JP2011156594A - 騒音を伴う作業具の遮音具及びその交換部品 - Google Patents

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Takayuki Kadaka
孝之 香高
Hirokazu Honma
博和 本間
Fusao Terada
総男 寺田
Shoichi Uchida
正一 内田
Toshihiko Sakamoto
利彦 坂本
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Abstract

【課題】
本発明の課題は、騒音を伴う作業具の作用部による作業対象物の接触による騒音において、作業対象物の面とその母体を伝わる減衰波部分による騒音と、作業対象物の面での凹凸面の隙間から外部に逃げる騒音を消音可能な作業具に取り付け可能な遮音具を提供することである。
【解決手段】
作業具の作用部又は作業具のボディーに遮音具を取り付ける取り付け具と、作業対象物の面の凹凸に密着するためのものであり、かつ、作用部を中心した径方向に幅を有する圧縮伸張部を先端に有するところの作業面覆い部とを有し、作業面覆い部は、支持体を介して、取り付け具に連結し、作用部を囲み覆うように取り付けられている構成としたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音を伴う作業具に付設して、作業により発生する騒音を遮音するための遮音具及びその交換部品に関するものである。
特に、使用頻度の多い作業具としてハツリ装置に適用すると、作業対象物へ接触する作用部であるチゼルによるハツリ面(作業対象物の面)との間で発生する接触騒音を遮音することが出来るので、ハツリ装置を主な例に上げ、以下説明する。
従来、コンクリート面等を破砕するために、チゼル(ノミ)の接触によるハツリが行われている。その際、ハツリ装置の周辺には、二種の騒音が発生している。1つは、圧縮空気の排出時の騒音であり、もう1つは、チゼルとコンクリート面との接触による騒音である。特許文献1では、前者の圧縮空気の排出時の騒音の遮音を対象にしたものであり、本発明による遮音具は、後者のチゼルとコンクリート面との接触による騒音の遮音を対象にしたものである。特許文献2には、コンクリート面との接触による騒音の遮音を対象にしたチゼルの先端まで延びた防音部材39で囲んだケーシング21が明細書及び図面にあるが、ケーシングの板又は層がコンクリート面の横に広がった、所謂、肉厚構造でないため、コンクリート面とコンクリート母体を伝わる騒音の減衰波を遮音することには対応できていないこと、及び、ハツリが行われている中間状態でのコンクリートのハツリ面での凹凸面に対応できていないため、凹凸面の隙間から騒音が外部に逃げて遮音性能が上がらないという欠点を有している。
特開2005−279906 特開2008−272919
本発明の課題は、前記の不具合を克服するもので、騒音を伴う作業具の作用部(ハツリ装置ではチゼル)による作業対象物(コンクリート)の接触による騒音振動において、作業対象物の面(コンクリート面)と作業対象物の母体を伝わる減衰波部分の遮音に対応でき、作業対象物の面での凹凸面の隙間から外部に逃げる騒音の遮音にも対応できるものであって、作業具に付設又は作業者の身につけて使用できる騒音を伴う作業具の遮音具を提供することである。
本発明の騒音を伴う作業具の遮音具は、作業具の作用部(例えば、ハツリ装置においてはチゼル)又は作業具のボディーに遮音具を取り付ける取り付け具と、被作業対象物の作業面の凹凸に密着するためのものであり、かつ、作用部を中心した径方向に幅を有する圧縮伸張部を先端に有するところの騒音遮断のための作業面覆い部とを有し、作業面覆い部は、取り付け具に連結し、作用部を囲み覆うように取り付けられている構成としたことを特徴とする。以下説明する。
請求項1記載の発明は、騒音を伴う作業具の遮音具であって、
作業具に取り付けて、前記作業具の作用部が接触する作業対象物と前記作用部との間で発生する接触音を遮音する遮音具であって、前記作用部を中にして、前記作用部の入るべき空間を空隙部となるように接触音の発生部を覆い、かつ、遮音性を有し、柔軟に収縮伸張する伸縮体によって作業対象物の作業面の凹凸に密着して、前記作用部と前記作業対象物との直接的接触音の遮音と前記作業対象物の面と前記作業対象物の母体を伝わる前記接触音の減衰波部分の遮音と前記作業対象物の作業面での凹凸面の隙間から外部に逃げる騒音の遮音とを行うところの作業面覆い部と、前記作業面覆い部を前記作業具に取り付け固定するための取り付け具と、前記作業面覆い部と前記取り付け具の間にあって、前記作業面覆い部を前記取り付け具に支持する支持体とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の騒音を伴う作業具の遮音具において、前記作業面覆い部は、多数の袋からなるエアマット、発泡性合成樹脂、スポンジ、発泡性ゴムのいずれかの素材で横幅と厚みを有し、前記横幅は、前記作業面覆い部の前記空隙部となる側の径は前記作用部の入るべき大きさであり、前記作業対象物の面と前記作業対象物の母体を伝わる前記接触音の減衰波部分を遮音するように外側の径により与えられ、前記厚みは、前記直接的接触音と前記接触音の減衰波部分による間接的接触音を遮音するものであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の騒音を伴う作業具の遮音具において、前記横幅を決める前記作業面覆い部の外径は半径100mm以上、厚み100mm以上であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の騒音を伴う作業具の遮音具において、前記作業面覆い部の伸縮体はバネ又はネットであり、
前記作業面覆い部は、壁面又は床面側に向いた筒部と、前記バネによりこれに出し入れ可能に取り付けられた棒部を有し、前記棒部の先端部と隣の棒部の先端部には、壁面又は床面側に向かう第二のバネ又は、多数の袋からなるエアマット、発泡性合成樹脂、スポンジ、発泡性ゴムのいずれかの伸縮体があって、筒部と棒部と第二のバネ又は前記伸縮体には、遮音シート又は遮音シートを張ったネットを有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の騒音を伴う作業具の遮音具において、前記作業面覆い部を前記取り付け具に支持する支持体は、前記遮音シートを取り付けたことで遮音性を有し、剛性のある傘又は椀状の固定形状又は、開閉可能な傘の骨枠形状を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の騒音を伴う作業具において、前記支持体又は及び前記作業面覆い部は、前記作用部が見えるように透明であるか、又は、遮音性で透明な窓を有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項3、請求項6のいずれか1つに記載の騒音を伴う作業具の遮音具の交換部品において、前記支持体に面合するように、前記作業面覆い部には、前記作業対象物の面から離れる側の上端に固定された鍔部を有し、前記面合した状態でネジ又ははさみ込みにより、前記鍔部を前記支持体に固定、取り外しを可能としたことで、前記作業面覆い部を前記支持体に付設、取り外しすることを可能としたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、騒音を伴う作業具の遮音具であって、作業者が着用して使用するものであって、肩当又は首に結ぶ結接帯と、前記作業者の着用を想定した場合に、前記作業者の前記肩当または前記結接帯から少なくとも前側に、かつ、下側に曲がって延びた、剛性のある細長い帯状体又は棒状体であるところの遮音シート形状確保のためのシート保持具と、前記肩当又は前記結接帯と前記シート保持具に被せられ、前記作業者の首及び頭を出す穴を有し、かつ、少なくとも前側が透明である遮音シートによるマントとを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の騒音を伴う作業具の遮音具において、
前記マントの下側に接続して、多数の袋からなるエアマット、発泡性スポンジ、発泡性ゴムのいずれかにより構成されたことで収縮伸張性を有し、作業対象物の面に密着する作業面覆い部を有したことを特徴とする。
以上の様に構成されているので、本発明の騒音を伴う作業具の遮音具では、作業具の作用部又は作業具のボディーに、取り付け具により取り付けることが出来、作業面覆い部が作用部先端を略中心にしてカバーし、圧縮伸張部が作業対象物の面の凹凸に密着して、作業対象物(コンクリート)の面と作業対象物の母体を伝わる減衰波部分の遮音と作業対象物の面での凹凸面の隙間から外部に逃げる騒音の遮音に対応できる。
本発明による騒音を伴う作業具の遮音具の一実施態様を示す図である。 作業対象物であるコンクリート中を伝播する音の減衰を示す図である。 作業者が本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具を付設した作業具で作業を行う状態を示す図である。 本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具で消耗交換が可能な部品の一実施態様を示す図である。 本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具の別の実施態様を示す図である。 本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具を作業具(ハツリ装置)に取り付けた状態を示す図である。 本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具の別の実施態様を示す図である。
図1は、本発明による騒音を伴う作業具の遮音具の一実施態様を示す図である。
図2は、作業対象物であるコンクリート中を伝播する音の減衰を示す図であり、これを用いて本発明による騒音を伴う作業具の遮音具の作用を説明する。
先ず、図2の2−Aにおいて、コンクリート壁201(断面で示されている)の上の空間から音(音は実際には粗密波(縦波)であるが、分かりやすく横波で示してある)が、音響パワーの大きさ(強度)として、振幅VdBで、コンクリート面に入射し、コンクリートの中を減衰しながら伝播し、再び下の空間に音として、振幅WdBで放射されている。
従って、一般に言われるコンクリートの遮音性能D値は、DdB=VdB−WdBであって、当然、この値は、コンクリート壁の厚さが大きいほど大きくなっている。コンクリート壁の厚さ方向に音が減衰するからである。因みに、日本建築学会発行の「建物の遮音設計資料」から、コンクリート壁の厚みに対するD値の目安を掲げると、厚みが120mmで45dB、150mmで50dB、200mmで55dBとなっている。
これは、コンクリート中を伝わる音の波が、例えば、200mmを進行すると、55dB減衰することを表している。人間の耳は、10dB大きくなると、2倍に聞こえる性質があるので、例えば、音源からコンクリートの中を200mmの離れたところでは、55dBの遮音となり、2の5.5乗分の1(1/45)に聞こえます。
2−Bにおいて、コンクリート床(又は壁)202を騒音を伴う作業具としてのハツリ装置の作用部であるチゼル203が打撃すると、その打撃振動(接触騒音)が打撃位置部204に発生し、コンクリート床(又は壁)202の中を伝播する。2−Aと同じく、打撃位置部204から離れるほど打撃振動205は減衰する。各位置の空気は、各位置の打撃振動205により振られ、打撃振動205のパワーに応じた二次的(間接的)空気振動206が発生し、騒音を発生する。勿論、最も多きいのは、打撃位置部204において、チゼル203がコンクリート床(又は壁)202にぶつかって発生する直接音である。これらの直接音と、間接音を除くには、コンクリート床(又は壁)202の振動をチゼル203を中心にして、所望の遮音性能D値を得る距離だけ、吸音材による覆い部207で覆い、コンクリート床(又は壁)202の振動が空気に伝わらないことが必要である。たとえば、2−Aの例から、例えば、200mmの半径の円の面を覆うと、コンクリート床を経由して漏れる音は、55dB減衰したものと考えられます。
ここで大切なことは、コンクリート床(又は壁)202は、作業が進行すると、コンクリートの破れにより表面に凹凸が発生することです。この凹凸と覆いの隙間から、音が漏れてくると、覆いによる遮音性能が落ちます。従って、この凹凸に応じて、覆いは柔軟に収縮伸張し、覆いと凹凸の接触が緊密になることが必要です。又、コンクリートの凹凸の面に接触する覆いは、遮音性能を得るためには、作用部(チゼル)を中心とした径方向に幅が必要です。遮音具において作用部が収まる位置を中心穴にし、収縮伸張する柔軟な吸音材による覆い部を径方向に幅を持ったドーナツ状にし、収縮伸張する柔軟な作業面覆い部の上部には、音が漏れないように閉じられた傘部があり、吸音され、傘部は取り付け具により、作業具(ハツリ装置)に固定されるようにすることで、打撃(接触)音による音を遮蔽することが出来ます。
ここで、収縮伸張する柔軟な吸音材としては、エアマット、スポンジ、ゴム、発泡性ゴム、発泡性ウレタン、蛇腹状ゴムなどを用いることが出来る。
次に具体的実施例として、騒音を伴う作業具としてハツリ装置を例にして、図1から図7を用いて説明する。カッターやソーなど他の作業具にも適用できることは言うまでもない。
図1は、本発明による騒音を伴う作業具の遮音具の一実施態様を示す図である。
1−Aにおいて、略円形で所望の厚みを持った柔軟に収縮伸張する伸縮体によるハツリ面覆い部101があり、これは、多数の袋からなるエアマットや発泡性スポンジ、発泡性ゴムなどで構成されている。ハツリ面覆い部101を支持する支持体103は、金属や硬質プラスチックなど剛性のあるもので、この中央には、ハツリ装置に取り付けるための取り付け具104が付いている。取り付け具は、ハツリ装置のはめ込むための径の穴が開いていて、そのものに切られたメスネジによるねじ込み又は、そのものの横に開いたネジ穴からネジを差し込んで固定するようになっている。尚、支持体103は、作業中にチゼルが見えるように透明か、又は透明の窓を持つことが好ましい。
ハツリ面覆い部101の中央は、チゼルが収まる場所が空隙部102になっている。この図では、円形に空隙部を形成している。従って、ハツリ面覆い部101は、穴の開いた円板(ドーナツ状)の様相をしている。ハツリ面覆い部101の幅Xは、穴の中心から径方向にコンクリート床の中を打撃音が伝播する減衰性を考慮して、遮音性能を満たすように図2での遮音性能D値を考慮して行われる。例えば、空隙部の半径を50mmとし、ハツリ面覆い部101の外側端までの径を200mmとすると、図2の例から、55dBの音の減衰を得ることが出来、ハツリ面覆い部101の外側端より内側のより大きい音を、ハツリ面覆い部101で吸音して漏らさないことが可能である。ハツリ面覆い部101の厚みは、ハツリ面覆い部101を構成する遮音材の材質の遮音性能によって決めることに成る。例えば、発泡ウレタンで厚み120mmの遮音性能は、32dBの減衰を得ることができ、100dBの騒音を68dBに減らすことが可能である。さらに、2枚の発泡ウレタン60mmの間に、他の遮音材、例えば、鉛シート0.3mm等を挟むなど複合化が可能である。尚、空隙部102は、ハツリ面覆い部101のみならず、支持体103の中まで延びて付設されていてもよい。又、空隙部102の形状は通常は円形の柱状であるが、必ずしも円形にこだわらない。1−Aにおいては、ハツリ面覆い部101と空隙部102と支持体103のいずれも円柱状であった。尚、ハツリ面覆い部101は、発泡性なので、水その他の液体を含ませることで、埃の遮断、遮音性が更によくなるのは好都合である。
1−Bから1−Dには、ハツリ面覆い部101と空隙部102と支持体103の色々の形状の変形を示している。1−Bでは、ハツリ面覆い部101と空隙部102は円柱状、支持体103が円錐台状であり、1−Cでは、ハツリ面覆い部101は円柱状、空隙部102は円錐状、支持体103が円錐台状であり、1−Dでは、作業者の足を置く位置で、ハツリ面覆い部101と支持体103が凹んだ形状をしたものである。1−Eでは、ハツリ面覆い部101の伸縮性材料として蛇腹状ゴムを用いた例である。
図3は、作業者が本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具を付設したハツリ装置でハツリ作業を行う状態を示す図である。3−Aは、図1の1−Aから1−Cに対応する遮音具をつけた状態であり、作業者は少し前かがみになった状態で作業するので、足が遮音具に当らない。3−Bでは、図1の1−Dの遮音具をつけた状態であり、作業者は直立の姿勢で作業をしても足は、遮音具に当らない。足の先の近くの遮音具が凹んでいるからである。ハツリ装置が重く、作業者が押し付けなくとも自重で作業を行うことが出来る場合に好都合である。
図4は、本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具で消耗交換が可能な部品の一実施態様を示す図である。4−Aにおいて、ハツリ装置の遮音具全体400を示す。遮音具全体400は、4−Bに分解して示すようになっている。図1で示したと同じく、伸縮体によるハツリ面覆い部401Aには、空隙部402があり、更に、ハツリ面から離れる側の上端に鍔部401Bを有していて、この鍔部401Bがハツリ面覆い部401Aを固定的に支持し、鍔部401Bと面合するように支持体403Aがあり、この鍔部401Bと支持体403Aを面合した状態で、ネジ又ははさみ込みにより、鍔部401Bを支持体403Aに固定することで、ハツリ面覆い部401Aを支持体403Aに付設することを可能とし、ハツリ面覆い部401Aがハツリ作業により、消耗した場合には、ネジ又ははさみ込み405を外すことで、ハツリ面覆い部401Aを支持体403Aから外し、新たなハツリ面覆い部401Aを交換することを可能としている。尚、ここでは、ハツリ面覆い部401Aと鍔部401Bが一緒になった鍔付覆い部401が交換部品となっている。尚、鍔部401Bを支持体403Aに固定することを補助するために、鍔部401B又は支持体403Aと同じような形状の押さえリング403Bを設けて、鍔部401Bを支持体403Aと押さえリング403Bで挟んでネジ締めを行うことも可能である。支持体403Aには、取り付け具404が付いていて、ハツリ装置に固定のための取り付け固定ネジ406、又は図示されないが、取り付け具404に切られたメスネジが付いている。尚、支持体403Aや鍔部401Bには、透明部または透明窓部を設けることでチゼルの位置を見やすくすることが好都合であることは、前例の通りである。
図5は、本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具の別の実施態様を示す図である。
この遮音具も、柔軟に収縮伸張する伸縮体によるハツリ面覆い部501とこれを支持する支持体503と、ハツリ装置に取り付けるための取り付け具504が付いている。図1の例と同様に、支持体503は、金属や硬質プラスチックなど剛性のある骨枠(傘の骨枠状)とこれに傘の布状に張られた遮音シートで出来ている。骨枠はその集まって取り付け具504につけられている。ハツリ面覆い部501は、図1と違いは、図1の例では、空隙部102を有する伸縮性の素材で出来ていたが、図5の例は、自在な伸縮性をバネやネットで与えていて、バネやネットの間に張られた遮音シートがハツリの騒音の空間を覆うようになっている。ハツリは、床面だけでなく縦に立ち上がった壁面をも行うことを考えると、自重により密着するだけでは駄目で、床面あるいは壁面に伸張して、ハツリ面覆い部501の先端を密着することが必要である。この伸張する役割をバネやネットが担っている。具体的には、ハツリ面覆い部501は、壁面又は床面側に向いた筒部506と、バネ505によりこれに出し入れ可能に取り付けられた棒部507を有し、棒部507の先端部508と隣の棒部507の先端には、外側に向かう(壁面又は床面側に向かう)第二のバネ509があって、
筒部506と棒部507と第二のバネ509には、遮音シート又は遮音シートを張ったネット510を有している。従って、この例では、6本の筒部506と棒部507と第二のバネ509で囲まれた空間が騒音をカバーする空間となっている。
尚、支持体503は、固定的であってもよいし、取り付け具504に対して、傘のように開閉する構造でも良い。5−Bでは、支持体503が開閉する例を示す。骨枠511が取り付け具504に対して自在に動くようになっている。骨枠511は、取り付け具504に付けられた穴512において、ピン513で支持され、ここを支点に回転可能になっている。第三のバネ514により骨枠511の先端は、取り付け具504に取り付けられているので、骨枠511は、バネにより内側(傘を閉じる方向)に押し付ける向きで開閉できる例を示す。
尚、傘の骨枠は、枠の形状である必要はない。例えば、椀を伏せたような形状で枠がない形状でも同じである。又、支持体503には、透明な遮音シートを貼って遮音を行い、チゼルを見えるようにしている。
図6は、図1及び図5で示した本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具をハツリ装置に取り付けた状態を示す図である。
6−Aでは、ハツリ装置の本体を示す。チゼル601と作業者がつかむハンドル602と圧縮空気や電気でチゼル601に打撃動作をさせる機動部603を有している。
6−Bでは、図1に示した遮音具をチゼル601に取り付けた例を示す。6−Cでは、図1に示した遮音具を機動部603に取り付けた例を示す。6−Dでは、図1に示した遮音具を機動部603まで覆うように長めに作成し、取り付けた例を示している。
6−Eでは、図5に示した遮音具を機動部603に取り付けた例を示す。
図7は、本発明に係る騒音を伴う作業具の遮音具の別の実施態様を示す図である。これは、作業者が着用して使用するものである。7−Aにおいて、肩当(又は首に結ぶ結接帯も可)701と、肩当701から少なくとも一方側に延び、かつ、下側に曲がって延びた、金属など剛性のある細長い帯状体又は棒状体であって、遮音シート形状確保のためのシート保持具702と、前記肩当701と前記シート保持具702に被せられ、作業者の首から頭を出す穴705を有し、かつ、少なくとも前側が透明である遮音シートによるマント703とを有している。シート保持具702が無いと、遮音シート自体に剛性を持たせない限り、マント703が下にたれて、作業者の前にハツリを行う空間が作れないので、極めて不都合なものになる。
7−Bにおいては、図1の例と同じく、マント703の下側にハツリ面覆い部704を有するものである。ハツリ面覆い部704は、所望の厚みを持った柔軟に収縮伸張する伸縮体であり、これは、多数の袋からなるエアマットや発泡性スポンジ、発泡性ゴムなどで構成されている。
尚、本発明で使用できる遮音シートとしては、遮音シート、吸音シートなどとして市販されているものを利用することが出来る。例えば、日東紡遮音シートJ−700、クレハVBRAN@ Cシリーズなど多くのものが有る。
又、多数の袋からなるエアマットや発泡性スポンジ、発泡性ゴムなどで構成されたシートも利用できる。また、遮音性能がやや落ちるが、ビニルシートや厚手の布なども利用できる。
尚、図2で遮音性能を満足するために、遮音材の厚みについて触れたように、本発明の全ての態様について、厚み以外に遮音材層を複数層重ねる構成も取れることは当然である。
以上の記述では、主に、ハツリ装置を例に遮音具を説明したが、カッター、ソー、特に電動やエンジンを積んだこれらの騒音を伴う作業具に適用できることは当然である。
以上のよう本発明に係るハツリ装置の遮音具は、チゼルがコンクリート等のハツリ面を打撃するときに、直接発生する打撃音及び、コンクリートを減衰しながら伝播する振動による間接的打撃音の発生部をカバーし遮音するので、作業の周辺への騒音を気にする必要が無くなり、難聴など作業者の健康上の心配もなくなり、ハツリ装置に簡単に取り付けが可能なので、産業上利用性が極めて大きい。
101、501、401A、704 ハツリ面覆い部
102、402 空隙部
103、403A、503 支持体
104、504 取り付け具
201 コンクリート壁
202 コンクリート床(又は壁)
203、601 チゼル
204 打撃位置部
205 打撃振動
206 二次的(間接的)空気振動
207 吸音材による覆い部
400 遮音具全体
401 鍔付覆い部
401B 鍔部
403B 押さえリング
405 ネジ又ははさみ込み
406 取り付け固定ネジ
505 バネ
506 筒部
507 棒部
508 先端部
509 第二のバネ
510 遮音シート又は遮音シートを張ったネット
511 骨枠
512 穴
513 ピン
514 第三のバネ
602 ハンドル
603 機動部
701 肩当
702 シート保持具
703 マント
705 穴

Claims (9)

  1. 作業具に取り付けて、前記作業具の作用部が接触する作業対象物と前記作用部との間で発生する接触音を遮音する遮音具であって、前記作用部を中にして、前記作用部の入るべき空間を空隙部となるように接触音の発生部を覆い、かつ、遮音性を有し、柔軟に収縮伸張する伸縮体によって作業対象物の作業面の凹凸に密着して、前記作用部と前記作業対象物との直接的接触音の遮音と前記作業対象物の面と前記作業対象物の母体を伝わる前記接触音の減衰波部分の遮音と前記作業対象物の作業面での凹凸面の隙間から外部に逃げる騒音の遮音とを行うところの作業面覆い部と、前記作業面覆い部を前記作業具に取り付け固定するための取り付け具と、前記作業面覆い部と前記取り付け具の間にあって、前記作業面覆い部を前記取り付け具に支持する支持体とを有することを特徴とする騒音を伴う作業具の遮音具。
  2. 前記作業面覆い部は、多数の袋からなるエアマット、発泡性合成樹脂、スポンジ、発泡性ゴムのいずれかの素材で横幅と厚みを有し、前記横幅は、前記作業面覆い部の前記空隙部となる側の径は前記作用部の入るべき大きさであり、前記作業対象物の面と前記作業対象物の母体を伝わる前記接触音の減衰波部分を遮音するように外側の径により与えられ、前記厚みは、前記直接的接触音と前記接触音の減衰波部分による間接的接触音を遮音するものであることを特徴とする請求項1記載の騒音を伴う作業具の遮音具。
  3. 前記横幅を決める前記作業面覆い部の外径は半径100mm以上、厚み100mm以上であることを特徴とする請求項2記載の騒音を伴う作業具の遮音具。
  4. 前記作業面覆い部の伸縮体はバネ又はネットであり、
    前記作業面覆い部は、壁面又は床面側に向いた筒部と、前記バネによりこれに出し入れ可能に取り付けられた棒部を有し、前記棒部の先端部と隣の棒部の先端部には、壁面又は床面側に向かう第二のバネ又は、多数の袋からなるエアマット、発泡性合成樹脂、スポンジ、発泡性ゴムのいずれかの伸縮体があって、筒部と棒部と第二のバネ又は前記伸縮体には、遮音シート又は遮音シートを張ったネットを有することを特徴とする請求項1記載の騒音を伴う作業具の遮音具。
  5. 前記作業面覆い部を前記取り付け具に支持する支持体は、前記遮音シートを取り付けたことで遮音性を有し、剛性のある傘又は椀状の固定形状又は、開閉可能な傘の骨枠形状を有することを特徴とする請求項4記載の騒音を伴う作業具の遮音具。
  6. 前記支持体又は及び前記作業面覆い部は、前記作用部が見えるように透明であるか、又は、遮音性で透明な窓を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の騒音を伴う作業具の遮音具。
  7. 前記支持体に面合するように、前記作業面覆い部には、前記作業対象物の面から離れる側の上端に固定された鍔部を有し、前記面合した状態でネジ又ははさみ込みにより、前記鍔部を前記支持体に固定、取り外しを可能としたことで、前記作業面覆い部を前記支持体に付設、取り外しすることを可能としたことを特徴とする請求項1から請求項3、請求項6のいずれか1つに記載の騒音を伴う作業具の遮音具の交換部品。
  8. 作業者が着用して使用するものであって、肩当又は首に結ぶ結接帯と、前記作業者の着用を想定した場合に、前記作業者の前記肩当または前記結接帯から少なくとも前側に、かつ、下側に曲がって延びた、剛性のある細長い帯状体又は棒状体であるところの遮音シート形状確保のためのシート保持具と、前記肩当又は前記結接帯と前記シート保持具に被せられ、前記作業者の首及び頭を出す穴を有し、かつ、少なくとも前側が透明である遮音シートによるマントとを有することを特徴とする騒音を伴う作業具の遮音具。
  9. 前記マントの下側に接続して、多数の袋からなるエアマット、発泡性スポンジ、発泡性ゴムのいずれかにより構成されたことで収縮伸張性を有し、作業対象物の面に密着する作業面覆い部を有したことを特徴とする請求項8記載の騒音を伴う作業具の遮音具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107502719A (zh) * 2017-07-11 2017-12-22 沈阳理工大学 一种超声波冲击消应器的隔音降噪装置

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