JP2011149913A - 閉リンク機構およびそれを備えた力覚センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】閉リンク機構の機能を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】連結部10Aが、テーブル3に設けられ、テーブル3の可動を受ける多自由度を有するジョイント12と、ひも11を介してジョイント12の可動を受ける多自由度を有するジョイント13と、一端にジョイント13が設けられ、他端でベース2と固定されたアーム14と、ジョイント12を介してテーブル3と接続され、ジョイント13を介してアーム14と接続されて、ジョイント12とジョイント13との間に張設されたひも11と、を含んでテーブル3とベース2とを連結している。
【選択図】図16

Description

本発明は、多自由度のジョイントを有する閉リンク機構(閉リンク装置)およびそれを備えた力覚センサに適用して有効な技術に関する。
複数のリンクがジョイントで接続されたリンク機構において、ジョイントで連結されたリンクで閉ループがあるものは、閉リンク機構と呼ばれている。リンク機構を並列に連結したパラレルメカニズムは、例えば、産業用・民生用ロボットや工作機械などに応用されている。
閉リンク機構を用いたものとして、例えば、閉リンク機構を備えた力覚センサ(閉リンク型力覚センサ)がある。力覚センサは、テーブルに作用する力(外力)を検知する装置である。例えば、力覚センサは、ヒューマノイド型ロボットのハンド(手首)に設置され、そのハンドが受ける力覚を検出するために用いられる。
なお、力覚センサでは、三次元空間の直交座標系(x軸、y軸、z軸)の3軸方向の力成分と、その3軸回りのモーメント成分の計6成分を同時に検出できるものがある。6成分検出できる力覚センサは、6軸力覚センサとも呼ばれている。
例えば、特開平10−274573号公報(特許文献1)には、トッププレートとボトムプレートとを複数のロッドで連結し、これらプレート相互の連結は一端側が2自由度のジョイントにより、他端側が3自由度のジョイントによる力覚センサが開示されている。そしてこの力覚センサのロッドにはロッド軸線方向の圧縮・引張力を検出できる検出素子が具備されている。
また、特許第4389001号(特許文献2)において、本出願人は、閉リンク機構を備えた力覚センサに関する技術について開示している。
特開平10−274573号公報 特許第4389001号
図1は、本発明者らが検討している閉リンク機構1を模式的に示す側面図である。なお、この閉リンク機構1に関連する技術が、特許文献2にも開示されている。
図1に示すように、閉リンク機構1は、ベース2と、ベース2に対して6自由度を有し、ベース2と対向して配置されたテーブル3と、テーブル3とベース2とを連結する並列配置された複数の連結部10とを備えている。この連結部10は、リンクであるロッド4、アーム5、ジョイント6、7である軸受を含んでテーブル3とベース2とを連結している。
ジョイント6は、テーブル3に設けられ、テーブル3の可動を受ける3自由度を有する。ジョイント7は、ロッド4を介してジョイント6の可動を受ける2自由度を有する。アーム5は、一端にジョイント7が設けられ、他端でブロック8を介してベース2と固定されている。ロッド4は、一端がジョイント6を介してテーブル3と接続され、他端がジョイント7を介してアーム5と接続されている。
ジョイント6、7としては、例えば、鋼球を球面で保持し、多自由度で可動できる球面軸受を用いる。球面軸受を用いた場合、ロッド4の両端に鋼球が連結され、この鋼球を包み込むようにレース(受け部)が成形されている。
球面軸受では、レースと鋼球との間の摺動抵抗を減らすために、フッ素樹脂等のコーティングが施されている球面滑り軸受がある。しかし、このような球面滑り軸受を用いた場合、ロッド4からの力がこの鋼球に伝わると、鋼球とレースとの摺動抵抗は増加し、力のロスが発生してしまう。また、無負荷時の鋼球とコーティングを含むレースとの内部すきまは、テーブル3の位置が定まらないというガタを発生させてしまう。
すなわち、ジョイントとして球面滑り軸受を用いた場合、閉リンク機構の剛性が低下してしまい、閉リンク機構での機能向上の障害となってしまう。
このため、フッ素樹脂等のコーティングの代わりに、鋼球(太陽球)とレースの間に小さな鋼球(遊星球)を入れて摺動抵抗を抑えた球面軸受として、転がり球面軸受がある。しかし、転がり球面軸受は、鋼球同士が点接触であるため衝撃に弱く、転がるためには内部すきまを完全になくすことは出来ない。このため、閉リンク機構においてジョイントとして転がり軸受を用いた場合であっても、テーブル3の位置が定まらないというガタを発生させてしまう。
すなわち、ジョイントとして転がり球面軸受を用いた場合、閉リンク機構の剛性が低下してしまい、閉リンク機構での機能向上の障害となってしまう。
また、転がり球面軸受は、部材が多くなりコストが高くなってしまう。また、閉リンク機構の小型化の要求に対して、転がり球面軸受は、サイズにも限界がある。
なお、特許文献1に記載のような力覚センサにおいても、ジョイントとして球面軸受(球面滑り軸受、転がり球面軸受)を用いた場合には、前述のような問題が発生してしまうものと考えられる。
本発明の目的は、閉リンク機構の機能を向上することができる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。一実施形態における閉リンク機構は、ベースと、前記ベースに対して6自由度を有し、前記ベースと対向して配置されたテーブルと、前記テーブルと前記ベースとを連結する並列配置された複数の連結部と、を備えている。前記連結部が、前記テーブルに設けられ、前記テーブルの可動を受ける多自由度を有する第1ジョイントと、ひもを介して前記第1ジョイントの可動を受ける多自由度を有する第2ジョイントと、一端に前記第2ジョイントが設けられ、他端で前記ベースと固定されたアームと、前記第1ジョイントを介して前記テーブルと接続され、前記第2ジョイントを介して前記アームと接続されて、前記第1ジョイントと前記第2ジョイントとの間に張設された前記ひもと、を含んで前記テーブルと前記ベースとを連結している。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、前記一実施形態によって、閉リンク機構の機能を向上することができる。
本発明者らが検討している閉リンク機構を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態における閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す側面図である。 図2の閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す上面図である。 バイアス機構がテーブルとベースとの間に斥力を加えている状態を模式的に示す断面図である。 バイアス機構がテーブルとベースとの間に引力を加えている状態を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態における閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す側面図である。 図6の閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す上面図である。 図6の閉リンク機構の構造パラメータを示す説明図である。 バイアス機構による斥力を水平、鉛直の2成分に分解した説明図である。 図6の閉リンク機構のアームの変形例を説明するための図であり、アームを模式的に示す断面図である。 図6の閉リンク機構のアームの変形例を説明するための図であり、アームを模式的に示す上面図である。 図6の閉リンク機構のバイアス機構の変形例を説明するための図であり、変形した閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す側面図である。 本発明の他の実施形態における閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す側面図である。 図13の閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す上面図である。 図13の閉リンク機構のアームの変形例を説明するための図であり、アームを模式的に示す断面図である。 図13の閉リンク機構のバイアス機構の変形例を説明するための図であり、閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、閉リンク機構を説明するにあたり、それを備えた閉リンク型力覚センサについて説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
なお、本発明では、バイアス機構という用語を用いている。バイアス機構は、一般的には、平衡状態にあるものに一定の力をかけ続ける機構のことをいう。本発明においても、バイアス機構により一定の力をかけ続ける機構として用いており、バイアス機構が機能した状態で外力を検出できる閉リンク機構を備えた力覚センサについて説明している。
(実施形態1)
まず、本実施形態における閉リンク機構を備えた力覚センサの構造について図面を参照して説明する。
図2は本実施形態における閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sを模式的に示す側面図であり、図3は図2の閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sを模式的に示す上面図である。図2および図3に示すように、力覚センサ101Sは、閉リンク機構101と、検出素子30と、演算部を備えた回路基板40とを備えている。
力覚センサ101Sは、テーブル3に作用する力(負荷)の大きさおよび/または方向を、三次元空間の直交座標系(x軸、y軸、z軸)の3軸方向の力成分Fx、Fy、Fzと、その3軸回りのモーメント成分Mx、My、Mzの計6成分として、検出することができるものである。なお、本実施の形態では、テーブル3が負荷を受ける場合を示すが、ベース2が負荷を受ける場合であっても良い。
閉リンク機構101は、板状のベース2と、ベース2に対して6自由度を有し、ベース2と対向して配置された板状のテーブル3と、テーブル3とベース2とを連結する並列配置された複数の連結部10と、バイアス機構20とを備えている。このバイアス機構20は、テーブル3とベース2との間に設けられ、テーブル3とベース2との間に引力または斥力を加えるものである。
連結部10は、リンクであるロッド4、アーム5、ジョイント6、7である軸受を含んでテーブル3とベース2とを連結している。具体的には、閉リンク機構101では、テーブル3の周方向に沿って連結部10が6本設けられ、2本ずつで並設されている。すなわち、ロッド4がテーブル3の周囲に沿って6本設けられ、2本ずつで並設されている。このように、6つの連結部10を備えるリンク機構101では、2つの連結部10がテーブル3(ベース2)の中心から120°間隔で並列配置されている。
ジョイント6は、テーブル3の例えば側面に設けられ、テーブル3の可動を受ける3自由度を有する。ジョイント7は、ロッド4を介してジョイント6の可動を受ける2自由度を有する。ジョイント6、7としては、例えば、鋼球を球面で保持し、多自由度で可動できる球面軸受を用いる。球面軸受を用いた場合、ロッド4の両端に鋼球が連結され、この鋼球を包み込むようにレース(受け部)が成形されている。なお、このような球面軸受については、後述する(図4、図5参照)。
また、ロッド4は、一端がジョイント6を介してテーブル3と接続され、他端がジョイント7を介してアーム5と接続されている。アーム5は、一端にジョイント7が設けられ、他端でブロック8を介してベース2と固定されている。なお、ブロック8はベース2と固定されているので、ベース2にアーム5の他端が接続されたものと同視することができる。
ベース2、テーブル3、ロッド4のそれぞれの材質は、テーブル3へ加わる定格負荷に耐えられる剛体であり、またアーム5は弾性体である。ベース2、テーブル3、ロッド4は、例えば、腐食性、加工性に優れたステンレス鋼(例えばSUS304)などの金属からなる剛体である。また、アーム5は、例えば、一般にばね材として用いられるリン青銅などの金属からなる弾性体である。なお、アーム5は、テーブル3への負荷が10N以下の低負荷であれば、金属ではなく、樹脂(ポリアセタールなど)で構成することもできる。
本実施形態では、アーム5の他端とベース2とはブロック8を介して固定されている場合を示すが、アーム5の他端とベース2とを直接固定しても良く、例えば、溶接、ボルト止め、あるいは、ベース2とアーム5とを一体成形することができる。なお、剛体のベース2と弾性体のアーム5との一体成形は、ベース2の厚さに対してアーム5となる部分を薄くすれば、その部分が特定負荷内で弾性を持つことができるので、生産時の一体化によって形成することができる。
また、ベース2、テーブル3、ロッド4は、剛体という前提であるが、測定負荷精度に対して影響を与えない剛性をもっていれば良く、すなわちアーム5の変形量に対して変形量が十分に小されば良い。アーム5は、変形する部分を細く、薄くしてばね係数を決定し、塑性変形が起こらない負荷範囲としても良い。
検出素子30は、アーム5の変位および/または変形を一方向で検出するものである。検出素子30に例えば歪ゲージを用い、その検出素子30をアーム5に設けることができる。このように、歪ゲージ(検出素子30)を取り付けたアーム5に力(あるいはモーメント)が作用して、アーム5が変形すると、それに応じて各歪ゲージに応力が発生する。
回路基板40は、検出素子30の検出値から、テーブル3に作用する力の大きさおよび/または方向を計算する演算部を有している。この演算部は、例えば、各歪ゲージ(検出素子30)に応力が発生した結果生じる電気抵抗値の変化を、周知のブリッジ回路を介して電圧値として出力し、更に所定の計算処理回路あるいはソフトウェア処理によって、力覚センサ101Sの6軸力に変換するものである。
バイアス機構20は、ばね21と、ばね21の両端にそれぞれ設けられた3自由度を有するジョイント22およびジョイント23とを含んでいる。ばね21としては、圧縮ばね(押しばね)や、引張ばね(引きばね)を用いる。これにより、テーブル3とベース2との間に、常時伸長もしくは伸縮方向に力を加えることができる。
また、ジョイント22、23としては、例えば、鋼球を球面で保持し、多自由度で可動できる球面軸受を用いる。なお、球面軸受としては、球面すべり軸受や転がり球面軸受を用いることができる。
ベース2と対向する面のテーブル3中心にジョイント22が設けられている。また、テーブル3と対向する面のベース2中心にジョイント23が設けられている。なお、図2に示すように、ジョイント23は、ブロック8と同様のブロックを介してベース2と固定されている。
バイアス機構20は、テーブル3とベース2との間に斥力または引力を加えているものである。図4はバイアス機構20がテーブル3とベース2との間に斥力を加えている状態を模式的に示す断面図である。また、図5はバイアス機構20がテーブル3とベース2との間に引力を加えている状態を模式的に示す断面図である。なお、図4、図5に示すジョイント22、23では、球面滑り軸受を用いている。
ばね21に例えば圧縮ばねを用いた場合、バイアス機構20はテーブル3とベース2との間に斥力を加えることができる(図4参照)。また、ばね21に例えば引張ばねを用いた場合、バイアス機構20はテーブル3とベース2との間に引力を加えることができる(図5参照)。
球面滑り軸受を用いた場合、ばね21の両端に鋼球24が連結され、この鋼球24を包み込むようにレース(受け部)25が成形されている。このようにジョイント22、23に用いられる球面滑り軸受では、鋼球24とレース25との間には内部すきま26が形成されている。また、鋼球24とレース25との間の摺動抵抗を減らすために、フッ素樹脂等のコーティングが施されている。また、ジョイント22のレース25がテーブル3と固定して接続されている。また、ジョイント23のレース25がベース2と固定して接続されている。
ところで、本実施形態では、連結部10のジョイント6、7にも、鋼球を球面で保持し、多自由度で可動できる球面軸受を用いている。ジョイント6、7に球面滑り軸受を用いた場合、図4、図5に示したジョイント22、23と同様に、ロッド4の両端に鋼球が連結されており、この鋼球を包み込むようにレースが成形され、鋼球とレースとの間には内部すきまが形成される。
仮に、バイアス機構20がテーブル3とベース2との間に設けられていない場合、テーブル3の位置が定まらないというガタを発生させてしまうことが考えられる。具体的には、テーブル3に種々の大きさ・方向の負荷が加わった状態では、各連結部10に用いられている球面軸受(ジョイント6、7)の各鋼球が、全体としてみると、各内部すきま内でばらついてしまう。このため、テーブル3の位置が定まらないというガタを発生させてしまう。
そこで、閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sは、バイアス機構20を備えている。例えば、ばね21に例えば圧縮ばねを用いた場合、図4に示すように、ジョイント22の鋼球24とジョイント23の鋼球24とは互いに退け合い、各鋼球24はそれぞれのレース25内部で接触することとなる。この状態は、テーブル3への負荷がない場合(無負荷状態)や、負荷が加えられている場合(負荷状態)も維持されることとなる。
また、例えば、ばね21に例えば引張ばねを用いた場合、図5に示すように、ジョイント22の鋼球24とジョイント23の鋼球24とは互いに引き合い、各鋼球24はそれぞれのレース25内部で接触することとなる。この状態は、テーブル3への負荷がない場合(無負荷状態)や、負荷が加えられている場合(負荷状態)も維持されることとなる。
このようにレース25内部で鋼球24が接触して球面軸受が摺動抵抗を有することになっても、バイアス機構20によって接触している状態が明確であるため、テーブル3への負荷を検出するにあたり、摺動抵抗分を補正して演算することができる。なお、バイアス機構20がない場合には、テーブル3への種々の負荷により、レース25内部で鋼球24が動き回るようになってしまい、補正することも困難となってしまう。
また、バイアス機構20によって、テーブル3とベース2との間に斥力または引力を加えられている。このため、連結部10のジョイント6、7に用いられている球面軸受も前述のジョイント22、23と同様に、無負荷状態、負荷状態であっても、その鋼球がレース内部で接触した状態となる。
したがって、テーブル3の位置が定まらないというガタを防止することができ、閉リンク機構101の機能を向上することができる。このため、閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sは、高精度にテーブル3に加わる力(負荷)を検出することができる。
また、本実施形態では、バイアス機構20がテーブル3とベース2との間に斥力または引力を加えるために、ばね21と、ジョイント22、23を用いているが、磁石を用いても良い。例えば、ベース2と対向する面のテーブル3中心、およびテーブル3と対向する面のベース2中心のそれぞれに、同じ極の磁石を設けた場合には斥力が働き、また異なる極の磁石を設けた場合には引力が働く。このように磁石を用いたバイアス機構によっても、テーブル3とベース2との間に斥力または引力を加えることができる。
また、バイアス機構を磁石で構成した場合、ジョイント22、23も不要となるため、球面軸受を用いた場合において、内部すきま内で鋼球が動き回ることによる問題を除くことができる。また、ベース2やテーブル3は剛体としているが、アーム5の変形量に対して変形量が十分に小さければ良いので、ベース2やテーブル3自体を磁石で構成しても良い。テーブル3とベース2との間に斥力または引力を加えることができるバイアス機構として磁石を用いることで、小型化、薄型化された力覚センサを構成することができる。
次に、閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sにおけるテーブル3に加わる複数の力(ベクトル量)の検出の一例について説明する。なお、前述したように、連結部10のジョイント6、7、バイアス機構20のジョイント22、23として球面軸受を用いた場合、実際には摺動抵抗があり、その抵抗分を考慮する必要がある。しかしながら、抵抗分を補正することができるので、以下では、テーブル3とロッド4とを接続するジョイント6、ロッド4とアーム5とを接続するジョイント7には摺動抵抗がないものとして説明する。
力覚センサ101Sのテーブル3に対して、鉛直下方向の力成分Fzが加わった場合について説明する。力(Fz)によりテーブル3は−z方向に移動しようとする。テーブル3とロッド4の一端は3自由度のジョイント6により接続され、ロッド4の他端とアーム5の一端は2自由度のジョイント7により接続されているため、6本の各ロッド4の軸方向に力(Fz/6)が加わる。すなわち、力(Fz/6)がテーブル3とロッド4の取り付け角度で合成されて、力(Fz)となっている。
ロッド4の他端とアーム5の一端は2自由度のジョイント7により接続され、アーム5の他端とベース2は固定されているため、ロッド4からそれと接続されているアーム5に力(Fz/6)が加わり、アーム5が一方向に変形(平面変形)する。なお、検出素子30が、アーム5の変位および/または変形を一方向で検出する。
このように剛体としてロッド4を、変位および/または変形を検出する対象(弾性体)としてアーム5を備えることで、テーブル3に加わる力の大きさおよび/または方向を、アーム5において最も単純な平面変形に置き換えることができる。
その後、回路基板40では、例えば、アーム5の変位および/または変形を検出した各検出素子30からの信号(アナログ信号)がアンプによって増幅される。また、そのアナログ信号はA/D変換器でデジタル信号に変換され、回路基板40の演算部(例えば、CPU)がテーブル3に加わった負荷を計算する。すなわち、演算部は、検出素子30が検出した検出値から、テーブル3に作用する力の大きさおよび/または方向を計算する。
また、本実施形態では、バイアス機構20によって、閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sの平衡状態で、アーム5に一定の力が加わっている。この状態からテーブル3にFzの力を加えると、テーブル3がz方向(鉛直方向)に移動した分だけ、ばね21が短くなる。すなわち、アーム5に及ぼす力は、ばね21のばね係数と、変位量で異なってくる。このばね21に加わる力と、アーム5に加わる力は、回路基板40の演算部によって計算することができる。
また、テーブル3に対して、水平方向の力成分Fx、Fyが加わった場合、ばね21が斜めに伸びるので、ばね21に加わる力と、アーム5に加わる力は、回路基板40の演算部によって計算することができる。また、テーブル3の回転(ねじれ)に関しては、テーブル3(ベース2)の中心にばね21が位置すると考えた場合、回転に対してはばね21の影響を無視することができる。
このように、閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sは、検出素子30からの検出によって、演算部を介してテーブル3に加わる6軸の力成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzを同時に検出することができる。また、テーブル3の位置が定まらないというガタを防止することができる。このため、閉リンク機構101の機能を向上することができる。さらに、閉リンク機構101を備えた力覚センサ101Sは、高精度にテーブル3に加わる力(負荷)を検出することができる。
(実施形態2)
前記実施形態1では、連結部のジョイントとして用いた球面軸受の内部すきまに係る問題を解決する方法として、テーブルとベースとの間に、斥力もしくは引力を加えるバイアス機構を設けた場合について説明している。これにより、球面軸受が一定方向からの力を受け続ける状態となり、閉リンク機構の機能に対する内部すきまの影響を抑えることができる。
しかしながら、球面軸受に常に力がかかる状態となり、鋼球が動く際に生じる摺動抵抗が大きくなり、力のロスが発生してしまうことが考えられる。このため、前記実施形態1では、例えば演算部によって摺動抵抗分を補正することによって、テーブル3に加わる力を検出することとしている。
閉リンク機構およびそれを備えた力覚センサに用いられる連結部のジョイントとして球面軸受を用いた場合、その内部すきまが小さく、且つ摺動抵抗が小さいことが要求される。しかし、これら二つは相反する特性であり、球面軸受でこれら要求を実現することは難しい。
そこで、本実施形態では、連結部のジョイントとして球面軸受を用いない閉リンク機構を備えた力覚センサについて説明する。まず、本実施形態における閉リンク機構を備えた力覚センサの構造について図面を参照して説明する。
図6は本実施形態における閉リンク機構201を備えた力覚センサ201Sを模式的に示す側面図であり、図7は図6の閉リンク機構201を備えた力覚センサ201Sを模式的に示す上面図である。図6および図7に示すように、力覚センサ201Sは、閉リンク機構201と、検出素子30Aと、演算部を備えた回路基板40とを備えている。
力覚センサ201Sは、テーブル3に作用する力(負荷)の大きさおよび/または方向を、三次元空間の直交座標系(x軸、y軸、z軸)の3軸方向の力成分Fx、Fy、Fzと、その3軸回りのモーメント成分Mx、My、Mzの計6成分として、検出することができるものである。なお、本実施形態では、テーブル3が負荷を受ける場合を示すが、ベース2が負荷を受ける場合であっても良い。
閉リンク機構201は、板状のベース2と、ベース2に対して6自由度を有し、ベース2と対向して配置された板状のテーブル3と、テーブル3とベース2とを連結する並列配置された複数の連結部10Aと、バイアス機構20とを備えている。このバイアス機構20は、テーブル3とベース2との間に設けられ、テーブル3とベース2との間に斥力を加えるものである。
連結部10Aは、リンクであるひも11、ジョイント12、13、アーム14を含んでテーブル3とベース2とを連結している。具体的には、閉リンク機構201では、テーブル3の周方向に沿って連結部10Aが6本設けられ、2本ずつで並設されている。すなわち、ひも11がテーブル3の周囲に沿って6本設けられ、2本ずつで並設されている。このように、6つの連結部10Aを備えるリンク機構201では、2つの連結部10Aがテーブル3(ベース2)の中心から120°間隔で並列配置されている。
ひも11は、ジョイント12を介してテーブル3と接続され、ジョイント13を介してアーム14と接続されて、ジョイント12とジョイント13との間に張設されている。本実施形態では、ひも11に張力がかかるのは、バイアス機構20によってテーブル3とベース2との間に斥力を加えているため、テーブル3とベース2とを連結する連結部10Aを構成するひも11が張力を有することとなる。
ここで、本実施形態で用いるひも11を具体的に説明する。ひもにも、様々な種類があるが、ここでは麻ひもを例にとってみる。麻ひもは引張強度が高く、伸び率が低く、柔軟性を持った植物繊維である。麻ひもの一端を固定して引っ張った場合、固定点を支点に柔軟に角度を変化させることができる。また、固定点(支点)と引張点(力点)との間は、張力により一定距離を保ちながら直線の状態を維持することができる。
そこで、本実施形態では、連結部10Aのひも11として、麻ひもと同様の特性を有している金属・化学繊維などからなるひも(ワイヤ、グラスファイバーなどを含む)を用いている。また、このひも11には張力がかかっているため、ジョイント12とジョイント13の間は一定の距離を保つことができる。これにより、連結部10Aによって連結されているベース2とテーブル3間も一定の距離を保つことができる。
ジョイント12は、テーブル3の例えば側面に設けられ、テーブル3の可動を受ける多自由度を有する。ジョイント13は、ひも11を介してジョイント12の可動を受ける多自由度を有する。本実施形態では、連結部10Aは、テーブル3のジョイント12と、アーム14のジョイント13とをひも11にて結んでいる。すなわち、ジョイント12、13は、ひも11の両端をかしめ・溶接・接着等によりなるピン接合となる。これにより、ジョイント12、13は3自由度を有することができる。
ジョイント12、13との間に張設されたひも11を用いることで、ジョイント12、13の多自由度(ピン接合)と、テーブル3とベース2間の距離を一定に保ちつつ、力を伝達する連結部10Aを実現することができる。これにより、球面軸受の課題であった摺動抵抗と、内部すきまを大幅に解消することができる。
アーム14は、一端にジョイント13が設けられ、他端でブロック8を介してベース2と固定されている。なお、ブロック8はベース2と固定されているので、ベース2にアーム14の他端が接続されたものと同視することができる。
ベース2、テーブル3のそれぞれの材質は、テーブル3へ加わる定格負荷に耐えられる剛体であり、またアーム14は弾性体である。ベース2、テーブル3は、例えば、腐食性、加工性に優れたステンレス鋼(例えばSUS304)などの金属からなる剛体である。また、アーム14は、例えば、一般にばね材として用いられるリン青銅などの金属からなる弾性体である。
このように、本実施形態では、連結部10Aのジョイント12、13が、例えば球面軸受ではなく、ピン接合で構成している。すなわち、部品(球面軸受)を用いることなく、多自由度を有するジョイントをシンプルに構成することができる。
バイアス機構20は、例えば、テーブル3とベース2との間に設けられ、ひも11を張設するものである。具体的には、バイアス機構20は、ばね21と、ばね21の両端にそれぞれ設けられた3自由度を有するジョイント22およびジョイント23と、を含んでいる。テーブル3にジョイント22が設けられ、ベース2にジョイント23が設けられており、テーブル3とベース2との間に斥力を加えている。3自由度を有するジョイント22、23としては、例えば球面軸受を用いることができる。
図1に示した閉リンク機構1において6つの連結部10のジョイント6、7として球面軸受を用いた場合では、その球面軸受が12個必要だったものに対し、本実施形態では、バイアス機構20のジョイント22、23に用いる球面軸受の2個で済む。また、ジョイント22、23には常に斥力がかかっている為、球面軸受の内部すきまの問題は解消されることになる(図4参照)。
また、ベース2とテーブル3の中央に球面軸受を配置した場合、ベース2とテーブル3の外周に球面軸受を配置された場合と比較し、球面軸受の可動範囲は小さくなる。すなわち、本実施形態のように、ジョイント22、23として球面軸受を用いた場合であっても、図1に示した連結部10のジョイント6、7として球面軸受を用いた閉リンク機構1と比較して、摺動抵抗も減少することができる。
バイアス機構20では、ベース2、テーブル3の中心に設けられるばね21(圧縮ばね)は、ベース2を基準とするとテーブル3を押し上げることにより、ばねの力が各ひも11へ等分されて伝わる。この時、ジョイント12とジョイント13間に張られたひも11に張力として加わり、閉リンク機構201が成立する。
本実施形態では、アーム14にひも11の張力方向への力が加わっているため、アーム14はたわんだ状態となる。テーブル3に鉛直下方向の力が加わった時には、アーム14はたわみが解消する方向へ戻り、テーブル3に鉛直上方向の力が加わった時には、アーム14がさらにたわむ方向に働く。この時、アーム14の変位量を検出素子30Aで検出し、演算することで力成分を取得することができる。
アーム14の変位および/または変形を一方向で検出する検出素子30Aとして、例えば反射型光センサを用いることができる。反射型光センサを用いた場合、検出素子30Aの発光部からアーム14の先端(ジョイント13が設けられている端)へ発光し、その反射を、検出素子30Aの受光部で受光することによって、アーム14の変位および/または変形を一方向で検出する。
次に、閉リンク機構201を備えた力覚センサ201Sにおけるテーブル3に加わる複数の力(ベクトル量)の検出の一例について説明する。
力覚センサ201Sのテーブル3に対して、鉛直方向の力成分Fzが加わった場合について説明する。例えば、バイアス機構20のばね21(圧縮ばね)が60Nの力でテーブル3を上へ押し上げているとする。この時、各ひも11には6分割された10Nの鉛直上方向の力が発生する。このため、アーム14は、10Nの鉛直方向の力でひも11に引っ張られている状態となる。
この状態で、テーブル3の上部中心へ24Nの錘をのせたとすると、10Nで鉛直方向に押し上げていた力が4N減衰し、アーム14は1本あたり6Nの鉛直方向の力でひも11の張力方向へ引っ張られている状態となる。錘をのせる前と比較し、1本のアーム14にかかる鉛直方向の力が4N減少したことから、全てのアーム14へかかる力を総合すると24Nの力を検出することになる。
続いて、力覚センサ201Sのテーブル3の回転(ねじれ)に関して説明する。図8は図7に示した閉リンク機構201から、その構造パラメータを示す説明図である。なお、rTはジョイント12の配置半径であり、φTはジョイント12の配置角度である。また、rBはジョイント13の配置半径であり、φBはジョイント13の配置角度である。
図7に示したように、閉リンク機構201では、ほぼ平行に配置された2本のアーム14が一組となり、それが3箇所に配置されている。つまり、その一組がテーブル3(ベース2)の中央を中心として120°おきに配置されている。
これにより、テーブル3(ベース2)の中央から一組のアーム14をみたとき、2本のアーム14の開きが配置角度φBとなり、テーブル3(ベース2)の中央からこのアーム14のジョイント13(固定点)までの距離が配置半径rBとなる。同様に、配置角度φT、配置半径rTを考えることができる。
これら配置角度φB、φT、配置半径rB、rT、およびジョイント12、13の距離(すなわちひも11の長さ)などにより、ベース2、テーブル3、連結部10Aの位置関係の最適化を行う。これにより、軸回りの力成分Mx、My、Mzがかかったときに、テーブル3中心の座標を動かさないような構造としている。この場合、テーブル3の中心座標が変化しないことからばね21(圧縮ばね)がテーブル3を押し上げる力に変化がなく、Fzの場合と同様に考える事ができる。
続いて、テーブル3に対して、水平方向の力成分Fx、Fzが加わった場合について説明する。図9はバイアス機構20(ばね21)による斥力(ベクトルV1)を鉛直、水平の2成分(ベクトルV2、V3)に分解した説明図である。すなわち、バイアス機構20(ばね21)の斥力は、ベクトルV1のように表せ、ベクトルV2とベクトルV3の様な成分に分解でき、三角関数を使ってベクトルV2とベクトルV3の大きさを算出できる。
テーブル3が水平方向へ移動することにより、ばね21の角度が変化する。一般的に、閉リンクの運動学は反復処理を行う事で解析できる事が知られている。したがって、アーム14の変位量から運動学を使う事で、テーブル14側に連結されたばね21のジョイント22の座標を算出することができる。このばね21のジョイント22の座標から、ばね21がテーブル3を押し上げる力を算出できる。
テーブル3が水平移動する事で、水平方向にベクトルV3の力成分が余分に発生し、鉛直方向のテーブル3を押し上げる力は、ベクトルV2の力成分になる。これらのベクトルの大きさを補正データとして用いる事で、より正確な力データの検出が可能となる。
このように、閉リンク機構201を備えた力覚センサ201Sは、検出素子30Aからの検出によって、演算部を介してテーブル3に加わる6軸の力成分Fx、Fy、Fz、Mx、My、Mzを同時に検出することができる。また、連結部10Aのジョイント12、13に球面軸受を用いないので、球面軸受を用いた場合の内部すきまの問題や、摺動抵抗の問題を解決することができる。
このため、閉リンク機構201の機能を向上することができる。さらに、閉リンク機構201を備えた力覚センサ201Sは、高精度にテーブル3に加わる力(負荷)を検出することができる。
また、本実施形態では、テーブル3とベース2との間に斥力を加えるバイアス機構として、ばね21(圧縮ばね)およびジョイント22、23から構成されるバイアス機構20を用いた場合について説明した。これに限らず、例えば永久磁石を2個上下に配置するように、それぞれテーブル3とベース2に設けて、その反発力を用いても良い。すなわち、バイアス機構が、テーブル3およびベース2のそれぞれが同極の磁石を有することにより、テーブル3とベース2との間に斥力を加えているものを用いても良い。
また、本実施形態で示したように、ブロック8によりベース2上に固定された、片持ち構造のアーム14でなくても、ジョイント12とジョイント13を結ぶ直線上で変形/変位する弾性体を設け、その変形/変位を検出しても良い。図10、図11は閉リンク機構201のアーム14の変形例を説明するための図であり、図10は図11のX−X線におけるアーム14Aを模式的に示す断面図であり、図11はアーム14Aを模式的に示す上面図である。
図6、図7で示した閉リンク機構201では、テーブル3に加わった外力を、ひも11を介してアーム14に伝達するようにしている。これにより、片持ち構造であるアーム14が固定点(ブロック8)を中心とした線上に変形し、この6つのアーム変位を検出することで6軸方向の力を算出することができる。
このようなブロック8によりベース2上に固定された、片持ち構造のアーム14でなくても、図10、図11に示すように、ジョイント12とジョイント13を結ぶ直線上で変形/変位する接続部15を設ければ、その変形/変位を検出すれば良い。
例えば、ジンバル構造としてベース2内に一体成形されたアーム14A(例えば薄板ばね)で接続部15を支持することによって、接続部15は弾性体のように変形/変位する。なお、一体成形を説明するために、図10、11では、アーム14Aとベース2とは同じハッチングを付している。
接続部15(アーム14A)の変位および/または変形を一方向で検出する検出素子30Bは、対向する2つの板状の電極31、32からなる静電容量素子である。接続部15を介してアーム14Aに静電容量素子の一方の電極31が設けられている。また、静電容量素子の他方の電極32は回路基板40に設けられている。この静電容量素子(検出素子30B)の静電容量の変化を、アーム14Aの上下変位に換算することができる。
このように、片持ち構造のアーム14で支えられた構造とは異なり、ひも11のジョイント13に上下方向のばねを持たせた構造によっても、その変位でテーブル3に加わる力を検出することができる。
また、前述では、ばね21を含むバイアス機構20を用いた場合について説明したが、RCC(リモート・センター・コンプライアンス)デバイスで使用されるような特殊弾性体を含んで構成される機構をバイアス機構として用いた場合であっても良い。
図12はRCCデバイスで使用される特殊弾性体28を含むバイアス機構20Aを用いた閉リンク機構を備えた力覚センサを模式的に示す側面図である。すなわち、前述のバイアス機構20では、ばね21(圧縮ばね)を例にとって説明したが、ばね21の代わりに、金属プレート28aとゴムプレート28bで構成された特殊弾性体28をバイアス機構として使用している。
特殊弾性体28は、金属プレート28aとゴムプレート28bを交互に張り合わされた積層が複数で構成されるものである。特殊弾性体28は、横方向へは金属プレート28aとゴムプレート28bがスライドする事でスムーズな移動ができ、縦方向については、高い剛性があるといった特徴をもっている。なお、RCCデバイスは、このような特殊弾性体28が組み合わせられたものである。
本実施形態では、特殊弾性体28と、特殊弾性体28の一端に設けられた3自由度を有するジョイント22と、を含んだバイアス機構20Aを備えている。このバイアス機構20Aは、テーブル3に特殊弾性体28の一端側のジョイント22が設けられ、ベース2に特殊弾性体28の他端が設けられて、テーブル3とベース2との間に斥力を加えるものである。
このバイアス機構20Aは、ベース2の中心に固定され、テーブル3中心とはジョイント22(例えば、球面軸受け)を介して連結されている。テーブル3へかかる回転成分の力は、球面軸受けにより、この特殊弾性体28のユニットへは伝わらない。Fx、Fyについては金属プレート28aとゴムプレート28bがスライドすることによる抵抗が生じ、力のロスが発生するが、演算部によって補正することが可能である。
また、力覚センサ201Sの構造パラメータを最適化する事で、Fz成分以外の力がかかった時のテーブル高さを一定にする事ができる為、Fz成分の力のみをこのバイアス機構20Aで受ける事ができる。また、バイアス機構20Aに、この特殊弾性体28のユニットを用いる事で、z方向にのみ剛性が高い力覚センサ201Sを作る事が可能となる。
(実施形態3)
前記実施形態2ではテーブル3とベース2の連結部10Aにひも11を用いた場合について説明したが、本実施形態では、さらにひも11の張力を保つ為、ひも11のジョイント12、13を外側からフレームで支える方法について説明する。
図13は本実施形態における閉リンク機構301を備えた力覚センサ301Sを模式的に示す側面図であり、図14は図13の閉リンク機構301を備えた力覚センサ301Sを模式的に示す上面図である。図13および図14に示すように、力覚センサ301Sは、閉リンク機構301と、検出素子30Aと、演算部を備えた回路基板40とを備えている。
力覚センサ301Sは、テーブル3に作用する力(負荷)の大きさおよび/または方向を、三次元空間の直交座標系(x軸、y軸、z軸)の3軸方向の力成分Fx、Fy、Fzと、その3軸回りのモーメント成分Mx、My、Mzの計6成分として、検出することができるものである。なお、本実施形態では、テーブル3が負荷を受ける場合を示すが、ベース2が負荷を受ける場合であっても良い。
閉リンク機構201は、板状のベース2と、ベース2に対して6自由度を有し、ベース2と対向して配置された板状のテーブル3と、テーブル3とベース2とを連結する並列配置された複数の連結部10Aと、フレーム50(バイアス機構)とを備えている。なお、後述するが、フレーム50(バイアス機構)は、連結部10Aに設けられ、連結部10Aのひも11を張設するものである。
連結部10Aは、リンクであるひも11、ジョイント12、13、アーム14を含んでテーブル3とベース2とを連結している。なお、図14では、一部の連結部10Aを透視した状態で示している。
具体的には、連結部10Aは、テーブル3のジョイント12と、アーム14のジョイント13とをひも11にて結んでいる。ジョイント12、13はかしめ・溶接・接着等によりピン接合させることが好ましい。これにより、ジョイント12、13は3自由度を有することができ、後述するフレーム50(バイアス機構)により、ひも11に張力が掛かるため、ジョイント12とジョイント13は一定の距離を保つことができる。
閉リンク機構301では、テーブル3の周方向に沿って連結部10Aが6本設けられ、2本ずつで並設されている。すなわち、ひも11がテーブル3の周囲に沿って6本設けられ、2本ずつで並設されている。このように、6つの連結部10Aを備えるリンク機構301では、2つの連結部10Aがテーブル3(ベース2)の中心から120°間隔で並列配置されている。
テーブル3とベース2がひも11により連結されているが、これだけでは、テーブル3を支えることができない。そこで、それぞれのひも11に一定以上の張力を与えることで、ジョイント12とジョイント13の距離が保たれ、テーブル3を押し上げる力が働く。
ここで、この張力について説明する。テーブル3とベース2が引き寄せられる様な方向に力がかかるとジョイント12とジョイント13の距離が近づく。この距離の変位はテーブル座標にも影響する為、力覚センサ301Sの定格荷重がかかった時に、テーブル3の変位をどこまでに抑えるかで、この張力が決定される。
この張力をひも11に与えるためにバイアス機構20が設けられている。このバイアス機構は、屈曲するフレーム50を含んでおり、フレーム50の両端でひも11が張設されている。フレーム50に張設されたひも11の途中2箇所のそれぞれでジョイント12、13を介して接続されて、ひも11がジョイント12とジョイント13との間で張設されている。
フレーム50は、ジョイント12とジョイント13のそれぞれ外側へ更にひも11を延長し、その延長線上のジョイント26とジョイント27でひも11をフレーム50にピン接合する。すなわち、フレーム50に張られた線上にジョイント26、27がある構造となっている。
このジョイント26、27もかしめ・溶接・接着等によりピン接合させることが好ましい。フレーム50はジョイント12、13で支えられ、4つのジョイントがピン接合されているため、ジョイント12とジョイント13の動きに柔軟に追従する。
ここで、フレーム50について詳細に説明する。テーブル3に外力が加わり、ジョイント12がひも11に引張力を発生した場合、ジョイント13を介してアーム14を引き上げる。ジョイント12がひも11に圧縮力を発生した場合、ひも11は剛性が無いためたわもうとする。
しかし、ジョイント12とジョイント26がひも11の延長線上で接続されているため、ジョイント26からフレーム50とジョイント27を介してアーム14を引き下げる。よって、ひも11はたわむことなく、テーブル3に加わった外力はアーム14へ伝達する。
ここで現実には、ひも11の伸度はゼロでなく、フレーム50も温度等の環境により形状が変化する。この対策としてフレーム50に、ひも11の張力が発生する方向にバネ性を持たせる、つまりフレーム50とひも11を弓と弦の構成にしても良い。図16は閉リンク機構301のバイアス機構の変形例(湾曲するフレーム50A)を説明するための図である。
ひも11が、引張強度100N・伸度1%・長さ30mmであると仮定する。ひも11にかかる最大荷重を20Nとし、それがかかった場合、引張荷重と伸度は比例するので次のようになる。
1(%)×20(N)/100(N)=0.2(%)
30(mm)×0.2(%)=0.06mm
すなわち、0.2%の伸度、0.06mmの伸びとなる。よって、フレーム50Aが0.06mm以上ひも11を引き延ばすばね特性を持っていれば良く、板バネ等でも容易に実現できる。
なお、本実施形態で示した、ひも11とフレーム50、50Aによる連結は、特許文献2におけるロッドと軸受(ジョイント)による連結閉リンク機構の構成と全く異ならないため、6軸力覚センサとしての力検出は、同様に処理することができる。
図13、図14で示した閉リンク機構301では、テーブル3に加わった外力を、ひも11を介してアーム14に伝達するようにしている。これにより、片持ち構造であるアーム14が固定点(ブロック8)を中心とした線上に変形し、この6つのアーム変位を検出することで6軸方向の力を算出することができる。
このようなブロック8によりベース2上に固定された、片持ち構造のアーム14でなくても、図15に示すように、ジョイント12とジョイント13を結ぶ直線上で変形/変位する接続部15を設ければ、その変形/変位を検出すれば良い。
例えば、ジンバル構造としてベース2内に一体成形されたアーム14A(例えば薄板ばね)で接続部15を支持することによって、接続部15は弾性体のように変形/変位する。なお、一体成形を説明するために、図15では、アーム14Aとベース2とは同じハッチングを付している。
接続部15(アーム14A)の変位および/または変形を一方向で検出する検出素子30Bは、対向する2つの板状の電極31、32からなる静電容量素子である。接続部15を介してアーム14Aに静電容量素子の一方の電極31が設けられている。また、静電容量素子の他方の電極32は回路基板40に設けられている。この静電容量素子(検出素子30B)の静電容量の変化を、アーム14Aの上下変位に換算することができる。
このように、片持ち構造のアーム14で支えられた構造とは異なり、ひも11のジョイント13に上下方向のばねを持たせた構造によっても、その変位でテーブル3に加わる力を検出することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、閉リンク機構を力覚センサに用いた場合について説明したが、物体に加えられた力(外力)を検出する力覚センサに対して、物体の動きから生じる慣性力から検出する装置(運動センサ)にも用いることができる。
例えば、アームの変位および/または変形を検出する検出素子として、アームに圧電素子や、ベースに静電容量素子、光素子(例えばレーザ)、磁気識別素子などを設けても良い。また、アームを水晶で作製し、固有振動の変化を捉えることもできる。このように、アームの変位および/または変形の検出は、アームの歪、変化量などを例えば変換した電気信号から行うことができる。
本発明は、閉リンク機構およびそれを備えた力覚センサ、ならびにそれらを用いた産業用・民生用のロボット分野に幅広く利用されるものである。
1、101、201、301 閉リンク機構
1S、101S、201S、301S 力覚センサ
2 ベース
3 テーブル
4 ロッド
5 アーム
6、7 ジョイント
8 ブロック
10、10A 連結部
11 ひも
12、13 ジョイント
14 アーム
15 接続部
20、20A バイアス機構
21 ばね
22 ジョイント
23 ジョイント
24 鋼球
25 レース
26、27 ジョイント
28 特殊弾性体
28a 金属プレート
28b ゴムプレート
30、30A、30B 検出素子
31、32 電極
40 回路基板
50、50A フレーム

Claims (9)

  1. ベースと、
    前記ベースに対して6自由度を有し、前記ベースと対向して配置されたテーブルと、
    前記テーブルと前記ベースとを連結する並列配置された複数の連結部と、
    を備えた閉リンク機構であって、
    前記連結部が、
    前記テーブルに設けられ、前記テーブルの可動を受ける多自由度を有する第1ジョイントと、
    ひもを介して前記第1ジョイントの可動を受ける多自由度を有する第2ジョイントと、
    一端に前記第2ジョイントが設けられ、他端で前記ベースと固定されたアームと、
    前記第1ジョイントを介して前記テーブルと接続され、前記第2ジョイントを介して前記アームと接続されて、前記第1ジョイントと前記第2ジョイントとの間に張設された前記ひもと、
    を含んで前記テーブルと前記ベースとを連結していることを特徴とする閉リンク機構。
  2. 請求項1記載の閉リンク機構において、
    屈曲または湾曲するフレームを含み、前記フレームの両端で前記ひもを張設する機構を備えており、
    前記フレームに張設された前記ひもの途中2箇所のそれぞれで前記第1および第2ジョイントを介して接続されて、前記第1ジョイントと前記第2ジョイントとの間の前記ひもが前記機構によって張設されていることを特徴とする閉リンク機構。
  3. 請求項1記載の閉リンク機構において、
    ばねと、前記ばねの両端にそれぞれ設けられた3自由度を有するジョイントと、を含み、前記テーブルに前記ばねの一端側のジョイントが設けられ、前記ベースに前記ばねの他端側のジョイントが設けられて、前記テーブルと前記ベースとの間に斥力を加える機構を備えており、
    前記ひもが前記機構によって張設されていることを特徴とする閉リンク機構。
  4. 請求項1記載の閉リンク機構において、
    金属プレートとゴムプレートを交互に張り合わされて構成される特殊弾性体と、前記特殊弾性体の一端に設けられた3自由度を有するジョイントと、を含み、前記テーブルに前記特殊弾性体の一端側のジョイントが設けられ、前記ベースに前記特殊弾性体の他端が設けられて、前記テーブルと前記ベースとの間に斥力を加える機構を備えており、
    前記ひもが前記機構によって張設されていることを特徴とする閉リンク機構。
  5. 請求項1記載の閉リンク機構において、
    前記テーブルおよび前記ベースのそれぞれが同極の磁石を有することにより、前記テーブルと前記ベースとの間に斥力を加える機構を備えており、
    前記ひもが前記機構によって張設されていることを特徴とする閉リンク機構。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の閉リンク機構において、
    前記ベースと前記アームが、ジンバル構造となるように一体成形されていることを特徴とする閉リンク機構。
  7. ベースと、
    前記ベースに対して6自由度を有し、前記ベースと対向して配置されたテーブルと、
    前記テーブルと前記ベースとを連結する並列配置された複数の連結部と、
    を備えた閉リンク機構であって、
    前記連結部が、
    前記テーブルに設けられ、前記テーブルの可動を受ける3自由度を有する第1ジョイントと、
    ロッドを介して前記第1ジョイントの可動を受ける2自由度を有する第2ジョイントと、
    一端に前記第2ジョイントが設けられ、他端で前記ベースと固定されたアームと、
    一端が前記第1ジョイントを介して前記テーブルと接続され、他端が前記第2ジョイントを介して前記アームと接続された前記ロッドと、
    を含んで前記テーブルと前記ベースとを連結しており、
    前記テーブルと前記ベースとの間に引力または斥力を加える機構を備えていることを特徴とする閉リンク機構。
  8. 請求項7記載の閉リンク機構において、
    前記機構が、ばねと、前記ばねの両端にそれぞれ設けられた3自由度を有するジョイントと、を含み、前記テーブルに前記ばねの一端側のジョイントが設けられ、前記ベースに前記ばねの他端側のジョイントが設けられて、前記テーブルと前記ベースとの間に斥力または引力を加えていることを特徴とする閉リンク機構。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の閉リンク機構を備えた力覚センサにおいて、
    前記アームの変位および/または変形を一方向で検出する検出素子と、
    前記検出素子の検出値から、前記テーブルもしくは前記ベースに作用する力の大きさおよび/または方向を計算する演算部と、
    を備えていることを特徴とする力覚センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019527484A (ja) * 2016-07-29 2019-09-26 シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド 剥離水平化デバイスおよび剥離方法

Cited By (1)

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JP2019527484A (ja) * 2016-07-29 2019-09-26 シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド 剥離水平化デバイスおよび剥離方法

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