以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11と内枠12とに対して、前面枠セット14を開放し、下皿ユニット13を取り外した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、後述する遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
図6に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。
また、内枠12及び前面枠セット14は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。両者の成形に合成樹脂を用いることにより、金属製素材を用いた場合と比較してより複雑な形状に対応できるとともに、生産コストの増大を抑制することもできる。また、ABSを用いる利点としては、ポリカーボネイト等の樹脂素材と比較して、生産コストが低い、粘性が強く衝撃に強い等が挙げられる。加えて、例えば前面枠セット14の前面側等の意匠面にメッキ等のコーティング処理を施す場合において、その処理を比較的容易に行いやすく、外観品質のより高いものが製造できるというメリットがある。
さて、内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側(後述するハンドル18の設置箇所の反対側)に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。なお、内枠12の前面側には、その周囲(前面枠セット14に対応する部分)においてリブR1が突設されている。そして、前面枠セット14の閉時には、前面枠セット14がリブR1の内側に嵌まり込んだ状態となる。この構成により、前面枠セット14と内枠12との間の隙間から針金等を進入させることが困難となり、不正防止の役割を果たす。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル23とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出する球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。つまり、ハンドル18は、内枠12の開閉軸線とは反対側にあたるパチンコ機10の正面からみて右側に位置しており、ハンドル18の突出に関わりなく内枠12の開放時における所定の開放量を確保できる。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。なお、灰皿26は、下皿15の左側辺部より左方へ突出した図示しない軸棒によって、回動可能に支持された、いわゆる片持ち構造となっている。
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射手段としての遊技球発射装置の方へ導出する球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラスを支持するガラス枠部と一体的に形成されている。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方の内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前面枠セット14に対し直接的かつ一体的に上皿19が設けられているため、後述するように前面枠セット14のフレーム部分の幅が従来に比べ比較的細いものであっても、前面枠セット14(ガラス枠部)の所定の強度を確保することができる。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口(始動口)33、第2契機対応口(スルーゲート)34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(入賞装置、入賞口、第1契機対応口33等)に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33が本実施形態における入球手段を構成する。このうち、第1契機対応口33は、遊技球が入球困難又は入球不能な閉状態と、遊技球が入球容易又は入球可能な開状態とに切換り可能な可変入球手段となっている。また、本実施形態では、一般入賞口31への入球に対する賞球数は10個、可変入賞装置32への入球に対する賞球数は15個、第1契機対応口33への入球に対する賞球数は4個と定められている。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応口33への入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。特別表示装置43や装飾図柄表示装置42などが本実施形態における変動表示手段を構成する。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄で数秒間停止した場合に第1契機対応口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261により直接的に表示内容が制御される。普通図柄表示装置41による普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施の形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。しかし、かかる最大保留回数は、これに限定されるものではない。例えば、8回分の普通図柄の変動表示を待機させるべく、最大保留回数を8回に設定することとしてもよい。
なお、普通図柄は、複数のランプの点灯を切り換えることにより変動表示される構成の他、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であっても良い。保留ランプ44も同様に、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成であっても良い。このように普通図柄の変動表示や変動の保留表示を装飾図柄表示装置42にて行う構成とした場合、主制御装置261が普通図柄に関するコマンドを表示制御装置45に送信して、表示制御装置45が、装飾図柄表示装置42を制御することになる。ただし、この場合でも、主制御装置261にて直接的に制御されるLEDなどを設けておき、このLEDにて第1契機対応口33を開放するか否かの抽選結果を表示し、装飾図柄表示装置42における普通図柄の表示を補助的なものとすることが望ましい。その理由は、後述するように主制御装置261は、封印された基板ボックス263の内部に格納されるためである。すなわち、表示制御装置45に対する不正行為が主制御装置261に対する不正行為よりも容易であることを考えると、主制御装置261によるLEDなどを用いた表示を主として、表示制御装置45による装飾図柄表示装置42を用いた普通図柄表示を補助的なものとすることによって、主制御装置261によるLEDなどを用いた表示によって表示制御装置45に対する不正行為を簡単に発見することができる。
特別表示装置43は、主制御装置261に制御される普通図柄表示装置41の普通図柄の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)で構成されている。この特別表示装置43は、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。なお、本実施形態では、この特別表示装置43によって大当たりか否かが確定的に表示されるようになっており、次に示す装飾図柄表示装置42は、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき表示制御装置45が補助的な表示を行うものとなっている。従って、主制御装置261が特別表示装置43に係る表示制御手段に相当し、表示制御装置45が装飾図柄表示装置42に係る表示制御手段に相当する。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1契機対応口33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)される際に、すなわち大当たり抽選に当選した場合に、特別遊技状態が発生する。ここで赤又は緑が大当たりを示す表示である。そのため、特別表示装置43が3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42には、特定の図柄の組み合わせが補助的に表示されることになる。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留、記憶)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施の形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。しかし、最大保留回数は、これに限定されるものではない。例えば、8回分の変動表示を待機させるべく、最大保留回数を8回に設定することとしてもよい。なお、保留ランプ46は、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。外レール構成部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。なお、本実施の形態では、外レール構成部52及び摺動プレート55によって、いわゆる従来の外レールに相当するものが構成されている。そして、内外レール構成部51,52及び摺動プレート55をレールユニット50としてユニット化することにより、従来の内外レールを別々に設けた構成に比べて、取付け作業が容易となり作業性が向上する。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジNJ等の固定手段が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。なお、左下のフランジ56においては他の部分(左上部,右上部及び右下部のフランジ56)と比較して、より多く固定手段が使用されている。これは、上記誘導レール及び球案内通路の位置をより適正な位置に固定するためであり、これにより遊技球発射装置から発射された遊技球がより安定して遊技盤30上部へ案内される。加えて、固定手段の数を増やすことでレールユニット50をより強固に固定でき、仮にレールユニット50の成形時において歪みが生じたとしても、その歪みを吸収する効果がある。
内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール構成部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導く役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のS1,S2)を貼着するスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール構成部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール構成部52の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール構成部51の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール構成部52によってではなく内レール構成部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール構成部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール構成部52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第2契機対応口34は、該第2契機対応口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第1契機対応口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなるという遊技者にとっての不利益が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、第2契機対応口34、風車27、複数の釘(遊技球を中央に誘導する誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに第2契機対応口34、風車27、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内する発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させる工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の左右方向の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。また、発射レール61を上記構成とするため、本実施の形態では金属板62も従来のものより比較的大きなものとし、それを固定する固定手段の数も従来に比べ多くしている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール構成部52に沿って流れ、外レール構成部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール構成部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。従って、上述したように、前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
下皿15に開口した排出口16と、後述する遊技球分配部245の開口部245bとを繋ぐ球通路の途中には、下皿15が球で満タンになっていることを検出するための下皿満タンスイッチ15a(図22参照)が通路底面の一部を形成するように設けられている。球が短期間で多量に払い出されると、上皿19が一杯となった後には下皿15に球が溜まり始める。その後、球が払い出され続けても下皿15の球を抜かないと前記球通路の途中に球が溜まり始めるが、下皿満タンスイッチ15aの設置箇所まで球が溜まるとそれ以降の払出しは後述する払出制御装置311により停止される。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71から上記シール等を貼り付けることも可能である。
また、樹脂ベース20には窓孔21の左上方において略四角形状の小窓72が設けられ、小窓72に対応して遊技盤30の左上部にも略四角形状の孔部73(図4参照)が設けられている。そして、後述する前面枠セット14の電飾部102、103等と接続される各種電気配線(図示略)が小窓72及び孔部73を通して本パチンコ機10の背面側から導かれている。
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
また、内枠12にはアース用金具E1,E2が設けられている(図3参照)。アース用金具E1,E2は、内枠12の背面側において所定の金属部品と接続されている。そして、前面枠セット14が閉じられた状態において、アース用金具E1,E2が後述する補強板131,132と当接することにより短絡するようになっている。
また、樹脂ベース20には、窓孔21の左下部に、異常検知手段(電波検知手段)としての電波検出センサ139が取付けられている。電波検出センサ139は、高周波電波による誘導起電力(誘導磁界)を検出するためのセンサであり、後述する入賞口スイッチ221等の各入球検出スイッチや払出カウントスイッチ358cなどの近接スイッチが誤作動し得る所定の周波数帯域の電波を検出可能なものである。
この位置に電波検出センサ139を設けた理由は、不正行為の対象となりやすい可変入賞装置32(特定領域スイッチ222,カウントスイッチ223)、第1契機対応口33(第1契機対応口スイッチ224)、払出装置358(払出カウントスイッチ358c)に比較的近い位置であるためである。
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール構成部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール構成部52の左端部はもちろん、内レール構成部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール構成部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール構成部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避ける樹脂パーツ135が介在されている。つまり、補強板131〜134において、樹脂パーツ135の絶縁効果により電気が環状に通ることを防止している。これにより、補強板131〜134におけるノイズのループや環状通電による磁界の発生を抑制することができる。
図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3等参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール構成部51,52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール構成部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。したがって、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆する被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール構成部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。ここで、前記支持機構について支持金具81,82及び支持金具151,152の関連性をふまえてより詳しく説明する。支持金具151は略棒状をなし、その上部の径が下部の径より太くなっている。上記支持孔83の切欠の幅は、前記支持金具151の上部の太さより狭く、下部の太さより広くなっている。前面枠セット14の装着手順としては、まず前記支持金具151の下部を前記切欠を介して支持孔83に挿入し、次に支持金具82の突起軸84に支持金具152を差込む。そして、前記切欠位置に対応して前記支持金具151の上部を位置させることで、支持金具151が支持孔83から外れなくなり、前面枠セット14の装着が完了する。
なお、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1(図6参照)の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図3では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図である。
まずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とする工夫でもある。
実際には、図7の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図7において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図9は内枠12を後方より見た斜視図である。ここでは図8及び図9を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図8にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネイト樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内する排出通路218が形成されている。従って、図8に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏側には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定する領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応口33に対応する位置には第1契機対応口(始動口)スイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口(ゲート)スイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及び第2契機対応口(ゲート)スイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板220aに接続され、さらにこの盤面中継基板220aが後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板220bに接続され、さらにこの大入賞口中継基板220bがやはり主基板に接続されている。これに対し、第1契機対応口(始動口)スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放する大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導く入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第1契機対応口33には、電動役物を開放する第1契機対応口(始動口)ソレノイドが設けられている。なお、図8、図9において符号128は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号129は発射モータである。
上記入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
ここで、各種入球検出スイッチの構成について説明する。本実施形態では、入賞口スイッチ221、特定領域スイッチ222、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224、第2契機対応口スイッチ225として、従来一般に使用される貫通型の近接スイッチを採用している。
貫通型の近接スイッチは、遊技球を通過させる通過孔を有している。その通過孔の回りには高周波発振回路に接続された検出コイルが配設されている。そして、遊技球が通過孔を通過した場合には、電磁誘導作用によって、金属である遊技球内に誘導電流が流れる。この際の検出コイルのインダクタンスや損失の変化により、高周波発振回路では発振振幅や発振周波数等が変化する。これを検出回路により検出することにより、遊技球の通過を非接触で検出できる。検出回路により検出される信号は、コンパレータ等からなる出力回路を介して外部に出力される。
次に上記入球検出スイッチと主制御装置261とに関わる電気的構成について、図21の模式的なブロック図に示す入賞口スイッチ221との関係を例にして説明する。但し、図21では、便宜上、両者を中継する盤面中継基板220aなどは省略している。
上述したような貫通型の近接スイッチよりなる入賞口スイッチ221は、入力端子221a、出力端子221b及びアース端子221cを備えている。
入賞口スイッチ221の入力端子221aは、ケーブルコネクタや盤面中継基板220aなどにより構成される所定の電気経路226を介して、主制御装置261の電源供給端子227に接続されている。これにより、入賞口スイッチ221には、後述する電源装置313によって生成される+12V電源が動作電源として供給される。
入賞口スイッチ221の出力端子221bは、ケーブルコネクタや盤面中継基板220aなどにより構成される所定の電気経路228を介して、主制御装置261の反転回路229に接続されている。主制御装置261の反転回路229は、後述するCPU501に接続されている。これにより、入賞口スイッチ221からの出力信号は、主制御装置261の反転回路229にて論理反転されて、CPU501へ入力される。
入賞口スイッチ221のアース端子221cは、ケーブルコネクタや盤面中継基板220aなどにより構成される所定の電気経路230を介して主制御装置261のグランドレベルに電気的に接続(接地)されている。図示は省略するが、CPU501(アース端子)も当然グランドレベルに接続されている。なお、ここでいうグランドレベルとは、主制御装置261において基準電位0Vのレベルとなる電気経路全般を指す。
上記構成により、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過してない通常時には、出力端子221bから+12Vのハイレベル信号が出力される。一方、遊技球が通過孔を通過している際には、基準電位0Vのローレベル信号が出力される。従って、主制御装置261のCPU501には、反転回路229を介すことにより、通常時にはローレベル信号が入力され、遊技球の通過を検出した場合にはハイレベル信号が入力されることとなる。
例えば、入賞口スイッチ221の通過孔を遊技球が通過すると、図47( a )に示すように、遊技球の通過中(時間TS1〜TS2)は、高周波発振回路の発振振幅や発振周波数等が変化し、図47( b )に示すように、主制御装置261の入力レベルがローレベル(L)からハイレベル(H)に切換わる。
なお、入賞口スイッチ221が通常時にハイレベル信号を出力し、遊技球検出時にローレベル信号を出力する構成とした理由は、主制御装置261のCPU501による誤検知を抑制するためである。
従来のように通常時にはローレベル信号を出力し、遊技球検出時にはハイレベル信号を出力する構成では、入賞口スイッチ221と主制御装置261との間の電気経路228にノイズが乗り、このノイズがあたかもハイレベル信号として主制御装置261に入力されてしまい、実際には入賞口スイッチ221ヘの遊技球の通過がないにもかかわらず、CPU501が遊技球の通過があったと誤認してしまうおそれがあった。ノイズの原因としては、各種電子機器により生じる静電気や、遊技者がパチンコ機10を揺らしたり叩いたりして生じる振動等が挙げられる。
なお、詳細は省略するが、他の入球検出スイッチ(特定領域スイッチ222、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224、第2契機対応口スイッチ225)と主制御装置261との関係についても、入賞口スイッチ221と同様の構成となっている。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付ける取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔が形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付ける取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図10に示す。図10に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持する回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分ける遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている(図9参照)。なお、従来、遊技球分配部245に相当する部分が裏パックユニット203側に設けられていたため、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)を通じて裏パックユニット203を押すことにより、内枠12と遊技球分配部245に相当する部分との間に隙間が生じ、その隙間を通じて針金等を差し込み、内部機器を操作するといった不正行為が考えられた。そこで本パチンコ機10では、遊技球分配部245として内枠12側に設け、なおかつ固定手段によって固定することにより、そのような不正行為を防止している。さらに、遊技球分配部245の上端面は遊技盤30の下端面が設置される高さ位置に合わせて形成されており、遊技盤30の取外しの妨げとならないように工夫されている。
また、内枠12の下端部には、下皿15に向けて設置された上記スピーカ249の背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を図11〜図14を用いて説明する。図11は第1制御基板ユニット201の正面図、図12は同ユニット201の斜視図、図13は同ユニット201の分解斜視図、図14は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261及び初期化装置543と、音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備している。また、初期化装置543は、RAM消去スイッチ323が電気的に接続されており、RAM消去スイッチ323が押されたかを検出するとともに、その検出結果を主制御装置261へ送信するRAM消去スイッチ回路543aを具備している。
この主基板とこのRAM消去スイッチ回路543aとが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
初期化装置543に電気的に接続されるRAM消去スイッチ323は、パチンコ機10を電源投入時の初期状態へ戻す場合に操作されるスイッチである。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。なお、RAM消去スイッチ323を基板ボックス263に設けることにより、初期化装置543とRAM消去スイッチ323との間に、信号を発生させる装置などを取付け、主制御装置261を強制的に初期状態にされることを防止できる。後述するように、パチンコ機10の大当たりは、第1契機対応口33への球の入賞タイミングに合わせて保留球格納エリアに格納される大当たり乱数カウンタC1の値に基づき抽選が行われる。よって、第1契機対応口33への入球を検出する第1契機対応口スイッチ224と主制御装置261との間に信号発生装置を取り付ければ、大当たりを不正に発生させることもできるが、少なくとも主制御装置261を強制的に初期状態にされることが防止できるので、不正に大当たりを発生させることを防止できる。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図11等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネイト樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。ただし、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成形品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)と初期化装置543とが収容された基板ボックス263が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が収容された基板ボックス265が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261(基板ボックス263)は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262(基板ボックス265)はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図12等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図13及び図14に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図11等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図8等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図8等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図8等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図7の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を図15〜図17を用いて説明する。図15は第2制御基板ユニット202の正面図、図16は同ユニット202の斜視図、図17は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ129の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成形品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が取付台303を介して搭載されている。
また、取付台301には、図15等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図8等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図8等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図7の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図18に示し、分解斜視図を図19に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口した貯留タンク部としてのタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜する誘導レール部としてのタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きに誘導部としてのケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図19に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。なお、バイブレータ360は、パチンコ機の設計変更等による位置変更や故障時等における交換が容易になるよう、モータ等の振動体が本体部であるケース内に収容されたバイブレータ・ユニットとして構成されており、当該ユニットが着脱可能なようにタンクレール356に取付けられている。なお、前記バイブレータ・ユニットは、その本体部(ケース面)がタンクレール356に密着せず、本体部から突出した足部(振動伝達子)を介してタンクレール356の側面に取付けられており、そのバイブ振動がより効果的にタンクレール356に伝達されるよう構成されている。
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図20に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネイト樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
また、図18に示すように、ケースレール357の球通路401の上流側は湾曲通路部401aとなっている。
湾曲通路部401aの外周面は可動片となっており、当該可動片の外側に球切れ検出スイッチ403が設けられている。これにより、湾曲通路部401a内に遊技球が整列した状態で停留している場合には、可動片が遊技球によって押圧されて球切れ検出スイッチ403がオン状態となる。一方、湾曲通路部401a内に遊技球がなくなると、可動片への押圧力がなくなるため、球切れ検出スイッチ403の復帰力により可動片は湾曲通路部401a内に突出した状態となる。その結果、球切れ検出スイッチ403がオフ状態となる。従って、球切れ検出スイッチ403によって、湾曲通路部401aにおける遊技球の有無を検出することができる。
また、湾曲通路部401aの下方位置には球抜き機構が設けられ(図示略)、さらに当該球抜き機構の下方には球抜通路407が設けられている。球抜通路407の下流側は、上記遊技球分配部245の開口部245cひいては排出通路218に通じており、当該球抜通路407を介して遊技球をパチンコ機10外部へ排出できるようになっている。
この球抜き機構の操作ボタン412を押圧操作することにより、湾曲通路部401aと球抜通路407とが連通し、タンク355及びタンクレール356に貯留された遊技球が球抜通路407を介してパチンコ機10外部へ排出される。
次に、図18を参照して払出装置358について説明する。払出手段としての払出装置358は、駆動手段としての払出モータ358a、スプロケット358b、及び、払出カウントスイッチ358cを備えている。
払出モータ358aは、ステッピングモータであり、本実施形態では120ステップ(パルス)の駆動信号を与えることによりスプロケット358bを1回転するように構成されている。つまり、30パルスの駆動信号でスプロケット358bが45度変化するというように、駆動信号の数に応じた回転量でスプロケット358bを回転させるように構成されている。そして、この駆動信号によって払出モータ358aの回転量を制御し、遊技球の払出個数を制御している。
また、スプロケット358bの周面には複数の凸部が等間隔で設けられ、各凸部間には遊技球が入り込む球受凹部がそれぞれ設けられている。そして、スプロケット358bは、払出装置358の球通路358d内に凸部が突出するように配設され、払出モータ358aにより回転駆動される。これにより、球払出動作の停止時には、球通路358d内に遊技球が停留され、球払出動作時にはスプロケット358bが時計回り方向(正方向)に回転し、遊技球が一個ずつ払出される。なお、スプロケット358bには所定角度間隔(本実施形態では45度、つまり30ステップ分)毎にスリットが形成されており、当該スリット位置をフォトセンサ358e(図22参照)により検知することより、スプロケット358bの回転量を検出することができるようになっている。
払出カウントスイッチ358cは、スプロケット358bより下流側に配設されており、スプロケット358bにより払出された遊技球を検出するものである。本実施形態では、払出カウントスイッチ358cとして、遊技球の通過可能な通過孔が設けられた通過型の近接スイッチを採用している。払出カウントスイッチ358cの構成は、上記入賞口スイッチ221等の各入球検出スイッチと同様の構成となっている。遊技球は一個ずつ排出されるので払出カウントスイッチ358cからの検出信号をカウントすることにより、実際に払出された球数を把握することができる。払出カウントスイッチ358cが本実施形態における払出球検出手段を構成する。
図18,図19の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これによって、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図18等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図8等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図8等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。また、本実施の形態では、多くの遊技球が貯留され比較的負荷のかかるタンク355の近傍の係止部M8として、回動式のI型の留め具が採用されている。このため、ナイラッチ等の固定具を用いた場合に比べてより確実に裏パックユニット203(タンク355)の係止を行うことができる。このとき、図8等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図7の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する(図7参照)。
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板370用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板370の取外し及び操作が可能となっている。
外部中継端子板370は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、開放検知センサ22等によって検出される前面枠セット14等の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
なお、上述してきた構成により、主制御装置261(基板ボックス263)の取外しは、まず裏パックユニット203を開け(又は取外し)、次に第1制御基板ユニット201を開け(又は取外し)、そして、固定具267を解除操作するという複雑な過程をふむことにより、ようやく行うことができる。このため、主制御装置261(基板ボックス263)の取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。
以上、パチンコ機10の物理的構造を説明した。次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図22は、本パチンコ機10の電気的構造を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
また、ROM502には、一般入賞口31への入球に対する賞球数(10個)、可変入賞装置32への入球に対する賞球数(15個)、第1契機対応口33への入球に対する賞球数(4個)が予め記憶されている。そして、所定の入賞部へ遊技球が入球した場合に、主制御装置261は当該入賞部に対応する個数の賞球を払出す旨の賞球コマンドを払出制御装置311へ送信する。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図25参照)によって電源遮断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)のメイン処理(図24参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、初期化装置543、払出制御装置311、表示制御装置45、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、入賞口スイッチ221、特定領域スイッチ222、カウントスイッチ223、第1契機対応口スイッチ224、第2契機対応口(ゲート)スイッチ225、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、表示制御装置45を介して制御される。
初期化装置543には、RAM消去スイッチ回路543aが設けられており、そのRAM消去スイッチ回路543aには、RAM消去スイッチ323が電気的に接続されている。RAM消去スイッチ回路543aはRAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SK2を出力する回路である。パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去スイッチ323が押下されると、主制御装置261と払出制御装置311のRAM503,513(バックアップエリア503a,513a)のデータがそれぞれクリアされる。なお、上述したように、初期化装置543と主制御装置261とは、基板ボックス263に収納されている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えた1チップCPUである。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、各種エラー情報、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグ513bと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグ513cと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ513dとが設けられている。RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各種エラー情報、各レジスタ、I/O等の値、コマンドバッファ513dにおける記憶ポインタ及び読出ポインタなどを記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはメイン処理(図37参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
払出許可フラグ513bは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合や主制御装置261から賞球の払出を中止する中止コマンドを受信した場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグ513cは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグ513bと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図40参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファ513dは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ513dにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358a、下皿満タンスイッチ15a、球切れ検出スイッチ403、状態復帰スイッチ321、払出カウントスイッチ358c、フォトセンサ358eなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ129による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ129は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ129が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される(図9参照)。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて装飾図柄表示装置42の表示を制御する。なお、主制御装置261は、特別表示装置43にて確定的に大当たりか否かを表示するため、表示コマンドは装飾図柄表示装置42にて補助的な表示を行うために送出される。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。ここには後述する各種カウンタの値を格納するカウンタ用バッファが設けられている。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542とを備えている。電源部541は、所定の電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源〔AC24V=主電源(外部電源)〕を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理(NMI割込み処理)の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理(NMI割込み処理)を正常に実行し完了することができる。
ところで、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図示しない左・中・右の3つの図柄列が設定されており、図柄列毎に図柄(装飾図柄)が変動表示される。本実施の形態では、装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付すよう構成されており、数字の昇順又は降順に装飾図柄が表示されて一連の図柄列が構成されている。そして、周期性をもって装飾図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左図柄列においては、装飾図柄が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び右図柄列においては、同じく装飾図柄が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止する。主制御装置261によって大当たりが確定すると、特別表示装置43にてその旨が表示されると共に、補助的に装飾図柄表示装置42上で装飾図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の装飾図柄の組合せ)となり、大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている(大当たり状態が開始される)。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。主制御装置261は本実施形態における遊技価値付与手段を構成する。具体的には、図23に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たりに際し高確率モード又は低確率モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2とを用いることとしている。なお、変動種別カウンタCS1,CS2は、変動パターン選択に用いられるのであるが、詳しくは、決定された変動パターンにより、装飾図柄表示装置42における演出及び変動時間が決定されると共に、特別表示装置43の変動時間が決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1契機対応口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1及び、モード決定カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。保留球格納エリアが本実施形態における保留手段を構成する。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率モードと高確率モードとで2種類設定されており、本実施の形態では、低確率モードであれば大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率モードであれば大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、特定モードとしての高確率モードとは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常モードとしての低確率モード(通常時)とはそのような確変状態でない時という。なお、以下の説明では適宜、確率変動図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確率変動図柄以外によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。また、高確率モードにおいては、大当たり確率がアップするのであるが、さらに、普通図柄の「○」→「×」→「○」→・・・という変動表示時間が短縮され、また、「○」図柄が停止した場合に第1契機対応口33が作動状態となる(開放される)時間が長くなる。これによって、第1契機対応口33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。このように、本実施形態では、高確率モードにおいて、第1契機対応口33が作動状態となる時間を長くしている。これに加え、あるいは代えて、第1契機対応口33が作動状態となる「○」図柄の停止確率をアップさせる構成としてもよい。
モード決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり9)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、モード決定カウンタC2によって、高確率モードへ移行させるか否かを決定する。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行を決定し、「0,2,4,6,8」という偶数であれば低確率モードへの移行を決定する。なお、ここでは移行という文言を用いたが、もともと高確率モードにある場合にカウンタ値が奇数であれば高確率モードが継続されることになり、もともと低確率モードにある場合にカウンタ値が偶数であれば低確率モードが継続されることになる。モード決定カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口33に入賞したタイミングで、RAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口33に入賞したタイミングで、RAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図23中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組み合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また図示は省略するが、普通図柄表示装置41の抽選には普通図柄乱数カウンタC4が用いられる。普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図24〜図36のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図31は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図31において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。詳しくは後述するが、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
続くステップS602では、センサ判別処理を実行する。詳しくは後述するが、電波検出センサ139の状態を読み込むと共に、当該センサ139の状態を判別して検出情報を保存する。
その後、ステップS603では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、続くステップS604では、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS605では、第1契機対応口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
ここで、ステップS601のスイッチ読み込み処理について詳しく説明する。なお、このスイッチ読み込み処理では、各入球検出スイッチ(入賞口スイッチ221、特定領域スイッチ222、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224、第2契機対応口スイッチ225)を個々に監視して、個別に同様の処理が行われる。従って、ここでは入賞口スイッチ221に係るスイッチ読み込み処理を一例に図32を参照して詳しく説明するが、他の入球検出スイッチに関しても図32に示す処理と同様の処理が行われる。
先ずステップS6001では、入賞口スイッチ221からの入力信号の信号レベルをチェックする。この処理の機能が本実施形態における信号監視手段を構成する。
例えば遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過してない通常時には、入賞口スイッチ221からは+12Vのハイレベル信号(H)が出力され〔図33(a)のタイミングt1参照〕、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501に基準電位0Vのローレベル信号(L)が入力される〔図33(b)のタイミングt1参照〕。図33(a)は、入賞口スイッチ221からの出力信号を説明するためのタイミングチャートであり、図33(b)は、CPU501への入力信号を説明するためのタイミングチャートである。
一方、一般入賞口31へ遊技球が入球して、遊技球が入賞口スイッチ221の通過孔を通過している最中には、入賞口スイッチ221からローレベル信号(L)が出力され〔図33(a)のタイミングt2,t3参照〕、主制御装置261側では反転回路229を経てCPU501にハイレベル信号(H)が入力される〔図33(b)のタイミングt2,t3参照〕。
続くステップS6002では、ステップS6001にてチェックした信号レベルを、RAM503の作業エリアに設けられた入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファに記憶する。
なお、信号レベルバッファは、各入球検出スイッチ(入賞口スイッチ221、特定領域スイッチ222、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224、第2契機対応口スイッチ225)に対応して設けられており、各入球検出スイッチ毎の信号レベルがそれぞれ記憶される。信号レベルバッファが本実施形態におけるレベル記憶手段に相当する。
信号レベルバッファは、リングバッファにより構成されている。リングバッファとは、概念上、バッファ領域内の先頭アドレスと最終アドレスとがリング状に繋がり、ライトポインタとリードポインタの2つのアドレスポインタを用いて先頭アドレスから順に書き込んで行き、最終アドレスまで到達すると再び先頭アドレスに戻って書き込めるように制御されるバッファである。そして、ライトポインタの示す所定アドレス位置にデータの書込みが行われた後、当該ライトポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。同様に、リードポインタの示す所定アドレス位置からデータの読出しが行われた後、当該リードポインタの値が次のアドレスを示す値に更新される。
また、本実施形態の各信号レベルバッファを構成するリングバッファには、最も新しい過去200msec分すなわち100周期分のデータが記憶されるとともに、これを越えた古いデータから順に消去される構成となっている。また、リードポインタの位置は最新のデータの記憶された所定アドレス位置を示すようになっており、後述するように当該リードポインタの位置を基準に過去複数回分のデータが読み出される構成となっている。
ステップS6002の説明に戻り、入賞口スイッチ221用の信号レベルバッファには、2msec周期で信号レベルをチェックする毎に、当該信号レベルに対応した論理値が順にライトポインタの示す所定アドレス位置に書き込まれていく。ここで、CPU501への入力信号の信号レベルが「H(ハイ)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「1」が記憶され、信号レベルが「L(ロー)」の場合には、これを示すレベル情報としての論理値「0」が記憶される。
その後、ステップS6003において、一般入賞口31へ遊技球の入球の有無を判定するための前処理である演算処理を行う。
より詳しくは、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータ(最も古いデータ)の論理反転処理を行うとともに、当該論理反転された最先のデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出する。そして、この値を、RAM503の作業エリアにて一旦記憶する。この処理の機能が本実施形態における論理反転手段や論理積算出手段を構成する。
例えば、図33(b)に示すように、タイミングt1,t2,t3において記憶された信号レベルの論理値が「0」,「1」,「1」である場合、最先のデータの論理反転処理を行うと、最先のデータは「1」となる。従って、このデータと他の2回分のデータの論理積は「1」となる。
続くステップS6004では、ステップS6003にて算出された論理積の値が「1」であるか否かを判別する。ここで論理積の値が「1」となった場合には、信号レベルが「L」から「H」に切り替わったことを意味するため、これをもって一般入賞口31への入球有りと判断し、ステップS6005において入賞口スイッチ221(一般入賞口31)用の入球判別フラグの値に「1」を設定し、本処理を終了する。なお、入球判別フラグは、入球の有無を判別するための判別子であり、各入球検出スイッチに対応してそれぞれ設けられている。そして、ステップS604の始動入賞処理では、これを基に入球の有無を判断している。
一方、論理積の値が「0」の場合には、過去4msecの間、信号レベルが「L」のままか若しくは「H」のまま切り替わらなかった、又は信号レベルが「H」から「L」に切り替わったこと等を意味するため、これをもって一般入賞口31への入球無しと判断し、ステップS6006において入賞口スイッチ221用の入球判別フラグの値に「0」を設定し、本処理を終了する。上述したステップS6003〜S6006の一連の処理(入球判定処理)の機能が本実施形態における入球判定手段を構成する。
次に、ステップS602のセンサ判別処理について図34を参照して詳しく説明する。このセンサ判別処理の機能が特に本実施形態における制御手段を構成する。
ステップS6101において、電波検出センサ139からの入力信号の信号レベルをチェックして、上記各種入球検出スイッチ等が誤作動し得る所定の周波数帯域の電波を検出したか否かを判別する。
例えば電波検出センサ139により所定の周波数帯域の電波が検出されていない通常時には、電波検出センサ139からCPU501に基準電位0Vのローレベル信号(L)が出力される。一方、電波検出センサ139により電波が検出されている最中には、電波検出センサ139から+12Vのハイレベル信号(H)が出力される。
ステップS6101で電波検出有りと判別された場合には、続くステップS6102において、検出フラグがオンか否かを判別する。検出フラグは、既に電波が検出された状態であるか否かを判別するためのフラグであり、既に電波が検出されている状態であればオン、検出されていない状態であればオフとなっている。
ステップS6102にて否定判別された場合には、ステップS6103にて検出フラグをオンしてステップS6105へ移行する。
一方、ステップS6102にて肯定判別された場合には、ステップS6104において、検出タイマの値に2msecを加算して、ステップS6105へ移行する。
検出タイマとは、電波の発信継続時間を計測するための電波計測手段であり、電波検出有りと判別されてから、すなわち検出フラグがオンされてから所定時間12msecが経過したか否かを判別する際に参酌される。
上記のとおり、ステップS6105では検出タイマの値が12msec以上であるか否かを判別する。12msecという数値は、遊技球が入球検出スイッチ等を通過するのに要する平均的な時間であり、任意に設定したものである。従って、所定時間は12msecに限定されず、適宜、変更可能である。また、検出タイマに代えて、所定時間12msecを所定のカウンタを設定することにより計測する構成としてもよい。例えば、所定のカウンタに6という値を設定し、センサ判別処理の2msec周期ごとに1カウントずつ減算していくことにより、12msecを計測する構成としてもよい。
ステップS6105にて肯定判別された場合、すなわち電波の発信継続時間が12msec以上となった場合には、遊技球の通過検出を打ち消す払出カウントスイッチ358cに対する不正行為が行われているものとみなし、ステップS6106において払出停止処理を行う。より詳しくは、払出制御装置311に対し中止コマンドを送信する設定を行う。これに基づき、後述する通常処理の外部出力処理において、払出制御装置311に対し中止コマンドが送信され、このコマンドを受信した払出制御装置311は遊技球の払出制御を中止することとなる。
ここで、遊技球の通過検出を打ち消す払出カウントスイッチ358cに対する不正行為について説明する。払出カウントスイッチ358cに対して、図49( a )に示すように、遊技球の通過時間TS1〜TS2よりも長い時間、電波を発信することで、図49( b )に示すように、払出制御装置311の入力レベルは、ハイレベル(H)に切換わることなく、ローレベル(L)に維持される。つまり、実際には賞球が払い出され、当該賞球が払出カウントスイッチ358cを通過しているにもかかわらず、その通過が検出されないこととなる。この結果、払出制御装置311が再度、払出処理を実行することとなり、不正行為者は、予め設定された個数以上の賞球を過剰に獲得することができる。
さて、続くステップS6107では、異常有りを報知するための設定処理(報知処理)が行われる。例えば、エラー表示ランプ106を点滅させるためのコマンドを表示制御装置45(音声ランプ制御装置262)へ出力するための設定や、遊技ホールのホールコンピュータへエラー信号を出力するための設定などが行なわれる。これに基づき、後述する通常処理の外部出力処理において、表示制御装置45に対し当該コマンドが出力され、音声ランプ制御装置262によってエラー表示ランプ106の点滅制御が行われる。このエラー表示ランプ106や、エラー信号を出力する外部中継端子板370などが本実施形態における報知手段を構成する。
その後、ステップS6108にて検出フラグ及び検出タイマをリセットし、本処理を終了する。また、ステップS6105にて否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6101にて電波検出無しと判別された場合には、ステップS6109にて検出フラグがオンか否かを判別する。ここで検出フラグがオフとなっている場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS6109にて検出フラグがオンであると判別された場合には、ステップS6110にて、検出タイマの値が8msec以下であるか否かを判別する。上述したように、一般入賞口31等へ遊技球の入球の有無を判定するに際し、本実施形態では、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータ(過去4msec分のデータ)を必要とすることから、検出された電波の発信継続時間が8msecを越える場合には、一般入賞口31等への入球個数が擬似的に増やされるおそれはないものとみなしてよい。勿論、8msecという数値は、上記理由から任意に設定したものであり、適宜、変更可能である。従って、ステップS6110にて検出タイマの値が8msecを越えると否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS6110にて検出タイマの値が8msec以下であると肯定判別された場合には、ステップS6111において予備報知処理を行った後、ステップS6112へ移行する。かかる予備報知処理では、遊技者に気付かれないように、遊技ホール関係者に対し異常が発生している旨を報知するための設定処理(予備報知処理)が行われる。例えば、遊技ホールのホールコンピュータへエラー信号を出力するための設定などが行なわれる。これにより、不正行為か否か定かではない、不正行為らしき異常事態が発生している初期段階において、当該事態を遊技ホール関係者が把握することができる。従って、当該予備報知処理の機能や、外部中継端子板370などにより、本実施形態における特定報知手段(予備報知手段)が構成される。勿論、予備報知態様はこれに限定されるものではなく、例えば島設備の異常ランプを点灯させたり、遊技者に気付かれないような態様でパチンコ機本体の所定のランプの点滅制御を行う等してもよい。
続くステップS6112では、始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)であるか否かを判別する。ここで、始動保留球数Nが上限値であると肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。ステップS6112の処理の機能が本実施形態における遊技状況判別手段を構成する。このタイミングで、始動保留球数Nが上限値に達していれば、後述するように入球検出が擬似的に増やされたとしても、大当たり抽選の抽選結果が保留されるおそれがない。
一方、ステップS6112において始動保留球数Nが上限値に達していないと否定判別された場合には、一般入賞口31等への入球個数を擬似的に増やす入賞口スイッチ221等の入球検出スイッチに対する不正行為が行われたものとみなし、ステップS6113において入賞キャンセル処理を行い、ステップS6107へ移行する。始動保留球数Nが上限値に達していない状況が本実施形態における第1の遊技状況に相当し、始動保留球数Nが上限値に達している状況が第2の遊技状況に相当する。
ステップS6113の入賞キャンセル処理では、上記ステップS6106の払出停止処理と同様、払出制御装置311に対し中止コマンドを送信する設定を行うとともに、RAM503の保留球格納エリアにデータが格納されている場合には、最新の保留データを1保留分だけ消去する処理を実行する。保留データを消去する処理は、第1契機対応口33(第1契機対応口スイッチ224)に対する不正行為に対応する処置である。このタイミングで、保留データを1保留分だけ消去する処理を行えば、入球検出が擬似的に1回増やされる度に当該検出分を消去していくことができる。ステップS6107の報知処理や、ステップS6113の入賞キャンセル処理が、本実施形態における不正対処処理に相当する。
ここで、一般入賞口31等への入球個数を擬似的に増やす入賞口スイッチ221等の入球検出スイッチに対する不正行為について説明する。入球検出スイッチに対して、図48( a )に示すように、遊技球の通過中(時間TS1〜TS2)に、それよりも発信時間(時間TK1〜TK2)の短い電波を挿し込むことで、図48( b )に示すように、主制御装置261の入力レベルは、時間TK1〜TK2の間がローレベル(L)となる。つまり、遊技球の通過中(時間TS1〜TS2)に信号レベルが2度切換わることとなり、実際には一般入賞口31等へ入球した遊技球が1個であるにもかかわらず、2個分の入球があったと誤検知させることができる。このようにして、例えば第1契機対応口33の第1契機対応口スイッチ224に対して不正行為を行えば、第1契機対応口33へ遊技球が入球していないにも拘らず、大当たり抽選の契機を余分に得られることとなる。
次にステップS605の始動入賞処理を図35のフローチャートにより説明する。ステップS701では、第1契機対応口スイッチ224に対応する上記入球判別フラグの値に基づき判別する。遊技球が第1契機対応口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応口33への入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、始動保留球数Nをインクリメントする。
また、続くステップS704では、当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、始動入賞処理を一旦終了する。ステップS704の処理が本実施形態における当落抽選処理に相当し、その処理を行う機能が抽選手段を構成する。
図36は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS801において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図36のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
また、図24は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、RAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となる払出制御装置311(及び音声ランプ制御装置262等)を初期化するために、払出初期化コマンド(及び音声初期化コマンド等)を送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図25のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,ステップS210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図25において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して変動パターンコマンド、図柄コマンド、決定コマンド等を表示制御装置45に送信する。ここで外部出力処理について、図26を用いて説明する。
まず最初のステップS2001では、図28に示す変動開始処理が直前に実行されたか否かを判断する。具体的には、後述するように変動開始処理にて変動表示の開始を示すフラグをセットするのであるが、ここでは、このフラグがセットされているか否かを判断する。なお、このフラグは本処理(ステップS2001)においてリセットされる。変動開始処理では、変動時間の情報を含む変動パターン、図柄コマンドがそれぞれ決定される。ここで変動開始の直後であると判断された場合(ステップS2001:YES)、ステップS2002にて変動パターンコマンドを送信すると共に変動パターンコマンドの送信を示すフラグをセットして、ステップS2005へ移行する。一方、変動開始の直後でないと判断された場合(ステップS2001:NO)、ステップS2003へ移行する。
ステップS2003では、前回の処理において変動パターンコマンドを送信したか否かを判断する。この判断は、前記変動パターンコマンドの送信を示すフラグがセットされているか否かによってなされる。ここで変動パターンコマンドを送信したと判断された場合(ステップS2003:YES)、ステップS2004にて図柄コマンドを送信すると共に、前記変動パターンコマンドの送信を示すフラグをリセットして、ステップS2005へ移行する。一方、変動パターンコマンドを送信していないと判断された場合(ステップS2003:NO)、そのままステップS2005へ移行する。
ステップS2005では、払出制御装置311に対する各種コマンドが設定されている場合は、当該コマンドを送信する。例えば、上記各種入球判別フラグを参酌して、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判別し、入賞有りの場合には当該入賞に対応した個数に対応する賞球コマンドを払出制御装置311に対して送信する。また、中止コマンドが設定されている場合には、当該コマンドを払出制御装置311に対して送信する。そして、当該コマンドの送信後において、対応する入球判別フラグの値を「0」に戻す。
続くステップS2006では、その他の処理を行う。例えば、決定コマンドが設定されている場合は、決定コマンドを送信する。また、エラー表示ランプ106を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、表示制御装置45(音声ランプ制御装置262)に対し当該コマンドを出力する。
また、外部中継端子板370を介して遊技ホールのホールコンピュータへ各種エラー情報などを出力する処理もこの処理において実行される。
上述した外部出力処理によれば、装飾図柄の変動に際し、変動パターンコマンド→図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで決定コマンドが送出されることになる。
また、変動パターンコマンド、図柄コマンド、決定コマンド等を入力した表示制御装置45は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示するようになっている。具体的には、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示を所定時間行う。なお、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2によってリーチ発生後に最終停止図柄である中図柄が停止するまでの経過時間が決定され、変動種別カウンタCS1,CS2に基づく変動パターンコマンドとして表示制御装置45へ送信される。そして、通常時において、左図柄は変動開始から3秒後に停止表示され、右図柄は変動開始から4秒後に停止表示される構成となっている。したがって、表示制御装置45は、変動パターンコマンドに基づいて変動開始から最終停止表示までの変動時間を把握できる。なお、変動パターンコマンドが、変動開始から最終停止表示までの変動時間を直接的に示すものとして構成してもよい。
さらに、表示制御装置45は、図柄コマンドに基づき停止図柄を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、表示制御装置45に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄、通常図柄、前後外れ図柄、前後外れ以外図柄、完全外れ図柄という5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「1」,「2」,「3」,「4」,「5」という数値で示されて、この内のいずれかの数値が図柄コマンドとして設定されるという具合である。以下、図柄コマンドには、「1」〜「5」のいずれかが設定されるものとして説明を続ける。確変図柄は、1,3,5,7,9の数字が付加された図柄であり、図柄コマンドに確変図柄を示す「1」が設定された場合、表示制御装置45は、これらの図柄のうちの一つを停止図柄として決定する。通常図柄は、0,2,4,6,8の数字が付加された図柄であり、図柄コマンドに通常図柄を示す「2」が設定された場合、表示制御装置45は、これらの図柄のうちの一つを停止図柄として決定する。前後外れ図柄は、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、図柄コマンドに前後外れ図柄を示す「3」が設定された場合、表示制御装置45は、後述する前後外れリーチ図柄バッファに格納された図柄を停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄は、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、図柄コマンドに前後外れ以外図柄を示す「4」が設定された場合、表示制御装置45は、後述する前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納された図柄を停止図柄として決定する。完全外れ図柄は、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、図柄コマンドに完全外れ図柄を示す「5」が設定された場合、表示制御装置45は、後述する完全外れ図柄バッファに格納された図柄を停止図柄として決定する。
次に、図25中のステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、変動処理を実行する。この変動処理により、特別表示装置43が制御されると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、大当たり状態となる場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖する大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。ステップS206の処理が本実施形態における特別遊技状態の発生処理に相当し、その処理を行う機能が特別遊技状態発生手段を構成する。一方、大当たり状態(特別遊技状態)の発生していない遊技状態が通常遊技状態に相当する。
また、ステップS207では、普通図柄表示装置41による普通図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2契機対応口34を通過したことを条件に、その都度の普通図柄乱数カウンタC4が取得されると共に普通図柄表示装置41にて普通図柄の抽選が実施され、普通図柄の当たり状態になると第1契機対応口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、普通図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図31に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
その後は、ステップS211において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS208で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,ステップS210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS211の処理において、バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS212以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS212において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS213において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS214において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS215において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS216でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS217でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS211の処理は、ステップS201〜S207で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS209,S210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS212)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の変動処理を、図27のフローチャートを参照して説明する。
図27において、ステップS301では、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間とが含まれる。続くステップS302では、特別表示装置43による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS303に進み、始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数N>0であれば、ステップS304に進む。ステップS304では、始動保留球数Nから1を減算する。ステップS305では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS306では、変動開始処理を実行する。ここで、図28のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明する。
まず最初のステップS400では、特別表示装置43における色換え表示(変動表示)を開始する。なお、ここで変動表示の開始を示すフラグをセットしておく(前記ステップS2001参照)。特別表示装置43は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。
続くステップS401では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り低確率モードでは大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率モードでは「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS401:YES)、ステップS402へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS401:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS407へ移行する。
ステップS402では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は低確率モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて判断される。モード決定カウンタC2の数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」ならば高確率モードへの移行が決定し(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」ならば低確率モードへの移行が決定する(通常大当たり)。ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS402:YES)、ステップS403にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS404にて確変図柄(本実施形態では「1」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。一方、確変大当たりでないと判断された場合(ステップS402:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS405にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS406にて通常図柄(本実施形態では「2」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。
上記ステップS403,ステップS405では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。また、ステップS404,ステップS406における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するように表示制御装置45が行う。具体的には、確変図柄を示す「1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS404)、1,3,5,7,9の内のいずれかの数値が付された図柄を表示制御装置45が停止図柄として決定する。一方、通常図柄を示す「2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS406)、0,2,4,6,8の内のいずれかの数値が付された図柄を表示制御装置45が停止図柄として決定する。
また、ステップS401にて否定判断された場合に移行するステップS407では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS407:YES)、ステップS408へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS407:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS413にて外れ変動パターンを決定し、ステップS414にて完全外れ図柄(本実施形態では「5」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。
ステップS408では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS408:YES)、ステップS409にて外れ変動パターンを決定し、ステップS410にて前後外れ図柄(本実施形態では「3」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS408:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS411にて外れ変動パターンを決定し、ステップS412にて前後外れ以外図柄(本実施形態では「4」)を図柄コマンドに設定して、本変動開始処理を終了する。
上記ステップS409,ステップS411,ステップS413で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS403等と同様である。また、ステップS410,ステップS412,ステップS414における図柄コマンドが外れの図柄の所定区分を指示するものであることも、上記ステップS404等と同様である。具体的には、前後外れ図柄を示す「3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS410)、当該図柄コマンドを受信した表示制御装置45は、ワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄を停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄を示す「4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS412)、ワークRAM523の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄を、表示制御装置45が停止図柄として決定する。完全外れ図柄を示す「5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS414)、ワークRAM523の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄を、表示制御装置45が停止図柄として決定する。
図27の説明に戻り、ステップS302がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS307に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS307で肯定判別された場合に移行するステップS308では、特別表示装置43による決定表示を行う。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を決定表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、低確率モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を決定表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には青色を決定表示(数秒間だけ点灯)させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43による決定表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示は補助的なものとなっている。次のステップS309では、装飾図柄の変動停止を特別表示装置43におけるLEDの変動停止と完全に同調させる決定コマンドを設定し、その後本処理を終了する。一方、ステップS307で否定判別された場合に移行するステップS310では、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)を行う。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行う。これによって、変動処理のタイミング、すなわち4ms毎に、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。
次に、表示制御装置45の処理について説明する。変動パターンコマンド、図柄コマンド、決定コマンド等を入力した表示制御装置45は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示するようになっている。具体的には、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示を所定時間行う。そして、図柄コマンドに基づき停止図柄を決定して、表示する。なお、特別表示装置43の決定表示後、上述したように決定コマンドが表示制御装置45へ送信されるが、この決定コマンドは主となる特別表示装置43と補助的な装飾図柄表示装置42との完全な同期を目的とするものである。つまり、完全な同期を図るという上では上記のように決定コマンドを送信する構成が望ましいが、主制御装置261と表示制御装置45との両方で変動時間を把握する構成であれば、決定コマンドを送信しない構成としてもよい。
本実施の形態では、表示制御装置45内のCPU521は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図29に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU521内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施の形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄(確率変動図柄)が5通り、通常図柄(確率変動図柄以外の図柄)が5通り設定されている。したがって、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄を示す「1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば1、1であれば3、2であれば5、3であれば7、4であれば9という具合に、確変図柄を決定する。また、図柄コマンドが通常図柄を示す「2」である場合、図示しない別のテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば0、1であれば2、2であれば4、3であれば6、4であれば8という具合に、通常図柄を決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5は定期的に更新され、表示制御装置45が図柄コマンドを受信するタイミングでカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施の形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はワークRAM523の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列装飾図柄、中列装飾図柄、右列装飾図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するものであり、各列では10の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の停止図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU521に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、ワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。この処理は、表示制御装置45にて、例えば4msecといった所定時間毎に実行されるものである。
図30に示すように、ステップS501では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS502では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において右図柄列の外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS501で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において左図柄列の外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS502で肯定判断されることになる。そして、左図柄列の更新時期(ステップS501がYES)であればステップS503に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS502がYES)であればステップS504に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS501、S502が共にNO)であればステップS505に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS503〜S505の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS506では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS507では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS508に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS509に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをワークRAM523の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS510では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS511に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをワークRAM523の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS506、S510が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
上述したように主制御装置261から送信されてくる図柄コマンドに基づいて、表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42に表示する停止図柄を決定する。
具体的には、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄を示す「1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納された値が0であれば1、1であれば3、2であれば5、3であれば7、4であれば9という具合に、確変図柄を決定する。また、図柄コマンドが通常図柄を示す「2」である場合、図示しない別のテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納された値が0であれば0、1であれば2、2であれば4、3であれば6、4であれば8という具合に、通常図柄を決定する。さらにまた、主制御装置261から送信された図柄コマンドが前後外れ図柄を示す「3」である場合、ワークRAM523の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄を停止図柄として決定する。また、図柄コマンドが前後外れ以外図柄を示す「4」である場合、ワークRAM523の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄を停止図柄として決定する。さらにまた、図柄コマンドが完全外れ図柄を示す「5」である場合、ワークRAM523の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄を停止図柄として決定する。
表示制御装置45は、変動パターンコマンドに基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄のリーチ種別などの図柄変動態様、および、最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間を決定して、装飾図柄の変動表示を行う。そして、図柄コマンドに基づいて停止図柄を決定し、時間経過を判断して停止図柄を表示する。なお、停止図柄の表示に際し、特別表示装置43の変動停止と装飾図柄表示装置42の変動停止とを完全に同期させたいがために、主制御装置261から決定コマンドが送出される。なお、主制御装置261からの決定コマンドは必ずしも必要ではなく、決定コマンドを送出しない構成としても実施できる。主制御装置261及び表示制御装置45のそれぞれで変動時間が把握されるため、決定コマンドを用いずとも、通常は、完全な同期が実現されるからである。
以上説明したように、本実施の形態では、主制御装置261に直接的に制御される特別表示装置43が大当たりなどの決定表示を主として行い、表示制御装置45に制御される装飾図柄表示装置42は補助的な表示を行うものとなっている。
従来、セルなどを用いて大入賞口を強制的に開放し、大当たりとなっていないにもかかわらず出玉を獲得するというような不正行為が知られている。その場合、表示制御装置45に対し何らかの信号を送り、大当たりとなっていないにもかかわらず、見かけ上、大当たりとなったかのような表示をさせることが考えられる。
これに対して、本実施の形態では、主制御装置261は、厳重に封印された基板ボックス263に格納されているため、表示制御装置45と異なり何らかの不正な信号を送ったりする等の不正行為は困難であり、特別表示装置43のLEDを「赤」又は「緑」の大当たりの態様で不正に点灯させることは困難である。したがって、装飾図柄表示装置42に大当たりとなったかのような表示を行わせることができたとしても、特別表示装置43の点灯態様によって、そのような不正行為が簡単に発見できる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図38を参照して受信割込み処理を説明し、その後図37を参照してメイン処理を説明する。
図38は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファ513dに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグ513cをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファ513dに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図39に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS1001)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファ513dへ記憶してコマンド受信フラグ513cをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポート515のコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理を図37を参照して説明する。図37は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS903でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS907でRAM判定値を算出し、続くステップS908で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS906で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS908でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS915以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS916ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS914へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS906で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS908でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910で電源断の発生情報をクリアし、ステップS911で賞球の払出を許可する払出許可フラグ513bをクリアする。また、ステップS912では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS913では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS914では、割込みを許可する。
ステップS914で割込みが許可された後は、ステップS922の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS923以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS923において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS924において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS925でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS926でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS927でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS928でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS922の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図39のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS1001)。このコマンド判定処理について図40を参照して以下に説明する。
図40は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS924,S1001)では、まず、ステップS1301においてコマンド受信フラグ513cがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグ513cは、上述した受信割込み処理(図38参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS1301においてコマンド受信フラグ513cがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1301でコマンド受信フラグ513cがオンと判別されれば、ステップS1302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS1303においてコマンド受信フラグ513cをオフする。ステップS1303においてコマンド受信フラグ513cをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS1302〜ステップS1313の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS1304〜ステップS1306の処理、及びステップS1312の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS1304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS1305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS1306では賞球コマンドであるか否かが判別される。また、ステップS1312では中止コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS1307で既に払出許可フラグ513bがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグ513bがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS1308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS1309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS1311で払出許可フラグ513bをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグ513bをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS1307で既に払出許可フラグ513bがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS1307の処理は、払出許可フラグ513bが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグ513bがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグ513bがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS1308)と、RAM513の初期値設定(ステップS1309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグ513bがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS1304:NO、ステップS1305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS1311で払出許可フラグ513bをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS1311の処理において払出許可フラグ513bがオンされると、コマンドバッファ513dの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS1305:NO、ステップS1306:YES)、ステップS1310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS1311で払出許可フラグ513bをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ513d(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS1311の処理において払出許可フラグ513bがオンされると、コマンドバッファ513dの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS1304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS1305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS1306:NO)、ステップS1312において主制御装置261から送信されたコマンドが中止コマンドであるか否かを判別し、中止コマンドであれば(ステップS1312:YES)、ステップS1313にて払出許可フラグ513bをオフするとともに、エラー状態の設定をし、コマンド判定処理を終了する。一方、中止コマンドでなければ(ステップS1312:NO)、払出許可フラグ513bをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図39のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS1002において、コマンド判定処理で払出許可フラグ513bがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグ513bがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS1002で肯定判定されれば、ステップS1003で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS1004で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS1005では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、上記下皿満タンスイッチ15aの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1006では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、球切れ検出スイッチ403の検出信号によりタンク球無し状態であるか否かを判別し、タンク球無し状態であれば、タンク球無しエラー状態(タンク球無しエラー情報)の設定をし、タンク球無し状態でなくなれば、タンク球無しエラー状態の解除設定を実行する。なお、タンク球無し状態とは、タンク355及びタンクレール356における球詰まりの発生や球抜き処理により、上述したように湾曲通路部401aにおいて遊技球が存在せず、球切れ検出スイッチ403がオフ状態となった状態である。つまり、タンク球無し状態というものの、実際にはタンク355において球詰まりが発生し、タンク355に遊技球が存在する場合でも、湾曲通路部401aに遊技球が存在しない場合は、この状態に含まれる。より詳しくは、球切れ検出スイッチ403がオフ状態となった後、所定時間経過後又は所定の復帰動作(例えばバイブレータ360の駆動)の実行後に、タンク球無しエラー状態の設定が行われる。
その後、ステップS1007では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた図示しない状態表示部(7セグメントLED)により報知する。例えば、球切れ検出スイッチ403の検出信号を基にタンク球無しエラー状態である場合には「1」と表示され、下皿満タンスイッチ15aの検出信号を基に下皿満タンエラー状態の場合には「2」と表示され、払出モータ358aが駆動中にも関わらず遊技球が払出されないエラー状態の場合には「3」と表示され、払出モータ358aが駆動中にも関わらず遊技球をカウントしないエラー状態の場合には「4」と表示される。
次に、ステップS1008で払出個数設定処理を行い、ステップS1009においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS1010においてモータ駆動処理を行い、ステップS1011において球抜き制御設定処理を行い、ステップS1012においてRAM513の初期化処理を行う。なお、払出個数設定処理、モータ制御状態取得処理、モータ駆動処理、球抜き制御設定処理、及び初期化処理の詳細については後述する。
そして、ステップS1013では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行し、その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
ここで図41,42を参照して払出個数設定処理を説明する。まずステップS4001においてタンク球無しエラー以外のエラー中であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、否定判別された場合には、ステップS4002において払出モータ監視カウンタの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはステップS4003において払出個数をクリアし、本処理を終了する。なお、払出モータ監視カウンタとは、スプロケット358bの各スリットを検出する毎に所定数値で設定され、払出モータの駆動1ステップ毎に減算されるカウンタである。本実施形態(スプロケット358bの1回転120ステップ、スリット間隔45度)の場合、所定のスリットを検出したのち次のスリットを検出するまでには30ステップ必要とする。しかし、何らかの異常がありスプロケット358bが回転せず、30ステップ過ぎた場合にもスリットを検出できない場合がある。つまり、当初「30」と設定された払出モータ監視カウンタの値が0となった場合には、何らかの異常があったものとみなされる。従って、ステップS4002では、このような不具合の発生があるか否かを判別している。なお、本実施形態では、払出モータ監視カウンタは誤差等を考慮して「45」と設定され、新たにスリットを検出する毎に再設定される。
一方、ステップS4002において否定判別された場合にはステップS4004において払出カウントスイッチ未動作タイマの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。なお、払出カウントスイッチ未動作タイマとは、スプロケット358bの各スリットを検出する毎に所定数値で設定され、処理周期毎に減算されるタイマである。通常、所定のスリットが検出されたタイミングで遊技球がスプロケット358bから落下した場合、所定時間経過後(本実施形態では約200msec経過後)には、払出カウントスイッチ358cにより検出されるはずである。しかし、何らかの異常により、遊技球が払出されず、所定時間経過しても払出カウントスイッチ358cにより遊技球が検出されない場合がある。つまり、「200msec」と設定された払出カウントスイッチ未動作タイマの値が0となった場合には、何らかの異常があったものとみなされる。従って、ステップS4003では、このような不具合の発生があるか否かを判別している。なお、本実施形態では、払出カウントスイッチ未動作タイマは誤差等を考慮して「300msec」と設定され、本処理一周期毎に2msecずつ減算され、新たにスリットを検出する毎に再設定される。
一方、ステップS4004において否定判別された場合には、ステップS4005において、後述する球抜きフラグに「1」がセットされているか否か、すなわち球抜き開始時又は球抜き中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4006へ移行し、肯定判定された場合にはステップS4007へ移行する。なお、実際、球抜きフラグとして設定される値は8ビット(例えば0101等)であるが、ここでは説明の便宜上、前記「1」や、「0」、「2」のような数値で表す(以下同様)。
ステップS4006ではタンク球無しエラー中であるか否かを判別し、ここで当該エラー中である場合にはそのまま本処理を終了し、当該エラー中でない場合にはステップS4007へ移行する。
ステップS4007では貸球制御中であるか否かを判別する。本実施形態では、賞球制御よりも貸球制御を優先して行うよう構成されており、貸球個数が設定されていれば、貸球制御を優先して行う。つまり、ステップS4007では貸球操作部120から貸球信号を受信したか否か、又は、貸球個数が0か否かを判別することにより、貸球制御中であるか否かを判別している。ここで否定判別された場合には、ステップS4008以降の賞球制御処理へ移行し、肯定判定された場合にはステップS4017以降の貸球制御処理へ移行する。
ステップS4008では、リトライ1発生フラグに「1」が設定されているか否かを判別し、ここで否定判別された場合には、ステップS4009へ移行し、肯定判定された場合にはステップS4012へ移行する。なお、リトライ1発生フラグとは、後述するリトライ1作動中であるか否かを判別するためのフラグであり、「1」が設定されている場合には、リトライ1作動中であることを意味し、「0」が設定されている場合には、リトライ1作動中でないことを意味している。
ステップS4009では、主制御装置261から受信した賞球コマンドに基づき得られる総賞球個数から、既に所定の賞球数記憶エリアに記憶されている記憶済み総賞球個数を減算した値が0か否かを判別する。つまり、ここでは新たに加算すべき賞球個数がある否かを判別している。ここで否定判別された場合には、ステップS4010へ移行し、肯定判別された場合には、ステップS4012へ移行する。
ステップS4010では、前記総賞球個数から前記記憶済み総賞球個数を減算した値(つまり新たに加算される賞球個数)に、貸球個数を含めた払出個数(つまり総賞球個数+総貸球個数)を加算した値を、新たな払出個数として設定する。そして、ステップS4011において賞球数記憶エリアに新たな総賞球個数を設定し、本処理を終了する。
ステップS4012では、払出個数が0か否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4013へ移行する。
ステップS4013では、払出カウントスイッチ通過待ちタイマが0であるか否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4014でリトライ1発生フラグに「0」を設定し、ステップS4015へ移行する。なお、払出カウントスイッチ通過待ちタイマとは、上記払出カウントスイッチ未動作タイマと同様のものである。
ステップS4015では、総賞球個数が0であるか否かを判別し、肯定判定された場合にはそのまま処理を終了し、否定判定された場合には、ステップS4016において総賞球個数を、賞球数記憶エリアに新たな総賞球個数として設定するとともに、新たな払出個数として設定し、本処理を終了する。
さて、上記ステップS4007において肯定判別された場合、すなわち貸球制御中である場合には、ステップS4017において払出個数が0か否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4018へ移行する。
ステップS4018では、払出カウントスイッチ通過待ちタイマが0であるか否かを判別し、ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、肯定判別された場合にはステップS4019でリトライ1発生フラグに「0」を設定し、ステップS4020へ移行する。
ステップS4020では、貸球信号出力手段としての上記貸球操作部120から受信した貸球信号に基づき得られる貸球個数が0か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4021において貸球個数を払出個数に設定し、本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に図43を参照してステップS1009のモータ制御状態取得処理を説明する。まずステップS4101において状態復帰動作中であるか否かを判別する。ここで肯定判定された場合にはそのまま本処理を終了し、否定判定された場合にはステップS4102において賞球又は貸球個数(払出個数)があるか否かを判別する。賞球又は貸球個数がある場合にはステップS4103においてタンク球無し以外のエラー状態中か否かを判別する。ステップS4102において賞球又は貸球個数がないと判別された場合、又はステップS4103においてタンク球無し以外のエラー状態中であると判別された場合には、ステップS4104において払出モータ358aの制御状態を停止に設定し、本処理を終了する。
一方、ステップS4103においてタンク球無し以外のエラー状態中でないと判別された場合には、ステップS4105において払出モータ358aの制御状態をリトライ1作動に設定し、ステップS4106へ移行する。なお、リトライ1作動とは、スプロケット358bを逆回転、正回転、逆回転の順に例えば90ステップ(135度)ずつ回転駆動する制御であり、例えばエラー未検出状態で、払出モータ358aが駆動中にも関わらずスプロケット358bのスリットが適正に検出されない場合(払出モータ監視カウンタの値が0である場合)等において実行される制御である。
ステップS4106では、払出モータ監視カウンタの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、否定判別された場合にはステップS4107で払出モータ358aの制御状態をリトライ2作動に設定し、ステップS4108へ移行する。また、リトライ2作動とは、リトライ1作動と同様の制御状態であり、スプロケット358bを逆回転、正回転、逆回転の順に例えば60ステップ(90度)づつ回転駆動する制御であり、例えばエラー未検出状態で、払出モータ358aが駆動中にも関わらず払出カウントスイッチにより適正に遊技球が検出されない場合(払出カウントスイッチ未作動タイマの値が0である場合)等において実行される制御である。
ステップS4108では、払出カウントスイッチ未作動タイマの値が0であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはそのまま本処理を終了し、否定判別された場合にはステップS4109へ移行する。
ステップS4109では、後述する球抜きフラグに「1」がセットされているか否か、すなわち球抜き開始時又は球抜き中であるか否かを判別する。ここで肯定判定された場合には、ステップS4110で払出モータ358aの制御状態を高速払出動作に設定し、ステップS4111へ移行する。なお、高速払出動作の「高速」とは、通常時の払出動作における速度を指す。
一方、ステップS4109で否定判別された場合には、ステップS4112においてタンク球無しエラー状態中か否かを判別する。ここで否定判別された場合にはステップS4110へ移行する。一方、肯定判別された場合には、ステップS4113において払出モータ358aの制御状態を停止に設定し、本処理を終了する。
ステップS4111では、現在、払出モータ358aの制御状態が低速払出動作中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合にはステップS4114において球抜きフラグに「1」がセットされているか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4115で払出モータ358aの制御状態を低速払出動作に設定し、ステップS4116へ移行する。ステップS4114又はステップS4115で肯定判別された場合には、そのままステップS4116へ移行する。なお、低速払出動作とは、タンク球無しエラー検出前において、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態である場合に、払出動作を遅くして、その間にタンク球無し状態の解消を待つために実行される制御である。
ステップS4116においては払出個数が0か否かを判別する。ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合にはステップS4117において払出モータ358aの制御状態を待機中に設定し、ステップS4118へ移行する。
ステップS4118では、払出カウントスイッチ通過待ち中であるか否かを判別する。ここで肯定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、否定判別された場合には、ステップS4119で払出モータ358aの制御状態を停止に設定し、本処理を終了する。
次に図44を参照してステップS1010のモータ駆動処理を説明する。まずステップS4201において払出モータ358aの駆動開始時か否かを判別する。ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS4202で払出モータ358aの駆動用データの設定を行い、ステップS4203へ移行する。
ステップS4203では、払出モータ358aの制御状態が高速払出動作中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4204で払出モータ358aの制御状態が低速払出動作中であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、ステップS4207において払出モータ358aの駆動パルス数の更新を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS4203又はステップS4204で肯定判定された場合には、ステップS4205において球抜きフラグが「1」にセットされているか否かを判別する。ここで肯定判別された場合にはステップS4207において払出モータ358aの駆動パルス数の更新を行い、本処理を終了する。
ステップS4205において球抜きフラグが「1」にセットされていないと判別された場合には、ステップS4206において払出モータ監視カウンタの値を1減算し、ステップS4207において払出モータ358aの駆動パルス数の更新を行い、本処理を終了する。
次に図45を参照してステップS1011の球抜き制御設定処理を説明する。まずステップS4301において球抜きフラグが「1」にセットされているか否かを判別する。なお、球抜きフラグとは、球抜き中などの状態を判別するためのフラグであり、当該球抜きフラグが「1」にセットされている場合には球抜き開始時又は球抜き中であることを意味している。
ステップS4301で肯定判別された場合(球抜きフラグが「1」の場合)には、ステップS4302において払出モータ358aの制御状態が停止中か否かを判別する。停止中でない場合にはそのまま本処理を終了し、停止中の場合にはステップS4303で球抜きフラグに「2」をセットして本処理を終了する。なお、球抜きフラグが「2」にセットされている場合には、球抜き終了後で状態復帰スイッチ321が未だ押下されている状態であることを意味している。
また、ステップS4301で球抜きフラグが「1」にセットされてないと判別された場合には、ステップS4304において球抜きフラグが「2」にセットされているか否かを判別する。ここで肯定判別された場合(球抜きフラグが「2」である場合)にはステップS4305において状態復帰スイッチ321が押下されているか否かを判別する。ここで当該スイッチ321が押下されていると判別された場合にはそのまま本処理を終了し、押下されていないと判別された場合にはステップS4306において球抜きフラグを「0」にセットし、本処理を終了する。なお、球抜きフラグが「0」にセットされている場合には、球抜き状態中や、球抜き終了後で状態復帰スイッチ321が未だ押下されている状態中でない通常状態(非球抜き状態)であることを意味している。
また、ステップS4304で球抜きフラグが「2」にセットされていないと判別された場合には、ステップS4307においてタンク球無し状態か否かを判別する。タンク球無し状態でない場合にはそのまま本処理を終了し、タンク球無し状態の場合にはステップS4308において状態復帰スイッチ321が所定時間(本実施形態では1秒間)押されたか否かを判別する。ここで当該スイッチ321が所定時間押されていない場合にはそのまま本処理を終了し、押された場合にはステップS4309において球抜きフラグに「1」をセットし本処理を終了する。
次に図46を参照してステップS1012のRAM513の初期化処理を説明する。まずステップS4401において球抜きフラグが「2」にセットされているか否かを判別する。つまり、球抜き終了後で状態復帰スイッチ321が未だ押下されている状態であるか否かを判別する。
ステップS4401で否定判別された場合(球抜きフラグが「2」でない場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4401で肯定判別された場合(球抜きフラグが「2」の場合)には、ステップS4402において、CPU511に繋がる電気経路が通電状態か否かを判別する。
ステップS4402で否定判別された場合(通電状態でない場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4402で肯定判別された場合(通電状態である場合)には、ステップS4403においてRAM513の初期化処理を実行し、本処理を終了する。初期化処理では、上記同様に、RAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、RAM513の初期値を設定する。
上記構成により、例えばメーカー出荷時における検査終了後や、遊技ホールにおける機種交換時等において、払出機構部352に残留した遊技球の球抜きを行う際には、まず球抜き機構を介してタンク355及びタンクレール356(ケースレール357の一部を含む)の球抜きを行い、その後、払出装置358(ケースレール357の一部を含む)の球抜きを行う。これは、払出機構部352に残留したすべての遊技球を払出装置358を介して球抜きした場合、球抜きされた遊技球が遊技機設置島側の排出部ではなく、上皿19又は下皿15へ導出され、球抜き後さらに、多くの遊技球を上皿19又は下皿15から抜く作業を行わなければならず面倒だからである。
次に球抜き作業の手順についてより詳しく説明する。まず上述したように操作ボタン412を押圧操作する。これにより、タンク355及びタンクレール356にある遊技球が球抜き機構及び球抜通路407を介してパチンコ機10外部へ排出される。
そして、ケースレール357の湾曲通路部401a内に遊技球がなくなると、球切れ検出スイッチ403がオフ状態となり、タンク球無しエラー状態(球切れ状態)となる。この際、払出制御装置311のRAM513に、タンク球無しエラー状態(タンク球無しエラー情報)の設定がなされる。
次に、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応口33のいずれかの入球手段へ遊技球を入球させる。すると上記払出制御装置311のタイマ割込み処理から分かるように、払出制御装置311は賞球個数の設定(払出設定)を行う。但し、この状態ではタンク球無しエラー状態により、払出装置358の駆動が禁止されているため、遊技球は払出されない。
この状態で状態復帰スイッチ321を所定時間押すと、払出制御装置311は払出装置358の駆動禁止を無効化し、前記入球手段への入球に相当する賞球(例えば一入球につき15個)を払出すといったように球抜き処理を行う。なお、場合によっては、貸球操作部120を操作して貸球個数の設定を行うことにより、球抜き処理を行うことも可能である。
そして、球抜き処理が実行された場合、球抜き終了後で状態復帰スイッチ321からのスイッチ信号(操作信号)の入力有りの判別結果が得られること及びCPU511に繋がる電気経路が通電状態である旨の判別結果が得られることを条件に、RAM513の初期化処理が実行される。
以上詳述したように、本実施形態では、各種入球検出スイッチ等が誤作動し得る所定の周波数帯域の電波を電波検出センサ139により検出するとともに、その電波の発信継続時間を計測し、電波の発信継続時間が12msec以上である場合には、遊技球の通過検出を打ち消す払出カウントスイッチ358cに対する不正行為が行われているものとみなし、払出制御装置311による遊技球の払出制御を中止する制御を行う。一方、始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)でない状況下において、電波の発信継続時間が8msec以下である場合には、一般入賞口31等への入球個数を擬似的に増やす入賞口スイッチ221等に対する不正行為が行われたものとみなし、払出制御装置311による遊技球の払出制御を中止する制御を行うとともに、第1契機対応口33(第1契機対応口スイッチ224)に対する不正行為に対応する処置として、RAM503の保留球格納エリアにデータが格納されている場合には、最新の保留データを1保留分だけ消去する処理を実行する。また、発信継続時間が8msecから12msecまでの電波に関しては、特に影響のないものとして、エラー報知等の処理も行わない構成となっている。
このように、本実施形態によれば、電波の発信態様を判別し、それに応じて適切な処理を行うことができる。これにより、他の処理に大きな影響を与えることなく、特定の球検出スイッチを狙った特定の不正行為のみに対応する処置をとることができる。結果として、様々な電波ゴトに対し適切な対応をとることが可能となり、電波ゴトを効率よく抑制することができる。
通常、上述したような第1契機対応口33(第1契機対応口スイッチ224)に対する不正行為は、大当たり抽選の契機を増やすためなど、不正行為者が不正に有利な状況を得るために行われることが多い。つまり、大当たり抽選が行われない状況下など、不正行為者が不正に有利な状況を得にくい状況下で行われる可能性は極めて低い。
例えば、始動保留球数Nが上限値に達している場合には、それ以上、第1契機対応口33へ遊技球が入球しても、大当たり抽選は行われない。そのため、このような状況下においては、第1契機対応口33(第1契機対応口スイッチ224)を対象にした不正行為は行われにくい。
それにも拘らず、不正行為者が不正に有利な状況を得にくいこのような状況下においてまで、電波検出センサ139による検知があったからといって、入賞キャンセル処理や報知処理等などを一様に実行していては、不正行為に対する適切な対応策とならないばかりか、不正行為とは無関係の遊技者に対し不測の不利益をもたらすおそれもある。
これに対し、本実施形態によれば、始動保留球数Nが上限値に達しておらず、大当たり抽選の契機が得られるといった、不正行為者が不正に有利な状況を得られる状況下において、電波検出センサ139による検知があった場合には、入賞キャンセル処理や報知処理等を行い、逆に始動保留球数Nが上限値に達しており、大当たり抽選の契機が得られないといった、不正行為者が不正に有利な状況を得にくい状況下において、電波検出センサ139による検知があった場合には、入賞キャンセル処理や報知処理等を行わない構成となっている。つまり、異常検知があった場合の遊技状況に応じて異なる処理が実行される。
さらに、本実施形態では、検出タイマの値が8msec以下となる電波を検出した場合には、それが不正行為に起因したものか否か定かではない段階で、一旦、遊技者に気付かれないように、遊技ホール関係者に対し異常が発生している旨を報知する予備報知処理が行われる。このような処理が行われることにより、入賞キャンセル処理等の不正対処処理が実行される前に、事前に何らかの異常が発生していることを遊技ホール関係者等の特定者が把握することができ、不正行為に対する警戒態勢をとることができる。
結果として、不正行為の判別精度を高め、真の不正行為に対しより適切な対応をとることが可能となり、不正行為を効率よく防止することができる。ひいては、遊技ホールにとっては、不正行為などの早期発見に繋がるとともに、遊技者との無用なトラブルを回避し、円滑なホール運営を行うことができる。一方、不正行為とは無関係の遊技者に対し不測の不利益をもたらすおそれも低減される。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、電波の発信態様として、所定の周波数帯域の電波の発信継続時間を判別し、それに応じて適切な処理を行う構成となっているが、これに限らず、電波の周波数、電波の発信周期、電波強度などを判別し、その結果に応じて異なる処理を実行するようにしてもよい。
(b)上記実施形態では、入球判定処理を行うに際して、信号レベルバッファに記憶された最近の過去3回分のデータのうちの最先のデータの論理反転処理を行うとともに、当該論理反転されたデータ及び残り2回分のデータすべての論理積を算出し、この演算結果に基づき判定処理を行う構成となっている。これに限らず、信号レベルバッファに記憶された少なくとも2回分のデータを基に同様の処理を行う構成としてもよい。また、最先のデータの論理反転処理を省略して、単に複数回分のデータの論理積を算出する構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、始動保留球数Nが上限値に達している状況下において、電波の発信継続時間が予め設定された所定時間(8msec)よりも短い場合には、遊技球の払出制御を中止する処理や、保留データを消去する処理などを実行する構成となっているが、これに代えて、発信継続時間が予め設定された所定時間よりも短い特定の電波の検出回数が予め設定された所定回数(例えば5回)を越えた場合に、上記各種処理を実行する構成としてもよい。
発信継続時間が予め設定された所定時間よりも短い特定の電波の検出回数が1回だけの場合には、不正行為ではなく、単にノイズ等による偶発的な不具合である可能性も考えられる。これに対し、このような特定の電波が複数回検出された場合には不正行為である可能性が高い。従って、上記構成とすることにより、偶発的な要因を極力排除し、不正行為の判断精度を高めることができる。
(d)上記実施形態では、異常電波を検出した際の処理として、遊技球の払出制御を中止する処理や、保留データを消去する処理、エラー表示ランプ106を点滅させる処理、遊技ホールのホールコンピュータへエラー信号を出力する処理などが行われる構成となっている。勿論、異常電波を検出した際の処理は、これらに限定されるものではなく、例えば、スピーカ249等の音声発生手段や、装飾図柄表示装置42等の各種表示手段などにおいて電波を検出した旨の報知を行う構成としてもよい。また、遊技球の発射を停止する処理を行う構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、タイマ割込み処理が2msec毎に実行される度に、電波の判別が行われる構成となっているが、これに限らず、所定条件成立時にのみ行う構成としてもよい。例えば、払出カウントスイッチ358cに対する不正行為のみを監視している構成であれば、払出モータ358aが駆動中にのみ、電波の判別を行うようにしてもよい。このようにすれば、処理負担の軽減を図ることができる。
(f)上記実施形態では、電波検出センサ139を1つだけ備えた構成であるが、これに限らず、例えば各種近接スイッチに対応して複数備えた構成としてもよい。また、取付位置に関しても、上記実施形態に限らず、異常電波を検出しやすい位置であれば、どこでもよい。
(g)電波検出センサ139の構成も上記実施形態に限らず、例えば検出できる周波数帯域を変更可能なものを採用してもよい。
(h)上記実施形態では、電波検出センサ139の出力信号が主制御装置261に入力され、当該主制御装置261が電波の発信態様を判別する構成となっているが、これに限らず、例えば電波検出センサ139が払出制御装置311など他の制御装置と接続され、当該制御装置が電波の発信態様を判別する構成としてもよい。
(i)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。
(j)上記実施形態では、始動保留球数Nが上限値に達している状況下において、検出された電波の発信継続時間が8msec以下である場合には、一般入賞口31等への入球個数を擬似的に増やす入賞口スイッチ221等の入球検出スイッチに対する不正行為が行われたものとみなし、入賞キャンセル処理等を行う構成となっている。
しかしながら、発信継続時間が8msec以下の電波の中にも、各種電子機器から発せられる電波ノイズや、電波検出センサ139自身の誤作動に起因したものなど、電波ゴトとは無関係なものも多く含まれるおそれがある。このような電波ノイズ等を検知する度に一様の処理を行っていては、電波ゴトに対する適切な対応策とならないばかりか、電波ゴトとは無関係の遊技者に対し不測の不利益をもたらすおそれもある。
そこで、電波の発信継続時間が8msec(第1規定時間)よりも短く、かつ、入球判定に必要な3回分のデータが信号レベルバッファに記憶される時間である4msec(第2規定時間)よりも長い場合にのみ、入賞キャンセル処理等を行う構成としてもよい。上記実施形態の入球判定処理によれば、4msecよりも発信継続時間の短い電波では、そもそも一般入賞口31等への入球個数を増やすことはできない。つまり、電波ゴトとは無関係の電波ノイズ等のような短い電波による偶発的な要因を極力排除することができる。結果として、本実施形態によれば、電波ゴトの判断精度を高め、電波ゴトに対するより適切な対応をとることができる。
また、上記(c)の記載同様、電波の発信継続時間が上記第1規定時間よりも短くかつ上記第2規定時間よりも長い電波の検出回数を記憶可能な回数記憶手段を備え、当該電波の検出回数が予め設定された所定回数を越えた場合に、遊技球の払出制御を中止する処理や、保留データを消去する処理などを実行する構成としてもよい。
(k)上記実施形態では、異常検知手段として電波検出センサ139を備え、電波ゴトを抑制する構成となっているが、これに代えて又は加えて、磁気検知手段(磁気センサ)や振動検知手段(振動検知センサ)など、他の異常検知手段を備えた構成としてもよい。
例えば、上記実施形態のセンサ判別処理(ステップS602)に代えて、図50に示すセンサ判別処理を実行する構成としてもよい。
ステップS8101では、第1契機対応口33に対応して設けられた磁気センサからの入力信号の信号レベルをチェックして、磁気を検出したか否かを判別する。
ここで、磁気検出なしと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、磁気検出ありと判別された場合には、続くステップS8102において、遊技状態が大当たり状態中か否かを判別する。
ステップS8102にて、大当たり状態中であると肯定判別された場合にはステップS8108へ移行し、大当たり状態中でないと否定判別された場合にはステップS8103へ移行する。
ステップS8103では、遊技モードが高確率モード中か否かを判別する。ここで、高確率モード中であると肯定判別された場合にはステップS8107へ移行し、高確率モード中でないと否定判別された場合にはステップS8104へ移行する。
ステップS8104では、始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)であるか否かを判別する。ここで、始動保留球数Nが上限値に達していると肯定判別された場合にはステップS8106へ移行し、始動保留球数Nが上限値に達していないと否定判別された場合にはステップS8105へ移行する。
上記ステップS8102,S8103,ステップS8104から、それぞれ移行したステップS8105,S8106,S8107,S8108では、各遊技状況に対応して設けられた各種計数カウンタの値に、磁気検出回数の1回分(2msec毎)に相当する「1」を加算する処理を行う。その後、それぞれステップS8109へ移行する。
ステップS8105に係る通常時計数カウンタL1は、低確率モードの通常遊技状態で、始動保留球数Nが上限値未満である遊技状況下における磁気検出回数を計数するための手段である。同様に、ステップS8106に係る保留満タン時計数カウンタL2は、低確率モードの通常遊技状態で、始動保留球数Nが上限値に達している遊技状況下における磁気検出回数を計数するための手段である。また、ステップS8107に係る高確時計数カウンタL3は、高確率モード中における磁気検出回数を計数するための手段であり、ステップS8108に係る大当たり時計数カウンタL4は、大当たり状態中における磁気検出回数を計数するための手段である。
ステップS8109では比較処理を実行する。当該処理の機能が本実施形態における比較手段を構成する。具体的には、通常時計数カウンタL1の値と保留満タン時計数カウンタL2の値とを比較する処理、通常時計数カウンタL1の値と高確時計数カウンタL3の値とを比較する処理、及び、通常時計数カウンタL1の値と大当たり時計数カウンタL4の値とを比較する処理を行う。
続くステップS8110では、通常時計数カウンタL1の値が、保留満タン時計数カウンタL2の値の5倍以上(L1≧5L2)であるか、高確時計数カウンタL3の値の10倍以上(L1≧10L3)であるか、又は、大当たり時計数カウンタL4の値の100倍以上(L1≧100L4)であるか否かを判別する。
ここで、通常時計数カウンタL1の値が、保留満タン時計数カウンタL2の値の5倍以上、高確時計数カウンタL3の値の10倍以上、又は、大当たり時計数カウンタL4の値の100倍以上である場合には、異常有りとしてステップS8111へ移行し、他の場合には、異常なしとして、そのまま本処理終了する。
ステップS8111では、不正対処処理として、異常有りを報知するための設定処理を行い、その後、本処理を終了する。例えば、エラー表示ランプ106を点滅させるためのコマンドを表示制御装置45(音声ランプ制御装置262)へ出力するための設定などが行なわれる。これに基づき、音声ランプ制御装置262によってエラー表示ランプ106の点滅制御が行われる。なお、一旦、報知処理が行われた場合には、上記各種計数カウンタL1〜L4の値はリセットされる。
上記磁気センサによる磁気の検出があった場合のように、異常検知があった場合でも、その検知回数が1回だけの場合には、不正行為ではなく、単にノイズ等による偶発的な不具合である可能性も考えられる。
これに対し、例えば、低確率モードの通常遊技状態で、始動保留球数Nが上限値未満である遊技状況下など、遊技者(不正行為者を含む)にとって不利な遊技状況下において、異常検知が所定回数されていたにも拘らず、始動保留球数Nが上限値に達している状態や、高確率モード中、大当たり状態中など、遊技者にとって有利な遊技状況下になった途端に、全く検知されなくなった場合には、不正行為が行われていた可能性が高い。従って、上述した例のように、各種遊技状況における異常検知回数(異常検知態様)を比較判別し、所定の比較結果が得られた場合(L1≧5L2の場合など)にのみ、不正対処処理を実行する構成とすることにより、偶発的な要因を極力排除し、不正行為の判断精度を高めることができる。
なお、上記例では、異常検知態様として、各種遊技状況における異常検知の検知回数を比較する構成となっているが、勿論、比較対象はこれに限定されるものではなく、例えば継続検知時間や、所定時間内における検知時間や回数の割合(検知頻度)など、他の検知態様を比較する構成としてもよい。
より具体的な例として、例えば通常遊技状態中における大当たり状態発生直前の所定時間内に、異常検知回数が所定回数あったにも拘らず、大当たり状態発生直後の所定時間内に全く検知されなくなった場合には、不正対処処理を実行する構成としてもよい。
また、始動保留球数Nが「0」の場合、「1」の場合、「2」の場合、「3」の場合、上限値「4」の場合の遊技状況下における異常検知回数をそれぞれ記憶し、他の場合と比較して上限値「4」の場合の異常検知回数が極端に少ない場合に、不正対処処理を実行する構成としてもよい。
(l)上記実施形態では、遊技モードとして、低確率モードと高確率モードの2種類のモードが設定される構成となっているが、これに代えて又は加えて、例えば遊技球が減少しにくい状況で遊技を進行できる時間短縮モードなど、他の遊技モードが設定される構成としてもよい。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された入球手段と、
前記入球手段へ入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
異常を検知する異常検知手段と、
遊技状況を判別する遊技状況判別手段と、
前記異常検知手段による検知があった場合の遊技状況に応じて異なる処理を実行可能な制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、例えば不正行為者が不正に有利な状況を得られる状況下において、異常検知手段による検知があった場合には、遊技価値付与手段による所定の処理を中止し、不正行為者が不正に有利な状況を得にくい状況下において、異常検知手段による検知があった場合には、遊技価値付与手段による所定の処理を中止しないといったように、異常検知があった場合でも、遊技状況に応じて異なる処理を実行することができる。これにより、例えば異常検知手段による検知があった場合においても、むやみに警報を発する等しないようにすることができる。結果として、不正行為の判別精度を高め、真の不正行為に対しより適切な対応をとることが可能となり、不正行為を効率よく防止することができる。ひいては、遊技ホールにとっては、遊技者との無用なトラブルを回避し、円滑なホール運営を行うことができる。一方、不正行為とは無関係の遊技者に対し不測の不利益をもたらすおそれも低減される。
なお、遊技価値を付与することには、例えば、賞球の払出しを行うこと、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うこと、識別情報を変動表示することなどが含まれる。
手段2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された入球手段と、
前記入球手段へ入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
異常を検知する異常検知手段と、
遊技状況を判別する遊技状況判別手段と、
複数の遊技状況において前記異常検知手段により検知された異常検知態様を比較する比較手段と、
前記比較手段により所定の比較結果が得られた場合に、所定の不正対処処理を実行する制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。ここでいう「異常検知態様」には、異常検知手段による継続検知時間や、所定時間内の検知回数などが含まれる。
例えば、異常検知があった場合でも、その検知回数が1回だけの場合には、不正行為ではなく、単にノイズ等による偶発的な不具合である可能性も考えられる。これに対し、例えば、通常遊技状態など遊技者(不正行為者を含む)にとって不利な遊技状況下において、所定時間内に異常検知が所定回数されていたにも拘らず、大当たり状態など遊技者にとって有利な遊技状況下になった途端に、全く検知されなくなった場合には、不正行為が行われていた可能性が高い。従って、本手段2のように、比較手段により所定の比較結果が得られた場合にのみ、不正対処処理を実行する構成とすることにより、偶発的な要因を極力排除し、不正行為の判断精度を高めることができる。
手段3.前記比較手段は、少なくとも第1の遊技状況において前記異常検知手段により検知された異常検知態様と、前記第1の遊技状況よりも遊技者に有利な第2の遊技状況において前記異常検知手段により検知された異常検知態様とを比較することを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段4.前記制御手段は、前記第1の遊技状況における異常検知の検知回数、検知時間又は検知頻度が、前記第2の遊技状況における異常検知の検知回数、検知時間又は検知頻度より、所定の基準以上に多い場合に、前記不正対処処理を実行することを特徴とする手段3に記載の遊技機。
以下、第1の遊技状況及び第2の遊技状況に関する例をいくつか挙げる。
所定の入球検出手段からの信号入力を契機にして所定の当選確率で当落抽選処理を行う抽選手段と、
変動表示を行った後、前記当落抽選処理の抽選結果に基づく態様で停止表示を行う変動表示手段と、
前記当落抽選処理により当選結果が得られた場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態の発生処理を行う特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機においては、
前記通常遊技状態を第1の遊技状況とし、前記特別遊技状態を第2の遊技状況とすることができる。
所定の当落抽選処理の抽選結果を所定回数保留可能な保留手段と、
前記保留手段に保留された抽選結果に基づき所定の表示手段(変動表示手段)の表示制御処理を順次実行する表示制御手段とを備えた遊技機においては、
前記保留手段における保留数が上限に達していない状況を第1の遊技状況とし、保留数が上限に達している状況を第2の遊技状況とすることができる。
遊技モードを、通常モードと、当該通常モードよりも遊技者に有利な特定モードとに切換え可能な遊技機においては、
前記通常モードを第1の遊技状況とし、前記特定モードを第2の遊技状況とすることができる。
遊技球が入球困難又は入球不能な閉状態と、遊技球が入球容易又は入球可能な開状態とに切換り可能な可変入球手段を備えた遊技機においては、
前記可変入球手段が閉状態にある状況を第1の遊技状況とし、前記可変入球手段が開状態にある状況を第2の遊技状況とすることができる。
手段5.前記制御手段は、前記不正対処処理として、少なくとも前記遊技価値付与手段による遊技価値の付与に係る制御を中断又は中止させる制御を行うことを特徴とする手段2乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、遊技価値の付与を過剰に受けるといった入球検出手段に対する不正行為の抑制を図ることができる。
手段6.前記制御手段は、前記不正対処処理として、少なくとも所定の報知手段を制御し、異常報知を行うことを特徴とする手段2乃至5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段6によれば、入球検出手段に対し不正行為が行われているなど、何らかの異常が発生したことを遊技ホール関係者等が把握することができる。結果的に、不正行為などの早期発見に繋がる。なお、報知手段としては、ランプ等の発光手段、スピーカ等の音声発生手段、表示手段、ホールコンピュータ等の外部装置に対し信号を出力する外部端子基板等の外部出力手段などが挙げられる。
手段7.前記異常検知手段は、前記入球検出手段が誤作動し得る所定の周波数帯域の電波を検知可能な電波検知手段を含むことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段7によれば、電波を発信する機器を使用して、入球検出手段を誤作動させる電波ゴトと称される不正行為を抑制することができる。
手段8.前記異常検知手段は、磁気を検知可能な磁気検知手段を含むことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段8によれば、磁石を使用して遊技球を特定の入球手段に誘導する磁石ゴトと称される不正行為を抑制することができる。当該不正行為の例としは、所定の入球手段の近傍において、磁石を用いて複数個の遊技球を次々に停留させ、この停留した複数個の遊技球で「ぶどう」のような塊を形成し、この塊を用いて遊技領域を流下する遊技球を入球手段に向かって不正に誘導して入球させるという不正行為などが挙げられる。
手段9.前記異常検知手段は、振動を検知可能な振動検知手段を含むことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段9によれば、遊技機を叩く等して振動させることにより、入球検出手段を誤作動させたり、遊技球を所定の入球手段へ誘導するなどの不正行為の抑制を図ることができる。
手段10.前記遊技機は弾球遊技機(例えば、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機)であることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
手段11.前記異常検知手段による検知があった場合に、所定の異常報知(例えば特定者のみ把握できるような異常報知)を行う特定報知手段(予備報知手段)を備えたことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段11によれば、異常検知手段による検知があった場合には、それが不正行為に起因したものか否か定かではない段階で、例えば遊技者に気付かれないように、遊技ホール関係者に対し異常が発生している旨を報知することができる。これにより、警報を発する等の不正対処処理が実行される前に、事前に何らかの異常が発生していることを遊技ホール関係者等の特定者が把握することができ、不正行為に対する警戒態勢をとることができる。結果として、不正行為などの早期発見に繋がるとともに、遊技者との無用なトラブルを回避し、円滑なホール運営を行うことができる。