JP2011182536A - 直流地絡検出継電器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直流地絡検出継電器10は、地絡事故が発生したときに直流電路の主回線に交流電圧を印加するための交流電圧供給手段として地絡電源11、カップリングコンデンサ12、N極選択スイッチ13N、P極選択スイッチ13P、第1および第2の抵抗141,142、第1乃至第3のスイッチ151〜153を具備し、交流電圧を主回線に印加したときに主回線から分岐された複数の分岐回線にそれぞれ流れる交流地絡電流に含まれている対地静電容量電流を除去するための対地静電容量電流除去手段として交流電源41、可変コイル42および除去用スイッチ43を具備し、対地静電容量電流除去手段によって対地静電容量電流が除去された交流地絡電流に基づいて地絡回線を特定するための地絡回線特定手段として入力選択部31、演算部32および表示部33を具備する。
【選択図】図1
Description
このような交流変換方式の直流地絡検出装置106は、直流地絡検出継電器100のメイク接点信号に基づいて動作を開始すると、直流地絡検出継電器100の接点を切り離すとともに、トランジスタによる電子的可変抵抗を所定の周波数の正弦波で制御して交流電圧を発生し主回線1に印加する。また、第1乃至第3の変流器1071〜1073によって検出される交流地絡電流igには地絡電流irおよび対地静電容量電流ic(対地静電容量を流れる電流)の両方が含まれているため、地絡電流irと対地静電容量電流icとの位相差が90°であることを利用した同期整流処理を行って対地静電容量電流icを除去して地絡電流irのみを抽出している(たとえば、テンパール工業株式会社製の直流電路地絡電流携帯変換器(DSR−D)および直流電路地絡点携帯検出器(DSP−D)参照)。
また、下記の特許文献2には、地絡電流検出用として、フィーダ毎に設置された直流地絡検出継電器が不動作となる微地絡が各フィーダに発生し、その地絡電流の合成分が母線用直流地絡検出継電器の検出すべき地絡電流値以上である場合、簡素な回路構成により各フィーダの直流地絡検出継電器を動作させるために、直流地絡検出継電器をフィーダ毎に備えた直流回路において、地絡電流を検出する直流地絡検出回路と、地絡事故を判定する判定回路と、この判定回路の動作時に大地に予め設定された大きさの地絡電流を流す地絡電流増幅回路とを備えた直流地絡検出装置が開示されている。
また、上述した交流変換方式の直流地絡検出装置を用いて地絡回線を特定する方法では、直流地絡検出継電器と直流地絡検出装置とが別々に構成されているが、作業性およびコストの観点からは両者を一体化したいという要請がある。
ここで、前記交流電圧供給手段が、交流電源である地絡電源(11)と、入力端が前記地絡電源の一端にカップリングコンデンサ(12)を介してそれぞれ接続されたN極選択スイッチ(13N)およびP極選択スイッチ(13P)と、一端が前記N極選択スイッチの出力端に接続された第1の抵抗(141)と、一端が前記P極選択スイッチの出力端に接続された第2の抵抗(142)と、前記直流地絡検出継電器のメイク接点信号によって連動して開閉制御される第1乃至第3のスイッチ(151〜153)とを備え、前記地絡電源の他端が前記第1のスイッチを介してアースされており、前記第2のスイッチの一端が前記第1の抵抗の他端に接続されているとともに、該第2のスイッチの他端がアースされており、前記第3のスイッチの一端が前記第2の抵抗の他端に接続されているとともに、該第3のスイッチの他端がアースされており、前記N極選択スイッチの出力端が前記主回線のN極側に接続されており、前記P極選択スイッチの出力端が前記主回線のP極側に接続されていてもよい。
前記直流電路のN極側に地絡事故が発生した場合に前記N極選択スイッチが閉じられ、前記直流電路のP極側に地絡事故が発生した場合に前記P極選択スイッチが閉じられてもよい。
前記直流電路に地絡事故が発生した場合に、前記第1のスイッチが閉じられ、前記第2および第3のスイッチが開かれてもよい。
前記対地静電容量電流除去手段が、前記複数の分岐回線にそれぞれ設置された複数の変流器(51〜53)の1次側で前記対地静電容量電流を除去してもよい。
前記対地静電容量電流除去手段が、交流電源(41)と、該交流電源と前記複数の変流器(51〜53)との間に設けられた可変コイル(42)と、前記直流電路に地絡事故が発生した場合に閉じられる除去用スイッチ(43)とを備えてもよい。
前記交流電源が、前記地絡電源と同期して交流電圧を出力してもよい。
前記複数の変流器に、交流電圧を前記交流電源から前記可変コイルを介して印加するための複数の除去用巻線(71〜73)がそれぞれ設けられており、該複数の除去用巻線が直列に接続されていてもよい。
前記複数の変流器に、交流電圧を前記交流電源から前記可変コイルを介して印加するための直列貫通線が貫通されていてもよい。
前記地絡回線特定手段が、前記可変コイルのリアクタンス値(L)を変えたときの前記複数の変流器から入力される前記交流地絡電流の最小電流値を求め、前記複数の分岐回線のうち該求められた交流地絡電流の最小電流値が“0”以外の値である分岐回線を地絡回線として特定するための演算部(32)を備えてもよい。
前記対地静電容量電流除去手段が、前記複数の分岐回線にそれぞれ設置された複数の変流器から入力される前記交流地絡電流に対して地絡電流(ir)および対地静電容量電流(ic1〜ic3)の位相差が90°であることを利用した同期整流処理を行って該対地静電容量電流を除去して該地絡電流のみを抽出する同期整流回路(51)を備えてもよい。
前記地絡回線特定手段が、前記同期整流回路によって抽出された前記地絡電流の電流値を求め、前記複数の分岐回線のうち該求められた地絡電流の電流値が“0”以外の値である分岐回線を地絡回線として特定するための演算部(32)を備えてもよい。
前記地絡回線特定手段が、前記演算部によって求められた前記交流地絡電流の最小電流値または前記地絡電流の電流値を表示するための表示部(33)をさらに備えてもよい。
(1)交流電圧供給手段、対地静電容量電流除去手段および地絡回線特定手段を直流地絡検出継電器に備えているので、直流電路に地絡事故が発生したときに直流地絡検出継電器において地絡回線を特定することができる。
(2)交流電圧供給手段として地絡電源を備えているので、従来の直流地絡検出装置のように電子的可変抵抗を制御して交流電圧を発生する必要がない。
(3)対地静電容量電流除去手段を可変コイルを用いて構成することにより、可変コイルのリアクタンス値を変えていけば対地静電容量電流を除去することができるので、従来の直流地絡検出装置のように同期整流処理を行って対地静電容量電流を除去する必要がなくなる。
(4)直流地絡検出継電器と直流地絡検出装置とを一体化することができるので、作業性を向上させることができるとともにコストを低減することができる。
本発明の第1の実施例による直流地絡検出継電器10は、従来の直流地絡検出継電器としての機能する手段のほかに、地絡事故が発生したときに直流電路の主回線1(図2参照)に交流電圧を印加するための交流電圧供給手段と、交流電圧を主回線1に印加したときに、主回線1から分岐された複数の分岐回線(図2の第1乃至第3の分岐回線21〜23参照)にそれぞれ流れる交流地絡電流igに含まれている対地静電容量電流icを除去するための対地静電容量電流除去手段と、対地静電容量電流除去手段によって対地静電容量電流icが除去された交流地絡電流igに基づいて地絡回線を特定するための地絡回線特定手段とを備えることを特徴とする。
P極選択スイッチ13Pの出力端は、主回線1のP極側に接続されているとともに(図2参照)、第2の抵抗142の一端に接続されている。
第1の抵抗141の他端は第2のスイッチ152の一端に接続されており、第2の抵抗142の他端は第3のスイッチ153の一端に接続されている。
第2のスイッチ152の他端および第3のスイッチ153の他端はアースされている。
入力選択部31は、図2に示すように、主回線1から分岐された第1乃至第3の分岐回線21〜23にそれぞれ設置された第1乃至第3の変流器51〜53の第1乃至第3の巻線61〜63から入力される第1乃至第3の交流地絡電流ig1〜ig3を直流地絡検出継電器10に設けられた選択スイッチ(不図示)を用いて選択できるようにされている。
演算部32は、入力選択部31から入力される第1乃至第3の交流地絡電流ig1〜ig3の電流値を演算により求め、求めた第1乃至第3の交流地絡電流ig1〜ig3の電流値を表示部33に表示させる。
ここで、ic除去部40は交流電源41、可変コイル42および除去用スイッチ43を備えており、交流電源41は地絡電源11と同期して交流電圧を出力する。
可変コイル42は、直流地絡検出継電器10に設けられたリアクタンス変更用つまみ(不図示)を用いてリアクタンス値Lが変えられるようにされている。
図2に示すように第2の分岐回線22のN極側で地絡事故がすると、直流地絡検出継電器10の地絡極判定部21によって、N極地絡表示ランプ22Nが点灯されるとともに、N極選択スイッチ13Nが閉じられる。また、直流地絡検出継電器10のメイク接点信号によって、第1のスイッチ151が閉じられ、第2および第3のスイッチ152,153が開かれるとともに、ic除去部40の除去用スイッチ43が閉じられる。
このとき、第2および第3のスイッチ152,153が開かれることにより、直流地絡検出継電器10のアース線が切り離される。
作業員は、直流地絡検出継電器10に設けられた選択用スイッチを用いて、第1の交流地絡電流ig1を選択する。
選択された第1の交流地絡電流ig1は、演算部32に出力されて、その電流値が求められたのちに表示部33に表示される。
作業員は、直流地絡検出継電器10に設けられたリアクタンス変更用つまみを回して可変コイル42のリアクタンス値Lを変えながら、表示部33に表示される第1の交流地絡電流ig1の最小電流値を求めて記録する。
選択された第2の交流地絡電流ig2は、演算部32に出力されて、その電流値が求められたのちに表示部33に表示される。
作業員は、リアクタンス変更用つまみを回して可変コイル42のリアクタンス値Lを変えながら、表示部33に表示される第2の交流地絡電流ig2の最小電流値を求めて記録する。
選択された第3の交流地絡電流ig3は、演算部32に出力されて、その電流値が求められたのちに表示部33に表示される。
作業員は、リアクタンス変更用つまみを回して可変コイル42のリアクタンス値Lを変えながら、表示部33に表示される第3の交流地絡電流ig3の最小電流値を求めて記録する。
図4に示すように第2の分岐回線22のP極側で地絡事故がすると、地絡極判定部21によって、P極地絡表示ランプ22Pが点灯されるとともに、P極選択スイッチ13Pが閉じられる。また、直流地絡検出継電器10のメイク接点信号によって、第1のスイッチ151が閉じられ、第2および第3のスイッチ152,153が開かれるとともに、ic除去部40の除去用スイッチ43が閉じられる。
このとき、第2および第3のスイッチ152,153が開かれることにより、直流地絡検出継電器10のアース線が切り離される。
本実施例による直流地絡検出継電器50は、図5に示すように、地絡回線特定手段としてic除去部40の代わりに同期整流部51を具備する点で、図1に示した第1の実施例による直流地絡検出継電器10と異なる。
なお、図示していないが、同期整流回路51には、同期整流処理を行うために、交流電圧が地絡電源16から入力される。
(1)電源プラグから入力されるAC100Vの交流電圧をトランスによって所定の電圧値の交流電圧に変換したのちに、カップリングコンデンサによって直流分を取り除いて、交流電圧を出力する電源。
(2)蓄電池から出力される直流電圧をインバータ回路で交流電圧に変換したのちに、カップリングコンデンサ45によって直流分を取り除いて、交流電圧を出力する電源。
21〜23 第1乃至第3の分岐回線
3 直流電源
51〜53 第1乃至第3の変流器
61〜63 第1乃至第3の巻線
71〜73 第1乃至第3の除去用巻線
10,50 直流地絡検出継電器
11 地絡電源
12 カップリングコンデンサ
13N N極選択スイッチ
13P P極選択スイッチ
141,142 第1および第2の抵抗
151〜153 第1乃至第3のスイッチ
21 地絡極判定部
22N N極地絡表示ランプ
22P P極地絡表示ランプ
31 入力選択部
32 演算部
33 表示部
41 交流電源
42 可変コイル
43 除去用スイッチ
51 同期整流部
ig1〜ig3 第1乃至第3の交流地絡電流
ir 地絡電流
ic1〜ic3 第1乃至第3の対地静電容量電流
Claims (13)
- 地絡事故が発生したときに直流電路の主回線(1)に交流電圧を印加するための交流電圧供給手段と、
前記交流電圧を前記主回線に印加したときに、該主回線から分岐された複数の分岐回線(21〜23)にそれぞれ流れる交流地絡電流(ig1〜ig3)に含まれている対地静電容量電流(ic1〜ic3)を除去するための対地静電容量電流除去手段と、
該対地静電容量電流除去手段によって前記対地静電容量電流が除去された前記交流地絡電流に基づいて地絡回線を特定するための地絡回線特定手段と、
を具備することを特徴とする、直流地絡検出継電器。 - 前記交流電圧供給手段が、
交流電源である地絡電源(11)と、
入力端が前記地絡電源の一端にカップリングコンデンサ(12)を介してそれぞれ接続されたN極選択スイッチ(13N)およびP極選択スイッチ(13P)と、
一端が前記N極選択スイッチの出力端に接続された第1の抵抗(141)と、
一端が前記P極選択スイッチの出力端に接続された第2の抵抗(142)と、
前記直流地絡検出継電器のメイク接点信号によって連動して開閉制御される第1乃至第3のスイッチ(151〜153)とを備え、
前記地絡電源の他端が前記第1のスイッチを介してアースされており、
前記第2のスイッチの一端が前記第1の抵抗の他端に接続されているとともに、該第2のスイッチの他端がアースされており、
前記第3のスイッチの一端が前記第2の抵抗の他端に接続されているとともに、該第3のスイッチの他端がアースされており、
前記N極選択スイッチの出力端が前記主回線のN極側に接続されており、
前記P極選択スイッチの出力端が前記主回線のP極側に接続されている、
ことを特徴とする、請求項1記載の直流地絡検出継電器。 - 前記直流電路のN極側に地絡事故が発生した場合に前記N極選択スイッチが閉じられ、前記直流電路のP極側に地絡事故が発生した場合に前記P極選択スイッチが閉じられることを特徴とする、請求項2記載の直流地絡検出継電器。
- 前記直流電路に地絡事故が発生した場合に、前記第1のスイッチが閉じられ、前記第2および第3のスイッチが開かれることを特徴とする、請求項2または3記載の直流地絡検出継電器。
- 前記対地静電容量電流除去手段が、前記複数の分岐回線にそれぞれ設置された複数の変流器(51〜53)の1次側で前記対地静電容量電流を除去することを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の直流地絡検出継電器。
- 前記対地静電容量電流除去手段が、
交流電源(41)と、
該交流電源と前記複数の変流器(51〜53)との間に設けられた可変コイル(42)と、
前記直流電路に地絡事故が発生した場合に閉じられる除去用スイッチ(43)と、
を備えることを特徴とする、請求項5記載の直流地絡検出継電器。 - 前記交流電源が、前記地絡電源と同期して交流電圧を出力することを特徴とする、請求項6記載の直流地絡検出継電器。
- 前記複数の変流器に、交流電圧を前記交流電源から前記可変コイルを介して印加するための複数の除去用巻線(71〜73)がそれぞれ設けられており、
該複数の除去用巻線が直列に接続されている、
ことを特徴とする、請求項6または7記載の直流地絡検出継電器。 - 前記複数の変流器に、交流電圧を前記交流電源から前記可変コイルを介して印加するための直列貫通線が貫通されていることを特徴とする、請求項6または7記載の直流地絡検出継電器。
- 前記地絡回線特定手段が、前記可変コイルのリアクタンス値(L)を変えたときの前記複数の変流器から入力される前記交流地絡電流の最小電流値を求め、前記複数の分岐回線のうち該求められた交流地絡電流の最小電流値が“0”以外の値である分岐回線を地絡回線として特定するための演算部(32)を備えることを特徴とする、請求項6乃至9いずれかに記載の直流地絡検出継電器。
- 前記対地静電容量電流除去手段が、前記複数の分岐回線にそれぞれ設置された複数の変流器から入力される前記交流地絡電流に対して地絡電流(ir)および対地静電容量電流(ic1〜ic3)の位相差が90°であることを利用した同期整流処理を行って該対地静電容量電流を除去して該地絡電流のみを抽出する同期整流回路(51)を備えることを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の直流地絡検出継電器。
- 前記地絡回線特定手段が、前記同期整流回路によって抽出された前記地絡電流の電流値を求め、前記複数の分岐回線のうち該求められた地絡電流の電流値が“0”以外の値である分岐回線を地絡回線として特定するための演算部(32)を備えることを特徴とする、請求項11記載の直流地絡検出継電器。
- 前記地絡回線特定手段が、前記演算部によって求められた前記交流地絡電流の最小電流値または前記地絡電流の電流値を表示するための表示部(33)をさらに備えることを特徴とする、請求項10または12記載の直流地絡検出継電器。
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