JP2011159875A - 半導体装置用テープキャリアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 構造が煩雑で製造が難しく、また保守や使用環境の整備・制御等も煩雑で、極めて高価でコスト高となる傾向にある投射光学系やその他の特殊な光学系を用いることなく、レジスト破片等の異物がフォトマスク上に転移することに起因した転写欠陥の発生を抑制ないしは解消することを可能とした、半導体装置用テープキャリアの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の半導体装置用テープキャリアの製造方法は、フォトレジスト層3の上に所定の間隙を設けてフォトマスク6を非接触に配置した状態で、前記フォトレジスト層3に対する露光を行って、前記間隙の大きさに対応して生じる光の回折により、前記フォトマスク3のマスクパターン5のパターン寸法Wmとは異なったパターン寸法Wrに変化させたレジストパターン7を形成する工程を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の半導体装置用テープキャリアの製造方法は、フォトレジスト層3の上に所定の間隙を設けてフォトマスク6を非接触に配置した状態で、前記フォトレジスト層3に対する露光を行って、前記間隙の大きさに対応して生じる光の回折により、前記フォトマスク3のマスクパターン5のパターン寸法Wmとは異なったパターン寸法Wrに変化させたレジストパターン7を形成する工程を含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フォトレジスト層にフォトマスクのマスクパターンを光学的に転写するフォトレジスト露光工程を含んだ半導体装置用テープキャリアの製造方法に関する。
従来、この種の半導体装置用テープキャリアの製造方法では、絶縁性フィルム基材の表面上に張り合わされた金属材料層の上にフォトレジスト層を形成した後、そのフォトレジスト層に対してフォトマスクを用いた露光を行う工程が含まれている。
その露光工程では、ガラス等の透明基板上にクロム(Cr)等の遮光体を蒸着しそれにエッチング法によるパターン加工を施すことでマスクパターンを形成してなるフォトマスクを用い、このフォトマスクを通して紫外線などの露光用光源光をフォトレジスト層に照射することで、そのフォトレジスト層にフォトマスクのマスクパターンを転写する。そして、露光後に現像等を行って、フォトレジスト層における露光部または未露光部のみを選択的に残すことにより、絶縁性フィルム基材上に、マスクパターンに対応した配線パターン等のいわゆる導体パターンが形成される。
その露光工程では、ガラス等の透明基板上にクロム(Cr)等の遮光体を蒸着しそれにエッチング法によるパターン加工を施すことでマスクパターンを形成してなるフォトマスクを用い、このフォトマスクを通して紫外線などの露光用光源光をフォトレジスト層に照射することで、そのフォトレジスト層にフォトマスクのマスクパターンを転写する。そして、露光後に現像等を行って、フォトレジスト層における露光部または未露光部のみを選択的に残すことにより、絶縁性フィルム基材上に、マスクパターンに対応した配線パターン等のいわゆる導体パターンが形成される。
露光方式には、密着露光方式、プロキシミティ露光方式、投影露光方式の、主に3種類がある。
密着露光方式は、解像度を向上させるために、被露光基板の表面(露光を施される半導体装置用テープキャリア用の銅張絶縁性フィルム基材の表面;具体的には金属材料層上に形成されているフォトレジスト層の表面)とフォトマスクの表面とを密着保持した状態で露光を行うものである。
投影露光方式は、フォトマスクと被露光基板の間に、鏡筒内にレンズを直列に並べて組み合わせた投影レンズやミラーの組み合わせで構成した投影ミラー光学系などの投影光学系を配置し、その投影光学系を通してマスクパターンの光像をフォトレジスト層上に投影して露光を行うものである。
プロキシミティ露光は、フォトマスクと被露光基板の表面上のフォトレジスト層との間に例えば10μm〜50μm程度の微小な間隙を設けた状態で、フォトマスクとフォトレジスト層とを近接保持して露光を行うものである(特許文献1、2)。
密着露光方式は、解像度を向上させるために、被露光基板の表面(露光を施される半導体装置用テープキャリア用の銅張絶縁性フィルム基材の表面;具体的には金属材料層上に形成されているフォトレジスト層の表面)とフォトマスクの表面とを密着保持した状態で露光を行うものである。
投影露光方式は、フォトマスクと被露光基板の間に、鏡筒内にレンズを直列に並べて組み合わせた投影レンズやミラーの組み合わせで構成した投影ミラー光学系などの投影光学系を配置し、その投影光学系を通してマスクパターンの光像をフォトレジスト層上に投影して露光を行うものである。
プロキシミティ露光は、フォトマスクと被露光基板の表面上のフォトレジスト層との間に例えば10μm〜50μm程度の微小な間隙を設けた状態で、フォトマスクとフォトレジスト層とを近接保持して露光を行うものである(特許文献1、2)。
密着露光方式では、フォトマスクとフォトレジスト層とを密着させるようにしているので、それら両者の間に隙間がある場合に生じる虞のある、フォトマスクの透過部から射出される光の回折に起因した解像度やパターン再現性の低下を回避することができ、解像度が向上する。
しかしながら、フォトマスクとフォトレジスト層とが接触することに起因して、例えばレジストの破片やその他の塵埃等の異物がフォトマスク上に転移しやすくなる。そのフォトマスク上に転移した異物は、次回の露光時にマスクパターンの半遮光部や遮光部となって、転写欠陥を発生させる要因となるという問題がある。
しかしながら、フォトマスクとフォトレジスト層とが接触することに起因して、例えばレジストの破片やその他の塵埃等の異物がフォトマスク上に転移しやすくなる。そのフォトマスク上に転移した異物は、次回の露光時にマスクパターンの半遮光部や遮光部となって、転写欠陥を発生させる要因となるという問題がある。
また、半導体装置用テープキャリアの製造工程では一般に、一本のテープが長いので、
その一本のテープあたりに複数ショットの露光を繰り返さなければならない。従って、多数回に亘って密着を繰り返すこととなるので、転移した異物に起因したフォトマスクの欠陥は、加速度的に増大することとなる。
また、投影露光装置では、フォトマスク上に形成されたパターンは、投影光学系を介してフォトレジスト層上に転写されるので、フォトマスクとフォトレジスト層とは非接触であり、従って、レジストの破片等の異物がフォトマスク上に転移して転写欠陥となるという問題は生じない。
しかしながら、いわゆるテープ幅が広くて、それに対応すべく露光領域を広く取らなければならない場合に、一括露光を行うためには、被露光基板と同等またはそれ以上の大きさの大露光フィールドを有する投影光学系が必要となる。そのような投射光学系は、大口径の投影レンズや投影ミラー光学系の使用が不可避であるため、構造が煩雑で製造が難しい上、その保守や使用環境の整備・制御等にも煩雑で特殊な工夫が必要とされる。また、それに関連して極めて高価であり、露光装置や露光プロセスに要する製造コストが大幅に増大するという問題もある。
その一本のテープあたりに複数ショットの露光を繰り返さなければならない。従って、多数回に亘って密着を繰り返すこととなるので、転移した異物に起因したフォトマスクの欠陥は、加速度的に増大することとなる。
また、投影露光装置では、フォトマスク上に形成されたパターンは、投影光学系を介してフォトレジスト層上に転写されるので、フォトマスクとフォトレジスト層とは非接触であり、従って、レジストの破片等の異物がフォトマスク上に転移して転写欠陥となるという問題は生じない。
しかしながら、いわゆるテープ幅が広くて、それに対応すべく露光領域を広く取らなければならない場合に、一括露光を行うためには、被露光基板と同等またはそれ以上の大きさの大露光フィールドを有する投影光学系が必要となる。そのような投射光学系は、大口径の投影レンズや投影ミラー光学系の使用が不可避であるため、構造が煩雑で製造が難しい上、その保守や使用環境の整備・制御等にも煩雑で特殊な工夫が必要とされる。また、それに関連して極めて高価であり、露光装置や露光プロセスに要する製造コストが大幅に増大するという問題もある。
プロキシミティ露光方式では、被露光基板の外形寸法が比較的小さい場合には、被露光基板上のレジスト破片等の異物がフォトマスク上に転移することを、密着露光の場合と比べて、かなりの程度、低減することができる。
しかしながら、プロキシミティ露光方式においては、大面積を露光する際には、大きなフォトマスクと大きな被露光フィルム基板を用いて、それらを例えば10μm〜50μm程度の小さな間隙となるまで近接させる必要があり、しかも大面積のフォトマスクが撓みやすいことに起因して、上記のような10μm〜50μm程度の小さな間隙を設けただけでは、フォトマスクと被露光基板上のフォトレジスト層とが部分的に接触して、レジスト破片等の異物がフォトマスクに転移し、やはり転写欠陥が生じやすくなるという問題があった。
しかしながら、プロキシミティ露光方式においては、大面積を露光する際には、大きなフォトマスクと大きな被露光フィルム基板を用いて、それらを例えば10μm〜50μm程度の小さな間隙となるまで近接させる必要があり、しかも大面積のフォトマスクが撓みやすいことに起因して、上記のような10μm〜50μm程度の小さな間隙を設けただけでは、フォトマスクと被露光基板上のフォトレジスト層とが部分的に接触して、レジスト破片等の異物がフォトマスクに転移し、やはり転写欠陥が生じやすくなるという問題があった。
このように、従来の露光技術では、露光装置系の構造やその運用上の保守等が簡易で低コストに利用可能であるプロキシミティ露光方式を採用すると、レジスト破片等の異物がフォトマスク上に転移することに起因した転写欠陥が発生するという問題があり、而してこれを回避するためには、構造が煩雑で製造が難しく、また保守や使用環境の整備・制御等も煩雑で、極めて高価でコスト高となる傾向にある投射光学系やその他の特殊な光学系を用いることが必要となるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、構造が煩雑で製造が難しく、また保守や使用環境の整備・制御等も煩雑で、極めて高価でコスト高となる傾向にある投射光学系やその他の特殊な光学系を用いることなく、レジスト破片等の異物がフォトマスク上に転移することに起因した転写欠陥の発生を抑制ないしは解消することを可能とした半導体装置用テープキャリアの製造方法を提供することにある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、構造が煩雑で製造が難しく、また保守や使用環境の整備・制御等も煩雑で、極めて高価でコスト高となる傾向にある投射光学系やその他の特殊な光学系を用いることなく、レジスト破片等の異物がフォトマスク上に転移することに起因した転写欠陥の発生を抑制ないしは解消することを可能とした半導体装置用テープキャリアの製造方法を提供することにある。
本発明の半導体装置用テープキャリアの製造方法は、絶縁性フィルム基材上に形成された金属材料層の表面上に、フォトレジスト層を形成する工程と、前記フォトレジスト層に対して所定のマスクパターンを設けてなるフォトマスクを用いた露光および現像を行って、レジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして用いたエッチング法により、前記金属材料層にパターン加工を施して、少なくとも配線パターンを含む導体パターンを形成する工程とを有する半導体装置用テープキャリアの製造方法であって、前記フォトレジスト層の上に所定の間隙を設けて前記フォトマスクを非接触に配置した状態で、前記フォトレジスト層に対する前記露光を行って、前記間隙の大きさに対応して生じる光の回折により、前記マスクパターンのパターン寸法とは異なったパターン寸法に変化させたレジストパターンを形成する工程を含むことを特徴としている。
本発明によれば、フォトレジスト層の上に、大面積のフォトマスクが撓んだりしてもフォトマスクとフォトレジスト層の表面とを非接触な状態に保つことができる、例えば0.1mm〜1.0mmのような十分な間隙を設けてフォトマスクを配置した状態で、フォトレジスト層に対する露光を行って、そのときのフォトマスクとフォトレジスト層の表面との間隙の大きさに対応して生じる光の回折を、むしろ逆手に取って積極的に利用し、例えばエッチング代に相当するようなパターン幅の増大分を含んだレジストパターンのような、マスクパターンのパターン寸法とは異なったパターン寸法に変化させたレジストパターンを形成するようにしたので、投射光学系やその他の特殊な光学系を用いることなしに、レジスト破片等の異物がフォトマスク上に転移することに起因した転写欠陥の発生を抑制ないしは解消して、所望の精確さでレジストパターンを形成することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの製造方法について、図面を参照して説明する。
この半導体装置用テープキャリアの製造方法は、絶縁性フィルム基材1上に形成された金属材料層2の表面上に、フォトレジスト層3を形成する工程と(図1の(a))、そのフォトレジスト層3に対して、透明基板4上に所定のマスクパターン5を設けてなるフォトマスク6を用いた露光、および現像を行って(図1の(b)、(c))、レジストパターン7を形成する工程と、レジストパターン7をエッチングマスクとして用いたエッチング法により、金属材料層2にパターン加工を施して、少なくとも配線パターンを含む導体パターン9を形成する工程(図1の(d)、(e)、(f))とを有する半導体装置用テープキャリアの製造方法であって、特に、フォトレジスト層3と対面するように、例えば0.1mm以上1.0mm以下の所定の間隙を設けてフォトマスク6を非接触に配置した状態で、投影露光方式のような複雑で高コストな露光装置ではなく構造が簡易で低コストでもある、例えば一般的なプリント配線板製造用の露光光源および光学系を用いるなどして、フォトレジスト層3に対する露光を行うことで、フォトレジスト層3とフォトマスク6との間の間隙の大きさに対応して生じる光の回折により、フォトマスク6のマスクパターン5のパターン寸法Wmとは異なったパターン寸法Wrに変化させたレジストパターン7を形成する工程を含んでいる。
ここで、上記のフォトレジスト層3とフォトマスク6との間の間隙の大きさの、好適な数値的態様としては、0.1mm以上1.0mm以下とすることが望ましい。これは、実施例として後述するような実験を我々が鋭意行った結果、確認できた知見の一つである。
また、上記のフォトレジスト層3としては、ネガタイプのフォトレジストを用いることが望ましい。ネガタイプとすることにより、フォトレジスト層3とフォトマスク6との間
の間隙の大きさに対応して生じる光の回折によって、例えばエッチング代Weに対応するようなパターン寸法の拡幅量Wdを、レジストパターン7のパターン寸法(例えば典型的には配線パターンに対応する部分のレジストパターン7のパターン寸法Wr;以下、このようなパターン寸法を、幅寸法、またはパターン幅とも呼ぶ)に付与することが可能となるからである。
の間隙の大きさに対応して生じる光の回折によって、例えばエッチング代Weに対応するようなパターン寸法の拡幅量Wdを、レジストパターン7のパターン寸法(例えば典型的には配線パターンに対応する部分のレジストパターン7のパターン寸法Wr;以下、このようなパターン寸法を、幅寸法、またはパターン幅とも呼ぶ)に付与することが可能となるからである。
また、レジストパターン7の幅寸法Wrと出来上がりの幅寸法として見込まれる(目標の)導体パターン9の幅寸法Wcとの差であるエッチング代の寸法Weを、フォトレジスト層3とフォトマスク6との間の間隙の大きさを調節することによって、その間隙の大きさの範囲に対応した所定の範囲内で適宜に設定することが可能である。
あるいは、マスクパターン5の幅寸法Wmを目標の導体パターン9の幅寸法Wcに等しいものとして設計した場合、そのとき使用するマスクパターン5の幅寸法Wmと実際に形成されたレジストパターン7の幅寸法Wrとの差異に因って、最終的に形成される導体パターン6に生じることが予測される、その導体パターン9の幅寸法Wcとマスクパターン5の幅寸法Wmとの差異を、ウェットエッチング法により金属材料層2にパターン加工を施す工程で、その差異に対応した適切な寸法に亘ってオーバーエッチングする(言い換えればサイドエッチング量を制御する)ことにより、低減または解消することが可能である。
また、製造の対象となる半導体装置用テープキャリアの全幅が158mm以上のような大きなものである場合に、特に、本発明の実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの製造方法は、効果的に機能する。何故なら、そのように大きな全幅を有する半導体装置用テープキャリアの露光工程では、フォトマスク6が全体的に撓みやすくなって、フォトレジスト層3上のレジスト破片等の異物がフォトマスク6上に転移する虞が急激に高くなるが、本発明の実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの製造方法によれば、0.1mm以上1.0mm以下のような十分に大きな間隙をフォトレジスト層3とフォトマスク6との間に設けるようにしているので、フォトマスク6が全体的に大きく撓んでも、そのフォトマスク6の表面がフォトレジスト層3の表面に接触することを、確実に回避することができるからである。
次に、さらに具体的に、本発明の実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの製造方法における主要な工程の流れを説明する。
まず、ポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁性フィルム基材1上に、例えば18μmのような厚さの金属材料層2を張り合わせてなる、いわゆるCCLタイプ銅張基材を用意する。このCCLタイプ銅張基材については一般的なものを使用可能である(図1(a))。
まず、ポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁性フィルム基材1上に、例えば18μmのような厚さの金属材料層2を張り合わせてなる、いわゆるCCLタイプ銅張基材を用意する。このCCLタイプ銅張基材については一般的なものを使用可能である(図1(a))。
そのCCLタイプ銅張基材における金属材料層2の上に、例えば厚さ10μmの感光性ドライフィルムレジストをラミネートして、フォトレジスト層3とする。そして、そのフォトレジスト層3に対して、0.1mm以上1.0mm以下の範囲内の所定の幅寸法の間隔を設けて、フォトマスク6を対面配置する(図1(b))。ここで、フォトマスク6に設けられているマスクパターン5は、本実施の形態ではネガ型露光方式に対応したものとなっており、そのネガパターン幅(つまり隣り合うマスクパターン5同士の間のスペース)はWmである。なお、フォトレジスト層3は、感光性ドライフィルムを金属材料層2の表面上にラミネートして形成すること以外にも、液状レジストを金属材料層2の表面上に均一に塗布(コーティング等)して形成するようにしてもよいことは勿論である。
続いて、フォトレジスト層3の感光波長に対応した光を照射して、フォトマスク6上に形成されているマスクパターン5に対応したパターンの露光を行う。その露光によって、
フォトレジスト層3における露光した部分が重合硬化してレジストパターン7の潜像となる(図1(c))。そして、露光に引き続いてフォトレジスト層3を現像し、レジストパターン7を得る(図1(d))。
この露光工程では、図2に図1(c)のレジストパターン7の潜像の部分近傍8を抽出・拡大して示したように、フォトレジスト層3とフォトマスク6との間に0.1mm以上1.0mm以下の範囲内の所定の間隔を設けて露光しているので、その間隔に対応した光の回折が生じて、レジストパターン7の全体的な潜像は、マスクパターン5の直進的な光による潜像のパターンの左右にそれぞれ拡幅量Wdずつ広がる。従って、得られるレジストパターン7の幅寸法Wrは、マスクパターン5の幅寸法Wmよりも左右に合計2・Wdだけ広がって(拡幅して)、Wr=Wm+2・Wdとなる。
そして、このようにレジストパターン7の拡幅量Wdはフォトレジスト層3とフォトマスク6との間の間隔に対応した大きさで生じるのであるから、その間隔を適宜に調節することにより、レジストパターン7の拡幅量Wdを、所望の大きさに設定(あるいは制御)することができるのである。
フォトレジスト層3における露光した部分が重合硬化してレジストパターン7の潜像となる(図1(c))。そして、露光に引き続いてフォトレジスト層3を現像し、レジストパターン7を得る(図1(d))。
この露光工程では、図2に図1(c)のレジストパターン7の潜像の部分近傍8を抽出・拡大して示したように、フォトレジスト層3とフォトマスク6との間に0.1mm以上1.0mm以下の範囲内の所定の間隔を設けて露光しているので、その間隔に対応した光の回折が生じて、レジストパターン7の全体的な潜像は、マスクパターン5の直進的な光による潜像のパターンの左右にそれぞれ拡幅量Wdずつ広がる。従って、得られるレジストパターン7の幅寸法Wrは、マスクパターン5の幅寸法Wmよりも左右に合計2・Wdだけ広がって(拡幅して)、Wr=Wm+2・Wdとなる。
そして、このようにレジストパターン7の拡幅量Wdはフォトレジスト層3とフォトマスク6との間の間隔に対応した大きさで生じるのであるから、その間隔を適宜に調節することにより、レジストパターン7の拡幅量Wdを、所望の大きさに設定(あるいは制御)することができるのである。
続いて、レジストパターン7をエッチングマスクとして用いたエッチング法により、金属材料層2にパターン加工を施して、配線パターン等の各種の導体パターン9を得る(図1(e))。
このとき、ウェットエッチングプロセスでは一般にサイドエッチングが生じるので、図3に図1(e)レジストパターン7および導体パターン9の部分近傍10を抽出・拡大して示したように、得られた導体パターン9の幅寸法Wcは、そのサイドエッチング量Weの左右合計2・Weだけ、レジストパターン7の幅寸法Wrよりも小さく(狭く)なる。つまり、Wc=Wr−2・Weとなる(式−1)。
そうすると、上記の露光工程で得られたレジストパターン7の幅寸法Wr=Wm+2・Wdであるから(式−2)、最終的に得られる導体パターン9の幅寸法Wcとマスクパターン5の幅寸法Wmとの関係は、式−1に式−2を代入して、Wc=Wm+2(Wd−We)となる(式−3)。
すなわち、この式−3から明らかなように、出来上がりの導体パターン9の幅寸法Wcをマスクパターン5の幅寸法Wmと等しくなるようにするためには、レジストパターン7の拡幅量Wdをサイドエッチング量Weと等しい寸法となるようにして、両者を相殺してやればよい、ということである。
あるいは、別の観点からすると、レジストパターン7における拡幅量Wdを、そのレジストパターン7におけるエッチング代の寸法Weと同等になるようにして、両者を相殺してやればよい、ということである。そのような適切な拡幅量Wdを得るためには、フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔を調節することが有効である。ここで、一般に(特殊な補正等を施す場合を除いて)、エッチング代の寸法は、サイドエッチング量と同等の値に設定される場合が多い。このため、本実施の形態では、エッチング代の寸法もサイドエッチング量も、同じWeで表すようにしている。
そうすると、上記の露光工程で得られたレジストパターン7の幅寸法Wr=Wm+2・Wdであるから(式−2)、最終的に得られる導体パターン9の幅寸法Wcとマスクパターン5の幅寸法Wmとの関係は、式−1に式−2を代入して、Wc=Wm+2(Wd−We)となる(式−3)。
すなわち、この式−3から明らかなように、出来上がりの導体パターン9の幅寸法Wcをマスクパターン5の幅寸法Wmと等しくなるようにするためには、レジストパターン7の拡幅量Wdをサイドエッチング量Weと等しい寸法となるようにして、両者を相殺してやればよい、ということである。
あるいは、別の観点からすると、レジストパターン7における拡幅量Wdを、そのレジストパターン7におけるエッチング代の寸法Weと同等になるようにして、両者を相殺してやればよい、ということである。そのような適切な拡幅量Wdを得るためには、フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔を調節することが有効である。ここで、一般に(特殊な補正等を施す場合を除いて)、エッチング代の寸法は、サイドエッチング量と同等の値に設定される場合が多い。このため、本実施の形態では、エッチング代の寸法もサイドエッチング量も、同じWeで表すようにしている。
あるいは、レジストパターン7における拡幅量Wdを調節するのではなく、拡幅量Wdはそのまま変化させずにいて、サイドエッチング量Weを調節することで、そのサイドエッチング量Weと拡幅量Wdとを相殺させるようにすることも可能である。
例えば、要求されるパターン形成精度が極めて厳しくかつ超ファインパターンである場合などには、サイドエッチング量Weを所望の量に調節することは容易ではない傾向にある。そこで、そのような場合には、レジストパターン7における拡幅量Wdを調節することで、そのサイドエッチング量Weと拡幅量Wdとを相殺させるようにすればよい。
例えば、要求されるパターン形成精度が極めて厳しくかつ超ファインパターンである場合などには、サイドエッチング量Weを所望の量に調節することは容易ではない傾向にある。そこで、そのような場合には、レジストパターン7における拡幅量Wdを調節することで、そのサイドエッチング量Weと拡幅量Wdとを相殺させるようにすればよい。
あるいは、例えばフォトレジスト層3とフォトマスク6との間の間隔を、どうしても所定の値から変更することができない、といった場合には、サイドエッチング量Weを調節
することで、そのサイドエッチング量Weと拡幅量Wdとを相殺させるようにすればよい。
することで、そのサイドエッチング量Weと拡幅量Wdとを相殺させるようにすればよい。
このようにして導体パターン9を形成した後、レジストパターン7を剥離除去する(図1(f))。
以上のような本発明の実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの製造方法によれば、フォトレジスト層3の上に、例えば大面積のフォトマスク6が撓んだりしても、そのフォトマスク6の表面とフォトレジスト層3の表面とを非接触な状態に保つことが可能な、例えば0.1mm〜1.0mmのような十分な大きさの間隙を設けてフォトマスク6を対面配置した状態で、フォトレジスト層3に対する露光を行って、そのときのフォトマスク6とフォトレジスト層3の表面との間隙の大きさに対応して生じる光の回折を、むしろ逆手に取って積極的に利用して、例えばエッチング代We(またはサイドエッチング量We)に相当するようなパターン幅の増大分である拡幅量Wdを含んだ寸法Wrの、つまりマスクパターン5のパターン寸法Wmとは異なったパターン寸法Wrに変化させたレジストパターン7を形成するようにしたので、投射光学系やその他の特殊な光学系を用いることなしに、レジスト破片等の異物がフォトマスク6上に転移することに起因した転写欠陥の発生を抑制ないしは解消して、所望の精確さでレジストパターン7を得ることができる。そして、その結果、精確な幅寸法Wcを有する配線パターンなど各種の導体パターン9を形成することが可能となる。
上記の実施の形態で説明した製造方法によって、半導体装置用テープキャリアを作製した。
158μm幅のポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁性フィルム基材1上に形成された厚さ18μmの金属材料層2の表面に、厚さ10μmの感光性ドライフィルムレジストをフォトレジスト層3として貼り付けた。
158μm幅のポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁性フィルム基材1上に形成された厚さ18μmの金属材料層2の表面に、厚さ10μmの感光性ドライフィルムレジストをフォトレジスト層3として貼り付けた。
続いて、フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔を、0μm、50μm、100μm、200μm、400μm、800μm、1000μm、1200μmのような8種類の異なった寸法となるように、非接触で配置し、その8種類の条件で、それぞれ露光を行った。このとき、8種類の条件の各々に対応して、それぞれの露光で用いるマスクパターン5のパターン幅Wmを、32μm、30μm、28μm、26μm、24μm、16μm、12μmに設定することで、レジストパターン7のパターン幅Wrが、8種類のどの条件の場合でも32μmとなるようにした。
引き続いて、現像を行って、レジストパターン7を得た。そして、そのレジストパターン7を用いて、ウェットエッチング法により、金属材料層2にパターン加工を施して、テストパターン的な配線パターンからなる導体パターン9を形成した。その導体パターン9は、配線幅25μm、配線間スペース25μmを目標値(狙い値)とした。すなわち、配線幅25μmの左右にそれぞれエッチング代We=3.5μmを付加して、レジストパターン7のパターン幅Wrを32μmとした。
その後、レジストパターン7を剥離除去して、8種類の異なった条件(フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔)設定による製造工程で作製された、8種類の半導体装置用テープキャリアを得た。
そして、本実施例による実験では、作製した半導体装置用テープキャリアから1000ピース(実装される半導体装置1000個分の個片)を切り出して、それらについて、導体パターン9のパターン再現精度に関する一般的な基準に従った検査を実施して、歩留り(%)を確認した。
その結果を、纏めて表1に示す。
そして、本実施例による実験では、作製した半導体装置用テープキャリアから1000ピース(実装される半導体装置1000個分の個片)を切り出して、それらについて、導体パターン9のパターン再現精度に関する一般的な基準に従った検査を実施して、歩留り(%)を確認した。
その結果を、纏めて表1に示す。
上記のような本実施例の実験結果から、フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔を大きくしていくにつれて、露光で得られるレジストパターン7のパターン幅Wrの拡幅量Wdが、0μm、1μm、2μm、3μm、4μm、8μm、10μmのように、次第に大きくなっていくということが、明らかに確認された。また、このことから、フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔を適宜に調節することで、所望の寸法のエッチング代Weに相当した拡幅量Wdを付加してなるレジストパターン7を得ることができる、ということが確認された。
そしてまた、フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔が、100μm〜1000μm(つまり0.1mm以上1.0mm以下)のときに、85%以上の良好な歩留りとなるが、0μm、50μm(つまり0.1mm未満)のときには、それぞれ歩留りは45%、68%のような低い値となり、また1000μm超(つまり1.0mm超)では、さらに甚だしく、解像不可になった。この結果から、フォトマスク6とフォトレジスト層3との間の間隔を、0.1mm以上1.0mm以下とすることにより、158mmのような幅広の半導体装置用テープキャリアを、高歩留りで精確に製造することが可能となることが、実験的に確認された。
1 絶縁性フィルム基材
2 金属材料層
3 フォトレジスト層
4 透明基板
5 マスクパターン
6 フォトマスク
7 レジストパターン
8 レジストパターンの潜像の近傍の部分
9 導体パターン
10 レジストパターンおよび導体パターンの近傍の部分
2 金属材料層
3 フォトレジスト層
4 透明基板
5 マスクパターン
6 フォトマスク
7 レジストパターン
8 レジストパターンの潜像の近傍の部分
9 導体パターン
10 レジストパターンおよび導体パターンの近傍の部分
Claims (6)
- 絶縁性フィルム基材上に形成された金属材料層の表面上に、フォトレジスト層を形成する工程と、前記フォトレジスト層に対して所定のマスクパターンを設けてなるフォトマスクを用いた露光および現像を行って、レジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして用いたエッチング法により、前記金属材料層にパターン加工を施して、少なくとも配線パターンを含む導体パターンを形成する工程とを有する半導体装置用テープキャリアの製造方法であって、
前記フォトレジスト層の上に所定の間隙を設けて前記フォトマスクを非接触に配置した状態で、前記フォトレジスト層に対する前記露光を行って、前記間隙の大きさに対応して生じる光の回折により、前記マスクパターンのパターン寸法とは異なったパターン寸法に変化させたレジストパターンを形成する工程を含む
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置用テープキャリアにおいて、
前記間隙の大きさを、0.1mm以上1.0mm以下とする
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1または2記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記フォトレジスト層として、ネガタイプのフォトレジスト層を用いる
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項3記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記レジストパターンの幅寸法と前記エッチング法により前記金属材料層にパターン加工を施して得られる前記導体パターンの幅寸法との差であるエッチング代の幅寸法を、前記間隙の大きさを調節することによって設定する
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項3または4記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記マスクパターンの幅寸法と前記レジストパターンの幅寸法との差異によって生じる、前記導体パターンの幅寸法の前記マスクパターンの幅寸法に対する差を、前記エッチング法により前記金属材料層にパターン加工を施す工程で、オーバーエッチングによって低減または解消する
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1ないし5のうちいずれか1つの項に記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
当該半導体装置用テープキャリアの全幅が、158mmである
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2010021490A JP2011159875A (ja) | 2010-02-02 | 2010-02-02 | 半導体装置用テープキャリアの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010021490A JP2011159875A (ja) | 2010-02-02 | 2010-02-02 | 半導体装置用テープキャリアの製造方法 |
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JP (1) | JP2011159875A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015212720A (ja) * | 2014-05-01 | 2015-11-26 | Hoya株式会社 | 多階調フォトマスクの製造方法、多階調フォトマスク及び表示装置の製造方法 |
-
2010
- 2010-02-02 JP JP2010021490A patent/JP2011159875A/ja active Pending
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JP2015212720A (ja) * | 2014-05-01 | 2015-11-26 | Hoya株式会社 | 多階調フォトマスクの製造方法、多階調フォトマスク及び表示装置の製造方法 |
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