少ない増幅回路を構成することが可能となる。極端な高抵抗の抵抗器や高容量コンデンサーが不要であるため半導体集積回路化が容易であり大きな利点となる。
本適用例の構成によれば、上記第一、第二のスイッチ回路がオンするたびに上記電圧源によって供給される信号の基準レベルに上記非反転増幅回路の入力電位が固定される。この動作によって、信号源である人体への帯電した物や第三者の接近に伴う緩やかな電位変動などは取り除かれ安定な前置緩衝増幅回路の構成を可能とする。
[適用例4]前記所定の電位を供給する電圧源を含み、前記電圧源の所定の電位は前記演算増幅回路のオフセットに等しいことを特徴とする上記適用例3に記載の電子回路。
上記第一、第二の非反転増幅回路のオフセット電圧やオフセット電流による誤差は上記演算増幅回路によって上記第一、第二のスイッチがオンする度に上記コンデンサーに充電され補償される。上記演算増幅回路のオフセット電圧やオフセット電流による誤差は上記電圧源の出力電圧を調整することによって取り除くことができる。上記第一および第二の非反転増幅回路のオフセット電圧やオフセット電流による出力値の誤差は上記適用例による電子回路の入力インピーダンスを下げることなく自動的に上記演算増幅回路の高い増幅度により補償されるので、温度変化などに伴うオフセットのドリフトがあっても安定した増幅回路を構成できる。
[適用例5]
前記電圧源の所定の電位には信号の基準レベルが含まれることを特徴とする上記適用例2または4に記載の電子回路。
本適用例の構成によれば、上記第一、第二のスイッチ回路がオンするたびに上記電圧源によって供給される信号の基準レベルに上記非反転増幅回路の入力電位が固定される。この動作によって、信号源である人体への帯電した物や第三者の接近に伴う緩やかな電位変動などは取り除かれ安定な前置緩衝増幅回路の構成を可能とする。
[適用例6]上記適用例1乃至5のいずれかに記載の電子回路を含んで構成されることを特徴とする電子装置。
本適用例の構成によれば、高入力インピーダンスの緩衝増幅回路を必要とする電子装置において、極端に高い抵抗値の抵抗器や高容量値のコンデンサーが不要であるため装置の実現が容易であり大きな利点となる。
本発明にかかる実施例1としての電子回路を示す回路図。 本発明にかかる実施例1としての電子回路の動作を説明するタイム図。 本発明にかかる実施例2としての電子回路を示す回路図。 本発明にかかる実施例3としての電子回路を示す回路図。 本発明の実施例にかかる電子回路を用いた電子装置の構成例を示すブロック図。 本発明の実施例にかかる電子回路を用いた電子装置の概観を示す図、および構成例を示すブロック図。 本発明の実施例にかかる電子回路を用いた電子装置の概観を示す図、および構成例を示すブロック図。 従来の緩衝増幅回路を示す図。
以下、電子回路の実施形態について図面に従って説明する。
図1は本発明の実施例1にかかる電子回路の回路図の一例を示す図である。
本発明の実施例1にかかる電子回路は容量結合型電極による心電波形の計測などの入力緩衝増幅回路に適するものである。以下容量結合型電極による心電波形の計測を例に説明するが本発明の適用範囲はこれに限るものではない。

本実施例による電子回路は、図1に示すごとく信号の入力端子101から演算増幅回路104によって構成される第一の非反転増幅回路の入力端に接続されるキャパシタンス素子102と、演算増幅回路105によって構成される第二の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路の出力信号を前記第二の非反転増幅回路に入力するコンデンサー107と、前記第二の非反転増幅回路の出力信号を前記第一の非反転増幅回路に入力する抵抗器103、所定の電位を供給する電源(電圧源ともいう)109と、前記非反転増幅回路の入力と前記電源109によって供給される所定の電位間に接続されたスイッチ回路108を含んで構成される。
容量結合型電極は面積数cm2の導電性の電極で絶縁体を介して胸部、上腕部などに接触させ人体から電気信号を検出するための電極である。本願ではこの電極と人体間によって形成される容量を含んで構成される素子や一般の電子部品としての容量素子等、容量を含む素子を上位概念としてキャパシタンス素子と言う事にする。これに対して本願では蓄電を目的とする一般の電子部品をコンデンサーと呼ぶことにする。キャパシタンス素子は等価的に電気容量を持って表わすことができ電気回路図として図1に示した。同様に上記導電性電極に対向する皮膚は電気回路の端子としてみることができ図1では入力端子101として表わす。心電は心筋細胞内に発生する脱分極、再分極に伴って生じる電気信号であり、1Hz程度の低周波信号である。この信号源はキャパシタンス素子のこの周波数におけるインピーダンスに比較して無視できるほどの人体抵抗を通して入力端子101に接続されているとみなすことができる。
本実施例では非反転増幅回路としてボルテージフォロワーと呼ばれる演算増幅回路によるゲイン1の非反転増幅回路を用いる場合を例示したがより大きな電圧ゲインをもつ非反転増幅回路も用いることができ、その例は後述する。
また演算増幅回路104の非反転入力端子はそのまま非反転増幅回路の入力端子となり、反転入力端子は負帰還路に接続され負帰還がかけられる。このため演算増幅回路104の高い増幅度によって反転および非反転入力端子は常にほぼ等しい電圧値になるように動作する。これによって演算増幅回路104の非反転入力端子の入力インピーダンスはより高く見える。実際図1の回路では演算増幅回路の増幅度をAとすると演算増幅回路に反転、非反転入力端子間のインピーダンスはA倍に見えることになる。
抵抗器103(抵抗値Rbとする)は演算増幅回路104による第一の非反転増幅回路の入力の直流電位を定めるためのバイアス抵抗である。この抵抗器103によって直流電位を定めてやらないと該入力端はキャパシタンス素子102のみしか接続されておらず直流電位が定まらない。ゆえに抵抗器103は必須であるが、この抵抗器103によって入力端子101からみたインピーダンスを下げてしまう。演算増幅回路104による非反転増幅開回路の入力インピーダンスは十分高いのでほとんど抵抗値Rbが入力インピーダンスとなる。
キャパシタンス素子102の容量値をCpとするとCpは数pFであり、該素子は信号周波数約1Hzにおいて30GΩ程度のインピーダンスを持つ。この素子を通して信号を検出するには抵抗値Rbに30TΩ位の高抵抗が必要となる。
図1に示すように抵抗器103の他端を演算増幅回路105による第二の非反転増幅回路の出力として、スイッチ回路108をオンにすると出力端子106電圧Vo1、すなわち演算増幅回路104による第一の非反転増幅回路出力Vo1は、下記式(1)となる。
Vo1=Vs+Vos1+Vos2・・・(1)
ここにVsは電圧源109の出力電圧、Vos1は第一の、Vos2は第二の非反転増幅回路の出力オフセット電圧である。
スイッチ回路108をオンのとき第二の非反転増幅回路の入力端子電圧はVsであるのでコンデンサー107の両端の電圧はVos1+Vos2となり、この電位差が保持される。Vos1には演算増幅回路104の入力端子にバイアス電流Ibを流さなくてはならない場合においてIbRbによる誤差を含めることができる。
このとき演算増幅回路105による第二の非反転増幅回路の出力電圧Vo2は、下記式(2)であり、演算増幅回路104による第一の非反転増幅回路の非反転入力端子電圧Vi1は、下記式(3)となる。
Vo2=Vs+Vos2・・・(2)
Vi1=Vo1−Vov1=Vs+Vos2−RbIb・・・・(3)
ここにVov1は演算増幅回路104による第一の非反転増幅回路のバイアス電流によるオフセットを含まない正味の電圧オフセットである。
キャパシタンス素子102にはスイッチ回路108をオンすると短い時間で充放電が起こり、スイッチ回路108をオフする直前の入力端子101信号Viと上記Vi1の差に相当する電圧が保持される。
上記の状態からスイッチ回路108をオフにすると入力端子101の電位Viの変化分が上記式(1)で示した基準電位から出力電圧として出力端子106から取り出すことができる。コンデンサー107の両端の電圧はスイッチ回路108がオフなら保持されるので演算増幅回路105による第二の非反転増幅回路の出力Vo2は入力端子101電圧Viの変化に追従し変化する。抵抗器103両端の電圧はRbIb一定、すなわち交流におけるインピーダンスが無限大なので、入力端子101側から見た交流のインピーダンスは抵抗値Rbの値によらず、きわめて高く見える。これによって、Viに含まれる必要な信号成分は正しく緩衝増幅され出力端子106から取り出すことができる。
上記式(1)によってVs=−Vos1−Vos2に設定すれば出力信号はDCオフセットのない信号を得ることができる。また通常演算増幅回路のオフセット電圧は実用上差し支えない程度に小さいのでVs=0、すなわち電圧源109を省きスイッチ回路108の一端を接地電位に接続してもよい。
上記では演算増幅回路104の入力端子にバイアス電流が必要な場合を例に説明した。このような例はバイポーラ型のトランジスターまたはジャンクション型の電界効果型トランジスターが入力回路となっている演算増幅回路を用いなければならない場合に深刻な問題となっていたが、上記電子回路はバイアスの抵抗器103に電流を流しつつ交流のインピーダンスを高く保てるので上記課題は解消される。
また、演算増幅回路105による第二の非反転増幅回路の入力に、バイアス電流を流す必要がある場合は、この電流によってコンデンサー107に保持されている電荷が放電してしまう。しかし、非反転増幅回路の入力側に接続される素子はインピーダンスの制約を受けないので、十分大きな容量のコンデンサーを使用することによって上記課題は解決できる。
以上の説明は演算増幅回路104、105の電圧増幅度Aが十分に高く第一、第二の非反転増幅回路の電圧ゲインが1のときを説明した。実際A→∞ではキャパシタンス素子102側から見た抵抗器103のインピーダンスは無限大に見える。Aが有限のときは本実施例のようなボルテージフォロワーの電圧ゲインは1−1/Aであり、1よりわずかに小さい。従って、演算増幅回路105による第二の非反転増幅回路の出力Vo2の変化分はViの変化分に比較し1−2/Aとなり抵抗器103の両端にわずかな信号変化分がかかる。この電圧変化分は入力信号の変化分ΔViの2/A倍となるので、抵抗器103の抵抗値はARb/2に見えることになる。通常Aはきわめて大きい(百万程度)ので抵抗値Rbを数十MΩ程度まで下げることが可能となり実現が容易になる。
上記電子回路のシミュレーションの結果を図2に示し、その動作を説明する。シミュレーションは容量結合型電極により心電波形を検出する心電計測を考慮し模擬心電波形を用いて行ったものである。
まず、使用した信号の模擬波形について説明する。図2(a)は典型的な心電波形を例示する図である。心電信号は心室心房の脱分極と再分極に伴って発生する微小(数mV程度)な周期信号であり、P波、R波、T波などと名前がつけられている。その周期はほぼ1秒である。本願では回路のシミュレーションを行うためにこの波形をモデル化して図2(b)に示すような模擬波形を用いる。すなわちR波のみをパルス幅0.1秒の三角波で近似し他は省略する。波高値は10mVとし、周期は1秒とする。
シミュレーションはこの模擬波形に長期的な変動として周期50秒、振幅0.1Vの正弦波を重畳した信号を入力信号として行う。長期的変動は帯電物の接近などにより接地されていない信号源(人体)の電位の変化等によって起こりえる。特にキャパシタンス素子による容量検出型の計測ではその電位変化は検出すべき信号振幅に比較して非常に大きくなる。シミュレーションではこの変動の振幅を検出すべき信号の10倍に取っている。
シミュレーションは実現の容易な現実的な回路定数を用いて行った。その回路定数を以下に示すが、これは一例でありこの値に限るものではない。
Cp:キャパシタンス素子容量 10pF
Rb:抵抗器103の抵抗値 5MΩ
Cb:コンデンサー107の容量 0.01μF
Vs:電圧源出力電圧 0V
Vos1:演算増幅回路104のオフセット 3mV
Vos2:演算増幅回路105のオフセット 4mV
A: 演算増幅回路104、105のゲイン 5000
図2(c)、図2(d)に上記に説明した電子回路のシミュレーション結果として主要部信号のタイム図を示す。図2(d)は図2(c)の横軸(時間軸)の一部を拡大し細部を見やすくした図である。
入力端子101に入力される入力信号201は、図2(b)に示した模擬波形と長期的な変動として周期50秒、振幅0.1Vの正弦波を重畳した信号である。この信号は検出すべき信号に対してその振幅が非常に大きいため図2(c)では出力端子106に現れる信号202とは別スケール(グラフ右側スケール)で示される。
スイッチ回路108の制御信号203は、信号レベルが高のときスイッチがオン、信号レベルが低のときオフする信号とする。なお、この制御信号203はデジタル値であり波高値は意味を持たないのでオンオフのタイミングのみを示すものとし縦軸のスケールは割り当てない。
出力端子106の信号202は、制御信号203が高のとき上記式(1)にしたがって7mVを出力する。この値から、スイッチ回路108がオフになる寸前(図2(d)では時刻=25.3秒)の入力信号201の値(約−4mV)からの変化分が増幅され出力となる。図2(d)では時刻=24.4秒ごろまでのほんのわずかな期間だけこの傾向が読み取れるが、それ以降はほぼ一定レベルとなっている。これは上記A、Rbとも低く、キャパシタンス素子102と抵抗器103によって形成される微分回路の時定数が短いためである。実際時定数を計算してみるとCpRbA/2=125msecであり信号周期1秒に比較し非常に小さい。しかしながら、このように定数を選ぶと緩やかな変動成分は上記のキャパシタンス素子102と抵抗器103によって形成される微分回路によって阻止され安定な緩衝増幅を行うことが可能となる。
上記のように緩やかな変動に対する排除能力を犠牲にしても差分を正しく検出したい場合は抵抗器103の抵抗値Rbまたは演算増幅回路のゲインAのいずれかを大きくすることによって実現が可能である。
以上述べたように本実施例に拠れば、従来のように極端に高い抵抗値の抵抗やコンデンサーを必要とせずに高インピーダンスの緩衝増幅回路を提供できる。また、帯電物の接近などによる緩やかな信号源電位の変動などの影響は回路のもつ特性によって排除できる。これによって装置の製造コストを下げ、また高信頼性が確保できる。
図3は本発明の実施例2にかかる電子回路の回路図の他の例を示す図である。
本実施例による電子回路は容量結合型電極による心電波形の計測などの入力緩衝増幅回路に適するものである。以下容量結合型電極による心電波形の計測を例に説明するが本発明の適用範囲はこれに限るものではない。
本実施例による電子回路は図3に示すごとく信号の入力端子301から演算増幅回路304によって構成される第一の非反転増幅回路の入力端に接続されるキャパシタンス素子302と、演算増幅回路305によって構成される第二の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路の出力信号を前記第二の非反転増幅回路に入力するコンデンサー307と、前記第二の非反転増幅回路の出力信号を前記第一の非反転増幅回路に入力する抵抗器303、所定の電位を供給する電圧源311と、演算増幅回路312と、前記演算増幅回路312の反転入力に前記第一の非反転増幅回路の出力信号を接続する第一のスイッチ回路308と、前記第二の非反転増幅回路の入力に前記演算増幅回路312の出力を接続する第二のスイッチ回路309を含んで構成される。
抵抗器310は位相補償のための抵抗であり回路の動作を安定化する。特に第一のスイッチ回路308がコンデンサー307側に倒され、第二のスイッチ回路309がオンの状態では演算増幅回路312の負帰還ループが長くなり動作が不安定になりやすいのを防ぐ。
図3(a)、図3(b)に異なる2つの接続方法を示す。すなわち図3(a)では第一の非反転増幅回路を構成する演算増幅回路304の負帰還路は演算増幅回路304の反転入力端子と出力端子が直接接続されているが、図3(b)では位相補償のための抵抗器310を介して第一の非反転増幅回路を構成する演算増幅回路304の反転入力端子に接続されている。どちらも該抵抗器310には電流が流れないので同様の動作をする。
演算増幅回路304、305による第一、第二の非反転増幅回路が抵抗器303、抵抗器310、コンデンサー307を介してループ状に接続されており、第一のスイッチ回路308が演算増幅回路312の出力側に、第二のスイッチ回路309がオフのときは上記実施例1で説明したのと全く同様に動作する。
すなわち抵抗器303の抵抗値Rbは入力側から見てA/2倍に見え、きわめて高い入力インピーダンスを低い抵抗値Rbで得ることができる。
次に第一のスイッチ回路308がコンデンサー307と位相補償の抵抗器310側に接続され、第二のスイッチ回路309がオンとなったときを考える。このとき演算増幅回路312にはコンデンサー307と、演算増幅回路304、305による第一、第二の非反転増幅回路と抵抗器303と抵抗器310による経路が並列になって負帰還路が形成される。演算増幅回路312のオフセットをVos3とすると、出力端子306の電圧、すなわち演算増幅回路304による第一の非反転増幅回路出力電圧Vo1は、下記式(4)となる。
Vo1=Vs+Vos3・・・(4)
ここにVsは電圧源311の出力電圧である。Vs=−Vos3とするとVo1のDCオフセットはキャンセルできる。演算増幅回路は通常実用上差し支えないほど小さく設計されるのでVs=0とし、すなわち電圧源311を省略し演算増幅回路312の非反転入力端子を直接接地してもよい。上記式(4)では第一、第二の非反転増幅回路のオフセットを含まない。特にバイアス電流によるオフセットRbIbの変化は温度特性などにより大幅に変化しやすいが、本実施例では演算増幅回路312によって自動的に排除されるので安定な回路を提供できる。
上記によって、第一のスイッチ回路308がコンデンサー307と位相補償の抵抗器310側に接続し、第二のスイッチ回路309がオンすれば、出力電圧Vo2は上記式(4)によって示す電位に固定され、必要な電位差がコンデンサー307およびキャパシタンス素子302に読み込まれる。第一、第二のスイッチ回路308、309を上記と逆の状態に切り替えると、切り替え直前の入力電圧Viの電位からの差分が上記式(4)を基準として出力される。
なお、第一のスイッチ回路308が二極双投スイッチを用いて、演算増幅回路312の反転入力の信号を該演算増幅回路312の出力と位相補償の抵抗器310およびコンデンサー307側に切り替えているのは演算増幅回路312を常に負帰還がかかった状態に保ち、その出力を飽和させないようにして、回路の応答を速くするためである。十分な応答速度が得られれば第一のスイッチ回路308で演算増幅回路312の出力と反転入力を接続する経路を省略してもよい。それによって、演算増幅回路312を故意に飽和させ消費電力を減らすように設計することも可能である。
本実施例の動作は上記実施例1において第一のスイッチ回路308がコンデンサー307と位相補償の抵抗器310側に接続し、第二のスイッチ回路309がオンのとき出力端子306に現れる出力電圧Vo1が上記式(4)に従う他は図2と同じであるのでその説明を省略する。
以上述べたように本実施例に拠れば、従来のように極端に高い抵抗値の抵抗器やコンデンサーを必要とせずに高インピーダンスの緩衝増幅回路を提供できる。また、帯電物の接近などによる緩やかな信号源電位の変動などの影響は回路のもつ特性によって排除できる。さらに第一、第二の非反転増幅回路によるオフセットを排除できるので高精度の回路を提供できる。これによって装置の製造コストを下げまた高信頼性が確保できる。
図4は本発明の実施例3にかかる電子回路の回路図のさらなる他の例を示す図である。本実施例では非反転増幅回路としてゲインが1より大きい第一の非反転増幅回路を用いる場合を説明する。
図4(a)は上記実施例1の第一の非反転増幅回路を変更してゲインを1より大きくとった場合を示す図、また図4(b)は上記実施例2の第一の非反転増幅回路を変更してゲインを1より大きくとった場合を示すで図である。
図4(a)では第一の非反転増幅回路は演算増幅回路104と抵抗器401および抵抗器402による帰還路によって構成される。コンデンサー107は上記帰還路、すなわち演算増幅回路104の反転入力端子から演算増幅回路105による第二の非反転増幅回路に接続される。これによって、抵抗器103の両端にかかる信号変化分(交流成分)ΔVRbは入力信号の変化分をΔViとして、下記式(5)となる。
ΔVRb=(2+R1/R2)ΔVi/A・・・(5)
ここに、R1は抵抗器401の、R2は抵抗器402の抵抗値である。
ゆえに抵抗器103に流れる電流の変化分(交流成分)ΔIRbは、下記式(6)となる。
ΔIRb=ΔVRb/Rb=(2+R1/R2)ΔVi/A/Rb・・・(6)
したがって、キャパシタンス素子102の側から抵抗器103を見た交流インピーダンスzは、下記式(7)となる。
z=ΔVi/ΔIRb=RbA/(2+R1/R2)・・・(7)
すなわちzは抵抗器103の抵抗値RbのA/(2+R1/R2)倍に見えることになる。Aは非常に大きいのでキャパシタンス素子102側からみて抵抗器103によるインピーダンスの低下は阻止できる。これによって小容量のキャパシタンス素子102のインピーダンスが高くても信号を減衰無しに能率よく取り出すことが可能となる。
オフセットによるDCレベルの誤差は上記式(1)においてVos1をVos1(1+R1/R2)に置き換えた値となる。すなわち、演算増幅回路104のオフセットVos1がやや大きく見える。
図4(b)では第一の非反転増幅回路は演算増幅回路304と抵抗器403および抵抗器404による帰還路によって構成される。コンデンサー307は上記帰還路、すなわち演算増幅回路304の反転入力端子から演算増幅回路305による第二の非反転増幅回路に接続される。実施例2では系の安定化を図るために位相補償のための抵抗器310を必要としたが、位相補償の抵抗器の役割も抵抗器403、404に負わせることができ省略できる。
図4(a)での説明と同様に、抵抗器403のインピーダンスは該抵抗器の抵抗値RbのA/(2+R1/R2)倍と大きく見え、キャパシタンス素子102のインピーダンスが高くても信号を減衰無しに能率よく取り出すことが可能となる。
図4(b)の回路では演算増幅回路のオフセットによる誤差は上記図4(a)のように演算増幅回路304、305のオフセットに影響されない。すなわち、上記実施例2で説明したものと同様に上記式(4)が適用できて、オフセットによる誤差は演算増幅回路312に起因するものだけとなる。
本実施例に拠ればキャパシタンス素子を介して信号検出するような信号源にDCパスを含まず、また信号帯域で非常に高いインピーダンスを示すような場合の信号検出においてゲインが1より高い緩衝増幅回路を提供することができる。
以上述べたように本実施例に拠れば、従来のように極端に高い抵抗値の抵抗やコンデンサーを必要とせずに高インピーダンスの緩衝増幅回路を提供できる。また第一、第二の非反転増幅回路によるオフセットを排除できるので高精度の回路を提供できる。これによって装置の製造コストを下げまた高信頼性が確保できる。
図5に上記実施例1〜3で説明した電子回路を用いて電子装置を構成する場合のブロック図の例を示す。
上記実施例1〜3で説明した電子回路では、極端な高抵抗値の抵抗器や高容量値のコンデンサーを用いずにきわめて入力インピーダンスを持つ緩衝増幅回路を構成でき、緩やかな信号電位の変化などの妨害も排除できることを説明した。該電子回路を用いて電子装置を構成する場合、スイッチ回路108、308、309のオンオフ制御をどのように行うかが課題となる。本実施例ではこのスイッチのオンオフ制御をどのように行うかを説明する。
スイッチのオンオフ制御が検出できる信号の帯域を制限することがあり、また検出すべき信号をマスクしてしまうこともありえる。スイッチのオンオフ周期を検出する信号の周期にあわせるのも上記実施例1〜3で説明した電子回路を効果的に使うためによい方法である。
スイッチング周期を信号周期にあわせるには図5に例示する構造の電子装置によって実現できる。緩衝増幅回路501は、図1、図3、図4のいずれかに示した電子回路による緩衝増幅回路をあらわすブロックであり、それぞれ端子500が入力端子101または入力端子301に、端子506が該電子回路の出力端子106、または出力端子306に相当する。スイッチ制御端子505はスイッチ回路108、308、309のオンオフ制御を行うための端子でこの端子に入力された制御信号によって上記スイッチがオンオフされる。
該緩衝増幅回路501の出力はAD変換回路502に伝えられAD変換され端子504からデジタル値として出力される。この出力は測定データとして様々に処理し利用されると同時に処理回路503に伝送される。処理回路503では得られた信号波形を概観しピークなどの特徴点を検出し周期を決定するとともに波形計測に影響の少ない時点を選択してそのときにスイッチ制御端子505に制御信号を創出して該緩衝増幅回路501に基準電位を読み込ませる。処理回路では計測信号の周期変動やノイズの影響を排除するためにデジタルフィルターや、相関回路、デジタル位相ロックループのような手法を用いてもよい。なお、基準の電位読み込みの時には、計測する信号が出力できないが、基準電位の読み込みは典型的には数マイクロ秒で完了するため、例えば心電計測においてP、Q、R波などの特徴点と重ねなければほとんど信号計測に影響がない。
上記のようにして、容量型検出電極のような極端に高いインピーダンスを介して信号検出するような場合においても安定な計測装置の提供が可能となる。
図6は、上記実施例1〜3で説明した電子回路を用いた電子装置の他の実施例を示す図である。本実施例では例として上記実施例1〜3で説明した電子回路および電子装置を容量結合型センサーに用いた心電波形計測装置を示す。図6(a)は心電波形計測装置の概観を例示し、また図6(b)は心電波形計測装置のブロック図を示すととともに該計測装置が実際に動作する際の電気的な環境を表す等価回路を示す。
図6(a)は心電波形計測装置の概観を例示し、外筐601と容量結合型のセンサー電極602が示されている。センサー電極602は人体表面に対向しこの電極と人体間に構成される容量を通して心電の電気信号を検出する。表示体603は測定結果の表示などに用いられる。心電波形計測装置を構成する回路等の他の構成要素は外筐601内部に電池等の電源とともに収納される。外筐601は後述するように導電性を持つのが好ましい。センサー電極602のサイズは数cm2またはそれ以下で十分である。半導体集積回路技術などを使うことによってクレジットカードサイズ程度以下に薄くまた小さく装置を構成することは容易である。図6(a)は図中A側が表面で表示体603はこちら側から見る。またセンサー電極602は人体に対向するように、すなわち図のB側が人体の胸部、上腕部など心電検出が可能な人体部位に帯、ベルトなどで固定する。胸部に当てる場合は胸ポケットのついた下着に装着してもよい。これによって、従来の心電計測装置の電極装着時のようにゲル状であって粘性のある感触(ねっとりとした感触)などの不快感がなく長時間の計測でも被験者にとって快適である。
図6(b)に本実施例による心電波形計測装置611のブロック図および該計測装置が実際に動作する際の電気的な環境を表す等価回路を示す。
センサー電極610を通して検出した信号は上記実施例1〜3で説明した電子回路613によって差分増幅されたのちAD変換回路614によってAD変換が行われ、計測すべき心電波形のデータを得る。電子回路613として上記実施例1〜3を使用することができる。またAD変換回路614と一緒にして(一点差線612内)上記実施例4を使用することができる。図中では処理回路503などは省略されている。
AD変換回路614によって得られたデータは処理回路615によって適宜ノイズの除去、心拍変動(HRV)解析などが行われ結果を表示体618に表示してもよい。またデータは記憶部631に蓄えられ、外部インターフェイス回路616によって端子619より外部コンピューターなどに有線伝送、または無線インターフェイス617によって無線伝送され、外部のコンピューターなどによってより高度な解析やデータ処理を行うこともできる。不整脈等の診断において1日程度の長い計測データが必要なときに特に有効であろう。
本実施例の本計測装置では構造上信号源との直流的なパスを持たない。信号源との結合はキャパシタンスによって行われる。特に心電波形計測装置611内の基準電位620と信号源の人体間の電位も直流的に定めることができず、大地628や人体629、心電波形計測装置611の外筐601間の容量性結合によって定まることになる。心電波形計測装置611の外筐601は導電性であり内部の基準電位620に接続されているとすると大地628、人体629、心電波形計測装置611内の基準電位620間で考慮すべき結合は図6に示すごとくとなる。以下、外筐601をG、大地628をE、人体629をM、誘導ノイズ等のノイズ源627をNと略記し、他の符号は表(1)に示して説明する。
Figure 2011188405
信号源600からの信号を大きく検出するにはCpとZsを大きく、ZGGを小さくする必要がある。Cpは物理的制約から数pFが限界であり大きなZsが必要であることは上記実施例1〜3でも説明した。さらにZGGをなるべく小さくするには外筐601とMの対向面積を大きくすればよいがセンサー電極602に近づけすぎると検出信号が小さくなってしまう。センサー電極602からある程度離して図6(a)に示すようなフィンなどを用いて対向面積を増やすと効果的である。本装置装着のために用いる帯やベルト内部にこのような電極を含めてもよい。
ノイズ源からのノイズの影響をなるべく少なくするにはZ1、Z2をなるべく大きく、ZGG、Z3、Z4をなるべく小さくなるようにすればよい。しかし通常これらは、ZGG以外においては被験者のいる環境によって左右され制御することが難しい。ただし、Z1については図6(a)に示すように外筐601によってセンサー電極602を含んで信号源600を覆うようにすることにより信号源600をノイズ源627から隔離しある程度はZ1を大きくすることができる。
ゆえに装置の設計においてはZGGを下げ、Zsをあげることしかできない。ZGGを下げる方法は上述した。Zsについては上記に述べたように上記実施例1〜3で説明した電子回路を用いることによって非常に高くできるので容量結合型電極を用いて高性能の安定した心電計測装置を実現できる。
上記実施例1〜3で説明した電子回路では抵抗器やコンデンサーに極端な高抵抗、大容量を必要としないので、本計測装置の回路は安価な部品によって構成が可能であり、部品数、製造のコストの低減、小型軽量化、信頼性の確保が容易である。上記実施例1〜3で説明した電子回路を使って容量結合型心電計測装置を構成すれば装着感の優れた被験者に負担を与えない快適な装置を提供できる。
上記実施例5では上記実施例1〜3で説明した電子回路を用いた心電計測装置の例を示した。図7(a)に示すようにもうひとつセンサー電極702を追加し2つのセンサー電極を用いて胸部等の異なる2点との間にキャパシタンス素子を構成すると人体皮膚の2点間の電位波形を検出することができる。
外筐601をうまく設計するとZ1を通じて人体から混入するノイズはコモンモードノイズに変換できる。図7(b)にセンサー電極702を追加した場合を図示する。実施例4と同じ要素は同じ番号を付し説明を省略する。
本実施例6では実施例4に対して以下が追加される。
Figure 2011188405
センサー電極610、710によって検出された信号は、上記実施例1〜3で説明した電子回路に相当する電子回路713、712によって緩衝増幅され差動増幅回路714によって差動増幅され、コモンモードで混入したノイズが除去されAD変換回路614に入力される。
本実施例による電子装置の上記構成によれば、混入する誘導ノイズなどの妨害をコモンモードノイズに変換しキャンセルできるので高い妨害排除能力を有し高性能、高感度の装置を提供できる。
本実施例による電子回路では抵抗器やコンデンサーに極端な高抵抗、大容量を必要としないので、本計測装置の回路は安価な部品によって構成が可能であり、部品数、製造のコストの低減、小型軽量化、信頼性の確保が容易である。上記実施例1〜3で説明した電子回路を使って容量結合型心電計測装置を構成すれば装着感の優れた被験者に負担を与えない快適な装置を提供できる。
以上、本願では心電計測を例に説明したが、これに限定されるものではない。特に信号源インピーダンスが高く、高入力インピーダンスを要する生体情報などの計測装置において効果が大きい。
104、304・・・第一の非反転増幅回路を構成する演算増幅回路、105,305・・・第二の非反転増幅回路を構成する演算増幅回路、102,302・・・キャパシタンス素子、107,307・・・コンデンサー、109,311・・・電圧源、103,303・・・抵抗器、108・・・スイッチ回路、308・・・第一のスイッチ回路、309・・・第一のスイッチ回路、312・・・演算増幅回路、501,613,712,713・・・電子回路。

Claims (6)

  1. 第一の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路に入力信号を接続するキャパシタンス素子と、第二の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路の出力信号を前記第二の非反転増幅回路に入力するコンデンサーと、前記第二の非反転増幅回路の出力信号を前記第一の非反転増幅回路に入力する抵抗器と、前記第二の非反転増幅回路の入力と所定の電位間に接続されたスイッチ回路と、を含んで構成されることを特徴とする電子回路。
  2. 前記所定の電位を供給する電圧源を含み、
    前記電圧源の所定の電位は前記第一の非反転増幅回路および前記第二の非反転増幅回路のオフセットをキャンセルするよう調整されることを特徴とする請求項1に記載の電子回路。
  3. 第一の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路に入力信号を接続するキャパシタンス素子と、第二の非反転増幅回路と、前記第一の非反転増幅回路の出力信号を前記第二の非反転増幅回路に入力するコンデンサーと、前記第二の非反転増幅回路の出力信号を前記第一の非反転増幅回路に入力する抵抗器と、演算増幅回路と、前記演算増幅回路の反転入力に前記第一の非反転増幅回路の出力信号を接続する第一のスイッチ回路と、前記第二の非反転増幅回路の入力端子に前記演算増幅回路の出力を接続する第二のスイッチ回路と、を含んで構成されることを特徴とする電子回路。
  4. 前記所定の電位を供給する電圧源を含み、
    前記電圧源の所定の電位は前記演算増幅回路のオフセットに等しいことを特徴とする請求項3に記載の電子回路。
  5. 前記電圧源の所定の電位には信号の基準レベルが含まれることを特徴とする請求項2または4に記載の電子回路。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれかに記載の電子回路を含んで構成されることを特徴とする電子装置。
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