JP2011164678A - 機能表現補完装置、方法及びプログラム - Google Patents

機能表現補完装置、方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2011164678A
JP2011164678A JP2010023183A JP2010023183A JP2011164678A JP 2011164678 A JP2011164678 A JP 2011164678A JP 2010023183 A JP2010023183 A JP 2010023183A JP 2010023183 A JP2010023183 A JP 2010023183A JP 2011164678 A JP2011164678 A JP 2011164678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
predicate
morpheme
conjunction
sentence
word
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010023183A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5366849B2 (ja
Inventor
Tomoko Izumi
朋子 泉
Kenji Imamura
賢治 今村
Genichiro Kikui
玄一郎 菊井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2010023183A priority Critical patent/JP5366849B2/ja
Publication of JP2011164678A publication Critical patent/JP2011164678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5366849B2 publication Critical patent/JP5366849B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Machine Translation (AREA)

Abstract

【課題】中間述部に補う必要がある機能語をより適切に補完する。
【解決手段】述部の機能表現に意味ラベルを付与し、さらにそれらをMod,Foc,Tという3種類に分類する。時制判定部71が、補完対象となる中間述部の機能表現の意味と種類及び中間述部に後続する接続詞から、その中間述部に対し何らかの機能表現を補完する必要があるか判断する。補完処理部72は、補完すべき機能表現が必要だと判断された中間述部に対して、その中間述部とその直後にある補完もと述部の機能表現の意味ラベルを比較する。その中間述部の機能表現の種類(Mod,Foc,T)から、その中間述部の「欠如」している機能表現を判断する。直後の述部の機能表現から、その中間述部が欠如しているもののみを補完する。
【選択図】図1

Description

この発明は、自然言語処理において文情報の中心となる述部を正規化する技術に関し、特に等位接続文中の不完全な述部を正しい形に補完することにより述部を正規化する技術に関する。
議事録、アンケート、web上のテキストなど膨大な文書から有益な情報を得るためには、対象文書から「誰がどこで何をどうした。」という情報を自動で抽出・集計することが必須である。この技術はテキストマイニングと呼ばれる。このテキストマイニングにおいて、「誰」、「どこ」、「何」といった特定の名前を抽出するのと異なり、「どうした」に当たる「述部」の抽出・集計は困難である。その原因は、述部が単純に単語一語で表わされないからだ。例えば、「ハワイに行きたかった」という場合、「どうした」に当たる「行きたかった」は動詞「行く」、助動詞「たい」及び「た」の組み合わせで構成されている。このように、「どうした」の意味を表す述部は、動詞、名詞、形容詞、形容動詞及び副詞といった「内容語」と、助詞及び助動詞などの「機能語」との組み合わせで「述部」として成り立っている。以下、機能語を助詞・助動詞など機能語の部類に属する形態素単位の呼び名とし、1つまたは2つ以上の機能語の組み合わせでひとつの意味を表しているものを「機能語列」と呼ぶ。
行きたかった=行き(く)〈内容語〉+たかっ〈機能語〉+た〈機能語〉 (1)
(1)の「行きたかった」は、述部として一つの意味をなす。つまり、「内容語+機能語列」の組み合わせで抽出・集計しなくては、異なる意味を表してしまう。
「行く」(行く〈内容語〉) (2)
≠「行った」(行っ〈内容語〉+た〈機能語〉) (3)
≠「行きたかった」(行き〈内容語〉+たかっ〈機能語〉+た〈機能語〉) (4)
(2)、(3)及び(4)はまったく異なる意味を表している。(2)の「行く」はこれからどこかに行くという未来への動作を表している。(3)の「行った」はすでにどこかに行ったという過去の動作を表している。(4)の「行きたかった」はどこかに行きたかったが、結局行けなかったということが含意されている。これらの意味の違いは、述部の「機能語」によってのみ認定することができる。つまり、(3)は過去を表す機能語「た」が付いていて、(4)は願望を表す機能語「たい」と過去の機能語「た」の両方が付いている事で、(2)、(3)及び(4)の意味が区別されている。このように、機能語は述部の意味を区別するのに必須の要素であり、欠くことができない。
しかし、これらの機能語が時に「欠如」している述部がある。この「機能語の欠如」が起こりうるのが、文の途中に現れる述部(中間述部)である。
本当はハワイに行って、のんびりしたかった (5)
(5)の場合、文中にある「行って」は、「行っ(行く)」という述部に接続助詞の「て」がついたものである。しかし、(5)を「行く」と抽出しては異なる意味に解釈されてしまう。つまり、(5)の中間述部は正しくは、「行きたかった」ということを表している。文末の述部である「のんびりしたかった」から「たかっ」と「た」という機能語列を正しく補わなくては、意図している事とは異なる意味で述部が抽出されてしまう。結果、テキストマイニングの精度を下げる。このように、述部を抽出・集計するようなテキストマイニングの精度を上げるためには、中間述部に「正しい機能語列」を補わなくてはいけない。
文中に現れる中間述部に機能語を補う従来手法として非特許文献1に記載された方法が挙げられる。非特許文献1は、中間述部の機能語を補う手法として「時制決定規則」と「相決定規則」というものを作成する。これらは、文末が過去形であった場合(すなわち,過去を表す機能語「た」がついている場合)中間述部も過去形にするというものと、文末に動作の継続を表す「ている」があった場合中間述部も「ている」にするというものである。つまり「た」と「ている」のみを補うというものである。
しかし、この非特許文献1に記載された方法だと(5)のような例のとき、誤った形に中間述部を変換してしまう。下記は、非特許文献1の手法で(5)の中間述部を言い換えたものである。
本当はハワイに行って、のんびりしたかった。 (5)
→非特許文献1の方法:(本当はハワイに)行った。
→本来述部が表す意味:(本当はハワイに)行きたかった。
(5)では「ハワイに行けなかった」という意味を含んでいるのにもかかわらず、非特許文献1の方法では実際にハワイに「行った」というように誤った出力となっている。これは、非特許文献1の方法が、過去形の「た」のみしか補わないためである。しかし、(5)が表すように、中間述部に補完されるべき機能語は「た」や「ている」だけではなく、願望を表す「たい」のような機能語も補完されなければいけない。
さらに、非特許文献1の方法だと、何も補わなくてもいい中間述部にまで余計な機能語を補ってしまう。
今日ではバナナはとても安いが、昔はとても高かった。 (6)
→非特許文献1の方法:(今日ではバナナはとても)安かった。
→本来述部が表す意味:(今日ではバナナはとても)安い。
(6)では、「バナナは今安い」という現在の状況を表しているのにもかかわらず、バナナは「(昔)安かった」というような出力となってしまう。これは、非特許文献1の方法だと、単純に文末に過去の「た」があれば、前の述部に補うという手法を取っているからである。非特許文献1も、過去の「た」を補わない時のルールというものを作成しているが、それは唯一文中の述部が「おる」という動詞で終わっているときのみであり、(6)の場合は、やはり「安い」→「安かった」というように誤って出力されてしまう。
江原暉将,福島孝博,和田裕二,白井克彦,「聴覚障害者向け字幕放送のためのニュース文自動短文分割」,電子情報通信学会技術研究報告,NLC2000-12,2000,17-22.
非特許文献1に記載された方法は、以下にまとめるように、中間述部に補う必要がある機能語をより適切に補完することができないという課題を有する。
1.過去を表す「た」や継続を表す「ている」以外の機能表現は補うことができない。その結果、本来文中の述部が表している意味と異なった述部を出力してしまう。
2.過去を表す「た」や継続を表す「ている」が文末にあれば、ひとつの例外を除いて、常に補ってしまう。その結果、本来文中の述部が表している意味と異なった述部を出力してしまう。
上記の課題を解決するために、形態素解析部は、入力された文を形態素解析して複数の形態素に分割し、各形態素の品詞及び活用している場合にはその活用形を決定する。述部抽出部は、助詞、助動詞及び非自立性の動詞、形容詞並びに形式名詞を機能語とし、連続する少なくとも1つの機能表現及び機能語を機能語列とし、動詞、形容詞、形容動詞、副詞及び助動詞に後続する名詞を内容語とし、内容語及びその内容語に後続する機能語列又は後続する機能語列がない内容語を述部とし、等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部として、各形態素が、意味ラベル及びタイプ情報が予め定められた機能表現を記憶する機能表現辞書記憶部に記憶された機能表現、機能語又は内容語であるか判定し、その判定結果に基づいて述部を抽出し、等位接続詞を記憶する等位接続詞辞書記憶部に記憶された等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部とする。意味ラベル付与部が、中間述部及び文末述部を構成する各形態素が、機能表現辞書記憶部に記憶された機能表現である場合には機能表現辞書記憶部を参照してその各形態素にその機能表現の意味ラベル及びタイプ情報を付与する。時制判定部は、中間述部を構成する各形態素の中に、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれているかを判定する。補完処理部は、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれていると判定されなかった場合に、中間述部から等位接続詞を削除し、文末述部を構成する形態素が有するが中間述部を構成する形態素が有しない意味ラベルのタイプ情報が、文末述部を構成する形態素が有するが中間述部を構成する形態素が有しないタイプ情報である場合に、中間述部にその意味ラベルを有する形態素を補完する。活用生成部は、中間述部及び補完すべきと認定された形態素を尤もらしく活用させる。接続詞削除部は、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれていると判定された場合に、中間述部から等位接続詞を削除する。
中間述部に補う必要がある機能語をより適切に補完することができる。
機能表現補完装置の例の機能ブロック図。 機能表現補完方法の例の流れ図。 ステップS4の例の流れ図。 ステップS5の例の流れ図。 機能表現辞書を例示する図。 等位接続詞辞書を例示する図。 「したかった」という述部の構造を例示する図。 「行って」という述部の構造を例示する図。 「眠たいみたいで」という述部の構造を例示する図。 具体例1に対する処理の結果を示す図。 具体例2に対する処理の結果を示す図。 「本当はハワイに行って、のんびりしたかった」という文の形態素解析の結果を例示する図。
以下、この発明による機能表現補完装置の一実施形態を詳細に説明する。
機能表現補完装置は、図1に例示するように、機能表現辞書記憶部1、等位接続詞辞書記憶部2、入力部3、形態素解析部4、述部抽出部5、意味ラベル付与部6、機能表現補完部7、接続詞削除部8、活用生成部9を例えば含む。
機能表現辞書記憶部1には、意味ラベル及びタイプ情報が予め定められた機能表現が記憶される。
機能表現には、例えば図5のように、意味ラベルが付され、文法的な性質で3種類に分けられたタイプ情報が付される。機能表現は、助詞・助動詞及びそれ自体では内容語として機能できない非自立性動詞、形容詞並びに形式名詞等の機能語に属する形態素、及び、これらの形態素を意味のかたまりでまとめたものである。機能表現の標準形が、見出し語となる。例えば、過去の助動詞「た」及び「だ」の機能表現には〈完了〉という意味ラベルが付されTのタイプ情報が割り当てられ、判断を表す助動詞「だ」の機能表現には〈判断〉という意味ラベルが付されFocのタイプ情報が割り当てられ、モダリティの機能表現には〈疑問〉〈勧誘〉〈意志〉〈願望〉〈依頼〉〈勧め〉〈必要〉〈許可〉〈推量〉〈可能〉等の意味ラベルが付されModのタイプ情報が割り当てられる。過去の時制、判断の助動詞、話者の主観を表すモダリティの機能表現以外には3つのタイプ情報は割り当てない。また、3種類に分類出来れば、タイプ情報のラベルとしてT,Foc,Mod以外のラベルを用いてもよい。
等位接続詞辞書記憶部2には、等位接続詞が記憶される。図6に例示するように、等位接続詞は、標準表記、意味ラベル及び時制判定指標と共に等位接続詞辞書記憶部2に記憶される。
入力部3の入力は、日本語で書かれた文である。この例では、「本当はハワイに行って、のんびりしたかった」という文が入力されるとする。
形態素解析部4は、入力された文を形態素解析して複数の形態素に分割し、各形態素の品詞及び活用している場合にはその活用形を決定する(ステップS1、図2)。入力された文に対する形態素解析の結果は、述部抽出部5に送られる。形態素解析では、文が形態素単位に分割され、各形態素に、表記、読み、標準形、品詞、活用型等の情報が付与されてもよい。形態素解析の方法として、公知の形態素解析の方法を用いればよい。
「本当はハワイに行って、のんびりしたかった」という文の形態素解析の結果を図12に示す。
述部抽出部5は、各形態素が、機能表現辞書記憶部1に記憶された機能表現、機能語又は内容語であるか判定し、その判定結果に基づいて述部を抽出し、等位接続詞辞書記憶部2に記憶された等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部とする(ステップS2)。端的にいえば、述部抽出部5は、形態素解析の結果を入力とし、「どうした」に当たる述部を抽出する。抽出された述部についての情報は、意味ラベル付与部6に送られる。
ここで、助詞、助動詞、「ちゃう」等のそれ自体では内容語としては機能できない非自立性の動詞、非自立性の形容詞及び「こと」等の非自立性の形式名詞を「機能語」とし、連続する少なくとも1つの機能表現及び機能語を「機能語列」とし、動詞、形容詞、形容動詞、副詞及び助動詞に後続する名詞を「内容語」とする。また、内容語及びその内容語に後続する機能語列又は後続する機能語列がない内容語を「述部」とし、等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を「中間述部」とし、文末の述部を「文末述部」とする。
まず、述部抽出部5は、形態素解析部4により分解された各形態素が、機能表現辞書記憶部1に記憶された機能表現、機能語又は内容語であるか判定する。内容語と判定された形態素に後続する機能語列がある場合には、その内容語及びその内容語に後続する機能語列を述部とする。内容語と判定された形態素に後続する機能語列がない場合には、その内容語を述部とする。
次に、述部抽出部5は、等位接続詞辞書記憶部2に記憶された等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部とする。すなわち、述部が等位接続詞を含むか判断し、等位接続詞を含む場合にはその述部を中間述部とする。また、述部の最後の形態素が動詞、形容詞、形容動詞、判断を表わす「だ」等の活用変化をする助動詞の場合には、その活用形が連用形であるかを判断し、連用形である場合には、その述部を中間述部とする。さらに、述部が文末であるか判断し、文末である場合には、その述部を文末述部とする。
なお、形態素解析の結果と合わせて、既存の係り受け解析器を使用し、述部同士の係り受け関係を使って中間述部を抽出してもよい。つまり、等位接続詞辞書記憶部2に記憶された接続詞一覧の接続詞に後続されておりかつ、後続の述部に係っているか否かを判断した後に、中間述部を抽出してもよい。
「本当はハワイに行って、のんびりしたかった」という文の場合だと、動詞「行っ」が内容語と判定され、接続詞「て」が機能語と判定され、また、「て」が等位接続詞辞書記憶部2に記憶された等位接続詞であるため、「行って」が中間述部として抽出される。また、動詞「し」が内容語と判定され、助動詞「たかっ」が機能表現辞書記憶部1に記憶された機能表現と判定され、助動詞「た」が機能表現辞書記憶部1に記憶された機能表現として判定され、「たかった」全体で機能語列として判定される。「したかった」は文末であるため、「したかった」は文末述部として抽出される。
意味ラベル付与部6は、抽出された中間述部及び文末述部を構成する各形態素が、機能表現辞書記憶部に記憶された機能表現である場合には機能表現辞書記憶部1を参照してその各形態素にその機能表現の意味ラベル及びタイプ情報を付与する(ステップS3)。付与された意味ラベル及びタイプ情報についての情報は、機能表現補完部7に送られる。
機能表現辞書記憶部1には、機能表現が標準形で登録されている。したがって、例えば、形態素解析によって解析された各形態素の標準形をキーとして、機能表現辞書記憶部1が探索されて、同じ標準形を持つ機能表現の意味ラベル及びタイプ情報が、その各形態素に付与される。
この意味ラベル付与作業は、通常の形態素解析と同様の手法を取るとよい。例えば、2つの連続する機能語・機能表現の接続の可否を判定し、接続できる意味ラベル列を付与する方法や、意味ラベル列の尤もらしさを表す確率を用いて、一番尤もらしい意味ラベルを付与する方法等が挙げられる。この例では、「後方からの最長一致法」により照合し、対応する意味ラベルを付与する。
また、この際、中間述部に関しては、等位接続詞辞書記憶部2に記憶された等位接続詞に対応する機能語に「接続詞」の意味ラベルを付与する。さらに、中間述部が、等位接続詞辞書記憶部2において「T」の時制判定指標が付加されている等位接続詞を含む場合には、「T」の時制判定指標が付与される。機能表現辞書記憶部1にエントリーがない機能表現に関しては、意味ラベルが「空」であることを示す「NULL」等の意味ラベルを付与する。
中間述部として抽出された「行って」に関しては、後方からの最長一致法により「て」に「接続詞」の意味ラベルが付与される。また、「て」は等位接続詞辞書記憶部2において「T」の時制判定指標が付加された等位接続詞ではないため、「行って」の「て」には「T」の時制判定指標が付与されない。最終述部である「したかった」に関しては、後方からの最長一致法により、最初に「た」に「完了」の意味ラベルと「T」のタイプ情報が付与される。次に、「たかっ」に「願望」の意味ラベルと「Mod」のタイプ情報が付与される。
機能表現補完部7は、中間述部に正しい機能表現を補完する。機能表現補完部7は、時制判定部71と、補完処理部72とを含む。
補完処理は、中間述部の数に関わらず、最終述部に一番近い中間述部から処理を始める。最終述部に一番近い中間述部が補完された後は、その補完された中間述部を補完すべき要素をもらってくるいわゆる「補完もと述部」として、その補完された中間述部の直前の中間述部を補完する。このようにして、すべての中間述部が補完されるまで、直後の述部に基づいて直前の述部を補完する作業を繰り返す。以後、「補完もと述部」が文末述部であり、文末述部に一番近い中間述部を補完する場合を例に挙げて説明する。すなわち、「したかった」を「補完もと述部」として、「行って」を補完する場合を例に挙げて説明する。
時制判定部71は、中間述部を構成する各形態素の中に、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれているかを判定する(ステップS4)。これらのどちらも含まれていない場合には、その中間述部は補完処理が必要な「不完全な述部」ということになり、後述する補完処理部72による補完処理が行われる。
時制判定部71の処理は、「時制を表わす機能表現が述部にあれば、その述部は完全な文として成り立っている」という言語学的知見に基づく。時制判定部71では、まず、中間述部に過去を表す「た」につく「完了」の意味ラベルが含まれているか否かを判断する(ステップS41)。「完了」があれば、その述部は「完全な述部」として成り立っているとみなせる。そのため、接続詞削除部8へ処理を移行する。
しかし、時制には「過去」のほかに「現在」と「未来」というものがあるが、日本語は「過去」の時制以外は表記では区別できない。すなわち、「行く+過去」は「行った」だが、「行く+現在」は「行くφ」である。そこで、時制判定部71では、接続詞を基に、中間述部が時制をもっているか否かを決定する(ステップS42)。具体的には、内容語に過去を表す「完了」の「た」を接続させた述部(例えば、「行った」)に後続できる接続詞が後続できるか否かを判定し、後続できればその接続詞が付いている述部は、時制をもっているとして補完処理を行わない。これは、「過去形と接続できる接続詞が付いていれば、その前の述部は過去を表す『た』が付いていなくても時制をもっている」という発明者の知見である。この例では、等位接続詞辞書記憶部2に記憶された等位接続詞の中で過去の「た」とつながることのできるものに「T」の時制判定指標が付加されており、意味ラベル付与部6において必要に応じて中間述部に「T」の時制判定指標が付与される。中間述部を構成する形態素の中に「T」の時制判定指標が付与されているものがあれば、その形態素の位置の直前に時制があるとして、接続詞削除部8へ処理を移行する。
これによると、「行って」には、「完了」の「た」もなければ、「T」の時制判定指標が付与された等位接続詞も付属していない。そのため、「行って」は「何らかの補完処理が必要」と判断され、補完処理部72へ処理を移行する。
時制の有無の判断だが、この例のように、あらかじめTの情報を接続詞辞書に登録するほかに、中間述部の中の等位接続詞の直前に、「完了」の「た」を挿入して、後続する等位接続詞との接続が尤もらしいかを言語モデルなどで測る方法でもよい。例えば、「行って」の場合、「行く」と接続詞の「て」の間に「た」を挿入する。この場合、「行ったて」となり、日本語としておかしいので(すなわち、言語モデルでは低い値を示す)、当該の述部には「時制がない」と判断することもできる。
補完処理部72は、「何らかの補完処理が必要」と認定された中間述部について、実際の補完処理を行う(ステップS5)。この補完処理は、「述部は図7に示す構造を持ち、機能表現はそのタイプにより述部内に現れることのできる位置が決まっており、中間述部に補うことが出来る機能表現は現れることのできる位置があるものに限る」という発明者の知見に基づく。
図7において、内容部は内容語の位置を表しており、内容語が動詞のときはVP、形容詞及び形容動詞のときはAdjP、名詞のときはNP、副詞のときはAdvPと示す。T、Foc、Modは、機能表現辞書記憶部1に記載されている機能表現が現れることのできる述部内での位置を示している。
具体的には、述部においては、まず内容部が最初に現れ、次にModに属する機能表現が現れることができる。この内容部とModに属する機能表現とにより、Mod表現を持つ述部のかたまり(ModP)が構成される。Pは、フレーズ(Phrase)を意味する。括弧とアスタリスクの意味について後述する。また、(ModP)の後に、Focに属する機能表現が現れることができる。この(ModP)とFocに属する機能表現とにより、Foc表現を持つ述部のかたまり(FocP)が構成される。さらに、(FocP)の後に、Tに属する機能表現が現れることができる。この(FocP)とTに属する機能表現とにより、Tの表現を持つ述部のかたまりTPが構成される。
「したかった」を例に挙げて説明すると、内容部「し」とMod「たかっ」とによりModP「したかっ」が構成され、Focに属する機能表現がないため、ModP「したかっ」とT「た」とによりTP「したかった」が構成される。
Modに属する機能表現とFocに属する機能表現は述部において常に現れるわけではなく、オプショナルなものである。換言すれば、Modに属する機能表現とFocに属する機能表現がなくても、述部を構成することができる。このことを示すために、図7ではModP及びFocPを括弧で括っている。
また、Modに属する機能表現は複数現れることが出来る。このことを示すために、図7では(ModP)にアスタリスクを付けている。例えば、「行き(VP)たい(ModP)みたい(ModP)だ(FocP)った(TP)」という述部を構成することができる。すなわち、「行きたい」で1つのかたまりModPを構成し、「行きたいみたい」で階層的に1つ上のかたまりModPを構成することができる。
補完処理部72は、後続の述部(すなわち、補完もと述部)から「足りなくて、現れる場所がある機能表現のみを補う」という手法を取る。これは、「述部の機能表現は現れる場所が決まっているため、補完もと述部から機能表現を補完するときには、補完の対象となる述部に空いている場所がなくては補完することはできない」という発明者の知見に基づく。具体的な手順を次の通りに示す。
補完処理部72は、補完の対象となる中間述部から等位接続詞を削除する(ステップS51)。例えば、接続詞の意味ラベルが付与されている形態素を削除することにより、等位接続詞を削除する。補完の対象となる中間述部が「行って」の場合には、等位接続詞「て」が削除される。
次に、補完の対象となる中間述部に付与された意味ラベルをもとに、この述部が図7のどこまでできているかを判断する(ステップS52)。「行って」の場合、意味ラベルを何も持っていないため、Mod、Foc、Tを埋める要素がない。そのため、図7の内容部(この場合は内容語である「行っ」が動詞なのでVPとなる)のところまでしかできておらず、Mod、Foc、Tの所は空のままである。この状態を図8に示す。斜線は、補完の対象となる中間述部がどこまでできているかを示しており、φのマークは「そこの要素は空である」ということを示している。点線の円は、述部の「不完全な範囲」を示している。述部を完全な形に言い換えるには、この不完全な範囲を埋めなければ述部として成り立たないことを示す。
次に、補完の対象となる中間述部を構成する形態素の意味ラベルと補完もと述部を構成する形態素の意味ラベルとを比較して、補完の対象となる中間述部を構成する形態素が保持していない意味ラベルを有する形態素を選択する。以下、述部がある意味ラベルを持つとは、述部を構成する形態素がその意味ラベルを有することを意味するものとする。
例えば、補完もと述部である「したかった」は「願望」と「完了」の意味ラベルを持っているが、補完の対象となる中間述部である「行って」は「願望」と「完了」の意味ラベルを持っていない。そこで、「願望」の意味ラベルを有する形態素及び「完了」の意味ラベルを有する形態素が、補完の対象となる中間述部が保持していない機能表現として認定される。
最後に、補完の対象となる中間述部が保持していない機能表現の形態素のタイプ情報(すなわち、T、Mod、Focのいずれか)を基に、補完の対象となる中間述部の「不完全な述部範囲」に現れることのできる場所がある機能表現の形態素のみを補う(ステップS55)。すなわち、T,Mod,Focの要素がφであるかを見て、φである場合にのみ、その機能表現の形態素を補う。
例えば、補完の対象となる中間述部「行って」が持っていない1つ目の意味ラベル「願望」の形態素は、機能表現辞書よりModの位置に現れる機能表現であり、図8に示すように中間述部「行って」のModの位置はφである。したがって、「願望」の意味ラベルの形態素が補完されるべき形態素として認定される。次に、「行って」が持っていない2つめの意味ラベル「完了」の形態素は、機能表現辞書よりTの位置に現れる機能表現であり、図8に示すように中間述部「行って」のTの位置はφである。したがって、「完了」の意味ラベルの形態素が補完されるべき形態素として認定される。このように、この例では、「願望」の意味ラベルを有する形態素「たかっ」及び「完了」の意味ラベルを有する形態素「た」が、補完すべき形態素として認定される。
このようにして、補完処理部72は、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞とのいずれも含まれていないと時制判定部71において判定された場合に、補完の対象となる中間述部から等位接続詞を削除し、補完もと述部である文末述部を構成する形態素が有するが中間述部を構成する形態素が有しない意味ラベルのタイプ情報が、文末述部を構成する形態素が有するが中間述部を構成する形態素が有しないタイプ情報である場合に、補完の対象となる中間述部にその意味ラベルを有する形態素を補完する。補完した形態素についての情報は、活用生成部9に送られる。
接続詞削除部8は、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれていると時制判定部71において判定された場合に、補完の対象となる中間述部から等位接続詞を削除する。例えば、補完の対象となる中間述部の中の、接続詞の意味ラベルが付与された形態素を削除する。
活用生成部9は、補完の対象となる中間述部及び補完された形態素を尤もらしく活用させる。日本語において、ある単語と単語を接続させるために単語を適切に活用させる必要がある。単語をどのように活用するかは、後続する単語の表記と品詞で決まる。例えば、言語モデルによる活用生成器を用いる。これは、予め正解データより、前方の単語の表記・品詞・活用型と後方の単語の表記・品詞とを素性として「どの接続が尤もらしいか」を学習したモデルによる生成器である。このモデルをもとに、新しく前後の単語の表記・品詞・活用型が入力された際に、もっとも最適な表記を生成する。また、最後の形態素(本実施例では「た」)の場合は、後続する単語がないので、文の終わりを表す形態素(例えば、句点)を接続生成の際に追加するか、または「最後の機能語は標準形に直す」等の追加ルールを加える。言語モデルを使用するほかに、活用変換ルールをもとに述部を生成してもよい。
この例では、中間述部の「行っ」と、後続述部より補完すべき「願望」の「たい」と、「完了」の「た」とを適切に接続させる必要がある。例えば、活用生成部9は、言語モデルによる活用生成器に「行っ」「動詞-自立」「五段・カ行促音便」、「たい」「助動詞」「特殊・タイ」、「た」「助動詞」「特殊・タ」及び「。」「記号-句点」を入力し、正しく接続された述部である「行きたかった」を生成する。
ある中間述部に対する補完処理が終了したら、今度はその中間述部が「補完もと述部」になり、その中間述部の直前の述部を補完対象の述部として上記の処理を繰り返す。これを、一文内のすべての中間述部についての補完処理が終わるまで続ける。
このように、「本当はハワイに行って、のんびりしたかった」という入力文に対して、中間述部である「行って」を正しく「行きたかった」と補完することができる。これにより、従来法ではできなかった願望を表す助動詞「たい」も正しく補えることができ、出来事の意味を正しくとらえた中間述部を生成することが出来る。
このように、等位接続文中の中間述部に適切な機能表現を補完することにより、マイニング等の述部を抽出・集計するシステムの精度を上げることが出来る。また、等位文接続の中間述部を完全な述部に言い換えることにより、そこで文を終わらせることができる。したがって、節分割の手法としても使用することができ、その結果、翻訳の前処理や要約の処理にも幅広く使用することができる。
[具体例1]
「今日ではバナナはとても安いが、昔はとても高かった。」という文に対するこの発明による述部の補完の例を説明する。
形態素解析部4、述部抽出部5、意味ラベル付与部6の処理により、図10に示すように、「安いが」が補完の対象となる中間述部として抽出され、「高かった」が補完もと述部である文末述部として抽出される。
時制判定部71は、「安いが」に時制を表わす機能表現があるか判定する。「安いが」の意味ラベルから、「安いが」の中に「完了」の「た」は含まれていないことがわかる。しかし、接続詞「が」が含まれており、「が」は過去形と接続できる接続詞として「T」の時制判定指標が付与されている。したがって、中間述部「安いが」は、補完処理部72による補完処理が必要でない。よって、接続詞削除部8へ処理を移行する。
接続詞削除部8は、接続詞「が」の形態素のみを削除して「安い」という形で補完処理を終了する。
これにより、「今日ではバナナはとても安いが、昔はとても高かった。」の中間述部は正しく「安い」として抽出される。非特許文献1の手法だと誤って「安かった」と変換されてしまうが、この発明では不必要な補完処理を行うことを防ぐことができ、正しい述部「(今日ではバナナはとても)安い」を出力することができる。
[具体例2]
「眠たいみたいで、早く帰りたがっていた。」という文に対するこの発明による述部の補完の例を説明する。
形態素解析部4、述部抽出部5、意味ラベル付与部6の処理により、図11に示すように、「眠たいみたいで」が補完の対象となる中間述部として抽出され、「帰りたがっていた」が補完もと述部である文末述部として抽出される。
時制判定部71は、「眠たいみたいで」に時制を表わす機能表現があるか判定する。「眠たいみたいで」の意味ラベル(すなわち、「推量」と「判断」)から、「眠たいみたいで」の中に「完了」が含まれているか否かを判断する。この場合、「完了」は含まれていないので、次に、等位接続詞辞書記憶部2に記憶されている等位接続詞のうち「T」の時制判定指標が付加されている等位接続詞があるか否かを判断する。中間述部「眠たいみたいで」は、「T」の時制判定指標が付加されている等位接続詞も保持していないため、補完処理部72による補完処理が必要と認定される。
補完処理部72は、「眠たいみたいで」の補完処理を行う。この場合、補完もと述部は文末述部である「帰りたがっていた」になる。「眠たいみたいで」の最後の形態素の活用形は「連用形」であり接続詞がないために、接続詞を削除する処理をスキップする。次に、「眠たいみたいで」の意味ラベル及びタイプ情報から、図7に例示する述部構造のどの要素まで完成しているかを決定する。「眠たいみたいで」は「願望」(すなわちMod)と「判断」(すなわちFoc)の機能表現を保持しているため、FocPの所まで述部ができている。この状態を図9に示す。斜線は、補完対象となる中間述部がどこまでできているかを示しており、φのマークは、「そこの要素は空である」ということを示している。点線の円は、中間述部の「不完全な範囲」を示している。これによると、この中間述部「眠たいみたいで」は、Tの位置に現れる機能表現が不足していることがわかる。
次に、補完の対象となる中間述部「眠たいみたいで」の意味ラベルと補完もと述部である文末述部「帰りたがっていた」の意味ラベルを比較して、「眠たいみたいで」が保持していない意味ラベルを選択する。「帰りたがっていた」という補完もと述部は、「願望」「継続」「完了」の意味ラベルをもっている。そこで、これら3つの意味ラベルを有する形態素が、補完すべき形態素候補として認定される。
最後に、「願望」「継続」「完了」の意味ラベルを有する形態素の中で、「眠たいみたいで」の「不完全な述部範囲」に現れることのできる場所がある形態素のみを補う。「願望」意味ラベルを有する形態素は、機能表現辞書よりModに現れる機能表現である。しかし、図9が表すように,Modの位置は不完全な範囲内にない(すなわち、φではない)。そこで、「願望」の意味ラベルを表す形態素は、補完されない。次に、「継続」の意味ラベルを有する形態素だが、これは機能表現辞書より現れるタイプ情報がない。タイプ情報がない機能表現は補うことが出来ないので、「継続」の意味ラベルを有する形態素は補完されない。最後に、「完了」の意味ラベルを有する形態素だが、これは機能表現辞書よりTの位置に現れる機能表現である。また、図9が表すように、Tの位置はφである。そのため、「完了」の意味ラベルを有する形態素が補完すべき形態素として認定される。このように、具体例2では、補完もと述部「帰りたがっていた」から、「完了」の意味ラベルが付与されている形態素「た」が、補完すべき形態素として認定される。
活用生成部9は、「眠たいみたいで」に「完了」の「た」を接続させるために、「眠たいみたいで」と「た」を活用させる。活用生成器に「眠たい」「形容詞−自立」「形容詞・アウオ段」、「みたい」「名詞−非自立−形容動詞語幹」、「で」「助動詞」「特殊・ダ」、「た」「助動詞」「特殊・タ」及び「。」「記号−句点」を入力して、正しく接続された述部である「眠たいみたいだった」を生成する。
非特許文献1の手法だと、本来補完できない「継続」の「ている」まで補完してしまい、「眠たみたいでていた」という誤った述部を生成してしまう。一方、この発明が採用する「現れる場所がある機能表現のみ補う」という手法だと、これらの誤った生成を行うことを防ぐことができる。
機能表現補完装置は、コンピュータによって実現することができる。この場合、この装置が有すべき各部の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、この装置における各部が、コンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、これらの装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 機能表現辞書記憶部
2 等位接続詞辞書記憶部
3 入力部
4 形態素解析部
5 述部抽出部
6 意味ラベル付与部
7 機能表現補完部
71 時制判定部
72 補完処理部
8 接続詞削除部
9 活用生成部

Claims (3)

  1. 入力された文を形態素解析して複数の形態素に分割し、各形態素の品詞及び活用している場合にはその活用形を決定する形態素解析部と、
    意味ラベル及びタイプ情報が予め定められた機能表現を記憶する機能表現辞書記憶部と、
    等位接続詞を記憶する等位接続詞辞書記憶部と、
    助詞、助動詞及び非自立性の動詞、形容詞並びに形式名詞を機能語とし、連続する少なくとも1つの機能表現及び機能語を機能語列とし、動詞、形容詞、形容動詞、副詞及び助動詞に後続する名詞を内容語とし、内容語及びその内容語に後続する機能語列又は後続する機能語列がない内容語を述部とし、等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部として、各形態素が、上記機能表現辞書記憶部に記憶された機能表現、機能語又は内容語であるか判定し、その判定結果に基づいて述部を抽出し、上記等位接続詞辞書記憶部に記憶された等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部とする述部抽出部と、
    上記中間述部及び上記文末述部を構成する各形態素が、機能表現辞書記憶部に記憶された機能表現である場合には上記機能表現辞書記憶部を参照してその各形態素にその機能表現の意味ラベル及びタイプ情報を付与する意味ラベル付与部と、
    上記中間述部を構成する各形態素の中に、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれているかを判定する時制判定部と、
    完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれていると判定されなかった場合に、上記中間述部から等位接続詞を削除し、上記文末述部を構成する形態素が有するが上記中間述部を構成する形態素が有しない意味ラベルのタイプ情報が、上記文末述部を構成する形態素が有するが上記中間述部を構成する形態素が有しないタイプ情報である場合に、上記中間述部にその意味ラベルを有する形態素を補完する補完処理部と、
    上記中間述部及び上記補完すべきと認定された形態素を尤もらしく活用させる活用生成部と、
    完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれていると判定された場合に、上記中間述部から等位接続詞を削除する接続詞削除部と、
    を含む機能表現補完装置。
  2. 形態素解析部が、入力された文を形態素解析して複数の形態素に分割し、各形態素の品詞及び活用している場合にはその活用形を決定する形態素解析ステップと、
    述部抽出部が、助詞、助動詞及び非自立性の動詞、形容詞並びに形式名詞を機能語とし、連続する少なくとも1つの機能表現及び機能語を機能語列とし、動詞、形容詞、形容動詞、副詞及び助動詞に後続する名詞を内容語とし、内容語及びその内容語に後続する機能語列又は後続する機能語列がない内容語を述部とし、等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部として、各形態素が、意味ラベル及びタイプ情報が予め定められた機能表現を記憶する機能表現辞書記憶部に記憶された機能表現、機能語又は内容語であるか判定し、その判定結果に基づいて述部を抽出し、等位接続詞を記憶する等位接続詞辞書記憶部に記憶された等位接続詞を含む述部及び連用形で終わる述部を中間述部とし、文末の述部を文末述部とする述部抽出ステップと、
    意味ラベル付与部が、上記中間述部及び上記文末述部を構成する各形態素が、機能表現辞書記憶部に記憶された機能表現である場合には上記機能表現辞書記憶部を参照してその各形態素にその機能表現の意味ラベル及びタイプ情報を付与する意味ラベル付与ステップと、
    時制判定部が、上記中間述部を構成する各形態素の中に、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれているかを判定する時制判定ステップと、
    補完処理部が、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれていると判定されなかった場合に、上記中間述部から等位接続詞を削除し、上記文末述部を構成する形態素が有するが上記中間述部を構成する形態素が有しない意味ラベルのタイプ情報が、上記文末述部を構成する形態素が有するが上記中間述部を構成する形態素が有しないタイプ情報である場合に、上記中間述部にその意味ラベルを有する形態素を補完する補完処理ステップと、
    活用生成部が、上記中間述部及び上記補完すべきと認定された形態素を尤もらしく活用させる活用生成ステップと、
    接続詞削除部が、完了の意味ラベルを有する形態素と過去形と接続できる接続詞との少なくとも一方が含まれていると判定された場合に、上記中間述部から等位接続詞を削除する接続詞削除ステップと、
    を含む機能表現補完方法。
  3. 請求項1に記載された機能表現補完装置の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
JP2010023183A 2010-02-04 2010-02-04 機能表現補完装置、方法及びプログラム Active JP5366849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010023183A JP5366849B2 (ja) 2010-02-04 2010-02-04 機能表現補完装置、方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010023183A JP5366849B2 (ja) 2010-02-04 2010-02-04 機能表現補完装置、方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011164678A true JP2011164678A (ja) 2011-08-25
JP5366849B2 JP5366849B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=44595335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010023183A Active JP5366849B2 (ja) 2010-02-04 2010-02-04 機能表現補完装置、方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5366849B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013171328A (ja) * 2012-02-17 2013-09-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 偏り述部抽出装置、方法、及びプログラム
JP2015064671A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 株式会社Nttドコモ 文正規化システム、文正規化方法及び文正規化プログラム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03102464A (ja) * 1989-09-14 1991-04-26 Fujitsu Ltd 日本語文の長文分割処理方式
JPH04281557A (ja) * 1991-03-11 1992-10-07 Agency Of Ind Science & Technol 文分割方式

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03102464A (ja) * 1989-09-14 1991-04-26 Fujitsu Ltd 日本語文の長文分割処理方式
JPH04281557A (ja) * 1991-03-11 1992-10-07 Agency Of Ind Science & Technol 文分割方式

Non-Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CSNG200100814003; 江原 暉将,福島 孝博,和田 裕二,白井 克彦: '聴覚障害者向け字幕放送のためのニュース文自動短文分割' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.100 No.200 第100巻 第200号【ISSN】0913-5685, 20000711, pp.17-22, 社団法人電子情報通信学会 *
CSNG200900092060; 泉 朋子,今村 賢治,菊井 玄一郎,藤田 篤,佐藤 理史: '正規化を指向した機能動詞表現の述部言い換え' 言語処理学会第15回年次大会発表論文集 , 20090302, pp.264-267, 言語処理学会 *
CSNG200900334093; 灘本 明代,林 正樹,道家 守,浜口 斉周,田中 克己: '係り受け構造及びシソーラスによる対話文生成と簡易演出技法を用いたWebコンテンツの受動的視聴' DEWS2005論文集 [online] 【ISSN】1347-4413, 20050502, (社)電子情報通信学会データ工学研究専門委員会 *
JPN6013029562; 江原 暉将,福島 孝博,和田 裕二,白井 克彦: '聴覚障害者向け字幕放送のためのニュース文自動短文分割' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.100 No.200 第100巻 第200号【ISSN】0913-5685, 20000711, pp.17-22, 社団法人電子情報通信学会 *
JPN6013029564; 灘本 明代,林 正樹,道家 守,浜口 斉周,田中 克己: '係り受け構造及びシソーラスによる対話文生成と簡易演出技法を用いたWebコンテンツの受動的視聴' DEWS2005論文集 [online] 【ISSN】1347-4413, 20050502, (社)電子情報通信学会データ工学研究専門委員会 *
JPN6013029566; 泉 朋子,今村 賢治,菊井 玄一郎,藤田 篤,佐藤 理史: '正規化を指向した機能動詞表現の述部言い換え' 言語処理学会第15回年次大会発表論文集 , 20090302, pp.264-267, 言語処理学会 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013171328A (ja) * 2012-02-17 2013-09-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 偏り述部抽出装置、方法、及びプログラム
JP2015064671A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 株式会社Nttドコモ 文正規化システム、文正規化方法及び文正規化プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5366849B2 (ja) 2013-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9189482B2 (en) Similar document search
US8543374B2 (en) Translation system combining hierarchical and phrase-based models
US7925498B1 (en) Identifying a synonym with N-gram agreement for a query phrase
US20130054612A1 (en) Universal Document Similarity
US7574348B2 (en) Processing collocation mistakes in documents
US9846692B2 (en) Method and system for machine-based extraction and interpretation of textual information
US9235573B2 (en) Universal difference measure
EP3489837A1 (en) Method and system for key phrase extraction and generation from text
JP4769031B2 (ja) 言語モデルを作成する方法、かな漢字変換方法、その装置、コンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP5071373B2 (ja) 言語処理装置、言語処理方法および言語処理用プログラム
US20050102130A1 (en) System and method for machine learning a confidence metric for machine translation
US20050273316A1 (en) Apparatus and method for translating Japanese into Chinese and computer program product
Tufiş et al. DIAC+: A professional diacritics recovering system
Chen et al. Automated extraction of tree-adjoining grammars from treebanks
JP5366849B2 (ja) 機能表現補完装置、方法及びプログラム
JP5426292B2 (ja) 意見分類装置およびプログラム
Ma et al. Design of CKIP Chinese word segmentation system
CN113642739B (zh) 敏感词屏蔽质量评估模型的训练方法及相应的评估方法
JP4476609B2 (ja) 中国語解析装置、中国語解析方法および中国語解析プログラム
Delmonte Venses@ AcCompl-it: Computing complexity vs acceptability with a constituent trigram model and semantics
Scholivet et al. Sequence models and lexical resources for MWE identification in French
Zhang et al. From coarse to fine: Enhancing multi-document summarization with multi-granularity relationship-based extractor
JP2009146447A (ja) テキスト要約システム、テキスト要約方法、および、テキスト要約プログラム
JP3908919B2 (ja) 形態素解析システムと形態素解析方法
EP4273738A1 (en) Semantic representation generation method, semantic representation generation device, and semantic representation generation program

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110624

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5366849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350