JP2011176969A - 電磁ポンプシステムおよび補償電源装置 - Google Patents

電磁ポンプシステムおよび補償電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011176969A
JP2011176969A JP2010040062A JP2010040062A JP2011176969A JP 2011176969 A JP2011176969 A JP 2011176969A JP 2010040062 A JP2010040062 A JP 2010040062A JP 2010040062 A JP2010040062 A JP 2010040062A JP 2011176969 A JP2011176969 A JP 2011176969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
shaft
electromagnetic pump
rotor coil
exciter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010040062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5275274B2 (ja
Inventor
Yasuko Chikamatsu
泰子 親松
Toshie Aizawa
利枝 相澤
Kenji Katsuki
健治 香月
Jun Ito
潤 伊藤
Fusao Saito
房男 斎藤
Hiroyuki Ota
裕之 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2010040062A priority Critical patent/JP5275274B2/ja
Publication of JP2011176969A publication Critical patent/JP2011176969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5275274B2 publication Critical patent/JP5275274B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

【課題】電磁ポンプシステムの補償電源装置として、外部からの制御なしに要求電気出力特性を得る。
【解決手段】電磁ポンプシステムは、外部交流電源15に接続される電磁ポンプ10と、外部交流電源15および電磁ポンプ10に接続される補償電源装置11とを備える。補償電源装置11は、シャフトに固定された励磁機回転子コイル18と、励磁機回転子コイル18に対向配置されて永久磁石23を用いた励磁機固定子22と、シャフトに固定されて励磁機回転子コイル18に発生した交流電流を直流に整流する回転整流器19と、シャフトに固定されて回転整流器19からの直流電流が供給される同期機回転子コイル20と、同期機回転子コイル20に対向配置されて外部交流電源15および電磁ポンプ10に接続される同期機固定子コイル26と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子炉システムなどに好適な電磁ポンプシステムと、電磁ポンプシステムなどに好適な補償電源装置に関する。
導電性を有する金属ナトリウムなどを冷却材とする高速増殖炉などの原子炉システムにおいて、冷却材を循環させるために、たとえば機械式ナトリウムポンプが従来から使用されている。この機械式ナトリウムポンプの駆動源としては、他の汎用ポンプと同様に誘導電動機が採用されており、その運転制御方法は確立されている。
運転中の原子炉において異常が発生した場合、制御棒が原子炉炉心に急速に挿入される原子炉スクラムが発生するため、炉心出入口での冷却材に過渡的な温度差が生じ、炉心周辺の構造材に大きな衝撃を与える場合がある。また、スクラム後に炉心のナトリウム温度が高くなりすぎると、燃料被覆管が破損し、放射線が炉外に漏洩する場合がある。
このような熱過渡現象を緩和して構造材および燃料の健全性を維持するために、循環ポンプは、冷却材の流れが急激に停止することなく徐々に減速していくようにする機能、つまりフローコーストダウン特性を持たせることが望ましい。循環ポンプに機械式ポンプを適用した場合、機械式ポンプでは、誘導電動機の回転子が保持する慣性力やその回転軸に一体的に取り付けたフライホイールなどの慣性力によって、電源遮断後もポンプインペラをしばらくの間、回転させることにより、フローコーストダウン特性を得ている。
一方、従来の機械式ナトリウムポンプに代えて、最近は電磁ポンプが採用されることが多くなってきた。この電磁ポンプは、液体金属ナトリウムが電気の良導体であることを利用し、電流が流れる導体を磁界中に置くと、この磁界強度に比例してその直角方向に力を受けるという原理に基づき、金属ナトリウム冷却材を移送するものである。
この電磁ポンプは従来の機械式ナトリウムポンプと比較して、冷却材流量を容易に加減できることや、完全に密封とすることができること、および小型であるため設置場所についての制約を受けないこと、さらに可動部分がなく保守補修が容易であること、また高い吐出圧力を得ることができることなどの優れた特長を有している。
従来、比較的小容量の電磁ポンプにおいては、電磁ポンプに変圧器を直結して一定流量運転を行なうか、あるいは、電磁ポンプに誘導電圧調整器のような可変変圧器機能をもつ電気機器を直結して電圧制御によって流量制御を行なっている。
また、特許文献1に開示されているように、電磁ポンプにインバータを直結して、電圧を一定にし、周波数のみを変化させて流量制御をすることが知られている。さらに、特許文献2にあるように、可変変圧器とインバータの電源により、電圧と周波数を共に可変として流量制御を行なうことも知られている。
実開昭60−84159号公報 実開昭60−84160号公報
電磁ポンプは回転部分を有していないため、原子炉スクラム時などで駆動電源が遮断された場合には、従来の機械式ポンプと異なり運動エネルギーを保存することは不可能であり、このため冷却材の流量が急激に減少するという特性がある。
したがって、原子炉に電磁ポンプを採用した場合に、異常発生時における熱過渡に支障なく対応するためには、炉心構造材の設計基準に大幅に余裕をもたせる必要があり、このため過大な設計基準を採用するという課題があった。また上記熱過渡を緩和するフローコーストダウン特性を付与させるためには、なんらかのエネルギー蓄積手段を装備する必要性があり、経済的で効果的な手段の開発が要望されていた。
前記従来の技術においては、フローコーストダウン時の高速増殖炉の主循環ポンプに適用する電磁ポンプに要求される減衰出力特性を得るために補償電源装置に制御回路を使用している。しかし、制御回路は安全機能を確保するための冗長化(多様化・多重化)が困難であり、必要な信頼性確保に課題があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、外部からの制御なしに要求電気出力特性を得ることができる高信頼性の補償電源装置、および、かかる補償電源装置を利用した電磁ポンプシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る補償電源装置は、軸受と、前記軸受によって回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに固定された励磁機回転子コイルと、前記励磁機回転子コイルに対向して静止配置された、永久磁石を用いた励磁機固定子と、前記シャフトに固定されて、前記励磁機回転子コイルに発生した交流電流を直流に整流する回転整流器と、前記シャフトに固定されて、前記回転整流器からの直流電流が供給される同期機回転子コイルと、前記同期機回転子コイルに対向して静止配置されて外部交流電源および外部交流受電機器に並列に接続される同期機固定子コイルと、を有する。
また、本発明に係る電磁ポンプシステムは、外部交流電源に接続される電磁ポンプと、前記外部交流電源および前記電磁ポンプに並列に接続される補償電源装置とを備えた電磁ポンプシステムであって、前記補償電源装置は、軸受によって回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに固定された励磁機回転子コイルと、前記励磁機回転子コイルに対向して静止配置された、永久磁石を用いた励磁機固定子と、前記シャフトに固定されて、前記励磁機回転子コイルに発生した交流電流を直流に整流する回転整流器と、前記シャフトに固定されて、前記回転整流器からの直流電流が供給される同期機回転子コイルと、前記同期機回転子コイルに対向して静止配置されて前記外部交流電源および電磁ポンプに並列に接続される同期機固定子コイルと、を有すること、を特徴とする。
本発明によれば、外部からの制御なしに要求電気出力特性を得ることができる高信頼性の補償電源装置、および、かかる補償電源装置を利用した電磁ポンプシステムを提供することができる。
本発明に係る電磁ポンプシステムの第1の実施形態の電気的構成を示す模式図である。 図1の電磁ポンプシステムにおける補償電源装置の機械的構造を示す模式的縦断面図である。 図1の電磁ポンプシステムにおける電磁ポンプのフローコーストダウン時の流量と電圧の時間変化を相対値で示すグラフである。 本発明に係る電磁ポンプシステムの第2の実施形態の構成を示す模式図である。
[第1の実施形態]
本発明に係る電磁ポンプシステムの第1の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。図1は第1の実施形態の電磁ポンプシステムの電気的構成を示す模式図である。図2は図1の電磁ポンプシステムにおける補償電源装置の機械的構造を示す模式的縦断面図である。
この電磁ポンプシステムは、たとえば、金属ナトリウムなどの導電性冷却材を用いた高速増殖炉などの原子炉システムにおいて、冷却材を循環させるためのものである。電磁ポンプシステムは、電磁ポンプ10と、補償電源装置11と、遮断器12と、インバータ13を含む。電磁ポンプ10は界磁巻線14を有し、この界磁巻線14は、遮断器12およびインバータ13を介して外部三相交流電源15に接続されている。
インバータ13は、外部三相交流電源15の周波数を変換するためのものであって、交流・直流変換部と直流交流・変換部とを備えている。
補償電源装置11は、軸受(後述)と、この軸受によって回転可能に支持されたシャフト17とを有する。このシャフト17に、励磁機回転子コイル18と、回転整流器19と、同期機回転子コイル20とフライホイール21が取り付けられて、これらが一体で回転するように構成されている。
励磁機回転子コイル18に対して非接触で対向する静止側に励磁機固定子22が配置されている。励磁機固定子22は、永久磁石23と励磁機固定子コイル24を有する。励磁機固定子コイル24は、第1の制御電源25を介して外部三相交流電源15に接続されている。励磁機回転子コイル18と励磁機固定子22などにより、励磁機が構成されている。
同期機回転子コイル20に対して非接触で対向する静止側に同期機固定子コイル(電気子コイル)26が配置されている。同期機固定子コイル26は、電磁ポンプ10の界磁巻線14と遮断器12とを接続する配線から分岐して接続されている。同期機回転子コイル20および同期機固定子コイル26などにより同期機が構成されている。
図示の例では、シャフト17は、二つのラジアル軸受27と一つのスラスト軸受28によって水平に支持されている。ラジアル軸受27とスラスト軸受28はいずれも磁気軸受構造になっている。
ラジアル軸受27としては、シャフト17側にラジアル軸受永久磁石29が取り付けられ、このラジアル軸受永久磁石29の半径方向外側で非接触で対向する位置の静止側にラジアル軸受巻線30が配置されている。ラジアル軸受巻線30には図示しない電力が供給されて磁力が発生し、ラジアル軸受永久磁石29との間の相互作用によってシャフト17が浮上した状態で支持されている。
スラスト軸受28としては、シャフト17側に、半径方向および周方向に延びる鍔状のスラスト軸受ガイド31が取り付けられ、このスラスト軸受ガイド31を軸方向の両側から非接触ではさむようにスラスト軸受巻線32が静止配置されている。スラスト軸受巻線32には図示しない電力が供給されて磁力が発生し、スラスト軸受ガイド31との間の相互作用によってシャフト17の軸方向移動が抑制されるようになっている。
つぎに、第1の実施形態の作用を説明する。
通常運転時には、外部三相交流電源15から、インバータ13および遮断器12を介して三相交流電流が電磁ポンプ10の界磁巻線14に供給され、電磁ポンプ10によって、液体金属などの導電性流体(図示せず)が駆動される。
また、外部三相交流電源15からインバータ13および遮断器12を介して三相交流電流が同期機固定子コイル26に供給され、さらに、外部三相交流電源15から第1の制御電源25を介して励磁機固定子コイル24に三相交流電流が供給される。
励磁機固定子コイル24に交流電流が供給されることによって回転磁界が形成され、励磁機回転子コイル18に誘導電圧が励起される。励磁機回転子コイル18で励起された電圧は回転整流器19によって直流に変換され、同期機回転子コイル20で磁束を形成する。
一方、同期機固定子コイル26には外部三相交流電源15から供給された電流により磁束が形成される。同期機固定子コイル26と同期機回転子コイル20の磁束の磁性の反発力または吸引力によって回転力が生じ、シャフト17が回転を始める。
始動後、シャフト17の回転速度が第1の所定回転速度にまで上昇した後に、励磁機固定子コイル24への給電を停止し、励磁機固定子22の永久磁石23で形成される磁束と、励磁機回転子コイル18の回転によって励磁機に誘導電圧を誘起し、同期機回転子コイル20で磁束を形成して、同期機のトルクを発生させてシャフト17の回転速度を上昇させる。回転速度の上昇に伴い、永久磁石23によって励磁電力が生じるようになるため、シャフト17の回転速度が第2の所定回転速度まで上昇した後は励磁を停止する。
通常運転時には、シャフト17は所定の一定回転速度を維持している。
ここで、外部三相交流電源15が何らかの故障または事故によって瞬時に停止した場合を想定する。この場合、外部三相交流電源15から電磁ポンプの界磁巻線14および同期機固定子コイル26への電力供給は停止する。しかし、補償電源装置11のフライホイール6の慣性モーメントにより、シャフト17の回転は瞬時には停止せず、徐々に減速しながらしばらくの間はある程度の回転が継続する。
このとき、励磁機固定子22の永久磁石23は外部三相交流電源15がなくても磁束を発生するので、励磁機回転子コイル18に誘起電圧が誘起される。励磁機電流は、回転整流器19によって直流に変換され、同期機回転子コイル20に励磁電圧が誘起される。同期機回転子コイル20は回転しているので、同期機固定子コイル26に誘起電圧が生じ、同期機固定子コイル26から電磁ポンプ10の界磁巻線14に電力を供給することができる。すなわち、この実施形態では、通常運転時にフライホイール21を回転させることによって運動エネルギーを蓄えておき、電源喪失事故時に、運動エネルギーを電気エネルギーに変換してこの電気エネルギーを電磁ポンプ10に供給することによって、電磁ポンプ10の瞬時停止を避け、電磁ポンプ10がある程度駆動されながら時間をかけて徐々に停止するような運転することができる。
原子炉の冷却材を駆動するための電磁ポンプにあっては、安全上の要求として、外部電源が喪失した場合に、図3の点線40に示すように、指数関数的に流量が減少することが求められている。このような流量の減少過程はフローコーストダウンと呼ばれる。図3の点線40に示すフローコーストダウンを電磁ポンプ10によって実現するためには、電磁ポンプ10の界磁巻線14に、図3の実線41に示す電磁ポンプ電圧の変化が必要である。しかも安全上の要求として、外部電源喪失に、特別の制御回路を用いずに、図3の特性を実現することが求められている。
この実施形態では、このような安全上の要求を満足することができる。その理由をつぎに説明する。
上記フローコーストダウン特性を得るために、電磁ポンプ10の界磁巻線14の入力電力は指数関数的に減少させる必要がある。この入力電力を得るためには電磁ポンプ10の電圧は周波数のほぼ2乗に比例した値であることが必要である。
外部三相交流電源15喪失後、補償電源装置11の回転エネルギーは電磁ポンプ10に電気エネルギーを供給することにより減少する。
励磁機の誘起電圧は回転数に比例するので、その電圧によって流れる励磁機回転子コイル18の電流すなわち励磁機の電機子電流Ifは、励磁機回転子の回転数(シャフト17の回転速度)nの減少にほぼ1次で比例して減少していくことになる。
If=a×n (aは比例定数) ・・・(1)式
そしてこの励磁電流Ifが同期機励磁電流となり、同期機磁束Bfは励磁電流Ifに1次比例する。
Bf=b×If (bは比例定数) ・・・(2)式
その結果、同期機磁束密度Bfは回転数nに1次比例して減少することになる。
Bf=b’×n (b’は比例定数) ・・・(3)式
一方、同期機の誘導電圧Vgは、同期機磁束φの時間変化に比例する。
Vg=c×dφ/dt (cは比例定数) ・・・(4)式
この同期機磁束φの時間変化は同期機磁束密度Bfと回転数nの積に比例する。
dφ/dt=c’×Bf×n (c’は比例定数) ・・・(5)式
(4)式に(5)式を代入すると
Vg=c× c’×Bf×n ・・・(6)式
(6)式に(3)式を代入すると
Vg=c×c’×b’×n×n
=e×n×n (eは比例定数) ・・・(7)式
すなわち、同期機磁束密度Bfの大きさが回転数nに比例して減少し、同時に同期機磁束φの時間変化も回転数nに比例して減少することから、同期機の誘導電圧Vgは回転数の2乗に比例して小さくなることになる。
Vg=e×n
以上より、フライホイール21の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す際、フライホイール21の回転数のほぼ2乗に比例した同期機の電圧が生じることがわかる。電磁ポンプ10の電圧と流量は比例するため、同期機で発電された電圧が電磁ポンプ10に供給されることで電磁ポンプ10の流量は回転数のほぼ2乗に比例して減少することになる。
フライホイール21の重量および大きさを調整することで、フローコーストダウン特性のグラフの傾きと同期機で発電される電圧の傾きを一致させることができる。
本実施形態により、要求される電磁ポンプ10のフローコーストダウン特性に応じた補償電源11の電気出力を、出力調整用の制御回路などを使用しないで得ることができる。よって、制御回路の故障によるプラント停止が起こらないため、原子炉システムの信頼性および経済性を向上させることができる。
また、この実施形態によれば、補償電源装置11を始動させるために、励磁機固定子コイル24を励磁機固定子22の永久磁石23とは別に設置するため、ブラシを使用しない。そのため、メンテナンス性および信頼性を向上させることができる。
また、この実施形態によれば、シャフト17の回転支持に磁気軸受を使用するので、摩擦がほとんど発生せず、従来の機械式軸受で摩擦熱を冷却するために必要とされた大規模な潤滑油系などの補機設備(オイルユニット、ギア装置、ポニーモーターなど)が不要となる。よって、補機設備の不具合による原子力機器停止のリスクを大幅に低減し、信頼性を向上させることができる。また、補機設備のメンテナンスが不要となるため、経済性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
本発明に係る電磁ポンプシステムの第2の実施形態について、図4を参照して説明する。図4は第2の実施形態の電磁ポンプシステムの電気的構成を示す模式図である。ここで、第1の実施形態と同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。この実施形態では、励磁機固定子22の永久磁石23と励磁機回転子コイル18の間の静止側に磁束調整コイル45が設置されている。磁束調整コイル45は、第2の制御電源46を介して外部三相交流電源15に接続されている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
この実施形態で、補償電源装置11の始動後、シャフト17の回転数が上昇して所定の回転数に達した後、外部三相交流電源15から第2の制御電源46を介して磁束調整コイル45に交流電流を通電する。これによって、励磁機固定子22の永久磁石23で形成される磁束と逆向きの磁束を発生させて、合成磁場を小さくすることができる。これによって、運転している同期機の励磁電流を調整することができ、同期機の運転効率を最適化することができる。磁束調整コイル45が何らかの理由で機能喪失した場合においても、励磁機固定子22の永久磁石23によって引き続き運転は可能である。
外部三相交流電源15喪失時においては、磁束調整コイル45に電流が流れなくなり、永久磁石23と逆向きの磁束が消失するため、瞬時に永久磁石23のみからなる大きさの磁束となる。よって、外部三相交流電源15喪失時に励磁機で要求される大きさの電流を流すことができる。
[他の実施形態]
以上説明した実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態では、補償電源装置11は原子炉システムの電磁ポンプ10に利用するものとして例示したが、他の用途の電磁ポンプやその他の種々の交流受電機器の補償電源装置として利用できる。
また、上記実施形態の補償電源装置11は磁気軸受を使用しているが、この磁気軸受の代わりに機械式軸受を使用することも可能である。そのようにすることで、磁気軸受用の制御回路が不要となり、本補償電源装置には制御回路を全く使用しないことになる。そのため、信頼性が向上し、安全系に適用可能な補償電源装置として使用することができる。ただし、機械式軸受を使用するため、メンテナンスは必要となる。
また、補償電源装置において、磁気軸受のみを使用した構成ではなく、外部三相交流電源喪失などによる磁気軸受の機能喪失時に備えて、磁気軸受と機械式軸受の両方を設置する構成とすることもできる。その場合、通常時は磁気軸受を使用するため、制御回路を必要とするが、外部三相交流電源喪失時においては、磁気軸受を使用せず、機械式軸受を使用する。よって、電源が落ちたときに制御回路は使用しないため、安全系への適用が可能であり、信頼性を向上させることができる。
磁気軸受と機械式軸受の両方を設置した場合に、磁気軸受が機能停止した場合、シャフトは浮上することができず、回転しながら機械式軸受で支持される。よって、シャフトと機械式軸受の接触面で摩擦が生じ、回転エネルギーは減少する。磁気軸受がタッチダウンした場合においても要求された出力電圧を確保するため、シャフトと機械式軸受の材料として、接触面は摩擦係数が小さく、強度が十分な材料を使用するのが好ましい。これによって、フローコーストダウンに必要な電気出力を確保することができ、信頼性向上させることができる。
また、上記実施形態の補償電源装置において、シャフト17は水平に延びているものとしたが、シャフト17は水平でなくてもよく、たとえば鉛直に延びていてもよい。その場合は、スラスト軸受に回転体の荷重がかかり、ラジアル軸受には回転体の荷重がかからないので、軸受の設計は上記実施形態とは当然に異なる。
上記実施形態では補償電源装置11を始動するために励磁機固定子コイル24および第1の制御電源25を設けるものとしたが、これらをなくして、スリップリングとブラシ(図示せず)を用いて始動することも可能である。その場合、シャフト17にスリップリングを設け、このスリップリングに、外部三相交流電源15から整流装置(図示せず)を通して交流を直流に変換した電力が供給されたブラシを接触させる。それによって、同期機回転子コイル20に電流を流し、磁束を形成する。以降は第1の実施形態の起動方法と同じである。回転後はスリップリングからブラシを切り離す。
また、スリップリングおよびブラシは使用せず、シャフトにポニーモーターを接続して、補償電源装置を始動させることも可能である。
前記実施形態ではシャフト17にフライホイール21を取り付けて、これを回転することによって大きな回転エネルギーを保持することができるようにした。フライホイール21は回転体全体の回転モーメントを大きくするために用いられるものであるが、シャフト17およびこれと一体に回転する回転体全体の回転モーメントを十分に大きなものとすれば、必ずしも特別のフライホイール21を取り付けなくてもよい。このようにフライホイール21を取り付けない構成にすれば、部品数が減少して構成が簡素化するので好ましい。
なお、同期機回転子コイル20に励磁電流が通電されることによって同期機回転子コイル20の温度が上昇することがあるので、同期機回転子コイル20の回転半径を大きくすることは冷却性能向上にとって好ましく、それと同時に回転モーメントを大きくする効果も得られる。
さらに、シャフト17取り付けられるフライホイール21は1個とは限らず、複数個としてもよい。また、フライホイール21を着脱可能としてフライホイール21の貯蔵回転エネルギーを調整できるようにしてもよい。これによって、補償電源装置11から供給する電源の特性曲線の傾きを変更することができる。フライホイール21の個数を調整することで電源の特性曲線が変更できるため、補償電源装置11を必要とする任意の原子力機器に適用することができ、拡張性が高い。
10 電磁ポンプ
11 補償電源装置
12 遮断器
13 インバータ
14 界磁巻線
15 外部三相交流電源
17 シャフト
18 励磁機回転子コイル
19 回転整流器
20 同期機回転子コイル
21 フライホイール
22 励磁機固定子
23 永久磁石
24 励磁機固定子コイル
25 第1の制御電源
26 同期機固定子コイル
27 ラジアル軸受
28 スラスト軸受
29 ラジアル軸受永久磁石
30 ラジアル軸受巻線
31 スラスト軸受ガイド
32 スラスト軸受巻線
45 磁束調整コイル
46 第2の制御電源

Claims (8)

  1. 軸受と、
    前記軸受によって回転可能に支持されたシャフトと、
    前記シャフトに固定された励磁機回転子コイルと、
    前記励磁機回転子コイルに対向して静止配置された、永久磁石を用いた励磁機固定子と、
    前記シャフトに固定されて、前記励磁機回転子コイルに発生した交流電流を直流に整流する回転整流器と、
    前記シャフトに固定されて、前記回転整流器からの直流電流が供給される同期機回転子コイルと、
    前記同期機回転子コイルに対向して静止配置されて外部交流電源および外部交流受電機器に並列に接続される同期機固定子コイルと、
    を有する補償電源装置。
  2. 前記励磁機回転子コイルに対向して静止配置されて外部交流電源に接続される励磁機固定子コイルをさらに有すること、を特徴とする請求項1に記載の補償電源装置。
  3. 前記励磁機固定子と励磁機回転子コイルとの間に静止配置されて、外部交流電源に接続される磁束調整コイルをさらに有すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の補償電源装置。
  4. 前記シャフトに固定されたフライホイールをさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の補償電源装置。
  5. 前記フライホイールは複数個あって、少なくとも1個のフライホイールが前記シャフトに着脱可能であること、特徴とする請求項4に記載の補償電源装置。
  6. 前記軸受は磁気軸受機能を有すること特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の補償電源装置。
  7. 前記軸受は磁気軸受機能を喪失したときに機械軸受機能を発揮できるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の補償電源装置。
  8. 外部交流電源に接続される電磁ポンプと、前記外部交流電源および前記電磁ポンプに並列に接続される補償電源装置とを備えた電磁ポンプシステムであって、
    前記補償電源装置は、
    軸受によって回転可能に支持されたシャフトと、
    前記シャフトに固定された励磁機回転子コイルと、
    前記励磁機回転子コイルに対向して静止配置された、永久磁石を用いた励磁機固定子と、
    前記シャフトに固定されて、前記励磁機回転子コイルに発生した交流電流を直流に整流する回転整流器と、
    前記シャフトに固定されて、前記回転整流器からの直流電流が供給される同期機回転子コイルと、
    前記同期機回転子コイルに対向して静止配置されて前記外部交流電源および電磁ポンプに並列に接続される同期機固定子コイルと、
    を有すること、を特徴とする電磁ポンプシステム。
JP2010040062A 2010-02-25 2010-02-25 電磁ポンプシステムおよび補償電源装置 Active JP5275274B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040062A JP5275274B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 電磁ポンプシステムおよび補償電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040062A JP5275274B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 電磁ポンプシステムおよび補償電源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011176969A true JP2011176969A (ja) 2011-09-08
JP5275274B2 JP5275274B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=44689274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010040062A Active JP5275274B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 電磁ポンプシステムおよび補償電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5275274B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013001768A1 (ja) * 2011-06-27 2015-02-23 株式会社東芝 電磁ポンプ補償電源装置および電磁ポンプシステム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5244308U (ja) * 1975-09-26 1977-03-29
JPH03270671A (ja) * 1990-03-17 1991-12-02 Toshiba Corp 電磁ポンプ制御装置
JPH0583456U (ja) * 1992-04-16 1993-11-12 株式会社神戸製鋼所 回転機械の補助軸受装置
JPH06169562A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Toshiba Corp 電磁ポンプ駆動電源装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5244308U (ja) * 1975-09-26 1977-03-29
JPH03270671A (ja) * 1990-03-17 1991-12-02 Toshiba Corp 電磁ポンプ制御装置
JPH0583456U (ja) * 1992-04-16 1993-11-12 株式会社神戸製鋼所 回転機械の補助軸受装置
JPH06169562A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Toshiba Corp 電磁ポンプ駆動電源装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013001768A1 (ja) * 2011-06-27 2015-02-23 株式会社東芝 電磁ポンプ補償電源装置および電磁ポンプシステム
KR101559931B1 (ko) 2011-06-27 2015-10-26 가부시끼가이샤 도시바 전자 펌프 보상 전원 장치 및 전자 펌프 시스템
US9397544B2 (en) 2011-06-27 2016-07-19 Kabushiki Kaisha Toshiba Electromagnetic pump compensation power supply apparatus and electromagnetic pump system

Also Published As

Publication number Publication date
JP5275274B2 (ja) 2013-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012044177A1 (en) Permanent magnet motor with a closed cooling system
WO2015029562A1 (ja) 風力発電システム
US10006439B2 (en) Energy production plant, in particular wind turbine
US20130033136A1 (en) Electric Machine with Inner Magnet Hub
CN102195427A (zh) 一种两级式混合励磁无刷同步电机
US9397544B2 (en) Electromagnetic pump compensation power supply apparatus and electromagnetic pump system
US20120242085A1 (en) Motor Yaw Drive System for a Wind Turbine
CN115589029A (zh) 同步调相机系统及其控制方法
US10184451B2 (en) Wind-powered thermal power generation system
CN110601479B (zh) 一种双转子感应风力发电机及其工作方法
CN103855890A (zh) 外转子式主冷却剂泵驱动电机
JP5275274B2 (ja) 電磁ポンプシステムおよび補償電源装置
Hildinger et al. Modern design for variable speed motor-generators-asynchronous (DFIM) and synchronous (SMFI) electric machinery options for pumped storage powerplants
JP7304010B2 (ja) エネルギー貯蔵システムおよび変動電力安定利用システム
CN103104417B (zh) 大型风力发电机组的可调速轮毂装置
Varyukhin et al. Design of an electric generator for an aircraft with a hybrid power system
CN203166691U (zh) 三相同期共轴式电磁调速电机
WO2010092580A1 (en) Accurate frequency regulation for uninterruptible electric power supply
CN203104234U (zh) 双气隙混合励磁直驱开关磁阻风力发电机及其机组系统
CN101546981B (zh) 一种带电动机启动方式的垂直风力发电机
KR102654618B1 (ko) 증가된 회전 관성을 갖는 고온 초전도체 발전기
JP6150103B2 (ja) 発電装置
JP6468126B2 (ja) 渦電流式発熱装置
CN216774577U (zh) 一种双定子多绕组永磁同步电机
Lipo The potential for high temperature superconducting ac and dc motors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130515

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5275274

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151