JP2011135007A - 発振素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発振するテラヘルツ波の周波数を制御性良く、広帯域において変化可能な発振素子の提供すること。
【解決手段】 テラヘルツ波を発振させるための発振素子は、以下の通りである。まず、基板120を備える。次に、基板120の上部に設けられ、サブバンド間でのキャリアの遷移によりテラヘルツ波を発生させる活性層101を備える。また、基板120の上部に設けられ、バンド間でのキャリアの遷移により光を発生させる発光層104を備える。そして、発光層104が、発光層104で発生した光を、活性層101に照射可能な位置に配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テラヘルツ波を発振させるための発振素子に関する。
テラヘルツ波(本明細書では30GHz以上30THz以下の周波数の電磁波である。)を発振させる発振素子の活性層には、主に、量子カスケードレーザと、共鳴トンネルダイオード(Resonant tunneling Diode:RTD、以下RTDと記す。)とが用いられる。これらは、半導体量子井戸構造における電子のサブバンド間遷移に基づく電磁波発振を実現させるものである。
特に、2重障壁型のRTDを活性層として用いた発振素子は、室温で1THz近傍の周波数領域のテラヘルツ波を発振できるとして期待されている。ここで、2重障壁型のRTDは、InP基板上にエピタキシャル成長されたInGaAs量子井戸層とInAlAsトンネル障壁層とから構成されている。RTDは、電圧―電流(V−I)特性に現れる微分負性抵抗の範囲において、誘導放出により電磁波を発振する。
ここで、上述した発振素子を通信技術やイメージング技術の分野で応用するためには、小型であるとともに、発振するテラヘルツ波の周波数を変調可能な構成にすることが求められる。
上記微分負性抵抗において、駆動電圧を変化させることにより、発振するテラヘルツ波の周波数を変化させる発振素子が、非特許文献1に開示されている。このとき、中心周波数が470GHzで、周波数の可変幅が18GHzである。ここで、上記駆動電圧は、もちろんRTDへの電流注入として機能しており、周波数を変化させるために電圧を変えると、発振するテラヘルツ波のパワーも変化してしまうなど、制御性の観点から改善が求められる。
そこで、外部からRTDに照射する光の強度を変化させ、RTDの微分負性抵抗及び寄生要素を変化させることにより、発振するテラヘルツ波の周波数を変化させる発振素子が、特許文献1に開示されている。
特開平8−125215号公報
ELECTRONICS LETTERS Vol.41 No.15 872
ここで、特許文献1で開示された構成では、外部から光を照射するために、光入射用の窓構造を設ける必要がある。この窓構造は活性層の上部に設ける電極に穴をあけることで構成される。この窓構造により、電極と電極下部の層との接触面積が小さくなるため、上記寄生要素の1つである直列抵抗が増大する。このとき、RC時定数が大きくなり、カットオフ周波数の上限が低下するため、発振するテラヘルツ波の周波数帯域が狭くなってしまう。
本発明の目的は、発振するテラヘルツ波の周波数を制御性良く、広帯域において変化可能な発振素子の提供である。
本発明に係るテラヘルツ波を発振させるための発振素子は、
基板と、
前記基板の上部に設けられ、サブバンド間でのキャリアの遷移によりテラヘルツ波を発生させる活性層と、
前記基板の上部に設けられ、バンド間でのキャリアの遷移により光を発生させる発光層と、を備え、
前記発光層が、該発光層で発生した光を、前記活性層に照射可能な位置に配置されることを特徴とする。
また、別の本発明に係る半導体素子は、
基板と、
前記基板の上部に設けられ、サブバンド間でキャリアを遷移するように構成される多重量子井戸層と、
前記多重量子井戸層の上部に設けられる第1の電気接点層と、
前記基板の上部に設けられ、前記多重量子井戸層の下部に設けられる第2の電気接点層と、
前記基板の上部に設けられ、バンド間でのキャリアの遷移により光を発生させる発光層と、を備え、
前記発光層が、該発光層で発生した光を前記多重量子井戸層に照射可能な位置に配置され、且つ前記第2の電気接点層におけるバンドギャップエネルギーよりも大きいエネルギーの光を発生可能に構成されることを特徴とする。
上述のように、本発明に係る発振素子は、基板の上部に発光層を設ける。また、発光層はバンド間でのキャリアの遷移により光を発生させる。そして、発光層は、発光層で発生した光を、活性層に照射可能な位置に配置される。これにより、発振するテラヘルツ波の周波数を制御性良く、広帯域において変化可能な発振素子を提供することができる。
本発明の実施例1を説明するための模式図である。 本発明の実施例1を説明するための模式図である。 本発明の実施例1に係る半導体素子のバンド構造を説明するためのグラフである。 本発明の実施例2を説明するための模式図である。 本発明の実施例1の変形例を説明するための模式図である。 本発明の実施例1の変形例を説明するための模式図である。 本発明の実施例2を説明するための模式図である。 本発明の実施例3を説明するための模式図である。 本発明の実施例4を説明するための模式図である。
本実施形態に係るテラヘルツ波を発振させるための発振素子について、図1を用いて説明する。
本実施形態に係る発振素子100は、基板120の上部に設けられ、サブバンド間でのキャリアの遷移によりテラヘルツ波を発生させる活性層101を備える。ここで、活性層101は、発生するテラヘルツ波に対して利得を持つ媒質(利得媒質)であれば何でも良い。例えば、活性層101は、サブバンド間でキャリアを遷移するように構成された多重量子井戸層(Multi Quautum Well。以下、MQW層と呼ぶ。)であることが好ましく、後述するように共鳴トンネル構造が好適に用いられる。
次に、発振素子100は、活性層101の上部に設けられる第1の電気接点層102を備える。また、基板120の上部に設けられ、活性層101の下部に設けられる第2の電気接点層103を備える。第1及び第2の電気接点層102、103は、不純物をドーピングした半導体が好適に用いられる。
また、発振素子100は、基板120の上部に設けられ、バンド間でのキャリアの遷移により光を発生させる発光層104を備える。ここで、発光層104は、p型半導体125とn型半導体124との互いに接する界面(pn接合)で発光可能に構成されることが好ましい。
そして、上記発光層104が、発光層104で発生した光を、活性層101に照射可能な位置に配置される。これにより、発振するテラヘルツ波の周波数を制御性良く、広帯域において変化可能な発振素子を提供することができる。
ここで、上記発光層104は、以下のように構成することが好ましい。まず、発光層104は、第2の電気接点層103を構成する材料のバンドギャップエネルギー(あるいはバンド間のエネルギー)よりも大きいエネルギーの光を発生可能に構成される。すなわち、発光層104は、第2の電気接点層103を構成する材料のバンドギャップエネルギーをEg、発光層104を構成する材料のバンドギャップエネルギーをhνとするとき、hν>Egとなるように構成されることが好ましい。そして、発光層104は、発光層104で発生した光を、第2の電気接点層103を介して活性層101に照射可能な位置に配置される。すなわち、第2の電気接点層103と活性層101との間の領域に、発光層104で発した光を結合させることが好ましい。これにより、発光層104で発した光を第2の電気接点層103に比較的吸収されることなく、活性層101に照射することができる。また、発光層104は、活性層101の下部に設けることが好ましい。これにより、発光層104で発した光を活性層101に照射する際、活性層101に対して比較的均一に照射することができる。以上の構成の詳細については、図1(a)や図5(a)などにより後述する。
また、上記発光層104は、図6(c)で後述するように、基板120の上部に設けられ、活性層101と並列に配置されても良い。
なお、第1の電気接点層102に注入されたキャリアを、第2の電気接点層103から抽出されるように構成されることが好ましい。すなわち、コレクタ側である第2の電気接点層103に、発光層104で発生した光を照射する構成が好ましい。
ここで、発振素子101は、基板120の上部に設けられ、活性層101から発生したテラヘルツ波を共振させる共振部212を備えることが好ましい。なお、共振部212は、パッチアンテナであるが、スロットアンテナで構成しても良い。この場合、共振部212は、共振されたテラヘルツ波を放射するように構成されており、アンテナの機能も有する。
(その他の実施形態)
上記実施形態の発振素子は、半導体素子100を論理回路に適用することも可能である。例えば、本実施形態に係る半導体素子100を、ヘテロバイポーラトランジスタのベースに接続することで、デジタル論路回路として適用することができる。この場合はもちろん、上記実施形態のようにテラヘルツ波などの電磁波を発振させる必要はない。
まず、半導体素子100は、基板120上に配置されたMQW層101、第1電気接点層102、第2電気接点層103、発光層104とから構成される。MQW層101は、サブバンド間遷移が生じる多重量子井戸構造であり、共鳴トンネル構造が好適に用いられる。このとき、半導体素子100は共鳴トンネルダイオード素子として動作する。また、第1電気接点層102、MQW層101、第2電気接点層103は、この順に積層される。
また、少なくとも第2電気接点層103は、バンドギャップエネルギーがEgの材料で構成されている。発光層104は、化合物半導体のpn接合を含み、バンド間遷移に伴ってエネルギーhνの光を発生する。
ここで、光のエネルギーhνは、前述のバンドギャップエネルギーEg以上の大きさであることが、本実施形態に係る半導体素子の特徴の1つである。また、発光層104で発生した光の一部が、電気接点層102、103、及びMQW層101の一部に結合・吸収されるような位置に発光層104は配置されている。
この結果、光吸収により生成した電子―正孔対の影響で電界分布が変化し、付近のバンド構造が変化する。故に、MQW層101におけるサブバンド構造が変化することになる。この量子閉じ込めシュタルク(QCSE)効果は、MQW層101におけるサブバンド間遷移の特性を変化させ、半導体素子(例えば共鳴トンネルダイオード素子)のキャリアの振動周波数を変化させる。すなわち、半導体素子は、発光層104で発生する光の強度を変化させることで、素子のキャリアの振動周波数を調整することが可能な構成となっている。
(実施例1:共鳴トンネルダイオード)
実施例1の構成について、図1を用いて説明する。本実施例では、サブバンド間遷移が生じるMQW層101として共鳴トンネル構造を用いた。すなわち、第1電気接点層102、MQW層101、第2電気接点層103を含む半導体積層構造により、共鳴トンネルダイオードRTD130(Resonant Tunneling Diode)が構成されている。ここで、第1電気接点層102はMQW層101に電子(本実施例におけるキャリア)を注入する為の層であり、第2電気接点層103はMQW層101から電子を抽出する為の層である。また、第1電気接点層102及び第2電気接点層103は、バンドギャップがEgの材料で構成される。
MQW層101は、トンネル障壁層と量子井戸層とが交互に積層された半導体へテロ構造からなる3重障壁型の共鳴トンネル構造である。MQW層101は、第1トンネル障壁層111と、第1量子井戸層114と、第2トンネル障壁層112と、第2量子井戸層115と、第3トンネル障壁層113がこの順に積層された共鳴トンネル構造層105を含み構成される。本実施例では、以下のような膜構成の3重障壁量子井戸構造層105を用いている。
第一障壁層 AlAs 1.3nm
第一量子井戸層 InGaAs 7.6nm
第二障壁層 InAlAs 2.6nm
第二量子井戸層 InGaAs 5.6nm
第三障壁層 AlAs 1.3nm
ここで、第一量子井戸層114、第二障壁層112、第二量子井戸層115は面方位(100)のInPに格子整合したInGaAs/InAlAsである。また、第一障壁層111、第三障壁層113は、InPに格子整合していないAlAsで、臨界薄膜よりは薄く、エネルギーの高い障壁となっている。
また、MQW101は、ノンドープInGaAsからなる第1スペーサ層118及び第2スペーサ層119を含み構成され、第1スペーサ層118、共鳴トンネル構造層105、第2スペーサ層119の順に積層されている。
第1電気接点層102及び第2電気接点層103は、n+InGaAsから構成される。第1電気接点層102には第1コンタクト層116及び第1オーミック電極121が接続され、第2電気接点層103には第2コンタクト層117及び第2オーミック電極122が接続されている。ここで、第1コンタクト層116及び第2コンタクト層117は、n++InGaAsから構成され、第1オーミック電極、第2オーミック電極はTi/Pd/Auから構成される。半導体素子100は、第1オーミック電極121と第2オーミック電極122を介して電源123に接続され、駆動用のバイアス電圧が供給される。これらの構成により、半導体素子100はサブバンド間遷移である共鳴トンネル効果により図2(b)に示すような微分負性抵抗が電流―電圧特性に現れる。
発光層104は、バンド間遷移に伴いエネルギーhνの光Aを発生する層であり、本実施例では、直接遷移型の化合物半導体のpn接合を用いている。発光層104は、n型半導体層124、p型半導体層125、pコンタクト層126より構成され、この順に積層されている。n型半導体層124は、第2コンタクト層117を介して、第2オーミック電極122に接続されている。また、pコンタクト層126は、p型オーミック電極127に接続されている。
n型半導体層124は、pn接合に電子を注入する層であり、本実施例では、ドーピングされたn−InGaAs(厚さ500nm、ドーパント:Si、1e+17cm−3)を用いた。また、p型半導体層125はpn接合に正孔(ホール)を注入する層であり、本実施例では、ドーピングされたp−InGaAs(厚さ500nm、ドーパント:Zn、1e+17cm−3)を用いた。本実施例で用いた発光層104では、InGaAsのバンド間遷移に伴い波長1.65μmの光Aが発生される。p型半導体層125は、高濃度にドーピングされたInGaAs(厚さ500nm、ドーパント:Zn、5e+18cm−3)からなるpコンタクト層126を介して、p型オーミック電極127に接続される。p型オーミック電極127はTi/Pd/Auからなる。第2オーミック電極122とp型オーミック電極127は電源128に接続されており、発光層104にバイアス電圧を印加して、発生する光の強度を調整可能な構成となっている。電源123と電源128は調整部129に接続され、調整部129により、半導体素子100の動作条件を好適に調整可能な構成となっている。
ここで、発光層104は、発生した光が電気接点層102、103、及びMQW層101に結合・吸収されて、サブバンド遷移特性を調整出来るように、電気接点層102、103、及びMQW層101近傍に配置されていることが望ましい。より効果的にこれを生じさせるために、第2電気接点層103、及び前記第2接点層103と前記MQW層101との間の領域において光Aが吸収されるような位置に配置されることが望ましい。つまり、基板の板厚方向に対して第1電気接点層102、MQW層101、第2電気接点層103、発光層104の順に配置されることが望ましい。
次に、本実施例1に係る半導体素子の動作について説明する。
本実施例においてMQW層101として用いた共鳴トンネルダイオード(RTD)は、特許文献1や、Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.47,No.6,2008,pp.4375−4384などに開示されているように、図2(a)に示した等価回路で記述される。ここで、図2(b)において、Rcont、Ccontはオーミック電極とコンタクト層の接触抵抗成分、接触容量成分であり、RpostはRTDに直列に接続されるメサ構造に起因する抵抗成分を表している。また、RactはRTDの微分負性抵抗(<0)である。また、CactはRTDの容量成分であり、LactはRTDのインダクタンス成分であり、トンネリング時間及び空乏層の走行時間を考慮したRTDにおけるの電子の遅延時間を示している。このRTD内部の直列抵抗や静電容量から見積もられるRC時定数により、RTDから外部に取り出すことの出来る電子の振動周波数の上限が決定される。ここで、半導体素子100は、従来の光入射用の窓構造を無くした構成をとっている。このため、周波数の上限を決める大きな要因の1つであるRcontを十分に小さくすることが出来るため、テラヘルツ帯の動作を得ることが可能な構成となっている。
発光層104で発生した光は、電気接点層102、103、及びMQW101に結合・吸収されて電子―正孔対が生成される。この際、第2電気接点層103がMQW101から電子を抽出するようにバイアスされていると第2電気接点層103とMQW101との間に空乏領域が生じるが、この領域において電子―正孔対が生成されやすい。電子−正孔対の影響により、共鳴トンネル構造105の電界分布が変化する。結果、RTDの容量成分Cactが変化する。また、共鳴トンネル構造層105の電界分布変化に伴うQCSE効果によって、MQW101におけるサブバンド構造が変化するので微分負性抵抗Ractも変化する。
図3には、本実施例で用いた膜構成において、発光層104で発生した光の吸収に伴う共鳴トンネル構造105内のバンド構造変化のシミュレーション結果の一例を示した。横軸は膜厚方向の距離であり、縦軸はエネルギーである。ここで、Voffとは、電源123及び電源128より第1オーミック電極121、第2オーミック電極122、p型オーミック電極127に0V、0.7V、0.7Vの駆動バイアス電圧を印加した状態である。また、Vonとは、電源123及び電源129より第1オーミック電極121、第2オーミック電極122、p型オーミック電極127に0V、0.7V、1.4Vの駆動バイアス電圧を印加した状態である。Vonの状態において、光吸収に伴う電子−正孔対密度増加分は5e+17cm−3を仮定した。発光層104へのバイアス電圧のON/OFFで、MQW層101のサブバンド構造が変化する。その結果、図2(b)に示したように、半導体素子100の電流―電圧特性は、発光層104へのバイアス電圧のON/OFFにより変化することになる。ここで、Vonは、発光層104が発光するように電源128からのバイアス電圧をONした状態であり、Voffは、発光層104が発光しないように電源128からのバイアス電圧をOFFした状態である。図2(b)のように、Vonの時は、Voffの時に比べて、微分負性抵抗の領域が全体的により低電圧側にシフトし、ピーク点Aは点A’に、バレイは点Bは点B’にシフトし、微分負性抵抗Ractは減少する。また、調整部129を介して、電源128からのバイアス電圧により光Aの強度を調整すれば、VonとVoffの間の所望の条件に調整することが可能である。
このように、本実施例に係る半導体素子は、同一基板上に配置した発光層からの光の強度を調整して、多重量子井戸構造のサブバンド間遷移の特性、キャリアの振動周波数をテラヘルツ帯において調整することが可能である。以上本実施例により、テラヘルツ帯で動作可能で、周波数可変及び周波数変調が制御性良く実現可能で、高速応答性に優れ、小型で、且つ、室温動作可能な、電流注入型の半導体素子が実現される。
なお、本実施例で説明した発光層のその他の例として、以下のような構成も考えられる。図5に開示した半導体素子150は、第2電気接点層103と発光層104の間にバリア層151を挿入して、生成した電子―正孔対が発光層側に流入することを防止した構成をとっている。ここで、バリア層151は50nm厚のノンドープのInAlAsであり、バンド構造は図5(b)に示したようになる。この場合、n型半導体層124は、n型コンタクト層152及びn型オーミック電極153を介して電源128に接続されている。
また、図6(a)及び図6(b)に開示した半導体素子160のように、n型半導体層164としてInGaAsP(厚さ200nm、波長1.3μm)を、p型半導体層125としてInP(厚さ500nm、ドーパント:Zn、3e+17cm−3)のpn接合を用いる構成であってもよい。また給電方法として、p型半導体基板162を用いて基板裏面から裏面p型オーミック電極161を介して発光層104に給電する構成であっても良い。また、図6(c)の半導体素子170のように、発光層104の配置として、MQW層101の横方向に端面発光型発光部171を配置する構成であっても良い。第2電気接点103及び前記第2電気接点層103と前記MQW層101との間の領域に光が結合・吸収されるような位置に配置されことが好適である。本構成は、半導体結晶の埋め込み再成長技術を用いて作製される。
本実施例では、MQW層として、InP基板上に成長したInGaAs/InAlAs、InGaAs/AlAsからなる3重障壁共鳴トンネルダイオードについて説明してきた。しかし、これらの構造や材料系に限られることなく、他の構造や材料の組み合わせであっても半導体素子を提供することができる。例えば、MQW層として、2重障壁量子井戸構造を有する共鳴トンネルダイオードや、4重以上の多重障壁量子井戸を有する共鳴トンネルダイオード、量子カスケードレーザでよく知られるようなカスケード接続された多重量子井戸構造などを用いても良い。また材料系としては、GaAs基板上に形成したGaAs/AlGaAs/、GaAs/AlAs、InGaAs/GaAs/AlAs、InP基板上の、InGaAs/AlGaAsSb、InAs基板上のInAs/AlAsSb、InAs/AlSbや、Si基板上に形成したSiGe/SiGeの組み合わせであっても良い。これら構造と材料は、所望の周波数などに応じて適宜選定すれば良い。なお、本実施例では、キャリアが電子である場合を想定して説明をしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、正孔(ホール)を用いたものであっても良い。また、基板の材料は用途に応じて選定すればよく、シリコン基板、ガリウムヒ素基板、インジウムヒ素基板、ガリウムリン基板などの半導体基板や、ガラス基板、セラミック基板、樹脂基板などを用いても良い。
(実施例2;テラヘルツ電磁波発生素子)
実施例2では、実施例1の半導体素子を活性層として用いたテラヘルツ電磁波発生素子について説明する。図4(a)と(b)は、電磁波共振器としてパッチアンテナ構造を用いたテラヘルツ電磁波発生素子の模式図である。図7(a)は電磁波共振器としてマイクロストリップパッチアンテナ構造を、図7(b)は、スロットアンテナ構造を用いたテラヘルツ電磁波発生素子の模式図である。
本実施例では、電磁波利得を持つ活性層となるRTD211に、実施例1で説明した共鳴トンネルダイオードを含む構成を用いている、また、MQW層201は、実施例1で説明したMQW層101と同じ膜構成を含む。従って、実施例1と同様にRTD211を含むテラヘルツ電磁波発生素子200の電流―電圧特性は、共鳴トンネル現象により図2(b)に示したような微分負性抵抗が現れる。
パッチアンテナ212は、RTD211、上電極層221、GND電極層222、誘電体層215から構成され、上電極層221とGND電極層222に挟まれた領域にある誘電体層215内において電磁波が共振する。パッチアンテナ型の共振器は、テラヘルツ電磁波をより効率よく空間に取り出すことが可能で、アレイ化や高出力化に有利な共振器構造である。この共振器構造では、誘電体層215の誘電率と厚さ、パッチアンテナ212の辺の長さ、RTD211の大きさと位置などの構造が発振周波数を決める上で重要なファクタとなる。本実施例で用いたパッチアンテナ212は、上電極層221の一部分であり、200μm×200μmの正方形パターンである。また、アンテナ中心からA’A方向に40μmずらした位置にRTD211が配置されている。RTD211は、上電極層221とGND電極層222とで上下から挟まれており、素子の駆動に必要なバイアス電圧が印加可能な構成となっている。RTD211は、第1コンタクト層216、第1電気接点層202、MQW層201、第2電気接点層203、第2コンタクト層217の順に積層されており、直径が約2μmΦのメサ構造となっている。上電極層221は、パッチアンテナ212と、給電ライン218から構成され、給電ライン218を介して、RTD電極223からRTD211の駆動に必要なバイアス電圧が供給される。上電極層221は、真空蒸着したTi/Pd/Au層(20nm/20nm/200nm)をリフトオフすることで形成される。ここで、Ti/Pd/Au層は高濃度にドーピングされたInGaAsの低抵抗コンタクトのオーミック電極として知られている。誘電体層207には、高周波電磁波に対して低損失材料として知られるBCB(ベンゾシクロブテン)を用いた。誘電体層215のBCB膜厚は3μmであり、スピンコート法とドライエッチング法を用いて形成される。絶縁層207は、GND電極222とp型の半導体基板を絶縁する為の層であり、窒化シリコンをプラズマCVDして、RIEすることで形成した。GND電極層222は共振器内の接地電極であり、真空蒸着法で形成したTi/Pd/Au/Ti層(20nm/20nm/200nm/20nm)を用いる。
発光層204は、バンド間遷移に伴いエネルギーhνの光Aを発生する層であり、実施例1で開示した化合物半導体のpn接合を用いた。具体的には、発光層204は、n型半導体層224、p型半導体層225より構成され、この順に積層されている。n型半導体層224は、第2コンタクト層217を介して、GND電極層222に接続されている。また、p型半導体層225は、p型半導体基板220を介して、p型オーミック電極261に接続されており、基板220の裏面から発光層204にバイアス電圧を印加する構成となっている。電源223と電源228は調整部229に接続されており、調整部229により本実施例のテラヘルツ電磁波発生素子200は、発生する電磁波の周波数を好適に調整可能な構成となっている。
本実施例に係るテラヘルツ電磁波発生素子200は、図2(a)に示した等価回路に、共振器の構造によって決まる負荷抵抗、容量成分、インダクタンス成分を接続した共振回路のLCの共振周波数によって基本発振が決定される。電磁波発生素子200は、実施例1にて説明したように、電源228からのバイアス電圧のon/offに応じて、RTD211からは少なくとも2種類の微分負性抵抗Ract及び容量成分Cactが得られる。この結果、同じパッチアンテナ型共振器でも全体の共振回路の共振周波数が変化することになり、図4(c)に示したように発生するテラヘルツ電磁波の周波数変化が生じる。また、電源228からのバイアス電圧により光の強度を調整すれば、発振周波数を好適な条件に調整することも可能である。また、電源228からのバイアス電圧を変調して、発光層204からの光Aの強度を変調すれば、テラヘルツ波電磁波発生素子200の発振周波数を変調することも可能となる。また、テラヘルツ電磁波発生素子200を同一基板上に複数個アレイ状に配置すれば、1チップで複数の周波数のテラヘルツ電磁波を発生可能なテラヘルツ電磁波発生デバイスが実現される。
電磁波共振器構造のその他の例として、図7(a)に示したマイクロストリップ型パッチアンテナ構造の共振器を用いたテラヘルツ電磁波発生素子300であっても良い。マイクロストリップパッチアンテナ302は、主に電磁波共振部と電磁波放射部の役割を果たすパッチ部と、主に電磁波共振部の役割を果たすマイクロストリップラインより構成される。誘電体層215の材料と厚さ、パッチ部の辺の長さ、マイクロストリップラインの長さ、RTD211の大きさと位置などが基本発振周波数を決める上で重要なファクタとなる。本実施例の場合は、L×L/2の長方形パターンのパッチ部と、パッチ部の短辺の中心から線幅8μmのマイクロストリップラインが伸びており、RTD211の上でT字に交差するような配置となっている。ここで、L=280μmであり、RTD211はマイクロストリップラインの共振する電磁波の腹になる部分に配置されている。マイクロストリップラインは、給電ライン218を介して、電源223に接続される。パッチアンテナ型と同様に、RTD211は2μmΦのメサ構造であり、上電極層221とGND電極層222に上下から挟まれており、駆動に必要なバイアス電圧が印加可能な構成となっている。
また、図7(b)に開示したようなスロットアンテナ構造の共振器を用いたテラヘルツ電磁波発生素子630であっても良い。スロットアンテナは電磁波発生素子を高周波化する上で好適な構造である。ここで、発生素子630は、InP基板636上に、電極Ti/Pd/Au層631と632とが、SiO2絶縁層633を介して積層された構造となっている。電極631及び電極632の一部が除去された窓領域634がスロットアンテナ型共振器となっており、窓領域の長さが発振周波数を決めるファクタとなっている。本実施例では、スロットアンテナ637の窓幅は30μmとし、一辺2.3μmのメサ635を配置した。メサ635はポスト状に形成されたRTD211である。電極Ti/Pd/Au層631や632はオーミック電極であり、電源223を介して調整部229に接続されている。また、電源228を介して発光層(不図示)にバイアス可能で、所望の周波数に応じてバイアスが選択される。
また、電磁波共振器としてQ値の高い素子壁面や裏面も電極で覆った3次元構造の空洞導波管を採用しても、テラヘルツ電磁波発生素子を提供することも出来る。また、電磁波共振器に表面プラズモン導波路構造の共振器を用いれば、より高出力化に有利な構成を提供することが出来る。外部光入射用の窓構造が不要な本発明では、このように自在に電磁波共振器を選択することが可能である。なお、これらの構造は既存の半導体プロセスを用いて作製することが出来る。
このように、本実施例のテラヘルツ電磁波発生素子は、同一基板上に配置した発光層からの光の強度を調整して、多重量子井戸構造のサブバンド間遷移の特性を調整することで、発生するテラヘルツ電磁波の周波数が可変となる。周波数可変及び周波数変調が制御性良く実現可能で、高速応答性に優れ、小型な、電流注入型のテラヘルツ電磁波発生素子が実現される。ただし、本発明は上記構成に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施例3:検査装置)
実施例3について、図8を用いて説明する。
ここで本実施例は、実施例2のテラヘルツ電磁波発生素子を用いた物体の検査装置である。
図8(a)に示すように、本実施例の検査装置は、例えば上記の実施例の周波数可変が可能な電磁波発生素子70a〜70dを並べて配置し、f1〜f8までの複数の発振周波数の電磁波を発生させる。ここで周波数f1〜f8は、電磁波発生素子に応力信号を入力したり、スイッチを用いてバイアス電圧の極性を変化させるなどして、周波数を変化させたり、変調したりすることが出来る。また、それぞれの電磁波は放物面鏡74で平行ビームとして伝播し、検体となる対象物体72に照射され、透過光がレンズ73で集光され検出器71a〜71dで受信される。ここで、本実施例では透過配置にしているが、反射配置で検査しても良い。
例えば、記憶装置に、予め検出器で受信すべき強弱の組み合わせパターンを記憶させておく。また、検査物質がf1〜f8までの周波数のうち、いずれか1つまたは複数の特定な吸収スペクトルを有していたとする。このとき、検査物質の吸収スペクトルと、記憶させておいたパターンと比較することにより、検査したい物質が対象物体72中に含まれているか否かを判別することができる。
図8(b)は、検査物質の指紋スペクトルの例である。周波数f1、f6、f7に吸収ピークを持つために、予め本物質の吸収パターンを記憶しておいて、f1、f6、f7で検出器出力が弱く、その他の周波数における検出器出力が大きいという情報を照合すれば、本物質が含まれると判定することができる。
本実施例の検査装置は、例えば、空港での危険物・禁止物質検査、郵便・貨物等の物流品検査、工場における工業製品の検査等に利用することができる。この際、1つの検査装置でさらに多くの周波数での検査が可能となるため、より多くの種類の検査物質を検査することが可能となる。
(実施例4:ヘテロダイン検出器)
実施例4について、図9を用いて説明する。
本実施例は、例えば実施例2で説明した共鳴トンネルダイオードを備えた電磁波発生素子を局部発振器として用いたヘテロダイン検出器を提供する。
図9は、本実施例の検出器の模式図である。図9(a)は局部発振器としてスロットアンテナ型の電磁波共振器を用いた例である。また、図9(b)は局部発振器としてマイクロストリップ型の電磁波共振器を用いた例である。
本実施例の検出器は局部発振器(LO)、ミキサー(Mixer)、IF検出部、アンテナ(Antenna)、LO−port、RF―port、IF−portなどから構成される。ここで、局部発振器(LO)としては上記実施例の電磁波発振器が用いられる。また、ミキサーはRFパワーを効率よくIFパワーに変換するデバイスであり、ショットキーダイオード、超伝導SISミキサー、ホットエレクトロンボロメータ、HBT/HEMTミキサーなどが用いられる。また、IF検出部はミキシングで生成した中間周波数(IF)出力を検出する役割を果たし、アンテナ(Antenna)は検出したい電磁波を受信する役割を果たす。また、LO−port、RF―portは、それぞれ局発波、信号波のミキサー(Mixer)への入力ポートを表しており、IF−portは中間周波数(IF)のIF検出部への入力ポートを表している。ここで、特に図示はしていないが、アンテナ(Antenna)、ミキサー(Mixer)、局部発振器(LO1又はLO2)の間に高周波フィルターやRF増幅器等を配置すればより高感度な検出器が実現される。
まず、図9(a)を用いて、本実施例の検出器について詳細に説明する。検出器700は、局部発振器(LO1)にスロットアンテナ637を有する電磁波発生素子630を用いたものである。電磁波発生素子630は、調整部229及び電源228により、発光層からの光の強度を調整して発生するテラヘルツ電磁波の周波数を変化及び変調することが可能である。従って、電磁波発生素子を局部発振器(LO1)にとして用いれば、1つの局部発振器から広い帯域幅の周波数を検出器に入力することが可能となる(例えばf1からf2)。また、検出器700において、スロットアンテナ型共振器構造637は電磁波(f1からf2)の受信用のアンテナとしての役割も果たしている。受信した電磁波と、電磁波発生素子630からの発振出力は、RF―port及びLO―portからミキサー(Mixer)に入力され、周波数混合により差周波成分である中間周波数(IF)が生成される。生成された中間周波数(IF)はIF−portを介してIF検出部にて検出される。
検出器の動作について説明する。例えば、電源223からRTD駆動用のバイアスが電磁波発生素子630に入力された場合は、局部発振器(LO1)から周波数f1が発振される。このとき、検出器700はアンテナにて周波数f1(=|f1+fIF|)の信号波1を受信し、ミキサー(Mixer)から出力される中間周波数fIFをIF検出部にて検出することで信号波1が検出される。また、電源228から光変調用のバイアスが電磁波発生素子630に入力された場合は、局部発振器(LO1)はから周波数f2が発振される。このとき、検出器700はアンテナにて周波数f2(=|f2+fIF|)の信号波2を受信し、ミキサー(Mixer)から出力される中間周波数fIFをIF検出部にて検出することで信号波2が検出される。
また、図9(b)のように、局部発振器として共鳴トンネルダイオードとマイクロストリップ型共振器とを備えた電磁波発生素子830を用いた例でも同様の検出を行なうことが可能である。ここで、検出器807の局部発振器LO2は、RTD801、マイクロストリップライン802、λ/4スタブ803、局発波出力部806、基板805などから構成され、一般的なMMIC技術で作製される。
いずれの構成においても、発光層からの光強度を調整してに局部発振器LO2から周波数f1からf2まで連続可変すれば、f1からf2までの電磁波をヘテロダイン検出することが可能である。
このように、共鳴トンネルダイオードを用いた発振器をヘテロダインミキシングにおける局部発振器として用いれば、1つの検出器で広い帯域幅のテラヘルツ電磁波の検出が可能な検出器が実現される。
また、本実施例の検出器により、1つの検出器で複数の周波数帯のテラヘルツ電磁波を検出することが可能であるため、検出器の小型化や高密度化が容易に達成される。さらに、本実施例の検出器をアレイ状に複数配置すれば、複数の周波数の高周波電磁波を高感度で検出可能な小型の検出器が実現される。
100 発振素子
101 活性層
102 第1の電気接点層
103 第2の電気接点層
104 発光層
120 基板
125 p型半導体
124 n型半導体

Claims (7)

  1. テラヘルツ波を発振させるための発振素子であって、
    基板と、
    前記基板の上部に設けられ、サブバンド間でのキャリアの遷移によりテラヘルツ波を発生させる活性層と、
    前記基板の上部に設けられ、バンド間でのキャリアの遷移により光を発生させる発光層と、を備え、
    前記発光層が、該発光層で発生した光を、前記活性層に照射可能な位置に配置されることを特徴とする発振素子。
  2. 前記活性層の上部に設けられる第1の電気接点層と、
    前記基板の上部に設けられ、前記活性層の下部に設けられる第2の電気接点層と、を備え、
    前記発光層が、
    前記第2の電気接点層におけるバンドギャップエネルギーよりも大きいエネルギーの光を発生可能に構成され、且つ、
    前記発光層で発生した光を、前記第2の電気接点層を介して前記活性層に照射可能な位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の発振素子。
  3. 前記第1の電気接点層の上部に設けられ、該第1の電気接点層にキャリアを注入するための電極を備え、
    前記第1の電気接点層に注入されたキャリアを前記第2の電気接点層から抽出されるように構成されることを特徴とする請求項2に記載の発振素子。
  4. 前記基板の上部に設けられ、前記活性層から発生したテラヘルツ波を共振させる共振部を備え、
    前記共振されたテラヘルツ波を放射するように構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発振素子。
  5. 前記活性層は、サブバンド間でキャリアを遷移するように構成された多重量子井戸層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発振素子。
  6. 前記発光層が、p型半導体とn型半導体との互いに接する界面で発光可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発振素子。
  7. 基板と、
    前記基板の上部に設けられ、サブバンド間でキャリアを遷移するように構成される多重量子井戸層と、
    前記多重量子井戸層の上部に設けられる第1の電気接点層と、
    前記基板の上部に設けられ、前記多重量子井戸層の下部に設けられる第2の電気接点層と、
    前記基板の上部に設けられ、バンド間でのキャリアの遷移により光を発生させる発光層と、を備え、
    前記発光層が、該発光層で発生した光を前記多重量子井戸層に照射可能な位置に配置され、且つ前記第2の電気接点層におけるバンドギャップエネルギーよりも大きいエネルギーの光を発生可能に構成されることを特徴とする半導体素子。
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