JP2011185129A - タービン翼形部及びその先端構造体を製造する方法 - Google Patents

タービン翼形部及びその先端構造体を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タービン翼形部を製造する方法を提供する。
【解決手段】本タービン翼形部(18)を製造する方法は、外壁、根元及び先端を有する中空翼形部(18)の形状内に協働して空洞を形成する鋳型中子(40)と外側シェル(42)とを準備するステップを含む。中子(40)の先端部分は、翼形部(18)の先端を画成する空洞の一部分を完全に貫通して延在する。中子(40)は、拘束されて、該中子(40)及び外側シェル(42)間の相対的移動を防止する。溶融金属が、空洞内に導入されかつ凝固して、開口先端及び中空内部を画成する少なくとも1つの外壁を有する翼形部(18)を形成する。開口先端を実質的に閉鎖した金属先端キャップが、外壁に形成される。先端キャップは、翼形部(18)に金属粉末を充填しかつ露出粉末をレーザ焼結して、外壁に金属接合した先端キャップを形成することによって形成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、総括的にはガスタービンエンジン部品の製造及び補修に関し、より具体的には、タービン翼形部用の先端キャップ構造体の形成に関する。
最新式ガスタービンエンジン用の鋳造タービン翼形部は、現在の鋳造方法の製造能力に大きな課題を与える内部形状要素を有している。鋳造品は、内部形状要素を形成するための複雑なセラミック中子を必要とし、またこれらの中子は鋳造プロセスの間に壊れ易い。その結果として、50%〜70%の鋳造品収率が異常でないということになっている。30%〜50%の鋳造品スクラップが、使用可能な鋳造品のコストの計算に入れられる。
この問題点は、部品を鋳造するコストを高くする単結晶材料のような異種合金では一層ひどくなり、従って金属製品をスクラップにすることによって生じるコストの上昇を加速する。ほんの5%〜10%の鋳造品収率の改善を達成することができた場合には、各ガスタービンエンジンに対する影響は、その生産量に基づいて年当たり数百万ドルにもなる。
1つの基本的な鋳造使用限界は、翼形部の内部構造を形成するセラミック中子が、該中子の大部分が鋳造ワックス内で「浮遊」した状態で下方部分(すなわち、根元)で固定することができるのみであることである。溶融金属の力並びに冷却及び凝固サイクルの間に熱的に生じる力は、セラミック中子の移動及び/又は破損(中子シフトとも呼ばれる)を引き起こす。この動きは、鋳造部品が、例えば最低鋳造品壁厚さに違反することによって最早図面要件を満たさないようになるおそれがある。中子がプロセスの間に破壊した場合には、これもまた、部品が必要条件に適合しなくなることになる。
ガスタービン翼形部は、多くの場合に、先端キャップ及び/又は「スキーラキャップ」を含む。先端キャップは、タービンブレードの半径方向外側端部と一体形か又は該半径方向外側端部に取付けられるかのいずれかでタービンブレードの断面形状に一致した断面形状を有する比較的小さい延長部である。タービンブレードに先端キャップを使用することにより、タービンブレードとシュラウドとの間の摩擦の不利な影響を効果的に減少させることができる。しかしながら、タービンブレードを鋳造する従来技術の方法は、一体形部品として先端キャップを含み、このことは、上述の中子シフト問題を悪化させる。先端キャップを別個に製造し、次にそれらを翼形部に取付けることも公知であるが、これは、コストのかかるツール類を必要としかつ比較的ゆっくりした作業である溶接プロセスを必要とすることになる。
米国特許第6908288号明細書
従来技術のこれらの及びその他の欠点は、本発明によって対処され、本発明は、鋳造の間に翼形部中子を支持する方法を提供し、また最終部品の金属学的一体性を維持しながら翼形部に先端構造体を形成する方法を提供する。
本発明の態様によると、タービン翼形部先端構造体を製造する方法は、(a)中空内部を画成する外壁を有しかつその先端が中空内部に開口したタービン翼形部を準備するステップと、(b)翼形部の内部に金属粉末を充填するステップと、(c)レーザエネルギーを使用しかつ粉末の露出層を焼結して、外壁に金属接合した先端キャップを形成するステップとを含む。
本発明の別の態様によると、タービン翼形部を製造する方法は、(a)(i)中子と、(ii)中子を囲んだ外側シェルとを有し、中子及び外側シェルが協働して、外壁、根元及び先端を有する中空翼形部の形状内に空洞を画成し、(iii)中子の少なくとも先端部分が、翼形部の先端を画成する空洞の一部分を完全に貫通して延在する鋳型を準備するステップと、(b)中子の先端部分を拘束して、該中子及び外側シェル間の相対的移動を防止するステップと、(c)空洞内に溶融金属合金を導入しかつ中子を囲むステップと、(d)合金を凝固させて、開口先端及び中空内部を画成する少なくとも1つの外壁を有する翼形部を形成するステップと、(e)鋳型及び中子を取外して、翼形部を露出させるステップと、(f)開口先端を実質的に閉鎖した金属先端キャップを外壁に形成するステップとを含む。
本発明のさらに別の態様によると、中空内部を画成する外壁を含みかつその先端が先端キャップで閉鎖されたタービン翼形部を補修する方法を提供する。本方法は、(a)翼形部から先端キャップを取外すステップと、(b)翼形部の内部に金属粉末を充填するステップと、(c)レーザエネルギーを使用しかつ粉末の露出層を焼結して、外壁に金属接合した新たな先端キャップを形成するステップとを含む。
本発明のさらに別の態様によると、中空内部を画成する外壁を含みかつその先端が先端キャップで閉鎖されたタービン翼形部を補修する方法を提供する。本方法は、(a)翼形部から先端キャップを取外すステップと、(b)外壁と先端で接する金属プレート状部材を配置するステップと、(c)レーザエネルギーを使用し、金属プレート状部材を加熱しかつ外壁に対して該金属プレート状部材を融着させて、先端キャップを形成するステップと、(d)先端キャップに対して半径方向外向きに延在する金属先端壁を取付けるステップとを含む。
本発明は、添付図面の図と関連させて行なった以下の説明を参照することによって最もよく理解することができる。
本発明の態様により構成した例示的なタービンブレードの斜視図。 ブレードを鋳造するのに使用する従来技術の鋳型中子の斜視図。 本発明の態様により構成した鋳型中子の斜視図。 別の鋳型中子の斜視図。 本発明の態様により構成した組立鋳型の概略部分断面図。 ブレード鋳造品の一部分を内部に有する、図4の鋳型の概略断面図。 開口先端を備えた鋳放しタービンブレードの概略部分断面図。 先端プレートが取付けられた、図6のタービンブレードの概略部分断面図。 先端壁が形成された鋳放しタービンブレードの別の概略部分断面図。 レーザ溶接装置の概略図。 開口先端を備えた鋳放しタービンブレードの概略部分断面図。 先端シムが取付けられた、図10のタービンブレードの概略部分断面図。 先端壁が形成された図11のタービンブレードの別の概略部分断面図。 金属粉末で充填された、開口先端を備えた鋳放しタービンブレードの概略部分断面図。 レーザ焼結処理後の、図13のタービンブレードの概略部分断面図。 先端壁が形成された図14のタービンブレードの別の概略部分断面図。
様々な図全体を通して同じ参照符号が同様の要素を表している図面を参照すると、図1は、例示的なタービンブレード10を示す。タービンブレード10は、従来型のダブテール12を含み、ダブテール12は、ロータディスク(図示せず)におけるダブテールスロットの相補形タングと係合して、作動時にディスクが回転すると該ディスクに対してブレード10を半径方向に保持するタングを備えたあらゆる好適な形態を有することができる。ブレードシャンク部14が、ダブテール12から半径方向上向きに延在してプラットフォーム16で終端し、プラットフォーム16は、シャンク部14から横方向外向きに突出しかつ該シャンク部14を囲んでいる。中空翼形部18が、プラットフォーム16から半径方向外向きに延在する。翼形部18は、前縁24及び後縁26で互いに接合された凹面形の正圧側面外壁20及び凸面形の負圧側面外壁22を含む外壁19を有する。後縁26には、図示した孔28のような後縁冷却通路を組込むことができる。翼形部18は、根元30及び先端32を有する。翼形部18の半径方向最外側部分は、「スキーラ先端」と呼ばれることもある周辺先端壁34を画成する。先端キャップ36は、翼形部18の内部を閉鎖しかつ先端32から半径方向内向きに僅かな距離だけ陥凹した状態で位置している。翼形部18は、高温ガスストリームからエネルギーを取り出しかつロータディスクを回転させるのに好適なあらゆる構成を採ることができる。ブレード10は、ガスタービンエンジンにおける高温作動時に許容可能な強度を有するニッケル基超合金(例えば、Rene80、Rene142、Rene N4、Rene N5)のような公知のタイプの好適な「超合金」の一体形鋳造品として形成されるのが好ましい。
タービンブレード10の内部は、大部分が中空であり、かつ蛇行通路を画成する壁、リブ、乱流プロモータ(「タービュレータ」)などのような公知のタイプの幾つかの内部冷却形状要素を含む。タービンブレード10は、高圧力タービンブレードであるが、本発明の原理は、中空内部を有するあらゆるタイプの翼形部に適用可能である。
タービンブレード10のような部品は、公知のインベストメント鋳造法を使用して製造される。本方法は、内部冷却媒体通路を画成する従来型のアルミナ又はシリカベースのセラミック中子を包込むことによってワックスでタービンブレードを成形するステップを含む。ワックス組立体には次に、液体セラミック溶液内で一連の浸漬を行なう。各浸漬の後に、この部品を乾燥させて、硬質の外側シェル、すなわち一般的には従来型のジルコニアベースのセラミックシェルを形成するのを可能にする。全ての浸漬が完了しかつ幾つかの硬化セラミックシェルの層によってワックス組立体を閉込めた後に、加熱炉内に組立体を配置して、加熱炉内において、シェル内のワックスを融出させる。
ワックスを除去した後には、鋳型は、外側セラミックシェルによって囲まれた内部セラミック中子を含む。中子及び外側シェル間の空洞は、部品及びその内部形状要素を画成する。加熱炉内に再び鋳型を配置し、かつ鋳型の頂部における開口部内に液体金属を注入する。溶融金属は、以前はワックスによって満たされていたセラミック中子及びセラミックシェル間の空間に流入する。金属を冷却させかつ凝固させた後に、外部シェルを破壊しかつ除去して、鋳造品を露出させるが、この鋳造品は、ワックスを除去することによって形成した空洞の形状をしておりかつ内部セラミック中子を閉込めている。鋳造品は次に、リーチングタンク内に配置し、そこで中子を溶解させる。ここにおいて、部品は、ワックス形態の形状を有し、また以前は内部セラミック中子によって満たされていた内部空洞を有する。
セラミック外側シェル及びセラミック中子材料の相対的熱膨張は異なっており、その結果、金属を注入しかつそれを冷却させた後には、シェル及び中子部品の相対的収縮は異なったものとなる。このことは、壁の一側面が外部シェルによって形成されまた壁の他側面が内部中子と接触しているような金属ノズル部品の領域で様々な壁厚さを生じさせるおそれがある。
図2は、従来技術の中子38を示す。中子38の根元部分「R」の比較的大きな断面積は、タービンブレード10のシャンク部14を画成する。この根元部分Rは、鋳造プロセスの間に堅固に支持されるように構成される。しかしながら、翼形部18を画成する一部分「A」は通常は支持されず、かつ根元部分Rから離れた距離に位置している。さらに、一体形先端キャップ36(図1)を画成するように、ギャップ「G」が、中子38内に組込まれる。このギャップ「G」により、中子38を支持することができる能力が大幅に減少する。
従来技術の方法では、中子38は一般的に「浮遊する」ようになっており、従って鋳造プロセスの間に外側シェルに対するその位置がずれる(シフトする)ことになる。これにより、翼形部のような部品の壁が必要最低厚さよりも小さくなるおそれがある。中子38の外側端部は、石英棒のような構造体によって支持することができる。しかしながら、これら石英棒は破損し易く、壁のずれ(シフト(移動))を生じさせるおそれがある。
そのような中子の移動を防止するために、タービンブレード10は、「オープントップ(開口頂部)」鋳造品構成及び延長中子を組込んだ、上記のプロセスの改良型によって鋳造される。図3Aは、本発明の態様により構成した例示的な中子40を示す。この例示的な中子40もまた、タービンブレード10のシャンク部14を画成する根元部分「R’」と、翼形部18を画成する翼形部分「A’」とを含む。従来技術の構成とは対照的に、ギャップ「G」が排除され、また中子40の断面積の大きな割合が、翼形部18の半径方向外側端部まで又はそれを越えて延在している。
図3Bは、従来技術の中子38のギャップと同様な、翼形部先端キャップを画成するギャップ「G’」を有する僅かに異なる中子40’を示す。しかしながら、この中子40’はまた、中子40’の本体43からそれ以外では支持されないことになる水平部材45まで延在する大きな断面積のブリッジ41を含む。
図4は、中子40及び周囲の外側シェル42の一部分の鋳造前の概略図である。中子40及び外側シェル42間の空間は、翼形部18を画成するものでありかつワックス44で満たされている。
中子40の延長部により、鋳造プロセスの間に中子40を堅固に支持することが可能になり、中子40及び外側シェル42間で相対的移動が殆ど又は全く生じることがないようにする。この図示した実例では、中子40及び外側シェル42間で延在するタイロッド46(例えば、セラミック又は金属)が設けられる。中子40はまた、参照符号48で概略的に示す外部ツール類に対する取付けによって支持することもできる。
図5には、鋳造後の図を示す。鋳造プロセスが完了した後に、中子40は、公知の方法を使用して苛性リーチングによって除去される。しかしながら、先端においてより多くの面積を露出させることによって、リーチングプロセス(溶出処理)は、中子40のより大きな面積に作用することになる。従って、リーチングプロセス及び中子クリーンアウト(中子完全清浄化)は、日にちではなく時間のレベルで処理されて更なるコスト低減が期待される。1つの実例では、リーチングプロセスは、従来技術の構成を使用した約7〜90時間ロングサイクルから約20時間ロングサイクルに短縮することができると推定される。
図6は、鋳造並びに外側シェル42及び中子40の除去後における翼形部18を概略的に示している。この時点では、翼形部18の半径方向外側端部は開口しておりかつ使用可能な部品にするためには閉鎖しなければならない。
図7及び図8は、それによって翼形部18の外側端部を閉鎖することができる1つの方法を示す。最初のステップにおいて、外壁19と接触状態で翼形部18の外側端部上に、先端プレート50が配置される。先端プレート50は、鋳造、圧延、スタンピング加工などによって形成することができる。この図示した実例では、先端プレート50は、その厚さが約0.5mm(0.02インチ)〜約1mm(0.040インチ)である。先端プレート50は、翼形部本体50と金属学的に適合性の材料で構成される。好適な材料の代表的な実例には、例えばRene80、Rene142、Rene N4、Rene N5のような公知の「超合金」が含まれる。先端プレート50には、方向性凝固(「DS」)又は単結晶体(「SX」)のような選択結晶性ミクロ組織を形成することができる。
先端プレート50は、レーザ溶接によって外壁19に接合される。レーザ溶接のための好適な装置の実例は、本発明の出願人と同一出願人によるSchell他の米国特許第5,622,638号に開示されておりかつそれを図9に概略的に示している。本装置は、レーザ52、密閉ビーム送給導管54、レーザ集束光学装置56、部品位置決めシステム58、部品位置及びレーザ経路制御用の視覚システム60、予熱ボックス又は誘導コイル(図示せず)のようなオプショナル予熱装置、並びに粉末チューブ64を備えた粉末供給システム62を含む。本装置の個々の部品の作用及び調整は、コンピュータ化システム制御装置66により制御される。
図9の装置を使用して、端部又は周辺端縁部(図7の矢印「W」を参照)から先端プレート50にレーザエネルギーを導いて、貫通溶接部を形成しかつ外壁19に対して該先端プレート50の外周部を融着させる。このようなプロセスを使用することによって、翼形部18及び先端プレート50の結晶ミクロ組織(例えば、DS又はSX)を実質的に維持することができる。
次に、先端壁34は、自由形状レーザ製作プロセスにより形成される。図9に示す装置を使用して、先端プレート50上に1つ以上のパスで、溶融合金粉末を被着させる。粉末合金組成は、基本タービンブレード10の組成と実質的に同じものとすることができる。それに代えて、粉末合金組成は、翼形部のベース合金(例えば、RENE142、RENE195のようなニッケル基合金)よりも良好な高温耐食性を有する材料とすることができる。「リバース機械加工法」と呼ばれることもあるこのプロセスは、先端プレート50に金属接合した構造(体)を形成する。プロセスパラメータを適切に制御することにより、このプロセスは、タービンブレード10のミクロ組織と同じミクロ組織(例えば、方向性凝固又は単結晶の)を先端壁34内に形成することができる。例えば、約300W〜約1000W出力の連続波ビームを、約0.25cm/s(0.1インチ/s)〜約0.76cm/s(0.3インチ/s)、好ましくは約0.44cm/s(0.175インチ/s)〜約0.51cm/s(0.200インチ/s)の移動速度で使用することができる。約10パスにより、好適な高さ及びニアネットシェイプの先端壁34(図8参照)が得られる。本明細書で使用する場合に、「ニアネットシェイプ」という用語は、完成部品を得るためには実質的な付加的機械加工プロセスを必要とする構造体を意味する。自由形状レーザ製作プロセスが終了すると、先端壁34は、公知の機械加工、研磨、被覆などの公知のプロセスによってさらに成形することができる。
図10〜図12は、それによって翼形部18’(翼形部18と同様な)の外側端部を閉鎖することができる別の方法を示す。最初のステップにおいて、外壁19’と接触状態で翼形部18’の外側端部上に、シム50’が配置される。このシム50’は、その構造及び材料が先端プレート50と同じであるが、より大幅に厚さが薄く、一般的なレーザ蒸着材料の層とほぼ同程度の厚さである。この図示した実例では、シム50’は、その厚さが約0.1mm(0.004インチ)〜約0.3mm(0.012インチ)、好ましくはその厚さが約0.2mm(0.008インチ)〜約0.25mm(0.10インチ)である。
シム50’は、上記したようにレーザ溶接によって外壁19’に接合されて、貫通溶接部を形成しかつ外壁19’に対して該シム50’の外周部を溶着させる。
次に、自由形状レーザ製作プロセスを使用して、先端キャップ36’を画成する材料をシム50’上に被着させかつ好適な高さ及びニアネットシェイプの先端キャッププレナム壁34’を構築する。ここでも同様に、このプロセスは、図9に示す装置を使用して行なうことができる。自由形状レーザ製作プロセスが終了すると、先端壁34’及び先端キャップ36’は、公知の機械加工、研磨、被覆などの公知のプロセスによってさらに成形することができる。
図13〜図15は、さらに別の方法によって形成した翼形部18”を示す。図13は、外壁19”を備えた鋳放し状態での翼形部18”を示す。翼形部18”の内部は、上記した粉末のような好適な金属合金粉末68で満たされ、金属合金粉末68は、
外壁19”の外側端部と同一面に掻取られるか又はその他の方法で該外側端部と同レベルにされる。次に、図9に示す装置を使用して、粉末68は、矢印「L」で概略的に示すレーザエネルギーを該粉末68に導くことによって外壁19”と共に焼結されかつ該外壁19”に接合される。正確なプロセスパラメータは、特定の用途に適合するように変化させることができる。この図示した実例では、1〜100Wの平均出力、1Hz〜200kHzのパルス周波数のショートパルス赤外線レーザビームが使用される。スキャナでレーザビームを使用する場合には、移動つまりスキャン速度は、約5mm/s(0.197インチ/s)〜約500mm/s(19.7インチ/s)である。図14は、粉末68を焼結させて完成先端キャップ36”にしかつ過剰な粉末68を除去した(例えば、翼形部18”のベース内における通路を通してブローするか又はバキューム吸引することによって)後における翼形部18”を示す。プロセスパラメータを適切に制御することにより、このプロセスは、翼形部18”のミクロ組織と同じミクロ組織(例えば、方向性凝固又は単結晶の)を先端キャップ36”内に形成することができる。
先端キャップ36”が形成されると、上記した自由形状レーザ製作プロセスを使用して先端キャップ36”の上に先端壁34”が形成される(図15参照)。自由形状レーザ製作プロセスが終了すると、先端キャップ36”及び先端壁34”は、公知の機械加工、研磨、被覆などの公知のプロセスによってさらに成形することができる。
上記した自由形状レーザ製作方法は、あらゆるタイプの翼形部上に先端構造体を形成するように使用することができる。例えば、本方法は、新たな製品との関連で説明しているが、本方法はまた、最初に既存の先端構造体を切離して、図6に示す翼形部と同様な部分的翼形部を得ることによって既存の翼形部を高機能化又は補修するために使用することもできる。
上記した方法は、中子シフトを減少させるか又は排除することによってタービン翼形部鋳造収率を大幅に改善することになる。この方法の付加的な利点は、様々な部位において部品壁厚さを正確に制御し、それによって下流側の冷却孔穿孔作業におけるスカーフィング(過剰穿孔)損失を低減することができることである。本方法を使用することにより、ブレードは、要求強度を得るためにのみに必要な壁厚さを有しかつ鋳造変動を考慮していない状態で、設計しかつ鋳造することができる。これにより、部品重量を減少させ、その結果としてエンジンの全体重量を低下させかつエンジンの作動時における燃料消費率を向上させることを可能にすることができる。さらに、先端構造体を製造する自由形状法は、複雑かつ費用のかかるツール類を排除することによって製造コストを低下させることになる。
上記の説明は、ガスタービンエンジン翼形部及び先端構造体を製造する方法について説明している。本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明の技術思想及び技術的範囲から逸脱せずにそれら実施形態に対して様々な変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。従って、本発明の好ましい実施形態及び本発明を実施するための最良の形態についての上記の説明は、例示の目的のためのみに行なったものであって、限定を目的とするものではない。
10 タービンブレード
12 ダブテール
14 ブレードシャンク部
16 プラットフォーム
18 中空翼形部
19 外壁
20 凹面形の正圧側面外壁
22 凸面形の負圧側面外壁
24 前縁
26 後縁
28 孔
30 根元
32 先端
34 周辺先端壁
36 先端キャップ
38 中子
40 中子
41 ブリッジ
42 外側シェル
43 本体
44 ワックス
45 水平部材
46 タイロッド
48 ツール類
50 先端プレート
52 レーザ
54 密閉ビーム送給導管
56 光学装置
58 部品位置決めシステム
60 視覚システム
62 粉末供給システム
64 粉末チューブ
66 コンピュータ化システム制御装置
68 過剰粉末

Claims (14)

  1. タービン翼形部先端構造体の製造方法であって、
    (a)中空内部を画成する外壁を有しかつその先端が中空内部に開口したタービン翼形部(18)を準備するステップと、
    (b)翼形部(18)の内部に金属粉末を充填するステップと、
    (c)レーザエネルギーを使用しかつ粉末の露出層を焼結して、外壁に金属接合した先端キャップを形成するステップと
    を含む方法。
  2. 前記翼形部(18)が方向性凝固又は単結晶ミクロ組織を有し、前記先端壁が翼形部(18)と実質的に同じミクロ組織を有する、請求項1記載の方法。
  3. タービン翼形部(18)の製造方法であって、
    (a)(i)中子(40)と、(ii)中子(40)を囲んだ外側シェル(42)とを有し、中子(40)及び外側シェル(42)が協働して、外壁、根元及び先端を有する中空翼形部(18)の形状内に空洞を画成し、(iii)中子(40)の少なくとも先端部分が、翼形部(18)の先端を画成する空洞の一部分を完全に貫通して延在する鋳型を準備するステップと、
    (b)中子(40)の先端部分を拘束して、該中子(40)及び外側シェル(42)間の相対的移動を防止するステップと、
    (c)空洞内に溶融金属合金を導入しかつ中子(40)を囲むステップと、
    (d)合金を凝固させて、開口先端及び中空内部を画成する少なくとも1つの外壁を有する翼形部(18)を形成するステップと、
    (e)鋳型及び中子(40)を取外して、翼形部(18)を露出させるステップと、
    (f)開口先端を実質的に閉鎖した金属先端キャップを外壁に形成するステップと
    を含む方法。
  4. 前記ステップ(f)が、(a)外壁と先端で接する金属先端プレートを配置するステップと、(b)レーザエネルギーを使用し、先端プレートを加熱しかつ外壁に対して該先端プレートを融着させるステップとによって実施される、請求項3記載の方法。
  5. 前記ステップ(f)が、(a)翼形部(18)の内部に金属粉末を充填するステップと、(b)レーザエネルギーを使用しかつ粉末の露出層を焼結して、外壁に金属接合した先端キャップを形成するステップとによって実施される、請求項3記載の方法。
  6. 前記ステップ(f)が、(a)外壁と先端で接する約0.3mm以下の厚さを有する金属シム(50’)を配置するステップと、(b)レーザエネルギーを使用し、シム(50’)を加熱しかつ外壁に対して該シムを融着させるステップと、(c)レーザエネルギーを使用して溶解させた溶融金属粉末をシム(50’)上に被着させるステップ(c)と、(e)溶融粉末を凝固させて、シム(50’)と協働して先端キャップを形成するステップとによって実施される、請求項3記載の方法。
  7. 前記翼形部(18)が方向性凝固又は単結晶ミクロ組織を有し、前記先端キャップが翼形部(18)と実質的に同じミクロ組織を有する、請求項3記載の方法。
  8. 中空内部を画成する外壁を含みかつその先端が先端キャップで閉鎖されたタービン翼形部(18)を補修する方法であって、
    (a)翼形部(18)から先端キャップを取外すステップと、
    (b)翼形部(18)の内部に金属粉末を充填するステップと、
    (c)レーザエネルギーを使用しかつ粉末の露出層を焼結して、外壁に金属接合した新たな先端キャップを形成するステップと
    を含む方法。
  9. 前記翼形部(18)が方向性凝固又は単結晶ミクロ組織を有し、前記新たな先端キャップが翼形部(18)と実質的に同じミクロ組織を有する、請求項8記載の方法。
  10. 中空内部を画成する外壁を含みかつその先端が先端キャップで閉鎖されたタービン翼形部(18)を補修する方法であって、
    (a)翼形部(18)から先端キャップを取外すステップと、
    (b)外壁と先端で接する金属プレート状部材(50)を配置するステップと、
    (c)レーザエネルギーを使用し、金属プレート状部材(50)を加熱しかつ外壁に対して該金属プレート状部材(50)を融着させて、先端キャップを形成するステップと、
    (d)先端キャップに対して半径方向外向きに延在する金属先端壁を取付けるステップと
    を含む方法。
  11. プレート状部材(50)が、約0.3mm以下の厚さを有する金属シム(50’)である、請求項10記載の方法。
  12. ステップ(c)の後に、レーザエネルギーを使用して溶解させた溶融金属粉末をシム(50’)上に被着させるステップをさらに含む、請求項11記載の方法。
  13. 先端壁が、(a)レーザエネルギーを使用して溶解させた溶融金属粉末を先端キャップ上に被着させるステップと、(b)溶融粉末を凝固させるステップとによって取付けられる、請求項10記載の方法。
  14. (a)レーザエネルギーを使用して溶解させた溶融金属粉末を新たな先端キャップ上に被着させるステップと、(b)溶融粉末を凝固させるステップとによって、先端キャップに対して半径方向外向きに延在する先端壁を取付けるステップをさらに含む、請求項1、請求項4、請求項8又は請求項10のいずれか1項記載の方法。
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