JP2011138444A - 薄膜鏡面反射回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンピュータグラフィックス描画技術に関し、漆器等の薄膜表面に映り込む周辺映像の描画手段を提供する。
【解決手段】視線ベクトルVと物体の面法線Nから反射ベクトルRを求める回路30と、この反射ベクトルRと物体の描画点(反射点)Pとから反射ベクトルが交差する環境キューブ面を選択し、選択された面画像上の交差点(U,V)を計算する回路31を設ける。環境キューブはそれぞれの面に対してフィルタリングにより作成した複数枚の画像32が用意され、VN角から画像34を選択する。画像34の出力は(U,V)を中心とする画素で、それぞれ複数の画像に対応して複数組み出力される。画素は、線形補間するトライリニア補間回路35に与えられ輝度を得る。輝度スケール回路36は、VN角度に応じて輝度を減衰させる。輝度は、物体の描画点での輝度を最終的に決定するためにシェーダー37に与えられ、点Pの輝度を求める。
【選択図】図3

Description

この発明は コンピュータグラフィックスにおいて漆器等の特殊な表面塗装をもつ物体上の反射効果を高速に表現するための描画手段と、その手段の論理回路への実装技術の分野に関する。
コンピュータグラフィックスによる物体の反射表現には、これまでフォンシェーディング推論モデルやBRDF等の物理モデルがあり、また鏡面反射特性をもつ物体への周辺映像の映り込みには環境マッピングが利用されてきた。さらに多層面や半透明物体の表面光反射および物体内部散乱などの複雑系モデルにはBSSRDF(双方向散乱面反射分布関数)なども知られている。
これらのコンピュータグラフィック表現研究は常にリアリティー性と、コンピュータ演算負荷との相反する問題の妥協点を見出す手段に関するものであった。一方、漆器のように多層薄膜表面をもつ物体のリアリティーを表現する手段の研究は物理モデル化の複雑性のため今日までほとんど知られていない。またそのモデルを使用した描画ライブラリとして実用化されている事実も現状では見当たらない。漆器等の特殊な表面塗装構造をもつ物体の反射ではBSSRDFに見られるようなダイポールモデル化が適用できないことが原因の一つである。さらに反射面構造の複雑性から光の入射角に対して一様な反射式をモデル化することは困難である。一つは塗料(朱色の場合)が練朱と漆とを所定の比率で混ぜ合わせて作られ、塗布してから乾燥する間に生じる漆成分に含まれる粒子の分布と、乾燥しては再度塗布する漆器独特の行程、さらに上塗りによる表面の透明質とその下部の漆質との構造を形成する複雑さをもっているからと考えられる。
一方、漆器には従来のBRDFと環境マッピングの組み合わせで表面の光反射特性と周辺映像の映り込みを行って、リアリティーを高める手法が考えられる。表面艶なしの漆器では、その面と視線が垂直に近い場合、物体表面で光は散乱し周辺の風景は映らない。艶のある塗布面でも垂直角になればなるほど映り込む映像は輝度やシャープさを失う。一方、視点と漆器面との角度が大きくなると、艶なし塗布においても表面に鏡面効果が表れ、90度近くで急激に周辺物体が現れる。これは従来の環境マッピングのように一つの環境キューブに記憶された映像を、視線の反射ベクトルを用いて読み出し、これを反射点にマッピングするだけの単純な映像効果では表現することはできない。面と視点角の変化によって、表面での反射や散乱特性が変化し、反射される映像はそのシャープさ(拡散率)を変化させるからである。さらにそのシャープさは表面の色と周辺映像の単純なアルファーブレンディング手法では得られないエッジの暈けた状態がシャープに変化する。
一方、艷のある表面特性をもつ物体では、視線ベクトルと面法線が並行に近い場合、反射映像が表面拡散あるいは散乱で暈ける様態よりも反射物体の輝度が低下する効果の方が大きい。これは物体表面から入射した光が光沢研磨と共に漆層が薄いため、内部通過過程での散乱が少ないことによる。これを表現するには表面加工の違いによって複数のレンダリングプロセスを動的に適応させる必要がある。以上のような特性を考慮した漆器面における反射モデルの研究はその実装も含めて、今日まで提案されていない。
本発明は、物体表面と視線との成す角度によって変化する物体に映る周辺映像を表現する手段とそのハードウエアの実装を課題とする。
周辺映像を物体表面に表示する方法は前記した環境マッピングが実時間性やハードウエア実装の観点から最も有力である。一方、前記したように従来の手段では全ての視線と物体面との角度に対して一様な映り込み(鏡面反射特性)で表現している。一方、物体表面特性を考慮した手段としてアルファーブレンディングを用いて映像をフェードアウトする表現があるが、この方法では映り込む形状が拡散した映像の暈けた効果は表現できない。またそれらの変化は線形ではない。本発明ではまず周辺映像を記憶する環境キューブにシャープな周辺映像から、この映像をFIRおよびIIRフィルタを通して得た複数の映像を記憶する。一方、視点と物体面の成す角度を変数とした情報を用いて、前記環境キューブに記憶された映像を選択し、視線反射ベクトルからその映像を読み出し、これを反射点にマッピングし、視線と面との成す角度で鏡面特性を表現するものである。
視線ベクトルと物体面との成す角度は一般的にその方向余弦で表現できる。面の法線をNとし、視線ベクトルをVとしたとき、方向余弦はNとVの内積となる。よって視線ベクトルと面法線の成す角度が大きくなると値は0に近づき、並行で1となる。本発明ではこの値を用いて環境キューブに記憶された周辺映像のパターンを選択する。周辺映像は予めフィルタリングによってキューブ面あたり複数枚の映像を作成しておく。このフィルタリングによるシャープな映像から暈けた映像を以下、拡散映像と定義する。すなわち方向余弦(N・V)は映像を選択する拡散パターンの選択変数となる。
方向余弦によって拡散映像が選択されるが、拡散映像を多数記憶するとメモリコストが問題となる。一方、方向余弦(N・V)は面の傾きあるいは視点の移動により連続的に変化し、物体面に反射される映像も連続性をもってその拡散の度合いが変化する。この両者の特性を満足するために、本発明では方向余弦(N・V)で複数あるパターンから、その方向余弦に関わる近傍の2つの拡散映像を選択し、この2つの映像をもとに線形補間して物体表面における鏡面映像を決定する。この補間にはテキスチャーマッピングで使用されるバイリニアあるいはトライリニアいずれも可能である。すなわち本発明では、方向余弦(N・V)の上位値を拡散映像の選択に用い、一方下位値を補間値とする。
前記方向余弦において、視線と物体の面法線との成す角の変化に対応する周辺映像のシャープさはコサイン関数となる。しかし漆器等の表面反射特性はコサイン関数曲線に必ずしも一致して変化しない。艶なし面では90度近傍で急激に鏡面特性が表れる。これをコサイン関数で対応するにはコサインのn乗(nは任意値)とし、このn値が表面反射特性を表現するものとする。これはフォンモデルの鏡面反射係数の定義と同等の意味をもつ。本発明では、方向余弦とそのn値は、視線に入る外部からの光(周辺映像)が、面に垂直であればあるほど表面に入射・屈折した光は表面の漆粒子により拡散するのに対して、入射光が面と並行に近くなると物質表面の透明(ガラスのような)層に対して入射光が全反射角に近づき、ほとんどの光を反射させる特性をもつものとしてこれを拡散映像の選択に用いる点でフォンモデルとは異なっている。
環境キューブに記憶する映像は、キューブ中心に視点を置いた6面方向の映像をそれぞれの面に投影したものである点では従来のキューブ面映像定義と変わらないが、本発明では、投影映像をそのまま使用するのではなく、これからFIRおよびIIRフィルタを用いて暈し程度に応じた複数の映像を生成する。例えばややシャープな映像から周辺映像が視覚的に認識できないレベルまでの4段階程度の映像を用意する。この段階は多ければ多いほどリアリティーに対する忠実度は高くなる。このボケの程度を連続的に変化させる手段として、本発明ではキューブ面に投影された周辺映像を一旦記憶した後、FIRあるいはIIRフィルタを用いて複数枚生成する。一般的にはIIRフィルタで良い。フィルタでサンプリングする領域は3×3から任意の奇数画素数で行う。このサンプリング面積あるいはフィルタの繰り返し数で暈けの広がりが決定されるが、IIRフィルタでは2次元配列の画素に対して、一つの均一な広がりをもつ拡散映像を生成ためには2次元配列の左右上下からの4回のフィルタリングを行う。一方FIRでは1回でよい反面、広がりは余り得られない。これらキューブ面拡散映像の生成は前処理によって行われる。よってレンダリング段階での性能には影響しない。
本発明では前記フィルタによって生成された複数の拡散映像はテキスチャと同様な取り扱いを行う。例えば4枚の拡散映像が記憶され、その映像に0−3の番号が付加されたものとし、スケールされた方向余弦の上位ビットが0,1,2,3の4つの値を取るものとして、今、方向余弦が1.7となった場合、まず番号1と2の拡散映像を選択する。一方、物体面での視線ベクトルと面法線が成す反射ベクトルから、選択されたキューブ面上での交差位置が決定し、その点を中心に、それぞれp×p画素の平均値(pは任意値)を取り、この2組のそれぞれの平均値に対して前記方向余弦1.7の下位ビット(小数点以下の値)となる0.7から、拡散映像1と2から得た平均値に0.3と0.7にそれぞれ重みづけして加算し、これを物体面上の映像(輝度)とする。これは従来のテキスチャマッピングのトライリニアフィルタと類似した処理であるが、本発明がそれらと異なるのはフィルタの対象映像が、画像の画面サイズを複数用意するミップマップ画像ではなく、フィルタ(暈し)画像を用いた補間であることである。本発明においても従来の画像サイズを対象としたトライリニアと、本発明の拡散映像を対象とするトライリニアを併用して高品質画像を生成することも可能である。以上のように本発明の拡散映像の補間法は対象となるデータが異なるがプロセスはおなじであることから、従来装置への実装も容易となる。
一方、環境キューブを用いた環境マッピングは物体自身のもつ色ではなく、そこに映し出される周辺映像そのものを表示する。しかし漆器等は艶の有無に関わらず漆器そのものの色が主体であり環境映像の映り込みは、その色にマージされた一部の反射にすぎない。これを表現するには、拡散および鏡面反射率を反映した、例えばBRDFモデルを併用して描画し、この上に前記[005]−[009]項の処理をブレンディングする必要がある。このブレンディング変数(通常アルファー値と呼ばれる)もまた面の法線と視線ベクトルとの方向余弦を基に決定する。前記[007]ではコサインにn乗した値を拡散映像の選択情報としたが、ブレンディングも同様に方向余弦の任意のべき乗値qを設定する。これらnやqは漆と練朱との割合や、塗装による多層構造に依存するものであり、それぞれの表面特性に対応して決定する。
[005]から[010]までは物体表面の艶なしに関するレンダリング手段である。一方、艶のある面では、凹凸が少なく面内部に入射・屈折した光は薄膜のため散乱して拡散する面積が少なく周辺映像のボケの度合いは、視線ベクトルが面法線と並行に近い場合においても少ない。輝度の吸収(減衰)が生じる程度となる。この周辺映像の輝度が低下した映像のマッピングもまた単純な環境キューブのそれぞれの面に対応して記憶された映像を、物体面にマッピングしても得られない。このためには、マッピングする際に記憶回路から読み出された輝度を低下させる処理が必要となる。この輝度のスケール量もまた、視線ベクトルと面法線とに関係し、その方向余弦が小さくなると輝度が上がるため、本発明では輝度のスケールもまた前記方向余弦を用いて行う。よって前記拡散映像のなかで比較的シャープな映像を選択し、これに輝度スケールを掛け、輝度を低下した後に物体面にマッピングすることで、本発明では特に艶のある物体のための環境キューブ映像を必要としない。
以上から本発明は、漆器のような特殊な反射特性をもつ物体において、環境キューブ中心点を投影中心としてキューブ面に投影した周辺映像をFIRあるいはIIRフィルタリングによって暈した複数の映像を生成する手段と、物体に照らし出される周辺映像の反射、散乱および減衰変化を、視点ベクトルと描画点における面法線の成す角(以下方向余弦という)を基に、前記複数の映像から所定の映像を選択する手段と、視点ベクトルの描画点における反射ベクトルが前記選択した複数の映像と交差する点を求め、前記方向余弦値を用いて複数の輝度を線形補間する手段と、この補間して得られた輝度と物体のもつ色とをブレンディングして、描画点の物体の映像画素とする手段と、一方、艶のある表面特性をもつ物体において、前記キューブ面のそれぞれの周辺映像をマッピングする際に、前記方向余弦を用いて周辺映像の輝度を減衰し物体面にマッピングする手段の、それぞれの手段を併せ持つ薄膜鏡面反射回路となる。
本発明により、漆器など複雑な表面反射特性を持つ物体の、コンピュータグラフィックスによる実時間でのリアルな映像が表現でき、バーチャルショップやショッピングにおけるプレゼンテーションに有効となる。
本発明の手段は組み込みソフトウエアあるいはハードウエアに適したアルゴリズムであることから、グラフィックスLSIとして実装するか、IP(Intelligent Property)としての形態が可能である。
以下、本発明の実施例を説明する。図1には本発明に係わる環境キューブ、物体および視点の関係を示す。図1において、物体11は漆器のような薄膜表面をもつ。物体11の任意の点Pの輝度を決定する上で、視点10からの視点ベクトル(視線)VはP点で反射し、反射ベクトルRとなって、環境キューブ12の6面体の1面である面13の1点Qと交差する。点Pの輝度は、点Qの輝度をマッピングして決定するのが従来の環境マッピングである。一方、漆器のような特殊な表面塗装された物体では、特に艶消し処理面において、視点10と物体11の面法線Nとが成す角度θが小さくなると面に映り込む周辺映像は暈けて映らない。しかし角度θが大きくなると、周辺映像が物体に映り込む特徴をもち、この映り込みの鮮明度はθが多くなると共に高くなり、やがて鏡のような反射効果をもつ。すなわちθが小さな場合は点Qの輝度を、単純に点Pにマッピングすることでは、求める効果は得られない。さらにθがある角度以上になって、点Qの映像を点Pにマッピングするとしても、物体11には面13の映像は広がりをもつ暈けた映像として映り込まれる。本発明では角度θを2つのベクトルVとNの関係を内積(方向余弦)としてcosθ(90°≧θ≧0)で表現する。よってcosθが値0に近づくに従って周辺映像がはっきりと物体に現れることになる。
図2は環境キューブ面での選択画像の線形補間の関係を示すもので、本発明に係わる図1の環境キューブ12の1つの面13を表す。この面にキューブ中心(投影中心)から面13に向かってその外部の四角錐に含まれる周辺映像を投影するものである。周辺映像は画像メモリに記憶した後IIRあるいはFIRフィルタを用いて、面13の投影映像をフィルタリングし、フィルタの繰り返し数を変えることで数種類の暈けた映像を用意する。図2はキューブ面13に対応する複数のフィルタ後の周辺映像から選択されたキューブ面フィルタ選択画面13aと13bの2枚を示したものである。これらフィルタ映像はレンダリングの前処理として予め用意されるデータである。前記cosθの値が、例えばcosθ=0.37とすると、画像13aと13bはそれぞれcosθ=0.3と0.4時の2つの画像が選択され、その間の値0.07を用いて2つの画像間の線形補間を行う。これは13aと13bそれぞれにおいて、図1において面13と交差した点Qを中心とする領域m×mの画素(mは任意)を平均化し、それで得た2つの面の2つの平均値(13aと13bのそれぞれをIaとIbとする)を値0.07を用いて図2に示すように、0.07が2つの面との距離1を配分するaおよびbの関係に対応させ、a=0.7、b=0.3とし、線形補間(0.3×Ia+0.7×Ib)とするものである。この補間結果を図1における物体11の点Pの輝度とする。前記線形補間においてm×m領域の平均値計算は一つの方式であり、中心点Qからの距離の重み付け、例えば2次あるいは3次関数フィルタ(Sincフィルタ等)を用いることもできる。この結果、連続してcosθが変化する場合においても、点Pに映り込む映像は13aから13bに不連続に変化するのではなく、連続的に変化することができる。前記cosθは物体11の表面特性に依存するが、本発明ではNとVの角度が90°近傍で急激に変化する特性を得るため、実装ではcos(90−θ)を用いる。べき値nは物体表面加工特性に依存する値である。
一方、前記線形補間によって得られた輝度(以下Ipとする)を図1の物体11の点Pにマッピングする際、物体11自身がもつ色(以下Iobjとする)がある。漆器では多くが朱であったり黒となる。物体11が完全な鏡面反射を持つ場合は、Iobjが失われ、Ipとなるが、散乱面ではIobjとIpとのブレンディング値となる。これもθに関係して、ブレンディング割合が変化する。本発明ではこのブレンディング係数αをcos(90−θ)とする。値qも前記n同様に物体の表面特性に依存して決定される値となる。ブレンディングはIobj×(1−α)+Ip×αとなる。
フィルタ画像の選択やブレンディング値に、NとVの成す方向余弦をべき乗するのは、θが90°に近くなると急激に移り込み映像の鮮明度が変化するためであり、この非線形特性を表現するためである。よってこのような変化をもつ数式であれば基本関数は指数やNとVとの外積による表現であっても本発明の範囲を逸脱するものではない。すなわち前述のcosθは表面特性に応じてsinθに置き換えることができる。
一方、図1において、物体11が艶加工をした表面特性の場合、映り込みの映像は方向余弦によってボケの広がりが変化することは少なく、映り込む映像の輝度が低下し、NとVの角度が90°に近くなると、映像がより鮮明となる。この輝度の低下は前記実装のみでは得られない。
本発明では図1において面13の点Qを物体11の点Pにマッピングする際、点Qに記憶された映像画素値のダイナミックレンジをモニター表示範囲よりも大きく定義し、これをスケールした後、点Pにマッピングする。これは環境マッピングでしばしば用いられる方法である。このスケール値の決定で本発明では、前記方向余弦を用いる。このスケール値は1−K(1−cos(90−θ))の関係で、θが90度近傍でスケール値は1となるが、それ以外の角度ではほとんど1−Kの一定値を保つ関係である。Kおよびrは物体の表面特性で決定される。
図3は本発明の薄膜鏡面反射描画のためのそれぞれの手段を実装するための回路ブロック図を示す。視線ベクトルVと物体の面法線Nとの成す角度を求めるにはそれらの内積計算と、視線ベクトルから物体上の反射ベクトルRを求める回路を内蔵する反射ベクトル・方向余弦計算回路30を設ける。この回路には方向余弦そのものを出力するのではなく、得られた方向余弦cosθを入力としてcos(90−θ)の数種類のべき乗された値を記憶し、出力するテーブルが内蔵されている。また乗算器、加減算器およびベクトル正規化回路が内蔵される。また反射点Pの3次元座標値も入力し、反射点(レンダリング点)を考慮した反射ベクトルRを求める。回路30の出力はθの関数f(θ)とRとなる。f(θ)は方向余弦cosθからテーブル等を使用してcos(90−θ)を生成した値を意味する。この反射ベクトルRと反射点Pとから反射ベクトルが交差するキューブ面を選択する信号Sと、選択された面画像上の交差点(U,V)を計算するキューブ面選択・交差点計算回路31が与えられ、IIRフィルタによって作成された複数枚の画像32が6面分用意され、前記信号Sによって、マルチプレクサ33を通して、例えば2枚のキューブ面選択画像34を選択する。Sはf(θ)の上位ビットから作られる。2枚の画像34に与えられる(U,V)は図2の点Qの座標値を意味し、画像34の出力はその点を中心とする図2に示すようなm×m画素が、それぞれ2枚の画像に対応して2組出力される。この段階の画素データは赤、緑、青の3色で構成している。2組の画素は、それぞれを線形補間する回路であるトライリニア補間回路35に与えられる。回路35にはf(θ)の下位ビットも同時に与えられ、それぞれのm×mの平均値をf(θ)の下位ビット値で比例配分する四則演算回路を内蔵する。
一方、輝度スケール回路36は、キューブ面選択画像34とf(θ)から、f(θ)に応じて輝度を減衰させる。この回路では[019]の輝度スケール値を計算する回路を内蔵する。
交差点Qおよびその周辺画素から回路35および36で得られた輝度は、反射点Pでの輝度を最終的に決定するために所定の反射計算回路を内蔵するシェーダー37に与えられ、回路37では再び点Pの面法線N、視線ベクトルV、光源入射ベクトルL、物体固有の反射率F、表面減衰率G等を用いて点Pの輝度を求め赤、緑、青のそれぞれの成分Ir,Ig,Ibとして出力する。
本発明の方式はバーチャルショップなどの工芸品ネット商品表示や、方式の回路実装によってIP(Intelligent property)として提供したり、グラフィックスプロセッサLSIに実装されることで、実時間性のあるCG映像制作装置として利用できる。
「本発明に係わる視点、物体および環境キューブのそれぞれの関係を示す。」 「環境キューブ面での選択画像の線形補間の関係を示す。」 「本発明に係わる薄膜鏡面反射回路を示す。」
図1
10 視点
11 物体
12 環境キューブ
13 キューブ面
図2
13a キューブ面フィルタ選択画面
13b キューブ面フィルタ選択画面
図3
30 反射ベクトル・方向余弦計算回路
31 キューブ面選択・交差点計算回路
32 フィルタ画像
33 マルチプレクサ
34 キューブ面選択画像
35 トライリニア補間回路
36 輝度スケール回路
37 シェーダー

Claims (4)

  1. 薄膜鏡面反射特性を持つ物体のコンピュータグラフィックスによる周辺映像の映り込み表現に関し、前記物体を取り囲む環境キューブを設け、前記キューブ面に投影される6面映像を、フィルタリングにより複数の映像を生成してこれらを記憶する手段と、描画点の映り込み輝度を決定する手段として、視線ベクトルが前記物体表面で反射し、その反射ベクトルが前記キューブ面に交差する面および点を求めると共に、前記視線ベクトルと面法線の成す角度を用いて、前記記憶した複数のキューブ面映像から、少なくとも2枚以上の映像を選択する手段と、選択された前記複数の映像に含まれる前記交差点の周辺画素を用いて、前記視線ベクトルと面法線の成す角度の変化に応じて、前記フィルタリングされたそれぞれの輝度が連続的に変化するように輝度の線形補間を行う手段と、前記線形補間された輝度を描画点の輝度とすることで、視線と物体面の角度に変化して物体面に映り込む周辺映像の鮮明さを表現する処理をもつ薄膜鏡面反射回路。
  2. 請求項1の回路において、前記物体自身の色と前記手段によって得られた輝度とをブレンディングする手段において、ブレンディング係数を、前記視線ベクトルと面法線の成す角度の変化に応じて動的に変化させ、前記視線と物体面の角度によって周辺映像の鮮明さを表現する薄膜鏡面反射回路。
  3. 請求項1および2の回路において、艶塗装をした物体に関し、前記映り込み画素の輝度を減衰した後、前記ブレンディングを行う処理をもつ薄膜鏡面反射回路。
  4. 請求項1から3までに記載の薄膜鏡面反射回路用いたコンピュータグラフィック画像装置。
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